Edmund_Special_Supplement_Sample

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高レヌザ損傷しきい倀の 超高速コヌティング蚭蚈ず補造の最適化

マティアス・メンデ レヌザの耐損傷性ず矀遅延分散の芁件ずの適正なバランスを取る方法ずは

超高速レヌザずそのさたざたな甚途 のために、高品質な光孊系の需芁はこ こ数幎で高たっおいる。連続波CW レヌザや長パルスレヌザに適甚される光 孊系ずは察照的に、光孊系がフェムト 秒fs範囲のパルスを凊理する必芁が ある堎合、さらに分散仕様を満たす必 芁がある1。特に100フェムト秒未満 の範囲では、芁求されるスペクトル垯 域幅が広くなるため、コヌティングの蚭 蚈および補造がさらに困難になる。

このようなコヌティングのレヌザ損 傷しきい倀LDTを最適化するには、

通垞、すべおの光孊仕様を満たすよう、 コヌティング材料の遞定ず倚局膜内の 電界分垃の調敎においお劥協点を芋出 す必芁がある。波長920nmを䞭心ず した䜎矀遅延分散広垯域ミラヌの䟋に 基づき、有望な3皮類の材料によるア

プロヌチに぀いお考察する。

レヌザ光孊系は䞀般的に、コヌティ ング、界面、基板から構成される。レ ヌザビヌムが光孊玠子に照射される ず、これらの各郚分に損傷が生じる可 胜性がある。薄膜コヌティングに泚目

衚1 䜎矀遅延分散広垯域ミラヌの仕様䞊 ずLDT詊隓パラメヌタ䞋

光孊仕様

反射率 99.5%以䞊

波長範囲 8301010nm

入射角 45°

矀遅延分散 ±50 fs2 以䞋

偏光 垂盎

LDT詊隓パラメヌタ

詊隓プロトコル 100-on-1

パルス幅 25 ± 5 fs2

繰り返し呚波数 5Hz

ビヌム埄 350ÎŒm1/e2 

波長 880nm、920nm、940nm

するず、以䞋の3぀の競合する損傷メ カニズムが芳察される2 。

1぀目のメカニズムは熱損傷だ。こ れは通垞、CWレヌザで顕著であり、 局膜材料の吞収ず熱䌝導によっお匕き 起こされる。

2぀目のメカニズムは欠陥誘起損傷 だ。これは非超高速パルスレヌザに最も 関係しおおり、粒子や汚染に起因する。  3぀目のメカニズムは電子的損傷だ。 これは超高速レヌザで顕著であり、倚 局膜内の電界分垃および局膜材料の玫 倖線UV吞収端に巊右される。薄膜 のしきい倀フル゚ンス「Fth 」は、パル ス幅「τp 」ずコヌティング材料のUV 吞収端「Eg 」に察しお、次の匏を適甚 しお導出できる。

図1 は、波長800nmで枬定した耇 数のパルス幅における、䞀般的な玔材

しきい倀フル゚ンス

料および二酞化ハフニりム・二酞化ケ む玠HfO2 /SiO2 混合材料のしきい倀 フル゚ンスを瀺しおいる4。35フェム ト秒のパルス幅では、五酞化タンタル Ta2 O5 のしきい倀フル゚ンスは、 0.5J/cm2 であるのに察し、HfO2 のし きい倀フル゚ンスは0.8J/cm2 である SiO2 を少量含む混合物では1.0J/cm2 に達するこずもある。䞀般的な䜎屈 折率材料であるSiO2 のしきい倀は 1.6J/cm2 であり、これは高屈折率材料 であるTa2 O5 ずHfO2 の結果の2倍以䞊 である。

超高速コヌティング蚭蚈における レヌザ損傷しきい倀の最適化  これらのしきい倀フル゚ンスの各倀 は、倚局膜コヌティングのLDTを掚定 するために䜿甚できる。この蚈算は倚 局膜内の電界分垃に基づいおおり、こ の分垃は独OptiLayer瀟補「Opti Layer」や独LZH瀟Laser Zentrum Hannover補「Spektrum」のような 垂販の光孊薄膜蚭蚈゜フトり゚アで算 出できる。LDTを最適化するには、 1/4波長倚局薄膜の屈折率プロファむ ルを倉曎する。そのためには、 図2 の 赀色で瀺すように、しきい倀フル゚ン スが高く、か぀屈折率が䜎い第3の玔 材料たたは混合材料を远加する。

この最適化アプロヌチを、2023幎 SPIE損傷コンペティションの芁件に基 づいた䜎矀遅延分散広垯域ミラヌの䟋 に、以䞋のように適甚する。 衚1 は、 光孊玠子の仕様ずLDT枬定パラメヌ タをたずめたものである5 。

LDTの掚定に䜿甚するしきい倀フル ゚ンスは、詊隓条件がわずかに異なる 1-on-1枬定によるものであるため、実 隓的な100-on-1の結果は䜎くなるこず が予想される。本研究では、米ビヌコ 瀟Veeco補SPECTORむオンビヌム

物理膜厚〔nm〕

第3の玔材料 たたは混合材料 図2 Ta2 O5、HfO2、 SiO2 を甚いた3皮類 の材料コヌティングの 屈折率プロファむル × GDD +/- 50fs 仕様

蚭蚈1: HfO2/SiO2

蚭蚈2: Ta2O5/SiO2

蚭蚈3: Ta2O5/HfO2/SiO2 (1 layer HfO2)

蚭蚈4: Ta2O5/HfO2/SiO2 (2 layer HfO2)

蚭蚈5: Ta2O5/HfO2/SiO2 (3 layer HfO2)

波長〔nm〕

a)

蚭蚈2

蚭蚈2

蚭蚈4

蚭蚈4

蚭蚈5

図5 蚭蚈2、4、 5のコヌティングで 枬定した矀遅延分 散曲線

スパッタリングIBS装眮の分散デヌ タを䜿甚しお、5皮類の1/4波長蚭蚈 を算出した。

蚭蚈5

蚭蚈4

図 蚭蚈2、4、 5のIBSコヌティ ングによる100on-1 LDT結果 a、および蚭蚈 4の100-on-1損 傷確率曲線b

蚭蚈1および2は、基準蚭蚈ずしお 2皮類のコヌティング材料で構成され る。蚭蚈3から5は、最適化アプロヌ チを実蚌するために3皮類のコヌティ ング材料で算出しおいる。蚭蚈3から 5の盞違点は、Ta2 O5 /SiO2 倚局膜の䞊 郚に、それぞれ1局、2局、3局の HfO2 /SiO2 局ペアを配眮したこずだ。 図3 に瀺すように、矀遅延分散GDD 仕様は、5皮類の倚局膜コヌティング を最適化する䞊で远加の制玄芁因ずな る。HfO2 ず SiO2 で構成される蚭蚈1は、 仕様を満たさないため採甚しない。

残りの蚭蚈2から5に぀いおは、 880nmにおける電界分垃をOptiLayer ゜フトり゚アで蚈算し、 図4 に瀺しお いる。さらにLZH瀟補Spektrum゜フ トり゚アを甚いおLDTを掚定し、各 蚭蚈においお損傷が生じる局を図4に 瀺しおいる。

b)

蚭蚈2は、0.92J/cm2 で最䞊郚の Ta2 O5 局に損傷が生じる。蚭蚈3は、 しきい倀フル゚ンスが䜎く、電界匷床 がかなり高いこずより、3局目の Ta2 O5 局に損傷が生じおしたうため、 奜たしくない。蚭蚈4が最適であり、 1.42J/cm2 で最䞊郚のHfO2 局に損傷が 生じる。蚭蚈5も同様に、1.42J/cm2 で HfO2 局に損傷が生じるが、これは、局 を远加しおもさらなるLDTの改善が埗 られないこずを瀺しおいる。

衚 コヌティングされおいない基板ず比范した、蚭蚈2、4、5の衚面粗さの倀

蚭蚈2

衚面粗さÅ

蚭蚈4

蚭蚈5 コヌティングされおいない基板

図 2023幎SPIE損傷コンペティションにおける100-on-1 LDT結果

䜎矀遅延分散広垯域ミラヌ コヌティングの実隓結果

3皮のコヌティングは、日本の゚ドモ ンド・オプティクスEdmund Optics の斜蚭におむオンビヌムスパッタリング IBS手法で補造し、その局厚は光ブ ロヌドバンドモニタリングにより粟密に 制埡した。 図5 は、独UltraFast Inno vations瀟補「GOBI」実線ず米KM Labs瀟補「Chromatis」四角圢実線 ずいう2皮類の装眮で枬定した蚭蚈2、 4、5の矀遅延分散GDD曲線を比范 したものである。

3皮類の蚭蚈には、すべお超研磚基 板䞊にコヌティングし、その衚面粗さ を癜色光干枉法で枬定した。その結果 は衚2 の比范通りであり、自瀟補の超 研磚基板の衚面粗さが3皮類の蚭蚈す べおで再珟されおいるこずは泚目に倀 する。

適甚した最適化アプロヌチを実蚌す るため、3皮類のIBSコヌティングに ぀いお、100-on-1のLDTをリトアニ アのリダリス瀟Lidaris補「LID ARIS」で枬定した。これは、2023幎 SPIE損傷コンペティションずはわずか に異なるパラメヌタで行った。

図6 は、その枬定結果ず、蚭蚈4の

100-on-1損傷確率曲線を瀺しおいる。

予想通り、枬定されたLDTは掚定倀 よりも䜎くなっおおり、この結果は、 基準蚭蚈2ず、最適化蚭蚈4および5 ずの間で予枬された改善を裏付けおい る。損傷確率曲線は、フェムト秒範囲 のパルス幅におけるLDT枬定では兞 型的に芋られる非垞に急激な遷移領域 を瀺しおおり、これによっお誀差範囲 が小さくなっおいる。枬定誀差の範囲 内では、HfO2 /SiO2 局ペアを远加しお も、さらなる改善が埗られないこずを 瀺しおいる。

考察した最適化アプロヌチを確認す るため、蚭蚈2および4のIBSコヌテ ィングを2023幎SPIE損傷コンペティ ションに提出した。

図7 には、同コン ペティションの結果を、䜿甚したコヌ

ティング材料の関数ずしお、さたざた なコヌティング技術ごずにグルヌプ化 しお瀺しおいる5 。

高屈折率局ずしおTa2 O5 ずHfO2 を 䜿甚した3皮類の材料によるアプロヌ チは、耇数の参加者に採甚されため、 本アプロヌチによっお受賞者の匿名 性を損なうこずなく最高のLDT結果 を達成できたず指摘できる。IBSコヌ ティングの堎合、2皮類の材料の Ta2 O5 /SiO2 基準コヌティングず比范し お、最倧75%のしきい倀䞊昇が芳察 された。これらの結果は、光孊コヌテ ィングメヌカヌが高性胜コヌティング を開発するための指針ずしお有益であ る。このようなコヌティングにより、 超高速レヌザの応甚分野がさらに拡倧 されるだろう。

参考文献

1O. Wheeler, “Basics of ultrafast lasers: Parts 1-3,” Laser Focus World2023; see www. laserfocusworld.com/14291054, www.laserfocusworld.com/14292432, and www. laserfocusworld.com/14294148.

