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昭和 61年 度 修 士 論文

建築計画に関する知識表現の枠組 ― オ ブ ジ ェ ク ト指 向 に よ る建 築 空 間 モ デ ル の 提 案 ―

早稲 田大 学大学院理 工学研究科 建設 工 学 専 攻 建築専 門分野

65E032 渡 辺 俊


A FRAMEWORK FOR REPRESENTING KNOWLEDGE OF ARCHITECTURAL PLANNING ―

A ProPosal of the Architectural knowledge Representation by an Object― Oriented Paradigm “

These daysr nilnV people are interested in artif icial Intelligence and expect the expert system which is the application of it. And we can get many expert shell progran for making our own system in the special subject. But when we look the present condition, it is difficult to say that we can put the system to practical use in other field, not to mention in architecture. It is because we have not put the knowledge of architectural planning in order On the other handr u€ have the problem that it is impossible to teach the computer general ideas like space or place by using the present knowledge representation models, and it is the most important thing for making the real expert system of architectural planning. So u,e have to do is to make-up all of our knouledge systematically in the short term and to mention the general idea for architectural space in the long term. In this thesis, I discuss the possibility of artificial intelligence and problens of knowledge representation for making systen of architectural planning, and explain the basic frameworl< of architectural space and human behavior. As you suppos€r this title quote from the fanous thesis "A FRAMET'/ORK FOR REPRESENTING KNOI'/LEDGE" which is written by Marvin Minsky who is a professor of Massachusetts Institute of Technology, and one of the greatest leading of artificial intelligence. In the thesis, he made a proposal of the model of the human knowledge, that is called the frame modelr ard it can explain nany conplex problen. And this is the approach from the acknowledgment psychology. On the other hand, the obJect-oriented problem solving is suggested from the computer software science. This approach make us easy to make conplex program, because of the concept of object, ond the two way is very sinilar to each other. This means that hre can make the part of the human knowledge model in the computer system by using the concept of the object. So the fundanental idea is based on the expression of the frane, and prototype nodel is written by the Smalltalk-8O whlch ls based on the concept of the ob.iect-oriented programmlng. Smalltalk is the computer programming language for doing both simple thing, like evaluating an arithmetic expression, ilDd complex things, like building the environment. So it can nake us easy to make the system.


建 築 計 画 と コ ン ピ ュー タと い う一 連 の 研 究 の 中 で 、 構 造 計算 に 代 表 され る数 値処 理 を 目的 と した利 用 を第 一 世 代 の 研 究 、 CADに 代 表 され る図形 処 理 を 目 的 と した 利用 を第 二 世 代 の 研 究 と位 置 づ け ると、 私 は本 研究 を知 的 処 理 を 目的 と した第 二 世 代 の 研 究 の 先駆 け と位 置 づ けて いる。 そ して、研 究 を続 け る に 当 た り、 これ ら一 連 の 研 究 の 流 れ の 中 で 、 シ ミュ レー シ ョン とい う一 貫 した立 場 か らアプ ロー チ す る こ とを心 掛 けて きた 。 な お、私 は本 論 文 で 、 極 め て 理学 的感 性 と論理 体系 に支 え られ た 、 明快 な空 間論 、 建 築 計 画 論 に 関 す る知 識 表現 の 枠 組 を、情 報 処 理 学 的立 場 か らオ ブジ ェ ク ト指 向 とい う視 点 を規準 と して アプ ロー チす る こ とを 目指 して い る。 従 っ て 、 特 定 の 問題 に対 す る便 宜 的 な 実 用 システ ム を構 築 す る、 あ るいはそ の 方 法 論 を展 開 す る こ とを 目的 とせ ず 、 で きるか ぎ り広 い『 知 』 の 観点 か ら、 考 え方 と可 能性 に 関 す る論理 を展 開 して い る。 これ は、個 々の 問題 の 末端 に意 識 が固定 化 され た り、特定 の 技 術 体 系 に よ る ヒエ ラル キ ー に 引 き摺 られ がち な 最近 の 研 究 姿 勢 へ の 一 つ の 反 省 か らと、 よ り長期 的視 野 に立 っ た人 間 ―空 間系 の 研究 の 知 識化 を 目指 す こ とに よ るもの で あ る。

3…


1。

● は じめ に

6

●目

8

●背

9

●概

10

2.シ ミ ュ レー シ ョン技 術 の 系 譜 ●モ ンテ カル ロ・ シ ミュ レー シ ョン ●連 続 型 システ ム

(DYNAMO)

●事 象 駆 動型 シ ステム

11 11

(GPSS)

12

●プ ロダクション・ ル ール

13

●セマンテ ィック・ ネッ トワ ー ク

14

● フ レー ム理 論

15

3。

建 築 計 画 とシ ミュ レー シ ョン … … … 00¨ ¨ ¨ 0・ … e。 ..¨ … … …… ¨ ‥ … …… …

●人 間 の 行 動 シ ミュ レー シ ョン ●群集 流 動 予測 の 実例 (幕 張 メ ッセ 指 名 設 計競 技 )

7     9     0 1     1     2

●人 間 の 行動 モデ ル

4.建 築 計 画 と人 工 知 能 ●建 築 に おけ る人 工 知能

23

●知 識 とは

23

● 建 築 計 画 と論 理

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●空 間 の 概念

・ … … ¨ 00‥ ‥ … … …… … ・・ … ¨‥‥ ‥ ‥ ‥ 00… … … ¨・

25

●建築 知 識 の 論 理 学 的記述 の 限界

25

● 建 築 人 工 知 能 の 可 能性

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4‐


5。

建 築 計 画 に 関 す る知 識表 現 の 枠組

● オ ブ ジ ェク ト指 向

¨¨ ¨ ¨ ¨ … … … …・ ・ ¨¨ ¨ 。●¨¨ ¨ ¨ ¨ ¨ ¨ ¨

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● Smalltalk-80

¨。 ・ ¨ ¨ ¨¨¨¨ … … … … …・・‥ ‥ ‥ …

28

●短 期 的 にみ た建 築 知 識 の 表 現

¨ ¨ ¨ ¨ 00… ¨ ¨ ¨・ ・‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ¨

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●建 築 空 間 を表 現 す るフ レー ム

¨ ‥ ‥ ‥¨‥ ‥‥ ¨ ¨ ¨ ¨ ¨ ¨ … … …

30

●建 築 計画 に 関 す る知 識表 現 の 枠 組

‥ ‥¨・ ・¨ ¨¨¨¨¨¨ ¨ ¨¨¨

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● オ ブ ジ ェク ト指 向 に よる空 間表 現

¨ ¨¨¨ ¨ ¨ ‥‥ ‥ ¨ … … … ……

34

● オブ ジ ェク ト指 向 に よ る行 動 表 現

¨ ¨・ ・¨ … … … … … …… … … … …

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¨ ¨¨・ ・ ¨ ¨ ¨ ¨・・

40

●¨ ¨ ¨ ¨ ¨¨ ¨ ¨ 00¨ ¨ ¨ ¨¨ ¨。 ・●

41

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●参 考 資料

¨ ¨・・ ‥‥¨ ¨ ¨ ‥ … … … ¨¨・ ・ ¨ ‥ ‥ ¨ ¨ ¨ ¨ ‥ … ……

44

● オ ブ ジ ェク ト指 向 に よ る行 動 シ ミュ レー シ ヨン 6。 ―展

●長 期 的 にみ た建 築 知 識 の 表 現 ●人 工 知 能 建 築 家 の 将 来像

●補

5‐


1。

● は じめ に シ ミ ュ レー シ ョン とは建 築 の 設 計活 動 に 限 らず 、 人 間 の 活 動全 般 に おいて、 極 め_て 普 遍 的 、 日常 的 な行為 で あ る。 シ ミュ レー シ ョン (simulatiOn)の 語原 は、 ラテ ン語 の sl口 ulo(模 倣 す るの 意 )に 由来 し、そ こ か ら一 般 に「 真 似 るJと い う意 味 で 使 われ る。 す なわ ち、 シ ミュ レー シ ョン と は 現実対 象 を何 らかの モデ ル で表現 し、 モデル に 対 し様 々 な 条 件 下 で実験 を行 い、 も つ と も通 切 な代 替案 を探索 す る 一 連 の 行 為 であ る。 こ こ で 、モデ ル とは 物 理 的実験 装 置 や数 学 的方 程 式 、 コ ン ピュー タ・ プ ロ グ ラ ム に 限定 され るもの で はな く、 記 号 に よ る論理 的表 現 や歴 史 的文脈 まで含 め た 極 め て広 範 な領 域 を包 括 す る も の で あ り、 コ ン ピ ュー タ を媒 体 と したそれ は極 め て 限 定 され た表 現 で あ る。 しか し、そ の 解 釈 に 従 えば コ ン ピュー タで行 うあ らか たの仕 事 は シ ミ ュ レー シ ョンの 範時 に 含 まれ る訳 で あ り、 コ ン ピ ュー タの 歴 史 は シ ミ ュ レー シ ョンの歴 史 で あ る とも い え る。 さて 、 シ ミュ レー シ ョンとい う言 葉 が建 築 計画 の 分 野 で用 いた場 合 、実 際 に 計 画 案 が 実 施 され た と仮定 して 、空 間 の 構 成 を見 た り、建 物 の 形態 や 色 と周 囲 の 環 境 との 調和 を検 討 した りす る意 味 で 使 わ れ る場 合 が 多 い。 また 、 この 他 に も実 務 的 な側 面 で は 、 計画事 業 収 支 シ ミュ レー シ ョンや 災 害 時 の 避 難 シ ミュ レ ー シ ョン、 人 間 の 動 線 予 測 シ ミ ュ レー シ ョン な どき まざ な 分 野 で用 い られ るの で 、 前 述 は どち らか と言 えば 視 角 的 な もの 、 後 述 は数値 的 な もの で あ ると言 え る。 一 般 に 、 視 角 的・ 感覚 的要 因 の 強 く作 用 す るシ ミュ レー シ ョン は模型 や 図 面 で 、 一 方 数値 的 要 因 の 強 く作 用 す るシ ミュ レー シ ョン は コ ン ピュー タで行 わ れ るの が 最 近 まで の 通 例 で あ つ た が 、 コ ン ピ ュー タ・ ソ フ トウ ェアの 飛 躍 的技 術 革 新 が、 レ イ トレー シング や ソ リッ ドモデ ル とい う形 で 視角 的 シ ミュ レー シ ョン を可能 に しは じめ て い る。 と こ ろで 、 この よ うな コ ン ピ ュ ー タ・ シ ミュ レー シ ョン ー 連 の 技 法 は先 の 数 理 的 モデ ル をその基 礎 に据 え た もの で あ り、 建 築 を含 め た意 味 で広 く知 識 を扱 う場 合 、 数 理 的 モデ ル で はおの ず と限界 が あ る こ とが指 摘 されて きた。 現 実 の 世 界 に お い て 我 々が 直 面 す る問 題 は、至 っ て数量 的 で あ る よ り自然 言 語 に 代表 され る よ うな 記号 的 処 理 が中 心 で あ り、 記 号 的処 理 に よ る問題 解決 へ の 要 請 が 高 ま るの は 当然 の 経 過 で もあ る。 ‐


そ の よ うな中 で コ ン ピュー タ利 用 の 新 たな系 譜 と して 、 人 工知 能 の 技 術 が最 近 注 目 を あび 始 め て い る。振 り返 れ ば コ ン ピ ュ ー タの有 史 以 来 、 思 考 錯 誤 を繰 り返 して きた このデ ー マの モデ ル は、 そ の 文 字 が示 す通 りの 人 間 の『 知 能 』 そ の もの で あ り、包 括 的 な シ ミ ュ レー シ ヨンの 系 譜 の 中 か ら顧 み れば 、 本 論 文 が 。 言 及 す る この 人 工 知 能 とは 、 まさ し く『 知 Jの シ ミュ レー シ ョン モデ ル な の で あ る。 さて 、そ こで視 点 を人工 知 能 を主 体 と した領 域 に移 す と 、 この『 知 』 の モデ ル で あ る人 工 知 能 の 研 究 が最 近幅 広 い分 野 で 注 目 を集 め る に至 り、 そ の 応 用 分 野 の 一 つ と して の エ キ スパ ー ト・ シ ステ ム に 対 す る期待 が 高 ま つ て い る。 そ し て 、 こ れ に 答 え る様 に 多 くの エ キス パ ー ト 0シ ステ ム 構 築 ツ ー ル が実 用 化 、販 売 され て い る。 こ れ は、先 に 述 べ た よ うな記 号 処理 に よ る問題 解 決 へ の 要 請 に 対 して 、 人 工 知 能 あ るいは エ キ スパ ー ト 。シ ステ ムの 手 法 に よ る問題 解 決 が 、 従 来 の 手 続 き型 の 処 理 方法 で は困難 また は不 可 能 で あ つ た分 野 に 、 新 たな アプ ロー チの 可 能性 を示 唆 して い るか らで あ る。 しか しそ の 利用 の 現 状 をVLめ てみ る と、 まだ暗 中模索 段 階 に あ り、 医学 な ど 一 部 の 専 門分 野 で 、 実 験 的 な モデ ル が稼 動 を始 め たにす ぎな い と言 つ て よい。 また これ と平行 して 、 人 工 知 能 あ るい は論理・ 推 論 その もの に 対 す る根 本 的な 議 論 や 、 エ キ スパ ー ト 。シ ステ ム 自身 の 有 効 性 や現状 で の 意 義 が問題 に され る こ とも しば しば で あ る。 これ は、建 築 を含 め て 人 間 の知 識 を どの様 に ま とめ表 現 して い っ た ら良 い の かに つ いての 明 確 か つ 合 理 的な モデ ル が今 だ確 立 され て いな い こ と に起 因 して い るか らで あ る。 今 まで に 提 唱 され て きた代 表 的 な 4つ の知 識 表 現 の 枠 組 みの モデ ル (形 式 論 理 、プ ロ ダ ク シ ヨン・ シシテ ム 、 セ マ ンテ ィ ック・ ネ ツ トワ ー ク、及 び フ レー ム理 論 )に つ いて も、 それ を合 理 的 に 実 用 化 した建 築 エ キスパ ー ト 。シ ステ ム の 実 例 は、 まだほ とん どな い言 つて よい。 これ は、それぞ れ に つ いての エ キス パ ー ト・ シ ステ ム 構 築 ツ ー ル が まだ開発 の 途 上 段 階 に い る こ とに も起 因 す るが 、 そ れ以 上 に建築 の 専 門知識 が 、 モデ ル と して 記 述 で き る よ うな か たち に整 理及 び 再 構 築 され て いな い事 に よ る所 が お お きい。 す なわ ち 、 建 築 の 何 に つ いての 知 識 が 、 どの よ うな モデル と して纏 め られ るの か 、 あ る いは どの様 に 纏 め るべ きな の か に つ いて の 考 察 が 、 殆 どな され て いな いか らで あ る。 そ して 、 現 状 で の エ キ スパ ー ト・ シ ステ ム を構 築 す る うえで は 、 この 知 識表現 に つ いて の 問題 が 一 番大 きい と考 え られ る。 ‐

7‐


● 目

本 論 文 は 、 建 築 計 画 に 関 す る知 識 表 現 及 び そ の 記 述 方 法 に つ い て 、 現 在 市 販 さ れ て い る エ キ ス パ ー ト・ シ ス テ ム 構 築 ツ ー ル や LISP、 Prolo8、 Sma H talkと い つ た人 工 知 能 向 言 語 を考 慮 しな が ら検 討 す る と共 に 、 現 状 の 方 法 論 及 び 問 題 点 を 踏 ま え た うえ で 、 現 在 の 知 識 表 現 の モデ ル を参 考 と して 、 建 築 の 専 門 知 識 を纏 め て行 く方 法 を考 察 し、 人 工 知 能 を 建 築 の 分 野 に 応 用 して い くうえ で の 基 本 的 な 考 え を示 唆 す る こ と を 目的 と して い る。 具 体 的 に は 、 シ ミ ュ レー シ ヨン 技 術 の 系 譜 を踏 ま え 、 い ま ま で 行 わ れ て き た 数 理 モ デ ル に よ る問 題 解 決 で は な く、 記 号 情 報 処 理 と して の 人 工 知 能 の 手 法 に 着 目 す る こ とに よ つ て 、 建 築 計 画 の た め の 知 識 依 存 型 の シ ミ ュ レ ー シ ョン・ モ デ ル を提 案 す る こ と を そ の 足 掛 か りと して い る。 これ は 、 認 知 科 学 的 見 地 か ら 建 築 の 空 間 情 報 や 人 間 の 行 動 情 報 を知 識 工 学 的 手 法 を介 して コ ン ピ ユ ー タ に 蓄 積 す る こ と に よ り、 よ り簡 単 で 汎 用 的 な 建 築 計 画 の ため の 一 連 の シ ミ ュ レー シ ョン を実 現 す る もの で あ る。

