恐怖・不安を伴う高所ストレスに対応した建築デザイン

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1 はじめに

1.

はじめに

「恐怖」や「不安」というのは、人が日常的に感じることである。時に、 階段から転び落ちそうになり手すりに必死につかまった時やテストで 悪い点を取った時、自動車を運転している際に正面から対向車が走っ てくる時や大切な肉親を失った時、漠然とした孤独感を感じる時や自 らの将来に心配する時にも、人間は「恐怖」や「不安」を感じる。こ のように「恐怖」や「不安」に関わる事例を挙げてみると、事例の規 模や抽象度に違いはあるものの、人間は数限りない「恐怖」や「不安」 の中を生きていることに気がつく。こういった「恐怖」や「不安」の 大半は、いっときのことで、日常的な生活に支障がない場合には問題 にならない。しかし、「恐怖」や「不安」が慢性化したり、過度になっ たりすることにより、人間の正常な機能が破綻してしまうと、精神疾 患などとなってあらわれたり、社会生活が営めなくなる場合もある。 現状の対応策としては、薬物療法や暴露療法などによる治療が主であ る。しかし、これらの対応策は十分であるだろうか。「恐怖」や「不安」 を問題とする人々が「恐怖」や「不安」を感じている場所は、まさに 日常的に生活を営む場としての建築である。つまり、 「 恐怖」や「不安」 の問題は、建築の分野にとっても全く無関係の問題ではない。したがっ て、建築デザインが、「恐怖」や「不安」に対してどのような関連性 を有しているかについて研究する必要性があるであろう。本研究では、 多くの人間に観測でき、また、空間に由来する恐怖である「高所恐怖」 を主題にする。また、生理心理学において一定の見地が導かれている 「恐怖」や「不安」の概念を取り扱い、「生理指標」をもとに「恐怖」 や「不安」を判断する。

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2 研究背景

2.1

恐怖と不安

人々は、日常的に「恐怖」や「不安」を経験している。お化け屋敷 に入ったりやジェットコースターに乗ったときは、誰もが一度は「恐 怖」体験をした経験があるのではないだろうか。また、前記に挙げた 2つの例をより詳細にみてみると、それらの経験の中に「不安」に相 当する事柄を発見できる。お化け屋敷に入るためには、一般的にまず チケットを買い、お化け屋敷へ入るために列に並ばなければならない。 友達や恋人と一緒に入るとすれば、その間はお化け屋敷の前で会話し ながら待つことになる。その時によく話す会話を考えると、やはりそ のお化け屋敷に関する事柄になるのではないだろうか。このお化け屋 敷は怖いのか、それとも、大したことがないのか、話が弾むこともあ るであろう。まさにその時、お化け屋敷で起こるであろう「恐怖」体 験を前に「不安」が喚起されている。ジェットコースターについても 同様である。ジェットコースターの順番待ちを始めててから、坂を上 り急降下する直前まで、 「 恐怖」体験へ向かって「不安」が徐々に高まっ ていく。これらのような場合を考えると、「恐怖」と「不安」が一連 の変化の中で起きる事柄としてみえてくる。  ジョン・ピネル(2005) 1) は、「恐怖」と「不安」を次のように定 義している。「恐怖 fear は脅威に対する感情反応で , 防御行動のための 動機付けとなる」(p.342)また、「不安 anxiety とは , 直接的脅威がな いにも関わらず持続する慢性的恐怖である…(中略)…不安が強いた めに正常機能が破綻してしまう場合には,不安障害 anxiety disorder と呼ばれることになる。」(p.362)つまり、「恐怖」は一過的な脅威に 対する感情反応であり、「不安」は、持続的に続く脅威に対する感情 反応であることが示された。また、 「 不安」は場合によって「不安障害」 となり、人間の正常機能を破綻させることがピネルによって指摘され た。さらに、ピネルは、 「 恐怖」と一連の変化で起きる「不安障害」を「恐 怖性不安障害」として紹介している。 恐 怖 性 不 安 障 害 phobic anxiety disorder は, 特 定 の 物( 例: トリ,ヘビ)に接触したり,特定の状態(例:人込み,暗い所) にさらされることによって引き起こされるということ以外は,

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2 研究背景

全般性不安障害と類似している。(p.363) 全般性不安障害とは、「明らかな原因刺激がないにも関わらず,ストレ ス反応と非常に強い不安感が存在する」(p.363)という特徴をもつ不 安障害である。つまり、「恐怖性不安障害」とは、特定の「恐怖」を 前提とした強い「不安」により、人間の正常機能を破綻している状態 を指す。先にみた、お化け屋敷やジェットコースターの例と程度の差 は異なるものの、構造は同じである。  また、山崎勝男(1997) 2) は、別の観点から「不安」の性質につい て、次のように詳しく説明している。 人生には不確実なことが多く , われわれは将来に対して多くの 不安を抱えている。将来やってきて生活基盤を根底から揺るが すかもしれない出来事に , とりわけわれわれは緊張と不安を覚 えやすい。通常 , これらの不安はコントロールすることが可能 であり , そして適切な対処行動によって軽減できるものである。 しかしながら , 不安は強力で慢性にもなり得る。その結果 , わ れわれの行動はひどく崩壊されることになる。不安神経症とい う用語は , 主訴が慢性的な神経症性のものであり , 不安発作を 繰り返す個人を記述するのに用いられる。不安発作は恐怖とパ ニックという抵抗できない感情によって特徴づけられ , それと 同定できる明らかな理由もなしに発生し , 状況に不釣り合いな ものである。(p.128) 山崎は、「不安」の性質を 2 つ示した。1つは、「不安」が、通常はコ ントロールが可能であるということである。2つは、 「 不安」が、 「 強力」 または「慢性」になると、「恐怖」や「パニック」という逆らえない 感情になり、 「 行動」を「崩壊」するということである。つまり、 「 不安」 は、日常的にはコントロールできるが、 「 慢性」化したり、 「 強力」になっ た場合にはコントロールできなくなり、人間の正常な機能を破綻させ る。  以上から分かることは、「不安」には、問題になる場合と問題になら ない場合とがあるということである。そして、それらの境界は、 「不安」

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2 研究背景

をコントロールできる状態か、できない状態かという境目にある。「不 安」をコントロールできる場合には、ピネルが言うところの「不安障害」 にならず、「不安」をコントロールできなくなったときにはじめて「不 安障害」になる。つまり、「不安障害」として問題にしないためには、 コントロールできない状態に「不安」を移行させないことが重要であ ると言えるだろう。また、前記の内容を換言するならば、 「 恐怖」や「不 安」が一概にすべて不必要な事柄ではないということが示されたとも 言える。時に、「恐怖」や「不安」は、人間を注意深くし、危険な状 態を未然に予防する。ピネルも、 「 恐怖 fear は脅威に対する感情反応で , 防御行動のための動機付けとなる」 ( p.342)と示している。ようするに、 「恐怖」や「不安」を一概にすべて取り去ることが求められる状態で はなく、コントロールできない状態に「不安」を移行させないことが 重要であると言える。  以上により、「恐怖」と「不安」についてみてきた。「恐怖」とは、 一過的な脅威に対する感情反応であり、「不安」は、持続的に続く脅 威に対する感情反応であった。また、「恐怖性不安障害」の構造をみ ると、特定の「恐怖」を前提として「不安」が想起され、 「 恐怖」と「不 安」を一連の変化の中で捉えることができることがわかった。本研究 て対象とする「高所」も、ピネルが言うところの「特定の状態」に該 当する。つまり、本研究における「恐怖」と「不安」の関係性もまた、 「恐怖性不安障害」の構造と同様の構造としてみることができ、 「恐怖」 と「不安」を一連の変化の中で捉えることができることが明らかになっ た。また、本研究が目指す状態も示唆された。つまり、「高所」を「恐 怖」とする場合、 「 高所」によって引き起こされる「不安」をコントロー ルできない状態に移行させないことが重要なのである。それでは、コ ントロールできる状態からできない状態へ「不安」を移行させないた めには、どのようなことが必要であろうか。また、建築の分野は、コ ントロールできる状態からできない状態へ「不安」を移行させないよ うに何かしらの配慮を行うことが可能であろうか。そのためには、ま ず、 「 恐怖」と「不安」のメカニズムを詳しくみていくことが必要である。 次にそれをみていく。

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2 研究背景

「恐怖」と人間の生理活動、そして、人間の認知の 3 つの関係性は、 現代の生理心理学的見解として次のようになっていることをピネルは 指摘している。「感情反応における主な 3 つの因子 , つまり感情が生 み出す刺激の知覚 , 刺激に対する自律神経系反応と体性神経反応,そ して感情体験のそれぞれが他の 2 つに影響を与えているとしている」。 ピネルが指摘した「3 つの因子」は、 「 恐怖」と人間の生理活動、そして、 人間の認知にそれぞれ対応している。「恐怖」は、 「感情体験」であり、 人間の生理活動は、「刺激に対する自律神経系反応と体性神経反応」で あり、そして、人間の認知は、 「 感情が生み出す刺激の知覚」に相当する。 つまり、ピネルが示していることは、 「 恐怖」と人間の生理活動、そして、 人間の認知のそれぞれが他の 2 つに影響を与えているということであ る。(図 1)

図 1. 恐怖・認知・生理の相互関係図

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2 研究背景

ピネルによって示された以上の事柄を換言すると、「恐怖」と相互関 係にある認知や生理を調整することにより、「恐怖」を調整すること ができるということになる。ようするに、「恐怖」をコントロールし たい場合は、認知や生理をコントロールすることによっても、そのこ とが可能と言えるのではないか。また、「恐怖」と「不安」を一連の 変化としてとらえる時、「不安」もまた、認知や生理によりコントロー ルできることなる。したがって、先に示したような、「不安」をコント ロールできる状態からできない状態へ移行させないためにはどのよう なことが必要かという問いは、認知や生理をコントロールすることに より調節することが可能であるという答えを得たことになる。本研究 が「高所」を「恐怖」とする場合、 「 高所」によって引き起こされる「不安」 をコントロールするためには、認知や生理をコントロールする必要が ある。そして、建築がコントロールすることができる事柄は、まさに 認知である。建築家は、「高所」であるという感じ方を建築デザインに よって調整することができる。つまり、建築家は、建築デザインによっ て「不安」をコントロールできる状態からできない状態へ移行させな いように配慮することが可能なのである。  最後に、「恐怖」・「不安」と生理活動との関係性について指摘する。 前記に示したように、「恐怖」と認知と生理の 3 因子には、相互関係 が存在する。したがって、認知を建築デザインによって調整するとす るならば、「恐怖」も変化するが、生理も同様に変化するはずである。 山 崎 勝 男(1997) 2) は、「 不 安 障 害 」 と 生 理 計 測 と の 関 係 に つ い て、 次のように指摘している。 現在標準的な生理指標となっている皮膚電気活動,容積脈波, 心 拍 数, 呼 吸 な ど は, 洗 練 さ れ た 増 幅 技 術 の な か っ た 時 代 か ら,研究者の創意工夫で種々の測定装置が考案され,多数の研 究データが蓄積されてきた。とりわけ,不安障害の訴えと治療 者の観察結果が一致する手掌発汗(冷たい手)などの自律神経 症状は,皮膚電気活動や容積脈波の研究をおおいにうながした。 (p.127)

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2 研究背景

山崎は、生理心理学の分野において、「不安障害」の症状と生理計測に より深い関係性があることを指摘している。とりわけ「手掌発汗」な どの、「自律神経症状」との関連は強いようだ。また、「手掌発汗」を 数値化するものには、「皮膚電気活動」と「容積脈波」があることも わかった。それでは、「手掌発汗」と「恐怖」・「不安」の関連につい てもう少し詳しくみてみたい。山崎は、別書(1998) 3) において、 「手 性発汗」について次のように示している。 精神的に興奮すると手掌や足底に汗がにじみ出る。試験答案を 書いているさなかに , 手指の汗でペンが滑り , 非常に焦ったと いう報告も聞く。他方 , 夏場に止めどなく出る不快な発汗もあ る。このように発汗には精神性発汗と温熱性発汗の 2 種類が知 られている。精神性の発汗部位は手掌と足底であり , 温熱性の 発汗部位は手掌・足底の部位を除いた全身の皮膚がそれに相当 する。精神性発汗は生体が緊急時に際して対処する行動‐闘う か , 逃げるか‐と密接に関連した汗といわれている。闘争時の 手掌発汗は、武具を手からはなれないようにしっかり握るとい う目的にかなうものであり , 逃走時の足底発汗は地面を蹴る際 の摩擦を大きくするという目的にかなうものである。また手掌 が適度に汗で湿れば , 手先の操作は容易になり , 触覚の弁別力 もすぐれたものになる。これら精神性発汗はいずれも太古の祖 先の名残り‐環境に対する進化の行動的適応‐だとされている (p.210) 山崎は、「手掌発汗」が「精神性発汗」であり、「生体が緊急時に際し て対処する行動‐闘うか , 逃げるか‐と密接に関連した汗」として説 明している。このことは、ピネルが「防御行動」と読んでいる事柄と 同様である。つまり、 「 恐怖」が「防御行動のための動機付け」とすれば、 生理反応である「手掌発汗」は、「防御行動のための身体的対応」だ といえる。したがって、「恐怖」と「手掌発汗」は、共に「防御行動」 に必要な事柄であり、両者を相関性をもってみることができる。また、 「恐怖」と一連にある「不安」も同様に考えることができるであろう。

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2 研究背景

以上により、本研究では「手掌発汗」を生理指標に「恐怖」・「不安」 を観測することにする。また、「手掌発汗」を数値化する方法として は先に紹介した「皮膚電気活動」を用いる。「皮膚電気活動」につい ての詳しい説明は後記に譲る。  以上により本節では、本研究における「恐怖」と「不安」の捉え方 と「恐怖」と「不安」の目指す状態、そして、その状態へ「恐怖」と「不 安」を調整する建築的方法、 「恐怖」と「不安」が調整できているかど うかを確認する生理指標が明らかになった。つまり、本研究の対象が 「高所」であることから、「恐怖」を前提として「不安」が想起される というように、「恐怖」と「不安」を一連の変化の中で捉えることが できることが明らかになった。そして、 「 高所」を「恐怖」とする場合、 「高 所」によって引き起こされる「不安」をコントロールできない状態に 移行させないことが目指す状態であることが明らかになった。そして、 建築デザインが認知を調整することができるとすれば、認知と連関性 がある「恐怖」や「不安」を建築デザインが調整することができると いうことになる。したがって、建築デザインが、「不安」をコントロー ルできる状態からできない状態へ移行させないように配慮することが 可能であることが明らかになった。最後に、「皮膚電気活動」によって 定量化し、「手掌発汗」を生理指標に「恐怖」・「不安」を観測できる ことが明らかになった。したがって、本研究は、建築デザインを変化 させることで、「高所」による「恐怖」と「不安」を調整することを目 指す。そして、 「 恐怖」と「不安」を調整できたことを「皮膚電気活動」 をによって確認する。

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2 研究背景

2.2

高層建築

2010 年 1 月、アラブ首長国連邦のドバイに完成したブルジュ・ハ リファが、世界第 1 位の 828m の高さもって建設され、また、中東を 中心に高さが 1000m を越えるようなハイパービルディング構想も行 われてる。日本の都市部においても状況は同様であり、超高層住居や オフィスビルなどでの生活は日常的なものとなっている。しかし、超 高層建築物の建設に関わる技術的研究に比べると、超高層建築物が身 体に与える影響に関する研究は緒についたばかりである。  建築の分野では、小林ら(1995) 4) の高所での建設作業者の精神的 疲労に関する研究や、橋本ら(1994) 5) のエレベータ移動における耳 閉感・めまいなどの生理心理的影響に関する研究がある。また、原田 ら(1995) 6) による景観評価や宗方ら(1998) 7) による住民の心理 的評価では高層居住の満足度はおおむね高く、より高層の階に住みた いと感じている人も多いことが明らかになっている。しかし、高所の 建築デザインについての生理面からのアプローチはほとんどなされて いない。さらに、別の観点からの研究としては、実験空間として高所 を再現する研究が行われている。例えば、梅村ら(2002) 8) の没入型 VR 装置を用いた高所の呈示法に関する研究はそれに該当する。  本研究と類似するものとしては、渡辺仁史研究室の先行研究が挙げ られる。内田ら(2005) 9) は、CG による高所映像を用い、高所にお けるデザインとストレス反応の関係性を明らかにした。その後、著者 ら(2010) 10)11) は、没入型 VR システムを用いることで、CG による 高所映像の実験では得ることができなかった再現性の高い高所空間で 実験を行っている。また、皮膚電気反応の特性に配慮した実験を行う ことで、高所空間のデザインと高所ストレス反応の関係性をより明ら かにしている。  「高所恐怖症」というのは、無数にある恐怖症の中でも、空間の要 因によるもので、特定の恐怖症(Specific Phobia)の 1 つであること からも、ほとんどの人にとって高所空間は、ある意味ではストレスの 対象であると考えることができる。実際には、恐怖情動を感じていな い人でも、高所から見下ろす視覚的な刺激をうけると、身体の生理反

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2 研究背景

応が現れることが知られている。また、単純な刺激を繰り返し受けた 場合受けた場合、その場での刺激に対する直接的なストレス反応とし てはすぐに馴れてしまうが、「恐怖」に関しては、翌日また体験する と同様のストレス反応が見られるように、恐怖自体には、馴れにくい という性質もあるといわれている。高所空間が生活する上で、一定の 安全性が保たれているとはいえ、生理的、精神的にはストレスがかか り続けている可能性があるので、高所恐怖症傾向にある人にとっては、 そういった恐怖に長くさらされつづけるのは心的疾患を招く遠因とな ることも考えられる。また恐怖を実感していない人も、知らぬ間に身 体にはそういったストレス反応が現れている可能性がある。  以上により本節では、超高層建築物の建設に関わる技術的研究に比 べると、超高層建築物が身体に与える影響に関する研究は緒についた ばかりであることから、本研究の新規性が明らかになった。また、「高 所恐怖症」が、無数にある恐怖症の中でも、空間の要因による特定の 恐怖症の1つであり、日常的なストレス問題であるということから、 建築デザインと「恐怖」 ・ 「不安」の関係性を明らかにする上で、 「高所」 を対象にすることの意義が明らかになった。

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2 研究背景

2.3

Virtual Reality

Virtual Reality(VR)とは、次のように日本バーチャルリアリティ 学会(2011) 12) によって定義されている。 バーチャルリアリティのバーチャルが仮想とか虚構あるいは擬 似と訳されているようであるが,これらは明らかに誤りである. バーチャル (virtual) とは,The American Heritage Dictionary によれば,「Existing in essence or effect though not in actual fact or form」と定義されている.つまり,「 みかけや形は原物 そのものではないが,本質的あるいは効果としては現実であり 原物であること 」 であり,これはそのままバーチャルリアリティ の定義を与える. 日本バーチャルリアリティ学会は、VR を、「 みかけや形は原物そのも のではないが,本質的あるいは効果としては現実であり原物であるこ と 」 として定義している。つまり、VR とは、単に「仮想」とか「虚構」 といった事柄を超えて、「効果としては現実」の事柄として扱える範 囲のことを指すようである。また、2010 年現在では、VR の技術的背 景が充実したことにより、効果として現実とバーチャルの差が限りな く近づいている。  また、近年(2011)、精神医学の分野でパニック障害などの恐怖症 を Virtual Reality(VR)を用いて治療するという研究がなされ実際の 治療が始まっている。この治療の概要について宮野秀市(2004) 13) は、Marks(1987)が行動療法、とりわけて、その中の主要な治療法 であるエクスポージャーとして次のように示していることを紹介して いる。 行動療法とは , 学習理論や行動理論の諸原理にもとづき,不適 当な行動を適応的な行動へ変容させようとする心理療法であ る . エクスポージャーは , 行動療法の主要な治療技法の一つで あり , 望ましくない恐怖反応を引き起こしている刺激に不安や

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2 研究背景

不快感が低減されるまで患者を暴露し , 不適応な反応を消去す る治療手続きである(Marks,1987).(p.1) Marks はエクスポージャーが「恐怖刺激」を患者に与えることで、 「不 適応な反応を消去する」治療法であることを示した。つまり、VR を 用いてエクスポージャーによる治療を行う場合、VR が果たす役目は、 比較的安全に「恐怖刺激」を提示する方法といえる。  以上のような VR を用いた治療は、高所恐怖症の治療においても有 効であることがわかっている。その有効性は、宮野によって Lamson と Rothbaum・Hodges の チ ー ム、North & North の 報 告 と し て 次 の ように紹介されている。 1994 年の Lamson の報告(Lamson,1994)は ,VR を利用して エクスポージャーを行った最初の治療研究論文である.高所恐 怖傾向の高い 60 名の参加者が実験群と統制群に振り分けられ, 実験群には1セッション 50 分の VR エクスポージャーが行わ れ た.その結果,実験群の 90% 以上の者が自分で設定した高所に 関する治療目標を達成できた.Lamson はこれにより VR エク スポージャーが高所恐怖に対する有効な治療技法であることが 示唆されたとしている…(中略)…臨床心理学の専門家である Rothbaum とバーチャルリアリティの専門家である Hodges の チームは,VR エクスポージャーの治療研究を数多く発表して おり,彼らの最初の報告は高所恐怖を対象としたものであった (Hodges et al., 1995b; Rothbaum, Hodges, Kooper, Opdyke, Williford, & North, 1995a).高所恐怖が疑われる 20 名の大学 生が治療群と統制群に配置され,治療群の参加者は手すりが付 いた木製のプラットフォームに立った状態で,エレベーター, バルコニー,橋等の高所の状況を仮想環境の中で体験した.仮 想環境中の CG のエレベーターやバルコニーには手すりがあり, その位置は現実世界のプラットフォームの手すりの位置と同じ で,触覚刺激をフィードバックすることによって臨場感を増加 させることが意図されていた.また,参加者は位置センサーが

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2 研究背景

付けられた右腕を動かすことによって仮想環境の中でバーチャ ルハンドを動かし,バーチャルエレベーターを上下に操作する ことができた.7回の治療セッションの結果,統制群には変化 が 認 め ら れ な か っ た が, 治 療 群 は 質 問 紙 で 測 定 さ れ た 不 安 や 回避傾向や高所に対する態度等の指標において恐怖反応が有 意 に 低 減 し た. ま た, こ の 実 験 に お い て 統 制 群 に 配 置 さ れ て いた学生1名に VR エクスポージャーを行った結果,同様に高 所 恐 怖 傾 向 が 低 減 し た(Rothbaum, Hodges, Kooper,Opdyke, Williford, & North, 1995b).さらに,North & North(1996) のシングルケーススタディーにおいても,高所恐怖症に対する VR エクスポージャーの治療効果が示されている.(pp.2-4) 宮野が紹介した先行研究の報告により、VR による高所空間提示によっ ても恐怖情動が発現するということが示され、この手法を用いて空間 と情動や生理心理の評価をおこなうことの可能性が示唆されていると 思われる。また、先行研究において「臨場感を増加させる」ことを意 図し、「触覚刺激をフィードバックすること」したこと、また、「仮想 環境の中でバーチャルハンドを動か」せたことは興味深い。本研究に おいても VR に考慮し、実験に取り入れることにする。本研究に使用 した VR の装置に関する具体的な説明は後記に譲る。  以上により本節では、VR を用いた「高所」空間提示が「恐怖」 ・ 「不 安」を発現させ、また、発現した「恐怖」・「不安」に対して生理心理 の評価をおこなうことの可能性を示唆していることから、本研究の方 法に対する妥当性が示された。

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3 研究概要

3.1

用語の定義

3.1.1

皮膚電気活動と恐怖・不安

山 崎 勝 男(1998) 3) は、 皮 膚 電 気 活 動(electro dermal activity) を次のように説明している。 精神性の発汗を電位的にとらえたものが皮膚電気活動 (electrodermal activity : EDA) で あ る。 皮 膚 電 気 活 動 の 測 定 法には , 手掌や手指に装着した一対の電極間に微弱な電流を流 し , 皮 膚 の 見 か け 上 の 抵 抗 変 化 を 調 べ る 通 電 法(exosomatic method)と , 微弱な電流を流すことなく , 一対の電極間の電位 差を直接測定する電位法とがある。いずれも交感神経支配下の 汗線活動を電気的に測定して , 被験者の情動状態 , 認知活動 , 情 報処理過程を評価する方法である。(p.210) 山崎は、皮膚電気活動(EDA)が、精神的緊張や情緒的興奮によって 起きる精神性発汗を電気的に捉えたものであると示し、「恐怖」や「不 安」を含む被験者の「情動状態」を評価する方法であることを示して いる。また、EDA の測定法には、計り方の違いから「通電法」と「電 位法」の 2 種類があることが指摘された。さらに、山崎(1998)に よれば EDA の観測データは、「通電法および電位法のいずれを使用し て も , 記 録 上 に は 一 過 性 の 反 応(response) と 緩 徐 な 変 動(level)」 (p.211)の 2 種類があるとしている。  本研究においては、「電位法」による測定を行い、また、「一過性の 反応」を分析対象の観測データとする。「電位法」を採用する理由は、 「電位法」が生体の生理状態をそのまま反映しており、「通電法」に比 べて測定値の客観性と再現性の信頼が高いからである。また、「一過 性の反応」を採用する理由は、「一過性の反応」が、「恐怖」と「不安」 に直接関係して発生するからである。つまり、本研究において「高所」 を刺激として「恐怖」と「不安」を観測するとき、皮膚電気活動とし ては「一過性の反応」として発現する。したがって、本研究において 皮膚電気活動が示す事柄は、「電位法」を用いた「一過性の反応」の

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3 研究概要

測定結果を指す。  次に、「電位法」を用いた場合の測定計器について説明する。本研究 では、「電位法」による計測を行うために皮膚電位計を用いる。本研 究で使用する皮膚電位計は、スキノス社の SK-SPA(図 2)である。本 製品は、皮膚電位信号をアナログ信号により出力する計器である。本 研究においては、AD コンバータ(タートル社、TUSB-1612ADSM-S) (図 3)を使用することにより、SK-SPA で測定したアナログ信号をデ ジタル信号に変えてデータを取得する。電極は、ディスポーザル電極 (西澤電機計器製作所製のレクトロード NP)を使用した。 また、取得 したデータは、松山アドバンス社製の LabDAQ-PRO TL を用いてリア ルタイムに解析する。解析するコンピュータは、実験を考慮してでき るだけコンパクトかつ解析に支障がない SONY 社製の VAIO Type-P を 使用する。(図 4)したがって、本研究における計器のシステムは(図 5) のようになる。また、便宜上これ以降の記述で「皮膚電位計」と示す 場合、以上に示したような皮膚電位計を含む一連のシステムを指すこ ととする。

図 2. SK-SPA

図 3. TUSB-1612ADSM-S

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3 研究概要

図 4. VAIO Type-P

被験者

EDR

AD

測定装置

コンバーター

コンピューター

手根線

デジタルデータ 銀ー塩化銀電極

計測解析ソフト

EDR データ

図 5. 皮膚電位計を含む計器のシステム

次に、 「 電位法」によって計測した「一過性の反応」について説明する。 山崎(1998)によれば、「一過性の反応」には大きく 2 種類があるこ とが次のように示されている。

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3 研究概要

刺激呈示に対応して生じる一過的な反応は , だれが観察して も そ れ を 同 定 で き る。 し か し な が ら , 外 来 刺 激 な し に 出 現 す る 反 応 も 観 測 で き る。 こ の 反 応 を 自 発 性 反 応(spontaneous response)とか非特異性反応(non-specific response)とよぶ。 (p.211) 山 崎 は、「 刺 激 」 が あ る 場 合 と な い 場 合 の 2 種 類 が「 一 過 性 の 反 応 」 にはあることを示している。本研究においても、同様に2種類の「一 過性の反応」を抽出し判断する。つまり、「高所」を直接的な「刺激」 としたとき、 「刺激」と反応との間に対応関係が確認できる場合と、 「刺 激」と反応との間に対応関係が確認できず、反応が自発的に現れてい る場合の 2 つに分けて判断する。また、反応が自発的に現れている場合、 次のように解釈できることを同書において山崎(1998)は示している。 被験者の状態像を把握する観点からいえば , 無刺激時に EDR が 散発的な出現を示している限りは(図 12-3 上段), とりたてて 問題視する必要はない。これに対して , なんら外的刺激が存在 しないにもかかわらず ,EDR が持続的に多発している場合には , その背景に不安などの情動因子の存在を十分に推測することが できる(p.217) 山崎は、「外的刺激が存在しないにもかかわらず ,EDR が持続的に多発 している場合」、つまり、前記後者の場合には、「不安」が推測できる ことを示している。本研究においては「高所」の直接刺激なしに、「高 所」を予期して自発的な「一過性の反応」が観測される時、この場合 にあてはまる。したがって、本研究においては、「高所」を予期し自 発的に発現する「一過性の反応」を「高所」に対する「不安」として 取り扱っていく。また、前記前者として示した「高所」を直接的な「刺 激」としたとき、 「 刺激」と反応との間に対応関係が確認できる場合を、 「高所」に対する「恐怖」として取り扱っていく。  次に、「一過的な反応」の測度について説明する。「一過性の反応」 は基本的に反応振幅によって定量化することができる。山崎(1998)

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3 研究概要

は、反応振幅を数値化した「反応量」を次のように説明している。 一般的に刺激に対応して出現した陰性波と陽性波の振幅は , 反 応の立ち上がり , 立ち下がり時点を基線として各反応の頂点時 までを , また陰陽二相性波は刺激時点を基線として , 陰性波の 頂 点 時 ま で と 陽 性 波 の 頂 点 時 ま で を そ れ ぞ れ 求 め る。 単 位 は (millivolt : mV)である。…(中略)…反応の極性を無視した 変化幅を反応量(magnitude)として計測する方法もある。こ の場合は , 陰性波成分と陽性波成分の振幅の絶対和が反応量と なる。EDR は刺激呈示後 3 秒以内に出現した反応を計測の対象 とする。(p.216) 山 崎 は、「 一 過 的 な 反 応 」 に「 陰 性 波 」、「 陽 性 波 」、「 陰 陽 二 相 性 波 」 の 3 種類があることを指摘し、「反応の極性を無視」し、「陰性波成分 と陽性波成分の振幅の絶対和」を「反応量」として示している。(図 6) 本研究においても、この記述にある「反応量」を用いて、 「 一過的な反応」 を定量化する。また、もう 1 箇所、この記述に注目する必要がある。 それは、 「 刺激呈示後 3 秒以内に出現した反応を計測」することにある。 つまり、「刺激呈示」と「一過性の反応」の発現には、幾分の時差があ るということである。山崎は、同書の別の箇所で次のように「刺激呈示」 と「一過性の反応」の関係について指摘している。 刺激呈示時点から 1 2 秒の潜時をおいて ,EDR は一過性の変化 を示し , 約 10 20 秒後に刺激前のレベルに戻る。したがって , 刺激を 30 50 秒ごとに呈示すれば , 個々の変化は十分に観察で きる。(p.215) 山崎は、「一過性の反応」には「潜時」があることを示している。(図 6)つまり、「刺激」が呈示されてから「1 ∼ 2 秒」後にしか「一過性 の反応」が現れないのである。したがって、本研究においても、 「高所」 を呈示してから「1 ∼ 2 秒」後に発現した反応を抽出する。また、「一 過性の反応」から逆に「刺激」の位置を割り出す場合、本研究では「1 秒」遡って「刺激」の位置を断定する。

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3 研究概要

頂点時間 (陽性波)

頂点時間 (陰性波) 反応量 潜時

振幅 (陽性波)

