パークレットラボ_アニュアルレポート2017

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chapter 0|パークレット・ラボ概要

chapter 1|パークレットの定義

chapter 2|海外事例の現在

chapter 3|国内事例の現在

chapter 4|提言

①パークレットに関する知見の共有と普及

サンフランシスコ市など米国都市での取組みや日本国内での実践に関する情報の発信、国内外のパークレットにまつ わる制度や概念の普及啓発を目指します。

②日本版パークレットの探究

関連する政策や制度、国内における道路空間の問題などについて協議できる場をつくりながら、日本ならではのパーク レット的空間のあり方を確立することを目指します。

MEMBER|メンバー

パブリック・パークレット・ジャパンHP立上げ パークレット・ラボ♯2 with神戸市

パークレット・ラボ#3

パークレット・ラボ#4

パークレット・ラボ#5

パークレット・ラボ#6 社会実験MTG

パークレット・ラボ#7

パークレット・ラボ#8

パークレット・ラボ#9

パークレット・ラボ#10

御堂筋パークレットヒアリング

パークレット・ラボ#11

ラボ議論テーマ

ストリートウィーク企画

ソトノバTABLE ♯16について

パートナーシップ締結

ストリートウィーク企画・アイデアソンの振り返り

ストリートウィーク企画・アイデアソンの議論まとめ

関連イベント/パークレット社会実験

ソトノバTABLE#16

Public Parklet Japan 2017開催

海外事例の整理

国内事例の比較

国内外事例の比較・整理

国内外事例の比較・整理

アニュアルレポート作成に向けて

ストリートウィーク・大宮パーキングデー(9/15-24)

ソトノバTABLE#20「これからの日本のストリートの未来をつくろう!」

新宿通り ストリートシーツ

栄(名古屋) パークレット社会実験

御堂筋パークレット

SCHEDULE|2017年度活動内容

ーイベント企画

(新宿ストリートシーツ、ストリートウィーク)

ー国内外事例収集、比較検討

ーソトノバTABLEの準備

ーソトノバTABLE#16の開催

「Public Parklet Japan2017

日本らしい『パークレット』を考えるアイデアソン」

先進事例の紹介

▶サンフランシスコのパークレットについて(泉山氏)

▶KOBEパークレット(大西氏・桝井氏)

▶錦二丁目プロジェクト(村山氏)

みんなで考えるアイデアソン

▶日本のストリートにおける課題  日本版パークレットについて議論 ●

世界中で毎年9月第3金曜に行なわれて

いる「パーキングデー」*、毎年9月22日に 設定されている「カーフリーデー」**。

両日をまたぐ、9月15日(金)~24日(日) を「ストリートウィーク」と名付け、道路空間 利活用に関するイベントを集中的に開催す

る一週間にする。

ーパーキングデーの実践

ーソトノバTABLE#20の開催

「ストリートウィーク特別企画!

これからの日本のストリートの未来をつくろう!」

1 パークレットの定義

パークレットがあるから人が来るのではなく 人がいるところでパークレットは機能する。

“ People do not come because there is a parklet, but Parklet functions where there are people.”

Park(ing)day |パーキングデー

2005年にアメリカ・サンフランシスコ市で、REBARによって始まった。

毎年9月第3金曜日に世界中で行われている。

パブリックスペースの使い方や活用方法を再考するためのプレゼンテーションやデ モンストレーションでもあり、市民やステークホルダーなどと会話やコミュニケーション をするきっかけにも使われている。

駐車スペース(路上コインパーキング)に、メーターに駐車料金を払って、芝や椅子な どを広げるように使われている。

1日限定の仮設的なものである。

各都市で、独自のパーキングデー・マニュアルをつくり、市民や誰もがアクションでき

る環境をオープンソース(WEB上にPDF公開)で閲覧し、各都市で、ルールを守っ て、Park(ing)dayを実施できるようにし、ムーブメントにしている。

Parklet|パークレット

歩道を拡張したもので、通りを利用する人々のためにより多くのスペースとアメニ ティを提供する。

通常、パークレットは駐車場に設置され、複数の駐車スペースを使用する。

典型的には歩道の高さにある歩道から隣接する駐車スペースの幅まで伸びている。

通りの活動を取りながら、留まり、座って、休息する場所を提供する。

人が使うことを目的としていない場合、緑地、アート、またはその他の視覚的なアメニ ティを提供する可能性がある。

自転車の駐車を収容することができるか、または自転車の駐車がそれに関連付けら れてもよい。

常設と考えることができるが、縁石や道路に損傷を与えることなく、除雪などの緊急 事態やその他の理由で迅速かつ簡単に取り外すように設計する必要がある。

パブリックである。広告禁止で、飲食サーブも禁止である。テイクアウトなどで利用者 が自由に使うことは許されている。パブリックスペースの証のために、独自のパーク レットサインを設けることを推奨する。

