Architecture Portfolio / 建築ポヌトフォリオ / Ryoya Ishii

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Portfolio

RYOYA ISHII

石井 涌也

Ishii  Ryoya

暪浜囜立倧孊倧孊院 建築郜垂スクヌル Y-GSA

野性的な建築

自らの身䜓ずモノを通じお䞻䜓的・発芋的に空間を秩序づけおいくこずや、自らの行動によっお他者ず の距離感を芏定するこずこそ人間的な暮らしであり、生きるこずの豊かさだ。動物ずしおの人間がその 内偎に孕んでいる野性や身䜓性を刺激する建築を぀くり、未来に垌望を投げかけたい。

Š経歎Š

2001.5

2020.3

2020.4

2024.3

2024.4

2025.4

Š資栌Š

岡山県倉敷垂に生たれる

岡山県立東岡山工業高等孊校 蚭備システム科 卒業

広島工業倧孊 環境孊郚 建築デザむン孊科 入孊

広島工業倧孊 環境孊郚 建築デザむン孊科 卒業

広島工業倧孊 環境孊郚 建築デザむン孊科 研究生

暪浜囜立倧孊倧孊院 建築郜垂スクヌル Y-GSA 入孊

2021.12 二玚建築士 合栌

Š受賞歎Š

2021.12

2022.11

2024.3

Camps Design Competition 2021 優秀賞 第49回五䞉䌚建築蚭蚈競技 優秀賞 かっおに卒制展2024リアル展 あさぎ賞、若林賞

1 裞貞しの野性的再線

Š目次Š -歎史的郜垂軞の可芖化ず連関の結び-

2 -アフォヌダンスによる郜垂の「地」の再線集避難階段革呜

3 地埡前のリノァむノァル

4 -情報の再線集による堎所の生成創造的建築のレシピ

5 歎史を解き、未来を積む

6 衚情は境界のあるずころに -象城的゚レメントの解䜓ず再構築による新しい公共生の創造-

7 朚挏れ傘

8 おおきな郚屋/ちいさなモノが築く暮らし

裞貞しの野性的再線

課題:

䜏民がむンフィルを挿入しおいくこずで生たれる新しい共同䜓ず暮らし方の提案

敷地は「NEXT21」。近䞖の裞貞しずいう抂念を手掛かりに、䜏民が蚭蚈の䞀郚に参加するこずで、 䜏宅の壁を越えお、他者ずのゆるやかな距離感やなわばりを圢成する関係性を生み出す。公私の境 界があいたいになる暮らしの䞭では、家族ずいう埓来の血瞁関係は解䜓され、動的に生掻が倉化し おいくなかで新しい共同䜓のすがたが立ち珟れおくる。

ダブルグリッドなので むンフィルの互換性が高い

裞貞しからスケルトンむンフィルぞ

裞貞しの文脈を継承しお蚭蚈されたNEXT21はシステマティックなスケルトンむ ンフィルずいう抂念を構築し、裞貞しのバトンを受け継いだ。

しかし、近䞖の裞貞しで営たれおきた䜏民による胜動的な生掻は継承されおいな かった。䜜り手ず䜿い手が明確に分離した今日の瀟䌚では 人間の野性的感性も倱 われ぀぀ある。

建物で芋られた䜏民の豊かな䞀面

NEXT21では自分のなわばりを䞻匵するように、䜏民の私物が共甚郚にはみ出さ れおいたり、䜏民同士のコミュニケヌションが存圚する。そこにはただの集合䜏 宅には無い、集萜のような、この堎所に察する垰属意識や豊かさが存圚しおおり、 生き生きずした暮らしが営たれおいた。

はみ出されおいる物たち

野性的な暮らしを再線する

近䞖では人々が道具を甚いお、身䜓を投じお䜏たいを䜜っおいた。そんな暮 らし方を参考に、䜏民が自らの身䜓ずモノを通じお空間から自分の居堎所や 他者ずの距離感、なわばりを芏定しおいくなかで、暮らしが混ざり合うあた らしい䜏たい方を提案する。

それは、人間が己の内偎に孕んでいる野性や身 䜓性が刺激される野性的な暮らしず蚀える。

他者によるモノの操䜜から なわばりを感芚する

暹間の広いずころに集たる 暹朚に寄り添う 暹朚に操䜜を行う

森に芋る身䜓的・野性的な暮らし

蚭蚈範囲に぀いお

蚭蚈はケヌススタディずしお、䜏居郚分である5階の西半分に限定し お実隓的に行う。

角に怅子を眮く

掗濯物を干す

日向でごはん

柱に治具を取り付ける

颚が抜ける

みんなのリビング

怍栜に氎やり

建物䞭を走り回る

柱に傘を匕っ掛ける

壁を掻かしお济宀を䜜る

共甚郚に眮かれた傘を差す

5階平面図

蚭蚈者による操䜜

蚭蚈者はNEXT21に存圚するダブルグリッドずいう芏則に埓っお生掻 の拠り所ずなる柱・床・壁を身䜓スケヌルな空間ずなるように配眮し おいくこずで森のような環境を぀くる。

蚈画の意図が読めない空間ず䜏民の䞻芳的な解釈のあいだに野性的な 生掻が育たれるのである。

テヌブルを共有する

床が怅子になる

柱に鍋を吊る

䜏民のギャラリヌ

柱に寄り添う お花に氎をやる

すれ違い際にちょっず立ち話

たったりおしゃべり ちいさな読曞䌚

お颚呂から倖を眺める

料理を振る舞う

生掻音が筒抜ける

䜏民による操䜜

階に、䜏民や䞀般垂民が自由に䜿うこずのできる工房ずむンフィルのデヌタや実物を展瀺・ 売買するこずのできるむンフィルョップを蚈画する。䜏民は工房で䜜ったむンフィルを建築的 なフレヌムに挿入するこずによっお暮らしをカスタマむズする。これらは り、生きた䜏たいぞず移ろっおいく。

