2024 AUTUMN JAF MOTOR SPORTS 都市型サーキットで全日本EV部門がカートの未来を切り拓く!
角田裕毅選手(ビザ・キャッシュアップRB)は、第17戦アゼ ルバイジャンGP決勝で接触を受けてリタイア。このGPまで 数戦は不運が続いた一方、入賞圏内争いに戻りつつある。
Headlineモータースポーツ話題のニュース速攻Check!
苦戦が続くF1角田裕毅選手だが、終盤戦に向けて明るい兆しも見える
レッドブルのコンストラクターズタイトル獲得に黄信号!? 王座に向けて巻き返しなるか
PHOTO/Red.Bull.Media.House、TOYOTA.GAZOO.Racing REPORT/吉田知弘[Tomohiro.YOSHITA]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]
9戦カナダGPを終えて、第10 戦スペインGPから中盤戦に突 入した2024年FIAフォーミュ ラ1世界選手権(F1)。日本人唯一のレギュ ラードライバーであるビザ・キャッシュア ップRB(VCARB)の角田裕毅選手は第3戦 オーストラリアGPでの7位入賞を皮切り に、スプリントを含めて9戦10レースで6 度の入賞を果たし、2023年シーズンを大幅 に上回る成績を収めていた。
毎戦のように入賞圏内で争う角田選手の 姿に、VCARBやレッドブル・レーシング (レッドブル)だけでなくF1関係者の間でも 評価はうなぎ登りとなり、自身初の表彰台 を期待するファンの声も日に日に大きくな っていった。
しかし、そう簡単に結果を残せないのが F1の難しいところであり厳しいところ。
VCARBはさらなる戦闘力アップを目指し てスペインGPから車両にアップデートを 施すが、金曜日のフリー走行(FP)から下位
に沈むかたちとなり、土曜日の予選は17 番手でQ1敗退。アップデートで期待され ていた効果を引き出せずにいた。日曜日の 決勝もライバルに対して優位に戦うことが できず、19位と惨敗に終わった。
ここから角田選手にとっては“我慢の中
盤戦”が続く。続く第11戦オーストリア GPは角田選手も過去に入賞経験がある比 較的相性の良いサーキットと言えるが、今 季はそう簡単にはいかなかった。このレー スはスプリントも行われ、14番手からスタ ートして13位でフィニッシュ。
その後、本戦の予選ではQ3進出ならず 14番グリッド。角田選手は「Q3進出を狙 えるペースがあったと思いますが、うまく ラップをまとめきれませんでした。クルマ のセットアップは良かったのでQ3進出を 逃したのは僕の責任です」と反省していた。 決勝では上がらないペースに苦戦し、最終 的に13位で終えた。
翌週に行われた第12戦イギリスGPでは
金曜、FP1の序盤でスピンを喫してしまい 5周しか走れずに終わった。予定していた プログラムを消化することができなかった が、FP2で挽回するべく26周を周回。16 番手と上位に食い込めずに終わるも、手応 えを感じている様子だった。「FP1で貴重 な走行時間を失い、レースウィークエンド を理想的なかたちでスタートすることがで きませんでした。でもFP2で大量のデータ を収集しました。自分たちの位置は把握し ていると思います。あとコンマ2、3秒を見 つけ出せればQ3に向けて戦えると確信し ています」と、角田選手は前を向いた。 土曜はFP3がウェットコンディションと なったが、予選はQ1からドライタイヤを 装着してアタック。Q1では赤旗中断など波 乱の展開があったこともあり6番手に食い 込むが、Q2では13番手に終わり、このGP もQ3進出ならずと、ライバルとの差が浮 き彫りになった。しかし、日曜の決勝では 雨が絡んだことを味方につけ、入賞圏内へ
決勝後、角田選手は「良いレースでした が、タフなレースでもありました。ドライ コンディションならポイントを獲得するの は難しいと分かっていました。なので今日 は雨が僕たちの助けになったと思います。1 ポイントを獲得できたので、この結果を受 け入れます」とコメント。苦しい状況下で も、天候や周りの状況を味方につけてもぎ 取った、価値ある1ポイントだった。
第12戦イギリスGPで予選13番手だった角田選手。しかし、決勝では10位に浮上してポイント獲得となった。 進出。10位でフィニッシュして4戦ぶりの ポイントを獲得した。
車両のパフォーマンスが上がらない中 粘り強く走りポイントを連取 第13戦ハンガリーGPでも苦しい状況を 乗り越えて結果を出していく。金曜はセッ トアップの問題で走行時間が少なくなった が、FP1で8番手タイムを記録すると、土 曜の公式予選では久しぶりにQ3進出。こ のまま上位グリッドを獲得したいところだ ったが、ターン5出口でハミ出し、満足な タイムを出せず10番手に終わった。
日曜の決勝では、後半をハードタイヤで 乗り切る1ストップ作戦を敢行。終盤はア ストンマーティンのランス・ストロール選 手に迫られるも、約0.7秒差で逃げ切って 9位入賞。角田選手は「まずは、レースに間 に合うように、昨夜から今朝にかけてマシ ンを修理してくれたメカニックとチームに 心から感謝します。ライバルたちより前で フィニッシュし、僕たちにとって重要なレ ースになりました。今後のレースに向けて、 とてもポジティブな結果です」と、安堵し ていた。
サマーブレイク前では最後となる第14 戦ベルギーGPではパワーユニットのエレ メント交換を行ったことでグリッド降格ペ ナルティを受けて20番手からスタート。
決勝では再びペースが上がらない問題が発 生して16位に終わったが、後半戦に向け ての課題は明確になった様子だった。
いずれにしても車両のパフォーマンスが 思うように上がらない中盤戦となっている が、その中でも最大限の力を発揮してポイ ントを勝ち取る角田選手に、周りの評価は 上がるばかり。ついにはレッドブルへの昇 格という噂もあがった。これにはレッドブ ルがドライバーラインアップを最終戦まで 変更しない、と明言したため実現はならな かったが、以前よりもF1界の中で角田選 手への支持は明らかに増している印象だ。
上り調子に見えた角田選手が一転 暗雲立ち込める展開になっていく
サマーブレイクを終えて、後半戦も勢いよ くいきたいところだったが、ここから不運に 見舞われだしてしまう。第15戦オランダGP では予選でQ3目前の11番手となるも、決 勝ではピット戦略がうまく噛み合わず、最終 的に17位でフィニッシュ。VCARBもここ数 戦続くペース不足を心配していた。
続けて行われた第16戦イタリアGPでは 角田選手の車両にアップデートパーツが投 入されたが、それが機能せず予選は16番 手に終わる。決勝は地道に追い上げていく 作戦ではあったが、スタート直後に強引に 追い抜きにきたハースのニコ・ヒュルケン ベルグ選手と接触してしまう。この影響で 車両に致命的なダメージが発生し、7周でリ タイアを喫した。
e気を取り直して臨んだ第17戦アゼルバ イジャンGPでも、決勝でストロール選手 に接触されてリタイア。「彼(ストロール選 手)が不必要な動きをしたように感じまし た。失うものは何もないというアプローチ で、あんな風に突っ込んでくるなんて、彼 が何を得る必要があったのか、僕には分か りません」と角田選手も悔しそうだった。
後半戦は不運が続いているが、着実に入 賞圏内争いに戻りつつあるのは確か。終盤 戦に向けてVCARBがさらにアップデート
を施していければ、角田選手が入賞できる チャンスも出てくるかもしれない。
VCARBと同じホンダ・レッドブル・パ ワートレインズ製のパワーユニットを積む レッドブルは、マックス・フェルスタッペ ン選手がスペインGPまでの10戦で7勝を 挙げる快進撃を見せた。そして迎えたオー ストリアGPではポールポジション(PP)を 獲得するも、決勝は5位に終わり、風向き が変わってくる。イギリスGP以降は予選 ではPPを獲れず、決勝ではイギリスGP とオランダGPで獲得した2位以外、チー ムメイトのセルジオ・ペレス選手ともども 表彰台が遠のいている。
ドライバーとコンストラクター、両ラン キングで2番手以下の猛追を受けて、つい にアゼルバイジャンGPではコンストラク ターズランキング2番手に転落。3季連続の 二冠達成に黄信号が灯ったが、ここからの 挽回なるか注目だ。
マックス・フェルスタッペン選手(レッドブル・レーシ ング)は、第10戦スペインGPまで続けてきた快進撃が ストップ。タイトル獲得が危うくなってきた。
苦難が連続する勝田貴元選手はシーズン終盤が雪辱戦となるか
TGR-WRTは3勝を挙げてトップを追い終盤戦でのシリーズランキング逆転を期す PHOTO/TOYOTA.GAZOO.Racing REPORT/廣本泉[Izumi.HIROMOTO]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]
024年のFIA世界ラリー選手権 (WRC)は中盤戦を迎えて、6月 27〜30日、第7戦「ラリー・ポー ランド」が開催。日本人ドライバーの勝田貴元 選手もTOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)より、コ・ドライ バーのアーロン・ジョンストン選手と共に GR YARIS Rally1 HYBRIDで参戦した。
ラリー・ポーランドがWRCに復帰したの は2017年以来、7年ぶりだったが、勝田貴 元選手にとっては初挑戦のイベント。それで も「フィンランドに似ていて得意な意識はあ りました。テストのフィーリングも良かった ので、かなり戦えると思っていました」と好 感触で、木曜のSS1でも4番手タイムをマ ークしていた。
しかし、金曜から本格的なラリーが始まる と「アンダーステアが強くて、曲がらない状 態」と語るように勝田貴元選手はデイ2のフ ァーストループで苦戦。この午前中の出遅れ
が響いたことで、トップから約32秒遅れで デイ2は総合8番手だった。
続く土曜のデイ3は「クルマのフィーリン グは良くなっていましたが、路面が悪くて ペースを上げられませんでした」と語るよう に勝田貴元選手は路面の掃除役に苦戦し、 ポジションアップを果たせずに8番手で終 えたほか、日曜のデイ4も路面の掃除役に 苦戦してしまう。さらに「パワーステージで 多くのポイントを取りたかったんですけど、 一つのコーナーでブレーキングをミスしてタ イムロスをしました」とのことで、最終SSも 7番手タイムでフィニッシュ。それでも勝田 貴元選手は総合8位につけたほか、スーパ ーサンデーとパワーステージで合計3ポイ ントを重ねることとなった。
7月18〜21日に開催された第8戦「ラリ ー・ラトビア」においても「事前のテストはな かったけど、ポーランドのデータを解析した ことでドライビングとクルマのセッティング
を合わせ込むことができました」と手応えを つかんだようだ。さらに「トヨタ勢としては エキゾースト周りのアップデートも行ってい たこともあってパワー自体も上がっていまし た。クルマのフィーリングが良かったのでス トレスなく走ることができました」と好感触。 事実、勝田貴元選手は木曜のSS1こそ6番 手タイムに留まったが、金曜のデイ2は好タ イムを連発し、総合4番手につけていた。
Headl 土曜のデイ3でも勝田貴元選手は安定し た走りを披露していたが、SS12でオーバー シュート。「その際にフロントバンパーを木に ぶつけたんですけど、その場所にパワーステ アリングの冷却用ラジエターがあってパワス テがない状態で走りました」と語るように、 勝田貴元選手は同ステージでタイムロスを喫 し、総合7番手でデイ3を終えることとなっ たのである。
それでも最終的に勝田貴元選手は6位入 賞を果たした。「自分のミスでポジションを
勝田貴元選手はTOYOTA.GAZOO.Racing.World. Rally.Teamのマニュファクチャラー登録ドライ バーとして、コ・ドライバーのアーロン・ジョンス トン選手とGR.YARIS.Rally1.HYBRIDを駆って 2024年FIA世界ラリー選手権に参戦。第9戦フィン ランドではパワーステージを初めて制した。
勝田貴元選手は第7戦ポーランドで8位、第8戦ラトビアで6位と辛くも入賞。だが次戦フィ ンランド以降は苦戦することになってしまった。走り自体は悪くないだけに第12戦セントラ ル・ヨーロッパ・ラリー以降での挽回に注目したい。
落としてしまったので悔しい気持ちはありま すが、トップと僅差の2番手タイム、3番手タ イムで走れたので、自分も戦えることが分か りました」とのことで、勝田貴元選手はリザル ト以上の手応えをつかんでいたのだが、8月1 〜4日に開催された第9戦「ラリー・フィンラ ンド」でも苦戦を強いられることとなった。
シーズン折り返しもトラブル多発 勝田貴元選手の苦戦は続くことに
フィンランドを拠点にキャリアを重ねてき た勝田貴元選手にとって、まさにラリー・フ ィンランドは第2のホームイベントで、2023 年の大会では3位に入賞していた。それだ けに「ターゲットは昨年以上で、表彰台はも ちろん、優勝争いを目標にしていました」と 強い意気込みを見せていた。
TGR-WRT勢では、第7戦ポーランドと第8戦ラトビアでカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルッ トゥネン組が優勝。第9戦フィンランドではセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組が 勝利を挙げている。
Headl e その目標を達成すべく、勝田貴元選手は木 曜に行われたSS1で2番手タイムをマーク。
金曜のデイ2は雨が降ったり止んだりの難し いコンディションながら、勝田貴元選手はト ップから6.8秒差の4番手につけていたのだ が、SS5で予想外のハプニングが発生する。 「ステージ序盤の左コーナーをアンダーステ アで入ってしまって、立ち木に右のリアをぶ つけてサスペンションを破損してしまいまし た」と語るように勝田貴元選手は痛恨のクラ ッシュ。三輪状態で同ステージを走り切り、 応急処置を行ってサービスへ戻ろうとしたの だが、「サービスまで7kmのところで完全に サスペンションがもげ落ちた状態になりまし た」とのことで、勝田貴元選手はデイ離脱を 決断することになってしまったのである。
まさに勝田貴元選手にとって悔しい展開と なったが、土曜のデイ3で再出走を果たす と、勝田貴元選手は3番手タイムを2回マー ク。さらに日曜のデイ4ではSS19でベスト タイムを叩き出すと、パワーステージとなる
SS20でもベストタイムをマーク、「最終日 のペースは自信が持てるものだったので、そ のスピードを結果につなげられるように長い 目で戦っていきたい」と語るように、上位入 賞こそ果たせなかったものの、今後につなが る一戦となったのである。
勝田貴元選手はアクロポリスで痛恨のミス TGR-WRT勢は第7~9戦で躍動 一方、約4週間のインターバルを経て9月 5〜8日に開催された第10戦「アクロポリ ス・ラリー・ギリシャ」はWRC屈指のラフ グラベル・ラリーとして知られるが、勝田貴 元選手はこれまで2大会連続で6位入賞を 果たすなど、安定した走りを披露してきた。
2024年の大会でもシェイクダウンで2番 勝田貴元選手はクラッシュを喫し、デイリタ イアを余儀なくされたのである。
手タイムをマークすると、金曜のデイ1でも SS2でベストタイムをマークし、総合順位 でも2番手に浮上。それだけに、このイベン トでの勝田貴元選手の躍進が期待されてい たのだが、続くSS3でまたしても予想外の ハプニングが発生してしまった。
「スタートから7kmの森の中にツイスティ なセクションがあるんですけど、そこでペー スノートの聞き間違いというか、イメージを 勘違いしました。タイトなコーナーにオーバ ースピードで入ってしまって、外側の木に右 リアをぶつけてしまいました」と語るように、
土曜のデイ2に再出走を果たした勝田貴 元選手だったが、先頭走者として路面の掃 除役に苦戦し、4番手タイムが精一杯だった。 日曜のデイ3でも出走順による苦しい状況は 続き、パワーステージも5番手タイムでフィ ニッシュ。それでも「ペースノートの聞き間 違えでリタイアしたので悔しいラリーでした が、苦手意識のある中、スピードを発揮でき たので足りない部分を見つけることができた と思います」と勝田貴元選手。さらに「いろん なセットアップを試したことで、自分の欲し いところにクルマがきているように思いま す」と語っているだけに、終盤戦では勝田貴 元選手の巻き返しに期待したい。
なお、第7戦ではレッキ中の事故で同大 会を欠場したTGR-WRTのセバスチャン・ オジエ/ヴァンサン・ランデ組に代わって出 場した、TGR-WRTのカッレ・ロバンペラ/ ヨンネ・ハルットゥネン組が今季3勝目を獲 得した。さらに第8戦でもロバンペラ/ハル ットゥネン組が3勝目を獲得したほか、オジ エ/ランデ組が2位につけたことでTGRWRT勢が今季4度目の1-2フィニッシュを 達成。第9戦ではオジエ/ランデ組が今季3 勝目を獲得するなど、シーズン後半戦を迎 えてもTGR-WRT勢は勝利を挙げている。
TGRのWRCチャレンジプログラム二期生、小暮ひかる選手(左)と山本雄紀選手(右)はWRC2選手権や欧州のラリー に参戦し、並み居るライバルの中で上位獲得を目指し奮闘中。日本のラリーでは得られない経験を重ねている。
アンドレ・ロッテラー選手を擁するポルシェペンスキーモータース ポーツ 6 号車が、ケヴィン・エストレ選手とローレンス・ヴァントー ル選手とともに、”ようやく”富士を初制覇。この勝利で、6 号車の 3 名が HYPERCAR のドライバータイトル獲得に大きく近づいた。
2024 FIA World Endurance Championship 6Hours of FUJI Rd.7(2024 FIA 世界耐久選手権第 7 戦富士 6 時間耐久レース WEC JAPAN FUJI) 開催日:2024 年 9 月 13 ~ 15 日 開催地:富士スピードウェイ(静岡県小山町) オーガナイザー:富士スピードウェイ(株)、FISCO-C
Headlineモータースポーツ話題のニュース速攻Check!
Porsche Penske 6号車が逃げ切りの富士初制覇でタイトル確定に王手!
TOYOTA GAZOO Racingは痛恨のペナルティと接触で、6年連続のホーム優勝実現ならず
季からHYPERCARとLMGT3 の二つのタイトルで争われるこ とになったFIA世界耐久選手権 (WEC)。その第7戦となる「富士6時間耐 久レース WEC JAPAN FUJI」が、9月13 〜15日に富士スピードウェイで行われた。
TGRの7号車、ポルシェ ペンスキー モー タースポーツの6号車、アルピーヌエンデ ュランスチームの35号車、フェラーリAF コルセの50号車、ポルシェ5号車、63号 車ランボルギーニ アイアンリンクス、99号 車プロトン・コンペティションが続いた。
PHOTO/石原.康[Yasushi.ISHIHARA]、遠藤樹弥[Tatsuya.ENDOU]、大野洋介[Yousuke.OHNO] REPORT/貝島由美子[Yumiko.KAIJIMA]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS] ポールのキャデラックが後退し ポルシェVSフェラーリの戦いに
アルピーヌやBMW、ランボルギーニと いった新たなマニュファクチャラーの参戦 に加えて、ポルシェやフェラーリがカスタ マーカーを投入したことで、HYPERCAR は18台と大幅に増加。LMGT3にも18台 が参戦し、合計36台が富士に姿を現した。
残暑厳しい晴天で始まった週末。土曜の 予選で今季初のポールポジションを奪った のは、キャデラック レーシングのアレッ クス・リン選手。2番手にはTOYOTA GA ZOO Racingの8号車が続いた。今回の富 士では平川亮選手が初めて予選を担当し、 「プッシュしすぎてコースをハミ出たり、 タイムが伸びなかったんですが、ハイパー ポールは上手くまとめられました」と、会 心の走りでフロントローを獲得した。
以下、BMW MチームWRTの15号車、
土曜夜から降雨があり、日曜午前にも雨 がパラついたが、その後は天候が回復し、 決勝日はかなり蒸し暑い状況となった。気 温は28℃、路面温度は38℃まで上昇し、 汗ばむ陽気で6時間レースが始まった。
スタートでトップを守ったのは2号車キ ャデラック。予選3番手のBMW 15号車 がTGR 8号車をパスして2番手に浮上。 予選5番手のポルシェ6号車も、TGR 7号 車をかわして4番手に上がった。しかし、2 周目の1コーナーで多重クラッシュが発 生。セーフティカー(SC)が導入される。
8周終了でリスタートすると、ポルシェ 6号車がTGR 8号車を抜いて3番手に上が
る。1時間を超えた辺りで各チームの最初 のルーティン・ピットストップが行われ、 ポルシェ6号車は、キャデラック2号車と BMW15号車の前に出ることに成功した。
その数周後には、バーチャルセーフティ ーカー(VSC)が導入され、SCに切り替わ る。多くのチームがVSC中に再度ピット イン。給油を行ってコースに戻っていた。
リスタートは56周終了時。ここからフ ェラーリ50号車が激しく追い上げて、TGR の2台をかわして4番手に浮上した。
スタートから2時間半の辺りで、各車が 再びピットイン。首位を争うポルシェ6号 車とキャデラック2号車は、86周終了時、 同時にピットロードに滑り込んだ。
VSC中にもピットに入ったBMW15号 車は90周、フェラーリ50号車とTGR 8号 車は92周終了後でピットイン。他陣営も 94周終了辺りまでにピット作業を行った。
ここでトップに立ったのはフェラーリ 50号車で、ポルシェ6号車が僅差で追う 形となった。新品4本に換えたポルシェ6 号車は50号車に幾度も並びかけ、109周目
HYPERCARのハイパーポールはキャデラックレーシングが獲得 するも、決勝レースはポルシェ.ペンスキー.モータースポーツの6 号車が席巻して優勝。HYPERCARの2位はBMW.MチームWRTの 15号車で、3位はアルピーヌ.エンデュランス.チームの36号車。HY PERCAR初参戦組がともに初表彰台を獲得した。
青旗ペナルティに泣いたTGR8号車の平川亮選手だが、大 会の日本人最上位選手に贈られる国土交通大臣杯を受賞。
LMGT3のチームWRT“46”号車にはバレンティーノ・ロッ シ選手が搭乗。3位表彰台で富士を大いに沸かせた。
の1コーナーでトップの座を奪い返した。
しかし、その後方では、BMW 15号車と キャデラック2号車が98周目に接触。2号 車は右フロントを破損してピットに戻り、 大きく後退することになってしまう。
TGRは首位と表彰台を争うものの 最後はポルシェとBMWの接近戦 3時間を経過し、レースが折り返すと、 TGR 7号車がBMW 15号車を攻略して3 番手に浮上したが、14時25分に15号車が “戦略上の理由”でルーティンより早めにピ ットイン。直後にフルコースイエロー (FCY)となるが4分ほどで解除となり、TGR 7号車が最終コーナーでフェラーリ50号車 をパスして2番手に浮上してみせた。
首位を走るポルシェ6号車は126周を終 えたところで3回目のルーティンのピット イン。翌周にTGR 7号車がスプラッシュ で戻り、6号車の前に出ることに成功した。
132周目、見た目上の2番手にいたTGR 8号車がフェラーリ50号車を1コーナーで
LMGT3.TrophyはビスタAFコルセ54号車が大逆転優勝。 LMGT3ハイパーポールを制した55号車はクラス6位に。
11回目を数えたFIA.WEC富士大会は3日間とも晴天に恵 まれ、過去最多記録となる6万5800人もの観客を集めた。
オーバーテイクするも、133周後に8号車と 50号車が同時ピットイン。両車とも給油と 4本タイヤ交換、ドライバー交代まで行っ た。TGR 7号車は141周を終えたところで フルサービスに入ったが、右リアタイヤが 外れず大きくタイムロス。このためポルシ ェ6号車とBMW 15号車が先行し、TGR 8 号車が3番手で続くことになった。
開始4時間余りで、63号車ランボルギー ニが駆動系トラブルによりコースサイドで ストップ。VSCとなり、多くがピットにな だれ込んだ。その後SCに切り替わり154 周を終えた時点でリスタートする。
eここでタイヤ交換時のミスで遅れた TGR 7号車とポルシェ5号車との争いが激 化していたが、163周のコカ・コーラコー ナーで2台が接触。両者とも致命的なダメ ージを負いリタイアを余儀なくされた。
残り1時間で激しくなったのは、見えな いタイム差を意識した戦い。首位を走るポ ルシェ6号車は、最後のピット作業でタイ ヤ無交換の可能性があったBMW 15号車
92号車マンタイ・ピュアレーシングは2位表彰台。この結 果でLMGT3.Trophyドライバー&チームタイトルを確定。
今季から新設されたFIA.World.Cup.for.Hypercar.Teams は、開幕戦カタールと第4戦ル・マンの勝利で大量得点し たハーツ・チーム・ジョタ12号車が今回の第7戦富士を制 してタイトルを確定させた。
に対して「8秒以上のマージンが必要だっ た」ということで猛プッシュ。マージンを稼 いで192周を終えて最後のピットに入り、 給油と左側2本のタイヤ交換を行った。
その翌周にはBMW 15号車がピットに 入るが、彼らは給油だけでなく左リアタイ ヤ1本を交換したため、ポルシェ陣営の予 想に反して、順位の入れ替わりはなかった。
結局ポルシェ6号車はそのまま逃げ切り、 HYPERCARで今季2勝目をマーク。BMW 15号車が初表彰台となる2位を獲得した。
3位を争うアルピーヌ35号車とTGR 8 号車はレース終盤、両者にドライブスルー ペナルティーが科されて後退。代わって、 ミック・シューマッハ選手が見事なオーバ ーテイクを見せたアルピーヌ36号車が、 今季初表彰台を獲得することになった。
Headlineモータースポーツ話題のニュース速攻Check!