2D. Ristau, M. Jupé, and K. Starke, Thin Solid Films, 518, 1607-16132009.

3M. Mero, J. Liu, W. Rudolph, D. Ristau, and K. Starke, Phys. Rev. B, 71, 1151092005.

4L. Jensen et al., Proc. SPIE, 7842072010. 5R. Negres et al., Proc. SPIE, 12726062023.

著者玹介

マティアス・メンデMathias Mendeは、独゚ドモンド・オプティクス瀟Edmund

分光法

排出ガスモニタリングの倧手ずなる

UV分光法

コヌリヌ・ボニヌ、サマラ・ゎメス

分光法は広範囲な応甚が可胜な匷力なツヌルであり、倧気汚染のモニタリング や芏制によっお環境保護にも利甚できる。

デンマヌクの倚囜籍䌁業であるダン フォスIXA瀟Danfoss IXAは、玫 倖線UV吞収分光法に利甚しお、貚 物船から排出される窒玠酞化物 NOx、二酞化硫黄SO2 、アンモ ニアNH3 をモニタリングする海掋排 出ガス分析装眮を開発しおいる。光孊 デバむスは船舶の排気システム内に蚭 眮され、極端な枩床、振動、腐食環境

などの過酷な環境にさらされるため、 分光システムには独自の環境芁件が求 められる。これにより、茞送船はすべ おの環境芏制を確実に遵守できる。

なぜ煙突排出を モニタリングするのか

囜際間を行き亀う船舶の煙突からの 排出ガスは、䞖界䞭の人々の肺障害や

心血管疟患の早期死亡の原因ずなっお いる図1 。船舶の排出ガスに起因する 心肺死亡ず肺がん死亡は、䞖界で幎間 6䞇人以䞊になるず掚定されおいる1 。 これは図2 のように、自然灜害ず暑さ・ 寒さによる死者を合わせた掚定幎間死 者数を䞊回る。人間の健康に圱響を及 がすだけでなく、海掋や陞䞊の生態系 にもダメヌゞを䞎える深刻な問題だ。

図 囜際間の海運は枩宀効果ガスず倧気汚染物質の䞻芁な排出源であり、気枩䞊昇、気候倉動、心肺および肺がんによる早期死亡の原因ずなっお いる

䞖界の死因2019幎 70,000

自然灜害 暑さ・寒さ

船舶に起因する 心肺・肺がん

玛争・テロ

図 2019幎における䞖界の死因では、船舶の排出ガスに起因する死者数は自然灜害ず暑さ・寒さを合わせた死者数を䞊回る1, 2

囜際海事機関IMOず米囜環境保 護庁EPAは倚くの囜の呚蟺海掋で 排出芏制区域ECAを指定し、厳し い排出芏制を蚭けおいる。これらの地 域を通過しなければ、倚くの䞻芁枯に アクセスするこずは䞍可胜だ。

䟋えばダンフォスIXA瀟が開発した ような分析装眮以倖に、圓局が船舶の 排出ガスを監芖しお芏制を匷化するた めの䟿利で信頌できる方法は他にな い。倚くの地方や地域では、船舶から の倧気排出を制限するように蚭蚈され たむニシアティブが存圚する䞀方で、 これらの政策を実斜するこずは困難 だ。分光法をベヌスずした海掋排出ガ ス分析装眮は、リアルタむムで船舶の 排出ガスを正確に枬定する匷力なツヌ ルである。

UV分光法システム

分光法の基本原理は、物質には固有 の吞収スペクトルがあり、原子や分子 の組成に基づいお異なる光の波長を吞

収するずいうものである。ダンフォス IXA瀟のUV分光法システムは、高匷 床のUV光源ずUV分光噚、ファむバ

やレンズやミラヌなどのUV匷化光孊 郚品で構成されおいる図3 。異なる 波長がどのように吞収されるかを芋お

図 ダンフォスIXA瀟のガス分析装眮は船舶の煙突に盎接挿入される画像出兞: ダンフォス IXA瀟

回折栌子

回折栌子

怜出噚

図 分光噚のテスト波長は、広垯域攟射を1次元センサアレむに分離したり、モノクロメヌタ内郚の回折栌子やプリズムの角床を倉えたりするこ ずで、ここに瀺すように现かく調節できる

排出ガスの組成を決定するために、分 光蚈は光源からの広垯域攟射を1次元 怜出噚アレむ䞊に空間的に分離し、党 UVスペクトルを同時に枬定する。

同瀟のシステムではモノクロメヌタ を波長分離を目的に䜿甚しおいない が、倚くの分光システムは䜿甚しおい る。このような堎合、UV光源からの 光はモノクロメヌタの入射スリットに 入射し、回折栌子やプリズムなどの分 散玠子を甚いお成分波長に分割する 図4 。

モノクロメヌタの出口スリットは、 デバむス内を移動する排気サンプルを 通過した狭垯域を陀く、すべおの波長

を遮断する。回折栌子やプリズムの角 床を倉えるず出口スリットを通過する 波長が倉わるため、テスト波長垯域を 现かく調敎できる。サンプルを通過し た光は怜出噚に照射され、発生した吞 収を枬定する。こうしお、排出ガスの 分子組成を算出する。

回折栌子を甚いるモノクロメヌタの 堎合、回折栌子の栌子呚波数は通垞 1mmあたりの溝の数ずしお算出され る。栌子呚波数が高いほど光孊分解胜 は向䞊するが、䜿甚可胜な波長範囲は 狭くなる。䞀方、栌子呚波数が䜎いほ ど䜿甚可胜な波長範囲は広くなるが、 分解胜は犠牲になる。

環境芁求事項  このようなシステムの開発は、非垞 に困難である。なぜなら、極めお高い 枩床ず圧力が芁求されるためだ。枩床 が高いず、光孊郚品の溶融や熱ストレ スによる故障の原因ずなり、䜿甚でき る光孊材料の皮類が著しく制限され る。たた、高枩は光孊アセンブリ内の 接着剀のガス攟出を匕き起こし、シス テムを汚染する可胜性がある。このシ ステムは、500℃もの高枩にさらされ るため、高い圧力が芁求され、光孊シ ステムの密閉性が決定的に重芁にな る。光孊系は、UV光をほずんど吞収 せずに通過する必芁があるため、利甚

図 コヌティングされおいない石英ガラス窓ぞのUV暎露による汚染の䟋。しかし、この画像は 3W未満のUVレヌザ照射を6週間行った埌に撮圱されたもので、ダンフォスIXA瀟のガス分析 装眮ずは異なる䜿甚䟋だが、発生しうるUV汚染の皮類を衚珟するのに圹立぀3

できる光孊材料も限られおいる。

光孊系のUV劣化

このプロゞェクトが盎面するもう1 ぀の課題は、UV光孊系は寿呜が限ら れる傟向にあるこずだ。その䞻な原因 は、環境ず盞互䜜甚する高出力のUV 光子による汚染ず、光孊系のコヌティ ングや基板を砎壊するUV光である。

どちらも、時間ずずもに光孊郚品の性 胜を劣化させる。

高出力のUV光がシステム内にある 埮粒子、氎蒞気、有機物、その他の汚 染物質ず盞互䜜甚するず、光孊系の衚 面に䞍芁な物質が堆積する可胜性があ る。排出ガスやその他の空気䞭に浮遊 する分子汚染物質は、䞀般的に光孊系 衚面に炭玠ベヌスの堆積物を匕き起こ す。 図5 に、UVが原因の汚染物質の 暹脂状成長の䟋を瀺す。

光孊系を取り囲むガスずの盞互䜜甚 も汚染物質の堆積に぀ながるため、シ

ステムに流入する排気はすべお汚染源 ずなる。波長400nm以䞋のUVの光子 ゚ネルギヌは、呚囲の分子の結合゚ネ ルギヌず同じスケヌルで近づくため、 UVはこれらの結合の䞀郚を砎壊する。

これにより、光孊系衚面を汚染するむ オンや分子が生成される。

UV光孊系のコヌティングや基板材 料自䜓も、高出力のUV光にさらされ るず光疲劎による経時的な劣化の圱響 を受けやすい。長時間にわたっお䜿甚 するず故障の原因ずなり、材料の倉色

参考文献

やその他の倉化を生じさせるこずにな る。屈折率が倉化しお、局所的に匷床 が増加するレンズ効果を生み出すこず がある。たた、自己トラップされた励 起子が圢成され、吞収䞭心が蓄積され るこずもある。

これらの圱響により、UV光孊系は 時間経過ずずもに亀換が必芁になるこ ずがある。しかし、密封、陀去、掗浄 を適切に行うこずで、これらの圱響を 軜枛できる。

ダンフォスIXA瀟のガス排出分析装 眮に察する厳しい環境は、システムの 光孊系および光孊機械蚭蚈に倚くの課 題をもたらした。しかし、デバむスは 成功を収め、珟圚では䞖界䞭の䜕千も の船舶の排出ガスのモニタリングに掻 甚されおいる。

これは環境に察しお倧きな勝利であ り、囜際海運で排出されるNOx、 SO2、NH3 を最小限に抑えるための䞀 歩である。このような汚染が枛少すれ ば、海運の排出ガスが原因ずされる心 肺および肺がんによる幎間死者数を枛 らすこずができるだろう。

芁求の厳しい環境で動䜜する光孊シ ステムを蚭蚈する際には、特定の環境 芁求事項に぀いお、光孊郚品の補造業 者ず議論すべきである。補造業者は、 䞻芁な怜蚎事項を案内しお、トレヌド オフを明確に説明し、必芁なシステム の性胜を保蚌しおくれるだろう。

1M. Dwortzan, “Smarter regulation of global shipping emissions could improve air quality and health outcomes,” MIT NewsAug. 17, 2021; https://tinyurl.com/yt4sxr2a. 2H. Ritchie, F. Spooner, and M. Roser, “Causes of death,” Our World in DataDec. 2019; https://ourworldindata.org/causes-of-death. 3B. Arnold, C. Rashvand, L. Willis, and M. Dabney, Proc. SPIE, 12300Dec. 2, 2022; doi:10.1117/12.2638404.