1)プ ロ グ ラム駆 動型 モデ ル か ら 知識 駆 動 型 モデル ヘ 2)定 量 的情 報 処 理 モデ ル か ら 定 性 的情 報 処 理 モデ ル ヘ 3)物 理 的��� 間 表 記 か ら 認 知 科 学 的空 間表 記 ヘ さて 、 建 築 の 設 計 プ ロ セ スの種 々の 段 階 で、設 計 者 は数 多 くの 決定 を下 して い くわ け で あ るが 、 これ らの 根 拠 とな る大 きな要 因 の 一 つ に 、 建 築 の 利用 者 と して の 人 間 の 側 か らみ た評価 が あ る。 上 記 の 問題 解 決 の 手 段 の と して、以 前 は 設 計者 の 経 験 や勘 に た よ つて きたが 、 今 日で は具体 的 な科学 的 手 法 と して 、 人 間 の 行 動 モデ ル や シ ミュ レー シ ョン に よ る定 量 的 な解 析 が な され て い る。 従来 型 の シ ミュ レー シ ョン・ モデ ル は 、 長 さ (距 離 )。 早 さ (歩 行速 度 )な ど、物 理 的指標 で測 定 可能 な もの を規 準 にす えて解 析 が な され て きたが 、 建 築 空 間 を相 対 空 間 と定 義 す ると (人 間 の 認 知 を基本 と した場 合 、 設 計者 が空 間 を 想 像 す る場 合 の 場 と は物理 的空 間 を軌 範 と した もの で はな い。 )そ れ を表 わ す モデ ル も定 量 的表 現 で は おの ず と無 理 が生 ず る。確 か に、空 間 を定性 的情 報 か ら論理 的 に 記述 す る こ とが完 全 で あ るわ けで はな いが 、 この よ うな モデ ル は、 逆 に 数 理 モ デ ル で は説 明不 可 能 な もの の 多 くを解 決 す る可 能性 を秘 め る と同 時 に、 設 計 者 の 頭 の 中 の シ ミュ レー シ ヨン と同等或 いはそれ に 近 い形 の 再現 が可 …


能 と な る。 そ こ で t本 研 究 は数 学 的 な 理 論 モ デ ル だ け で な く、経 験 や 勘 と い つ た専 門 家 の知 識 まで 言 及 した上 記 の 一 連 の 手 法 を 建 築 知 識 ベ ー ス と して コ ン ピ ュ ー タ に 教 え こ む こ と に よ り、 よ り簡 単 で 汎 用 的 な 行 動 シ ミ ュ レー シ ョン を 実 現 す る こ とを 目的 とす る も の で あ る。

●背

通 産 省 は 、 1982年 か ら国 家 プ ロ ジ ェ ク トと して 第

5世 代 コ ン ピ ュ ー タ開 発 構

想 を ス タ ー トさ せ た 。 この 新 世 代 コ ン ピ ュ ー タ技 術 開 発 機 構

(ICOT)が

指 す コ ン ピ ュ ー タ と は 、 ま さ に 人 工 知 能 を実 現 す る こ とを 目的 と した も の で あ り、 1986年 そ の 第 一 段 階 の 成 果 と して の PSIの 発 表 に よ つ て 、 着 実 な 成 果 を 遂 げ て い る。 この

PSIは

、 現 在 人 工 知 能 開 発 言 語 と して 有 力 視 され て い る言

語 の 一 つ で あ る Prologを 高 速 に 処 理 す る こ と を 目的 と した コ ン ピ ュ ー タで あ り、 記 号 論 的 推 論 に よ つ て 、 人 間 の 知 的 活 動 の 一 端 を シ ミ ュ レー トす る能 力 を 備 え た も の で あ る。 そ して 、 こ れ が 西 暦 2000年 に な る と国 内 だ け で 10兆 円産 業 に 成 長 す るで あ ろ う と言 わ れ て い る。 この よ うな状 況 の 中 で 、 建 築 の 分 野 に つ い て も早 くか ら人 工 知 能 が有 効 な 手 段 と成 り得 るで あ ろ う と い う期 待 が 持 た れ て い る。 建 築 産 業 に お いて は集 約 化 が遅 れ 、 他 の 二 、 二 次 産 業 に 比 べ 生 産 性 向 上 へ の 策 が打 たれ て いな い 為 に 、 生 産 性 は 低 く、 ま た雇 用 構 造 に お いて も新 卒 者 の 就 職 率 が 低 く、 高 年 齢 化 が 進 ん で い る。 また設 計 、 施 工 、 維 持 監 理 等 の 工 程 に お け る専 門 家 の 不 足 を補 い 、 品 質 を 向 上 させ る た め に も有 望 視 さ れ て い る。 ま た人 工 知 能 に よ り建 築 施 設 の 附 加 価 値 を 高め る こ と に よ る企 業 間 の 競 争 を有 利 に 展 開 す る こ と も謀 られ よ う と して い る。 しか し現状 で は 、 ま だ 一 部 の 分 野 で や つ と実 験 的 に 始 め られ た ば か りで あ る と言 つ て よ く、 どの 方 向 に 効 果 が あ るの か も未 知 数 で あ り、 ま た建 築 学 全 体 が 論 理 的 に整 理 さ れ て い る と は い え な い。 こ の よ うな 未 だ混 沌 と した状 態 の 中 で 、 人 工 知 能 の 現 状 の 十 分 な 理 解 を し、将 来 の 発 展 に 繋 げ て い い く こ と を 目指 して 日本 建 築 学 会 の 電 子 計 算 機 利 用 委 員 会 で は 1986年 4月 よ り情 報 交 流 小 委 員 会 の 下 に AI…

WGを

発 足 さ せ 活 動 を 開 始 した 。

本 論 文 は、 この 委 員 会 に お け る最 大 の 関 心 事 で あ る建 築 知 識 の ス トッ ク方 法 に 対 す る一 つ の 方 向 性 の 提 案 で あ り、特 に 4章 、

5章 は 日本 建 築 学 会 発 行 の 建

築 雑 誌 1987年 7月 号 『 建 築 と AI』 に一 部 掲 載 さ れ る全 文 で も あ る。 ‐

9‐


●概

本 論 文 の 概 要 は以 下 の 通 りで あ る。 1。

研 究 目的 、 研究背 景 、研究 概 要 に つ いて 述 べ る。 2。

シ ミュ レー シ ョン 技 術 の 系 譜 計 算 機 と共 に歩 ん で きた種 々の シ ミ ュ レー シ ョン技 術 の 系 譜 を振 り返 りな が ら、人 工 知能 技 術 の 一 側 面 をそ の 中 に 関連 づ けて位 置 づ け る。特 に知 識 表 現 モデ ル に つ い て建築計 画 の 立 場 か らその 構 造 を概 観 す る。

3。

建 築 計 画 とシ ミュ レー シ ョン 人 間 ―空 間系 の 一 連 の 研究 の 中 で行 わ れて きた シ ミュ レー シ ョン技 法 を概 観 す る と共 に、そ の 具体 的 事 例 と して 1986年 夏 に 行 わ れ た『 幕 張 メ ッセ指 名 設計競 技 』の動 線 計画 シ ミ ュ レー シ ョンを通 して 、 シ ミュ レー シ ョンの 有 効性 と問題点 を探 る。

4。 建 築計 画 と人 工 知 能

人 工知 能 一 般 に 関 す る考察 を行 う と共 に、 建築 計画 の知 識 と論 理 学 との整 合 性 を考 察 した上 で 、建築 計 画 に 関 す る知 識 に 人 工 知 能 の 技 術 を通応 して い く時 点 での様 々な 問題点 を探 る。 5。

建 築 計 画 に 関 す る知 識表現 の 枠 組 そ れ まで の 建築 計 画 シ ミュ レー シ ョンの 経緯 を踏 まえ た上 で 、 オ ブジ ェク ト指 向 に よ る建築 空 間 モデ ル の 提 案 を行 う。具 体 的 に はSmalltalk‐ 80の 環 境 の 中 で オ ブジ ェク トと して建 築 や 居 室 の 階層 構 造 を定義 し、 そ れ らを基 本 と して 先 の 『 幕 張 メ ッセ指 名 設 計 競 技 』の 動 線 計 画 シ ミュ レー シ ョンの 解 法 を提 示 す る。

6.展

長 期 的 に 見 た と きの 建築 計 画 へ の 人 工 知能利用 の 可 能性 とそ の 将 来 像 を考 察 す る。

。10‐


2。

シ ミ ュ レー シ ョン の 系 譜

人 工 知 能 の 技 術 の 系 譜 は 、 シ ミ ュ レー シ ョン 技 術 の 系 譜 と して 、 そ の 一 側 面 を提 え る こ とが で き る。 湖 れ ば コ ン ピ ュ ー タ登 場 以 来 か ら試 行 錯 誤 され た テ ー マ で あ る が 、 こ こ で は 計 算 機 と共 に 歩 ん だ シ ミ ュ レ ー シ ョン 技 術 の 系 譜 を振 り 返 る こ と か ら、知 識 表 現 の 枠 組 を 位 置 づ け る こ と を 試 み る。

● モ ンテ カ ル ロ 。シ ミ ュ レー シ ョン コ ン ピ ュ ー タに よ る シ ミ ュ レー シ ョンの 分 野 で 先 駆 的 な役 割 を果 た した の が von Neu■ annと UI口 aで あ る。 彼 らは 1940年 代 後 半 に 物 理 学 に お け る核 遮 蔽 の 問 題 を解 くた め に 、 モ デ カ ル ロ・ シ ミ ュ レー シ ョン を 行 っ た。 モ ン テ カル ロ 法 と

[0,1]の 二 次 元 一 様 乱 数 を 発 生 させ 、 乱 数 円内 に 入 る乱 数 の 数 を Lと す る と き、 円 周 率 を 4L/Nで 近 似 す る

は 、 例 え ば 円周 率 を 求 め る ため に の 総 計 N、

手 法 で あ る。 シ ミ ュ レ ー シ ョン と い う言 葉 は彼 らに よ つ て 最 初 に 使 わ れ だ した と いわ れ る。 モ ン テ カ ル ロ 法 は 、 そ の 後 待 ち 行 列 型 シ ス テ ム の シ ミ ュ レー シ ョ ン に 広 く応 用 され て い る。

●連 続 型 シ ステ ム

(DYNAMO)

多 重 の 因 果 関係 ル ー プ を も つ フ ィ ー ドバ ッ ク制 御 系 の シ ミュ レー シ ョン 。モ デ ル が シ ス テ ム・ ダ イナ ミ ッ ク ス で あ る。 シ ステ ム・ ダ イナ ミ ッ ク ス は 、 1960年 頃 MITの

Forresterに よ っ て 開 発 さ

れ た、 因 果 関 係 ル ー プ を も つ シ ス テ ム を モ デ ル 化 す る た め の 方 法 論 で 、 シ ス テ ム・ ダ イナ ミ ック ス で は 因 果 関 係 ル ー プ が シ ス テ ム の 構 造 を規 定 す る。 ル ー プ 上 を流 れ る フ ロー を表 わ す レ イ ト変 数 を導 入 し、変 数 間 の 従 属 関 係 を方 程 式 で 表 わ す こ と に よ リシ ス テ ム の 特 性 が 決 定 さ れ る。 シ ス テ ム・ ダ イナ ミ ッ ク ス は 、 そ の 初 期 に お いて は イ ン ダ ス トリア ル・ ダ イ ナ ミ ック ス と呼 ば れ 、 産 業 分 野 の モ デ ル 解 析 に主 に 使 わ れ 、 そ の 後 工 学 領 域 へ と応 用 分 野 が広 が つ た 。 そ して 、 シ ス テ ム・ ダ イナ ミ ッ ク ス を コ ン ピ ュ ー タ上 で 実 現・ 実 行 す る た め の シ ミ ュ レ ー タ と して DYNAMO(Dynamic

Model)

が 1962年 に Forresterの グ ル ー プ に よ っ て 開 発 され 、 そ の 後 い くつ か 作 られ て 今 日 に至 っ て い る。 シ ス テ ム 。ダ イナ ミ ッ ク ス ス が 対 象 と した系 の 一 般 形 は 、 連 続 型 シ ス テ ム と ‐

11‐


して モ デ ル 化 され る。 連 続 型 シ ス テ ム と は 、 シ ス テ ム の 状 態 変 化 が 時 間 の 進 行 に 伴 い 連 続 的 に 変 化 す る もの を い う。

●事 象 駆 動 型 システ ム

(GPSS)

コ ン ピ ュ ー タの 利 用 領 域 が拡 大 す る に つ れ て 、 モデ ル 化 の 対 象 も大 き く変 わ りつ つ あ る。 規 模 が 拡 大 す る だ け で な く、 質 的 に も変 化 し つ つ あ る。 微 分 方 程 式 に 代 表 さ れ る数 学 的 に 美 しい モ デ ル よ りも、離 散 的 な 事 象 の 生 起 に よ っ て シ ス テ ム の 状 態 が 変 化 す る事 象 駆 動 型 モ デ ル の ほ うが 、 現 実 世 界 の 多 くの現 象 を シ ミ ュ レ ー トす る も の と考 え られ るか らで あ る。 事 象 駆 動 型 モデ ル の 典 型 の ひ と つ に トラ ンザ ク シ ヨン 処 理 が あ る。 トラ ンザ ク シ ョ ン と は 、 時 間 の 毛 か に 伴 い 、 制 御 規 則 に 従 っ て 、 シ ステ ム 内 の ノ ー ドを 移 動 して い く実 体 の こ と を い う。

GPSS(Cene ra:Pourpose Si口 u!ation System)は

、 事 象 駆 動 型 シ ステ ム

を トラ ンザ ク シ ョン を 中 心 に モ デ ル 化 、 シ ミュ レ ー トす る ため の 汎 用 シ ミ ュ レ ー タで あ る 。

GPSSで

は シ ス テ ム の 基 本 構 成 要 素 と して storageと facility

の 2つ を考 え る。 storageと は 同 時 に 複 数 の トラ ンザ ク シ ヨン が 入 るパ ッ フ ア で あ り、 faci H tyは

1つ の トラ ンザ ク シ ヨン だ け を受 け 入 れ る設 備 と して モ デ

ル 化 さ れ る。 シ ステ ム の 構 造 は プ ロ ッ ク の 結 合 に よ つ て 行 わ れ る 。 プ ロ ック は トラ ンザ ク シ ヨン に 対 す る活 動 を 示 す も の で 、sto rageと facilityの ほ か に 約 40 種類 が用 意 されて い る。

GPSSは

特 に 、 待 ち 行 列 型 シ ス テ ム の シ ミュ レー シ ョン に 通 して お り、 ト

ラ ンザ ク シ ヨンの 自動 生 成 、storage、 facillty、 待 ち行 列 に 関 す る各 種 統 計 量 の 自動 収 集 の 機 能 を 有 す る。 GPSSは

1961年 に 最 初 の 版 が

IBMで

開発 され 、

そ の 後 改 訂 版 が い くつ か つ くられ 、 今 日 に至 っ て い る。

以 上 の 他 に も、最 近 で は非 同 期 。同 時 進 行 シ ステ ム を モ デ ル 化 す る枠 組 み と して ベ トリネ ッ ト、 自 己再 起 性 に 着 目 した フ ラ ク タル 理 論 、 自 己 増 殖 を説 明 す るセ ル 。オ ー トマ トン 理 論 な ど が あ る が 、 建 築 計 画 に 応 用 され た 実 例 は今 の と こ ろ発 表 さ れ て いな い の で 割 愛 し、 次 に 『 知 』 の シ ミ ュ レー シ ョン・ モ デ ル と して の 人 工 知 能 の 技 術 か ら提 示 さ れ た 代 表 的 な シ ス テ ム に つ いて 考 察 を 進 め る こ と に す る。

12‐


そ れ で は現状 の 知 識 工 学 を応 用 した整 理 の 方 法 と して 、 以 下 に エ キ ス パ ー ト シ ステ ム 構 築 用 ツ ー ル や 人 工 知 能 向 言 語 を考 慮 しな が ら、 プ ロ ダ ク シ ョン・ ル ー ル 及 び セ マ ンテ ィ ック・ ネ ッ トワ ー クそ して オ ブ ジ ェ ク ト指 向 と して の フ レ ー ム 理 論 に つ い て 考 察 す る。

● プ ロ ダ ク シ ョン・ ル ール (記 号 論 的 問題 解 決 ) 記号 処 理 に基 づ く人 間 の 問題 解 決 の 仮 定 を シ ミュ レー トす るモデ ル と して 、 Newe Hと Simonに よ って 提 案 され たプ ロ ダ ク シ ョン 。シ ステム が あ る。 プ ロ ダ クシ ョン 。システ ム はル ー ル の 集 合 で あ るプ ロ ダ ク シ ョン メモ リ、世 界 の 状 態 を記号 また は数値 で表 わす ワ ー ク ング メモ リ及 び 両 者 の 間 での照合 関 係 の監 視 、 実 行可 能 ル ール の 選 択 と実 行 を制御 す る イン ター プ リ タか らな る。 その基 本 的なル ー ル 表現 は 、

IF

条 件部

THEN

結 論部

の 形 を した プ ロダ ク シ ョン・ ル ー ル か らな り、条 件 部 は条件節 の 連 な りか らな る。条 件 節 を連結 す るもの と して は、 AND・

OR等 の 論理演 算 子 を用 い、 図

3-1に 示 す ような 樹 形 図 を探 索 す る こ とに よ り推 論 が 進 行 す る。 す なわ ち 、 プ ロ ダ ク シ ヨン・ シ ス テ ム は この トリー 評価 に 相 当 し、 推 論 の基 本 的 な方 法 は 、

