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Page 1

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO

GL+12900

松本 樹

屋根 ルメルーフ t=16mm( 二重 )

可動式ソーラパネル (ルーバーとして利用) 400×2500×42mm

梁 集成材 105×440mm

GL+10000 外壁 ルメウォール t=40mm

建 築 設 計 作 品 選 集 2 0 1 5  2 0 1 9

内壁 ルメウォール t=40mm( 二重 )

木製棚 GL+8200

タテ:集成材 10550×300×42mm ヨコ:集成材  8000×300×42mm

GL+5600 階段 集成材 :1640×210×40mm

GL+100

GL±0

SELECTED WORKS 2015-2019 AICHI INSTITUTE OF TECHNOLOGY GRADUATE SCHOOL


ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO 松本 樹 建 築 設 計 作 品 選 集 2 0 1 5  2 0 1 9

SELECTED WORKS 2015-2019 AICHI INSTITUTE OF TECHNOLOGY GRADUATE SCHOOL


AICHI INSTITUTE OF TECHNOLOGY GRADUATE SCHOOL

CONTENT

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

02

CONTENT


ABOUT 04

ITSUKI MATSUMOTO

松本 樹について

WORKS 06

APARTMENTS SETAGAYA RURBAN APARTMENT

14

20

卒業設計

学内一位

日本建築学会設計競技

優秀賞

歴史的空間再編コンペティション 2018

グランプリ

中部卒業設計展 2019

AICHI INSTITUTE OF TECHNOLOGY GRADUATE SCHOOL

松 本 樹 | 建 築 設 計 作 品 選 集 2 0 1 5  2 0 1 9

ファイナリスト

SCHOOL

学部 3 年設計課題

積層する記憶

トニカ北九州建築展

最優秀賞

DesignReview2018

入選

TEMPORARYBUILDING

日本建築学会設計競技技術部門

審査前

凸凹プレイス

INSTALLATION CLOUD TREE

34

38

愛知建築士会学生コンペ 2018

HOUSE

ウッドフレンズ

重層する家

第 3 回住宅設計アイデアコンペ

HOUSE

ウッドフレンズ

地乾地消

44

第 13 回公社

CITY PARK

優秀賞

CONTENT

26

最優秀賞

第 2 回住宅設計アイデアコンペ

最優秀賞

第7回 E&G DESIGN 学生デザイン大賞

アイデア賞

ゆく河の流れは絶えずして

48

CITY HALL

学部 3 年設計課題

境界を解くレイヤー

54

ARCHIVE 01 PRESENTATION

掲載 8 作品のプレゼンテーションシート

72

ARCHIVE 02

田園風景を愛でながら

78

ARCHIVE 03

欧州5カ国を巡る旅の記録

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

ARCHIVE

03


AICHI INSTITUTE OF TECHNOLOGY GRADUATE SCHOOL

PROFILE

EDUCATION

松本 樹 / ITSUKI MATSUMOTO

2015.03 2015.04 2019.03

名古屋市立工芸高等学校 建築システム科 愛知工業大学工学部   建築学科 愛知工業大学大学院工学研究科博士課程前期

1996 年名古屋生まれ。中学生の頃から 建築家になることを志し、名古屋市立 工芸高等学校建築学科卒業後、愛知工

ACTIVITIES

業大学工学部建築学科に進学。現在は 同大学大学院博士課程前期在籍。学部

2010.09 2013.03 2013.08 2015.04 2017.10

時代から数多くの設計コンペに取り組 み、ウッドフレンズ住宅設計アイデア コンペ2年連続最優秀賞、トニカ北九 州建築展最優秀賞、建築学会コンペ優 秀賞など、受賞多数。

松本樹年表 0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

日本空手道東進会 初段 ジャパンセブンズ 2013   東海選抜    第 9 回全国高等学校合同ラグビー大会 U18 東海選抜 社会人ラグビーチーム NG CLUB 所属 欧州5カ国の都市・建築を巡る

13

12

14

15

尾張旭市立西中学校所属 瑞鳳小学校所属

健峰幼稚園所属

2004.03

ABOUT

チャンバラ好きが転じて空手を始める

遊びはいつもチャンバラ

初段を取得してやめる

2004.08

名古屋に生まれる

子供会のドッジボールに夢中になる

2009.04 野球部に所属

2006.08

絵のコンクールで受賞

2011.08 引退

部停

少年野球チームに入団

横道に沿れがらもすぐに修正する

学校帰りは毎日野球をして遊ぶ

四番センター

建築家になることを志す

2004.03

今もだが家が賃貸住宅であり、小さな

を見たり、自分の家を書いてみたりと

喘息持ちのため水泳に通わされる

2年生の冬に建築家である叔父が自邸

自分の家くらいは持てるだろうという

19

2010

2009

2008

2007

2006

2005

マンではなく何か個性ある仕事につき

2004

2003.04

2002

2001

2000.04

1999

1998

子供会のソフトボールチームに入る

1996 1997

1996.11.07

2004.08

20

21 愛知工業大学工学部 建築学科建築学専攻 所属

2015.04

社会人ラグビーチームに所属 不完全燃焼だったため社会人ラグビーチーム「NG クラブ」に所属しラグビーを続ける

■欧州 5 カ国を巡る一

建築に集中するために引退

コンペで得た賞金を元手に

・スイス・フランス・ベル

2016.09

良い建築が作れるという無根拠な自身

2017.01

学内審査で一位を受賞

高校時代に培った理論のもと、無根拠だったが自分は良い建築

群としての街並みを 3 週間

性を学ぶと共に、その過程

との出会いや繋がりの大切

学部 2 年次後期に初めて設計課題の公開審査型の講評会が行われた。第一課題、第二課題

をつくれるという自信を持って設計課題に取り組み努力した。

のみの開催となったが、その両方で一位を獲得し、無根拠な自信に確かなものを感じ始めた。

2016.03 SANAA でのオープンデスクを経験 国内外で活躍する建築家になりたいという思いから、当時知る中で国内外で活躍する SANAA に興味を持ち、オープンデスクを申し込む。グローバルな環境と、多種多様で大規模なプロジ ェクトが動き回る事務所内の雰囲気に魅了され、いつかは自分もこのような事務所で働き、独

2017.03 ウッドフレンズ 第 2 回住宅設計アイデアコンペ 最優 ■アイデアコンペで初めての受賞 学部2年時の春休みに取り組んだアイデアコンペで最優秀賞を受賞した ことを皮切りに、数多くのコンペで結果が出始める。

B1

B2

2016

立して国内外で活躍できる建築家になりたいという思いが確固たるものとなった。

2015

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019 04

2017.10

2017.03 引退

B3

2017.09

建築新人


2016.11 2017.01 2017.03 2017.09 2018.02 2018.03 2018.04 2018.04 2018.05 2018.09 2018.10 2018.11 2019.01 2019.03

学部 2 年設計課題

1位 /140 人

学部 2 年設計課題

1位 /140 人

ウッドフレンズ 第 2 回住宅設計アイデアコンペ

最優秀賞

建築新人戦 2017

BEST16 / 902 人

トニカ北九州建築展 2018

最優秀賞

DesignReview2018

入選

第7回 E&G DESIGN 学生デザイン大賞

アイデア賞

ウッドフレンズ 第 3 回住宅設計アイデアコンペ

最優秀賞

湯河原駅前美術館デザインコンテスト

佳作

2018 年度日本建築学会設計競技

優秀賞・タジマ奨励賞

第 13 回公社 愛知建築士会学生コンペ 2018

優秀賞

歴史的空間再編コンペティション 2018

グランプリ

第 7 回 大東建託 賃貸住宅コンペ

佳作

Photoshop

中部卒業設計展 2019

ファイナリスト・企画審査 1 位

Premiere Pro

2016.03 2017.12 2017.032018.03

SANAA D.I.G Architects

AUAU 建築研究所

SKILLS 2D Drawing

ARCHICAD VectorWorks

3D Modeling 3D Rendering Adobe

17

16

SketchUp

AICHI INSTITUTE OF TECHNOLOGY GRADUATE SCHOOL

INTERN/OPEN DESK

AWARD

ARCHICAD (CINEMA 4D) Illustrator

18

名古屋市立工芸高等学校 建築学科所属 2012.04 工業高校で建築を学び始める

ジャパンセブンス 2013 東海選抜に選出

ラグビー部に所属

2013.08

2014.09 引退

KOBELCO CUP 2013 東海選抜に選出

ABOUT

2013.04

2012.04

人生観の形成 入部したての頃、ラグビー部の先輩が U18 東海選抜に選出され学校集会で壮行会が行われた。それを見て、自分もそうなりたいという憧れを抱いたと同時に、いける気がするという無根拠な 自信が生まれた。その無根拠な自信を信じ努力し続けた結果、一年後には U18 東海選抜に選出され、壮行会が開かれた。この時、何かを成し遂げるためにはまず無根拠な自信を持ち、その自 信に本物の根拠をつけるための努力をすれば結果は伴うということに確証を得た。その後も主将を務めることで物事を俯瞰的に見る目が身に付くなど、今の人生観はラグビー部の経験から形 成されており、その考え方は建築にも通じている。

2013.09

な時から一軒家への憧れが強く、ハウスメーカーの広告

■建築について真剣に考え始める

という幼少期を送っていた。そしてしばらくして、中学

高校 2 年生まではラグビーに熱中していたが、3 年生からは真剣にどのような建築家になりたいのかを考え始めた。3 年間の

邸 +事務所を設計した。この時、自分が建築家であれば

勉強では見えるものも見えないと思い、大学でも建築を学ぶことを決意。

う安直な思いから、建築家になることを決意。サラリー

2013

2012

2011

2014

きたいという思いもあったからだろう。

22

23 愛知工業大学大学院工学研究科博士課程前期

2019.04 中井研究室所属

2018.04 安井研究室所属

一人旅を経験

2018.10

に、バックパッカーとしてイタリア

間かけて見て回った。デザインの多様

程でたくさんの人にお世話になり、人

切さを学んだ。

研究室同期 6 名とチームを組み、代表として実作の権利を掛けた愛知建築士会コンペに挑んだ。

トニカ北九州建築展 2018 最優秀賞 P14

テーマは「旅の建築」であり、審査委員長は妹島和世氏であった。実作が前提ということもあり、

2018.03

 DesignReview2018 66 選 P14

2018.04 第7回 E&G DESIGN 学生デザイン大賞

二次審査を控える(2019/07 現在)

例年実現可能・不可能の瀬戸際を攻めた可能性に満ちた作品が二次審査に挙げられ議論の対象と なる。本コンペではいち早く「雲という現象の建築化」をテーマに掲げ、チーム内の議論に留ま らず応用化学や物理学の専門家にヒアリングを行い、実現可能性を高めた提案を行った。

アイデア賞 P44

2018.04

ウッドフレンズ 第 3 回住宅設計アイデアコンペ最優秀賞 P34

優秀賞 P38

日本建築学会設計競技技術部門

2019.03

不完全燃焼に終わった卒業設計 P6

欧州旅行や学会コンペの経験を通して、住文化を失い画一化した日本の街並 みにアクションを起こしたいという思いから、住居地域において強い可能性

日本建築学会建築学会コンペ で優秀賞を受賞 卒業設計のきっかけを掴む

山本理研審査員長による「住宅に住む、そしてそこで稼ぐ」というテーマ。

を秘める生産緑地をテーマに卒業設計に挑んだ。しかし、極限までリアリテ ィを求めるべきか、あるいは卒業設計だからと夢を描くべきかという二つの 思いの

藤が生まれ、不完全燃焼の状態で設計を終えてしまった。

コンペの趣旨は現代の職住分離が定着した住まい方を見直し、住むと稼ぐを

計画案のリベンジへ向けて画策している

同居させるというものであった。このとき着目した生産緑地というテーマは、

人戦 2017 BEST16 / 902 人 P14

B4

2018

2017

今後とも卒業設計として追求していくこととなった。

M1

2019

2018.09

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

ルギー ・オランダの五カ国の建築や

第 13 回愛知建築士会学生コンペで優秀賞を受賞 P26

2018.02

05


AICHI INSTITUTE OF TECHNOLOGY GRADUATE SCHOOL

SETAGAYA RURBAN APARTMENT 住居地域における「生産緑地」を 媒介とした「住みながら耕す賃貸住宅」 Diploma Projects | 卒業設計 Program

:集合住宅

Location  :東京都世田谷区 Year

:2019

Grade

:学部 4 年

Duration

:1年

Award

:せんだいデザインリーグ2019 100選(予選10位)

     

NAGOYA Archi Fes 2019 中部卒業設計展  

ファイナリスト 企画審査 1位

01|Apartments Diploma Projects 「農」が創る懐かしい未来へ 2022 年には、画一化する住居地域において唯一の土着的要素と言え る「生産緑地」の指定解除を受けた農地が大量の良質な宅地として ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019 06

市場に出回り、収益性を重視した従来型のアパートやマンション・ 住宅へと変換される。このような戦後以降続く画一的な供給システ ムが、現代の住居地域におけるプロトタイプが運びる無縁社会を生 み出しているのである。平均世帯数の減少や高齢化、待機児童問題 など、小さな家族単位では賄えない問題を抱える今こそ、このよう な供給システムの過渡期にあり、相互扶助を目的とした地縁的なコ ミュニティの再編という視座での開発が必要となるのではないか。 本提案では、住居地域に根付く生産緑地という土着的資本を、実現 可能な事業計画のもと、「住みながら耕す賃貸住宅」という生産緑 地を持続可能にする賃貸スキームを提案することで、耕すというプ リミティブな行為を媒介としたローカルな共同体がつくる懐かしい 未来の風景を提示する。


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01|Apartments

Diploma Projects

1

るやかに交わり賑わいが生まれ、農を媒介とした住文化が画一

的な町並みの中に育まれてゆく。

07

に賑わいが生まれる。

2

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

1: 敷地北側から全体を見る。既存農地・6 次産業空間・宅地がゆ

2: 敷地南側には直売所を設け、向かいの区民農園に挟まれた小径


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01.都市に残された土着的資本「生産緑地」

04.既存制度への疑問から第三の選択肢を検討

生産緑地とは、都市部において公害または災害の防止、農林漁業と

生産緑地を巡る制度において、そもそも営農の継続か宅地化の二択

調和した都市環境の保全などに役立つ農地を計画的に保全するため

しか選択の余地が無いことに疑問を抱く。高齢化社会を迎え、全国の

行政から指定を受けた農地のことを指す。都市において生産緑地は

平均世帯数が減少する現代社会において、1 農家が広大な 1 区画を耕

多面的な役割を担う存在であり、都市圏を中心に総面積 1 万 ha を

すシステムには最早限界がきている。また 全国的に見ると新規就農者

超える生産緑地が全国に分布している。1974 年に制定された「生

数は年々増加しており、潜在的な農のニーズは高いことが見てとれる。

産緑地法」の目的と現在の位置付けは都市環境の保全として合致し

これらの農のニーズと都市農家を結ぶ第三の選択肢を構築すること

ているが、 1992 年に改正され今なお続く生産緑地の制度においては、

ができれば 、都市において多面的役割を担う農地を守り、 従来のよう

都市圏の住宅不足を解消するため、市街地農地の宅地化を促すため

に目先の利益を追求したプロトタイプが蔓延る住居地域の風景を変

に課税や 30 年間の営農義務により都市農家に負荷をかけるような

えることができるのではないか。

仕組みとなっており、その仕組みが次に述べる 2022 年問題を引き 起こし、都市の土着的資本としての生産緑地を従来の供給方式に

1 農家が 300 ㎡以上の広大な農地を耕す現状の制度

のっとった量産型住戸へと変換していく。

02.生産緑地が失われる「2022年問題」

■農のニーズ向上が見て取れる

300 ㎡以上の耕作義務

平成 18 年 2180 人(39 歳以下 700 人)

生産緑地農家

生産緑地法が 1992 年に制定され、指定されて 30 年後の 2022 年には、 生産緑地の営農継続か解除による宅地化の二択が迫られる。 営農が

生産緑地農家と農のニーズ結びつける第三の選択肢

可能な場合は引き続き「特定生産緑地」として 10 年単位で再指定

新規就農者

することができるが、農業従業者の深刻な高齢化や、それに伴う後

01|Apartments

継者がいないため、もともと農業所得の少ない生産緑地農家にとっ

生産緑地農家

平成 28 年 3440 人(39 歳以下 1,620 人) 多様な年齢層の就農者が増加

てその選択肢はもはや宅地化の 1 択となりつつあり、その際にも生 産緑地に指定されることで猶予されていた相続税を利子付きで支払 わなければならないなど、都市農家に様々な負荷が生じる。

Diploma Projects

03.宅地としての潜在的ニーズが高い生産緑地

05.既存制度の精査により活用可能な要素を抽出 生産緑地農家と農のニーズを結びつける第三の選択肢を現実的かつ合

そもそも生産緑地とは、都市圏の住宅供給を促すために市街地農家

理的に構築するため、生産緑地法の変遷から既存制度を精査すること

に対して宅地並み課税とした地域にあり、 その課税を逃れる代わり

で、活用可能な制度を以下の 2 項目抽出した。

に 30 年間の営農を義務付けられた場所である。 つまり、この生産 緑地の指定を受けている農地は潜在的に宅地としての価値が認めれ ている地域であり、規定として 300 ㎡以上の広さが担保されている

