KURUMAG. | No.21 by KURUMAG.

www. kurumag.net DEC. 2018

特集：ホットウィール特集：ホットウィール

free

KURUMAG. N̊21 D e c . 2 018 CONTE NTS

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Hot Wheels

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New Model

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Design

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Trend

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Brand

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TV Shows

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Spot

[ 特集 ] ホットウィール

Honda NSX

2032 年のカーデザイン

Axalta カラーショー 2018

INTERSECT BY LEXUS New York

The Gymkhana Files

注目のスポット

PRESENT

credit

応募期間： 2018 年 12 月16日∼ 2019 年 1 月31日応募方法： PC・スマートフォン・ケータイから下記へ

当選者の発表は商品の発送をもって代えさせていただきます

https: // www.ank.bz / kurumag

Editor in chief / Creative Director :

Shigeyuki Inoue Art Director / Designer :

Yoshio Nakada（ terminal Inc. ） Project Coordinator :

Masami Kurosawa Cover art :

Ryu Asada (Hot Wheels / Mattel, Inc. ）

PUMA RS-X HOT WHEELS CAMARO (27cm ）1 名

B 制作／株式会社クロモ・コミュニケーションズ協力／株式会社コバルト株式会社ターミナル中日本高速道路株式会社西日本高速道路株式会社印刷／大日本印刷株式会社株式会社 DNPマルチプリント広告掲載に関するお問い合わせ／ KURUMAG. 編集部広告担当宛 info@kurumag.net

Hot Wheels Honda アニバーサリーアソート 4 名

KURUMAG.

Creating a Car Culture since 1968 No.0 2 1

Hot W h e els

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[ 特集 ]

ホットウィール

text = Shigey u k i I n oue, KURUM AG. phot o = Shigey u k i In oue, Yuj i ro O t s u ki , Ma t t el , P u m a

子供から大人まで、世代を超え愛され続ける" ホットウィール " カーカルチャーから生まれたブランドは、カーカルチャーとともに育ちそして今、次の世代へと自動車の文化を継承しはじめている

アメリカのカーカルチャーを語るうえで、決して避けて通ることができないもの、それがマテル社のミニカー"ホットウィール"の存在だ。豪快な走りで世界中のクルマ好きを魅了するケン・ブロックと話をすれば、その原点は小さな頃に遊んだホットウィールだと語り、世界的なクラシック・ポルシェのムーブメントを牽引するマグナス・ウォーカーに会えば、彼のポケットからホットウィールが出てくる。彼らのような有名人でなくとも、ホットウィールとともに育った大人たちは、週末になるとガレージにこもり愛車を自分だけのホットウィールにするため油まみれの時間を楽しんでおり、カーカルチャーを楽しむ多くの人々が様々な形でホットウィールとの接点を持っている。一方、少年たちに目を向ければ、彼らの部屋には平均 50 台のホットウィールがあるといわれ、そのスタイルや走りにクルマへの憧れをいだき、瞳を輝かせている。創業から今年で50 年。カーカルチャーの中から生まれ、カーカルチャーとともに育ったホットウィールはいま、新たなカーカルチャーを生み出し、そして今度は次世代のホットウィールが誕生しようとしている。ホットウィールを知れば、そこからクルマをもっと楽しむためのヒントが見つけられるはずだ。

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少年たちの想像を掻き立てる

" ホット"なクルマを作りたいホットウィールは一人の情熱から誕生した。その人物の名

ものだった。1966 年、エリオットはゼネラルモータースのデ

はエリオット・ハンドラー。世界最大の玩具ブランドとなった

ザイナーであったハリー・ベントリー・ブラッドレイを雇い、その

マテル社の共同創業者である。

アイディアを形にした。そして1968 年 5月、計 16 種のライン

1945 年、デザイン学校で学びながら照明器具会社でア

ナップでホットウィールがその産声をあげたのだ。

ルバイトをしていたエリオットはハロルド・マットソンとともにロ

オリジナリティ溢れるスタイル、カスタムペイント、そしてそ

サンゼルスでマテル社を創業した。フォトフレームからスター

のスピードはすぐに子供達を魅了した。これらのこだわりは

トした彼らのビジネスはすぐに軌道に乗り、エリオットはその

現在まで50 年に渡り受け継がれているものである。

フォトフレームのスクラップからドールハウスを作りあげサイドビジネスを展開した。その後、妻ルースとともに1959 年にバービーを世に送り出すと、マテル社は瞬く間に数億ドルもの売り上げを誇る玩具ブランドへと成長していった。そんなバービーの成功の裏で、エリオットは少年たちの想像を掻き立てるおもちゃを熱望していた。スピード、パワー、パフォーマンス、そしてクールなデザインを取り入れたダイキャストカーのアイディアは、当時の若者たちを熱狂させてい page. 06

たホットロッドなどカスタムカーのカルチャーからヒントを得た

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ホットウィールが初めて販売されたのは1968 年のこと。ニューヨークで開催されたトイフェアでお披露目され、5月にその販売を開始。最初に販売された16モデルはのちに"オリジナル・スウィート16"と呼ばれコレクターズアイテムに。

1968 年のデビューから現在までに生産されたホットウィールの累計台数は実に60 億台以上。現在は１５０カ国で販売されており、アメリカの子供たちは平均 50 台のホットウィールを所有しているという。

けたのは1968 年にプロトタイプとして製造されたフォルクスワーゲン・ビーチ・ボム。その取引額は72,000ドルというから、実に800 万円を超える金額で取引されたことになる。

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コレクターも多いホットウィールだが、これまで最も高値をつ

ホットウィールといえば走らせて楽しめるコースの存在も忘れてはいけない。毎年販売されるオレンジ・トラックをつなぎ合わせると、その距離は6000マイル= 約 9656kmもの長さに。東京からスイス・チューリッヒまでの距離に相当する。

実車と同じ大きさのホットウィールとして2001 年に作られたのが1969 年に登場したホットウィールの人気モデル"ツインミル"だった。このクルマを起点に、現在まで20 台以上のライフサイズのホットウィールが作られている。