著者玹介 コヌリヌ・ボニヌは米゚ドモンド・オプティクス瀟Edmund Opticsの䞻任技術マヌケティング゚ ンゞニア、サマラ・ゎメスはダンフォスIXA瀟のマヌケティング・コヌディネヌタ。 e-mails: cboone@edmundoptics.com、samara.gomes@danfoss.com www.edmundoptics.com、www.danfoss-ixa.com

フェムト秒レヌザずナノ秒レヌザの 損傷しきい倀

オリビア・ホむヌラヌ

フェムト秒レヌザずナノ秒レヌザの損傷メカニズムの違いを理解するこずが、 レヌザシステムの効率ず寿呜の向䞊に぀ながる。

レヌザ技術が進化し続ける䞭で、高 粟床甚途で求められる厳しい仕様を満 たすために、光孊郚品も進化する必芁 がある。医療凊眮、埮现加工、基瀎科 孊研究など、その他倚くの分野に、超 短パルスレヌザ技術の力によっお倧き な倉革がもたらされおいる。これたで ナノ秒レヌザが䞻に䜿われおきた業界 や甚途で、超短パルスレヌザを採甚し ようずするず課題が䌎う。その1぀は、 光孊郚品に察するレヌザ損傷しきい倀 が党く異なるこずである。レヌザシス テムの効率ず寿呜を確保するには、ナ ノ秒ずフェムト秒のパルス持続時間党 䜓で、レヌザ損傷しきい倀にどのよう

な理由でどのような違いがあるかを理 解するこずが䞍可欠である。

レヌザ誘起損傷しきい倀Laser Induced Damage ThresholdLIDT ずも呌ばれるレヌザ損傷しきい倀 Laser Damage ThresholdLDTは、 すべおのレヌザシステムにおいお光孊 郚品を遞択する際に評䟡すべき重芁な パラメヌタである。ISO21254の䞭で LDTは、「光孊郚品にレヌザ照射した 際に損傷確率がれロであるレヌザ攟射 の最倧倀」ず定矩されおいる1。この 定矩は明快に芋えるかもしれないが、 実際のLDT倀は、光孊郚品そのもの の性質以倖のさたざたな芁因に䟝存す

る。特に、光孊郚品のLDTは、ナノ 秒10 -9 sずフェムト秒10 -15 sのどち らのパルス持続時間で評䟡するかによ っお、数ケタもの差が生じる可胜性が ある。このような倧きな違いが生じる のは、それらの異なる時間スケヌルで 生じるレヌザ損傷のメカニズムが著し く異なるためである図1 。

ナノ秒レヌザの損傷メカニズム  フェムト秒パルスず比べお、ナノ秒 レヌザの長いパルスは、䞻に熱メカニ ズムによっお、光孊郚品に損傷を匕き 起こす。レヌザはかなりの量の゚ネル ギヌを光孊郚品の材料に印加し、それ

キャリア励起

キャリア緩和

非線圢効果

キャリア-キャリア散乱

キャリア-光子散乱

構造的および 熱的事象

パルス持続時間〔s〕

絶瞁砎壊 熱効果

図 レヌザ誘起損傷のメカニズムは、パ ルス持続時間の長さによっお倧きく異な る。ナノ秒など、パルス持続時間が長い堎 合は、損傷は䞻に熱効果によっお匕き起こ される。パルス持続時間がフェムト秒単䜍 たで短くなるず、キャリア吞収や非線圢効 果が支配的な損傷メカニズムになる2

がレヌザスポットの局所的な加熱を促 進する。この加熱は、盎接的に溶融を 匕き起こしたり、熱膚匵ずそれに䌎う 機械的応力によっお䜕らかの構造的な 倉化を匕き起こしたりする可胜性があ る。たた、この応力によっお亀裂が生 じたり、局間剥離ずいうプロセスによ っおコヌティングが基材から完党に剥 離したりする堎合もある3 。  ナノ秒レヌザの照射䞋にある光孊郚 品は、コヌティング材が盎接加熱され るだけでなく、コヌティング内の欠陥 に特に敏感である。これらの欠陥は、 その呚囲よりも吞収がはるかに高くな りやすいために、光孊コヌティング内 の小さな避雷針のように機胜する。そ の結果、その欠陥領域は他の郚分より も早く加熱し、壊滅的なレヌザ損傷の 堎合は、コヌティングを砎裂させる。 この激しい損傷メカニズムは倚くの堎 合、衚面にクレヌタヌを残すだけでな く、損傷事象盎埌にさらなる埮粒子を 再堆積させるこずになる図2 。  これらの欠陥箇所は、レヌザ損傷の

誘発源ずなるため、特定の光孊郚品に おいお、欠陥が倚いほど䞀般的に LDTは䜎くなる。そのため、ナノ秒レ ヌザずずもに䜿甚する光孊郚品の衚面 品質は、非垞に重芁である。たた、ナ ノ秒時間スケヌルのLDT詊隓は、か なり統蚈的なプロセスである。光孊面 䞊の任意の箇所の損傷確率は、入射ビ ヌムのサむズ、欠陥箇所の分垃ず密床、 本質的な材料特性など、倚数の関連芁

図 ナノ秒パルス を出力する532nm のレヌザによるレヌ ザ損傷。この損傷は、 衚面䞊のクレヌタヌ ず再堆積した埮粒子 からわかるように、 欠陥のクラスタによ っお匕き起こされお いる4

因に起因する。寄䞎芁因が倚様である こずは、ナノ秒のLDT倀が、コヌテ ィングが同じでもバッチによっお倧き く異なる可胜性があるこずの理由でも ある。LDTは、基材の研磚や前凊理 のばら぀き、実際にコヌティングを塗 垃する間の倉動、さらにはコヌティン グ埌の保管条件の倉化によっお、圱響 を受ける可胜性がある。このように、 ナノ秒のLDT倀にはさたざたな芁因

図 4ns巊ず48fs右のパルス条件䞋で埗られたLDT詊隓結果。ナノ秒の損傷曲線は、枬定の性質が確率的であるために募配が緩やかなのに 察し、フェムト秒レヌザの損傷曲線では、メカニズムが確定的であるために、損傷確率100%ぞの遷移が急峻である。詊隓結果はリトアニアのリダ リス瀟LIDARIS提䟛

が寄䞎するのに察し、フェムト秒レヌ ザの損傷を匕き起こす䞻芁なメカニズ ムの芁因は、塗垃されたコヌティング 材に䞻に内圚しおいる3 。

フェムト秒レヌザの 損傷メカニズム

フェムト秒レヌザの超短パルスは、 異なるメカニズムで損傷を匕き起こ す。生成するピヌク出力が非垞に高い こずが、その理由の1぀である。ナノ 秒レヌザずフェムト秒レヌザのパルス ゚ネルギヌが同じだったずしおも、フ ェムト秒レヌザパルスのほうが、パル ス持続時間が短いために、ピヌク出力 は玄100䞇倍高くなる。この高匷床の レヌザパルスは、䟡電子垯から䌝導垯 に電子を盎接励起するこずができる。

入射レヌザパルスの光子の゚ネルギヌ がこの遷移幅材料のいわゆるバンド ギャップよりも䜎い堎合でも、超短 パルスレヌザパルスのピヌクフルヌ゚ ンスは非垞に高いため、電子は䞀床に 耇数の光子を吞収する可胜性がある。 この非線圢メカニズムは、倚光子むオ ン化ず呌ばれ、超短パルスレヌザ光孊 郚品における䞀般的な損傷経路である。  トンネルむオン化も、フェムト秒レ ヌザ照射時の損傷経路になる可胜性が ある。この珟象は、超短パルスレヌザ パルスによっお生成される非垞に匷力 な電界の䞋で生じる。入射電界が非垞 に匷いために、䌝導垯の゚ネルギヌが 歪み、トンネル効果によっお電子が䟡 電子垯から䌝導垯に遷移する。十分な 電子が䌝導垯に遷移するず、その自由 電子の海に入射光が盎接゚ネルギヌを 結合し始め、それがコヌティング材の 厩壊を匕き起こす3 。

このような損傷経路に基づき、フェ ムト秒のLDTは、ナノ秒のLDTより もはるかに確定的である。レヌザ損傷

は基本的に、フェムト秒レヌザからの 特定の入力フルヌ゚ンスで「䜜動」す る。そのフルヌ゚ンスの倧きさは、塗 垃された誘電䜓コヌティング材のバン ドギャップに比䟋する。これは、それ よりもはるかに確率的な性質を持぀ナ ノ秒レヌザの損傷ずは、非垞に察照的 である図3 。

ナノ秒レヌザの損傷経路ず比べおさ らに察照的な点ずしお、フェムト秒の 時間スケヌルでは、熱効果が光孊郚品 のLDTを巊右しないこずに泚意する こずが重芁である。超短パルスレヌザ パルスの持続時間が、材料構造内の熱 拡散の時間スケヌルよりも短いこずが その理由である。その結果、フェムト 秒パルスは、コヌティング材に゚ネル ギヌを熱ずしお蓄積せず、ナノ秒レヌ ザパルスのような熱膚匵や機械的応力 は生じない。たさにこのような理由に より、超短パルスレヌザは、心臓血管 ステント補造6など、高粟床の切断や マヌキング5を必芁ずする倚くの甚途 に非垞に有効である。

スケヌリングに泚意

パルス持続時間ず同様に、ナノ秒パ ルスずフェムト秒パルスの䞀般的なLDT 倀は、数ケタ異なる可胜性がある。䞀 般的なレヌザミラヌのLDT倀は、100fs のパルスで枬定するず玄0.2J/cm2 だが、 5nsのパルスで枬定するず同じ光孊郚

品のLDTが10J/cm2 近くになる可胜 性がある。この倀の違いにたずは譊戒 すべきかもしれないが、これは、䞡方 の時間スケヌルで生じる損傷メカニズ ムが党く異なるこずを瀺しおいる。同 じ理由により、LDTスケヌリング蚈算 機を倧きな時間スケヌルで䜿甚する堎 合は、泚意が必芁である。䞀般的に、 パルス持続時間が長いほどLDTは倧 きくなるが、フェムト秒パルスずナノ 秒パルスの間でLDT倀のスケヌリング を行うず、ほが必ず光孊郚品の損傷に ぀ながる。最善策は、波長、繰り返し 呚波数、パルス持続時間を含めお、甚 途にできるだけ近い条件䞋で埗られ た、適切なLDT定栌倀を持぀光孊郚 品を遞択するこずである。

適切な光孊郚品の遞択  粟床の向䞊に察する芁求を満たすた めに、レヌザ技術は発展し続ける。新 しい技術が具䜓化するに぀れお、レヌ ザ損傷メカニズムの違いず、どのメカ ニズムが特定の時間スケヌルにおいお 支配的なのかを理解するこずが、察象 甚途に適した光孊郚品を遞択するため にたすたす重芁になっおくる。そうし た違いに留意するこずは、珟圚のレヌ ザシステムの効率ず寿呜を向䞊させる だけでなく、将来のより高床なレヌザ システムぞのシヌムレスな適応を可胜 にする。

参考文献

1See www.iso.org/standard/43001.html. 2S. S. Mao et al., Appl. Phys. A, 79, 16952004. 3D. Ristau et al., Thin Solid Films, 518, 16072009. 4N. Carlie and K. Firestone, Laser Focus World2019; www.laserfocusworld.com/14035451.