振幅(陰性波) 刺 激 図 6. 陰陽二相性波の測度

しかし、山崎(1998)は、「刺激」がない場合の「一過的な反応」 について次のような補足をしている。 外部から与えた刺激由来の EDR とは異なり , 自発性 EDR の振 幅や時間変数の計測は困難である。とりわけ多峰性 EDR の場合 には反応の立ち上がり時点を同定することが不可能となる。一 般的に自発性反応は反応の大小を無視して , 単位時間(通常は 1 分間)あたりの出現数を計数する。反応の大小を加味した計 測法を創意工夫してもよい。(p.216) 山崎は、「刺激」がない場合の「一過的な反応」を取り扱う場合、前 記に示したような「反応量」だけを取り扱うことでは不十分であるこ とを指摘している。つまり、「不安」を扱う場合、「単位時間あたりの 出現数」を抽出し、評価に加味する必要がある。本研究においても以 上を考慮する。  最後に、皮膚電気活動の個人差について説明する。皮膚電気活動は、

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3 研究概要

精神的緊張や情緒的興奮によって起きる精神性発汗を電気的に捉えた ものであることは先に示した。しかし、この精神性発汗は、人により 発汗量が異り、その個人差は場合によっては大きくなることが知れら れている。本研究においては、そのことに考慮し個人内において比率 にする。その上で分析を進める。  以上により本研究では、「皮膚電気活動」を次のように定義する。本 研究における「皮膚電気活動」とは、 「 電位法」を用いた「一過性の反応」 の測定結果である。  また、「皮膚電気活動」を用いて、「恐怖」と「不安」をより具体的 に次のように定義する。本研究における「恐怖」とは、「高所」を直 接的な「刺激」とし「刺激」と反応との間に対応関係が確認できる「皮 膚電気活動」である。本研究における「不安」とは、「高所」を予期 し自発的に発現する「皮膚電気活動」である。

#'


3 研究概要

3.1.2

没入型 VR 視覚化ソリューション

2 章 3 節 に お い て、Virtual Reality(VR) が、「 み か け や 形 は 原 物 そのものではないが,本質的あるいは効果としては現実であり原物で あ る こ と 」 と し て 意 味 し、2010 年 現 在 で は、VR の 技 術 的 背 景 が 充 実したことにより、効果として現実とバーチャルの差が限りなく近づ いていることを紹介した。本研究において使用する VR もこの背景の に も と づ い た も の で あ る。 よ う す る に、 本 研 究 が 使 用 す る「 没 入 型 VR 視覚化ソリューション」とは、3 次元ヘッドマウントディスプレイ 「HEWDD-768」 と モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ カ メ ラ「ViconMX」、3D ア プリケーション開発ツール「3DVIA VirTools」などを組み合わせたも のである。(図 7)  次に、具体的に主な機材の詳細をみていく。以降の機材の詳細は、 株式会社クレッセントの提供資料をもとに示す。 14)

motion capture

VR

motion feedback

stress

SPA measurment

図 7. 没入型 VR 視覚化ソリューションの概要

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3 研究概要

ま ず、3 次 元 ヘ ッ ド マ ウ ン ト デ ィ ス プ レ イ「HEWDD-768」(High End Wearable Display Device-768)である。「HEWDD-768」は、産 業用途の国産、次世代ハイエンド・ウェアラブルディスプレイである。 究極の光学設計技術と、最新電子技術、微細メカ技術を駆使し、高画質、 高視野角、高解像度を実現している。身体的特徴や、眼鏡着用有無に 関わらず、全ての人に安定した装着感を提供し、また、独自のベスト フィット機能は自重を頭部全体に分散し偏りの無い重量バランスを実 現している。眼精疲労無く高臨場感と高没入感を長時間維持すること が可能である。(図 8)主な仕様は、次の通りである。 結像方式

:透過背面投影

HMD 重量

:1950g

画素数

:590 万画素(RGB 別照明 ×L/R)

使用素子

:LCOS

素子解像度

:1280×768

視野角

:水平 140 度 直角 90 度

オーバーラップ

:90 度

映像入力

:DVI-Digital×2(L/R)

電源

:BOB より供給 200W

調整機能

:眼鏡固定機能、焦点調整機能、眼幅調整機能、

ベストフィット機能

図 8. 3 次元ヘッドマウントディスプレイ「HEWDD-768」

#)


3 研究概要

次に、モーションキャプチャカメラ「ViconMX」である。「ViconMX」 は、 有 効 画 素 数 400 万 画 素、3 次 元 誤 差 が 0.7mm と い う 高 精 度 な も の で あ る。 両 手 や 腰 に 付 け ら れ た 反 射 板 を 複 数 の モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ カ メ ラ で 読 み 取 り、 そ の 位 置 情 報 を リ ア ル タ イ ム に パ ソ コ ン に送信する。PC では、複数のモーションキャプチャカメラにより取 得されたオブジェクト(体験者)の位置や姿勢などの情報を「Vicon Tracker」 に よ り リ ア ル タ イ ム に 解 析 す る。「Vicon Tracker」 と は、 「ViconMX」カメラシステムをトラッキング用途に利用する際のイン ターフェイスとなるソフトウェアである。「ViconMX」の主な仕様は 次の通りである。(図 9) 画素数

:400 万画素

センサータイプ シャッター

:CMOS(VEGAS-4)

:電子フリーズフレームシャッター

センサー感度 :2352×1728 最大フレームレート :2000Hz フル解像度時最大フレームレート

:370Hz

サイズ :207(H)×130(W)×75(D)mm 1.8kg( レンズ無し )

図 9. モーションキャプチャカメラ「ViconMX」

#*


3 研究概要

最後に、3D アプリケーション開発ツール「3DVIA VirTools」であ る。「3DVIA VirTools」とは、最先端のリアルタイム 3D テクノロジー に対話型の様々な機能を容易に実装できる次世代オープンアーキテク チャである。強力なインタラクティブ 3D コンテンツを創造し、共有し、 体験することができる仕組みをあらゆる 3D のユーザーグループに提 供する開発プラットフォームである。主な特徴は、(図 10)に示す。

図 10. 3D アプリケーション開発ツール「3DVIA VirTools」

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3 研究概要

以上、3 次元ヘッドマウントディスプレイ「HEWDD-768」とモー ションキャプチャカメラ「ViconMX」、3D アプリケーション開発ツー ル「3DVIA VirTools」などを組み合わせたものが、本研究における「没 入型 VR 視覚化ソリューション」であった。また、具体的に各機材は、 次のような構造で成り立っている。両手や腰に付けられた反射板を複 数の「ViconMX」で読み取り、それらの位置情報を「Vicon Tracker」 により解析し、「3DVIA VirTools」上に作成した 3 次元仮想空間とリ アルタイムに同期させる。そして、3 次元仮想空間に作成されたモデ ルが映像としてそのまま「HEWDD-768」に表示される。つまり、体 験者が動けば、ディスプレイには体験者の位置や向き、姿勢に合わせ て 3 次元仮想空間が表示されるという仕組みである。また、3 次元仮 想空間においてモデリングした物と現実の類似物を同期させることに より、触覚刺激をフィードバックすることができる。(図 7)本研究で は、以上を「没入型 VR 視覚化ソリューション」として定義する。

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3 研究概要

3.2

研究の目的

没入型 VR 視覚化ソリューションを用いて高所を再現し、また、皮 膚電気活動(EDA)を計測することで恐怖・不安を観測することによ り、高所空間の建築デザインと恐怖・不安との関連性をさ明らかにし、 高所空間の建築デザインを変化させることで、高所を起因とする恐怖・ 不安を調整することを目的とする。

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3 研究概要

3.3

研究の流れ

本研究は次のような流れで進める。 先行研究 「皮膚電気活動を指標とした高所空間における恐怖の観測」 目的 :

高所恐怖の観測

観測対象:恐怖 場所

:高所(CG上)

指標

:皮膚電気活動

対象行動:高所からの見下げ

<明らかになった事柄> 高所恐怖 <課題> 高所不安が 未知であること

4章 実験1 「皮膚電気活動を指標とした高所空間における不安の観測」 目的 :

高所不安の観測

観測対象:不安 場所

:高所(VR上)

指標

:皮膚電気活動

対象行動:高所への移動

5章 ブレインストーミングと調査 「恐怖・不安の増減に影響する建築デザインの抽出」 目的 :

高所恐怖・不安に影響する建築デザインの抽出

調査対象:建築デザイン 場所

:研究室と街頭

<明らかになった事柄> 高所不安 <課題> 高所恐怖・不安と 建築デザインの関係性が 未知であること

<明らかになった事柄> 高所恐怖・不安と 建築デザインの関係性 について仮説 <課題> 高所恐怖・不安と建築デザイン の関係性について仮説の 是非が未知であること

6章 実験2 「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」 <明らかになった事柄> 目的 : 高所恐怖・不安と建築デザインの関連性の検証 高所恐怖・不安と 観測対象:恐怖・不安 建築デザインの関係性 場所 :高所(VR上) について仮説の是非 指標 :皮膚電気活動 対象行動:高所からの見下げ・高所への移動

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3 研究概要

次 に、 よ り 具 体 的 な 研 究 の 流 れ を 説 明 す る た め に、 フ ロ ー チ ャ ー トを作成する。ここで用いるフローチャートは、日本工業規格(JIS X0121:1986)の記号を採用する。

本研究の開始

機材(皮膚電位計一式、没入型V R 視覚化ソリューション等)を準備 する

実験空間の基礎となる高所のV R 空間を作成する

高所窓際をもつ実験空間をV R空 間に作成する 実験の再考

高所窓際で見下げ行動をする実験を 行う

見下げ行動中に 恐怖を観測した yes

no 先行研究 「皮膚電気活動を指標とした高所空間における恐怖の観測」

廊下の端に高所窓際をもつ実験空 間を VR 空間に作成する 実験の再考

高所窓際に向かって廊下を移動する 実験を行う

廊下の移動中に 不安を観測した yes

no 4章 実験1 「皮膚電気活動を指標とした高所空間における不安の観測」

A %%


3 研究概要

A

恐怖・不 安の増減に影響する建築デ ザインについてブレインストーミング する 恐怖・不 安の増減に影響する建築デ ザインを発見するため街を調査する

5章 ブレインストーミングと調査 「恐怖・不 安の増減に影響する建築デザインの抽出」

恐怖の増減に影響する建築デザイン の仮説を立てる 恐怖の増減に影響す る建築デザインの各仮説を実 験空間にそれぞれ反映させる i = 1,2,3… 建築デザインの仮説を反映した実験 空間をVR空間に作成する

建築デザインを触覚フィードバックさ せる機材を現実空間に作成する

高所窓際で見下げ行動をする実験を 行う

見下げ行動中に恐怖を観測する

実験の再考

観測データを分散分析する

各建築デザインに有 意差がある

no

yes B %&


3 研究概要

B

不安の増減に影響する建築デザイン の仮説を立てる 不安の増減に影響す る建築デザインの各仮説を実 験空間にそれぞれ反映させる i = 1,2,3… 建築デザインの仮説を反映した実験 空間をVR空間に作成する

建築デザインを触覚フィードバックさ せる機材を現実空間に作成する

高所窓際に向かって廊下を移動する 実験を行う

廊下の移動中に不安を観測する

実験の再考

観測データを分散分析する

各建築デザインに有 意差がある yes

no

6章 実験2 「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

恐怖・不 安の増減と建築デザインの 関連性について考察する  7章 まとめ

本実験の終了

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4 実験 1「皮膚電気活動を指標とした高所空間における不安の観測」

4.1

実験 1 の目的

皮膚電気活動を指標とした高所空間における「恐怖」は、2 章 2 節 において示したように、内田らの先行研究

9)

によって明らかである。

これによれば、高所の窓際において見下げ行動を行ったとき、高所に よる刺激と対応関係にある皮膚電気活動を観測していた。つまり、内 田らの研究によって観測された事柄は、本研究(3 章 1 節 1 項)にお いて「恐怖」として定義していた事柄と同一である。  しかしながら、皮膚電気活動を指標とした高所空間における「不安」 は、今までに具体的な観測がされてはいない。したがって、4 章では、 高所を予期し自発的に発現する皮膚電気活動が観測できる状況を明ら かにし、皮膚電位活動から高所空間における「不安」を観測すること を目的とする。

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4 実験 1「皮膚電気活動を指標とした高所空間における不安の観測」

4.2

実験 1 の方法

高所を予期し自発的に発現する皮膚電気活動が観測できる状況を推 測し、次のような内容で実験 1 を行う。 日時  :2009 年 10 月 23 日 場所  :(株)クレッセント内スタジオ   東京都中央区築地 4-3-8 被験者 :20 歳代の男女 健常者 9 名 所要時間:1 被験者当たり 10 分 実験機材: ・皮膚電位計(3 章 1 節 1 項) ・没入型 VR 視覚化ソリューション(3 章 1 節 2 項) ・ビデオカメラ(図 11) ・スポンジ(100cm×50cm×5cm@2)(図 12)

図 11. ビデオカメラ「SONY 製 SDR-SR8」

図 12. スポンジ

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4 実験 1「皮膚電気活動を指標とした高所空間における不安の観測」

実験手順:  まず、没入型 VR 視覚化ソリューションの装置を起動する。起動の 仕方は、資料編に掲載した「没入型 VR 視覚化ソリューションマニュ アル」に示す。次に、被験者は座った状態で、3 次元ヘッドマウントディ スプレイやモーションキャプチャカメラで捉えることができるマー カー、皮膚電位計等を装着する。その後、被験者は、没入型 VR 視覚 化ソリューションの装置により作り出された VR 空間に没入する。そ して、被験者には、その場で立ち上がってもらい、しばらく、手や足、 頭等を動かし VR 空間に馴れてもらう。  次に、計測に移る。まず、ビデオカメラ(図 11)に写った状態で、 皮膚電位計のスタートボタンを押し、皮膚電位計とビデオカメラを同 期させる。次に、被験者は、高所の窓際(図 13)に立ち、不安定な台 (スポンジ(図 12))に乗る。そして乗った状態で、見下げ行動を行う。 見下げ行動後、その不安定な台から降りる。この見下げ行動は、高所 の恐怖を喚起する効果を有する。その後、自動的に WT(walk-through) ムービーが開始する。まず、映像は 1 階へ移動する。そして、1 階か ら EV(elevator) (約 15km/h)に自動的に搭乗し(図 14)70m 上昇(図 15)し、高所に設置した廊下(図 16)まで移動する。次に、高所廊 下を前方に移動し(5km/h)(図 17)最初の高所の窓際(図 18)ま で 31m 移動する(WT ムービー終了)。最後に最初と同様、高所廊下 窓際にある不安定な台の乗り、見下げ行動をし、降るという一連の行 動を行う。最後に、皮膚電位計のストップボタンを押し、皮膚電位計 を止める。以上が計測時の実験過程である。実験過程を示した実験風 景の一部は、(図 19)から(図 22)に示す。また、以上の内容は、事 前に被験者に教示されている。  最後に、注意点としては、WT の間、被験者がみている VR 空間は 自動的に変化するが、被験者は、その場で直立静止状態にあるという ことである。つまり、計測中に被験者は動かない。これにより、アー チファクト因などの計測誤差を少なくすることができる。

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4 実験 1「皮膚電気活動を指標とした高所空間における不安の観測」

図 13. 高所の窓際 図 16. EV 降車口

図 14. EV 搭乗口

図 17. 高所廊下の移動最中

図 15. 上場中の EV 内部 図 18. 高所廊下の移動最中

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4 実験 1「皮膚電気活動を指標とした高所空間における不安の観測」

図 19. 実験風景 1( 計測開始直前 )

図 20. 実験風景 2( 高初廊下を移動中 )

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4 実験 1「皮膚電気活動を指標とした高所空間における不安の観測」

図 21. 実験風景 3( 不安定な台の乗降 )

図 22. 実験風景 4( 不安定な台の上での見下げ行動中 )

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4 実験 1「皮膚電気活動を指標とした高所空間における不安の観測」

実験 1 では、実験前に、具体的な実験内容の説明をし、本研究の実 験に対する同意書を各被験者に書いてもらう。同意書の内容は、資料 編に記載する。また、実験後には、次のような 2 枚にわたるアンケー トを各被験者に実施する。

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4 実験 1「皮膚電気活動を指標とした高所空間における不安の観測」

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4 実験 1「皮膚電気活動を指標とした高所空間における不安の観測」

4.3

実験 1 の結果

実験風景と被験者が体験している VR 空間の映像、EDA の測定結果 を被験者ごとに同期し、高所廊下移動開始時(図 23 線 1)、移動終了 時(図 23 線 2)、高所廊下移動中に不安感を示す EDR が観測された 時刻(図 23 線 3)を確認する。そして、高所を予期し自発的に発現 する皮膚電気活動が観測され始めた位置から移動終了時までの時間を 1/10 秒まで読み取り、その時間と移動速度(5km/h)の積を求める ことによって距離を求める。  また、高所を予期し自発的に発現する皮膚電気活動が観測され始め た位置とは、この実験では、高所廊下移動中における EDR の安定状態 から顕著な EDR の反応量が現れる位置、その位置から潜時(1 秒)を遡っ た(図 23 線 3)位置をさす。結果としては、高所を予期し自発的に 発現する皮膚電気活動を観測し始めた位置(図 23 線 3)から移動終 了時(図 23 線 2)までの距離を最終的な指標とする。  以上のような結果画面を被験者ごとに作成し、各被験者の時間を数 値として取得、そして、高所を予期し自発的に発現する皮膚電気活動 を観測した範囲を距離によって求める。(図 24)から(図 32)には、 各被験者ごとの結果画面を示す。また、EDA の測定結果の上に書かれ た赤い外枠は、廊下の WT の範囲を示し、各被験者の結果画面の中央 にある赤い線は、(図 23 線 3)ではなく、廊下の中央の位置を示して いる。

図 23. 実験風景 /VR 映像 /EDA 結果を同期させた結果画面のサンプル

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4 実験 1「皮膚電気活動を指標とした高所空間における不安の観測」

図 24. 被験者 A の結果画面

図 25. 被験者 B の結果画面

図 26. 被験者 C の結果画面

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4 実験 1「皮膚電気活動を指標とした高所空間における不安の観測」

図 27. 被験者 D の結果画面

図 28. 被験者 E の結果画面

図 29. 被験者 F の結果画面

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4 実験 1「皮膚電気活動を指標とした高所空間における不安の観測」

図 30. 被験者 G の結果画面

図 31. 被験者 H の結果画面

図 32. 被験者 I の結果画面

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4 実験 1「皮膚電気活動を指標とした高所空間における不安の観測」

各被験者の結果画面から数値を抽出した結果、(表 1)のようになっ た。(表 1)は、左から「被験者番号」、「移動終了時刻」、「不安発現時 刻」、 「時間」、 「速さ」、 「距離」の順に各被験者の数値を入れている。「移 動終了時刻」は、皮膚電位活動を計測し始めてから廊下の WT を停止 するまでの時間を秒で示している。また、「不安発現時刻」は、皮膚電 位活動を計測し始めてから高所を予期し自発的に発現する皮膚電気活 動を観測し始めるまでの時間を秒で示している。さらに、 「 時間」は、 「移 動終了時刻」−「不安発現時刻」をすることで、高所を予期し自発的 に発現する皮膚電気活動が観測され続けた時間を秒で示している。「速 さ」は、WT で移動する速さをメートル毎秒で示している。最後に、 「時 間」×「速さ」をすることで、高所を予期し自発的に発現する皮膚電 気活動を観測し始めた位置から高所の窓際までの「距離」がメートル で求まる。これら各被験者の「距離」を分析することにより、どの位 置から多くの人に高所を予期し自発的に発現する皮膚電気活動が現れ るか明らかになる。つまり、高所空間における「不安」を観測できた ことになる。最後に(表 1)の「−」で示している部分である。その 部分は、高所を予期し自発的に発現する皮膚電気活動を観測できず、 数値を抽出できなかったことを示している。したがって、この実験で は、欠損データとして分析には用いない。

表 1. 実験 1 の結果 被験者番号

移動終了時刻(s) 不安発現時刻(s)(潜時計算済み)

時間(s)

速さ(m/s)

距離(m)

A

163.5

152.8

10.7

1.4

14.9

B

130.4

-

-

1.4

-

C

139.2

-

-

1.4

-

D

124.0

114.3

9.7

1.4

13.5

E

117.0

110.0

7.0

1.4

9.7

F

104.0

-

-

1.4

-

G

113.0

108.8

4.2

1.4

5.8

H

128.5

120.0

8.5

1.4

11.8

I

119.5

114.3

5.2

1.4

7.2

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4 実験 1「皮膚電気活動を指標とした高所空間における不安の観測」

次にアンケート結果である。(表 2)は、4 章 2 節で示したアンケー トに各被験者が記した内容を表にしたものである。Q1-Q3、Q9-Q13 は、 次の質問内容のことを指す。 Q1.

VR (Vertical Reality) であなたは高所空間にいるように感じま したか?

Q2.

実験中、VR があなたの「現実」となってしまい、VR の外の現 実世界を忘れてしまうことはありましたか?

Q3.

HMD(頭部の装置)の重さに違和感を感じましたか?

Q9.

最初、窓際に立ち、段を登った時、「ドキッ」としましたか?

Q10. 廊下を歩行速度で移動時、 「高所」を原因として「ドキドキ」 しましたか? Q11. 廊下を歩行速度で移動時、 「高所」以外を原因として「ドキド キ」しましたか? Q12. 廊下を歩行速度で移動時、 実際に歩行しているように感じま したか? Q13. 移動終了後、 窓際に再度立ち、段を登った時、「ドキッ」とし ましたか?

表 2. 実験 1 のアンケート結果

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4 実験 1「皮膚電気活動を指標とした高所空間における不安の観測」

4.4

実験 1 の分析

まず、 ( 表 1)をもとに、被験者ごとに求められた「距離」を分析する。 まず、高所を予期し自発的に発現する皮膚電気活動を観測できなかっ た被験者を除外する。つまり、「距離」の欄に「−」の記号が示され ている被験者である。分析画面を確認したところ、9 人の被験者のう ち 3 人に高所を予期し自発的に発現する皮膚電気活動を観測すること ができなかった。その 3 人の被験者に関しては、VR 空間におけるバー チャル酔いの影響や馴れの影響を理由に観測できなかったことが考え られる。  次に、6 人の被験者の「距離」を標本に、母集団に適応できる「距離」 の区間推定を行う。母集団が正規分布 (μ,σ 2) にしたがい母分散が不 明の場合、分散に不偏分散 u 2 を用いる。また、( √ n(X-μ))/ u は自由 度 (n-1) の t 分布にしたがう。信頼係数 95%, n=6 の時(n-1)=5 とな り、t 分布値は 2.571 になる。したがって、信頼区間 = 標本平均 X±t 分布値 × 標本標準誤差√ (u 2/n) になるので、信頼区間は 10.5±3.7m と な る。( 表 3) つ ま り、95% の 確 率 で 母 平 均 μ が 7.6 ∼ 13.3m の 間に含まれる。換言すれば、この実験の上では、高所からの距離が 7.6 ∼ 13.3m の範囲において、高所を予期し自発的に発現する皮膚電気活 動が現れ始める確率が最も高いことが分かった。

表 3. 区間推定に使用した主な数値と途中計算値 !"#$ %& $ 34567$ 8$ GHI7$ A'BCE$

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4 実験 1「皮膚電気活動を指標とした高所空間における不安の観測」

4.5

実験 1 の考察

本実験では、まず、高所を予期し自発的に発現する皮膚電気活動が 観測できる状況が明らかになった。つまり、高所の窓際へ移動する過 程 の 中 に、 高 所 を 予 期 し 自 発 的 に 発 現 す る 皮 膚 電 気 活 動 が 現 れ 始 め る状況があった。また、本実験から、高所の窓際からの距離が 7.6 ∼ 13.3m の範囲において、高所を予期し自発的に発現する皮膚電気活動 が現れ始める確率が最も高いことが明らかになった。つまり、皮膚電 位活動から高所空間における「不安」を具体的に観測するできたこと になる。以上により、高所空間における「不安」が起きる状況が明ら かになり、「不安」が具体的に観測された。したがって、本実験の目 的が達成されたといえる。

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5 ブレインストーミングと調査「恐怖・不安の増減に影響する建築デザインの抽出」

5.1

ブレインストーミングと調査の目的

2 章 2 節、および、4 章において、皮膚電気活動を指標とした高所 空間における「恐怖」・「不安」を観測できることが明らかになった。 しかしながら、その「恐怖」・「不安」をどのようにすれば調整するこ とができるのかという事柄については、いまだ不明のままである。と りわけ、 「 建築デザイン」が認知をコントロールし、実質的に「恐怖」 ・ 「不 安」をコントロールすることができるとすれば、「建築デザイン」が有 する「恐怖」・「不安」を調整する能力はいまだ明らかではない。本章 では、ブレインストーミングと調査を実施し、「恐怖」・「不安」を調 整する能力を有するであろう「建築デザイン」を抽出する。そして、 「恐 怖」・「不安」の増減に影響する「建築デザイン」の仮説を立てること を目的とする。

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5 ブレインストーミングと調査「恐怖・不安の増減に影響する建築デザインの抽出」

5.2

ブレインストーミングと調査の方法

5.2.1

ブレインストーミングの方法

次の内容でブレインストーミングを行った。 日時  :2010 年 11 月 11 日 場所  :早稲田大学 西早稲田キャンパス 55 号館 8 階 渡辺仁史 研究室(東京都新宿区大久保 3-4-1 55N801) 被験者 :20 歳代の男女 健常者 9 名 所要時間:15 分 実験機材:付箋、ペン(9 人分) 教示  :高所において、「不安」から「安心」へ変化する状況を思い 浮かべ、その状況に必要な物品や情報などを記述しなさい。

5.2.2

調査の方法

次の内容で調査を行った。 日時  :2010 年 11 月 21 日 場所  :東京都 新宿駅周辺/巣鴨駅周辺/上野駅周辺 被験者 :20 歳代の男 健常者 2 名(巣鴨駅・上野駅周辺は被験者 1 名) 所要時間:新宿駅周辺 11:30-15:00(210 分)      巣鴨駅周辺 15:20-15:50(30 分)      上野駅周辺 16:10-16:50(40 分)      合計 280 分 天候  :曇り 気温  :17℃(外気温度) 実験機材:デジタルカメラ、地図、ペン(2 人分) 教示  :街中において、「不安」や「安心」うながす状況を見つけ、 その状況をデジタルカメラで写真に撮りなさい。

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5 ブレインストーミングと調査「恐怖・不安の増減に影響する建築デザインの抽出」

5.3

ブレインストーミングと調査の結果

5.3.1

ブレインストーミングの結果

ブレインストーミングを行った結果、40 にもおよぶ項目を抽出でき た。具体的な内容は、(表 4)に「物品」と「情報」に分けて示す。 表 4. ブレインストーミングの結果 !"#

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5 ブレインストーミングと調査「恐怖・不安の増減に影響する建築デザインの抽出」

5.3.2

調査の結果

調査を行った結果、30 にもおよぶ項目を抽出できた。具体的な内容 は、(図 33 − 62)に写真として示す。

図 33. 滑り止め

図 34. 腰掛け禁止バー

図 35. 車止めポール

図 36. 床の色の差 01

図 37. 階段隅マーカー

図 38. 横手すり 01 !$


5 ブレインストーミングと調査「恐怖・不安の増減に影響する建築デザインの抽出」

図 39. 横手すり 02 とマリオン

図 40. 床の色の差 02

図 41. 横手すり 03

図 42. 床の色の差 03

図 43. 鉢植え

図 44. 不透明シート

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5 ブレインストーミングと調査「恐怖・不安の増減に影響する建築デザインの抽出」

図 45. 道路面の使い分け

図 46. 花壇の隅切り

図 47. 2 段おきの段

図 48. 不透明腰壁

図 49. マリオン 02

図 50. 車道と歩道

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5 ブレインストーミングと調査「恐怖・不安の増減に影響する建築デザインの抽出」

図 51. 注意表記

図 52. 床の高低差

図 53. 窓側を背にした椅子

図 54. 警告ライン 01

図 55. 安全板

図 56. 警告ライン 02

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5 ブレインストーミングと調査「恐怖・不安の増減に影響する建築デザインの抽出」

図 57. 警告ライン 03

図 58. 床の色の差 04

図 59. 歩道と車道 02

図 60. 警告ライン 04

図 61. せり上がった床 01

図 62. せり上がった床 02

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5 ブレインストーミングと調査「恐怖・不安の増減に影響する建築デザインの抽出」

図 33. すべることの危険性(不安)をうながしている。 図 34. 座ることに対する危険性(不安)をうながしている。 図 35. 幾分破損していることにより、車が衝突する(不安)ことをう ながしている。 図 36. 色を変えることで、墜落・転倒の危険性(不安)をうながしている。 図 37. 階段の隅に色を塗っていることで、足を踏み外すことに対する 危険性(不安)をうながしている。 図 38. 先が高所であること(不安)に対して、手すりを設けることで、 (安心)をうながしている。 図 39. 図 38 と同様に、手すりとマリオンが高所(不安)に対する(安 心)をうながしている。 図 40. 足をおいている部分には若干のふくらみがあるのだが、床の色 を変えていることによって、その部分で足を引っかけること危 険(不安)をうながしている。 図 41. 図 38 と 同 様 に、 太 い 手 す り が 高 所( 不 安 ) に 対 す る( 安 心 ) をうながしている。 図 42. 図 40 と同様に、床の色を変えることで、色の境目にある出目 地に対する危険性(不安)をうながしている。 図 43. 高層階の窓際に鉢植えがおかれることで、高所(不安)に対す る(安心)をうながしている。 図 44. 高層階の窓に不透明シートを張ることで、高所感(不安)を軽 減している。 図 45. 椅子や机が車道に配置され、また、歩道と車道の間にプランター 等が配置されることによって、車道に人の交通を気にせず人が 滞留できる場所(安心できる場所)が生まれている。 図 46. 花壇が隅切りされていることにより、転倒にたいする危険(不安) を回避するデザインになっていることがわかる。 図 47. 階段の両隅に 2 段おきに段があることで、長く高い階段を短く 低く感じることができる(不安を低減)。 図 48. 手すり子の部分が不透明なガラスになっていることにより、高 所感(不安)を軽減している。 図 49. 手すりに近い高さのマリオンがあることで、手すりと同じよう に、高所(不安)に対する(安心)をうながしている。

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5 ブレインストーミングと調査「恐怖・不安の増減に影響する建築デザインの抽出」

図 50. 車道と歩道の間にカラーコーンが配置されていることで、歩道 を歩く歩行者の(安心)がうながされている。 図 51. 段差に注意する指示があることで、危険性(不安)を事前に予 期できる。 図 52. 床の高低差を斜面でつないでることにより、踏み外す危険性(不 安)を解消している。 図 53. ショッピングモールにて、歩行する場所とベンチをはする場所 が明確に分かれていることにより、人の交通を気にせず(安心) して座っていることができる。 図 54. エスカレーターの踏面端部に黄色いラインが引いてあることに より、足を踏み外す等の危険性(不安)が回避できるようなデ ザインをしている(安心)。 図 55. エスカレーターの交差部分に安全板を設けることで、腕や手を 挟む危険性(不安)を解消している。 図 56. 階段の踏面端部に赤い滑り止めを設置することにより、足を踏 み外す危険性(不安)が回避できるようなデザインをしている (安心)。 図 57. 図 56 と同様に、階段の踏面端部に黄色いマーカーをすること により、足を踏み外す危険性(不安)が回避できるようなデザ インになっている。 図 58. 路面の高低差が変わる部分を色の差がはっきりするデザインに することで、足を踏み外したり、足を引っかけたりする危険性 (不安)を低減している。 図 59. 車道と歩道に段差があることにより、そこを基準に自転車が並 んでいる。それにより、車道と歩道の境界がよりはっきりし、 交通の交錯が防げることで、歩行者は(安心)して歩行するこ とができる。 図 60. 木の根元に向かって路面の舗装がせり上がっている。これによ り、木の根元にできる段差を意識しやすくなり、危険性(不安) を回避できる。 図 61. 図 60 同様に、堀の腰壁が地面からせり上がっている。危険性(不 安)を柔らかく伝えるデザインになっている。

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5 ブレインストーミングと調査「恐怖・不安の増減に影響する建築デザインの抽出」

5.4

ブレインストーミングと調査の考察

本章では、まず、ブレインストーミングと調査を実施し、「恐怖」・ 「不安」を調整する能力を有するであろう「建築デザイン」を抽出す ることができた。具体的には、ブレインストーミングによって 40 項 目、調査によって 30 項目、合計 70 項目の「恐怖」・「不安」を調整す る能力を有するであろう「建築デザイン」が抽出された。次に、以上 の結果を用いて、「恐怖」・「不安」を調整する能力の差がはっきり現 れることが推定される「建築デザイン」を検討した。その検討の結果、 5 つの「建築デザイン」に厳選した。それらは、次の 5 つの「建築デ ザイン」である。 1.

