TORJA VOL.167 JUL 2025

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日本は 昨 年 夏からの「 令 和の米 騒 動 」が 起こっています。これは 、昨 年の米が 少し 不 作だったことと、インバウンドの急 激な増 加による米の消 費 拡 大 、そして南 海トラフ 地 震に関 連するとされる地 震があったことで、非常 用に米を買う人が 増えた 事など の複 数の要 因が 重なり、 気に日本 国 内の食 米が 不 足し、買いたくても買えない、買 うとしても高い、という状 況が 今も続いています。

政 府は 備蓄 米を緊急放 出しましたが 、これも初 期の 段 階では 入 札など、当たり前 の 事をしていたために、全く備蓄 米 は 市 場に出 回らず、 米の価 格はほとんど変わらず高 止まりしていました。

農 林水産 大 臣 が急遽 変 わり、小 泉大 臣になって、備 蓄 米 の 随意契 約に切り替え、5 月末には 安 い 備蓄 米 が 市 場に出 始めました。

この原 因のひとつとされている南 海トラフ地 震に関 連する地 震が 起こった事で、人 口の多い関西地 方の方々が 備えを再度確 認したり、次の地 震がもしも来た際に米な どを備 蓄するために動いたのは、災 害に対する備えとしては正しいと思っています。

東日本大震 災の時も、初 期の段 階で、米が 無くなりました。パスタなどでしのいだり しましたが 、やはり主 食が 無くなる、という恐 怖はすさまじく、そういった 経 験から、私 たちは常に家 庭に米などを備 蓄しています。

食 料はその 国の 国 民を養うとても大 事なものです。戦 争をしている国で、どんなに 強い兵 士がいても、どんなにすごい武 器があっても、昔から食 料が 無くなると必ず 負 けます。昔 の日本でも「 兵 糧 攻め 」などという言 葉あったとおり、食 料はその 国を支え る大変重 要なコンテンツなのだとあらためて今回 感じています。

さらに、今 の日本は 国 産の 米が昨 年から比 べて値 段が2 倍に跳 ね 上がり、高い 関 税をかけて輸 入した 外国 産の 米よりも高い 状 況です。ス パ などでは 、国産 米より も少しだけ 安 い 海 外 産 の 米も普 通に売られていて、もう今まで の 常 識 が 通 用しなく なっています。

このままいくと、海外 産の 米 の 輸 入は 高い 関 税がかかっていてもかなりの 増 加に なっている事から アメリカのトランプショックによる関 税 交 渉で 日本は 米の 輸入 関

日、在日カナダ大使館からお招き いただき、大阪・関西万博の「National Day of Canada」に参加してき ました。初めての万博体験。日帰りでの 滞在はわずか6時間ほどでしたが、その 体験はとても充実したものでした。

式典では 、カナダを代表するミュ ジシャンのパフォーマンスや 、先住 民 によるスピーチを拝聴 。その後はカ ナ ダパビリオンへ。日本とカナダ、それぞ れの文化や価値観が交差する空間でした。

他にも 、知人が関わってい る「住友館 」では 、“ 森の中でい の ちの物語に 出 会う”というコンセプトのインタラクティブな展示が展開されており、感性 を刺激される体験に 。住友館パビリオンは 、日本らしい緻密さと創造性 が 光っていました。

中でも圧倒されたのが、藤本壮介さんが手がけた世界最大の木造建築「大 屋根リング 」。ギネスにも認定されたこの構造物は 、スケール感と美しさ を 兼ね備えた 、まさに現代建築の 象 徴。半年後には姿を消してしまう と 考えると 、今この瞬間にこそ訪れ る べき場所だと強く思いました。

そして 、個人的に最も印象的だ っ たの が「音 」のデザインです 。会場 は 「地・空 水・森・街・祭・命」という7つ のエリアに分かれており 、それぞ れ にテーマに沿った音楽が流れて い ます。すべての楽曲は共通のBPMで 構成されており 、どこにいても自 然 に音がつながり 、空間全体が有機的に響き合うように設計されているの で す。この繊細な設計思想にとても感動しました。

またぜひ期間中に再訪したいと思える素晴らしい体験でした 。世界が 集 まる場所で 、日本やカナダの存在感をどう伝えるか 。そのヒントが 、確か に そこにありました。

NE OK ROCKのDETOX TOU R トロント公演に行ってきました! 前回観たのは去年の10月でしたが 、今 回はそれを遥かに凌ぐ熱量と完成度で、 まさに“進化”を体感する時間でした。  2022年、アルバム『Luxury Disease』 をリリースし 、北米ツアーで23公演 を 実施 。20 24年に は『Premonitio n World Tour』を北米で2公演完走しまし た。そして今年2025年。ニューアルバム『DETOX』を引っ提げたワールドツ アーでは北米と欧州を合わせて全31公演(北米15公演)を予定しています。 一見すると、今回の北米ツア (15公演)は2022年のツア (23公演)より 数が減少していますが 、実は各会場の規模が大きく拡大 。トータルの動 員 キャパシティを比較すると 、2022年の約5万人から 、2025年は約10万 人 と、倍近い動員数を実現しているのです。

ここまで彼らの活動の幅が広がった理由には、いくつかの要因があります。  まず、高い英語力と、海外プロデューサーとの積 極的なコラボによって 、世界基準の音楽制作が 実 現していること。さらに、直近映画ソニックの主題 歌に起用されたことや 、モンスターハンターと の コラボ楽曲、Linkin Parkとの共演などを通じてグ ローバルな認知度を一気に高めました 。加えて 、 MUSEやEd Sheeranといった世界的アーティス トのツアーサポートを務めたことも 、彼らを世 界 へと押し上げた大きな転機だったのではない で しょうか。

今回のライブで私は改めてワンオクの進化と 、彼らが世界に向けて発 信 しているメッセージの強さを感じました 。音楽性の素晴らしさは言うま で もなく、何より印象的だったのは彼ら自身が「日本人としての誇りを発信し ている」ということです。前回ライブ同様、英語版があるにも関わらず、ライ ブでは必ず日本語版で歌い、一部のMCも必ず日本語で行われていました。 これは決して観客が日本人ばかりだからではありません。実際、今回の公演 では白人やラテン系のファンが目立ち 、 「初めてワンオクのライブに来 た 人?」という問いかけに、観客の半数以上が手を挙げていたのです。

そんな中 、日本語で語るボーカルTakaの声に 、会場全体が静まり返る 瞬 間が何度もありました。この言葉が、今も胸に深く残っています。

「こうやって僕が日本語で話しているのに 、みんな一生懸命理解しよ う と、聞こうとジッと僕を見てくれている 。これが 、世界がひとつになるた め の一番大切なことだと思う。」

国も言葉も違う人々が、ひとつの音楽のもとに集い、心を通わせる―その 現場に立ち会えたことに、私は静かな感動を覚えました。20周年を迎えた彼 らの今後がさらに楽しみです。

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