1 年間に生産されるホットウィールの台数は519ミリオン、つまり５億 1900 万台にものぼる。1 週間に1000 万台、1 秒間に16.5 台が生産されていることになる。タイヤは1 年間に20 億本も生産されている。

世界的なホットウィールコレクターとして知られるブルース・日本円パスカル氏のコレクションの総額は1ミリオンドル、にすると1 億円をかるく超えると言われている。

様々なカルチャーとリンクするホットウィールは、350を超えるブランドとパートナシップを結んでいる。様々なカラーバリエーションの中におなじみのロゴを見つけられるだろう。

#hotwheels このハッシュタグがついた投稿は30 秒ごとにソーシャルメディアに登場するという。ホットウィールは小 p age. 07

さな子供たちだけでなく大人たちも夢中にさせている。

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飛行機部品工場をリノベーションしたホットウィールの聖地、デザイン拠点へロサンゼルス国際空港から南へクルマで約 5 分、エル・セ

のカスタムカービルダーとして知られるジョージ・バリス（バリ

グンドにホットウィールのデザイン拠点、ハンドラー・チーム・

ス・カスタム）が手がけたVWビーチ・バムが現れる。ここから

センターはある。1 万８５００平方メートルの敷地面積を持つ

がまさに聖地とも言えるホットウィールのデザインルームだ。

この建物は元飛行機部品の工場で1954 年に建てられた

ホットウィールデザインチームは車体、パッケージ、オレンジ

もの。マテル社はこの歴史ある建物をリノーベーションし、デ

トラックなど各部門に分かれており、手前のスペースで仕事

ザイン開発の拠点として使っている。建物内ではホットウィ

をするのは主にベーシックモデルのデザイナーたち。奥のス

ールのほか、バービー、マッチボックス、モンスター・ハイといっ

ペースにはオレンジトラックのデザイナーたちがいる。さらに

Hot W h e els

た同社製品のデザインに携わる約 650 名が勤務している。

奥には3Dプリンターなど先進機器が揃うマシンショップもあ

ハンドラー・チーム・センターを訪れると、壁一面に掲げら

りそれらのエンジニアもデザイン開発に携わっている。

れた歴代のマテル社の広告とライフサイズのホットウィール

彼らのデザインルームはミニカーとデザインスケッチに溢

が迎えてくれる。クルマ好きならこの空間だけでも興奮を隠

れ、まるでクルマ好き少年たちの部屋のよう。このような遊

すことができないだろう。そしてこのロビーを通り、いくつかの

び心溢れる空間から、まだ見たことのないカッコよくて、楽し

会議室とバービーのデザインルームを過ぎると右手に伝説

いホットウィールが続々と生まれているのだ。

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ホットウィールのデザインはデザインスケッチから始まり、デジタルデータ化を経て、3Dプリンターを使ったデジタルモデルの検証、そして量産試作、最後に販売されるパッケージでの確認を行い、量産へと引き継がれる。試作段階ではスタイルだけでなく、車体のサイズや重量バランス、きちんとコースを走れるかの確認（ループコースに対応した前後オーバーハングのチェックも含む）も入念に行われているのがホットウィールらしい部分。デザインスケッチから量産までのデザイン開発期間はおよそ1 年。年間何十台もの新規ボディを世に送り出さなければならないホットウィールデザインチームは日々膨大な作業をこなしている。

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Larry Wood 仕事道具は今もペンとマーカー伝えたいのは作り手の想いとストーリーホットウィールの歴史を築き上げてきた伝説的デザイナ

な。ここが私にとって理想の職場だったというわけだね」。

ーといえばミスター・ホットウィールことラリー・ウッドだ。

カスタマイズされた往年の名車から小さな子どもから大

1934 年式フォード・セダンをはじめとするヴィンテージカーと

人までおもわず笑みがこぼれてしまう" 謎車まで、ラリー

のカーライフを楽しみながら、今なお現役デザイナーとして

はこれまでに何百台ものホットウィールをデザインしてき

活躍する彼に、クルマとの出会い、そしてホットウィールデ

た。そしてその全ての作品は今も昔も変わらずペンとマー

ザイナーとなった当時を振り返ってもらった。

カーでデザインし続けている。

「私がクルマに夢中になったのは1950 ∼ 1960 年代の

「テクノロジーは進化し、デジタルツールを使えばもっと

こと。小さな男の子が当時のクルマたちを見て夢中になら

早く、数多くのデザインを生み出せるのはわかっているん

ないわけがなかった。もちろん私もその一人で、ホッドロッド

だ。しかしひとつの作品に対する想いやストーリーは薄れて

に憧れ、クルマの絵を書き始めたんだ。そして私はフォード

しまうような気がするんだ。私が常に大事にしているの

のカーデザイナーになることができた。しかし、実際に働い

は一台一台に込められたストーリーなんだよ。オールド

てみると当時の私にとってそこは理想の職場ではなかっ

スクールな人間と言われても仕方ない。でもこういうアート的

たんだよ。毎日、グリルやドアノブを書かされていたからね。

側面に人々は惹きつけられていくと確信しているんだ。幼少期

すぐに会社を辞めることになり、フォードのあったデトロイト

に僕を惹きつけた当時のクルマたちのようにね。だから私は今

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からロサンゼルスに移住した。その時、幸運にもホットウィ

もペンとマーカーによるデザインにこだわり続けているんだ。ホッ

ールのデザイナーの仕事を見つけることができたんだよ。

トウィールのようなミニカーだけでなく、これからの量産車のデザ

それからホットウィールを描き続けて 4 6 年くらいになるか

インにおいても重要な要素になってくるんじゃないかな」。

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週末のガレージで楽しむ

1/1 サイズのホットウィールづくり 2007 年にホットウィールのデザインチームに加入し、トラックセットのデザイナーとして活躍しながら、2010 年からダイキャストカーのデザインに携わり始めたブレンドン・ベタスキーは、自身の手により作り上げたマッスルカー、1967 年式ポンティアックファイアーバードを所有する。ブレンドンがこのクルマを手に入れたのはのは2009 年のこと。オリジナルに近い状態ではあったが外装はサビだらけの姿だったという。彼はこのクルマを真のアメリカンマッスルとして蘇させるべくレストアを開始。エンジン、トランスミッション、サスペンション、ブレーキなど現代のパーツを巧みにセレクトし、さらに太いタイヤにあわせボディラインまで変更した。ガレージにはあらゆる Hot W h e els

