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FASHION TRANSPARENCY INDEX 2020 EDITION 世界の主流ファッションブランドと小売業者250社を対象に行われた調査 社会的・環境的な方針と実践、そしてその影響についての情報をどの程度 開示しているかを元にランク付けされています。


FASHION REVOLUTION | FASHION TRANSPARENCY INDEX 2020

01

CONTENTS 02 04

主な調査結果 概要

07 08 09 10 11 12 13 14 15 16

このレポートについて なぜ透明性が重要なのか 透明性が意味することは何か? 研究の目的 方法論について 方法論の年次更新 スコアの重み 研究の実施方法 ブランドと小売業者の選択方法 ブランド A-Z

17 18 19

最終スコア スコアガイド 最終スコア

21 22 23 30 34 39 41 47 48 60

5つのセクションにわたる最終スコア セクション全体の平均スコア 1. ポリシーと公約 2. 経営管理 3. トレーサビリティ 事例研究 4. 把握・開示・改善 視点: Ben Vanpeperstaete(人権専門家) 5. 重点課題 視点: Garment Worker Centre

61 62 62 62 63 64 65 66 67 68

最終結論と推奨事項 透明性に向けての行動 ブランドと小売業者 政府と政策立案者 市民 THANK YOU! ANNEX 1 参考文献 ANNEX 2 定義と略称 免責事項 ファッションレボリューションについて

この出版物の内容は、ファッションレボリューションの資金提供者の見解を代表して反映するものではありません。 ©Fashion revolution CIC 2020. All rights reserved. この文書は、ファッションレボリューションCICの許可なくコピーまたは転用することはできません。


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KEY FINDINGS 主な調査結果

23%

調査した250社の ブランド全体の 平均スコア

2019年から2ポイント上昇(200ブランド)

各セクションの平均スコア

POLICY &COMMITMENTS

GOVERNANCE

TRACEABILITY

ポリシーと公約

経営管理

トレーサビリティ

29%

16%

52%

2017年から3ポイント上昇(100ブランド)

2020年のブランド トップ10 (%)

KNOW, SHOW& FIX

SPOTLIGHT ISSUES

情報の把握、表示、修正

17%

2020年の最低得点 ブランド (%)

重点課題

15%

2019から上昇ブランド トップ10

H&M (H&M Group)

73%

Bally

0

Monsoon

+23

C&A

70%

Adidas/Reebok

69%

Belle

0

Ermenegildo Zegna

+22

Esprit

64%

Elie Tahari

0

Sainsbury’s-TU Clothing

+19

Marks & Spencer

60%

Heilan Home

0

Dressmann

+17

Patagonia

60%

Jessica Simpson

0

ASICS

+15

Max Mara

0

Urban Outfitters / Anthropologie

+15

Mexx

0

Clarks

+14

Pepe Jeans

0

Pimkie

+13

The North Face / Timberland / Vans / Wrangler (VF Corp)

59%

Puma

57%

ASOS

55%

Tom Ford

0

River Island

+13

Converse / Jordan / Nike

55%

Youngor

0

Russell Athletic

+13

(Nike Inc.)


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サプライヤーリストを公開して いるブランドの割合 2017

2018

(100 ブランド)

(150 ブランド)

2019

(200 ブランド)

一次製造者

40% 35%

2020

(250 ブランド)

03

2017年以降の 最高得点ブランド 2020

2019

H&M (H&M Group)

73%

Adidas/Reebok

64%

C&A

70%

Patagonia

64%

Adidas/Reebok

69%

Esprit

62%

Esprit

64%

H&M (H&M Group)

61%

Patagonia / Marks & Spencer

60%

C&A

60%

37% 32% 加工施設

24% 19% 18% 14% 原材料のサプライヤ―

7% 5% 1%

2018

2017

Adidas/Reebok

58%

Adidas/Reebok

49%

Puma

56%

Marks & Spencer

48%

H&M (H&M Group)

55%

H&M (H&M Group)

48%

Esprit

54%

Puma

46%

Gap

54%

Gap

46%

25%

2019年と2020年に 調査された198ブランドの 平均スコア

28%

2018年以降に調査された 148ブランドの平均スコア

32%

2017年以降に調査された 98ブランドの平均スコア

0% 2019年以降3%上昇

2018年以降7%上昇

2017年以降12%上昇


FASHION REVOLUTION | FASHION TRANSPARENCY INDEX 2020

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概要 Fashion Transparency Index 2020に ついて これは、世界の主流ファッションブラン ドと小売業者250社を対象に行われた調 査で、社会的・環境的な方針と実践、そ してその影響についての情報をどの程度 開示しているかを元にランク付けされて います。 今年はオーストラリア、インド、ニュー ジーランド、ノルウェー、ポーランド、 南アフリカ、スイスなどにある50の 主流ブランドと小売業者を新たに足して 調査しました。また、今年は、Fashion Nova(米国)、Kovs(インド) 、Pretty Little Thing(英国)など、い くつかのオンラインショッピングサイト も追加しました。 Fashion Transparency Indexは、動物 福祉、生物多様性、化学物質、気候、デ ューデリジェンス、強制労働、結社の 自由、男女平等、購買活動(調達活動) 、サプライヤーの開示、廃棄物リサイク ル、労働条件など、幅広い社会や環境に 関する220の指標を比較しています。

ハイストリートブランドは透明性をリー ドしていますが、高級ブランドも進歩し ています 今年最高得点ブランドは73%の得点を出 したH&M(H&Mグループ)でした。70% でC&A、69%でAdidasとReebok、64% でEspritが続いています。 250ブランドの全体的な平均スコアは 23%です(2019年の200ブランドの 21%から増加しています)。 Gucciは、2019年の40%から48%と なり今年のラグジュアリーブランドの 最高得点でした。規約公約の部門では 100%のスコアを獲得した唯一のブラ ンドです。Balenciaga(47%)、Saint Laurent(47%)、Bottega Veneta(46 %)など、他のKering Groupブランドが Gucciの後に続きます。 Ermenegildo Zegnaは、詳細なサプ ライヤーリストを公開した最初のラ グジュアリーブランドになりました。 ただし、Hermèsは所有および運営す る製造業者とサプライヤーの多くを 長年にわたり開示しているブランド です。一方、Balenciaga、Bottega Veneta、Gucci、Saint Laurentも今

年、いくつかの原材料サプライヤーを発 表しました。私たちは、より多くのラグ ジュアリーブランドがこの先導に続くこ とを期待しています。

Fashion Transparency Indexへの参加 は、 ブランドにより多くの社会的および 環境的情報を開示する影響を与えてい ます

大多数のブランドと小売業者は、社会的 および環境的な問題の透明性に欠けて います

Fashion Transparency Index 2020に参 加した(アンケートに回答すること)ブ ランドは、(250ブランドすべての平均 が23%に比べ)全体の平均得点は35% でした。非参加ブランドは、全体の平均 得点が11%でした。

半分以上(54%)のブランドの得点は 20%以下です。ただし、2019年と比 較して今年は低い得点のブランドの数が 少なくなっています。昨年のブランドの 36%と比較して、ブランドの28%は10 %以下の得点です。 2020年のインデックスに追加され た新しいブランドのうち、Canada Goose、Fashion Nova、Pepe Jeans、DKNYを含む15のブランドが5 %以下の得点です。 何も開示していないブランドには、スイ スのラグジュアリーブランドBally、 ready-to-wearブランドのElie Tahari、Jessica Simpson’s、オランダ のハイストリートブランドのMexx、中 国の小売業者であるBelle、Helian Home、Youngorなどがあります。

2020年の得点上位20%に入るブラ ンドと、40%を超えるスコアのす べてのブランドが、今年のFashion Transparency Indexに参加しました。 ただし、Gap、Uniqlo、Walmartなど、 約30のブランドのスコアは2017年か ら2020年にかけてほとんど変化してい ません。これは、他のブランドと比較 して、過去3年間において透明性の向上 に向けた措置を講じていないことを意 味します。


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ブランドは、 ポリシーについての情報は 公開しているが、 それをどのように実践 していくのかの説明はしていない ブランドはポリシーに関してはより多く の情報を開示していますが、それをどう 実践していくかの方法のあまり記載はし ていません。産業やサプライチェーンに おいての社会的および環境的問題につい ては記載していても、それに対するブラ ンドの取り組みや進歩状況、結果の記載 をしているブランドも多くありません。 これは、他のすべてのセクターの平均得 点が30%未満であるのに対して、ポリ シーおよびコミットメントセクションの ブランド間の全体的な平均得点が52% であるという調査結果によって証明され ています。 良いニュースとしては、ブランドが昨年 よりも多くのポリシーを公開しているこ とです。(2020年のセクション平均得 点は、2019年の48%と比較して52% でした)しかし、社外の組織が関わる事 項:例えばサプライヤーのリスト公開、 監査結果、給料情報、気候影響データな どについての情報開示に関して透明性を 欠いています。

05

インフォメーションダンピング※は現在 進行形の問題

サプライヤーリストの開示に関する有 望な進展

サプライチェーンの労働者の生活賃金 に対する透明性の欠如が続く

一部のブランドではデータと情報投棄 は意図的な戦略として使われることが あります。様々なブランドが同じよう な情報を何度も繰り返しWebページ やドキュメントに掲載していることが わかりました。多くの場合、用語はわ ずかに異なりますが、実質的な違いは ありません。ブランドは外部の利害関 係者にとって実際に関連性のある重要 な情報またはデータを不明瞭にするた め、大量のつなぎ言葉とふわふわした 実態のない説明および詳細を提示する 事がしばしばあります。私たちは事実 や統計のなかに矛盾するようなケース があることも探しあてました。

40%のブランド(250のうち101)が 自社の製造元を公開しており(2019 年の35%から増加)、24%のブランド (250のうち60)が自社の設備や工場 を公開しています。(2019年の19%か ら増加)また、7%のブランド(250の うち18)が一部の原材料サプライヤー を公開しています。(2019年の5%か ら増加)

昨年の調査結果同様、ブランドや小売 業者の大多数は、給与を改善し、サプ ライチェーンの生活賃金を達成するた めの取り組みの情報を公開していませ ん。ブランドの4分の1(23%)未満し かサプライチェーン労働者への生活賃 金の支払い情報を開示していません。

何らかの理由でこれが発生すると、ブ ランドが実際に開示している情報を人 々が理解することが非常に困難になり ます。透明性と説明責任の逆効果にな る可能性があります。ブランドが本当 は何を開示しているのかを理解するた めに多くの時間をかけて読み込む必要 があり、そんなに時間に余裕のある人 は多くいません。 最もコミュニケーションに優れているブラ ンドは、簡潔で論理的かつ詳細な方法で 何を行っているのかを説明しているブラン ドです。また彼らは実際にはあまり知るこ とのない難しい業界の専門用語やフワフ ワした言い回しの使用を避けます。

※インフォメーションダンピング:圧倒的な情報量を意味もなく羅列してみる人を困惑させること

トレーサビリティの全体的な平均得点 は、2019年の12%および2017年の8 %から16%に増加しました。 来年は、サプライヤーリストを公開し ているブランドが50%(またはそれ以 上)と、サプライチェーンの加工施設、 工場、皮なめしおよび原材料サプライヤ ーを開示しているブランドが増えること を期待しています。 また、レポートの後半で4つの事例を取 り上げ、いかにジャーナリストや労働者 権利団体がサプライヤーリストを利用 し、主要ブランドのサプライチェーンの 劣悪な労働環境に対処・改善したかをハ イライトしているのでご覧ください。

サプライチェーン全体の労働者の生活賃 金をどのように達成するかについて、 期限つきの測定可能なロードマップまた は戦略を公開しているブランドは2%の 5つだけでした。一方、サプライチェー ンで賃金が支払われる最低賃金率を超え るパーセンテージに関するデータを公 開しているブランドも5つ(2%)だけ でした。 これは、基本的な生活必需品の購入にで さえ困窮する繊維サプライチェーンの多 くの労働者にとって死活問題です。これ は複雑な問題ですが、主要なブランドや 小売業者にとってより適切な対応と透明 性がなければ、労働者に公正な賃金が支 払われるまでには非常に長い時間がかか ってしまいます。


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ほとんどのブランドは購買活動(調達活 に関する情報を開示していない 動)

新コロナウイルス感染症は過剰消費に スポットライトを当てる

責任ある購買活動(調達活動)は、サ プライヤーが労働者に適切で信頼でき る賃金を支払う能力と密接に関連して います。しかし、ほとんどのブランド はサプライヤーとの優れたビジネスパ ートナーになるために何をしているの かについての情報を驚くほどほとんど 開示していません。

人々は家にとどまることを余儀なくさ れ、小売店は世界中で閉鎖されていま す。衣料品の需要は今年の初めから急減 しています。これは人々がお金を費やす ものを再評価し、優先順位を付け直す機 会となっています。

わずか11%のブランドのみが、人件費 が保証されており、価格交渉不可能で あることを担保するかを説明していま す。そして、6%のブランドのみが60 日以内にサプライヤーに支払う方針を 発表しています。

新コロナウイルス感染症のパンデミッ クは透明性が非常に重要である理由 を証明しました 主流ブランドや小売業者がビジネス価 値、サプライヤーが誰で、サプライチ ェーンポリシーはどのようなものであ り、サプライヤーとの取引方法や売買 契約についての情報を公開しているの であれば、ステークホルダーは、今ま さに起こっているような主流ブランド が支払い停止又は遅延させ、サプライ ヤーからの注文をキャンセルすること がいかにサプライチェーン全体の労働 者の生活に影響を及ぼすかをブランド に責任追及出来るはずです。

世界的なトレンド予報社WGSNのファッ ションディレクターであるFranciscan Mustonは、ジャーナリストのMarc Bain にファッションの熱狂的なトレンドの転 換は減速する可能性があり、石油会社は 収益性を維持するためにより少なく、よ り良い品質の製品を提供することに集中 し始めている、と語りました。 このため、年間生産量に関するデ ータを公開しているブランドが、 驚異的な数値を報告していないこ とは興味深いことです。たとえ ば、inditex [bershka Massimo dutti, Pull&Bear、Stradivarius、Zeraを所有す る親会社]は昨年、16億以上の商品を生 産したと報告しています。 さらに、いくつかのメディアのレポート によると、数十のブランドがロックダウ ン中の在庫が山積する状況を受け、発注 した商品の受け取りをを中止したと報告 しています。私たちの調査の結果で20 %のブランドのみが、衣服が商品棚に届 く前に創出される廃棄物の量軽減のため に取っているステップの情報を公開して おり、18%のブランドのみが循環解決策 として繊維から繊維への循環リサイクル 行っていることを考慮しても、この大量

