HonoirableWorks
OtherWorks
サークル活動 神輿 p41
専門学校卒業制作 ユーザーが思考するプロダクト p47
自主制作
伝統・文化を未来につなぐプロダクト p53
大学・専門学校にて取り組んだ作品集 p59
学生生活での取り組み p65
いつでも近くにある、”パートナーのような掃除機” を目指して
一人暮らし始めたてのあるあるとして、 掃除の習慣化がなされていないといった問題があります。
忙しさの中で変わる生活リズムや コロコロ変わるインテリアは掃除する機会を奪ってしまいます。
こんな悩みを解決したい
掃除機 "SASA" は、一人暮らしに適した新しい掃除機です。
掃除機って結構場所を取る
一般的な掃除機はサイズが大きくかなり場所を取ってしまいます。
インテリアが変化する室内に合わせられるよう 掃除機も持ち運びに優れたコンパクトさをコンセプトと定めました。
従来の掃除機 (サイズが大きく場所をとる)
アイデアスケッチ
直感性を第一に、持ちやすさを追求 直接本体を持って掃除できるようにすることで 持ち手と吸い取り口をダイレクトに繋ぎました。
これによって「隙間時間のちょちょいと掃除」 が気軽にできるようになります。
ハンディ掃除機として持ちやすさは重要です。
そのために複数回にわたって 持ち手部分のモックアップを複数製作、 徹底的な持ちやすさを追求しました。
先細りの形状で 狭い場所もスムーズに
第一、第二関節に沿った 持ちやすいラウンド形状
ゴミ捨ては先端から楽々
燻んだ緑のボディカラー 使っていない時も空間を彩る
基盤やモーターは持ち手部分に集約、重心を手前にすることで負担を軽減
吸込口を軸に上下左右に分割、製造方法を意識
"ヘラ絞り"が生み出す金属製の食器
金属板にへらを押し当て成型する技法 "へら絞り" 金属の違いや厚み、へらに加える力の加減等を考慮し加工を行うため、
一部を除いては職人によって作らる。
職人の協力を得て製作した本食器は、 "職人技法"によって作り出される曲線美が落とし込まれている。
表面に琺瑯加工を施しており、金属らしさに 躊躇してしまう消費者であっても気軽に用いることができるよう工夫を施した。
職人との出会いと悩み
友人との繋がりから、私は町工場の主人との機会を得た。
主人は還暦を迎えているにもかかわらず、
今でも製品づくりを続けている。
主人とのお酒の席にて以下のような話を聞いた。
「昔は繁盛していて弟子も沢山いたし、海外にもウチの製品をよく輸出していた。
今では低コスト化によって大量生産の工場に取って代わられてしまった。」
失われつつある技術を再興させる必要性を感じると同時に、 職人の技術を次世代に伝える為のプロダクトを開発するに至った。
皿の表面(おもて)には白の琺瑯加工を施し、洋食器らしさを表現。
一方で皿の裏面では金属感を残し、この金属食器の持つ世界観を表現している。
世界観を維持しつつ冷たさを抑えることで多くの人が手に取れるよう工夫を凝らした。
食器は大皿、中皿、小皿、スープボウルの四枚、
洋食器をヒントに製作し、普段使いでも違和感なく使用できるように配慮。
こうして生まれた食器は食器全体としての一体感を生み出す職人技が光る食器となった。
ProductDesign × Industry
洗面所向けのオーガナイザー
洗面台は清潔感が強い一方で住宅内でも無機的な印象が強く、用いられてた オーガナイザーも同様に、形式的な造形による機能性が重視されてきました。
清潔感のある一方で、どこか質素にも感じる洗面台では、 その空間を華やかにする役割を持つ、オーガナイザーが必要であると考えました。
洗面所に適する造形を求めて
上記をコンセプトに、スケッチにてさまざまな形状の模索を行ないました。
造形案の中から一枚の面を用いて波を思わせる表現を行なった案を採用しました。
有機的かつダイナミックな形状のオーガナイザーは新しさを感じると同時に、 その有機的な形状が質素な空間に大きなアクセントを加えています。
緩やかな S字カーブを描く
流線型
立体感を演出する
格子状の網目 金属光沢放つ銅板
3つの役割を持つ網目
銅を材料として用いる理由
洗面台は水分が豊富で菌の繁殖しやすく、 汚れが多く発生します。
この環境を考慮し菌の繁殖を抑える働きがある 銅を素材として採用しました。
視覚的に金属は清潔さを感じる人も多く 見た目と相まってより一層清潔感が高まります。