5S. Lei et al., J. Manuf. Sci. Eng., 142, 12020.

6A. G. Demir and B. Previtali, Biointerphases, 9, 0290042014.

著者玹介

オリビア・ホむヌラヌ博士Olivia Wheeler, Ph.D.は、米゚ドモンド・オプティクス瀟Edmund Opticsの超短パルスレヌザ光孊゚ンゞニア。

e-mail: owheeler@edmundoptics.com URL: www.edmundoptics.com LFWJ

光干枉断局撮圱

県科ず皮膚科を察象ずした 適切な光干枉断局撮圱システムの開発

レベッカ・シャボニュヌ、゚ミリヌ・ビショップ、シャむバル・ブヌフ

本皿では、スペクトル領域OCTの抂芁を説明し、システムに察する適切な光

孊系ず照明光源を遞択する方法を、システム蚭蚈者がより適切に理解できる ようにする。

光干枉断局撮圱Optical Coherence TomographyOCTは、䜎コヒヌレン ス干枉法の原理を掻甚するこずによ り、䞀般的に最倧で数mmの深さの深 床分解画像を非䟵襲的に生成する。こ の非䟵襲むメヌゞングは、県科から皮 膚科に至るたでの生物医孊分野におい お非垞に有益である図1 。

新しい皮類のOCTであるスペクト ル領域OCTSD-OCTは、取埗時間 が非垞に短く、技術的に優れおいるこ

ずから、利甚が拡倧しおいる。ラむフ サむ゚ンスシステムの蚭蚈者にずっ お、どのOCT手法を䜿甚するのが適 切で、正しい照明光源ず光孊郚品をど

のように調達すればよいかを理解する こずは、商業的に成功する高性胜な OCTシステムを開発する䞊で極めお重 芁なこずである。

OCTの基本原理

システム蚭蚈者はたず、OCTシス テムの動䜜の基本原理を理解する必芁 がある。レヌダヌや゜ナヌなど、広く 䜿われおいる他の深床マッピング技術 ずは異なり、OCTは、反射信号たた は「゚コヌ」が怜出される時間の枬定 に䟝存するものではない。OCTは、2 ぀のビヌムが通過する光路長がコヒヌ レンス長の範囲内にある堎合に干枉す

図 OCTによっお臚床医は、芖界ががやけるずいう症状を匕き起こす、加霢性黄斑倉性症 AMDなどの県疟患を、より適切に蚺断できるようになった

る、時間コヒヌレンスの䜎い光の性質 を利甚し、「コヒヌレンスゲヌト」ずし お知られるものを生成する。

この結果は䞀般的に、䜎コヒヌレン ス光源からの光を、リファレンスビヌム ずサンプルビヌムに分割し、䞡方のア ヌムの反射ビヌムをマッハ・ツェンダヌ Mach-Zehnder構造の䞭で干枉させ るこずによっお、実珟される。これに よっおリファレンスビヌムは、䞊述のコ ヒヌレンスゲヌトを生成するため、ナヌ ザヌはサンプル内のさたざたな深さか ら反射した光を解像するこずができる。

OCTは1990幎代に考案されお以来1 、 非䟵襲の深床むメヌゞングを必芁ずす るさたざたな分野で広く利甚されおい る。最初にこれが適甚されお、今でも 最も䞀般定な甚途ずなっおいるのが、 県科甚の網膜むメヌゞングである。

OCTの䞀般的な皮類

30幎以䞊の間に、OCTを䜿甚しお サンプルから深床情報を取埗するため の耇数の方法が開発されおいる。しか し、2぀の䞻な皮類は、時間領域OCT TD-OCTずフヌリ゚領域OCTFDOCTで、䞡者は深床情報の収集方法 が異なる。

TD-OCTでは、リファレンスミラヌ を少しず぀動かすこずによっお、コヒ ヌレンスゲヌトの䜍眮をシフトさせる こずにより、深床スキャンが行われる。 続いおポむント怜出噚によっお、光源 垯域幅党䜓の干枉信号が取埗される。 FD-OCTでは、リファレンスずサンプ ルを固定に保ったたたで、光の異なる

スペクトル成分が個別に怜出される。

FD-OCTでは光のスペクトル成分 を、広垯域光源ず分光噚リニア

CCDアレむの組み合わせを怜出に䜿甚 しお空間領域で分割するか、掃匕レヌ ザ光源ずポむント怜出噚の組み合わせ を䜿甚しお時間領域で分割するこずが できる前者をスペクトル領域OCT、 埌者を掃匕光源OCTず呌ぶ。

各手法の長所ず短所は、怜出噚や光 孊機械郚品の胜力など、耇数の芁因に 䟝存する。䞀般的に、FD-OCTの方が TD-OCTよりも信号察雑音比SNR ず怜出速床が高くなるため、ほずんど の商業的甚途で奜たしい手法ずなっお いる2 。

スペクトル領域OCT

スペクトル領域OCTSD-OCTは、 取埗時間がより短く、技術的に優れお いるこずから、叀くからあるTD-OCT システムに取っお代わり぀぀ある。 SD-OCTシステムでは、光の異なるス ペクトル成分を1次元たたは2次元の 怜出噚アレむ䞊で同時に怜出するこず により、単䞀点に沿った深床情報が、 リファレンスたたはサンプルを動かす こずなく取埗される図2 。怜出され たスペクトルをフヌリ゚倉換するこず によっお、Aスキャンず呌ばれる、サ ンプル内の深床情報が埗られる。隣接 するAスキャンを取埗するこずによっ お、Bスキャンず呌ばれる、2次元画 像を圢成するこずができる。䜓積情報 が必芁な堎合は、耇数のBスキャンを 取埗しお぀なぎ合わせるこずができ る。これをCスキャンず呌ぶ。

SD-OCTシステムの分解胜  任意のOCTシステムにおいお、重芁 な指暙は、深床軞方向分解胜、暪方 向分解胜、SNRである。理想的なSD-

リファレンス

単䞀凊理 深床情報の抜出ず ノむズの䜎枛

広垯域光源 栌子 リニアたたは2Dのセンサアレむ

図 SD-OCTの構成図

OCTシステムの軞方向分解胜は、光源 のみに䟝存する。䞀定の仮定の䞋では、 光源のコヒヌレンス長lcに等しいず 倧たかに仮定するこずができる2。lc は匏1で定矩される。

サンプル ビヌム分割 結合 怜出

OCTシステムの暪方向分解胜は、 光をサンプルに集光するために甚いら れる光孊系の開口数Numerical ApertureNAによっお䞻に決たる。 NAが倧きいほど暪方向分解胜は高く なる。しかし、サンプルのより深くた でのむメヌゞングを可胜にするには、 暪方向分解胜に加えお、焊点深床が倧 きいこずも重芁である。そのため、倚 くの実甚的なOCTシステムにおいお、 暪方向分解胜やむメヌゞング深床など のシステム性胜を最適化するために、 NAが䜎めの光孊系が甚いられおいる。

SD-OCTシステムに察する 正しい光孊系の遞択

SD-OCTシステムに甚いられる光孊 系の倚くは、TD-OCTのものずほが同 じである。TD-OCTず同様に、SDOCT蚭定においおも光源は、リファレ

ンスアヌムずサンプルアヌムの2぀の 経路をたどる。 図3 に瀺すように、光 源から照射された光はビヌムスプリッ タによっお、各光路アヌムに分割され る。平凞レンズや非球面レンズなどの 光孊レンズによっお、サンプルずむメ ヌゞセンサぞのコリメヌトず集光が行 われる。リファレンスアヌムのミラヌ は、TD-OCTでは可動であるのに察し おSD-OCTでは固定ずなっおおり、こ れによっおより高速な取埗が可胜であ る。リファレンスミラヌずXY走査ミ ラヌに察しお誘電䜓コヌティングを遞 択するず、金属ミラヌコヌティングの 堎合よりもシステムのスルヌプットは 高くなる。

SD-OCTシステムの䞻な盞違点は、 回折栌子がむメヌゞセンサの前に远加 されおいるこずである。回折栌子は、 干枉信号を波長に基づいおその呚波数 成分にスペクトル分散する。呚波数成 分はその埌、リニアむメヌゞセンサに よっお怜出され、呚波数成分をフヌリ ゚倉換するこずによっお、画像が生成 される。広垯域光源を䜿甚する堎合は ロングパスずショヌトパスのフィルタ を重ねるこずにより、異なる甚途に察 しお必芁な波長を埮調敎するこずがで

光干枉断局撮圱

リファレンスミラヌ

ロングパスショヌトパス フィルタ

光源

コリメヌティングレンズ

図 SD-OCTのビヌム経路図

きる。

SD-OCTの光源に関する考察  SD-OCTシステムを開発するシステム 蚭蚈者は、分解胜、安定性、スペクト ル特性、サンプルの材料特性、安党性 ずいう5぀の重芁な基準を䜿甚しお、照 明光源の遞択肢を評䟡する必芁がある。

分解胜。 匏1は、垯域幅が広く䞭 心波長が䜎い光源ほど、軞方向分解胜 が高いこずを瀺しおいる。䟋えば、䞭 心波長830nm、垯域幅100nmの光源ず、 䞭心波長500nm、垯域幅300nmの光 源を比范しおみよう。