仮 設

前 向 き推 論 デ ー タ駆 動 型 推 論 前方 向連鎖

中 間仮 設 _

√\ノ

図 2-l

後 ろ 向 き推 論 目標 駆 動 型 推 論 逆方 向連鎖

AND/ORト ‐

13‐

リー と推 論方 式


前 向 き推 論 、 後 ろ向 き推 論 、 お よび 双 方 向 推論 の 3種 類 で あ る。条 件 節 を構成 す るもの と して は 、 (定 数・ 変 数 )(文 字 型・ 数字 型 )(ス カ ラ ー・ ベ ク トル ・ マ トリックス 0ア レ イ)が あ り、結 論 節 を構 成 す るも の に は上 記 の 他 に 代入 (置 換 )、 手 続 き呼び 出 しな どが あ る。 プ ロ ダ ク シ ョン・ ル ー ル は 一 見 ���て知 識 の 記述 方 法 が理 解 しや す くだれ にで も簡 単 に 書 け る反 面 、知 識 の 追 加 修 正 の 見 通 しが開発 した本 人 で も 、 そ の 数 に 比例 して解 りず ら く、 技 術 革 新 が早 くな い分 野 や技 術 が確 立 され て い る問題 解 決 へ の 応 用 が適 す る と考 え られ る。従 つ て 、ル ー ル の 数 が多 くな る場 合 に は 自 ず と知 識 の 構 造化 が よぎな くされ るが 、 階層 を越 え たル ー ル の 必 要 性 か ら、 さ らに 見 通 しが きか な くな る。 一 般 に は 2,000ル ー ル が限界 と言 わ れ て い るが 、 実 際 に は 10,000ル ー ル を実 現 した シ ステ ム も存 在 す る よ うで あ る。 しか し、 プ ロ ダ ク シ ョン・ シ ステ ム は 、 結局 の と こ ろ表 装 的知 識 の 表現手 段 で あ り、先 に述 べ た よ うに単 な る樹 形 図検 索 にす ぎな い。 したが つ て 、 知 識 の 体系 化 が このル ー ル の 構 造 に 縛 られ る傾 向 にな り、建 築 特 に 計画 設 計 の 専 門知 識 の よ うに論理 学 的 探 索 の 深度 が広 く浅 い場 合 の 体 系化 に は とて も有 効 な手 段 で あ る とは考 えず らい。

● セ マ ンテ ィツ ク・ ネ ツ トワ ー ク セマ ンテ ィ ツク・ ネ ツ トワ ー ク とは 、 ネ ッ トワ ー ク に 特 定 の 意 味 を持 たせ る よ うに したデ ー タ構 造 に よ る知 識 表 現 の モデ ル で あ る。 セ マ ンテ ィツク・ ネ ツ トワ ー クで は、基 本 的 に 知 識 を (ni ll』

n」

)の 集

合 で あ らわ す。 こ こで nin』 は ノ ァ ドで あ り概念 対象 を、 1:Jは リン クで あ り 概念 対 象 間 の 関 係 を意 味 して い る。 これ は 、 いわ ゆ る有 向 グ ラフ と して表 わ せ るもの で あ るが 、 :sa:や apo:、 ako:に 代 表 され る よ うに リンク に 特 別 な意 味 が 附加 され る。例 えば iSa:ネ ッ トワ ー ク に お いて は上位 概 念 の 性 質 を下 位概念 が 継承 され る。 さ らに概念 対 象 間 の 関係 を意 味 を表 わ す リン クの概 念 を扱 え る よ うに した モデ ル もあ る。

Prologに よ る建 築 設 計 の ため の 建 築 知 識 ベ ー スの シ ステ ム は建 築 計画 にセ マ ンテ ィ ツク・ ネ ッ トワ ー ク を用 い た好 例 といえ よ う。 Prologで は この よ うな セ マ ンテ ィッ ク・ ネ ツ トワ ー クの記 述 が 簡 単 に 行 え、簡単 なデ ー タベ ー スで あれ ば 、 プ ロ グ ラム の 必 要性 が な い。

14‐


● フ レー ム理 論 フ レー ム 理 論 とは 、 MITの ミン ス キ ー (Marvin ‖i nsky)が 知 識表 す 『 現 るための 枠 組 』 の 中 で提 唱 した 人 間 の 知 識表現 の モデ ル で あ る。 (本 論文 の 題 目は 、 この 論文 に あや か っ て 付 け られ た もの で あ る。 )ミ ンス キ ー は フ レー ム 理 論 以 前 に、パ ー セ プ トロ ン (Perceptron)と ぃ ぅ ミク ロ な 自己組 織 の モデ 化 ル の 研 究 に従 事 し、 そ の 限界 を 明 か に した。 パ ー セ プ トロ ン とは、 の 脳 神経 細 胞 の レベ ル で人 間 の 知 能 をモ デ ル 化 す る こ とを 目的 と したモデル で あ り、 この アプ ロー チ は知 能 の レベ ル か らす ると、 か な り低 いモ デ ル で あ る と いえ よ う。 こ れ に 対 して フ レー ム 理 論 は 、 人 間 の 心 と神 経 細 胞 レベ ル の 中間 的 な 状態 に 位 置 し、 一 方 先 の プ ロ ダ ク シ ョン・ シ ステ ム に 代 表 され る よ うな 単 純 な 道 具 立 て に よ る結 果 論 的 な知 識表現 と も、基 本 的 に 合 い異 な るモデ ル で あ ると筆 者 は 理 解 して い る。 従 って 、 理論 そ の もの は 具 体 的 な プ ロ グ ラム も無 けれ ば 、 数式 もな い 。 フ レー ム理 論 は、 あ くまで 深層 的 な知 識 の 枠 組 み を実 現 す るこ とを

的 と して 考 え られ た経 緯 が 何 わ れ 、エ キ スパ ー ト 。シ ス テ ム 等 で実 現 され る 意 味合 い とは若 千方 向 性 の 異 な る もの で あ る と考 え られ る。 しか し、 逆 に そ れ だ

建築物 フ レーム 照明 フ レー ム

is-ai object typei

detached

roomi

structu re I

is‐ a:

居 室 フ レー ム

type:

is-a! archi tecture type! livins

northllalll

uindou

southlJalli

desk

eastUal | | door

is‐

a: fittings

is-ai furni ture

建具 フ レー ム is‐

type: I iving

a:facility

uaterial

図 2-2

i yood

フ レー ム の構 造 ‐15‐

facility


け広 く応 用 可能性 と適 応性 を内 に 暗示 して い るため に、 各 方面 で実 行 シ ステ ム に取 り入 れ られ て い るの で あ る。 しか し、残 念 な が ら現在 の コ ン ピュー タ技 術 で はフ レー ム理 論 の全 体 を イン プ リメ ン トす る こ とは事実 上 不 可 能 で あ る。従 っ て、現 在 なん とか使 い物 に な るの は、 フ レー ム理 論 の 一 部 を インプ リメ ン トした言語 で あ る FRL(Frame

Representation Language)ぐ らいで あ ると言 わ れ て い る。 さて 、 フ レー ム 理 論 が実 際 に シ ステ ム と して 表 現 され た場合 は 、 基 本 的 に は セ マ ンテ ィック・ ネ ッ トワ ー クの 一 変 形 と見 る こ とがで き る。即 ち 、 フ レー ム の 活性 化 や 自由 な リン ク操作 を中心 に 考 え た もの がセ マ ンテ ィック・ ネ ッ トワ ー ク と理 解 され る。 従 つて、 シ ステ ムの基 本 的概 念 は先 の 表 現 と同 じで あ るが 、 フ レー ム に よる表 現 で は、同種 の 知 識 を 一 つ の 枠 組 み と して捕 らえ る こ とに よ り、知 識 の 維 持 管 理 や後述 す るオ ブ ジ ェク ト指 向 的 なデ ー タの抽 象 化 や効 率 化 に も役 立 つ 。 一 般 に、 他 の 表 現 で記述 で き るもの は フ レー ム 。シ ステ ム (理 論 で はな い ) で記 述 で きると言 わ れ て い るが 、 現 状 シ ステ ム で は扱 う知 識 と して は ヒエ ラル キ ー 構 造 が明確 な もの が良 い よ うな感 じを うけ る。 専 門用 語 の 定 義 や知 識 の 大 系 化 は 、 おそ ら く この 方 向 で整 理 され て い く必 要 が あ るもの と思 わ れ る。

以 上 の モデル は、 どれ も基 本 的 に は述 語 論 理 の 上 で表 現 され、 そ の 手 続 き的 解 釈 に よ って推 論 が 行 なわれ て い る。 こ れ は 、 一 階述 語 論 理 に従 つ た公 理 系 が ゲ ー テル の 完全 性 の 定 理 に よ っ て保 証 され て い るため と考 え られ る。従 っ て 、 いず れ を用 い るに して も、必 要 な こ とは先 に 述 べ た よ うに建 築 の 知 識 が 述 語 論 理 的 に整 理 され て い る こ とで あ るが、可 能 性 (「 ∼ で き る」 とい っ た表 現 )を 扱 っ た問 題 な どで は述 語論理 で記 述 しきれ な い 場 合 が あ るの で、様 相 論理 そ の 他 が使 え るような汎 用 言語 あ る い は手 法 の一 般 化 が今 後 は必要 とな ろ う。 また 、 いず れ も知 識 の整 理 に 関 して は主 と して人 間 が 行 わ な けれ ば な らず 、 又 知 識 の 更新 も人 間 の 仕 事 に な る。 現 状 の知 識表現 は、 そ れ を知 能 と呼ぶ か ど うか は別 と して 、 定性 的情 報 デ ー ターベ ー スに よ る相 互 関 係 モデ ル と しての 活 用方 法 に な る。

‥16‐


3.建 築 計 画 に お け る シ ミ ュ レ ー シ ヨン 建 築 計 画 の シ ミ ュ レー シ ヨ ン技 術 も 、 前 述 の モ デ ル の 系 譜 に 依 存 す る形 で 発 達 して き た。 そ の 中 で も、建 築 計 画 に 於 け る数 量 的 評 価 と して 代 表 的 な も の が 人 間 を対 象 と した行 動 及 び 流 動 の シ ミ ュ レー シ ヨン で あ る。 す な わ ち 、 20年 程 前 か ら始 ま つ た建 築 の お け る空 間 と人 間 行 動 との 係 わ り を解 析 す る研究 (人 間 ―空 間 系 の 研 究 )は 、 そ の 初 期 に お い て は 、 モ ンテ カ ル ロ 法 に 始 ま り、事 象 駆 動 型 シ ス テ ム を対 象 と した GPSS、 して の

DYNAMOを

連 続 系 シ ステ ム と

空 間 構 成 に 適 応 す る形 で展 開 して き た が 、 最 近 で は オ ー

トマ トン 。モデ ル を 用 い る こ と に で 、 か な り詳 細 な行 動 シ ミ ュ レー シ ヨンが 可 能 とな つ た。 これ ら 、 建 築 計 画 の た め の 行 動 モ デ ル 及 び 行 動 シ ミ ュ レー シ ョン の 今 ま で の 研 究 は 、 人 間 の 行 為 や 行 動 そ の も の に着 目 した も の が 多 く、 空 間 や 人 間 の 行 動 を定 量 的 に と らえ定 性 的 情 報 は数 量 化 す る こ と を根 底 に 行 わ れ て き た と い え る。 本 章 で は 、 人 間 ― 空 間 系 の 一 連 の 研 究 の 中 で 行 わ れ て き た シ ミュ レー シ ョン の 系 譜 を 概 観 す る と共 に、 そ の 具 体 的 実 例 と して 、 1986年 夏 に 行 わ れ た『 幕 張 メ ッセ 指 名 設計 競 技 』 の 動 線 計 画 シ ミ ュ レー シ ョン を通 して 、 有 効 性 と問題 点 を考 察 す る。

●人 間 の 行動 モデ ル 建 築 計 画 へ 人 間 の 行 動 予 涸1の モ デ ル を適 用 して 行 く流 れ は 、 図 3-1に 示 す 様 に 一 般 に 大 き く 3つ の 段 階 に 分 け る こ とが で き る。 まず 初 め に、 人 間 の 行 動 を 観 察 す る こ とか ら、 人 間 の 行 動 パ タ ー ン を見 つ け る こ と で あ る。 パ タ ー ン と い うの は 、 例 えば 待 ち 合 わ せ の 場 所 で は柱 や 壁 を背 に して 人 は分 布 す る とか 、 目 的 地 に 向 か つ て 最 短 経 路 で進 む 傾 向 が あ る とか 、 閉 じた 空 間 に於 て は 入 つ て き た 場 所 か ら出 て 行 きや す い 、 な ど と い つ た人 間 の 行 動 に 見 られ る癖 の こ とで 、 こ れ ら は調 査 や ア ン ケ ー トな ど か ら集 め る こ とが で き る。 一 方 この よ うな 目的 で 行 わ れ て い る調 査 や ア ン ケ ー トは膨 大 に あ り、 学 会 等 に 発 表 され た り文 献 と して 整 理 され て い る もの も多 い の で 、 そ れ らを参 照 して も よ い。 従 つ て 、 設 計 に お い て は逆 に こ れ らの 癖 を利 用 す る こ とで 、 人 の 流 れ や 溜 ま り等 を コ ン トロ ー ル す る こ と も で き る。 集 め た デ ー タか らパ ター ン を 読 み 取 っ た ら、 そ れ らを利 用 して モデ ル を作 成 ‐

17‐


す る こ とにな る。 よ くあ る モデ ル で は 、 人 間 の 移 動 に 関 す る最短 経 路 モデ ル で あ る とか 、 人 の 分 布 を万 有 引 力 の 法 則 に 見 立 て た重 カ モデ ル な どが あ るが 、 モ デ ル 化 す る際 に大 切 な こ とは 、 そ の モデ ル を使 う こ とで何 を明 か に した いの か を は つ き りさせ て お くこ とで あ る。 あ くまで モデ ル は、人 間 に行 動 の 一 面 を単 純 な 因 果 関係 等 で 説 明 しよ う と した もの で 、 万 能 な モデ ル 化 な ど人 間 の 脳 の 構 造 や思 考 過程 が明 か に され で も しな い 限 り今 の と こ ろは不 可能 で あ る。 さて 、 実 際 に人 間 の 行 動 をモデ ル 化 す る場 合 、 一 般 に は人 間 の モデ ル 化 と空 間 の モデ ル 化 が 必 要 で あ る。 そ して この 2つ の モデ ル 化 は、先 に述 べ た よ う に、 どの よ うな 目的 で何 に つ いて主 に 知 りた いの か に 応 じて さ らに色 々な 方 法 が あ る。 人 間 をモデ ル 化 す る場合 、 一 般 に は 一 人 一 人 別 の 人 間 と して捕 らえ方 法 と、 群 集 と して捕 らえ る方 法 の 2つ が代表 的 で あ る。例 えば 、 一 日の主 婦 の 住 宅 内 部 に お け る動線 か ら、住宅 の 部屋 割 りを評価 した いの で あれば 、 当然 モデ ル で は人 間 は個人 と して表現 され て い る必 要 が あ り、朝 の サ ラ リー マ ンの通 勤 ラ ッ シ ュで の 群集 の 流 れ か ら、 駅 の コ ン コー スの 設 計 をす るの で あれ ば 、 人 間 は群 集 と して表 現 され て い るの が適 当で あ ろ う。 また空 間 に つ いて 言 えば 、主 に 人 の 流 れ を評 価す るの で あれ ば ネ ッ トワ ー ク とい う手 法 が用 い られ 、 分 布 に つ い て評 価 した いの で あれ ば メ ッシ ュ とい う手 法 を用 い るの が 一 般 的 で あ る。 この 他 に も、 さ らに詳細 な 予 測 を可 能 とす るため の モデ ル 化 の 手 法 が数 多 く 発 表 され て い るが 、 いたず らに複 雑 な モデ ル 化 を行 って も、単 に 計 算 の 量 が多 くな るだ けで評価 の 精 度 に 比 例 す る とは限 らな い。

数学

OR

解析学 計量学

コントロール

シミュレーション 設計

コンピュータ サ イエ ンス

調査 演出

システム分析 システム合成

情報処理

図 3-1

設 計 への人 間行 動予 測 の流れ -18-


以 上 の よ うな 形 で 、 人 間 や 空 間 は モデ ル 化 す る こ とが で き る。 つ ぎ に 、

人間

の 移 動 の 記 述 方 法 を 考 え る。 観 察 か ら直接 得 られ る結 果 だ け を も と に 、 そ の 因 果 関 係 に つ いて 言 及 しな い の で あ れ ば 、 人 間 の 移 動 に 関 す る一 番 簡 単 な 表 現 の 方 法 は 、