UI Design × Product Design
目指したのは " フリ切った " オーディオプレーヤー
側面のカーブは、指の関節にフィットするようにデザイン、
長時間持ち歩いた際の負担軽減に加えて手に良く馴染み、
触れた感触にも温かみを感じられるよう工夫を施しています。
一昔前のスマートフォンのように、非常にコンパクトな設計、 胸ポケットにすんなりと収まるようなサイズ感は懐かしさを感じる人も。
こうした工夫により、現代でも手のひらに収まるサイズ感を実現し、 日常のどんな場面でも気軽に持ち運べる製品に仕上げました。
"はんぺん" みたいなオーディオプレーヤー
このオーディオプレーヤーは、「はんぺん」のような形状で、角が丸く、 ぷにぷにした見た目のデザインが特徴です。
このデザインは、スマートプロダクトには見られない、有機的要素を取り入れたものです。
近年のスマートプロダクトは便利なツールとしてのイメージが多く、
製品に対する愛着は薄れがちです。
この背景の中で、今回の音楽プレイヤーは手になじみ、触り心地が良いデザイン を目指しました。
ユーザーがいつまでも触れていたくなるような製品を目標に掲げ、便利すぎる機能を 極力廃しました。
数多くのアプリケーションやインターネットなどをオミットし、
音楽を再生するために必要なことはなんなのかを考え、重要な要素だけを抜き出しました。
便利機能を詰め込んだプロダクトから、削ぎ落とされたプロダクトへ、
たどり着いた新たな形状は、パートナーとして持ち運びたいと思える製品となりました。
スマホで便利に音楽が聴ける時代あえて音楽だけ持ち運びませんか?
音楽のみ 情報過多
スマホは便利な一方で過度な情報が入ってきます。デジタルデバイスを音楽プレーヤーとして 用途を明確化し情報を整理、ピュアに音楽のみを提供することを目指しました。
本体背面は丸くラウンドしています。
これは手に持った際に手のひらによく馴染むようにしたためです。
そして持ち出す際のハンドリングの良さにつながる効果もあります。
こうした機能は、平置きで使用するスマートフォンではなかなか表現することはできません。
胸ポケットに収まるサイズ感で嵩張らない、気軽に持ち出せる
本体外装をジェスチャー機能へ昇華、一体化した操作感
このオーディオプレーヤーのUIデザインは、外観の曲線とリンクしています。
本体側面のカーブに指を沿わせてスライドすることで、音量調整を可能にします。
又、本体上面に指を沿わせてスライドすることで、シークバーの操作が可能です。
外観デザインとユーザーインターフェース、二つがリンクして動作する新たな試みです。 ハードとソフトが融合した独特の操作性は従来のスマートプロダクトにない 一体感のある世界観を提供します。
モノクロのUI、カラーのジャケット
UIはモノクロを基調としました。
プレーヤーとしての機能はモノクロに CD/音源ジャケットのみをカラー表示とし シンプルさを意識したミニマリズム的な表現は、 ユーザーが再生する音楽にのみ意識が向くように 工夫したデザインです。
スマホじゃできないユーザー体験
スマートフォンのような利便性を高める機能は オミットすることで現代の抱える過度な情報から ユーザーを解き放ち、音楽と向き合う空間を提供します。
再生画面
Transportation Design × Spatial Design
2024年現在:3687人
観光立国を目指す日本
現在、日本は観光立国を目指しています。
2007年より観光立国推進基本法が 施工され以降、観光立国となる為の 様々な取り組みが行われています。
2011年以降、観光客数はコロナ禍を除き 右肩上がり。
日本の観光客は年々増加傾向にあり、 今後も増加することが予想されます。
外国人観光客の推移(2020~2022はコロナ禍) 国土交通省観光庁より引用
ユニバーサル化する移動手段
近年はオリンピック開催も相まって より多く人の利用に適したモビリティが 登場してきました。
従来のセダン型のタクシーは天井高が 低いことや、狭い車内空間などから
車椅子利用には適していませんでしたが に向けたモビリティが登場。
近年登場したユニバーサルデザインタクシー は、天井高含め広い車内空間で車椅子でも 利用可能、身長の高い外国人観光客など 多くの人が利用しやすいモビリティへと 改良がなされました。
モビリティの役割は利用者によって大きく 変化しつつあります。
観光客を対象としたモビリティデザイン