1974 年 生産緑地法施行 都市における良好な生活環境の保全や都市災害の防止や、将来の公共施設整備に対する土地の確保を目的として,市街化地域内 の農地を対象に指定される地区。この地区指定により,農地所有者は営農義務が生じるが,固定資産税の軽減や相続税の納税の 猶予といった税制優遇が受けられる。

ため、 開発業者にとってはビジネス展開のしやすい良質な宅地と見 なされる。2022 年にはこれらが一挙にして放出されるため、業者の 利潤を求めた住戸の過剰供給、それに伴う工業化された住居がつく る画一的な街並みなど、多面的な影響が生まれる。

1992 年 生産緑地の指定は 30 年以上営農継続の意志のある場合に限られ,それ以外は宅地並み課税となった 1990 年代の国家的な住宅不足により行政が農地の宅地化を促すため、都市農地の課税を強引に宅地並みに引き上げようとした 際に、その反発に対する調整として生まれたのが生産緑地法である。

生産緑地地区の指定  ○良好な生活環境の確保に相当の効果があり、公共施設等の敷地に供する用地として適しているもの  ○500m2 以上の面積  ○農林業の継続が可能な条件を備えているもの 生産緑地の管理  ○生産緑地について使用又は収益をする権利を有する者は、当該生産緑地を農地等として管理する義務を負う。

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

行為の制限  以下の行為については、市町村長の許可が必要  ○建築物その他の工作物の新築、改築または増築  ○宅地の造成、土石の採取その他の土地の形質の変更  ○水面の埋立てまたは干拓 土地の買取りの申出  ○農林漁業の主たる従事者が死亡等の理由により従事することができなくなった場合  ○生産緑地として告示された日から30年が経過した場合

2017 年6月 一部改正  ○要件面積を 500m2 から 300m2 へ引き下げ  ○生産緑地地区内で、直売所や加工場・農家レストラン等の設置が可能になった  ○生産緑地解除のための買取り申出の延期制度を新設 特例 500m² 以下にならない範囲で、全体の20%以内なら解除できる。

抽出した既存制度 ①2017年6月改正:生産緑地地区内で、直売所や加工場、農家レストラン等の設置が可能。 ②特例:500㎡以下にならない範囲で、全体の20%以内なら生産緑地の解除(宅地化) が可能。

08


AICHI INSTITUTE OF TECHNOLOGY GRADUATE SCHOOL

Diploma Projects

5

01|Apartments

3

6

3: 食堂から北側農地を見る。獲れたての野菜をその場で 加工する 6 次産業が展開されている。 4: 1F の宅地部分の通路。住民の私物や農具、農地で獲れ た野菜が干されるなど、生産緑地に建つ集合住宅だか らこその風景が生まれている。 5: 世田谷区に点在する生産緑地 (1) 6: 世田谷区に点在する生産緑地 (2)

4

06.既存制度利用による「住みながら耕す賃貸住宅」を提案

することで、生産緑地に住みながら耕す賃貸住宅のプロトタイプを

6 次産業化による事業体系の自立

宅地 20% 以内の賃貸住宅を建てる

提案する。これにより、農への潜在的なニーズが生産緑地農家へと 結びつき後継者不足を解消し、生産緑地農家の稼げない問題を賃貸

生産緑地農家

収入による安定した収入を得ながらも農家レストラン等を設け六次 産業化することにより収益性を向上させることができる。こうして、 都市農家の抱える根本的な問題を生産緑地に住むことで解消し、 宅 地化され目先の利益を追求した住戸プロトタイプの量産により土着 的要素が失われることを防ぎながらも、住居地域に生産緑地を活か した小さな六次産業圏による土着的住文化を生み出す。

六次産業化 労働力の確保 賃貸収入 コミュニティハブ

コミュニティハブ

農のニーズ

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

本提案では、生産緑地法の変遷から抽出した二つの既存制度を活用

09


AICHI INSTITUTE OF TECHNOLOGY GRADUATE SCHOOL

07.東京都世田谷区を対象としたケーススタディ

08.「住みながら耕す賃貸住宅」の事業スキーム

本提案は全国の生産緑地に応用可能な普遍的モデルを示すもので

既存制度を用い、生産緑地の 20% 以内を宅地化し賃貸集合住宅をつ

あるが、ケーススタディにおいては東京都世田谷区を対象とする。

くり、その空間を拡張する要素として面積制限のない 6 次産業空間を

世田谷区は区内 2 番目の約 88ha もの生産緑地を有し、高密に広

付加する。生産緑地農家は居住者に [ 住戸 + 農地 ] を賃貸し、労働力

がる住宅地の中に数多く点在している。区内においての宅地ニー

の確保により生産緑地の維持と 6 次産業化を図る。これにより、生産

ズは高く、また農業従事者の 6 割が高齢者にあたり、そのうち後

緑地農家は税制上の支出を大幅に抑え、かつ 6 次産業展開により収益

継者は 2 割もおらず、後継者そのものが高齢化していることから、

性が拡大し、利潤を居住者の耕作に対する対価として食費・家賃減額

生産緑地の多くが宅地化される可能性が他地域に比べ特に高いと

という形で還元することができる。

言える。また、区内一位の生産緑地数を誇る練馬区や県外の密集

■住戸+農地の耕作義務を持つ賃貸契約

地域と比べ兼業農家が多く、行政としても生産緑地の保全の取り

生産緑地の維持により 相続税や固定資産税等 の支出を防ぐ

組みに対し具体的な策を講じていないことも選定理由のひとつで

事業体系の自立で脱 JA

ある。以上のことから、世田谷区の生産緑地を対象とし、住みな がら耕し暮らす賃貸住宅の事業スキームを構築する。

生産緑地農家

■年代別に見る敷地

営農者年齢内訳

62%

後継者年齢内訳

47%

経営規模農家戸数

01|Apartments

10-30a

88ha

6次産業化すること で収益性の大幅な拡大

総数 724 人

総数 135 人

食費・家賃の減額

労働力の確保

20% 以内の開発でイニ シャルコストを抑える

60 代以上

¥

住戸+農地を賃貸

50 代以上 総数 135 人

204 戸

また住民構成においては、世田谷区は区内一位の人口数を有し、それ に伴い多くの高齢者・待機児童を抱えている特徴を考慮し、児童・高 齢者の受け皿ともなり、多世代が交わる住民構成とした。

■年代別に見る敷地 1935

¥

■想定される住民構成 1945

生産緑地農家 [ 大家 ]

1960

Diploma Projects

1人

宅地可能面積分だけ耕作希望者が住まう賃貸住宅を建てることで、 後継者や人材不足の問題に悩むことがなく、同時に賃貸収入を得る ことができる。 総勢 31 名

1975

1990

現在

高齢夫婦

2組

単身高齢者

4人

単身者

シングル ペアレント

三人家族

シェフ

7人

4組

2組

1人

農を媒介として住民が繋がり、相互扶助の関係が生まれる

敷地境界

直売所 既存の区民農園と隣接する通りに 直売空間を設ける。幅員 4m の小 さな道路に賑わいが生まれる

区民農園との提携を図ることで、生産した 作物の取り扱いや、住民が生産のレクチャ ーを行うなど、地縁的な繋がりをより強く

GL+10,600

軒高 最高高サ GL+8,620

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

GL +7,940

テラス

GL +3370

幅員 4m 道路 直売所

4,200

10

カウンターキッチン・加工場

GL +400 GL+200 GL±0

9,860 21,340


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09.既存制度と農的工作物のリサーチから生まれる建築計画

構造ダイアグラム

本提案において耕作面積に基づく居住者のライフスタイル分析を行う と、適正とされる居住者総数は 31 名(一人当たりの耕作面積 40 ㎥) であった。これを踏まえ、二層構成で宅地化面積は全体の 10% 程度 とした。これにより、宅地化による税率の増加を抑えながらも、6 次 産業空間を宅地周りに設けることで住空間の拡張を図り、農と緩やか に連続する空間構成となるよう計画した。 抽出した既存制度 ①2017年6月改正:生産緑地地区内で、直売所や加工場、農家レストラン等の設置が可能。 ②特例:500㎡以下にならない範囲で、全体の20%以内なら生産緑地の解除(宅地化) が可能。

6 次産業空間としてのフレーム

RC コアとして機能する二層の宅地ヴォリューム

また、農と建築を機能的に緩やかに繋ぐ土間空間、簡易的に農と建築

01|Apartments

の中間領域を作り出す ETFT 膜による仮設屋根、農家における増築や 仮設というアドホックな性質を許容する木造表のフレーム、ハザ掛け から抽出する斜材という要素など、農的建築のリサーチによって構成 要素を抽出し組み立てていく。

Diploma Projects

農家における増築や仮設というアドホックな性質を許容する木造表のフレーム

ETFT膜を用いた可動式屋根がつくる農と建築の中間領域

ハザ掛けから抽出する斜材という要素

農レストラン

既存農地

宅地空間の最小限の居住空間を拡張す る要素として機能する他、地域住民と 居住者との地縁的な繋がりを醸成する

大通りに面する既存農地。建築ヴォリュームを全面 道路から大きくセットバックさせ、農と滑らかに繋 がる断面構成、ファサードデザインとした

農レストラン(屋外)

他の生産緑地への出張耕作 本提案は近隣生産緑地の集約拠点としての場である。 徒歩 10 分圏内に存在する他の4つの生産緑地に居住 者が耕しにいき、コミュニティを醸成する 農と建築が断面的に滑らかに繋がる

農レストラン(屋外)

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

農との断面的な繋がりが強い半屋外 空間。レストランとしてだけではな く、住民のバックヤードとしても利用

7,280

11


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01|Apartments

Diploma Projects

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

12

配置図兼平面図  S=1/75


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01|Apartments

Diploma Projects

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

13

N


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積層する記憶 版築構法を用いた セルフビルドによる小学校の提案 Projects | 設計課題 Program

:小学校

Location  :愛知県名古屋市中区 Year

:2017

Grade

:学部3年

Duration

:3ヶ月

Award

  :トニカ北九州建築展2018  最優秀賞

       建築新人戦2017      BEST16 / 902人 DesignReview2018

入選

02|School Projects 負の産物が繋ぐ未来 2027 年・2037 年のリニア開通により、三大都市が結ば れることで都市形態の過密化が進む名古屋駅界隈。過渡 ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019 14

期にあると言えるこの場所に、小学校を設計する課題で ある。都市開発による住環境の悪化は都市の空洞化を促 進し、生産年齢人口の移転に伴う児童数の激減により、 この地域では小学校の必要性は失われる。そのため、廃 校後の建築としてのあり方を考え設計を行うことが重要 となる。本提案では、建設プロセスからフォーカスを当 て、都市化の元凶とも言えるリニア開削に伴う残土を建 材として捉え、土を用いた版築工法により、地域住民に よるセルフビルドで小学校をつくりあげることで、この 街の象徴となり、廃校後も原風景として、街の在りどこ ろとして継承されゆく場所をつくることができるのでは ないかと考えた。


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02|School Projects 1

いながらも建築物としての意匠を生み出している。

2: 中庭 / 大地から伸びる版築壁が内外との連続性を生み出し 外部空間でのアクティビティを誘発する。

2

3

3: 木製建具で仕切られた教室。各教室にワークスペースと中庭、 前庭が付属する。

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

1: 敷地南側から全体を見る。不揃いの片流れ屋根が諸機能を担

15


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01.リニア開通に向け過渡期を迎える名古屋駅界隈

04.残土の建材としてのポテンシャル

2027 年・2037 年のリニア開通により都市形態の過密化が進む名古

リニア開削現場は本敷地のほど近くを横切っており、残土を建材と

屋駅界隈。中でも本敷地が位置する駅西側エリアは現状高度利用さ

するならば、その資源の豊富さが見て取れる。地産地消ともいえる

れておらず、今後重点的な都市開発が計画されている。開発に伴い

残土利用をすることで、建材費の削減、また建材運送による CO2 削

住宅地は侵食され、慣れ親しんだ街並みにははビル・ビジネスホテ

減を計ることができる。また日本に分布する土質は多種多様であり、

ルが立ち現れる。下町情緒を持つ街並みは更新され、地域住民の原

その地域ごとに様々な特徴がある。土質の特徴を捉えることで、建

風景や居場所が失われていく。

材として用途に適した利用をすることが可能となる。 ■地産地消される残土

SITE

住宅地が広がる西側エリア

■多様な土質

開削エリア

住宅地エリア SITE

( 色は土質の違いを示す)農研機構

02.都市開発による影響から考える小学校の在り方 少子高齢化が進む今日でありながら、都市開発による住宅地の浸食、 住環境の悪化などにより生産年齢人口が郊外へ移転するため、児童 数の減少は全体の人口以上に急激なものとなり、小学校の統廃合が 必要となる。名古屋駅界隈の小学校の中でも、最も駅寄りに位置す る本計画地では、都市開発の影響を強く受け、近い将来には児童数

02|School

の激減により廃校をよぎなくされる可能性が高い。近い将来に廃校 が予想されるならば、ここにあるべき小学校の姿を問い直す必要が ある。街並みの更新を迎えるこの地において求められものは、地域

■残土の建材としての多様さ 腐葉土

多孔質土

長い月日をかけて自然が作り出す天然の肥料。 中庭や裏庭などの外構計画に用いる。

珪藻土

活性汚泥土

湿度が高い時は水分を吸い、乾燥しているときは 水分を吐きだす調湿効果がある。水回りに用いる。

水を微生物の集合体により分解し、浄化する作用 がある。雨水の貯水槽などに用いる。

脱臭菌土

多孔性粘土

Projects

都市の空洞化による児童数の減少

素焼きを行うことで、外部に染み出す水が蒸発して 生じる気化冷却と日中の熱を蓄える蓄熱作用がある。 水道インフラや屋根仕上げのレンガなどに用いる。

臭気成分が土壌の表面に吸着して土壌中に移行し、 それが土壌微生物により分解される。都市の汚染 された大気を浄化する。幅広い用途で利用。

■日本の気候に適した建材

高温多湿な日本の気候に対し、

住民の居場所や原風景なるものを生み出し、街の文脈を継承する建 築であると考える。

調湿効果、多孔質な表面により遮音効果がある。 音楽室など防音性能が必要な空間に用いる。

土は湿度が高いときは水分を吸 高湿時

乾燥時

水分

水分

最も影響を受ける計画地

い、乾燥時は水分を放出する調 湿効果があり、快適な住環境を 生み出すことができる。また建 材として用いる場合、大きな壁 厚が必要となり、それによって 優れた断熱性能を持つ。

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019 16

03.「残土」を用い街の文脈を継承する小学校

05.プリミティブで簡易的な工法でつくる

リニア開発工事に伴い排出される残土の総量は 5,680 万㎥ (東京

土を突く、固める等の簡易的な工法により、有識者がサポートするこ

ドーム 45 杯分)とされており、港湾埋立抑制の動きもみられ、未

とで、小さい子供からお年寄りまで誰もが建設に携わることができる。

だ処分先が確定していない。この行き場のない残土は、名古屋駅界

共同による作業がこの建築にストーリーを生み出し、地域住民にとっ

隈において都市開発の象徴としての文脈を持つ。本提案では、都市

てかけがえのない場所となってゆく。

開発の象徴と言える残土を建材として利用し、地域住民との協働に よって小学校を作りあげることで、失われた街の文脈を受け継ぎ、

■伝統的な版築工法でつくる躯体

■簡単につくれる版築床

その役目を終えた後も原風景として継承されゆく建築物を生み出す ことが出来るのではないかと考えた。 ■みんなでつくる小学校

型枠を組み、そこに土を 20cm∼30cm 入れ、 砂利とフェルトの防湿層によってできた下地床 半分に締め固まるまで強く突き固めることを

に木の角材を格子状に起き、そこに土を入れ突

繰り返すことで、躯体となる壁が生まれる。

き固める。


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02|School

4 図書室 / 調湿効果に優れた版築壁が、本にとって、また子供たちにとって快適な空間を生み出す。版築壁に落ちる光が空間を照らす。

Projects

版築工法の実験

の調合比率で用いることを提案する。この実験では市販の鹿 沼土・真砂土・赤土を用い、消石灰の代わりにセメントをそ れぞれ 6 : 1 の調合比率で混ぜ合わせ版築工法の実験を行っ た。力作業ではあるが、突いて固めるだけという単純作業の

左から順に鹿沼土・真砂・赤土

躯体のための型枠

突き固めの様子

突き固められた土②

脱型後 : 版築層が出ている

ため、誰もが建設に携わることができるという工法に魅力を 感じた。地域住民共同のプロジェクトとして施工を行うこと で、一人一人がこの建築にストーリーを持つことができ、街 の象徴として、原風景として愛されていくのではないかと思 う。

突き固められた土①

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

本提案では、残土とにがりとしての消石灰をそれぞれ 3 : 1

17


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06.受け継がれるストーリー

構造ダイアグラム

児童数の減少により小学校としての役目を終えたこの建築には、本 敷地の所在地である中村区の区役所としての機能を挿入する。小学

屋根 多孔性粘土の素焼きでつくる

校と区役所では必要諸室や平面構成に類似性があり、適切であると

レンガ t=15mm

考える。また既存区役所は老朽化したビルの一角にあり、小学校の 廃校を迎える時期には建て替えの必要性があり、位置関係としても 野地板 針葉樹合板 t=9mm

良好である。区役所となることで公共性が保たれ、維持されていく

天井仕上げとして用いる

ことで、街の象徴、原風景としてのストーリーが継承されてゆく。

07. 残土利用のプロトタイプとして 垂木 45mm 45mm

本提案での小学校建設に用いられる残土量は、残土と消石灰の調合

ヒノキ  @450

比率をそれぞれ3:1 とすると、およそ 800 ㎥である。総排出量であ る 5,680 万㎥には遠く及ばない数字であるが、この提案が残土利用 のプロトタイプとして開削エリアに派生していくことで、環境に配