最初に実施されたパーキング は500ドル。 以降、参加者によるものは、お およそ0~1,000ドル。

2005年秋 Rebarがパーキングを 初めて実施する

2006年9月 初めてのパーキングデー

2006年夏 マニュアル発行 年に一度の実施日も決定

プロジェクト成功の鍵

2007年9月 パーキングデー 2008年9月 パーキングデー

2008年春 パーキングデー ネットワーク発足

企画の背景

2008年夏 ヴェネチア・ビエンナーレにて 紹介される

駐車スペースの活用は、サンフランシスコでパーキングデーが始まる2005年時点では、計画 者のなかでも全く一般的ではなかった。パーキングデーの創始者であるRebarは、駐車に関 する取り決めとサンフランシスコ市によるオープンスペースの計画を読んで、次の二点を突 き止めている。

1,2台分の駐車スペースに設置 される。規模はXS。

毎年、少数の設立メンバー と、1000を超えるグループ が参加。

出資 参加者 規模 主導権 短期間 行政主導 ユーザー主導 長期間

設立メンバー

デザイナー/参加者 市や組織の代表者

2009年9月 パーキングデー 2010年9月 パーキングデー 2011年9月 パーキングデー 2012年9月 パーキングデー パーキングデー 継続中

2009年夏

サンフランシスコ市にて パークレットの社会実験実施

成功度

2012年秋 パークレット・プログラム始動

パーキングは、どんな人でも実践でき、かつ気軽に参加するための枠 組です。また、多くの人やお金を巻き込む大きな動きにもなることもあ れば、一個人がタダ同然でつつましくも実践できるものでもあります。

フレキシブルかつシンプルなアイデア オープンソース

パーキング実践のための説明書は誰でも手に入れることができます。 参加者は自分たちのやり方をウェブ上に投稿します。

広告無しであれば商標登録可

商業利用しないのであれば、無料で「パーキング」の名称とライセンス を冠することができます。パーキングを宣伝広告の手段にさせません。

豊富な敷地

駐車スペースは世界中ほとんどの都市に有り余っています。

写真の可能性

主催者は、頻繁にパーキングの様子を写真に撮り、オンラインで共有し てください。それが伝えたい意図を拡散させるのに役立ちます。

法規制に触れないように活動する

一般的に、パーキングデーは駐車スペースの中でのみ許されます。

(1) 市のマスタープランによると、1stストリートとミッション・ストリートあたりの中心市街エリ アは十分なオープンスペースを設けられていない。

(2) 駐車スペースを自動車以外のために利用することは特に禁止されていない。

プロジェクトについて

まず第一に、パーキングとは、芝生、木、ベンチ、ボラード、看板を一時的に設置するもの。そし て、道行く人に対し、その空間を楽しめたのであれば、パーキングメーターにお金を入れても らうこととなっている。これは、2005年サンフランシスコ市内の1stストリートとミッション・スト リート近くの駐車スペースに、法により定められた2時間に限り、Rebarが実践したものであ る。このプロジェクトの様子を撮影した写真は、あるブログに投稿された。数ヶ月後、Rebarの もとには他の都市でもやってくれと世界中から依頼がくるようになっていた。

その依頼に応じるため、Rebarは、誰もが自らの手で実践できるように、オープンソースの手 引きガイドを作成。翌年、Rebarは最大限の効果が得られるように実施日を取り決め、9月の第 3金曜日を「パーキングデー」とすることを発表した。The Trust for Public Landと二年間の提 携、スポンサー支援の合意を得て、パーキングデーはアメリカやヨーロッパ中の数百都市に まで拡大。また、Rebarはオンライン上のフォーラムとしてパーキングデー・ネットワークを作 成し、参加者がパーキングの情報や記録を共有、収集できるようにしている。わずか6年の間 に、このパーキングデーは、世界中の都市で数千もの実践が行われるにまで成長したのだ。 また、実施1年目で、社会参加や地域貢献の一形式として、パーキングデーはさまざまな都市 の職員によって利用されることとなった。

世界規模の認知度を誇り、デザイン分野、都市のサステイナビリティ分野において国際的な 評価を得ているパーキングデー。2008年のヴェネチア・ビエンナーレで取り上げられて以来、 コミュニティの組織づくりや活動に関する学術的な文献はもちろん、都市、ランドスケープ、 アーバニズム、サステイナビリティに関する出版物でも何度も引き合いに出されている。パー キングデーの実施は自己報告なので、何ヶ所で行われたか数え上げることは難しいが、Rebar によれば毎年世界中で800以上のパーキングデーが行われており、これまでに約1万人もの 人々が参加したとされている。現段階で十分なクラウドソーシングが得られており、今後組織 を増やさなくとも、パーキングデーは毎年続いて行くだろう。

