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憲法ルネサンス:赤ちゃんポスト 生まれた命救い10年 毎日新聞170428

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憲法ルネサンス:赤ちゃんポスト 生まれた命救い10年 ­ 毎日新聞

2017/4/28

憲法ルネサンス 赤ちゃんポスト 生まれた命救い10年 毎日新聞 2017年4月19日 地方版

「追い込まれる妊婦」に寄り添う 病院の電気設備などに支障はなく、お産や治療は続けられる。親が育てられない赤ちゃん を匿名で受け入れる、国内唯一の施設「こうのとりのゆりかご」も異常なし--。 熊本県を襲った1回目の震度7から一夜明けた昨年4月15日早朝、熊本市西区の医療法 人聖粒会慈恵病院で、聖粒会理事長の蓮田太二さん(81)は幹部職員から報告を受け、胸 をなで下ろした。

ドイツを視察 こうのとりのゆりかごは、赤れんがの別棟「マリア館」に設置されている。67センチ× 62センチの扉を開けると、保育器があり、赤ちゃんを置くとブザーとカメラが作動。2階 のナースステーションからスタッフが駆け付ける。 産科医の蓮田さんが開設してから今年5月でちょうど10年。預けられた赤ちゃんは、公 表されている昨年3月現在の集計で125人に上る。 「赤ちゃんポスト」と呼ばれる、こうした施設がドイツにあることを蓮田さんが知ったの は2003年ごろで、現地を翌年視察した。どこに設置すべきかや経済的な問題、遺棄ほう 助罪に該当する可能性などを考えていたところ、新生児の遺棄事件が熊本で相次いだ。 女性が命の危険を顧みず自力で出産しながら、途方に暮れて遺棄し、逮捕される。「もは や傍観者ではいられない」。悩んだ末、赤ちゃんポストの開設を決意した。 行政や警察と折衝を重ね、法的な問題をクリアしつつあった06年、開設の動きが報じら れると、反対の声が押し寄せる。 「子捨てを助長する」「成長後に出自を知ることができない」。病院にひっきりなしに電 話がかかってきた。第1次政権当時の安倍晋三首相は記者団に「匿名で子どもを置いていけ るものをつくるのがいいのか。大変抵抗を感じる」と述べた。

必死の相談も それでも蓮田さんは考えを変えなかった。さまざまな事情から追い込まれる妊婦が、数多 くいるのを知っていたからだ。 https://mainichi.jp/articles/20170419/ddl/k39/040/510000c?mode=print

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