ベルギー宣教通信第6号

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ベルギー宣教通信

~数えてみよ、主の恵み~

川上寧・真咲両宣教師のためにいつもお祈りくださ り、ありがとうございます。

Japanese Christ’s Disciples として新しい出発から およそ 2 年、永住権が認められて 1 年が経ちました。 これまでの歩みを改めて振り返り、神様がどのように 私たちの生活、特に経済面において守り導いてくださ ったのか、恵みを改めて数えてみたいと思います。

①交通事故の補償金

ご存知の方も多くいらっしゃいますが、ベルギーへ 渡航すると決めた 9 年前、私たちは大きな交通事故に 合いました。重傷を負い、寧宣教師は 4 ヶ月間の入院、 後遺症も免れないであろうという状況でした。果たし て本当に行くことが出来るのだろうか、神様の御心は 何であろうかと祈る時を経て、奇跡的とも言える回復 が与えられベルギーへ来ることができました。心配さ れていた後遺症は現在の生活にはほぼ影響を及ぼすこ とはありません。しかし全治 6 ヶ月、軽度の後遺症認 定付と言う診断書によりかなりの補償金を受けること になりました。それが暫しの間の私たちの生活の資と なります。命に係わるほどの事故は災難であり、長い 入院生活と先行きの見えない不安は辛い時期でもあり ました。しかしそれらは、ベルギーで福音を伝える上 での必要を満たす資金が用意される出来事でもありま した。少なくない貯金を手放すのに恐れがなかったと 言えば嘘になります。しかし一体このお金は何で与え られたのだろうかとずっと思う中、このための資金だ ったのだと感謝しております。

この状態から 奇跡的な回復が与えられました

②永住許可

その貯金もそろそろ尽きるか、と言う頃に永住許可 を受け取りました。それまでは宣教師としての働きし か出来なかったのが、自由に労働することが出来るよ うになり、収入を得る道が開かれました。

それまでは毎年ビザの更新のたびに、その都度変わ る制度に翻弄されたり、いつまでも待たされたり、挙 句しばらく EU の外に出られなくなったりということ ばかりでしたので、永住許可もそんなに簡単には下り ないのではないか、と懸念しておりました。しかし驚 くほどスムーズに、しかも 10 年はカードの更新も必 要ないという形で下りたことに、神様の御業を崇めま す。この地での働きが御心にかなったものであるとい う約束を再確認させていただいた出来事でした。

③思いがけない出会いからの就職

いくつかの仕事の面接を受ける中、思わぬ出会いも ありました。寧宣教師が最初に就職したラーメン店の 店長さんはミッションスクールの出身、しかも当時の 校長先生は寧宣教師の同級生のお父様でした。そこか ら聖書の話なども少し出来、職場の同僚の方々にもキ リスト教を身近に感じていただくことが出来たのでは ないかと思います。

ラーメン店で勤務の契約はまもなく終了します。周 りから「日本語を教える仕事はどうか」と勧めていた だいておりましたが資格もないままで出来るのだろう かと思う中、一つの語学学校を教えていただきました。 募集もない中で思い切って履歴書を送ってみたとこ ろ、面接をしてくださるとの連絡が入りました。校長 先生はベトナムの方です。話している内に、共通の知 人がいることがわかり、何と一度、私たちが現在出席 している Vineyard Brussels 教会で会っていたことが わかりました。もう 7 年も前の出来事であり、それぞ れが所用で一度だけ礼拝に出席した際のことでした。 それが後になって驚きの再会です。

(次頁に続く)

Vol.6/2024
MissionNewsletterfromBELGIUM

(前頁より)

先生のご厚意もあって採用いただき、今は見習いと して先生のお手伝いをしながら日本語を教え始めてお ります。9 月から受け持つクラスを増やしていただけ ることにもなりました。スキルアップを目指しつつ、 不思議な出会いを通して与えられたこの仕事に従事し てゆければと願います。

④同労者たちからの支え VIANOVA のメンバーをはじめとして、多くの同労 者にも恵まれていることを感謝いたします。同じ立場 にある故の悩みや葛藤も互いに分かち合い、支え合え ることは本当に力づけられることです。「もしお金が尽 きれば、引っ越し代があるうちに日本に帰らなくては ならない、祈ってください」の言葉に本当に真摯に向 き合い、祈り、また実際に必要のために捧げてくださ います。

上記の通り、本当に守られ恵みの内にあるにも関わ らず、それを忘れている愚かさ、罪深さを示された出 来事がありました。

ある日曜日の礼拝で、互いに祈り合う時間がありま した。数人で祈り終えた後、一人が私たちに向かって 「あなた方に対し『Faithful』という言葉が心に浮か んだ」と伝えてくれました。