遷 移 確 率 を用 い た

もの で あ る。 例 え ば 住 宅 を例 に 取 る と、 住 宅 を構 成 す る空 間 は 、 部屋 ご と に 先 の ネ ッ トワ ー ク を用 い て 表 現 す る の が 簡 単 で あ るが 、 一 日の 主 の 婦 部屋 の移 動 に 関 す る 軌 跡 を 順 に ネ ッ トヮ ー ク の 記 号 に 置 き換 え れ ば 、 そ の 間 か ら次 に 食 堂 へ 行 く確 率 は x%、 居 問 か ら次 に 寝 室 へ

y%と

一 般 的 主 婦 の 移 動 の 傾 向 を行 列 で 表 わ す こ とが で き る。 この

記 号 の 列 か ら居 い っ た ょ ぅな 、

よ うに して 作 られ

た 行 列 を 遷 移 確 率 表 と呼び 、 こ の 表 を用 いれ ば 、 今 食 堂 に い る主 が に 婦 次 行く 部 屋 を確 率 で 予 測 す る こ とが 可 能 と な るの で あ る。 ま た 、 未 知 の 空 間 に して 関 は 近 似 的 な 遷 移 確 率 の 求 め 方 が 数 多 く考 え られ て い るの で 、 そ の を用 い 式 て求 め て も よ い。 人 間 の 行 動 に 関 す る モデ ル が 出 来 上 が れ ば 、 現 状 の シ ミ ュ レー シ ョン 技 で 法 は次 に そ れ を コ ン ピ ュ ー タで 計 算 が 可 能 な形 の アル ゴ リズ ム で 表 現 しな お さな け れ ば な ���な い 。 す な わ ち 、 数 学 的 に 計 算 が 可 能 な 形 に 空 間 も人 の 間 行 動 も表 現 され て い な けれ ば な らな いの で あ る。 一 般 に は プ ロ グ ラ ミング は 、

Fortran、

Basicな どの コ ン ピ ュ ー タ用 の 言 語 を用 い て 行 わ れ る が 、 こ こ で き きの GPSSや DYNAMOと いっ た シ ミ ュ レ ー シ ョン 専 用 言 語 を 用 い れ ば 、 先 の よ うな モ デ ル の 表 現 が 直接行 え る場 合 も あ る。

● 人 間 の 行 動 シ ミ ュ レー シ ョ ン さて 、 人 間 の 行 動 特 性 が モ デ ル と して 表 現 で き る と 、 そ れ を 用 いて 行 動 を予 測 し計 画 案 を評 価 す る ため の シ ミ ュ レー シ ョン が 行 わ れ る。 シ ミュ レー シ ョン を行 う上 で は 、 種 々の 前 提 条 件 が 必 要 とな り、 この 与 え方 次 第 で は結 を か 果 な り 自 由 に 操 作 す る こ と も 可 能 に な る の で 、 出 来 る だ け客 観 的 な 立 か ら 場 行 う必 要 が あ る。 今 日、 シ ミ ュ レニ シ ョン は 大 規 模 な 計 画 に お い て は 必 ず行 わ れ て い る と い っ て も よ い 。 例 えば 不 特 定 多数 が 集 ま る よ うな 施 設 の 設 計 で あ れ ば 、 災 害 時 の避 難 シ ミュ レー シ ョン は 不 可 欠 で あ る し、 超 高層 ビル の 設 計 で あ れ ば 、 ェ レベ ー タの 群 管 理 の シ ミュ レ ー シ ョン が 行 わ れ て い るの が 普 通 で あ る。 こ れ らの ‐

19‐

シミ


ュ レー シ ョン は 一 般 に は大 型 の コ ン ピ ュ ー タを 利用 して い る場 合 が 多 いが 、 何 も大 型 の 計算 機 を 用 いな くて も 現 状 の パ ソ コ ンの 性 能 が あれば 十 分 行 え るわ け で 、 単 純 な もの な らば プ ロ グ ラム 電 卓 (ポ ケ コ ン )で もかな りの こ とが可 能 で あ る。 逆 の 見 方 をすれ ば 、 設 計 者 が設 計 を進 め る段 階 に 平 行 して 手 軽 に 行 わ れ る こ とで、 始 め て行動 シ ミュ レー シ ョン本 来 の 意 味 が十 分 機 能 す るわ け で 、 計 画 が 本 決 ま りに な つ た後 こ じつ け的 に 行 わ れ るの で は、 例 え予 測 の 精度 が 高 い の もが 行 われ た と して も、 シ ミュ レー シ ョンの 真 価 は半 減 して しま うと言 わ ざ るを えな い。

●群 集 流動予 測 の 実 例 (幕 張 メ ッセ 指 名 設 計競 技 ) 以 下 で紹 介 す るもの は、 大 空 間 に おけ る人 間 の 行動 を予測 し計 画案 の 評 価 を 行 つ た例 であ り、 1986年 夏 に 行 わ れ た千 葉 県 幕 張 市 にお け る『 幕 張 メ ッセ 指 名 設 計 競 技 』で の 日本 総 合建 築 事務 所 案 に基 づ い た もの で あ る。 『 幕 張 メ ッセ 』 計 画 は、千 葉 県 が 先 端 技 術 産 業 を中 心 と した産 業 構 造 の 高度 化 と地 域 活性 化 を掲 げ て推 進 す る千 葉 県 新 産 業 三 角 構想 の 一 環 で あ る『 幕 張 新 都 市 構 想 』の 中 核 プ ロ ジ ェ ク トと して 位 置 づ け られ て い る。 また 都 市 的 な 配 置 上 も 、 タウンセ ン ター 地 域 に 隣接 し、周 辺 の 先 端 技 術 関連 の 業務 施 設 、 研究 所 の立 地 す るプ ロ ックや 文 教 地 区 をひ か え た新 都 市 プ ランの 中心 に 据 え られ て お り、 エ リア開 発 の 船 頭 的 プ ロ ジ ェ ク トと しての性 格 を有 す る。 こ の 計画 の基 本 方 針 の一 つ と して『 明快 な配 置 と動線 処 理 ……モ ビ リテ ィ』 が 掲 げ られ、整 然 と した配 置 計 画 と整 理 され た 動 線 に よ る施 設 内 での大 量 な人 員 の 組 織 的処 理 が 必 要 とされ た ため 、 動 線 計 画 の ため にせ 大 雑把 な流動 予 測 シ ミユ レー シ ョン が 行 われ た。 この よ うな シ ミュ レー シ ョン は 、 実 際 の 設 計 に お いて も かな り有 効 で あ り、 また感 覚 的 に 決 め て い た配 置 計画 に定 量 的 な指 針 を 与 え る意 味で も、 幅 広 く応 用 で きる もの で あ る。 さて 、 この 計 画 で は約 500× 200m敷 地 面 積 に 対 して 想定 最 大 滞留 が 50,000人 とい う設 定 で あ る ため 、 歩行 空 間 モデ ュー ル が 約

2。

0ぽ /人 とな り、 サ ー ビス

水準 で 評 価 すれ ば 6段 階評価 で Cラ ン ク と、 け して 恵 まれ た条 件 で はな いが 、 その 限 られ たな か で の 的確 な平 面 配 置 計画 が求 め られ るもの と解 釈 され る設 計 コ ン ペ で あ る。 そ こ で 、 計画案 を作 成 す るに 当 た り、 群 集 の 流 動 の コ ン ピ ュー タ・ シ ミュ レ ー シ ヨン に よる事 前評 価 を お こ な いな が ら設 計 を進 め る こ とにな る訳 で あ ‐

20‐

るが 、


コ ン ペ の 段 階 で は そ れ 程 細 か い 予 測 を 必 要 とす る訳 で は な い。 つ ま り、 基 本 的 な 設 計 の 配 置 計 画 に お け る 流 動 の ネ ッ ク を探 し出 す こ とが シ ミ ュ レー シ ョン の 主 な 目的 で あ る。 流 動 の モ デ ル は 、 計 画 案 よ リネ ツ トワ ー ク空 間 に よ るポ テ ン シ ャル 型 モ デ ル と して 作 成 さ れ た空 間 遷 移 確 率 表 を用 い 、 空 間 ご との 人 間 の 移 動 量 か ら流 動 係 数 を算 出 し、 ジ ョン・ J・ フル ー イ ン が 示 した流 動 密 度 に 関 す る サ ー ビ ス水 準 基 に 、 そ の 後 の 研 究 に よ っ て 、 建 物 の 種 別 に 応 じた形 に 拡 張 さ れ た新 た な 指 標

(表 3-1)を 用 い て 評 価 を 行 う もの と す る。空 間 遷 移 確 率 と して 用 い られ た 計 算 式 は 以 下 の と う りで あ る。

PH=↓ J二

,vH=

V:』

E』 d iJ・

Vi』 :流 動ポ テ ン シ ャル

EJ:空

間 S:の 大 きさ ,d

lJ:距 離

シ ミュ レー シ ョン は、 最 大 滞 留人 数 と して先 の 50,000人 を用 い、 人 間 の 平 均 歩 行 速度 を 一 般 的観 覧行 動 と して 60m/分 を採 用 し、 展 示会 場 の 来 客 の 過 去 の

表3-1 建物種別 による流動 係数評価 流動 係数 (人 ノロ分

空 間の種別

駅・ コンコー ス 集会場 。劇場 地下街 野球場

展示会場 オフ ィス

美術館 集合住宅

20以 下

A

A

A

A

20-30

A

A

A

B

30∼40

A

A

B

C

40-60

B

B

C

C

60∼ 80

B

C

C

C

80以 上

C

C

C

C

A:一 応 のパランスがとれた設計とみなせる B:設 計上の配慮あるいは運営上での対策が必要 (整列乗車 。ガ イ ドロープ等) C:設 計変更が必要 (通 路幅の変更・ 出入日の増加 。配置の変更 ) ‐

21‐


3時 の

じて 0.9、 0。 8、 0。

6、 0。 2、 0。

の 五 種 類 の滞留率

ゆN 0卜.

ま た 、 空 間 は そ の 種 類 に応

∞. 倒 一 ∞

ビ ー ク時 を想 定 して 行 う。

1

露 饉     ↑〓R

来 場 動 向 か ら 2時 ∼

(1分 問

当 た りの 人 間 の 空 間 移 動 確

青一. ON

率 )を 過 去 の 調 査 か ら適応 す る。 計 画 案 の シ ミ ュ レー シ ョ ン 結 果 を 図 3-2に 示 す 。 こ

∞ ∞。N ,

れ よ り、 ほ ぼ ど の モ ー ル や 通 路 、 出 入 り口 に 関 して も 流 動 係 数 が 30以 下 に 抑 え ら れ て お り、 言 わ ば 人 間 の 流 一 ∞ ゆ 卜.

動 に 関 して は Aク ラ スの 計 画 案 で あ る事 が 確 認 され る 。 こ の よ う に シ ミ ュ レー シ ョン を行 う こ と に よ り、予 め 流 動 の ネ ツク と な る空 間 を見 つ け る こ とが で き るの で 、 計 画 案 の 段 階 か ら配 置 計 画 の 再 検 討 や 通 路 幅 の修

倒 卜 N 0.

正 な どが 行 え る訳 で あ る。 。 く                   o   卜︻ 一 ↑ 一 ヽヽ

図 3-2

流動 係数 算 定結 果 ‐ 22¨


4。 建 築 計 画 と人 工 知 能

● 建 築 に お け る人 工 知 能 人 工 知 能 に関 す る 明 確 な 定 義 は 今 だ に な され て お らず 、

研究 者 や そ の 立 場 に 応 じて 流 動 的 であ る。 これ は、知 能 (lnte:H gence)と う い 言葉 が あ ま りに広 範 な 概 念 で あ ること と 、 ぁ るい は知 能 が あ ま りに 多 次元 的構 造 を持 ち あわ せ て ぃ る こ とに よ る。一 方 で 、 現在 人 工 知 能 と して 実 用 化 が期 待 され て い る分 野 が あ ま りに 限定 され て い るため に 、 言 葉 と イメ ー ジ との 間 に 大 きな 隔 た りを 感 じざ ろ うえ な い 。 さ らに 、 れ は建 築 の 分 野 に 限 つ た 問題 で は な い が 、 単 に 情 報 ネ ッ トワ ー ク を は りめ ぐ らせ ただ け で ィンテ リジ ェ ン トを命 名 す る と い っ た 状 況 が、 さ らに 隔 た りを大 き くさせ て ぃ る。 一 般 的定 義 や 認 識 は別 と して 、 ぁ ぇ て

建 築 に お け る人 工 知 能 を 建 築 計 画 の 立

場 か ら定 義 す るとす れ ば 、 設 計 と い う知 的 か つ

想 像 的 な 行 為 を、 コ ン ピ ュ ー タ ー と い う媒 体 を通 して 抽 象 的 レベ ル か ら具 体 的 レベル まで を 包括 的 に シ ミ ュ レ ー トす る こ とで ぁ る と 言 え る。 こ こ で 言 う抽 象 的 レベル とは、 場所 、 時 間 、 位 置 な どの 概 念 の 理 解 か ら建築 空 間 を 語 る うえ で の 相 対 的空 間性 の 認知 、 さ らに は 自然 言 語 理解 や 一 般 常 識 に よ る推 論 を い う。

具 体 的 レベル とは 、 現在 注 目 さ

れ て い る知 的 CADに 代表 され る よ うな 設 計 製 図 、 エ キス パ ー トシステ ム と し て の 法 規 、 構 造 、 施 工 法 な どと い っ た 実 務 レベ ル での 専 門知 識 を用 い た 情 報処 理 を等 を 指 す。 そ して 、 人 工 知 1に と しての 条 件 を さ らに 付 け 加 えれば 、 こ れ らを で 一 か らシ ステム 側 に 用 意 す るの で は な く、 知

専門家 の方

識 の 獲 得 の 研究 と して の 成 果 が

コ ン ピュー ター の 学 習 と して実 現 し、 使 えば 使 うほ ど買 くな るシ ステム に な る 必 要 が あ る。 こ れ らが全 て整 っ た 状 態 で、 始 め て 建 築 あ べ るが、 現 在 の 研 究 段 階 で実 現 可 能 で あ

る い は 設 計 の ため の 人 工 知 能 と 呼

るの は 、 後 者 の 具 体 的 レベル の しか も

限定 され た領 域 で あ る。

●知 識 とは 議 論 を 進 め る前 に 、 知 識 工 学 等 での 種 々の 定 義 を る。 ・ 知 識 とは 情 報 を概 念 化 した もの で あ る。 ・ 23‐

概 観 す る と以 下 の よ うに な


・ 情 報 を 構 造化 し、 そ の 構 造 が 利 用 可 能 な と きそれ を概 念 と よぶ 。 ・ 知 識 とは合 目的的 に “概 念 化 され た形 の 情 報 "の こ とで 、 直 ち に検 索 で き る こ とが条 件 。 ・ 知識 とは質 問 に正 し く答 え る能 力 の こ とで あ る。 こ れ を達 成 す るため の 知 識 は 、 質 問領 域 の 事実 の 性 質 とそ の 関連 を記 述 した もの 、 お よび その事 実 を扱 う規則 か ら構 成 しな けれ ば な らな い。 ・ 知 識 ベ ー スの知 識構 造 と推 論形 式 とは密接 に 関連 して お り、与 え られ た問題 の 論理構 造 の 解 明 を通 して 、 問題 に 則 した知 識 表 現 を通 応 す る必 要 が あ る。

●建 築 計 画 と論理 建 築 の 知 識 を現在 の 人 工 知 能 にの せ て い くに は、 そ れ らが論 理 的 に分 類 整 理 され て い る必 要 が あ る。 さ らに具 体 的 に 言 えば 、 建 築 知 識 の ヒエ ラル キ ー 構 造 が明確 に され て い る必 要 が あ る。 しか し、 建築 計画 に 限 つ て言 えば 、 法 規 な ど 一 部 の 専 門分 野 を 除 い て は、その よ うな知 識 の 構 造 化 あ るい は 階層 化 は 行 わ れ て お らず 、 む しろ根 本 的 な 問題 と して 、 専 門知 識 が そ の よ うな 論理 的構 造 に 表 現 で き るの か が疑 問視 され る。 一 方 で 、 人 間 が 論 理 的思 考 を一 般 的 に行 って い るの か とい っ た問題 が あ る。 人 間 の 思 考 は 一 面 で は確 か に 論理 的 に 行 われ る こ と もあ るが 、 そ の よ うな筋 道 立 っ た 過 程 よ りも直 観 的 な ひ らめ きや雰 囲気 でか たず けて い る場 合 が 多 く、理 屈 あ るい は論理 はそ れ を正 当化 す る一 つ の 言 語 で あ るにす ぎな い とい う議 論 で あ る。 ま して 、 嗜好 や趣 味 、 癖 な ど に 至 って は論 理 的 に捕 らえ る こ と 自体 無意 味 で あ り、 「 す き」「 き らい」 を さ らに 別 の 言葉 で言 い換 え 定 義 した と して も、 論 理 的 な意 味 で は何 の 問題 解 決 に もな らな い。 そ して 、 現 在 の 知 識表現 は こ れ ら直観 的 な ひ らめ きを 表 現 しえな い。 確 か に こ れ らを ヒュー リステ ック ス と捕 らえ る と、 個 々の 事 象 はル ー ル と して 表現 で きた と して も、 総 体 と して は多 く の 論理 的矛 盾 を内 包 す る こ とにな る。 建築 特 に 建築 計画 に 限 つ て考 え た時 も、そ の 思 考 過 程 は前 者 の 論理立 っ た も の で はな く、 む しろ後 者 の色 合 が強 い 。確 か に 一 方 で建 築 計 画 を論理 的 に 捕 ら え よ うと した研 究 が数 多 くな され て い るが、 それ らを総 合 的 に 現 在 の 論理 的 モ デ ル と して無矛 盾 に 再 構 成 す るの は不 可 能 で あ る。 論理 学 そ の もの の 不 完 全 で あ る うえ に、 建築 の 知 識 や設 計思 考 過 程 が論理 的 で な い以 上 、 そ こ に必 要 な も の は 論理 を越 え る枠 組 み で あ る。 す な わ ち、現在 の 論 理 学 に 基 づ く三 段 論法 的 ‐ 24‐


