ザ・ビューティー・オブ・エイト
The Beauty of 8
—美の軌跡—
出演:Taikoz 及びスペシャルゲスト小島千絵子とライリー・リー
芸術監督からのメッセージ こど う
こじまちえこ
「 鼓 童の名 誉 団員・ 小 島 千 絵 子は多くの タイコーズ アーティストとのコラボレーションを行う ザ・ビューティー・オブ・エイト ため世界を巡り続けていますが、 Taikozが
The Beauty of 8 (Bo8) のゲストアーティストと してお迎えすることができ、 うれしい限りです。 千絵子さんが美しい、情感溢れるダンサー であり、かつパワフルで優雅な太鼓演奏者で あることを生かして、本プログラムを創りまし た。今までの観客は千絵子さん、Taikozの団 員、音楽と舞台芸術が織りなす 「Bo8」 (美 の軌跡) にすっかり魅了させられました。」
概要 ザ・ビューティー・オブ・エイト
タイトルであるThe Beauty of 8 (Bo8)は、小島千絵子の 「女打ち」 という太鼓演奏スタイルの特徴である、心奪われる形や動きのこと物
パート2 我々の地平線は、エミリー・ディキンソンの短い詩がインスピレーションと
語っています。
なっています。
演奏者として、千絵子さんはまさに流れ、曲線美、優美と力を表し、こ
テニソンの詩とはまったく異なるものですが、何かが(少なくとも自分の中
のような言葉やイメージがプログラムのインスピレーションとなり、 そ
で) その二つをつなげます。 ディキンソンは短い文面から前進、広さを喚起
こからコンセプトが膨らんでいきました。しかしながら、千絵子さんと
しますが、テニソンのような壮大さがありません。 不確実性、物悲しさ、そ
私の会話がはずむにつれ、お互いに言葉に対する愛情があるとわか
して恐れが彼女の世界に潜み、同時に鳥のイメージが喜びを生じさせま
り、詩をより中心に置き、プログラムの形と発展に生気を与えることに
す。パート2は挑戦と変化というテーマを喚起する三つの作品(我らの地
しました。実際、選んだ詩はプログラム全体に浸透し、区切りと必然
平線は確定し―成る―真珠)からなりますが、今回は究極的な格闘が全
性を与え、以下の三つの部分を定義しました。
面に出ます。
• 永遠の沈黙 • 我々の地平線
パート3
• 白鳥
白鳥はパート2の終わりである 「真珠」 からはばたきます。鳥のイメージと共
パート1 永遠の沈黙は、アルフレッド・ロード・テニソンのユリシーズからの三 つの節から始まります。この偉大な詩は、未開拓領域の探索、後悔の ない人生を送り、年を重ねてからも新たな挑戦に挑むことへの希望 について語ります。自分の視野を広げていくことと文字通り新しい地 平線への旅についての様子がBo8に示唆を与えるものでした。六つ の巨大な大太鼓が地平線を呼び起こし、我々の音楽的な旅立ちの 舞台を彷彿させます。 パート1は四つの作品(ユーリシス、地平線、モーフ、流れ落ちる滝) で構成され、それぞれが前進、偉大なる挑戦そして人生の経験を通 して究極的に変化することを表します。
に、千絵子さんのインスピレーションの泉となる、短歌の朗読があります。 白鳥は孤独でしょうか。紺碧の空にも青い海にも溶け込まず、鳥は羽ばた き、鳥は浮かぶ。 「白鳥」 のイメージは、千絵子さんのパフォーマンス・スタイルを完全にとら えます。一方でわずかな哀しさをとらえ、他方で自由を感じるという二つの 方向性を持っているようにも思えます。公演の最後の方ではライリーさん の霊妙な尺八で千絵子さんが踊り、独自の創作舞踊の世界が全面に出て きます。 この繊細で非常に旋律豊かな場面は、次に展開するBo8のまとめ である演目 「花八丈(はなはちじょう) 」 で、踊り手から太鼓の演奏者に変 身する千絵子さんとの対比を見せます。 Taikoz 芸術監督 イアン・クリーワース
詩
アルフレッド・ロード・テニソン 私は、これまでに出会ったものすべてのものの一部分である。
さあ行こう、 みんな。
それでもあらゆる経験はそれを通して
まだ間にあう。新しい世界を探しに出発だ。
未知の世界がかすかに光る弓形の門であり、
ちゃんと並んで座れ、
私が進めば永遠に消えていく。
轟く海に舟の跡をつけよう。目指すところは今でも同じ、
そうだ、休んでいる暇はない。止まっていたら駄目になる。
沈む日の向こう側、星たちの浸る
鉄と同じで人も錆びる。磨けば光るのに!