06

の過剰在庫はどうなるのだろうと懸念せ ざるを得ません。

も高い)で排出された年間の二酸化炭素 排出量を公表していません。

気候危機はブランドにとってますます重 要な問題になっており、影響削減のため にブランドが何をしているのかについて より高いの透明性が必要

これらの調査結果に対応する

主流ブランドの78%がエネルギー使用 と二酸化炭素排出量に関する企業ポリシ ーを公開し(昨年72%から増加)、52 %がこのトピックに関する以前のポリシ ーを公開しています(昨年49%から増 加)。 ただし、SBT(science-based targets)を公開しているブランドはわ ずか16%です。彼らの環境目標は、地 球温暖化を産業革命前のレベルより2度 低く抑えるというパリ協定の目的と一致 していることを示します。 そして、ブランドのわずか16%がサプ ライチェーン内(衣類のライフサイクル 全体で排出される二酸化炭素の割合が最

Fashion Transparency Indexにより、世 界最大のファッションブランド や小売 業者の一部に、透明性を高めるために何 ができるかについて、建設的な検討を行 うことができました。 私たちは、透明性がこれらの主流ブラン ドにとってビジネスを進めていく上で人 権と環境への影響を説明する最初のステ ップであると信じています。 今後もこのインデックスを使用して、ブ ランドの透明性に関する年間の進捗状況 を測定し、社会的問題や環境問題におけ る方針や行動に対してより大きな責任 を負うように、ブランドをより迅速かつ 迅速に推進します。 2020年の結果をさ らに詳しく知るために、レポートの残 り部分に眼を通して頂くことをお勧めし ます。

“The hidden and forgotten dwell in the shadows of our clothes.” 隠され、忘れられた人々が私たち服の影に宿る

Carry Somers - co-founder, Fashion Revolution


FASHION REVOLUTION | FASHION TRANSPARENCY INDEX 2020

1 このレポート について

07


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なぜ透明性が 重要なのか 透明性の欠如は、命を犠牲にする 今から7年前の2013年、 バングラデシ ュで5つの縫製工場が入った商業ビル 「ラナ・プラザ」の崩壊事故が起こり、 そ こで働いていた何千数人もの衣料品 労働従事者が死亡・負傷しました。生 き残った人々は、 そこで何が製造され ていたのか確かめるため、瓦礫を掘り 起こし、完成した商品付けるタグを探 し出し、 ブランド名を突き止めました。 世論の高まりを受け、各ブランドは状況 説明を求められましたが、なぜ瓦礫の中 から自社ブランドのタグが発見されたの か、どのような買付契約をサプライヤー としていたのかを特定するのに、数週間 を要した企業もありました。その理由と して、近年の巨大なファッションブラン ドと小売業者は、製造・供給設備を自社 で所有していないため、グローバル化が 進み、細分化されたサプライチェーンの 耐震設備や火災予防、労働条件、環境マ ネジメントまで管理・監督するのは非常 に困難であることが挙げられます。

ブランドや小売業者は、常に数百、時に 数千もの工場と連携し、商品を生産して います。そのサプライヤーでさえ、製造 の最終段階で衣服を裁断・縫製し、組み 合わせる部分を担当しているに過ぎませ ん。それまでの工程には、布を織る、染 色する、プリントを施す、仕上げをす る、糸を紡ぐ、などがあり、他の多くの サプライヤーや工場が関わると同時に、 その繊維を生産する農場も必要です。 非常に痛ましい犠牲者を出したラナ・ プラザの工場火災と崩壊事故の後も、 低い労働条件での搾取や、環境汚染・ 悪化は、依然として世界のファッショ ンサプライチェーン全体の問題です。 つまり、私たち消費者が、「どこで、 誰によって衣服は作られているのか」 を知らずにいると、ファッション業界 の利害関係者が、共に問題解決に取り 組み、悲惨な事件を未然に防ぐことは 難しいのです

消費者は情報を求めている   #WhoMadeMyClothes    #私の服は誰が作ったの? 先日、ファッションビジネスサイトの Business of Fashionに、このような記 事が掲載されました。「ファッション企 業は、不信感を募らせた消費者が、バリ ューチェーンに高い透明性を求め、(中 略)ブランドのビジネスを積極的かつ入 念にチェックするようになっていること を受け入れる時です。」 ファッション業界が及ぼす社会と環境へ の影響について、消費者が良質で信頼で きる情報を得られれば、購入する際にそ れに基づいた意思決定できるようになり ます。その結果、高い透明性を持つブラ ンドは消費者の信頼を築き、透明性の欠 如はブランドイメージを損なうことと なります。

[写真上]ラナ・プラザ崩壊により死亡し た被害者の親族が、労働条件改正のため 集まる様子。(Andrew Biraj、Reuters、2014) [写真下]ニューデリー工場火災による犠 牲者を追悼する女性。(Saumya Khandelwal、The New York Times、2019)


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透明性が 意味することは何か? 透明性 [名詞]

ファッション業界において、サ プライチェーン、ビジネスの手 法、それらが労働者・コミュニ ティ・環境に与える影響につい て、広く一般に情報公開をして いること。また、そのデータは 包括的で信頼性が高く、他企業 と比較できるものであること。

透明性は、一般に情報公開すること 透明性を持つことは、ブランドの優れ た業績の情報発信をするだけではあり ません。企業にとってマイナスな情報 (例えば、過失や組織的課題、人権・ 環境保護活動における現実的な取組結 果など)を共有せず、ビジネスの価値 や前向きな進展について誇張している 場面はよくあります。これは、グリー ンウォッシュ(環境配慮しているよう に見せかけ、実態は異なること)と受 け取られかねません。 また、非常に重要なサプライチェーンに関 する情報を、業界内に限定した一部の利 害関係者と共有するだけでは、十分に情 報公開をしているとは言えません。今日ま での長い間、その悪習が業界全体に受け 継がれています。真の透明性は、公の開示 を必要としています。

透明性をうまく利用すれば、企業の説明 責任を果たせる

透明性は変化のための手段であり、 最終目標ではない

透明性の基準を用いると、企業がアピー ルする人権問題の取組や環境保全活動の 実態について、第三者(消費者、投資 家、議員、ジャーナリスト、NGO、労働 組合、労働者自身など)が詳細をチェッ クすることができます。特に、ラナ・プ ラザの事故ように悪い状況が発生した場 合、ブランドや小売業者に対して、ポリ シーや慣行に関する説明を求める場面で 役に立ちます。

国際的なファッション業界におい て、透明性は、複雑に入り組んだシ ステムの問題解決を期待できるよう な、魔法の手段ではありません。し かし、私たち皆が迅速に協力し、状 況の改善に取り組むきっかけになる ことは確かです。

企業が透明性を持っているということ は、社会的責任を果たしつつ、持続可能 な方法で企業経営しているという意味で はありません。ブランドの中には、企業 のポリシーや慣行、企業活動が及ぼす影 響について、多くの情報公開をしている ところもありますが、ファッション業界 は依然として、劣悪な労働条件や環境悪 化の原因になっています。一方で、積極 的に改善を行っているブランドもありま すが、その有益な情報も適切に公開され ていなければ、必要とする人々まで届く ことはありません。

同様に、透明性は、企業の情報開示 が最終的な目的ではありません。け れども、その情報が詳細であり、誰 もが知る状態であれば、私たち消費 者が行動を起こす発端になります。 重要なのは、私たち一人一人がその 公開情報を利用し、前向きな変化を 起こすことです。そのため、世界の ファッション業界における構造的な 変化に向けて、情報の透明性を持つ ことは初めの重要なステップである と考えています。


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調査の目的

ファッションレボリューションは、2013 年よりファッション業界全体の透明性 を高めるために行われているキャン ペーンです。 ソーシャルメディアを利用 した、#WhoMadeMyClothes( 私の服は誰が作ったの?) キャンペー ンは、何百万人もの消費者が行動 に起こすきっかけになっています。

この指標は、下記にように設計し ました。

主流ブランドと小売業者の競 争意識を利用し、 より信頼性 が高く、他企業と比較できる、 前年比の詳細の情報開示を 奨励する。

世界的なファッション産業に おける透明性の傾向を分析 する。

高い透明性のあり方について、 調査員の知見を提供し、継続 しているキャンペーンに活用 する。

このキャンペーンを発端とし、主要ブ ランドとサプライヤーが発信する社 会・環境に関する情報の分析を求める 声が上がってきました。 特に、主流ブランドに開示が求められ ている情報の内容、その情報が何を意 味するのか、その情報は広域的にどの ような捉え方ができるのか、また、そ れらを活用していかに社会変化を推進 するか、という点に強い関心が寄せら れています。その要望に応えるため、 このFashion Transparency Indexは作 成されました。

世界的に大規模なファッシ ョンブランドと小売業者につ いて、透明性のレベルを比較 する。

調査前に意図していませんでした が、参加してくれたブランドやサプ ライヤーから、各社が公開する情報 の内容やその改善の検討に、この指 標はとても参考になるという意見を もらいました。 これは、 ショッピングガイドではあり ません。 Fashion Transparency Indexは、 特定のブランドを「良い」「悪い」 と評価するものではありません。ま た、得点に関係なく、調査したどの ブランドや小売業者も、推薦や承認 をしません。この調査の目的は、世 界最大級のファッションブランドに よる社会と環境に関連する情報につ いて、一般的に理解を促し、より広 い情報の開示を企業に求めること、 そして、必要が場合は、企業に説明 責任を要求する際に利用してもらう ことです。

透明性 説明責任 変化


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方法について

Fashion Transparency Indexでは、ブ ランドや小売業者によって公開される 情報を基本とし、5つの主要分野にお いて、採点形式を用いています。 •

社会・環境ポリシーと公約

ガバナンス (経営管理)

サプライチェーンの履歴管理

情報の把握、表示、修正(サプライチ ェーンの企業精査と改善)

重点課題(労働条件、衣服ロス対 策、持続可能な原材料調達、気候変 動対策)

採点には、ブランドや親会社のホーム ページ、年次報告書と、公式にリンク されている第三者機関の情報を用い ました。

この方法を構築するにあたり、多分野の専門家や利害関係者(研究職、労働組合運 動団体、市民社会組織、社会的責任投資、ビジネスコンサルティング、ジャーナリ ズムなど)からなるプロボノチームが4ヶ月に渡って協議を行い、2017年に設計し ました。下記に、特筆すべき方々を挙げています。

Mark Anner(ペンシルベニア州立大 学, 国際労働者権利センター, センタ ー長, 博士) Neil Brown(Liontrust Asset Management PLC;専門資金マネジメ ント企業)

Kate Larsen(SupplyESChange Initiative;教育コンサルタント団体)

Dr. Alessandra Mezzadri(SOASロ ンドン大学)

Katie Shaw(Open Apparel Registry;衣料施設マッピングオープ ンソースツール)

Ian Cook(エクセター大学, 教授)

Subindu Garkhel(フェアトレード財 団)

Francois Souchet (エレンマッカーサ ー財団)

Christina HajagosClausen(IndustriALL Global Union; 国際労働組合連合)

Joe Sutcliffe(Dignified Work, CARE International;国際協力NGO, アドバイザー)

Kristian Hardiman (Good On You; エシカルファッション評価モバイルアプ リ, 社長)

Aruna Kashyap(ヒューマン・ライツ・ ウォッチ;国際人権NGO)

Ben Vanpeperstraete(人権専門家)

調査方法の 詳細は こちらから

この指標をより良いものにするため、改 善に関するご意見やフィードバックに ついて、お気軽に下記のEメールアドレ スまでお寄せください。(英語推奨)

transparency@fashionrevolution.org


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調査方法の 年次アップデート 毎年、前述の専門家と協議し、方法のア ップデートを行っています。その際、優 良事例を通して、ファッション業界にお ける透明性をより高められるように、専 門用語を分かりやすくし、新しい注目事 項を選定して、常に新しい情報であるよ う心がけています。 また、この方法は、国連の指 針、SDGs、OECD適正評価ガイドラ イン、ILO協定、ACT、Know The Chain、IHRB Responsible Recruitment Toolkit、Transparency Pledgeのような 既存の国際基準やベンチマークとの整合 性もとっています。 2020年は220の指標を使い、250のブ ランドの合計55,000の個々のデータを 調査・分析しました。情報開示の増加を 強調するため、数字でスコアを付けてい ます。ブランドの保有する小売業者リス ト・監査結果・賃金データなどの情報 を、外部の利害関係者が分かりやすく利 用できるようにするためです。 毎年、採点方法を更新しているため、数 値の読み方には少し注意が必要です。あ るブランドの数値が、前年度と比較し

て1、2%増減している場合、実際の値 ではなく、採点方法を変更したのが原因 かもしれません。また、机上で算出する 調査なので、他にも特筆すべき懸念点が あります。まず、人為的ミスは必ず起こ ることをご留意ください。ブランドの中 には、400ページ以上にわたる注釈と付 録付きの年次報告書を発行しており、私 たち調査チームは(もしくは、ブランド 自身でさえも)、関連情報を見逃してい る可能性があります。また、2020年3 月31日現在のデータを利用しているた め、後日、ブランドが新しく情報を開示 したり、撤回したりしている可能性もあ ります。以上の留意点はありますが、で きる限り注意深くデータを収集し、客観 的で公正な調査になるよう、最善を尽く しています。 そのため、スコアを見る際はブランドの 個別スコアではなく、「スコアの範囲」 に注目していただければと思います。 スコアの範囲は、正確な測定値ではな く、情報開示のパターンを示しているか らです。 最後に、このインデックスは、各ブラン ドの品質やブランドポリシーの信頼性、

生産工程、業績や今後の進展などについての徹底 した分析結果ではないことを、心に留めておいて ください。また、調査段階において、ブランドが 公表している情報の正誤検証までは行っていませ ん。今、これを読んでいるあなたがブランドに問 い合わせて確認するために、この指標を利用して もらえれば非常に嬉しく思います。

調査結果の計算方法 • 元のデータより小数点以下2桁まで算出 したあと、小数点以下を四捨五入したパ ーセンテージで、 スコアを表示しています ( レポート内参照)。 • 特に明記されていない限り、前年度比と の差は変化率ではなく、実際の変化量 を、 パーセンテージとして表記しています。 例えば、 ある年に30%のスコアだったブ ランドが翌年45%となった場合、50%の 増加(45/30=1.5) ではなく、15%の増加 (45-30=15)としています。 • このレポートにおける全ての平均は、個 別スコアから計算した全体の平均値を 意味します。

• 前回の調査段階で四捨五入された数値 が使われている場合、次の調査では四捨 五入される前の正確な数値ではなく、 四 捨五入された後の数値で前年度比との 差を計算しています。例えば、 あるセクシ ョンで平均の数値が17.74%だったとする と、18%に切り上げます。前年度の同じセ クションの平均スコアが12.41%とすると、 それは12%に切り捨てられているため、前 年度比の違いは、厳密に言えば5.33%で すが、 四捨五入された後の数値で算出す るため、6%となります。


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13

得点の割合

1.