推 論 の モデ ル ま た は導 出原 理 に 従 っ た 二 値 論 的 真 偽 判 断 で は 、 設 計 者 の 思 考 を 再 現 しえ な い と考 え られ るの で あ る。

●空 間 の概 念 根 本 的 な 問題 と して 、 建 築 が 論 理 的 に 表 現 で き るの か が 疑 問 視 され るの は 、 一 方 で 概 念 の 問題 が 解 決 して い な い こ との も起 因 す る。 そ して 建 築 を語 る う え で は 、 この 場 所 あ る い は位 置 と い っ た空 間 の 概 念 ぬ き に は考 え られ な い。 す な わ ち 空 間 概 念 の 記 述 の 方 法 の 問 題 で あ る。 一 方 、空 間 の 概 念 そ の もの の 正 体 も科 学 的 あ る い は哲 学 的 に も 一 様 の 解 釈 が 確 立 して い る訳 で は な い 。建 築 の 分 野 に 限 つ て み て も、 設 計 を して い る 時 と製 図 を して い る時 と で は 、 設 計 者 の 空 間 に 対 す る概 念 が 異 な ��� て い る と い っ た 指 摘 も あ る。 この よ うな状 態 で は 、 包 括 的 な 建 築 空 間 の 概 念 を シ ステ ム 内 に 記 述 す る の は 、 現 状 で は不 可 能 で あ ろ う。 従 つ て 、 こ れ らは あ え て 逃 げ な け れ ば な らな い 。 実 際 の 問 題 と して は 、 知 的

CAD等

に お いて は空 間 を絶 対 空 間 と して 、 座 標 あ る

い は ベ ク トル で 表 現 す る物 理 的 空 間 概 念 で定 義 す る が 、 そ れ で は設 計 の た め の 一 般 空 間 概 念 と して は 不 適 切 ま た は不 十 分 で あ る 。 そ して 、 か りに 情 報 が 整 理 され た と仮 定 す る と 、 知 識 工 学 的 な “概 念 "の 定 義 に 従 え ば 、 建 築 人 工 知 能 に お い て は相 矛 盾 す る空 間 概 念 が 共 存 しな け れ ば 実 現 不 可 能 で あ る と い っ た 考 え 方 も で き る。

●建 築 知 識 の論 理学 的 記 述 の 限界 この よ う に 建 築 知 識 、 特 に 設 計 と い う一 連 の 行 為 を体 系 化 す る と きに は 、 ど う して も ス タテ ィ ッ ク で 構 造 的 な ヒエ ラル キ ー を 軌 範 と した推 論 過 程 を否 定 せ ぎ る を え な い。 こ れ は 、 建 築 知 識 に 限 らず 一 般 的 な 脳 の 構 造 モデ ル に 繋 が る間 題 で あ り、脳 の ホ ロ グ ラ フ ィ 。モ デ ル ー つ 考 え て み て も明 自で あ ろ う。 脳 の ホ ロ グ ラ フ ィ 。モ デ ル で は 、 一 種 知 識 構 造 を 自己 相 似 性 に基 づ く無 限 の 自 己 差 異 化 =分 化 が どの レベ ル を取 つ て み て も全 体 の 雛 型 の よ うに保 存 され て い る と し た考 え 方 で 、 ア ー サ ー・ ケ ス ラ ー の ホ ロ ン も マ ン デ ル プ ロー トの フ ラ ク タル も 、 そ の 数 学 的 モ デ ル は こ の 範 晴 か らは み で る もの で は な い。 一 方 、 概 念 を さ ら に 進 め 、 この よ うな 予 定 調 和 の 図 式 を離 れ 、 と くに ラ イプ ニ ッツ 流 の モ ナ ド ロ ジ ー (単 子 論 )を 離 れ 、 ノマ ドロ ジ ー (遊 牧 論 )に 代 表 され る局 所 的 な 差 異 や ズ ‐

25‐


レ を シ ミ ュ レー トす る こ と を 目指 した場 合 、 現 在 こ れ を体 系 化 (こ れ を体 系 化 と呼 ぶ か は別 と して )し た モ デ ル は 存 在 しな い 。 す な わ ち この よ うな モ デ ル で は 、 構 造 的 ヒエ ラ ル キ ー は抱 懐 し (図 4-1)、 マ ン グ ラ的 予 定 調 和 に 安 住 す る こ とが な い ため に 、 下 位 レベ ル か ら上 位 レベ ル ヘ の 一 種 奇 妙 な ル ー プ (リ ゾ ー ム )が 生 じ、 こ れ が種 々の 非 論 理 的 思 考 過 程 を 説 明 で き る可 能 性 を持 つ て い る と考 え られ る。 そ して この よ うな モ デ ル こ そ が 、 さ き に 述 べ た相 矛 盾 す る空 間 概 念 が 共 存 や 、 直 観 的 な ひ らめ き、 芋 づ る式 の 知 識 の 羅 列 を 説 明 しえ 、 設 計 者 の 思 考 が 再 現 で き る可 能 性 を 秘 め て い る と考 え られ るの で あ る。 す な わ ち 、 総 体 と して 内 包 さ れ る多 くの 論 理 的 矛 盾 を克 復 し、 設 計 と い う知 的 か つ 想 像 的 な 行 為 を 、 コ ン ピ ュ ー タ と い う媒 体 を 通 して抽 象 的 レベ ル か ら 具 体 的 レベ ル まで を 包 括 的 に シ ミ ュ レ ー トす る こ とが 可 能 に な るの で あ る。

●建築 人工知能 の可能性 以 上 述 べ た よ うな 種 々の 制 約 を踏 ま え た うえ で 、 現 在 の 知 識 表 現 で 何 が で き るの か を考 え る必 要 が あ る 。 具 体 的 に は 、 短 期 的 にみ る と、 現 在 の知 識 工 学 の 成 果 を土 台 と して 、 今 まで の アル ゴ リズ ム に よ る情 報 処 理 で は 実 現 不 可 能 あ る い は 困 難 な 問 題 を対 象 と し、 新 た な 情 報 処 理 モ デ ル あ る い はプ ロ グ ラ ミン グ に 徹 す る と い う考 え方 で あ り、 長 期 的 に は 、 先 の 種 々の 問 題 点 を克 復 し、 真 の 意 味 で の 建 築 の ため の 人 工 知 能 の 研 究 開 発 に 適 進 す る と い つ た姿 勢 で あ る。 そ こ で 、 以 下 で そ れ ぞ れ に つ い て 考 察 を 進 め る こ と に す る。

図 4-1

ヒ エ ラ ル キ ー と『 知 』 モ デ ル ‐ 26‐


5.建 築 計 画 に 関 す る知 識 表 現 の 枠 組 ● オ ブ ジ ェ ク ト指 向 モ デ ル オ ブ ジ ェ ク ト指 向 は 1980年 代 の 計 算 機 科 学 に お け る最 大 の テ ー マ で あ る。 そ して 、 そ の 概 念 は 人 工 知 能 の そ れ に 大 変 近 い 構 造 を 示 し、 広 い 分 野 で研 究 が な さ れ て い る。 ハ ー ドウ ェ ア に お い て は 、 オ ブ ジ ェ ク ト指 向 ア ー キ テ ク チ ャ と い う もの が 作 られ 、 オ ペ レー テ ィン グ・ シ ス テ ム に お い て は ケ イ パ ビ リテ ィ ー と い う形 で 実 現 され つ つ あ る。 ま たデ ー タ ベ ー ス に お い て は、 オ ブ ジ ェ ク トは エ ン テ ィテ ィー・ リ レ ー シ ョン 。モデ ル と して 出現 し、 プ ロ グ ラ ム 言 語 に お い て は抽 象 デ ー タ型 の 延 長 と して 表 わ れ て お り、 そ の 代 表 的 な 言 語 が 後 で 述 べ る S

malltalk-80で

あ る。

オ ブ ジ ェク ト指 向 言 語 に お け る主 要 な 概 念 は 、 抽 象 デ ー タ型 と ア ク タ ー モ デ ル の 概 念 で あ る。 抽 象 デ ー タ型 と は 、 操 作 手 続 き を デ ー タ 自身 が 内 包 す る こ と に よ つ て 安 全 で複 雑 な 概 念 の 表 現 を可 能 に す るデ ー タ構 造 を指 し、 ア ク タ ー モ デ ル と は並 列 処 理 の た め の 計 算 モ デ ル で り、 互 い に 関 連 しあ っ た複 雑 な 関 係 を 明 確 に 記 述 で き る と 共 に 、 フ ォ ン ノ イ マ ン 。モデ ル に お け る陰 路 を解 消 す る概 念 で あ る 。 さ らに オ ブ ジ ェ ク ト指 向 言 語 に お いて は 、 次 の よ うな 特 長 を備 え て い る。 。ク ラ スの 積 み 重 ね (性 質 の 経 承 )に よ る筒 潔 な 記 述 ・ プ ロ グ ラム の 再 利 用 の しや す さ 。デ ー タの構 築 の しや す さ さて 、 この オ ブ ジ ェク トを知 識 表 現 に お け る問 題 解 決 の 対 象 物 と捉 え る と 、 オ ブ ジ ェ ク ト指 向 モ デ ル は深 層 の 意 味 表 現 モ デ ル と理 解 され る。 この オ ブ ジ ェ ク ト指 向 モ デ ル は 、 生 まれ て き た経 緯 が ほ とん ど相 互 に 関 係 な い の に も係 わ ら ず 、 先 の フ レー ム・ モデ ル と大 変 似 た構 造 を示 し、 フ レー ム・ モ デ ル に よ る知 識 表 現 の シ ステ ム を実 験 及 び 構 築 す るの に 有 効 な 環 境 で あ る と い え る。 こ れ は 相 互 の 概 念 の 記 述 が 、 フ レ ー ム =ク ラ ス と い つ た近 似 式 に よ っ て 記 述 で き る た め で あ り、 一 方 プ ロ ダ ク シ ョン・ シ ス テ ム に 代 表 さ れ る従 来 型 の エ キ ス パ ー ト ・ シ ス テ ム が 持 つ 、 表 層 知 識 の み に よ る問 題 解 決 を 克 復 し、深 層 知 識 まで扱 っ た ダ イナ ミ ック な モ デ ル の 記 述 を 可 能 に す る こ とが で き る可 能 性 を示 唆 す る も の で あ る。

27‐


● Smalltalk-80 S口 al!talk‐

80は 、 オ ブ ジ ェク ト指 向 を 極 め て 純 粋 な 形 で実 現 した コ ン ピ ュ ー

タ 言 語 及 び 環 境 の 総 称 で あ る。 Sma H talk‐ 80は 、 Lispに よ る Flavorsシ ス テ ム

(Lisp環 境 で は Classの に 相 当 す る概 念 を Flavorsと 呼 ぶ 。 )が 事 後 的 に オ ブ ジ エ ク ト指 向 の 考 え方 を 取 り入 れ た 経 緯 に 比 べ て 、 最 初 か ら フ レー ム を ベ ー ス と した 開 発 の 経 緯 が あ り、 その 意 味 で も オ ブ ジ ェ ク ト指 向 に よ っ て 純 正 培 養 さ れ た言 語 で あ る と いえ る。 さ てSmal!talk‐ 80で は 、 ォ ブ ジ ェ ク ト

(Object)は 内 部 状 態 を 記 憶 して お く

ため の デ ー タ構 造 (instance variables)と 、 そ れ を ア ク セ ス す る 一 連 の 手 続 き

(Methodes)か らな り、 オ ブ ジ ェ ク トの 他 に S■ alitalk‐ 80固 有 の 概 念 と して

メ ッセ ー ジ (Hessage)、 ク ラ ス (Ciass)、 ィ ン ス タ ン ス (lnstance)、 ツド

(Methodes)が あ る。 メ ッ セ ー ジ

(‖

メソ

essage)は ォ ブ ジ ェ ク トに 、 そ の も

つ て い る メ ソ ッ ド (Methodss)を 実 行 して は しい と い う 要 求 で あ り、 こ れ をメ

ロ ●

―● ・

ass―

フ ・ 、 ト く 、 :・

`::ト ーー いMetaclass ◆ 0 ‐

図 5-l

Smalltalkで

― ・・

>t

tt

-->Metaclass {-c I as

s

o___________‐

___│

の ク ラス とメ タク ラスの 階層 構 造

クラス間 でのスーバー クラスの関係

0

ription― ――レ ClaSSDescriptiOn class

1_cl

ior _

0 0 0

+I ..Beh.avior ctass +t

――― ・

c s

ClassDe

● ■

v l a

]

■ ● ● ● 日 ● ■ ● こ ロ

bjeCt ct― ――‐―‐―‐――‐レ°class ‐

B

b         h O       e

メタクラス間で のスーバー クラスの関係

‐‐―● インス タンスとクラスの関係

ObjeCtの

メタク ラクは Objectclassと ‐

28‐

記述

-1


ッセ ー ジ を 送 る と い い 、 送 られ る対 象 で あ るオ ブ ジ ェ ク トを レシ ー バ と い う。 オ ブ ジ ェ ク トは実 際 の プ ロ グ ラ ム に は択 山 あ るが 、 そ れ らが 皆 異 な つ て い る 訳 で は な い 。 同 じ構 造 を して同 じ行 動 を と るオ ブ ジ ェ ク トに つ い て 、 そ の 使 用 を 記 した の が ク ラ ス

(Class)で あ る。 ク ラ ス の 仕 様 に 従 うオ ブ ジ ェ ク トは 、 そ

の ク ラ ス に 属 す る と い う。 ク ラ ス か らは 、 そ の 仕 様 に 従 っ た オ ブ ジ ェク トを生 成 す る こ と が で き る。 この よ う に して 作 られ た オ ブ ジ ェ ク トを 、 そ の ク ラ ス の イ ン ス タ ン ス (lnstance)で あ る と い う。 また 、 似 た ク ラ ス は 、 あの ク ラ ス と同 じで あ るが 、 こ こ だ け違 う とか 、 この よ うな 余 分 の 機 能 を 持 っ て い る と い っ た記 述 で き る よ う に な っ て お り、 この 機 構 を ク ラ ス の 階層 構 造 と呼 ぶ 。 こ の 機 能 に よ り、 さ き に 述 べ た空 間 の ヒエ ラル キ ー 構 造 の 記 述 が 容 易 に 行 え る と同 時 に 、 Smalital k‐ 80で は多 重 継 承 と い う機 能 が あ り、 い くつ も の ク ラ ス を 合 成 して新 しい ク ラ ス を 作 る こ とが で き る。 ま た 、Sma!ltalk‐ 80ク ラ ス もオ ブ ジ ェ ク トと して考 え られ て い る。 よ っ て 、 ク ラ ス に メ ッセ ー ジ を送 る こ と も可 能 で あ る。 ク ラ ス に 送 られ る メ ッセ ー ジ は 、 同 様 の 解 釈 に 従 えば ク ラ スの 中 で 解 釈 さ れ る べ きで あ るの で 、 こ れ を実 現 す るた め にSmallta!k‐ 80で は ク ラ スの ク ラ ス を メ タク ラ ス と して定 義 して あ る。 す な わ ち メ タ ク ラ ス に は た だ ひ と つ の イ ン ス タン ス が 存 在 し、 そ れ が ク ラ ス で あ る。 この 考 え 方 を続 け る と メ タク ラ ス も オ ブ ジ ェ ク トで あ る の で 、 前 述 の ク ラ スの

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図5-2

Smalitalkの ‐ 29‐

:

環境


多重 継 承 機 能 と、 この クラス さ え もオ ブ ジ ェク トで あ る と い うSmal!talk‐ 80の 徹底 した構 成 とが相 僕 つて、 階層 的 ヒエ ラル キ ー構 造 を超 越 した 一 見 バ ラ ドク スの よ うな下 位 レベ ル か ら上 位 レベ ル ヘ の 奇妙 なル ー プ が生 じて しまう。 そ し て 、 ま さに この ヒエ ラル キー の 抱 懐 こ そ が 、 さ きに述 べ た よ うな知 識 の 構 造 を よ く模 倣 で き る可 能 性 を秘め て い る と考 え られ るの で あ る。 (も ち ろん、 この モデ ル は基 本 的 に は ス タテ ィ ック スな 構 造 を もち、 チ ェ イ ンが 無 限 に続 く訳 で はな いの で あ るが )