「Faithful」忠実、誠実などと訳される英語です。 教会の奉仕などをしていると、しばしば多くの方が 「You are faithful servants!(忠実な奉仕者たち!)」 と声をかけてくださいます。私たちなりにこれまでも 忠実に神様にお仕えしてきたつもりではあるので、恐 縮しつつも有難く誉め言葉として受け取らせていた だいておりました。神様もそうおっしゃってくださっ ているのだろうか?いや、もっともっと忠実に励め よ、と背中を押されているのだろうか?その後もしば らくその言葉を思い巡らしながら過ごしておりまし たが、ふと気がつかされました。

「神様が遠い日本からわざわざここへ送ってくださっ たのだから、帰るなんてそんな馬鹿なことはないよ!」 と同じように祖国を離れ、神様が遣わされた地へ赴い た者同士だからこその励ましの言葉をもらった時には 本当に力づけられました。

⑤支援者の皆さまからの支え

何よりもこのベルギー宣教通信をお読みくださる皆 さまの祈りと支えがあっての宣教であることを忘れて はなりません。折にふれて献金をおささげくださる 方々、お手紙やメールを送ってくださる方々、SNS にコ メントを寄せてくださる方々、いったい今までどれだ けの方々がこのベルギー宣教に関わってくださったの か数え切れません。力弱い者のために神様がたくさん の助けを下さり、ここまで来ることが出来ました。改め てお礼申し上げますと共に、これからもどうぞよろし くお願いいたします。

(テモテへの手紙二2章13節) ~Faithful…主は誠実なお方~

「誠実」とは私たちのことではなく、神様ご自身の ことなのだと思い至りました。働いて何とか生計を立 てながら宣教活動に携わると決めて職探しやアルバイ トに励んでまいりましたが、しかし、いつの間にか 「自分たちが生計を立てる」ことばかりに集中しす ぎ、神様が私たちを養ってくださるのだということを 忘れているではないかと気づかされたのです。ドキッ としました。あなたたちの自分たちだけでやり抜こ う、という驕りが「忠実に、誠実に励む」という言葉 の陰に隠されたまま、気がつけば大きな傲慢さになっ ている、もっともっと私を信頼せよ、私があなた方を きちんと養うから、と言う神様のメッセージだったの ではないか、と示されたように思います。

「謙遜の傲慢」という言葉がありますが、自分たち なりに一生懸命に頑張っていると思ううちに、多くの 方々に支えられている、多くの助け手を神様が送って くださっている、という大切なことを忘れてしまって おりました。宣教は現場の宣教師だけがすることでは なく背後の多くの助け手と共になされるもの、改めて 原点に立ち返らされる出来事でした。

わたしたちが誠実でなくても、 キリストは常に真実であられる。

オンライン子どもの聖書のお話の会も 子どもの数が増えました。感謝(写真は加工してあります)

~「言葉」を考える~

フランス語の勉強を細々と続けながら家の中では日 本語、教会の中では英語、外では英語とフランス語を相 手次第で…と奮闘しております。言語を獲得するには、 やはり口に出して話すことが一番です。以前よりは英 語、フランス語共に話す機会が増えてきており、結果と して微々たるものであっても進歩はしているのではな いかと内心自負しております。

同時に自分たちの日本語を見直す機会ともなりま す。寧宣教師が日本語を教える仕事を始め、また教会や 色々な場で日本のこと、日本語のことなどを説明する 機会も増えました。今まで当たり前に使ってきた言葉 や習慣を改めて英語やフランス語で説明するとなる と、ただ文字通り翻訳して話せばいいという訳ではな いことに気づかされます。文化背景を考えて説明した り訳したりすることは難しいですが、それぞれの国の 文化やメンタリティーなどを知ることも出来る興味深 い時でもあります。

そして、さして英語もフランス語も上達していない のに「日本語が下手になったなぁ」と思うことがしばし ばです。恥ずかしながら今こうして文章を綴っていて も、きちんとした文章を書けているか時々不安になり ます。また、少し前から日系三世のブラジル人の牧師先 生と知り合い、折々に近況報告をし合っておりますが、 やり取りは「ローマ字」で書く日本語です。流暢な日本 語を話す方ですが、文字は書かれません。漢字を使わず に日本語を読みやすくローマ字で書くのはなかなかの 挑戦です。

これらの経験を通していかに自分が今まで日本語を 無意識とは言え適当にあつかってきたのかをひしひし と感じさせられております。

それだけ日本語が自分の人生に密着していたとい うことであり、この言葉で自分の人生が形作られて来 たということでもあります。改めて「母語」で福音を 聞くことの大切さを思い、異国での邦人伝道の意義を 考えさせられております。