横手すり

2.

縦手すり

3.

床のラインと床の色の差

4.

ルームナンバー(気をそらす効果を狙った建築デザイン)

5.

高所窓際の台

これら 5 つを「恐怖」・「不安」の増減に影響する「建築デザイン」の 仮説とする。したがって、以上により、ブレインストーミングと調査 の目的が達成されたといえる。

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

6.1

実験 2 の目的

2 章 2 節、および、4 章において、皮膚電気活動を指標とした高所 空間における「恐怖」・「不安」を観測できることが明らかになった。 また、5 章のブレインストーミングと調査により、「恐怖」・「不安」の 増減に影響すると推察される 5 つの「建築デザイン」が明らかになった。 しかしながら、それら「建築デザイン」の「恐怖」・「不安」に対する 調整能力については、具体的に明らかになったわけではない。本実験 では、それら「建築デザイン」を適応した VR 空間を作り出し、その 空間内部で「恐怖」・「不安」を観測する。そして、各「建築デザイン」 の「恐怖」 ・ 「不安」に対する調整能力の差について考察する。したがっ て、本実験では、高所空間における「恐怖」・「不安」の増減と建築デ ザインの関係性について検証することが目的となる。

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

6.2

実験 2 の方法

5 章において決定した 5 つ「建築デザイン」をそれぞれに適応した 高所の VR 空間作り、次のような内容で実験 2 を行う。 日時  :2010 年 12 月 16,17,20,21,22 日(5 日間) 場所  :お茶の水大学 総合研究棟 7階 実験室  東京都文京区大塚 2-1-1 被験者 :20 歳代男 1 名、20 歳代女 6 名、50 歳代 2 名、 60 歳代男 1 名 合計健常者 10 名 所要時間:1 被験者当たり 80 分(20 分 ×4 回) 実験機材:品名(参考資料)[ 数量 ] を示す。 ・皮膚電位計(3 章 1 節 1 項)[1 式 ] ・没入型 VR 視覚化ソリューション(3 章 1 節 2 項)[1 式 ] ・手すり(表 5)(図 63)[1 式 ] ・発砲ウレタンフォーム(図 64)[1(100cm×50cm×5cm@2)] ・ビデオカメラ(図 11)[2] ・三脚 [1] ・デジタルカメラ [1] ・内履き用スニーカー(図 65)[2(サイズ 25cm,27cm)] ・ペン [5] ・アンケート板 [6] ・反射を防ぐための養生用黒い布 [5] ・角質取りクリーム [1] ・アルコールティッシュ [1] ・メジャー [1] ・マーキングテープ [2] ・ストップウォッチ [3] ・ハンマー [1] ・六角レンチ [2]

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

表 5. 手すりの内訳 用途

機材正式名称

サイズ

メーカー

数量

手すり一式

パイプ H-600 AAS S BL

幅600 @30

矢崎化工株式会社

1

メタルジョイント HJ-65

̶

矢崎化工株式会社

2

スチール棚 SR6045

幅610×奥行460

ルミナス

4

ポール PHL0173SL2

幅1795

ルミナス

4

ストッパー用ゴム板

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2

図 63. 手すり一式

図 64. 発砲ウレタンフォーム

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 65. 内履き用スニーカー

まず、5 つの「建築デザイン」を適用させる実験の基盤となる VR 空間について説明する。 実験空間(VR 空間):  実験の基盤となる VR 空間は、地上 70m18 階にある廊下長 40m の オフィスにある廊下である。廊下の一端は、全面ガラス張りになって おり、他端は、1 階から 18 階まで上昇する EV(elevator)が設置さ れている。また、EV の前方は、ガラス張りとなっており、70m 上昇 することが分かるデザインになっている。ガラス張りの向こうに見え る風景は、CityEngin で作られた架空の高層ビル群である。具体的な 寸法は、(図 66)、(図 67)の通りである。

2000

2700

2000

図 66. 実験基盤 VR となる廊下の短辺断面パースと寸法

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EV

4000

8000

8000

40000

8000

8000

4000

窓際

6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 67. 実験基盤 VR となる廊下の長辺断面と寸法

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

次に、実験の基盤となる VR 空間に採用した廊下の用途と寸法の根 拠を示す。 用途設定:オフィス  実験の基盤となる VR 空間に適した用途を検討する際、「恐怖」・「不 安」を観測する上で次の条件が必要であると推察される。①高所であ ること、②長い廊下をもつこと、③その廊下を日常的に往来すること、 の 3 つである。その結果、高層マンションと高層オフィスビルの 2 つ が該当した。しかし、高層マンションは、各住人が各住戸に入るまで しか廊下を歩行しないことが多いと考えられる。したがって、長い廊 下を常時歩行する可能性は高所オフィスビルの可能性が大きいと判断 した。また、遮蔽度によるストレス軽減効果を除外するため全面ガラ スをさらに前提に加えると、高層マンションに比べ、高所オフィスビ ルの方が、ガラスのカーテンウォールを比較的多く使用すると推察で きる。したがって、本実験の基盤となる VR 空間には、オフィスを用 途として採用する。 廊下長:40m  15 階を超えるオフィスビルには、建築基準法により歩行距離が 40 m以内に直通階段を設けなくてはならない。歩行距離とは、居室内部 のあらゆる位置から直通階段までの距離を指す。つまり、15 階を超え るオフィスビルの廊下において、居室の奥行きが0m であったとして も、階段から出て 40m 以上を一度に歩行することは基本的にない。 15) また、4 章の実験 1 において、EV が上昇している映像が完了し、廊下 の WT(walk-through)に移行するとき、EV による高所を起因とする「恐 怖」・「不安」の増大と垂直移動から水平移動に変化したことによる身 体不安定の増大により、しばらくの間は皮膚電位活動が落ち着かない ことが分かっている。したがって、本実験では、現実的に可能な最大 寸法であり、かつ、廊下を移動する中の「恐怖」・「不安」の反応を的 確に見分けること可能であると推測される 40 mを採用する。

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

フロア高さ:70m  法令上において超高層建築として扱われる 60m 以上に設定する階 が設けることができ、かつ、切りのよい高さを選定した。 廊下幅:2000mm  建築基準法により、廊下の両側に居室がある場合、1600m 以上の 廊下幅を取る必要がある。また、車椅子によるすれ違いを余裕を持っ てするためには、2000mm の幅員が必要である。また、2008 年 1 月 から 2010 年 11 月までの約 3 年間に発行された『新建築』に掲載さ れた、日本の高層オフィス建築の廊下を調査した。(表 6)16) その結果、 14 点の廊下幅を抽出できた。それらのデータを分析し、中間値を求め ると、2m という値が得られた。しがたって、本実験では 2000mm を 採用する。 天井高さ:2700mm  「廊下幅」と同様に、2008 年 1 月から 2010 年 11 月までの約 3 年 間に発行された『新建築』に掲載された、日本の高層オフィス建築の 廊下を調査した。(表 6) 16) その結果、13 点の廊下幅を抽出できた。 それらのデータを分析し、中間値を求めると、2700mm という値が得 られた。しがたって、本実験では、2700mm を採用する。 (表 6)の説明:今回、(表 6)において日本の高層オフィス建築とし て抽出しているものは、日本に建設されていること、最高高さが 60m 以上あること、オフィスの用途を含んでいることの 3 つを条件として いる。また、その中から十分な図面が得られなかったもの、廊下とし て計測できる場所がなかったものは、今回の表からは除外している。 次に、表の見方について説明する。まず、表に示した「w」の欄は廊 下幅を示し、「ch」の欄は廊下天井高を示している。また、「計測/数 値」の欄には、図面から三角スケールで測ったものを測ったスケール とともに計測と示し、図面上に寸法が掲載されていたものを数値とし て示している。さらに、「両側/片側居室」の欄には、対象とした廊 下の両側に居室が確認できる場合は両側と示し、片側にしか居室が確 認できない場合には片側と示している。注意点としては、「-」と欄に

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

書かれているものは、『新建築』の図面からは寸法を入手できなかっ たことを意味しているということである。したがって、 「-」は欠損デー タとして取り扱っている。単位はすべてミリメートル表記である。詳 しい建築物の情報は、資料編に「実験 2 に用いた日本の高層オフィス 建築のリスト」として掲載する。

また、実験中に 4 章の実験 1 同様、廊下を WT で移動する。次に、 その WT の移動速度についてその根拠を示す。 廊下を移動する速度(WT の速度):1.2m/s  紙野桂人(1980) 17) は、「平均歩速」が「1.19m/s」であることを示 した。紙野が示す、「平均歩速」とは、「実際の市街地の中で、いろい ろ違った環境条件の街路において、老若男女、様々な人々 1890 人の 自然歩行について得た歩速の平均値」として求めた事柄である。した がって、本実験においても、この値を参考に「1.2m/s」として使用する。

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建築名

グランドトウキョウ ノースタワー

梅新第一生命ビルディング

赤坂サカス

鹿島本社ビル

鹿島赤坂別館

ココラフロント

コンカード横浜

ブリーゼタワー

青山OM-AQUARE

学研本社ビル

経団連会館

丸の内パークビルディング/三菱一号館

富士ゼロックスR&Dスクエア

ソニー大崎西新ビルプロジェクト

東急キャピトルタワー

中間値

計測1/1000

計測1/500

計測1/1000

計測1/1500

計測1/1500

計測1/150

計測1/1000

計測1/1200

計測1/1500

計測1/500

計測1/1000

計測1/600

計測1/1000

-

計測1/1000

計測/数字

2700

2400

2900

3000

2400

2500

2800

-

2800

-

2400

2800

2700

2500

2800

2500

ch

計測1/1000

計測1/1000

数字

計測1/2000

計測1/1500

数字

-

数字

-

計測1/500

数字

数字

計測1/1000

計測1/1000

計測1/2000

計測/数字

片側居室

片側居室

片側居室

片側居室

片側居室

両側居室

片側居室

両側居室

片側居室

片側居室

片側居室

片側居室

片側居室

片側居室

片側居室

両側/片側 居室

単位:mm

高層部基準階

赤坂Bizタワー基準階

ノースタワー17F

備考

表 6. 『新建築』(2008.1-2010.11) に掲載された日本の高層オフィス建築の廊下幅・廊下天井高リスト

6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

次に、仮説として立てた 5 つの「建築デザイン」について説明する。 それら 5 つの「建築デザイン」は、実験の基盤となる VR 空間とは別 にモデリングし、それぞれ別々に取り付けることができる形式のデザ インにする。それにより、認知されるものは、基本的に実験の基盤と なる VR 空間と 1 つの「建築デザイン」になる。つまり、先に、実験 の基盤となる VR 空間における実験をしておき、それを初期値として 扱うことで、純粋に各「建築デザイン」による差を求めることができる。 次に、具体的な各デザインの仕様をみていく。 1. 横手すり:  横手すりは、廊下の一端に設置された全面ガラス張りの窓面に設置 する。床から手すり心の高さは 1100mm、窓内面から手すり心までの 距離は 100mm、手すり径は 30mm、手すりの長さは 2000mm である。 (図 68)  次に寸法の根拠を示す。横手すりの高さに関する根拠は次の通りで ある。建築基準法上、屋外手すりは 1100mm 以上必要である。この 根拠を日本建築学会(2003) 18) は、次のように示している。「建築基 準法では 110cm 以上という規定があるが、日本人成人男性の 99.9 パー セ ン ト の 重 心 高 さ に 若 干 の 余 裕 を 見 た 寸 法 と 解 釈 で き る。」(p.148) つまり、1100mm 以上に手すりをもうけることで、日本人のほとんど の人が、転落の危険を回避できると考えるられる。したがって、本実 験においてもこれと同様に 1100mm を採用する。また、窓内面から の距離は、握る際に VR 実験においても手が窓面にぶつからない程度 の寸法を採用している。さらに、手すり径に関しては、実験に使用す る現実の手すり径にほぼ一致する寸法を採用している。

1100mm

100mm

図 68. 横手すりの断面図(左)とイメージパース(右) "*


6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

2. 縦手すり:  縦手すりは、横手すり同様、廊下の一端に設置された全面ガラス張 りの窓面に設置する。廊下幅中心から手すり心までの距離は 196mm、 窓内面から手すり心までの距離は 100mm、手すり径は 30mm、手す りの長さは 2700mm である。(図 69)   次 に 寸 法 の 根 拠 を 示 す。 廊 下 幅 中 心 か ら 手 す り 心 ま で の 距 離 は、 成 人 の 肩 幅 の 平 均(( 成 人 男 性 平 均 肩 幅 40.1cm+ 成 人 女 性 平 均 肩 幅 37.1cm)/2)/2だけ右にずらした位置を採用する。 18) この寸法 を採用することによって、被験者は、右手を真正面に挙げるだけで縦 手すりを握ることができる。つまり、被験者の無理な姿勢を防ぐこと ができる。

100mm

196mm

図 69. 縦手すりの断面図(左)とイメージパース(右)

3. 床のラインと床の色の差:  床のラインと床の色の差は、廊下の一部に設置する。床のラインは、 窓 内 面 か ら 5500mm の 位 置 を ラ イ ン の 心 に し て に 引 く。 ラ イ ン は、 注意色であり、かつ、遠方からも目視しやすい黄色を採用する。また、 ラインのデザインは、点字ブロックを参考にする。 19) また、床の色は、 そのラインから窓面までの間を変える。(図 70)  次に寸法の根拠を示す。4 章の実験 1 において9人中6人に「不安」 が観測できた。そして、その6人の中で最も高所窓際から近くでの発 現が 5.8m であった。つまり、大多数の人が、高所窓際から 5.8m の 範囲において「不安」が発現すると考えられる。床のラインと床の色

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

の差は、それらによって「不安」の発現の位置を変えることが出来る かを検証することを意図されている。つまり、窓際から 5.8m よりも 内側にラインと床の色の差を設けることで、不安開始位置が早くなっ た場合も遅くなった場合も初期空間と比較することができる。(初期 空間とは、実験の基盤となる VR 空間のみの空間のことを指す。)もし、 窓際から 5.8m よりも外側にラインと床の色の差を設けてしまうと、 初期空間で不安開始が遅くなった被験者は、ラインと床の色の差によ る開始位置の不安調整効果を見ることができなくなってしまう。しが たって、窓際から 5.8m より内側で、かつ、切りの良い数字である 5.5 mの位置に認識出来るラインを引く。これにより発現位置を調整する 効果を検証できる。

300mm

床テクスチャー が変わります。

5500mm

10mm 10mm

図 70. 床のラインと床の色の差の断面図(上)と断面詳細図(左)と

イメージパース(右)

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

4. ルームナンバー(気をそらす効果を狙った建築デザイン):   ル ー ム ナ ン バ ー は、 廊 下 に 設 置 し た 扉 の 脇 に 設 置 す る。 床 か ら ルームナンバー心までの高さは 1520mm、扉端からルームナンバー 端(扉に近い端)までの距離は 200mm、ルームナンバーの大きさは 110mm×300mm、ルームナンバーの枚数は扉枚数と同じく 20 枚で ある。(図 71,72)また、ルームナンバーは、18 階に廊下があること から、1800 番台の数字をランダムに付ける。付けた番号と場所は、 (表 7)、(図 73)に示す。  次に寸法の根拠を示す。床からルームナンバー心までの高さは、成 人(20-24 歳を採用)の眼高の平均((成人男性眼高平均 1579mm+ 成人女性眼高平均 1459mm)=1519 ≒ 1520) 18) を採用する。また、 ルームナンバーの大きさは、『標準案内用図記号ガイドライン』にも とづいて決定した。 20)『標準案内用図記号ガイドライン』には、「視距 離 1m で表示する場合の最小寸法 35mm 角、…中略…これより小さく して使用することは避けてください」という指示がある。本実験では、 2m 程度の距離から確認に困らないことを考慮し、70mm 程度の大き さ に 数 字 が な る よ う、 ル ー ム ナ ン バ ー の 大 き さ に 110mm×300mm を採用する。 プレート

200mm プレート の左端から

200mm

の右端から

1805

プレート

1893

の中心から 1520mm

プレート

110

5

1800 300

図 71. ルームナンバーの断面図(上)と大きさ(下)

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EV

A

B C

D

図 73. ルームナンバーの配置図

EF

表 7. ルームナンバーの配置表

GH

IJ

窓際

図 72. ルームナンバーのイメージパース

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

5. 高所窓際の台:  高所窓際の台は、廊下の一端に設置された全面ガラス張りの窓際に 設置する。蹴上げは 100mm、踏み面は 500mm、幅は 2000mm である。 (図 74)また、高所窓際の台に現実上使用されるものが、発砲ウレタ ンフォーム(図 64)であることに注意しておきたい。つまり、高所窓 際の台は非常に不安定な台として設置される。VR 空間上においても、 そのことに考慮した柔らかい素材を意識させる表現にする。  次に寸法の根拠を示す。高所窓際の台の各寸法は、見下げ行動をし ても窓にぶつからない程度の奥行きを保ち、つまずかない程度の低い 蹴上げを事前のトライアルした末に採用した。

100mm

500mm

図 74. 縦手すりの断面図(左)とイメージパース(右)

次に実験の手順と教示について説明する。次頁から 7 頁に渡って、 時系列順に実験の手順と教示を示す。実験の手順と教示は、上から順 に時系列となったリストとして作成してある。また、そのリストの左 側の欄には実験の手順と教示の概要を示し、右側の欄には実験手順の 詳細、及び、教示文を示す。(表 8)

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ビデオカメラ2台の電源を入れる

ビデオカメラを録画モードにする

被験者協力のお礼を述べ、同意書を渡して音読する(全被験者に対して行う) 同意書にサインを貰う 被験者名、被験者パターンを書き込んだプレートを被験者の胸に付ける 心拍計(専用バンド)の装着の仕方を説明する

お礼と同意書の音読をする

実験の同意を取る

被験者に名札をつける

心拍計を装着する

心拍計(腕時計型受信機)の装着をしてもらう

心拍計(専用バンド)の装着をしてもらう(男:控え室、女:トイレ)

被験者を控え室に集める

被験者を控え室に誘導する

被験者が到着する

14日と同様に6つのコンテンツを試験運転する。

コンテンツの試験運転をする

ビデオカメラ2台を「同時に」録画モードにする

詳細は「使用マニュアル」を参照する

椅子を床にマークしたテープの位置に設営する

発泡ウレタンフォームを床にマークしたテープの位置に設営する

ルミナスを床にマークしたテープの位置に設営する

ビデオカメラを床にマークしたテープの位置に設営する

VR視覚化ソリューションを起動する

実験機材を設営する

表 8. 実験 2 の手順と教示のリスト

6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

#&


角質取りクリームで腕部・手掌の角質をとる

皮膚電位計の電極をつける

腰にスイッチボックスを装着する

VR視覚化ソリューションの装置を装着する

被験者の目に遠い位置から徐々に近づけ、HMDのピントをあわせる

HMDが安定しているかを確認する

被験者に両手を離してもらう

実験者がHMDのマジックテープを手前に引き、後ろに引き上げるように取り付ける

被験者にHMDを両手で支えてもらう

手足のマーカーを装着する

高所窓際の台の時、VR視覚化ソリューションの装置を装着前に台の不安定さを示す。

自動保存に切り替える

自動保存を解除した状態で計測する

ディスポーザブル電極に電極板をつける

皮膚電位計が一式入ったパックをかつぐ

腕部・手掌の指定の部分にディスポーザブル電極を貼る

高所窓際の台に対するの事前教示

皮膚電位計を装着する

最初の被験者を実験室に案内し、その他の被験者は待合室に待機する

被験者を実験室に案内する

角質取りクリームをアルコールティッシュでよく拭きとる

PCにてIATテストを行う(実験前テスト)

IATテストを行う

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被験者番号、要因番号、実験順序を記したスケッチブックを2台のビデオカメラの前にかざす 合図とともに、皮膚電位計のスタートボタンを押す 実験表に開始時間を記載する 私から適宜指示を出しますので、指示に従って行動してください。

スケッチブックをビデオカメラにかざす

映像と皮膚電位計を同期する

実験開始時刻を記す

教示に従って実験を開始する

4 部屋番号の探索 の追加教示

3 ラインの設置と床色変更 の追加教示

(灰色の部分は全実験の共通教示部分)

次に、少し前進して下さい。(指定のスタート位置(窓際から800mm、廊下中央)に移動させる)

それでは、⃝回りに180度回転します。(コードに合わせて回る方向を変える)

ルームナンバーが付いている位置を目視で確認して下さい。

今回の実験は、初回の実験時に使用した廊下の扉の横に、ルームナンバーを設置しています。

それでは、今回の実験空間の特徴を説明します。

黄色いラインと床の色の違いを目視で確認して下さい。

今回の実験は、初回の実験時に使用した廊下に、黄色いラインを引き、それよりも窓側の床の色を変えています。

それでは、今回の実験空間の特徴を説明します。

後ろを振り向かないように、その場で手や足、腕、首を動かし見てください(30秒程度体験させる)

それでは、少し体を動かしてみましょう。

ここは、地上70m18階にあるオフィスの廊下です。

まず、立ち上がってみましょう。

(以下、「具体的な内容」には教示を示す) それでは実験を始めます。

合図とともに、心拍計のスタートボタンを押す

映像と心拍計を同期する

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#(


5 高所窓際の台 の追加教示

2 縦手すり の追加教示

1 横手すり の追加教示

その後、左足も台に引っ掛けないように気をつけて台の上に上げ、台の上でゆっくりとした見下げ行動を行います。

まず、大きく右足を引き上げ、台の上にあげます。

また、今回の実験では、見下げ行動の直前にひとつ動作が増えます。

窓際に台が付いていることを目視で確認して下さい。

今回の実験は、初回の実験時に使用した廊下の窓際に台を設置しています。

それでは、今回の実験空間の特徴を説明します。

そして、その状態でゆっくりとした見下げ行動を行います。

小股一歩前進した後に、縦手すりを右手で掴んでください。

また、今回の実験では、見下げ行動の時にひとつ動作が増えます。

縦手すりが付いていることを目視で確認して下さい。

今回の実験は、初回の実験時に使用した廊下の窓際に、縦手すりを設置しています。

それでは、今回の実験空間の特徴を説明します。

そして、その状態でゆっくりとした見下げ行動を行います。

小股一歩前進した後に、横手すりを右手で掴んでください。

また、今回の実験では、見下げ行動の時にひとつ動作が増えます。

横手すりが付いていることを目視で確認して下さい。

今回の実験は、初回の実験時に使用した廊下の窓際に、横手すりを設置しています。

それでは、今回の実験空間の特徴を説明します。

6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

#)


4 部屋番号の探索 の追加教示

最後までよく探してください。

したがって、探すルームナンバーがある場合とない場合があります。

ルームナンバーは、実験ごとに毎回付け変わるように設定されています。

探すルームナンバーは、「1850」です。

したがって、下二桁を探すとよいでしょう。

ここは、18階なので、「18⃝​⃝」「千八百五十」番台の数字しか出てきません。

それは、各部屋についているルームナンバーから特定のルームナンバーを探す作業です。

今回の実験では、ウォークスルー時の作業がひとつ増えます。

最後に戻ってくる場所は、今いる高所窓際です。

エレベーターで1階から18階まで移動した後40mの廊下を移動します。

自動的に、空間内を移動します。

この先は、手や頭を自由に動かすことはできますが、自ら歩行することができません。

次にウォークスルーを開始します。

(見下げ行動が完了する)

問題が無いようでしたら、ゆっくりとした見下げ行動をはじめて下さい。

それでは、この先指示はありません。自らの判断で見下げ行動を行っていただきます。

まず、正面を向いて、気を落ちつかせましょう。(皮膚電位計が落ち着くまで30秒∼60秒程度まつ)

思い出すことはできましたか。

それでは、事前に練習した見下げ行動を思い出してみて下さい。

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#*


時間計測を開始する

合図とともに、皮膚電位計のスタートボタンを押す

皮膚電位計・心拍計を止める

ストップウォッチのスタートボタンを押す

合図とともに、心拍計のスタートボタンを押す

後ろに椅子があるので、手で確かめながら座ってください。

問題が無いようでしたら、見下げ行動をはじめて下さい。

この先、指示はありません。自らの判断で見下げ行動を行っていただきます。

正面を向いて、気を落ちつかせましょう。

思い出すことはできましたか。

それでは、事前に練習した見下げ行動を思い出してみて下さい。

最後に、最初にこの場所で行った見下げ行動を再度行います。

それでは、ライトを受け取ります。

(ウォークスルーを開始し、終了する)

問題が無いようでしたら、ウォークスルーを開始します。

エレベーター内は対象外なので押す必要はありません。

40mの廊下を移動する途中で「不安」を感じた場合、ライトのスイッチを「不安」を感じた時点で押しつづけます。

最後にお願いです。

ボタンを押し続けることで、ライトは光ります。

(ライトが点灯していることを確認する)

一度、親指の位置にあるボタンを押してみてください。

それでは、ライトを右手に手渡します。

実験が終了する

ライトを受け取る

ライトを渡す

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#!


ストップウォッチを回収する

前被験者のストップウォッチを回収する

3コンテンツの実験が完了した人に対して、PCにてIATテストを行う(実験後テスト) 実験終了を説明する

IATテストを行う

半日の実験を終了する

20分以上(装着時間を含む)時間が経過しているか確認する

前被験者のアンケートを回収し、ファイリングする

「☆」→「★」を繰り返す(全被験者の実験回数分)

二人目の被験者を実験室に誘導する

ディスポーザブル電極と心拍計を取らないように指示する

待ち時間は自由に過ごしてもらってよいことを教示する

被験者に控え室て待機してもらう

前被験者のアンケートを回収する

被験者を実験室に誘導する

被験者と一緒に控え室まで同行する

被験者を控え室に誘導する 待ち時間の間にアンケートに答えてもらう

実験ファイルから該当するアンケート用紙をバインダーに挟んで渡す

ディスポーザブル電極から電極板を外す

皮膚電位計が一式入ったパックを下ろす

腰にスイッチボックスを外す

アンケートを渡す

皮膚電位計を外す

HMDを外す

VR視覚化ソリューションの装置を外す 手足のマーカーを外す

実験表に終了時間を記載する

実験終了時刻を記す

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

次に、実際に実験を行うにあたり、被験者数を決定する。ここでは、 その被験者数の決定方法について説明する。  秋田剛(2010)は、『建築空間における感覚・知覚心理シンポジウ ム(第 9 回)「被験者は何人必要か?―心理実験・調査研究における サンプリング 2―」』 21) において、実験研究における被験者数を決定 する方法について次のように示している。 順序効果と系列位置効果を複数の被験者を使って実験を行うこ とによって相殺する実験の計画方法として、ラテン方格を利用 する方法があげられる。ラテン方格とは、n 行 n 列の行列を考 えたときに、各行各列にそれぞれ 1 から n までの数が 1 回だけ 出てくるような行列のことをいう。この 1 から n までのそれぞ れの数に、実験要因のある水準を割り振ることにより、実験を 計画する方法がラテン方格法である。…中略…一般にラテン方 格法によれば、実験要因の水準が偶数の場合、その水準数と等 しい数の実験を行えば(=等しい数の被験者を用いれば)順書 効果と系列位置効果が排除できる。一方、水準数が奇数の場合 は、水準数の 2 倍の実験(=被験者)が必要になる。このように、 ラテン方格法を用いることにより、きちんとした実験を行うこ とができると同時に、被験者数にも意味を持たせることができ る。(p.11)  秋田は、「ラテン方格法」を用いることによって「順序効果」と「系 列位置効果」を排除することができ、実験要因による効果を適切に抽 出できることを示した。また、秋田は、「ラテン方格法」を用いるこ とによって実験に必要な「被験者数」に対して根拠を与えることがで きることを示した。本研究は、まさにこの方法論を適応することがで きる実験研究とみることができる。つまり、本実験では、「水準」が 5 つの「建築デザイン」にあたるので、「水準数の 2 倍」の 10 人が妥当 な被験者数であるといえる。したがって、本実験は、「ラテン方格法」 を用いて実験を計画し、「被験者数」を 10 人として決定する。

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

次に、実験の構成についてである。前記において被験者数の決定方 法を説明した部分において、「ラテン方格法」を用いた実験計画を行う ことを説明した。それにより、「順序効果」と「系列位置効果」を排除 することができ、実験要因による効果を適切に抽出できることが明に なった。ここでは、具体的にこの実験における「ラテン方格」を作成し、 実験順を決定する。  まず、便宜上、「初期空間」と 5 つの「建築デザイン」の 6 つを次 のような要因番号に置き換える。 0.

初期空間(実験の基盤となる VR 空間のみの空間)

1.

横手すり

2.

縦手すり

3.

床のラインと床の色の差

4.

ルームナンバー(気をそらす効果を狙った建築デザイン)

5.