現在のユニバーサル化されたモビリティは、特定のユーザーのニーズに
応えづらい側面を備えています。ユーザーによって走る楽しさや乗り心地、 広々とした空間など、満たしたい項目には違いがあります。
本モビリティは、外国人観光客に対象を絞り日本を訪れた際に今までより一層楽しめる、
そんな観光モビリティをコンセプトとしてデザインを行いました。
移動手段そのものが、日本観光の一つになることを目指して
自動運転車の特徴はハンドル等の操作系統を完全にオミットし、車内空間を目一杯広げて 窮屈さを感じさせない空間を提供していることにあります。
来たるべき未来を想定して、今回のモビリティは自動運転車の特徴に加えて 移動手段だけでなく、乗っていることも一つの観光体験とすることを目指しました。
外装デザインは未来的かつアイコニックに、どんな車内空間があるのかをワクワク感じさせる、 そんなでデザインに仕上げています。
和室を思わせるオールフラットな内装
和室からインスピレーションを得た段差のないフラットなデザインが特徴の内装は 観光客が目的地までの間、自由にくつろげる空間を提供しています。
畳と木材を格子状に配置したインテリアは、曲線的な外装からのギャップを狙っています。
こうした和風の内装に老竹色(おいたけいろ)を加えることで、竹藪の中に佇む一軒屋 を思わせる趣を演出しました。
フラットな床と木製ラック
床は対面で座ったり、寝転んだり できるように設計。
対面で会話できる車内空間は、 次に向かう観光地まで期待を 大きくさせます。
車内端には、木製ラックを設置、 観光地で購入した商品を 収納することができます。
昇降機能で座椅子に変化
中央正方形の床は昇降機能を持ち 机に早変わり。食事などを楽しめます。
同様に畳にも昇降機能を持たせ、 フラットな床から座椅子のように することが可能です。
正座や胡座に慣れない観光客に配慮、 多くの観光客がくつろげるような おもてなし空間を提供します。
平面時
昇降時
おもてなしの靴収納
豊臣秀吉の寒い日に、織田信長の冷えた草履を懐に入れて温めておいたという話は有名です。
このエピソードを基に石畳を模した靴収納をモビリティに取り入れました。
乗車した際に靴を回収し、靴を除湿したり冬季に温めたりする機能を搭載しています。
降車時に自動で靴が足元に出てくる為、観光地に到着した際の 最初のおもてなしとしてワクワク感を高めることにつながります。
日本の籠から着想を得た緩やかなアーチ形状
殿様を運んでいた駕籠のアーチ形状からインスピレーションを受けデザインしました。
モビリティ名のArchは屋根の形状と文化の架け橋(アーチ)の意味があります。
シンプルな外観である一方で、日本らしさを取り入れています。
Computational Design × Aeronautical Engineering
コンピュテーショナルデザインと呼ばれるパラメーター調整によるデザインは、
私がこれまでに経験したことのない新しい試みでした。
今回取り組んだ飛行機(スチレンペーパー)ではデザイン後に飛行機がどのような状態にあるかを データとして表示することで、飛行前に現在の飛行機の置かれる状況を示してくれます。
これらの解決手法は、私のデザインに対する視野をさらに広げることにつながりました。
重心や全体重量をコンピューター上で把握、改良
このGrasshopperは、重量や重心の位置をデータ上で算出する機能を持っています。
これらのデータを基に、飛行試験前に実際に飛行機が飛ぶかどうかを測定し、 その結果を踏まえて飛行機を製作しました。
プロダクトは、まずCAD上で飛行機を設計し、その後Rhinoceros上で動かせる Grasshopperを活用して、より応用的な工学デザインにチャレンジしました。
今回製作した飛行機は、重心や羽の角度によって飛行距離や方向が大きく変化します。
Grasshopperを用いて、飛行機の重心位置を確認し、
さらに重りを付けた際に重心がどのように変わるかを測定しました。
また、羽の大きさはパラメーター上で調節し、これに伴って重心の位置を調整しました。
Grasshopperにて作成したパラメーター調節機能 コンピュテーショナルな造形手法Grasshopperを用いた新たな挑戦
最終成果物はスチレンペーパーを用いて作成 最終的に設計した飛行機
飛行距離は8m45cmで学年で3位という結果を取りました!
