Vol.5/2023
ベルギー宣教通信
Mission Newsletter from BELGIUM ~宣教という愚かな手段~
川上寧・真咲両宣教師のためにいつもお祈りくださ り、ありがとうございます。
そこで、この活動を始めた彼は、教会の存在を知ら しめるためにもこの活動を始めたのです。但し、彼は 何も持たずに通行人と会話することを試みていたの
「世は自分の知恵で神を知ることができませんでし
で、私は自分には向いていないと感じ、すぐにその活
た。それは神の知恵にかなっています。そこで神は、
動に加わることはしませんでした。
宣教という愚かな手段によって信じる者を救おうと、 お考えになったのです。 」
ところが、毎年夏に参加しているヨーロッパ・キリ スト者の集いにて、同じく毎年参加されているシスタ
(コリントの信徒への手紙一 1 章 21 節)
ーから、英語やフランス語で御言葉が記されている栞
私(寧)は上記の「神は、宣教という愚かな手段に
をたくさんいただいた時(後に、他の言語のものもた
よって信じる者を救おうと、お考えになったのです」
くさん送っていただきました) 「これだ!」と思いまし
という言葉を読む度に「本当に、神さまは何故こんな
た。神さまから、 「これを使って、福音の種まきをしな
にも効率の悪い、人間を用いた方法で宣教をされるの
さい」と言われているように感じたのです。いただい
だろう。もし神さまがご自身で宣教されるなら、もっ
た栞を家に持ち帰った後、妻の真咲宣教師に教会ホー
と効率よく神を信じる人が増えるのでは?」としばし
ムページの QR コードを作って貰い、それを印刷して
ば思うことがありました。
栞の裏に貼り付け、日曜日の礼拝前に、教会前で通行
但し、それは単なる疑問と言うよりは、どちらかと
人に栞を配りながら、礼拝への呼びかけを始めました。
言えば不平・不満に近いものです。 「世は自分の知恵で 神を知ることができませんでした」とも記されている ように、 「福音」は世の知恵、常識や価値観では、理解 することも知ることもできないものです。それを「伝 えよ」と言われているのですから、神さまから無理難 様々な言語の御言葉栞
題を押し付けられているように感じていたのかもしれ ません。 それでも、宣教師として宣教の業に仕える中で、そ 裏に貼った のような思いは少しずつ変化して来ています。特に、
英語と仏語の教会の案内
2023 年の秋口から断続的に行っている宣教活動の一 つが、私の思いを変えるきっかけの一つになっていま す。その宣教活動とは、日曜日の礼拝前に 30 分ほど、 教会前で御言葉入りの栞(しおり)を通行人に配りな がら、礼拝に招待するというものです。
その呼びかけの言葉も試行錯誤してきましたが、現
もともとこの宣教活動は、親しくしている教会メン
在は「神さまがあなたを招いておられます」という思い
バーの一人が、神さまから自分に示されたこととして
をもって、短く「You are invited」や「Vous êtes invité」
始めているものですが、私もそれに共感し、始めるよ
等と呼びかけながら栞を渡しています。反応は、全く受
うになりました。教会への入口は大通りに面していて
け取られない方、栞だけ受け取られる方、栞を受け取ら
通行人はそれなりにあるのですが、教会の建物自体は
れた上で会話が始まる方等、さまざまです。
通りの奥にあるため目立ちません。
(次頁へ続く)