高所窓際の台

次に、この番号を使って「ラテン方格」を構成する。構成は次のよ うになる。(表 9)

表 9. 実験 2 のラテン方格

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

(表 9)に示された大きな事柄は、次の 3 つである。1つ目は、5 水 準の順序を組み替えて、10 種類の配列を作っていることである。つ まり、この 10 種類の配列ごとに被験者が割り当てられる。したがっ て、ローマ数字をつかってⅰからⅹまで記した欄が被験者を表わして いる。2 つ目は、1 被験者あたり 6 回の試行が必要であることである。 つまり、被験者は、「初期空間」と 5 つの「建築デザイン」の 6 つを それぞれに行う必要がある。また、VR 空間に対する馴れを防ぐために、 1 回の試行ごとに最低 20 分の休憩をおく必要がある。そのため、6 回 の試行を行う場合、半日で 3 回の試行が限度になる。したがって、被 験者には、3 試行を 1 セットとし、それを 2 セット行ってもらう。3 つ目は、「初期空間」の取り扱い方についてである。「初期空間」は、 被験者内で 5 つの「建築デザイン」とまず比較する対象になる。理由は、 皮膚電気活動の個人差が大きいことが挙げられる。3 章 1 節 1 項に示 したが、皮膚電気活動として計測される精神性発汗は、人により発汗 量が異り、その個人差は場合によっては大きくなることが知れられて いる。そこで、本研究においては、そのことに考慮し個人内において 比率にすることを示していた。したがって、各被験者が実験の最初に 「初期空間」で実験し、初期値を求めておく必要がある。  以上により、(表 9)のラテン方格にしがたって実験を行っていく。  次に、実験 2 において観測する事柄と、その観測結果の仮説を説明 する。  まず、実験 2 において観測する事柄は、「恐怖」と「不安」である。 両者の本研究における定義は、次のような事柄であった。つまり、本 研究における「恐怖」とは、「高所」を直接的な「刺激」とし「刺激」 と反応との間に対応関係が確認できる「皮膚電気活動」であり、本研 究における「不安」とは、「高所」を予期し自発的に発現する「皮膚電 気活動」であった。また、両者は、2 章 2 節、および、4 章において 観測できることが明らかになっていた。したがって、本実験において も、2 章 2 節、および、4 章において観測された「恐怖」・「不安」を 観測する。ようするに、高所の窓際において見下げ行動を行ったとき、 高所による刺激と対応関係にある皮膚電位活動を「恐怖」として観測 し、また、高所の窓際へ移動する過程の中に、高所を予期し自発的に

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

発現する皮膚電位活動を「不安」として観測する。  次に、観測結果の仮説について説明する。5 章のブレインストーミ ングと調査により、「恐怖」・「不安」を調整する能力がはっきり現れ ることが推定できる 5 つの「建築デザイン」が仮説として立てられた。 しかしながら、それらがどのような調整能力を有するかについては具 体的に仮説を説明してこなかった。実験を行う上で、改めて 5 つの「建 築デザイン」の調整効果に対する仮説を表にしてまとめる。(表 10)

表 10.「建築デザイン」の調整効果に対する仮説 要因番号

建築デザイン

恐怖分類

不安分類

墜落

転倒

墜落

転倒

0

初期空間

0

0

0

0

1

横手すり

― ―

― ―

2

縦手すり

3

床のラインと床の色の差

4

ルームナンバー

0

0

5

高所窓際の台

+ +

+ +

+ +

+ +

( 表 10) に お い て、「 恐 怖 」 と「 不 安 」 を さ ら に「 墜 落 」 と「 転 倒 」 に分類している。「墜落」と「転倒」というのは、「日常災害の分類」 に準じた分類である。日本建築学会編(2003) 18) によれば、「日常災 害の分類」には、大きく次の 3 つがあるとされている。それらは、 「落 下型」、 「接触型」、 「危険物型」の 3 つである。高所の環境に特有な「日 常災害の分類」は、「落下型」といえる。また、「落下型」の分類を 4 つの種類に分けることができる。それらは、 「墜落」、 「転落」、 「転倒」、 「落下物による打撲」の 4 つである。とりわけ、今回の実験は、 「墜落」 と「転倒」の災害に対する「恐怖」・「不安」が大きい実験と言える。 なぜならば、5 つの「建築デザイン」がそれらの災害に関係する部分 とされているからである。つまり、 「墜落」は、 「手すり・窓・窓手すり」

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

が関係する部分であり、「転倒」は、「床仕上・床の段差」が関係する 部分である。ようするに、本実験は、「手すり・窓・窓手すり」や「床 仕上・床の段差」を変更することによって、「墜落」と「転倒」に種 別された災害に対する「恐怖」・「不安」の調整能力を検証する実験と しての位置づけができる。(p.146)また、 (表 10)は、 「恐怖」と「不 安」を「墜落」と「転倒」に細分類した状態で、5 つの「建築デザイ ン」の効果予想を示している。「初期空間」を「0」とし、「初期空間」 よりも「恐怖」や「不安」を低減する方向への調整効果が高いと推察 されるものに「−」または、 「− −」を記している。「− −」は、 「−」 以上に「恐怖」や「不安」を低減する方向への調整効果が高いと推察 される場合に用いる。また、同様に、 「 初期空間」よりも「恐怖」や「不 安」を増大する方向への調整効果が高いと推察されるものに「+」ま たは、 「 + +」を記している。「+ +」は、 「 +」以上に「恐怖」や「不安」 を増大する方向への調整効果が高いと推察される場合に用いる。よう するに、箇条書きにすると次のような効果予測がされたことになる。   ・手すりには「恐怖」と「不安」の低減する方向への調整効果が 推察され、また、横手すりの方が縦手すりよりも低減する方向 への調整効果が高いことが推察された。   ・床のラインと床の色の差は、「恐怖」は増大するものの、「不安」 は 低 減 す る 方 向 へ の 調 整 効 果 が 推 察 さ れ た。 つ ま り、「 不 安 」 の反応の開始位置が遅くなることを推察している。   ・ルームナンバーは、ルームナンバーを探す動作により高所を予 期することが遅れ、「不安」を低減する方向への効果が高いと 推察される。   ・高所窓際の台は、台が不安定なものを採用してることもあり、 「恐 怖」と「不安」ともに、増大する方向への調整効果が高いと推 察される。 以上により、5 つの「建築デザイン」がどのような調整能力を有する かについて具体的な推察を行った。これを、観測結果の仮説とする。

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

次に、実験の流れを画像をもとに説明していく。  前記に示したように、この実験は、1 被験者当たり「初期空間」と 5 つの「建築デザイン」を適応した空間の合計 6 つについて行う。し たがって、6 パターンの流れが存在する。具体的な内容は、前記に示 した実験 2 の手順と教示(表 8)に譲るが、ここでは、各空間ごとに 被験者が体験する試行の過程を時系列を追ってみていく。(図 75-80)  まず、実験の流れを示した(図 75-80)の見方について説明する。(図 75-80)は、左図に現実空間における実験風景画像、右図に実際に被 験者が見ている VR 空間画像を示している。左右の図は同時刻の画像 である。また、上から順に 1 枚目は 1 回目の見下げ行動、2 枚目から 5 枚目までは EV の WT、6 枚目から 11 枚目までは廊下の WT、最後 の 12 枚目は 2 回目の見下げ行動を示している。  次に、実験の流れを示した(図 75-80)の注目点を示しておく。本 実験は、各試行ごとにそれぞれ教示が異なる部分があり、それぞれ幾 分異なる部分はある。しかし、(図 75-80)をみてわかるように、被 験者が体験する実験の過程は、ほとんど同じである。ようするに、「建 築デザイン」による効果を純粋に抽出していることがわかる。また、 現実空間における実験機材と VR 映像との整合性にも注目が必要であ る。(図 76)や(図 77)をみると、実験機材として用意した手すりと VR 映像とが高精度に同期されていることがわかる。ようするに、没 入型 VR 視覚化ソリューションが高い性能を発揮し、没入しやすい環 境を提供していることがわかる。  以上により、画像をもとに実験の流れを説明した。

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 75.「初期空間」における実験の流れ

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 76.「横手すり」における実験の流れ

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 77.「縦手すり」における実験の流れ

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

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図 78.「床のラインと床の色の差」における実験の流れ

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 79.「ナンバープレート」における実験の流れ

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 80.「高所窓際の台」における実験の流れ

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

次に、実験 2 では、本研究の実験に対する同意書を各被験者に書い てもらう。同意書の内容は、資料編に記載する。また、実験前後の 2 回と各試行後の 6 回に渡って、次のような合計 21 枚にわたるアンケー トを各被験者に実施する。1 枚目は実験前に実施、2、3 枚目は各施行 後に毎回実施、4 枚目は「初期空間」時に実施、5 枚目は「横手すり」 時に実施、6 枚目は「縦手すり」時に実施、7 枚目は「床のラインと 床の色の差」時に実施、8 枚目は「ナンバープレート」時に実施、9 枚目は「高所窓際の台」時に実施、10、11 枚目は実験後に実施する。 被験者番号

お名前:

次の質問に対して最も近いと思う解答に⃝を付けてください。

Ⅰ . 性別をお答えください。 ①

男性

女性

Ⅱ . 年齢をお答えください。 ①

20代

30代

40代

50代

60代

Ⅲ . テレビゲームなどで、バーチャル映像を見る機会がありますか? ①

全くない

週に1、2回ある

週に3、4回ある

週に5、6回ある

毎日ある

Ⅳ . あなたは、「高所恐怖症」ですか? ① 高所恐怖症ではない

② どちらかといえば 高所恐怖症でない

③ どちらともいえない

どちらかといえば 高所恐怖症である

高所恐怖症である

&%!


6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

要因番号

被験者番号  実験順序

次の質問に対して最も近いと思う解答に⃝を付けてください。 注意:このアンケートは、【直前に行った回の実験】に対するアンケートです。   【他の回の実験】と混同して答えないように注意してください。

1 . 実験空間(バーチャルリアリティー空間内)が「高所にある廊下」として感じましたか? ① まったく 感じなかった

② 感じなかった

③ どちらともいえない

④ 感じた

⑤ 非常に 感じた

2 . エレベーターが、18階(70m)まで上昇したと感じましたか? ① まったく 感じなかった

② 感じなかった

③ どちらともいえない

④ 感じた

⑤ 非常に 感じた

3 . 「廊下を進む時」のウォークスルーの速度を遅く感じましたか、それとも速く感じましたか? ① 非常に 遅く感じた

② 遅く感じた

③ ちょうどよい 速さに感じた

④ 速く感じた

⑤ 非常に 速く感じた

4 . バーチャルリアリティー空間に酔いましたか? ① まったく 酔わなかった

酔わなかった

どちらともいえない

酔った

⑤ 非常に 酔った

5 . 実験空間(バーチャルリアリティー空間内)において、「高所」のストレスに慣れましたか? ① まったく 慣れていない

慣れていない

どちらともいえない

慣れた

⑤ 非常に 慣れた

6 . 1回目の高所窓際で見下ろした時、「恐怖」を感じましたか? ① まったく 感じなかった

② 感じなかった

③ どちらともいえない

④ 感じた

⑤ 非常に 感じた

7 . エレベーターに乗っている時、「恐怖」または「不安」を感じましたか? ① まったく 感じなかった

② 感じなかった

③ どちらともいえない

④ 感じた

⑤ 非常に 感じた

1

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

要因番号

被験者番号  実験順序

次の質問に対して最も近いと思う解答に⃝を付けてください。

8 . 廊下を移動している時、「不安」を感じましたか? ①

まったく

感じなかった

感じなかった

どちらともいえない

感じた

⑤ 非常に 感じた

9 . 2回目の高所窓際で見下ろした時、「恐怖」を感じましたか? ①

まったく

感じなかった

感じなかった

どちらともいえない

感じた

⑤ 非常に 感じた

10 . 実験中で身体のバランスを崩すことがありましたか? ①

はい

いいえ

11 . 質問11において【① はい】と答えた人は、どこで、どのようなときに身体のバランスを崩しましたか?【複数回答可】 ①

1回目に高所窓際

エレベーターに

エレベーターが

エレベーターが

エレベーターの

から見下ろした時

乗車するとき

上昇し始めるとき

上昇している途中

上昇が止まったとき

廊下のウォークスルー 廊下のウォークスルー が始まるとき

移動中

廊下のウォークスルー

高所窓際の台を

を超えるとき

が止まるとき

乗り降りするとき

(廊下に黄色いラインが

(高所窓際に台がある実

ある実験のみ選択可)

験のみ選択可)

2回目に高所窓際 から見下ろした時

⑧ 廊下の黄色いライン

その他 (

2

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

要因番号  0

被験者番号  実験順序

13 . この回の実験について、ご意見、ご感想をお寄せください。 自由記述

アンケートにご協力いただきありがとうございました。

3

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

要因番号  1

被験者番号  実験順序

次の質問に対して最も近いと思う解答に⃝を付けてください。

13 . 【横手すり】に「安心感がある」と感じましたか? ① まったく 感じなかった

② 感じなかった

③ どちらともいえない

④ 感じた

⑤ 非常に 感じた

14 . 【横手すり】に「頼りがいがある」と感じましたか? ① まったく 感じなかった

② 感じなかった

③ どちらともいえない

④ 感じた

⑤ 非常に 感じた

15 . 【横手すり】が「自分の体を支えてくれる」と感じましたか? ① まったく 感じなかった

② 感じなかった

③ どちらともいえない

④ 感じた

⑤ 非常に 感じた

16 . 【横手すり】が「自分の体を止めてくれる」と感じましたか? ① まったく 感じなかった

② 感じなかった

③ どちらともいえない

④ 感じた

⑤ 非常に 感じた

17 . 質問13∼16の設問以外に、【横手すり】に意味を感じましたか? 自由記述

18 . この回の実験について、ご意見、ご感想をお寄せください。 自由記述

アンケートにご協力いただきありがとうございました。

3

&&%


6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

要因番号  2

被験者番号  実験順序

次の質問に対して最も近いと思う解答に⃝を付けてください。

13 . 【縦手すり】に「安心感がある」と感じましたか? ① まったく 感じなかった

② 感じなかった

③ どちらともいえない

④ 感じた

⑤ 非常に 感じた

14 . 【縦手すり】に「頼りがいがある」と感じましたか? ① まったく 感じなかった

② 感じなかった

③ どちらともいえない

④ 感じた

⑤ 非常に 感じた

15 . 【縦手すり】が「自分の体を支えてくれる」と感じましたか? ① まったく 感じなかった

② 感じなかった

③ どちらともいえない

④ 感じた

⑤ 非常に 感じた

16 . 【縦手すり】が「自分の体を止めてくれる」と感じましたか? ① まったく 感じなかった

② 感じなかった

③ どちらともいえない

④ 感じた

⑤ 非常に 感じた

17 . 質問13∼16の設問以外に、【縦手すり】に意味を感じましたか? 自由記述

18 . この回の実験について、ご意見、ご感想をお寄せください。 自由記述

アンケートにご協力いただきありがとうございました。

3

&&&


6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

要因番号  3

被験者番号  実験順序

次の質問に対して最も近いと思う解答に⃝を付けてください。

13 . 廊下を移動している時、【黄色いライン】の手前と奥で「不安」に違いがありましたか? ①

はい

いいえ

14 . 廊下を移動している時、「不安」を感じた程度が【大きい順に右から】アルファベットを並べて下さい。 A 高所窓際

B

C

D

E

高所窓際と

黄色いライン

黄色いライン

黄色いラインの手前

黄色いラインの間

の真上

の手前(数歩の位置) とエレベータまでの間

小さい

大きい

15 . 【黄色いライン】に意味を感じましたか?感じたことを何でも書いて下さい。 自由記述

16 . 【床の色の違い】に意味を感じましたか?感じたことを何でも書いて下さい。 自由記述

17 . この回の実験について、ご意見、ご感想をお寄せください。 自由記述

アンケートにご協力いただきありがとうございました。 3

&&'


6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

要因番号  4

被験者番号  実験順序

次の質問に対して最も近いと思う解答に⃝を付けてください。

13 . ルームナンバーをよく探しましたか? ①

全く探さなかった

探さなかった

どちらともいえない

探した

よく探した

14 . 探した番号は覚えていますか?覚えている場合はその【番号】を記入し、忘れた場合は【忘れた】と記入して下さい。

16 . 探していたルームナンバーは見つかりましたか? ①

はい

いいえ

17 . ルームナンバーをすべて確認することができましたか? ①

まったく 確認できなかった

3割程度 確認できた

5割程度 確認できた

8割程度 確認できた

すべて 確認できた

18 . この回の実験について、ご意見、ご感想をお寄せください。 自由記述

アンケートにご協力いただきありがとうございました。

3

&&(


6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

要因番号  5

被験者番号  実験順序

次の質問に対して最も近いと思う解答に⃝を付けてください。

13 . 【高所窓際の台】に「安心感がある」と感じましたか? ① まったく 感じなかった

② 感じなかった

③ どちらともいえない

④ 感じた

⑤ 非常に 感じた

14 . 【高所窓際の台】に「頼りがいがある」と感じましたか? ① まったく 感じなかった

② 感じなかった

③ どちらともいえない

④ 感じた

⑤ 非常に 感じた

15 . 【高所窓際の台】が「自分の体を支えてくれる」と感じましたか? ① まったく 感じなかった

② 感じなかった

③ どちらともいえない

④ 感じた

⑤ 非常に 感じた

16 . 【高所窓際の台】が「自分の体を止めてくれる」と感じましたか? ① まったく 感じなかった

② 感じなかった

③ どちらともいえない

④ 感じた

⑤ 非常に 感じた

17 . 質問13∼16の設問以外に、【高所窓際の台】に意味を感じましたか? 自由記述

18 . この回の実験について、ご意見、ご感想をお寄せください。 自由記述

アンケートにご協力いただきありがとうございました。

3

&&)


6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

被験者番号

全ての実験が終了しました。 最後に、【全ての実験を通して】答えて頂くアンケートを行います。 次の質問に対して最も近いと思う解答に⃝を付けてください。

Ⅰ . 1回目の高所窓際で見下ろした時、「恐怖」を感じた程度が【大きい順に右から】アルファベットを並べて下さい。 A

B

C

D

E

F

何も設置

横手すりが

縦手すりが

黄色いラインが

部屋番号が

高所窓際に台が

していない廊下

設置された廊下

設置された廊下

設置された廊下

設置された廊下

設置された廊下

小さい

大きい

Ⅱ . 廊下を移動している時、「不安」を感じた程度が【大きい順に右から】アルファベットを並べて下さい。 A

B

C

D

E

F

何も設置

横手すりが

縦手すりが

黄色いラインが

部屋番号が

高所窓際に台が

していない廊下

設置された廊下

設置された廊下

設置された廊下

設置された廊下

設置された廊下

小さい

大きい

Ⅲ . 2回目の高所窓際で見下ろした時、「恐怖」を感じた程度が【大きい順に右から】アルファベットを並べて下さい。 A

B

C

D

E

F

何も設置

横手すりが

縦手すりが

黄色いラインが

部屋番号が

高所窓際に台が

していない廊下

設置された廊下

設置された廊下

設置された廊下

設置された廊下

設置された廊下

小さい

大きい

A

&&*


6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

被験者番号

Ⅳ . ヘッドマウントディスプレイは軽かったですか、それとも重かったですか? ① 非常に軽かった

② どちらかといえば 軽かった

③ どちらともいえない

④ どちらかといえば 重かった

⑤ 非常に重かった

Ⅴ . すべての実験を通してのご意見、ご感想をお寄せください。 自由記述

これで、すべての実験とアンケートが終了です。誠にご協力いただきありがとうございました。

B

&&!


6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

6.3

実験 2 の結果

4 章の実験 1 と同様に、実験風景と被験者が体験している VR 空間 の映像、EDA の測定結果の 3 つを被験者ごとに同期する。そして、1 回目見下げ行動、廊下の WT、2 回目見下げ行動の 3 つの行動を含む 部分を画像として切り出し、その区間を赤枠で囲う。次に、その区間 内において、本研究で定義した「恐怖」と「不安」に該当する部分を 抽出する。つまり、「恐怖」としては高所を直接的な刺激とし、刺激と 反応の間に対応関係が観測できる皮膚電位活動を抽出し、「不安」と しては高所を予期し自発的に発現する皮膚電位活動を抽出する。また、 2 章 2 節、 及 び、4 章 に お い て、「 恐 怖 」 は 見 下 げ 行 動 中 に、「 不 安 」 は廊下の WT 中に観測された。したがって、本実験においても同様に、 「恐怖」を見下げ行動の区間から、「不安」を廊下の WT の区間から抽 出する。  次に、「恐怖」と「不安」の抽出の方法を説明する。  まず、「恐怖」の抽出方法である。被験者が高所窓際において頭を下 に下げ始めてから頭を上に上げ始める直前までの区間において、3 章 1 節 1 項において「恐怖」として示したような「一過的な反応」をみ つける。ここで「一過性の反応」として認めるものは、その区間にお いて高所を直接的な刺激とし、刺激と反応の間に対応関係が認められ る反応である。つまり、「一過性の反応」には「潜時」が存在してる ので、その区間の始まりから 1 秒以降に発現したもののなかで、刺激 と反応の間に対応関係が認められるものを「一過性の反応」としてみ なす。また、「一過性の反応」には、「陰性波」、「陽性波」、「陰陽二相 性波」の 3 種類があることを示していた。本実験では、 「 陰陽二相性波」 を基本的に抽出する。しかし、場合によっては始めの「陰性波」が発 現せず「陽性波」のみ発現する場合がある。その場合は、その「陽性波」 を抽出する。次に、抽出した「一過性の反応」を数値化する。3 章 1 節 1 項において振幅を数値化する方法に「反応量」があることを指摘 していた。本実験においても、抽出した「一過性の反応」の「反応量」 をもとめ数値化する。  次に、まず、「不安」の抽出方法である。被験者が EV から降り、廊 下を WT によって移動し始めてから高所窓際で止まるまでの区間にお

&&"


6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

いて、3 章 1 節 1 項において「不安」として示したような「一過的な 反応」をみつける。ここで「一過性の反応」ととして認めるものは、 その区間において高所を予期し自発的に発現した反応である。つまり、 「一過性の反応」には「潜時」が存在してるので、その区間の始まり から 1 秒以降に発現したもののなかで、高所を予期し自発的に発現し たものを「一過性の反応」としてみなす。また、 「 一過性の反応」には、 「陰性波」、「陽性波」、「陰陽二相性波」の 3 種類があることを示して いた。本実験において「不安」を抽出する場合、皮膚電位活動の自発 的な変化が重要である。したがって、極性にとらわれずに「一過性の 反応」を判断する。また、「恐怖」を抽出する場合とは異なり、「不安」 を抽出する場合には注意が必要である。その注意すべき点は、取り扱 う区間の時間が長いことである。本実験は、4 章の実験 1 と比べても 廊下の長さが 10m 伸び、移動速度も 0.2m/s 遅い。したがって、廊下 の WT は 33.3 秒間と長くなり、よりいっそうどの反応が高所を予期 し自発的に発現している反応であるのかわかりにくい。そこで、 「 不安」 を抽出する上での約束事を決める。そのことにより、より適切に「不安」 を抽出することができる。その約束事とは、廊下の WT が開始してか ら 5 秒間以内に発現した反応とその連続として見なせる波形を抽出し ないことである。理由は、EV での高所恐怖の余波や、廊下の WT を 開始するとき、WT の動きだしの影響で身体が不安定になることによっ て皮膚電気活動が発生するからである。しがたって、その反応後に観 測した「一過性の反応」を「不安」として抽出する。次に、抽出した「一 過性の反応」を数値化する。4 章において、「不安」は開始位置から高 所窓際までの距離として観測された。したがって、本実験においても 同様に距離を用いる。  以上が、「恐怖」と「不安」の抽出の方法をである。したがって、こ の方法を用いて、(図 81- 図 260)までの 1 回目見下げ行動、廊下の WT の画面から「一過性の反応」を抽出し、数値化を行う。

&&#


6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 81. 被験者タイプⅰ 初期空間 1 回目見下げ行動中

図 82. 被験者タイプⅰ 初期空間 WT 中

図 83. 被験者タイプⅰ 初期空間 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 84. 被験者タイプⅰ 初期空間 1 回目見下げ行動中

図 85. 被験者タイプⅰ 初期空間 WT 中

図 86. 被験者タイプⅰ 初期空間 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 87. 被験者タイプⅲ 初期空間 1 回目見下げ行動中

図 88. 被験者タイプⅲ 初期空間 WT 中

図 89. 被験者タイプⅲ 初期空間 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 90. 被験者タイプⅳ 初期空間 1 回目見下げ行動中

図 91. 被験者タイプⅳ 初期空間 WT 中

図 92. 被験者タイプⅳ 初期空間 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 93. 被験者タイプⅴ 初期空間 1 回目見下げ行動中

図 94. 被験者タイプⅴ 初期空間 WT 中

図 95. 被験者タイプⅴ 初期空間 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 96. 被験者タイプⅵ 初期空間 1 回目見下げ行動中

図 97. 被験者タイプⅵ 初期空間 WT 中

図 98. 被験者タイプⅵ 初期空間 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 99. 被験者タイプⅶ 初期空間 1 回目見下げ行動中

図 100. 被験者タイプⅶ 初期空間 WT 中

図 101. 被験者タイプⅶ 初期空間 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 102. 被験者タイプⅷ 初期空間 1 回目見下げ行動中

図 103. 被験者タイプⅷ 初期空間 WT 中

図 104. 被験者タイプⅷ 初期空間 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 105. 被験者タイプⅸ 初期空間 1 回目見下げ行動中

図 106. 被験者タイプⅸ 初期空間 WT 中

図 107. 被験者タイプⅸ 初期空間 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 108. 被験者タイプⅹ 初期空間 1 回目見下げ行動中

図 109. 被験者タイプⅹ 初期空間 WT 中

図 110. 被験者タイプⅹ 初期空間 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 111. 被験者タイプⅰ 横手すり 1 回目見下げ行動中

図 112. 被験者タイプⅰ 横手すり WT 中

図 113. 被験者タイプⅰ 横手すり 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 114. 被験者タイプⅱ 横手すり 1 回目見下げ行動中

図 115. 被験者タイプⅱ 横手すり WT 中

図 116. 被験者タイプⅱ 横手すり 2 回目見下げ行動中

&(%


6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 117. 被験者タイプⅲ 横手すり 1 回目見下げ行動中

図 118. 被験者タイプⅲ 横手すり WT 中

図 119. 被験者タイプⅲ 横手すり 2 回目見下げ行動中

&(&


6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 120. 被験者タイプⅳ 横手すり 1 回目見下げ行動中

図 121. 被験者タイプⅳ 横手すり WT 中

図 122. 被験者タイプⅳ 横手すり 2 回目見下げ行動中

&('


6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 123. 被験者タイプⅴ 横手すり 1 回目見下げ行動中

図 124. 被験者タイプⅴ 横手すり WT 中

図 125. 被験者タイプⅴ 横手すり 2 回目見下げ行動中

&((


6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 126. 被験者タイプⅵ 横手すり 1 回目見下げ行動中

図 127. 被験者タイプⅵ 横手すり WT 中

図 128. 被験者タイプⅵ 横手すり 2 回目見下げ行動中

&()


6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 129. 被験者タイプⅶ 横手すり 1 回目見下げ行動中

図 130. 被験者タイプⅶ 横手すり WT 中

図 131. 被験者タイプⅶ 横手すり 2 回目見下げ行動中

&(*


6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 132. 被験者タイプⅷ 横手すり 1 回目見下げ行動中

図 133. 被験者タイプⅷ 横手すり WT 中

図 134. 被験者タイプⅷ 横手すり 2 回目見下げ行動中

&(!


6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 135. 被験者タイプⅸ 横手すり 1 回目見下げ行動中

図 136. 被験者タイプⅸ 横手すり WT 中

図 137. 被験者タイプⅸ 横手すり 2 回目見下げ行動中

&("


6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 138. 被験者タイプⅹ 横手すり 1 回目見下げ行動中

図 139. 被験者タイプⅹ 横手すり WT 中

図 140. 被験者タイプⅹ 横手すり 2 回目見下げ行動中

&(#


6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 141. 被験者タイプⅰ 縦手すり 1 回目見下げ行動中

図 142. 被験者タイプⅰ 縦手すり WT 中

図 143. 被験者タイプⅰ 縦手すり 2 回目見下げ行動中

&($


6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 144. 被験者タイプⅱ 縦手すり 1 回目見下げ行動中

図 145. 被験者タイプⅱ 縦手すり WT 中

図 146. 被験者タイプⅱ 縦手すり 2 回目見下げ行動中

&)%


6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 147. 被験者タイプⅲ 縦手すり 1 回目見下げ行動中

図 148. 被験者タイプⅲ 縦手すり WT 中

図 149. 被験者タイプⅲ 縦手すり 2 回目見下げ行動中

&)&


6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 150. 被験者タイプⅳ 縦手すり 1 回目見下げ行動中

図 151. 被験者タイプⅳ 縦手すり WT 中

図 152. 被験者タイプⅳ 縦手すり 2 回目見下げ行動中

&)'


6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 153. 被験者タイプⅴ 縦手すり 1 回目見下げ行動中

図 154. 被験者タイプⅴ 縦手すり WT 中

図 155. 被験者タイプⅴ 縦手すり 2 回目見下げ行動中

&)(


6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 156. 被験者タイプⅵ 縦手すり 1 回目見下げ行動中

図 157. 被験者タイプⅵ 縦手すり WT 中

図 158. 被験者タイプⅵ 縦手すり 2 回目見下げ行動中

&))


6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 159. 被験者タイプⅶ 縦手すり 1 回目見下げ行動中

図 160. 被験者タイプⅶ 縦手すり WT 中

図 161. 被験者タイプⅶ 縦手すり 2 回目見下げ行動中

&)*


6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 162. 被験者タイプⅷ 縦手すり 1 回目見下げ行動中

図 163. 被験者タイプⅷ 縦手すり WT 中

図 164. 被験者タイプⅷ 縦手すり 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 165. 被験者タイプⅸ 縦手すり 1 回目見下げ行動中

図 166. 被験者タイプⅸ 縦手すり WT 中

図 167. 被験者タイプⅸ 縦手すり 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 168. 被験者タイプⅹ 縦手すり 1 回目見下げ行動中

図 169. 被験者タイプⅹ 縦手すり WT 中

図 170. 被験者タイプⅹ 縦手すり 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 171. 被験者タイプⅰ ライン・床 1 回目見下げ行動中

図 172. 被験者タイプⅰ ライン・床 WT 中

図 173. 被験者タイプⅰ ライン・床 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 174. 被験者タイプⅱ ライン・床 1 回目見下げ行動中

図 175. 被験者タイプⅱ ライン・床 WT 中

図 176. 被験者タイプⅱ ライン・床 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 177. 被験者タイプⅲ ライン・床 1 回目見下げ行動中

図 178. 被験者タイプⅲ ライン・床 WT 中

図 179. 被験者タイプⅲ ライン・床 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 180. 被験者タイプⅳ ライン・床 1 回目見下げ行動中

図 181. 被験者タイプⅳ ライン・床 WT 中

図 182. 被験者タイプⅳ ライン・床 2 回目見下げ行動中

&*'


6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 183. 被験者タイプⅴ ライン・床 1 回目見下げ行動中

図 184. 被験者タイプⅴ ライン・床 WT 中

図 185. 被験者タイプⅴ ライン・床 2 回目見下げ行動中

&*(


6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 186. 被験者タイプⅵ ライン・床 1 回目見下げ行動中

図 187. 被験者タイプⅵ ライン・床 WT 中

図 188. 被験者タイプⅵ ライン・床 2 回目見下げ行動中

&*)


6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 189. 被験者タイプⅶ ライン・床 1 回目見下げ行動中

図 190. 被験者タイプⅶ ライン・床 WT 中

図 191. 被験者タイプⅶ ライン・床 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 192. 被験者タイプⅷ ライン・床 1 回目見下げ行動中

図 193. 被験者タイプⅷ ライン・床 WT 中

図 194. 被験者タイプⅷ ライン・床 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 195. 被験者タイプⅸ ライン・床 1 回目見下げ行動中

図 196. 被験者タイプⅸ ライン・床 WT 中

図 197. 被験者タイプⅸ ライン・床 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 198. 被験者タイプⅹ ライン・床 1 回目見下げ行動中

図 199. 被験者タイプⅹ ライン・床 WT 中

図 200. 被験者タイプⅹ ライン・床 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 201. 被験者タイプⅰ ルームナンバー 1 回目見下げ行動中

図 202. 被験者タイプⅰ ルームナンバー WT 中

図 203. 被験者タイプⅰ ルームナンバー 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 204. 被験者タイプⅱ ルームナンバー 1 回目見下げ行動中

図 205. 被験者タイプⅱ ルームナンバー WT 中

図 206. 被験者タイプⅱ ルームナンバー 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 207. 被験者タイプⅲ ルームナンバー 1 回目見下げ行動中

図 208. 被験者タイプⅲ ルームナンバー WT 中

図 209. 被験者タイプⅲ ルームナンバー 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 210. 被験者タイプⅳ ルームナンバー 1 回目見下げ行動中

図 211. 被験者タイプⅳ ルームナンバー WT 中

図 212. 被験者タイプⅳ ルームナンバー 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 213. 被験者タイプⅴ ルームナンバー 1 回目見下げ行動中

図 214. 被験者タイプⅴ ルームナンバー WT 中

図 215. 被験者タイプⅴ ルームナンバー 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 216. 被験者タイプⅵ ルームナンバー 1 回目見下げ行動中

図 217. 被験者タイプⅵ ルームナンバー WT 中

図 218. 被験者タイプⅵ ルームナンバー 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 219. 被験者タイプⅶ ルームナンバー 1 回目見下げ行動中

図 220. 被験者タイプⅶ ルームナンバー WT 中

図 221. 被験者タイプⅶ ルームナンバー 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 222. 被験者タイプⅷ ルームナンバー 1 回目見下げ行動中