UNIZONE始動により国内eモータースポーツの動きが活発化 2024~2026年のeモータースポーツ3か年計画をJAFeスポーツ部会が発表
PHOTO/宇留野潤[Jun.URUNO]、遠藤樹弥[Tatsuya.ENDOU]、長谷川拓司[Takuji.HASEGAWA]、E-Tokyo.Festival.2024、UNIZONE、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS] REPORT/JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]
電 子機器を用いた競技やスポーツ を行うエレクトロニック・スポ ーツことeスポーツにはさまざ まなジャンルがあり、その中には老若男女 問わず気軽にモータースポーツが楽しめる “eモータースポーツ”がカテゴライズされ ている。このeモータースポーツの人気が 年々高まってきていることを背景に、各国 ASNはデジタルモータースポーツの推進 を加速させているのが現状だ。
国内に目を向けると、JAFは2020年に 「国内の自動車競技ならびにあらゆる形式 のあらゆる仮想、電子自動車競技を管理統 轄する唯一の権威である」ことを国内競技 規則に追記補完し、2021年にはJAFモータ ースポーツ専門部会に“デジタルモーター スポーツ部会”を設立。その後、2022年に “eスポーツ部会”へと専門部会の名称を変 更し、eモータースポーツの振興および発展 を推し進めるための活動を行っている。
そのJAFeスポーツ部会が、これまで行 った施策や検討を総括し、2024年以降の3 年を見据えたeモータースポーツのビジョ ンを公表することとなり、このたび、「eモ ータースポーツ3か年(2024〜2026年) 計画」のオンライン発表会を実施した。こ の発表会にはJAFモータースポーツ部の村 田浩一部長、eスポーツ部会の上村昭一部会 長、一般社団法人日本eモータースポーツ 機構の出井宏明代表理事が参加している。
報道関係者を対象にオンラインで実施されたJAFeスポー ル部会によるeモータースポーツ3か年計画発表会。これに 関連して、JAF公認eモータースポーツリーグUNIZONEの 来季計画についてJeMOから説明が行われた。
eスポーツ部会が重要なミッションとし て掲げているのが“トップを光らせ裾野を 広げる”取り組み、そしてeモータースポ ーツとしてのエコシステム(連携)の確立 だ。JAF唯一の公認eモータースポーツリ ーグ「UNIZONE」が2023年12月に立ち上 がったことを受け、UNIZONEをトップカ テゴリーリーグへと昇華させてeモーター スポーツのヒエラルキーを構築すること、 並行して裾野を拡大させていくことを、今 後の目指すべき理想像として挙げた。
その理想を具現化するにあたり、FIAの 施策との整合や連携を図っていくことを前 提とし、トップリーグ化へ向けた活動、eモ ータースポーツライセンス発給の検討、競 技開催規定や競技格式の策定といった項目 を挙げて、今後のロードマップが示され た。国内eモータースポーツの振興のた め、各年ごとに細分化した課題が設定され
ており、短期から中長期までを想定したプ ランで取り組んでいくこととなっている。
一方でUNIZONEからは、発表会の後 半でJAFeスポーツ部会とタッグを組んで 同調していくことが公言され、2025年に始 動するリーグ戦に向けて実施してきた笹 塚・高崎・有明のエキシビションイベント を振り返った。続けてリーグ初年度の基本 大会フォーマットについて、チームのドラ イバー構成、採用する競技タイトルなどが 明かされた。オンライン/オフラインを織 り交ぜた全6戦のリーグ戦となるようだ。
eモータースポーツは、まだまだ発展途 上の部分もあるが、JAFeスポーツ部会や UNIZONEによる今度の動向に期待したい。
eモータースポーツにおいても“トップを光らせ裾野を広げる”ことに重点を置いたさまざまなプランを発表。
UNIZONEの今後の計画が明かされ、2025年のリーグ開幕に向けて具体的な大会フォーマットも示された。
UNIZONE EX Match Powered by SUPER FORMULA
2月25日、UNIZONE初のエキシビションイベントがビエント高崎ビッグキューブ で開催された。リアルとバーチャルのドライバーがペアとなり、6組12名が出場。 マッチレースとスプリントレースが行われたほか、ドライバーやUNIZONE運営メ ンバーによるトークショー、そして会場内に設けられたグラスルーツコーナーで は来場客もeモータースポーツが体験できるイベントだった。
2024 FIA Motorsport Games -ESPORTS GT- 日本代表選考レース
e10月下旬にスペインのバレンシアで開催される国際的なモータースポーツの祭 典、FIA.Motorsports.GamesのEスポーツGT日本代表を選考するレースが、8月 10日に群馬県高崎市のGUNMA.eSPORTSで行われた。事前選考のタイムアタッ クを経て15名の選手がAssetto.Corsa.Competizioneのリカルド・トルモ・サー キットで競い合い、武藤壮汰選手が圧勝。見事、日本代表の座をつかんだ。
UNIZONE EX Match at E-Tokyo Festival 2024
3月31日に東京ビッグサイトで行われたE-Tokyo.Festival.2024の会場内で、2回 目のエキシビションイベントを実施。約300人の観客が見守る中、特設ステージ 上で6名の選手がマッチレースとスプリントレースで争った。また別エリアでブー ス出展も行い、グラスルーツ活動として来場者向けのレーシングシミュレーター を設置してeモータースポーツの魅力を体感できる内容となった。
UNIZONE EX MATCH FOR OFFICIAL LEAGUE
2025年から始まるリーグ開幕に向けて、デジタルの特徴を活かしたオンラインの テストマッチが9月12日に実施された。群馬県高崎市のGUNMA.eSPORTS、東 京都江東区のシティサーキット東京ベイ、愛知県名古屋市のコミュファ.eSports. Stadium.NAGOYAの3拠点をつなぎ、糸井ホールディングス、東京ヴェルディeス ポーツ、TOM'S、名古屋OJAの4チーム8名が参戦してレースを行った。
HEADLINE
4
苦戦が続くF1角田裕毅選手だが、終盤戦に向けて明るい兆しも見える
6 苦難が連続する勝田貴元選手はシーズン終盤が雪辱戦となるか
8 Porsche Penske 6号車が逃げ切りの富士初制覇でタイトル確定に王手!
10 UNIZONE始動により国内eモータースポーツの動きが活発化
SPECIAL ISSUE
14 混迷の中盤戦
実力伯仲のスーパーフォーミュラ2024! ベテランの意地がぶつかる好勝負が続く
40 青年たちの詮術
全日本ジムカーナ/ダートトライアルに挑む若手トライアラーのステップアップ術
47 アベレージラリーという選択
戦いの場は「SS」だけじゃない! 運転の正確さを追求するもう一つの国内ラリー 53 カートは新たな時代へ
全日本カート選手権EV部門が「都市型サーキット」でカートの未来を切り拓く! 58 D1GP若武者の台頭 いま注目しておきたい「Z世代」のドリフターたち
NEWS & TOPICS
18 FIA Motorsport Games 2024日本選手団 19 FIAフォーミュラE世界選手権(シーズ ン10)第15戦・第16戦 20 FIAインターナショナルシリーズ スーパーGT第4戦~第6戦 21 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第10戦~第15戦、メディア対抗ロードスター4時 間耐久レース、KYOJO CUP 22 FIA世界ラリー選手権第13戦フォーラムエイト・ラリージャ パン2024ほか 23 一般社団法人日本ラリー振興協会/JAF安全講習会 24 全日本ラ リー選手権・終盤戦 25 全日本ジムカーナ選手権・終盤戦、全日本ダートトライアル選手権・ 終盤戦 26 2025年全日本ジムカーナ/ダートトライアル選手権・新コースほか
28 会員規則・各種サービスの変更に関する予告
38 ドライバー・オブ・ザ・イヤー2024 アナタの“推し”で決まります! 64 オートテスト倶楽部
INFORMATION from JAF
32 2025年のライセンス更新のご案内
30 モータースポーツ公示・JAFからのお知らせ(WEB)一覧(2024年6月28日~2024年9月19日)
66 JAFモータースポーツサイトのススメ
JAF MOTOR SPORTS JAFスポーツ[モータースポーツ情報] 監修/一般社団法人 日本自動車連盟 〒105-0012 東京都港区芝大門1-1-30 ☎0570-00-2811(ナビダイヤル) 発行所/株式会社JAFメディアワークス 〒105-0012 東京都港区芝大門1-9-9 野村不動産芝大門ビル10F ☎03-5470-1711(代) 発行人/日野眞吾 振替(東京)00100-88320 印刷所/凸版印刷株式会社 編集長/佐藤 均[Hitoshi SATOU, editor-in-chief]、 清水健史[Kenji SHIMIZU]、伊東真一[Shinichi ITOU]、 大司一輝[Kazuki TAISHI] デザイン/鎌田僚デザイン室 編集/株式会社JAFメディアワークス JAFモータースポーツチーム(JAFスポーツ) ☎03-5470-1712 本誌の記事内容は2024年9月27日までの情報を基にしております。
また、社会情勢等によって、掲載した情報内容に変更が生じる可能性がございます。予めご了承ください。
広告出稿のお問い合わせは☎03-5470-1711(営業部) COVER/上:2024 SUPER GT Round4 PHOTO/石原康[Yasushi ISHIHARA] 下:2024年全日本カート選手権EV部門 第4戦 PHOTO/今村壮希[Souki IMAMURA]
実力伯仲のスーパーフォーミュラ2024! ベテランの意地がぶつかる好勝負が続く
宮田莉朋選手がFIA-F2、平川亮選手がWECに旅立った2024シーズン。
二連覇王者・野尻智紀選手の復調と牧野任祐選手の初優勝を筆頭に、 福住仁嶺選手や山下健太選手が速さを見せ、坪井翔選手が勝利するなど、 今季のスーパーフォーミュラは実力者たちが熱戦を繰り広げている!
PHOTO/石原康[Yasushi ISHIHARA]、遠藤樹弥[Tatsuya END OU]、大野洋介[Yousuke OHNO]
REPORT/貝島由美子[Yumiko KAIJIMA]、 JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]
連覇を遂げた強者・野尻智紀選手が 王座3度目を目指し、首位で折り返す Rd.3 スポーツランド SUGO
幕戦の鈴鹿サーキットでは野尻 智紀選手が貫禄の優勝を、第2 戦オートポリスでは牧野任祐選 手が涙の初優勝を果たした全日本スーパー フォーミュラ選手権。第3戦は6月22〜 23日にスポーツランドSUGOで行われた。 土曜は晴天に恵まれ、ノックアウト予選 はドライ路面で行われた。今季初のポール ポジション(PP)を獲得したのは野尻選手。 そのチームメイトで今季ルーキーとして参 戦する岩佐歩夢選手が2番手で、TEAM MUGENがフロントロウを独占した。
3番手には坪井翔選手がつけ、トヨタエ ンジン勢としては最上位グリッドを獲得。 牧野選手は4番手で2列目に食い込んだ。 しかし決勝は、どの陣営にとっても消化 不良で終わってしまう。梅雨入りした東北 地方は日曜朝から雨を降らせ、フリー走行 は、開始約4分でアクシデント発生により 赤旗中断。天候はその後も回復せず、セッ ションはそのまま終了となってしまった。
代わって、決勝前のウォームアップ走行 が延長されたが、ここでもアクシデントが 発生。誰もまともに走れないまま決勝に臨 む状況となった。天候が回復せず、セーフ ティカー(SC)先導で始まった決勝は、5周 を終えて実質的なスタートを迎えた。
しかし、最終コーナーでクラッシュが発 生して再びSCが導入される。車両回収が 終わって再スタートするも、間もなく別の 車両が同じ最終コーナーでクラッシュ。こ こで赤旗が出ることとなり、第3戦の決勝 レースは12周で終了となってしまった。
トップ3に順位の入れ替わりはなく、野 尻選手は今季2勝目を挙げ、岩佐選手が2 位、坪井選手が3位。以下、牧野選手、大 湯都史樹選手、山下健太選手、国本雄資選 手、小高一斗選手、木村偉織選手、小林可 夢偉選手までが入賞した。レース距離の 75%未満でレースが中止されたことから、 選手権はハーフポイントとなっている。
第2回合同テストの好調ぶりが 第4戦富士の好走につながる
第3戦SUGOの終了後、7月7〜8日に 今季2回目の公式合同テストが行われ、各 チームにとって貴重な走行機会となった。
会場が富士スピードウェイということ で、ここが舞台となる第4戦に備えつつ、 シーズン後半に向けて、多くのセットを試 してデータを収集した。
初日から好調だったのが牧野選手。山下 選手や坪井選手、太田格之進選手らも仕上 がりの良さを感じさせた。ロングランを敢 行したチームも複数あり、今季の勢力図が どう変わるのか、興味深い走行となった。 テストから2週間後に行われた第4戦 は、「第1回瑶子女王杯」のタイトルがかけ られた。ここでチーム移籍後、初のPPを 獲得したのは福住仁嶺選手だった。Kids com Team KCMGにとっても、チームと して初のポールとなり、ピットは歓喜に包
チームインパル19号車の代役は、第3戦SUGOでは平良響選手の大抜擢となり、引き続き合同テストと第4戦富 士も平良選手が走行した。第5戦もてぎと第6戦&第7戦の富士では何と、TOYOTA GAZOO RacingでWECに参 戦するニック・デ・フリース選手が登板。最終大会の鈴鹿は再び平良選手が乗車する予定となっている。
坪井翔選手
Rd.5 終了後ランキング 3 位
Pos No. ドライバー ①鈴鹿 ②AP
野尻智紀選手
Rd.5 終了後ランキング1 位
牧野任祐選手
Rd.5 終了時ランキング 2 位
まれ、涙ぐむスタッフの姿も見られた。
福住選手に続いたのは岩佐選手。さらに 大湯選手、坪井選手、太田選手、牧野選手 とテストの上位勢が予選で速さを見せた。
一方、王座奪還を狙う野尻選手は予選7 番手。昨年も富士では仕上げに苦しんだ が、今年もPPを獲るパフォーマンスは見 せられず。それでも決勝で巻き返してくる
今季2勝したのは野尻智紀選手と牧野任祐 選手だが、第3戦SUGOのハーフポイントが 響き、野尻選手は牧野選手に迫られている。 今季も上位勢が拮抗しており、残り4レース の行く末はまるで読めない状況だ。 第4戦富士大会は「第1回瑶子女王杯」が冠され、 優勝した坪井翔選手が瑶子女王杯を賜った。スー パーフォーミュラ初併催となったKYOJO CUPで は斎藤愛未選手が優勝。両選手にとっては夫婦同 日優勝という稀有な一日となった。
のが野尻選手であり、まだわからない。
第4戦決勝のスタートで首位を守ったの は福住選手。岩佐選手はスタート時にエン ジンストールしかけて順位を大きく落とし てしまう。代わって大湯選手が2番手に上 がり、牧野選手、野尻選手、坪井選手と続 く。予選5番手の太田選手はダミーグリッ ドについたものの、オルタネータートラブ ルでピットに戻され、そのままリタイア。 昨年は後半戦で上位争いを展開し、初優勝 も経験しているが、残念ながらスタートす
ら切れずに第4戦を終えることになった。 オーバーテイクを重ねて大逆転 坪井翔選手が4年ぶりの優勝
首位を走る福住選手がジワジワと大湯選 手を引き離す展開だが、スタートでポジシ ョンを落とした坪井選手がペースの良さを 見せる。坪井選手は、レース序盤で前を行 く野尻選手と牧野選手を攻略し、大湯選手 に追いついた。一方、アンダーカットを狙 う野尻選手は、タイヤ交換のウィンドウが
開くとすぐさまピットイン。翌周には牧野 選手もピットに滑り込んだ。
2番手を走行していた大湯選手も13周 を終えるとピットイン。野尻選手の前でコ ースに戻ったが、アウトラップで野尻選手 と牧野選手の先行を許してしまう。しか し、大湯選手は間もなく牧野選手を再び逆 転。17周目には野尻選手も捕らえている。
悲劇に見舞われたのは福住選手だった。 14周を終えてピットインするも、タイヤ 交換に時間がかかり大きなロス。トップ陥 落どころか、先にピットを終えた野尻選手 や牧野選手からも離されることになる。
この時点で、コース上の先頭はタイヤ交 換を引っ張る作戦の坪井選手。一方、タイ ヤ交換を終えた選手の中で一番前を走って いたのは大湯選手。大湯選手はペースが良 く、2台の差は次第に縮まっていった。
坪井選手は28周にピットイン。コース に戻ると大湯選手だけでなく野尻選手と牧 野選手に先行されていた。しかし、坪井選 手は新しいタイヤのグリップを活かして、 序盤と同様のオーバーテイクショーを展開 し、34周目には大湯選手をかわしてトップ に立った。坪井選手はそのままチェッカー まで走り切り、4年ぶりの優勝、そしてチ ーム移籍後の初勝利を果たした。この結
太田格之進選手は持ち前のキャラクターで多くのファ ンのハートを射止めているが、2年目となる今季は、噛み 合っているにも関わらず不運に見舞われてしまってお り、最終4レースでの活躍に期待が集まる。 Rd.5
第5戦もてぎ大会は、レース後半でダンディライア ンレーシングの太田格之進選手と牧野任祐選手が 魅せてくれた。しかし、太田選手は最終盤で車両ト ラブルによるリタイアを喫し、牧野選手が2勝目を 挙げることになった。
果、坪井選手はポイントリーダーの野尻選 手に続くランキング2位に浮上し、シリー ズ3番手には牧野選手が続く形となった。
山下健太選手がポール獲得 並んだのは太田格之進選手
シリーズの折り返しとなる第5戦モビリ ティリゾートもてぎ大会が行われたのは、 8月24〜25日。例年、酷暑に見舞われる 同大会も今年はしのぎやすい気候で、この 時期の北関東は激しい雷雨も心配ではあっ たが、スーパーフォーミュラの走行は、両 日ともドライコンディションに恵まれた。
この第5戦で7年ぶりとなる2度目の予 選PPを獲得したのは山下選手だった。
山下選手は開幕戦鈴鹿で表彰台を得た後 に、「寒い季節はいつも調子がいいが、暑 くなってから苦戦することが多いので、こ の先どうなるかは分からない」と語っていた が、その後もコンスタントに上位に入って おり、シーズン半ばにしてついに最速タイ ムを出してきた。これに続いたのは、富士 でスタートできなかった太田選手。3番手は 大湯選手で、ランキング首位の野尻選手が 4番手、牧野選手が5番手と続いた。富士 を制した坪井選手は8番手だった。
第5戦もてぎの決勝では、ポールスター トの山下選手がトップをキープ。太田選手 が2番手に続き、抜群の蹴り出しを見せた 牧野選手が3番手に浮上した。これに大湯 選手と野尻選手が続くスタートとなった。 トップ争いは膠着した。しかし、山下選 手のペースが次第に落ち始め、太田選手と 牧野選手が迫っていく。タイヤ交換のウィ ンドウが開くと、太田選手が真っ先にピッ トに入り、そこからハイペースで周回を重 ねていった。牧野選手のピットは22周を 終えるところ、山下選手と野尻選手はその 翌周。全車がタイヤ交換を終えた時点でト
ップに立っていたのは、太田選手だった。
ダンディライアン勢の攻防 波乱で牧野任祐選手に軍配 太田選手に続くのは大湯選手と牧野選 手、山下選手だったが、大湯選手は次第に ペースが落ち、牧野選手が攻略する。山下 選手もこれに続いて表彰台圏内に浮上した。 しかし、山下選手は牧野選手を追えるだ けのペースがなく、終盤はポジションキー プに徹することに。そして首位の太田選手 に追いついていったのは、タイヤ交換を遅 らせた、チームメイトの牧野選手だった。 残り3周という辺りから、2台はドッグ ファイトを演じる。オーバーテイクシステ ムを使って約1周に渡る攻防を展開し、太 田選手が首位を守り切ったかと思われた。 しかし、ファイナルラップの直前、太田 選手は突然アクセル周りのトラブルに見舞 われ、90度コーナーでスピンを喫してしま う。車両はコース外で止まり、太田選手は ゴール目前でレースを去ってしまった。
太田選手のスピンを回避した牧野選手が 今季2勝目を挙げ、山下選手が2位。大湯 選手を攻略した野尻選手が再び3位を掴ん だ。前半はペースに苦しんだが、タイヤ交 換後に復調した坪井選手は5位を得た。
この第5戦もてぎ終了時のランキングは 野尻選手がトップを堅守。牧野選手が5ポ イント差の2番手に浮上した。3番手は坪 井選手、4番手は山下選手、5番手は岩佐選 手、6番手には開幕戦鈴鹿で3位を得た山 本尚貴選手がつけている。残すは2大会だ が、富士と鈴鹿は2レース開催。四つのレ ースで、ここから誰が抜け出すのかは全く 予断を許さないが、2024年のチャンピオ ン候補は次第に絞り込まれつつある。
& News Topics FIA Motorsport Games 2024、スペインで開催 過去最大規模の大会に日本選手団が挑む!