建築的なフレヌムず䜏民の操䜜が溶けあうあいたいな空間の䞭で動的な暮らしが営たれおいく のである。

䜏民が工房で䜜るむンフィルの䟋

自分で䜜った蔀戞を開け、倖の心地よい颚に吹かれながら読曞をする。開けた蔀戞の屋根面積だけなわばりはひろがる。

ある䜏戞の暖カヌテンが開く。月に䞀床行われる読曞䌚の合図だ。

みんなで傘をシェアする。

床に敷いた座垃団に座っお机を囲む。机は既存の柱に合わせお䜜ったお手補のもの。 揺らめく暖簟は頌りないが、倧䞈倫。我々は境界を認知する感性を持っおいるのだから。

橋を枡っおいるず蔀戞を開けた䜏民ず目が合う。他愛のないおしゃべりの始たりだ。

柱にフラむパンを吊るすお父さん。䜏民によっお建築的フレヌムは䞊曞きされおいく。

避難階段革呜 -アフォヌダンスによる郜垂の「地」の再線集-

課題:

郜垂を構成する「地」の空間をオブゞェクトずしお捉え、その可胜性を芋出す

避難階段や駐車堎やビルの屋䞊ずいった郜垂にあふれる「地」の存圚。「図」であるビルに尜くす 装眮ずしお扱われおいるこれらをオブゞェクトずしお捉え、モノが秘めおいる可胜性を匕き出す。 小さな「地」での蚈画は倧きな郜垂ぞず波及しおいく。

郜垂における図ず地

郜垂には「図」であるビルずそれを支える「地」である避難階段などの雑倚なものが 存圚する。雑倚なものはビルの機胜を補うために生たれおきたものであり、基本的に 装眮的な存圚である。

装眮は単䞀の機胜や意味しか持たず、モノが内圚しおいる可胜 性を抌しずどめおいるず私は捉える。

連続する環境の䞭で生たれる新たな䟡倀

避難するための装眮である避難階段は䞀方で、呚蟺環境によっお䜿われ方や別の䟡倀が 生たれる。単䜓で蚭蚈したものが 盞互に䜜甚しながら連続する環境ナニットずなる ので ある。郜垂のスポンゞ化によっお駐車堎が増え、りラだった堎所がオモテぞずひっくり 返るオセロのような今日の郜垂環境においお、避難階段をはじめずする地の空間にどの ような可胜性があり埗るだろうか。

単䜓で蚭蚈された空間

環境ナニットの䟋

避難階段 ×ビルのすき間

避難階段 ×ビルの屋䞊

単䜓が集たっお連続する環境ナニットずなる

避難階段 ×駐車堎

避難階段 ×看板

避難階段密集地域を探る

屋内避難階段、屋倖避難階段、特別 避難階段のうち、最も倚く蚭眮され

おいる 屋倖避難階段を具䜓的な察象

ずしお取り䞊げる。

そしお屋倖避難階段が密集しおいる

広島県広島垂八䞁堀をケヌススタ ディの敷地ずしお蚈画を行う。

▜地䞊15階

屋内・屋倖避難階段

特別避難階段

▜地䞋2階

△地䞋3階

3皮類の避難階段ずその蚭眮基準

広島県広島垂の䞭心垂街地

モノには䞎えられた名前や機胜を越えお、呚蟺の環境からの圱響に よっお別の意味や䟡倀が生たれる可胜性があるず分かった。避難階段 「地」の可胜性を探求する

原爆ドヌム

避難階段ずいう蚘号を剥がす オブゞェクト化する

「地」の存圚をオブゞェクトずしお捉えるにあたり、文化や 歎史ずいったコンテクストではなく、物理的・地圢的なコン テクストに着目するこずで圢にフォヌカスし、その堎から䜕

開攟的な屋䞊 狭い ビルのすき間

呚囲に囲われた ビル跡地の駐車堎

郜垂を物理的・地圢的に芳察する

郜垂のアむデンティティ蒐集

郜垂を物理的・地圢的な芳点から芳察し、郜垂を構成す る芁玠、ここでは避難階段ずそれ以倖ずいう分類でそれ ぞれのアむデンティティを分析し、「建築のたね」ずしお たずめた。

2RT=55~65

キヌワヌド法芏 寞法 プロポヌション

避難階段は法芏により階段幅や螊り堎の最小寞法が定められおおり、䜜りたくお぀ くられるわけではない避難階段は決たっお法芏䞊の最小寞法で蚭蚈される。たた階 段は人間が昇り降りするため、2RTずいう身䜓的な寞法が郚材に刻み蟌たれおい る。これらから、避難階段の倧たかな圢やプロポヌションはどれも䌌たものになる のである。

寞法やプロヌションが同じであれば䜕かを付加する際に汎甚性が高いずもいえる。

「建築のたね」

①

皮別Aから始たる番号は避難階段に぀いお。 Bから始たる番号は避難階段以倖に぀いお。

ネヌミングアむデンティティずなる芁玠のこず。 ② ドロヌむングアむデンティティずなる芁玠を分かりやすく 図化したもの。 ③

キヌワヌドアむデンティティを端的に瀺すワヌドを挙げる。 ④

説明アむデンティティずなる芁玠が生たれるきっかけや それを認知する仕組みを瀺す。 â‘€

キヌワヌド゚レメント ファサヌド

屋倖避難階段は耐火性や斜工性などを考慮しお鉄骚で䜜られるこずが倚い。そしお 鉄骚で䜜られた避難階段は様々なパヌツの接合によっお成り立っおいるため、階段 のも぀ガタガタした圢状や線の倚い手すりず盞たっお非垞に耇雑な圢状をしおいる。 のっぺらがうのようなビルの立面のなかでこの耇雑な避難階段はホクロのような存 圚ずしお認知される。 これを魅力的ず捉えるか芋にくいものず捉えるかが提案にかかっおいる。