図 223. 被験者タイプⅷ ルームナンバー WT 中

図 224. 被験者タイプⅷ ルームナンバー 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 225. 被験者タイプⅸ ルームナンバー 1 回目見下げ行動中

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図 227. 被験者タイプⅸ ルームナンバー 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 228. 被験者タイプⅹ ルームナンバー 1 回目見下げ行動中

図 229. 被験者タイプⅹ ルームナンバー WT 中

図 230. 被験者タイプⅹ ルームナンバー 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 231. 被験者タイプⅰ 高所窓際の台 1 回目見下げ行動中

図 232. 被験者タイプⅰ 高所窓際の台 WT 中

図 233. 被験者タイプⅰ 高所窓際の台 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 234. 被験者タイプⅱ 高所窓際の台 1 回目見下げ行動中

図 235. 被験者タイプⅱ 高所窓際の台 WT 中

図 236. 被験者タイプⅱ 高所窓際の台 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 237. 被験者タイプⅲ 高所窓際の台 1 回目見下げ行動中

図 238. 被験者タイプⅲ 高所窓際の台 WT 中

図 239. 被験者タイプⅲ 高所窓際の台 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 240. 被験者タイプⅳ 高所窓際の台 1 回目見下げ行動中

図 241. 被験者タイプⅳ 高所窓際の台 WT 中

図 242. 被験者タイプⅳ 高所窓際の台 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 243. 被験者タイプⅴ 高所窓際の台 1 回目見下げ行動中

図 244. 被験者タイプⅴ 高所窓際の台 WT 中

図 245. 被験者タイプⅴ 高所窓際の台 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 246. 被験者タイプⅵ 高所窓際の台 1 回目見下げ行動中

図 247. 被験者タイプⅵ 高所窓際の台 WT 中

図 248. 被験者タイプⅵ 高所窓際の台 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 249. 被験者タイプⅶ 高所窓際の台 1 回目見下げ行動中

図 250. 被験者タイプⅶ 高所窓際の台 WT 中

図 251. 被験者タイプⅶ 高所窓際の台 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 252. 被験者タイプⅷ 高所窓際の台 1 回目見下げ行動中

図 253. 被験者タイプⅷ 高所窓際の台 WT 中

図 254. 被験者タイプⅷ 高所窓際の台 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 255. 被験者タイプⅸ 高所窓際の台 1 回目見下げ行動中

図 256. 被験者タイプⅸ 高所窓際の台 WT 中

図 257. 被験者タイプⅸ 高所窓際の台 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

図 258. 被験者タイプⅹ 高所窓際の台 1 回目見下げ行動中

図 259. 被験者タイプⅹ 高所窓際の台 WT 中

図 260. 被験者タイプⅹ 高所窓際の台 2 回目見下げ行動中

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

次に、抽出した「恐怖」と「不安」の「一過性の反応」を表にまとめる。  (表 11 − 16)前記に示したように、「恐怖」については、「一過性 の反応」の「反応量」を示す。また、「不安」については、「不安」が 発現し始めてから廊下の WT が停止するまでの「距離」、または、 「 距離」 に変換する前の「時間」、そして、 「 一過性の反応」の「反応量」を示す。  また、3 章 1 節 1 章において、皮膚電位活動として観測する精神性 発汗は、個人差が大きくなる場合があることを示した。そして、本研 究においては、そのことに考慮し、個人内において比率にすることで 分析を進めることを宣言していた。したがって、本実験においては、 「初 期空間」を分母に取り、各「建築デザイン」を分子に取ることによっ て個人内の比率とをとり、それらを「反応比」、または、「時間比」と して扱っていく。  次に表の内容について説明する。  まず、表が示す対象についてである。(表 11,12)は「恐怖」の「反 応量」と「反応比」、 ( 表 13,14)は「不安」の「距離」と「時間比」、 (表 15,16)は「不安」の「反応量」と「反応比」を示す対象とする。  次に、表が示す項目名について説明する。  まず、(表 11,12,15,16)についての見方である。列方向の項目は、 被 験 者 タ イ プ(10 人 の 被 験 者 ) を ⅰ − ⅹ で 示 す。 行 方 向 の 項 目 は、 「TIME(TOP)」、「TOP」、「TIME(UNDER)」、「UNDER」、「反応量」、「反 応比」を示す。「TIME(TOP)」とは皮膚電位計の計測をはじめてから 対象とする「一過性の反応」の最上点を観測するまでの時間(s)を示 し、 「TOP」とは対象とする「一過性の反応」の最上点の反応値(mV) を示している。また、「TIME(UNDER)」とは皮膚電位計の計測をはじ めてから対象とする「一過性の反応」の最下点を観測するまでの時間 (s)を示し、「UNDER」とは対象とする「一過性の反応」の最下点の 反応値(mV)を示している。「反応量」は、「TOP」−「UNDER」を することで、対象とする「一過性の反応」の量(mV)を示している。 最後に、「反応比」は、「初期空間」の「反応量」を分母、各「建築デ ザイン」の「反応量」を分子に取ることによって、個人内の「反応量」 の比(mV/mV)を示してる。

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

次 に、( 表 13,14) に つ い て の 見 方 で あ る。 列 方 向 の 項 目 は、( 表 11,12,15,16) と 同 様 に、 被 験 者 タ イ プ(10 人 の 被 験 者 ) を ⅰ − ⅹ で 示 す。 行 方 向 の 項 目 は、「TIME(STOP)」、「TIME(START)」、 「TIME(DIFFERENCE)」、「SPEED」、「 距 離 」、「 時 間 比 」 を 示 す。 「TIME(STOP)」 は 皮 膚 電 位 計 の 計 測 を は じ め て か ら 廊 下 の WT が 停 止 す る ま で 時 間(s) を 示 し、「TIME(START)」 は 皮 膚 電 位 計 の 計 測 をはじめてから対象とする「一過性の反応」が観測されるまでの時間 (s)を示している。また、「TIME(DIFFERENCE)」は、「TIME(STOP)」 −「TIME(START)」 を 求 め る こ と に よ り、 対 象 と す る「 一 過 性 の 反 応」が観測してから廊下の WT が停止するまで時間(s)を示してい る。「SPEED」は廊下の WT が進む速さ(m/s)をを示し、「距離」は、 「TIME(DIFFERENCE)」×「SPEED」をすることにより、対象とする「一 過性の反応」が観測してから廊下の WT が停止するまで距離(m)を 示している。最後に「時間比」は、 「 初期空間」の「TIME(DIFFERENCE)」 を分母、各「建築デザイン」の「TIME(DIFFERENCE)」を分子に取る ことによって、個人内の「TIME(DIFFERENCE)」の比(s/s)を示してる。

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

表 11.「恐怖」の「反応量」と「反応比」(要因 0-2)

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

表 12.「恐怖」の「反応量」と「反応比」(要因 3-5)

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

表 13.「不安」の「距離」と「時間比」(要因 0-2)

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

表 14.「不安」の「距離」と「時間比」(要因 3-5)

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D

D

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D

D

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2345?789

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8=88

8=88

B

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8=88

C

D

D

D

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D

D

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H

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D

D

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D

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D

D

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D

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6=G6

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01

2345<789

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D

D

D

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D

D

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D

D

D

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D

D

K

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6@6=A;

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L

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?8F=?;

8=88

@=;8

8=88

8=88

M

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6A6=A;

6=8G

@=;8

6=>8

8=FG

!$(


6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

表 15.「不安」の「反応量」と「反応比」(要因 0-2)

7JKLMN -.FOPQ !"#$%!&'(

!&'

!"#$%)*+$,(

)*+$,

0

121345

67381

19:3;5

64385

-./ 437;

<

1=2377

673;;

1=;395

6739;

73:4

>

6

6

6

6

6

?

;5;317

7315

;:2317

67357

739:

@

;8;375

737=

;2:345

643:=

4351

A

;18327

7371

;12345

6738=

7388

B

6

6

6

6

6

C

;24385

6734;

;923:7

67394

7358

D

;5;3=5

734:

;:53:5

6435:

43=2

E

:773;7

43;=

;89397

73;8

738=

4JRSTU -.FOPQ !"#$%!&'(

!&'

!"#$%)*+$,(

)*+$,

-./

0

;743;7

67319

1893;7

67385

73=8

-.FG4H7I 73==

<

15:355

6731;

1:;355

673=9

73:5

4347

>

6

6

6

6

6

6

?

;:13=5

73=5

;;93;7

7344

735:

739;

@

;713=5

67395

188397

6437=

73;1

7314

A

6

7377

6

7377

7377

7377

B

6

6

6

6

6

6

C

;:1345

67378

;:73;5

67317

7344

7342

D

;953:5

731;

;9;385

7317

737:

7371

E

;:2345

67357

;:5325

643=:

434:

4342

-.FG1H7I

1JVSTU -.FOPQ !"#$%!&'(

!&'

!"#$%)*+$,(

)*+$,

-./

0

;7=377

734=

;713:7

67379

731;

7311

<

:;;345

67345

:12327

6735=

73:4

4374

>

6

6

6

6

6

6

?

;48345

7358

;49375

7315

73;:

73:=

@

6

6

6

6

6

6

A

6

7377

6

7377

7377

7377

B

6

6

6

6

6

6

C

;::3=5

643=7

;:7355

613:5

732:

43:;

D

6

7377

6

7377

7377

7377

E

:79347

73:2

:7:315

67392

431=

43;7

!$)


6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

表 16.「不安」の「反応量」と「反応比」(要因 3-5)

2JZX[\O]ZX^X_ -.0QRS !"#$%!&'(

!&'

!"#$%)*+$,(

)*+$,

-./

6

27789:

48:;

24;8<4

=4879

489:

-.012345 4892

>

24?82:

48@;

244894

=4849

482A

48<<

B

=

=

=

=

=

=

C

2:78<4

4824

2?<844

=48?<

489<

784:

D

?9A844

=48A4

?9?8;4

=48<4

48@4

4872

E

27;8@4

=487;

27<8::

=48@:

484A

484A

F

=

=

=

=

=

=

G

@9<8?:

=7844

@99824

=78?9

48?9

48<4

H

@;@8?4

=48;A

@;78::

=78?@

48?A

48@9

I

2;@8@:

48A:

2<9874

=7849

789@

789<

-.01?345

?JKLMNOPL -.0QRS !"#$%!&'(

!&'

!"#$%)*+$,(

)*+$,

-./

6

2A<8?4

=48?2

2AA8:4

=7847

48:<

48:A

>

=

4844

=

4844

4844

4844

B

=

=

=

=

=

=

C

?@A8;4

4827

?@282:

=48@<

48A4

48<4

D

=

=

=

=

=

=

E

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48@@

?448<4

=48<?

784A

7849

F

=

=

=

=

=

=

G

2:78A:

=48A;

2:48?4

=78:A

48<9

78?9

H

2:28<:

@8@7

2:@8:4

48?7

78<4

7849

I

?2@8@4

48:2

?@9844

=7844

78:2

78:;

-.01:345

:JTUVWXY -.0QRS !"#$%!&'(

!&'

!"#$%)*+$,(

)*+$,

-./

6

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48@9

2A<8A4

484<

487;

487;

>

@;;894

48@A

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=48@4

48?9

787:

B

=

=

=

=

=

=

C

2:28;:

78?<

2?A824

4827

7879

78:<

D

2:4824

=489<

2?:8@:

=789:

48;<

48A?

E

?7?87:

=78A7

?7289:

=78A2

4842

4842

F

=

=

=

=

=

=

G

24?8?:

4899

24287:

482@

48?:

489A

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=

4844

=

4844

4844

4844

I

29989:

=789<

29A8?:

=@8A@

48<?

48<9

!$*


6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

次にアンケート結果である。(表 17-21)は、6 章 2 節で示したア ンケートに各被験者が記した内容を表にまとめたものである。左から 順に「アンケート用紙名」、「アンケート項目番号」、「被験者ⅰ - ⅹの 回答」になっている。表に記載されているアルファベットや数字は、 アンケートの回答欄にあるアルファベットや数字と一致している。

表 17. 実験 2 のアンケート結果 01

ⅰ 表紙

裏表紙

2

2

2

1

2

2

1

2

1

1

1

1

1

5

1

1

4

1

1

4

3

2

2

1

1

1

2

1

2

1

4

4

2

4

2

3

3

2

3

4

F

F

F

F

F

F

F

F

F

F

A

E

A

A

D

A

A

A

A

E

C

D

D

E

C

D

D

D

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D

E

A

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D

A

E

E

C

D

A

D

C

C

C

E

C

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C

C

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B

B

B

B

C

B

B

B

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F

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A

A

D

E

E

F

A

A

A

F

F

D

A

F

A

D

D

B

E

D

D

F

C

A

D

E

F

E

B

C

E

C

B

C

F

C

C

C

D

B

C

B

F

B

C

B

B

F

D

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B

E

E

D

B

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F

F

F

F

F

F

F

F

F

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A

A

C

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D

A

E

E

D

D

D

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D

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D

A

D

E

A

E

D

A

E

E

E

D

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C

C

C

C

E

C

C

C

C

C

B

B

B

B

B

B

B

B

B

B

4

4

4

5

4

4

4

5

3

4

!$"


6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

表 18. 実験 2 のアンケート結果 02

ⅰ 0

1

2

4

2

4

4

4

4

4

5

2

4

4

4

4

4

5

4

4

4

4

3

3

4

3

3

2

2

3

3

4

3

4

3

3

2

2

2

2

4

4

2

2

5

3

2

2

4

3

4

3

4

3

1

6

4

4

3

2

4

2

2

4

3

5

7

2

2

4

1

2

4

3

3

3

4

8

4

2

4

2

1

4

4

2

4

4

9

2

4

4

2

4

3

2

3

3

4

10

1

1

2

2

2

2

2

1

2

1

11

1

1

3

1

5

9

4

6

11

5

9

7

11

9 1

1

2

4

4

4

4

4

5

2

3

5

2

4

4

4

4

4

5

4

4

4

5

3

2

3

3

3

3

3

3

3

3

2

4

2

2

3

3

2

2

2

4

2

1

5

4

2

4

4

4

4

4

4

4

5

6

2

4

3

2

4

2

3

2

3

1

7

2

2

4

2

2

4

2

4

3

1

8

2

2

2

2

1

2

2

2

2

1

9

2

4

3

2

3

2

3

2

3

1

10

1

1

2

2

1

2

2

1

2

1

11

3

9

5

1

2

2

3

9

4 5 6 9 13

4

5

5

4

4

5

4

4

4

5

14

3

5

4

4

4

4

3

4

4

5

15

4

5

4

4

4

4

3

4

4

5

16

4

5

3

4

4

4

2

4

3

5

!$$


6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

表 19. 実験 2 のアンケート結果 03

2

3

1

2

3

4

4

4

3

4

4

3

4

2

4

4

4

4

4

4

4

4

4

5

3

2

3

3

3

3

3

3

3

3

3

4

2

3

3

2

4

3

2

3

2

1

5

3

2

4

4

4

4

3

4

4

4

6

2

2

4

2

4

2

3

4

3

1

7

2

2

4

2

4

4

2

4

2

2

8

2

2

3

2

4

3

2

1

2

4

9

2

2

4

2

4

2

2

3

2

1

2

2

1

2

2

10

1

1

11

2

9

1

1

1

2

2

2

9

5

3

6

11

9

1 2

13

3

4

4

4

2

4

2

2

4

5

14

3

4

4

4

3

2

4

2

4

5

15

4

4

4

4

4

4

4

2

3

5

16

3

3

4

3

2

3

2

2

2

5

1

3

3

2

4

4

4

4

2

4

4

2

4

4

5

4

4

4

4

4

4

5

3

3

4

3

3

3

3

3

3

2

3

4

2

2

2

3

4

3

2

2

3

3

5

3

2

3

3

4

4

4

4

4

3

6

2

4

2

2

4

3

4

4

3

4

7

2

2

4

2

4

4

2

4

3

4

8

2

2

4

2

4

4

2

3

2

4

9

2

4

4

2

4

4

3

2

2

3

2

2

2

10

1

1

11

2

9

1

1

1

1

2

1

9

2

2

3

6

5

9

3

1

6 13

2

2

1

1

1

1

1

1

1

1

14

A

A

B

A

B

B

B

A

B

A

D

B

A

B

A

A

A

C

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B

B

C

C

D

C

C

D

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C

C

C

D

D

C

D

D

C

D

D

D

E

E

E

E

E

E

E

E

E

E

!$#


6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

表 20. 実験 2 のアンケート結果 04 4

1

3

4

2

3

5

4

2

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2

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4

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5

4

4

4

5

3

3

4

3

3

4

4

2

4

4

4

4

2

2

2

2

4

3

3

3

3

2

5

3

2

3

3

3

4

3

4

4

4

6

2

4

2

2

4

3

3

3

3

1

7

2

2

4

2

2

4

3

4

2

2

8

2

2

2

2

2

4

1

2

4

4

9

2

4

4

2

4

4

3

2

2

1

10

1

1

2

2

1

2

2

1

2

2

11

2

9

2

2

5

3 5 6 9

5

13

4

5

4

4

4

4

4

5

4

5

14

1850

1850

1850

1850

1850

1850

1850

1850

1850

1850

16

2

2

2

2

2

2

2

2

1

2

17

5

4

2

3

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

表 21. 実験 2 のアンケート結果 05(自由記述)

アンケート用紙 0- 項目 13 ⅰ:1 回目の見下げ行動の時、頭につけた機材の重みで少しふらつき、少し怖いと感じました。 ⅱ:本当に高層ビルの中にいる感じがして、見下げ行動をした時が結構恐かったです。 ⅳ:ヘッドマウントを重く感じた ⅵ:目線を下にする癖があるので、VR 装置の下のすきまから実際の床が少し見えてしまっ た時があった。2 回目(エレベーターの後)は気をつけるようにしたので、1 回目より 怖く感じた。 ⅶ:エレベーターに乗っている時、高速エレベーターで上る感じがよくした。 ⅷ:VR の機材をつけてから、すぐに動機がして少し息苦しくなりました。実験の終わりの 方で、少し慣れてきて、動機がおさまってきましたが、ストレスを測るのであれば、VR に慣れる時間が少し必要なのではないかと思いました。 ⅸ:初回だったので、多少とまどった。 ⅹ:エレベーターで上がる時の印象が他の場面と比べて、薄かった。たぶん、この間は、ボ タンを押さなくてもいい=実験対象じゃないので、リラックスしようとしていのだと思 われる。住んでいるところが、マンションの 12F なので、自宅から見る風景と、どうし ても比較してしまう。私は 2 − 3 年前から高所恐怖を感じるようになった。(おそらく、 老眼になって、遠近のメガネをかけていることに関係していると思う。)実際ふらつけば、 本当に転落しそうなところは本当にこわいが、柵が付いていれば(論理的に落ちないこ とが保証されていれば)こわくない。という種類の「頭でっかちの」高所恐怖症です。

アンケート用紙 1- 項目 17 ⅰ:実際に手で手すりに触れる感覚があるので、体のバランスをとりやすかった。 ⅱ:横手すりがあることで安心感がだいぶ違いました。縦手すりよりも安心感がありました。 ⅳ:手でつかんだ時の安心感。しっかりとした物体をつかんだ時の安心感 ⅷ:1 回目に横手すりがない時に見下げた時より、高く感じなかった。

アンケート用紙 1- 項目 18 ⅰ:1 回目の実験より怖さがなくなりました。 ⅱ:これまでの実験では、ウォークスルーが止まる時に恐怖感がありましたが、今回は横手 すりがあったので恐怖感がだいぶ軽減されました。 ⅳ:スルーウォークがスタートした時、横手すりが、白いひらひらの線に見えた。手すりを つかんだ時安心感を感じた。 ⅴ:頭の重みがもう少し少なくなったらもっとリアリティが感じたかもしれません。 ⅵ:最も日常でありそうな(?)状況だったので、慣れた環境のように感じた。

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ⅶ:手すりがあることで、「見下し」が今までの実験以上に下をのぞき込むという感覚となっ た。(手を使っていることが影響しているのか?) ⅹ:だんだん風景のディティールまで見ることが出来るようになった。ガラスの反射とか、 下の家の形の細部などバーチャルで慣れてきたのですが、窓際で、足の前まで見えてい ると一瞬ドキッとする。

アンケート用紙 2- 項目 17 ⅳ:横手すりに比較してたよりない感じがした。 ⅴ:下をのぞきやすくしてくれた。 ⅷ:手すりを持つことで、見下ろすときに、身をのりだせる感じはしました。

アンケート用紙 2- 項目 18 ⅰ:縦手すりよりも横手すりの方が安心感がありました。 ⅱ:手すりがあるだけで、だいぶ安心感がありました。 ⅳ:縦手すりは安心感を与えるものではないと思ったが、手でつかんだところそれなりの安 心感はあった。 ⅴ:縦手すりにより、下はのぞきやすくなったが、半歩前に出てつかむまでに不安感があった。 ⅶ:「縦手すり」は意外に頼りがいを感じるものでした。 ⅹ:気がついたら、縦手すりを強くにぎっていたので、自分で驚いた。

アンケート用紙 3- 項目 15 ⅰ:変化など特にありませんでした。 ⅱ:黄色いラインがあった時となかった時の違いは特に感じませんでした。 ⅲ:危険区域なのかと思いました。 ⅳ:ここから奥は危険ゾーンになるぞ。と思った。 ⅴ:危険が近づいているという感じがした。 ⅵ:ホームの黄色い線みたいで、越えてはいけないような気がした。 ⅶ:「窓際です注意してください」の印と思った。 ⅷ:黄色いラインを越えてはいけない気がして、黄色い線を超える時に、不安が大きくなっ た気がします。 ⅸ:黄色いラインが注意の目安となりました。 ⅹ:これから窓際がはじまるのだろう危険な箇所に行くのではないかというばくぜんとした 不安。

アンケート用紙 3- 項目 16 ⅰ:あまり変化や不安は感じませんでした。 ⅱ:床の色の違いについても特に意味を感じませんでした。

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ⅲ:特になし ⅳ:危険なゾーンに入る目じるしと思った。 ⅴ:色が同じときより窓際との近さを感じた。 ⅵ:はじめ床の色の違いが分からなかった。ウォークスルー中によく見ると色が違うことに 気がついた。 ⅶ:濃い色が窓際ですよという意味と考えたが、ウォークスルー中は何も感じなかった。 ⅷ:遠くから見ると、黄色い線より先がないように感じました。 ⅹ:見た目にそんな大きな色の違いを感じなかったので、黄色い線の印象が非常に強い。

アンケート用紙 3- 項目 17 ⅰ:黄色いラインがあっても、一番初めに行った見下げ行動と特に差は感じられなかったで す。 ⅱ:2 回目の実験に比べてウォークスルーが速かった気がして、高所窓際の直前が恐かった です。 ⅳ:黄色いラインまでは安心ゾーンと感じたが、黄色いラインに近づくまでの間で、近づい て来ると、少し緊張した。ラインに到着するとかえって安心感が出た。 ⅴ:黄色のラインは、他の場合のときより恐怖を感じました。 ⅵ:エレベーターを降りた時∼黄色い線に近づくまで、黄色い線がチカチカして見えたり見 えなかったりした。頭が重くて疲れる気がした。 ⅶ:電車の駅の黄色いラインと同じように、『黄色いライン』がここから注意するところで すよと見た瞬間に意識させていると思った。 ⅷ:前回より見下げるのが恐かったです。 ⅹ:先回の実験では、下を見た時の家の形などの風景をより鮮明に見えた。(前回の実験では、 下を見ても、自分の靴以外は風景を良く見ていなかったように思う)

アンケート用紙 4- 項目 18 ⅰ:今回、廊下の移動中、左右に首を振りルームナンバーを探したので、あまり窓際に向かっ て進んでいる、という感覚はありませんでした。 ⅱ:ルームナンバーを探す(確認)するのが難しかったです。他の実験よりウォークスルー が速く感じました。特に、最後に見たルームナンバーから窓際までがすごく速かったで す。 ⅲ:ピントが合わなくてルームナンバーを上手く見つけることができませんでした。 ⅳ:ルームナンバーは右手の部屋だけ捜してしまった。それで 5 割程度しか確認できなかっ た。 ⅴ:エレベーターに乗るときとてもバランスがくずれました。

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

ⅵ:ルームナンバーの方を見てから読みとれるようになるまで時間がかかるので、全部のナ ンバーを確認できるか少し心配だった。 ⅶ:ルームナンバー探しに集中すると、あの移動スピードでは窓の外まで意識する余裕がな かった。(見えてはいたが)そのため、高い所にいる『こわさ』を感じなかったようだ。 ⅷ:ピントを合わせるのに、遠くでは合っていましたが、近くではピントがいまいちあって なく、ルームナンバーが見辛かったです。遠視と近視で違うので、仕方がないと言えば 仕方がないんですけどね。 ⅹ:きっちりと左右を見ないとルームナンバーが確認できないので、最後のルームから前を 見た時廊下の端だったのでドキッとした。(この実験には関係ないかも知れませんが) エレベーターを上がる時に、はじめて重力を感じた。ちょっとした驚きです。

アンケート用紙 5- 項目 17 ⅰ:窓際ギリギリに台があったので、支えがなく台に乗るのは怖いと感じました。何もない 見下げよりも窓が近く感じました。 ⅱ:台があることで、恐怖感が増大したと思いました。 ⅳ:特に感じなかった ⅷ:台がない時よりも、落ちそうに感じました。 ⅹ:のぼることによって更に不安感が増した

アンケート用紙 5- 項目 18 ⅰ:台がやわらかかったので、バランスをとるのが難しかったです。 ⅱ:台に登る時にバランスがくずれてしまったこともあり、今回は非常に恐かったです。 ⅳ:窓際の台に安定して立つことが出来なかった。 ⅴ:台がやわらかくてのぼった瞬間驚きました。全く安心感は感じませんでした。 ⅵ:床と少しだけ台の色が違うと感じたが、よく見ないと分からないので台があると言われ なければ気がつかないと思った。台が想像以上にやわらかくてびっくりした。 ⅶ:WS 移動中に窓際の台の存在を余り感じなかった。但し、前の実験の時よりも窓際によ り近づいてから「こわさ」を感じたように思えるので、台は見えていたのだろうと思う。 ⅹ:窓際の不安定な台に乗ることは、ない場合には感じていなかった恐怖を感じることになっ た。

アンケート用紙裏表紙 - 項目Ⅴ ⅰ:台に乗る動作が一番「怖い」と思いました。その分、その次に行った実験(黄色いライン) での見下げ行動のときにはとても安心感があるように感じました。一番安心して見下げ 行動ができたのは、横手すりがあるときでした。 ⅱ:すべての実験を通して、条件が変わると恐怖感の程度も変わり、面白いと思いました。

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このような体験をさせていただき、ありがとうございました。 ⅳ:楽しく実験に参加できた。部屋番捜しは片方を見るだけで、うまく出来なかった。 ⅴ:ヘッドマウントディスプレイは重くて、少し違和感がありましたが、バーチャルリアリ ティー空間では本当に 18 階にいると感じられ、恐怖感もありました。様々な場合があ りましたが、横手すりが一番安心感がありました。縦手すりも最初は安心感あると思い ましたが、ウォークスルーの後だと、手でつかもうということで気持ちがとられ逆に他 の場合よりも恐怖を感じられたと思います。 ⅵ:始まる前は高所ストレスの実験と聞いてかなり怖そうだと思っていたけれど、想像して いたよりは大丈夫でした。3 回目くらいからはかなり慣れていたように思います。横手 すりの実験が、最も現実味(?)がある状況だったので、本当に高所にいた時のことを 思い出してしまって、 リアル という意味で怖かったような気もします。 ⅶ:いろいろなケースを設定するのはかなり大変だっただろうと思いました。「台」は不安 感を減少させると思っていましたが、ウォークスルー時、ほとんど存在を感じませんで した。眼が悪いせいかもしれません。以前、床のレベルから窓ガラスになっているオフィ スで勤務していましたが、巾木を感じさせるような、背の低い(10cm 程度)のものが あれば良いと思っていました。(例えば、スリガラス)あまり効果なさそうですね。実 験としては、12 回同じ景色を見下して、若干飽きがあります。多分、これは毎回ある 設問の 5. につながるのかもしれません。景色を変えなかったのは、何か意図されたの でしょう。 ⅷ:窓際から見下ろすことが最初は恐いと感じていましたが、実験をかさねるごとに、少し ずつ慣れてきたように思います。その慣れが、映像に対する慣れなのか、実験に対する 慣れなのかは、分かりませんが…。これで高所恐怖症の人も症状が改善するんじゃない かと思いました。お疲れ様でした。ありがとうございました。 ⅸ:手すりがあった方が、見下ろす時に安心感がありました。 ⅹ:黄色いラインの前後の色の違い、台を置いた時のデザインが良くわからなかった。もう 少し違いが一目でわかるものであれば、違った効果が出ていると思う。視覚に頼って生 きている部分が思っている以上に大きいと感じた。エレベーターをのぼる時に足に重力 を感じたことやのぞき込む時の視界のゆれがもたらす恐怖感等は普段気付かないが、感 覚に視覚の占める役割が大きいことを改認識した。被験者として、のぞき込む時にどこ までかがめるのかの基準があったほうがわかりやすいのでは?と感じた。例えば、下の どんな形の家が見えるまで、とかのガイドラインがあったほうがいつも同じ動作が出来 るのではと感じた。風景はだんだん見慣れてくるが、やっぱり恐怖感があります。実験 とは関係ありませんが、(記録によると)2010.1.2 にそれまで感じなかった高所恐怖を 強く感じるようになりましたが、年を取ることと恐怖症とは関係するのかが気になる。

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

6.4

実験 2 の分析

次に実験 2 の分析について説明する。分析は、3 段階に分けて行う。  第 1 段階の分析は、分布の仕方を示すグラフの作成である。この第 1 段階の分析は、まず、「恐怖」の「反応比」と「不安」の「時間比」、 「不安」の「反応比」の 3 つを対象に、 「建築デザイン」ごとの最小値、 第 1 四分点、中央値、第 3 四分点、最大値の 5 つの値を求める。そし て、箱ひげ図の形式を利用してを用いて「建築デザイン」ごとに整理 したグラフを作成する。つまり、3 つの対象について「建築デザイン」 ごとの「恐怖」や「不安」を調整する効果について推定を行うことが できる。  第 2 段階の分析は、分散分析と多重比較である

22)-26)

。この第 2 段

階の分析は、第 1 段階で推定された効果が、本当に信頼するに値する 効果であるかどうかを判断する分析である。つまり、 「 恐怖」の「反応比」 と「不安」の「時間比」、「不安」の「反応比」の 3 つを対象に分散分 析と多重比較を行ことで、第 1 段階の分析によって示された「建築デ ザイン」ごとの調整効果が意味のある差としてあるかどうかを検証で きる。  第 3 段階の分析は、アンケートの分析である。この第 3 段階の分析は、 第 1 段階と第 2 段階の分析を同様にアンケート項目に対して行う分析 である。つまり、皮膚電気活動のみを指標に「恐怖」や「不安」を調 整する効果について判断するのではなく、被験者の心理評価の観点も 踏まえてその効果を判断できる。   以上、3 段階の分析の方法と目的を示した。以降、順を追って3段 階の分析を行っていく。  また、以降便宜上、各「建築デザイン」に関して番号、もしくは、 名前のどちらか一方のみの表記しかないことがある。したがって、先 に、番号と名前の関連を再度呈示しておく。「0:初期空間」、「1:横 手すり」、「2:縦手すり」、「3:床のラインと床の色の差」、「4:ルー ムナンバー」、「5:高所窓際の台」以上である。  まず、第 1 段階の分析である。「建築デザイン」ごとの最小値、第 1 四分点、中央値、第 3 四分点、最大値の 5 つの値を求める。そして、 箱ひげ図の形式を利用してを用いて「建築デザイン」ごとに整理した グラフを作成する。 「恐怖」の「反応比」は、 ( 表 22) ( 図 261)に示す。 「不 安」の「時間比」は、 (表 23)(図 262)に示す。「不安」の「反応比」 は、(表 24)(図 263)に示す。

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「0:初期空間」、「1:横手すり」、「2:縦手すり」、「3:床のラインと 床の色の差」、「4:ルームナンバー」、「5:高所窓際の台」 表 22.「恐怖」の「反応比」の分布値 !"#$%&'( !"#$)&'( !"#$*&'( !"#$+&'( ,-.

