浮き彫りになるように書きましょう。
で き れ ば、 ﹁おもしろそう﹂と思わせ
❺読みたくなるように
たいところです。梗概だけおもしろくし
いのに﹁つまらなそう﹂と思われても損
て説明します。
適当に書いてしまうと、意味不明の文
です。手は抜かないようにしましょう。
ても仕方ありませんが、本当はおもしろ
章やよじれ文を書いてしまいがちです。
❶簡潔、明快な文章で書く
ここでは梗概の書き方と注意点につい
ます。余分を削り、ストーリーラインが
梗概がまとまっていないと、いろいろな意味で損をする
また、梗概には、これを書いてもらう ことで別の使い道も生まれています。 一 つ は、﹁ 文 章 を ま と め る 力 ﹂ が あ る かどうかの判断材料となること。
梗概 どう う書 ばば ?? 梗概 ははど 書けけ
梗概のなぜと書き方解説 梗概はなぜ必要か? 梗概、あらすじ、作品紹介、概要、シ ある文学賞の担当の方は、 ﹁梗概が書けているかどうかで、作品を
ノプシス⋮⋮。賞によって言い方は様々 ですが、要するに、作品をコンパクトに まとめる力があるかどうかが分かる。審 査の対象として見ている﹂
要約したものです。 さて、長編文学賞では梗概の添付が義
梗概に書くストーリーは、結末まで書
❻筋は結末まで書く
と言っています。逆に言えば、作品が
潔、明快な文章を心がけましょう。
また、変に凝った文章や美文にせず、簡
務づけられているものがありますが、梗
まとまっていないから、梗概もまとまら
れを分かりやすくまとめるわけです。起
概はなぜ必要なのでしょうか。何人かの
承転結の起や承の部分までしか書かれて
くのが原則です。つまり、結末までの流 梗概の文章は客観的な説明文です。小
いない中途の梗概はだめです。
❷描写文は必要ない
説の中で書くような描写文である必要は
ないのかもしれません。 もう一つは、﹁ストーリーの良し悪し﹂
別の文学賞の担当の方は、
の判断材料になること。
ありません。
下読みの方に聞いてみました。 ﹁ぼくは、梗概は事前には読みません。 下読みだからといって、結末の分かった 話では読む気になりませんから﹂
ただし、最後にどんでん返しがあり、
それを明かしては身も蓋もないというこ
❸正確に要約する 序盤だけを要約したりせず、話の運び
ともあります。その場合、全体の9割に
﹁あらすじを読むと物語の骨子がしっか
に沿って要約します。また、作品に書か
当たる起承転までが書かれていれば、結
一方、別の意見も。
れていないことを書いてはいけません。
は匂わす程度でかまいません。また、梗
﹁梗概はざっと目を通す程度なんですが、 りと見え、書いた本人も理解していなか
と言っています。
❹あくまでも筋を書く
った落ち度が発見できる﹂
綜 す る こ と が 多 く、﹃ 結 局、 こ の 話 は ど
確かに長編の場合、要約することで見
アマチュアの方の作品はストーリーが錯
の方向に進むんだ?﹄ということを確認
が審査に影響するかと言えば、まず関係
しかし、実際のところ、梗概の書き方
う決着するのかなど、何がどうしてどう
人物は誰か、どのように話が展開し、ど
ような出来事が起きるか、主人公に絡む
﹁意欲作!﹂ ﹁構想十年﹂ ﹁期待の新人﹂
❼関係ないことは書かない
の詳細まで書く必要はありません。
概には筋が書いてあればよく、トリック
この件についてはいくつかの文学賞の
な く、﹁ 全 く な い ﹂ と 言 い 切 る 担 当 の 方
といった筋でないことは書かないこと。
どういう設定で、主人公は誰で、どの
主催者の方にも聞いてみましたが、やは
なったかを明確に書きます。
えてくる欠陥もあるかもしれません。
り、﹁ 多 数 の 応 募 作 を 読 む 中 で、 短 時 間
も い ま し た。﹁ あ ら す じ の 付 け 忘 れ が あ
したいときに梗概を見ます﹂
で作品を把握するため﹂との答えが返っ
ったりしたこともあります。でも、あく
とまで書いているとバランスが悪くなり
た﹂ ﹁先生のファンです﹂などは論外。
﹁一生懸命書きました﹂ ﹁初めて書きまし
てきました。これが梗概添付の第一義の
まで作品の質が重要﹂とのことです。
筋とは関係ないことや、細かすぎるこ
ようです。
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