2022 年より、ベルギーに新規で長期滞在する外国 人はフランス語、またはオランダ語の習得が義務付け られるようになりました。語学教室は無料で通えます が、かなり過密なスケジュールです。一定の期間内に 規定の試験に受からなければ何と最大で 40 万円相当 の罰金を科されるとのこと。ずいぶん厳しいもので す。しかも主な対象は就業している駐在員ではなく帯 同者、つまり奥様方です。家事や子育ての合間の語学 学習は大変で、負担が大きいとも伝えられておりま す。(※)

フランス語圏にいる限りフランス語から逃れるこ とは出来ません。また、出来れば英語もより身につけ たいという思いを持たれる方も多くいます。毎週月曜 日の English Bible Café ではそれらのニーズに少しず つ応えていくことを検討し始めました。フランス語の 勉強(語学学校の予習復習、宿題など)をお手伝いす る、フリートークの Conversation table を開催して英 会話の機会を提供する、などを考えております。

まず日本語の交わり、学ぶ必要のあるフランス語や 英語、これらを合わせて提供することから始まり、少 しずつ福音宣教へ繋げることが出来ればと考えてお ります。また、オランダ語圏に住む日本人への宣教の 可能性も模索中です。いずれにしてもネイティブスピ ーカーの方々に助けていただく必要があり、今お手伝 いくださっている先生方に加えて、新しく先生、そし て生徒が増えていくことを祈っております。

良いアイディアが与えられて、道が開かれますよう お祈りください。

(※)日本経済新聞 2024 年 4 月 22 日

English Bible
イースターお茶会とミニコンサート
Café

2023 12.1~2024 5.31(単位:円)

収入 支出

献金 722,268 活動資金補助 673,713

その他収入 0 事務・広報費 48,555 その他支出 0

収入 計

支出 計

~献金者一覧(50 音順・敬称略)~

※ユーロでおささげいただいた分は 2024 年 5 月 31 日現在のレートで日本円に換算さ せていただいております。(1 ユーロ=169.78 円) ※今期発生した事務・広報費は次期会計に計上いた します。ご了承ください。

阿江美知代/東口豊・佳代子/安藤廣之・里佳子/内田千鶴子/小川隆/小澤百代/奥山維子/川上麻里/清弘剛生/久保島理恵/ 小泉健/小岩井健・佐知/小島節子/小林徹也/小山英之/白井献/杉浦孝夫・昭子/武市松子・容子/谷岡博志/東方敬信/遠山 公一/並木直子/野々垣健五/福原知宏/真木芳子/松木田博/松谷曄介/宮原輝雄・由佳子/森岡直子/彌重仁也・由美/安井薫 子/山田詩郎・麻衣子/和田孝子/渡辺多恵子/Martin Mikolas・Martina Mikolasova/Willian・Lyssa Bode アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団柏めぐみのうた教会/日本基督教団洗足教会/日本基督教団ひばりが丘教会/ミッション宣教の声/ 日本基督教団代々木教会教会学校/VIANOVA

※2023 年 12 月 1 日~2024 年 5 月 31 日受領分を掲載しております。6 月 1 日以降については次号掲載いたします。

~お祈りください~

・English Bible Café に生徒が多く与えられますように。

・一人でも多くの方に出会い、また福音を届けることができますように。

YouTube 番組「コーヒーを飲みながら聖書を読もう」や SNS、ニュースレターが祝され用いられます ように。

・ベルギー宣教への祈りの輪が拡がりますように。

・経済的な必要が満たされますように。(年間 40,000 ユーロ)

与えられた仕事に忠実に従事しつつ、宣教活動と両立させて行けますように。

・宣教師の健康が霊肉共に守られますように

~会報と領収書の発送についてのお願い~

皆さまのお支えに心より感謝申し上げます。

宣教報告、領収書等をご支援くださる皆さまの下へよりスムーズにお届けし、かつ経費を抑えるためになる べく E メールを活用させていただきたいと思っております。すでにこちらで E メールアドレスを存じ上げてい る方々をはじめ、より多くの方に E メールにてお送りさせていただきたく、ご了承のほどをよろしくお願いい たします。今後 E メール送付をご希望の場合、下記連絡先までアドレスをお知らせいただければ幸いです。 ご理解のほどを、どうぞよろしくお願いいたします。

川上 寧・川上真咲

Japanese

Christ’s Disciples

川上寧 川上真咲 (Yasushi et Masaki Kawakami)

Rues des Pierres Rouge 22,1170 Watermael-Boitsfort BELGIQUE

E-mail : yasushi.kawakami@vianova.be(寧) masaki.kawakami@vianova.be(真咲)

ホームページ : https://japanesechristsdisciples.blogspot.com Facebook ページ : https://www.facebook.com/japanesechristsdisciples 支援金振込先 ゆうちょ銀行 00210-0-110442

722.268
722,268 ~会計報告~
(名義:川上 真咲/カワカミ マサキ) Facebook ページ

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