Honolable Works
サークル活動神輿
"骨組み"の神輿は本質を照らし出す
神輿といえば金などの華美な装飾が特徴の一つですが、隠された神輿の本質的な役割を 模索し、神輿の持つ本来の意味の再構築を目指しました。
この神輿は装飾を最低限に抑えることで神輿の構造を強調し、 見えない力や神聖な存在を支える力を表現しました。
神輿の構造を見せる表現
本来の神輿が持つ魅力を伝えることを コンセプトとして製作しました。
神輿には多くの派手な装飾が 見られますが、それらを必要とせずとも 神輿そのものの美しさを表現できると考え 神輿を木の骨組みだけで作り上げることで、 構造表現主義的な合理性と、 その構造の美しさを表現しました。
日本建築における梁のような表現に加え、 装飾を極限まで削ぎ落とした外観によって
神輿を作り上げることは、従来の神輿では 考えられない全く新しい挑戦となりました。
担ぐ学生の体力を考慮した重量
神輿は学生自身が担ぐため、 装飾が多すぎると担ぐのに負担がかかる 可能性がありました。
そこで体育会系の学生だけでなく、 一般の学生も担げる軽量な設計を 求められました。こうした中で 上記のコンセプトを決めました。
装飾を廃したシンプルな設計は、 神輿を表現すると同時に学生に対し 負担を軽減することへ繋げています。
デザインから設計まで一貫して製作する初の試み
多くの学生が神輿を担ぐ際に 負担の少ない重量にすることに加えて 神輿の制作は、学生が主導で行う必要が ありました。 こういった事情を考慮しながら、 設計に取り組むことは初でした。
学生が制作に取り組みやすいよう、
複雑な形状は用いずに直線的な形状を 目指しました。
材料として用いる木材を可能な限り 工数を減らして利用できるように 設計を行いました。
設計前にCAD上で3Dモデルを製作。 設計時に不備が発生しないように、 シミュレーションを行いました。
学生でも加工しやすく工夫を凝らしました
サークル内には材料加工を行ったことのない 学生も含んでいました。
この背景から加工を容易に行えるように 工夫を施しました。
格子状の胴体部分に加えて、
屋根を模した斜めの木材は45°に統一。
学内で使用可能な丸鋸を利用して 学生が加工できるよう設計しました。
必要に応じて学生に対して木材加工 に関する指導も行った結果、 神輿の完成に漕ぎ着けました。
神秘性を強調する藤の花はアクリルを用いて
花びらのラフモデル 本番モデル
美しさと神秘の象徴である藤の花を装飾として採用し、神聖さと自然の調和を視覚的に表現しました。
神輿の装飾として用いた藤の花は熱を加えると柔らかくなる特性を持つアクリルを活用。
形状のばらつきで有機的な花びらを表現することに成功しました。
又、塗装もムラを出すことで、花びら一枚一枚に差を生じさせ、より自然で豊かな表現を目指しました。
学内で開催された神輿グランプリで三位に
骨組みからなる個性的な佇まいと神輿を囲む藤棚が評価され、 学部内で行われた神輿グランプリで3位を受賞しました。
多くの情報に埋もれつつある今、大人の"知育家具"
近年インターネットから溢れんばかりの情報が我々に雪崩れ込んでくる。
普段の日常も今までより考えずに少してしまってはいないだろうか?