西の海だ。死ぬまでにそこに行くぞ。
息をしていれば生きているというわけではない。日に日を重ねても
さあどうなるか、渦潮にのまれて沈むか
たいした山にはならない。
もうかつての強さはない。
しかもわたしにはもう日が残されていない。
天地を動かす力はない。だがありのままの
今後の毎時間をあの永遠の沈黙から救わねばならない。
わたしたちでいい。
もっと意味があるはず、新しいことができるはずだ。
気高い心は今でもひとつ、
岩がちらちら光ってきれいだ。
時と運命に痛めつけられても意志まで折れてはいない。
長い一日の終わり、月がゆっくり昇り、
力を尽くし、求め、探す。絶対に負けたりしない。
いろんな悲しい声が海から聞こえてくる。
詩
エミリー・ディッキンソン 我らの地平線は確定し それ以上は消えた 長距離飛行を試みた鳥が 一緯度を達成したよう これを振り返ってみれば 常に満足感がある だが事前の不安と恐怖は 危険と失望
詩
若山牧水 白鳥はかなしからずや空の青 海の青にも染まずただよふ。 白鳥は孤独ではないか。 紺碧の空にも青い海にも溶け込まず、 鳥は羽ばたき、鳥は浮かぶ。
ゲスト・アーティスト 小島千絵子 スペシャル・ゲスト・アーティスト こじまちえこ
おんでこざ
ライリー・リー 尺八ソロ演奏者
小 島 千 絵 子 は1976年に「 佐 渡 の 国 鬼 太 鼓 座 」に入 団
ライリー・リー は 19 97年 にTa i kozを共 同 設 立しました。
こどう し、初 めて日本 の 民 俗 舞 踊 に出 会 いました。1 9 8 1 年 、
酒井竹保の弟子として1971年から1980年まで尺八を学び、
鼓童の創設者の創立に関わりました。
1984年からは横山勝也を師と仰いでいます。
はなゆい
小島はまた、女性3人の唄と踊りのユニット 「花結」 やソロプロ
1980年には、彼は日本人以外で初めて大師範となり、1973
ジェクトの 「ゆきあひ」 などで新しい表現を求め、積極的に活
年からは鬼太鼓座の正メンバーとして太鼓を世界ツアーで演
動しています。
奏する日本人以外の初めてのプロフェッショナル演奏者となり
鼓童の太鼓中心の舞台の中では独自の舞踊の世界を切り拓
ました。
いています。2012年には鼓童名誉団員になり、文化庁の文
リーはハワイ大学から学士と修士を得て、 シドニー大学から
化交流使としてヨーロッパを訪問しております。
民族音楽学で博士号を取得。2003、2009、2011そして2016 年には、プリンストン大学の客員研究員となりました。
TAIKOZ 1997年以来、爆発的なエネルギーと莫大な力強さを洗練と優美さ
本グループは、 シドニー、メルボルン、西オーストラリアそしてク
と組み合わせた Taikoz は、鮮烈な演奏のために国際的に評価され
イーンズランド交響楽団だけでなく、ヨーロッパのドレスデン交
ています。
響楽団とのコンチェルトにも出演しました。また、Taikozは、オー
このアンサンブルは一年中、 オーストラリアの一流のコンサートホー
ストラリア音楽に対するTaikozのコミットメントを讃えて、シドニ
ルだけでなく、日本、アメリカ、 パリ、ニュージーランド、 バンコク、台
ーマイヤー舞台芸術賞を受賞しました。
タイコーズ
湾、アブダビでワークショップ、授業や演奏を行い、そして最近では インドでリンガラヤム舞踊団とのコラボレーション「チー・ウダカ」を 上演、好評を得ました。 このグループは、オーストラリア全国ツアーを5回行い、オーストラ リアの地方劇場にも定期的に公演を行なっています。Taikozはベ ル・シェークスピア・カンパニーのジョン・ベル、偉大な太鼓演奏者 はやしえいてつ