●短 期 的 にみ た建 築 知 識 の表 現 現 在 、 認 知心 理学 あ るいは知 識 工 学 の 分 野 か ら提 示 され て い る知 識表現 の モ デル の 場 合 、 前章 に 述 べ たよ うな問題 を実 用 的 に解 決 して い るモデ ル はな い 。 また、 仮 に そ こ まで扱 え る枠 組 み が提 示 され た と して も、建 築 学 を含 め た領 域 でそ れ を有 効 に 活 用 で きるよ うな知 識 の 大 系化 が い まだ確 立 して いな い。そ こ で 、 まず始 め な け れ ば な らな いの は種 々 多様 に氾 濫 して い る建 築 の 専 門用 語 の 大 系 化 で あ る。す な わ ち、用 語 をそ の 上 位 概 念 か ら下 位 概 念 に至 る まで階層 化 し、 そ の ク ラ ス …サ プ クラス 間 の 多 重 継 承 を定 義 し、建 築 法規 に 使 わ れ るよ う な限定 され た普 遍化 を行 う こ とで あ る。 こ れ は、今 後 の 問題 と して の 自動 翻 訳 や 自然 言 語 処 理 に と っ て は欠 か せ な い条 件 で あ り、種 々の 問題 点 の 発見 に も役 立 つ で あ ろ う。 さ らに 限定 され た領 域 であれ ば エ キ ス パ ー トシステ ム と して実 現 を試 み るの も、今 まで ば らば らで あ った知 識 の 整 理 と して は重 要 な意 味 を も つ 。 ただ し、 これ は限定 され た専 門領域 の 真 偽 命題 を扱 っ た問題 解 決 の モデル で あ る範晴 を 越 え る もの で はな い 。従 つて 、 真 偽値 が あ る程 度 明確 に 大 系 だ つ て いな い意 志 決定 問題 の 場 合 、 大 系 化 自体 が 問題 を含 ん で しま う こ とにな りか ね な いの で 注 意 が 必 要 で あ る。

● 建 築 空 間 を表 現 す るフ レー ム 建 築 あ るい は空 間 を コ ン ピ ュ ー ター の 中 に再 現 す るため の モデ ル 化 は今 まで も数 多 く行 わ れ て来 た。それ らは 、 例 えば 室名 あ るいは空 間 の 機 能 を中心 と し たネ ッ トワ ー クに よ る表現で あ っ た り、 メ ッ��� ュあ るい は絶 対 座 標 系 に よ る表 現 が 代 表 的 で あ る。 一 方 、 こ れ らを包 括 的 に結び 付 け る概 念 や方 法 論 は今の と こ ろ存 在 しな い 。 ‐

30‐


知 識 工 学 的 手 法 に よ る空 間 表 現 は 、 一 種 ネ ッ トワ ー ク に 近 いそ れ で あ る。 シ ミ ュ レー シ ョン 。モデ ル で 用 い られ る ネ ッ トワ ー ク表 現 は 、 空 間 的 に は 一 階 層 に よ る表 現 で あ るが 、空 間 を 限 定 した場 合 、 そ れ らを 階 層 化 して 記 述 した例 が 、 今 まで幾 つ か 発 表 され て い る。 しか し、 そ れ ぞ れ さ らに そ の 限定 さ れ た領 域 に つ い て の 階 層 化 で あ り、 建 築 空 間 の 総 括 的 な フ レー ム に は な つ て い な い。 そ れ は例 え ば 、 建 物 の 種 類 に 従 つ た 階 層 化 で あ る とか 、 部 屋 の 名 前 に 従 っ た階 層 化 で あ る。 また 、 こ れ らは互 い に 独 立 し、 空 間 と して の イ ン ヘ リタン ス を継 承 す る よ うな 整 理 まで は な され て い な い よ うで あ る。 本 格 的な知 的建築

CADシ

ス テ ム を実 現 して い くう え で は 、 こ れ らの 整 理 が

必 要 条 件 で あ る こ と は言 う ま で も な い 。 さ らに は 、 設 計 と い う空 間 の シ ミ ュ レ ー シ ヨン を シ ス テ ム 内 に 記 述 す る た め に は 、 建 築 種 別 あ る い は部 屋 名 レベ ル を 越 え た枠 組 み が 必 要 で あ り、 そ こ で は 先 の 概 念 の 問 題 が 大 き く持 ち 上 が るの で あ る。

● 建 築 計 画 に 関 す る知 識 表 現 の 枠 組 以 上 の 問題 点 を踏 まえ た上 で 、 建 築 空 間 を表 現 す る フ レ ー ム の 実 現 を 、 オ ブ ジ ェ ク ト指 向 に よ る コ ン ピ ュ ー タ環 境 で あ るS口 alltal k‐ 80の 上 で 試 み る。 さ て 、 先 に も述 べ た よ う に 、 現 状 で は ス タテ ィ ック ス な ヒエ ラル キ ー を採 用 せ ざ る を え な い 。 一 方 で 、 目指 す知 識 の 枠 組 は極 め て 一 般 性 に 富 ん だ構 成 を仮 定 す る必 要 が あ る。 そ こ で 、 フ レー ム 型 知 識 表 現 言 語 た シ ス テ ム で あ る NODGEの

FRLを

用 いて試 作 され

持 つ ス ケ ジ ュ ー リング の た め の 知 識 体 系 を参 考

と して 、 6つ の 階 層 型 フ レ ー ム・ シ ステ ム と して建 築 計 画 に お け る『 人 間 ―空 間系 』 の 知 識 の ヒエ ラル キ ー 構 造 (図 5-3)を 定 義 す る 。 す な わ ち 、 活 動 (AC

T10N)、 人 間

(‖ UMAN)、

場 所 (PLACE)、 時 間 (TIME)、 実 体 (SUBSTANCE)

及 び 図 面 (DRAり lNC)で あ る。 行 為 (ACTIVITV)と 行 動 (BE‖ AV10R)の 区 別 は 建 築 学 体 系 環 境 心 理 に 準 ず る が 、 ACT10Nに つ い て は こ こ で は 一 つ の ス ーパ ー・ ク ラ ス と して 利 用 して い る の で 意 味 が 異 な る。 な お図 5-3の サ プ ク ラ ス以 下 に つ い て は 、 筆 者 が 建 築 計 画 に 於 け る シ ミ ュ レー シ ョン を 考 え た と きの 代 表 的 な ク ラ ス だ け が 記 して あ る も の で 、 こ れ が 全 て で は な いの は 言 う まで も な い。 従 つ て 、 実 際 の シ ス テ ム 構 築 に 当 た つ て は 、 必 要 とされ る フ レー ム は少 な くと も 数 百 程 度 の オ ー ダ ー に な り、 図 は そ の 基 本 とな る構 造 と して の 一 つ の 指 針 と し て 記 した も の で あ る。 ‐

31‐


ACTIVITY (行 為 )

(休 息 ) (睡 眠 ) LiSTEN りORKING 一― MEETING ―― (聞 く) (仕 事 ) (会 合 ) READ

一︱

ACT10N (活 動 )

BE‖

AV10R

(行 動 )

(読 む)

SPEAK

J

(話 す)

GROUP

APARTMENT

(群 集 )

(住 宅 )

MUSEU‖

(個 人 )

(鋤D SC‖ 00L

ARCHITECTURE

(学 校 )

(建 築 )

(場 所 )

(対 象)

(一 戸立て)

MANS10N ション)

"ン

AUDITORIUM

(都 市 )

COUNTRY

DETACHED

OFFICE‐ 3UILDING (事 務 所 ビル )

CITV OBJECT

(7バ ー ト)

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PERSON

PLACE

りRITE (書 く)

SLEEP

RESTING ―

(劇 場 )

PRIVATE (私 空 間 )

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‐ 32‐

DR

建 築 知 識 の 階 層 型 フ レー ム の 基 本 構 造

Kわ 肝E S

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A T S B U 一 S

﹁︱ ︲判︱︱I  S C    R

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E ︱︱﹁︱I   C N      C

︲ T

図 5-3


以 上 に よ っ て仮 定 さ れ た階 層 型 フ レ ー ム をSmalltalk‐ 80の 中 に 再 現 したの が 図 5-4で あ る。 先 に 述 べ た 通 り、 フ レ ー ム が ク ラ ス に 相 当 し、 そ れ ぞ れ の 階 層 は 『 抽 象 …具 体 』 を示 す

IS― A関 係 で 階 層 化 を試 み て い るの で 、 属 性 に 関 す

る イ ン ヘ リ タ ン スが 有 効 に 活 用 で き る よ うな 構 成 を成 す 。 図 5-4に お いて は 、 ビ ッ トマ ッ プ・ デ ィス プ レ イ の 大 き さ の 関 係 で 階 層 化 さ れ た フ レ ー ム の 一 部 分 しか 表 わ れ て お らず 、 ま た使 用 した シ ス テ ム がSmalltalk‐ 80の サ プ セ ッ トで あ る た め の 制 約 と して 数 十 の フ レ ー ム 数 に 留 ま っ て い るが 、 本 格 的 シ ス テ ム に つ い て も ア プ ロ ー チ の 仕 方 は変 わ る も の で は な い。 例 え ば こ こ で ARC‖ ITECTUREク ラ ス の 構 造 は 、

Place subclass: ♯Architecture instanceVariableNames: 'adress purpose rooms site structure ' classVariableNames: 'LawDictionary ' poolDictionaries: '' と定 義 さ れ て い る。 こ こ で P!ace subclass:♯ Architectureは ク ラ ス ∼ ス ー バ ー ク ラ ス の 関 係 を示 し、 instanceVariableNamesは イ ン ス タン ス変 数 の 定 義 で あ る。 ARC‖ ITECTUREク ラ スの場 合 adress purpose r∞ 鵬S Site structureの

33T3h:° .3彗 8 ng‐ C==ilR31・

a=:l:li:1

ing― ――-51● ●p

ing 311"

._…

noa● s

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oitv o● unt,9

i。 :l:::::

IIニ

iF

(・

° a:FFよ 1:8:

図5-4

Smalltalk内

部 に実現された知識の階層型フレーム ‐

33‐

5


つ が イ ン ス タン ス変 数 と して 定 義 され る。 ま た classVariableNa口 esが ク ラ ス 変 数 で 、 ク ラ ス変 数 が 任 意 の 建 築 の イ ン ス タ ン ス か ら参 照 で き る特 性 を生 か し、 建 築 基 準 法 そ の 他 建 築 法 規 を定 義 す る。 な お poo:Dictionariesと は複 数 の ク ラ スか ら参 照 で き る変 数 で あ る。

● オ ブ ジ ェク ト指 向 に よ る空 間 表 現 建 築 の空 間 を ネ ッ トワ ー ク で 表 現 す るの が 、 建 築 計 画 に シ ミ ュ レー シ ョ ン を 導 入 す る常 道 手 段 で あ る こ と は 先 に 述 べ た通 りで あ る。 この 建 築 物 と空 間 の 構 成 と して の ネ ッ トワ ー クの 関 係 をSmalltalk‐ 80に よ るオ ブ ジ ェク ト指 向 の 立 場 か ら捉 え な お す と 、 前 述 の 階 層 型 フ レー ム を用 い て 、 あ る建 築 物 Aと い うオ ブ ジ ェ ク トは 、 あ る建 築 種 別 ク ラ ス

(CLASS A)の

イ ン ス タン ス で あ り、 そ の 空

間構 成 を表 わ す ス ロ ッ トと して の イン ス タ ン ス変 数 は 、空 間 の サ プ ク ラ ス で あ る居 室 の クラ ス

(CLASS R)の オ ブ ジ ェ ク トを も つ て 定 義 され る。 さ らに居 室

ク ラ ス の イ ン ス タ ン ス は ネ ッ トワ ー ク 。ノ ー ド・ ク ラ ス の イ ン ス タン ス と して 与 え られ る こ と に よ り、建 築 物 Aと い うグ ロ ー バ ル な 変 数 は 、 内 部 に ネ ッ トワ ー ク と い う構 造 を 独 自 に 内包 す る結 果 とな る。 そ して 、 そ の 建 築 物 A自 身 や 構 成 要 素 と して の 居 室 群 Σ Rは 各 ス ーパ ー ク ラ ス の イ ン ヘ リ タン ス を共 有 す る こ とが 可 能 とな るの で あ る。 さ て 、 この よ う に オ ブ ジ ェ ク ト指 向 の 特 性 を生 か した最 低 限 度 の シ ミ ュ レ ー シ ヨ ン を行 うた め に は 、空 間 構 成 の 基 本 とな る ネ ツ トワ ー クの ク ラ ス が 必 要 と な るわ け で あ る。 ネ ッ トワ ー ク は互 い に 接 続 さ れ て た ノ ー ドの 集 合 体 で あ り、 Smallta!k‐ 80に 用 意 さ れ た Networkに 関 す る ク ラ ス 。メ ソ ッズ 及 び イ ン ス タ ン ス・ メ ソ ッズ は以 下 の 通 りで あ る。

!NetworkLink ttethods !

connect: nodeA to: node3 "Add a connection from nodeA to nodeB." (connections at: nodeA ifAbsent: Econnections at: nodeA put: Set new]) add: nodeB. (connections at: nodeB ifAbsent: Econnections at: nodeB put: Set new]) add: nodeA! -34-


drau

"Drav the network. For each node, i t dravs al I the arcs and then the node. Al I the nodes visited are rereilbered to avoid double drawing." I visited pen I pen l= Pen nev

defaultNib: 4 g 3. visited l= Set new. connections keys do! [ inodeA visited addl nodeA.

atl

(connections

nodeA)

(visited includes! ifFalsei t pen

nodeA

I

doi I inodeB I

nodeB)

placel nodeA positioni gotoi nodeB posi tionll.

drault

initialtze

"lnitialize the connections to be erpty." connections l= Dictionary neu!

pathFroni nodeA tol nodeB avoidingi nodeSet "Ansver a path of connections that connect nodeA to nodeB tlithout going throuSh the nodes in nodeSet. This result is returned as a neu netvork. Ansuer nil if there is no path" I ansuer I nodeSet addi nodeA. (connections ati nodeA ifAbsent! [^nil]) Co: [ lnode I node

=

nodeB

ifTruel I

^Netuork neu i ni

ti alize

connectl nodeA (nodeSet includes: node)

tol

nodel.

ifFalsel I

ansuer i= self pathFronl node

toi

nodeB

avoidingi nodeSet. ansuer isNil ifFalsel t

^nill

ansuer connectl nodeA to! nodelll.

printOni aStrear "Print a description

of the receiver on aStrean." connections keys asSortedCol lection do! [ lnode I node print0ni aStrean. (connections atl node) asSortedCol lection do! â&#x20AC;?

35â&#x20AC;?


I

ineighbor

I

aStrear

cri

nextPutAlli

'))'.

neighbor printOn! aStrearl. aStrear cr]t I tl{etvork}lode rethods <= allode

'Ansuer true al{ode nare.

I

if

receiver nare less or equal to

"

^nare <= al{ode nare! drau

'Drau the receiver node vith circle around its nare.' I font r aspect pen I font i= Font eightLine. (pen := Pen neu)

a

defaultNib:2; raski Forr vhi te. pen place! position. pen solidEllipse: (r l= nare size * font uidth + 15 // 2) aspecti (aspect i= font heisht + L6 / r / 2 / Aspect). pen raskl F'orr black. pen centerTextl nare fontl font. pen el I i psei r aspecti aspectl nSte

'Ansuer receiverts nate.'