光源1

λ0 =830nm,Δλ=100nm àlc=3.04ÎŒm  光源2

λ0 =500nm,Δλ=300nm àlc=0.38ÎŒm

この比范は、衚面䞋圢状を解像する 胜力に、光源の遞択が倧きな圱響を䞎 えるこずを瀺しおいる。入力光源スペ クトルを倉曎するこずが、SD-OCTシ ステムの分解胜を䞊げるための最も効 果的な手段である。

安定性。 光源からのすべおのノむズ が、振幅ノむズか呚波数ノむズかにか かわらず、システムノむズに寄䞎する。

そのため、むメヌゞング察象ずなる衚

走査ミラヌ

コリメヌティングレンズ

集光レンズ

集光レンズ

面䞋圢状の屈折率がバルク媒䜓ずあた り倉わらない堎合光孊郚品の衚面䞋 欠陥の非砎壊詊隓などは特に、䜎ノ むズの光源を遞択するこずが必芁䞍可 欠である。

スペクトル特性。䜿甚可胜な垯域幅 党䜓における光源のスペクトル特性 は、システム性胜に圱響を䞎える。䞀 般的に、平坊なスペクトル特性が望た しい。各スペクトルチャネルの出力を できるだけ倧きくするこずによっお、 SNRが向䞊するためである2。埓っお、 光源を遞択する際には、䜿甚可胜な垯 域幅においお、匷い照射ラむンが存圚 したり、スペクトル圢状が非察称にな っおいたりしないかを、怜蚎する必芁 がある。

サンプルの材料特性。 理論的には、 SD-OCTシステムで解像可胜な深床は、 むメヌゞング光孊系より深いむメヌゞ ングには高い焊点深床が必芁ず怜出噚 感床は深床ずずもに䜎䞋するの遞択 に倧いに䟝存する。しかし、材料にお ける吞収波長に䟝存するず分散屈 折率は波長に䟝存するによっお、分 解胜ずSNRは深床ずずもにさらに䜎䞋 する。埓っお、光源を遞択する前に、 材料の光孊特性に぀いお考察するこず

が非垞に重芁である。䟋えば、網膜の むメヌゞングでは氎の吞収ピヌクを避け るために、830nmず1050nmの䞭心波 長が䞀般的に䜿甚される。

安定性。OCTが最も䞀般的に䜿甚 される分野の1぀が、生物医孊むメヌ ゞング県科や皮膚科などである。そ のような甚途では、組織の損傷や怪我 のリスクがあるため、䞀般的に蚱容光 出力が厳しく制限される。その制限を 満たすには通垞、入力光源の枛衰が必 芁で、OCTシステムを蚭蚈する際に はこれを怜蚎する必芁がある。

その他の考察事項。

光孊系ず怜出噚 が所望の波長で䜿甚できるかずいった その他の制玄も、䞎えられた任意の甚 途に察しお最適なSD-OCTシステムを 蚭蚈する際の光源の遞択における、重 芁な項目である。

光源の皮類。

生物医孊分野のOCT においお䞀般的に甚いられる光源の1 ぀が、スヌパヌルミネッセントダむオ ヌドsuperluminescent diodeSLD である。分解胜を䞊げるためにより広 い垯域幅の光源が必芁な堎合や、商甚 のSLDが提䟛されおいない波長を䜿甚 する堎合は、スヌパヌコンティニュヌ ムsupercontinuumSC光源が䞀般 的に䜿甚される。SC光源などの広垯 域光源は、短いパルスを䜿甚するため、 安定性の維持が容易ではない。茝床が 高く、垯域が広く、スペクトルが平坊 で、安定した光源は、䜎いノむズを維 持し぀぀、可芖域ず玫倖域の波長を䜿 甚する必芁のある甚途に察しお、倚倧 なメリットを䞎えるこずができる。そ の䞀䟋が、光孊郚品たたはセラミック 郚品の補造における欠陥の非砎壊怜出 である。

県科SD-OCTの応甚  SD-OCTによっお県科医は、緑内障

や加霢性黄斑倉性症Age-related Macular DegenerationAMDなどの県 疟患の蚺断を補助するための目のむメ ヌゞングや、県科手術䞭の in situ むメ ヌゞングを行うこずができる。目を通 したむメヌゞング経路は光孊的にクリ アであるため、OCTによっお目の組織 局を簡単にスキャンするこずができる。

垂堎で提䟛されおいる倚くのSDOCT装眮が、網膜ず前県郚の疟患の むメヌゞングに䜿甚されおいる。䟋え ば、SD-OCTは、緑内障の怜出に甚い られおいる。緑内障は、県球内の房氎 が増加するこずで県圧が䞊昇し、芖神 経に損傷が生じる県疟患である。

SD-OCTを䜿甚するず、 図4 に瀺す ように、網膜神経線維局の厚さマップ が圢成されお、緑内障の重症床や進行 床合いを把握するこずができる1 。

SD-OCTを、レヌザ県科手術や超音波 氎晶䜓乳化吞匕術などの倖科甚プラッ トフォヌムず組み合わせるこずによっ お、リアルタむム画像を執刀医に提䟛 するこずもできる。

今埌の開発皮膚科

SD-OCTは、皮膚科の分野で倚倧な 泚目を集めおいる。1300nmの波長垯 を䜿甚するこずにより、SD-OCTは皮 膚の奥深くに到達しお、0.4〜2.00mm の深さたでの詳现な断面画像ず「en face」画像を、卓越した光孊分解胜で 取埗するこずができる。

SD-OCTでは、反射共焊点顕埮鏡 Reflectance Confocal Microscopy RCMや超音波怜査など、皮膚科にお ける埓来の手法で提䟛される深床ず分 解胜の間のバランスが図られる。SDOCTは、超音波怜査よりも高い光孊 分解胜が達成可胜で、真皮網状局の毛 包、汗腺、血管、結合組織など、皮膚 内の構造のより正確で詳现な画像が取

埗できる。

たたSD-OCTは、RCMよりもさら に皮膚の奥深くたでのむメヌゞングが 可胜である。この深床は、メラノヌマ 悪性黒色腫以倖の皮膚悪性腫瘍 Non-Melanoma Skin Cancer NMSCや炎症性皮膚疟患など、より 深い皮膚局に圱響を䞎える疟患の蚺断 ず芳察に特に有効である。ただし、现 胞分解胜に関しおはRCMのほうがや はり優れおいる3。现胞分解胜は、メ ラノヌマなどの特定の皮膚状態の評䟡 に䞍可欠である。

図 芖神経の OCT画像

偏光OCTのように、SD-OCTに远加 の機胜を組み蟌むこずにより、血液かん 流に関する情報を埗るこずができる4 。 この手法は、コラヌゲンの耇屈折性を利 甚しお、皮膚内のコラヌゲン分垃を評䟡 する。高NAの光孊系が必芁になるが、 火傷の管理ずコラヌゲン関連の皮膚状 態の理解に有効である。この機胜によ っお、特定の皮膚損傷郚における血管 ずその分垃を評䟡するこずも可胜であ る。いく぀かの制玄やコスト䞊の問題 はあるものの、SD-OCTは進化ず改良 を続けおおり、皮膚科むメヌゞングの 未来に倧きな可胜性をもたらす。  OCTは、医療分野においお病気の 蚺断や治療のモニタリングを行うため の匷力な手段であり、特定の臓噚のリ アルタむム画像を取埗しお、組織構造 を盎接可芖化するこずが可胜である。 特にSD-OCTを䜿甚すれば、高いスル ヌプットず性胜を達成する非䟵襲むメ ヌゞングシステムを構築するこずがで きる。

参考文献

1D. Huang et al., Science, 254, 1178?11811991. 2J. A. Izaat and M. A. Choma, Theory of Optical Coherence Tomography, Springer2008. 3B. Wan et al., Br. J. Dermatol., 184, 6, 1014-1022Nov. 2020; doi:10.1111/bjd.19553. 4J. Olsen et al., J. Biomed. Opt., 23, 4, 1 Apr. 2018; https://doi.org/10.1117/1. jbo.23.4.040901.

著者玹介

レベッカ・シャボニュヌRebecca Charboneauず゚ミリヌ・ビショップEmily Bishopはそれぞ れ、米゚ドモンド・オプティクス瀟Edmund Opticsの光孊゚ンゞニアず補品サポヌト゚ンゞニア で、シャむバル・ブヌフShaival Buchは、米゚ナゞェティック・テクノロゞヌ瀟Energetiq Technologyのプリンシパルサむ゚ンティスト。e-mail: rcharboneau@edmundoptics.com、 ebishop@edmundoptics.com、sbuch@energetiq.com URL: www.edmundoptics.com www.energetiq.com. LFWJ

SWIRむメヌゞングの進歩

SWIRむメヌゞングシステムは、果物や野菜の氎分含有量やボトルの液面レ ベルを怜出するなど、埓来のシステムでは䞍可胜だったマシンビゞョン凊理 を達成する。

短波赀倖SWIR波長を䜿甚したマ シンビゞョンは、埓来のむメヌゞング システムでは困難か、あるいは䞍可胜 でさえあった独特の凊理を達成するこ ずができる。䟋えば、可芖光に察しお 䞍透明なプラスチック容噚を透過しお その内容量を枬定するこずができる 図1 。SWIRカメラセンサは近幎、 進歩によっおコストが倧きく䜎䞋し、 SWIRマシンビゞョンアプリケヌショ ンの新たな波を生み出しおいる。しか し、最新型SWIRセンサの䞭には、解 像床を最倧化するためにピクセルサむ ズを瞮小するこずを優先し、そのため にコストが以前の氎準たで戻っおした っおいるものもある。SWIRむメヌゞ ングは、埓来のむメヌゞングでは埗ら れなかった情報を抜出するための匷力

な手段だが、SWIR波長を利甚するこ ずで、これらのシステムに䜿甚される 光孊系に新たな課題をもたらす。

本皿では、SWIRむメヌゞングのそ うしたトレンドず、それがマシンビゞ ョンの展望にどのような圱響を䞎えお いるかに぀いお解説する。

SWIRむメヌゞングの 利甚拡倧を促進する、

新䞖代のセンサ

SWIRむメヌゞングセンサ補造の最 近の進歩により、0.41.7ÎŒmの可芖 域ずSWIR域の波長垯をカバヌする、 手頃な䟡栌の新䞖代センサが開発され おいる。しかも、これらの新しいセン サは、䜎いノむズず高い量子効率を兌 ね備えおいる。量子効率ずは、入射光

が電気信号に倉換される効率を衚す甚 語である。可芖波長甚に蚭蚈されたセ ンサでは、䜕幎も前から䜎いノむズず 高い量子効率が実珟されおいるが、 SWIR波長でそれが実珟されるように なったのは、より最近になっおからの こずである。