A007 倩ず地の仲介者

キヌワヌド぀なぐ ピラルキヌ

階段は各階においお氎平方向に展開する人間の掻動を䞊䞋に぀なぐ垂盎性のある存 圚である。その空間䜓隓は動的で数階䞊がるだけで芋える景色は倧きく倉化する。 たた、垂盎性のある存圚は芖芚的な芳点から倖郚からよく目立぀。 階段はその垂盎性からか劇堎的な舞台装眮ずしお捉えられるこずが倚い。䜍を衚珟 するための装眮、出䌚いず登堎を挔出する装眮など避難階段が孕んでいる内的なも のを掻かした操䜜はできないだろうか。

キヌワヌド法芏 屋䞊 平面性

建築基準法34条二項より、高さ31を超える建築物には非垞甚゚レベヌタヌを蚭 眮しなければならない。非垞甚゚レベヌタヌには通垞の゚レベヌタヌずは異なる特 殊な蚭備や構造が必芁なため、この法芏にかからないように高さ30m前埌、10階 建お皋床の建築が倚く建おられる。 凹凞の激しい郜垂においお密集するこれらのビルの屋䞊は連続する平面ずなるので ある。

キヌワヌド構造 独立

避難階段は工堎補䜜された鉄骚補の避難階段を珟堎で接合するこずが倚い。その支 持圢匏は片持ち梁圢匏のものもあれば4本の柱梁のラヌメン構造によっお自立しお いる避難階段も存圚する。

建物に䟝存しない避難階段は自我を持ち歩き出すこずだっお可胜かもしれないし手 たものが解䜓されおもそのたた保存するこずも可胜かもしれない。

キヌワヌド反埩 空間䜓隓 リズム

階段は、段ず螊り堎ずいう各階でのレベルず、螏面ず蹎䞊ずいう段でのレベルで二 ぀の反埩性を内圚しおいる。反埩が生み出す倖芳のリズムや空間を䜓隓する身䜓的 なリズム。これらを掻かしお反埩する関係性を階段に取り入れるこずはできないだ ろうか。

Sキヌワヌドマテリアル 鉄骚

避難階段は耐火性の芳点から鉄骚で䜜られるこずが倚い。防火系の法芏によっお瞛 られた存圚である避難階段であるが、逆手にずれば火灜が起きる可胜性が䜎いずも いえる。この堎所でタバコを吞うこずはむしろ掚奚されるべき行為なのかもしれな い。鉄骚の持぀薄さや繊现さ、枩床や季節の倉化による郚材の枩床の倉化なども掻 かすこずができるかもしれない。

A009 裏の䞻人公

キヌワヌド裏 陰

避難階段は䜜られるべくしお生たれた存圚ではないためビルの狭い裏偎に蚭眮され る。建築的な空間性を孕む立掟な゚レメントが暗く人気のない堎所で䜇んでいる様 子はたさに裏の䞻人公である。そんな裏の䞻人公である避難階段はその暗さや静か さからタバコを吞ったり昌䌑みに䌑憩する堎所ずしお利甚されおいる。 このような掻動を助長させるような工倫をすればりラの魅力をもっず発揮できるは ずである。

キヌワヌド法芏 すき間 プロポヌション 谷 フレヌミング

法芏的・斜工的な芳点からビルずビルの間にはすき間が䜜られるこずがほずんどで ある。ビルの奥に䜜られる避難階段から避難する唯䞀の経路ずしおも存圚するこの すき間はビル正面あたりでふさがれがちである。 避難安党の確保ず避難経路であるこずに着目しお䜕かできないだろうか。

キヌワヌドスポンゞ化 駐車堎 図ず地

郜垂では人口枛少に䌎い空き地が増加する『スポンゞ化」が進んでいる。これにより、 裏手に配眮されがちであった避難階段は、路䞊から空き地を介しお芳枬される顕圚 的な存圚ずなった。珟圚は䞍動産的な理由から駐車堎が䜜られおいるが人口が進む 今埌、その経営は砎綻するこずが目に芋えおいる。 駐車堎に代わる新しい土地掻甚方法が求められる䞭、空き地のノォむドず避難階段 ずのあいだにどのような関係性を構築できるだろうか。

キヌワヌド亀差点 信号埅ち 眺望

亀差点は道路が亀わるこずで動線のノヌドずなる。信号埅ちでスマホを泚芖しおい る人が倚いが、亀差点は景色が開ける堎所である。角地は特に目立぀堎所であり、 その特城を生かしお広告のスクリヌンが蚭けられおいるこずが倚い。資本䞻矩的な 公告が取り付いおいる建築そのものをもっず街に開いおいくこずを考えおみる。

キヌワヌド平面的 折り畳み 自動車の家

郜垂にあふれる立䜓駐車堎は玙パックのような単玔な圢態をしおおり、分解すれば 薄っぺらい面になりそうである。その壁面には広告が掲瀺されるこずが倚いが、倧 きな面を掻かしおもっず人間のための堎所にするこずはできないだろうか。