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図 261.「恐怖」の「反応比」の分布図

注: 高所窓際で見下げ行動時に関係のある建築デザインのみを対象にす る。「4:ルームナンバー」は例外とする。理由は、見下げ行動時は初期 空間と同一の空間であると見なせることから、初期空間の 2 回目として 見ることができるからである。つまり、「4:ルームナンバー」には、馴 れの影響を見ることができる。ここでは、参考程度に示す。

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

「0:初期空間」、「1:横手すり」、「2:縦手すり」、「3:床のラインと 床の色の差」、「4:ルームナンバー」、「5:高所窓際の台」 表 23.「不安」の「時間比」の分布値 !"#$%&'( !"#$)&'( !"#$*&'( !"#$+&'( !"#$,&'( -./

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図 262.「不安」の「時間比」の分布図

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

「0:初期空間」、「1:横手すり」、「2:縦手すり」、「3:床のラインと 床の色の差」、「4:ルームナンバー」、「5:高所窓際の台」 表 24.「不安」の「反応比」の分布値 !"#$%&'( !"#$)&'( !"#$*&'( !"#$+&'( !"#$,&'( -./

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図 263.「不安」の「反応比」の分布図

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

第 1 段階の分析により、結果として次のことが明らかになった。   ま ず、( 表 22)( 図 261) を み る と「 恐 怖 」 の「 反 応 比 」 は、「1: 横手すり」が 0.225、「2:縦手すり」が 0.138、「4:ルームナンバー」 が 0.543、「5:高所窓際の台」が 1.733 という中央値を取る。つまり、 この数値は「0:初期空間」との比率であることから、「1:横手すり」 は「0:初期空間」の 23% 程度、同様に「2:縦手すり」が 14% 程度、 「 4: ルームナンバー」が 54% 程度、 「 5:高所窓際の台」が 173% 程度の「恐怖」 の調整効果を有する可能性が推察できる。しかし、全体的に数値のば らつきが大きいことも特徴である。最小値は、 「 1:横手すり」が 0.038、 その他すべてが 0 を取る。そして、最大値は、 「1:横手すり」が 2.268、 「2:縦手すり」が 0.901、「4:ルームナンバー」が 2.500、「5:高所 窓際の台」が 4.323 を取る。「2:縦手すり」が唯一 1 以内の範囲にば らつきがおさえられているが、その他は、小さくて 2.2 程度、大きく て 4.3 程度もの比率の間をばらついている。   次 に、( 表 23)( 図 262) を み る と「 不 安 」 の「 時 間 比 」 は、「1: 横 手 す り 」 が 0.417、「2: 縦 手 す り 」 が 0.475、「3: 床 の ラ イ ン と 床の色の差」が 0.586、「4:ルームナンバー」が 0.678、「5:高所窓 際の台」が 0.806 という中央値を取る。つまり、この数値は「0:初 期空間」との比率であることから、「1:横手すり」は「0:初期空間」 の 42% 程度、同様に「2:縦手すり」が 48% 程度、「3:床のライン と床の色の差」が 59% 程度、「4:ルームナンバー」が 68% 程度、「5: 高所窓際の台」が 81% 程度の「不安」の調整効果を有する可能性が推 察できる。しかし、「恐怖」の「反応比」と同様に、全体的に数値の ばらつきが大きいことも特徴である。最小値は、「3:床のラインと床 の色の差」が 0.190、その他すべてが 0 を取る。そして、最大値は、 「1:横手すり」が 1.239、「2:縦手すり」が 1.697、「3:床のライン と床の色の差」が 1.788、「4:ルームナンバー」が 1.953、「5:高所 窓際の台」が 1.415 を取る。「恐怖」の「反応比」に比べ、飛び抜け てばらつきの幅が大きい建築デザインはないが、どの建築デザインも 0 ∼ 2 程度の間をばらついている。また、 「 5:高所窓際の台」を除いて、 0 ∼ 1 の範囲に各建築デザインの 75% 以上の数値がばらついているの も特徴である。つまり、「0:初期空間」の場合よりも窓際に近い位置 から「不安」が発現している場合が極めて多いということになる。

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

最後に、(表 24)(図 263)をみると「不安」の「反応比」は、「1: 横手すり」が 0.436、「2:縦手すり」が 0.463、「3:床のラインと床 の色の差」が 0.763、「4:ルームナンバー」が 1.070、「5:高所窓際 の台」が 0.705 という中央値を取る。つまり、この数値は「0:初期空間」 との比率であることから、「1:横手すり」は「0:初期空間」の 44% 程度、同様に「2:縦手すり」が 46% 程度、「3:床のラインと床の色 の差」が 76% 程度、「4:ルームナンバー」が 107% 程度、「5:高所 窓際の台」が 71% 程度の「不安」の調整効果を有する可能性が推察で きる。しかし、前二者と同様に、全体的に数値のばらつきが大きいこ とも特徴である。最小値は、「3:床のラインと床の色の差」が 0.061、 その他すべてが 0 を取る。そして、最大値は、 「1:横手すり」が 1.180、 「2:縦手すり」が 1.434、 「3:床のラインと床の色の差」が 1.781、 「4: ルームナンバー」が 1.586、「5:高所窓際の台」が 1.577 を取る。ど の建築デザインも 0 ∼ 2 程度の間をばらついている。前二者と異なる 特徴としては、前二者の最大中央値が「5:高所窓際の台」だったの に対して、「不安」の「反応比」は「4:ルームナンバー」であったこ とである。また、他の建築デザインと比べ、全体の 50% が 0.6 ∼ 1.3 という高い比率にばらついている。つまり、これは、「4:ルームナン バー」が他の建築デザインと比べ、WT で窓際に近づく時に強い「不安」 を示すという可能性を推定している。  次に、第 2 段階の分析は、分散分析と多重比較である。この第 2 段 階の分析は、第 1 段階で推定された効果が、本当に信頼するに値する 効果であるかどうかを判断する分析である。つまり、第 1 段階の分析 によって示された「建築デザイン」ごとの調整効果が意味のある差と してあるかどうかを検証できる。「恐怖」の「反応比」は、 (表 25,26) に示す。「不安」の「時間比」は、 (表 27,28)に示す。「不安」の「反 応比」は、(表 29,30)に示す。  また、分散分析と多重比較は、各「建築デザイン」が「水準」となる。 「恐 怖」は、「1:横手すり」、「2:縦手すり」、「5:高所窓際の台」、参考デー タとしての「4:ルームナンバー」の 4 水準で一元配置の分散分析と 多重比較を行う。また、 「不安」は、 「1:横手すり」、 「2:縦手すり」、 「3: 床のラインと床の色の差」、「4:ルームナンバー」、「5:高所窓際の台」 の 5 水準で一元配置の分散分析と多重比較を行う。

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

表 25.「恐怖」の「反応比」の分散分析

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

表 27.「不安」の「時間比」の分散分析

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

表 29.「不安」の「反応比」の分散分析

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

第 2 段階の分析により、結果として次のことが明らかになった。  まず、(表 25,26)をみると「恐怖」の「反応比」には、分散分析 の結果により有意確率 1.5% で 5% 有意があることが明らかになった。 ようするに、「1:横手すり」、「2:縦手すり」、「4:ルームナンバー」、 「5:高所窓際の台」という 4 つのデザインの間には、偶然のいたずら による差ではなく、本質的に効果の差が存在することが明らかになっ た。また、分散分析につづいて「Tukey HSD」、 「 Scheffe」、 「 Bonferroni」 の 3 つの多重比較を行った。その結果、3つすべての場合において、 「2:縦手すり」と「5:高所窓際の台」の間の差が 5% 有意であるこ とが明らかになった。逆に言えば、その他の対比較には、どの場合に も 5% の有意差を認めることができなかったということである。しか しながら、その中で唯一「1:横手すり」と「5:高所窓際の台」の間 には、5% までは届かなかったが、「Tukey HSD」の多重比較において 6.6% の有意確率を得ている。今後、実験を重ねることで、有意差を確 認できる可能性は十分にある値と言える。  次に、 ( 表 25-28)をみると「不安」の「時間比」と「反応比」には、 分散分析の結果により有意確率 75% と 67% で 5% 有意を認めること ができないことが明らかになった。また、「Tukey HSD」、「Scheffe」、 「Bonferroni」の 3 つの多重比較においても同様に、両者に 5% 有意の 結果を示すものはなかった。したがって、本実験における「不安」の 観測において、各「建築デザイン」の間に「不安」を調整する効果の 差を確認できるものはないという結論を得た。つまり、現段階では、 「 1: 横手すり」、「2:縦手すり」、「3:床のラインと床の色の差」、「4:ルー ムナンバー」、「5:高所窓際の台」には、「不安」を調整する効果とい う観点からは同様の効果しかないということになる。

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

第 3 段階の分析は、アンケートの分析である。この第 3 段階の分析は、 第 1 段階と第 2 段階の分析を同様にアンケート項目に対して行う分析 である。つまり、皮膚電気活動のみを指標に「恐怖」や「不安」を調 整する効果について判断するのではなく、被験者の心理評価の観点も 踏まえてその効果を判断できる。  分析するアンケートの項目は、次の 7 項目である。 全試行共通の項目 6 . 1 回目の高所窓際で見下ろした時、 「 恐怖」を感じましたか?   (表 31-33)(図 264) 8 . 廊下を移動している時、「不安」を感じましたか?   (表 34-36)(図 265) 「1:横手すり」、「2:縦手すり」、「5:高所窓際の台」のみの項目 13 .【○○】に「安心感がある」と感じましたか?   (表 37-39)(図 266) 14 .【○○】に「頼りがいがある」と感じましたか?   (表 40-42)(図 267) 15 .【○○】が「自分の体を支えてくれる」と感じましたか?   (表 43-45)(図 268) 16 .【○○】が「自分の体を止めてくれる」と感じましたか?   (表 46-48)(図 269) *【○○】には各「建築デザイン」の名前が入る。 「3:床のラインと床の色の差」のみの項目 14 . 廊下を移動している時、「不安」を感じた程度が【大きい   順に右から】アルファベットを並べて下さい。   (表 49-51)(図 270) A 高所窓際 B 高所窓際と黄色いラインの間 C 黄色いラインの真上 D 黄色いラインの手前(数歩の位置) E 黄色いライン手前とエレベーターまでの間

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

次に、データの取り扱い方について説明しておく。全試行共通と「1: 横手すり」、「2:縦手すり」、「5:高所窓際の台」のみの項目は、1-5 の 5 段階の評価になっている。また、1-5 の間隔は、等間隔になるよ う 意 識 的 な 配 置 を し て あ る。 し た が っ て、1 を 0 点、5 を 4 点 と し、 その間を等間隔に点数づけし分析に用いる。また、「3:床のラインと 床の色の差」のみの項目については、大きい順に 5 点から 1 点まで点 数づけし、その点数を分析に用いる。  最後に、全試行共通項目質問 6 について注を入れておく。この質問は、 第 1 段階の分析でも示したが、高所窓際で見下げ行動時に関係のある建 築デザインのみ分析が必要な質問である。なぜなら、見下げ行動の時に無 関係なデザインがあるからである。しかし、4 のルームナンバーは例外と する。理由は、見下げ行動時は初期空間と同なじ空間であることから、初 期空間の 2 回目として見なすことができるからである。つまり、馴れの 影響を見ることができる。ここでは、参考程度に用いる。

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

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図 264. 全試行共通項目質問 6 の分布図

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

表 32. 全試行共通項目質問 6 の分散分析

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

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図 265. 全試行共通項目質問 8 の分布図

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

表 35. 全試行共通項目質問 8 の分散分析

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

表 37. 試行 1,2,5 のみの項目質問 13 の分布値 !"#$ %"#$ &'()*+ ,-.

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図 266. 試行 1,2,5 のみの項目質問 13 の分布図

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

表 38. 試行 1,2,5 のみの項目質問 13 の分散分析

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

表 40. 試行 1,2,5 のみの項目質問 14 の分布値 !"#$ %"#$ &'()*+ ,-.

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図 267. 試行 1,2,5 のみの項目質問 14 の分布図

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

表 41. 試行 1,2,5 のみの項目質問 14 の分散分析

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

表 43. 試行 1,2,5 のみの項目質問 15 の分布値 !"#$ %"#$ &'()*+ ,-.

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3/4

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図 268. 試行 1,2,5 のみの項目質問 15 の分布図

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

表 44. 試行 1,2,5 のみの項目質問 15 の分散分析

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表 45. 試行 1,2,5 のみの項目質問 15 の多重比較 9-c!defg NOP@Q!RST

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

表 46. 試行 1,2,5 のみの項目質問 16 の分布値 !"#$ %"#$ &'()*+ ,-.

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3/4

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図 269. 試行 1,2,5 のみの項目質問 16 の分布図

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

表 47. 試行 1,2,5 のみの項目質問 16 の分散分析

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表 48. 試行 1,2,5 のみの項目質問 16 の多重比較 )-c!defg NOP@Q!RST

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

表 49. 試行 3 のみの項目質問 14 の分布値 !"#$ !"#$%&'()* &'(+ &'(,- &'(,-%./)* 012

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図 270. 試行 3 のみの項目質問 14 の分布図

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

表 50. 試行 3 のみの項目質問 14 の分散分析

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

第 3 段階の分析により、結果として次のことが明らかになった。  まず、 (表 31)(図 264)をみると「全試行共通項目質問 6」は、 「1: 横手すり」が 2.5、 「2:縦手すり」が 2.5、 「4:ルームナンバー」が 3.0、 「5:高所窓際の台」が 4.0 という中央値を取ることがわかる。また、 (表 32,33)をみると「全試行共通項目質問 6」は、分散分析の結果に より有意確率 0.2% で 1% 有意があることが明らかになった。さらに 「Tukey HSD」、「Scheffe」、「Bonferroni」の 3 つの多重比較において は、3つすべての場合において、 「5:高所窓際の台」と「1:横手すり」、 「5:高所窓際の台」と「2:縦手すり」、「5:高所窓際の台」と「4:ルー ムナンバー」のそれぞれの間の差が 1% 有意であることが明らかになっ た。最後に、「全試行共通項目質問 6」が、「恐怖」の観測と関連が深 い設問であることに注意しておく。  次に、 (表 34)(図 265)をみると「全試行共通項目質問 8」は、 「1: 横手すり」が 2.0、「2:縦手すり」が 2.0、「3:床のラインと床の色 の差」が 2.5、「4:ルームナンバー」が 2.0、「5:高所窓際の台」が 2.0 という中央値を取ることがわかる。また、 ( 表 35,36)をみると「全 試 行 共 通 項 目 質 問 8」 は、 分 散 分 析 の 結 果 に よ り 有 意 確 率 11.6% で 5% 有意を認めることができないことが明らかになった。また、 「 Tukey HSD」、 「Scheffe」、 「Bonferroni」の 3 つの多重比較においても同様に、 両者に 5% 有意の結果を示すものはなかった。したがって、本設問に おいて、各「建築デザイン」の間に差を確認できるものはない。最後に、 「全試行共通項目質問 8」が、「不安」の観測と関連が深い設問である ことに注意しておく。  次に、 ( 表 37) (図 266)をみると「試行 1,2,5 のみの項目質問 13」は、 「1: 横 手 す り 」 が 4.0、「2: 縦 手 す り 」 が 4.0、「5: 高 所 窓 際 の 台 」 が 1.5 という中央値を取ることがわかる。また、(表 38,39)をみると 「試行 1,2,5 のみの項目質問 13」は、分散分析の結果により有意確率 0.0% で 1% 有意があることが明らかになった。さらに「Tukey HSD」、 「Scheffe」、「Bonferroni」の 3 つの多重比較においては、3つすべて の場合において、「5:高所窓際の台」と「1:横手すり」、「5:高所窓 際の台」と「2:縦手すり」、のそれぞれの間の差が 1% 有意であるこ とが明らかになった。  次に、 ( 表 40) (図 267)をみると「試行 1,2,5 のみの項目質問 14」は、 「1: 横 手 す り 」 が 4.0、「2: 縦 手 す り 」 が 4.0、「5: 高 所 窓 際 の 台 」

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

が 1.5 という中央値を取ることがわかる。また、(表 41,42)をみると 「試行 1,2,5 のみの項目質問 14」は、分散分析の結果により有意確率 0.0% で 1% 有意があることが明らかになった。さらに「Tukey HSD」、 「Scheffe」、「Bonferroni」の 3 つの多重比較においては、3つすべて の場合において、「5:高所窓際の台」と「1:横手すり」、「5:高所窓 際の台」と「2:縦手すり」、のそれぞれの間の差が 1% 有意であるこ とが明らかになった。  次に、 ( 表 43) (図 268)をみると「試行 1,2,5 のみの項目質問 15」は、 「1: 横 手 す り 」 が 4.0、「2: 縦 手 す り 」 が 4.0、「5: 高 所 窓 際 の 台 」 が 1.5 という中央値を取ることがわかる。また、(表 44,45)をみると 「試行 1,2,5 のみの項目質問 15」は、分散分析の結果により有意確率 0.0% で 1% 有意があることが明らかになった。さらに「Tukey HSD」、 「Scheffe」、「Bonferroni」の 3 つの多重比較においては、3つすべて の場合において、「5:高所窓際の台」と「1:横手すり」、「5:高所窓 際の台」と「2:縦手すり」、のそれぞれの間の差が 1% 有意であるこ とが明らかになった。  次に、 ( 表 46) (図 269)をみると「試行 1,2,5 のみの項目質問 16」は、 「1: 横 手 す り 」 が 4.0、「2: 縦 手 す り 」 が 3.0、「5: 高 所 窓 際 の 台 」 が 1.5 という中央値を取ることがわかる。また、(表 47,48)をみると 「試行 1,2,5 のみの項目質問 16」は、分散分析の結果により有意確率 0.0% で 1% 有意があることが明らかになった。さらに「Tukey HSD」、 「Scheffe」、「Bonferroni」の 3 つの多重比較においては、3つすべて の場合において、「5:高所窓際の台」と「1:横手すり」、「5:高所窓 際の台」と「2:縦手すり」、のそれぞれの間の差が 1% 有意であるこ とが明らかになった。  最後に、 ( 表 49) ( 図 270)をみると「試行 3 のみの項目質問 14」は、 「高 所窓際」が 4.5、 「 高所窓際とラインの間」が 4.5、 「 ラインの上」が 3.0、 「ライン手間」が 2.0、 「ライン手間と EV の間」が 1.0 という中央値を 取ることがわかる。また、(表 50,51)をみると「試行 3 のみの項目 質問 14」は、分散分析の結果により有意確率 0.0% で 1% 有意がある ことが明らかになった。さらに「Tukey HSD」、 「 Scheffe」、 「 Bonferroni」 の 3 つの多重比較においては、3つすべての場合において、 「高所窓際」 と「高所窓際とラインの間」、 「 ラインの上」と「ライン手間と EV の間」 以外の間の差が 1% 有意であることが明らかになった。

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

6.5

実験 2 の考察

まず、本実験に先駆けて、2 章 2 節、および、4 章では、皮膚電気 活動を指標とした高所空間における「恐怖」・「不安」を観測できるこ とが明らかになったことを示した。また、5 章のブレインストーミン グと調査では、「恐怖」・「不安」の増減に影響すると推察される 5 つ の「建築デザイン」が明らかになったことを示した。そこで本実験では、 いまだ明らかでない「建築デザイン」の「恐怖」・「不安」に対する調 整能力の差について考察することを目的とした。したがって、本実験 では、没入型 VR 視覚化ソリューションと皮膚電位計をもちいて、仮 説とした 5 つの「建築デザイン」の「恐怖」・「不安」に対する調整能 力の差を検証する実験を行った。その結果、6 章 3 節で示したような 実験結果を取得でき、また、それら実験結果を 6 章 4 節において分析 した。本節では、6 章 4 節において分析した結果をもとに、実験 2 の 考察を行う。  まず、「恐怖」についてである。本実験では、VR 空間上の高所窓際 において見下げ行動を行った際の皮膚電気活動の「一過性の反応」を 「恐怖」として認定し取り扱ってきた。そして、数値としては、各「建 築デザイン」の「反応量」と「0:初期空間」の「反応量」とを比率にし、 「反応比」として取り扱ってきた。また、前節では、それら「反応比」 を用いて分布の仕方を示すグラフを作成し、また、分散分析と多重比 較により、それらグラフに示された効果の差が偶然ではなく本質的な 効果の差として存在することを明らかにした。  次に、より具体的に「恐怖」を考察していく。  まず、前記に示したように、(表 25,26)をみると「恐怖」の「反 応比」には、分散分析の結果により有意確率 1.5% で 5% 有意がある ことが明らかになった。つまり、「1:横手すり」、「2:縦手すり」、「4: ルームナンバー」、 「5:高所窓際の台」という 4 つのデザインの間には、 偶然による差ではなく、本質的な効果の差が存在する。さらに、多重 比較を行った結果、「2:縦手すり」と「5:高所窓際の台」の間の差 が 5% 有意であることが明らかになった。また、有意にならなかった 組み合わせの中でも、唯一「1:横手すり」と「5:高所窓際の台」の 間には、5% 有意に近い 6.6% の有意確率を得た。(「1:横手すり」と「2:

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

縦手すり」の間の有意確率は、87.7% である。)つまり、 「1:横手すり」 と「2:縦手すり」との間には、「建築デザイン」の「恐怖」を調整す る能力の差はほとんどないが、両者と「5:高所窓際の台」には意味 のある効果の差があるといえる。  次に、中央値を用い、また、「0:初期空間」との比率して効果を比 較すると、「1:横手すり」・「2:縦手すり」と「5:高所窓際の台」の 差の大きな違いが分かる。つまり、「1:横手すり」が「0:初期空間」 の 23% 程度、同様に「2:縦手すり」が 14% 程度に対して、「5:高 所窓際の台」が「0:初期空間」の 173% 程度の「恐怖」の調整効果 を有することがわかる。換言すれば、 「1:横手すり」は 77%程度、 「2: 縦手すり」は、86% 程度の「恐怖」低減効果があり、逆に、「5:高所 窓際の台」は、73% の「恐怖」増大効果があるといえる。ようするに、 縦横に関わらず、手すりにつかまることが「恐怖」低減には有効であ ることが明らかになった。また、逆に、高所窓際で不安定な台に上が ることは、「恐怖」増大の効果をもつことが明らかになった。以上に より、高所窓際において身体を安定させれるかどうかが「恐怖」に対 して大きく影響する推定できる。  次に、「不安」についてである。本実験では、VR 空間上の廊下を高 所窓際へ向かって WT により移動する際に発現する皮膚電気活動の「一 過性の反応」を「不安」として認定し取り扱ってきた。そして、数値 としては、各「建築デザイン」の「時間」と「反応量」を「0:初期空間」 の「時間」と「反応量」との比率にし、「時間比」、「反応比」として 取り扱ってきた。また、前節では、それら「反応比」を用いて分布の 仕方を示すグラフを作成し、それらの分布の傾向を確認した。しかし ながら、分散分析と多重比較では、それらグラフに示された効果の差 に有意な差を確認することができなかった。つまり、現段階では、そ れらグラフに示された効果の差が本質的な効果の差として存在するか 否かは明らかでないことが示された。アンケートの「不安」に直接関 係する「全試行共通項目質問 8」(表 34-36)(図 265)においても同 様の結論である。  したがって、より具体的に「不安」がこのような結果になった理由 を考察していく。推察される大きな理由は 2 つである。その2つの理 由が相乗的な効果を生み、このような結果をもたらしたと推察できる。

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

1 つ 目 は、 馴 れ の 影 響 で あ る。 本 実 験 で は、 馴 れ を 考 慮 す る 実 験 方法を採用していた。それは、6 章 2 節で説明したラテン方格法であ る。ラテン方格法を用いることによって「順序効果」と「系列位置効 果」を排除することができ、馴れの効果も除外することができるはず であった。したがって、「建築デザイン」による効果を適切に抽出で きると予想していた。しかしながら、この方法を用いることが逆に数 値のばらつきを大きくするという副作用を生んでしまったと推察でき る。つまり、この方法で実験を行うと、1 つの「建築デザイン」につ いて実験全体の最初の方に試行する被験者もいれば、最後の方に試行 する被験者もいるような実験の構成になる。それにより、最初の方に 試行した被験者には馴れずに敏感な「不安」を観測し、最後の方に試 行した被験者には馴れた状態で発現した「不安」を観測ことになる。 これら馴れずに敏感な観測をした「不安」と馴れた状態で発現した「不 安」の差が、本実験で設定した「建築デザイン」の効果の差を上回っ たと推察できる。  2つ目は、「不安」の観測において、被験者数が減少したことによ る影響である。「不安」の観測は、「恐怖」の観測とは異なり、被験者 によっては観測できない場合が発じた。その理由は、「恐怖」を観測 した時のような直接刺激を受けて発現する反応とは異なり、あくまで も高所を予期することによって自発的に発現する反応を観測している からである。つまり、高所の予期による刺激は直接刺激に比べて、皮 膚電気活動に影響を与える程の大きな刺激にならない場合があるとい うことである。本実験においては、10 人中 2 人の被験者に対して「不安」 を観測することができなかった。4 章の実験 1 においても 9 人中 3 人 の被験者に対して「不安」を観測することができなかった。ようするに、 このような観測できる被験者の減少は、1 実験取得データ当たりの比 重を増大させる効果がある。  以上により、ばらつきが大きくなった実験取得データに対して、1 実験取得データ当たりの影響力が大きくなった状態が「不安」の観測 時に生まれていたことが明らかになった。したがって、このような状 態が、「不安」を調整する「建築デザイン」の能力差に有意な差が確 認できない事態を生んだと推察できる。

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

しかしながら、以上 2 つの事柄が理由であるとすれば、次のように 対処することができる。つまり、より馴れが発生しにくい実験方法を 検討し、また、被験者数を多くすることで解決できる。今後、さらに 研究を進めることで、「建築デザイン」が「不安」を調整する効果に ついて明らかになる可能性はある。今後の課題とする。  最後に、アンケート結果から本実験の皮膚電気活動による「不安」 の定義では観測できなかった点について指摘しておく。直接関係する 「全試行共通項目質問 8」からは、各「建築デザイン」が「不安」を調 整する効果を見いだすことは出来なかったが、「試行 1,2,5 のみの項目 質問 16」(表 46-48)(図 269)からは、「建築デザイン」が「不安」 を調整する効果の一部を確認することができた。それは、 「 1:横手すり」 と「2:縦手すり」の違いについてである。(表 46)(図 269)をみる と「試行 1,2,5 のみの項目質問 16」は、「1:横手すり」が 4.0、「2: 縦手すり」が 3.0、「5:高所窓際の台」が 1.5 という中央値を取るこ とがわかる。また、(表 47,48)をみると「試行 1,2,5 のみの項目質問 16」は、分散分析の結果により有意確率 0.0% で 1% 有意があること が明らかになった。さらに、多重比較においては、「5:高所窓際の台」 と「1:横手すり」、「5:高所窓際の台」と「2:縦手すり」、のそれぞ れの間の差が 1% 有意であることが明らかになった。また、5% 有意に は達しなかったが、「Tukey HSD」において、「1:横手すり」と「2: 縦手すり」の間に有意確率 5.9% の差があることがわかった。つまり、 「【○○】が『自分の体を止めてくれる』と感じましたか?」という設 問に対して、「5:高所窓際の台」と「1:横手すり」、「5:高所窓際の台」 と「2:縦手すり」に効果の差があり、そして、「1:横手すり」と「2: 縦手すり」の間にその効果に匹敵する程度の差があるといえる。また 、「1:横手すり」が 4.0、「2:縦手すり」が 3.0 という中央値を取っ ていることから、「2:縦手すり」よりも「1:横手すり」の方が「不安」 の観測した廊下の WT 時に「体を止めてくれる」と感じたことがわかる。 したがって、 「不安」の発現時に体を止めるということをうながす「1: 横手すり」の方が「不安」低減に対して効果がある可能性が推察できる。  以上が実験 2 の考察である。

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

6.3

実験 2 の結果

4 章の実験 1 と同様に、実験風景と被験者が体験している VR 空間 の映像、EDA の測定結果の 3 つを被験者ごとに同期する。そして、1 回目見下げ行動、廊下の WT、2 回目見下げ行動の 3 つの行動を含む 部分を画像として切り出し、その区間を赤枠で囲う。次に、その区間 内において、本研究で定義した「恐怖」と「不安」に該当する部分を 抽出する。つまり、「恐怖」としては高所を直接的な刺激とし、刺激と 反応の間に対応関係が観測できる皮膚電位活動を抽出し、「不安」と しては高所を予期し自発的に発現する皮膚電位活動を抽出する。また、 2 章 2 節、 及 び、4 章 に お い て、「 恐 怖 」 は 見 下 げ 行 動 中 に、「 不 安 」 は廊下の WT 中に観測された。したがって、本実験においても同様に、 「恐怖」を見下げ行動の区間から、「不安」を廊下の WT の区間から抽 出する。  次に、「恐怖」と「不安」の抽出の方法を説明する。  まず、「恐怖」の抽出方法である。被験者が高所窓際において頭を下 に下げ始めてから頭を上に上げ始める直前までの区間において、3 章 1 節 1 項において「恐怖」として示したような「一過的な反応」をみ つける。ここで「一過性の反応」として認めるものは、その区間にお いて高所を直接的な刺激とし、刺激と反応の間に対応関係が認められ る反応である。つまり、「一過性の反応」には「潜時」が存在してる ので、その区間の始まりから 1 秒以降に発現したもののなかで、刺激 と反応の間に対応関係が認められるものを「一過性の反応」としてみ なす。また、「一過性の反応」には、「陰性波」、「陽性波」、「陰陽二相 性波」の 3 種類があることを示していた。本実験では、 「 陰陽二相性波」 を基本的に抽出する。しかし、場合によっては始めの「陰性波」が発 現せず「陽性波」のみ発現する場合がある。その場合は、その「陽性波」 を抽出する。次に、抽出した「一過性の反応」を数値化する。3 章 1 節 1 項において振幅を数値化する方法に「反応量」があることを指摘 していた。本実験においても、抽出した「一過性の反応」の「反応量」 をもとめ数値化する。   次 に、「 不 安 」 の 抽 出 方 法 で あ る。 被 験 者 が EV か ら 降 り、 廊 下 を WT によって移動し始めてから高所窓際で止まるまでの区間において、

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

3 章 1 節 1 項において「不安」として示したような「一過的な反応」 をみつける。ここで「一過性の反応」ととして認めるものは、その区 間において高所を予期し自発的に発現した反応である。つまり、「一過 性の反応」には「潜時」が存在してるので、その区間の始まりから 1 秒以降に発現したもののなかで、高所を予期し自発的に発現したもの を「一過性の反応」としてみなす。しかし、実験 1 とは異なり、繰り 返し施行すること、試行ごとに教示が違うこと、また、実験 1 と比べ て廊下の長さが 10m 伸び、移動速度も 0.2m/s 遅くなったことにより、 どの時点の皮膚電気活動が高所を予期し自発的に発現したものである かを一概に断定することは困難になった。したがって、より工夫した 「不安」の観測方法を検討する必要がある。そこで、全てのデータを並 べ、「不安」の観測方法について再検討を行った。その結果、全ての 被験者の全ての施行(欠落データ除く)の約 9 割に、共通した反応が あることを発見した。それは、WT が停止する位置の直前に特徴的な 皮膚電気活動があるということである。その特徴的な皮膚電気活動は、 見下げ行動の時に観測した「恐怖」の皮膚電気活動とは異なっている。 つまり、「恐怖」の皮膚電気活動が典型的な陰陽二相性波を示すのに 比べ、その特徴的な皮膚電気活動は、陰陽二相性波の陽性波が立ち上 がるときに、自発性皮膚電気活動としてみられるような波形のゆらぎ があることである。この特徴的な皮膚電気活動は、まさに、高所を予 期し自発的に発現する皮膚電気活動を含んだ「一過性の反応」として 見ることが出来るであろう。したがって、実験 2 においては、この特 徴的な皮膚電気活動をもとに「不安」を分析する。次に、抽出した「一 過性の反応」を数値化する。4 章において、「不安」は開始位置から高 所窓際までの距離として観測された。したがって、本実験においても 同様に距離、または、距離に変換する前の時間として用いる。また、 本実験では、対象とした「一過性の反応」の反応量も同様に抽出する。 対象とした「一過性の反応」が一連の波形として上部で波打っている 場合は、WT 停止後であってもその波形の最上端を取る。  以上が、「恐怖」と「不安」の抽出の方法をである。したがって、こ の方法を用いて、(図 81- 図 260)までの 1 回目見下げ行動、廊下の WT の画面から「一過性の反応」を抽出し、数値化を行う。

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

「0:初期空間」、「1:横手すり」、「2:縦手すり」、「3:床のラインと 床の色の差」、「4:ルームナンバー」、「5:高所窓際の台」 表 22.「恐怖」の「反応比」の分布値 !"#$%&'( !"#$)&'( !"#$*&'( !"#$+&'( ,-.