木製梁 ヒノキ @1200

慮した豊富な資源として、住宅やその他施設に応用され、土建築の

50 200mm(二重)

可能性が広がってゆくとともに残土処理問題の緩和に貢献する。 木製サッシ  t=50mm @1200 ガラス : ペアガラス

断面詳細図

t=12mm

02|School

支柱:鉄製パイプ 75 50 4mm 屋根 粘性土を用いたレンガ t=10mm 断熱シート t=4mm

鉄製支柱に寒切竹を被せる形とし   そこに無収縮モルタルを充填する

木製サッシ t=50mm

Projects

ガラス : ペアガラス t=12mm

天井 : 合板張り t=9mm

木製サッシ 

t=50mm ガラス : ペアガラス t=12mm

配筋として土との親和性を加味し竹を用いる 無収縮モルタル充填により基礎との定着を図る 寒切竹 縦横共@300 元口φ=60mm シュロ縄巻付および緊結

門型フレーム ヒノキ 300 500mm

構造補強としての

版築壁 t=800 テーパーをつけ転倒防止

版築壁  最長部 t=800

門型フレーム

無収縮モルタル充填

テーパーをつけ転倒防止 GL 0

版築床

寒切竹 t=100

木製格子 50×50

版築壁

※鉄製支柱に寒切竹を被せる形とし、   砂利層 t=25mm  そこに無収縮モルタルを充填する フェルト ( 防湿層 )

版築壁はせん断力に弱く、縦に長い壁は強度が 安定せず転倒の恐れがある。これらの弱点を補

t=2mm

1FL

強するため、版築壁にテーパーをつけることで

GL

壁そのものの安定を高め、Y 方向 ( 南北軸 ) に 捨てコンクリート t=50

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019 18

伸びる版築壁に対し X 方向 ( 東西軸 ) に門型の

捨てコンクリート t=50 スタイロフォーム AT t=100 ポリエチレンフィルム t=0.2mm

木製フレームをサッシと同スパンでとりつける ことで構造的な安定を図る。

木製サッシ t=50 ガラス : ペアガラス t=12

木製梁 50 200mm(二重)

GL+3580

門型フレーム

垂木 45 45mm 屋根 多孔性粘土の素焼きでつくるレンガ

内法

版築壁 t=800mm 前庭

中庭

廊下

中庭

CR( 支援)

GL+350 GL 0 1300

9300

1300

9300

1300

4300

1300

9300

1300

9300

1300


WC

CR-2

PC 室

CR-3

配膳室

相談室

WC

職員玄関

1

WS

CR-1

理科室 CR-6

CR-4

WC

準備室

校長室

図書室 多目的室

音楽室

家庭科室

:

CR-3

:

CR-5

:

CR-2

:

CR-4

:

CR-6

:

図書室

:

相談室

:

校長室

:

家庭科室

:

理科室

:

体育館

:

屋外倉庫

:

CR-7( 支援) : : PC 室

職員室

CR( 支援)

図書室

CR-5

図工室

CR-1

保健室

多目的室

:

職員室

:

保健室

:

音楽室

:

図工室

:

体育器具庫

:

プール

:

総務課

企画経理課

地域力推進室 税務窓口 福祉課

保険年金課 市民課

メディア室 地域図書館 講堂

相談窓口 職員室 区長室 医務室

料理教室 音楽教室 理科教室 工作教室

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廃校後に既存区役所のプログラムを挿入

区の体育館 体育器具庫 屋外倉庫

市民プール

屋外倉庫

体育器具庫 体育館 GL ー 10m

25M プール

N

02|School

S=1:1000

■PLAN

Sunlight

N

■PLAN

S=1:1000

版築工法では、通常の建築物のように開口部を設けること Slit

Projects

合理的なプランニングが生み出す環境と意匠

は難しい。そのため、南北軸に対してレイヤー状に版築壁 を広げ、その

間を主要な開口とし採光や通風を得る計画

とし、東西方向に対しては構造耐力を損なわないよう廊下 となる部分のみをスリッド状に縁を切ることとした。また

Wind

東西方向からの採光と通風を得るため、版築壁にレベル差 を持たせ片流れ屋根とし、ハイサイドライトを設けた。チ

■SECTION Sunlight

ムニー効果により換気を促進する他、レベル差を一定では

Chimney Wind

なく多様にすることで、採光や通風を得るのみならず空間 に多様性を与え、連続する不規則な片流れ屋根により建築 物としての意匠を生み出した。

鉄製支柱   75 50 4mm

最高高さ :FL +9,271

チムニー効果による自然換気

版築壁 t=800mm

法寸法 8000 図書室

9300

92300

版築壁 t=800mm

木製サッシ

理科室

図書室

1300

9300

1300

4300

図工室

版築床 木製格子 50 50mm 砂利層 t=25mm フェルト ( 防湿層 ) t=2mm

廊下

1300

9300

職員室

FL 0 1300

9300

1300

9300

1300

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

ハイサイドライトから差し込む光が版築壁を照らす 野地板 針葉樹合板 t=9mm

19


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凸凹プレイス 被災地における「震災瓦礫」 を用いた公共空間の提案 Competition/2019年度日本建築学会技術部門設計競技 解体・リユースを前提とした期限付き環境配慮建築物 Program

:仮設建築

Location  : Year

:2019

Grade

:修士1年

Duration

:1ヶ月

Award

  :2019/7/25 二次審査

2022 年には、画一化する住居地域において唯一

と言える「生産緑地」の指定解除を受けた農地

宅地として市場に出回り、収益性を重視した従

やマンション・住宅へと変換される。このよう

画一的な供給システムが、現代の住居地域にお

03|Temporary Building

プが運びる無縁社会を生み出しているのである

減少や高齢化、待機児童問題など、小さな家族

い問題を抱える今こそ、このような供給システ

り、相互扶助を目的とした地縁的なコミュニテ

視座での開発が必要となるのではないか。本提

域に根付く生産緑地という土着的資本を、実現

のもと、「住みながら耕す賃貸住宅」という生産

Competition

能にする賃貸スキームを提案することで、耕す

ティブな行為を媒介としたローカルな共同体が 未来の風景を提示する。

震災瓦礫の「建材化」 地球環境問題の観点から、持続可能な循環型社会の構築 を担うため、環境負荷削減を目的として建築部材・資材 ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019 20

のリユース、建築材料のリサイクルが求められて久しい。 このような背景から、本コンペではソフト・ハードの両 面から具体的なアプローチを行った環境配慮型の仮設建 築のアイデアが求められた。本提案では被災地において 発生する環境汚染物質としての震災瓦礫に着目し、通常 土木工作物に用いられる「蛇籠」を用いることで震災瓦 礫の建材化を試み、それらをセル状に構成することで被 災地における公共空間としての仮設建築を生み出した。 またその後には、セル状の構成を活かし様々なスケール に分解可能とすることで、地域のバス停や護岸整備など、 様々な用途に柔軟にリユース可能となるよう計画した。


族単位では賄えな

テムの過渡期にあ

ティの再編という

提案では、住居地

現可能な事業計画

産緑地を持続可

がつくる懐かしい

Competition

すというプリミ

03|Temporary Building

る。平均世帯数の

AICHI INSTITUTE OF TECHNOLOGY GRADUATE SCHOOL

一の土着的要素

地が大量の良質な

従来型のアパート

うな戦後以降続く

おけるプロトタイ

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

21


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01.震災瓦礫と被災地における公共空間に着目

03.セル単位の簡易な構成が可能にする住民参加型の設計手法

近年日本では大規模な地震が多発し、家屋の倒壊などの二次災害に

本提案の建築構成は規格化された二種類のサイズの蛇籠を組み合わ

よって仮設住居での暮らしを余儀無くされる人々、また震災に伴う

せてつくる極めて単純かつ明快な計画としているため、仮設住居入

震災瓦礫の排出による環境問題への対応が急務となっている。本提

居者にも分かりやすく、設計プロセスに模型を用いたワークショッ

案では震災瓦礫を「蛇籠」を用いることで建材化し、仮設住居入居

プを加えることで被災者のニーズに答えた居場所を積み木のような

者の在りどころとなるような公共空間を生み出すことで、被災者の

感覚で設計することができ、同時にそれらの行為が非日常なレクリ

日常生活の質を高めながらも、震災瓦礫の有効利用により環境問題

エーションの機会を生み出す。よって本提案で示すプランはその一

の緩和を図る。

例であり、私達が同様の手法を用いることで生みだされたものであ る。

1. 平成 12 年 鳥取県西部地震 2. 平成 13 年 芸予地震

隠れんぼがしたい

10

3. 平成 15 年 十勝沖地震

3

家族で遊べる

4. 平成 16 年 新潟県中越地震

囲われた落ち着け る空間が欲しい

場所が欲しい

5. 平成 19 年 新潟県中越沖地震

小さなお山が欲しい

掘りごたつで

8

くつろぎたい

54

6

秘密基地が欲しい

屋内空間が欲しい

7

6. 平成 19 年 能登半島地震

9

木陰のような場所が欲しい

遊具みたいに使いたい

模型を用いたワークショップ 500

500

1 2

500

7. 平成 20 年 岩手・宮城内陸地震 8. 平成 23 年 東北地方太平洋沖地震

250

9. 平成 28 年 熊本地震

03|Temporary Building

10. 平成 30 年 北海道胆振東部地震

(例)七ヶ浜みんなの家

規格化された二種類の蛇籠

被災地における公共空間

02.震災瓦礫の「建材化」とそのポテンシャル

04.プロトタイプ化することで大幅の震災瓦礫削減に貢献

Competition

震災で発生したコンクリート瓦礫を収集・破砕・塗装し、通常土木

本提案におけるコンクリート瓦礫使用量は瓦礫間の空

構造物に用いられる「蛇籠」に充填することでブロック状の「建材」

概算するとおよそ 122t である。東日本大震災では仮設住宅 50 戸(み

を生み出し、それらをセル状に構成することで積み木のように形づ

なし仮設も含む)に対してこのような公共建築が設計されているこ

くられる建築を提案する。コンクリート瓦礫が充填された蛇籠は強

とから、それらの代替えとして本提案を当てはめ概算するとおよそ

度を有しながらも、表面積が通常建材の何十倍にも相当し、高い蓄

293,000t の震災瓦礫削減に貢献することができ、それは東日本大震

熱・蓄冷効果があるため夏季は直射日光を遮り周囲との温度差によ

災における総排出量の約 10% を削減しているということである。

率を考慮し

り冷ややかな質感を与え、冬期は輻射熱により暖かい居場所を生み 出すなど、パッシブな性能を有する。 約 30 万t

その他

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019 22

Process

不燃物

収集した震災瓦礫を破砕し、サイズを均一化する

収集

可燃物

Rubble

震災瓦礫

破砕・塗装

2,272 万 t

4

金属

コンクリート

約 300 万t

建材化フロー 約 300 万tの震災瓦礫

セル単位の構成によって 自由な造形が可能となる

セル状に構成 建材となった瓦礫蛇籠を建築の構成要素とする

破砕された瓦礫は白塗装を施 すことで震災の痕跡を中和する

蛇籠に充填 瓦礫を蛇籠に充填することで強度を持った建材とする

建材として約 30 万tを消費


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03|Temporary Building

1

Competition

2

3

05.「セル単位」での解体により多様な用途・スケールでリユースを行う

L

本提案の解体期間は政府が定める災害時における仮設 住居の提供期間である 2 年を基準としているが、東日 本大震災等の大規模災害においては提供期間が長期化

バス停への転用

M

するということも考慮し、ロングスパンでの使用が可 能となるよう計画している。解体時には姿形をそのま まに被災地のモニュメントやフォリーとして転用した

S 遊具への転用

り、セル状の構成や屋根を細分化する事で部分的な解 体が可能という特性を活かし、地域のバス停や遊具・ 護岸整備への転用を行うなど、多様な用途に柔軟にリ

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

そのまま転用

23


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震災ガレキの建材化からリユースまでの一連の流れを示す

03|Temporary Building

断面パース S=1/75

Competition 分散配置した屋内空間がそれぞれの 外部空間と関係し合うことで、部分 的な集合としての全体性を生み出す

蛇籠をセル単位で積み上げていく構成

建築となる。

屋根を分節することによ

にすることで、多様なアクティビティ

がらも、夏季は直射日光

150 床レベルを複雑に操作して地面が建物 にまで入り込む空間は、人々を緩やか に内部空間へと導く。

24

FL

GL

700

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

3,260

を誘発する凹凸の空間が生まれる。

3,280

2,520


1 屋根 屋根:ガルバリウム鋼板

2 垂木 垂木 25×100mm

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構造ダイアグラム

3 建具 建具: 木製サッシ     ペアガラス

4柱

5 柱脚 柱脚パイプ 100 角中心径 80φ

Competition

6 蛇籠

03|Temporary Building

柱: 鋼材 中心径 80φ

蛇籠: 500×500×500mm 250×500×500mm 接合 メッキ鉄線結合コイル

よって空間に多様な質を与えな

光を遮り快適な環境を生み出す。

断面詳細図 S=1/50 蛇籠を積むことによってレベル 差ができる空間は、椅子や掘り ごたつになるなど、時に家具ス ケールに変化する。

柱脚と柱の連結

上蓋:亜鉛アルミ合金先めっき溶接金網φ5×500×500

蛇籠と柱脚を連結させたものに 鋼材の柱を差し込む。蛇籠に充 填した瓦礫は密度が高く、耐久 力があるため建材として成り立 ち、柱と相互に関係しあうこと で構造として成り立つ。

側面網:亜鉛アルミ合金先めっき溶接金網 5φ×500×500

内部の床や壁は温めためられることで、寒い冬でも暖かい室内環境を保つ。

連結コイル:亜鉛アルミ合金先めっき鉄線 5φ

震災瓦礫:塗装済み

700

GL

250

柱:鋼材 80φ

季節に応じた室内環境を形成することができる。 3,300

冬至 55 度

31.6 度

薪ストーブから発生する温熱をパイプを通 じて建築全体に巡らせ、蛇籠を砕石蓄熱層 とする。砕石はコンクリートの何十倍もの 表面積を有するため蓄熱効果が高く、冬で も安定した環境をつくり出す。

春分・秋分

100 50 100

78.4 度

蛇籠壁は通気性が高く蓄熱性も高いことから

熱循環システム

450

夏至

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

柱脚パイプ:100 角中心径 80φ       基礎と接合済み

建物から伸びた庇をくぐるようにして内部の床まで光を届ける。

150 100 150 400

25


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平面パース S=1/125 セル状に構成された空間は利用者のニーズによって生み出され、多様なアクティビティを内包する

内外が曖昧に交わる空間

入り組んだ中央部に設けられた

蛇籠を多様な高さ・密度で組み立てることで

GL±0 の外部空間。分散された

一つのランドスケープを生み出し、それらと

屋根から差し込む光が木々を照

緩やかに交わる配置とすることで内外の領域

らし木漏れ日を映し出す。

掘りごたつで団欒

が曖昧な心地よい空間を生み出す

のひと時を過ごす

たたき土間 GL+100

ゆるやかに仕切ら れた半屋外空間

03|Temporary Building

小さな山のような空間は遊具 GL±0

となり子供達の溜まり場となる

ミニキッチン

たたき土間 GL+100

Competition

夏の日中、冷たく気持ちの 良い蛇籠床の上で寝そべる

たたき土間

天井高さが 1,000mm の空間

GL+100

は子供達の秘密基地となる

調理や焚き火を行える

。冬期には輻射

熱によって周囲の空間を温め、排熱パイ プによって他の蛇籠にも蓄熱させる 什器として用いられる空の蛇籠は

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019 26

屋内空間 蓄熱・蓄冷に優れた蛇籠壁に 囲われた夏は涼しく冬は暖か い快適な空間。

空間に抜けとメリハリを与える

ミニキッチンを中心とした小さな広場 たたき土間の小さな広場に対し対面式のミニキ ッチンを設けることで、周囲の蛇籠は立体的な ベンチとなり盛り場のようなシーンが生まれる


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03|Temporary Building

Competition

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

27


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CLOUD TREE 旅する雲の建築化 Competition/愛知建築士会学生コンペ2018 「旅の建築」 Program

:インスタレーション

Location  : Year

: 2018

Grade

: 学部 4 年

Duration

: 1ヶ月

Award

  : 優秀賞

04|Installation Competition 旅する雲の「建築化」 本コンペのテーマは「旅の建築」である。「旅」とは、定まっ ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019 28

た地を離れ、ひととき他の土地へゆくことであり、その「旅」 にたずさわる建築を考えることが趣旨となる。それは旅先で出 迎える建築、あるいは共に行動する建築かもしれない。あこが れの場所を訪れるのも「旅」であり、行く先も目的も決めず出 かけるのも「旅」である。このように、様々な「旅」のシーン を思い描き、そのシーンにふさわしい「旅の建築」を提案する ことが求められた。本提案は、発生するのも消えるのも突発的 であり、自由気ままに行く先もあてもなく、気候によって姿形 を変えながら様々な場を旅している「雲」にフォーカスを当て、 気象を工学的なアプローチによってコントロールすることで雲 建築を生み出すことに挑戦した。