工具、ジャッキ、そして溶接機まで揃え、その全ての作業を自身の手によって行ったのだという。ブレンドンはおよそ6 年の月日をかけ、2015 年 1月にこのクルマを完成させた。560 馬力を誇る彼のファイアーバードはマッスルカー愛好家のなかでも話題となり、専門誌の表紙にも登場。それと同時に自身がホットウィールで初めて手がけた1967 年式ファイアーバードのデザインにも手を加え、2017 年に愛車同様のカスタムファイアーバードをホットウィールでリリースさせている。ファイアーバードを完成させたブレンドンはいま、2 台目のクルマづくりに着手している。次はアメリカンマッスル同様、彼が愛してやまない1950 年代のクルマだ。ガレージの前にある1955 年式シェビーのレストアを開始してすでに3 年ほどになるが、いまだ骨格と一部のパネルが取り付けられているだけの状態。聞けば完成は未定で、あえてそれを決めずじっくりと時間をかけクルマとの時間を楽しんでいきたいのだという。ホットウィールのデザイナーは、プライベートでも"ホットウィール"との生活を満喫しているようだ。

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日本人デザイナーのガレージは自分だけの模型部屋ホットウィールで活躍する日本人デザイナー、浅田龍（ Ryu Asada ）さんは、熱狂的なホンダファンのひとりとしても知られている。大阪で育った彼は、幼い頃に出会ったホンダ車のデザインに刺激をうけデザイナーを志し単身渡米。そしてアート・センター・カレッジ・オブ・アートを卒業した後、2004 年にマッチボックスのデザインチームに加入した。社会人になってもホンダ車への憧れは変わることなく、2008 年に現在所有する愛車の一台であるS2000を購入。この購入がきっかけとなり、マッチボックスに在籍しながらゲストデザイナーとして2010 年にホットウィールの

S2000プロジェクトに参加した。そして2012 年にホットウィールデザインチームに正式加入することになる。NSXやシビック、シティにCR-Xとこれまで手がけたホットウィールにはホンダ車も数多く存在するが、ホンダ好きならではの視点でデザインされているとあって、そのファンも数多い。現在では世界的に知られるホットウィールを代表するデザイナーとなった浅田さん、そんな彼の自宅ガレージはまさに自分だけの趣味の空間だ。美しく磨き込まれた2 台のホンダ車の奥にあるのはいわば工作室。壁にはタミヤのプラモデルやRCカーが積まれ、机にはプラモデル用のペイント、その横には塗装ブースも用意されている。聞けば毎日2 時間くらい、この空間でプラモデルづくりを楽しんでいるのだという。さらに最近ではプラモデルだけでは飽き足らず、2015 年に手に入れたNSXをベースに、幼い頃に鈴鹿サーキットで見たセーフティカーをつくるというプロジェクトまで始めてしまった。全てのデカールを自らカッティングシートで作りあげ、ルーフに回転灯まで取り付け、ディテールまで忠実に再現。まさに1/1サイズのプラモデルといった具合だ。天気の良い週末はこの NSXを走らせドライブにでかけている浅田さん。しかしそこはカーカルチャーのメッカ、カリフォルニア。ホットウィールの人気デザイナーの NSXはすでに知れ渡り、見 p age. 13

知らぬ人から「ホットウィールのリュウだろ? 」と声をかけられることもしばしばだという。

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ホットウィールの世界観が凝縮

4 万 5000 人を動員したカーイベントアメリカの週末は自慢の愛車で集まり、語り合うカーミー

イ・レノやマグナス・ウォーカーらも加わった。採点基準はオー

ティング&カーショーで始まる。全米各地で開催されるこのよ

センティシティ＝パフォーマンスとデザインを兼ね備えた"ホ

うなミーティングのなかで、今年ひときわ大きな話題となった

ットウィール "らしさ、オリジナリティ＝ユニークなクルマである

のがホットウィール誕生 50 周年を記念して開催された「ホッ

こと、ガレージスピリット＝買うのではなく作ってしまうというチ

トウィール・レジェンドツアー」だった。このイベントは全米 15

ャレンジスピリットの3つ。オリジナリティ溢れる"力作 " 揃いと

カ所を巡回して行われ、毎回スーパーカーやラッドロッド、マ

あって毎回ジャッジたちをおおいに悩ませていた。

ッスルカーなどジャンル不問 300 台を超えるクルマが参加。

こうしてファイナリストとして選ばれた15 台のなかから今

それらのクルマを見ようと3000 人ものファンが訪れた。

年の"ホットウィール・レジェンド"として選ばれたのはニュージ

各会場ではジャッジによって1 台が選ばれ、計 15 台がラ

ャージーのルイス・ゴンザレスが作り上げた2JetZだった。

スベガスで開催されるアフターパーツコンベンションSEMA

カーカルチャーから生まれたホットウィールは、この50 年で

ショーでのファイナルイベントへの参加権を手にすることも

カーカルチャーにも多大なる影響を与え、"ホットウィールみ

できた。そしてそのファイナルイベントを勝ち抜くと"ホットウィ

たい！と言われる独自の世界観までも定着させた。2JetZは

ール・レジェンド" の称号を手にすることができ、愛車がホット

まさにその象徴ともいえるだろう。そして今度はこのクルマが

ウィールになるのだ。ジャッジを務めるのはホットウィールのレ

ホットウィールとなり、子供達に夢を与えていくことになる。

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ジェンダリーデザイナーとして知られるラリー・ウッドや現役の

ホットウィールのカルチャーが凝縮されたこのレジェンドツ

デザイナーたち、さらにカーカルチャーシーンを牽引するジェ

アーは2019 年も継続して行われる予定だという。

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ストリートを走るホットウィールはニューエイジ・ホットロッド「ファイナルで戦った15 台は本当に素晴らしかった。

