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多治見市モザイクタイルミュージアム 設計 藤森照信＋エイ・ケイ＋エース設計共同体 施工 吉川＋加藤＋櫻井特定建設工事共同企業体 所在地 岐阜県多治見市

MOSAIC TILE MUSEUM architects: TERUNOBU FUJIMORI+A･K+ACE DESIGN COMMUNITY

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南側外壁面を見る．土を原料とした磁器質モザイクタイルの採土場をモチーフにしたフラットな土壁は，割れた磁器 のタイルや食器がアクセントとしてはめ込まれている．屋根面には縁にのみ高さ50cmほどの松の木が植えられている．

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多治見市モザイクタイルミュージアム 設計 藤森照信＋エイ・ケイ＋エース設計共同体 施工 吉川＋加藤＋櫻井特定建設工事共同企業体 所在地 岐阜県多治見市

MOSAIC TILE MUSEUM architects: TERUNOBU FUJIMORI+A･K+ACE DESIGN COMMUNITY

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土とタイルとランドスケープ 完成して目を見張った．外壁には焼き物の破片を

“衝立状に立てる” ， “山状に盛り上げる” ， “1 階ぶん 沈んで入る” ，“衝立の頂部に松を植える” ，この 4

埋めて土を塗り，頂部は小さな松を植え込んだと

つは早いうちに思いついたが，あれこれ悩んだの

いうのに，なぜか物体としての存在感が蒸発し，

はふたつあり，ひとつは外壁でタイルをどう見せる

雲の浮く青空に建築ファサードという絵を描いたよ

か，もうひとつは内部の見せ場となる内部空間を

うに見える．

どこにどうつくるか．

（本 似た立地に似た仕上げをした「秋野不矩美術館」

タイルの見せ方は A. ガウディのグエル公園で尽き

誌 9806）では漂わなかった非在感が立ち上がってい

ているから，別のやり方を求め，結局，外壁にお

る．しかし，舞台の書き割りのようなその場限りの

いては破片を点在させ，展示室においては“モザイ

軽さはなく，確として“非在”がある．このような光

クタイルのすだれ”を工夫した．

景は，これまで訪れてきた古今東西の建築の建つ

見せ場となる内部は，スイスで訪れた美術館の安

風景で味わったことがない．

藤忠雄と見まがうような打ち放しの一直線上り階段

正面から眺めたこの不思議な印象は，隣接する公

を参考に，土の洞窟の中を一気に最上階まで上る

民館の上階に上がり，モザイクタイル生産でかつ

ようにした．

て栄えた盆地にわだかまる町並みを背に眺めるとさ

芝生と笹の地面を沈み込んで地底に入り，土の胎

らに強まり，この建築とその周辺の緑地だけが大

内を抜けると，そこにはキラキラ輝くタイルの蜘蛛

地よりフッと少し浮いているというか……．しかし，

の巣と青空が待っていてくれる．地底に潜り，天上

幸い，周辺の光景と齟齬をきたしたりはしていない

に抜ける――最初からそう図ったわけではないが，

し，環境を壊してもいない．

完成後，歩いてみてそう思った．

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（藤森照信）

南側俯瞰．モザイクタイル発祥の地で全国一の生産量を誇る多治見市笠原町で，旧町役場の跡地に建てら れた地上 4 階建ての鉄筋コンクリート造の公共建築．タイル屋根で，北側に傾斜した既存地形を生かすかた ちですり鉢状に緑の斜面を設けた．来場者は南側アプローチから小さな入り口を通って内部へと向かう．

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4 階展示室 1．屋根面の一部に丸い開口を設けた半屋外の展示空間で，小窓から自然通風を促す．白いモザイクタイルの空間の中に銭湯などで利用され保管されたモザイクアートの数々が並ぶ．

1 階階段室の踊り場．トップライトが差し込む展示スペースには，伊藤慶二氏による陶芸作 品「足（そく） 」が置かれている．

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階段室．1 階から4 階までを上る鉄砲階段．床壁天井すべてが土壁のイメージで統一されて いる．奥の白い空間は 4 階展示室 1．