2.

ポリシーと公約

ガバナンス(経営管理) 社会や環境に関する取組につ いて、取締役会の誰が責任を 負い、どのように実行してい るか、そこで改善された内容 が従業員や、CEO、サプライ ヤーにどのように関連してい るか、担当部署は一般から問 い合わせがしやすいかどうか を確認します。

各ブランドが自社の従業員 とサプライチェーンにおけ る労働者に関する社会・環 境ポリシーにおいて、どの ように取り組み、何を優先 課題とし、どうなることを 目標としているか、また、 毎年の進捗を報告している かどうかを調査します。

割合(%)

3.

18.8%

4.8%

4.

トレーサビリティー サプライヤーリストを公開す るブランドについて、製造業 者、加工施設、原材料の3つ の点から考察します。また、 サプライヤーの住所、労働者 数、性別の内訳、移民労働者 数の数、労働組合の代表、リ ストの最新更新日なども、 追加情報としてチェックし ます。

31.6%

5.

把握・開示・改善 ブランドが情報の調査プロ セスについて公開する内 容、サプライヤーが提唱す るポリシーの評価方法と結 果、問題が発見された場合 の対処方法、労働者が苦情 を申し立て方と、その際の 対応について確認します。

25.2%

重点課題 この最後のセクションでは、 強制労働、ジェンダーの平 等、生活賃金、結社の自由、 廃棄物、循環性、過剰生産、 持続可能な資源の活用、マイ クロプラスチック、森林破 壊、気候変動、水利用につい て、ブランドがどのように対 処しているかを調査します。

19.6%


FASHION REVOLUTION | FASHION TRANSPARENCY INDEX 2020

14

調査の 実施方法

調査プロセス

この調査は、ファッションレボリュ ーションの共同創設者兼グローバル オペレーションディレクターのCarry Somersの支援を受け、グローバルポ リシーのディレクターであるSarah Ditty、プロジェクトマネージャーの Ilishio Lovejoy、プロジェクトコーデ ィネーターのSienna Somersによる指 導の上、実施されました。

2019年8ー11月 方法のアップデート:

2019年12月ー2020年1月 選定したブランドと小売業者の調査する:

最新のファッション業界に関する調査を実施 し、協議を重ねた上で、新しい注目事項の選定 と、指標の考案、そのほかの細かい調整を行い ました。ブランドに依頼するアンケートの準備 を進め、新たに追加する50のブランドと小売業 者を調べ、選定しました。

調査員は各ブランドを丹念に調べ上げ、公 開情報を元にアンケートに事前記入し、暫 定的に採点しました。この頃、各ブランド へ今年の指標に選ばれたことを連絡し、参 加を打診しました。

また、追加調査は、下記のメンバーに よって行われました。 • • • • • • • • •

Nicky Allan Clara Buckens Altaire Cambata Ysabl Dobles Rachel Hartley Michelle Lai Lisa Schneider Lian Sing Manon Thomas

2月初旬 データチェック: 最低2名以上の調査リーダーに より、全250ブランドにおける 各指標のアンケートについて、 内容の正確さと一貫性をチェッ クしました。

2月中旬 各ブランドへ記入済みのアンケ ートを送る:

3月中旬 ブランドが回答したアンケート を返信する:

ブランドには約1ヶ月間で、 調査員が見逃した情報を確認 し、アンケート内容の不足を 補ってもらいました。

この調査への参加を選択した ブランドは、回答したアンケ ートを返信してくれました。 調査チームは、返答を入念に 調べ、追加スコアの採点をし ました。

3月下旬 アンケート回答とデータのチェック:

4月初旬ー中旬 データの結合と分析を完了し、 レポートを作成する:

調査チームは、データが確実なものであ るかを複数回に渡ってチェックし、各ア ンケートの内容と得点を確定しました。

各ブランドのアンケート内容を順番に並べ、1つの大 きな完全データにまとめました。このデータは、最終 結果として分析し、前年比の進捗状況を確定した後、 注目する内容を抽出するために用いました。最終得点 は、公開直前にブランドに通知しました。


FASHION REVOLUTION | FASHION TRANSPARENCY INDEX 2020

ブランドと小売業者の 選択基準

15

今年はいくつのブランドが 参加しましたか?

53%

45% 返信なし 250のブランドと小売業者を選別する方

次に、名称の表記についてですが、消

針として、年間売上高を4億ドル(400

費者はブランド名に馴染みがあると判

億円)以上とし、ヨーロッパ、北アメリ

断し、親会社やグループ会社の名称

カ、南アメリカ、アジア、アフリカの

ではなく、ブランド名の一覧としまし

世界中より、各市場区分(ハイストリー

た。しかし、親会社の名称でなくて

ト、ラグジュアリー、スポーツウェア、

も、H&MグループやInditex(Zara等)

アクセサリー、シューズ、デニムなど)

、PVH(Tommy Hilfiger、Calvin Klein

の代表的な企業としました。

等)などが所有するブランドの中には、

アンケート回答済

全グループ企業の調査結果が得点に反映 ブランドと小売業者を調査する際、企業

している場合があることにご注意くださ

が公開している財務情報を信用し使用し

い。

ています。メジャーなブランドでも、こ のレポートに記載されていない企業があ りますが、これは、株式が非公開で財務 記録をオープンにしていないためです。 また、巨大な親会社が複数のブランドを 所有し、個別の売上高を公開していな い場合は、グループ内の最大売り上げの ブランドを、我々の知見に基づいて推測 し、このレポートに入れています。

今年、調査の依頼をしたブランドのう ち、53%はアンケートを返信し参加して くれました。返信がなく、参加表明をし ないブランドについても、この指標に入 れさせてもらっています。平均的に、参 高いスコアとなっていますが、理由とし

2%

て、調査員が見逃した関連情報を補足し

アンケート回答辞退

加ブランドは、そうでないブランドより

たためと考えています。

注)ブランドと小売業者の両方を表す意味で、「ブランド」としている場合があります。


FASHION REVOLUTION | FASHION TRANSPARENCY INDEX 2020

16

ブランド一覧(アルファベット順)

 = アンケート回答済

Abercrombie & Fitch (Abercrombie & Fitch) 

Chloé (Richemont)

Hanes (Hanesbrands Inc.)

Max Mara

Sandro (SMCP)

Adidas (Adidas Group) 

Claire's

Heilan Home (Helian Group Co.)

Merrell (Wolverine World Wide, Inc.)

Skechers

Aeropostale

Clarks 

Helly Hansen (Canadian Tire Corporation) 

Meters/bonwe

Speedo (Pentland Group) 

ALDI Nord (ALDI Einkauf GmbH & Co. oHG)

COACH (Tapestry, Inc.) 

HEMA 

Mexx

Sports Direct

ALDI SOUTH (ALDI Einkauf GmbH & Co. oHG) 

Cole Haan

Hermès

Michael Kors (Capri Holdings Limited)

Steve Madden

ALDO (The Aldo Group Inc.) 

Columbia Sportswear 

Hollister Co. (Abercrombie and Fitch) 

Miu Miu (Prada Group) 

Stradivarius (Inditex) 

Amazon (Amazon.com, Inc.) 

Converse (Nike, Inc.) 

Hudson's Bay (HBC) 

Mizuno 

Superdry 

American Eagle 

Cortefiel (Tendam) 

Hugo Boss 

Moncler

ANTA

Costco

Intimissimi (Calzedonia Group)

Monoprix (Groupe Casino)

Target 

Takko

Anthropologie (URBN) 

Cotton On (Cotton On Group)

Ito-Yokado (Seven & I Holdings Co)

Monsoon 

Target Australia (Wesfarmers) 

Aritzia 

Debenhams 

J.Crew 

Morrisons 

Tchibo 

Armani (Giorgio Armani S.p.A) 

Decathlon (Association Familiale Mulliez) 

Jack & Jones (BESTSELLER) 

MRP 

Ted Baker 

ASDA (Walmart Inc.) 

Desigual 

JCPenney

Muji (Ryohin Keikaku Co.) 

Tesco 

ASICS 

Diane Von Furstenberg

JD Sports (Pentland Group) 

Neiman Marcus

Tezenis (Calzedonia Group)

ASOS 

Dick's Sporting Goods 

Jessica Simpson (Sequentional Brands Group)

New Balance 

The Children's Place

Balenciaga (Kering) 

Diesel (OTB Group)

Jil Sander (Onward Holdings)

New Look 

The North Face (VF Corporation) 

Bally (Shandong Ruyi Group)

Dillards

Jockey

New York & Company

The Warehouse

Banana Republic (Gap Inc.) 

Dior (LVMH) 

Joe Fresh (Loblaw Company Ltd.)

New Yorker

Timberland (VF Corporation) 

BCBGMAXAZRIA (Centric Brands) 

Disney (The Walt Disney Group)

John Lewis 

Next 

TJ Maxx (TJX)

Beanpole (Samsung C&T)

DKNY (G-III Apparel Group)

Jordan (Nike, Inc.) 

Nike (Nike, Inc.) 

Tod's

BeLLE

Dolce & Gabbana

JustFab (TechStyle Fashion Group)

Nine West

Tom Ford

Bershka (Inditex) 

Dr. Martens (Permira) 

Kate Spade (Tapestry, Inc.) 

Nordstrom 

Tom Tailor 

Big Bazaar - ffb (Future Group)

Dressmann (VARNER) 

Kathmandu 

Old Navy (Gap Inc.) 

Tommy Bahama (Oxford Industries, Inc.)

Big W (Woolworths Group) 

DSW (Designer Brands)

Kaufland

OTTO (Otto Group)

Tommy Hilfiger (PVH) 

Billabong (Boardriders)

Eddie Bauer (Golden Gate Capital)

KiK 

OVS 

Topman (Arcadia Group) 

Bloomingdale's (Macy's Inc.)

El Corte Inglés 

Kmart (Sears Holdings)

Patagonia 

Topshop (Arcadia Group) 

Bonprix (Otto Group) 

Elie Tahari

Kmart Australia (Wesfarmers) 

Pepe Jeans

boohoo (boohoo group plc)

Ermenegildo Zegna 

Kohl's

Pimkie

Bosideng

Esprit 

Koovs

Bottega Veneta (Kering) 

Express

Brooks Brothers

TOPVALU COLLECTION (AEON)

Tory Burch

Prada (Prada Group) 

Triumph

K-Way (BasicNet)

PrettyLittleThing (boohoo group plc)

Truworths

Falabella 

La Redoute (Galeries Lafayette Group)

Primark (Associated British Foods plc) 

UGG (Deckers Brands)

Brooks Sports (Berkshire Hathaway) 

Famous Footwear (Caleres)

Lacoste (Maus Frères) 

Prisma (S Group) 

Under Armour

Brunello Cucinelli

Fanatics (Kynetic)

Lands' End

Pull&Bear (Inditex) 

Uniqlo (Fast Retailing) 

Buckle

Fashion Nova

Levi Strauss & Co 

Puma 

United Arrows 

Burberry 

Fendi (LVMH) 

Lidl 

Quiksilver (Boardriders)

United Colors of Benetton 

Burlington

Fila

Lindex (Stockmann Group) 

Ralph Lauren 

Urban Oufitters (URBN) 

C&A 

Fjällräven (Fenix Outdoor) 

Li-Ning

Reebok (Adidas AG) 

Valentino

Calvin Klein (PVH) 

Foot Locker

L.L. Bean

REI Co-op 

Van Heusen (PVH) 

Calzedonia (Calzedonia Group)

Forever 21

LOFT (Ascena Retail Group Inc.) 

Reliance Trends (Reliance Retail)

Vans (VF Corporation) 

Canada Goose

Foschini (TFG) 

Longchamp

Reserved (LPP) 

Vero Moda (BESTSELLER) 

Carhartt

Fossil (Fossil Group, Inc.) 

Louis Vuitton (LVMH) 

REVOLVE

Versace (Capri Holdings)

Carolina Herrera (Puig)

Free people (URBN) 

Lululemon 

River Island 

Very (The Very Group) 

CAROLL (Vivarte)

Furla 

Macy's (Macy's Inc.)

Ross Dress for Less

Victoria's Secret (L Brands)

Carrefour

Gap (Gap Inc.) 

Mammut (Conzzeta AG) 

Roxy (Boardriders)

Walmart (Walmart Inc.) 

Gerry Weber

Mango 

Russell Athletic (Fruit of the Loom) 

Woolworths (Woolworths Holdings Limited) 

CELINE (LVMH) 

Gildan 

Marc Jacobs (LVMH) 

s.Oliver 

Wrangler (VF Corporation) 

celio

G-Star RAW 

Marks & Spencer 

Sainsbury’s-TU Clothing 

Youngor

Cato Fashions

Champion (Hanesbrands Inc.)