のクルマで多くのことを学ぶことができたんだ」。

それぞれが特別で、一台一台が全く異なるものだった。

ルイスはその経験を生かし、クロモリフレームにアル

クリエイティビティに溢れた彼らのクルマからは多くのイ

ミパネル、上下開閉するキャノピーを組み合わせ、まる

ンスピレーションを得ることができたよ。僕はカスタムカ

で陸上を疾走する戦闘機のような"2JetZ"を作り上げ

ービルダーとして積んだこれまでの経験を生かし、イチ

た。もちろん走りにもこだわり、エンジンには最初のカスタムカーと同じく2JZ-GTEを使

たんだ。僕をこの素晴らしい旅

い、日産やスバルといった日本車

に連れてきてくれた"2JetZ" に

のパーツを随所にセレクトした。「一言で言うなら、"ニューエイジ・

本当に感謝しているよ」。

ホットロッド"ということさ」。

そう語るのはホットウィール・レジェンドツアーのニューヨーク/

"2JetZ"はまさにホットウィー

ニューアークイベントを勝ち抜き

ルそのもの。来年には彼の愛車

ファイナルに進出、そしてアニ

がホットウィールとなり店頭に並

バーサリーイヤーのガレージ・オ

ぶことが決まっている。

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からクルマを作りたいと思ってい

「ホットウィールはいつだって

ブ・レジェンドという栄冠を見事掴んだ"2JetZ"のオーナー、ルイス・ロドリゲスだ。

平凡とはかけ離れたところにいるんだ。彼らのクリエイテ

彼が初めて手がけたカスタムカーは1990 年式の日

ィビティは僕たちにクルマのあるべき姿を教えてくれる。

産 300ZX（フェアレディZ ）に、2JZ-GTE（トヨタのス

まるでアート作品のようにね。クルマはアートであり、ア

ープラなどに搭載されたエンジン）を積んだものだった。

ーティストによってデザインされ命が宿る。僕は彼らと同

「 980 馬力も出るクルマだった。恐ろしかったけど、こ

じように、それを信じクルマを作り続けていくよ」。 Name: 2JetZ Power: 517hp（ Low ）, 627hp（ H igh ） Engine: Toyota 2JZ-GTE Transmission: Subaru STi 6-speed Suspension: Nissan 300ZX Rear suspension Brakes: Nissan 300ZX aluminum hubs and calipers Wheels: Volk Racing CE28 17inch Tires: 225/50R17（ Front ）, 275/50R17（ Rear ）

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Billy Hammon 数多くの実車版ホットウィールを制作するカリフォルニアのカスタムカービルダー