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04|Installation

Competition

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

29


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01.雲は「旅」をしている

03.雲を建築化する

雲は「旅」をしている。雲は発生するのも消えるのも突発的であり、

旅する雲を建築化するため、シャボン膜を用いて雲を一定量内包し、

自由気ままに行く先もあてもなく、気候によって姿形を変えながら

二つの気候レイヤによって位置を留めることでアンダールーフの空

様々な場を旅している。私達はこの曇に「旅の建築」としての可能

間を生み出す。風によって雲屋根が移動することで物理的な「旅す

性を見出し、雲建築を生み出すことに挑戦する。

る建築」となり、終尾にはシャボン膜が割れ雲はまた空気中を旅し てゆく。 雲移動 シャボン膜

ポンプアップ

熱く乾いた空気

雲発生

WIND IS BLOW

雲排出 暖かく乾いた空気

UPDRFT

冷却装置

冷たく乾いた空気

TRIP

雲移動 シャボン液

RAIN

雲は気候・場所によって移動し、雨・ 地下水・水蒸気などに変化しながら、

04|Installation

循環する旅をしている。

冷却装置

シャボン玉装置 地面

3層のレイヤー

GROUNDWATER

人が気候を創る

熱く乾いた空気

ポンプアップによる人の力で圧力

暖かく乾いた空気

差を生じさせ、気温・気圧を下げ、 雲を発生させる為の気候をつくる。

冷たく乾いた空気

又、ポンプアップにより、つくら 下部に冷却装置を設置し、冷たく乾いた空気をつくり、熱く乾い た空気に挟むことで、比重差で雲とシャボン膜を浮かせる。

れる風は、雲の移動・シャボン膜 を張る為のプロペラ駆動・冷却装 置の排出にも使われる。

Competition

02.雲の現象

04.集団でつくる体験型の建築

雲は空気が上昇気流により上空に打ち上げられ、温度が低下し、飽

本提案は集団でつくり上げることで生まれる体験型の建築である。

和水蒸気量を超えることによって発生する水蒸気が空気中の塵と結

設置場所を人が集まる公園や広場とすることで更なるアクティビ

合することで生まれる。地上に存在する塵や水蒸気は、気候の変化

ティを誘発し、公共空間の既存価値を高める。

により結合する。すると、水蒸気は水の粒すなわち、雲粒となり可 視化され、太陽光を散乱することで白く見える。

休む

触れる

雲発生

割る

気圧・気温 ( 低 )

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019 30

パイプ

シャボン膜

作る

水の粒

気圧・気温 ( 高 )

水蒸気

ちり

空地だった都市公園に彩りを与える

水蒸気

塵を核として結合

可視化


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04|Installation

1

Competition

2

3

05.都市熱を緩和する避暑地として 空気を加圧することで発生させた雲建築は冷たい空気を内包している。 ヒートアイランド現象の深刻化が叫ばれる都市部において、設置場所を 生み出すのみならず、都市を冷やす冷却装置・避暑地のシンボルとして

ビル熱

ビル熱

街に貢献する建築となる。 割れる

雲分散 熱

熱 熱

水 水

水 水

都心部での緑地や水面の減少による蒸発散量の減少・建物の輻射熱による熱に対して、 雲粒の気化熱の働きにより温度を下げる。

都心部での緑地や水面の減少による蒸発散量の減少・建物の輻射熱に よる熱に対して、雲粒の気化熱の働きにより温度を下げる。

冷気

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

高温域が出現する可能性の高い個所に設定した場合、アクティビティを

31


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04|Installation

SECTION S=1:40

Competition

SECTION S=1:40

シャボン装置(減圧弁・流量制御弁)

プロペラを用いて持続的にシャボン膜を生成する。 流れてくる空気によりプロペラが回転することで 膜を張り続ける。 圧力を減圧し、流れる空気量を制御することでしゃぼん膜を 割れないようにし、持続的に作り出すために設置する。

シャボン装置(減圧弁・流量制御弁)

プロペラを用いて持続的にシャボン膜を生成する。 流れてくる空気によりプロペラが回転することで 膜を張り続ける。

径を大きくすることで大きなシャボン玉

圧力を減圧し、流れる空気量を制御することでしゃぼん膜を 割れないようにし、持続的に作り出すために設置する。

径を大きくすることで大きなシャボン玉

冷却装置(膨張弁)

冷却装置(膨張弁)

上昇してくる空気を冷却し、2FL 上に冷却層を作り出し、 シャボン玉を浮かせるために空気の温度を下げる。

上部の球体をポンプアップするこ パイプ内で圧力を高めピンを外す

上昇してくる空気を冷却し、2FL 上に冷却層を作り出し、 シャボン玉を浮かせるために空気の温度を下げる。

上部の球体をポンプアップするこ パイプ内で圧力を高めピンを外す

天端=▽GL+2800 天端=▽GL+2800

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019 32

500 500

冷却装置(コンプレッサー・凝縮器)

天端=▽GL+2300

外気と熱交換させることで内部の気体を冷却する。 外気と熱交換させることで内部の気体を冷却する。

天端=▽GL+2300

シャボ シャボ

2800 2800

ビルの輻射熱により熱せられる都市

2000 2000

ビルの輻射熱により熱せられる都市

冷却装置(コンプレッサー・凝縮器)

雲発生装置

雲発生装置 冷却装置

▽2FL=GL+300 ▽1FL=GL+150

シャボン装置

冷却装置

▽GL±0 ▽2FL=GL+300

▽1FL=GL+150

シャボン装置

▽GL±0

500

2200

300

500

2200

300

500

2200

300


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雲発生装置(柱上部)

Competition

S=1:30

3,000

玉を安定して作り出す。

内部の圧力差により雲を発生させる。 3,000

ことで空気を送り出し、 すことにより減圧し、雲を発生させる。

EXPERIMENT

0

PLAN

3,000

25

玉を安定して作り出す。

0

雲発生装置(柱上部)

EXPERIMENT

25

PLAN S=1:30

04|Installation

3,000

雲発生装置(逆流防止弁)

内部の圧力差により雲を発生させる。

雲発生装置(逆流防止弁)

ことで空気を送り出し、 すことにより減圧し、雲を発生させる。

雲(シャボン膜) 雲(シャボン膜)

アクティビティを生み出すと共に都市を冷却する アクティビティを生み出すと共に都市を冷却する

SECTION SECTION

接着面を大きくすることで安定感を増加させる。

接着面を大きくすることで安定感を増加させる。

シャボン玉内に雲を挿入する。

シャボン玉内に雲を挿入する。

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

ボン玉は表面張力の影響により球体に近づく。 ボン玉は表面張力の影響により球体に近づく。

33


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重層する家 狭小地における二面性 のある暮らし方

GL+12900

Competition/ウッドフレンズ 第3回住宅設計アイデアコンペ Program

:住宅

屋根 ルメルーフ t=16mm( 二重 )

Location  :名古屋市中村区 Year

:2018

Grade

:学部 3年

Duration

:2 週間

Award

GL+10000

  :最優秀賞

小屋裏部屋(リビング

05|House

GL+8200

Competition

ダイニング 2

GL+5600

マトリョーシカのような空間構成を持つDINKSの家

ロフト

本コンペの趣旨は DINKS のための狭小住宅であり、な おかつ ZEH を実現させることであった。日本では年々 “ こどものいる世帯 ” の数が減りつづけ、高齢夫婦や

GL+3000

DINKS といった小家族世帯が増え、単身世帯は全世帯 の3分の1を超えつつある。環境面では「2030 年まで に新築住宅の平均で ZEH の実現を目指す」とする政策 目標が掲げられるなど、ゼロ・エネルギーに対する関心 ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019 34

が高まっている。並行して都心回帰が進む中で、都市に おけるゼロ・エネルギーを目指すライフスタイルはどう あるべきかが問われた。このテーマに対し、本提案では DINKS のライフスタイルを生活の質を求める「スロー

床 : モルタ

GL+100

ライフ」と効率を重視する「ファストライフ」の二面性 があるものと定義。その二面性を、マトリョーシカのよ うに入れ子状の重層する空間構成をとることで建築に還 元した。重層する空間構成は幾重もの空気層となり断熱 性を向上させ、重層する空間構成によって生じる温熱環 境の諸問題を、小屋裏空間に設けた換気システムとルー バ  ーとして扱う電動開閉式のソーラーパネルによって解 消し、同時に創エネを行うことでZEHの実現を計った。

910

3400


AICHI INSTITUTE OF TECHNOLOGY GRADUATE SCHOOL

可動式ソーラパネル (ルーバーとして利用) 400×2500×42mm

梁 集成材 105×440mm

外壁 ルメウォール t=40mm

グ)

内壁 ルメウォール t=40mm( 二重 )

柱 :105×105mm

木製棚 2

ヨコ:集成材  8000×300×42mm

05|House

タテ:集成材 10550×300×42mm

床 : ルメウォール t=40mm

Competition

2

床 : ルメウォール t=40mm 階段 集成材 :1640×210×40mm

寝室

ダイニングキッチン

GL±0 1: 可動式ルーバーとしてのソーラーパネルが屋根から透過する光を調整し快適な環境を生み出 しながら創エネを行う。  2 : 機能が集約されたファストライフのための密度ある空間に対し、スローライフを営む空間は 縦方向への大きな抜けを持つ階段から始まる。 休日には屋根面から降り注ぐ光を浴びながら 小屋裏へ向かい、おおらかな暮らしを楽しむ。

2060

0

3 : 入れ子状の中央 2 棟の空間に寝室、水回りを集約し動線の効率化を図り、重層する幾重も の空間が空気層となり高気密高断熱の環境を生み出す。通風は開口を解放することで取り

6,370

入れ、半透明の壁材により自然光を得る  4 : 名古屋市中村区の事務所ビル・マンション・戸建住宅が密集する、高密度な都市形態を持

A-A section perth

つエリアにあり、隣地には住宅、事務所ビルが建つ。採光の確保のための半透明な外観が、

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

タル金ゴテ押え t=55

雑多な街並みのなかで存在感を示す。

35


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01.「DINKS」の二面性のあるライフスタイル

03.重層する空間構成による二面性と断熱性

DINKS のライフスタイルはスピードや効率を求めるファストライ

二面性を持つ空間を生み出すため、それぞれの空間を一室ではなく一

フが主となり、効率的な空間構成は住宅規模を最小限にとどめるこ

棟と捉え、大きさの異なる棟を入れ子状にしてひとつの家に納めるプ

とができる。一方で、休日にはその反動でゆとりのある暮らしを楽

ランニングを行う。主たるライフスタイルであるファストライフを営

しみ、生活の質を向上させるスローライフが求められ、暮らしに順

む空間を中心に集約し動線の効率化を図り、ゆとりあるスローライフ

応するおおらかなプランが求められる。高密度な都市の狭小地にお

を営む空間がそれを包み込むかたちである。

いて、効率的かつゆとりのある二面性を持った住宅として ZEH の

PLAN

実現を目指す。 慌ただしい日常のファストライフ

SECTION

スロー

スロー

暮らしにゆとりを求めるスローライフ

ファスト ファスト

各室が入れ子状に連なることで、重層する空間が外部に対しての空気

02.SITE ¦名古屋駅界隈に位置する狭小地

層としての役割を持つ。DINKS のライフスタイルとして使用率の高

対象とする敷地は名古屋市中村区の事務所ビル・マンション・戸建

いファストライフを営む空間が、幾重もの空気層で守られた高気密高

住宅が密集する、高密度な都市形態を持つエリアにある。隣地には

断熱の空間となることで、冷暖房の稼働率を下げ空調負荷を軽減する。

同様に狭小地の住宅・事務所ビルが建ち、採光・通風に有効な開口 を設けることができるのは接道面のみである。

SUMMER

WINTER

05|House Competition

PLAN

SECTION

PLAN

SECTION

04.屋内環境の調整 ■空間全体に光を届ける半透明な壁と屋根

■小屋裏による環境調整と創エネ

通常の屋根・壁

電動開閉式天井窓

半透明の屋根・壁 反射光を拾う

入れ子状の内部空間の 換気は開口と換気ダク

屋根面を透過する光

トにより小屋裏へ放出 し行う

接道面からのみの採光

接道面からの採光

GL+8200

電動開閉式ソーラーパネル 400×2500×42mm

GL+8200

空間が入れ子状となることで、通常のように開口部を設けるだけでは十分な採光を確保することができず、周囲に建物が密集する狭小地という 特性から採光を望めるのは接道面のみである。本提案では屋根材・壁材に半透明で十分な断熱性を有する「ルメウォール」を用いることで、屋 根面に降り注ぐ光を屋内に透過し、また隣地に立つ建物からの反射光をひろうことで接道面以外からも採光を確保する。屋根面への光を透過さ せることで採光を確保することが可能となるが、夏季には日射による屋内への蓄熱に伴う内部気温の上昇が問題になる。本提案では小屋裏に可 ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019 36

S 動式のソーラーパネルを取り付けルーバーとして扱うことで、ソーラーパネルの開閉により採光と空気の流れを調節し、快適な環境を生み出し

ながらも創エネを行う。 ■ダイアグラム

SUMMER

WINTER 日中 夜間

日中 夜間 S

N

熱の放出

S

N

sunlight

S

sunlight

N

接道面

N 接道面

接道面

ルーバーを閉じることで日射を遮りながら創エネ

ブラインドを開くことで屋内に蓄熱された熱を小

をする。採光は接道面、隣地の建物からの反射光

屋裏から外部に放熱する。

で得る。

接道面

ブラインドを斜めに開くことで光を取り入れ暖気

ブラインドを閉じることで気密性を高め、冷気を

を蓄熱し、同時に創エネを行う。

遮断すると共に屋内に蓄熱された暖気の放出を防ぐ。


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配置図兼一階平面図 S=1/100

6,370 1820

1820

910

1820

1820

bathroom

rest room 1820

bedroom

1820

study・library

10,010

storage

1820

section A

Competition

1820

A section

05|House

kitchen

1000

910

terrace

entrance

N

前面道路 6000mm

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

GL+3500mm PLAN S=1:200

GL+6000mm PLAN S=1:200

GL+8500mm PLAN S=1:200

37


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地乾地消

木を継ぎ街を紡ぐ Competition/ウッドフレンズ 第2回住宅設計アイデアコンペ Program

:住宅

Location  :名古屋市那古野円頓寺 Year

:2017

Grade

:学部 2 年

Duration

:1ヶ月

Award

  :最優秀賞

06|House Competition ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019 38

木材のストック&フローを取り入れた住宅 2027 年のリニア開通へ向け更なる発展を遂げる名古屋。 本コンペではこの名古屋に新たな文化を育みながらも、 国産材に新たな価値を生み出し供給率を増加させるシス テムを住宅に付加することが課せられた。この課題に対 し、かつて城下町として栄えた円頓寺界隈の歴史的、立 地的条件に着目し、その文脈を利用した「地乾地消」と いう木材のストック & フローを住宅に取り入れたシス テムを提案することで、乾燥材を纏う住宅が月日と共に 姿形を変えながら、多様な空間と景観を生み出し円頓寺 に新たな住文化を育んでゆく未来を描いた。


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06|House Competition

春 / シンプルなグリッドフレームの周囲を囲うように木材が掛けられる。

2 : 夏 / 乾燥のプロセスを終えた木材が裏手の堀川を用いた水運により出荷され、地域の建材となる。 3 : 秋 / 春から夏に掛けて乾燥のプロセスにあった木材は全て出荷され、新規に搬入された木材がまた新たな表情と空間を創り出す。 4:

愛知県名古屋市熱田区の堀川沿いに存在した白鳥貯木場。かつての名古屋の木材流通の中心地であり、江戸時代初期に開場され て以来近代までの日本における、3 つの代表的木材市場の一つとして 400 年近く長きに亘って運営された。本提案ではこの堀川 にかつて存在した貯木場という文化を継承している。

5 : かつての堀川に浮かぶ材木が描かれた風景画〈阿部繁弘 画〉 2

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

1:

6 : 堀川から貯木場へ木材を出し入れした石積みの水門。 7 : 白鳥貯木場ではこのように木材の水中乾燥が行われていた。

39


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01.風情ある街並みが魅力の西区那古野

03-1.林業の循環

名古屋駅の程近くに位置する西区那古野。かつて運河として利用

木材が建材として利用できるようになるまでには、およそ 40 年の年

された堀川が流れ、城下町の名残を示す街並みが魅力である。しか

月が必要となる。現在、戦後に植えられた人工林が本格的な利用期

し、都心に近いあまり、この街自体に地域住民の在り所のような場

を迎えており、2027 年には、全体の約 6 割が利用に適した樹齢を迎

所がなく、風情ある街並みは閑散としている。このことから、この

える。それに伴い、製材後の貯木施設の不足、管理の負担増加が予

街には地域住民の在りどころとなる家が必要であり、そこで活気を

想される。本提案で、貯木場としての機能を果たすことで、林業の

生み出す何かを仕掛ける必要がある。

負荷軽減を計り、その循環に貢献する。 ■人工林の樹齢別面積表 ( 万 ha) 180

158

160

165

150

140

100

59

60 40

0

02.木材の製品化へのプロセスに着目 木を製品化するためには、製材を終えた材を乾燥させ、含水率を下 げることにより寸法の安定、耐久性の向上を計るための期間が必要

92

87

80

20

利用期を迎える樹木

114

120

9 5

17

23

10

15

35

1

20

25

30

35

40

45

50

55

2027 年の割合 34 20 17 14

11

60

80

65

70

75

27 ( 樹齢) 85

03-2. 貯木場としての家 ■ 多様な表情と空間をつくる貯木

06|House

となる。そこで、乾燥から運送までのプロセスを担う貯木場として

木材を積む、掛けるなどして生まれる空間と表情は多種多様である。

の家を提案することで、木材を積む・掛けることで生まれる空間が

また、製材後間もない木材に包まれることで、 れ出るフィトンチッ

街の在りどころとなり、それらを共同で行うことで街に活気が生ま

ドがまるで森林浴をしているような心地良さを生み出す。

れるのではないだろうか。また、これらの行為が木材を通して行わ れることで、林業の循環に貢献し、ひいては国産材の供給率の増加 に繋がるのではないかと考える。

Competition ■木材の乾燥のスパン

天然乾燥による木材の乾燥スパンは、材種、大きさ、季節により異 なり、数か月から一年程が目安となる。乾燥のスパンを考えることで、 部分的な衣替えや、全対的な衣替えなどを、定期的な地域のイベン

03.乾燥のスパンで循環する「地乾地消」のシステム

トとして行える。 数か月のスパン 小さな衣替え

製材後、貯木場としての家へ

大きな衣替え

小さな衣替え

乾燥から運送を請け負うことで製材所の負荷軽減

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

start!