Gucci (Kering) 

Marni (OTB Group)

SAINT LAURENT (Kering) 

Zalando 

Chanel

GUESS

Massimo Dutti (Inditex) 

Saks Fifth Avenue (Hudson's Bay Company)

Zara (Inditex) 

H&M (H&M Group) 

Matalan 

Salvatore Ferragamo 

Zeeman 

Chico's


FASHION REVOLUTION | FASHION TRANSPARENCY INDEX 2020

17

2 最終得点 得点詳細については

こちらから

個々のブランドに関して、 すべて のデータを確認する場合は wikirate.org をご覧ください。


FASHION REVOLUTION | FASHION TRANSPARENCY INDEX 2020

18

A GUIDE TO THE SCORING 0—5%

0—10%

11—20%

合計で250点までです。最終的なスコアは、パーセンテージで表し、小数点以 下を四捨五入して表示します。ブランドの個別の得点ではなく、ブランドの得点 の範囲に焦点をあててください。そうすることで、業界全体の透明性の傾向をよ り正確に把握することができます。

21—30%

31—40%

41—50%

51—60%

61—70%

71—80%

81—90%

91—100%

TRANSPARENCY 0から5%の得点を獲得 したブランドは、全く何 も開示していないか、非 常に限られた情報を公開 しています。開示してい る限られた情報は、地域 社会とかかわる活動やブ ランドの雇用慣習に関連 している事が多いです。

5から10%の得点を獲 得したブランドは、サプ ライヤーと従業員のため のポリシーを公開してい る事が多いです。 得点 が10%付近のブランド は、基本的なサプライヤ ーの行動規範、契約情報 と限られたサプライヤー の評価方法を開示してい る事が多いです。

11から20%の得点を 獲得したブランドは、従 業員やサプライヤーにつ いてのポリシーを記載し ている事が多く、サプラ イヤーの評価に関する情 報や手順についての情報 開示を限られた分野のみ 公開していることがあり ます。しかし、これらの ブランドは、ほとんどの 場合サプライヤーのリス トを公開していません。 また、奴隷労働、男女平 等、生活賃金、組合結成 の自由、廃棄物、循環 性、過剰生産、よりサス テイナブルな素材の使 用、マイクロプラスチッ ク、森林崩壊、気候変動 と水の使用などの重点課 題に関しての情報開示が ありませんでした。

21から30%の得点を 獲得したブランドは、方 針、手順、経営管理、サ プライヤーの評価や改善 プロセス、社会的、環境 的目標についてのより詳 細な情報を公開している 事が多いです。これらの ブランドは、工場名と住 所のみを記載したメーカ ーの基本リストを公開し ていることが多く、ま た、サプライヤーの評価 や苦情処理の結果に関す る情報開示はありません でした。これらのブラン ドは、重点課題に関し て、多くは明らかにして いない事が多いまたは、 わずかなの事例にのみ開 示している事がありま す。

31から40%の得点を 獲得したブランドは、1 次メーカーだけではな く、詳細な情報を公開し ているブランドです。そ れは、方針、手順、社会 的・環境的な目標、ガバ ナンス、サプライヤーの 評価や改善方法に関する ことです。これらのブラ ンドは、男女間の賃金格 差、よりサステイナブル な素材の使用、企業レベ ルでの繊維廃棄物とその 二酸化炭素排出量などの 注目事項の一部を公開し ています。

41から50%のスコア を獲得したブランドは、 より詳細なサプライヤー リストを公開している事 が多く、メーカーだけで はなく、縫製工場も公開 しています。それに加え て、ブランドの方針、手 続き、社会的・環境的な 目標、経営管理、サプラ イヤーの評価と改善方法 およびいくつかのサプラ イヤー評価の報告があり ました。これらのブラン ドは、男女平等、団体交 渉、よりサステイナブル な素材の使用、繊維廃棄 物、循環性、また、企業 ごとの生産過程における 二酸化炭素排出量や水の 使用料などの重点課題に 取り組んでいる可能性が 高いです。

51から60%の得点を 獲得したブランドは、他 の項目ですでに記載され ているすべての情報を公 開し、さらに詳細なサプ ライヤーリストも公開し ています。これらのブラ ンドはより多くの人権や 環境政策、契約、社会 的・環境的な目標と経営 管理やデューデリジェン スに関する情報を公開し ています。また、サプラ イヤーの評価の結果に関 しても情報開示をしてい ます。これらのブランド は、強制労働、生活賃 金、団体交渉、男女平 等、よりサステイナブル な素材の使用、繊維廃棄 物、循環性、有害な化学 物質、企業レベルおよび サプライチェーンにおけ る二酸化炭素排出量と水 の使用料のような重点課 題に取り組んでいく予定 です。

61から70%の得点を 獲得したブランドは、他 の項目ですでに記載され ているすべての情報を公 開し、さらに詳細なサプ ライヤーリストも公開し ています。その中には、 メーカーや縫製工場、コ ットンやウール、ビスコ ースのような原材料の一 部のサプライヤーも含ま れています。これらのブ ランドは、生産量や廃棄 量、廃棄物の削減戦略の 進捗状況、バージンプラ スチックの使用状況、よ り詳細な二酸化炭素排出 量と水の使用量のデータ を公開する予定です。ま た、ほとんどの重点課題 についても取り組んでい く予定です。

71から80%のスコア を獲得したブランドは、 他の項目ですでに記載さ れているすべての情報を 公開しています。また、 メーカー、縫製工場やコ ットン、ウール、ビスコ ースなどの原材料のサプ ライヤーの詳細リストを 公開しています。これら のブランドは、デューデ リジェンスにおける過程 やその結果、サプライヤ ーの評価や改善方法に関 する情報を公開してお り、重点課題に関してイ ンデックスの中のどのブ ランドよりもデータや詳 細な情報を、より比較的 包括的に共有する予定で す。

80%以上のスコアを獲得したブランドはありま せんでしたが、この得点を取得できるブランド は、特定の施設に置けるサプライヤーの評価およ び改善結果に関する詳細の情報も公開していま す。また、製造から原材料に至るまで、全サプラ イヤーの少なくとも95%の詳細なサプライヤー リストを共有しています。これらのブランドは、 ファイナンシャルビジネスモデルにおける社会 的・環境的な影響やサステナブルな素材の使用に 関する豊富なでデータの公開を細かく書き示し、 また自社の事業およびサプライチェーンにおける 職務内容に関する男女別のデータを提供していま す。私たちは、企業の調達活動、現代の奴隷法と サプライチェーンにおける労働者のための生活賃 金に改善に向けての過程や取り組みについての詳 細な情報を知ることができます。これらのブラン ドは、二酸化炭素の排出量、再生エネルギーの使 用や水の使用量、自社の業務から原材料レベルに 至るまで、すべて公開しています。


FASHION REVOLUTION | FASHION TRANSPARENCY INDEX 2020

19

最終得点一覧 0-5%

6-10%

11-20%

21-30%

31-40%

41-50%

51-60%

61-70%

71-80%

Brooks Brothers

5

Buckle

10

Anthropologie

20

ALDI SOUTH

30

Clarks

40

Banana Republic

50

Marks & Spencer

60

C&A

70

Cato Fashions

5

Dillards

10

Urban Outfitters

20

Big W

30

Monsoon

40

Gap

50

Patagonia

60

Adidas

69

Claire's

5

Dr. Martens

10

Carrefour

20

John Lewis

30

Uniqlo

40

Old Navy

50

The North Face

59

Reebok

69

Eddie Bauer

5

DSW

10

Chloé

20

Kathmandu

30

Champion

39

Lindex

50

Timberland

59

Esprit

64

Aeropostale

4

Furla

10

Otto

20

Vero Moda

30

Hanes

39

Gildan

49

Vans

59

Canada Goose

4

Gerry Weber

10

Superdry

20

Jack & Jones

30

Zalando

39

G-Star RAW

49

Wrangler

59

Jockey

4

Muji

10

Tod's

20

Under Armour

29

Primark

38

Dressmann

48

Puma

57

Justfab

4

Steve Madden

10

COACH

19

Columbia Sportswear

28

Topman

38

Gucci

48

ASOS

55

Tory Burch

4

Triumph

10

Kate Spade

19

El Corte Inglés

28

Topshop

38

Levi Strauss & Co

48

Converse

55

BCBGMAXAZRIA

3

Valentino

10

GUESS

19

Very

28

Target

37

New Balance

48

Jordan

55

Billabong

3

Armani

9

Hudson's Bay

19

Walmart

28

Burberry

36

Tchibo

48

Nike

55

Quicksilver

3

boohoo

9

Saks Fifth Avenue

19

Ermenegildo Zegna

27

Next

36

47

3

PrettyLittleThing

9

Lands' End

19

Lidl

27

Russell Athletic

36

United Colors of Benetton

55

Roxy

Sainsbury’sTU Clothing

Dolce & Gabbana

3

Famous Footwear

9

Moncler

19

Mizuno

27

Helly Hansen

35

Balenciaga

47

Calvin Klein

54

Longchamp

3

The Children's Place

9

Reserved

19

Ralph Lauren

27

OVS

35

SAINT LAURENT

46

Tommy Hilfiger

54

Nine West

3

ANTA

8

TOPVALU COLLECTION

19

LOFT

26

Asda

34

Bottega Veneta

46

Van Heusen

54

Diane Von Furstenberg

2

Beanpole

8

19

CELINE

26

HEMA

34

46

DKNY

2

Cole Haan

8

Woolworths South Africa

ASICS

Speedo

34

44

Fashion Nova

2

Express

8

18

26

Lululemon

KiK

Dior

26

The Warehouse

34

Bershka

44

2

Fila

8

18

Louis Vuitton

KOOVS

Kaufland

Hermès

33

44

REVOLVE

2

Michael Kors

8

18

25

Massimo Dutti

Kmart

Fendi

Kmart Australia

33

44

Big Bazaar - ffb

1

Ross Dress for Less

8

18

25

Pull&Bear

Matalan

Marc Jacobs

Target Australia

33

44

celio

1

Skechers

8

18

25

Stradivarius

Miu Miu

Abercrombie & Fitch

Fjällräven

31

43

Metersbonwe

1

Tommy Bahama

8

18

25

Zara

Prada

Hollister Co.

Mammut

31

43

New Yorker

1

Bosideng

7

18

25

Bonprix

Pimkie

ALDI Nord

Morrisons

31

43

Bally

0

Foot Locker

7

18

25

New Look

Tom Tailor

Amazon

41

Belle

0

Forever 21

7

17

25

Tesco

ALDO

Brooks Sport

41

Elie Tahari

0

New York & Company

7

17

25

Debenhams

American Eagle

Cotton On

Heilan Home

0

United Arrows

7

17

25

Hugo Boss

Desigual

Lacoste

25

0

Carhartt

6

17

Prisma

Jessica Simpson

Falabella

0

Jil Sander

6

17

25

Max Mara

UGG

Zeeman

0

K-Way

6

16

23

Mexx

Aritzia

Decathlon

0

LL Bean

6

16

23

Pepe Jeans

Bloomingdale's

Disney

0

Neiman Marcus

6

16

23

Tom Ford

Macy's

REI

0

Sports Direct

6

16

23

Youngor

Cortefiel

Ted Baker

6

16

22

Versace

Dick's Sporting Goods

Mango

JD Sports

16

Monoprix

22

Kohl's

16

Nordstrom

22

MRP

16

River Island

22

s.Oliver

16

Free people

21

Costco

15

Ito-Yokado

21

Fanatics

15

Salvatore Ferragamo

21

JCPenney

15

Victoria's Secret

21

Li-Ning

15

TJ Maxx

15

Truworths

15

Burlington

14

CAROLL

14

Foschini

14

J.Crew

14

Calzedonia

13

Intimissimi

13

Tezenis

13

Fossil

13

Joe Fresh

13

Carolina Herrera

12

Chico's

12

Reliance Trends

12

Takko

12

Brunello Cucinelli

11

Chanel

11

Diesel

11

Marni

11

La Redoute

11

Merrell

11

Sandro

11

47

*ブランドは、250点満点中のスコアでランク付けされていますが、四捨五入された数値で表示されています。同じ点数のブランドがある場合は、アルファベット順に表示され、同一の親会社であれば、他の会社とグループ化されています。

H&M (H&M Group)

81-90% 73

91-100%


FASHION REVOLUTION | FASHION TRANSPARENCY INDEX 2020

20

調査結果 平均点は250点中5 8点(23%) でした。

10ブランドの 得点が0%でした。 (全体の4%)

80%以上の得点を 獲得したブランドは ありませんでした

70

60

 70%以上の得点 を獲得したブラン ドは1つでした。

50

NO. OF BRANDS

40

30

20

10

0-5

6-10

11-20

21-30

31-40

41-50

51-60

61-70

71-80

81-90

91-100

FINAL SCORE (%)

TRANSPARENCY


FASHION REVOLUTION | FASHION TRANSPARENCY INDEX 2020

3 5つのセクション の最終得点

21


FASHION REVOLUTION | FASHION TRANSPARENCY INDEX 2020

22

セクションごとの平均得点 52% 1.

29% 2.

16% 3.

ポリシーと公約

ガバナンス(経営管理)

トレーサビリティー

このセクションで、最高得点 を獲得したのは今年もGucci で100%、次点はAdidasと Reebokの99%でした。この3 社は、本レポートにおける社 会・環境に対するポリシーとそ れを運用する手段、効果向上の ための具体的な評価基準と達成 目標を公開しています。また、 全体の10%を占める25のブラ ンドは、関連するポリシーがほ とんど未公開か皆無だったた め、最低スコアの0~10%とな りました。他の4つのセクショ ンと比較すると、このセクショ ン(ポリシーと公約)の公開情 報が充実しているブランドが多 いと言えます。

このセクションでは、企業にお いて、サステナビリティに関す る取組の担当部署と責任者の 連絡先が公表されているかと、 取締役会から役員・従業員・サ プライヤーまでビジネス全体で の説明せ金の所在が、どのよう に周知しているかについて調 査しました。9つのブランドが 100%で、過半数以上(52% )のブランドは20%以下とい う調査結果でした。

良い結果として、40%のブランド が一次製造先のリストを公開し ていますが、91〜100%の範囲 の得点となったブランドはありま せんでした。最も高い得点の81 〜90%は、Esprit, The North Face, Timberland, Vans, Wrangler (VF Corp brands) の5社で、一次製造先以降の詳 細なサプライヤーリストと、1社 以上の原料サプライチェーンの を公開しています。また、全体 の58%を占める145のブラン ドが10%以下の得点で、サプラ イヤーについて全く公開してい ません。ラグジュアリーブラン ドとして初めて、Ermenegildo Zengaはサプライヤーリスト を公表しています。現在のと ころ、Balenciaga、Bottega Veneta、Gucci、Saint Laurent は、ほんの少し原材料サプライ チェーンを公表しています。

17% 4. 把握・開示・改善 60%以上のブランドはなく、 最高得点の59%を得点したの はAdidas/ReebokとC&Aでし た。一方、全体の40%を占め る100のブランドは最も低い0 〜10%の得点で、サプライチ ェーンの適正評価やサプライヤ ーの精査、そして問題が起こ った際の対応策をほとんど公表 していません。また、全体の 68%を占める3分の2以上のブ ランドが20%以下に留まり、 その多くのブランドがサプライ ヤーの評価と改善の結果につい てほとんど公表していません。 通常、これらの情報共有が行 われる場合、ILO Better Work initiative またはBangladesh Accordの第三者機関を通じて 行われます。

