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症例

症例

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資料

鑑別診断 1.多形黄色星細胞腫(PXA):髄膜への付着があり,造影効果(dural tail sign)を認める.石灰化は稀で ある.側頭葉に多い. 2.胚芽異形成神経上皮腫瘍(DNT):多房性,中隔の存在,皮質を底辺とした三角形の広がり,造影効 果がほとんどない. 3.毛様細胞性星細胞腫:石灰化を認めず,造影効果がある.視床下部・視

叉以外は稀である.囊胞

および充実性 がある. 4.良性の星細胞腫:浸潤性であり,白質を中心とする.造影効果を認めない. 5.乏突起膠腫: 化の良好なゆっくり成長する浸潤性の腫瘍であり,皮質に発し皮質下白質に進展す る.石灰化を有する,不

一な腫瘍,神経膠腫よりはよりびまん性に侵す.半

に造影効果.20∼

50%はより悪性のタイプ(anaplastic oligodendroglioma). 6.神経囊虫症:多数の囊胞が認められ,内部には液体と幼虫の頭節(scolex)を示す壁在結節が T 1強 調画像ではやや高信号,T 2強調画像で低信号として認められる.幼虫が生きている間は内部の液 体は透明で,壁は薄く,周囲の浮腫も軽度であるが,幼虫が死ぬと壁が肥厚し周囲には強い炎症反 応が生じる.後に縮小し石灰化の結節となる. 7.線維形成性乳児神経節膠腫:1歳未満に発生する大変大きな不

一な腫瘍.充実成

は CT で高吸

収域を示し,MRI では皮質と等信号,皮質縁に っており,軟膜に った造影効果を認める.囊胞 性 を伴う.

小児と若年成人に発症する天幕上の囊胞と充実成

Box

1.神経節膠腫 2.星細胞腫:浮腫を有し皮質への浸潤は少 ない.毛様細胞性星細胞腫では石灰化は

を有する腫瘍

3.多形黄色星細胞腫:髄膜への付着があり dural tail sign を認める.石灰化は稀であ る.

稀である.

症例 A

歳,男子 多形黄色星細胞腫(PXA), 歳時発症の側頭葉てんかん

左上側頭回と中側頭回に腫瘍を認める.皮質から皮質下にのびている.腫瘤には強い造影効果を認め (図 3,4),脳表(髄膜)に接している.その内側には小さな囊胞があり(図 1と 2の矢印),さらに腫瘤 の前後にも比較的大きな囊胞を伴う(図 1の矢頭).接する髄膜に造影効果を認める(図 3の矢印).シル ヴィウス裂は直線化し,mass effect を認めるが腫瘤の割に偏位は少ない.周囲には浮腫を認める(図 1 の*印).石灰化を認めない. 以上の所見より,皮質を中心とする腫瘍で囊胞と明らか造影効果を有する腫瘍であり,石灰化はな い.壁在結節を有する囊胞を伴う腫瘍としては神経膠腫(神経節細胞腫),PXA,毛様細胞性星細胞腫 が鑑別に挙がる. 神経膠腫では壁在結節が必ずしも髄膜に接していない.髄膜の造影効果を認めない.本例では造影効 果が囊胞の外側にあり,髄膜と接し,髄膜に造影効果を認める点より PXA が最も

えられる.手術,


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