成果と影響

サンフランシスコのパーキングデーにおける最も具体的な成果は、同市がパークレット・プロ グラムを発足させたことであろう。都市プランナーとサンフランシスコ市役所は、パーキング デーを見て、恒久的なものにできないかと考えたのである。The 1985 Downtown Plan内で、 現在「パークレット」と呼ばれている小さなオープンスペースについて触れられていたことも あり、サンフランシスコ市は、パーキングをベースにして、市内数カ所で2,3台分の駐車ス ペースをパブリックスペースに変える社会実験を行うに至った。ちなみに、そのうちのいくつ かはRebarのデザインによる。この社会実験は成功した。実験で浮き彫りとなった、維持管理 等の現実的、組織的な課題を受け、市は一時的な広場利用や社会実験を並行して行うため 新しくペイブメント・トゥ・パークス・プログラムを施行。当プログラムのもと、パークレットの設 置を推し進めることとなった。包括的な手引書とガイドラインをつくり、サンフランシスコは パークレットの全国的なモデルケースとなっている。パーキングデーもまた、ベターブロック・ プロジェクト等と同様に、プレイヤーをかき立てるプロジェクトだとして見なされることとなっ た。

増加するパークレットのある都市

2005年のRebarによるPark (ing)の実施をきっかけに、サンフ ランシスコ市ではパークレット・プロ グラムを自治体の施策としました。

サンフランシスコのこうした動き が、共感を呼び、2010年代にパ イロット・パークレット(社会実験) の数が伸びています。

また、プログラム化する都市も徐々 に増加傾向にあります。

累計実施数

Rebarによる Park(ing)

初めてのパーキングデー 以降、毎年9月第3金曜日実施

サンフランシスコ市 でプログラム化

パークレット関連プログラムの実施都市数推移

国内事例の現在

日本における道路の課題 車>人間。車の方が優先されてしまう。

都市と地方では状況が異なる。

違法駐輪多い。

滞留空間が少ない。

自転車に乗るスペースが無い。 ストリートは移動だけのためのもの?

立ち止まっちゃいけない感。

交通管理者と道路管理者が異なる。

Public Parklet Japan 2017

「日本らしい『パークレット』を 考えるアイデアソン」

(開催日|2017.5.11)

安全重視すぎて まちづくりしづらい。

御堂筋(2017~)

神戸(2016~)

新宿(2017)

池袋(2015)

池袋|

錦二丁目(2016)

栄(2017)

池袋駅東口グリーン大通りオープンカフェ社会実験 | 2015

実施日時|2015.10.24-10.30

実施場所|池袋駅東口グリーン大通り

実施主体|Knit Green実行委員会・豊島区

設置形式|仮設

設置期間|7日間

設置場所|歩道

主設置物|人工芝、パラソル、チェア、テーブル、カウンター

国内事例の状況

● 期間| 社会実験として実施するものがほとんどである。

● 設置場所| 車道(駐車スペース含む)への設置のハードル高。また、日本は比較的広い歩道をもつことも、歩道への設置が選択される理由のひとつ。

● 沿道管理・投資| 行政主導かどうか、管理体制の違いが大きい。

● 広告・フリー席|サンフランシスコオリジナル型に倣っているところがほとんど。

● サイン| 各行政でオリジナルのサインを設けているところも。

● マニュアル・許認可| 行政による単発の社会実験となるケースがほとんど。実施までの流れがサンフランシスコとは異なる。

日本版パークレットガイドラインをつくろう

日本でも存在感を増しつつあるパークレットですが、各地の自治体が試

行錯誤して導入をはじめた段階です。

「どこに」:立地/配置

パークレットが本当に必要な場所はどこなのか? 「どんな」:デザイン

ストリートの魅力を高める設え、利用者目線のファニチャーのあり方とは? 「どのように」:導入プロセス

デザインやマネジメントのプロセスに巻き込むべき人とは?

といった現場の疑問に答えるようなガイドラインを作成します。

そのために、ラボでは、アイデアソンや調査をさらに重ねていきます。

ガイドラインは、日本のストリート事情に沿ったパークレット像を普及する ためにとても重要なツールとなります。

一目で 空間像を伝える

パークレットの質を保証していこう

パークレットは、自治体が市民や来街者に優しいまちづくりを行っている

ことを象徴する取組みの1つです。

パークレットを設置すること自体が目的ではなく、

パークレットが本来のあるべき機能を果たして、市民に笑顔で利用され るような空間となっている必要があります。

パークレットとして備えるべき条件を満たしている場合に、認定をすること で、質を保証し、きめこまやかな空間づくりを啓発します。

ガイドラインと同時に、こうしたパークレットの質保証制度の導入を検討 していきます。

バンクーバー市のガイドライン 導入プロセス のチェックリスト

シアトル市:すべての認可 パークレットにサインの設置義務有り

日本版の保証サインロゴ案 (検討中)

サンフランシスコ市のガイドライン

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