PHOTO/遠藤樹弥[Tatsuya ENDOU]、サンプロス[SUNPROS]、SRO、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS] REPORT/JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]
Karting Sprint Jr 澤田龍征選手
Formula4 森山冬星選手
Karting Sprint Sr 土橋皇太選手
今年は過去最大規模で開催される予 定である「FIA Motorsport Gam es 2024」。この大会は、各国のASNを代 表する選手たちが、金、銀、銅メダル獲得 のために競い合うことを目的に創設された 世界的なイベントで、今年のスペイン・バ ルセロナ大会で3回目の開催となる。
初開催となった2019年ローマ大会に は、日本代表として「GT Cup」に濱口弘選 手と笹原右京選手、「Formula4 Cup」に
濱口弘選手と笹原右京選手が参戦した2019年大会。 雨のレースで見事な走りを披露しGT Cupを制した。
多田康治選手
は小高一斗選手が出場。濱口/笹原 組は、あいにくのウェット路面でも 圧巻の走りを披露して、見事に金メ ダルを獲得した。また、2022年に行 われたマルセイユ大会では、「Espor ts」に武藤壮汰選手が出場している。
Esports GT 武藤壮汰選手
2024年大会は10月23〜27日、スペ インのバレンシア・リカルド・トルモ・サ ーキットを中心に、アスパーサーキットや バレンシア芸術科学都市でも競技が行われ る。過去最多となる85のASNが参加し、 27カテゴリーでメダルが争われる予定だ。
今年は日本選手団も過去最多となる見込 みで、日本のASNであるJAFからは「Dri fting」にクスコレーシングの多田康治選 手、「Formula4」に森山冬星選手、「Karti ng Sprint Sr」に土橋皇太選手、「Karting Sprint Jr」に澤田龍征選手、「Eports GT」
に武藤壮汰選手が登録。そして「GT」には 脇阪薫一選手と他1名が登録されている。
この大会はSROモータースポーツグル ープにより運営されていて、ステファン・ ラテルCEOは「この大会は、各国のFIA ASNがモータースポーツを自国でさらに成 長させるためのきっかけになることが重要 な目標の一つ」とのコメントを寄せている。
リアル競技については、ツーリングカー レースやラリー競技のほか、カーティング スラロームやクロスカーなどのFIAが推進 するグラスルーツカテゴリーも展開され、 見所の多い大会となる見込みだ。
Drifting
& News Topics 最終戦ロンドンE-Prixはローランド選手が制し ウェーレイン選手が初のドライバー王者に!
PHOTO/遠藤樹弥[Tatsuya ENDOU]、大野洋介[Yousuke OHNO]、Formula E、 日産自動車[Nissan Motor Corporation] REPORT/JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]
東京E-Prixが初開催された記憶も新し いFIAフォーミュラE世界選手権シ ーズン10(2023/2024シーズン)は、7月 20 〜 21日のロンドン大会でシーズンエン ドの第15戦と第16戦を迎えた。
この大会は、第15戦を終えて、パスカ ル・ウェーレイン選手(タグ・ホイヤー・ ポルシェ・フォーミュラEチーム)が選手権 トップ。ミッチ・エバンス選手が3点差、 ニック・キャシディ選手(以上ジャガー TCSレーシング)が7点差で最終・第16戦 に挑むという混戦模様となった。
第16戦でポールポジションを獲得した のはキャシディ選手。1コーナーではチーム メイトのエバンス選手が2番手に上がり、 序盤のセーフティカー(SC)導入後にはウ ェーレイン選手が3番手となり、タイトル コンテンダーが上位争いを展開する。
しかし、キャシディ選手は接触からのタ イヤトラブルでストップ、エバンス選手と
3月29~30日に日本へ初上陸したフォーミュラE東京 E-Prixはマキシミリアン・ギュンター選手が制した。
オリバー・ローランド選手の最終大会は、第 15戦こそ波乱に泣いたが第16戦では優勝。 日産フォーミュラEチームはランキング4位 に浮上してシーズンを締めくくった。
最終戦となる第16戦は、ニック・キャシディ選手がポールポジションを獲得したものの、接触により戦線離脱。 前日の第15戦で優勝したパスカル・ウェーレイン選手が第16戦では2位となり、初のチャンピオンに輝いた。
ウェーレイン選手はアクティベートゾーン 不通過に泣く。そんな中で、9番グリッドか ら徐々に順位を上げていた日産フォーミュ ラEチームのオリバー・ローランド選手が、 終盤で先頭に立つことになった。
その後もエバンス選手はアタックモード の起動に手間取り、ウェーレイン選手が2 番手に浮上。最終的にはローランド選手が
日産フォーミュラEチームは2025年、WECにも参戦す るノーマン・ナト選手の再起用を発表している。
地元英国での初勝利を挙げ、2位に入ったウ ェーレイン選手が自身初のフォーミュラE ドライバーチャンピオンに輝いた。
チームタイトルはジャガーTCSレーシン グ。ジャガーにとっては1991年以来とな る世界選手権でのタイトル獲得だった。
日産フォーミュラEチームはチームラン キング4位を獲得。ローランド選手はドラ イバーランキング4位、フェネストラズ選 手は17位となり、マニュファクチャラーズ トロフィーは日産が3位を獲得した。
シーズン11(2024/2025シーズン)は全 17戦で構成され、開幕戦はサンパウロ、最 終大会はロンドンでの連戦が予定されてい る。注目の東京E-Prixは2025年5月17 日(土)〜 18日(日)で、第9戦と第10戦と いう2レース開催が計画されている。
News Topics スーパーGT第4戦富士でシビックが初勝利! 第5戦鈴鹿と第6戦SUGOは天候に翻弄される
PHOTO/石原 康[Yasushi SIHIHARA]、遠藤樹弥[Tatsuya ENDOU]、吉見幸夫[Yukio YOSHIMI] REPORT/JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]
スーパーGTシリーズは今季も全8戦 のカレンダーで行われており、岡 山国際サーキットと富士スピードウェイ、 鈴鹿サーキットの3戦を経て、第4戦富士 大会を迎えた。
晴天に恵まれ、灼熱の環境となった富士 350kmレースでは、野尻智紀選手と松下 信治選手が乗車する8号車、ARTA MUG EN CIVIC TYPE-R GTがポールポジショ ンを獲得した。決勝レースでは山本尚貴/ 牧野任祐組の100号車、STANLEY CIVIC TYPE-R GTとの勝負となったが、8号車が ポール・トゥ・ウィンを決め、100号車と のワンツー・フィニッシュを飾った。今季 から投入されたシビック・タイプRの初優 勝となり、タイトル争いが面白くなった。
しかし、第5戦鈴鹿大会は台風10号の
接近により「延期」されることになり、12月 7日(土)、8日(日)に改めて開催されること が発表された。
2か月ぶりに開催されたスーパーGTの 第5戦スポーツランドSUGO大会は、再び 雨の影響を受けてしまう。土曜の予選は中 止され、フリー走行の順位でグリッドが決 まる。決勝についてもスタート時刻が変更 となり、天候の回復を待って、14時15分に フォーメーションラップがスタートした。
ウェットからドライアップする路面で行 われた決勝は、GT500クラスは笹原右京 /ジュリアーノ・アレジ組の37号車、De loitte TOM'S GR Supraが優勝、GT300 クラスは蒲生尚弥/篠原拓朗組の65号 車、LEON PYRAMID AMGが優勝。とも に今季2勝目を挙げ、蒲生選手と篠原選手
FIA-F4第10戦SUGO大会で初の試み インディペンデントクラスが単独レースに
スーパーGTシリーズのサポートレースであるFIA-F4地方選手権は、1大 会2レース制で、チャンピオンクラスとインディペンデントクラスが混走 する形式で行われている。今年はインディペンデントクラスにもJAF地方 選手権タイトルが掲げられ、二つの地方選手権レースが混走していた。
第5大会のスポーツランドSUGO大会では、何と2レース目の第10戦の み、それぞれのクラスが単独レースとして開催される試みがなされた。雨 の影響で、インディペンデントクラスのみセーフティカー先導のままレー ス成立となってしまったが、新たな試みが継続されることに期待したい。
はシリーズ首位に立った。
なお、第6戦のGT300クラスではケ イ・コッツォリーノ/リル・ワドゥー組が 2位を獲得。ワドゥー選手の2位は、スー パーGTにおける女性史上最高順位となっ た。ワドゥー選手は昨年のWEC第3戦で WEC史上初のクラスウィナーに輝いた実 力者だ。
第6戦SUGOのGT300で2位表彰台を獲得したケイ・ コッツォリーノ/リル・ワドゥー組のフェラーリ。
SFライツ2024、小出峻選手が首位で折り返す
PHOTO/遠藤樹弥[Tatsuya ENDOU] REPORT/JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権は、今年は6大会・ 全18戦で構成されているが、モビリティリゾートもてぎで開 催されるはずだった開幕大会が2024年後半に延期されることが発表 され、波乱のシーズン開幕となった。9月末までにオートポリスとスポ ーツランドSUGO、富士スピードウェイ、岡山国際サーキットでの大 会を終えているが、この時点では、岡山大会の第15戦までに6勝を 挙げたB-MAX RACING TEAMの小出峻選手が首位に立っている。
小出選手はTOM'Sの野中誠太選手に29点、中村仁選手に35点差 をつけており、王座獲得に向けた終盤戦での戦いぶりに注目が集まっ ている。マスタークラスはDRAGON選手が岡山大会で3連勝、富士 大会の第12戦からは4連勝を挙げ、ランキング首位を堅守している。
PHOTO/マツダ[Mazda Motor Corporation] REPORT/JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]
茨城県の筑波サーキットコース2000で開催されている「メ ディア対抗ロードスター4時間耐久レース」は、初代ロー ドスターが登場した1989年に始まった、マツダが特別協賛する ワンメイクレース。メディアがレース参加を通じて魅力や楽しさ を体感し発信することで、日本の自動車文化への成熟に寄与する ためにこれまで開催が重ねられてきた。それがこのたび、9月21
日の開催で35回目を迎えることとなり「ギネス世界記録への挑 戦」が今大会のテーマに加わった。無事終了した際には「最も長く 続いている自動車のワンメイクレースシリーズ(Longest runni ng one-make automobile racing series)」と認定され、ギネ ス世界記録の公式認定員として立ち会った藤渕文香氏から、同大 会の実行委員長・鈴木俊治氏に認定証が贈呈された。
PHOTO/インタープロトモータースポーツ[IPS/KYOJO]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS] REPORT/JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]
女性限定のレースシリーズとして開催されている
「KYOJO CUP」が、2025年シーズンからフォー ミュラ車両を採用することが発表された。KYOJO CUPは、富士スピードウェイのオリジナルシリーズ 「インタープロト」と併催され、2017年からスタートし ているが、参加車両はNE車両である「VITA-01」によ るワンメイクで行われてきた。それが来季からは「KC-MG01」 と呼ばれるフォーミュラ4相当の車両となり、Halo付きカーボン モノコックのシャシーに、1.4Lターボエンジン+12kWのハイ ブリッドシステムを持つハイスペックマシンでの戦いとなる。30 名近い参加を集めるシリーズに成長したKYOJO CUPは、創設 9年目にして一大転換期を迎えることとなった。
WRCラリージャパン2024の概要が続々発表 豊田スタジアム・SSSはレイアウトを一新!
PHOTO/遠藤樹弥[Tatsuya ENDOU]、小竹充[Mitsuru KOTAKE]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS] REPORT/JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]
愛知県と岐阜県を舞台として11月21 〜 24日に開催される予定のFIA世 界ラリー選手権(WRC)第13戦「フォーラ ムエイト・ラリージャパン2024」。ラリ ーガイド1が発行された7月17日、豊田 市の豊田スタジアムにおいて「大会概要発 表会」が開催された。
この発表会では、ラリージャパン2024 実行委員会の会長を務める豊田市の太田稔 彦市長と、副会長を務める岐阜県恵那市の 小坂喬峰市長が登壇。2024年大会の総合 司会を務める予定のレースアナウンサー・ ピエール北川氏や新井敏弘選手、梅本まど か選手もトークゲストとして登場した。
2024年の大会コンセプトは昨年と同様 の「ENJOY! RALLY JAPAN」としており、
「コアなファンにはこれまで以上にラリー ジャパンを楽しんでもらい、これからラリ ーを知ってもらうライトなファンには親し みやすく、いろいろな楽しみ方ができる大 会を目指していく」とのことだ。
今年のコースは豊田スタジアムにおける スーパーSSを皮切りに、合計10か所・ 21本のスペシャルステージが設定される。
豊田スタジアムについては、昨年同様に今 年も2台同時スタートで行われ、スーパー SSの1階席の観戦チケットが昨年の15,000 円から9,000円へ値下げされるなど、より多
岐阜県恵那市の「笠置山 (かさぎやま)モーター パーク」を起点とする「笠 置山SS」が新設される今 大会。後背地につながる 新コースも大きな見所に なるはずだ。
昨年から施行された「タイヤフィッティングゾーン (TFZ)」。岡崎SSSにも併設されて人気を博した。
くの観客が楽しめるよう改善された。
岡崎市の「岡崎SSS」については、昨年 同様に岡崎中央総合公園が舞台だが、レイ アウトが変更され、18時30分から始まる ナイトステージとして開催される。
山岳ステージでは3箇所に変更があり、 岐阜県恵那市にある「恵那笠置山モーター パーク」と、その周辺林道を使った15km 程度の「笠置山(かさぎやま)SS」が新たに 追加されることになった。
新城市の「新城SS」は、昨年までの本宮 山スカイライン周辺ではない、新エリア (「作手・つくで」)で行われ、”神(じん)ジ ャンクション”として有名になった熊野神 社を走る「三河湖SS」は、2024年大会では 最終「パワーステージ」に採用。レイアウト は2023年とは逆走で、後半は新設ルート になることが予定されている。
& News Topics 8 オフィシャル競技ボランティア・ ラリーミーティング
豊田市民会館では9月22日にWRCラリージャパンに関 わるオフィシャル競技ボランティアを集めたラリーミー ティングを開催。太田稔彦市長も参加した。
日本ラリー振興協会(JGR)との協業により
JAF安全講習会を蒲郡・宗像・帯広で開催
PHOTO/遠藤樹弥[Tatsuya
国 内ラリーの健全な振興と発展、社 会への普及を目指す新組織「一般社 団法人日本ラリー振興協会(JGR)」が今年 の4月に設立され、その活動の一つとし て、JAFと協業したラリー安全講習会の開 催が全国各地で進められている。
8月3日には「ラリー三河湾」の拠点であ るラグナマリーナを会場に、中部地区を中 心とした競技役員やオフィシャルを対象 に、オフィシャル業務のスキルアップを目 指す「ラリー競技役員講習会」が行われた。
この講習会は、AG.MSC北海道の田畑邦博 会長と河野功氏や小池治郎氏を講師に迎 え、国際格式や国内格式大会での実例を踏 まえた組織作りや運営方法に関するかなり 実践的な内容となり、好評を博していた。
そして、8月8日には福岡県宗像市の宗 像ユリックスで「JAFモータースポーツセ ーフティ講習会」が行われ、宗像地区消防 本部の吉田恵助救命士やGAZOO Racing Company GR車両開発部の長本真氏らを 講師とした、次世代車両の取り扱い方法を 中心とした座学と実技講習が行われた。 豊田市消防本部・次世代自動車講習会 豊田市消防本部 南消防署では、WRCラリージャパン開催に備えて 隊員対象の「次世代自動車講習会」を開催。HV車両の構造につい ての講義や電気遮断方法の実技に加え、ファイヤーブランケットを 使った消火訓練などが行われた。
今年4月に発足した日本ラリー振興協会(JGR)は、田 畑邦博氏が代表理事、勝田照夫氏が監事を務める。
ENDOU]、中島正義[Tadayoshi NAKAJIMA] REPORT/JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]
愛知・蒲郡
8月3日には、愛知県蒲郡市のラグナマリーナで「ラリー競技役員講習会」が行われた。6 時間に及ぶ座学ながら、聴き逃がせない実践的な講義内容であることに加え参加者の質 疑には講師が即時回答してくれる形式も好評で、熱心な意見交換が行われていた。
8月8日には、福岡県宗像市の宗像ユリックスで「JAFモータースポーツセーフティ講習 会」が開催。座学ではRally1車両の構造や救助方法などの講義が行われ、グラウンドに移 動した第二部の実技では、次世代車両等を使った救出訓練が行われた。
北海道・帯広
9月6~8日に北海道帯広市で開催された全日本ラリー選手権第7戦「ラリー北海道」で は、スタート前のとかちプラザ周辺で「FIA-JAFラリーのSSにおける安全性向上講習会」 が行われ、参加者向けの座学と競技役員対象の実技訓練が実施された。
& News Topics 全日本ラリーJN1は新井大輝選手が久々の戴冠! 最終戦を前に半数以上のクラスで王座が確定 9
PHOTO/遠藤樹弥[Tatsuya ENDOU]、山口貴利[Takatoshi YAMAGUCHI] REPORT/JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]
全8戦で争われる2024年の全日本ラ リー選手権は、9月下旬までに7戦を 終え、10月の最終戦、第51回ラリー・ハイ ランドマスターズを残している。
今年も第6戦ラリーカムイと第7戦ラリ ー北海道というグラベル2大会がシリーズ 後半に設定され、スペシャルステージ総距 離や路面に由来する、クラス別得点に乗じ られる係数が高いグラベルラリー2連戦が チャンピオン争いの天王山となった。
第6戦では、JN6クラスでアクアを駆る 天野智之/井上裕紀子組がチャンピオン確 定一番乗りを果たし、天野選手は11年連 続16回目、井上選手は前人未到の15年連 続17回目となる王座を確定させた。
第7戦ラリー北海道では、最高峰JN1ク ラスにオーストラリア選手権を戦うハリ
TOYOTA GAZOO Racingの相互交流企画によりハ リー・ベイツ選手が来日。JN1クラス2位を獲得。
ー・ベイツ選手や大竹直生選手らが参戦し たが、タイトルを争う勝田範彦/木村裕介 組がリタイアしたこともあり、後続に約50 秒もの大差を付けて快勝した新井大輝選手 が、2020年以来2度目となるドライバーチ ャンピオンを確定させた。
JN5クラスでは、松倉拓郎/山田真記子 組と大倉聡/豊田耕司組が僅差のタイトル
驚愕の連続チャンピオン獲得回数を持つ天野智之/井 上裕紀子組。第6戦カムイでJN6の王座を確定。
JN5を戦う平川真子選手。第7戦はWRCの女性ドライ バー育成プログラムで渡欧する直前の大会となった。
JN1のコ・ドライバー王座争いは、松尾俊亮選手と木村裕 介選手の戦い。新井大輝選手は松尾選手のタイトル確定 を目指して最終戦を走ることになる。
争いとなっていたが、松倉/山田組が優勝 して、ともに2度目(コンビでは初めて)の 全日本タイトルを確定させている。
そして、第7戦でJN3クラスを制した山 本悠太/立久井和子組は、9月11日に最終 戦の特別規則書が発行され、クラス別得点 の係数が1.0以下であることが判明して、 山本/立久井組の連覇(山本選手自身は3 回目、立久井選手は2回目)が確定した。
グラベル連戦を連勝した松倉拓郎/山田真記子組が、 今年こそコンビそろってタイトルを確定させた。
第7戦を制した山本悠太/立久井和子組は、最終戦の特 別規則書の発行と共にJN3クラス連覇が確定。
スピード競技全日本選手権の王座争い白熱 PN部門では全日本初タイトルが続々誕生!
PHOTO/遠藤樹弥[Tatsuya ENDOU]、大野洋介[Yousuke OHNO] REPORT/JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]
全日本ジムカーナ選手権は9月8日の 第10戦ハイランドパークみかわで 最終戦を迎えており、全クラスで2024年 のシリーズチャンピオンが確定している。
今シーズンは第7戦イオックスアローザ でPE1クラスを制した山野哲也選手がい ち早くチャンピオンを確定。これで自身 24回目となり、記録をさらに塗り替えた。
今季の天王山は、第8戦と第9戦が連続 開催されたスポーツランドSUGO西コー ス大会だった。土曜の第8戦では、PN4ク ラスの奥井優介選手がベテラン津川信次選 手を抑えて優勝。初の王座を確定させた。
日曜の第9戦では、PN2クラスのSHUN 選手が、前日の第8戦の憂き目から第9戦 でしっかり勝ち切る見事な戦いぶりで、初 の全日本タイトルを確定させた。PN3クラ スでは大多和健人選手が、PN後輪駆動ク ラスのアイコン的存在であるユウ選手に競 り勝ち、初めての全日本王者に輝いた。
BC1クラスは、8位に終わった西井将宏 選手が苦渋の表情でBC1連覇を確定。優 勝は、念願の「スイフトスポーツでの初勝 利」をモノにした小武拓矢選手だった。
BC2クラスは、第8戦で2位の若林拳人 選手が王座確定にリーチ。対する広瀬献選
今季2回目の丸和大会となった第7戦でPN2を制した 佐藤卓也選手が全日本初チャンピオンを確定させた。
PN2クラスではSHUN選手、PN4クラスでは奥井優介選手、そ して創設後に初めてシリーズが成立したPE2クラスでは、Team CP2の高屋隆一選手が初王者に輝いた。
手は、第8戦と第9戦を出色のタイムで連 勝するも、第9戦も2位とした若林拳人選 手が、2021年以来4回目の王座に輝いた。
最終戦みかわでは、Team CP2所属の高 屋隆一選手がPE2クラスを制し、新鋭・下 村渉選手を退けて初の全日本王座を確定さ せた。河本晃一選手、そしてTeam CP2 で走る若手たちと喜びを分かち合った。
PN1クラスはベテランの一騎打ちとな ったが、斉藤邦夫選手が失速。地元の朝山 崇選手が優勝して7回目の王座を決めた。
BC3クラスでは、レジェンド菱井将文 選手と、”弟子”である大橋渡選手による、 獲得ポイントが有効外でもほぼ同一という シビアな直接対決となっていた。
第2ヒートはタイムが上がる状況なが ら、菱井選手が第1ヒートで出したベスト タイムは更新されない状況。大橋選手は第 2ヒートでタイムを詰めたが2番手に留ま った。最終走者・菱井選手の第2ヒートは ウィニングランとなったが、それでも自ら の暫定ベストをさらに更新。完全勝利で3 年連続17回目のタイトルを確定させた。
全日本ダートトライアル選手権は、10月 のテクニックステージタカタ大会を残し て、シリーズ8戦中の6戦を終えている。
6月中旬の輪島市門前モータースポーツ 公園での第4戦が中止となったため、今季 の有効得点は全7戦中5戦となり、PNE1 クラスについては北海道大会の不成立があ ったため全6戦中4戦となっている。
今シーズンで真っ先にタイトルを確定さ せたのは、SA1クラスの河石潤選手で、全 日本初開催となった第6戦エビスサーキッ ト新南コースで3位に入り、2008年以来 となる3度目のチャンピオンに輝いた。
第7戦丸和オートランド那須大会は、台 風10号の影響で開催が危ぶまれたが、無 事開催されて、PN2クラスでは佐藤卓也選 手が優勝。第5戦から3連勝を飾り、意外 にも自身初となる全日本チャンピオンを確 定させた。SC1クラスはポイントリーダー の山崎迅人選手が10位に終わったものの、 2年連続4回目の王座に輝き、Dクラスで は、3位表彰台を獲得した田口勝彦選手が、 鎌田卓麻選手の追撃を退けて、2年連続5 回目のチャンピオンを確定させている。
2025年全日本ジムカーナ/ダートトライアル 一部の大会が新たなフィールドでの初開催に
PHOTO/山口貴利[Takatoshi
8月に公示された2025年の全日本ジム
カーナ/ダートトライアル選手権、 そしてJAFカップカレンダーによると、 例年とは異なる開催場所が多数記載されて おり、かなり興味深い内容となっていた。
全日本ジムカーナ選手権では第4戦に 「赤門自動車テストコース」、第5戦に「奥 伊吹モーターパーク」の記載がある。
赤門自動車テストコースは宮城県仙台市 にある赤門自動車整備大学校が持つ専用施 設で、これまでは主にクローズド競技会が 開催されている。奥伊吹モーターパークは D1グランプリや「G6ジムカーナ」などで おなじみだが、コース公認がある第3駐車 場と第4駐車場を組み合わせた、高低差の あるコース設定が計画されているという。
JAFカップジムカーナは新潟県の「スピ ードパーク新潟」が会場。関東ジムカーナ 選手権ではおなじみだが、地方カート選手 権・新潟シリーズの開催地でもある。
全日本ダートトライアル選手権には開幕 戦と第7戦に「いなべモータースポーツラ ンド」が登場。これは2024年末をもって 使用できなくなる京都コスモスパークや、 福井県のオートパーク今庄、そして石川県 の輪島市門前モータースポーツ公園を代替 する新たなコースとなり、元の二輪コース から四輪用への拡充が進められている。
JAFカップダートラでは長野県の「スポ ーツランド信州」が復活。かつての全日本 開催地でスペシャリストも多いコースだ。
YAMAGUCHI]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS] REPORT/JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]
滋賀県米原市・奥伊吹モーターパーク
日本選手権D1グランプリの会場としてもおなじみの奥伊吹モーターパークは、複数の駐車場を持ちミーティン グなどの各種イベントに使われているが、第3駐車場と第4駐車場にはコース公認が取得されている。
宮城県仙台市・赤門自動車テストコース
クローズド競技「3トライジムカーナシリーズ」などで使用されるコースで、オーバルコースを外周とし、内周部 には平坦な広場スペースを持つ。国道48号線からのアクセス路には6t上限の橋があるため注意が必要だ。
三重県いなべ市・いなべモータースポーツランド
二輪用のコースとしては歴史がある施設で、元々の「フラットトラック」や「初心者&キッズコース」、「南エン デューロコース」を組み合わせて四輪用に整備が進む。東海環状道・大安ICからも近い好立地にある。
SUGO西コースの全日本ジムカーナで ペナルティ判定補助に映像検証を導入
全日本ジムカーナ第8戦・第9戦SUGO西大会のドライバーズブリー フィングでは、菅生レーシングスポーツクラブ(SRSC)大谷保志競技長 から「パイロンや脱輪の判定は審判員が行いますが、疑義が生じた場合 は、今年から導入したビデオ映像でも検証します」との説明があった。 大谷氏に伺うと「コースの特性上、自分が脱輪した場所がわからない という選手が多いんですよ。そのため、ウチに訊きに来た選手には、エビ デンスを示すためにも公開しています」とのこと。この新たな取り組み が今後どんな効果をもたらすのかに注目したい。
重要な お知らせ
会員規則・各種サービスの変更に関する予告
有効期限満了後4か月間の継続手続き受け付けを終了します
有効期限を過ぎた後でも、4か月以内にお申し出があれば 継続手続きを受け付けていましたが、変更後は 有効期限を過ぎた後の継続手続きは受け付けができなくなります。
有効期限までに継続の手続きをいただけなかった場合は会員の資格を失うこととなり、
継続を希望される場合は新規入会のお取り扱いとして再度 入会金(2,000円)をいただきますのでご注意ください。
有効期限満了
継続手続きが可能な期間(4か月)
有効期限満了 退会
年会費のご請求について 払込用紙でご継続されている方(自動振替が未登録の方) ⇒払込用紙の送付時期および回数が変更されます
※有効期限月が4月の場合
3月
❶ 20日頃
継続払込用紙発送
【有効期限月】
❷ 10日頃
継続払込用紙発送 (再送)
❸ 10日頃
継続払込用紙発送 (再々送)
詳細はこちら↓ 3月
❶有効期限前月月初
継続払込用紙発送
【有効期限月】
❷有効期限当月月初
継続払込用紙発送(再送)
※個人会員の場合です。
法人会員については詳細 ページをご確認ください。
年会費を自動振替登録されている方
⇒ご請求時期に変更はございません(お手続きは不要です)
会員規則・各種サービスの変更に関する予告
日頃よりJAFのサービスをご愛顧いただきまして、誠にありがとうございます。
昨今、経済状況や外部環境の変化に伴い、人件費・原材料費・輸送費の高騰が続いております。
これまで約50年にわたって価格を維持しているJAF年会費を据え置きつつ、
ご満足いただけるサービス水準を維持するため、2025年4月に一部サービスを見直します。
会員の皆さまにおかれましては、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
なお、詳細については次号およびJAFの各サイトでご案内します。
会員証のデザインを刷新します 常に会員に寄り添い、共に未来へ駆け抜けていくことを意識し、
シンプルで一貫性のあるデザインへ会員証を刷新します。
(なお、製造プロセスを見直すことに伴い、在籍年数ごとの会員証の色分けは廃止します)
※デザインは一部 変更になる可能性 があります。
会員証の 色分けは終了し 新デザインへ
一昨年より会員証の表記が一部変更されています
個人会員・家族会員の 会員証期限についてご確認ください!