情報は取り込むだけでなく噛み砕くことが重要と感じた私は、 大人になっても柔軟な思考を養うプロダクトが現代には必要と考えた。
扱い方は無限大、自由に使うプロダクト
キューブ型のプロダクトは、扱い方を指定しません。
自身の好きなように使い色々な用途を模索しましょう。
右にある提案の他にもさまざまな用途が見えてくるはずです。
製作過程
モデル1
CAD上で設計。
積み重ねたり並べることを想定して 立方体の形状とした。
内部に別のものを入れ込むなどの 幅を持たせる為に、中身は空洞とした。
モデル2
木材を用いて設計。
モデル1同様の立方体の一面に骨組みを追加し、 "ひっかける"や"座る"等の動作を可能とした。
立方体の向きを変えることで新しい利用方法を模索できる よう特徴を持たせた。
モデル3
モデル2の改良版。
前モデルの思想を継承し、より多くの面に特徴を付与。
面ごとに異なる特徴を持たせることで、新しい利用方法を より多く模索できるようにした。
表と裏などの向きによっても扱い方が変化する為、 利用方法がかなり広がった。
モデル4
モデル3の改良版(最終成果物)。
格子の中に円形の面を取り入れることで、
角形以外の製品も活用できるよう改善。
ピュアホワイトの塗料を用いてモデルを木材らしさを払拭。
材料に対する先入観を減らすことで、用途のみに 意識が向くように改善を施した。
シーン別、さまざまな活用方法の提案
シーン1:椅子
定番中の定番。本体の一面に天板を設けることで、 安定した座椅子となります。
シーン2:傘立て
格子状の面には傘が丁度収まる穴が空いており
最大12本の傘が入ります。
シーン3:PC冷却台
台の上にノートPC、下部のスペースにサーキュレーターを 設置することでパワフルな冷却ファン付きのPC台に。
シーン4:ゴミ箱
格子や板が一切ない面を天面とすることで ちょっとおしゃれなゴミ箱になります。(意外と大容量)
シーン5:おかもち
箱に紐をくくりつけるだけでおかもちに早変わり。
思わずこれを持って誰かに食べ物を 届けたくなります。
伝統・文化を未来につなぐプロダクト
日本から発信するデザインを目指して
戦後、日本は高度経済成長期を迎え、国際競争力を飛躍的に向上させた。
工業製品に関しても年々技術を高め、戦前粗悪品とされていた日本製の製品は"made in japan"の品質を世界に轟かせた。
その後も品質を向上させ続け、現在でも産業機器などの製造において高度な技術を要する製品では日本の技術が多く用いられている。
しかし、コモディティ製品に関しては極端に高度な技術は必要としない。
過剰品質となった日本製品はアジア各国のグローバル企業にその座を奪われることとなってしまう。
日本は技術力が高い一方でその技術に苦しめられてきた。
その一方で、タフに生き残っているものに欧州の製品があげられる。
欧州は日本の工業製品が世界に広まるまで、トップの地位を確立していた。現在でも有名な企業が多数存在している。
欧州も日本が台頭した際は、工業製品を含む多くの産業で改革を強いられることとなった。
しかし現在では高価格帯路線において、その地位を再度確かなものとした。
なぜこのような戦略が可能だったのか?それは欧州の持つデザインの個性が関係しているのではないかと考えた。
欧州はバウハウスや北欧デザインを代表するデザインが数多く存在し、オシャレな印象が各々のデザインにライン感じられに関しても 統一性があり、空間に置いた際に一体感が生ずると考えた。
アジアに生産拠点のあるコモディティ製品が今後益々の価格競争を強いられることになる事は明白で デザインを用いたブランディングが、現在の日本においても重要となるのではないかと考えた。
侘び寂びの文化、技術の日本
日本から発信できるデザインはなんだろうか。
デザインが海外から伝播したものである為、デザインラインを確立することは容易ではない。
こうした中で私は日本の伝統と技術に焦点を当てた。日本は伝統と技術二つの要素が存在複雑に交わっているのではないかと考えた為である。