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図 261.「恐怖」の「反応比」の分布図

注: 高所窓際で見下げ行動時に関係のある建築デザインのみを対象にす る。「4:ルームナンバー」は例外とする。理由は、見下げ行動時は初期 空間と同一の空間であると見なせることから、初期空間の 2 回目として 見ることができるからである。つまり、「4:ルームナンバー」には、馴 れの影響を見ることができる。ここでは、参考程度に示す。

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

「0:初期空間」、「1:横手すり」、「2:縦手すり」、「3:床のラインと 床の色の差」、「4:ルームナンバー」、「5:高所窓際の台」 表 23.「不安」の「時間比」の分布値 !"#$%&'( !"#$)&'( !"#$*&'( !"#$+&'( !"#$,&'( -./

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図 262.「不安」の「時間比」の分布図

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6 実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

「0:初期空間」、「1:横手すり」、「2:縦手すり」、「3:床のラインと 床の色の差」、「4:ルームナンバー」、「5:高所窓際の台」 表 24.「不安」の「反応比」の分布値 !"#$%&'( !"#$)&'( !"#$*&'( !"#$+&'( !"#$,&'( -./

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図 263.「不安」の「反応比」の分布図

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7 まとめ

7

まとめ

本研究は、没入型 VR 視覚化ソリューションを用いて高所を再現し、 また、皮膚電気活動(EDA)を計測することで恐怖・不安を観測する ことにより、高所空間の建築デザインと恐怖・不安との関連性をさ明 らかにし、高所空間の建築デザインを変化させることで、高所を起因 とする恐怖・不安を調整することを目的とした研究であった。   本 研 究 に お け る 没 入 型 VR 視 覚 化 ソ リ ュ ー シ ョ ン と は、3 次 元 ヘ ッ ド マ ウ ン ト デ ィ ス プ レ イ「HEWDD-768」 と モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ カ メ ラ「ViconMX」、3D ア プ リ ケ ー シ ョ ン 開 発 ツ ー ル「3DVIA VirTools」などを組み合わせたものであった。  また、本研究における皮膚電気活動(EDA)とは、「電位法」を用い た「一過性の反応」の測定結果であった。そして、その皮膚電気活動 を用いて、「恐怖」と「不安」をより具体的に次のように定義した。本 研究における「恐怖」とは、「高所」を直接的な「刺激」とし「刺激」 と反応との間に対応関係が確認できる「皮膚電気活動」であり、本研 究における「不安」とは、「高所」を予期し自発的に発現する「皮膚 電気活動」であった。  以上の定義をもとに、4 章において、実験 1「皮膚電気活動を指標 とした高所空間における不安の観測」、5 章において、ブレインストー ミングと調査「恐怖・不安の増減に影響する建築デザインの抽出」、6 章において、実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザ インの効果の分析」を行った。  4 章における、実験 1「皮膚電気活動を指標とした高所空間におけ る不安の観測」とは、先行研究で明らかになっていなかった、高所を 予期し自発的に発現する皮膚電気活動が観測できる状況を明らかに し、 皮 膚 電 位 活 動 か ら 高 所 空 間 に お け る「 不 安 」 を 観 測 す る こ と を 目的とした実験であった。その結果、高所の窓際からの距離が 7.6 ∼ 13.3m の範囲において、高所を予期し自発的に発現する皮膚電気活動 が現れ始める確率が最も高いことが明らかになり、皮膚電位活動から 高所空間における「不安」を具体的に観測するできた。  5 章における、ブレインストーミングと調査「恐怖・不安の増減に 影響する建築デザインの抽出」とは、「恐怖」・「不安」を調整する能

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7 まとめ

力を有するであろう「建築デザイン」を抽出し、「恐怖」・「不安」の 増減に影響する「建築デザイン」の仮説を立てることを目的とする事 柄であった。その結果、 1.

横手すり

2.

縦手すり

3.

床のラインと床の色の差

4.

ルームナンバー(気をそらす効果を狙った建築デザイン)

5.

高所窓際の台

以上 5 つの「恐怖」・「不安」の増減に影響する「建築デザイン」の仮 説を立てた。  6 章における、実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築 デ ザ イ ン の 効 果 の 分 析 」 と は、 仮 説 の「 建 築 デ ザ イ ン 」 を 適 応 し た VR 空間を作り出し、その空間内部で「恐怖」 ・ 「不安」を観測し、各「建 築デザイン」の「恐怖」・「不安」に対する調整能力の差について考察 することを目的とする実験であった。その結果、各「建築デザイン」 の「恐怖」に対する調整能力の一端が明らかになり、そして、「不安」 に対する調整能力を明らかにする上での問題点が明らかになった。  以上により、高所空間の「建築デザイン」と「恐怖」・「不安」との 関連性の一端が明らかになり、そして、高所空間の建築デザインを変 化させることで、高所を起因とする「恐怖」を調整できた。また、高 所を起因とする「不安」を調整することに対しては、今後に課題を残 した。

!#$


8 おわりに

8

おわりに

「恐怖」や「不安」は医療の分野において、それらの治療が行われ てきたが、建築の分野では、そもそも問題意識すらない状況であった。 本研究は、そういう意味ではパイオニアとしての位置づけとしてみる ことができるかもしれない。また、本研究では、高所という典型的な 空間起因の「恐怖」や「不安」に対して「建築デザイン」の観点から その効果をみてきた。しかしながら、現状ではまだまだ多くの課題を 残す現状にある。今後、それらの課題を解決していく必要があるだろ う。そして、高所だけでなく建築に関わり、そして、建築が考慮する ことができるであろう「恐怖」・「不安」に対して挑戦していくことが 必要である。この研究を期に、この分野がより先端的に開拓されてい くことを望む。

!"!


9 参考文献

1) Pinel, P.J.John.『ピネル バイオサイコロジー −脳−心と行動の 神経科学−』(佐藤 敬、若林孝一、泉井 亮、飛鳥井 望訳)、 西村書店、2005 年  2) 宮田洋監修、柿木昇治、山崎勝男、藤澤清編『新 生理心理学〈2 巻〉−生理心理学の応用分野−』北大路書房、1997 年  3) 宮田洋監修、藤澤清、柿木昇治、山崎勝男編『新 生理心理学〈1 巻〉−生理心理学の基礎−』北大路書房、1998 年  4) 小林謙二、田村恭「高所における建設作業に従事する作業者の疲 労に関する調査−特殊な環境における建築物の施工に関する人 間 工 学 的 検 討 第 一 報 − 」 日 本 建 築 学 会 計 画 系 論 文 集 476 号、 pp.145-153、1995 年 10 月  5) 橋本修左、中嶋一志、菊地孝眞、鈴木良延「エレベータ移動にお ける耳閉感・めまい等の生理心理的影響に関する研究」日本建 築学会計画系論文集 460 号、pp.51-60、1994 年 06 月  6) 原田昌幸、久野覚、濱中冬行、伊藤正、「高層居住に対する一般 住 民 の 意 識 」 日 本 建 築 学 会 計 画 系 論 文 集 473 号、pp.35-42、 1995 年 07 月  7) 宗方淳、松野秀生、小島隆矢、平手小太郎、安岡正人、「居住者 と近隣の住民による超高層集合住宅の評価」日本建築学会計画 系論文集 512 号、pp.67-72、1998 年 10 月  8) 梅村浩之、渡邊洋、松岡克典「没入型仮想空間提示装置内におけ る効果的な高所提示法の基礎的研究」電子情報通信学会論文誌 Vol.J85-A、No11、pp.1304-1312、2002 年  9) 内田貴之、長澤夏子、渡辺仁史「CG を用いた高所映像による高 層建築での視界遮断デザインの検討 ̶ 高所ストレスを緩和す る 建 築 に 関 す る 研 究 ̶」 日 本 建 築 学 会 関 東 支 部 研 究 報 告 集、 2005 年 10) 馬淵大宇、斎藤純平、長澤夏子、渡辺仁史「高所空間における『不 安感』没入型 Virtual Reality システムを用いた EDA 測定(そ の 1)」日本建築学会大会学術講演梗概集、p.85、2010 11) 斎藤純平、馬淵大宇、長澤夏子、渡辺仁史「高所空間における「馴 化」 没入型 Virtual Reality システムを用いた EDA 測定 その 2」日本建築学会大会学術講演梗概集、p.87、2010

!"#


9 参考文献

12)「 バーチャルリアリティとは」 『日本バーチャルリアリティ学会ホー ム ペ ー ジ 』http://www.vrsj.org/main.html、2011 年 1 月 22 日閲覧 13) 宮野秀市「Specific Phobia の改善に向けた簡易型 VR エクスポー ジャーの開発」早稲田大学大学院 人間科学研究科 博士(人 間科学)学位論文、2004 年 1 月 14)『Crescent,inc. ホ ー ム ペ ー ジ 』http://www.crescentinc.co.jp/、 2011 年 1 月 22 日閲覧 15)「 オフィスレイアウトに関する法規」 『イトーキオフィスゲートホー ムページ』http://www.officegate.jp/layout/design/008/180. html、2010 年 11 月 26 日閲覧 16) 新建築社編『新建築』新建築社、2008 年 1 月号− 2010 年 11 月 号 17) 紙野桂人『人のうごきと街のデザイン』彰国社、1980 年 18) 日本建築学会、代表者仙田 満編『建築設計資料集成−人間』丸 善株式会社、2003 年 19) 徳田克己、水野智美、西館有沙、新井邦二郎、青柳まゆみ『視覚 障害者用誘導用ブロック(点字ブロック)の適切な設置のため のガイドブック―間違いやすい設置例を中心に―』国際交通安 全学会、2008 年 20)「 標 準 案 内 用 図 記 号 ガ イ ド ラ イ ン に つ い て 」『 交 通 エ コ ロ ジ ー・ モ ビ リ テ ィ 財 団 ホ ー ム ペ ー ジ 』http://www.ecomo.or.jp/ symbols/page02.html、2010 年 12 月 1 日閲覧 21) 日本建築学会編著『建築空間における感覚・知覚心理シンポジウ ム(第 9 回)「被験者は何人必要か?―心理実験・調査研究に おけるサンプリング 2―」』2010 年 22) 大 村 平『 実 験 計 画 と 分 散 分 析 の は な し 』 日 科 技 連 出 版 社、1984 年 23) 山内光哉『心理・教育のための分散分析と多重比較―エクセル・ SPSS 解説付き―』サイエンス社、2008 年 24) 石村貞夫『分散分析のはなし』東京図書、1992 年 25) 中里博明、川崎浩二郎、平栗昇、大滝厚『品質管理のための実験 計画法テキスト』日科技連出版社、1985 年 26) 鷲尾泰俊『実験計画法入門』日本規格協会、1972 年

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謝辞

謝辞  たくさんの人たちに助けられながら、ようやくここまでたどり着くことができました。今、 私は、ご指導したくださった皆様、つたない私を助けてくださった皆様、そして、応援して くださった多くの皆様に感謝のつきない気持ちです。本当にありがとうございました。  渡辺先生、2 年前に行く宛のなかった私を、こんなにも楽しい先生の研究室に受け入れて くださって、本当にありがとうございました。この研究室で新しい分野に舵を切り、修士論 文を仕上げることができたことは、私の人生における大きな一歩です。夏子さん、夏子さん は、右も左も分からなかった私のいつも道しるべでした。そして、迷ったときには、さりげ なく背中を押してくださる夏子さんの存在がありました。まさに、この修士論文は、夏子さ んと歩んだ 2 年間の足跡のように感じています。本当にありがとうございました。これから もご迷惑をおかけしますが、ご指導をよろしくお願いします。林田先生、いつも私に問題提 起をくださる重要な存在でした。この修士論文において、ここまで推敲を進めれたのは先生 のおかげです。ありがとうございました。純平、どっちが先輩か分からないような 2 人でやっ て来れたこの 2 年間は、僕にとって宝物です。純平の卒論に始まり、僕の修論まで一緒に一 貫してテーマでやって来れたことは、僕たちに大きな知識の蓄積をもたらしてくれましたね。 これからも、一緒に積み上げていこう。つたない先輩ですが、これからもよろしくです。余 語ちゃん、余語ちゃんの CG 力なくしてこの修士論文はありません。未来本でも、ほんと助 けられっぱなしです。ありがとう。田名網、インフルエンザで空いた被験者枠を 2 時間後に はすべて埋めてくれる奇跡の男。君の人望には頭が上がりません。ありがとう。ジマ、僕の オアシス。修士論文でつかれた心を癒してくれる存在でした。お互い外部生ということもあ り、本当に仲良くさせもらいました。あなたと一生の友でありたい。坂田、僕の始まりの女 性。仁史研究室の実験が何たるかを僕にはじめて教えてくれた存在でした。そして、いろい ろと楽しかった日々には必ず坂田の笑顔がありました。オッチー、発想力の魔人。いつも僕 に新しい発見をくれました。それは、この修士論文でも生きています。君の存在に乾杯。宏樹、 刺激の王様。君かまれた耳と鼻と、そして、うなじ。この修士論文にもきっと、その刺激の 効果が現れているはずです。ありがとう。シショウ、僕の救世主。僕担当部分の未来本の不 備を必死にカバーしてくれました。そのおかげで、実験を無事終えることができました。本 当にありがとう。そして、残念にも、名前を挙げきれなかった仁史研究室の研究生の皆さん。 僕の人生に光を与えてくれて本当にありがとう。最後に、元岡先生、お茶の水大学の皆さん、 実験に対するご理解をいただき、ご協力を賜りましたこと、心から感謝申し上げます。  ここで筆収めとなりますが、最後に一言申し上げます。仏教の用語に「感謝報恩」という 言葉があります。この言葉は、それ以上に私のモットーでもあります。私は、ここでいただ いた「恩」に対して「感謝」し、そして、その「恩」に「報いる」努力をしてくことを誓い ます。まだまだ未熟な私ですが、今後ともご指導ご鞭撻をよろしくお願いいたします。

!"%


終了 時刻

MEMO

開始時刻

終了時刻

◆ウォークスルー実験

反応の具合

1  2  3  4  5

☆馴化が見られた実験の回

MEMO

開始時刻

終了時刻

◆ウォークスルー実験 反応の具合

1  2  3  4  5

終了 時刻

☆馴化が見られた実験の回

: 終了 時刻

MEMO

開始時刻

終了時刻

◆ウォークスルー実験 反応の具合

1  2  3  4  5

☆馴化が見られた実験の回

開始 時刻

終了 時刻

反応の具合

MEMO

開始時刻

終了時刻

◆ウォークスルー実験

反応の具合

1  2  3  4  5

☆馴化が見られた実験の回

開始 時刻

◆見下ろし実験

終了時刻

被験者名:

MEMO

開始時刻

◆ウォークスルー実験

終了 時刻

終了 時刻

反応の具合

MEMO

開始時刻

終了時刻

◆ウォークスルー実験

反応の具合

1  2  3  4  5

☆馴化が見られた実験の回

開始 時刻

◆見下ろし実験

終了時刻

被験者名:

MEMO

開始時刻

◆ウォークスルー実験

1  2  3  4  5

☆馴化が見られた実験の回

開始 時刻

実験 1 の記録用紙

開始 時刻

1.1

反応の具合

終了 時刻

1  2  3  4  5

☆馴化が見られた実験の回

開始 時刻

被験者名: ◆見下ろし実験

実験 1 の資料

開始 時刻

被験者名: ◆見下ろし実験

1.

◆見下ろし実験

終了時刻

被験者名:

開始時刻

被験者名:

反応の具合

◆見下ろし実験

終了時刻

◆ウォークスルー実験

被験者名:

開始時刻

◆ウォークスルー実験

終了 時刻

1  2  3  4  5

☆馴化が見られた実験の回

開始 時刻

◆見下ろし実験

終了 時刻

反応の具合

MEMO

終了時刻

終了 時刻

1  2  3  4  5

☆馴化が見られた実験の回

開始 時刻

被験者名: ◆見下ろし実験

MEMO

MEMO

開始時刻

◆ウォークスルー実験

1  2  3  4  5

☆馴化が見られた実験の回

開始 時刻

被験者名: ◆見下ろし実験

被験者名:

◆見下ろし実験

資料

!"#


資料

1.2

実験 1 の同意書

!"#$%&'()*+,-#./01 1 !

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資料

! !

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"

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資料

!

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資料

1.3

実験 1 の被験者募集用紙

被験者協力のお願い

! ! ! この度、早稲田大学理工学術院 創造理工学研究科 建築学専攻 渡辺仁史研究室において、 Virtual Realty を用いた高 ! 所ストレスに関する研究を行うことになりました。つきましては、協力していただける被験者の方を募集しています。お ! 時間の許される方がありましたら、協力いただけば幸いです。 !

日時:

2009 年 10 月

日,

集合・実験場所:(株)クレッセント

(2 日間の交通費を含む)!

謝礼: 連絡先:

日 東京都中央区築地 4-3-8 登喜和ビル 4F!

早稲田大学理工学術院 修士 1 年 Tel:

創造理工学研究科

建築学専攻

渡辺仁史研究室!

馬淵大宇!

090-8099-8063! :

mabuchi_waseda_rikou@yahoo.co.jp!

実験概要:! 本実験では、高所空間の Virtual Realty(図 1、図 2 参照)上を行動していただき、その行動内で皮膚電位計 (汗の量を電位的にはかる装置)により手のひらの発汗量を測定することで、人に与える高所ストレスの影響を 観測するものです。実験上、身体に対して有害な事柄はありませんのでご安心ください。(注 3 参照)!

! 1.研究計画名

1.!

高所ストレスに対する人の馴化と建築デザインの関係性に関する研究 −Virtual Realty における行動を伴った生理反応計測に関する分析−

2.!

高所ストレスによる人の不安と建築デザインの関係性に関する研究 −Virtual Realty における行動を伴った生理反応計測に関する分析−

2.研究の目的・意義

1.!

高所居室における空間デザインと高所ストレスの馴化との関係性を生体反応 計測を用いて明らかにすることを目的とする。

2.!

高所居室における空間デザインと高所ストレスによる不安との関係性を生体 反応計測を用いて明らかにすることを目的とする。

注 1:

被験者のご都合に合わせ

て調整することも可能ですので、お気軽にご相談ください。 注 2:協力いただける方は Email もしくは Tel にてご一報ください。その際、お名前、ご所属、電話番号、Email,希望の時 間帯(2 日分)、この企画をお知りになった経路をお知らせください。! 注 3:人によってはまれに、Virtual Realty 酔いのようなことが起きる方がいらっしゃいますが、実験後しばらくすると回 復しますのでご安心ください。

図1

VR 実験イメージ

図2

高所の空間の VR イメージ

!%!


午前/午後

午前

午前

午前

実験日

16日

16日

16日

C

何もなし 窓際の台 横手すり

5 1

ライン

3 0

縦手すり

2

縦手すり

2

9

7

5

8

4

2

6

3

12:29

11:51

11:18

12:07

10:57

10:10

11:34

10:31

9:54

12:36

12:00

11:27

12:19

11:08

10:24

11:44

10:42

10:04

VR終了時間

came1の一回目見下ろしが撮れていない

1,2回目はWTの合図がない

初回で手間取る

備考

実験 2 の記録用紙

何もなし

横手すり

1

1

実験順序 VR開始時間

2.1

0

何もなし

要因

0

要因番号

実験 2 の資料

被験者番号

2.

B

A

実験順記号

資料

!%"


午前/午後

午後

午後

午後

実験日

16日

16日

16日

c

b

a

実験順記号

被験者番号

何もなし ルームナンバー 窓際の台

4 5

ルームナンバー

4 0

ライン

3

ライン

3 何もなし

ルームナンバー

4

0

何もなし

要因

0

要因番号

9

7

4

8

5

2

6

3

1

実験順序

17:22

16:38

15:44

17:01

16:01

15:01

16:23

15:16

14:40

VR開始時間

17:30

16:50

15:53

17:12

16:11

15:10

16:32

15:26

14:49

VR終了時間

あり。右側のナンバーは探せなかった。

皮膚電位計やり直し。途中右目トラブル

途中右目トラブルあり。

備考

資料

!%%


午前/午後

午前

午前

午前

実験日

17日

17日

17日

C

B

A

実験順記号

被験者番号

何もなし 窓際の台 ルームナンバー

5 4

窓際の台

5 0

ルームナンバー

4

横手すり

1 横手すり

縦手すり

2

1

窓際の台

要因

5

要因番号

9

7

4

8

5

2

6

3

1

実験順序

12:04

11:27

10:43

11:49

10:56

10:00

11:11

10:09

9:19

VR開始時間

12:14

11:37

10:49

12:58

11:05

10:10

11:18

10:29

9:28

VR終了時間

していた。

頭を動かすことで皮膚電位の波形が発現

座標軸が実空間とVR空間でずれる。

備考

資料

!%(


午前/午後

午後

午前/午後

午前

実験日

17日

実験日

20日

Bス

実験順記号

bシ

実験順記号

被験者番号

被験者番号

窓際の台

5

何もなし 縦手すり 横手すり

0 2 1

要因

横手すり

1

要因番号

何もなし

要因

0

要因番号

15:03

14:32

14:00

VR開始時間

8

5

2

12:09

11:10

10:10

実験順序 VR開始時間

3

2

1

実験順序

12:17

11:20

10:17

VR終了時間

15:13

14:42

14:12

VR終了時間

心拍計やり直し。

心拍未計測。

備考

備考

資料

!%)


午前/午後

午後

午後

午後

実験日

20日

20日

20日

d

c

a

実験順記号

被験者番号

ライン 横手すり 縦手すり

1 2

ライン

3 3

ルームナンバー

4

ルームナンバー

4 縦手すり

窓際の台

5

2

ライン

要因

3

要因番号

12

10

8

11

9

7

5

3

1

実験順序

17:14

16:42

16:08

16:59

16:26

15:52

14:52

14:19

13:45

VR開始時間

17:22

16:50

16:16

17:06

16:34

16:00

14:59

14:27

13:52

VR終了時間

備考

資料

!%*


午前/午後

午前

午前

午前

実験日

21日

21日

21日

C

B

A

実験順記号

被験者番号

横手すり ライン 縦手すり

3 2

縦手すり

2 1

ライン

3

ルームナンバー

4 何もなし

ライン

3

0

窓際の台

要因

5

要因番号

9

7

4

8

5

2

6

3

1

実験順序

11:50

11:14

10:27

11:34

10:42

9:52

10:59

10:12

9:25

VR開始時間

11:59

11:21

10:36

11:44

10:51

10:01

11:07

10:19

9:33

VR終了時間

りがぶつかる。

二回目の見下げ行動のとき、手に横手す

ケーブルを踏む。

一回目の見下げ行動で台を降りるとき、

備考

資料

!%#


午前/午後

午後

午後

実験日

21日

21日

b

a

実験順記号

被験者番号

窓際の台 横手すり

5 1

窓際の台

5 縦手すり

横手すり

1

2

ルームナンバー

要因

4

要因番号

8

5

2

6

3

1

実験順序

16:34

15:33

14:40

16:00

14:58

14:10

VR開始時間

16:42

15:43

14:48

16:09

15:05

14:18

VR終了時間

皮膚電位計エラー。心拍計も止める。

見下げ行動中にHMDがずれる。

備考

資料

!%$


午前/午後

午後

実験日

22日

dケ

実験順記号

被験者番号 ームナンバー 縦手すり ライン

2 3

要因

4ル

要因番号

12

10

8

17:04

16:32

16:05

実験順序 VR開始時間

17:14

16:40

16:12

VR終了時間

WTを二回失敗する。

備考

資料

!(&


資料

2.2

実験 2 の同意書

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資料

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資料

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資料

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4

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資料

2.3

実験 2 の被験者募集用紙

被験者協力のお願い この度、早稲田大学理工学術院

創造理工学研究科

建築学専攻

渡辺仁史研究室において、 Virtual Realty を用いた高

所ストレスに関する研究を行うことになりました。つきましては、協力していただける被験者の方を募集しています。お 時間の許される方がありましたら、協力いただければ幸いです。 日時:

2010 年 12 月 16・ 17・ 20・ 21・ 22 日

午 前 (3 時 間 ) /午 後 ( 3 時 間 )

計 10 回 開 催 中 に 【2 回 】 の 参 加( 基 本 的 に 2 回 は 別 日 を 選 ん で 下 さ い 。 2 回 を 同 日 に 選 択 し た い 場 合 は ご 相 談 下 さ い 。) 集合・実験場所:お茶の水大学総合研究棟7階実験室 謝礼:

3000 円 (2 日間の交通費を含む)"

連絡先:

早稲田大学理工学術院 修士 2 年 Tel:

(注 1、別紙参照)

東京都文京区大塚 2-1-1 (別紙参照)

創造理工学研究科

建築学専攻

渡辺仁史研究室"

馬淵大宇"

090-8099-8063"

Email:

mabuchi@suou.waseda.jp(注 2 参照)"

実験概要:" 本実験では、高所空間の Virtual Realty(図 1、図 2 参照)上を行動していただき、その行動内で皮膚電位計(汗の 量を電位的にはかる装置)により手のひらの発汗量を測定します。また、心拍計を用いて心拍を計測します。本 実験は、高所ストレスが人に与える影響を観測するものです。実験上、身体に対して有害な事柄はありませんの でご安心ください。(注 3 参照)"

" 1.研究計画名

高所ストレスによる人の不安と建築デザインの関係性に関する研究(仮) −Virtual Realty における行動を伴った生理反応計測に関する分析−

2.研究の目的・意義

高所廊下における空間デザインと高所ストレスによる不安との関係性を生体反応計測を 用いて明らかにすることを目的とする。

注 1:2 回 ( 基 本 的 に 3 時 間 を 2 日 間 ) 参 加 し て い た だ く 必 要 が あ り ま す 。 実 質 の 作 業 時 間 は 1.5 時 間 を 予 定 し ております。待ち時間は、待合室にて自由に時間を使っていただくことができます。時間をつぶせるもの を ご 持 参 下 さ い 。また、被験者のご都合に合わせて調整することが可能ですので、お気軽にご相談ください。 注 2:協力いただける方は Email もしくは Tel にてご一報ください。その際、お 名 前 、 ご 所 属 、 電 話 番 号 、Email、 こ の 企 画 を お 知 り に な っ た 経 路 、 希 望 の 時 間 帯 ( 別 紙 よ り 2 回 分 を お 選 び く だ さ い 。)をお知らせください。" 注 3:人によってはまれに、Virtual Realty 酔いのようなことが起きる方がいらっしゃいますが、実験後しばらくすると回 復しますのでご安心ください。

!

図 1 VR 実験イメージ

図 2 高所の空間の VR イメージ

!((


資料

― !

別紙 ―

下記の表から【2回】選び、「No.」をお伝え下さい。 希望時間

日時

!

(記載時間のうちの 1 回 3 時間)

No.