JAFでは環境負荷低減のため、2022年4月より 複数年ご使用いただける会員証をお送りしてい ます。
そのため、会員証の貸与期限内におけるご継続 ごとの会員証発行はありません。
現在お持ちの会員証の貸与期限(または「有効期 限」)をご確認のうえ、引き続きご使用くださいま すようお願い申し上げます。
※年会費のお支払いは引き続き1年ごととなります。
※会員証の貸与期限内であっても、会員資格が失効した場 合、JAFのサービスはご利用いただけません。
会員証貸与期限はこちら 貸与期限とは会員証をご使用いただけ る期限です。JAFスマートフォンア プリは「有効期限」が表示されるため、 会員証に記載されている「貸与期限」 と期限が異なる場合があります。
よくある質問は こちら↓
INFORMATION from JAF モータースポーツ公示・JAFからのお知らせ(WEB)一覧(2024年6月28日~2024年9月19日) 公示
日付 公示No. タイトル
2024年7月4日 [2024-WEB060]
2024年JAF地方カート選手権新潟シリーズ第2戦の開催日程の変更について
2024年7月12日 [2024-WEB061] FIA Motorsport Games 2024出場者選考について 2024年7月18日 [2024-WEB062] ロールケージ公認申請一覧
2024年7月23日 [2024-WEB063]
2024年中国ダートトライアル選手権の競技会名称変更について 2024年7月23日 [2024-WEB064]
2024年JAF日本ラリー選手権競技会の名称変更について 2024年7月25日 [2024-WEB065]
2024年中部ダートトライアル選手権の中止について 2024年7月29日 [2024-WEB066]
2024年7月29日 [2024-WEB067]
2024年7月30日 [2024-WEB068]
2024年日本サーキットトライアル選手権の開催日程変更について
2025年日本レース選手権規定の制定について
2025年日本ラリー選手権規定の制定について
2024年7月30日 [2024-WEB069] JAFスポーツ資格登録規定の一部改正について 2024年7月31日 [2024-WEB070]
2025年日本カート選手権規定、2025年国内カート競技車両規則の制定およびカート関連諸規則の改正について 2024年7月31日 [2024-WEB071]
2025年日本サーキットトライアル選手権規定の制定 2024年8月1日 [2024-WEB072] 2025年FIA国際スポーツカレンダー登録申請一覧 2024年8月2日 [2024-WEB073]
2025年JAF国内競技車両規則の制定について 2024年8月5日 [2024-WEB074]
2025年全日本ジムカーナ選手権カレンダー / 2025年全日本ダートトライアル選手権カレンダー 2024年8月6日 [2024-WEB075]
2024年8月6日 [2024-WEB076]
2025年JAFカップオールジャパンジムカーナカレンダー/ 2025年JAFカップオールジャパンダートトライアルカレンダー
2024年中部ダートトライアル選手権の日程・競技会名称・開催場所変更について 2024年8月9日 [2024-WEB077] 2025年全日本カート選手権カレンダー登録申請に係る説明会の開催について
2024年8月16日 [2024-WEB078] 「モータースポーツ倫理要項」ならびに 「モータースポーツ倫理要項に基づく通報・相談窓口に関する細則」の制定について 2024年8月29日 [2024-WEB079] 2024年日本ダートトライアル選手権の共催オーガナイザー追加について 2024年8月29日 [2024-WEB080] 2024 SUPER GT Round 5 日程について 2024年8月30日 [2024-WEB081] 2024年近畿ジムカーナ選手権第6戦中止について 2024年9月5日 [2024-WEB082] 【JAF登録四輪クラブ・団体向け】ライセンス推薦申請に関するお知らせ(2024年9月5日変更) 2024年9月6日 [2024-WEB083] FIA Motorsport Games 2024選考結果に関するお知らせ 2024年9月10日 [2024-WEB084] 国際モータースポーツ競技規則付則H項に関するJAF公認競技会における措置の変更について 2024年9月13日 [2024-WEB085] 2025年「JAFモータースポーツ専門部会」委員候補者の公募について 2024年9月17日 [2024-WEB086] 2024年JAF全日本ラリー選手権競技会のオーガナイザー追加について 2024年9月19日 [2024-WEB087] FIA Motorsport Games 2024選考結果(更新)について JAFからのお知らせ 日付 タイトル
2024年7月1日 モータースポーツ公示・JAFからのお知らせ一覧(2024年6月1日~6月30日)
2024年7月1日 クローズド競技への障がいのある方の参加について(変更)
2024年7月1日 2024年JAFモータースポーツ表彰式について
2024年7月5日 JAF認定eモータースポーツイベント「SeCR SUPER FORMULA CHALLENGE Rd.3」が7月14日に開催されます!
2024年7月5日 ドライバー・オブ・ザ・イヤー2024トークイベント開催!
2024年7月16日 書籍『2024 JAFモータースポーツ・イヤーブック』記載内容のお詫びと訂正 2024年7月30日 モータースポーツにおける脳震盪について 2024年8月1日 モータースポーツ公示・JAFからのお知らせ一覧(2024年7月1日~7月31日) 2024年9月2日 モータースポーツ公示・JAFからのお知らせ一覧(2024年8月1日~8月31日) 2024年9月10日 UNIZONE EX MATCH FOR OFFICIAL LEAGUE 開催のお知らせ 2024年9月18日 国内ジムカーナ競技に係るアンケートの実施について ※上記公示・お知らせ(WEB)一覧の詳細は、JAFモータースポーツサイト(https://motorsports.jaf.or.jp/)内の「>公示・JAFからのお知らせ」で閲覧することができます。
2024年JAF地方選手権表彰式開催予定一覧表(開催日順) 地域 日付 開催場所 北海道本部 2024年12月7日(土) 札幌サンプラザ(北海道札幌市) 東北本部 2024年12月15日(日) テトラリゾート仙台岩沼(宮城県岩沼市) 関西本部 2025年1月19日(日) 京都市勧業館みやこめっせ(京都府京都市) 四国本部 2025年1月19日(日) JRホテルクレメント高松(香川県高松市) 九州本部 2025年1月19日(日) ホテルクラウンパレス北九州(福岡県北九州市) 中部本部 2025年2月1日(土) 鈴鹿サーキットホテル(三重県鈴鹿市) 中国本部 2025年2月8日(土) ホテル広島サンプラザ(広島県広島市) 関東本部 2025年2月23日(日) 京王プラザホテル(東京都新宿区)
※左記の内容は変更となる場合があります。 式典の詳細や開催方法については各JAF地方 本部・支部にてご確認ください。
※左記の情報は2024年9月27日までの情報を 元にしています。
2025年FIA国際スポーツカレンダー登録申請一覧
2024年8月1日公示(公示No.2024-WEB072)
2025年全日本ジムカーナ選手権 カレンダー一覧 2024年8月5日公示(公示No.2024-WEB074)
2025年JAFカップ オールジャパンジムカーナカレンダー
2024年8月6日公示(公示No.2024-WEB075)
「競技会名称」欄に記載されている( )内の記号は、競技車両を指します。 ※1:下線部は申請通りの表記で夫々の選手権の認定は別途公示予定。 ※2:FIA発表済日程。 ※3:シリーズの1戦として海外大会を予定。
2025年全日本ダートトライアル選手権 カレンダー一覧
2024年8月5日公示(公示No.2024-WEB074)
2025年JAFカップ オールダートトライアルカレンダー
2024年8月6日公示(公示No.2024-WEB075)
2025年のライセンス更新のご案内 11 月 1 日から 更新が始まります モータースポーツライセンス(以下「ライセンス」と言いま す。)の更新手続きは、11月1日(金)から受付を開始します。
新しい年のモータースポーツ活動へ向けて、余裕を持っ て更新手続きを行ってください。
現在、支部窓口の待ち時間短縮や混雑による密回避を目 的としたご来店時の事前予約サービスを実施しており、ご 来店目的に合わせた専門スタッフが事前に準備のうえ対 応させていただいております。ご予約の際は最寄りの支部 に電話でご連絡ください。
ライセンス申請書は本誌に綴じ込んであります。追加で 必要な場合は、JAFモータースポーツサイト「各種申請書」 よりダウンロード可能です。
ライセンスが発給されるまで ~ライセンス作製の流れ~
申請者
①申請 ②仮ライセンス発給 ③写真入り ライセンスを送付
JAF
※②発給日から60日間有効
※①から③までは約1ヵ月ほどかかります。更新のピーク時にはこれ以上日数がか かる場合がありますのでご了承ください。
更新手続きは、JAFマイページや、 JAF各支部で行うことができます。
詳しい手続き方法は、34ページの「四輪ライセンスの更新」、 35ページの「カートライセンスの更新」をご覧ください。
※下記のような場合は「JAFマイページ」からの 更新はできませんのでご注意ください。
●国際Aまたは国際Bライセンスの更新 ●18歳未満の方のライセンス更新 ●ライセンス写真の変更や婚姻等の理由により ライセンスの表示氏名の変更を希望される場合 など… 詳しくは36ページに記載のお近くのJAFへお問い合わせください。
予告2025年ライセンス更新をされた皆様に、 オリジナルステッカーをプレゼント
2025年写真入りライセンス発送時に同封させていただく予定です。 数に限りがございますので、予めご了承ください。
JAFマイページとは、お得な情報の発信や、各種お手続き をウェブ上でお申込みいただけるサービスです。すでに登 録者は820万人を超え、JAF会員のうち約3人に1人の方が 登録されております。モータースポーツライセンスの更新を はじめ、住所変更、家族会員の追加、会費の自動振替登録な ど様々なお手続きを行うことができます。簡単にお手続きが できることから、昨年度は半数近くの方がJAFマイページか らモータースポーツライセンスを更新されました。更新はク レジットカードでのお支払いが可能です。この機会にぜひご 登録ください。
JAFマイページへのアクセスはこちらから
JAFマイページのご利用には簡単な登録が必要です。
お手元に会員番号が分かるものをご用意いただき、ログイン画面から新規登録に進み、案内に沿ってご登録ください。
※法人会員はJAFマイページの登録はできません。
登録完了後、すぐにライセンス更新等の各種サービスがご利用になれます!
ライセンスの更新手続きは、JAFマイページ内
「モータースポーツライセンス情報・更新」のページへアクセスしてください。
仮ライセンスの印刷もできます。
マイページでできる手続き等
①モータースポーツライセンスの 更新手続き
② JAF会員の継続・ 家族会員入会手続き
③会員登録情報の確認
④住所・電話番号の変更
⑤年会費自動振替(自動更新)の 登録変更
などなど、便利なサービスを ご利用ください!!
JAFマイページに登録すると…
JAFアプリで
会員証を表示できます!
※スマートフォンのバージョンによってご利用になれない場合や、 アプリのバージョンによって表示内容が異なる場合ございます。
「JAFスマートフォンアプリ」
① AndroidはGoogle Playから、iOSは App Storeから「JAFスマートフォンア プリ」をダウンロード。
② JAFマイページで登録したログインID とパスワードでログインをしてください。
ダウンロードは こちら↓
必ずお読みください
・ライセンス更新料、JAF継続会費および家族会員会費のお支払 方法は、ご本人名義のクレジットカードのみとなります。
・クレジットカードをお持ちでない方は、お手数ですが窓口または 郵送にてライセンスを更新してください。
・更新条件の確認が必要な国際Aまたは国際Bライセンスの更新、 18歳未満の方のライセンス更新、およびライセンス写真の変更ま たは婚姻等の理由によりライセンスの表示氏名の変更を希望され る場合は、お手数ですが窓口または郵送にてお手続きください。
※2025年度を目途にライセンスの更新は、JAFマイページとは異なるサイトでご案内する予定です。
四輪ライセンスの更新 ●四輪ライセンス取得資格
競技許可証および公認審判員許可証は「JAFスポーツ資格登録規定」および「自動車競技に関する申請・登録等手数料規定」に基づき発給されます。詳細はJAF モータースポーツサイトに記載の当該規定をご参照ください。
●更新方法
1)JAF各地方本・支部窓口または郵送(現金書留)による更新 ※JAF各地方本・支部窓口の住所・電話番号は36ページに記載しております。
2)JAFマイページによる更新
JAFマイページにご登録いただければ、インターネットでライセンス更新ができます。お手続き方法については33ページをご覧ください。なお、お支払い方法は ご本人名義のクレジットカードのみとなります。
※競技会の出場実績を確認する必要がある種類のライセンス、および18歳未満の方のライセンスについては、インターネットでの更新手続きは行っておりません。また、上級や 推薦を伴う申請についても、お手数ですが1)の方法にてお手続きくださいますようお願いいたします。
●更新に必要なもの ※マイページによる更新の場合は3.4.のみ
1.ライセンス申請書 本誌に綴じ込んであるライセンス交付申請書を使用してください。
2.顔写真(1枚)
参加者許可証のみの 申請の場合は不要
縦4cm×横3cm、無帽、無背景、上半身のもので、申請前6 ヵ月以内に撮影した鮮明な写真を申請書の所定位置に貼付してください。 (お手持ちのライセンスに使用した写真と同じでよろしければ、写真は不要です。) ・必ず指定のサイズの写真を貼付してください。サイズが異なる場合、使用できないことがあります。 ・デジタルカメラの画像を使用する場合は、必ず写真専用用紙に印刷してください。
3.JAF個人会員 ライセンス更新に際しては、JAF個人会員が有効期限内であることが必要条件ですので、JAF個人会員の有効期限が切れているとライ センスの更新手続きが行えません。ご本人のJAF個人会員の有効期限をご確認くださいますようお願いします。万一、JAF個人会員の 有効期限が切れている場合には、速やかに継続手続きを行ってください。継続手続きの方法等については、36ページに記載のお近くの JAFへお問い合わせください。
4.ライセンス許可証料 下記の表の通りです。
5.出場記録カード または役務記録カード
上級更新、または国際A、Bライセンスを更新する場合、実績を確認するために必要です。(エントラントは不要)
●四輪ライセンス許可証料(カートライセンスの料金は35ページをご覧ください)
許可証の種類 許可証料
国内B 3,100円
競
技
運
転
者
国内A 4,100円
国際C-R 10,500円
国際C-C 10,500円
国際B 12,700円
国際A 14,800円
許可証の種類 許可証料 参 加 者 国内 6,400円 国際 12,700円 審 判 員 3級 3,100円 2級 4,100円 1級 5,100円
資格併有の場合 1種目につき 500円
●四輪ライセンスの交付申請書(更新)の記入について
<許可証料の計算方法> *公認審判員許可証を2種目以上併有する場合は、最上級 の許可証料に、2種目めより1種目につき500円ずつ加算 されます。
(例)コースA1級と計時A2級の場合:5,100円+500円 =5,600円 併有する許可証が同じ級(例:技術A1級とコースB1級 等)の場合でも計算方法は同様です 。 *競技運転者、公認審判員、競技参加者を併有している場 合には、それぞれ左記の許可証料が必要です。
申請書の枠内に正確かつ明瞭にご記入いただき、記入漏れのないようご注意ください(未記入項目や、判読できない文字があると、ライセンスが発給でき ない場合があります)。37ページに記入例を掲載していますので、ご参照ください。
項目 注意事項等
会員No.
登録クラブ・団体の 所属証明欄
申請者本人の会員(ライセンス)番号を記入。
自分の所属しているJAF登録クラブ(または団体)(複数所属している場合は、その主たるクラブ1 ヵ所)の名称、略称を記入し、当該 クラブ(または団体)の登録印を捺印。本証明欄については、2024年の登録印は、2025年3月までの申請に使用できます。JAF登 録クラブ(または団体)に所属していない場合は不要。
申請者氏名 氏名とその上段にカタカナでフリガナを記入。
連絡先電話番号 ※ 平日昼間、連絡がとれる電話番号を記入。 メールアドレス 連絡がとれるメールアドレスを記入。
郵便番号 ※ 現住所の郵便番号(7桁)を記入。
現住所 ※ 都道府県名を必ず記入し、その上段にカタカナでフリガナも記入。マンション・アパート・寮名・部屋番号等も必ず記入。 写真の変更 ※ ライセンスに使用する写真を変更する場合「する」を○で囲み、本申請書に写真を貼付してください。
自動車運転免許証 ※ 運転免許証番号を記入。
ライセンス表記名
国際・国内参加者はカタカナまたはローマ字(国際は必ずローマ字)で記入。国際競技運転者はローマ字、国内競技運転者でローマ 字表記希望の場合も記入。
参加者の代表者名 国際・国内参加者はカタカナまたはローマ字(国際は必ずローマ字)で記入。
種類およびクラス 申請書の該当するクラスおよび種類に○。(37ページの記入例は国内A、計時A2級、技術B3級を同時に年度更新する場合のもの。) 写真貼付欄 氏名、ライセンス番号、申請種別も、忘れずに記入。
写真 縦4cm×横3cm、無帽 無背景 上半身のものを1枚。申請前6 ヵ月以内に撮影のこと。ライセンス申請書の下段にある所定の位 置に貼付。(前年のライセンスに使用した写真を再使用する場合は、写真の貼付は不要です。) その他 競技運転者と公認審判員の両方を申請する場合でも申請書は1枚で可。
ご記入内容を訂正する場合は、取消線を引き訂正部を押印(またはサイン)の上、書き直しをしてください。 ※の箇所は更新申請の場合、変更がなければ記入不要です。
カートライセンスの更新 ●カートライセンス取得資格
カートドライバーライセンスおよびカートオフィシャルライセンスは「カートライセンス発給規定」および「カート競技に関する申請・登録等手数料規定」に基づき 発給されます。詳細はJAFモータースポーツサイトに記載の当該規定をご参照ください。
2024年から2025年への国際Eライセンスの更新要件は免除いたします。詳しくはJAFモータースポーツサイト「公示・JAFからのお知らせ」をご確認ください。
●更新方法
1)JAF各地方本・支部窓口または郵送(現金書留)による更新 ※JAF各地方本・支部窓口の住所・電話番号は36ページに記載しております。
2)JAFマイページによる更新
JAFマイページにご登録いただければ、インターネットでライセンス更新ができます。お手続き方法については33ページをご覧ください。なお、お支払い方法は ご本人名義のクレジットカードのみとなります。
※18歳未満の方のライセンスについては、インターネットでの更新手続きは行っておりません。また、上級や推薦を伴う申請についても、お手数ですが1)の方法にてお手続きくだ さいますようお願いいたします。
●更新に必要なもの ※マイページによる更新の場合は3.4.のみ
1.ライセンス申請書
2.顔写真(1枚)
エントラントのみの 申請の場合は不要
本誌に綴じ込んである、ライセンス交付申請書を使用してください。
縦4cm×横3cm、無帽、無背景、上半身のもので、申請前6 ヵ月以内に撮影した鮮明な写真を申請書の所定位置に貼付してください。
(お手持ちのライセンスに使用した写真と同じでよろしければ、写真は不要です。) ・必ず指定のサイズの写真を貼付してください。サイズが異なる場合、使用できないことがあります。
・デジタルカメラの画像を使用する場合は、必ず写真専用用紙に出力してください。
3.JAF個人会員 ライセンス更新に際しては、JAF個人会員が有効期間内であることが必要条件ですので、JAF個人会員の有効期限が切れているとライ センスの更新手続きが行えません。ご本人のJAF個人会員の有効期限をご確認くださいますようお願いします。万一、JAF個人会員の 有効期限が切れている場合には、速やかに継続手続を行ってください。継続手続の方法等については、36ページに記載のお近くのJAF へお問い合わせください。
4.ライセンス許可証料 下記の表の通りです。
5.出場記録カード
または役務記録カード
上級更新をする場合、実績を確認するために必要です。
(エントラントは不要)
●カートライセンス許可証料(四輪ライセンスの料金は34ページをご覧ください)
許可証の種類 許可証料
ジュニアB 1,500円
ジュニアA 2,100円
国内B 3,100円
国内A 3,600円
国際G 6,400円
国際F 6,400円
国際E 8,400円
許可証の種類 許可証料 国内 6,400円
国際 12,700円 3級 3,600円 2級 4,600円 1級 5,900円
資格併有の場合
●カートライセンスの交付申請書(更新)の記入について
1種目につき 500円
<許可証料の計算方法>
*オフィシャルライセンスを併有する場合は、1種目につ き500円ずつ加算されます。
(例)コース1級と計時2級の場合:5,900円+500円= 6,400円
併有する許可証が同じ級(例:技術1級とコース1級) の場合でも計算方法は同様です。
*ドライバー、オフィシャル、エントラントライセンスを併 有している場合には、それぞれ左記の許可証料が必要 です。
申請書の枠内に正確かつ明瞭にご記入いただき、記入漏れのないようご注意ください(未記入項目や、判読できない文字があると、ライセンスが発給でき ない場合があります)。37ページに記入例を掲載していますので、ご参照ください。
項目 注意事項等
会員No.