日本の伝統として、侘び寂びの文化があげられる。華美なものより質素なものに焦点を当てる思想は日本建築にも多く反映されている 障子などの日本固有の建具は直線的な形状でありながら用いられる素材は有機的であり、その質感を感じることのできるものが多い 一方、日本は技術力によっても支えられてきた。今までよりも良いものを作るといった考え方は現在でも衰えるところを知らず、 その思想は高度な医療機器までに広がった。
今回、伝統と技術の二つを反映させるプロダクトとして腕時計をデザインの対象とした。 文字盤のデザインは、日本の美意識や文化を表現する要素、ムーブメントは、精密さや革新性を象徴を表現できると考えた為である
その後も品質を向上させ続け、現在でも産業機器などの製造において高度な技術を要する製品では日本の技術が多く用いられている。 過剰品質となった日本製品はアジア各国のグローバル企業にその座を奪われることとなってしまう。
欧州は日本の工業製品が世界に広まるまで、トップの地位を確立していた。現在でも有名な企業が多数存在している。
なぜこのような戦略が可能だったのか?それは欧州の持つデザインの個性が関係しているのではないかと考えた。
欧州はバウハウスや北欧デザインを代表するデザインが数多く存在し、オシャレな印象。各々のデザインラインに感じられ、
アジアに生産拠点のあるコモディティ製品が今後益々の価格競争を強いられることになる事は明白であるが故に、
こうした中で私は日本の伝統と技術に焦点を当てた。日本は伝統と技術二つの要素が存在複雑に交わっていると考えた為である。
日本の伝統として、侘び寂びの文化があげられる。華美なものより質素なものに焦点を当てる思想は日本建築にも多く反映されている 障子などの日本固有の建具は直線的な形状でありながら用いられる素材は有機的であり、その質感を感じることのできるものが多い。
一方、日本は技術力によっても支えられてきた。今までよりも良いものを作るといった考え方は現在でも衰えるところを知らず、
文字盤のデザインは、日本の美意識や文化を表現する要素、ムーブメントは、精密さや革新性を象徴を表現できると考えた為だ。 japan"の品質を世界に轟かせた。
材料の壁を乗り越えて
日本のデザインを代表するものが "木材" である。
日本建築から家具まで至る所に木材が用いられ、木材が日本らしさの象徴の一つといえる。
しかし、木材と工業製品の相性はあまり良いものとは言い難い。
木材は自然素材であり、その日の気温や湿度によって形状が変化してしまうため、
工業製品において金属材料やプラスチックなどの人工材料を用いる事が非常に多い。
そこで私は「木材でなくとも日本らしさを感じられるデザイン」を目指して 時計のデザインに取り組んだ。
日本らしさは "フチ" である
日本らしさの特徴として直線的な形状が挙げられる。
現代の日本においても日本風のインテリアの共通点として直線的なものが多い。
一方で、直線的な家具や工業製品でも日本らしさを感じるものとそうでないものがある。 これがなぜ起こるのかと考えた時、私の目の前には障子があった。
この時、製品の "フチ" がデザインされているかどうかではないかとの仮説を立てた。
直線的かつ均等に並ぶ格子状の骨組みとそれを支える一回り大きい骨でつくられた木枠は、 質素でありながらも質の高さを感じさせる。
海外での模様や石膏像が意匠なら、日本は構造そのものが意匠となっている。
日本の製品は素材の良さを最大限活かす為の工夫が細部まで施されていると感じた。
こうして、正面から見た際に、針のないフチが何層にも重なるデザインを考えるに至った。
光と影で時刻を表現
文字盤は螺旋階段のように段階的に隆起 しており、現在時刻の影が最も濃く 映るようにデザインした。
影は針のように正確な時刻を示すことには 適していないが、スマートウォッチなど 時刻が正確に表示できる現代において
重要な事は「時間を楽しむ事」であると考えた。 時間を広く捉えて今を楽しむ。
そんな腕時計をデザインした。
伝統と技術をつなぐフレーム 針のない文字盤は、太陽の光によって 生じる影で時刻を読み取る仕組み。
腕時計内部には1枚のフレームを組み込んだ。
フレームはバンドと繋がっており、
