Q3 2019 High-Yield and Bank Loan Outlook Report (Japan)

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2019年7月

ハイイールド債とバンクローンの見通し FRBの緩和サイクルにおけるハイイールドクレジット Investment Professionals

輸入関税を巡る不透明感の高まりが、消費者の所得、景気、労働市況に関する短期見通しの重

Scott Minerd

しとなってきた。このため、市場は米連邦準備制度理事会(FRB)による追加利下げが2020年中

Chairman of Investments and

に実施されると織り込んだ。投資家は、FRBによって誘発されるレバレッジドクレジットラリーを見

Global Chief Investment Officer

込んで、クレジットの質を下げたい気持ちに駆られるかもしれない。歴史を振り返ると、これは賢

Kevin H. Gundersen, CFA

明ではないようだ。FRBが利下げを実施している時には、ハイイールド社債のスプレッドとバンク

Senior Managing Director,

ローンのディスカウントマージンは拡大するのが一般的である。

Portfolio Manager

2019年前半はリスク資産にとって小春日和(Indian Summer)の期間と特徴付けられ、ハイイー

Thomas J. Hauser

ルド債のスプレッドは、景気見通しの悪化にもかかわらず、118ベーシスポイント(bps)縮小し

Senior Managing Director,

た。この小春日和が秋まで続けば、スプレッドは短期的には引き続き縮小する可能性がある。し

Portfolio Manager

かし、米国経済の減速が向こう6か月間に75bps、そして2020年にさらに35bpsの利下げを正当

Brian Smedley Senior Managing Director, Head of Macroeconomic and Investment Research

化するとFF先物市場が実際に示しているならば、過去の例から見てクレジットスプレッドは拡大 するだろう。7月から利下げが見込まれてはいるが、弊社は依然としてディフェンシブな姿勢を維 持している。

本レポートの概要

Maria M. Giraldo, CFA Managing Director,

1986年以降で平均すると、ハイイールド社債のスプレッドとバンクローンのディスカウントマ ージンは、FRBによる緩和局面にそれぞれ131bpsと294bps拡大した。

Investment Research ▪

一部の市場参加者は、現在と、FRBが景気サイクルを持続(長期化)させることに成功した 1998年の状況を比較して類似点を指摘している。1998年のミニ緩和サイクル後に数年間、 デフォルト率が平均を上回ったことを考えると、クレジットに関しては、このような比較にある 程度注意する必要があると思われる。

FRBが積極的に利下げを実施しても、質を下げるべき時期ではないと考える。弊社のベー スケース・シナリオでは、2019年末におけるハイイールド社債のスプレッドとバンクローンの ディスカウントマージンは同年上半期末の水準より拡大するとみている。

Guggenheim Investments

High-Yield and Bank Loan Outlook | Third Quarter 2019 1


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