4 階．屋根の開口から伸びる「モザイクタイルのすだれ」は藤森氏による デザイン．約 400 のタイルの破片がワイヤーに取り付けられている．

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R=8,500 500

ステンレス製ズレ止めプレート @1,050mm（両側102カ所）

1,500

笠木 銅板 t=0.4mm加工

00

6,5

19丸モザイクタイル接着張り

φ=2,500 φ=1,500

20等分

8,000

笠木 銅板 t=0.4mm加工 タイル屋根（金物固定） ゴムアスファルトルーフィング シンダコンクリート t=100～250mm 断熱材 t=50mm 超速硬化塗膜防水

100 展示室1 ステンレスワイヤーロープ3mm モザイクタイル貼付け （45mm角程度の磁器タイルを1ｍ/20カ所 ワイヤーを挟んで接着貼り）

照明台 タイル張り 発泡スチロール下地

20

00

,0

21

分 等

R=

植栽カゴ300×300×1,000mm （両側計100カ所） （クマ笹8ポット アカマツ苗 h=500mm ３本）各カゴ 上部落下止めワイヤー張り固定

3,000

19丸モザイクタイル接着張り

配線穴 Φ=100mm

300

調整用SUSターンバックル留め

19丸モザイクタイル張り モルタル金ゴテ 押えコンクリート t=70～180mm 溶接金網φ=6mm 100×100mm アスファルト防水（立上り h=300mm）

防水モルタル

4,000

3,000

2,500

4,600

道路境界線 階段室 通路

▽+500

▽+350

配置断面 縮尺 1/500

身障者用駐車場

▽+470

7,000 10,500

1,300

配置 縮尺 1/5,000

隣地境界線

3,100 2,200

▽+190

道路境界線

11,000 14,100

4,400 200

ショップ

4,000 500

5,000 2,800

2,550

2,950 2,600

階段室

2,950 2,600

展示室3

1,100

500 8,000 4,000

階段室

4,000

20,650

,496▽

階段室

展示室2

150 4,000

▽+2,858

展示室1 （半屋外）

N

隣地境界線

4 階断面 縮尺 1/75

展示室1 （半屋外）

設計 建築 藤森照信＋エイ・ケイ＋エース設計共同体 構造 織本構造設計 設備 a&A 設備設計 施工 吉川＋加藤＋櫻井特定建設工事共同企業体 敷地面積 3,558.85m2

ギャラリー スペース

建築面積 793.95m2

展示準備室

展示室2

延床面積 1,925.02m2 会議室 2

教材庫

会議室 1

調査研究室

研修工作室

エントランス

休憩・待合

薪置場 倉庫 雨水貯留槽

断面 縮尺 1/500

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階数 地上 4 階

階段室 1

展示室3

構造 鉄筋コンクリート造 収蔵庫 雨水貯留槽

工期 2014 年 7 月∼ 2016 年 3 月 撮影 新建築社写真部 （データシート220 頁）

500

200

CB100 1,350

バルコニー 階段室2

EV

階段室1

展示室1 （半屋外）

4 階平面

バルコニー

EV

階段室2 バルコニー 階段室1

ギャラリー スペース

展示室2

上：4 階展示室．4 階の展示物の設置カ所は藤森氏が監修． 下：1 階休憩・待合．鉄筋コンクリートの躯体に白く縞模様 に漆喰がコテ塗りされている．右に階段室．

展示準備室

3 階平面

EV

休憩室

階段室2

書庫 事務室

階段室1 AC

廊下

会議室 2

会議室 1

調査研究室

展示室3

デザインスタジオ

2 階平面

電気室 身障者用 駐車場 （2台）

室外機置場 公用車駐車場 （3台）

EV

風除室 2

階段室2

サービス用 駐車場 （3台）

消防用活動空地

休憩室

荷解き室

通路 2

ポンプ 室

受付 エントランス

教材庫

倉庫

収蔵庫

休憩・待合

研修工作室

暖炉

ショップ 風除室 1

階段室1

N

1 階平面 縮尺 1/400

上：外壁．小窓と割られた茶碗を見る． 下：階段手摺り．鉄にタイルが巻き付く．

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