登録クラブ・団体の
所属証明欄
申請者本人の会員(ライセンス)番号を記入。
自分の所属しているJAF登録クラブ(または団体)(複数所属している場合は、その主たるクラブ1 ヵ所)の名称、略称を記入し、当該 クラブ(または団体)の登録印を捺印。本証明欄については、2024年の登録印は、2025年3月までの申請に使用できます。JAF登 録クラブ(または団体)に所属していない場合は不要。
申請者氏名 氏名とその上段にカタカナでフリガナを記入。
連絡先電話番号 ※ 平日昼間、連絡がとれる電話番号を記入。
メールアドレス 連絡がとれるメールアドレスを記入。
郵便番号 ※ 現住所の郵便番号(7桁)を記入。
現住所 ※ 都道府県名を必ず記入し、その上段にカタカナでフリガナも記入。マンション・アパート・寮名・部屋番号等も必ず記入。
写真の変更 ※ ライセンスに使用する写真を変更する場合「する」を○で囲み、本申請書に写真を貼付してください。
ライセンス表記名 国際・国内エントラントはカタカナまたはローマ字(国際は必ずローマ字)で記入。国際ドライバーはローマ字、国内ドライバーで ローマ字表記希望の場合も記入。
エントラントの代表者名 国際・国内エントラントはカタカナまたはローマ字(国際は必ずローマ字)で記入。
種類およびクラス 申請書の該当するクラスおよび種類に○。(37ページの記入例は国内A、技術3級を同時に年度更新する場合のもの。) 写真貼付欄 氏名、ライセンス番号、申請種別も、忘れずに記入。
写真 縦4cm×横3cm、無帽 無背景 上半身のものを1枚。申請前6 ヵ月以内に撮影のこと。ライセンス申請書の下段にある所定の位 置に貼付。(前年のライセンスに使用した写真を再使用する場合は、写真の貼付は不要です。)
その他 ドライバーライセンスとオフィシャルライセンスの両方を申請する場合でも申請書は1枚で可。 ご記入内容を訂正する場合は、取消線を引き訂正部を押印(またはサイン)の上、書き直しをしてください。 ※の箇所は更新申請の場合、変更がなければ記入不要です。
●ライセンス申請の受付場所
ライセンス更新のために必要な書類等は、お近くの下記JAF支部へ持参または郵送してください。掲載のない窓口での受付は行っておりませんのでご注 意ください。
【窓口受付】
営業時間10:00 ~ 17:00
土・日・祝日・年末年始(12月30日(月)~1月3日(金))は休業となります。
地方本部 支部 住所および電話番号
北海道 札幌支部 (北海道本部)
〒062-0051 札幌市豊平区月寒東1条15-8-1
TEL.011-857-7155
函館支部 〒041-0824 函館市西桔梗町589-21 TEL.0138-49-4534
旭川支部 〒070-8061 旭川市高砂台1-1-1 TEL.0166-69-2111
釧路支部 〒084-0906 釧路市鳥取大通8-2-11 TEL.0154-51-2167
帯広支部 〒080-0038 帯広市西8条北1-14-1 TEL.0155-26-0260
北見支部 〒090-0838 北見市西三輪1-657-3 TEL.0157-66-5220
東北 宮城支部 (東北本部) 〒984-8539 仙台市若林区卸町3-8-105 TEL.022-783-2826
青森支部 〒030-0955 青森市大字駒込桐ノ沢9-12 TEL.017-765-5255
岩手支部 〒020-0834 盛岡市永井12-18-1 TEL.019-637-7110
福島支部 〒960-8165 福島市吉倉字谷地12-1 TEL.024-546-0022
秋田支部 〒010-0942 秋田市川尻大川町2-1 TEL.018-864-8492
山形支部 〒990-2402 山形市小立2-1-59 TEL.023-625-4520
関東 東京支部 (関東本部) 〒105-8562 港区芝2-2-17 TEL.03-6833-9140
新潟支部 〒950-0965 新潟市中央区新光町11-6 TEL.025-284-7664
長野支部 〒381-0034 長野市高田675-2 TEL.026-226-8456
茨城支部 〒310-0852 水戸市笠原町1248 TEL.029-244-2660
栃木支部 〒321-0166 宇都宮市今宮2-4-6 栃木県自動車会館内 TEL.028-659-3231
群馬支部 〒370-0071 高崎市小八木町2040-2 TEL.027-364-5155
埼玉支部 〒338-8531 さいたま市中央区下落合4-1-1 TEL.048-840-0025
千葉支部 〒260-8565 千葉市中央区中央港1-16-19 TEL.043-301-0800
神奈川支部 〒221-8718 横浜市神奈川区片倉2-1-8 TEL.045-482-1255
山梨支部 〒400-0047 甲府市徳行3-14-25 TEL.055-224-9977
中部 愛知支部 (中部本部) 〒466-8580 名古屋市昭和区福江3-7-56
TEL.052-872-3685
富山支部 〒939-8064 富山市赤田791-3 TEL.076-425-5550
石川支部 〒921-8062 金沢市新保本4-8 TEL.076-249-1252
福井支部 〒918-8236 福井市和田中2-105 TEL.0776-25-2000
岐阜支部 〒500-8356 岐阜市六条江東2-4-11 TEL.058-277-1121
静岡支部 〒422-8517 静岡市駿河区曲金6-4-8 TEL.054-654-1515
三重支部 〒514-0815 津市藤方字中堰東666-8 TEL.059-222-2300
【郵送受付】
必ず「現金書留」にてお送りください。その際、封筒表面に「ライセンス 更新」と明記してください。
地方本部 支部 住所および電話番号
関西 大阪支部 (関西本部) 〒567-0034 茨木市中穂積2-1-5 TEL.072-645-1300
滋賀支部 〒520-2153 大津市一里山5-11-1 TEL.077-544-3300
京都支部 〒601-8134 京都市南区上鳥羽大溝町12 TEL.075-682-6000
兵庫支部 〒657-0044 神戸市灘区鹿ノ下通2-4-13 TEL.078-871-7561
奈良支部 〒630-8113 奈良市法蓮町383 TEL.0742-90-0081
和歌山支部 〒641-0007 和歌山市小雑賀640-3 TEL.073-421-5355
中国 広島支部 (中国本部) 〒733-8610 広島市西区庚午北2-9-3 TEL.082-272-9967
鳥取支部 〒680-0911 鳥取市千代水2-13 TEL. 0857-31-4433
島根支部 〒690-0011 松江市東津田町1092-1 TEL. 0852-25-1123
岡山支部 〒700-0051 岡山市北区下伊福上町17-23 TEL.086-250-0373
山口支部 〒753-0871 山口市朝田2094-1 TEL.083-921-7777
四国 香川支部 (四国本部) 〒760-0079 高松市松縄町1083-16 TEL.087-867-8411
徳島支部 〒770-0867 徳島市新南福島1-4-32 TEL.088-625-6511
愛媛支部 〒790-0062 松山市南江戸5-15-32 TEL.089-925-8668
高知支部 〒781-0088 高知市北久保19-28 TEL.088-882-0311
九州 福岡支部 (九州本部) 〒814-8505 福岡市早良区室見5-12-27 TEL.092-841-7731
佐賀支部 〒849-0921 佐賀市高木瀬西6-1149-5 TEL.0952-30-7000
長崎支部 〒850-0043 長崎市八千代町2-13 TEL.095-811-2333
熊本支部 〒861-8038 熊本市東区長嶺東6-30-30 TEL.096-380-9200
大分支部 〒870-0955 大分市下郡南5-3-12 TEL.097-567-7000
宮崎支部 〒880-0925 宮崎市本郷北方2696-9 TEL. 0985-52-4511
鹿児島支部 〒890-0072 鹿児島市新栄町2-12 TEL.099-284-0007
沖縄支部 〒901-2102 浦添市前田1-48-7 TEL.098-877-9225
※一部の支部の電話は地方本部のある支部へ転送される場合があります。 (転送費用はJAF負担) ※2024年9月27日現在の情報です。
一般投票 11/ 10
ータースポーツにおいてその年 に最も輝いたドライバーを投票 によって決定する、JAFの新た な顕彰として2021年から始まった「ドライ バー・オブ・ザ・イヤー」。4回目を迎える 2024年は、コンセプトを一新して「その年 最もモータースポーツ業界を輝かせたドラ イバー」を選出することになった。
2024年 候補者
初年度は、北米インディカーで活躍し、 2017年のインディ500で日本人初優勝を飾 り、2020年大会では2度目の優勝を飾った 佐藤琢磨選手が選ばれた。授与式はチャン ピオンのみが招待されたJAFモータースポ ーツ表彰式で行われ、スポーツ庁の室伏広 治長官から記念のクリスタルが授与された。
続く2022年は、スーパーフォーミュラ において2年連続ドライバーチャンピオン に輝いた野尻智紀選手が受賞。この年は JAF会員を対象にSNSを活用した投票方式 が採られ、発表と授与式典の場は東京オー トサロン会場の幕張メッセが選ばれた。
当日は野尻選手が体調の影響で欠席とな ったものの、TEAM MUGENの田中洋克監 督が授与式に代理参加して、プレゼンター
PHOTO/宇留野潤[Jun URUNO]、JAF REPORT/JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS] の佐藤琢磨選手から賞典が贈呈された。
2021年受賞 佐藤琢磨選手 2022年受賞 野尻智紀選手 2023年受賞 山野哲也選手
皆様が選ぶ! ドライバー・オブ・ザ・イヤー 2024 推し選手への投票をお待ちしています! 受賞の喜びを振り返っていた。
2024年 候補者
2024年 候補者
角田裕毅選手 坪井 翔選手 Juju選手
2023年はスーパー耐久シリーズでチャ ンピオンを獲得し、全日本ジムカーナ選手 権では通算23回もの王者に輝いたレジェン ドである山野哲也選手に贈られた。
JAFモータースポーツ表彰式の冒頭に、 スポーツ庁の室伏長官からクリスタルを授 与された山野選手は、「応援しに来てくれた 人々に対して『今日は来て良かった、また来 たい』と思ってもらえるような環境を自ら作 る活動を実践してきたことが評価された」と
そして2024年は、有識者選考によって、 日本人唯一のF1パイロットである角田裕毅 選手と、スーパーフォーミュラなどを戦う 坪井翔選手、そして最高峰フォーミュラに 華々しいデビューを飾ったJuju選手が候補 者として選ばれており、10月15日からの一 般投票で1名に絞られることになる。
締め切りは11月10日(日)。一般投票の 結果は11月29日(金)に行われるJAFモー タースポーツ表彰式で発表される。
モ
投票方法
2024年のドライバー・オブ・ザ・イヤーは 「モータースポーツ業界を輝かせたドライバー」を投票によって決定し、顕彰します。
モータースポーツをもっと面白く、身近なものにしてくれる“イチ推しドライバー”を、皆様の投票で決めましょう! 一般投票期間
2024年11月29日(金) JAFモータースポーツ表彰式
2023年 山野哲也選手
2022年 野尻智紀選手
2021年 佐藤琢磨選手
詳細は特設サイトをご覧ください▶ https://motorsports.jaf.or.jp/results/drivers-award/ ドライバー・オブ・ザ・イヤー
スピード競技の全日本選手権では、近年、若手が台頭している。 もはや「勢い」だけでは入賞争いすら難しい現代においては、高い技量に加えて、精神力をも身に付ける術を知る必要がある。 ここでは、注目の若手選手たちに全日本に臨む心構えを聞いた。
こ数年の全日本ジムカーナ選手 権と全日本ダートトライアル選 手権では、若手の台頭が目立っ ている。それは参加しているというだけで はなく、参戦初年度にも関わらず、いきな り表彰台を獲得したり、中には勝利を挙げ る有望株も出現している。昨年から今季に かけては、チャンピオン争いを展開するド ライバーも多く、ベテランと若手がともに 王座を賭してしのぎを削り合う、モーター
スポーツとして理想的ともいえる選手権競 技会シリーズが展開されている。
ジムカーナとダートトライアルは、指定 されたコースを1台ずつ走行してベストタ イムを競うシンプルな種目ゆえ、積み重ね た経験が成績を左右する。特に全国のJAF 公認コースを転戦する全日本選手権シリー ズとなると、遠征地での経験が豊富なベテ ラン勢が上位争いを展開するものだ。
しかし、一発勝負のタイムトライアル競
先人から学ぶ上達の秘訣 全日本選手権に出ないと 全日本のことはわからない
まず、全日本ジムカーナ選手権において、 ここ数年で目覚ましい活躍を見せている若 手といえば、小野圭一選手が挙げられる。
2021年に全日本選手権へデビューした 小野選手は激戦のJG8クラスで上位争い を繰り広げ、フル参戦2年目となる2023 年には開幕戦モビリティリゾートもてぎ南 コースでの大会で待望の初優勝を獲得。そ の後も第5戦オートスポーツランドスナガ ワと第9戦鈴鹿サーキット南コースで勝利 を重ねるなど、現在の全日本PN2クラス を代表する若手ドライバーに成長した。
そんな小野選手にも参戦当初は戸惑いも あったようで、「当時のいわゆる“PNタイ ヤ”は、新品と中古でタイム がまったく違う印象がありま した。練習は中古タイヤで走 っていたので、新品を履いて 本番で結果を出すことが難し かったんです」と語る。
求められるマシンの完成度 にも驚きがあったようで「地方 選手権は一年しか出てませんでしたが、い わゆる“吊るし”のセッティングで走って いました。イメージ的には80%程度の完 成度で、自分のドライビングスタイルも 『オン・ザ・レール』ではなく、4輪を使っ てアジャストしながら走るアバウトな感じ だったので、全日本ではその走りが通用し なかったんです。セッティングは100% に近づける必要があるし、いかに合わせ込 めるかが重要ですが、今季の前半は詰めす ぎたのか、セットアップが合わなくて苦労
技では、若さゆえの度胸や瞬発力がアドバ ンテージとなることも多く、コースへの習 熟が少ない若手ドライバーであっても、大 きく躍進できる可能性を秘めているのだ。 そんな彼ら若手ドライバーたちは、如何 にしてこの国内最高峰シリーズに対応して いるのだろうか? ここではジムカーナ、 ダートトライアルの全日本選手権で活躍す る若手有望株に注目し、全日本選手権大会 への取り組み方を聞いてみた。
全日本ジムカーナは 事前の準備が勝負を左右する
全日本ジムカーナ選手権PN2クラス 小野圭一選手 DLクスコWm軽市ロードスター[ND5RC]
しました。現在は“懐の深 いクルマ”に仕上げている 感じです」と語る。
このセッティングの合わせ込みに対応す べく、時間の使い方も変わってきたという。 「全日本の場合、金曜の朝イチに遠方のコ ースに着いていないといけないので、事前 の準備が長くなりました。それと可能な限 り、事前に練習を行うようにしたので、全 日本に出るようになってからは、多くの時 間を使うようになりました」と小野選手。
当然、他者との比較分析も行っており 「地方選手権時代から、ライバル選手の動 画を見ています。自分の速いところと遅い
ところが一発でわかるので、そこを研究し ていますね」とのことだ。慣熟歩行でのコ ースの見方も変わってきたそうで、「“バ ンク”をいかに使うが重要だと感じるよう になったんです。なので、慣熟歩行ではし ゃがんでコースを観察するようになりまし た」と小野選手は付け加えた。
「全日本は、全日本を経験しないとわから ないことが多いです。メンタル的にも全日 本には“重み”があるし、全日本で試行錯 誤したおかげで、セッティングの勉強にな っています」とのことで、小野選手は持ち 前の強い探究心をもって、今もなお、進化 を続けているのである。
全日本は独特の雰囲気があり スタート前には足が震えた…
全日本ジムカーナPN2クラスで活躍す る中田匠選手も上位争いの常連となってき た若手ドライバーで、2022年に全日本デビ ューを果たすと2023年はフル参戦を開始。
2024年の名阪スポーツランドCコースで の大会では待望の初優勝を挙げ、小野選手 とは今季のチャンピオン争いも展開した。
中田選手は全日本フル参戦一年目に、ラ イバルたちの“事前準備”に驚いたという。
「全日本ドライバーの多くが、大会が終わ
ると、次の週末には次の大会に向けてテス トを行うんです。クルマにしてもタイヤに しても綿密に準備をしているので、そこに 驚きましたね」と中田選手は振り返る。
当然、中田選手もその事前テストを採り 入れたようで「ライバルが事前テストで高 いレベルまで煮詰めているので、僕も 2023年から北海道以外は事前に走るよう にしました。路面をチェックしながら、ド ライビングやセッティングを試して、その データを本番までに解析して、レースウィ ークに微調整しながら本番に挑む。ベテラ ンドライバーはデータもあるし、身体に染 みついた『感覚』があると思うんですが、僕 はまだまだ経験が浅いの で、そうしないと太刀打 ちできないんですよね」
スピード競技は「自分との戦い」だが、例え一人で技量 を高められたとしても、ライバルとの息を呑む真剣勝負 からしか得られない事もある。全日本ではその”強さ” を鍛えるべく猛者たちが切磋琢磨しているのだ。
と語る。
慣熟歩行のやり方も変わってきたそう で、「歩く前に考えるようになりました。 コース図をもらったら、まず走り方をイメ ージする。そして『ここはパイロンの配置 がタイトだな』とか『コース図で見ると厳し そうだけど、踏んでいけそうだな』などと、 答え合わせじゃないですが、自分が描いた イメージと擦り合わせながら慣熟歩行する ようになりました」と中田選手。
さらに週末の戦い方も変わったそうで、 「全日本だと金曜から走り始めることが多 いですが、クルマもドライバーも徐々に上 げていかないといけないんです。昨年は集 中力など、人間のピークが土曜に 来ていて、日曜はタイムが伸び悩 みました。それで今年は金曜と土 曜のタイムは気にせず、日曜の1 本目に焦点を合わせ、そこから逆 算して何をやるのか、というプラ ンを立てて週末を進めるようにな りました」と語る。
もちろん、中田選手もライバルの走りを チェックしているそうで、「PN2クラスの 全車の走りを撮影してもらって、自分と比 べながら、ラインなど参考にできるものは 採り入れています。全日本では、そういっ た分析の濃密さも違いますね」とのことだ。 こういった厳しい世界を戦うことで、次 第にメンタルも鍛えられているようで、 「全日本は独特の雰囲気があり、昨年の開 幕戦は、スタート前に緊張して足が震えて いたことを覚えています。目標とするビッ グネームがズラリと居ますし、知らない人 も見ています。そういった雰囲気がプレッ シャーになって、地方選手権からステップ アップした時に一番苦労した部分なんで
す。でもこれは、場数を踏んで、出走まで のルーティンを作ることで克服できまし た」とのことで、やはり、経験を重ねない と得られないものもあるということだ。 ハンパない取り組み方が 自分の大きな刺激になる
この全日本特有の雰囲気については、全 日本ジムカーナBC2クラスに挑む飯野哲 平選手も指摘している。2022年に全日本 デビューを果たした飯野選手は、2023年 のスポーツランドSUGO西コース大会で は3位に入り、2024年からは全日本にシリ ーズ参戦を開始。第3戦スポーツランドタ マダ大会では2位入賞を果た した期待の逸材だ。
飯野選手は「パドックの雰囲 気に驚きました。皆さんの取 り組み方がハンパなくて、独 特の緊張感やプレッシャーが すごくありました。未だに緊 張しますが、皆さんの取り組 みが醸し出す雰囲気の違いで、全日本に対 する意識が変わりました」と語る。
全日本ジムカーナ選手権BC2クラス 飯野哲平選手 DLクスコWMコサリRX-7F[FD3S]
また「今年からは、本番前に同じ会場を 走って、セッティングやドライビングを試 すようになりました。全日本に出たことで 事前にテストすることの重要性がわかりま した。それ以外では、大会の金曜と土曜に
調整を行うんですけど、 今までに比べてだいぶ細 かい部分を意識するようになりました」とも 語る。慣熟歩行への取り組みにも変化があ ったそうで、「上位に来るドライバーは、コ ース図を見た時点でコースレイアウトを覚 えています。コースを歩くときには路面の 継ぎ目など、細かい部分を見ているので、 僕もそういうアプローチを真似するように
なりましたね」と語る。
ジムカーナ・ダートトライアル/
「全日本に参戦することで、工具や荷物の 効率的なロジスティクスがわかってきまし たし、他の地区で活躍する同世代のドライ バーと知り合えたことで、自分の刺激にな っています。全日本へのチャレンジは課題 も多いですが、得られることは多いですね」 とのことで、飯野選手もまた全日本を通じ て、着実にスキルアップを重ねている。
レーシングドライバー田中哲也選手がジムカーナに“戻ってきた”理由 スーパーGTやスーパー耐久で輝かしい戦績を持つレー ス界のレジェンド・田中哲也選手が、現在、全日本ジムカー ナPN2にスポット参戦している。その理由には、駆け出しの 頃に、かつてジムカーナで築いた思い出があった。
「学生の頃、レースをやりたくてA”級”ライセンスを取るため にスピード”行事”に出ようと思って、近くのショップに駆け 込んだらジムカーナの練習会に連れて行かれたんです。そ こで多田安男選手や西原正樹選手らと知り合って、彼らの速 さにすごく驚いたんです。ボクは峠あがりでソコソコ自信は ありましたが、荷重移動とかを全然知らなくて、ブレーキを我 慢して、人より早くアクセルを踏むみたいな運転でした。そ れが、ブレーキを残しながらハンドルを切る走りを見せられ て、いざやってみたら『あれ?曲がるな』と、運転の基本に気 付かされたんです。ボクの運転の基礎はジムカーナ時代に できました。慣熟歩行から即本番という流れも、本番の走り を短い時間でイメージできるシビアな訓練になったんです。 ジムカーナはいろいろ操作があって、レースよりも多いくら い。ドライバーが集中力をもって器用にこなせるかどうかが モータースポーツでは大切なので、ジムカーナは未だに勉強 になることが多いですよ」
ジムカーナを始めた頃から付き合いがある多田安男選手とのダブル エントリーで全日本ジムカーナに参戦する田中選手。駆け出しの頃、 助手席の西原正樹選手の運転を見て荷重移動を知ったとのこと。
ジムカーナ競技の“本番”で今につながる基本を学んだと いう田中選手。初心に“帰れる”度量も見習いたいところだ。
初めて走るコースでは 慣熟歩行を3周しても…
一方、今シーズンの全日本ダートトライ アル選手権において、成長著しい若手ドラ イバーといえば、Nクラスの三浦陸選手が クローズアップされることになるだろう。
2022年から全日本への挑戦を始めた三 浦選手は、歴戦のツワモノがひしめくNク ラスに、外装の傷みもそのままのランサー で挑み、2023年のオートパーク今庄大会で は2位に入賞して大きな存在感を示した。
フル参戦2年目となる今年は、4月に行わ れた第2戦丸和オートランド那須大会で、 詰めかけたギャラリーの記憶に焼き付く激 走を披露して全日本初優勝を獲得。
さらに第5戦サーキットパーク切 谷内、第6戦エビスサーキット新 南コースでは3位につけるなど、 三浦選手はNクラスを代表する若 手ドライバーに成長している。