■ 育まれる「結」の文化

茅葺屋根の吹き替えは、「結」と言われる、住民同士が協力しあう相 互扶助の精神で行われる。これに習い、乾燥を終えた木材の衣替えを

林業の循環に貢献

地域住民と行なうことで、作業を通してコミュニティーが生まれ、自

育まれる木の文化 ・周辺地域の建材に ・地域の気候風土に

蘇る水運の文化

・乾燥が終わるまでストック ・木材が生み出す多様

 な空間が文化を育む

 あった材で造る

堀川を用いて水運 風情ある水運の文化の継承・ウッドマイレージ削減

40

分たちの手で街の在り所を創る文化が生まれる。


AICHI INSTITUTE OF TECHNOLOGY GRADUATE SCHOOL

8 8:

小さな屋内空間の周囲に、グリッドのフレームを巡らせる。これに木材を「積む」 「掛ける」を行うことで、 そこには屋根や床が生まれ、住まい手のライフスタイルに応じて様々な居場所を生み出す。 

足場として巡る縁

03-4. 気候風土に合った木材

材をフレームに固定し強度を保つ

乾燥のプロセスを都市部で行なうことで、時間をかけて馴染ませた 木材はより気候風土に合った材となり、調湿効果・耐久性に対して 緊結には長期的な耐力がある高分子の ポリエチレンを芯材に用いたロープを使う。

03-3. 蘇る水運の文化

優れた性能を発揮する。

04.根付く文化が造る未来 2027 年のリニア開通へ向け、大型複合施設の建設等、更なる発展を

■「死の川」再生

目指す名古屋。それに伴い排出される産業エネルギーは都市環境の

かつて堀川は資材運搬のための街のインフラとして機能していた。産業

悪化を促進する。木材は、1㎥当たり約 0.6t-CO2 の炭素を固定して

の発達に伴いその文化は途絶え、産業エネルギーの流入により「死の川」

いると言われている。木材利用期のピークである 2027 年には、この

と呼ばれるほど汚れていった。本提案で、貯木場としての住宅から周辺

住宅が周辺地域のプロトタイプとして普及し、都市に多くの木材が

地域への木材運送のインフラとして利用されることで、整備された堀川

貯木されることで、都市に森林を造ることに近い状態が生まれる。

は再びかつての姿を取り戻し、風情

貯木場としての機能を持つこの家は、街の在りどころとしての文化

れる水運の文化が蘇る。

材の需要を高めていく。

■ウッドマイレージ削減

木材を運送するにあたって、車を用いての陸上運送は多量の CO2 を 排出する。周辺地域への運送を掘川を用いて行なうことで、陸上運送 に比べ単位距離・重量あたり 1/3 のエネルギー消費量で運送するこ

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

を育むだけでなく、環境問題の緩和を計る装置として機能し、国産

とができる。

Competition

「立て掛ける」「積む」を行った

06|House

 ■ みんなでつくれる簡単な構造

41


770

1820

1820

entrance

Competition

3000

1820

living 12,420 12,420

06|House

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

7600

kitchen 1820

8700

1770

910

1820

1820

2380

bathroom rest room 1820

1350

1200 20,000

Hori-kawa River AICHI INSTITUTE OF TECHNOLOGY GRADUATE SCHOOL

42

PLAN


AICHI INSTITUTE OF TECHNOLOGY GRADUATE SCHOOL

Hori-kawa River 7000

1000

1820

1000

bedroom (child)

study・library

1820

06|House

9100

1820

bedroom

terrace

1820

Competition

1820

terrace

N

0

910

first floor S=1:100

1820

1820 5460

910

second floor S=1:100 ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

N

43


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ゆく河の流れ は絶えずして インフラのインフラ によるリノベーション Competition | 第7回 E&G DESIGN 学生デザイン大賞 Program

:都市公園

Location  :愛知県名古屋市中村区 Year

:2018

Grade

:学部3年

Duration

:1ヶ月

Award

  :アイデア賞

07|City Park Competition ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019 44

堀川と都市の関係の再編

2027 年のリニア開通に伴う都市形態の過密化により、 ビル排熱等の人工排熱が増加し、ヒートアイランド現象 の深刻化が予想される名古屋駅界隈。また、これらを緩 和するまとまった緑が希薄であり、近年では減少傾向に ある。これからの名古屋のあり方を考える上で、都市の 成長に伴い悪化する環境を改善するシステムを構築する 必要があると考える。本提案では、かつて都市インフラ として市民の生活を支えてきた堀川に再びフォーカスを 当て、これからの名古屋の課題点である都市環境の改善 を計る環境装置として、インフラのインフラによるリノ ベーションを行う。


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07|City Park

Competition 1

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

45


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01.都市分析¦ 発展に伴う都市環境の悪化

04.ビル排熱を熱源とした環境装置としての植物園

2027 年のリニア開通に伴う都市形態の過密化により、ビル排熱等

過密化するビル群の空調機排熱・屋上に降り注ぐ太陽光による暖気

の人工排熱が増加し、ヒートアイランド現象の深刻化が予想される

をダクトを通して取り込み、それを熱源として植物園としての空間

名古屋駅界隈。また、これらを緩和するまとまった緑が希薄であり、

を生み出す。大気に放出されていたビル排熱は、植物園により消費

近年では減少傾向にある。これからの名古屋のあり方を考える上で、

され都市熱を緩和し、そこで育つ植物によって浄化された空気は再

緑被率の向上、都市熱の抑制によりヒートアイランド現象を緩和し

び都市に還元される。この熱と空気のフローが都市との相互関係を

ていくことが重要となる。

築き、堀川は街と共に成長する環境装置となる。

※黒枠は都市部を表す

interior heat

sun light

×106kcal <1000 <2000 <3000 <4000 <5000 <6000 <7000 7000

<5 <20 <30 <40 <50 <75 75

名古屋市の緑被率の分布

winter

summer

名古屋市の人工排熱の分布

02.堀川のインフラとしての歴史的文脈

Clean air

Clean air

■PROCESS 水質改善を基にした植物園の計画

07|City Park

名古屋市ではヘドロの浚渫など水質改善の取り組み を行ってきた。しかし根本的な原因として、微生物 の生息しにくいコンクリート護岸、また直線的な横 断面が水生生物の生息環境を低下させていることが ある。微生物・水性生物にとって良好な環境とする ことで、堀川の水質改善を計る。

Competition

コンクリート護岸を剝がし掘り下げる

名古屋駅界隈を流れる堀川はかつて資材運送の都市インフラとして 開削され、生活の憩いの場としても市民に親しまれていた。産業革

堀川の減築により、既存のコンクリート護岸から蛇

命を皮切りに、都市インフラとしての役目を終えた堀川は街との関

しやすい環境となる。また、川幅を狭め流線型を描

係を失い、生活排水が流れ込み汚染され、現在では堀川に背を向け

生物の居場所が生まれる。

籠をベースとした護岸にすることで、微生物が生息 くように整備することで、流れに緩急が生まれ水生

るようにして街が形成されている。 樹木を植え屋根を架ける

03.堀川と街の関係の再編

植樹し、水際には水生植物を植えることで浄化作用の

本提案ではかつて都市インフラとして市民の生活を支えてきた堀川

GL にフラットな屋根を架けることで、地下の恒温恒

促進を計り、水生生物にとっても良好な環境となる。 湿性により空調管理が容易な空間となる。これらのプ

に再びフォーカスを当て、これからの名古屋の課題点であるヒート

ロセスを経て、堀川はビル排熱をエネルギー源として、 都市に浄化された空気を供給し続ける環境インフラと

アイランド現象の抑制を計る環境装置として、インフラのインフラ

して生まれ変わる。

によるリノベーションを行う。

05.都市環境へのアンチテーゼ コンクリートジャングルと化した都市に現れる熱帯の世界。周囲に ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019 46

対して異色な風景が生まれることにより、発展に伴い増加するビル、 またその排熱がもたらす都市への影響を視覚化し、環境に対して意 識するきっかけを生み出す。

interior heat

1:

断面 / 湿地から親水空間、畑など、横広がりに連続する空間では多様なアクティビティが展開される。

2:

鳥瞰 / 上空から本計画地を見る。コンクリートジャンググルと化した地上面に対し、GL-の空間には

3:

既存部分を掘り下げることで滝のような空間が生まれる。

4:

水辺を楽しむ、作物を耕す、運動をするなど、多様なアクティビティが展開される

ビル廃熱を活かした都市公園が展開されている。

jungle


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06.都市に広がる熱帯の世界 堀川を活かした親水空間

07.緑被率の向上が育む生物多様性 名古屋に個性を生み出す観光資源

都市部

都市部に広大なまとまった緑が生まれる

本提案植物園(堀川)

ことで、排熱を緩和し都市をクールダウ

水路 道路

ンするグリーンインフラとしての機能を

鉄道

果たすだけでなく、緑が分散化されたこ とによる生息地の減少、樹林地の荒廃に

Competition

公園・緑地など

07|City Park

より損失された生物多様性が復元され、 堀川がリノベーションされることで水際に魅力的空間が生まれる。あ る場所では熱源を利用し川の一部の水を引き温めることで、足湯や温 水のプールが設えられ、会社の昼休みや仕事終わり、休日には多くの

ここにしかない生態系のシステムが育く まれていく。

■断面詳細図

植物により浄化され た空気が大気に還元

人で賑わう。また 2027年の東京 - 名古屋間のリニア開通により、首 都に人・物・金が吸い取られるストロー現象が懸念されている。広大

ガラス t=100

な植物園という強力な個性を名古屋に確立することで、観光資源とし ても街を支えていく。

08.環境都市名古屋の新たな風景

地下空間の恒温性

apartment

building

とで、堀川だけでなく既存ビルやマンション・住宅、また新築の建物 においても植物園のシステムが一般化され派生する。街から断絶され ていた堀川が、名古屋に環境都市としての新しい風景を生み出すきっ かけとなり、再び街を支えていく。

年間 20℃ 以上維持

house

排熱利用のシステムによる植物園の風景が年月を経て日常化されるこ

設備室

水位の変動が異なる 表情を生み出す

蛇籠床

熱交換器

空調機排熱・太陽光によ る暖気がダクトから熱交

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

吹き付けコンクリート

換器に送られ調整される

47


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境界を解くレイヤー

既存市役所を演出する連続壁 Projects/設計課題 Program

:市民交流施設(リノベーション)

Location  :愛知県日進市 Year

:2018

Grade

:学部3年

Duration

:1ヶ月

Award

 :

08|City Hall Projects ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019 48

演出する仕掛けとしての建築 快適な環境をもつ住宅都市、また学園都市として今なお人口が 増え続ける愛知県日進市。本課題では市民交流施設の設計を行 い、既存の市役所本庁舎と連帯しながらまちと繋がる新たな場 所を提供することで、日進市の将来の社会情勢に対応するため の地域コミュニティーを生み出すことが求められた。この趣旨 に対し、市役所というある種堅さを持った空間を市民に開かれ た場として再定義するべく、交流施設としての建築の魅力を求 めるのではなく、既存市役所を魅力的に演出するひとつの仕掛 けとしての交流施設の在り方を目指した。


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08|City Hall Projects 1

敷地北側から全体を俯瞰して見る。各レイヤー毎に分けら た空間では多様なアクティビティが連続して展開されてい る。

2:

学園都市ともなるこの地域の特色に習い、いくつもの学習 空間を用意した。ここでは学校帰りに自習室として使われ たり、学生が子供に勉強を教えたりする風景が見られ、多 世代での交流が行われる。

3:

駐車スペー スを地下に設けることで、敷地南側は北側に

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

1:

比べ大きな抜けのある空間となる。ここではひとつの公園

2

3

として、市民と市民、職員と市民をつないでいく。

49


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01.更なる発展が見込まれる日進市に市民交流施設を計画

03.既存市役所を演出する仕掛け

快適な環境をもつ住宅都市、また学園都市として多くの大学や高校

市民にとって魅力的な空間をつくるため、コンパクトシティを実現

が点在する日進市。土地区画整理事業や民間デベロッパーによる宅

させる多種多様な機能を配置する。また、敷地全体に魅力を生み出

地開発等により急速に都市化が進み、国勢調査による人口増加率は

すため、北側を帯状の壁によりいくつものレイヤーに分断し、場所

全国の市の中で 2 位であり、今後も発展を遂げる場所であると言

性を与える。

える。ここに、市民交流施設としての役割を持つ建築を生み出すこ

地域資料図書 地元野菜がある市場

とが求められた。

ワークショップ

習い事

カフェ

公園

お茶会

小さな広場

栽培

スポーツ 緑のある散歩道

バー

丘のある広場

落ち着く路地空間 勉強場所

2 市役所全体を演出する仕組み

田園風景が広がる街並み

2 市役所全体を演出する仕組み

分けられらた空間に、役所機能の他に市民のためのプログラムを配

計画地である既存市役所

置する。役所という堅い機能が、その他の機能で緩衝されることで、 市役所全体の堅さが解け、市民にとって魅力的な空間が実現する。

02.日進市役所を魅力的な空間に演出するための市民交流施

混ざり合う機能

市民交流施設を計画するにあたり、最も重要となるのが市民の集客

ワークショップ

である。本課題で与えられた条件は、日進市役所という場所につく

カフェ

勉強場所

役所機能

られる「市役所内の交流施設」であり、ある種特有の「堅さ」を持っ

お茶会 役所機能

習い事

ているため、立地的条件として集客が得られにくいと考えた。そこで、

08|City Hall

市民も使える会議室

地域資料図書

いかに魅力的な交流施設をつくるかではなく、日進市役所という場 所そのものを、いかに魅力的な空間に演出することができるかとい

役所機能 役所機能

04.交流によって生まれる市民参加型の街づくり

う視点から市民交流施設を計画する。

市役所が魅力的な空間となり、市民が集うことで、市民と市民のみな

Projects

らず、市民と職員の交流が生まれる。それにより、街づくりの意識が 市民にとっても主体的なものとなり、市民参加型のよりよい街づくり が行われていく。

主体的な街づくり

公園

役所 役所機能

市民も使える会議室

計画施設 既存施設

市役所という堅さが市民を拒む

地域資料図書

市役所自体を魅力的にすることで集客を得る

市民 

習い事

ワークショップ 勉強場所

市民の声を聞く

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

h=3400 CH FL+2550 協働室

3700

路地

2000

受付通り

5200

4000

土木管理課

5200 35500

50

カフェ・バー

5200

協働室

路地

5200

5000


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08|City Hall

Projects

4 庁舎機能の通りに挟まれた路地空間が窓口となる。ふらっと立ち寄ることができるため、市民との意見交換が活発に行われることで、市民の声が反映された街づくりが実現する。

CH 3700

CH 3700

地下駐車場 90 台

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

散歩道・広場

51


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2 アプローチ

アプローチ A

GL

33

GL+2m

9 7 4

16 13

散歩道

34

GL+3m

36

A

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

GL±0

25 24 22

23

8 6

29 28

Projects

35

アプローチ

17 3

15

14

21

08|City Hall

52

■配置図兼平面図 S=1:600

1

5

31

32


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1 来客用駐車場 2 駐輪場 3 開架書庫 4 区画整課 5 協働室 6  WC 7 土木管理課 8 カフェ兼バー 9 下水課 10 庶務課  11 ミニバスケコート 12 ドッジボールコート 13 バス専用ロータリー 14 バスストップ 15 道路建設課 16 建築課 17 窓口 18 都市計画課 11