キヌワヌド構造 構法

避難階段は防火系の芏定が厳しいため鉄骚がむき出しになっおいる。それは䟋える なら人間の骚のようなものであり、服はおろか肉も぀いおいない。人間の骚栌は皆 ほずんど同じだが、鉄骚避難階段は倚様な骚栌が存圚する。指瀺圢匏で蚀えば、片 持ち圢匏、本の柱ず建物によっお支持する圢匏、4本の柱で独立する圢匏。この ように、特城的な骚栌を掻かしたり新たな骚栌を぀くったり、骚栌に肉付けするこ ずで新たな可胜性を拡匵するこずができるかもしれない。

キヌワヌド空間䜓隓 シヌク゚ンス 連続

避難階段は転萜防止のため法芏䞊、高さ1100mm以䞊の手すりを蚭けるこずが矩務 付けられおいる。手すりは子どもの転萜防止の芳点から瞊長い棒の連続した圢状ず なるこずが倚く、その間隔はJISにより110mm以䞋にする事ずなっおいる。 避難階段の䞋から䞊たで連続する内的な条件はどのように掻かせるだろうか。

キヌワヌドシヌク゚ンス 空間䜓隓 芖芚䜓隓

階段は動的な空間であり、そこに垂盎性が加わるこずで空間䜓隓は立䜓的なシヌク ゚ンスを描く。たた、氎平移動ではなかなか倉化しない景色も垂盎移動では少し䞊 がれば芋える景色が倧きく倉化する。郜垂ならではのこの空間䜓隓を掻かした建築 的提案が日垞の䜓隓を倧きく倉えるだろう。

キヌワヌド法芏 ファサヌド 面

容積率いっぱいに建築物を建おようずした結果、前面道路ギリギリたでボリュヌム が抌し寄せたファサヌドが連なり鉄壁が生たれおしたった。郜垂に芋られるこの圢 は䞊空から芋るず人工的な谷のようである。 街を歩く人たちから最もよく芋えるファサヌドず避難階段にはどのような関係性を 構築できるだろうか。

鉄壁ファサヌド 喫煙できる堎所が限られ、䞀か所の喫煙所に矀がる光景が増えおいるず感じおいる。 灰皿を求めお集たる人たちは同じ目的を共有する関係であり、䞀皮のコミュニティ を圢成する可胜性を持っおいる。 他者ずのかかわりが枛る珟代、喫煙所を単䜍ずするコミュニティは貎重な存圚であ る。

キヌワヌドふるたい コミュニティ タバコ

キヌワヌドすき間 出入口 異䞖界 B009 裏の䞖界ぞの玄関

密集するビルのすき間は䞍審者の䟵入を防ぐため・ごみを捚おられるのを避けるた め塞がられがちである。しかし、ただ壁を䜜るのではなくドアを蚭けられるこずが 倚い。これはビルの奥たった堎所に蚭眮される避難階段から前面道路に逃げる人の ために存圚しおいるず考えられる。 賑やかな郜垂に玛れ蟌んでいる䞍思議なドアはたるで裏の䞖界に通じる玄関のよう である。

A001 避難階段テンプレヌト
A010 立䜓的シヌク゚ンス
B001 倩空高原
B007 よりしろ
B008 ペラペラ立駐
B003 スポンゞシティ

S,M,Lスケヌルの蚈画は郜垂党䜓に増殖するこずによっおXLスケヌル ずなり、「地」の空間が「地」のたた「図」になるこずによっお郜垂に 新たなレむダヌを生むのである。

S scale 螊り堎゚スケむプ

ビルの裏偎、郜垂の喧隒ずは察照 的な静寂、RCのラヌメンフレヌム に抌し蟌められた階段ずいった地 圢に着目し、茶宀を郜垂的・珟代 的に読み替え぀蚈画する。

梁ずいう躙り口をくぐった先は 皮類それぞれの空間が広がっおお り、颚景を切り取るような開口を 通じお薄暗い䞭降り泚ぐ光や遠く から埮かに聞こえる郜垂の喧噪を 感じる䜓隓をもたらす。

郜垂のさびれた颚景を切り取る窓。

7F―8F
6F―7F

M scale

すきたラむブラリヌ

ビルのすき間でみ぀けた盎階段型

の避難階段ずその谷のような地圢 に着目し、図曞通を蚈画する。

䞊から降り泚ぐ光は避難階段階段

のバルコニヌ郚分に蚈画した本棚 ず階段の間を萜ちおいき、垂盎方 向に明暗のグラデヌションを生み 出す。たた、地局のように䞋階か ら順に叀い本を配架するこずで、 利甚者は避難階段を介しお暗い空 間を探玢しながら思いがけない本 ずの出合いを果たす。

L scale

郜垂の毛现血管

密集するビルの裏に蚭眮された避 難階段盞互を街区単䜍で連結する 毛现血管のような路地空間を蚈画 する。

局あるこの空間は敷地境界線を 越えお共有されるコモンの空間ず なり、街区単䜍で建物のオヌナヌ が組合を結成し、維持管理しおい く。たた、日垞的利甚を図るこず で避難動線の認知ず確保に぀なが る。犯眪を枛らすための監芖カメ ラやビルのすき間に斜された板や フェンスは、䜿われおこなかった 空間が䜿われるこずによっお人々 が監芖の目に代わるのだ。

この蚈画は資本䞻矩的郜垂瀟䌚か ら倱われおしたった人間関係性を 取り戻すきっかけずなり、死んだ 裏偎の空間に生き生きずした血を 巡らせおいくのである。

コンビニ劇堎

亀通量の倚い亀差点からよく芋え る、建物が぀くるコの字型の地圢、 䜕も䜿われおいないコンビニの屋 䞊、赀く象城的な避難階段。これ らの地圢に着目し、舞台ずなる空 間を蚈画する。

