データストレージ このレポートでは、Candela装置で測定した硬質ディスクに 対する欠陥検出レシピとスクラッチカウント結果の最近の 開発について述べる。Candelaでコンパイルされたスクラッ チデータを、従来のDFMや別のタイプのOSAツールを使用 して取得したスクラッチデータと比べる。レシピパラメー タの調整が整合性のあるスクラッチカウントの取得の鍵と なることがわかる。この選択肢はDFM技術では使用できな い。スクラッチ欠陥解析にCandelaツールを使用する他の利 点についても述べる。
方に設置し、ディスク表面の暗視野画像をモニタに表示す る。この研究ではCCDカメラの倍率を10倍にした。光をデ ィスク表面に対して浅い角度で入射し、CCDが反射光を直 接収集しないようにした。ディスクに欠陥があると、入射 光は散乱し、散乱信号はCCDカメラによって検出される。 欠陥は、モニタでは暗い背景上の明るい画像として表示さ れる。オペレータはディスクを回して欠陥を検査し、欠陥 数を手動で数える。DFM技術を使用する利点は、Candelaツ ールに比べて、相対的に処理時間が短いこととセットアッ プが容易なことである。
実験 CandelaおよびDFMのサンプル準備と実験セットアップ Candela欠陥検出システム
CandelaCS10は、405nmレーザを利用した多機能ツールである。 図1に示すように、このシステムには円周方向レーザと半径方 向レーザと呼ばれる2つのレーザがある。2つのレーザビーム は、サンプルの解析ポイントを90度の角度で照射する。装置 には、いずれかのビームか、または両方のレーザで同時にデ ィスクをスキャンする機能がある。信号検出は、反射ビーム と散乱ビームを対象に2つの検出チャネルを使用して行う。ス クラッチおよび異物欠陥の識別には、光電管(PMT)ディテクタ で構成された散乱チャネルを使用する。このモードで、レー ザは、サンプル表面と相互作用して散乱信号を生成し、この
Candela CS10 system apparatus
Circumferential laser
Scatter channel
Reflection channel Disk sample
図1:Candela C10に使用するXビームテクノロジ。半径方向レーザビ ームと円周方向レーザビームを直角に交差させて、ディスク表面に 当て、散乱信号が生成され散乱チャネルによって収集される。
信号は散乱信号画像で明るい領域として表示される。入射レ ーザでは3つの偏光モード、P、S、およびQ (PとSの組み合わ せ)を使用できる。測定時、ディスクが回転すると、レーザ光 源と検出システムは、ディスクサンプルの全領域がスキャン できるように横方向に移動する。 暗視野顕微鏡(DFM)スクラッチ検出システム
DFM技術は複数の光源を使用して、異なる角度からディス ク表面を照射する。荷電結合素子(CCD)カメラをディスク上
2007年冬号 歩留まり管理ソリューション
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CMPプロセスに先立ち、ディスクサンプルを研磨しニッケ ルリンをめっきした。9ディスクの内径、外径、厚みは、 それぞれ25mm、95mm、1.27mmである。ディスクは数種 のCMPスラリーで研磨し、洗浄した後に欠陥検査に送られ る。取扱いが原因と思われる残留化学物質と汚れはミスカ ウントにつながるため、ディスクのクリーン度はスクラッ チ検査に重要な影響を持つ。 Candela測定手順は、ディスクを装置のプラテンに載せると 自動的に実行される。データ出力では、各ビンのスクラッ チおよび異物の分布状況とともに、ディスク上の欠陥の場 所を示すマップが表示される。収集された欠陥データはサ イズ別に5つのビンに分類される。スクラッチ欠陥ビンの名 目上の設定は、次のとおりである。ビン1:20∼100µm、ビ ン2:100∼500µm、ビン3:500∼1000µm、ビン4:1000∼ 5000µm、およびビン5:5000µm以上。 DFM技術では、スクラッチの数を手動カウンタで数える。 スクラッチの長さの解析は、モニタに表示された各スクラ ッチの長さを分類用のスケールを使用して測定した。固有 の検査作業として、スクラッチを4つのグループ、短くて (2mm以下)浅い、短くて深い、長くて(2mm以上)浅い、長く て深い、に分類した。スクラッチの深さは、モニタに表示 された欠陥の明るさに応じて目視検査で予測した。 ディスク上の解析領域は、DFMでは中径(MD)から外径 (MD)までの範囲、Candelaでは内径(ID)から外径(MD)までの 範囲である。そのため、スキャン領域はCandelaではDFMよ りも約1.5倍大きくなった。 OSA-2スクラッチ検出システム
顧客サイトで使用する別のOSAツールについては、後に紹介 しCandelaツールと比較する。このツールもプローブとして レーザを使用し、スクラッチの検出に散乱信号を採用して いるが、Candelaテクノロジは使用していない。このツール は元々顧客が開発したもので市販されていないため、ここ では便宜的にOSA-2と呼ぶことにする。機密情報があること から情報はごく限られているため、関連性を見つけること は困難な作業であった。次のセクションに述べるように、 このツールとの関連性を明らかにするうえで、Candelaツー ルの調整機能は大きな役割を果たす。
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