■編集・発行 東京大学生産技術研究所 / 広報室
IIS NEWS
No.176 2019.2
●人間・社会系部門 教授
大口 敬
IIS TODAY
本号の表紙を飾っていただいたのは、 次世代モビリティ 研究センター(通称 ITS センター)でセンター長を務め ておられる人間・社会系部門の大口敬教授です。東京の 交通シミュレーションを背景に、研究室に陳列された愛 らしい乗り物の数々とともにご登場いただきました。 大口先生のご専門は交通制御工学です。従来より遙か に詳しい交通状況をリアルタイムで信号機に把握させ、 歩行者や自動運転車が賢く道を譲り合う社会を実現しよ うとされています。制御とは、移動の自由を奪うのでは なく、自由で多様な移動を許容しながら安全で快適な交 通を可能にすることだ、という説明が大変印象的でした。 情 報 通 信 な ど の 新 技 術 を 活 用 し た ITS(Intelligent Transport Systems)。この言葉は日本発だそうです。 そして、生研は常にその研究の核になってきました。
越正毅先生、高羽禎雄先生、井口雅一先生といった生研 を中心とした東大の先生方が日本の ITS 研究を立ち上 げ、大口先生が長を務める ITS センターは、そうした 生研の先人たちが切り開いた分野を次のステージへと発 展させています。今年度7月に発足したモビリティ・イ ノベーション連携研究機構もその一つです。柏キャンパ スをフィールドに他部局と連携しながら革新的なモビリ ティ研究をおこなっています。 ところで、冒頭の写真にはけん玉が映っています。博 士課程在学中に当時、まだ研究室の若手スタッフだった 桑原雅夫先生に倣って始めたそうです。研究に行き詰 まったとき、多忙を極めたとき、気分転換に技の練習を するそうです。次世代モビリティの芽は、この赤玉から 生まれてくるのかもしれません。 (広報室 林 憲吾)