SWIRアプリケヌション甚の埓来の センサは、むンゞりムガリりム砒玠 InGaAsをベヌスずしおおり、長幎 にわたっお、SWIR波長で高い性胜を 達成するために䜿甚されおきた。しか し、これらのセンサは補造が難しく、 そのために高額である。提䟛されおい るどのタむプのSWIRセンサよりも高 い効率ず感床を達成するが、補造コス トが高いために、䟡栌が法倖に高くな る堎合が倚い。それよりも新しい䞖代 コヌリヌ・ブヌン、ニック・シシュカ

図 SWIRカメラずレンズは、この癜いボトルのような可芖光では䞍透明な物䜓を透芖しお、その䞭に隠された物質を明らかにするこずができる本 皿の写真ず画像はすべお゚ドモンド・オプティクス瀟提䟛

シリコンの透過率

シリコンの透過率 コヌティングなし、厚さ5mm

透過率

波長〔nm〕

図 シリコンの透過率グラフ。1100nm以䞊の波長の透過率が高いこずが瀺されおいる

図3 氎はSWIR光を吞収するため、SWIRむメヌゞングは、氎分怜出に最適で、果物怜査に有 甚である。他の手段では怜出が非垞に難しい氎分を可芖化するこずができる

の手頃な䟡栌のSWIRセンサは、 InGaAsセンサほど高い性胜は達成し ないが、倚くのむメヌゞングシステム に察しお十分以䞊のレベルの解像床、 ノむズ、効率を、栌段に䜎いコストで 提䟛する。

SWIRむメヌゞングの

䞻な怜蚎項目

アプリケヌションに最適なSWIRæ³¢ 長を最初から把握するのは難しい。人

間の目はSWIR波長を怜出できないた めである。SWIRむメヌゞングに関し おは、匷い盎感を働かせるこずはでき

ない。可芖波長を䜿甚する堎合は、䟋 えば、赀色光源を䜿甚すれば赀色成分 が匷化されおコントラストが匷調され るこずや、青色照明を䜿甚すれば背景 が暗く芋えるこずを掚枬するのは、䞀 般的に容易である。SWIRマシンビゞ ョンシステムを構築する堎合は、 SWIR光ずの盞互䜜甚はそのように盎 感的ではないため、システム蚭蚈者は、 怜査察象ずなるすべおの物質の分光特 性を事前に確認しなければならない堎 合が倚い。

アプリケヌションに必芁ずなる正し いSWIR波長を芋定めるための1぀の

方法は、むメヌゞング察象の物質の既 存文曞を芋぀けるこずである。吞光床 や透過率のグラフを芋れば、どの波長 が明るくたたは暗く芋えるかや、どの 波長で最倧限のコントラストが埗られ るかがわかる。

䟋えば、シリコンは、1100nmより も長いSWIR波長を透過するこずが知 られおいる図2 。そのため、SWIR むメヌゞングは、亀裂怜出、ボンディ ング怜査、り゚ハ自䜓の内郚欠陥怜出、 シリコン基板䞊に異なる材料で圢成さ れた回路の欠陥怜出など、さたざたな 皮類のシリコン欠陥怜出に利甚される こずが倚い。

SWIRハむパヌスペクトルカメラず 広垯域光源も、システム開発段階で泚 目すべき最適な波長を芋定めるために 䜿甚するこずができる。これによっお、 さたざたな波長をカバヌする画像に加 えお、各ピクセルのスペクトルシグネ チャが埗られる。この情報を基にシス テム蚭蚈者は、1぀たたは耇数の察象 波長に、マシンビゞョンシステムのコ ントラストを最倧化しお凊理を達成で きるだけの匷い吞収たたは透過ピヌク があるかどうかを確認するこずができ る。「SWIRむメヌゞングのアプリケヌ ション」のセクションで、その䟋を玹 介する。

ハむパヌスペクトルカメラず広垯域 光源もおそらく高額になるが、重芁な 察象波長を特定するこずができる。そ の埌、最終的なシステムを量産する際 には、その特定の波長甚に最適化され た、よりシンプルなSWIRカメラず光 源が䜿甚されるため、最終的なシステ ムは、より費甚察効果の高いものにな るのである。

ハむパヌスペクトル光源ずカメラを 䜿甚しお補品開発を行うずきに、1぀ の波長、たたは、少数の波長を䜿甚す

図 む゜プロパノヌル、氎、アセトンは可芖光の䞋では基本的に同じに芋えるが、SWIRむメ ヌゞングではそれらの間に高いコントラストが生じるため、簡単に区別するこずができる

るこずによっお、コントラストを最倧 化するこずができない堎合がある。そ のような堎合は、最終システムにおい おも、より耇雑なハむパヌスペクトル システムを䜿甚しなければならないか もしれない。そうするず、カメラず光 源がより高額になるだけでなく、䜿甚 するむメヌゞングレンズのコストず耇 雑さも増す。しかし、プラスチックの リサむクル、食品の品質怜査、異物怜 出のような䞀郚の材料遞別アプリケヌ ションでは、これが必芁である。

SWIRむメヌゞングの

アプリケヌション

マシンビゞョンにおけるSWIRの䞀 般的なアプリケヌションの1぀が、氎 分怜出である図3 。氎は1450nm付 近に吞収ピヌクがあり、SWIRむメヌ ゞングシステムでは非垞に暗く珟れ る。これは、果物怜査、食品加工、ボ トル充填レベル怜査、蟲業アプリケヌ ションにおける氎分怜出など、倚くの アプリケヌションで有甚である。

すべおの液䜓が氎ず同じように SWIR波長を吞収するわけではないた め、可芖光怜査では同じに芋える液䜓 を、SWIRむメヌゞングでは簡単に区 別するこずができる図4 。

SWIRむメヌゞングレンズの 固有の課題

可芖光で䜿甚するように蚭蚈された 倚くのむメヌゞングレンズアセンブリ が、䞀郚のSWIR光も通すが、この波 長範囲甚に特別に蚭蚈されたレンズを 䜿甚するこずで、SWIRシステムの性 胜を倧幅に向䞊させるこずができる。

これによっお、レンズ蚭蚈が最適化さ れる波長垯、SWIR光のスルヌプット を最倧化するために䜿甚されるガラス の皮類、レンズ玠子に適甚されるコヌ ティングが倉わる。

ゲルマニりム、シリコン、サファむ ア、セレン化亜鉛などの材料は、 SWIR波長に察する透過率が高く、 SWIRむメヌゞング性胜を向䞊させる こずができるが、埓来のむメヌゞング レンズに䜿甚されおいるガラスよりも 高額である。

最新型SWIRセンサで、 コストは以前の氎準に逆戻り  垂堎に投入されおいる最新型SWIR センサは、SWIRアプリケヌションの 利甚拡倧を促進するトレンドに逆行し おいる。これらのセンサは、提䟛され おいる他のセンサよりもピクセルサむ ズが小さく、システムの解像床を向䞊

させるが、その分、コストは以前の氎 準に逆戻りしおいる。これによっお、 SWIRカメラが高額になるだけでなく、 SWIRカメラに搭茉されるむメヌゞン グレンズも、芁件が高くなっお高額に なる。これらの新しいセンサの利点を 最倧限に生かせるだけの高い解像床を 達成するために、光孊蚭蚈はさらに耇 雑になり、公差は厳しくなる。

SWIR光孊系には独特の材料が必芁 であるため、そのコストは既に高い。 このように、最新型SWIRセンサを採 甚しようずするずSWIRシステムのコ ストが二重に増加するこずから、最新 型センサは、SWIRアプリケヌション の利甚拡倧を促進した1぀前の䞖代の SWIRセンサほど、マシンビゞョンの 展望に倧きな圱響を䞎えるこずはない 可胜性が高い。

SWIRむメヌゞングは、埓来の可芖 光むメヌゞングでは実珟できなかった 玠晎らしい偉業を成し遂げるこずがで き、近幎、SWIRセンサの䟡栌が䜎䞋 したこずで、SWIRむメヌゞングはか ぀おないほど利甚しやすくなった。し かし、ピクセルサむズがさらに小さく なった最新型のSWIRセンサは、最高 性胜のSWIRシステムにメリットがあ るものの、倚くの人々にずっおは、 SWIRむメヌゞングはコストが高すぎ お手が出せないずいう状況に逆戻りし おいる。そのため、最新型センサは、 倚くのマシンビゞョンシステム蚭蚈者 に敬遠されお、より手頃な䟡栌の SWIRセンサが巻き起こした1぀前の 波を䞊回る波を生み出すこずはないか もしれない。

著者玹介 コヌリヌ・ブヌンCory Booneは、米゚ドモ ンド・オプティクス瀟Edmund Opticsの技 術マヌケティングマネヌゞャヌ、ニック・シシ ュカNick Sischkaは、同瀟むメヌゞング補 品開発担圓ディレクタヌ。

むメヌゞングレンズの基瀎

クリストファヌ・ラッれ

正しいレンズを遞択するこずは、マシンビゞョンシステムの開発における重 芁なステップである。

マシンビゞョン、たたはむメヌゞン グは、成長著しい分野である。ファク トリ・オヌトメヌション、自埋型システ ム、ラむフサむ゚ンス、航空宇宙、ロ ゞスティクスなど、さたざたな分野の ゚ンゞニアが、自動化ずいう目暙の達 成を支揎するためにビゞョンシステム を開発しおいる。

正しいレンズを遞択するこずは、マ シンビゞョンシステムの開発における重 芁なステップである。本皿では、この 䜜業を正しく導くこずを目的に、適切 なレンズを遞択する方法を解説する。

マシンビゞョンシステムの 芁件定矩

マシンビゞョンシステムのレンズ遞 択における最初のステップは、アプリ ケヌションの芁件を定矩するこずであ る。遞択を巊右する2぀のパラメヌタ は、䜜動距離ず芖野である。これらの パラメヌタの具䜓的な定矩は以䞋のず おり。

・ 䜜動距離Working DistanceWD −レンズの前面たたは第䞀面から怜 査察象物䜓たでの距離

・ 芖野Field of ViewFOV−怜査 察象物䜓の撮圱可胜領域。物䜓の この郚分が、カメラのセンサの芖界 を占めるこずになる。この領域は䞀 般的に、蚈算を容易にするために、 氎平芖野HFOVたたは垂盎芖野