15% 5. 重点課題 このセクションにおいて、2年 連続でH&M(H&Mグループ) が最も高い得点63%を獲得し たブランドとなりました。次 に高い51~60%の範囲にに9つ のブランドが入りましたが、 全体の53%を占める133のブ ランドは0~10%の最低得点に とどまりました。総じて、全 体の74%のブランドが、20% 以下の得点であり、生活賃金 や仕入れ方法など労働条件の 関連事項について、ブランド は自社取組の情報を驚くほど 開示していません。地球に優 しい生地や二酸化炭素排出量 などの環境問題については、 これより多くのブランドが関 連する情報やデータを公表し ています。


FASHION REVOLUTION | FASHION TRANSPARENCY INDEX 2020

23

1.ポリシーと公約 アプローチ 主流ブランドや小売業者が公表している人や環境にやさしいポリシー や手順とは? このセクションでは、企業レベル(企業が経営する本社、店舗、倉庫 と、所有する生産施設)とサプライヤーレベル(行動規範とサプライ ヤーの指針書)の双方において、公開しているポリシーや手順を確認 します。

私たちは以下の問題を取り上げます。

情報は以下より入手しました。 •

ブランドのウェブサイト

親会社やグループ会社のウェブサイト

サステナビリティーや企業が責任を負うマ イクロサイト

投資家向けの広報活動ウェブサイト ( 企業の公式ウェブサイトにURLがある場 合。)

その他第三者機関の外部ウェブサイト (例:オンラインデータプラットフォー ム、NGOパートナー、 データ共有イニシア チブ、 その他ベンチマークによる公開。 ブラ ンドが運営するウェブサイトからリンクさ れている場合。)

動物愛護

ハラスメントや暴力

年次休暇と祝日

健康・安全

贈収賄、汚職、 および事実に反する 情報の提示

生活条件・寮

出産の権利・育児休暇の取得

生物多様性および保護

通知までの期間、解雇や懲戒処分

児童労働

残業手当

地域社会とのかかわり

制限された物質のリスト

契約における賃金の雇用条件

下請け、外部発注、在宅勤務

• 洋服のラベルやタグ

差別

多様性

賃金や福利厚生(例:ボーナス、保険、 生活保護、年金)

• 店内またはその他の場所

エネルギーや二酸化炭素の排出量

廃棄物、 リサイクル (パッケージ、紙)

賃金平等

排水と処理

• ソーシャルメディア

強制労働・拘束労働

水の使用量と排出量

外国人や移民の労働

労働時間、休憩

結社の自由、組織する権利、団体 交渉

• プレス記事を含むブランドのウェブサイトか らリンクがない第三者機関のウェブサイトや ドキュメント

以下は、情報源としていません。

• スマートフォンのアプリ

• ブランドのウェブサイトにリンクのないダウン ロード可能なドキュメント

社会的・環境的な優先事項と重要な長期 的目標 非常に重要である人権と環境問題につい て、ブランドと小売業者が取組の優先順を 公開しているか否かを調査しました(具体 的な評価方法を含む)。左の枠内に挙げた 優先事項は、ブランドによっては、関連が 深く、取組が求められている事項がありま す。このレポートでは、各ブランドがどの ように優先事項が決めているのか、その優 先事項の内容は何かを確認しています。 また、バリューチェーン全体に渡り、ブラ ンドが社会的・環境的な効果を改善するた めの目標や戦略を公開しているかも確認 し、具体的な目標達成年が2020年以降に 設定されている場合のみ調査に反映しまし た。また、目標達成に向けて毎年の進捗状 況を公表しているブランドも、得点に加点 しています。

確認済みの情報 最後に、ブランドから報告された人権と 環境に関するデータが独立した第三者機 関によって監査されているかを確認しま した。これは通常、大規模な国際的会計 事務所によって行われています。


FASHION REVOLUTION | FASHION TRANSPARENCY INDEX 2020

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1. ポリシーと公約 結果 0-5%

6-10%

11-20%

21-30%

31-40%

41-50%

51-60%

61-70%

71-80%

81-90%

91-100%

REVOLVE

5

Billabong

10

Eddie Bauer

20

Foot Locker

29

Matalan

40

Columbia Sportswear

50

ALDI Nord

60

Kathmandu

69

Target

80

Hugo Boss

90

Gucci

100

Big Bazaar - ffb

4

Quicksilver

10

Versace

20

Forever 21

29

Steve Madden

40

MRP

50

Bloomingdale's

60

ALDI SOUTH

68

ASOS

79

Patagonia

89

Adidas

99

New Yorker

3

Roxy

10

Dolce & Gabbana

18

Dillards

28

Chico's

39

Tod's

50

Macy's

60

Clarks

68

CELINE

79

Tchibo

89

Reebok

99

Max Mara

2

Canada Goose

10

Justfab

18

Fanatics

27

Diesel

39

Burlington

49

Calzedonia

60

Jack & Jones

68

Dior

79

Timberland

89

Balenciaga

98

Pepe Jeans

2

Longchamp

10

Jockey

17

Fila

26

Marni

39

Zeeman

49

Intimissimi

60

Vero Moda

68

Fendi

79

The North Face

88

Bottega Veneta

98

Tom Ford

1

DKNY

9

Tory Burch

17

ANTA

26

Merrell

39

Cortefiel

48

Tezenis

60

Under Armour

68

Louis Vuitton

79

Vans

88

SAINT LAURENT

98

Bally

0

KOOVS

9

Jil Sander

16

boohoo

26

Sandro

39

Helly Hansen

48

COACH

60

Amazon

67

Marc Jacobs

79

Wrangler

88

C&A

97

Belle

0

celio

7

Aeropostale

15

PrettyLittleThing

26

DSW

38

Truworths

48

Kate Spade

60

El Corte Inglés

67

G-Star RAW

79

Calvin Klein

88

Puma

95

Elie Tahari

0

Diane Von Furstenberg

6

Cato Fashions

15

Express

26

Tom Tailor

38

Furla

46

LOFT

60

Kmart

67

Uniqlo

79

Tommy Hilfiger

88

Marks & Spencer

94

Heilan Home

0

Fashion Nova

6

BCBGMAXAZRIA

13

Neiman Marcus

26

Cotton On

37

Carolina Herrera

45

Brooks Sport

59

Lands' End

67

Walmart

79

Van Heusen

88

Banana Republic

91

Jessica Simpson

0

Nine West

6

Brunello Cucinelli

24

Armani

36

Fossil

45

Miu Miu

59

New Look

67

Asda

78

Hermès

88

Gap

91

Metersbonwe

0

Cole Haan

24

Buckle

36

JCPenney

45

Prada

59

Nordstrom

67

Next

78

Levi Strauss & Co

88

Old Navy

91

Mexx

0

New York & Company

24

Ermenegildo Zegna

36

Chanel

44

Russell Athletic

59

Topman

67

Ralph Lauren

78

ASICS

86

Converse

91

Youngor

0

Brooks Brothers

23

Reliance Trends

36

JD Sports

43

s.Oliver

59

Topshop

67

Monoprix

77

Bershka

86

Jordan

91

Carhartt

23

Anthropologie

35

Falabella

41

GUESS

57

Chloé

66

New Balance

77

Massimo Dutti

86

Nike

91

K-Way

23

Free people

35

La Redoute

41

John Lewis

57

Moncler

66

Tesco

76

Pull&Bear

86

Gildan

91

LL Bean

23

Urban Outfitters

35

River Island

41

KiK

57

Lacoste

65

The Warehouse

76

Stradivarius

86

H&M (H&M Group)

91

Michael Kors

23

Bosideng

35

Lidl

57

Speedo

65

Dressmann

74

Zara

86

Sports Direct

23

Joe Fresh

35

UGG

56

Abercrombie & Fitch

64

Lindex

74

Esprit

86

Beanpole

21

Pimkie

35

Very

56

Hollister Co.

64

Lululemon

74

Burberry

85

Claire's

21

The Children's Place

35

Woolworths South Africa

56

Carrefour

64

Big W

73

84

Costco

55

Mango

64

OVS

73

United Colors of Benetton

Primark

72

84

55

64

Zalando

Debenhams

Mizuno

64

71

83

55

Bonprix

Kmart Australia

Desigual

Otto

Ito-Yokado

71

83

55

63

Target Australia

Dick's Sporting Goods

Sainsbury’sTU Clothing

55

Decathlon

Salvatore Ferragamo

71

83

Prisma

61

Monsoon

55

Superdry

TOPVALU COLLECTION

71

81

ALDO

61

Fjällräven

HEMA

54

Hudson's Bay

54

Saks Fifth Avenue

54

Li-Ning

54

REI

54

Reserved

54

American Eagle

53

Champion

53

Hanes

53

Aritzia

52

Mammut

52

Morrisons

52

Ted Baker

52

CAROLL

51

Disney

51

J.Crew

51

Kohl's

51

TJ Maxx

51

Victoria's Secret

51

Valentino

35

Dr. Martens

34

Famous Footwear

34

Foschini

34

Gerry Weber

34

Muji

34

Tommy Bahama

34

Skechers

33

Ross Dress for Less

32

Takko

32

Triumph

32

Kaufland

31

United Arrows

31

*ブランドは、250点満点中のスコアでランク付けされていますが、四捨五入された数値で表示されています。同じ点数のブランドがある場合は、アルファベット順に表示され、同一の親会社であれば、他の会社とグループ化されています。


FASHION REVOLUTION | FASHION TRANSPARENCY INDEX 2020

25

1. ポリシーと公約  調査結果 いくつのブランドが有効なポリシーを公表したか?

強制労働・拘束労働

会社のポリシー サプライヤーのポリシー 手段

166

健康・安全

102

児童労働

229 173

186

228

116

ハラスメントや暴力

228

87

172

差別

213

106

労働時間、休憩

199

98 100

結社の自由、組織する権利、団体交渉

93

99

212

賃金や福利厚生(例:ボーナス、保険、生活保護、年金)

174

138

贈収賄・汚職防止、および事実に反する情報の提示 84

残業手当

123

185 61

174

40

158

エネルギーや二酸化炭素の排出量

194 198

130

通知までの期間、解雇や懲戒処分

39

契約と雇用条件

67

39

143

53

137

排水と処理

119

廃棄物、リサイクル(パッケージ、事務所、小売)

195

153

45

下請け、外部発注、在宅勤務 生活条件・寮

210 188

121

同一賃金

219

204

29

111

121

110

水の使用量と排出量

104

外国人や移民の労働

136

187 188

130

152

106 107

年次休暇と祝日

49

86

生物多様性および保護

41 46

出産の権利・育児休暇の取得

53 81

72

地域社会とのかかわり

106 124

88

143

107

42

廃棄物、リサイクル(製品、繊維)

206

29

111

アニマルウェルフェア

131

多様性

134

147

制限された物質のリスト

182

100

0

15

30

45

60

75

90

220

136

141

105

120

135

150

165

180

195

210

225

240

255

270


FASHION REVOLUTION | FASHION TRANSPARENCY INDEX 2020

26

1. ポリシーと公約 調査結果 ポリシーの実行について

動物愛護

生物多様性および保護

地域社会とのかかわり

54%

52%

32%

57%

82%

17%

会社のポリシーを

ポリシーをどう

サプライヤーの

実行するかを公 表している

ポリシーを

対処する手順を 開示している

会社のポリシーを 公開している

サプライヤーの

公開している

多様性

公開している

ポリシーを 公表している

結社の自由

強制労働・拘束労働

73%

59%

85%

37%

92%

66%

会社のポリシーを

ポリシーをどう

サプライヤーの

ポリシーをどう

サプライヤーの

ポリシーをどう

公開している

実行するかを

ポリシーを

実行するかを

ポリシーを

実行するかを

公表している

公表している

公表している

公表している

公表している


FASHION REVOLUTION | FASHION TRANSPARENCY INDEX 2020

27

1. ポリシーと公約 調査結果 昨年との比較

児童労働

従業員の賃金や 福利厚生

労働者の健康や安全

91

行動規範

RSL

91 86

85 70

57

33

40

30 23

2019

2020

児童労働についての ポリシーを公開して いる会社の割合(%)

2019

2020

従業員の賃金や福利厚 生についてのポリシー を公開している会社の 割合(%)

2019

2020

サプライヤーの健康 や安全のポリシーに ついて公開している 会社の割合(%)

2019

2020

サプライヤーの行動規 範を多言語で公表して いる会社の割合(%)

2019

2020

規制物質のリストを 公表している会社の 割合(%)


FASHION REVOLUTION | FASHION TRANSPARENCY INDEX 2020

28

1. ポリシーと公約 分析 今年初めて、 このポリシーと公約の 分野で、全体の平均得点が50% を超えました。 このセクションにお いて、毎年、前年度よりも多くの情 報をブランドが公開しています。

ポリシーと公約:     全体の平均得点における前 年比の進捗 2017

2018

2019

2020

49%

全参加ブランド100のうち

46%

全参加ブランド150のうち

48%

全参加ブランド200のうち

52%

全参加ブランド250のうち

ブランドの大半は悪辣な問題に対 するポリシーを公開しています。 4分の3以上のブランドは、自社の取 締役や従業員に適用される企業のポリ シーを公開しています。高い割合で公 開されている項目として、贈収賄や汚 職(78%)、地域社会とのかかわり (82%)、差別(80%)、およびエネル ギーや二酸化炭素排出量(78%)が挙 げられます。 最も少ない割合の企業が公開している ポリシーは、契約と雇用条件(16%)、 解雇と懲戒処分(27%)、労働時間・ 休憩(39%)となっています。

ブランドが企業のポリシーを公開をする 割合は、以前の調査と比べて、下記の項 目が大きく増加しました。 •

年次休暇と祝日:2020年は42%へ増 加。2019年は26%、2017年は23%。

贈収賄や汚職への反対:2020年は78% へ増加。2019年は71%、2017年は35%。

出産の権利、育児休暇の取得:2020年 は43%へ増加。2019年は31%、2017年 は30%。

解雇および懲戒処分:2020年は27%へ 増加。2019年は17%、2017年は13%。

廃棄物、 リサイクル (事務所備品と包装) :2020年は75%へ増加。2019年は72% 、2017年は37%。

このインデックスが公開されて以来、一 部のブランドは段階を踏みつつ、内部 のポリシーを公開し始めています。これ は、サプライチェーンのように外部から 開示が求められたものではありません。 関連情報は項目ごとに、従業員ハンドブ ック、企業の行動規範、個別の環境管理 ポリシー、またはブランドのウェブサイ トのキャリアセクションにあります。 4分の3以上のブランドが、サプライチ ェーンにおけるサプライヤーパートナー と労働者に適用されるポリシーを公表し ています。項目として、児童労働(91% )、差別(88%)、強制・拘束労働 (92%)、結社の自由と労働組合結成 (85%)、ハラスメントや暴力(85% )、健康と安全(91%)、賃金と福利厚生 (84%)、労働時間と休憩(82%)があ ります。 また、は3分の1未満のブランドが、サ プライヤーのポリシーを公開するにとど まっている項目として、生物多様性と保 護(32%)、地域社会とのかかわり(17%) 、出産の権利と育児休暇(29%)、および 繊維廃棄とリサイクル(12%)が挙げら れます。