わたなべかおる
林英哲、ケニー・エンドウおよび渡辺薫、そして高明な振付師で
あるメリル・タンカードやアナンダバリと共演を行なってきました。 2012年には、Taikozはオーストラリア全国ツアーで鼓童と共演を行 いました。
ビデオ・ハイライト - https://vimeo.com/223879783 公演全体を見る - https://vimeo.com/223879219
レビューからの抜粋: シアター・ダイアリー (ケビン・ジャクソン) オーストラリア、 シドニー 「劇場、舞踊そしてコンサートブログ」 ヨーク劇場、 シーモアセンター、 チッペンデール、 シドニー 「The Beauty of 8」。2 0 1 5 年 1 0月2 3 - 2 4日 「Taikozはオーストラリアの創造芸術において、輝ける宝石であり、 オーストラリア室内楽団(ACO)との経験に匹敵します。 両者とも生まれ ながらのすばらしい音楽的完成を持つ 「匠たち」 から成り、 その情熱、練習を重ねた技は紛れもなく、稀れなものであり、彼らを超人的な芸 術という高みに引き上げます。」
パフォーミング・アーツ・ハブ デビッド・バーンビー 2 0 1 7 年 2月1 1日、 サウスバンク、 メルボルンリサイタルセンター、 アジアTOPAフェスティバル、 「The Beauty of 8」 「 高エネルギーの公演、豪奢な衣装、巨大な太鼓そして身体的表現。」 評 価:5つ星中4つ 「アジアTOPAにおける多くの公演は、 この公演のように、 オーストラリアおよびアジアの芸術家とのコラボレーションでした。日本のアンサ ンブル 「鼓童」 の創設者の一人である小島千絵子は、太鼓の演奏そしてすばらしく、表現力に満ちた踊りを通して、観客を魅了しました。 Taikozの創設者の一人である、 ライリー・リーの記憶深くに残る尺八の演奏は、深遠、 内省そして静寂をかもし出します。この90分の公演 の残りは、聴衆が求めていた、高エネルギーな演技、豪奢な衣装、巨大な太鼓そして身体的表現が登場。公演は失念すべきところはな く、終わり近くになり、Taikozが忘れることができない六つの大太鼓を力強く、一斉に叩く様子を見ながら、私たちは聴衆が総立ちの拍 手喝采を待ち受けているところのエネルギーを感じることができました。」
ツアー人員: 演奏者8名 舞台スタッフ2名 ツアー・マーネージャー1名 ザ・ビューティー・オブ・エイト
The Beauty of 8およびTaikozの詳細については、下記にご連絡ください。
リー・マックアイバー
Lee McIver(ジェネラル・マネージャー/プロデューサー) Synergy & Taikoz Ltd PO Box 284 Camperdown NSW 1450 Australia lee@synergyandtaikoz.com www.taikoz.com
ザ・ビューティー・オブ・エイト
The Beauty of 8およびTaikozの詳細については、下記にご連絡ください。 リー・マックアイバー
Lee McIver(ジェネラル・マネージャー/プロデューサー) Synergy & Taikoz Ltd PO Box 284 Camperdown NSW 1450 Australia lee@synergyandtaikoz.com www.taikoz.com
© Photos page 1, 2, 9, 10, 19, 20, 21 : Leo Bonne © Photos page 5, 6, 7, 13, 16, 17, 20, 22 : Michael Christian