地圢を生かしおおもむろに挔技を 繰り広げはじめる挔者に察し、広 堎で鑑賞する人たちや、倖の様子 が気になっおベランダから䞋を窺 うアパヌトの䜏民やオフィスの劎 働者。歩道には広堎ぞの階段の軞 線䞊でスポットラむトを济びる挔 者に目を奪われ足を止める通行人 たち。

䜕気ないこの広堎は向かいの歩道 を行く人を含め、芋る・芋られる 関係を生み出し、この空間に機胜 ずしおも珟象ずしおも劇堎が立ち 珟れるのだ。

このあたり䞀垯が劇堎ずなる

11階建おアパヌト

M scale

短手断面パヌス オフィス

階段オフィス M scale

7階平面図 N 隣の建物が壊されお぀くられた駐 車堎によっお裏の雰囲気を醞し出 すオフィスビルのファサヌドに察 し、内郚での人々の掻動が倖郚に にじみ出るような操䜜を行う。

本来ありえなかった避難階段を䞊 り䞋りしたり、たむろする姿はた ちの新たな衚情ずなるのである。

M scale

郜垂の櫓

たった5分歩くだけで街を䞀望で きる物芋櫓を蚈画する。

階段道䞭は囲われおいるため暗く、 31mを超えたあたりず最䞊郚で景 色が開ける。階段を胜動的に登る 行為は登山そのものであり、本提 案ではそれを郜垂的に読み替える こずでEVでは埗るこずのできな い喜びを我々に䞎えるのである。

避難階段独立宣蚀

亀差点からオフィスを芋る。

駐車堎に避難階段のハブずなる、 建築スケヌルの避難階段を蚈画す る。

スラブのような階段のようなこの 空間は日垞的にはギャラリヌや フォリヌずしおはたらき、非垞時 には壁に開けられた開口を通じお 避難階段ずしおはたらく。

最䞊階から広島の街䞊みを芋䞋ろす

13階から倖を芋る。景色は䞀気に開ける。

倖の芋えない階段を䞊る。光が挏れる。

倖郚は日垞掻動の䞀郚ずなる。 屋䞊には郜垂的な庭園が広がる。

正面から芋る。 䞊たで芖線が抜ける 普段、内郚はギャラリヌずなる。

L scale 空の倧地

八䞁堀に緑や広堎が少ないこずや、 法芏的な理由から 31m皋床に高さ が揃ったビルの屋䞊を第二の倧地 ずしお捉え、ビル盞互・避難階段 を屋䞊で連結する回遊匏庭園のよ うな緑化した広堎を蚈画する。

この空間は避難階段盞互を頂郚で 面ずしお぀なぐこずで避難時の経 路確保に぀ながる。

地埡前のリノァむノァル -歎史的郜垂軞の可芖化ず連関の結び-

課題: 䞻な甚途: 制䜜期間: キヌワヌド:

宮島から䌞びる歎史的郜垂軞のリノベヌション

宮島の匥山から厳島神瀟ずその倖宮である地埡前神瀟を貫く郜垂軞を芋぀け、聖性が薄れた珟圚の 地埡前神瀟に着目しサヌベむを行った。サヌベむをしおいく䞭で芋぀けた管匊祭の存圚を手掛かり に、地埡前神瀟ず厳島神瀟に察する遥拝の堎・舞台の堎を蚈画するこずで隠れおいる郜垂軞を可芖 化させ、バラバラに分断された地埡前の連関を結ぶ。

隠れおしたった歎史的郜垂軞

地埡前神瀟の拝殿。参拝客など人の姿は芋かけない。

神瀟呚蟺から発芋した3぀のこず

拝殿の正面 線路ぞの扉線路ぞの扉

地埡前神瀟倖宮

地埡前神瀟呚蟺

正面の螏切越しに地埡前神瀟を芋る。

土朚むンフラによっお分断された様々な連関 宮か぀お、厳島神瀟の倖宮である地埡前神瀟では厳島神瀟に察する遥拝がなされおいた。瀬戞内海を越えた郜垂軞が存 圚するのである。しかし、宮島が芳光地ずなった珟圚、元々遥拝のために぀くられた地埡前神瀟ずの関係性は倱われ、 郜垂軞は隠れおしたった。

厳島神瀟本宮

厳島神瀟奥宮

1

拝殿

本殿 客人殿

か぀おは厳島神瀟ず同じように海に面しお配眮しおいた地埡前神瀟は珟圚、土朚むンフラの普及により、軌道や道路 や堀防によっお海から隔絶されおいる。

地埡前神瀟

2

海ず神瀟を぀なぐ階段 東西軞を可芖化させる土朚 宮地埡前神瀟の本殿から䌞びる東西軞䞊 には鳥居をはじめ、堀防の氎門や階段、 線路に蚭けられた䞡開き扉ずいった ゲヌ トフレヌムのようなものがたくさん 芋぀かった。

神瀟党面の海に面しお蚭けられた堀防に はカ所ほど海に続く階段があるこずが 分かった。

むンフラによっお隔絶された海ずの関係 を぀なぐ存圚である。

3

幎に䞀床のハレ舞台「管匊祭」

幎に䞀床倧朮で満月の倜に、厳島神瀟ず 地埡前神瀟を海䞊枡航し儀匏を行う「管 匊祭」ずいうお祭りが存圚する。

この日は瀬戞内海を越えた郜垂軞が浮か び䞊がり、人々ず自然が結び぀く関係性 が立ち珟れるのである。

連関を結び盎す建築

建築の力で隠れおしたっおいる郜垂軞を可芖化させる。そしお、バラバラになっおしたったこの土地に宿る関係性 管匊祭ずいう人間スケヌルの文化から月の満ち欠けによる朮の満ち匕きずいった宇宙スケヌルたで ずしおの建築を蚭蚈する。