FASHION REVOLUTION | FASHION TRANSPARENCY INDEX 2020

一般的に監視の目が厳しく、外圧のあ る問題については、主流ブランドが情 報公開するための対策をとるために、 企業ポリシーに反映される可能性が 高い傾向にあります。項目として、 強制・拘束労働(92%)、児童労働 (91%)、工場の安全衛生(91%)が あります。 ブランドが企業のポリシーを公開をす る割合は、以前の調査と比べて、下記 の項目が大きく増加しました。 •

贈収賄や汚職への反対:2020年は 75%へ増加。2019年は68%、2017年 は61%。

解雇及び懲戒処分:2020年は57%へ 増加。2019年は48%、2017年は26%。

賃金平等:2020年は61%へ増加。2019 年の68%よりかは下回るが、2017年の 49%を上回る。

外国人や移民の労働:2020年は42% へ増加。2019年は36%、2017年は 32%。

生活条件・寮:2020年は63%へ増 加。2019年は52%、2017年は51%。

現在、29%のブランドは年次報告書に サステナビリティに関する項目があ り、2019年の26%より増加していま す。一般的に、報告書に関する監査・ 検証は、第三者機関である大手会計事 務所のDeloitteやErnst & Young、PwC によって行われています。

現地語でサプライヤーの行動規範を開 示するブランドは、全体の3分の1以下 ほとんどのサプライヤーのポリシーは、 ブランドのサプライヤー行動規範(CoC) に定められています。多くの場合、ブラ ンドはCoCを英語で発行していますが、 ほとんどのサプライヤーや労働者は英語 を母国語としないので、労働者が関連情 報にアクセスし理解できるようになるこ とが必要です。そのため、ブランドが商 品を調達する最大の国の言語で、行動規 範の発行を求めていますが、CoCの翻訳 を公開しているブランドは30%しかあり ませんでした。しかし、ポジティブに捉 えると、2019年の23%からは増加して います。

ブランドは現実の実践より、過剰なポリ シーを公開しています これまでに発行したインデックスからも 分かるように、主流ブランドは、実際の ポリシーの実行や、社会的・環境的問題 の取組成果より、ポリシーの内容自体を 多く公開する傾向にあります。 たとえば、91%のブランドが児童労働 に関するサプライヤーのポリシーを公 開しているにも関わらず、このポリシー に対する特別な手順や過程、このポリシ ーの実行方法を公開しているブランドは  46%にとどまっています。 また、ブランドの73%は多様性につい ての企業ポリシーを公表していますが、 どのようにそのポリシーが実行されてい るのか公表しているのは59%にすぎま せん。

29

そして、少なくとも4分の3のブランド が次の項目に関する、特定の焦点を絞っ た活動や手順を通してどのように企業や サプライヤーのポリシーを実行している のかを説明しています。その項目は、地 域社会とのかかわり(88%)、エネルギー や二酸化炭素排出量(79%)、そしてオフ ィスや包装の廃棄物やリサイクル(75%) です。 一方で、次の項目に関するポリシーの実 行方法を説明しているブランドは5分の 1以下でした。その項目は、年次休暇と 祝日(20%)、サプライヤーの生活条件と 寮(16%)、そして解雇や懲戒処分(16%) です。 ブランドは企業やサプライヤーのポリシ ーの実行方法を公開するために多くの対 策を取っています。しかし来年は、より 広範囲の問題に対処できるようなさらな る進展を期待しています。今年、前年比 から最も進んだ項目はこちらです。 •

アニマルウェルフェア:2020年の52% 。 2019年の47%、 2017年の34%からの 向上

強制・拘束労働:2020年の66%。 2019年 の62%、 2017年の52%からの向上

外国人や移民の労働:2020年の43% 。 2019年の32%、 2017年の30%からの 向上

非常に多くのブランドが、 人権より環境 に与える影響の改善に向けた目標を公 表している 57%のブランドが環境改善対策として、 期間を定め、数字で評価できる目標や対 象を公表しており、その内52%は、目標 達成に向けた毎年の進捗状況を報告して います。その一方で、人権の改善に関す る目標を公表しているのは38%に過ぎ ず、毎年の進捗状況を報告するブランド も36%に止まります。2020年は、公表 されている目標達成の期限としていると ころが多く、ブランドが今後、どのよう に意欲的で総合的な目標を作るのか、ア ップデートを期待をしています。 さらに前年同様、半数以下の42%のブ ランドが、様々なステークホルダーと話 し合い、最も重要である人権や環境に与 える影響を判断する、重要性評価につい て公表しました。この情報は、ブランド がどのようにビジネスにおいて優先順位 を決めているかを理解するのに役立つ情 報です。


FASHION REVOLUTION | FASHION TRANSPARENCY INDEX 2020

2. ガナバンス (経営管理) アプローチ 社会面・環境面の影響への責任者は 誰か? このセクションでは、企業の環境や社会 に対する取組の実績やその効果につい て、企業の誰が責任を負うのかを考察し ます。 始めに、ブランドがサステナビリティ関 連などに責任を担う部署の直接連絡先を 公開しているか否かについて着目しまし た。次に、環境・社会での影響に関し て、担当責任者の直接連絡先を提供して いるか否かについて確認しました。これ は、一般の人が企業に疑問を持った時、 直接連絡することでその解決に繋がると 考えられます。 また、環境・社会に関する問題の責任者 の理事の名前と、監査方法についても調 査しました。

従業員、 重役、 そして業者の生産性 を向上させるインセンティブにつ いて サステナビリティ及びCSR部署で働く 従業員(デザイナー、バイヤー、調達 マネージャー等)が、環境や社会への 影響の改善のために、どのように奨励 されているか(業務評価やボーナス査 定など)についてを調査しました。 CEOや重役レベルの給与と、人権問題 や環境マネジメントに対するインセン ティブの関連についても、同様に調査 しました。 最後に、業者のインセンティブと人権 問題や環境マネジメントとの関係性に ついて調査しました。インセンティブ の種類には、長期契約の獲得や発注の 増加、価格プレミアム(他より余分に 払ってもよいと考えている価格の部 分)、少しの会計審査等が含まれま した。

30

"Fashion is at a crossroads where one direction leads to a rapid scale-up of implementation that'll turn it into a real climate leader. The other direction leads to more commitments, but without real implementation." ファッション業界は岐路に立っています。一つは、真に 気候変動対策を先導するような迅速で広く実践につ ながる道。 もう一つは、多くの関与はありながら、何も 実行も行われない道です。

Liz McDowell,

Director, Standearth


FASHION REVOLUTION | FASHION TRANSPARENCY INDEX 2020

31

2. 経営管理 結果 0-5%

6-10%

11-20%

21-30%

31-40%

41-50%

51-60%

61-70%

71-80%

81-90%

91-100%

Aeropostale

0

Big Bazaar - ffb

8

ALDI SOUTH

17

American Eagle

25

Abercrombie & Fitch

33

Banana Republic

50

G-Star RAW

58

Asda

67

Dressmann

83

Adidas

100

Anthropologie

0

Bloomingdale's

8

ALDO

17

Aritzia

25

Hollister Co.

33

Gap

50

Prisma

58

Walmart

67

Hugo Boss

83

Reebok

100

Free people

0

Macy's

8

Amazon

17

Big W

25

ALDI Nord

33

Old Navy

50

Zalando

58

Bershka

67

Marks & Spencer

83

Balenciaga

100

Urban Outfitters

0

boohoo

8

ANTA

17

HEMA

25

ASICS

33

Burberry

50

Massimo Dutti

67

Puma

83

Bottega Veneta

100

Bally

0

PrettyLittleThing

8

Armani

17

REI

25

ASOS

33

Calvin Klein

50

Pull&Bear

67

83

Gucci

100

BCBGMAXAZRIA

0

CAROLL

8

Bosideng

17

Ted Baker

25

Beanpole

33

Tommy Hilfiger

50

Stradivarius

67

Sainsbury’sTU Clothing

SAINT LAURENT

100

Belle

0

Cotton On

8

Brooks Sport

17

The Warehouse

25

Brunello Cucinelli

33

Van Heusen

50

Zara

67

C&A

100

Billabong

0

Fila

8

Buckle

17

Tom Tailor

25

Chico's

33

Champion

50

Bonprix

67

H&M (H&M Group)

100

Quicksilver

0

Merrell

8

Burlington

17

Chloé

33

Hanes

50

Otto

67

Tchibo

100

Roxy

0

Muji

8

Calzedonia

17

Clarks

33

Converse

50

CELINE

67

Brooks Brothers

0

Sandro

8

Intimissimi

17

Columbia Sportswear

33

Jordan

50

Dior

67

Canada Goose

0

Versace

8

Tezenis

17

Dick's Sporting Goods

33

Nike

50

Fendi

67

Cato Fashions

0

Carhartt

17

Dillards

33

Foschini

50

Louis Vuitton

67

celio

0

Carolina Herrera

17

El Corte Inglés

33

Gildan

50

Marc Jacobs

67

Chanel

0

Carrefour

17

Gerry Weber

33

JCPenney

50

Esprit

67

Claire's

0

COACH

17

GUESS

33

KiK

50

New Balance

67

Costco

0

Kate Spade

17

Helly Hansen

33

Lands' End

50

New Look

67

Debenhams

0

Cole Haan

17

Jack & Jones

33

Levi Strauss & Co

50

Desigual

0

Cortefiel

17

Vero Moda

33

Lindex

50

DKNY

0

Decathlon

17

JD Sports

33

Lululemon

50

Dolce & Gabbana

0

Diane Von Furstenberg

17

Kathmandu

33

Patagonia

50

Eddie Bauer

0

Diesel

17

Kmart

33

Ralph Lauren

50

Elie Tahari

0

Marni

17

Miu Miu

33

Speedo

50

Ermenegildo Zegna

0

Disney

17

Prada

33

Tesco

50

Fanatics

0

Dr. Martens

17

Mizuno

33

The North Face

50

Fashion Nova

0

DSW

17

Moncler

33

Timberland

50

Forever 21

0

Express

17

Monoprix

33

Vans

50

Fossil

0

Famous Footwear

17

Morrisons

33

Wrangler

50

Furla

0

Foot Locker

17

OVS

33

50

Heilan Home

0

Hermès

17

Reliance Trends

33

United Colors of Benetton

Jessica Simpson

0

Hudson's Bay

17

Russell Athletic

33

Falabella

42

Jil Sander

0

Saks Fifth Avenue

17

s.Oliver

33

Kohl's

42

Jockey

0

Ito-Yokado

17

Salvatore Ferragamo

33

LOFT

42

Justfab

0

J.Crew

17

Target

33

Monsoon

42

KOOVS

0

Joe Fresh

17

TJ Maxx

33

Next

42

Lacoste

0

John Lewis

17

Tod's

33

Reserved

42

LL Bean

0

Kaufland

17

Topman

33

Matalan

0

Kmart Australia

17

Topshop

33

Max Mara

0

Target Australia

17

UGG

33

Mexx

0

K-Way

17

Very

33

New York & Company

0

La Redoute

17

New Yorker

0

Lidl

17

Woolworths South Africa

33

Pepe Jeans

0

Li-Ning

17

REVOLVE

0

Longchamp

17

Ross Dress for Less

0

Mammut

17

Skechers

0

Mango

17

Sports Direct

0

Metersbonwe

17

The Children's Place

0

Michael Kors

17

Tom Ford

0

MRP

17

Tommy Bahama

0

Neiman Marcus

17

Tory Burch

0

Nine West

17

Triumph

0

Nordstrom

17

United Arrows

0

Pimkie

17

Youngor

0

Primark

17

River Island

17

Steve Madden

17

Superdry

17

Takko

17

TOPVALU COLLECTION

17

Truworths

17

Under Armour

17

Uniqlo

17

Valentino

17

Victoria's Secret

17

Zeeman

17

*ブランドは、250点満点中のスコアでランク付けされていますが、四捨五入された数値で表示されています。同じ点数のブランドがある場合は、アルファベット順に表示され、同一の親会社であれば、他の会社とグループ化されています。

Fjällräven

75


FASHION REVOLUTION | FASHION TRANSPARENCY INDEX 2020

32

2. ガナバンス (経営管理) 調査結果 取 締 役 会の説 明 責 任について

ブランドへの連絡はどれくらい簡 単?

64%

サステナビリティーや企業で 責任を担うチームに直接つな がる連絡先を公開している

14%

人権と環境に関する業務責任者に直 接つながる連絡先を公開している

43%

40%

人権問題や環境に対する 影響について、企業の責 任者を公開している

取締役会における説明責 任が明確になっている

インセンティブは、社会・環境における発 展につながっている?