19 協働室

12

20 交流広場 21 公園の通り 22 協働室 23 小さな広場

10

24 大会議室 25 小会議室

20

26 協働室 19

27 倉庫

08|City Hall

18

28 市場エリア アプローチ

29 市場エリア 30 駐輪場 2 31 カフェ兼バー 32 既存本庁舎

26

27

Projects

33 寝転びたくなる丘

30

34 登りたくなる丘 35 プロジェクター投影壁 36 地下駐車場へ 37 地下駐車場から地上へ

37

L+1m

N

N

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

アプローチ

53


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01|Archive

PRESENTATION

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

54


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ARCHIVE 01

01|Archive PRESENTATION

PRESENTATION

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

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01|Archive PRESENTATION

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■生産緑地の解除スキーム

総面積 13,000ha

防災空間の確保

身近な農業体験の場

30 年 間 の 営 農 を 義 務 づ け ら れ る

1 9 9 2 年 生 産 緑 地 法 改 正

営 農 の 継 続 ・ 中 止 を 選 択 す る

2 0 2 2 年

生産緑地農家と農のニーズを結びつける第三の選択肢を現実的かつ合理的に構 ることで、活用可能な制度を以下の 2 項目抽出した。

高齢化が進む現代社

指  定 か ら 3 0 年 経 過

よ り 営 農 継 続 が 困 難

高 会において農業従業 齢 者の高齢化・跡継ぎ 化 不足は深刻化してお ・ 後 り、2022 年におけ 継 る営農継続、若しく 不 足 は宅地化の選択肢は に 「宅地化」の 1 択と 化している

制 度 と し て 可 能 に な っ て い る

自 治 体 へ の 生 産 緑 地 の 買 取 申 請 が

ケ し | か ス し が 財 買 政 取 面 不 の 可 問 と 題 な に っ よ て り い 多 る く の

鮮度の高い農産物

緑地空間の提供

他 の 農 家 へ の 買 取 斡 旋 を 行 う

生 産 緑 地 の 指 定 解 除 が 成 さ れ る

マ ン シ ョ ン 業 宅 者 地 に 化 よ り 開 発 さ れ る

が 他 つ の か 農 な 家 い の た 高 め、齢 こ 化 こ も で 進 よ み う 買 や い く 手

良 質 な 土 地 と し て デ ィ ベ ロ ッ パ | や

宅 地 化 さ れ る こ と で 市 街 化 区 域 内 の

営農中止による宅地化への流れ ■都市農家の現状 ■都市農業における 60 歳以上の営農者

3000 3000 3000

3000 (ha)

農業への理解の促進

64.1%

国土・環境の保全

■1 戸あたりの年間農業所得

■後継者がいない農家

34.6%

25% 不動産収入 65%

生産緑地とは、都市部において公害または災害の防止、農林漁業と調和した都市環境の保全などに役立つ農地を計画的に保全するために行政から指 定を受けた農地のことを指す。過密化する都市において生産緑地は多面的な役割を担う希少な存在であり、東京・名古屋・大阪を中心に総面積 1 万 ha 超、東京ドームにして 2500 個を優に超える生産緑地が全国に分布している。1974 年に制定された「生産緑地法」のそもそもの目的と現在の位置 付けは都市環境の保全として合致しているが、1992 年に改正され今なお続く生産緑地の制度においては、都市圏の住宅不足を解消するため、市街地農 地の宅地化を促すために課税や 30 年間の営農義務により都市農家に負荷をかけるような仕組みとなっており、その仕組みが次に述べる 2022 年問題 を引き起こし、都市に残された土着的資本としての生産緑地を従来の供給方式にのっとった核家族のためのプロトタイプ的住戸へと変換していく。



生産緑地法が 1992 年に制定され、指定されて 30 年後の 2022 年には、生産緑地の営農継続か解除による宅地化の二択が迫られる。 営 農が可能な場合は引き続き「特定生産緑地」として 10 年単位で再指定することができるが、農業従業者の深刻な高齢化や、それに伴う

■従来型の供給システムによって量産型住戸へと変換される

1992 年 生産緑地の指定は 30 年以上営農継続の意志のある場合に限ら

1990 年代の国家的な住宅不足により行政が農地の宅地化を促 並みに引き上げようとした際に、その反発に対する調整として

生産緑地地区の指定  ○良好な生活環境の確保に相当の効果があり、公共施設等の敷地  ○500m2 以上の面積  ○農林業の継続が可能な条件を備えているもの

生産緑地の管理  ○生産緑地について使用又は収益をする権利を有する者は、当該 行為の制限  以下の行為については、市町村長の許可が必要  ○建築物その他の工作物の新築、改築または増築  ○宅地の造成、土石の採取その他の土地の形質の変更  ○水面の埋立てまたは干拓

土地の買取りの申出  ○農林漁業の主たる従事者が死亡等の理由により従事することが  ○生産緑地として告示された日から30年が経過した場合

2017 年6月 一部改正

 ○要件面積を 500m2 から 300m2 へ引き下げ  ○生産緑地地区内で、直売所や加工場・農家レストラン等の設置  ○生産緑地解除のための買取り申出の延期制度を新設

特例 500m² 以下にならない範囲で、全体の20%以内なら解除で

■新規就農者数 500 ㎡以上の耕作義務

平成 18 年 2180 人(39 歳以下 700 人)

抽出した既存制度

①2017年6月改正:生産緑地地区内で、直売所や加工場、 農家

②特例:500㎡以下にならない範囲で、 全体の20%以内なら生

生産緑地農家

1 農家が 500 ㎡以上の広大な農地を耕す現状の制度

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019 56

都市における良好な生活環境の保全や都市災害の防止や、将来の公 市街化地域内の農地を対象に指定される地区。この地区指定により 固定資産税の軽減や相続税の納税の猶予といった税制優遇が受けら

後継者がいないため、もともと農業所得の少ない生産緑地農家にとってはその選択肢はもはや宅地化の 1 択となりつつあり、その際に も生産緑地に指定されることで猶予されていた相続税を利子付きで支払わなけらばいけないなど、都市農家に様々な負荷が生じる。

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1974 年 生産緑地法施行

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多面的役割・希少価値を持つ生産緑地

生産することで利潤を得る開発業者

6 次産業化による事業体系の自立

生産緑地農家

新規就農者 生産緑地農家

六次産業化

平成 28 年 3440 人(39 歳以下 1,620 人)

労働力の確保

コミュニティハブ

多様な年齢層の就農者が増加

生産緑地農家と農のニーズ結びつける第三の選択肢

農のニーズ向上が見て取れる

農のニーズ

過剰供給による空室の増加 生産緑地を巡る制度において、そもそも営農の継続か宅地化の二択しか選択の余地が無いことに疑問を抱く。高齢化社会を迎え、全国

そもそも生産緑地とは、都市圏の住宅供給を促すために市街地農家に対して宅地並み課税とした地域にあり、 その課税を逃れる代わりに 30 年間の営農を

の平均世帯数が減少する現代社会において、1 農家が広大な 1 区画を耕すシステムには最早限界がきている。また 全国的に見ると新規就

義務付けられた場所である。 つまり、この生産緑地の指定を受けている農地は潜在的に宅地としての価値が認めれている地域であり、規定として 500 ㎡

農者数は年々増加しており、潜在的な農のニーズは高いことが見てとれる。これらの農のニーズと都市農家を結ぶ第三の選択肢を構築す

以上の広さが担保されているため、 開発業者にとってはビジネス展開のしやすい良質な宅地と見なされる。2022 年にはこれらが一挙にして放出されるた

ることができれば 、都市において多面的役割を担う農地を守り、 従来のように目先の利益を追求したプロトタイプが蔓延る市街地の風景

め、業者の利潤を求めた住戸の過剰供給、それに伴う既存の住環境の悪化など、多面的な影響が懸念されている。

を変えることができるのではないか。

Projects   卒業設計 Program

集合住宅

Location   東京都世田谷区 Duration

1年

本提案では、生産緑地法の変遷から抽出した二つの既存制度を活用することで

を提案する。これにより、農への潜在的なニーズが生産緑地農家へと結びつき

賃貸収入による安定した収入を得ながらも農家レストラン等を設け六次産業化

うして、 都市農家の抱える根本的な問題を生産緑地に住むことで解消し、 宅地化

より土着的要素が失われることを防ぎながらも、住居地域に生産緑地を活かし


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01|Archive

構築するため、生産緑地法の変遷から既存制度を精査す

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 ࣄ‫ۀ‬εΩʔϜcपลੜ࢈྘஍ͷू໿‫ܭͯ͠ͱ఺ڌ‬ը 野菜の出荷(利益の増大)

■SITE ¦ 世田谷区赤堤

■世田谷における生産緑地の分布図

生産緑地拠点 [45]

営農者年齢内訳 総数 724 人

62%

公共施設整備に対する土地の確保を目的として, り,農地所有者は営農義務が生じるが, られる。

地に供する用地として適しているもの

農業ニーズをもつ住民(労働力)

労働力の確保 6 次産業化に 高齢夫婦

47%

10-30a

単身高齢者

シングル ペアレント

単身者

よる利益の確保

三人家族

集合知によるマーケティング、6 次産業化

10min

経営規模農家戸数 総数 135 人

88ha

抑え資金運用する

計 6,521 ㎡

60 代以上

後継者年齢内訳 総数 135 人 50 代以上

られ,それ以外は宅地並み課税となった。

促すため、都市農地の課税を強引に宅地 て生まれたのが生産緑地法である。

相続税・固定資産税の支出を

38

42

43

757

生産緑地農家

生産緑地農家

生産緑地農家

生産緑地農家

分散された生産緑地

分散された生産緑地

分散された生産緑地

分散された生産緑地

計画地

204 戸

45 計画地

■戦前から継承される住居地域における希少な土着的要素

42

43

38

PRESENTATION

༻ՄೳͳཁૉΛநग़

757

該生産緑地を農地等として管理する義務を負う。

敷地体型

ができなくなった場合 1945

1960

1975

1990

現在

本提案は全国の生産緑地に応用可能な普遍的モデルを示すものであるが、ケーススタディにおいては東京都世田谷区を対象とする。世田谷区は区内 2 番目の約 88ha もの生産緑地を有し、高密に広がる住宅地の中に数多く点在している。区内においての宅地ニーズは高く、また農業従事者の 6 割が高齢者にあたり、そのうち後継者

置が可能になった

は 2 割もおらず、後継者そのものが高齢化していることから、生産緑地の多くが宅地化される可能性が他地域に比べ特に高いと言える。また、区内一位の生産緑地数 を誇る練馬区や県外の密集地域と比べ兼業農家が多く、行政としても生産緑地の保全の取り組みに対し具体的な策を講じていないことも選定理由のひとつである。以 上のことから、世田谷区の生産緑地を対象とし、住みながら耕し暮らす賃貸住宅の事業スキームを構築する。

できる。



生産緑地の解除 (宅地化) が可能。

独立型 敷地面積

2,646 ㎡

2,000 ㎡

696 ㎡

570 ㎡

用途地域

用途地域

用途地域

609 ㎡

用途地域

用途地域

第 1 種低層住居地域

第 1 種低層住居地域

第 1 種低層住居地域

第 1 種低層住居地域

第 1 種低層住居地域

本提案においては対象とする生産緑地を中心として、周囲に密集する他の農地の集約施設として設計を行う。対象とする敷地の周囲には徒歩10分圏内 に数にして 5 箇所、計 6,521 ㎡の生産緑地が点在している。いずれの生産緑地も小∼中規模ながらまとまった区画を有しており、対象生産緑地と同様に 宅地化の影響を受ける可能性が極めて高いと考えられる。これらの生産緑地を所有する農家が協同し、一つの集約拠点のために出資を行う。その資金に おいては生産緑地を維持することで固定資産税や相続税による増大な支出が抑えられるため、その差額から捻出される他、直売所や加工場、農レストラ

生産緑地農家 [ 大家 ]

耕すことで食費の提供・家賃の減額措置を受ける

¥

農のノウハウを経験と共に毎日学べる

・農地を耕す

¥

集まって住むことで耕す+αの稼ぎ

・共有部の管理

・賃貸契約の管理

耕し利潤を得る

生産緑地が維持されることで、固定資産税・相続税の猶予が維持される

¥

農への意識が高い住民が集まり、6 次産業化することで事業規模が広がる

¥

直売の強化により充分な集客が見込めるため、脱 JA をはかり収益が向上する

¥

提携を結ぶ農村に人材を紹介することで、技術のレクチャーや仲介料を貰える

生産緑地農家 食費・家賃の減額

¥

住戸

既存制度の活用により 20% を宅地化し、賃貸住宅を建設

化することにより収益性を向上させることができる。こ

化され目先の利益を追求した住戸プロトタイプの量産に

した小さな六次産業圏として土着的住文化を生み出す。

集まって住むことで、耕す+αの稼ぎ

世田谷区の特徴を考慮した多世代な居住者

労働力の確保

後継問題解消 農地

契約した耕作範囲・役職によって変わる対価 60m²

住戸+農地を賃貸

高齢夫婦

単身高齢者

家賃減額なし・夕食支給

単身者

シングル ペアレント

三人家族

単身高齢者 高齢者夫婦 ケアハウスと通常の賃貸住宅との差額

ライフスタイルに合わせた耕作

ノウハウ・6 次産業展開の手法を学ぶ

シングルペアレント

三人家族

託児所が不要となり労働時間を確保

地域のコミュニティハブ

60m²-α 家賃減額なし・月極め支給 斡旋の提携

生産緑地農家は居住者に [ 住戸 + 農地 ] を賃貸し、労働力の確保により生産緑地の維持と 6 次産業化を図る。 これにより、生産緑地農家は税制上の支出を大幅に抑え、かつ 6 次産業展開により収益性が拡大し、利潤を 居住者の耕作に対する対価として食費・家賃減額という形で還元することができる。

60m²+α

家賃減額・夕食支給

仲介料

がっつり

朝・夜だけ

出勤前・後

お迎えまで

土日に

晴耕雨読の暮らしへの挑戦が地方創生に

日常的に賑わい、 地域も巻き込む

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

住戸+農地の耕作義務をもつ賃貸契約

労働力の確保

で、生産緑地に住みながら耕す賃貸住宅のプロトタイプ

き後継者不足を解消し、生産緑地農家の稼げない問題を

20% のみに建設することで、イニシャルコストは抑えられる

¥

総勢 31 名

で収益性の大幅な拡大 コミュニティハブ

敷地体型

独立型 敷地面積

¥

¥

6次産業化すること

賃貸収入

敷地体型

独立型 敷地面積

ンを設け 6 次産業化することで事業体系が自立し、農協等の価格適正化の縛りから解放されるため、農業収入の大幅な増加が見込まれる。

¥

生産緑地の維持により 相続税や固定資産税等 の支出を防ぐ

ߞ͢௞ିॅ୐ʯΛఏҊ 宅地 20% 以内の賃貸住宅を建てる

敷地体型

独立型 敷地面積

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■住戸+農地の耕作義務を持つ賃貸契約

家レストラン等の設置が可能。

敷地体型

独立型 敷地面積

57


AICHI INSTITUTE OF TECHNOLOGY GRADUATE SCHOOL

積層す

−版築工法を用いたセル

                                    2027 年・2037 年のリニア開通により、三大都市が結ばれることで都市形態の過密

                         都市開発による住環境の悪化は都市の空洞化を促進し、生産年齢人口の移転に伴う児童数の激減により、こ

本提案では、建設プロセスからフォーカスを当て、都市化の元凶とも言えるリニア開削に伴う残土を建材として捉え、土を用いた版築工法により、地域住民による

01|Archive

01. 敷地 ¦ リニア開通に向け過渡期を迎える名古屋駅界隈 更なる発展へ向かう名古屋

都市開発により更新される街並み

02. 都市開発による小学校への影響

05.