建築 管匊祭

颚土

時間の流れ

この地に宿る関係性を建築で結ぶ

遥拝建築for 遥拝建築

地埡前神瀟は厳島神瀟に察する遥拝の堎である。そこで 地埡前神瀟に察する遥拝の堎ずなる ず共に郜垂軞を結ぶ建築 を海の䞊に蚈画するこずで既存のピラルキヌを線集する。蚈画は 倧きく以䞋の䞉぀である。

遥拝

遥拝

厳島神瀟 地埡前神瀟 提案

返り墚を打぀こずで隠れおいた郜垂軞を可芖化させる

1

郜垂軞の返り墚を打぀

4぀のフレヌムを蚈画する

鳥居に芋立おた「フレヌム」に぀いお

管匊祭の行われる2023幎8月3日の 倜、地埡前神瀟に船が到着する20:20 の朮䜍を基準に、管匊祭時における厳 島神瀟の倧鳥居の内法寞法をAフレヌ ムの寞法に蚭定する。そしお、厳島神 瀟の本殿ず倧鳥居ずの距離196.4mを 匕甚し、この敷地でも軞の亀点から南 偎196.4mの䜍眮にAフレヌムを配眮 する。

管匊祭が行われる日の朮䜍グラフ。 船の地埡前神瀟到着時間の朮䜍は玄240㎝

Cフレヌム

平面図 S=1:300

拝々殿

舞台-200 舞台

道路 舞台1000

遊歩道 舞台1500

南立面図 S=1:300

拝殿の拝殿ずなる「拝々殿」に぀いお 2 Aフレヌム B フレヌム

拝々殿の壁柱は45°振るこずで軞線を結ぶ匷い䞭心を぀くりだす。 そしお、壁柱ず深い軒は䞭心からも呚囲からも絵画のように颚景 をトリミングする。

Aフレヌム ずBフレヌム は拝々殿の䞭心からのみ同じ倧きさのも のずしお目に映る。そしお、Aフレヌムは管匊祭の倜の朮䜍で正 しいプロポヌションずなり、厳島神瀟ず地埡前神瀟が等䟡な存圚 ずなる。

䞭心を぀くる楔のような拝々殿

拝々殿からのフレヌムの芋え方

拝々殿ぞ架かる「橋」に぀いお

拝々殿に続く橋は参拝時のシヌク゚ンスを意識しお蚈画する。金属の ノォヌルト状のフレヌムを連続させるこずで空間の連続性ず切断性を 生み、明暗のグラデヌションが参拝者の気持ちの切り替えに䜜甚する。

高さを萜ずし海ずの関係を䜜る。重局する結界は心理的距離を生む。

東西軞

返り墚を打぀

Dフレヌム

橋は東西軞から少しずれた䜍眮に蚈画する。

東西軞に察する返り墚ずするこずで東西軞の存圚を高める。

Dフレヌム偎から拝々殿、地埡前神瀟偎を芋る。

参拝者は真䞋に迫る瀬戞内海ず朮颚を感じながら、時に宮島に思いを銳せ、拝々殿に歩みを進める。奥行きが異なるフレヌムによっお明暗が空間の連続 /切断を生み、参拝する人の気持ちに寄り添う。

拝々殿では地埡前神瀟ず厳島神瀟に察し日垞的に遥拝がなされ、ハレの日、 管匊祭の倜には月の満ち欠けや朮のリズム、この堎で行われる管匊祭ずいう 文化・時間や土朚むンフラによる地圢ずいったこの地に宿る 連関が建築に よっお結ばれるこずでこの堎は完成するのである。

朮䜍拝々殿1300 満朮

管匊祭

朮䜍拝々殿3800

普段は自由にアクセス可胜な拝々殿は、管匊祭の日は儀匏の舞台ずなり、呚蟺から人々が眺める圫刻的な関係が生たれる。

干朮

朮䜍拝々殿5300

管匊祭の倜、橋は沈没するこずでアクセス䞍可胜ずなり、 呚蟺から儀匏を眺める劇堎ずなる。

宇宙スケヌル

月の満ち欠けず倧朮の呚期

建築スケヌル

AフレヌムBフレヌムずなる瞬間

人間スケヌル

管匊祭の呚期

幎に䞀床の管匊祭の倜にすべおのスケヌルが結われる。

創造的建築のレシピ

-情報の再線集による堎所の生成-

課題:

壁によっお空間が仕切られた今日の耇合斜蚭は閉じおおり、耇合するこずによるメリットや盞乗効 果を匕き出せおいない。本提案では耇合される機胜を情報レベルたで解䜓し、壁ではなく柱を単䜍 ずしお情報を再構築するこずで新しい機胜や人の関係性を生み出す、開かれた耇合斜蚭を提案する。 機胜情報を再線集するこずでモノず人の新たな関係性を生み出す

柱を䞭心に広がる耇合斜蚭

今日の耇合斜蚭は各甚途が壁によっお分断されおおり、耇合するこずによる盞乗効果 を生み出せおいない。

柱を䞭心に磁堎のように領域を䜜り出す建築を぀くるこずで各 甚途が関係し合い、盞乗効果を生み出すような関係性を構築するこずはできないだろ うか。

新しい情報䜓系を構築する

機胜を䞭心ずしお぀くられた情報䜓系はモノ、コトなどすべおがたずたりすぎおいる。 埓来ずは異なるルヌルで再構築するこずによっお様々な情報の間で機胜ずいう珟象が生じる ような、新しい情報の䜓系を生み出すこずはできないだろうか。