^nare!

nare! aStrinS positionl aPoint 'Set the receivers nare and position.'

nale l= aStrint. position i= aPoint!

position 'Ansuer the position of the receiver node.' ^pos i t ionl

printOni aStrear oPrint a description

of the receiver on aStrear."

aStrear

nextPutAl I i't{ode('r otl€i spacei nextPutAl I posi tion pri ntStri nsi

i

rcxtPut: S)l

I


こ こ で 、 NetworkLink Class及 び NetworkNode

Classは 共 に Network Classの

サ プ ク ラ ス と して 以 下 の よ う に 定 義 さ れ る 。

Network subclass: ♯NetworkLink instanceVariableNames: 'connections ' classVariableNames: '' poolDictionaries: ''

:

Network subclass: ♯NetworkNode instanceVariableNames: 'name position ' classVariabl eNames: '' poolDictionaries: '' こ こ で 、 NetworkLink Classの イ ン ス タ ン ス変 数 connectionsは 、 APLに

◆ る シ ミ ュ レ ー シ ョン に お け る イ ン シデ ン ト マ ト リ ック ス に 相 当す る変 数 で あ り、 NetworkNode Classの イ ン ス タ ン ス変 数 nameは ノ ー ドの 名 前 を 、positionは 座 標 を そ れ ぞ れ 示 して い る。 さて 、 こ れ らの 環 境 を背 景 と して

3章 で 取 り上 げ た『 幕 張 メ ツセ 指 名 設 計 競

技 』 に お け る空 間 の ネ ッ トワ ー ク をデ ー タ と して 抽 象 化 す る と図 5-5ι こ示 す よ うにな る。

図5-5 建築知識の階層 型 フ レー ムによる幕張 ネ ツ トワー ク ‐ 37‐


● オ ブジ ェク ト指 向 に よ る行 動 表 現 建 築 計画 あ るいは 施 設 配 置 計 画 の ため に行 わ れ る種 々の シ ミュ レー シ ョンは 、 最 近 の 研究 で は詳 細 な 行 動 を予 測 で きる一 方 で その複 雑 さ を増 し、 モデル 構 築 に 際 しての種 々の 記述 の 汎用 化 が必 要 と され るに至 っ て い る。 つ ま り、 モデル に 関 す る種 々の 情報 を 階層化 され たオ ブ ジ ェク ト指 向 的 に 捕 らえ直 し、プ ロ グ ラム の 効率 化 と再 利 用 を はか る との認 識 で あ る。 そ こ で、考 え られ るの が 従来 の 行 動 シ ミュ レー シ ョン 技 法 に換 わ る汎用 の S

Dマ シ ー ン構 想 であ る。 す なわ ち こ れ は 、 先 の 建 築 計 画 に 関 す る知 識表現 の 枠 組 の 中 に お け る個人 と しての 人 間 の ク ラ スの 構 造 の 一 つ の 提案 で あ る。そ こ で 、 そ の 基本 的 な 考 え方 の 枠 組 み と して フ レー ム 表 現 を用 い 、 建築 計画 に お け るオ ー トマ トン・ モデル に よ る人 間 の 行 動 を表現 す る と以 下 の よ うにな る。 今 、 オ ー トマ トン を 、

A=(X,Y,Q,α ,β ) X:入 力 の 集 合 (x卜 x2ヽ X3) Y:出 力 の 集 合 (y卜 y2ヽ y3) Q:状 態 の 集 合 (ql、 q2ヽ q3) α :出 力 関 数 β :状 態 関 数 とす る と、行 動 モデル と しての そ れぞ れ は例 えば

xl:時 間 X2:他 の 人 間か らの 情 報 (命 令・ 指 示 ) x3:空 間 か らの 情 報 (位 置・ 標 識・ 混雑度 等 ) yl:他 の 人 間 へ の 働 きか け (命 令・ 返 事 ) y2:空 間 へ の 働 きか け (物 の 移 動 。窓 の 開 閉 等 ) y● :自 分 自身 へ の 働 きか け (歩 行・ 停 止 等 )

また状 態 の 集 合 は

ql:精 神 的 状態集 合 q2:肉 体 的 状 態集 合 q3:物 理 的 状 態集 合

(ス トレ ス・ 恥 )

(疲 労・ 我 慢 ) (一 人 。群 集 )

等 と して表 現 で きる。 従 つて 、 こ れ を人 間 の モデ ル の 基 本 的構造 と仮 定 す れ ば 、 この モデル を フ レー ム・ モデル を用 いて 表 現 す る と、 例 え ば 以下 の よ うに表 わ す こ とが で き る。 ‐

38‐


(Automaton‐ l definition

NAME : se!f

TVPE : automata (INPUT‐ VECTOR

(TIME (From‐

10:00AM) others

action)

(OSpace

(Location

(X, V, Z))

(Landmark

` ` メリ‐コ ―ラント )

(CongestiOn(例

えば

`

5段 階 評 価 ))))

(OUTPUT‐ VECTOR (To‐

others

(To‐ space

action) (Omove

w:ndow

(f rom (Xl, Vl, Xl))

(tO (To‐ self

(STATE‐ TABLE (α・ β

(X2, V2, 22))))

action) CDEFAULT)

MATRIX (マ

トリック ス の 転 送 形 式 ))

DEFEND)

以 上 の よ うな 記 述 を シ ステ ム の 中 に 蓄 え る事 に よ り、 知 識 工 学 的 手 法 を用 い た汎 用 行 動 シ ミ ュ レー シ ョン の た め の 新 た な言 語 の 枠 組 み が 完 成 す る こ と に な る。 この よ うに して実 現 され るモ デ ル は 設 計 者 に と っ て取 り扱 いや す く管 理 し や す い と い っ た利 点 が あ る。 な お 、 基 本 的 に は上 記 の 記 述 は Lispに よ る記 述 で あ り、 こ れ が そ の ま ま先 の S■ a!ltalk‐

80環 境 に 移 植 で き るわ け で は な い 。 ま た 、 こ こ で 扱 っ て い るの空 間

は物 理 空 間 で あ り、絶 対 座 標 系 あ る い は そ れ に 近 い も の に 依 存 して い るが 、 こ れ らを空 間 の 知 識 表 現 と どの よ う に 結 び 付 け て い くか 、 さ ら に は 一 方 で 設 計 者 が経 験 的 に 行 っ て 来 た空 間 ― 行 動 シ ミ ュ レー シ ョン に 関 す る ヒ ュ ー リス テ ッ ク ス を ど の よ うに モ デ ル の 中 に 生 か して い くの か が 、 設 計 と い う創 造 的 行 為 を 支 援 す る う え で は大 変 重 要 で あ り、 そ れ らが 今 後 の 問 題 で あ る。

-39-


● オ ブ ジ ェク ト指 向 に よる行 動 シ ミュ レー シ ョン きて 、オ ブジ ェク ト指 向 に よ っ て実 現 され た建 築 知 識 の 階層型 フ レー ムの 環 境 を用 いて 、 簡単 な 人 間 の 行 動 シ ミュ レー シ ョンを 試 み る。 シ ミュ レー シ ョン の 対 象 と しては、 先 に システ ム に登 録 した『 幕張 メ ッセ』 の オブ ジ ェク トに 対 して行 な う こ と とす る。 さて 、 こ こ で仮 定 され た人 間 の モデ ル は、オブ ジ ェク ト指 向 に よ る行 動表 現 の 所 で で紹 介 した、 オ ー トマ トン・ モデ ル に準拠 した よ うな 複雑 な もの で はな く、 Sma!ltalk‐ 80の リカ ー シ プ 。コール に よ る単 純 な経 路 探 索 に よ っ て実 現 さ れ るもの で あ る。 す なわち 、 基 本 的 には NetworkLink Classに おけ る lnstance

Methodeで あ るpathFrom:nodeA to:nodeB avoiding:nodeSetを 応 用 した もの で あ り、オ ブテ ィマル な解 を求 め て い るもの とは趣 きを 異 にす る。 また、 群 集 の 流 動 で はな く個 人 の 行動予 測 シ ミュ レー シ ョン を行 つ た もの で、 3章 の 幕 張 メ ッセ に お け る最 短 経 路 を仮 定 した シ ミュ レー シ ョン とは 、 そ の 意 味 で も異 な るもの で あ る。 図 5-6は 、 ビ ッ トマ ップ・ デ ィスプ レ イ上 に表 わ れ た ネ ツ トワ ー ク を移 動 す る人 間 の 軌 跡 の トレー ス結 果 で あ る。 一 方 、 この よ うな 統 一 的な建 築 知識 の 階 層 型 フ レー ムの 構 造 を基本 と した環 境 を仮 定 すれ ば 、 さ らに設計 者 の 思 考過 程 に 近 い シ ミュ レー シ ョン も可 能 とな るで あ ろ う。

図5-6 建築知識の階層 型 フ レー ムによる行動 シ ミュ レー ション ‐ 40‐


6.展

● 長 期 的 にみ た建 築 知 識 の 表 現 さ て 、 と りあ え ず シ ステ ム 構 築 を試 み る と い う レベ ル に お い て は 、 こ れ らの シ ス テ ム や 整 理 手 法 は十 分 な 成 果 が 期 待 され る と こ ろで は あ るが 、 真 の 意 味 で の 建 築 人 工 知 能 を実 現 す る こ と を 目標 と した場 合 、 エ キ ス パ ー トシ ス テ ム を い く ら作 っ て も無 駄 で あ る。 な ぜ な ら、 個 々の 閉 鎖 的 な 記 述 環 境 の な か で の 完 全 性 は 、 そ の 枠 組 み が は ず され る と と た ん に 相 互 矛 盾 を き た し、 一 方 そ れ ら を 解 決 す る方 法 論 は い ま だ 出 さ れ て い な い か らで あ る。 ま た 、 先 に 述 べ た よ うな 建 築 の 専 門 知 識 の も つ 一 種 の 非 論 理 性 や 、 設 計 と い う行 為 そ の もの の 論 理 学 的 な 推 論 の 稀 薄 さ に も 現 れ て い る。 そ の 意 味 も含 め て本 論 文 で 提 示 した 階 層 型 フ レ ー ム は 、 そ の 陰 路 の 一 面 で も克 復 す る こ と を 前 提 と して 提 示 した モ デ ル で あ る が 、 こ れ とで私 達 の 建 築 知 識 の 枠 組 た りえ て い る とは考 え られ な い。 従 つ て 、 筆 者 は 少 な くと も プ ロ ダ ク シ ョン・ シ ステ ム を知 識 表 現 と は 認 め な い し、 単 独 の 限 定 さ れ た領 域 の エ キ ス パ ー トシ ステ ム を以 て人 工 知 能 を定 義 す る こ と も認 知 で き な い。 ま た 、 フ レー ム 理 論 の 人 間 の 知 識 表 現 の モデ ル と して の 汎 用 的 な 側 面 を 、 単 に 表 層 的 な 専 門 知 識 表 現 の モデ ル に しか 生 か しきれ て い な い 現 状 に も 一 考 す る余 地 が あ ろ う。 何 の エ キ ス パ ー トで もな い 普 通 の 人 の 普 通 の 知 能 の 働 きの人 工 化 が実 現 さ れ た と き、 初 め て 本 当 の 人 工 『 知 能 』 と い え る 。 つ ま り建 築 学 に お い て も 、 今 ま で述 べ て きた よ う に 、 現 状 で は エ キ ス パ ー トシ ステ ム も き る こ と な が ら、 専 門 知 識 で は な い 建 築 や 空 間 の 一 般 常 識 レベ ル か らの 整 理 こ そ が必 要 で あ るが 、 ま だ そ れ に つ い て こ こ で 書 け る段 階 で は 到 底 な い 。 以 下 今 後 の 問 題 点 を重 な る 部 分 も あ るが箇 条 書 き に す る。

・ 建 築 を語 る言 葉 そ の も の を基 本 的 概 念 の レベ ル か ら整 理 す る。 ・ 建 築 知 識 の 下 位 概 念 か ら上 位 概 念 に 至 る まで の 抽 象 化 、 一 般 化 、 階 層 化 を 表 現 す る。 ・ 空 間 と い う概 念 を コ ン ピ ュ ー タ ー に 認 知 さ せ る。 ・ 新 た な知 識 表 現 の 枠 組 み 。一 般 常 識 の 表 現 方 法 ・ 学 習 に よ る問 題 解 決 ‐ 41‐


こ こに 上 げ た種 々の 問題点 は 、 建 築 学 の 分 野 に 留 ま らず 、 広 く研 究 開発 が 行 わ れ るべ き側 面 を多 分 に 含 ん で い る.従 って、 今 まで の 研究 の よ うに建築 学 単 独 あ る いは 限 定 され た複 数領城 に お いて 解 決 され る問 題 で はな い が 、 建築 に 限 定 されな い広 い視野 か ら『 建築 』 を も う一 度 見 直 す転機 と して は 、 格 好 の 機 会 で あ る とい え よ う。

●人工知 能 建 築 家 の 将 来 像 最 後 に、 筆 者 の イメ ー ジす る人 工知 能 建 築家 の 将 来 像 を 簡単 に 箇 条 書 きに し て本 論 を開 じる。 ・ 設 計 者 を支 援 す る 第 二 の 建 築 家 と して 構 築 され た システ ム . ・ 設 計 と い う想像 的 な仕事 を総 合 的 に シ ミュ レー シ ョン . ・ 真 の 意 味 での Computer

Aided Design。

‐ 42‐


●補

本 論 は、最 初 に 述 べ た通 り先 駆 け と して の 研 究 の 成 果 の 一 端 で あ り、 これ 自 身 を も つ て完 結 した もの で はな い。 こ こ で示 され た枠 組 み も、実 動 シ ステ ム と して完成 され たもの にな っ た と き、始 め て その評 価 が で き るもの とい え よ う。 また、『 概 念 』『 空 間 』 とい つ た言葉 は使 われ る専 門領 域 に よ つて 、 その意 味 す る所 にか な りの 隔 た りが あ り、論文 中 そ れ らの使 い 分 け を しなか つ た ため 、 文 意 の 読 み取 り僧 い 部 分 がで きて しま つ た こ とを深 く反 省 して い る。

な お、本 論 を終 わ るに 当た り、多大 な指 導 を頂 い た、渡 辺仁史 教授 に 深 く感 謝 します 。 また、筆 者 と意見 を 同 じ くし、様 々な 示 唆 と刺 激 を与 えて くれ た研 究 室 の 安 留 昌三 君 に 感 謝 します 。特 に、 本 論文 の 5章 に おけ るオ ブ ジ ェク ト指 向 に よる行 動 表現 は彼 の 発案 に よ るもの で あ ります 。 ま た、幕張 メ ッセ指名 設 計 競 技 で共 に 仕事 を した 日本 総 合 建築 事 務 所 の み な さん 、 日本 建築 学 会 電 算 機 利 用 委員 会 AI―

WGの み な さ ん 、 東 洋 情 報 シ ステ ム の 応 用技術 シ ステ ム 開発

部 の みな さんの暖 か い支援 に 感 謝 します 。

‐ 43‐


●参 考 資 料

<書 籍 >

(1)Archur Kostler:JANUS,Hutchison&Co Ltd,1978(田 子 訳 :ホ ロ ン 革 命 、工 作 舎 1983) (2)

Erich Jantsch: The Se!f‐ Organizing Universe, Pergamon Press Ltd. (芹 沢 高志 、 内 田 美 恵 訳 :自 己 組 織 化 す る宇 宙 、工 作 舎

(3)

中三 彦 、吉 岡 佳

1986)

りinston (ed):The Psychology of Computer Vision, McCraw‐ Hill, P.‖ 。

lnc.1975(自 井 良 明 、 杉 原 厚 吉 訳 :コ ン ピ ュー タ ー ビジ ョン の 心 理 ,産 業 図 書 ,1979)

(4)

‖ofstadter,Douglas R: Godel,Escher,Bach, Basic 3ooks,lnc. 1979 (野 崎 昭 弘 、 は や し 。は じめ 、 柳 瀬 尚 紀 訳 :ゲ ー デ ル 、 エ ッ シ ャ ー 、 バ ッハ

(5)

あ る い は 不 思 議 の 輪 、 自陽 社

1985)

John E.Hopcroft and Jeffery D.U!lman: INTORODUCT10N TO AUTOMATA THEORY, LANGUACES AND COMPUTAT10N, Wesley Publishing Company,lnc. (野 崎 昭 弘 、 高 橋 正 子 、 町 田元 、 山崎 秀 記 :オ ー トマ トン言 語 理 論 計 算 論 、 サ イ エ ン ス社

1984)

(6)

Patrick ‖enry りinston: ARTIFICIAL INTELLIGENCE, Wesley Publishin g Company,lnc.1977(長 尾 真 、 自井 良 明 訳 :人 工 知 能 、 培 風 館 1980)

(7)

Edward A.Feigenbaum & Pamela McCorduck: THE FIFTH CENERAT10N

Ar

tificial lntelligence adn Japan's Computer Challenge to the Worl

d,JOhn Brockman Associates lnc.1983(木 村 繁 訳 :第 五 世 代 コ ン ピ ュ ー タ、 TBSプ

(8)

リタ ニ カ

1983)

Gordon Pask & Susan Curran: MICROMAN mputers,Multimedia Publications lnc。 報 化 社 会 の 未 来 と「 第

‐Living and Crowing with Co

(進 化 す る コ ン ピ ュ ー タ

3の 知 性 」 、 ア ス キ ー 出 版 局 1984)

(9)

Roger CeSchank: INSIDE COMPUTER UNDERSTANDING s Minltures, Chr:stopher K. Prisebook

Five Programs Plu

(10)

Adele Coldberg, David Robson, Xerox Palo Alto Research Center. : SMALLTALK‐ 80: The Language and its lmplementation,Addison‐ Wesley Publishing Company, lnc. 1983

(11)

Adele Coldberg, Xerox Palo Alto Research Center. : SMALLTALK‐ The lnteractive Programing Environment,Addison‐ Company,lnc。

80:

Wesley Publishing

1984(相 磯 秀 夫 監 訳 :SMALLTALK-80 -

対 話 形 プ ロ グ ラ ミング 環 境 … 、 オ ー ム 社 1986)

(12)

Smalita!k/V Tutorial and Programming ‖nadbook, Digitalk lnc。 1986 ‐ 44¨


(13)浅 田彰 :構 造 と力 記 号 論 を超 えて 、 勁 草 書 房 1983 (14)浅 田彰 :逃 走 論 、 筑摩 書 房 1984 (15)K・ プ リプ ラ ム 、 甘利 俊 一 、 浅 田彰 :脳 を考 え る脳 、 朝 日出版社 1985 (16)里 深 文 彦編 著 :ニ ュー サ イエ ン ス入 円 、 洋泉 社 1986 (17)高 安 秀 樹 :フ ラ ク タル 、 朝 倉 書店 1986 (18)吉 成 真 由美 :サ イエ ン ス と ア ー トの 間 に、 新 書 館 1986 (19)坂 村 健 :電 脳 都 市 、 冬 樹 社 1985 (20)竹 内 外 史 :ゲ ー デル 、 日本 評論 社 1986 (21)西 田 俊 夫他 :入 門 ORセ ミナ ー 、 現 代数 学社 1982 (22)日 本 オ ペ レー シ ョン リサ ー チ学 会 編 :OR事 例 集 日科 技 連 1983 (23)安 西 祐 一 郎 、 佐 伯伴 、 無 藤 隆 :LISPで 京 大 学 出版