しかし、参戦一年目は初走行のコ ースに苦戦を強いられたようで「僕の場合、 今庄と京都(コスモスパーク)が地元になり ますが、それ以外のコースは経験がなく、 初見のコース攻略に苦労しました。事前に 走る余裕もなかったので、他の選手の動画 サイトをチェックしたり、地元選手に聞い たりして研究しました」と三浦選手は語る。
全日本ダートラでしか走れない
硬質グラベル路面への習熟法
全日本ダートトライアル選手権Nクラス 三浦 陸選手
さらに「オンボード映像も選手によって カメラの取り付け位置やアングルが違うの
YHレプソルFUACランサー[CT9A] 全日本ダートトライアル選手権PN1クラス
で、初見のコースでの 慣熟歩行では、コーナ ーの形状や路面のバン クの状態を確認しています。初めて走るコ ースの場合だと、慣熟歩行を3周してもイ メージが湧かず、1本目を走り終わって初 めてイメージできるようになったりしてい ます。結構、苦労してるんですよね(笑)」 と付け加える。
三浦選手を悩ませたのがパドックの雰囲 気だそうで、「全日本は大きなイベント感 があって、かなり緊張します。昨年はこの
雰囲気に飲まれている感じがありました」 という意外なコメントも。そう言いつつも 記憶に残る走りで初優勝を奪取するあた り、大器を予感させる存在でもあるのだ。 ホームコースの路面変化を 未知なる遠征地に応用する
2021年から全日本ダートトライアルに 参戦し、今年からフル参戦を開始したPN1 クラスの南優希選手。今季はスナガワとエ ビス新南で3位入賞を果たすなど、光る走 りを見せている。そんな南選手も初見のコ ースには苦戦を強いられている。
「動画で予習したり、これまでの経験を元 にイメージしてみるんですけど、やはり実 際に走ってみないと路面の硬さや土の感触 はわかりません。そのギャップを埋める作 業が大変だと感じています」と語る。
それでも南選手はシリーズ参戦したこと で多くのことを吸収しているそうで、「ホー ムコースのテクニックステージタカタでは、 たいてい2本目で勝負が決まるので、路面 がどうなるのか、そういった予想の仕方は
三浦陸選手と南優 希選手らの応援に 駆けつけた、全日 本ジムカーナの飯 野哲平選手。カテ ゴリーを超え同世 代の選手たちが支 え合っている。
全日本でも役に立っています。でも、全日 本ドライバーは一つ先のコーナーを意識し たライン取りをしているので、ライン取り の考え方はとても勉強になりますね」と語 る。同時に課題も多いと感じており、「タイ ヤ選択と選んだタイヤに合わせた走らせ方 が難しいですね。地区戦では超硬質ドライ 路面用タイヤを使ったことがなかったの で、タイヤの使い方に苦労しています。ク ルマとタイヤのポテンシャルをきちんと生 かした走り方をしたいです」とのことで、南 選手の試行錯誤はまだまだ続きそうだ。
第2ヒートの掃けた路面での タイヤ選択とライン取り
ちなみに現状のダートラ界では、常に 100台以上の出走があるのは全日本選手 権大会に限られてくるため、地方選手権か らステップアップしたい選手にとって、タ イヤ選択は大きな悩みの種になっている。
PN2クラスで戦う張間健太選手は、2022 年から全日本ダートラに挑み、昨年は出場 した2戦で表彰台を獲得。フル参戦を開始 した今シーズンは、開幕戦京都で2位入賞 を果たすなど著しい成長を見せている。
そして彼もタイヤ選択に悩む一人だ。 「僕は地元が北海道なので、普段は高速コ ースのスナガワを走ってます。なので、中 低速レイアウトの大会では、比較的余裕が あると思っています。ただ、スナガワでは 地区戦とかだとウェットタイヤしか使わな いんですよね。全 日本選手権に参戦 するようになって
から初めてドライタイヤとか超硬質ドライ 用とかを使うようになったので、今まで経 験のないタイヤチョイスが、自分の第一関 門になっています」と語る。
ジムカーナ・ダートトライアル/
タイヤ選びは慣熟歩行での情報がキモに なってくるが、張間選手は「全日本では2 本目になると砂利がキレイに掃けていきま すよね。そうなると、1本目で走ったライ ンと違ってきたりするので、2本目の路面 でどのようにアプローチすればいいのか、 最初は悩みましたね」とのことだ。
これは参戦を重ねることで対応できるよ うになったそうで、ドライ系タイヤの特性 の見極めや、ドライビングの最適化も現在 修業中とのことだが、メンタルコントロー ルにも課題があると感じているそうだ。 「全日本ではたいてい2本目勝負ですが、 自分がイメージトレーニングをしすぎてい
るせいなのか、タイヤ一本分でも走行ライ ンを外すと、自分の歯車がズレ始めちゃっ たりするんです。最近は考えすぎてもいい ことはないと思い直して本番に臨んでいま す」と語る張間選手。気持ちをうまく切り 替えて、今後の好成績につなげてほしい。 楽しむことを優先したら 心の余裕が生まれた
三枝聖博選手は、ダートラ界のベテラン 三枝光博選手の長男であり、弟の三枝聖弥 選手は全日本ラリー選手権JN2クラスを 戦う土系ファミリーの一員としても知られ ている。三枝聖博選手は2019年に全日本 ダートラのデビューを果たし、フル参戦4 年目となる昨年からはPN3クラスで入賞 争いを演じている。ある意味、土系競技の サラブレッド的な存在だが、未だ全日本の パドックでの雰囲気と、タイヤの使い方に 悩んでいるドライバーの一人だ。
青年たち
「全日本は台数が多いし、ドライバーもメ カニックも技術力が高いので、最初はその 景色に圧倒されました。それに、1本目が 終わった後の路面もまったく違いますし、 使うタイヤも変わってくる。地区戦時代は
ベテラン全日本 ダートトライア ラー・三枝光博選手 を父に持つ聖博選 手。弟の聖弥選手 は現在、全日本ラ リー選手権JN2ク ラスで修業中だ。
S・DL・クスコ・WMスイフト[ZC33S]
ほぼウェットタイヤでしたし、もともと流 すドライビングをしていました。超硬質ド ライ用タイヤだと、グリップでコーナーに 入らないといけないので、最初は怖かった ですね」と全日本参戦当初を振り返る。
三枝選手はその克服のために考え方を切 り替えたという。「最初の頃は緊張して何 もできなかったし、どうやって走ってきた のか覚えてないぐらいの状態でした。で も、今は楽しむことを優先しています。現 状で自分ができること以上のことに本番で トライしても失敗するだけなので、基本の ドライビングに集中して走るようになりま した。その結果、緊張しなくなったし、気 持ちに余裕ができて、いろいろと考えなが ら走れるようになりました」と三枝選手。 このメンタルの切り替えが、ここ数年の三 枝選手の好調につながっているのだろう。
ドライタイヤが好きなので “いい路面”を求めてSC1へ
超硬質ドライ路面用タイヤへの習熟は、 全日本参戦初期の「お悩みあるある第1位」 ともいえる、若手ダートトライアラーの通 過儀礼なのだが、逆に、このタイヤを好む 若手ドライバーもいる。改造車のSC1ク ラスで活躍する鶴岡義広選手だ。
2022年に全日本デビューを果たした鶴 岡選手は、ナンバー付きのスイフトスポー ツを駆り、フル参戦一年目となる昨年は PN2クラスで善戦。地元の丸和では全日 本初優勝を飾り、その頭角を現していた。
鶴岡選手は「関東の地区戦ではウェット タイヤでしたが、全日本だとドライタイヤ
いですが、SCクラスの2本目になると路 面がまったく違います。なので、路面コン ディションの変化に対する予想の仕方が変 わってきました」と鶴岡選手は語る。
が使える路面になりますからね。でも、地 区戦で慣れたウェットタイヤで守りに行く と、ドライタイヤの方がタイムが良かった なんてことも経験しましたので、タイヤ選 択には正直、悩みました」と語る。
そして、「自分はもともと舗装を走って いたので、ドライ寄りのタイヤが好きなん です。ダートラでも、自分が動かしたいよ うに走れる超硬質ドライ路面用タイヤの方 が自分の感覚に合っているような気がして います。PN2は散水直後のような路面でし たし、4駆の後で走行ラインが広がった路 面で走りたかったので、今年からPN車両 をSC車両に作り直してクラスに変更した んです」と語るように、鶴岡選手は“いい 路面”を求めてSC1に移行したのだ。
そのため、慣熟歩行での路面の見方も変 わってきたそうで「PNクラスだったら、 慣熟歩行した路面から少し轍ができるぐら
その一方で、「デビューイヤーは勝負を 意識しなかったですし、全日本はスター選 手が多くて、自分の中ではお祭りに出るよ うな雰囲気だったので、緊張感よりもワク ワク感のほうが大きかったんです。でも、 昨年はPN2クラスでチャンピオン獲得の 可能性があったので、結果を意識してしま った分、緊張がありました」とのことだ。
「最初は自分なんかが全日本に出ていいの かなって感じていましたが、全日本で色々 なコースを走って、ドライビングの幅が広 がってきたと思いますし、タイヤの使い方 もわかってきたように感じます。まだドラ イビングの精度が低くて、かなり気分に左 右されたりすることもあるので、そこが現 在の課題ですね」とのことで、鶴岡選手も 試行錯誤を重ねながら挑戦を続けている。
地方選手権から全日本選手権へのステッ プアップは、誰しも一度は考えるであろう モータースポーツ人生の大きな岐路である。 そこに思い切って飛び込んだ若手ドライバ ーたちは、ベテランたちとの真っ向勝負で 着実な成長を重ね、大きな存在感を示して いる。近年の全日本ジムカーナと全日本ダ ートトライアルは、そんな若手たちが切磋 琢磨する、極めて面白いシリーズとなって いる。手に汗握る彼らの成長ストーリーを、 ぜひ一度、各会場で体感してほしい。 鶴岡義広選手の父・鶴岡
運転の正確さを追求するもう一つの国内ラリー競技
戦いの場は﹁スペシャルステージ﹂だけじゃない!
「リライアビリティラン」を主体とした別のラリーが存在する。
ここでは、関東と近畿のアベレージラリーの実例を紹介しつつ、 運転の正確さを競うアベレージラリーの現在について考察する。
速さを競うスペシャルステージラリーが定着して久しいものの、 国内ラリーには「第1種アベレージラリー」と定義された
球に関する数々の用語を、現在
でも使われ続ける日本語へと訳 したのは、明治時代の正岡子規 だったという。以降、野球は多くの日本人 に愛されながら独自の道をたどり、いつし か“BASEBALL”と“野球”の間には、プ レースタイルや精神性などの違いが見られ るようになっていった。
この規定では、
日本のJAF公認ラリー競技は、タイム トライアルで優劣が決まる「スペシャルス テージラリー(SSラリー)」が全盛だ。各国 で行われるFIA世界ラリー選手権(WRC) を筆頭に、全日本ラリー選手権や地方選手 権競技会、人気を博すTOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジなども、SSラリ ー形式で行われている。
SSラリーのほか に、後述する“リ ライアビリティラ ン”で争われる「第 1種アベレージラリー」と、SSラリーとリ ライアビリティランを組み合わせた「第2 種アベレージラリー」の定義がある。
しかし、日本にはもう一つのラリーがあ る。それはJAF国内競技規則細則「ラリー 競技開催規定」で定義されている「アベレー ジラリー」というものだ。
そもそも、かつては全日本ラリーも、SS ラリーとリライアビリティランを組み合わ せ、走行ルートもシークレットだった時代 がある。現在はこのような形式の競技会は 行われていないが、第1種アベレージラリ ーは、関東地区で「JMRC関東デイラリ ー」、近畿地区では「JMRC近畿アベレー ジラリー」が、それぞれシリーズ戦として 開催されている。ここでは関東と近畿のア ベレージラリー取材を通じて、アベレージ ラリーの現在、そして今後の可能性につい て考察したい。 特集 ラリー/RALLY
山中知之[Tomoyuki YAMANAKA]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS] REPORT/山中知之[Tomoyuki YAMANAKA]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]
初心者も経験者も楽しめる 関東デイラリーの魅力
JMRC関東デイラリーシリーズでは、 茨城県東海村を拠点としたシリーズ第2戦 「第50回光圀ラリー」に伺った。茨城は同 シリーズの前身となる「茨城デイラリーシ リーズ」が2012年に誕生した地でもある。
JMRC関東のシリーズ統一規則によれ ば、クラス区分は4つで、ラリーコンピュ ーター(ラリコン)など使用機器に制限がな いAクラスと、ラリコン装着不可のBクラ スに加え、初心者向けに減点を「10秒につ き1点」(誤差10秒以内の減点を0)とする Cクラス、そして、1989年以前に販売開 始された車両限定で、使用機器の制限がな いLクラスで構成されている。
通で配布されていたり、コントロールシー トをウェブサイトで入手できたり、チェッ クポイント(CP)からの指示速度があらか じめ指示書に書かれていたり、CPの再ス タート時刻には、1分のレストタイムが組 み込まれていたりするという点だ。
ただ、その結果、ラリコン装着不可クラス の参加者が、ラリコン装着クラスと遜色ない 減点でラリーを上がるという展開も起きてい た。関東では、これら高度なナビゲーション を行えるクルーたちの戦いを、迅速かつ精 確にジャッジする手法も開発されていた。
かつて、CPのチェックライン判定オフ ィシャルは、参加車両のライン通過をホイ ッスルで計時オフィシャルに伝えていた。
総合力が試された 琵琶湖ラリー2024 今季のJMRC近畿アベレージラリーシ リーズは、全5戦で争われる。取材に伺っ たのは、滋賀県高島市を拠点としたシリー ズ第3戦「琵琶湖ラリー2024」だ。
近畿のクラス分けは2クラス構成で、国 内Bライセンス以上を要する総合クラス と、競技ライセンス不要のクローズドクラ スのみ。こちらも参加車両には、純正また は車検対応マフラーの装着かつ、三角停止 板と発煙筒の携行が義務付けだ。
ほとんどの大会がクローズド格式なので、 参加にあたり競技ライセンスは不要。参加 車両には純正または車検対応マフラー装着 と、非常用停止表示板と非常用信号灯の携 行がシリーズ規則で義務付けられている。
ラリーの設定には、参加者の負担を軽減 させる配慮を感じた。例えば、交通事情で 遅れた場合などに、1回20秒のレストタイ ムを使える「レスコンカード」がシリーズ共
JMRC
関東
茨城・東海村
それに対し現在の関東シリーズでは、CP ライン判定オフィシャルと計時オフィシャ ルをケーブルで結び、CPでスイッチを押 すと、自動的に精密な通過時刻が計時オフ ィシャルに示される方式を導入していた。
ハイレベルな参加者同士の戦いになる と、各コントロールシートには減点0が並 び、差がつきにくくなる。実際、上位勢は 毎回のようにシビアな戦いを繰り広げてい るようで、「ラリーが始まると、楽しさよ り苦しさの方が大きいよ」と苦笑しながら 語るベテラン参加者もいた。
今大会は、TGRラリーチャレンジ in び わ湖高島でおなじみのステージも登場し、 バラエティ豊かなコース設定となった。
今ラリーの設定には計算を主体とした印 象があり、第2ステージでは、パスコントロ ールポイント(パスコン)における、参加者 の注意力が試された。指示書を見ると、ど こに出現するかわからないバス停の写真が 看板パスコンになっていたり、パスコンが 連続する設定などもあった。こうなるとドラ イバーは指示速度をキープする運転だけで なく、ナビゲーターと協力してパスコンを 探す作業も加わるため、クルーの総合力が 問われる戦いとなった。ゴール後には苦渋
“栃・茨”の伝統を引き継ぐ「関東デイラリー」
楽しいけど悩ましい、真剣勝負ができる場所
2024年JMRC関東デイラリーシリーズ第2戦 「第50回光圀ラリー」
■開催日:2024年6月2日(日) ■開催地:茨城県内(約110km) ■主催:ラリークラブぐるーぷ光圀[RCGM]
JMRC関東デイラリーシリーズ第2戦は開催50回を数えるRCGM 主催「光圀ラリー」。茨城県東海村の白方コミュニティセンターを拠点 に、常陸太田市の里美ふれあい館を折り返しとする2ステージ構成で、 ラリコンの有無と初心者対象、旧車限定の4つのクラスに合計17台が 出走した。梅雨時期のため、茨城らしい 「がさっぱ&がさっぽ」道もありシビアな ライン取りが求められたが、Aクラスでは ジムニーを駆る大ベテラン飯田好範/黒 澤清二組が脅威の一桁減点 であがり、優勝を飾った。
の表情で「パスコンをかなり見逃した……」 とうなだれるナビゲーター諸氏も多く、「減 点0」で上がるのは難しかったようだ。
近畿でもCPの計時に工夫がみられ、ホ イッスル鳴音の代わりに、CPライン通過時 にスイッチを押すとホーンが鳴り、同時に 計時オフィシャルの専用時計がワイヤレス で止まるというシステムを導入していた。
関東も近畿もアベレージラリーを面白く するための各種アップデートが行われてい て、往年の経験者が久々に参加すれば、隔 世の感を禁じ得ないであろう。
精密さが勝負を決める! アベレージラリーの世界
ここからはアベレージラリーの定義や概 念、実例について説明していくことにしよ う。まず、SSラリーと比較して大きく違う のは、アベレージラリーでは、あらゆる要 素がシークレットであるということだ。
第1種アベレージラリーは、前述のラリ ー競技開催規定によると「各チェックポイ ント間を指示された平均速度または所要時 間に従って走行し、所定の到着時刻に対す る早遅誤差の少なさを専ら順位判定の要素 とするラリー」と定義されている。
JMRC 近畿
滋賀・高島市
この“早遅誤差”を補足すると、オーガ ナイザーが試走車で計測したチェックポイ ント(CP)の通過時刻と、参加者の通過時 刻とのズレ(早遅誤差)を参加者の「減点」と し、各CPで生じた減点の合計が少ない参 加者が上位成績を得るスポーツであるとい うこと。そして、平均速度=アベレージで の走行が主体となるラリー形式がアベレー ジラリーと呼ばれている。
SSラリーではおなじみの全体図やアイ テナリーは、アベレージラリーでは参加者 に非公開で、ラリーの全体像は、当日の受 付で配られる「指示書」と「コマ地図(コマ 図)」から類推することになる。
指示書にはCP間の指示速度や所要時間 などが書かれていて、コマ図には、交差点 の形状と目標物の簡易表記と、次のコマ図 への区間距離が記されている。
そして、CPの設置場所はルート上のどこ に、いくつ出てくるかは明らかにされない。 これが“シークレット”と言われるゆえん で、スタート会場を後にした参加者は、指 示書とコマ図を手掛かりとして、どこにあ るかわからないCPを目指すことになる。
ただ、全体像が見えなくても、指示速度 や所要時間に従いミスコースなく走れば、 CPやゴールにたどり着けるようになって
いるため、まずは自車の位置をしっかり把 握して走り続けることが第一関門となる。 このようにオーガナイザーの指示通りに 走行することが“リライアビリティラン” と呼ばれていて、アベレージラリーの根幹 をなすコンセプトとなっている。
ラリー全体のカギを握る ナビゲーターの役割とは
アベレージラリーの大会は、午前に第1 ステージ、昼をはさんで第2ステージとい った2ステ構成が多く、朝から夕方までと いったスケジュールが一般的だ。
スタート会場に集まった参加者は、受付 で指示書などの資料をもらい、ドライバー ズブリーフィングに臨む。その後は1台ず つ、1分間隔でスタートする。
本格的な競技区間に入る前に、まず「オ ドメーターチェックポイント(OMCP、 OD、MCPなど)」に立ち寄る。ここでは、 オーガナイザーが事前に走らせた試走車と 参加車両(自車)の距離の出方の違いを係数 として割り出す。これは完走や成績に影響 する大切な要素なので、誤差の出方を正し く把握する必要がある。
そして、指示書に書かれたCP間の指示 速度や所要時間に従い、コマ図を見ながら
根強い人気を誇る「近畿アベレージラリー」
“計算”要素も満点でベテランも四苦八苦!?
2024年JMRC近畿アベレージラリーシリーズ第3戦
「琵琶湖ラリー2024」
■開催日:2024年6月30日(日) ■開催地:滋賀県内(約70km) ■主催:パナサスモータースポーツクラブ[PANASUS]
PANASUS主催のJMRC近畿アベレージラリーシリーズ第3戦は、総 合クラスに17台、クローズドクラスには5台の参加があり、近年のラリー ストにはおなじみの今津総合公園を拠点として開催された。2ステージ構 成のラリーは、あいにくの雨模様ながらもパスコンの嵐でホットな戦いと なり、最終8CPでは自車の通過時刻を自 己申告する「申告チェック」も行われた。 総合クラスでは、ヴィッツで参戦した笹 本力也/吉廣雅人組が僅差で優勝。ド ライバー笹本選手はうれし い初勝利となった。
アベレージラリーの一日 スタート会場に集まった参加者は参加受付を経て指示 書を受け取り、出走準備をしながらドラミ開始を待つ。
指示書の例。試走車の装着タイヤなど試走条件の記載 もある。右下に見えるバス停の写真はパスコンの目印。
次なるCPを目指す。もちろん、すべての行 程において交通法規を遵守する走行が必要 で、正しいルートをトレースできていれば、 道端にいきなりCPが現れることになる。
この指示速度だが、「CP間の指示速度 が30km/h」と書かれていても、一般道に は信号や踏切などがあり混雑も起きるた め、実際に30km/hのアベレージを維持 することは難しい。そこでナビゲーター は、指示速度と自車の速度が合うように車 内で計算して、その早遅をドライバーに伝 えて、自車の速度調整を促す必要がある。 これがうまくできている状況は「オンタイ ム走行」と呼ばれていて、オンタイム走行 を維持し続けることが、減点を少なくする テクニックとなるのだ。
さらに、指示速度はラリー中のあらゆる 場面で変更されることがあり、指示書には 指示速度変更地点=パスコントロールポイ
チェックカードにはCPの通過時刻が書かれているの で、CPごとにコントロールシートへ貼り付けていく。
これが「正解表」。各CPにおける試走車の通過時刻の一 覧で、自車の通過時刻との差が「減点」となる。
ドライバーズブリーフィング場所は大会により屋外や 屋内など様々。ベテランからは質問が飛び交う時間だ。 コマ図を追って走り、路傍のCP看板に出会えたら、その 先にいる計時車両でチェックカードをもらう。
ント(パスコン、PC)として記載される。 複数の難しいパスコン処理を求められる大 会もあるが、こういった大会はアベレージ ラリーの中でも、別途「計算ラリー」と呼ば れることもある。
CPでは、CPの先で待機していた計時オ フィシャルから「チェックカード(または CPカードなど)」が発行される。ここに記 されているのは自車の通過時刻で、試走車 の通過時刻との差が自車の「減点」になる。
チェックカードは順次コントロールシー トに貼り付けて、自車の通過時刻一覧表を 作っていく。そして、ステージの終わり、 またはゴールでは「正解表」と呼ばれる、試 走車の通過時刻一覧表が配布される。
ここでもナビゲーターは忙しくなり、正解 表の時刻とチェックカードの時刻を比較し て、60進法を駆使しながらラリー全体の総 減点を自己採点。コントロールシートをオー
アベレージラリーでは参加車両の前後には「先行(せんこう)車」と「追上(おいあげ)車」が全行程を走る。SS ラリーなら「0CAR」や「SWEEPER」といったところだが、先行車が各CPの開設状況などを確認し、追上車が 全車通過状況などを確認するなど、それぞれ安全管理の役割を担っている。
ガナイザーに提出したら競技区間終了とな り、あとは結果発表と表彰式を待つだけだ。
主催者とクルーの見えない攻防 ナビゲーターの戦略とは?