9%

従業員のインセンティブ(賃 金やボーナス)は、社会・環 境に関する取組の改善と関連 がある事が説明されている

14%

重役のインセンティブ(賃金 やボーナス)は、社会・環境 に関する取組の改善と関連が ある事が説明されている

29%

サプライヤーが行う労働条件や環 境マネジメントの改善に対しての 奨励(発注の増加、長期契約、審 査削減)について説明されている


FASHION REVOLUTION | FASHION TRANSPARENCY INDEX 2020

33

2. ガナバンス (経営管理) 分析 顧客とステークホルダーの繋がりを可 能にする

取締役会における人権及び環境への影 響に対する説明責任について

取締役、従業員、供給業者のインセンテ ィブは、進歩を生む

ブランドがビジネスにおいて高い透明 性を持つためには、一般の人が企業 のサステナビリティや責任を担う部署 と直接連絡を取れるようにすることで す。そうすることで、ブランドは、顧 客やステークホルダーに質問の機会を 提供し、オープンなコミュニケーショ ンの場を設けることができます。した がって私たちは、ブランドに対し関連 部署のEメールアドレスや電話番号の公 表をしているかを調査します。

多くのCEOが、今後のビジネスに必 要不可欠であるとして持続可能性に 関する課題に関心を寄せ始めていま す。Accentureや2019年のUN Global Compact によると、1,000名の世 界的な企業の取締役が参加した最近 の調査では、2030年にSustainable Development Goalsを達成するために は、経済界の更なる貢献が求められると 記されています。興味深いことに、CEO の88%が世界の経済システムを公正なも のにすべきと考えています。

私たちは主流ブランドがどのように従業 員や企業の重役、サプライヤーが人権問 題や環境の改善をすることに、インセン ティブを与えているか調査しました。

現在、64%のブランドがCSRやサステ ナビリティ関連部署のEメールアドレス を公表しており、昨年の60%と比較し ても増加傾向にあります。しかし、人 権や環境問題の担当者の直接連絡先を 公開しているブランドは未だ14%に留 まります。来年の報告書では、これら の数値が著しく増加し、中でも企業の CSR、サステナビリティ関連部署の直 接連絡先を公開するブランドが増加す ることを期待しています

このトピックでは、半分以下の43%の ブランドが、企業内で人権や環境問題の 責任を負う取締役の名前を公開してお り、40%が取締役レベルの説明責任が、 現実にどのように実行されているかを公 開しています。

インセンティブを与えるという意味はど のように従業員や重役たちに上記の改善 方法がいかに勤務評価・賃金・ボーナス に影響するのかを説明しているかを調査 しました。 その結果、わずか9%のブランドしか人 権問題や環境を改善する取組をしてい る従業員(デザイン、部品調達、買い付 け、販売、生産などに従事する)に対し てインセンティブを発生させると公表し てませんでした。同時に、企業の重役 (CEO、CFO、社長等)の給料やボーナ スに、人権問題や環境を改善する取組の 評価が反映されていると公表したブラン ドは、昨年の10%よりは増加したもの の、14%のみでした。一方で、29%の ブランドが、人権や環境を改善する取組 における業者のインセンティブを公表し

ました。このインセンティブには、長期 的な売買契約や発注の増加、価格プレミ アムや少ない会計審査などが含まれてい ます。 ブランドがサプライヤーに対し、ビジネ スの優良事例として、このようなポリシ ーや期待を伝えてはいますが、その結果 が企業の重役や従業員の評価につながっ ているという情報を公開しているブラン ドは少ないのが現状です。なぜブランド は自社の従業員や重役に対して、成果主 義でインセンティブや説明責任を導入し ていないのに、サプライヤーにさせよう としているのかは疑問に思います。


FASHION REVOLUTION | FASHION TRANSPARENCY INDEX 2020

34

3. トレーサビリティー アプローチ 主流ブランドや小売業者は、 サプライヤーの詳 細リストを公表しているのか? このセクションでは、各ブランドがサプライヤ ーのリストを公開しているのか、その情報公開 がどのレベルまでされているかに焦点を当てて います。 公表データのチェック項目の例:

サプライヤーの施設の住所

それぞれの施設で製造された商品/サービスの種類

おおよその従業員数

それぞれの施設での性別内訳

施設に労働組合がある

施設に独立した労働者委員会がある

移民労働者、契約社員の割合

親会社の名称

サプライチェーンでにおけるそれぞれの施設との取引 関係

施設のリストがcsvファイルかエクセルで入手可能施設 のリストが過去6か月以内に更新されている

工場、加工施設、素材供給業者の公表 サプライヤーリストの確認にあたり下記 の3つのレベルに分けて調査しました。 第一に、ブランドは服を製造する工場( 直接ブランドが関係性を持ち、通常、裁 断、縫製、最終の仕上げを行いう施設) を公開しているか。 第二に、ブランドはその下のサプライチ ェーンにある加工施設(下請け企業を通 した、繰綿・紡績から、湿式加工工程、 刺繍、プリント、仕上げ、染色、洗濯に 至るまで)を公開しているか。 最後に、ブランドは原材料サプライヤー (繊維、皮、天然ゴム、染料、金属など の主要原材料など)を公開しているか、 という点です。 更に、私たちはブランドが革、綿、羽 毛、羊毛などの原材料のうち、少なくと も一つのサプライチェーンの追跡ができ ており、その情報を公表しているかも確 認しました。

"Transparency and traceability are enablers of change" 透明性とトレーサビリティは、 変化を可能にする。

Leslie Johnston,

Chief Executive Officer at Laudes Foundation


FASHION REVOLUTION | FASHION TRANSPARENCY INDEX 2020

35

3. トレーサビリティー 結果 0%

1-5%

6-10%

11-20%

21-30%

31-40%

41-50%

51-60%

61-70%

71-80%

Aeropostale

0

ALDO

1

Tod's

ALDI SOUTH

17

Morrisons

30

Topman

39

Bonprix

49

Clarks

59

C&A

70

H&M (H&M Group)

ANTA

0

American Eagle

1

Fjällräven

8

ALDO

17

Speedo

30

Topshop

39

Russell Athletic

49

Converse

59

ASOS

66

Armani

0

Aritzia

1

Prisma

8

Amazon

17

Target

29

Levi Strauss & Co

38

ASICS

48

Jordan

59

Adidas

62

United Colors of Benetton

Bally

0

Bloomingdale's

1

Abercrombie & Fitch

6

ANTA

17

Zalando

29

The Warehouse

35

Monsoon

48

Nike

59

Reebok

BCBGMAXAZRIA

0

Macy's

1

Hollister Co.

6

Armani

17

Ted Baker

28

Anthropologie

33

Helly Hansen

47

G-Star RAW

59

Patagonia

Beanpole

0

Burberry

1

Joe Fresh

6

Bosideng

17

Cotton On

27

Free people

33

HEMA

47

Lindex

59

Belle

0

Canada Goose

1

Brooks Sport

17

Fanatics

27

Urban Outfitters

33

Puma

47

Debenhams

57

Big Bazaar - ffb

0

Carrefour

1

Buckle

17

Hermès

27

John Lewis

32

Banana Republic

46

Ermenegildo Zegna

57

Billabong

0

CELINE

1

Burlington

17

Mammut

27

Gap

46

Lululemon

57

Quicksilver

0

Dior

1

Calzedonia

17

River Island

27

Old Navy

46

54

Roxy

0

Fendi

1

Intimissimi

17

Under Armour

27

New Balance

46

Sainsbury’sTU Clothing

boohoo

0

Louis Vuitton

1

Tezenis

17

ALDI SOUTH

25

New Look

43

PrettyLittleThing

0

Marc Jacobs

1

Carhartt

17

Columbia Sportswear

25

Tchibo

42

Bosideng

0

Chloé

1

Carolina Herrera

17

Jack & Jones

25

Tesco

42

Brooks Brothers

0

COACH

1

Carrefour

17

Vero Moda

25

Brunello Cucinelli

0

Kate Spade

1

COACH

17

Kathmandu

25

Buckle

0

Cole Haan

1

Kate Spade

17

Next

25

Burlington

0

Cortefiel

1

Cole Haan

17

Very

25

Calzedonia

0

Costco

1

Cortefiel

17

Hugo Boss

24

Intimissimi

0

Dr. Martens

1

Decathlon

17

Pimkie

24

Tezenis

0

Famous Footwear

1

Diane Von Furstenberg

17

Zeeman

24

Carhartt

0

Fossil

1

Diesel

17

Lacoste

23

Carolina Herrera

0

Gerry Weber

1

Marni

17

Mizuno

23

CAROLL

0

Ito-Yokado

1

Disney

17

OVS

23

Cato Fashions

0

J.Crew

1

Dr. Martens

17

Primark

23

celio

0

KiK

1

DSW

17

Kaufland

22

Chanel

0

Lands' End

1

Express

17

Uniqlo

22

Chico's

0

LL Bean

1

Famous Footwear

17

Claire's

0

Merrell

1

Foot Locker

17

Decathlon

0

Miu Miu

1

Hermès

17

Desigual

0

Prada

1

Hudson's Bay

17

Diane Von Furstenberg

0

Moncler

1

Saks Fifth Avenue

17

Dick's Sporting Goods

0

MRP

1

Ito-Yokado

17

Diesel

0

Nordstrom

1

J.Crew

17

Marni

0

Otto

1

Joe Fresh

17

Dillards

0

Ralph Lauren

1

John Lewis

17

DKNY

0

Reserved

1

Kaufland

17

Dolce & Gabbana

0

s.Oliver

1

Kmart Australia

17

DSW

0

Salvatore Ferragamo

1

Target Australia

17

Eddie Bauer

0

Superdry

1

K-Way

17

Elie Tahari

0

Takko

1

La Redoute

17

Express

0

UGG

1

Lidl

17

Falabella

0

Walmart

1

Li-Ning

17

Fashion Nova

0

1

Longchamp

17

Fila

0

Woolworths South Africa

Mammut

17

Foot Locker

0

Mango

17

Forever 21

0

Metersbonwe

17

Foschini

0

Michael Kors

17

Furla

0

MRP

17

GUESS

0

Neiman Marcus

17

Heilan Home

0

Nine West

17

JCPenney

0

Nordstrom

17

JD Sports

0

Pimkie

17

Jessica Simpson

0

Primark

17

Jil Sander

0

River Island

17

Jockey

0

Steve Madden

17

Justfab

0

Superdry

17

Kmart

0

Takko

17

Kohl's

0

TOPVALU COLLECTION

17

KOOVS

0

Truworths

17

K-Way

0

Under Armour

17

La Redoute

0

Uniqlo

17

Li-Ning

0

Valentino

17

Longchamp

0

Victoria's Secret

17

Mango

0

Zeeman

17

Max Mara

0

Metersbonwe

0

Mexx

0

Michael Kors

0

Monoprix

0

Muji

0

Neiman Marcus

0

New York & Company

0

New Yorker

0

Nine West

0

Pepe Jeans

0

Reliance Trends

0

REVOLVE

0

Ross Dress for Less

0

Sandro

0

Skechers

0

Sports Direct

0

Steve Madden

0

The Children's Place

0

TJ Maxx

0

Tom Ford

0

Tommy Bahama

0

TOPVALU COLLECTION

0

Tory Burch

0

Triumph

0

Truworths

0

United Arrows

0

Valentino

0

Versace

0

Youngor

0

10

*ブランドは、250点満点中のスコアでランク付けされていますが、四捨五入された数値で表示されています。同じ点数のブランドがある場合は、アルファベット順に表示され、同一の親会社であれば、他の会社とグループ化されています。

Dressmann Marks & Spencer Calvin Klein Tommy Hilfiger Van Heusen Gildan Champion Hanes

53 53 52 52 52 52 51 51

81-90%

91-100%

Esprit

82

The North Face

81

Timberland

81

62

Vans

81

61

Wrangler

81

77 73


FASHION REVOLUTION | FASHION TRANSPARENCY INDEX 2020

36

3. トレーサビリティー 調査結果 一次製造 業者の詳細公表について

40%

36%

30%

14%

4%

25%

一次製造業者のリス トを公表している

住所が含まれている

おおよその従業員 数が含まれている

性別の内訳が含 まれている

各工場においての 労働組合の有無が 含まれている

95%以上の製造業者 が公表されている

加工施設について

原 材 料サプライヤーについて

24%

22%

8%

7%

6%

50%

一次製造業者の先の 加工施設などの情報 が公開されている

住所が含まれている

性別の内訳が含 まれている

原材料サプライヤ ーを公開している

過去12か月以内にリ ストが更新されている

最低一つの原材料サプ ライチェーンの構造 が明確化されている


FASHION REVOLUTION | FASHION TRANSPARENCY INDEX 2020

37

3. トレーサビリティー 分析 以前のFashion Transparency Indexにお いて、Industrial GLobal Union 事務総長 補佐のJenny Hodcroftがこのように話し ています

「工場から仕入れる主な販売業 者名を認知することは、労働者や 組合へ強い影響力を与えます。組 合の認知を拒否したり、権利を要 求したための不法解雇などの対 立を解決するために重要です。更 に、 それらの情報は労働者と顧客 が繋がり、 メディアが労働者の抱 えている問題を取り上げる可能 性をも秘めているのです。」 サプライヤーリストの一般公開は、主流 ブランドと小売業者が提供する工場で労 働者が抱えている問題について、労働組 合や労働者の権利団体に訴えかけ、修正 するための手助けとなります。(詳細は p.39, 40の事例研究を参照ください。)

トレーサビリティー:全体の平均得 点の前年比の進捗 2017

2018

8%

2019

2020

全参加ブランド100のうち

11%

全参加ブランド150のうち

12%

全参加ブランド200のうち

16%

全参加ブランド250のうち

サプライヤーリストの公表は、ブランドに とってもメリットがあります。これらの情 報が公になることで、組合や市民社会グル ープは、ブランドのサプライチェーンにお いて不正な下儲けが起きるのかを明確に することが可能なのです。また、ブランド が利害関係者にどこで商品が製造されて いるのかを素直に明らかにすることは、投 資家や消費者がブランドに対しての信頼 性を高めることもできるのです。

一次製造業者の公表 第一に、一次製造業者とは、服の製造 において裁断、縫製、衣服の仕上げを 行うサプライヤーのことです。今年の 調査は、40%のブランド(全250のう ち101)が一次製造業者を公開してお り(2019年の35%から増加)、その うち36%が工場の住所も公表していま す。29%が製品とサービスの種類、30% は施設のおおよその従業員数を公開して います。14%が男女の性別の内訳があ り、昨年度の9%より上昇しました。ま た、4%が工場に労働組合と独立した労 働者委員会のどちらかまたは両方がある かを公表しており、同様に、4%が移民 労働者または契約社員の数を明らかにし ています。. Transparency PledgeとOpen Apparel Registryのの要望に合わせ、ブランド がサプライヤーリストにある各施設に 関する追加情報を確認しました。そし て、18%が各工場の親会社を(ある場合 は)、15%が労働組合やNGOが情報を 活用しやすいように、csvファイルやエ クセルで施設一覧リストが公表されてい ることを確認しました。公開リストにあ る製造業者について全体の割合を公表し