都市の空洞化による児童数の減少

地産地消される残土

最も影響を受ける計画地

残土の建材としての可能性

PRESENTATION

開削エリア

SITE

住宅地が広がる西側エリア

2027 年・2037 年のリニア開通により都市

形態の過密化が進む名古屋駅界隈。中でも本 敷地が位置する駅西側エリアは現状高度利用 されておらず、今後重点的な都市開発が計画 されている。

住宅地エリア

開発に伴い住宅地は侵食され、慣れ親しんだ 街並みにははビル・ビジネスホテルが立ち現 れる。下町情緒を持つ街並みは更新され、地 域住民の原風景や居場所が失われていく。

03. 問われる小学校の在り方

SITE

少子高齢化が進む今日でありながら、都市開発 による住宅地の侵攻、住環境の悪化などにより 生産年齢人口が郊外へ移転するため、児童数の 減少は全体の人口以上に急激なものとなり、小

名古屋駅界隈の小学校の中でも、最も駅寄りに位

置する本計画地では、都市開発の影響を強く受け、 近い将来には児童数の激減により廃校をよぎなく される可能性が高い。

学校の統廃合が必要となる。

04. 街の文脈を継承する小学校

都市開発の象徴としての残土

( 色は土質の違いを示す)

リニア開削現場は本敷地のほど近くを横切って おり、残土を建材とするならば、その資源の豊 富さが見て取れる。地産地消ともいえる残土利 用をすることで、建材費の削減、また建材運送 による CO2 削減を計ることができる。

残土の建材としての多様さ みんなでつくる小学校

また日本に分布する土質は多種多様であり、

高温

特徴を捉えることで、建材として用途に適

果が

その地域ごとに様々な特徴がある。土質の した利用をすることができる。

腐葉土

中庭や裏庭などの外構計画に用いる。

珪藻土

環境配慮に基づく埋立抑制の働き

新たな街の居場所、原風景として

近い将来に廃校が予想されるならば、ここにあるべき

リニア開発工事に伴い排出される残土の総量は 5,680 万 m3 (東京ドーム

えるこの地において求められものは、地域住民の居場

していない。この行き場のない残土は、名古屋駅界隈において都市開発の象

小学校の姿を問い直す必要がある。街並みの更新を迎

45 杯分)とされており、港湾埋立抑制の動きもみられ、未だ処分先が確定

所や原風景なるものを生み出し、街の文脈を継承する

徴としての文脈を持つ。

建築であると考える。

湿度が高い時は水分を吸い、乾燥しているときは

水分を吐きだす調湿効果がある。水回りに用いる。

本提案では、都市開発の象徴と言える残土を建材として利用 し、地域住民との協働によって小学校を作りあげることで、 失われた街の文脈を受けつぎ、その役目を終えた後も原風景 として継承されゆく建築物を生み出す。

きは

また

なり

排出される残土には多種多様な種類があり、小学校の

長い月日をかけて自然が作り出す天然の肥料。

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019 58

多様な土質

多孔質土

調湿効果、

音楽室など

活性汚泥

水を微生物

がある。雨

脱臭菌土

多孔性粘

それが土壌微生物により分解される。都市の汚染された

生じる気化

臭気成分が土壌の表面に吸着して土壌中に移行し、 大気を浄化する。幅広い用途で利用。

素焼きを行

水道インフ

屋根の架かる

図書室 / 調湿効果に優れた版築壁が、本にとって、また子供たちにとって快適な空間を生み出す。版築壁に落ちる光が空間を照らす。

Projects   学部3年設計課題 Program

小学校

Location   愛知県名古屋市中区 Duration

3ヶ月

中庭 / 大地から伸びる版築壁が内外との連続性を生み出し、外部空間でのアクティビティを誘発する

版築壁の施工 /


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する記憶

ルフビルドによる小学校の提案−

密化が進む名古屋駅界隈。過渡期にあると言えるこの場所に、小学校を設計する課題である。

この地域では小学校の必要性は失われる。そのため、廃校後の建築としてのあり方を考え設計を行うことが重要となる。

るセルフビルドで小学校をつくりあげることで、この街の象徴となり、廃校後も原風景として、街の在りどころとして継承されゆく場所をつくることができるのではないかと考えた。

01|Archive

06. プリミティブで簡易的な工法でつくる

■版築壁断面詳細図

土を突く、固める等の簡易的な工法により、有識者がサポートすることで、小さい子供からお年寄りまで誰もが建設に携わることができる。

日本の気候に適した建材

共同による作業がこの建築にストーリーを生み出し、地域住民にとってかけがえのない場所となってゆく。

乾燥時

水分

水分

温多湿な日本の気候に対し、土は湿度が高いと

は水分を吸い、乾燥時は水分を放出する調湿効

があり、快適な住環境を生み出すことができる。

た建材として用いる場合、大きな壁厚が必要と

り、それによって優れた断熱性能を持つ。

の計画に促した残土利用を行う

、多孔質な表面により遮音効果がある。

■伝統的な版築工法でつくる躯体

■素焼きでつくる水道管やレンガ

■簡単につくれる版築床

屋根 粘性土を用いたレンガ t=10mm 断熱シート t=4mm

天井 : 合板張り t=9mm 木製梁 50 200mm(二重)

型枠を組み、そこに土を 20cm∼30cm 入

砂利とフェルトの防湿層によってできた下地床

校内を張り巡る水道インフラの菅や屋根仕上げ

ことを繰り返すことで、躯体となる壁が生

き固める。

は気化熱による打ち水効果、冬季には蓄熱効果

れ、半分に締め固まるまで強く突き固める

に木の角材を格子状に起き、そこに土を入れ突

まれる。

07.

受け継がれるストーリー

児童数の減少により小学校としての役目を終えたこの建築には、本敷 地の所在地である中村区の区役所としての機能を挿入する。小学校と

区役所では必要諸室や平面構成に類似性があり、適切であると考える。

08.

を多孔性質土の素焼きでつくることで、夏季に

木製サッシ 

t=50mm ガラス : ペアガラス t=12mm

により暖気を生み出す等パッシブな効果を得る。

既存区役所

無収縮モルタル充填

れぞれ3:1 とすると、およそ 800 ㎥である。

版築壁 t=750

化冷却と日中の熱を蓄える蓄熱作用がある。

フラや屋根仕上げのレンガなどに用いる。

版築床

木製格子 50×50 ※鉄製支柱に寒切竹を被せる形とし、    砂利層 t=25mm  そこに無収縮モルタルを充填する フェルト ( 防湿層 ) t=2mm

1FL

雨水の貯水槽などに用いる。

行うことで、外部に染み出す水が蒸発して

支柱:鉄製パイプ 75 50 4mm 寒切竹 t=100

小学校

物の集合体により分解し、浄化する作用

粘土

配筋として土との親和性を考慮し竹を用いる 無収縮モルタル充填により基礎との定着を図る 寒切竹 縦横共@300 元口φ=60mm シュロ縄巻付および緊結

残土利用のプロトタイプとして

本提案での小学校建設に用いられる残土量は、残土と消石灰の調合比率をそ

ど防音性能が必要な空間に用いる。

泥土

支柱:鉄製パイプ 75 50 4mm

老朽化した既存区役所

GL

徒歩 10 分の距離で駅も近くなる

また既存区役所は老朽化したビルの一角にあり、小学校の廃校を迎え 総排出量である 5,680 万㎥には遠く及ばない数字であるが、この提案が残土 る時期には建て替えの必要性があり、位置関係としても良好である。 利用のプロトタイプとして開削エリアに派生していくことで、環境に配慮し

捨てコンクリート t=50

区役所となることで公共性が保たれ、維持されていくことで、街の象 た豊富な資源として、住宅やその他施設に応用され、土建築の可能性が広が 徴、原風景としてのストーリーが継承されてゆく。 ってゆくとともに残土処理問題の緩和に貢献する。

捨てコンクリート t=50 スタイロフォーム AT t=100 ポリエチレンフィルム t=0.2mm

■版築工法の実験 本提案では、残土とにがりとしての消石灰をそれぞれ 3 : 1 の調合比率で用いることを提案する。この実験では市販の鹿沼土・真砂土・ 赤土を用い、消石灰の代わりにセメントをそれぞれ 6 : 1 の調合比率で混ぜ合わせ版築工法の実験を行った。力作業ではあるが、突いて

固めるだけという単純作業のため、誰もが建設に携わることができるという工法に魅力を感じた。地域住民共同のプロジェクトとして施

工を行うことで、一人一人がこの建築にストーリーを持つことができ、街の象徴として、原風景として愛されていくのではないかと思う。

左から順に鹿沼土・真砂・赤土

木製建具で仕切られた教室。各教室にワークスペースと中庭、前庭が付属する

突き固められた土①

躯体のための型枠

突き固められた土②

突き固めの様子

脱型後 : 版築層が出ている

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

る半屋外 / 土と木と光の空間が子供達を包み込む

/ 子供からお年寄りまでたくさんの地域住民が集う

PRESENTATION

高湿時

59


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01|Archive

PRESENTATION

Program

仮設住宅

Duration

1ヶ月

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

最優秀賞

 

Award

60

Competition 日本建築学会設計競技技術部門


AICHI INSTITUTE OF TECHNOLOGY GRADUATE SCHOOL

デ コ

プレイス

被災地における「震災瓦礫」を用いた公共空間の提案

Plan S=1/100

セル状に構成された空間は利用者のニーズによって生み出され、多様なアクティビティを内包する 内外が曖昧に交わる空間

入り組んだ中央部に設けられた

蛇籠を多様な高さ・密度で組み立てることで

GL±0 の外部空間。分散された

一つのランドスケープを生み出し、それらと

屋根から差し込む光が木々を照

緩やかに交わる配置とすることで内外の領域

らし木漏れ日を映し出す。

掘りごたつで団欒

が曖昧な心地よい空間を生み出す

のひと時を過ごす

たたき土間 GL+100

ゆるやかに仕切ら れた半屋外空間

小さな山のような空間は遊具 となり子供達の溜まり場となる

GL±0 ミニキッチン

たたき土間 GL+100

夏の日中、冷たく気持ちの 良い蛇籠床の上で寝そべる

たたき土間

天井高さが 1,000mm の空間

GL+100

は子供達の秘密基地となる

調理や焚き火を行える

。冬期には輻射

熱によって周囲の空間を温め、排熱パイ プによって他の蛇籠にも蓄熱させる 什器として用いられる空の蛇籠は 空間に抜けとメリハリを与える

屋内空間

ミニキッチンを中心とした小さな広場

蓄熱・蓄冷に優れた蛇籠壁に

たたき土間の小さな広場に対し対面式のミニキ

囲われた夏は涼しく冬は暖か

ッチンを設けることで、周囲の蛇籠は立体的な

い快適な空間。

ベンチとなり盛り場のようなシーンが生まれる

Process

2. 平成 13 年 芸予地震

10

3. 平成 15 年 十勝沖地震

3 Work Shop

震災瓦礫の「建材化」とそのポテンシャル

震災瓦礫と被災地における公共空間に着目

1. 平成 12 年 鳥取県西部地震

隠れんぼがしたい 収集した震災瓦礫を破砕し、サイズを均一化する

収集

3

破砕・塗装

4. 平成 16 年 新潟県中越地震 5. 平成 19 年 新潟県中越沖地震

7

6. 平成 19 年 能登半島地震

6

掘りごたつで くつろぎたい

4

模型を用いたワークショップ 500

建材化フロー

9. 平成 28 年 熊本地震 10. 平成 30 年 北海道胆振東部地震

蛇籠に充填

建材となった瓦礫蛇籠を建築の構成要素とする (例)七ヶ浜みんなの家

バス停への転用

建材として約 43 万tを消費

M

S 遊具への転用

250 規格化された二種類の蛇籠

瓦礫を蛇籠に充填することで強度を持った建材とする

被災地における公共空間

近年日本では大規模な地震が多発し、家屋の倒壊などの二次災害によって仮設住居での暮らしを余儀無くさ れる人々、また震災に伴う震災瓦礫の排出による環境問題への対応が急務となっている。本提案では震災瓦

震災で発生したコンクリート瓦礫を収集・破砕・塗装し、通常土木構造物に用いられる「蛇籠」に充填することでブロック状の 「建材」を生み出し、それらをセル状に構成することで積み木のように形づくられる建築を提案する。コンクリート瓦礫が充填

礫を「蛇籠」を用いることで建材化し、仮設住居入居者の在りどころとなるような公共空間を生み出すことで、

された蛇籠は強度を有しながらも、表面積が通常建材の何十倍にも相当し、高い蓄熱・蓄冷効果があるため夏季は直射日光を遮

被災者の日常生活の質を高めながらも、震災瓦礫の有効利用により環境問題の緩和を図る。

り周囲との温度差により冷ややかな質感を与え、冬期は輻射熱により暖かい居場所を生み出すなど、パッシブな性能を有する。

Process

約 300 万t

すことで震災の痕跡を中和する

セル状に構成

8. 平成 23 年 東北地方太平洋沖地震

コンクリート

約 300 万tの震災瓦礫

本提案の建築構成は規格化された二種類のサイズの蛇籠を組み合わせてつくる極めて単純かつ明快な計画としているため、仮

本提案におけるコンクリート瓦礫使用量は瓦礫間の空

設住居入居者にも分かりやすく、設計プロセスに模型を用いたワークショップを加えることで被災者のニーズに答えた居場所

本大震災では仮設住宅 50 戸(みなし仮設も含む)に対してこのような公共建築が設計されていることから、

においては提供期間が長期化するということも考慮し、ロングスパンでの使用が可能となるよう計画している。解体時には姿形をそ

を積み木のような感覚で設計することができ、同時にそれらの行為が非日常なレクリエーションの機会を生み出す。よって本

それらの代替えとして本提案を当てはめ概算するとおよそ 293,000t の震災瓦礫削減に貢献することがで

のままに被災地のモニュメントやフォリーとして転用したり、セル状の構成や屋根を細分化する事で部分的な解体が可能という特性

提案で示すプランはその一例であり、私達が同様の手法を用いることで生みだされたものである。

き、それは東日本大震災における総排出量の約 10% を削減しているということである。

率を考慮し概算するとおよそ 122t である。東日

本提案の解体期間は政府が定める災害時における仮設住居の提供期間である 2 年を基準としているが、東日本大震災等の大規模災害

を活かし、地域のバス停や遊具・護岸整備への転用を行うなど、多様な用途に柔軟にリユースすることができる。

Structure

震災ガレキの建材化からリユースまでの一連の流れを示す

1 屋根

PRESENTATION

7. 平成 20 年 岩手・宮城内陸地震

Rubble

2,272 万 t

金属

500

500

破砕された瓦礫は白塗装を施

L

そのまま転用

可燃物 震災瓦礫

小さなお山が欲しい 遊具みたいに使いたい

不燃物

秘密基地が欲しい

屋内空間が欲しい

「セル単位」での解体により多様な用途・スケールでリユースを行う

約 30 万t

その他

セル単位の構成によって

1 2

木陰のような場所が欲しい

プロトタイプ化することで大幅の震災瓦礫削減に貢献

囲われた落ち着け る空間が欲しい

場所が欲しい

2 8

54

自由な造形が可能となる

9

家族で遊べる

5 Reuse

4 Analysis

セル単位の簡易な構成が可能にする住民参加型の設計手法

01|Archive

2 Material

1 Back Ground

屋根:ガルバリウム鋼板

2 垂木 垂木 25×100mm

3 建具 建具: 木製サッシ     ペアガラス

4柱 柱: 鋼材 中心径 80φ

5 柱脚 柱脚パイプ 100 角中心径 80φ

蛇籠: 500×500×500mm 250×500×500mm 接合 メッキ鉄線結合コイル

Section

■断面詳細図 S=1/30

S=1/50

蛇籠をセル単位で積み上げていく構成

屋根を分節することによって空間に多様な質を与えな

にすることで、多様なアクティビティ

がらも、夏季は直射日光を遮り快適な環境を生み出す。

を誘発する凹凸の空間が生まれる。

上蓋:亜鉛アルミ合金先めっき溶接金網φ5×500×500

柱脚と柱の連結

蛇籠を積むことによってレベル

蛇籠と柱脚を連結させたものに鋼 材の柱を差し込む。蛇籠に充填し た瓦礫は密度が高く、耐久力があ るため建材として成り立ち、柱と 相互に関係しあうことで構造とし て成り立つ。

差ができる空間は、椅子や掘り ごたつになるなど、時に家具ス ケールに変化する。

分散配置した屋内空間がそれぞれの 外部空間と関係し合うことで、部分 的な集合としての全体性を生み出す

側面網:亜鉛アルミ合金先めっき溶接金網 5φ×500×500

柱脚パイプ:100 角中心径 80φ       基礎と接合済み

建築となる。

連結コイル:亜鉛アルミ合金先めっき鉄線 5φ

震災瓦礫:塗装済み 建物から伸びた庇をくぐるようにして内部の床まで光を届ける。 内部の床や壁は温めためられることで、寒い冬でも暖かい室内環境を保つ。

薪ストーブから発生する温熱をパイプを通じて 建築全体に巡らせ、蛇籠を砕石蓄熱層とする。 砕石はコンクリートの何十倍もの表面積を有す るため蓄熱効果が高く、冬でも安定した環境を つくり出す。

450 78.4 度

蛇籠壁は通気性が高く蓄熱性も高いことから 季節に応じた室内環境を形成することができる。

にまで入り込む空間は、人々を緩やか に内部空間へと導く。

熱循環システム

夏至

3,280

2,520

3,300

春分・秋分

冬至 55 度

31.6 度

100 50 100

床レベルを複雑に操作して地面が建物

FL

GL

700

150

700

GL

250

3,260

柱:鋼材 80φ

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

6 蛇籠

150 100 150 400 南

61


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UD O L C

TR EE

自由気ままに姿形を変えながら、大地を旅した雲は建築となり人々に空間と潤いを与える

PROGRAM

1

を変えながら様々な場を旅している。私達はこの曇に「旅の建築」としての可能性を見出し、雲建築を生み出すことに挑戦 する。

2

雲は空気が上昇気流により上空に打ち上げられ、温度が低下し、飽 和水蒸気量を超えることによって発生する水蒸気が空気中の塵と結 合することで生まれる。

3

旅する雲を建築化するため、シャボン膜を用いて雲を一定量内包し、二つの気候レイヤによって位置を 留めることでアンダールーフの空間を生み出す。風によって雲屋根が移動することで物理的な「旅する 建築」となり、終尾にはシャボン膜が割れ雲はまた空気中を旅してゆく。

4

本提案は集団でつくり上げることで生まれる体験型の建築である。設 置場所を人が集まる公園や広場とすることで更なるアクティビティを 誘発し、公共空間の既存価値を高める。

雲移動

休む

触れる

割る

作る

シャボン膜

WIND IS BLOW

ポンプアップ

熱く乾いた空気

雲発生

気圧・気温 ( 高 )