VFOVの寞法に制限しお算出さ れる。

党䜓的なFOV氎平×垂盎の寞法、 HxVを芏定する際には、䞀般的なマ シンビゞョンセンサのアスペクト比瞊 に察する暪の比率が4:3になるこずに 泚意しおほしい。氎平か垂盎かにか かわらずFOVずいう重芁なパラメヌ タを定矩しお、それを本皿で説明する 蚈算に䜿甚しなければならない理由 は、そこにある。

WDずFOVを定矩したら、次に芏 定するパラメヌタは、センササむズず 必芁解像床である。

センササむズ

カメラセンサのアクティブ領域のサ むズは、1/1.1むンチ、2/3むンチ、 1.2むンチなど、むンチ単䜍の分数た たは小数倀で芏定される。

この甚語䜓系が、アナログ真空管の センサに盞圓するものに基づいおいる こずは特筆すべき点である。アナログ 真空管はもう䜿われおいないが、倧倚 数のセンサメヌカヌが今でもこの仕様 を採甚しおいる。センサのアクティブ 領域の重芁な項目は、氎平方向ず垂盎 方向の寞法FOVを求めるためずセ ンサの察角寞法察応レンズを刀断す るためである。

解像床

解像床ずは、むメヌゞングシステム で刀別可胜な、物䜓の最小フィヌチャ

サむズである。解像床は、1mmあたり のラむンペアLP/mmを単䜍ずする 空間呚波数ずしおより正確に衚される。

適切な解像床を決定するには、アプ リケヌションで解像する必芁のある最 小フィヌチャのサむズを定矩しおから、 そのフィヌチャのピクセル数を定矩す る。この倀は、アプリケヌションの目 的によっお異なる。フィヌチャあたり のピクセル数を遞択する方法に぀いお 具䜓的な定矩は存圚せず、定めた解像 床で十分かどうかを知るにはそれを詊 しおみるしかないが、いく぀かの䞀般 的なベンチマヌク倀を以䞋に瀺す。

フィヌチャあたりのピクセル数

3 怜出

4 向きの怜出

10 認識

は必芁ないが、特定のアプリケヌショ ンに必芁なレンズの品質を決定するた めに䜿甚される。

考察が必芁なその他のパラメヌタ は、被写界深床Depth Of Field DOFず、IP等玚、振動耐性、アサヌ マル化などの環境的芁件である。被写 界深床ずは、蚱容可胜なフォヌカスを 完党に維持できる最倧物䜓深床のこず で、+/-X.Xmmの圢匏で䞀般的に衚さ れる。

䞊蚘の芁件ず

レンズパラメヌタの関係  以䞊で、レンズに必芁なすべおの仕 様が揃ったので、次は、必芁な焊点距 離Focal LengthFLを蚈算する。こ の倀は、以䞋の匏で近䌌できる。

意しおほしい。䟋えば、FLの抂算倀 が19.7mmであったずするず、それず 党く同じ倀のレンズはおそらく芋぀か らないので、システムの柔軟性に応じ おその倀を倧きくたたは小さくする必 芁がある。

16 識別 F倀 回折限界 解像床 被写界 深床 光スルヌ プット 開口数

これを䜿甚しお最小ピクセルサむズ を求め、以䞋の匏でLP/mmに倉換す るこずができる。

この情報は、レンズのサむズの決定に

ここで、Hはセンサの氎平寞法、 WDは䜜動距離、HFOVは芖野の氎平 寞法である。垂盎寞法を重芁な枬定倀 ずしお䜿甚する堎合は、氎平寞法の郚 分を単に垂盎寞法に眮き換えるずよい。  これによっお、芏定したHFOVず WDに察しお必芁なFLの抂算倀が埗 られる。FLは、さたざたなメヌカヌの 間で比范的暙準化されおいるこずに泚

䞊蚘の匏に瀺されおいるように、FL ずFOVは互いに反比䟋の関係にある。 䟋えば、䞊蚘の匏で䜿甚したHFOVを、 ビゞョンシステムの最小芁件ずみなす のであれば、抂算倀よりも䞀段階小さ なFLを遞択しおFOVを広げるのがよ い。぀たり、ここでは19.7mmの代わ りに、より暙準的な16mmのレンズを 遞択する。

以䞊の手順で、アプリケヌションに 䜿甚するセンサをカバヌするための、 必芁なFLを持぀レンズを遞択するこ ずができる。そのレンズでセンサのど れだけの倧きさがカバヌされるかに泚 意しおほしい。倧きすぎるものを遞択 するず、必芁以䞊のコストを費やす可

図 レンズのMTF 曲線の䟋。異なる空 間呚波数、すなわち、 撮圱察象物䜓のフィ ヌチャサむズにおい お、達成可胜なコン トラストのレベルを 瀺す提䟛゚ドモン ド・オプティクス瀟

䞻芁なレンズパラメヌタ  以䞊の手順でレンズを遞択したら、 アプリケヌションの芁件を満たしおい るこずを確かめるために、性胜曲線を 参照する。たず確認する最も重芁な曲 線は、倉調䌝達関数MTF曲線で、 その定矩は次のずおりである。

倉調䌝達関数。 倉調䌝達関数 Modulation Transfer Function MTFは、空間呚波数解像床の関 数ずしお、レンズがコントラストをど のように再珟するかを衚す、情報密床 の高い指暙である。

胜性がある。しかし、小さすぎるもの を遞択するず、センサがカバヌされず、 ビネット口埄食、定矩は以䞋のずお りが発生する。

・ ビネット−個々のレンズ玠子の瞁や 機械的絞りによっおレンズシステム の倖偎を通る光線が遮られ、センサ に到達しない結果ずしお生じる珟象。

ここで、仕様衚を分析しお、1぀前

のステップで定矩したパラメヌタにレ ンズが察応するかどうかを確認するこ ずができる。WD/FOVの芁件に関連 する情報が、提䟛されおいる仕様の䞭 に芋぀からない堎合は、メヌカヌに問 い合わせおそれらのグラフを入手する か、光孊゜フトり゚アが自分で䜿甚で きる堎合は、゜フトり゚アに入力する 数倀を問い合わせるずよい。

図 レンズの被写 界深床曲線。レンズ の䜜動距離のずれが むメヌゞの焊点に䞎 える圱響を、コンス トラストパヌセント 単䜍で衚しおいる 提䟛゚ドモンド・ オプティクス瀟

図2 は、センサチップの任意の箇所 におけるコントラストず空間呚波数の 関係を衚しおいる。マシンビゞョン目 的で必芁ずなるおおよその最小コント ラストは、20%である。これに基づき、 20%のコントラストにおける空間呚波 数ずしお、レンズ性胜を倧たかに定矩 するこずができる。このグラフから、 むメヌゞ領域すなわちむメヌゞセンサ 䞊においお最も性胜が䜎いフィヌル ドここではチップの䞭心から8mmの コヌナヌ郚は、20%のコントラスト で玄175lp/mmであるこずが、倖挿に よっお掚定できる。レンズ倍率をこれ に乗算するだけで、これを物䜓領域に 倉換するこずができる。

被写界深床。 アプリケヌションの芁 件によっおは、所定のWDずF倀にお けるレンズのDOFも知りたい堎合が ある。レンズのDOF曲線の䟋を 図3 に瀺す。

MTF曲線ず同様に、Y軞はコント ラストである。ただし、DOF曲線のX 軞は、䜜動距離のずれである。このグ ラフにおいお、0.0のポむントは最良フ ォヌカスを衚し、X軞に沿った+/-の 距離は、むメヌゞのフォヌカスが維持 される深床を衚す。これは、特定の解 像床芁件この䟋では20lp/mmで定

矩され、䞀般的には20%のコントラス トにおいお定矩される。

䞎えられたDOFが十分でない堎合 は、レンズのF倀f/#を倧きくする こずによっおその倀を倧きくするこず ができる。このパラメヌタの定矩は以 䞋のずおり。

・ F倀−党䜓的な光スルヌプット、 DOF、所定の解像床におけるコン トラストを生成する胜力を制埡す る、レンズの蚭定。

F倀を倉曎するこずの圱響を、p15の 衚にたずめお瀺す。䞊の行はF倀が倧 きくなった堎合 Ʌ 、䞋の行は、F倀が 小さくなった堎合 V に、各パラメヌタ が増加改善するか Ʌ 、それずも枛 少悪化するか V を瀺しおいる。

F倀が小さなレンズほど高速で、よ り倚くの光をシステムに通すこずがで き、F倀が倧きなレンズほど䜎速で、 光スルヌプットは䜎いず考えられおい る。

図4 は、先ほどず同じレンズを f/2.8の代わりにf/8.0で䜿甚した䟋で ある。

このグラフでは、䜜動距離のずれの シミュレヌション倀が先ほどのグラフ よりもかなり倧きいDOFは2〜3倍。

しかし、解像床はやや䜎くなっおいる。

F倀をさらに倧きくしおいっおも、 同じ傟向が芳枬される。解像床ず DOFの適切なバランスは、アプリケヌ ション毎に芋定める必芁がある。

陥りがちな萜ずし穎  ビゞョンシステム蚭蚈においお最も 陥りがちな萜ずし穎の1぀は、レンズ ずカメラに十分なスペヌスを甚意しな いこずである。䞀般的に、倧半のレン ズの最小䜜動距離は、䞭皋床の焊点距 離8〜25mmに察しお100mm、焊 点距離がそれよりも長い堎合は最倧で 750〜1000mmである。WD:FOVを

4:1ずするのが䞀般的な経隓則である。 これは䞇胜の解決策ではないが、これ を基準ずしお採甚するこずで、将来的 な頭痛の皮を回避するこずができる。

良いマシンビゞョンレンズは高䟡かも しれないが、フルカスタムの゜リュヌ ションほど高䟡ではない。

結論

レンズの遞択は、出発点がわからな ければ気が重い䜜業かもしれない。埮

図 図2および図 3ず同じレンズを f/2.8の代わりに f/8.0で䜿甚した堎 合の被写界深床曲線 提䟛゚ドモンド・ オプティクス瀟

図 図2および図 3ず同じレンズを f/2.8の代わりに f/8.0で䜿甚した堎 合のMTF曲線提䟛 ゚ドモンド・オプティ クス瀟

劙な刀断が必芁で、実隓宀環境での詊 行錯誀が必芁になる堎合もある。正し いレンズ゜リュヌションの遞定に悩む 堎合は、むメヌゞングレンズのメヌカ ヌにガむダンスやアドバむスを求めお ほしい。

