ビデオ画像処理による群集性状評価手法に関する研究

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1.3 既往研究

1.3 既往研究 ○行動調査手法 人の行動を調査する場合,行動を記録されるものによって①画像記録と②非画像記録に 大別される.また,近年では情報・通信技術の高度化に伴い,GPS,携帯電話,PHS など に代表される移動体通信システムの利用者が爆発的に増加しており,それら動体通信によ る位置情報サービスも実用化され,携帯機器をもつ個人の位置データを特定することが可 能になったため,③移動体通信システムを利用した位置情報のログデータを用いた調査手 法も積極的に研究されている. ①画像記録の方法には,目視によるスケッチ,測量機器による人間の位置実測,写真,8 ミリ撮影,DV 撮影などがあげられる.これらは高速度撮影や赤外線撮影など,技術の進 歩にともなって際限ない可能性の広がりをみせており,これまでは解析が困難であった現 象も,正確かつ容易に解析できるようになった. ②非画像記録は計数記録と計時記録に分かれるが,両方同時に必要な場合が多い.計数 記録は,ある地点を通過した人数や行列の人数,滞留者の人数・位置など,人間の数を記 録する事に重点を置くもので,画像記録を用いなくても状況の再現が可能な場合に用いら れる. 一方,計時記録は,人間の行動を時系列で捉える必要がある場合に用いられる.計時は 時刻が重要な場合(タイムスタディなど)と,時間が重要な場合(歩行速度など)があり, 目的に応じて時計とストップウォッチを使い分ける必要がある. ③移動体通信システムを用いた行動調査は, (i)GPS を用いた調査,(ii)携帯電話・PHS を 用いた調査, (iii)RFID(無線タグ)を用いた調査があげられる.

(i)GPSを用いた調査は, 世界的に広く利用されているとい う意味で,移動体通信システムの代表といえる.GPS(Global Positioning System)は人工衛星により原子時計の時刻のず れを計測することにより緯度経度座標を特定するシステムで あり,ドップラー効果を利用すれば速度の計測も可能であ る.D-GPS(Differential GPS)は,移動局で得られた緯度経 図 1.3.1 ハンディータイプの GPS 機器

度データを別途の基地局位置データにより補正することによ

り精度を向上させている. GPS を利用した行動調査には,車両の位置や速度を計測したものや,携帯型の GPS を -9-


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