学 ぶ 認知 心理 学

1

学習 、東

1981

(24)安 西 祐 一 郎 、 佐 伯伴 、 難 波 和 明 :LISPで 決 、 東京大 学 出 版

学 ぶ 認知心 理 学 3

言語理

1981

(26)野 口正 一 、 木 村 英俊 、 大 庭 弘太 郎 トワ ー ク理 論 、 岩波書 店

(27)長 尾 真 、 淵 一 博

問題 解

1981

(25)田 中 保 積 、 元 吉 文男 、 山梨 正 明 :LISPで 解 、 東 京大学 出 版

学 ぶ 認知心 理 学 2

:岩 波 講座 。情 報科学 -5・ 情報 ネ ッ

1983

:岩 波 講 座・ 情 報 科 学 -7・ 論 理 と意 味 、 岩 波書 店

19

83

(28)自 井 良 明 、 辻 井 潤 一 :岩 波 講座・ 情 報 科学 -22・

人 工 知 能 、 岩 波書 店

1983

(29)自 井 良明 :人 工 知能 とは な にか 、 岩 波書 店 1985 (30)那 野 比 古 :人 工 知能 の 衝 撃 、 日本 経 済新 聞社 1984 (31)淵 一 博 、 佐伯 伴 、 安 西 祐 一 郎 、 中 島秀之 、 溝 口文 雄 、 甘 利 俊 一 他 特 集 =人 工 知 能 、理 想 社 1984/10 (32)田 中幸 吉編 :知 識 工 学 、 朝 倉書 店 1984 (33)上 野 晴樹 :知 識 工 学 入 門 、 オ ー ム 社 1985 (34)出 原 栄 一 、 吉 田 武夫 、 渥 美 浩章 :図 の 体系 技連

:理 想

図 的思 考 とそ の 表現 、 日科

1986

(35)養 老 孟 司 :形 を読 む 生 物 の 形 態 をめ ぐ って 、 培 風 館 1986 (36)池 田央 :行 動 科 学 の 方 法 、 東 京大 学 出版 会 1971 (37)渡 辺 仁 史 :新 建 築 学体 系 11 環 境心 理 空 間 と人 間 の 行 動 、 彰 国社 (38)対 馬 義 幸 :イ ンテ リジ ェン トビル 高度 情 報 化 社 会 のオ フ ィス、 日本 経 済 新 聞社

1986 ‐ 45‐


(39)森 義 純 、 渡 辺 仁 史 (40)森 義 純 、 渡 辺 仁 史 (41)ア

:ま ち づ く り

基 礎編 、時潮 社

:ま ち づ く リ

ア ラカル ト

ス キ ー 出 版 局 編 著 :標 準 MS―

DOSハ

1987

事例編 、時潮 社

1986

ン ドプ ッ ク 、 ア ス キ ー 出 版 局

1984

(42)ア ス キ ー 出 版 局 編 著 :MS― DOSプ キー 出 版 局

(43)ア

1985

ス キー出版 局 編著

ー出版局

ロ グ ラ マ ー ズ ハ ン ドプ ック 、 ア ス

:MS― DOSプ

ロ グ ラ ミン グ テ ク ニ ッ ク 、 ア ス キ

1986

(44)ア ス キ ー 出 版 局 編 著 :MS― DOS3.1ハ

ン ドプ ッ ク 、 ア ス キ ー 出 版

1986

(45)金 子 章 弘 :コ ン ピ ュー タ シ リー ズ APL入 門 、 オ ー ム 者 1981 (46)北 野 利 雄 :APL。 68000プ ロ グ ラ ミング 入 門 、 啓 学 出 版 1985 (47)山 本 博 資 、 橋 爪 正 樹 共 著 :パ ソ コ ン に よ る LISP入 門 、 森 北 出 版 株 式 社L1985 `や 西 正 和 :LISP入 (48)中

門 ― シ ス テ ム とプ ロ グ ラ ミン グ ー 、 近 代 科 学 社

1981

(49)黒 川 利 明 :LISP入 門 、 培 風 館 1982 (50)池 田 一 夫 、 馬 場 史 郎 著 :LISP入 門 、 啓 学 出 版 1985 (51)後 藤 滋 樹 :Prolog入 門 、 サ イ エ ン ス社 1986 KABA入 (52)柴 山悦 哉 、 桜 川 貴 司 、 荻 野 達 也 :Prolog― 店

門 、岩 波 書

1986

(53)ア ス キ ー 書 籍 編 集 部 :Smalltalk入 門 、 ア ス キ ー 出 版 局 1986 産 業 図書 1986 (54)鈴 木 則 久 :Smalltalk、 (55)梅 村 恭 司 :Smalltalk-80人 間 、 サ イ エ ン ス社 1986 (56)日 本 語 エ キ ス パ ー トシ ェル 創 玄 マ ニ ュアル 、 エ ー ア イ ソ フ ト株 式 会 社 1986

く雑 誌 >

(57)前 原 昭 二 :ク ル ト・ ゲ ー デ ル 、 数 理 科 学 1967 (58)廣 瀬健 :ゲ ー デ ル の 業績 とその影 響 、 数理科 学 1985 (59)田 村 二 郎 :う そ つ きパ ラ ドック ス 、 数 理科学 (60)大 西 正男 :ゲ ー デ ル・ ス マ リヤ ンの 不完全性 定 理 、 数 理 科 学 1985 (61)横 田一 正 :ゲ ー デ ル と論 理 プ ロ グ ラ ミング 、 数 理 科 学 ‐1985 (62)山 田真 市 :プ ロ グ ラマ か ら見 たゲ ー デ ル 、 数 理 科学 1986 ‐ 46‐


(63)野 崎 昭 弘 :オ ー トマ トン 概 説 、 数 理 科 学 1971 (64)西 尾 英 之 助 :セ ル 構 造 オ ー トマ トン 、 数 理 科 学 1971 (65)野 口宏 :言 語 と オ ー トマ トン 、 数 理 科 学 1971 (66)西 尾 英 之 助 :オ ー トマ トン の 構 造 的 論 理 と は 、 数 理 科 学 1985 (67)管 田 一 博 、 森 田 憲 一 、 岩 村 喜 之 、 三 井 利 夫 :記 述 な しの 自 己増 殖 セ ル オ ー トマ トンに つ い て 、 数 理 科 学

1985

(68)原 尾 政 輝 :新 し い セル 構 造 計 算 機 ア ー キ テ クチ ャ 、 数 理 科 学 1985 (69)斉 藤 隆 、 西 尾 英 之 助 :オ ー トマ タ ネ ッ トワ ー ク に お け る構 造 同 値 関 係 と 振舞 同 値 関係 、 数 理科学

1985

(70)相 沢 洋 二 :セ ル・ オ ー トマ トン に 生 ず る パ タ ー ン 、 数 理 科 学 1985 (71)中 村 義 作 :繰 り返 し模 様 と エ ッ シ ャ ー の 画 像 、 数 理 科 学 1981 (72)塚 原 仲 晃 :脳 と オ ー トマ トン 、 数 理 科 学 1971 (73)藤 沢 肇 :脳 の 発 生 、 数 理 科 学 1985 (74)中 村 昭 :細 胞 分 裂 、 数 理 科 学 1985 (75)西 尾 英 之 助 :細 胞 系統 樹 と細 胞 次 数 の 分 布 、 数 理 科 学 1978 (76)吉 田夏 彦 :人 間 は 機 械 か 、 数 理 科 学 1974 (77)安 西 祐 一 郎 :連 載・ 認 知 科 学 と人 工 知 能 、 bit 共 立 出 版 1986 (78)THEMSKY:た か が 論 理 さ れ ど Prolog、 bit 共 立 出 版 1986/9 (79)野 崎 昭 弘 :ネ ッ トワ ー ク の 取 り扱 い 、 bit 共 立 出版 1986/10 (80)米 澤 明 憲 :人 工 言 語 と <知 >の モ デ ル 化 、 <知 >の シ ミュ レー シ ョン 、 AIジ ャ ー ナ ル NO。 2 (81)小 林 重 信 :シ ミ ュ レー シ ョ ン 技 術 の 系 譜 、 AIジ ャ ー ナ ル NO.2 (82)英 愛 児 :強 い AI。 弱 い AI、 AIジ ャ ー ナ ル NO。 3 (83)松 原 仁 :独 断 的 ミ ン ス キ ー 論 フ レー ム 理 論 が 遺 した もの 、 AIジ ャ ー ナル

NO。 5

(84)西 田豊 明 (85)木 村 通 男 NO。

:進 化 す る言 語 理 解 の 理 解 へ 、 AIジ ャ ー ナ ル NO。 5 :エ キ ス パ ー トシ ス テ ム の フ ィ ー ジ ビ リテ ィ 、 AIジ ャ ー ナ ル

5

(86)田 中 博

:定 性 推 論 か ら ontologicalな

AIへ

、 AIジ ャ ー ナ

ル NO。 5・ NO.6

(87)建 築 家 の ため の CAD、 at01 デ ル フ ァ イ研 究 所 (88)建 築 の ビジ ュ アル プ レゼ ン テ ー シ ョン 、 at02 デ ル フ ァ イ研 究 所 (89)イ ンテ リジ ェ ン ト建 築 、 ato3 デ ル フ ァ イ研 究 所 (90)建 築 空 間 の 経 営 戦 略 、 ato4 デ ル フ ァ イ研 究 所 ‐ 47‐


(91)渡 辺 仁 史

:あ な た の 事 務 所 の パ ソ コ ン は元 気 で す か 、 建 築 知 識

1986/

6

(92)渡 辺 俊 :CADシ ス テ ム の 処 方 箋 、 建 築 士 と実 務 1986/9 (93)渡 辺 俊 :CADシ ステ ム の 診 断 書 、 建 築 士 と実 務 1986/10 (94)渡 辺 俊 :CADで 図 面 を か く、建 築 士 と実 務 1986/12 (95)渡 辺 俊 :建 築 計 画 の ため の 人 間 行 動 シ ミ ュ レー シ ョン 1、 建 築 士 と実 務 1987/4

(96)渡 辺 俊

:建 築 計 画 の ため の 人 間 行 動 シ ミ ュ レ ー シ ョン 2、 建 築 士 と実 務

1987/5

く 論文 >

(97)位 奇 和久

:人 間 ―空 間系 の 研 究

建 築 計画 の ため の ネ ッ トワ ー ク・ オ ー

トマ タモデ ル 、 日本 建築学 会 論文 報 告 集

(98)位 奇 和 久

:避 難 行 動 モデ ル に 関 す る研 究

第 298号 ―火 災 状 況 の 認 識 と心 理 状態 第 325号

を考 慮 した モデ ル の 提案 ― 、 日本 建 築 学 会 論文 報 告集

(99)門 内 輝 行 、原 広 司 、 崎 山茂

:家 並 み の 記号論 的分 析

ッ トワ ー ク、 日本 建 築学会 学 術 講演 梗 概 集

その 15。 意 味 の ネ

1985

(100)円 内 輝 行 、 原 広 司 、 lle山 茂 :家 並 み の 記号 論的分 析 そ の 16。 景 観 の フ レー ム 、 日本 建 築 学 会学術 講 演梗 概 集 1985 (101)渡 辺 俊 、金 乗 州 、 鈴 木大 二 、 中村 良 三 、 渡辺 仁史 :建 築 計画 の ため の 人 工 知 能 型 行 動 モデ ル の 研究 ― ネ ッ トワ ー ク AIモ デル の基 礎 研 究 ― 、 日 本 建 築 学 会学 術 講 演梗概集

1985

(102)中 島 高史 、 位 奇 和 久 、 瀬尾 文 彰 :PrOlogに よ る建 築 設 計 の ため の 建 築知 識 ベ ー ス、 日本 建 築学会 第 8回 電 算 機 利 用 シンポ ジ ウム

1985

(103)渡 辺 俊 、 渡辺 仁 史 :学 習効 果 に よ る行 動 モデル の 研究 ― ネ ッ トワ ー ク A Iモ デル に よ る シ ミュ レー シ ョン ー 、 日本 建築 学 会第 8回 電 算 機 利 用 シ ンポ ジ ウム

1985

(104)安 留 昌 三 、 渡辺 仁 史 :フ レー ム理 論 に基 ず いた 行 動 シ ミュ レー シ ョン シ ステ ムの 提 案 、 Bu‖ etin of Centre for lnformatics,Waseda Univers ity Vol。 3,SPRINC,

1986

(105)高 橋 鷹 志 、 横 山勝 樹 、 柴原 利 紀 :空 間 図式 の 研究 。その 3、 日本 建 築学 会 学 術 講 演梗 概 集 1986 (106)高 橋 鷹 志 、 柴原 利 紀 、横 山勝 樹 :空 間 図式 の 研 究 。そ の 4 設 計 行 為 に お け る空 間表 象 の 構 造 、 日本 建 築学 会 学 術 講演梗 概 集

1986


(107)西 野 悦 子 、 渡 辺 俊 、森 義 純 、 渡 辺 仁 史 :八 王 子 に おけ る避 難・ 情 報 拠 点 設 置 の 提案 、 日本建築 学 会学 術 講演梗 概 集

1986

(108)渡 辺 俊 、橋 詰 明 子 、 渡 辺 仁 史 :「 人 と車 」 を考 慮 した施 設 計 画 の 方 法 に 関 す る研 究 ― (そ の 講 演 梗 概集

1)乗 降場 の 配 置 計画 と評 価 ― 、 日本 建 築学 会 学 術

1986

(109)橋 詰 明子 、 渡 辺 俊 、 渡 辺 仁 史 :「 人 と車 」 を考 慮 した施 設 計画 の 方 法 に 関 す る研 究 ― (そ の 2)噴 水 理 論 に よ る行 動 シ ミ ュ レー シ ョン ー 、 日 本 建 築 学 会学術 講 演梗概 集

1986

(110)渡 辺 俊 、 渡辺 仁 史 :エ キ スパ ー ト 。シ ス テム 構 築 ツ ール の 評価 と建 築 の 知 識 表 現 に 関 す る研究 ―建 築人 工 知 能 に 関す る 一 考 察 …、 日本建 築 学 会 第 9回 電算機 利 用 シンポ ジ ウム

(lH)安 留 昌 三

1986

:人 工 知 能 向 け言 語 を用 い た建 築 に 関 す るエ キスパ ー ト・ シ ス

テ ム 、 早稲 田 大 学卒 業 論文

1985

(112)高 増 幹 也 、 渡 辺 俊 :遊 園 地 に お け る行 動 モデル の 研 究 ―人 工 知能 型 行 動 モデ ル の基 礎 研 究 ― 、 早 稲 田大 学 卒 業 論 文

1985

(113)西 野 悦 子 :八 王 子 に お け る避難・ 情 報 拠 点 に 関 す る研 究 、 早 稲 田大 学 修 士 論 文 1986 (114)橋 詰 明子 :「 人 と車 」 を 考 慮 した施 設 配 置 計画 の 方 法 に 関 す る研 究 、 早 稲 田 大 学修 士 論 文

1986

(115)松 田正 一 :人 間 の 行動 モデ ル 、 早 稲 田 大 学 システ ム 科学研究 所 紀 要 (116)広 部 達 也 :建 築 空 間構 造 序 説 、 東 京大 学 学 位 論文 (117)中 村 良三 :人 間 ―空 間系 の 研究

建築 計 画 に お け る人間の 行 動予 測 モデ

ル 、 早 稲 田大 学 学 位論文

(118)渡 辺 仁 史 :建 築 計 画 に お け る行 動 シ ミュ レー シ ョン に関 す る研究 、 早 稲 田大 学 学位論 文

(119)位 奇 和 久 :施 設 配 置計画 の ため の 行動 モデ ル に 関 す る研 究 、 早稲 田大 学 学位 論文

<講 演 > (120)渡 辺 俊 、 西 谷 賢 二 、 安 留 昌 三 、 鈴 木 大 三 、 渡 辺 仁 史 :APLに よ る行 動 情 報 処 理 システ ム

(BIRDS)APLシ ‐ 49‐

ンポ ジ ウム

1985


(121)所 真 理 雄

:AIの 動向 と知 識 プ ロ グ ラ ミン グ 、 APLシ

19

ンポ ジ ウム

85

(122)太 原 育夫 :建 築 技 術者 の ため の 人 工 知 能入 門 、 AE/C 1986 (123)堀 克 行 :AIに よ る建 築 計 画 エ キ ス パ ー トシステ ム 、 AE/C 1986 (124)今 野 英 山 :AIに よる土 地 利 用 計 画 シ ステム 、 AE/C 1986 (125)渡 辺 仁 史 、 渡辺 俊 :CADに よ る建 築 計 画 とその シ ミュ レー シ ョン技 法 、 技研情 報 セ ン ター

1986

(126)渡 辺 俊 :パ ソ コ ン CAD選 択 ガ イ ド、 東 京 設 計監 理 協会 1986 (127)泉 員也 :情 報 革 命 時代 の オ フ ィス を考 え る、 lTOKI PRESEN

TAT10N'87 1987 (128)東 洋情 報 システ ム :KE養 成 講座 、 1986 (129)東 洋 情 報 シ ステ ム :AI+CAD、 1987 <そ の 他 > (130)幕 張 メ ッセ 競 技 設 計

日本 総 合 建 築 事 務 所 案

動 線 計 画・ 避 難 計 画

19

86

(131)日 本 建 築 学 会 電 算 機 利 用 委 員 会

50‐

AIワ

ー キング グル ー プ資 料

1986



建築計画に関する知識表現の枠組 オブジェクト指向による建築空間モデルの提案