ビリー・ハモンはカリフォルニアを拠点に活躍するカスタ

ランドのコマーシャルを制作しながら、ソニー・プレイステー

ムカービルダーの一人だ。彼の手がけたクルマたちは数々

ションのファースト・ラブ（マリオ・アンドレッティの最初のレ

のハリウッド映画や TVコマーシャルに登場し、カーアクショ

ーシングカーを復刻させるプロジェクト）やニード・フォー・ス

ンシーンには欠かせない存在になっている。そんな彼が映

ピードといったカーアクション映画のクルマも手がけるビリ

画や TV のクルマたちと共に制作しているのが実車サイズ

ーは自身のクルマ好きの原点ともなったホットウィールを実

のホットウィールだ。

車サイズで作り上げるプロジェクトもスタート。

「僕がクルマに興味をもったきっかけは間違いなくホット

「ボーンシェイカーにダブルループカー、ジャンプワールド

ウィールだった。何百台にもなるコレクションは自慢だった

レコードを記録したマシンも手がけたんだ。これまで多くの

よ。それがきっかけとなり二輪・四輪でレースをするようにな

クルマを作ってきたけど、お気に入りはダースカーだね。ダ

り、一時はインディカーシリーズのチームクルーとして働い

ースカーはブライアン・ベネディクトのデザインで、彼の CG

ていた時期もあるんだ。その後、友人が映画業界に進出し

をベースに、実際に走るクルマにするにはいろいろと考え

たのをきっかけに僕もクルマのコマーシャルや映画を制作

なければいけないこともある。ここが腕のみせどころさ。C5

するプロダクションに転職し、そこでスタントドライバーやカ

コルベットのシャーシで制作したこのクルマは、ホットウィー

ービルダーとして１４年間働いたんだ。そして2001 年に自

ルデザイナーたちからも大絶賛だった。彼らは驚くほど自由

分の会社を立ち上げたんだよ」。

な発想がある世界最高のカーデザイナー集団なんだ。そ

フェラーリやフォルクスワーゲン、ブリヂストンといったブ

んな彼らに認められたのは本当に嬉しい瞬間だったよ」。

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Life SIZE HOT WHEELS

Garage of Legends

実車版ホットウィールが収蔵されるロサンゼルスのシークレットガレージツインミルを皮切りに、ボーンシェイカーやリップ・ロッド、デ

1966 年式ポンティアックGTO 、1967 年式シボレーカマロ

オラIIといったホットウィールの名車たち、そしてダブルルー

といったお馴染みのモデルのほか、ホットウィールの50 周年

プやビッグジャンプのスタントを成功させたアクションマシン、

を記念して市販されたシボレーカマロアニバーサリーモデ

さらに映画スターウォーズとのコラボモデルであるダースカ

ルなどがガレージに収められていた。いずれのモデルも単に

ーや Xウィングファイターカーシップなど、現在 20 台を超える

ミニカーを大きくしたものではなく、細部まで徹底的に作り込

実車サイズのホットウィールが存在する。これらモデルが大

まれ、カスタムカーファンをも唸らせるクオリティだ。

切に収蔵されているのがこの"ガレージ・オブ・レジェンド"だ。

一般公開されておらず実車を見ることは容易ではないが、

このシークレットガレージはホットウィールのデザイン拠点

ガレージの隣には自動車博物館「ドライビングミュージアム」

となるハンドラー・チーム・センターに隣接する倉庫にあり、そ

があるため、運が良ければミュージアムを訪れた際にそのす

の目印はお馴染みのロゴマークが掲げられたオレンジ色の

ぐ隣で車両入れ替えを行う実車版ホットウィールの姿を見る

シャッターのみ。一般公開されておらず、まさに知る人ぞ知る

ことができるかもしれない。

ホットウィールの秘密基地と言える場所である。実車版ホットウィール第一号車となるツインミルが誕生したのは2001 年のこと。その後数多くのモデルが製造され、全米各地で開催されるイベントやハンドラー・チーム・センターのロビー等で展示されてきた。このガレージにはそれらの展示に使われていない車両が常に保管されている。我々がこのガレージを訪れた日はレジェンドツアー真っ只中とあって、多くのモデルが " 出張中 "であったが、ダブルループスタントを成功させたマシン（ベースは三菱ランサー）、ジェットエ p age. 17

ンジンを荷台に搭載する1971 年式シボレーエルカミーノ、

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WORLD RECORD No.0 2 1

Double Loop Dare ミニカーさながらのアクションを披露スタント史に残るダブルループチャレンジ 2012 年 6月30日、ホットウィールは前代未聞のスタント

ホットウィールはこのスタントのほか332フィートのビッグジ

にチャレンジした。それはロサンゼルス・ダウンタウンに高さ

ャンプやコークスクリュージャンプも成功させ、この 3 つの記

（約 20m ）にもなるループ状の特設コースを作り、 66フィート

録はギネス・ワールドレコードにも認定されている。1968 年

ミニカーさながら実車でこのループを駆け抜けるというもの

の発売当時から独創的なデザインとスピードにこだわり続け

だ。時速 85kmでループに突入し、最大 7Gもの重力加速

てきたホットウィール。そのこだわりは実車サイズとなっても

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度に耐えなければならないというこの危険なスタントに挑戦

変わることなく、これらのスタントで小さな子どもたちからホッ

したのは、アメリカのレースシーンで活躍を続ける傍ら、映画

トウィールで育った大人たちまでを魅了し、クルマの面白さ

ワイルドスピードのカースタントやトップギア USA のホストも

と楽しさ、そしてその可能性を改めて教えてくれた。

務めたタナー・ファウストとパイクスピーク・ヒルクライムレースで二輪・四輪でタイトルを獲得した経験を持ち、映画ボーン・アルティメイタムをはじめ数多くのハリウッド作品でカースタントを担当してきたグレッグ・トレイシーの2 人だ。ホットウィールのデザインチームが手がけた2 台の実車サイズのホットウィールは全米ネットワークチャンネルが生中継をするなか、1 度きりのスタントに挑み、見事成功させた。

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Make your own Hot Wheels 自分だけのホットウィールを作ろう

ホットウィールの魅力は様々なスタイリングと豊富な

手がけたホットウィール "ローラー・トースター（ " 未塗装

カラーバリエーションにある。１９６８年に登場したホット

の特別仕様）をベースに各々カラーペンでオリジナル

Hot W h e els

ウィール最初の16モデル"オリジナル・スウィート16"に

のデザインを施してもらった。

も多くのカラーバリエーションが存在しており、現在も

この3日間のイベントで誕生したのは200 台ものオリ

年間数百種というバリエーションがリリースされている。

ジナリティ溢れる作品。その中からセレクトした30 台を

そんなホットウィールの魅力をより多くの人に知って

みてもそれぞれ実に個性的な仕上がりだ。ホットウィー

もらおうと、新名神高速道路にある宝塚北サービスエ

ルデザイナーのリュウ・アサダ氏も「僕たちホットウィー

リアで開催したハイウェイモーターショーで小学生以下

ルデザイナーが想像することもできなかった素晴らしい

を対象をした「ホットウィール・デザイン・チャレンジ」を実

デザインの数々です。子供たちから素晴らしい刺激をも

施。本誌登場のリュウ・アサダ氏がそのスタイリングを

らうことができました」と感激のコメントを寄せてくれた。

Hot Wheels Design CHALLENGE

サービスエリアで開催したデザインチャレンジ

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Original Sweet 16

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Roots of Hot Wheels

速くてカッコいい 16 台のカスタムカー

1968 年に登場したホットウィールの原点 1968 年 5月18日、マテルのエリオット・ハンドラーと同社

ルも加えられていた。実在するこれらのモデルはすべて当時

デザイナー、そしてゼネラルモータースのカーデザイナーや

のカリフォルニア・カーカルチャーにインスパイアされるカス

ロケット技術者らは、優れたパフォーマンスを発揮するこれま

タムスタイルとしたことですぐに子供たちを夢中にさせた。ま

でにないミニカー"ホットウィール "を作り上げ、世に送り出し

たフォードJカー、ホットヒープやチーター、デオラ、シルエット

た。この年販売されたのは16モデル。これらは後に"オリジ

そしてビートニック・バンディットなど、スタイリッシュなカスタム

ナル・スウィート16"と呼ばれ、高値で取引されるホットウィー

モデルもこのラインナップに加えられていた。

ルファン垂涎のコレクタブルアイテムになった。

もちろんスタイルだけでなく軽く押し出すだけでよく走ると

そのラインナップはカマロ、マスタング、クーガー、コルベッ

いう性能は当時のモデルですでに確立されており、専用のト

ト、フリートサイド、エルドラド、ファイアーバード、サンダーバ

ラックセットも1968 年に登場している。愛車を持ち寄りその

ード、バラクーダとった1960 年代を代表するアメリカ車を中

スタイルとスピードを競い合う光景は、半世紀ものあいだ変

心とし、当時から人気を集めていたフォルクスワーゲンビート

わることのないホットウィールの文化になっている。

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アイコニックなモデルから着想プーマとホットウィールがコラボレーションプーマからホットウィールのアニバーサリーイヤーにふ

