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硬質ディスク研磨における化学機械平坦 化 (CMP) スラリー開発に向けたレーザ使 用欠陥検出システムの活用 Toshi Kasai, Charles Dowell – Cabot Microelectronics Corp Anoop Somanchi – KLA-Tencor Corporation

ハードディスク製造では、CMPスクラッチの特性評価がデバイスの信頼性向上の鍵となる。エリプソメータ、反射率計、散乱 計、および光学プロファイラを完備したKLA-TencorのCandelaTM光学表面アナライザ(OSA)システムを欠陥検出に使用すると、検 出の調整と整合性が可能となり、手動検出の主観性を排除できる。Candela OSAテクノロジでは、従来の暗視野顕微鏡(DFM)に 比べてばらつきが大幅に低減したことが実証され、小さなスクラッチ(10μm以下)の識別も容易になった。

はじめに

ハードディスクドライブ(HDD)業界では、10年前からデー タ容量の大型化に対する需要の高まりを受けて、いくつか の技術が実現されている(1)。ヘッドディスクインタフェース (HDI)の観点から、浮上読み取り/書き込みヘッドとディスク メディア間の距離を近づけることが、HDDの高データ密度 を実現するための主流となっている。ヘッドとディスクの 間の間隙を最小にするために、ディスク表面の粗さを抑制 する必要があるが、より重要なことは、スクラッチや異物 などの表面欠陥の数を少なくしてHDD動作の機械的信頼性 を向上させることである。 化学機械平坦化(CMP)プロセスは硬いディスク表面を平坦化 するための重要なステップである(2)。一般に、CMPは、ポリ マーパッドと接触するディスク表面の化学反応と機械的研 磨を、複雑な化学的性質と研磨剤を含んだスラリーと組み 合わせ負荷をかけて実現される(3)。硬質ディスクスクラッチ 欠陥性能にスラリーが大きな影響を持つことは認識されて いる。スクラッチは、取扱い、化学的性質の不平衡、また はスラリー内の大きな研磨異物が原因で生成される。その ため、スラリー開発には一貫したスクラッチ特性評価技術 を活用することが不可欠である。

2007年冬号 歩留まり管理ソリューション

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www.kla-tencor.com/ymsmagazine

硬質ディスクサブストレート上のスクラッチ特性評価に は、いくつかの検出システムを使用できる。1つの例は、 暗視野顕微鏡(DFM)をベースにしたスクラッチカウントツ ールである。DFMは便利で使いやすいが、DFMを使用し たスクラッチカウントや解析は、主観的になりやすくオペ レータへの依存度が大きいことで知られている。DFMを手 動で操作すると、相対的に再現性と再現精度(R&R)が低く なり、欠陥分類(サイズ別など)が煩雑になる。また、欠陥 数が比較的多いため、異物の総数を把握することも困難に なる。 レーザを利用した光学表面アナライザ(OSA)システムの最 近の開発により、表面形態に関する再現性と信頼性が向上 している (4-6) 。たとえば、一連のCandela装置にはエリプソ メータ、反射率計、散乱計、および光学プロファイラが完 備している (6-8)。それぞれの操作モードやモードを組み合わ せて、タイプ、数や場所などの固有の欠陥データを使用し て欠陥を検出できる。さらに、多目的欠陥スキャンおよび 解析レシピを使用すると、構造的な検出調整と整合性の実 現が可能になる。これは、手動検出の主観性の排除に役立 つ。Candelaツールは、欠陥識別用にハードディスクドライ ブ業界で広く使用されている。

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