既存の情報䜓系を解䜓し、解䜓した芁玠を柱に圓おはめ、スラブ 䞊でそれぞれの芁玠が混ざり合うこずで新たな情報䜓系や空間䜓 隓をもたらすあらたな耇合斜蚭を提案する。 あたらしい耇合斜蚭のすがた

敷地は広島工業倧孊のキャンパスの䞀角、呚蟺は360° 開かれおいる。敷地呚蟺でのサヌベむを通しお感じた 特城をキヌワヌドでいく぀か挙げ、぀に分類した。

広島工業倧孊

倧孊正門

配眮図 S=1:3000 N 蚈画道路

東偎垂街地

動的、アクティブ、倧きい、倧きくうねる、 招く、他人、街スケヌル

北偎自然

静的、なめらか、穏やか、連続、森、颚、

心地よい、萜ち着いた、䞀人

西偎䜏宅

䜎い、小さい、井戞端䌚議、䜏宅スケヌル、

知人、现かい、長閑

䜏宅スケヌル

2階平面図(GL5800) S=1:400

01. グリッドず柱のルヌルを決める

すべおの基準ずなる䞉角グリッドを敷地に配眮し、 柱を図のようにグリッドに沿っお立おる。

ように柱は配眮されおおり、柱は数本で1぀の ナニットずしおそれぞれの芁玠を担う。

02. 取り扱う情報を遞定する

課題の䞎条件に関する「぀くる」ずいうキヌワヌドや「぀くる」 にた぀わるマテリアルのほか、諞機胜を満たすこずのできそうな 抂念・コト・オノマトペを取り䞊げた。

3階平面図(GL850012000) S=1:400

03. 情報を柱に圓おはめる

04. スラブを挿入する

最も重芁な「぀くる」ずいう芁玠は敷地の䞭心の柱ナニットに圓 おはめ、孊生の通孊路ずなる郚分には掻気を生み出す「わちゃわ ちゃ」を圓おはめる。

柱を䞭心に広がる秩序は磁界のように遠心するほど匱く なり、䞭間郚では方向性のない家具が眮かれ、どちらず もいえない領域ずなる。

柱は無限に広がる䞖界に䞭心を぀くりだし、粟神的・身䜓的・ 機胜的な拠り所ずなる。䞉方向に広がるこの柱は、求心性・ 方向性・領域性をはじめずする秩序を生み出す。  柱が生み出す秩序

求心性 領域性 方向性

1階の本が眮かれおる空間。人々は柱に寄り添いながら本を読む。

郚分詳现図

① 創䜜衣装工房

Tシャツのデザむンをオリゞ ナルで補䜜できる。実際に制 䜜したデザむンデヌタは商品 ずしお販売し共有するこずが できる。

②りッディな矎術通

「食る」ず「朚」が混ざるこ の空間は孊生が補䜜した朚工 䜜品を䞭心に展瀺され、通行 するための道が矎術通ずな る。

③芁玠が混じる”あいだ”

スラブは重なり合い、スラブ がも぀個性さえも耇合されお いく。ここでは垃を材料に䜜 られたものが䜜品ずしお展瀺 されおいる。

倧きな屋根から吊るされた倚 皮倚様な垃を眺めながらゆっ くりず時間を過ごすこずので きる堎所。 ④垃芋テラス

朚を芋䞊げる

朚にもたれる

暹間に集たる

䞊から芋䞋ろす

駆け降りる

森のような建築

森の地圢のようにゆるやかに高䜎差を぀なぐスラブは、倩井が高くなったずころで は劇堎のような甚途ずしお展開し、2階から1階を眺めるずいう垂盎の関係性が生た れる。オヌプンに広がる建築の䞭で人々は倧きくそびえた぀暹朚のような柱に寄り添 い、柱ず柱の間の空間に集う。

この建築は人々に森の䞭で自分の居堎所を芋぀けだすような原始的な䜓隓をもたらす のである。

敷地南東より党䜓を俯瞰する。倧暹のような柱はたちの象城ずなる。

1階のメむンストリヌトを歩く。䞀歩進むごずに巊右から倚様な掻動が目に飛び蟌んでくる。

3階より吹き抜けを芋䞋ろす。枝の䞊から倧地を芋䞋ろすような立䜓的な関係性が生たれる。

生み出した空間䞀郚

歎史的遺構を舞台に垂民自らの手で぀くり䞊げる公共性の提案 歎史を解き、未来を積む

課題: 䞻な甚途: 制䜜期間: キヌワヌド: 賞歎 コンペ 「第49回五䞉䌚蚭蚈競技」 広堎 䜏宅 3幎埌期共同制䜜 公共性 遺構 広堎 レンガ 利掻甚 䞻䜓性 第49回五䞉䌚建築蚭蚈競技 優秀賞 -象城的゚レメントの解䜓ず再構築による新たな公共性の創造-

今日の公共は政府が維持管理しお䞀般垂民に「提䟛される」空間ずなっおいる。しかし本来の公共 ずは䜏民が参加しお぀くり䞊げおいくものではないだろうか。本提案では、広島の被爆建物である 広島旧陞軍被服支廠を舞台に、その象城的なレンガを䜏民自らの手で再構築するこずによっお築か れる新たな公共を提案する。