アベレージラリー全盛の時代には、シー クレットであるがゆえに、オーガナイザー と参加者によるCP設置場所の読み合いが 行われることも少なくなかった。
例えば、峠の頂上へ向かう上り道で、高 めのアベレージが設定されたり、路面が途 中で舗装からグラベルに変わるような場 合。参加者は峠付近にCPがあると予想し て、想定する正解時間より早めの時間で走 り、余裕をもってCPに入ろうとする。対 するオーガナイザーは、そういう心理を想 定して、CPを峠付近ではなく上り道の途 中に置いて、参加者に早着減点を誘発させ ようとしたりする。こうした両者による “見えない攻防”もアベレージラリーの醍 醐味の一つだった。
また、走路の形状や路面状況、設定アベ レージ、そして、異なる外径のタイヤ交換 などでも距離には誤差が生じてしまう。こ のような不確定要素に対応するため、ナビ ゲーターは、試走車との距離補正だけでは なく、「2次補正」または「アルファ補正」な どと呼ばれる、さらなる補正作業を競技走 行中に行っていた。
距離や時間を計算するナビゲーションア
出走を待つ間、指示書の内容をすべてコマ図に転記して おくのが基本。所持する時計の時刻合わせも重要。
スタートは1台ずつ1分間隔で行われる。日章旗が振られ るが、走り出すタイミングは自分たちで決めていく。
正解表を見ながら、かつ電卓を叩きながら自己採点をし て、コントロールシートに自車の減点を記入する。
イテムも時代とともに進化した。ラリー黎 明期には、秒針がリセットできる時計や、 ラリー専用の円形対数計算尺(いわゆる円 盤)の組み合わせで対応していたものが、 手動計算機、自動計算機を経て、電子計算 機であるラリーコンピューターが登場し た。この流れに比例してラリーの設定もよ り複雑になり、先鋭化していった。
2000年代に入ると、関係者の地道な努 力が結実し、日本でも国際格式競技会が継 続的に開催されるようになる。そして、自 治体などの協力を得ながら、多くの地域で 道路を占用したSSラリーを開催できるよ うになっていった。北海道でFIA世界ラリ ー選手権(WRC)が日本初上陸を果たす と、クルーの役割にも変化が訪れ、助手席 の搭乗者は、補正と計算で減点0を目指す 「ナビゲーター」から、ペースノートを作
コール会場で自己採点済みのコントロールシートを提 出したらラリー終了。あとは結果発表と表彰式を待つ。
最初はオドメーターチェックポイントを目指し、試走車 と自車の距離の出方の違いを係数として割り出す。 運良くステージ終了地点またはゴールにたどり着けた ら、ナビゲーターには60進法での計算が待っている。
り、読みあげる「コ・ドライバー」へと変わ っていった。
正確な運転を追求するという
アベレージラリーの先進性
国内ラリーが国際化の波に洗われる中 で、第1種アベレージラリーは絶滅の危機 に瀕していた。しかし、ベテラン勢を中心 としてリライアビリティランの復活を望む 声が大きくなり、現在では近畿地区と関東 地区で第1種アベレージラリーのシリーズ 戦が行われている。
かつて国内ラリーが陥った状況を踏まえ て、安全性へ十分に配慮した「優しい」設定 になっている。
1980年代後半から1990年代にかけて
国内ラリーに接していた関係者にとって は、第1種アベレージラリーはノスタルジ ーを感じるに違いない。逆に、アベレージ ラリーでリライアビリティランを初めて体 験した参加者からすると、新しいと感じる 向きもある。
近年では「運転の正確さ」をテーマとした オートテストやドリフトテストが人気を博 しているが、アベレージラリーでは、何十 年も前からリライアビリティランにより、 正確な運転を追求し続けてきている。
あるドライバーは「ラリーの間はすごく集 中力が必要で、ただ運転すればいいという だけではなかったので、新鮮な体験でした」 と笑い、あるナビゲーターは「きっかり減点 0を目指して頑張りましたが、なかなかう まくいかなくて……」と悔しさを滲ませた。
上位争いに食い込もうとすると、初心者 には極めてハードルが高いのも事実だが、 時代は一巡して、ビギナーたちにとっての アベレージラリーは、全く新しいクルマ遊 びとして認知されているように感じられた。
【左写真】関東デイラリーの旧車限定Cクラス には、1980年代から海外ラリーで活躍した レジェンド・岩瀬晏弘選手率いる「オートス ポーツイワセ」に集うメンバーが参加。ラリー の真髄に触れてハマる選手も多いという。
【上写真】近畿アベレージラリーには30年ぶ りに参加したという浅田知彦/藤原稔久組。
「今どきのSSラリーにはついていけないけ ど、このラリーはホッコリしてていいね」と 久々のラリーを満喫したご様子だった。
紆余曲折した日本のラリー界に復活した 第1種アベレージラリーは、ラリー関係者 のたゆまぬ努力によってシリーズ開催が維 持されているが、今回、改めて両シリーズ にお邪魔したことで、第1種アベレージラ リーは、あらゆる世代を惹きつける魅力を 持った「スポーツ」であることを強く感じさ せてくれた。
東京の人気観光スポットであるお台場を、 レーシングカートが疾走し、日本一の称号をかけた ハイレベルな戦いを鈴なりの観客が見守る……、 そんな光景がついに実現した。EVだからこそ 可能になったシティサーキット東京ベイでの 全日本カート選手権大会は、モータースポーツの 未来像のひとつを提示してみせるものだった。
PHOTO/今村壮希[Souki IMAMURA]、長谷川拓司[Takuji HASEGAWA]、 JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS] REPORT/水谷一夫[Kazuo MIZUTANI]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]
022年、内燃機関以外のパワーユニットを用いる 史上初の日本選手権としてシリーズがスタート。
2023年は翁長実希選手がシリーズを制して全日 本カート選手権史上初の女性チャンピオンが誕生する。全日 本カート選手権EV部門はその発足以来、毎年エポックメイ キングなトピックスを提供し続けてきた。
そして2024年。このレースはまたも新たな領域へと足を 踏み入れる。それはシリーズが開幕戦を迎える直前、シーズ ンオフ中の大きな話題となって関係者を驚かせた。
レーシングチームあかつきとともにオーガナイザーを務め、 シリーズを運営するのは、『TOM’S EVK22』を開発してワン メイク供給するトムスだ。そのトムスが春先に公表したのは、 2024シリーズについて6つのチームが各2名のドライバーを エントリーさせる“チーム制”で行い、計12名の参加ドライ バーを一般公募のオーディションとドラフト会議で選出、ま たシリーズ戦のうち数戦を東京のお台場にあるシティサーキ ット東京ベイ(CCTB)で開催することだった。
6月15 〜 16日に開催された2024シリーズ第1戦/第2 戦の舞台は、宮城県村田町のスポーツランドSUGO西コー ス。パドックに並べられたEVカートは、2023年までの全車 統一カラーから一変、2台ずつのチームカラーに美しくラッ ピングされ、華やかな雰囲気を醸し出していた。各チームの オーナーや代表者として、四輪レースのトップカテゴリーで 活躍するチームの監督たちもここに列席し、シリーズ中唯一 の2レース制で行われたSUGO西大会は大きな注目の中、 まずは成功裏にキックオフを終えている。
参戦ドライバーを決める 最終選考(ドラフト)会議を実施!
2024シリーズのドライバーを選出す るドラフト会議は5月30日、CCTBで行 われ、その模様はリアルタイムで配信さ れた。まず、各チームからドラフト外で 指名された“チーム選抜”選手4名を発 表。残る8名を決定するドラフト会議は プロ野球のそれを模して実施され、重複 指名の選手を獲り合うくじ引きもあっ て大きな盛り上がりを見せた。
昨年まで禁止されていたシャシーのセッティング が、今季開幕戦から一部解禁。ドライバーはメカと 協議しながらマシンをつくり上げていくことに。 高架を走る列車は、東京の湾岸エリアの人気観光地 を周遊する新交通ゆりかもめ。右手にはすぐ青海駅 がある。CCTBはまさに都市型サーキットと言える。 その宿命として、成り立ちはコンパクトだ。
月15日海の日、CCTB。全5戦 シリーズの第3戦として、いよ いよ“都市型サーキット”で初 めて全日本カート選手権が開催される日が やってきた。
5月30日にドラフト会議と同時に行わ れた大会概要説明でトムスが力説したの は、モータースポーツの裾野を広げるのに 最適なカテゴリーであるレーシングカート でドライバーライセンスの発給数が減少し ていることから、潜在層とカートのタッチ ポイントを増やす必要がある、ということ だった。それに向けてのさまざまな仕掛け が、この大会には施されていた。もっとも 大きなポイントは、CCTBというサーキッ ト施設そのものだ。
レーシングカートに限らず、大半のサー
タイムトライアル大会には、上位3名の表彰に加えて特 別賞もたっぷり用意された。アナウンサーの盛り上げも
キットは山間部など人気のない場所にある。 騒音や排気ガスの問題を考えれば、それは 止むを得ないことだ。しかし、電気モータ ーとバッテリーが動力で排気音も排気ガス も出さないEVなら、都市部で走らせるこ とができる。そんな考えでトムスが企画し て2023年末にオープンさせたのが、EVカ ート専用のサーキット、CCTBだった。
その立地は抜群。なにせ東京の人気観光 地、お台場にあるのだ。パドックから道路 をはさんだすぐ隣にあるのは、新交通ゆり かもめの青海駅。パドックに立って周囲の 景色を見上げれば、高架の線路を行く車両 の姿が見える。東京臨海高速鉄道りんかい 線の東京テレポート駅も徒歩2分ほどの近 さ。これほど人を集めやすいサーキットは なかなかあるまい。
刷新された2024シリーズは各2名×6チー ムの〝チーム制“を採用。今後、日本選手権 とは別に独自のチームランキングをつける 計画もあるという。
さらにトムスは、来場者のた めにふたつの一般参加型アトラ クションを用意した。ひとつは CCTBでレンタルカート走行の 経験がある人を対象にした、レ ンタルカートによるタイムトライ アル大会。もうひとつは2人乗 りのタンデムカートを使った同 乗走行体験。こちらでハンドル を握るのは、選手権に参加する プロドライバーたちだ。
全日本EV部門では、各セッ
ションの間にバッテリーをマシンから取り 外してチャージする“一斉充電”の時間が 必要になる。一般参加の催しは、この時間 に空いたサーキットを使って行われる。タ イムスケジュールに空白の時間が生まれる ことを逆手に取った形だ。
カートレースの大会は通常、レース参加 者のために行われるもの。大会の内容はす べて、レースの参加者たちを楽しませて満 足させることを目的につくり上げられる。 一方、今回の大会は全日本のレースをその 中心に据えながら、来場者もレースを観た りアトラクションに参加したりして楽しめ るように工夫されていた。まるで四輪レー スのビッグイベントのようだ。これは全日 本かローカルレースかを問わず、カートレ ースでは異例のことと言える。
かくして大会当日のCCTBは、朝から 大勢の来場者であふれ返った。国内最高峰 の戦いを観に来た人、一般参加イベントを 楽しみに来た人、全日本に出場するプロド ライバーたちのファン、加えてREALIZE
KONDO EV Kart Racing Teamの近藤 真彦監督がお目当てと思われる来場者も非 常に多かった。
通常の全日本カート選手権大会も、多く の来場者でサーキットがにぎわうことはよ くある。とはいえその来場者は、ほとんど が参加者の応援や手伝いにやってきた、言 わば身内だ。CCTBに足を運んだ来場者た ちは、そうした層とは全く違っていた。ト ムスの目論見は、この時点でまず成功した と言って良いだろう。
全日本の走行セッションが始まると、サ ーキットには緊張感混じりの熱気が湧き上 がった。大勢のギャラリーたちがコースサ イドに詰めかけ、真剣な眼差しでカートの 走りを追いかけている。続いて行われた一 般参加のタイムトライアル大会も、その熱 気に感化されたかのように熱いアタックの 応酬となった。
それを上回るような盛り上がりを見せた のが、タンデムカートの同乗走行体験だ。 参加申し込みの際はハンドルを握るドライ バーの希望を出せるのだが、その一番人気 は小高一斗選手の代役参戦となった山下健 太選手。3名限定のサイドシート搭乗権を かけたジャンケン大会に勝った人は、飛び 上がって喜んでいた。ドライバーたちもそ の情熱に応えるように、レース本番さなが らのアツい走りを披露したり、タンデムの 時間をじっくり味わってもらったりと、同 乗者に貴重な体験をもたらせていた。サイ ドシートを降りた人たちは、口々に「めち ゃめちゃ面白かった!」「これは参加料 3000円の価値がある」と感激の言葉を漏 らしていたほどだ。
この大会のために凝らされた工夫は、一 般参加イベントだけではない。CCTBはレ ンタルカートの営業をメインにしている、 全長430mのサーキット。1000mレベル のトラックも珍しくない一般的なカートコ ースに比べると、コースは非常にコンパク トで狭く、コーナーはタイトだ。しかもコ ースサイドはプラスチック製バリアで仕切 られ、エスケープゾーンは存在しない。全 日本のマシンは、このコースを25秒強の タイムで疾走する。
Driver’s Voice CVSTOS × AGURI EV Kart Racing Team #16 酒井龍太郎選手
2022年のEV部門の初レースを見ていて、こういう新鮮な レースで活躍してみたいなと、そのときから思っていまし た。ドラフト会議は自宅でリアルタイム配信を見ていまし た。お風呂上りだったんですが、選ばれたときは裸のまま大 騒ぎしちゃいました。四輪のトップチームもいる中で、とて もいい経験ができていると思います。
REALIZE KONDO EV Kart Racing Team #4 中井陽斗選手
EVがいいのは音が静かで環境に優しいところ。そのおかげ で第3戦から第5戦までが都市部のサーキットで行われる ことになって、レースの注目度も高くなるだろうし、そこで 活躍して自分をアピールしたいと思いました。将来フォー ミュラEなどEVのレースに参加させてもらえたときのため に、しっかり経験を積んで活躍したいです。
TOM'S EV Kart Racing Team
#37 髙口大将選手 今年の選手権はトムスさんが四輪レースのチームとも組ん でやるということを知って、ひょっとしたらチームとつな がりができるかと期待して参加しました。EVのカートはト ルクがあって面白いと聞いていたけれど、実際に楽しいで すね。僕は他の選手より知名度が低いので、今回のレースで みんなに知ってもらえたらと思います。
ANEST IWATA EV Kart Racing Team #26 三村壮太郎選手
僕がまだ獲っていない全日本のタイトルが欲しくて参加を 決めました。シリーズには将来性を感じるし、トムスさんの 運営に対する真剣味も感じています。人生で初のオーディ ションにもワクワクしました。こういう「実力があればお金 がなくても全日本に出られる」ってレースは、あった方がい いと思います。
HIGHSPEED Étoile Racing EV Kart Team
#74 白石樹望選手
昨年、鈴鹿でこのレースを見たときに、まず電気で走ってい ることに驚いたし、(女性の)富下李央菜選手が上位を走っ ていることにも刺激を受けて、オーディションへの参加を 決めました。この(アニメが核となった)チームは皆さんす ごく優しいですし、私自身もアニメが大好きなんで、この チームで走れてすごくうれしいです。
KNC EV Kart Racing Team #11 鈴木悠太選手
フォーミュラEなどEVのレースが始まっている中で、ガソ リンエンジンとは違う新しいクルマも乗りこなせるように なりたくて参加を申し込みました。鈴木亜久里さんや近藤 真彦さんもチームに関わっていてフォーミュラにも近い環 境なので、コミュニケーションや周囲への振る舞いを学ん で成長できる機会にもなると思います。
Team Director's Voice CVSTOS × AGURI EV Kart Racing Team
鈴木亜久里チーム代表
東京のど真ん中で全日本カート選手権をやるのは、EVだか ら実現したこと。今後はカートもEVになっていくでしょう から、これは大きな一歩ですよね。うちのチームは四輪ドラ イバーとカートの若手の混成です。日本のトップドライ バーがカートレースに出ているのは、他の選手たちの刺激 や参考にもなると思います。
REALIZE KONDO EV Kart Racing Team
近藤真彦チーム代表 今季の説明を聞いて、亜久里さんや舘さんからもお誘いを 受けて、この選手権にすごく可能性を感じました。ただ、今 回はまだ物足りないかな。音がしないんだから市街地でも 開催できるだろうし、これが5年後に「ほらみろ!」という イベントになったらいいですよね。ドライバーに望むこと は簡単で、「勝て」ってことだけです。
TOM'S EV Kart Racing Team
舘信秀チーム代表
やっと願いが叶ったって気持ちです。苦労も多かったから、 都市型サーキットでの大会が実現してうれしいです。ただ 正直に言うと、渋谷か新宿の市街地でレースをやりたかっ たですよね。才能はあるのにトヨタやホンダの育成プログ ラムから外れた選手にとってこの選手権がひとつのチャン スになってもらいたいと思っています。
ANEST IWATA EV Kart Racing Team
武田克己チーム代表
SUGOで開幕戦を見て、EVのカートはすごく速くて高度な レースだと思いました。このレースを東京でできるのは素 晴らしいことですし、これをきっかけにモータースポーツ が広まっていってほしいです。チームの三村選手はカート の一流ドライバーなので、ひとつでも上を目指して、若い選 手たちの目標になってもらいたいですね。
HIGHSPEED Étoile Racing EV Kart Team
中川隆太郎チーム代表
私たちのチーム名であるハイスピードエトワールというア ニメも女性ドライバーの活躍を描いていますし、女性も性 別に関係なくレースで戦えるんだというところを皆さんに 見ていただきたいと思っています。チームの目標は、ふたり のドライバーが次のステップに上がってくれること。それ に向けてのチーム運営をしていく予定です。
KNC EV Kart Racing Team 子安英樹チーム代表
こういう都会でレースができるのは素晴らしいことです。 これからの時代を牽引していくレースに参加できてうれし いですね。チームの目標は、この機会がうちで乗ってくれて いるドライバーたちのステップアップにつながること。ド ライバーたちにはまずレースを楽しんでもらって、その上 で1位を目指してほしいと思っています。
コンパクトなコースでのレースは、事前の予想どおり 順位の変動が少ない展開に。それでも選手たちは熱 い接近戦を繰り広げ、見事なオーバーテイクも披露。 けっして退屈なレースではなかった。
全日本EV部門第3戦の決勝ではプロドライバーが表 彰台を独占。来場者たちの多くはレースが終わった 後も表彰式まで会場内に残り、選手たちの健闘を大 きな拍手で讃えてくれた。
コース上でリタイアを余儀なくされたマ シンはプラスチック製バリアをまたいでコ ース外に撤去する必要があるのだが、大き なバッテリーを搭載してカート単体で約 127kgもあるTOM’S EVK22を持ち上げ るのは容易ではない。これに対処するため、 コースマーシャルは各ポストにマシン撤去 要員として4名ずつを配置。また、マシン がコース内にストップした際は撤去が完了 するまでコース全域でイエローフラッグが 出されることになった。
タイヤもこの大会用に新しく設定され た。2023年の最終戦から全日本EV部門に ワンメイク供給されているダンロップ製の サステナブル原材料比率を高めたスリック タイヤは、CCTBのコース特性に合わせて 再チューニングされ、前戦のSUGO西大 会で使用されたものからグリップ力を下げ た仕様になった。これによってコントロー ルが容易になり、ドライバーたちからは軒 並み好評の声が上がっていた。
こうした多くの工夫の下で行われた全日 本EV部門のレースは、いつもと違う雰囲 気に包まれていた。それは予選のことだ。
普段の全日本では、どれほどアツい戦い であっても予選は予選。チェッカーが振ら れると、関係者たちはすぐに次のヒートへ
初の都市型カートレースに手応えアリ これを発展させていきたい
大会が無事に終わってホッとしたのと同時に、手応えも感じました。こうして 形になったものを、どう維持して発展させていくのか、だいぶ課題も見えたの で、次に向けてすでにいろいろ考えを巡らせています。抜きどころが少ないコー スで不安もあったんですが、カートのトップクラスの若い子や四輪のトップド ライバーたちが出てくれて、戦いもクリーンだったしバトルも発生して、思った よりしっかりレースになるんだなと感じました。この地理を生かして一般の方 にたくさん来場してもらいたいという目的は、ある程度達成できたと思います。 今回は一般参加のコンテンツを3つやったんですが、例えば来年は2デイ開催に して時間に余裕を持たせて、一般の方が楽しめる新しいコンテンツを盛り込め たらいいですね。それと、ここは夜もいい雰囲気ですので、ナイトレースの開催 も安全性を含めて検討していきたいです。
と気持ちを切り替え、コースを振り返るこ となく自分のチームテントに戻っていく。 だが、CCTBに詰めかけたギャラリーたち は、レンタルカートとは別次元のスピード で繰り広げられるスリリングなバトルに新 鮮な驚きの声を上げ、ヒートを終えたドラ イバーたちを温かな拍手で讃えた。それ は、レースすることの楽しさを再認識させ てくれる、胸の躍る光景だった。
住友ゴム工業株式会社 モータースポーツ部 菅野展寛氏
時刻は15時に近づき、全日本カート選 手権EV部門第3戦は、いよいよ決勝の時 を迎えた。オーガナイザーは、ここにも特 別な仕掛けを用意していた。スターティン ググリッドに全車が整列を終えたホームス トレートにギャラリーたちを招き入れ、カ ートレースではかつてなかったグリッドウ ォークが催されたのだ。全日本仕様のカー トを興味深げにのぞき込む人、ドライバー に話しかけて応援する人。決戦を目前に控 えたドライバーたちも笑顔でそれに応じ、 記念撮影などのリクエストに快く対応して いる。カートレースでこんな光景が見られ る日が来ると、誰が予想しただろうか。
このコースはタイトなコーナーが多いので、グリップ力が高いタイヤだとドライバーへ の負担が大きく体がつらいということで、少しグリップ力を落として体に優しく操作性重 視のタイヤにしました。結果、マシンが扱いやすくなってラップタイムも維持しています。
一番に心がけたのは(オフィシャルも)安全第一ということ。カートが重いので、万一オ フィシャルと接触した時のリスクが大きくなります。心得としては、自分の身は自分で守る ということ。エンジン音がしないので、カートの接近にはいつも以上に気を配っています。
グリッドウォークが終わり、いよいよ決 勝レースがスタート。場内のみならず、青 海駅から夢の広場へと続く2階デッキから も大勢の人たちがレースを見つめている。 ギャラリーたちの熱い視線にドライバーた ちも発奮し、決して抜きやすくないコース で手に汗握るバトルを披露してみせた。
そして第3戦を制したのは、ポールスタ ートの山下選手だった。2位は4番グリッ ドから果敢なオーバーテイクショーを繰り 広げた佐藤蓮選手。イゴール・フラガ選手 が3位に入賞し、表彰台の3席はプロドラ イバーたちによって占められた。スカラシ ップ特典として用意されたTOM’Sフォー ミュラカレッジの参加権は、海外参戦で欠 場した松井沙麗選手の代役というチャンス をつかみ、4位入賞につなげた髙口大将選 手に贈られた。
「かつてない」がたっぷり詰め込まれた CCTBでの初の全日本大会。今後への課 題はいろいろ残ったかもしれないが、カー トとモータースポーツの魅力を広く発信す ることに成功したと言えるだろう。もちろ んこれがカートレースの唯一の正解、とい うわけではないが、この日のにぎやかで晴 れがましい景色は、レーシングカートの豊 かな未来を想像させるのに十分なものだっ た。カートレースの、そしてモータースポ ーツの未来像を模索する全日本カート選手 権EV部門のチャレンジは今、新たなスタ ートラインに立った。
20代D1グランプリ初参戦
いま注目しておきたい「Z世代」のドリフターたち
D1GP若武者の台頭 今年でシリーズ23年目を迎えたD1グランプリでは、いよいよ世代交代の波が到来しようとしている。
ドリフト黎明期を築いた40~50代が活躍している現状に、いわゆる“Z世代”の選手が参入してきたのだ。
5年後は間違いなく競技ドリフトの中心選手となるであろう未来のスターたちを紹介していこう。
PHOTO/SKILLD、D1事務局[D1 GRAND PRIX] TEXT/SKILLD、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]
Rd2奥伊吹大会で追走部門3位に入賞して JAFメダルを獲得した田野選手は、D1ライツ 時代からの「ベテランに臆せず接触覚悟で食 らいつく」といった度胸がウリ。D1グランプ リでもその勢いは変わらないことを証明した。
Z世代の台頭はD1の運営も見過ごせず“ミ レニアル5”と名づけて売り出し中(左から 田野選手、石井亮選手、山中真生選手、蕎 麦切広大選手、野村圭市選手)だ。なお石井 選手はD1ライツデビュー戦で2位に入っ てD1グランプリライセンスを取得。来季の 出場を早くも表明している。
50代チャンピオン経験者
ドリフトの世代交代が早まる ドリフトスキルの「時短」
国内最高峰ドリフト競技のD1グランプ リシリーズには、20年を超えるキャリアを 持ったドライバーが数多く参戦しているが、 ここ最近では20代のドライバーの活躍が 目立つようになり、新たなドリフトファン が着実に増えてきている。
先人たちが今日のドリフトの走行スタイ ルや使用パーツ、セットアップなど、時間 と費用をかけて磨き上げてきたのに対し、 若手のZ世代はその礎を一気に飛び越えて くる。なぜなら“ドリフトしやすいマシンメ イク”がすでに確立しているからだ。
2024年JAF日本ドリフト選手権 D1グランプリシリーズRd2(奥伊吹大会)の 準決勝。初予選通過の田野結希選手(日産・シルビア)は順調に勝ち進み、 2017年と2022年の2度のシリーズチャンピオンを獲得した大ベテランの藤 野秀之選手(トヨタ・GR86)と対決。追走では藤野選手に軍配が上がったかと 思われたが、DOSS得点で3本とも上回った田野選手が勝利した。誰を相手に しようとも自分のラインを死守できる「先読み能力」があると思われる。
ベテランもZ世代を バックアップ!