RAIN

水蒸気

雲排出 暖かく乾いた空気

冷却装置

冷たく乾いた空気

パイプ

シャボン膜

雲移動 シャボン液

ちり

冷却装置

シャボン玉装置 地面

水蒸気

塵を核として結合

可視化

3層のレイヤー

PRESENTATION

GROUNDWATER

熱く乾いた空気 暖かく乾いた空気 冷たく乾いた空気

雲は気候・場所によって移動し、雨・地下水・水

地上に存在する塵や水蒸気は、気候の変化により結合する。すると、水蒸気は

下部に冷却装置を設置し、冷たく乾いた空気をつくり、熱く乾いた空

蒸気などに変化しながら、循環する旅をしている。

水の粒すなわち、雲粒となり可視化され、太陽光を散乱することで白く見える。

気に挟むことで、比重差で雲とシャボン膜を浮かせる。

集団でつくる体験型の建築

水の粒

雲を建築化する

TRIP

気圧・気温 ( 低 )

雲の現象

UPDRFT

5

空気を加圧することで発生させた雲建築は冷たい空気を内包している。ヒート アイランド現象の深刻化が叫ばれる都市部において、設置場所を高温域が出現 する可能性の高い個所に設定した場合、アクティビティを生み出すのみならず、 都市を冷やす冷却装置・避暑地のシンボルとして街に貢献する建築となる。

都市熱を緩和する避暑地として

雲発生

雲は﹁旅﹂をしている

01|Archive ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019 62

雲は「旅」をしている。雲は発生するのも消えるのも突発的であり、自由気ままに行く先もあてもなく、気候によって姿形

冷気

割れる

雲分散

人が気候を創る ポンプアップによる人の力で圧力差を生 じさせ、気温・気圧を下げ、雲を発生さ せる為の気候をつくる。又、ポンプアッ プにより、つくられる風は、雲の移動・ シャボン膜を張る為のプロペラ駆動・冷 却装置の排出にも使われる。

ビル熱

ビル熱

空地だった都市公園に彩りを与える

熱 熱

水 水

水 熱

都心部での緑地や水面の減少による蒸発散量の減少・建物の輻射熱による 熱に対して、雲粒の気化熱の働きにより温度を下げる。


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01|Archive PRESENTATION

Program

インスタレーション

Duration

1ヶ月

Award

 

優秀賞

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

Competition 第13回公社愛知建築士会学生コンペ2018

63


AICHI INSTITUTE OF TECHNOLOGY GRADUATE SCHOOL

「DINKS」の二面性のあ

慌ただしい日常のファスト

重 層 す る 家

DINKS のライフスタイルはスピードや効

を最小限にとどめることができる。一方

させるスローライフが求められ、暮らし

いて、効率的かつゆとりのある二面性を

重層する空間構成によ PLAN

GL+12900

にしてひとつの家に納めるプランニング

屋内環境の調整

GL+10000 外壁 ルメウォール t=40mm

小屋裏部屋(リビング)

■空間全体に光を届ける半 通常の屋根・壁

内壁 ルメウォール t=40mm( 二重 )

柱 :105×105mm

接道面からのみの

01|Archive

木製棚 GL+8200

タテ:集成材 10550×300×42mm

床 : ルメウォール t=40mm

ヨコ:集成材  8000×300×42mm

空間が入れ子状につくられることで、

確保することができず、周囲に建物が

道面のみである。本提案では屋根材・

ル」を用いることで、屋根面に降り注

射光をひろうことで接道面以外からも

■ダイアグラム

N

ダイニング 2

PRESENTATION

に GL+5600

床 : ルメウォール t=40mm

階段 集成材 :1640×210×40mm

ルーバーを閉じることで日射を遮りなが

ロフト

する。採光は接道面、隣地の建物からの る。

二 面

二面性を持つ空間を生み出すため、それ

心に集約し動線の効率化を図り、ゆとり

ファスト

梁 集成材 105×440mm

| 狭

可動式ソーラパネル (ルーバーとして利用) 400×2500×42mm

屋根 ルメルーフ t=16mm( 二重 )

PLAN

GL+3000 寝室

ダイニングキッチン

G

あ る

床 : モルタル金ゴテ押え t=55

GL+100

GL±0

暮 ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019 64

ら し 方

G

910

2060

3400 6,370 A-A section perth  S=1:50

| Competition ウッドフレンズ 第3回住宅設計アイデアコンペ Program

住宅

Duration

1ヶ月

Award

 

最優秀賞

G


暮らしにゆとりを求めるスローライフ

効率を求めるファストライフが主となり、効率的な空間構成は住宅規模

方で、休日にはその反動でゆとりのある暮らしを楽しみ、生活の質を向上

対象とする敷地は名古屋市中村区の事務所ビル・マンション・戸建住宅が密集する、高密度な都市形態

しに順応するおおらかなプランが求められる。高密度な都市の狭小地にお

を持つエリアにある。隣地には同様に狭小地の住宅・事務所ビルが建ち、採光・通風に有効な開口を設

を持った住宅として ZEH の実現を目指す。

けることができるのは接道面のみである。

よる二面性と断熱性 SECTION

SUMMER

WINTER

スロー スロー

小屋裏 / 可動式ルーバーとしてのソーラーパネルが屋根から透過する光を調整し快適な環境を生み出しながらも創エネを行う

ファスト

PLAN

PLAN

SECTION

SECTION

れぞれの空間を一室ではなく一棟と捉え、大きさの異なる棟を入れ子状

各室が入れ子状に連なることで、重層する空間が外部に対しての空気層としての役割を持つ。DINKS のラ

グを行う。主たるライフスタイルであるファストライフを営む空間を中

イフスタイルとして使用率の高いファストライフを営む空間が、幾重もの空気層で守られた高気密高断熱

りあるスローライフを営む空間がそれを包み込むかたちである。

の空間となることで、冷暖房の稼働率を下げ空調負荷を軽減する。

■小屋裏による環境調整と創エネ

半透明な壁と屋根

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SITE ¦ 名古屋駅界隈に位置する狭小地

あるライフスタイル

トライフ

電動開閉式天井窓

半透明の屋根・壁 反射光を拾う

屋根面を透過する光 入れ子状の内部空間の換気は 開口と換気ダクトにより小屋 裏へ放出し行う

の採光

ファストライフを営む空間 / 入れ子状の中央 2 棟の空間に寝室、水回りを集約し動線の効率化を図り、重層する幾重もの空間 が空気層となり高気密高断熱の環境を生み出す。通風は開口を解放することで取り入れ、半透明の壁材により自然光を得る

接道面からの採光 電動開閉式ソーラーパネル

、通常のように開口部を設けるだけでは十分な採光を

GL+8200

400×2500×42mm

01|Archive

GL+8200

が密集する狭小地という特性から採光を望めるのは接

・壁材に半透明で十分な断熱性を有する「ルメウォー

屋根面への光を透過させることで採光を確保することが可能となるが、夏季には日射による屋内への蓄熱に伴う内部気温

注ぐ光を屋内に透過し、また隣地に立つ建物からの反

の上昇が問題になる。本提案では小屋裏に可動式のソーラーパネルを取り付けルーバーとして扱うことで、ソーラーパネ

も採光を確保する。

ルの開閉により採光と空気の流れを調節し、快適な環境を生み出しながらも創エネを行う。

SUMMER

WINTER

日中 夜間

日中 夜間 N

S

熱の放出

N

S

S

sunlight

接道面

接道面

接道面

がら創エネを

ブラインドを開くことで屋内に蓄熱された熱を小屋

の反射光で得

裏から外部に放熱する。

接道面 小屋裏へと伸びる階段 / 機能が集約されたファストライフのための密度ある空間に対し、スローライフを営む空間は縦方向へ

ブラインドを斜めに開くことで光を取り入れ暖気を

ブラインドを閉じることで気密性を高め、冷気を遮

蓄熱し、同時に創エネを行う。

断すると共に屋内に蓄熱された暖気の放出を防ぐ。

の大きな抜けを持つ階段から始まる。 休日には屋根面から降り注ぐ光を浴びながら小屋裏へ向かい、おおらかな暮らしを楽しむ

PRESENTATION

sunlight

N

6,370 1820

1820

1820

910

1820

loft

bathroom

rest room

bedroom

1820

study・library

1820

storage

GL+3500mm PLAN S=1:250

dining kitchen

section A 1820

A section

ルーバーとしてのソーラーパネルを取り付ける小屋裏空間 / トラスの軸組みによって小屋組みを支える

10,010

S

1820 910

terrace

GL+8500mm PLAN S=1:250

1000

living

entrance

GL+1500mm PLAN S=1:100

N 外観 / 名古屋市中村区の事務所ビル・マンション・戸建住宅が密集する、高密度な都市形態を持つエリアにあり、隣地には住 宅、事務所ビルが建つ。採光の確保のための半透明な外観が、雑多な街並みのなかで存在感を示す。

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

GL+6000mm PLAN S=1:250

65


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木を継ぎ街

01|Archive PRESENTATION

01.

敷地

背景

2-1 林業の循環

1-1. 風情ある街並みが魅力の西区那古野

人工林の樹齢別面積表

( 万 ha) 180

名古屋駅の程近くに位置する西区那古野。かつて運河として利用 された堀川が流れ、城下町の名残を示す街並みが魅力である。 しかし、都心に近いあまり、この街自体に地域住民の在り所のよ うな場所がなく、風情ある街並みは閑散としている。このことか ら、この街には地域住民の在りどころとなる家が必要であり、そ こで活気を生み出す何かを仕掛ける必要がある。

利用期を迎える樹木

165 150

140 114

120 100

2027 年の割合

59

60

34

35

40

0

92

87

80

20

1-2. 木材の製品化へのプロセスに着目

158

160

9 5

17

23

10

15

1

20

20

17

14

11

65

70

75

80

27 ( 樹齢)

25

30

35

40

45

50

55

60

木材が建材として利用できるようになるまでには、 およそ 40 年の年月が必要となる。 現在、戦後に植えられた人工林が本格的な利用期を 迎えており、2027 年には、全体の約 6 割が利用に 適した樹齢を迎える。それに伴い、製材後の貯木施 設の不足、管理の負担増加が予想される。本提案で、 貯木場としての機能を果たすことで、林業の負荷軽 減を計り、その循環に貢献する。

85

2-2 貯木場としての家

木を製品化するためには、製材を終えた材を乾燥させ、含水率を 下げることにより寸法の安定、耐久性の向上を計るための期間が 必要となる。そこで、乾燥から運送までのプロセスを担う貯木場 としての家を提案することで、木材を積む・掛けることで生まれ る空間が街の在りどころとなり、それらを共同で行うことで街に 活気が生まれるのではないだろうか。また、これらの行為が木材 を通して行われることで、林業の循環に貢献し、ひいては国産材 の供給率の増加に繋がるのではないだろうか。

 a ) 多様な表情と空間をつくる貯木

 b ) 木材の乾燥のスパン 大きな衣替え

数か月のスパン 小さな衣替え

02.

小さな衣替え

乾燥のスパンで循環する      のシステム 地乾地消 製材後、貯木場としての家へ 乾燥から運送を請け負うことで製材所の負荷軽減

木材を積む、掛けるなどして生まれる空間と表情は多種多様 である。また、製材後間もない木材に包まれることで、溢れ 出るフィトンチッドがまるで森林浴をしているような心地良 さを生み出す。

 c ) 育まれる「結」の文化

start!

天然乾燥による木材の乾燥スパンは、材種、大きさ、季節によ り異なり、数か月から一年程が目安となる。乾燥のスパンを考 えることで、部分的な衣替えや、全対的な衣替えなどを、定期 的な地域のイベントとして行える。

 d ) みんなでつくれる簡単な構造 足場として巡る縁

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019 66

林業の循環に貢献 育まれる木の文化 周辺地域の建材に

蘇る水運の文化

地域の気候風土にあった材で造る

堀川を用いて水運 風情ある水運の文化の継承・ウッドマイレージ削減

Competition ウッドフレンズ 第2回住宅設計アイデアコンペ Program

住宅

Duration

1ヶ月

Award

 

最優秀賞

「立て掛ける」「積む」を行った

乾燥が終わるまでストック

材をフレームに固定し強度を保つ

木材が生み出す多様な空間が文化を育む

茅葺屋根の吹き替えは、「結」と言われる、住民同士が協力 しあう相互扶助の精神で行われる。これに習い、乾燥を終え た木材の衣替えを地域住民と行なうことで、作業を通してコ ミュニティーが生まれ、自分たちの手で街の在り所を創る文 化が生まれる。

緊結には長期的な耐力がある高分子の ポリエチレンを芯材に用いたロープを使う。

0


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乾地消

街を紡ぐ

01|Archive

 a )「死の川」再生 1820

かつて堀川は資材運搬のための街のインフラとして機能して いた。産業の発達に伴いその文化は途絶え、産業エネルギー の流入により「死の川」と呼ばれるほど汚れていった。 本提案で、貯木場としての住宅から周辺地域への木材運送の インフラとして利用されることで、整備された堀川は再びか つての姿を取り戻し、風情溢れる水運の文化が蘇る。

2-4 気候風土に合った木材

1820 1820

根付く文化が造る未来

木材が生み出す中間領域

屋根

乾燥のプロセスを都市部で行なうことで、時間をかけて馴染ませた木材はより気候風土に合った材となり、調湿効果・耐久性に対し て優れた性能を発揮する。

03.

LDK

1820

9100

夫婦寝室

1820

 b ) ウッドマイレージ削減 木材を運送するにあたって、車を用いての陸上運送は多量の CO2 を排出する。周辺地域への運送を掘川を用いて行なうこ とで、陸上運送に比べ単位距離・重量あたり 1/3 のエネルギ ー消費量で運送することができる。

子供部屋

PRESENTATION

04. 自由な生活領域

2-3 蘇る水運の文化

屋根 屋根

一階平面図 S=1/100

二階平面図 S=1/100

小さな屋内空間の周囲に、グリッドのフレームを巡らせる。これに木材を「積む」「掛ける」を行うことで、 そこには屋根や床が生まれ、住まい手のライフスタイルに応じて様々な居場所を生み出す。

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

2027 年のリニア開通へ向け、大型複合施設の建設等、更なる発展を目指す名古屋。それに伴い排出される産業エネルギーは 都市環境の悪化を促進する。木材は、1㎥当たり約 0.6t-CO2 の炭素を固定していると言われている。木材利用期のピークで ある 2027 年には、この住宅が周辺地域のプロトタイプとして普及し、都市に多くの木材が貯木されることで、都市に森林を 造ることに近い状態が生まれる。貯木場としての機能を持つこの家は、街の在りどころとしての文化を育むだけでなく、環境 問題の緩和を計る装置として機能し、国産材の需要を高めていく。

67


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01|Archive

PRESENTATION

Program

都市公園

Duration

1ヶ月

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アイデア賞

 

Award

68

Competition 第7回 E&G DESIGN 学生デザイン大賞


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01|Archive PRESENTATION

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

69


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01|Archive

PRESENTATION

Program

小学校

Duration

1ヶ月

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70

Competition 建築新人戦 2017

BEST 16 /902人

 

Award


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01|Archive PRESENTATION

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02|Archive

田園風景を愛でながら

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

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ARCHIVE 02

02|Archive 田園風景を愛でながら

田園風景を愛でながら

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02|Archive

田園風景を愛でながら

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

まれ、四季に呼応して姿を変える水田の合理的な美しさに魅了され、学部4年次から通い続けている。

74

長久手市前熊の田園風景を愛でる私の日常。水盤のような作為的な操作でなく、「生きるため」という欲求から生


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02|Archive 田園風景を愛でながら

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02|Archive 田園風景を愛でながら ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019 76

通い続けるなかで思うことは、耕作放棄地が散見されることへの懸念である。超高齢化社会を迎え、営農者の減少 ・後継者不足という諸問題を抱える現代社会の中で、美しき田園風景を維持し続けていくためには建築家を含む様 々なプレーヤーとのコラボレーションによりプロジェクトを起こしていく必要がある。来たるその時に備え、前熊 の田園風景を愛でながら観察を続け、ペンを走らせる。


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02|Archive 田園風景を愛でながら

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03|Archive

欧州5カ国を巡る旅の記録

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ARCHIVE 03

市を鉄道で巡るバックパッカースタイルの1人旅であっ た。楽しくもあり、過酷な旅でもあったが、建築という ツールを介して自分自身の世界が大きく広がっているの

欧州5カ国を巡る旅の記録

私にとって初めての海外旅行は、欧州5カ国の建築や都

03|Archive

欧州5カ国を巡る旅の記録

をこれほどまでに強く実感したことはない。その道中に 撮影した写真の一部をここにアーカイブする。

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03|Archive

欧州5カ国を巡る旅の記録

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

80

旅の始まりはイタリア・ローマから。


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03|Archive 欧州5カ国を巡る旅の記録

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03|Archive

欧州5カ国を巡る旅の記録

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5カ国を巡る中で最も感銘を受けた国、スイス。ベルン・ローザンヌの美しさは格別であった。


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03|Archive

欧州5カ国を巡る旅の記録

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

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写真上はローザンヌ・レマン湖沿いに位置する小さな村、リュトリから見た朝焼けである。


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03|Archive

欧州5カ国を巡る旅の記録

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

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旅の最終地点、オランダのアムステルダムにて。


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03|Archive 欧州5カ国を巡る旅の記録

ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

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ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO 松本樹 建築設計作品選集2015-2019

2019 年 7 月 4 日 

初版発行 

編集・デザイン 

松本 樹

問い合わせ

Tel

080-4306-8117

Mail

tjapgwmd3@gmail.com

HP

https://tjapgwmd3. wixsite.com/portfolio


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ITSUKI MATSUMOTO ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2015-2019

Profile for itsuki.matsumoto

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