建物に刻たれた8月6日の蚘憶

蚈画察象の旧広島陞軍被服支廠以䞋被服支廠は1913 幎に、組積造 ず圓時では珍しかった鉄筋コンクリヌト造のハむブリットずしお建築された。

被服支廠は1985

幎8 月6 日に原爆の被害を受けたが、躯䜓は倧きな損傷 を受けるこずなく珟圚も圓時のたた保存されおいる。しかし、珟圚は敷地に 立ち入るこずはできず、敷地倖から眺めるずいう圫刻的な扱いずなっおいる。

歎史的遺構ずしお保存されおる被服支廠をはじめ、珟圚の公共は行政が管理しお おり、公共の堎は行政によっお提䟛されおいるずいう印象が匷い。しかし、本来 公共ずは垂民の胜動的なはたらきかけによっお生たれるものである。いた再び本 来の公共性を取り戻し、垂民の手で぀くり䞊げおいくこずに意矩があるず考える。

爆心地

被服支廠 2.6Km N 爆心地ずの距離

自分事ずしお捉える公共 01. 地域に開くため通りに面したレンガ壁の解䜓 03. 象城的゚レメントの再構築 02. 新しい郜垂グリッドに沿った䜏宅の挿入 既存短手断面図

 鉄筋コンクリヌト  レンガ

公共ずは目の前の堎所を自分事ずしお捉え、個の集積が党䜓ずなっお生たれる珟象で あるず考える。珟圚誰のものでもない被服支廠を自分事ずしお捉え、この堎所を倉えお いく人のための䜏宅矀ず広堎を提案する。歎史を象城する遺構を解䜓し、䜏民自らの手 によっおより象城性をもたせた圢で再構築し盎す。

政府が管理するこれたでの公共

みんなの手で぀くりあげるこれからの公共

2階平面図 S=1:600

レンガは花壇や菜園の瞁に甚いられたり、䜏宅の内装や倖装をはじめずしお様々な堎面で掻甚される。 䜏民は䞀定の期間が過ぎるず退去し入れ替わる。そしお、新たに䜏み始めた䜏民は以前䜏んでいた䜏民のレンガの利掻甚方法

衚情は境界のあるずころに

日本人は鳥居のように粟神 的な境界を認識する力に長 けおおり、門型フレヌムは 粟神的な境界を生み出すカ タチだず蚀えよう。

粟神的な境界を䜜り出すカ タチフレヌムによっお衚 情を匕き出し、䜏民の豊か な生掻の衚情による察話を 誘発させる。

個宀ず郜垂を぀なぐ

集合䜏宅は、䜏民䞀人ひず りの小さな関係が段階的に 倧きくなるこずで党䜓のあ らわれになっおいる。そこ で、䜏民である個から郜垂 たでのパブリック性/プラ むベヌト性を6段階に分け、 それぞれのレベルにフレヌ ムを配眮しおいくこずで段 階的に個ず郜垂を぀なぐ。

段階

パブリック

郜垂

敷地

アネックス

共有郚パブリック

共有郚プラむベヌト

個宀

プラむベヌト

暮らしのあらわれしろを蚈画する

境界は床・フレヌムの操䜜 によっお領域が膚らんだり しがんだりする関係性を生 み出し、堎所を共有する人

それぞれが䞻芳的に自分の 領域を決めながら暮らしお いく。

お互いの領域の解釈のずれ

は䞻匵ず譲り合いを匕き起 こし、コミュニケヌション ぞず発展する。

衚情は境界のあるずころに

課題: 䞻な甚途: 制䜜期間: キヌワヌド:

䜏民の暮らしが衚れる境界に着目するこずで生き生きした集合䜏宅の衚情を぀くる提案

人が他者ずの関わりあいの䞭で豊かな衚情を埗るように、他者ず生掻の衚情を読みあいながら暮ら すこず、さらにはその豊かな衚情の集たりずしお郜垂ず関係を築くこずができないだろうか。日本 に生きる私たち特有の境界に察する意識に着目し、蚘号的なフレヌムを蚈画するこずで人々の䞻䜓 的な暮らしぶりを匕き出す。

郜垂ずアネックス

課題:

膜を介しお豊かな呚蟺の自然珟象を利甚者に知芚させるトむレの提案

山や川ずいった豊かに自然に囲たれた広島県犏山垂府䞭町に、こどもをはじめ倧人も利甚する公共 のトむレを蚈画する。呚囲のありふれた自然を膜を媒介ずしお利甚者に䌝えるこずで心地よい空間 䜓隓をもたらし、おおきな皜線を描く屋根は呚囲の山々に呌応する颚景を生み出す。

存圚が独立した゚レメントを甚いお空間、 物ず人や人ず人の関係性を生み出す。

゚レメントは巚倧なワンルヌムに離散配眮する。 物ず物の間で起こる偶発的な関係性を狙う。

この建築はすべおが共有郚。䜏民は個人のロッカヌを 持ちバスケットにモノを入れお行動する。

他者ずの関係性は自らの身䜓ずモノを通じお決定 しおいく。私物や小物はなわばり衚瀺物ずなる。

おおきな郚屋/ちいさなモノが築く暮らし

日本の建築は倧きな屋根の䞋で建具や調床ずいう匱い存圚によっお状況に応じたフレキシブルで倚様 な生掻を営んできた。倧きな屋根の䞋党䜓が共有郚分ずなったこのシェアハりスでは䜏人は状況に よっお居堎所を倉えるようにしお暮らす。䜏民は倧きな屋根の䞋、思い思いの地図を描いおいくなか で他者や゚レメントずの関係性が生たれ、圱響を䞎え/䞎えられながら豊かな䟡倀芳を圢成しおいく。 モノを䞭心に生たれる身䜓的距離によっお30人がワンルヌムに䜏たう新しい暮らし方の提案

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