奥伊吹大会で勝利を収めたベテ ランの日比野哲也選手をチームメイ トとし、「ウチのエースは蕎麦切。彼 のシリーズ制覇をサポートしたい」 と言わしめるのが蕎麦切広大選手 (右:SHIBATA RACING TEAM)。ラ ジコンドリフトで活躍し、数々の チャンピオンを経て運転免許取得後 にD1選考会(2017年)、D1ライツ (2019年)、D1グランプリ(2020年 ~)とステップアップ。
父親の背中を追って 念願のD1に参戦! 山中真生選手(左:ウエインズトヨタ 神奈川 × 俺だっ!レーシング)の父親 は、アメリカのフォーミュラ・ドリフト 黎明期に活躍した山中健司氏(現在は FDJ審査員)。野村圭市選手(右:URAS RACING)の父親は言わずと知れたD1 のスーパースター“のむけん”こと野 村謙氏。この2名はD1の会場だけでな く、普段からシミュレーターのオンラ インで交流を持っているそうだ。
また車両を購入せずともドリフトを擬似 体験する機会も増えている。ラジコンのド リフトはもう立派なジャンルとして確立さ れており、D1グランプリ同様に追走スタイ ルの全国的な大会も数多く開催されるよう になった。さらにはドリフトをモチーフに したスマホゲーム、PCを使った本格シミュ レーター、そして親の影響で運転免許取得 前から実車に乗って走行会を楽しむケース も少なくない。
とくにドリフトに特化したシミュレータ ーの進化は想像以上。挙動のリアルさが増 したことで、コース慣れだけでなくマシン のセットアップも学べるようになった。こ れまで何台もの車両をクラッシュさせてテ クニックを身につけてきた世代から考えれ ば、これらはすべて健全でコストパフォー マンスが高いのだ。
ご存知のようにJAF日本ドリフト選手権 となったD1グランプリは、設立当初より モータースポーツとしての1カテゴリーを 築こうとしただけでなく、選手が収入を得 て生活できるようなプロスポーツとしての 確立を目指してきた。だが世間でなかなか 認知されなかったり、自動車関連以外の大 手スポンサーがつきにくかった。その理由 は、ドリフトが峠道や埠頭で生まれたとい う背景があるからかもしれない。
しかしその険しい道を通過していないZ 世代の台頭は、ドリフトのイメージを大き く変える可能性を秘めている。純粋に競技 としてドリフトに取り組む参加者が増えて いくことで、今後はもっとメジャーなモー タースポーツになりうるし、さらなる若手 選手の増加にもつながっていくのだろう。
2JZ-GT改エンジンにMAMBAのGTX3584RS タービンを組み合わせて850馬力。Quaifeのドグ ミッションやクイックチェンジデフを搭載する。
タイヤは父親の野村謙氏の代から深く関わりを 持つダンロップをチョイスし、ディレッツァβ02 を履く。
D1ライツには2019年から参加。当初は父親譲りのイメージで日産・R34スカイラインの4ドアだった が、2022年から2ドアにチェンジ。2023年にランキング8位でD1GP権を取得し、今年からステップ アップを果たした。車両はD1ライツ時代と同じ個体だ。父の野村謙氏は1965年生まれ。2001年から 2018年までD1グランプリに参戦し、通算4度の優勝を挙げた言わずと知れたスタードライバーだ。
石井亮選手(21歳) D1ライツの超新星 Part.1
RCドリフトでは日本を始め、世界でもビッ グタイトルを獲得している石井亮選手。2023 年のD1地方戦の最終戦で初のドリフト競技に エントリーしていきなり優勝を遂げた。D1-A 権を取得して翌年のD1ライツ開幕戦にデ ビュー。予選4番手から追走2位を決め、その ポイントで今年の狙いであったD1グランプリ 出場権を取得することに成功、早くも「D1ラ イツ卒業」と「来季D1グランプリ参加」を発 表した。
野村圭市選手 1996年5月14日生まれ(28歳) 福岡県福岡市出身 チーム:URAS RACING
2024年JAF日本ドリフト選手権成績
Rd1(奥伊吹大会) 予選22位
Rd2(奥伊吹大会) 予選25位
Rd3(筑波大会) 予選33位
Rd4(筑波大会) リタイア
D1GP2世選手は 親子で必勝体制
経験豊富な父親がバックアップ まずは予選通過率を高めたい!
ドリフトを楽しむ者のほとんどがミニサ ーキットを走る“走行会派”であり、仲間や 行きつけのショップが貸し切って運営され ることが多い。中にはまだ運転免許を取得 していない未成年も参加できる場合もある。 ゆえに、中学生や高校生の子供を持つドリ フト愛好者には親子で一緒に参加するケー スも見られる。
そんな背景を基にここ数年、ドリフト界 隈では“2世ドリフター”が急増中。1980年 代から本格化したドリフトゆえ、開拓して きたドライバーの息子が免許を取得できる 年齢に達し、親の影響でドリフトを始める 例はそう珍しくはない。そして、ついに親 の背中を追ってD1グランプリまで登って きた若者が現れ始めたのだ。
2世ドリフターの中でサラブレッドと呼 べる存在が、現在D1グランプリに参加し ている野村圭市選手と畑中夢斗選手。ふた りともD1ドライバーを父親に持ち、幼少 のころから英才教育を受けて育ってきた。
D1GP2世選手は 親子で必勝体制 D1グランプリで優勝経験を持つ父親と もなれば、息子にかかるプレッシャーが大 きいのは想像するまでもないが、ともにそ の偉大な父親がスポッターを担当し、まさ に二人三脚でシリーズを戦っているのだか ら心強いことこの上ない。
このふたりのモチベーションの源は父親 の存在だけではないはず。出身地である九 州、北海道には知名度の高いドリフトイベ ントが少なく、ドリフトでメジャーな存在 になるには全国規模の大会に出る必要があ る。また、年齢の近いライバルと切磋琢磨 するにも、地元にい続けては刺激が少ない かもしれない。スポンサーを集めて走るプ ロ選手になるにしても、この先ほかのモー タースポーツに転向すると考えても、人気 の高い全国規模の大会は有利だ。
彼らを筆頭に、すでにD1ライツや地方 戦に出場している2世ドライバーはこれか らも増えていく。競技ドリフトがほかのモ ータースポーツのようにメジャーになる要 素として、ドライバー世襲制のチーム経営 は歓迎すべきことなのかもしれない。
畑中夢斗選手
2002年11月26日生まれ(21歳)
北海道旭川市出身 チーム:DRIFT STAR Raing
2024年JAF日本ドリフト選手権成績
Rd1(奥伊吹大会) 予選10位/最終順位14位
Rd2(奥伊吹大会) 予選31位
Rd3(筑波大会) 予選32位
Rd4(筑波大会) 予選27位
藤原優汰選手(18歳) D1ライツの超新星 Part.2
レーシングカート出身でF110(旧FIA-F4車 両を使った新カテゴリー)や、スーパーGTの GT300クラスにも参戦中。2023年にD1地方戦 でポイントを稼ぎD1-A権を獲得。今年の開幕 戦からD1ライツに参戦し始めた。ちなみにD1 ライツ第3戦で単走優勝した前週はスーパー GTのGT300クラスに参加して12位完走、その 前週はF110 CUPの岡山国際戦で2戦連続優 勝している。まるで違うカテゴリーで3週連続 出場とは前代未聞だろう。
2020年に高校生でD1-A権を選考会にて取得。2021年からD1ライツに参戦し、翌2022年にはランキン グ17位でD1GP権を取得。2023年からD1グランプリにステップアップするも、初戦の奥伊吹では大ク ラシュでリタイア。しかしオートポリスでは連続通過してシリーズランキング31位。父の畑中真吾氏は 1979年生まれ。D1グランプリには2015年から2021年まで参戦し、最高位は2018年のランキング8位。
マシンの心臓部にあたる2JZ-GTE改エンジンは 約900馬力を発揮する。このエンジンは自分で組 んだそうだ。
北海道の旭川実業高校出身で、出身校から主に メンテナンスなどのサポートも受けている。タイ ヤはドリフトスターのTRACK1を履く。
SIM育ちがルーキー・オブ・ザ・イヤーの最右翼に 筑波大会第3戦は予選2位 から追走部門に進出。D1グ ランプリ初年度から参加し 続けている内海彰乃選手と 対戦して勝利。最終順位で は5位獲得。
田野結希選手
1998年3月24日生まれ(26歳) 神奈川県川崎市出身 チーム:TEAM D-MAX RACING
2024年JAF日本ドリフト選手権成績 Rd1(奥伊吹大会) 予選落ち Rd2(奥伊吹大会) 予選2位/最終順位3位 Rd3(筑波大会) 予選2位/最終順位5位 Rd4(筑波大会) 予選6位/最終順位11位
デビューイヤーから
有力チームのドライバーに抜擢! 今年からD1グランプリに昇格した選手 の中で、昨年のD1ライツで最終戦までシ リーズチャンピオン争いをした若手がいる。 2位と3位でシリーズを終えた田野結希選 手と山中真央選手だ。ともに26歳で実車 よりシミュレーターで練習することが多く、 いきなりD1グランプリで実績のあるチー ムのドライバーとして抜擢された。
チャンピオンの米内寿斗選手を含め、D1 ライツシリーズランキングベスト3が揃っ た第1戦と第2戦の奥伊吹大会、米内選手 は練習日のマシントラブルによりリタイア となったが、田野選手と山中選手は絶好調 で周囲の期待も高まっていた。
迎えた第1戦は山中選手だけが予選を通
横井昌志選手がD1グランプリへ参戦するにあたり、D-MAXとタッグを組んでから製作した3番目のS15シルビアを駆 る田野選手。このマシンは2JZ-GTE搭載で2018、2019年のチャンピオンを獲得。2020年に4号機を製作してからは末 永正雄選手がセカンドドライバーとして搭乗した。昨年は1勝を挙げてシリーズランキング6位。基本スペックは変わら ないものの、田野選手のリクエストに応えてワイヤー式サイドを油圧化した。
4戦で3度の追走進出! ふたりは車両がチーム所有ということも あり、練習走行の時間が自由につくれない。 そこでシミュレーターによる練習が多くな る。関西と関東でチーム本拠地は遠いが、 D1ライツ時代からオンラインで何度も対戦 しているそうだ。大舞台での初対戦は田野 選手が勝利し、最終的に追走部門3位入 賞。D1ライツ卒業組の実力を見せつけた。
ストリートで走り、仲間と楽しみ、自分 でマシンづくりをしてきた時代とは違い、 これからは彼らのようなまさしく「プロ」の ドリフトドライバーが誕生していくのだろ う。今後は彼らの活躍がプロドリフトの世 界を大きく変えるのかもしれない。
山中真生選手 1997年5月30日生まれ(27歳) 神奈川県横浜市出身 チーム:ウエインズトヨタ神奈川 × 俺だっ!レーシング 過し、追走1回戦で敗退したものの、ルー キー・オブ・ザ・イヤー争いで一歩リード したかと思われた。だが翌日の第2戦はふ たり揃って通過。しかも田野選手は予選2 位。山中選手が前日と同じく予選15位で 通過したことで、ベスト16のラダーは彼ら の直接対決を実現させてしまった。
2024年JAF日本ドリフト選手権成績 Rd1(奥伊吹大会) 予選5位/最終順位12位 Rd2(奥伊吹大会) 予選15位/最終順位16位
Rd3(筑波大会) 予選落ち
開催されるコースの走行経験もほとんど なく実車経験も少ない20代がここまで戦 える理由は、シミュレーターが進化してい ることが挙げられる。さらに今のD1グラ ンプリの中心にいる40代の選手との関係 が薄いことで、それが逆に遠慮やプレッシ ャーにならないということもあるだろう。 また、有力チームのドライバーということ で、マシンのメンテナンスやマネジメント も考えなくて良く、最初から走りに専念で きる環境で参加できている。良いスポッタ ーや完成度の高いマシンを最初から用意し てもらえているのも強みだ。
Rd4(筑波大会) 予選9位/最終順位13位
マシンの心臓部には2JZ-GTE改3.4Lを搭載し、D1グランプリでは少数派であるヨコハマのタイヤを装着することで注 目も高い。これまで川畑真人選手、畑中真吾選手、手塚強選手とD1グランプリのエキスパートを起用してGRスープラを 熟成させてきた俺だっ! レーシングだけに、マシンの完成度はD1グランプリいちと言ってもいいだろう。
3度目の追走部門では、ベ テランの田中省己選手と対 戦して敗退するも、初の高 速コースながらD1屈指の ハイパワーマシンを乗りこ なしている。
オート テスト 倶楽部 AUTO TEST CLUB
来
年でオートテスト施行10年目を迎 える2024年、全国のJMRCやオ ーガナイザーならびにJAF地方本部の協 力により、毎週のようにオートテストが開 催されるようになった。
ここでは四国と中部で行われた意欲的な 取り組みの一例をご紹介しよう。
9月15日に徳島県美波町で行われた大 会は、まずその会場が四国霊場第23番霊 場「薬王寺」駐車場という前例のない施設で あることが特筆すべきポイント。今大会は JMRC四国オートテスト部会がバックアッ プしており、その経緯については「以前、 地元の団体が、ここで点検教室というイベ ントを主催したことがありました。その団 体の会員の方々とつながりがあるので、薬 王寺さんにお願いしたところ、快諾してい ただきました」とのことで、国道55号線に
全国各地でオートテストを開催中♪ 徳島と蒲郡で意欲的な取り組みが! 約10年ぶりにJAF新種目として「ドリフトテスト」がスタートした2024年。 2015年に導入されたオートテストは、すでに数多くの競技会が開催され、 全国のJMRCやオーガナイザー、そして多くの参加者が育ててくれている。 ここでは、盛り上げのために新たな施策を取り入れた大会をお伝えしよう。
隣接し、温泉や道の駅も近接する好立地で の開催が実現したということだ。
しかし、会場はかなり限られたスペース であり、コースレイアウトはやや簡素な設 定となっていた。それについては「ライン またぎ」の先に置いた30cm四方のゴムマ ットを踏む行為を判定基準に加え、狭いレ イアウトながらも運転の正確さを追求する 方向で楽しませる工夫がなされていた。
9月22日には愛知県蒲郡市のラグーナビ ーチで「目指せ!ニッポンのモンテカルロ」 と銘打った複合イベント「パワステがまごお り」が、全日本ラリー選手権「ラリー三河湾」 のプレイベントとして開催され、同所では 初のオートテストも行われた。
このイベントは同所を拠点としたクラシ ックカーなどによるスカベンジャーラリー やクルージング体験、はたらく車展示のほ か、ラリーマシンによるデモ走行も行われ、 何とモリゾウ選手がヤリスWRCに乗車し てグラベル走行を披露する一幕もあった。
競技についてはオートテストの新機軸に
パワステがまごおりメイン会場の斜向かいにある ダートコースでは、勝田範彦選手や大倉聡選手、三 枝聖弥選手らによるデモランが行われた。
なりそうな「チーム対抗戦」を実施。複数の クルーが各参加者のベストポイントを足し た総合ポイントで争われ、オートテストの 全日本選手とも言える日紫喜俊夫選手ら 「チーム後輪駆動」が制する結果となった。 オートテストは速さを求めるのではな く、技能の探求や仲間と楽しむものである という観点においては、まだまだ面白くで きる要素を秘めている。あらゆるアイデア を持ち寄って、オートテストが、誰もが末 永く楽しめる入門モータースポーツになる ことを願ってやまない。
2024オートテスト in 別格本山 薬王寺
徳島・ 美波町
徳島・四国第23番霊場「薬王寺」で初開催! コンパクトながら奥が深い設定に参加者も白熱 蒲郡市「パワステがまごおり2024」併催で ラリー三河湾のプレイベントとして初開催!
2024オートテスト in 別格本山 薬王寺 開催日:2024年9月15日(日)
開催地:四国霊場第23番霊場薬王寺 第3駐車場(徳島県美波町) 主催:プレジャープロジェクト[P2]
「2024オートテスト in 別格本山 薬王寺」は あいにくの雨模様ながらも42名が出走した。
クラス区分は初心者対象のチャレンジクラ スと軽四、普通車、エキスパートクラスの四 つで、順位は2本走行して良好なポイントを 採用する決定方法で行われた。
チャレンジクラスは稀少なコンフォート GT-Zスーパーチャージャーの加藤大輝選手 との戦いを制した中駿介選手が優勝し、軽四
オートテスト in パワステがまごおり2024 開催日:2024年9月22日(日) 開催地:ラグーナビーチ駐車場(愛知県蒲郡市) 主催:モンテカルロオートスポーツクラブ[MASC]
「オートテスト in パワステがまごおり2024」
は強風に見舞われながらも辛うじてドライ路 面で始まった。エントリーは64名で、クラス 区分は3ナンバー車の乗用、大型/SUV、4ま たは5ナンバーの小型、軽自動車といった車 型に加え、AT/MTで分けた計7つで、2回の 走行でペナルティポイントが最少の参加者 を優勝とする方式だ。
軽ATクラスはミラジーノの菅那由多選手、
クラスはアルトワークスの米川恭平選手が 総合でも11位に入る健闘で制した。
普通車クラスはスイフトスポーツの石崎 裕基選手が逆転優勝を果たし、今大会で最多 の15台を集めたエキスパートクラスでは、何 とGRヤリスを新たな相棒に迎えた日紫喜俊 夫選手を僅差で抑えた、S660の篠原賢爾選 手が1回目の走行得点でクラス優勝。それは オーバーオールでもトップの走りだった。
愛知・ 蒲郡市
軽MTクラスはビートの日紫喜俊夫選手、小 型ATクラスはアクアの加藤凌選手、小型MT クラスはCR-Xの山本雪選手が優勝。
乗用ATクラスはGRヤリスの8速DAT車両 を持ち込んだ桝田努選手が制し、乗用MTク ラスはBRZの森信彦選手、大型/SUVクラス はシエンタの矢田善彦選手が制した。
15組が登録したチーム対抗は、軽MTと乗 用MTを制した日紫喜/森組が優勝した。
JAFモータースポーツサイト モータースポーツを やってる人もやりたい人も 楽しみ方が見つかる コンテンツ盛りだくさん!
JAFモータースポーツサイトには、モータースポー ツのあらゆる楽しみ方や関わり方を紹介したペー ジを多数ご用意しています。競技ライセンス所持 者の皆さんに向けた「公示・JAFからのお知ら せ」や「競技会スケジュール」、「国内競技結果 (リザルト)検索」の他、これからモータースポーツ を始めたい方々には「モータースポーツとは?」や 「選べるコンテンツ~あなたに合った楽しみ方を 紹介~」、「お手軽参戦! オートテスト」などをご 用意。ぜひ一度、ご覧ください!
JAF モータースポーツ facebook JAF モータースポーツX(旧 Twitter)
YouTube JAF MOTOR SPORTS チャンネル こちらもCheck!!
JAFグランプリ鈴鹿の11月9日(土)~10日(日)と
11月21日(木)~24日(日)のWRCラリージャパンで 今年も「JAFブース」が出展されます
11月8~10日に三重県の鈴鹿サーキットで開催される2024年全日本スーパーフォーミュラ 選手権第8戦・第9戦「第23回JAF鈴鹿グランプリ」と、11月21~24日に愛知県と岐阜 県で行われるFIA世界ラリー選手権(WRC)第13戦「フォーラムエイト・ラリージャパン 2024」にて、今年も「JAFブース」が展開される予定です。両大会ともチケットのJAF会員 優待があり、各会場のブースでは、JAF会員向けのコンテンツも盛りだくさんなので、来場 の際にはJAF会員証の持参またはJAFスマートフォンアプリのインストールをお忘れなく!
11月は三重県と愛知県・岐阜県で注目のビッグイベント開催♪
2023年JAFグランプリ鈴鹿でのJAFブースの様子
https://www.suzukacircuit.jp/superformula/
「フォーラムエイト・ラリージャパン2024」
https://rally-japan.jp/ 鈴鹿サーキット「第23回JAF鈴鹿グランプリ」
2023年WRCラリージャパンでのJAFブースの様子