る。なぜそんなことをしているのか分からない。ホームの右にも左にも豪 華な客車を連結したSLが停まっている。いい風景なので、両方の列車と ともに、その間に見える空を撮ろうとしたが、カメラで覗くとうまい構図 にならないので、断念する。 ホームの上空を変な物体がいくつも飛び始めた。四角形のはしごか物差 しみたいなもの、三角定規のようなものが空中戦をしている。一機が撃墜 されて、こちらに落ちてくる。皆悲鳴を上げて逃げ去る。ぼくのすぐそば のホームに墜落し、爆発したが、ぼくはどうにか無事だ。 皆は食事に行ってしまったらしい。ぼくはなぜか取り残され、ひとり荷 物の整理をしている。そこへ指揮官がやってきて、「箱根新道を交通止め にしてこい」と命令する。ぼくは指示に従って、駅を出て、箱根に向か う。こうやって、文明は刻々と破壊され、時代は退化していくのだ。 絶望していると、ふいにぼくは元の世界に戻っていた。
2010年7月25日
7月25日の夢(退行する世界) 何かを頑張ってやればやるほど凡庸になってしまう世界にいる。ぼくが 暮らすマンションは自室の両側にいくつも部屋があり、どちら側も二つ部 屋を越えると、そこがトイレ兼会議室になっている。ぼくはトイレに行き たいのだが、どちら側のトイレも中で話し声がして、「今会議中だから駄 目だ」と言われる。しかたなく元の部屋に戻る。そこにはぼく以外に、男 性が二人一緒に生活している。 外出する。外の世界もどんどん退化している。地平線まで見渡す限り荒 れ野になっていて、電車の線路が続いている。もう電車も走っていないの ではないかと思ったが、走っていた。ぼろぼろの駅にぼろぼろの電車が停 車するのを、ぼくは小さな女の子とともに見守る。 部屋に戻る。ますますすべてが退化している。空腹を覚える。そういえ ばさっきポケットにお菓子を二つ入れたのだった。取り出してみると、一 つは星型、一つは多角形のパウンドケーキだ。それらはむきだしのままポ ケットに突っ込んであったから、汚くて食べられない。しかたなくゴミ箱