ルーの"16"は先に紹介したオリジナル・スウィート16を

さわしい魅力的なコラボレーションアイテムが登場し、

モチーフとしており、1968 年 5月に発売された最初の

12月より日本国内での販売を開始する。

ホットウィール=ブルーのシボレーカマロを彷彿させる美

両ブランドのコラボによって誕生したのは1980 年

しいカラーになっている。そしてブラックはホットウィール

代に人気を得たRX（ランニングシステム）を進化させた

を代表するモデル "BONE SHAKER"がそのモチー

Hot W h e els

モデル RS-Xをベースに、ホットウィールのアイコニック

フ。どのモデルもクリアのアウトソールにホットウィール

なモデルを連想させるデザインとした3 つのバリエーシ

のグラフィックが入れられているのもポイントだ。

ョンを持つシューズ「 RS-X TOYS HOT WHEELS

アパレルのコレクションはトラックジャケット（各色

（ 14,800 円 / 税抜）」と、1968 年に登場した最初の

トラックパンツ（各色 11,000 円 / 14,800 円 / 税抜）、

16 台 (オリジナル・スウィート16と呼ばれる）から着想を

税抜）、Tシャツ（各色 5,000 円 / 税抜）のラインナップ。

得た"16"の数字をあしらったアパレルのコレクション。

幅広い世代に愛されるミニカーブランドホットウィー

オレンジ色のシューズは"CAMARO"と名付けられ、

ルとカーカルチャーをリンクさせる今回のプーマのコラ

ホットウィール 50 周年記念車として販売されたシボレ

ボレーションアイテムは、プーマストア ( 原宿、大阪 ) 、プ

ー・カマロからインスパイアされたデザインとなる。またブ

ーマオンラインストアで販売される。

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KURUMAG. No.0 2 1 Hot W h e els

カーカルチャーの中から生まれ次のカルチャーを生み出すブランドへ「ホットウィールは1968 年に誕生しました。それはホッドロ

とが起きているのか、そしてテクノロジーがどのように進化を

ッドやファニーカーといったカスタムカーカルチャーからイン

しているのかを注意深く見続けることが大事だと思っていま

スピレーションを受けたもので、その一部をデザインエッセン

す。ホットウィールはまず初めに子供たちの興味・関心に大

スとして切り取ったものでした。そして時を同じくして人気を

きな影響を与えます。そして小さな子供から我々のような世

得たポニーカー（当時の若者をターゲットにした安価で比較

代のコレクターまで幅広い世代に愛されていくのです。全て

的コンパクトなクーペ）と一緒にホットウィールは成長しまし

の人々に関するあらゆるものに引き続き注意を払うことがで

た。ホットウィールの作り出すミニカーは人々にとって単にク

きれば世界を変えていけるはずです。自動車トレンド、カルチ

ールに見えただけでなく、実車のように速く走らせることがで

ャートレンド、テクノロジートレンドとの関連性をこれまでと同

きるというパフォーマンスを追求したこともその人気を後押し

じように保つだけではなく、世界でナンバーワンの"自動車ブ

したのです。これが私たちの原点です。ですから我々はアメ

ランド"になることもできると思っています」。

リカのカーカルチャーに常にインスパイアされているのです。もちろん世界中にいるカーエンスージアストやほぼ全ての自動車メーカーのパッションにも我々のデザイナーたちは心動かされ、時にドラゴンカーやアニマルカーなどこの世の中にないクルマまで作り出してしまうのです」とホットウィールのゼネラル・マネージャーを務めるクリス・ダウンは語る。その誕生から50 年、名実ともに世界一のミニカーブランドとして成長したこのブランドを今後どのように率いていくのかを聞いてみるとこんな話を聞かせてくれた。「次の 50 年、重要なのはポピュラーカルチャーの中で何 p age. 23

が起こっているのか、自動車カルチャーの中でどのようなこ

KURUMAG.

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Field Not e s

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操る喜びをさらに際立たせた

2019 年モデルの NSX text・photo=KURUM AG・

「人間中心のスーパースポーツ」、これは初代 NSXが提案

によって、低中速域のハンドリングと高速域の安定性を両立

したコンセプトである。F1を筆頭にモータースポーツ界の活躍

することに成功。これにより街中でのコーナリングからワインデ

でも知られるホンダが作るフラッグシップスポーツカーとして卓

ィング、さらにはサーキットまで様々なシーンで、クルマとの一体感をより感じやすいものにしている。この一体感とは、走る楽し

能をあらゆるドライバーが意のままに操れること、そしてそれを

さよりも、操る喜びに近いもの。まさにホンダがこだわる「人間

操る喜びを感じられてこそ真のスーパースポーツであると考え

中心のスーパースポーツ」のコンセプトの下、その性能が磨き

てきた。2016 年に登場した2 代目NSXでもそのコンセプトは

こまれ、人の感性に訴えかける気持ちの良い走りを実現した。

継承され、3つのモーターを持つハイブリッドシステムSPORT

またデザイン面ではグリルの変更やメッシュパーツの質感向

HYBRID SH-AWDを組み合わせることで、現代におけるス

上、新色のサーマル・オレンジ・パールの設定、インディゴ内装

ーパースポーツのひとつの答えをカタチにした。

の用意とNSXの魅力をさらに引き立てる変更が行われた。

そんなNSXがさらなる進化を遂げ、2019 年モデルとして

NSXはスーパースポーツのカテゴリーにありながら、日常か

2019 年 5月に発売される（購入申し込みは10月25日より開

ら非日常まであらゆるシーンを1 台でこなすことができる数少

始）。持ち前のダイナミクス性能は、NSX 専用開発タイヤコン

ないスーパースポーツである。2370 万円という価格をつけた

チネンタル・スポーツコンタクト6 の採用とあわせサスペンショ

2 人乗りのクルマは、決して誰もが簡単に買えるものではない

ン各部を見直し剛性を高め、走行シーンに応じて車両特性を

が、憧れの象徴としてふさわしく、そして手に入れた人を決して

選択できるインテグレーテッド・ダイナミクス・システムの最適化

裏切ることのない特別なクルマであることは間違いない。

New Mo d el

越した運動性能を持つことは当たり前のこと。NSXはその性

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w w w.honda.co. jp/NSX/

KURUMAG. No.0 2 1 D e s ig n

注目のカーデザイナー3 人が語った

2032 年のカーデザイン t e x t・ph ot o = KURUM AG. , Faraday Future, Luci d Motors, G enesi s