人と時計が繋がる、一体感を持った 腕時計を目指した。
フレーム前方に光と影の文字盤を フレーム後方にムーブメントを配置、
文字盤とムーブメントをフレームで繋いだ。
フレームは伝統と技術を一つに融合する
ための "骨" としての役割を持たせている。
OtherWorks
大学‧専門学校にて取り組んだ作品集
行燈 - 和紙の照明
グラデーションの和紙(橙〜黄)を活用した。
頂点から底にかけて明るさに差異を設ける事で 内部からの炎のような揺らぎをもたらした。
ICHIRIN
- 硝子の照明
イタリアのガラスメーカーにて発生した 廃材を用いてアップサイクルした照明。
工芸的美しさを持つ硝子の花を「一輪の花」 と解釈し、貴賓と侘び寂びの表現を両立させた。
bark hang - 木製コートハンガー
木の幹から着想を得たコートハンガー
木質フレームを不規則的に繋ぎ合わせることで 今までになかった独自性をもつ製品を目指した。
フレームは前後で段差を設けることで、
奥側の衣類も手に取りやすいように工夫した。
Step Up Desk - 用途に合わせる机
自宅にいる時間が増えた今までより多くの作業を机で行うようになった。
一人で複数の用途に分けながら使いたい。
家族でいる時間が増えた今までより多く両親や兄弟と話すようになった。
二人でコミュニケーションをとりながら使いたい。
必要なものは "フラット" ではなく "ステップ"
柔軟に用途に合わせる新時代の机です。
comchair - 気軽に持ち運べる椅子
"気軽にコミュニケーションを取れる椅子" をコンセプトに、 オープンスペースで、手軽に持ち運べる椅子をデザインしました。
布と木材のモダンなデザインは多くの空間に馴染みます。
底面には回転機構を搭載し、移動もシームレスに繋ぎます。
側面は蓋と本体が一直線に繋がる美しさと 持ちやすさを考慮した手に馴染む曲面形状で、 弁当箱と中身が一体となって食事となることを表現。
分解時のパーツは3点で非常にシンプル 使用後の使い勝手も意識してデザインを行なった。
食べ物はおいしさだけでなく 盛り付ける食器も重要
"うらら" は漆器の持つ深みある"赤"と 竹の渋みある"緑"のコントラストで 料理をより美味しく魅せる弁当箱 "録音できるメモ" メモもできるし録音できる
オトメモ
遠くに住んでて普段は会えない人 電話でもいいけど 文字も暖かくて好き 文字も声も両方届く そんなメモ用紙 オトメモ
造形表現
SpeedShape(速さを感じる形状)
CADレンダリング OLYMPUS PEN × Schneider lens
プログラミング図形(巻貝)
木のペーパーカッター
Pythonコード
import rhinoscriptsyntax as rs import math as ma
r0 = 5
w = ma.log(3.) / (2.0*ma.pi)
shapes = [] for t in rs.frange(0, 8*ma.pi, ma.pi/6):
r = r0 * ma.exp(w * t)
x = r*ma.cos(t)
y = r*ma.sin(t)
normal = [-ma.sin(t) + w*ma.cos(t), ma.cos(t) + w*ma.sin(t), 0] xaxis = [ma.cos(t) + w*ma.sin(t), ma.sin(t) - w*ma.cos(t), 0] plane = rs.PlaneFromNormal([x, y, 0], normal, xaxis) shapes.append(rs.AddCircle(plane, 0.5*r))
rs.AddLoftSrf(shapes)
rs.DeleteObjects(shapes)
2024年写真展の様子
学生生活での取り組み
写真は私が高校卒業後始めて以降、
抽象写真フォトコンテスト入選 「Yotoware」
個性が評価され、 賞をいただくことができました
リフレクション写真フォトコンテスト最優秀作品賞 「へきも」
今後も趣味に対して真摯に取り組んでいきます
私のポートフォリオを ご覧いただきありがとうございました!!