日付

午前/午後

1

16 日

午前

9:00

2

16 日

午後

13:30

17:00

3

17 日

午前

9:00

12:30

4

17 日

午後

13:30

17:00

5

20 日

午前

9:00

12:30

6

20 日

午後

13:30

17:00

7

21 日

午前

9:00

12:30

8

21 日

午後

13:30

17:00

9

22 日

午前

9:00

12:30

10

22 日

午後

13:30

17:00

10 回開催の内 【2 回】 をお選びください。

12:30

「集合・実験場所」の詳細です。 お茶の水大学 総合研究棟 7階 実験室 住所:東京都文京区大塚 2-1-1 東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅より徒歩 7 分 東京メトロ有楽町線「護国寺」駅より徒歩 8 分 都営バス「大塚二丁目」停留所下車徒歩1分

!()


午前

午前

午後

午後

3人パターン

2人パターン

3人パターン

4人パターン

13:30

13:30

9:00

9:00

13:45

13:45

9:15

9:15

a

a

A

A

14:00

14:00

9:30

9:30

b

b

B

B

14:15

14:15

9:45

9:45

a

a

A

A

14:30

14:30

10:00

10:00

b

c

B

C

14:45

14:45

10:15

10:15

a

b

B

15:00

15:00

10:30

10:30

b

15:15

15:15

10:45

10:45

15:30

15:30

11:00

11:00

A

15:45

15:45

11:15

11:15

a

B

A

16:00

16:00

11:30

11:30

c

c

C

16:15

16:15

11:45

11:45

d

b

B

16:30

16:30

12:00

12:00

c

c

C

16:45

16:45

12:15

12:15

b

17:00

17:00

12:30

12:30

c

17:15

17:15

d

17:30

17:30

17:45

17:45

2.4

タイムテーブル(1被験者3時間拘束×2日)

資料

実験 2 のタイムテーブル

!(*


資料

2.5

実験 2 に用いた日本の高層オフィス建築のリスト 作品名称

グラントウキョウ ノースタワー(Ⅰ期)

建物用途

事務所,店舗,駅ビル,駐車場

建物所在

東京都千代田区丸の内1-9-1

掲載誌 掲載年月 設計者

新建築 2008年03 東京駅八重洲開発設計共同企業体(日建設計・ジェイアール東日本建築設計事務 所)、日本設計<中村光男、安昌寿、大松敦、奥森清喜、橋尾和博、内田長興、 柳瀬希美子、牧村和紀、錦織弘、桜間志野、金行美佳、浅田真澄、登坂誠、塚本 惣一郎、亀井忠夫、小比賀一史、米盛和之、兼行真言、山田修三、米澤浩二、野 澤隆秀、古宇田智子>ジェイアール東日本建築設計事務所<藤井隆文、和田和男、 福田憲一、内田直尚、高橋伸行>マーフィ/ヤーン<Helmute Jahn、Philip Castillo、Carl D'Silva>トミタ・ライティングデザイン・オフィス<富田泰行、大岡 直美>ジイケイ設計<田中一雄、入江寿彦、西潟眞佐子、上田孝明>日建スペース デザイン<伊豆省洋、鈴木真弥、向野聡彦、吉江慶祐、朝川剛、久次米薫、白戸 弘貴、星野修一郎、山下開、長浜浩明、本間睦朗、渡邊薫、吉田剛司、横山正 博、谷研一、水津秀夫、西口勝臣、阿部正裕、馬場博司、川西昭一郎、田中康 二、石上智章、吉宮弘志、稲室正好、岡田実、植田義和、佐々木孝、宮川典雄、 遠藤郁勇>

施工者

鹿島建設・清水建設・大林組・竹中工務店・大成建設・鉄建建設・三井住友建設 JV、高砂熱学工業、新日本空調、三機工業、西原衛生工業所、斎久工業、日本電設 工業、関電工、日立製作所

発注者

東日本旅客鉄道、三井不動産

竣工年月

200710

着工年月

200409

構造

S,SRC,RC

地上階数

43 階

地下階数

4 階

能力

駐車台数58台

敷地面積

14439.18 平方メートル

建築面積

12795.01 平方メートル

延床面積

212495.07 平方メートル

外装 最高高

屋根:アスファルト防水押えコンクリート、外壁:アルミカーテンウオール 205000 (mm)

軒高

19925 (mm)

階高

4400 (mm):事務室

天井高

2950 (mm):事務室

主なスパン

7200×18000 (mm)

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資料

作品名称

梅新第一生命ビルディング

建物用途

事務所,貸事務所

建物所在

大阪府大阪市北区曽根崎2-3-5

掲載誌 掲載年月 設計者

新建築 2008年04 第一生命保険<梅垣春記、高田秀明、西川重樹、向後祐介、武末綾子>第一ビル ディング<渡辺隆、井利久、村岡邦彦>竹中工務店<薄田学、有田博、中村圭祐、 山下靖彦、前川元伸、大野正人、篠島隆司、古和田卓、坪内幸一、川瀬高光>

施工者

竹中・奥村・錢高・西松・日本建築JV、三晃空調、西原衛生工業所、きんでん

発注者

第一生命保険

竣工年月

200710

着工年月

200601

構造

S,RC,SRC

地上階数

17 階

地下階数

1 階

能力

駐車台数66台

敷地面積

2032.96 平方メートル

建築面積

1433.64 平方メートル

延床面積

23235.12 平方メートル

外装

屋根:アスファルト防水、外壁:アルミカーテンウオール、押出し成型セメント 板、鋼繊維補強コンクリート板、花崗岩

最高高

71070 (mm)

軒高

69290 (mm)

階高

4100 (mm):貸室

天井高

2800 (mm):貸室

主なスパン

7200×17400 (mm)

!($


資料

作品名称

赤坂サカス 赤坂Bizタワー

建物用途

事務所,商業施設

建物所在

東京都港区赤坂5

掲載誌 掲載年月 設計者

新建築 2008年04 三井不動産、久米設計<林年男、三浦健、吉田宏幸、高橋泰文、萩原芳孝、稲嶺 稔、斉藤博之、井上裕爾、篠崎利行、沼田典久、海老原靖子、吉岡亮一、嵐山正 樹、中島隆裕、奥野親正、神崎健、伊藤央、田村富士雄、大前芳蔵、町野陽一 郎、中村導彦、畠中章、吹屋亨、高橋晃司、中谷光宏、市川勉、清宮拓磨、加藤 修一、上井良彦、皆錢宏一、郡司裕光、大野啓二、権田武路、奥山由人、沼田典 久、清水宣男、原闘者>久米エンジニアリングシステム<大窪健、水沼誠二、榎本 茂>上野計画、日本工営、オンサイト計画設計事務所<長谷川浩己、戸田知佐、 木田裕子、金井幸雄、野田亜木子>ソラ・アソシエイツ<川村和広、三井敦史> 竹内デザイン<竹内誠、松尾憲宏、久我哲也>久米設計+乃村工藝社JV、乃村工藝 社<大寺徹、本間省二、佐伯俊輔、松田知也、井原勇哲>アートフロントギャラ リー<千住博、鈴木康広、ヘルガ・グリフィス、トーマス・シャノン>

施工者

TBS(業務棟・文化施設棟)開発建設工事JV<大林組・鹿島建設・前田建設工業・ 清水建設>

発注者

東京放送

竣工年月

200801

着工年月

200501

構造

S,SRC,RC

地上階数

39 階

地下階数

3 階

能力

駐車台数489台

敷地面積

33095.74 平方メートル

建築面積

8629.15 平方メートル

延床面積

186865.57 平方メートル

外装

屋根:アスファルト防水押えコンクリート、外壁:アルミカーテンウオール、セラ ミックルーバー、アルミルーバー、ライムストーン

最高高

179250 (mm)

軒高

178310 (mm)

階高

4265 (mm):基準階

天井高 主なスパン

2850 (mm):基準階事務室 7200×7200 (mm)

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資料

作品名称

鹿島本社ビル

建物用途

事務所,本社ビル

建物所在

東京都港区元赤坂1-3-1

掲載誌 掲載年月 設計者

新建築 2008年04 KAJIMA DESIGN<塚本平一郎、向井千裕、鈴木活史、鈴木聡一郎、村松清一、吉 貝滋、村松匡太、朴泰垣、平岡雅哉、藤谷真人、渡部裕一、高見正彦、木原勇 信、大瀬戸太志、大和田淳、宮前行成>イリア<乕屋正、池田憲司>ランドスケー プデザイン<上野卓二、大久保宏紀>佐藤卓デザイン事務所、鷲田康一郎、 LIGHTDESIGN<東海林弘靖、横田道子>安田侃、山崎隆

施工者

鹿島建設、東光電気工事、東洋熱工業、クリマテック、西原衛生工業所

発注者

鹿島建設

竣工年月

200707

着工年月

200507

構造

S,SRC,RC

地上階数

14 階

地下階数

2 階

能力

駐車台数63台

敷地面積

2337.41 平方メートル

建築面積

913.97 平方メートル

延床面積

15162.91 平方メートル

外装

屋根:アスファルト防水押えコンクリート、外壁:PC板フッ素樹脂塗装

最高高

62620 (mm)

軒高

57820 (mm)

階高

3900 (mm)

天井高

2700 (mm)

主なスパン

7200×14400 (mm)

!)'


資料

作品名称

鹿島赤坂別館

建物用途

事務所,本社ビル

建物所在

東京都港区赤坂6-5-10

掲載誌 掲載年月 設計者

新建築 2008年04 KAJIMA DESIGN<田名網雅人、丸山茂生、浅見邦一、鈴木聡一郎、堀越英昭、赤 対清吾郎、木俣敦子、熊沢重人、村松清一、吉貝滋、花岡和弘、坂本真樹、中井 武、平岡雅哉、吉田貢、弘本真一、釜谷文雅、大和田淳、西田健、村松和彦、宮 前行成>イリア<乕屋正、池田憲司、鷲田康一郎>ランドスケープデザイン<上野 卓二、三木正>フォーライツ<稲葉裕>

施工者

鹿島建設、きんでん、高砂熱学工業、日比谷総合設備

発注者

鹿島建設

竣工年月

200507

着工年月

200507

構造

S,SRC,RC

地上階数

15 階

地下階数

2 階

能力

駐車台数83台

敷地面積

5066.92 平方メートル

建築面積

2709.87 平方メートル

延床面積

33350.75 平方メートル

外装

屋根:アスファルト防水押えコンクリート、外壁:PC板フッ素樹脂塗装

最高高

70560 (mm)

軒高

64960 (mm)

階高

3950,3350 (mm)

天井高 主なスパン

2800 (mm) 6400×14050 (mm)

!)!


資料

作品名称

ココラフロント

建物用途

ホテル,事務所,店舗,駐車場

建物所在

愛知県豊橋市駅前大通1-55

掲載誌 掲載年月 設計者

新建築 2008年10 北山創造研究所<北山孝雄、吉田成行、金子雄二>北山孝二郎+K計画事務所<北 山孝二郎、岡田泰明、西村周浩、木村隆>日本設計<徳弘晴信、中尾孔俊、米川 龍夫、古野欽一、小西浩夫、中山志メ松、人見泰義、野田繁、木村秀夫>金箱構 造設計事務所<金箱温春、望月泰宏>森村設計<相川道男、川田義登>A.N.D.<小 坂竜、宮里貴司>鳳コンサルタント環境デザイン研究所<佐々木葉二、内堀文雄、 吉武宗平>アイシーイー<武石正宣、柳澤雅子、楯優>GLAMOROUS co.,ltd.<森田 恭通>SSD<澤田広俊>

施工者

鹿島建設、中部電気、川北電気工業

発注者

ガステックサービス

竣工年月

200807

着工年月

200606

構造

GARDEN SITE:S SALA TOWER:S,SRC

地上階数

GARDEN SITE:6 SALA TOWER:16 階

地下階数

GARDEN SITE: SALA TOWER:2 階

能力

駐車台数96台

敷地面積

GARDEN SITE:2,649.25 SALA TOWER:2,778.58 平方メートル

建築面積

GARDEN SITE:2,079.83 SALA TOWER:2,063.68 平方メートル

延床面積

GARDEN SITE:6,553.09 SALA TOWER:17,990.38 平方メートル

外装

屋根:アスファルト防水押えコンクリート、一部屋上緑化、外壁:PC版、アルミ カーテンウオール

最高高

72900 (mm)

軒高

63220 (mm)

階高

4040 (mm):事務室

天井高

2800 (mm):事務室

主なスパン

7200×14400 (mm)

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資料

作品名称

コンカード横浜

建物用途

事務所,集会室,店舗

建物所在

神奈川県横浜市神奈川区金港町3-1

掲載誌 掲載年月 設計者

新建築 2008年10 日建設計、ザイマックス、矢萩喜従郎建築計画<矢萩喜従郎、増田忠史>梅澤建築 構造研究所<梅澤良三、遠山元教>岩井達弥光景デザイン<岩井達弥、前田早恵 >大成建設一級建築士事務所<伊勢季彦、花村明秀、田中勉、新田隆雄、小林治 男、角田宣彦、小林徹也、八田良行、久保田宗人、宮本宣浩、菊地吉久、菊地正 樹、尾上忠彦、大枝洋介>

施工者

大成建設

発注者

モリモト

竣工年月

200803

着工年月

200608

構造

S,RC,SRC

地上階数

20 階

地下階数

1 階

能力

敷地面積

7156.58 平方メートル

建築面積

3769.25 平方メートル

延床面積

55712.56 平方メートル

外装

屋根:シート防水+デッキプレート複合防水、アスファルト防水押えコンクリー ト、外壁:PC板タイル打込、PC板花崗岩打込、アルミサッシ

最高高

92000 (mm)

軒高

84700 (mm)

階高

― (mm)

天井高

― (mm)

主なスパン

― (mm)

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資料

作品名称

ブリーゼタワー

建物用途

事務所,店舗,劇場,駐車場

建物所在

大阪府大阪市北区2-4-9

掲載誌 掲載年月 設計者

新建築 2008年11 三菱地所設計<枝川裕一郎、寺田幸司、国府田道夫、岩本忠昌、杉本宏之、高明 彦、梶隆之、根津定満、東和彦、永岡洋一、安田健一、矢野敦士、大塚成喜、森 敏幸、相川節雄、広瀬亮一、中澤功、友松芳彦、奥富宏和、宮澤裕紀、亀井尚志 >インゲンホーフェン・アーキテクツ<クリストフ・インゲンホーフェン、ベン・ ディークマン、マーティン・ロイター>KAJIMA DESIGN<小菅克己、宮田雅章、仙 波武士、黒川泰嗣、太田忠彦、橋本洋>鹿島建築管理本部、鹿島技術研究所、浪 花森本音響計画、シアターワークショップ、セレブレーション・オブ・ライツ、石 井幹子デザイン事務所<石井幹子、玉那覇昭人、榎本敏>ライトスケープ・デザイ ン・オフィス<東宮洋美、山田圭太郎>LIGHTDESIGN<東海林弘靖、永島和弘> メック・デザイン・インターナショナル<福田宏>エモーショナル・スペース・デ ザイン<渡辺太郎、佐野裕次、高明愛>

施工者

鹿島建設

発注者

サンケイビル

竣工年月

200807

着工年月

200603

構造

SRC,S

地上階数

36 階

地下階数

3 階

能力

駐車台数210台

敷地面積

5291.89 平方メートル

建築面積

3621.29 平方メートル

延床面積

84749.09 平方メートル

外装

屋根:アスファルト防水押えコンクリート、外壁:プレキャストコンクリート版 フッ素樹脂塗装

最高高

174900 (mm)

軒高

167400 (mm)

階高

4200 (mm):事務室

天井高

2800 (mm):事務室

主なスパン

9600×14500 (mm)

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資料

作品名称

青山OM-SQUARE

建物用途

事務所,店舗

建物所在

東京都港区北青山2-5-8

掲載誌 掲載年月 設計者

新建築 2008年12 三井不動産、清水建設<稲村健一、佐竹弘芳、瀬尾剛史、斎藤利昭、折原伸吾、 沼本学、荒井義人、太田明彦、池田真哉、湊敦、祖父江一仁、村瀬義則、栗山晃 一、杉山浩、縄田龍一、金子弘幸、國嶋匡>佐藤尚巳建築研究所<佐藤尚巳、永 山智文>フィールドフォー・デザインオフィス<内田淳、並木良一>都市環境照明 研究所<武石正宣、水谷純>エモーショナル・スペース・デザイン<渡辺太郎、佐 野裕次>ウォークマーク・デザイン<水津巧>

施工者

清水・間JV、新日空・中央設備JV、きんでん

発注者

コーラス・プロパティ

竣工年月

200807

着工年月

200603

構造

S,SRC,RC

地上階数

25 階

地下階数

3 階

能力

駐車台数108台

敷地面積

6392.21 平方メートル

建築面積

3443.76 平方メートル

延床面積

47135.25 平方メートル

外装

屋根:アスファルト防水押えコンクリート、外壁:ガラスカーテンウオールフッ素 樹脂焼付、花崗岩打込PC板、アルミパネルフッ素樹脂焼付、ガラスカーテンウ オール

最高高

124990 (mm)

軒高

113600 (mm)

階高

4300 (mm):基準階

天井高

2800 (mm):事務室

主なスパン

6000×21600 (mm)

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資料

作品名称

学研本社ビル

建物用途

事務所,保育所,駐車場

建物所在

東京都品川区西五反田2-11-8

掲載誌 掲載年月 設計者

新建築 2009年03 清水建設<見城辰哉、竹内雅彦、小山裕之、末森憲義、斎藤利昭、宮城佑輔、荒 井義人、清水洋、石川栄一、水落秀木、近藤史朗、掛川秀史>アール・アイ・エー <仁科和久、原口尚也、杉山満、田中実、小田切敏章>

施工者

清水建設、高砂熱学工業、斎久工業、きんでん

発注者

学習研究社

竣工年月

200807

着工年月

200610

構造

S,SRC

地上階数

24 階

地下階数

3 階

能力

駐車台数71台

敷地面積

2964.04 平方メートル

建築面積

1079.7 平方メートル

延床面積

27839.35 平方メートル

外装

屋根:アスファルト防水押えコンクリート、外壁:アルミ積層複合パネル

最高高

119300 (mm)

軒高

115250 (mm)

階高

4100 (mm):オフィス

天井高

2800 (mm):オフィス

主なスパン

13450×12550 (mm)

!)*


資料

作品名称

経団連会館

建物用途

事務所,集会場,店舗,駐車場

建物所在

東京都千代田区大手町1-3-2

掲載誌 掲載年月 設計者

新建築 2009年06 日建設計<中村光男、櫻井潔、小比賀一史、石川真治、山田修三、松本博樹、小 高孝司、村山博美、金澤昭博、森愛子、大松敦、柳瀬希実子、能田悟、北村亜 砂、杉崎美緒、常木康弘、長瀬悟、金山功、江坂佳賢、江利川俊明、野原文男、 森山修治、中村准二、本多敦、渡邊薫、岡野博紀、栄千治、藤岡茂、平賀昇、三 谷康彦、西大輔、小路直彦、笛田一義、矢崎覚、馬場好春、司馬義英、田中亜 美、長谷昇、今村栄一、田中義久、谷研一、石上智章、加藤厚、巽政史、落合 誠、島田太郎、小野里守旦、海老名義男、加藤裕明>三菱地所設計<原田仁、高 瀬知章、佐藤茂、脇野剛史、山田哲夫、桑田誠、今村久雄、後藤桂久>日建スペー スデザイン<大久保豊、輿石仁、石川暢子、古澤幹生>石のアトリエ<和泉正敏> GK設計<西潟眞佐子、功能澄人>トミタ・ライティングデザイン・オフィス<富 田泰行、藤倉昭人>明野設備研究所<嶋田拓>環境計画研究所<池村明生、田島 一宏、生方均、市川靖子>濱谷明夫

施工者

清水建設、高砂熱学工業、斎久工業、関電工、日本電設工業、日立製作所、東芝 エレベーター、ユアテック、きんでん、新菱冷熱工業

発注者

大手町開発、日本経済団体連合会、三菱地所、NTT都市開発、東京建物、サンケ イビル、東京電力、丸の内熱供給

竣工年月

200904

着工年月

200704

構造

SRC,RC,S,CFT

地上階数

23 階

地下階数

4 階

能力

敷地面積

13399.08 平方メートル

建築面積

9156.74 平方メートル

延床面積

71226.55 平方メートル

外装 最高高

屋根:RC陸屋根、外壁:花崗岩打込みパネル、ガラスカーテンウォール 122000 (mm)

軒高

― (mm)

階高

4300 (mm):事務室

天井高

2800 (mm):事務室

主なスパン

6400×6400 (mm)

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資料

作品名称

丸の内パークビルディング/三菱一号館 丸の内パークビルディング

建物用途

事務所,店舗,冷暖房施設,駐車場

建物所在

東京都千代田区丸の内2-6-1,2

掲載誌 掲載年月 設計者

新建築 2009年10 三菱地所設計<大内政男、東條隆郎、狩野大和、山極裕史、高田慎也、柴田康 博、瀬賀登、神例賢、小川一郎、吉原正、山縣洋一、茂呂幸雄、豊岡俊一郎、富 田収、栗林茂吉、安田香平、田代英久、藤江哲也、植田直樹、松榮宏幸、玉木隆 夫、松島正興、坪田勇人、渡邊倫樹、深澤義和、大坪修、清家正樹、鈴木高明、 松本浩嗣、浅野祐輔、酒井和三、矢野和人>dpa lighting consultants<Nick Hoggett>YDNY<Yoshi白石>メックデザインインターナショナル、Interni;A< 小山内亜紀>アーキグラフィカ

施工者

竹中工務店、高砂熱学工業、斎久工業、きんでん、東光電気工事、西原衛生工業 所、三菱電機、日立製作所、東芝、小岩井農牧

発注者

三菱地所

竣工年月

200904

着工年月

200702

構造

SRC,S

地上階数

34 階

地下階数

4 階

能力

駐車台数282台

敷地面積

11931.79 平方メートル

建築面積

8280.04 平方メートル

延床面積

204729.92 平方メートル

外装

外壁:アルミカーテンウォールフッ素樹脂焼付、花崗岩打込PCカーテンウォー ル、花崗岩、熱線反射ガラス、防水ガラリ、ステンレスサッシ、乾式テラコッタタ イル、GRC板、安山岩、アルミキャスト、ガラスカーテンウォールMGP工法

最高高

169983 (mm)

軒高

156938 (mm)

階高

4410 (mm):オフィス基準階

天井高

2850 (mm):オフィス基準階

主なスパン

7200×25000 (mm)

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資料

作品名称

富士ゼロックスR&Dスクエア

建物用途

事務所,研究所・実験場

建物所在

神奈川県横浜市西区みなとみらい6-1

掲載誌 掲載年月 設計者

新建築 2010年06 清水建設<大西正修、山田祥裕、河本洋一、安藤幹泰、有働公男、石谷貴行、瀬 尾剛史、三上哲也、横山一智、中川健太郎、諸星雅彦、名児耶治充、鈴木清隆、 水原一樹、重村卓、古知正人、山田充孝、水落秀木>光井純&アソシエーツ建築 設計事務所<光井純、中野幸伸、榊頼彦>フィールドフォー・デザインオフィス< 志村美治、代田哲也、北島暢哉>LIGHTDESIGN INC.<東海林弘靖、田中裕美子> プレイスメディア<吉村純一>エモーショナル・スペース・デザイン<渡辺太郎、 佐野裕二>

施工者

清水建設、新菱冷熱工業、高砂熱学工業、朝日工業社、関電工、きんでん

発注者

富士ゼロックス

竣工年月

201003

着工年月

200803

構造

S,SRC

地上階数

20 階

地下階数

1 階

能力

駐車台数403台

敷地面積

14,655.63 平方メートル

建築面積

11,343.12 平方メートル

延床面積

135,253.62 平方メートル

外装

屋根:アスファルト防水押えコンクリート、外壁:アルミカットパネル、フッ素樹 脂焼付、タイル貼

最高高

98661 (mm)

軒高

97501 (mm)

階高

4450 (mm):基準階

天井高

3000 (mm):事務室

主なスパン

9600×16800 (mm)

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資料

作品名称

ソニー大崎西新ビルプロジェクト

建物用途

事務所,研究所・実験場

建物所在

東京都品川区大崎2-850-1

掲載誌 掲載年月 設計者

新建築 2010年06 日建設計<山梨知彦、羽鳥達也、石原嘉人、川島範久、宮倉保快、湯沢昇司、長 尾美菜未、竹内聡、水野芳康、根本哲夫、西大輔、、向野聡彦、小崎均、貞許美 和、丹羽勝巳、高辻量、塚見史郎、藤井琢郎、後藤悠、滝澤聡、小林護、木村清 晴、石上智章、島田太郎、石川富夫、中西理幸、小野里守旦、山下直彦、長坂昇 >アンズスタジオ(AnS Studio)<竹中司、岡部文>

施工者

鹿島建設、東洋熱工業、関電工

発注者

ソニー

竣工年月

201103

着工年月

200902

構造

S,CFT,SRC,RC

地上階数

25 階

地下階数

2 階

能力

駐車台数253台

敷地面積

16,558.52 平方メートル

建築面積

10,613.34 平方メートル

延床面積

124,045.63 平方メートル

外装

屋根:アスファルト防水緑化、外壁:アルミサッシ、アルミルーバー、アルミカー テンウォール

最高高

139350 (mm)

軒高

139200 (mm)

階高

4640 (mm):基準階事務室

天井高

3000 (mm):基準階事務室

主なスパン

7200×24300 (mm)

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資料

作品名称

東急キャピトルタワー

建物用途

ホテルおよび関連用途,事務所,共同住宅,店舗

建物所在

東京都千代田区永田町2-10-3

掲載誌 掲載年月 設計者

新建築 2010年11 隈研吾建築都市設計事務所<隈研吾、宮原賢次、宮澤一彦、神田剛、松島潤平> 東急設計コンサルタント<多根逸美、酒井良二、富岡毅、大隈佳之、山田誠夫、 若本俊幸、砂杯隆之、中嶋健吉、笠原義明、藤田裕之、金山麻里、矢嶋陽介、加 藤忠勝、小野塚清己、小島久幸、遠藤義弘、町田裕一、米山尚人、加藤忠勝、大 久保重範、岩城文、川村久也、藤吉貴之、登板嘉宏> 構造計画研究所<西尾啓 一、黒田満、大西雄一郎、坂場律和> プレイスメディア<宮城俊作、吉田新、吉 村純一、高橋宏樹、> パナソニック電工<小池玲子> 井上理安デザイン事務所 <井上理安、井上由朋、澤野亜由美> アール・イー・アイ<中村豊四郎、宮城壮 太郎>

施工者

清水建設、高砂熱学工業、ダイダン、日本電設工業、きんでん、東急リニューアル

発注者

東京急行電鉄

竣工年月

200803

着工年月

201007

構造

S,CFT,SRC,RC

地上階数

28 階

地下階数

5 階

能力

駐車台数240台

敷地面積

7,938.25 平方メートル

建築面積

5,425.92 平方メートル

延床面積

87,428.28 平方メートル

外装

屋根:アスファルト防水押コンクリート、外壁:アルミカーテンウォール

最高高

119060 (mm)

軒高

112210 (mm)

階高

5300 (mm)

天井高

3000 (mm)

主なスパン

9000×9000 (mm)

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資料

3.

没入型 VR 視覚化ソリューションマニュアル

01. 諸機材をセッティングする。(図1)       箱から機材をすべて出す。      箱のふたを閉じて BOB をその上に配置する。      BOB の電源ケーブルをつなぐ。      HMD 用 PC と BOB を映像ケーブルでつなぐ。 (in,out, 右目 , 左目に注意)      スイッチボックスと BOB を映像ケーブルでつなぐ。 (in,out, 右目 , 左目に注意)      光源を箱の横に配置する。(光源が Vicon に入らないよう に配置する。)      光源の電源ケーブルをつなぐ。      スイッチボックスから出る残りのケーブルを BOB へつな ぐ。 02. PC(HMD 用2台+ Vicon 用 1 台)と Vicon 本体の電源を入れる。 (図2) 03. 解像度・ディスプレイの設定をチェックする。(図3)      デスクトップを右クリックする。      NVIDIA コントロールパネル>画面プロパティー で 1280 × 768 になっているか確認する。(HMD 用2台両方)      NVIDIA コントロールパネル>複数ディスプレイの設定> クローン に設定する。(HMD 用2台両方) 04. 諸機材の電源を入れる。      PC よりの電源から入れる。(光源> BOB >スイッチボック ス) 05. Vicon・Tracar を起動する。(図4)      Vicon 用 PC にある、Tracar を起動する。      resource window に Vicon camera 1-8 が表示されている かを確認する。      camera window に camera view が表示されているかを確 認する。(camera view には rock がある。) 06. キャリブレートマスクの作成(ノイズの除去)を行う。

!*"


資料

事前にキャリブレートエリア内の光るものを移動させる、 もしくは、隠す。      creaye camera masks で自動マスクを行う。       自 動 マ ス ク で 取 り き れ な か っ た 部 分 を 手 動 マ ス ク 処 理 す る。      ヒント:右ドラック→ズーム、消しゴム→削除 07. キャリブレートを行う。(図5, 6)      キャリブレートボタンを押す。      キャリブレート用のT字棒を約 1 分間の間、部屋内部をま んべんなく振る。      注意:一つのカメラの前で集中的に行うことはしない。 08. 原点指定を行う。(図7)      原点位置を指定する。      キャリブレート用のT字棒の交点を原点位置に合わせて置 く。      Set Volume Origin ボタンを押し、原点指定を完了させる。 09. サブジェクトの作成を行う。(図8)      HMD及び手足のマーカーをエリア内に配置し、サブジェ クトとして認識させる。      ヒント:alt+ ドラック→選択        space →ポーズ(マーカーが認識している場合、選択 が楽になる。) 10. サブジェクトのオフセットを行う。(図9)      サブジェクトごとに重心をセットする。      ヒント:左クリックで起点を移動できる。(関節などで、軸 の起点が図心と異なる時おこなう。)      windows>options>tagto volume → 10mm のグリッド作成 11. サブジェクトを保存する。 12. 機材を被験者に取り付ける。(図10)      原点に椅子を設置し、被験者を浅く椅子に座らせる。      腰のスイッチボックス>手足のマーカー・HMD の順で取 り付ける。      HMD は被験者に両手で支えてもらい、実験者は一度マジッ

!*%


資料

クテープを下に引き、後ろに引き上げるように取り付ける。      被験者は両手を離し、HMD がずれないかを確認する。      HMD のピントを合わせる。(被験者の目から遠い位置から ゆっくり近づけピントを合わせる。) 13. Virtools の設定を行う。      CD 内の HEWDD_VR をフォルダごと D ドライブにコピー する。      注意1:コピーしたフォルダは共有の設定にする。      注意2:両目を同じフォルダ構成にする。 14. 新規コンテンツフォルダ作成する。      D:>Virtools> HEWDD_VR>VRNRSamples> 新規コンテンツ フォルダを作成する。      新規コンテンツフォルダに起動ファイル一式(コンテンツ 以外のデータ)をコピーする。      起動ファイルの内容の以前のコンテンツ名を今回のコンテ ンツ名に変更する。 15. Virtools を起動する。 16.VRNRresource を起動する。      内容がなかった場合は resource>Virtools をインストール してあるフォルダ >Vrpack を確認する。 17. VRNR タブ >hetter →左画面にドラックドロップ      実行のためのスクリプトが自動で入る。 18. 以上まで作成したコンテンツを保存する。      保存場所:HEWDD_VR>VRNRSamples 19. Vicon と HEWDD を使う設定をする。(問題があったとき行う。      (詳しくは CD 上のマニュアルを参照する))      HEWDD_VR>VRNRSamples>VRBaseSample.cfg 20. Vicon のサブジェクトと Virtools のオブジェクトとをリンク   HEWDD_VR>VRNRSamples>Tracking Sample      >vicon.txt      次を書く【名前 1 (tab) 名前 1 (tab) 名前 2 (tab) オフセッ ト (tab) origin】      名前 1 は Vicon の中で名前付けしたものを使う。

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資料

名前 2 は Virtools の中で新たに名前付けしたものを使う。      オフセットは Origin からの相対距離 (Origin は Virtools 上 のオブジェクトの中におく)      注意:名前 2 は開発環境の中でしか決定出来ない。 *:Acrofovia 使用時の手順 13*.Acrofovia を起動する。    デスクトップ上のアイコンをダブルクリックする。    escpe →終了    レスキューアイコン →強制ストップ    S →スタート    R →リセット

図 2. PC と Vicon の本体

図 4. Vicon・Tracar の起動画面

図 1. 諸機材のセッティング

図 3. 解像度・ディスプレイの設定

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資料

図 6. キャリブレート終了時の画面 図 5. キャリブレート開始時の画面

図 8. サブジェクトの作成

図 7. 原点指定

図 10. 機材の取り付け

図 9. サブジェクトのオフセット

!**


1

論文編

はじめに

1

研究背景

2

研究概要

3

実験 1「皮膚電気活動を指標とした高所空間における不安の観測」

4

ブレインストーミングと調査「恐怖・不安の増減に影響する建築デザインの抽出」

5

実験 2「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

6

まとめ

7

おわりに

8

参考文献

9

謝辞


1

はじめに

はじめに

1


2

研究背景

恐怖と不安

2.1

高層建築

2.2

Virtual Reality

2.3


3

研究概要

用語の定義

3.1

皮膚電気活動と恐怖・不安   3.1.1 没入型 VR 視覚化ソリューション   3.1.2 研究の目的

3.2

研究の流れ

3.3


4

実験 1 「皮膚電気活動を指標とした高所空間における不安の観測」

実験 1 の目的

4.1

実験 1 の方法

4.2

実験 1 の結果

4.3

実験 1 の分析

4.4

実験 1 の考察

4.5


5

ブレインストーミングと調査 「恐怖・不安の増減に影響する建築デザインの抽出」

ブレインストーミングと調査の目的

5.1

ブレインストーミングと調査の方法

5.2

ブレインストーミングの方法   5.2.1 調査の方法   5.2.2 ブレインストーミングと調査の結果

5.3

ブレインストーミングの結果   5.3.1 調査の結果   5.3.2 ブレインストーミングと調査の考察

5.4


6

実験 2 「高所空間における恐怖・不安の増減と建築デザインの関連性の検証」

実験 2 の目的

6.1

実験 2 の方法

6.2

実験 2 の結果

6.3

実験 2 の分析

6.4

実験 2 の考察

6.5


7

まとめ


8

おわりに


9

参考文献


2

資料編

実験 1 の資料

1

実験 1 の記録用紙   1.1 実験 1 の同意書   1.2 実験 1 の被験者募集用紙   1.3 実験 2 の資料

2

実験 2 の記録用紙   2.1 実験 2 の同意書   2.2 実験 2 の被験者募集用紙   2.3 実験 2 のタイムテーブル   2.4 実験 2 に用いた日本の高層オフィス建築のリスト   2.5 没入型 VR 視覚化ソリューションマニュアル

3


恐怖・不安を伴う高所ストレスに対応した建築デザイン Physiological response of the fear and anxiety due to the difference in architectural design

馬淵 大宇


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