2032 年のカーデザインは？カリフォルニアに本拠を置

るファラディ・フューチャーに移籍、エクステリアデザインの

き、これまでに数々のカーデザイナーを輩出したデザインス

チーフを務めるページ・ビールマンもこれに続き「未来の自

クール、アートセンター・カレッジ・オブ・デザインで、いま注目

動車がたった一つの面しかないということはないだろうね。

を集めるカーデザイナー3 人がこんなテーマを語り合った。

僕自身、自動運転によって移動中にテキストが送れるのは

「何のために運転をするのか？きっとクルマを使う目的は

嬉しいけど、ドライビング・エクスペリエンスに対しギブアップ

それぞれ異なるはず」と語るのはランボルギーニ・ウラカンや

するつもりは全くないからね。未来にはいろいろな可能性が

ブガッティ・シロンのデザイナーとして知られ、現在はヒュンダ

あって、スケートボードのようなものに、ミニバンや SUV 、シ

イのジェネシスでアドバンスドデザインを担当するサシャ・セ

ングルシーターの車体を載せ換えることができるかもしれな

リパノフ。「未来のカーデザインがひとつの答えになることは

い。3日間はミニバン、2日間はSUVなど、そういう楽しみかた

ないと思う。例えば僕のパッションはスポーツカーを運転す

を提供する会社も登場してくるかもね」。

ること。オフィスのあるドイツでは毎日愛車の GT-Rで時速

2015 年までマツダの北米デザインをまとめ、現在はルシ

320kmで通勤しているんだ。合法的にこんな移動をしたい

ッド・モータースのデザイン副社長を務めるデレク・ジェンキ

人もいるだろうし、テイラーメイドのような特別なクルマを所有

ンスはこうまとめた「クルマとユーザーの間にはエモーショナ

したい人もいるだろう。"ダイバーシティ・ビークルでは体験

ルな関係性が必要になる。デザイナーはユーザーのパッショ

できないエモーショナルなものをクルマに求める人はまだま

ンを理解し、欲求に応えなければならないね。クルマ、サービ

だいると僕は信じたいね」。

ス、ブランド、そしてユーザーエクスペリエンスと従来以上に

BMWから2015 年にEVスタートアップとして注目を集め

カーデザイナーの担う役割は大きくなっていくだろうね」。

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自動車のカラートレンドはテクノロジーとユーザーのライフスタイルによって変化 text・photo=KURUM AG.

「自動車の人気色はホワイト、ブラック、シルバーがグロー

来のカラーや光や熱を反射し車内温度の上昇を低減しエコ

バルでも、そして日本でも上位を独占しています。しかしそれ

に貢献する遮熱効果のあるカラーなど、技術的な側面から

らに続く人気色は毎年トレンドが変化しており比率に変動

カラートレンドが変わってくることも予想されるという。

が見られます。最近ではブルーやレッドといった色がまた注

「また20 ∼ 30 代のミレニアム世代のトレンドも人気色に

目されていますし、ブラウン・ベージュといった色も上位に入

影響を与えてくるでしょう。ファッションやインテリアデザイン

ってきています。ちなみに同じ色のカテゴリーであっても、各

のトレンドなどと連動するニッチでユニークな色を求める人も

国でトレンドは微妙に異なり、ホワイトに関して言えば日本で

増えてくると思います。私たちは年齢や職業、ライフスタイル

は他国に比べ圧倒的にパールホワイトが人気です。またブ

やパーソナリティ、生活環境なども自動車のカラートレンドに大きく影響すると考えています。単に新しい色を作るだけで

まれているのですが、日本では濃いブラウンがトレンドになっ

なく、特定の色を好む理由を研究し、トレンドを理解したうえ

ているんですよ」。そう解説してくれたのは、150 年以上の

で自動車の新しい色を提案していきたいと思っています」。

歴史を持つ自動車塗料メーカーアクサルタでグローバル・カ

Tre nd

ラウン・ベージュですが、グローバルでは明るいベージュが好

ラーマーケティングを担当するナンシー・ロックハート。アクサルタでは約 700 万色もの自動車塗料を開発・生産する傍ら、45 年以上に渡り自動車の人気色を調査・研究し、現在のトレンドを把握し将来のトレンドを予測している。現在そのリーダーを務めているのが彼女である。「電気自動車や自動運転、カーシェアなど自動車をとりまく環境や技術は大きく変わってきています。今後は自動車の色もまたそういったテクノロジーの進化を印象づけるものが好まれるようになってくるでしょう」。聞けば、トウモロコシやサトウキビから顔料をつくることができるマゼンタなど植物由