著者玹介 クリストファヌ・ラッれChristopher Razze は、米゚ドモンド・オプティクス瀟Edmund Opticsのマシンビゞョンセヌルス゚ンゞニ ア。

アサヌマルマシンビゞョンレンズずは䜕か

レベッカ・シャボニュヌ

アサヌマルむメヌゞングレンズは、耐久性に優れ、極端な枩床倉化に耐え、 暙準的な垂販レンズで起こりがちな性胜の倉化を最小限に抑える。

マシンビゞョンやむメヌゞングシス テム向けに開発された、暙準的な垂販 のむメヌゞングレンズは、枩床制埡さ れた環境や、枩床倉化がわずかな甚途 においお、適切に機胜する。しかし、 枩床の極端な倉化や広範囲な倉化にさ らされる高性胜ビゞョンシステムにお いおは、枩床䟝存の性胜倉化を最小限 に抑えるこずのできる、アサヌマル化 したむメヌゞングレンズが、良い遞択 肢である。

アサヌマル化ずは  アサヌマル化ずは、オプトメカニカ ルシステムに極端な枩床や枩床倉化に 察する十分な耐久性を持たせるための プロセスを指す。たた、そのプロセス を斜したオプトメカニカルシステムを 衚す語でもある。

物質は、枩床倉化に応じお膚匵収 瞮する。この物質の倧きさの倉化図1 は、熱膚匵係数CTEによっお衚すこ

ずができる。

匏1 は、線圢熱膚匵係数 CLTEである。これずは別に、面積 膚匵係数や䜓積膚匵係数が存圚する が、そのすべおをCTEず呌ぶ。CLTEは、 最も䞀般的に䜿甚される圢匏である。

メヌゞングレンズが必芁である理由が わかる。

むメヌゞングアセンブリは、䞀連の ガラス玠子を配眮した耇数の集合䜓 が、より倧きな金属鏡筒の䞭に収玍さ れた構造をずるため、極端な枩床倉化 にさらされるマシンビゞョンシステム を蚭蚈する際には、その他の圱響も考 察する必芁がある。

匏1 線圢熱膚匵係数は、物質の長さ Lず、その代衚長さに沿った枩床募 配の逆数 dL/dTに䟝存する。

各倉数は以䞋のずおりである。

・ CTLEは、䞀般的に蚘号αL で衚蚘 され、枩床の逆数の単䜍1/℃で 芏定される

・ Lは、物質の長さ ・dL/dTは、長さに察する枩床募配 の逆数

この匏により、枩床の極端な倉化や 広範囲な倉化にさらされる高性胜ビゞ ョンシステムに、枩床䟝存の性胜倉化 を最小限に抑えるためのアサヌマルむ

図 枩床Tが倉化するず、物質の長さLは、その物質の線圢熱膚匵係数CLTEに基づい お倉化する本皿の図はすべお、゚ドモンド・オプティクス瀟提䟛

熱デフォヌカスは、レンズシステム の動䜜枩床範囲における屈折率の倉化 ず物質のサむズ倉化の䞡方に盎接関係 する。

䟋えば、加熱されたレンズ鏡筒は膚 匵し、玠子の頂点ず頂点の間隔が離れ るため、いくらかのディセンタヌ䞭 心ずれやロヌル回転が生じる。こ れによっおガラス物質の屈折率が倉化 し、そのすべおが組み合わさっお、枩 床倉化に䌎うレンズシステムの焊点䜍 眮に圱響を䞎える図2 。その他の芁 因ずしおは、光孊収差、焊点距離、チ ップ、チルト、ディセンタヌの倉化な どがある。

アサヌマル化の皮類

枩床による焊点距離の倉化を最小化 するためのアサヌマル化は、アクティ ブたたはパッシブに行うこずができる。 これらの甚語は、蚱容可胜な動䜜条件 を維持するための調敎を行うために必 芁な、補償操䜜の皮類を指す。

パッシブなアサヌマル化は、熱光孊 効果Thermo-Optic EffectTOEず、 物質のCTEの差の䞡方を利甚し、屈 折率ずサむズの䞡方の倉化を補償する ように物質を光孊系の蚭蚈に組み蟌む こずによっお、行われる。異なる物質

を組み合わせるこずにより、ナヌザヌ の介入や倖郚の電気機械的支揎を加え る必芁なく、特定の枩床範囲においお 枩床が倉化しおも焊点距離を固定させ るこずができる。パッシブなアサヌマ ル化は、技術的芁玠が少ないため、䞀 般的にスペヌスや重量に制玄のある甚 途により適した補品が補造される。

アクティブなアサヌマル化では、補 助的なハヌドり゚アや筐䜓の远加が必 芁になる可胜性がある。それらは、レ ンズシステムの焊点を「アクティブ」 に補償たたは修正するか、あるいは、 蚭蚈焊点距離にレンズシステムを維持 するための加熱たたは冷华機胜を提䟛 する。前者の堎合は所望のシステム焊 点䜍眮で、埌者の堎合は枩床蚭定点で、 光孊玠子を安定化させるために、アク ティブシステムに察するフィヌドバッ ク制埡ルヌプが必芁である。アクティ ブなアサヌマル化には、より䞀般的な 光孊物質が䜿甚され、動䜜枩床範囲の 広いアプリケヌション環境での䜿甚に 察するより高い耐久性が埗られるが、 䞀般的にサむズはより倧きく、実装コ ストはより高くなり、たた、䜕らかの 圢で電力を䟛絊する必芁がある。

性胜確認方法

アサヌマルレンズの性胜の確認に は、米れマックス瀟Zemaxの「Zemax OpticStudio」や米シノプシス瀟 Synopsysの「CODE V」などのレ ンズ蚭蚈゜フトり゚アに、CAD゜フト り゚アを組み合わせお、むメヌゞング レンズの光孊機械性胜ず光熱性胜のシ ミュレヌションたたはモデル化を行う のが䞀般的である。熱効果のシミュレ ヌションを行えば、レンズ蚭蚈の熱倉 化に察する反応に぀いお、いくらかの 知芋が埗られるが、これらのシミュレ ヌションは範囲がかなり限られおいお、

図 枩床倉化によっおレンズの屈折率ず䜍眮が倉化するこずで、レンズの焊点距離が倉化する

図 焊点距離150mmのアサヌマルむメヌゞングレンズの-10℃ず+50℃におけるMTF性胜

䞍正確である堎合が倚い。

所定の枩床範囲における性胜指暙を 芏定するむメヌゞングレンズメヌカヌ は、最先端の熱性胜テストチャンバの 䞭でのレンズ詊隓で収集したデヌタに よっお、その性胜を保蚌するこずがで きるはずである。テストチャンバの環 境枩床を倉化させながら、1぀以䞊の 重芁な動䜜パラメヌタの倉化を、テス トベンチで蚘録する。固定焊点距離の レンズを含む、ほずんどのむメヌゞン グレンズに察しお、取埗できる最も有 甚なパラメヌタは、倉調䌝達関数 Modulation Transfer Function MTFである。MTFは、レンズが生 成する画像のコントラストの倉化を、 空間呚波数たたは解像床の関数ずしお 衚す、光孊䌝達関数である。補造工皋

図 商甚提䟛されおいる独トラむオプティクス瀟TRIOPTICSのMTFテストステヌションにお けるむメヌゞングレンズの詊隓

図 宇宙分野で䜿甚されるむメヌゞングレンズは、広範囲の枩床倉化に耐えられるようにアサヌ マル化する必芁がある

におけるむメヌゞングレンズのMTF の枬定には、 図4 のようなテストステ ヌションが䜿甚される。MTF曲線か ら゚ンドナヌザヌは、指定範囲の任意 の枩床におけるレンズ性胜を予枬する こずができる。他の皮類のレンズに察 しおは、その他のパラメヌタの解析が 必芁になる堎合がある。䟋えば、テレ セントリックレンズの堎合は、䞻光線 角床の倉化を解析する必芁がある。

アサヌマルむメヌゞングレンズの 応甚分野

アサヌマルむメヌゞングレンズが最 適ずなる応甚分野ずしおは、無人航空

機Unmanned Aerial VehicleUAV やドロヌンによる航空宇宙むメヌゞン グ、監芖、過酷な工堎環境における補 造などがある。䟋えば、UAVは、倧 気圏の高い高床を飛行しお調査を行う ため、激しい枩床倉化にさらされる可 胜性がある。UAVドロヌンは蟲業に おいお、䜜物の健康状態ず生産量の調 査を目的ずした利甚が増加しおいる。

ファクトリオヌトメヌションはこれ たで垞に、マシンビゞョンが最も倚く 利甚される垂堎の1぀で、䞭には、暙

準型のむメヌゞングシステムコンポヌ ネントを損傷する恐れのある環境因子 を含む補造斜蚭もある。そのような因 子ずしおは、極端な枩床以倖に、衝撃、 振動、りォッシュダりン甚の高枩高 圧掗浄氎などがある。溶接やレヌザ材 料加工の怜査においおも、むメヌゞン グシステムが過酷な枩床にさらされる 可胜性があるため、アサヌマル化した システムを、専門家は掚奚する。

過酷な環境におけるむメヌゞングシ ステムの需芁は高たっおおり、それら のシステムには、さらに厳しい性胜芁 件が課される。極端な枩床や倉化する 枩床に察応するには、枩床倉化に察し お蚭蚈補償によっお感床が抑制されお いるか、シヌルドされおいるビゞョン システムが必芁である。このようなア サヌマル化芁件は、暙準の垂販むメヌ ゞングレンズの限界を超えおおり、カ スタム゜リュヌションが必芁であるこ ずを意味する堎合が倚い。アサヌマル 化は、さたざたな保護等玚のむメヌゞ ングレンズに適甚可胜で、その䞭には、 他よりもコストのかかるものや、暙準 のレンズよりも長い詊隓時間を芁する ものもある。そのため、䞀から蚭蚈さ れたカスタムむメヌゞングレンズに察 しおアサヌマル化を怜蚎するほうが、 暙準たたは垂販のむメヌゞングレンズ を改良するよりも䞀般的に容易であ る。どのようなアプリケヌション環境 においおも、゚ンゞニアが、すべおの システムレベルのアプリケヌション芁 件を理解し、レンズメヌカヌず緊密で 明確なコミュニケヌションを維持する こずが重芁である。そうした手順に埓 うこずで、性胜仕様を満たすカスタム レンズを確保するこずができる。

著者玹介 レベッカ・シャボニュヌRebecca Charboneauは、米゚ドモンド・オプティクス瀟Edmund Opticsの光孊゚ンゞニア。

埌蚘

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