Global Source: Axalta Global Automot ive 2017 Color Populality Report

w w w.axaltacs.com/jp

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Japan

KURUMAG. No.0 2 1

レクサスの 3 つ目のブランド拠点がニューヨーク・ミートパッキングにオープン t e xt=KURUM AG. photo= L exus

レクサスブランドおよびライフスタイルの発信拠点として

ルグリルにインスパイアされる竹を使ったウィンドウスクリー

の役割を担うINTERSECT BY LEXUSがニューヨーク

ンなどは東京・ドバイと共通のもので、そのデザインは両拠

に誕生した。東京、ドバイに続く3 つめの拠点として選ばれ

点も手がけた片山正通氏によるものとなる。

たのはトレンディなエリアとしても人気が高いニューヨークの

「ニューヨークは世界的文化の中心地でありINTERSE

ミートパッキング・ディストリクト。1 階にはカフェとリテールシ

CT BY LEXUSにとって完璧とも言える場所です。好奇心

ョップ、そしてパブリックギャラリーが用意され、誰もがいつで

と想像力に満ちたこの町の人々とユニークなデザインを持

B rand

も気軽に訪れることができる空間としており、2 階には6ヵ月

つ空間の組み合わせは、次世代のクリエーターとイノベータ

ごとに異なるシェフが腕を奮うフルサービスレストランが用意

ーに刺激を与えるでしょう」とレクサス・インターナショナルの

されている。11月のオープンからはパリやロンドンで活躍す

澤良宏氏はコメントしている。

るフレンチシェフ、グレゴリー・マーチャンドがその最初のシェ

ニューヨークではすでにキャデラックがソーホーのハドソ

フを務めるとあって話題だ。そして3 階にはプライベートギャ

ン・ストリートにブランド拠点となるキャデラック・ハウスをオー

ラリーが設けられている。1200 台以上のミニチュアカーを

プンさせており、INTERSECT BY LEXUS のオープンに

展示するウォールディスプレイ、レクサス車のパーツによって

よって、アートやファッションとカーカルチャーをリンクさせる

構成されるアートインスタレーション、またレクサスのスピンド

町として、その存在感をさらに強めていくことになりそうだ。

p age. 28 w w w.Intersect-NYC.com

KURUMAG. No.0 2 1 TV Sh o ws

Amazonオリジナル作品として公開された "ジムカーナ "シリーズ初のドキュメンタリー t ex t = KURUMAG. photo=Hooni gan Medi a Machi ne

ケン・ブロックを瞬く間に世界的なプロドライバーへと押し

ではそれらの全てを包み隠さず公開している。またケン本人

上げたのが YouTubeで公開してきた"ジムカーナ"シリーズ

のインタビューだけでなく、ケンとともに作品を作り上げてき

だ。2008 年に公開した"ジムカーナ・プラクティス" 以来、計

たディレクターのブライアン・スコットやブランドディレクター

9 作品の累計再生回数は5 億回を記録し、スピンオフ作品

を務めるマット・タシーロら制作陣も登場。"ジムカーナ "シリ

もまた驚異的な再生回数を記録してきた。今冬、その通算

ーズに関わる様々な人々のリアルな声によって、彼らのクル

10 作目となる"GYMKHANA TEN" の公開にあわせ、初

マ/モータースポーツへの情熱、作品制作へのこだわりをダ

のドキュメンタリー作品「ジムカーナ･ファイル ∼限界への

イレクトに感じ取ることができる内容になっている。

挑戦∼」が Amazonオリジナル作品としてAmazonプライ

全 8 話で構成される「ジムカーナ･ファイル ∼限界への

ム・ビデオで11月16日より公開されている。

挑戦∼」は、これまでYouTubeで公開してきた9 本のメイキ

「モータースポーツの大胆さを、新たな切り口で見せたか

ングシーンに加え、ケン・ブロックのレース活動、さらに最新

った」というケンはこれまで誰も挑戦したことのない様々なア

作の撮影シーンまでも含まれている。カリフォルニア、テキサ

クションを過去 10 年に渡り"ジムカーナ "シリーズで披露し、

ス、ユタ、コロラド、ミシガンなどアメリカ各州からスウェーデン

人々を魅了してきた。しかしその制作の裏には多くの苦悩と

やメキシコまで、素晴らしいロケーションの数々を怪物マシン

葛藤、そして興奮と喜びがあった。このドキュメンタリー作品

で駆け抜けるケン・ブロックの" 限界の走り"にも要注目だ。 p age. 29

w w w.amazon.co. jp

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クルマ好き＆モータースポーツファンを惹きつける新たなディストネーショ

を伝え、ファンを増やし、地域経済の活性化を行っていくことがその目的

ンが 2021 年春頃に静岡県駿東郡小山町に誕生する。「モータースポ

となり、トヨタグループの東和不動産がその開発を行っている。

Sp ot

ーツビレッジ計画」と名付けられたこのプロジェクトは、2020 年度に開通

小山 PAに設けられるスマートICを利用すれば国内外のビッグレースイ

する新東名高速道路秦野−御殿場 JCT 間に設けられる小山 PAと隣

ベントが行われる富士スピードウェイおよびモータースポーツビレッジまで

接する約 27ヘクタールの敷地に、自動車メーカーのガレージをはじめ、国

わずか3 分でアクセス可能という好立地とあって、国内はもとより海外の

内のモータースポーツで活躍するレーシングチームのガレージやアマチュ

モータースポーツファンからの期待もすでに膨らんでいる。

ア用ガレージ、また宿泊施設やレストランなどを集約した施設を建設する

▶ 東和不動産株式会社

というもの。「モータースポーツビレッジ計画」はモータースポーツの魅力

https://www.towa-r.co.jp/

新東名高速道路 NEOPASA 清水（上下集約）に株式会社ドン・キ

NEXCO 西日本管内のSAにてイルミネーションイベントがスタート。

ホーテが運営する「ミチドンキNEOPASA 清水」がオープンした。

イルミネーション会場となるのは山陽自動車道の三木 SA（上り）お

JR 大阪駅に展開する「エキドンキエキマルシェ大阪店」、羽田空

よび吉備 SA（上り）、松山自動車道の石鎚山 SA（上り）、九州自動

港国際線ターミナルで展開する「ソラドンキ羽田空港店」に続く新

道の古賀 SA（下り）の4カ所となる。各 SAでは四季の優しいうつろ

業態として高速道路上で初めての出店が実現した。同パーキングエ

いを表現し、蝶や竹、月など日本らしい情緒豊かな「和」をモチーフ

リアは多国籍・多方面からのお客さまが立ち寄る施設であることか

にしたイルミネーション（三木 SA ）や特産の桃を馬車にアレンジした

ら、ご当地限定の商品を豊富に揃えているほか、市内店舗でも人

「桃の馬車」をはじめカップケーキやアイスなど「あま∼い光のおも

気の焼き芋などモバイルフードを充実させているのが特徴。営業時

てなし」を演出したイルミネーション（吉備 SA ）など、それぞれのコン

間は9 時∼21 時。2019 年 3月31日までの期間限定で営業。

セプトに基づいた美しいイルミネーションが2月28日まで楽しめる。

▶ NEXCO 中日本：

▶ NEXCO 西日本：

www.c-nexco.co.jp

www.w-nexco.co.jp

p age. 30

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