たのは、わずか28%のブランドでした が、25%は関係する95%以上の製造業 者を公開しています。最後に、32%のブ ランドは製造業者リストを過去6か月以 内に公開・更新していることを明確にし ています 他の嬉しいニュースとして は、Ermenegildo Zegna が詳細のサプ ライヤーリストを公開した初めてのラグ ジュアリーブランドとなりました。と言 ってもご存知の通り、Hermesは長年に わたり、複数の製造業者やサプライヤー を明らかにしています。そして他にも、 Balenciaga、Bottega、Veneta、Guc ci 、Saint Laurentなども少しではあり ますが、今年初めて原材料サプライヤー の公開を始めました。我々はこの進歩を とても嬉しく思い、他のラグジュアリー ブランドも続いてくれることを期待して います。 加えて、昨年のレポートで調査された14 のブランド(Amazon, Anthropologie, Lacoste, Monsoon, OVS, River Island, Ted Baker, Tod’s, Tom Tailor, Victoria Secret and Zalando)について は、今年初めて一次製造業者を公開して います。


FASHION REVOLUTION | FASHION TRANSPARENCY INDEX 2020

加工施設の公表 加工施設とは、綿繰り、紡績、編み、織 り、染色、湿式加工工程、革なめし、刺 繍、装飾、仕上げ、プリント、洗濯など 様々な工程を行う場を指します。24%の ブランド(全体250のうち60)は、加工 施設を公表しています。(2019年の19 %から上昇) また、22%は施設の住所、20%はそこ で取り扱う商品やサービスの種類、16% がおおよその労働者数をが明らかになっ ています。加えて、8%は労働者の男女 比(昨年の4%より増加)、1%が独立し た労働組合や労働者委員会が適切に設置 しているか否か、2%は移民労働者・契 約労働者の割合を明確にしています。 12%のブランドが各施設の親会社の名を (ある場合)、10%が労働組合やNGO が情報を活用しやすいよう、csvファイ ルやクセルで施設一覧リストを公表し

ています。わずか10%は、公開リス トにある加工施設が全体のどのくらい の割合にあたるのかを公にし、全体の 8%は95%以上の加工施設を公開して います。そして、20%は、加工施設リ ストを過去6か月以内に公開・更新し ています 最後に、今年新たに公表された指針と して、各加工業者がどの製造業者と連 携しているかを調査しました。現在、 このデータを開示するブランドは、わ ずか3%でした。このデータは、サプラ イチェーンにおける異なる段階の関係 性を築き、供給業者・組合・労働者権 利団体が問題解決ための正しい判断に 導くために、非常に重要です。 良い結果として、昨年のレポ ートで報告された15のブラン ド(Anthropologie/ Urban Outfiitters、Asics、Calvin Klein/ Tommy Hilfiger/ Van He usen、Clarks、Debenhams 、Dressman、Ermenegildo Zegna、Lululemon、Monsoon、New Look、Sainsbury’s- TU Clothing and Topshop)については、今年初めて加 工施設を公開しています。

[写真] PHOTOGRAPHY ©NÄZ naz.pt/

38

原材料サプライヤーの公表 原材料サプライヤーは、ブランドや製造 業のさらに先のチェーンに、繊維、皮、 天然ゴム、染料、金属など他の原材料を 提供しています。7%のブランド(全体 250のうち18)は、原材料サプライヤ ーを公表しています。(2019年の5% から上昇)これは、ビスコース生地、リ サイクルポリエステル、ウール、コット ンのほんの一握りのサプライヤーのみに よる情報公開しかありません。 6%のブランドは、この原材料サプライ ヤーリストを過去12か月以内に公開・ 更新していて、そのうち4%はサプライ ヤーの住所も入っています。それに加 え、6%が素材の種類、3%はおおよそ の労働者数、2%が労働者の男女比を明 示しています。1%にも満たないブラン ドが移民・契約労働者の数を公開してお り、同様に、わずか1%弱のブランドの みが労働組合やNGOが情報を活用しやす いように、csvファイルやエクセルファ イルで施設リストを公表しています。 少し明るいニュースとしては、約過半 数のブランドが、一つ以上の原料のサ プライチェーンを追跡した証拠を公開 しています。原材料の代表的な例とし て、コットン、ビスコース生地、ウー ル、リサイクルポリエステル、皮、天 然ゴムがあげられます。この追跡作業 にブランドが利用している可能性があ るツールとして、認証システム (例: Responsible Down/Wool Standard、 Global Recycling Standard、Content Claim Standard、Organic Cotton

Standard, GOTS、FAIRTRADE Certified Cotton Mark and Cotton Programme、Cotton Made in Africa HIP、Oeko-Tex SteP/Made in Green、Leather Working Group) や ブロックチェーン、取引認証、DNAス キーム他、同類のテクノロジーです。 その他の良いニュースとして、昨年 のレポートで報告された7つのブラン ド(Bottega Veneta、Gucci、Saint Laurent、Ermenegildo Zegna、H&M (H&M Group)、Tesco and United Colors of Benetton)については、今 年初めて原材料サプライヤーを公開し ています。 来年、50%以上のブランドが原材料 サプライヤーリストを公表するととも に、より多くのブランドが、さらに先 のサプライチェーンである加工施設、 工場、革なめし工場、原材料サプライ ヤーを発表することを願っています。 労働者の搾取は、隠れた場所で行われ る傾向にあるからこそ、一次サプライ ヤーより先の透明性に焦点を当てるこ とは、極めて重要です。


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事例研究:

透明性に関する活動 [LEFT] レソト王国の衣服 労働者 ©ALAFA

[RIGHT] 2019年、バン グラデシュの衣服労働者 が、ダッカ郊外のサバー ルで講義のスローガンを 叫ぶ様子 © 2019 AP

Worker Rights Consortium レソト王国 2019年、WRC:Worker Rights Consortium によると、レソト王国にあ る同じサプライヤーが所有する3つの工 場で、女性労働者が雇用維持や昇進の条 件として、常習的に上司と性的行為を強 制されていると報告しました。そこで WRCが取材を行ったところ、およそ3分 の2の労働者は、自身や同僚がセクシャ ルハラスメントや虐待の経験をしたとい う情報が得られました。また、ウェブサ イトで公表するサプライヤーリストよ り、VF Corporation とLevi Strauss& Co.は、この3つの工場から調達してい ることが分かりました。この深刻な問題 を解決するため、WRCは地元の労働組 合、NGO、二つの企業の間で話し合いを

進め、組織を超えた法的拘束力のある 合意を取り決めました。 合意の一部として、独立調査機関が設 立されました。ここでは、労働者から の苦情を受け付け、調査・評価を行 い、共同で取り決めた行動規範の違反 を取り締まり、現地の法律によって救 済策が指示・執行されています。

International Labor Rights Forum ※米国ワシントンD.C.に本部を置く非営利の権利擁護団体であり、「世界中の貧困層の擁護者および擁護者」と称される。

バングラデシュ

2018年12月、バングラデシュ政府 は衣服労働者の最低月給を8000Tk( $95USD)に引き上げました。しかし、 この新しい最低月給は労働者権利団体と 労働組合が要求する額のわずか半分で す。この最低賃金では増加する生活費を 賄うには不十分なため、労働者は大規模 な平和的ストライキを路上で行いまし た。結果、2か月間で、ストライキを起 こした65人の労働者が逮捕され、数百人 が工場のオーナーの要請による根拠のな い告発に直面しました。約11,600人の 労働者が不法に解雇され、そのほとんど の人々は組織的にブラックリストとして

登録され、他の仕事に就くことができま せんでした。International Labor Rights Forumは、公開されているサプライヤー リストを使い、労働者に対して根拠のな い訴訟を起こしている工場と関連のある 主流ブランドを特定しました。その取組 の結果、14の工場が行った告発は取り下 げられました。


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40

事例研究:

透明性に関する活動 [写真左]バングラデシュ の衣料労働者がGarment Worker Diaryプロジェ クトの一環として、労働 日記を付けている様子 ©Microfinance Opportunities

[写真右]マレーシアにあ る工場の衣料労働 者。©giz.de

Garment Worker Diaries, Microfinance Opportunities バングラデシュ 共同プロジェクト”the Garment Worker Diaries(2019)”の最先端の研究によ ると、バングラデシュにて、ブランドが 公開するサプライヤーリストの工場で働 く労働者は、そうでない工場で働く労働 者より多くの月給を稼いでいます。具体 的には、リストにある工場で働く労働者 は、1時間5タカ多く稼いでいます。これ は、リスト非公開の工場で働く労働者と 比較すると、月に208時間分の作業で、 加算料金は1040タカにも相当する計算 です。この差は、通常の月額家賃の3分 の1にもなります。

Transparentem マレーシア マレーシアの5つの工場では、移民労働 者に対する特有の労働権侵害が行われて いることがTransparentumの長年の調 査で明らかになりました。これらの工場 で移民労働者は、一見良い条件で採用さ れますが、裏では法外な求人料を支払わ され、パスポートは没収されることによ り、移動の自由が制限されていました。 そこで、Transparentumは、一般に入 手可能なサプライチェーンのデータと 他の証拠を用いて、これらの工場と23 の国際的なブランドとサプライヤーを結 びつけました。また、Transparentem

によって行われた調査や共同ブランド エンゲージモデルにより、2年以内に 1600人の労働者のパスポートの返却 と、労働者採用の際の求人料の175 万ドルの返済が約束されました。そし て、2018年10月には、業界の宣言 として、the American Apparel and Footwear Association (AAFA )/ Fair Labor Association (FLA) Apparel & Footwear Industry Commitment to Responsible Recruitmentを策定しまし た。現在までにこの宣言は、139のブ ランドによって署名され、150〜2000 万人の労働者を奴隷のような労働から 守っています。


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41

4. 把握・開示・改善 アプローチ

主流ブランドや小売業者は、 彼らの人権や環境面におけるデューデリジェンスのプロ セスについて、 どのように説明しているでしょうか?また、 その規則の順守について、 どのようにサプライヤーを評価しているでしょうか?

今回は、以下の各情報をブランドが開示していれば点数を与えることとしました。 •

サプライチェーンにおいて、人権問題や環

境に与えるリスクや影響、 また違反を、 そ

新規のサプライヤーを採用する際のプロ

ためのアプローチ) •

労働者、労働組合、 その他ステークホルダ

サプライヤーの評価はどれくらいの頻度で 行われているか (例. 12ヶ月に1回)

ーが、 どのようにデューデリジェンスのプロ

ブランドは、一次サプライヤー以下に対し ても監査を行っているかどうか

セスに関与しているか。 • •

改善

今年は、ブランドがサプライチェーンに おいて、人権問題や環境に与えるリスク や影響、また違反を特定するためにどの ようなステップを踏んでいるのかを理解 するべく、人権と環境面でのデューデリ ジェンスに関する新たな指標を導入しま した。

最後に、サプライチェーン内で起きてい る人権侵害・環境侵害をどのように是正 しているかについて、ブランドが公表し ている内容を調べました。さらに、ブラ ンドがサプライチェーン内の従業員と労 働者の両方に向け、匿名の苦情申告シス テムを提供しているかどうか、またブラ ンドが自身の人権侵害・環境侵害を是正 し、従業員からの苦情に対処するための 努力の結果を公表しているかどうかにつ いても調べました。

セス

のブランドがどのようにして特定し、 対応し ているか。 (デューデリジェンスを実施する

把握

サプライヤーの評価において、労働してい

ブランドの方針に対し、 サプライヤーはど

る現場以外で労働者への面接を行ってい

のように評価されているか

るかどうか。行っている場合、何名の労働 者に面接をしているか

また、ブランドはサプライヤーがエシカ ル基準やポリシー(通常は工場監査も含 め)を満たしていることを確認する評価 の仕方や、どの第三者評価基準を使用し ているかについての情報も調べました。

開示 ブランドが、サプライヤーの評価結果 を、工場で確認された問題としてまとめ た形か、もっと細かく(例:個別の工場 による調査結果)開示しているかどうか について調べました。


FASHION REVOLUTION | FASHION TRANSPARENCY INDEX 2019

42

4. 把握・開示・改善 結果 0-5%

6-10%

11-20%

21-30%

31-40%

41-50%

51-60%

61-70%

Aeropostale

5

boohoo

10

Cortefiel

19

Gildan

30

Bershka

40

Puma

46

Adidas

59

Carolina Herrera

5

PrettyLittleThing

10

Disney

19

Hugo Boss

30

Massimo Dutti

40

Esprit

44

Reebok

59

Chanel

5

Brunello Cucinelli

10

LOFT

19

Kmart Australia

30

Pull&Bear

40

Balenciaga

43

C&A

59

Dr. Martens

5

Cato Fashions

10

Mizuno

19

Target Australia

30

Stradivarius

40

Bottega Veneta

43

H&M (H&M Group)

56

Jockey

5

Dillards

10

Prisma

19

Topman

30

Zara

40

Gucci

43

LL Bean

5

Express

10

REI

19

Topshop

30

New Balance

40

SAINT LAURENT

43

Nine West

5

Fossil

10

Speedo

19

Cotton On

29

Banana Republic

38

Levi Strauss & Co

43

REVOLVE

5

John Lewis

10

Columbia Sportswear

17

OVS

29

Gap

38

Marks & Spencer

43

Ted Baker

5

Kaufland

10

El Corte Inglés

17

Russell Athletic

29

Old Navy

38

Patagonia

43

Tommy Bahama

5

Li-Ning

10

Fjällräven

17

ASICS

27

ASOS

37

Dressmann

41

Armani

3

Michael Kors

10

Ito-Yokado

17

Converse

27

Calvin Klein

37

Primark

41

BCBGMAXAZRIA

3

Muji

10

Kathmandu

17

Jordan

27

Tommy Hilfiger

37

Uniqlo

41

Beanpole

3

Reliance Trends

10

Mango

17

Nike

27

Van Heusen

37

Brooks Brothers

3

Ross Dress for Less

10

Matalan

17

Lidl

27

Debenhams

37

Carhartt

3

Sandro

10

Ralph Lauren

17

Tesco

27

Lindex

37

Claire's

3

The Children's Place

10

River Island

17

The North Face

27

37

DKNY

3

TJ Maxx

10

Victoria's Secret

17

Timberland

27

United Colors of Benetton

Eddie Bauer

27

Big W

35

Lululemon

35

Burberry

33

G-Star RAW

33

New Look

33

Sainsbury’sTU Clothing

33

3

Truworths

10

ALDO

16

Vans

Foot Locker

3

Anthropologie

8

Chloé

16

Wrangler

27

Forever 21

3

Free people

8

Desigual

16

Asda

25

Justfab

3

Urban Outfitters

8

Hudson's Bay

16

Walmart

25

K-Way

3

Buckle

8

Saks Fifth Avenue

16

Champion

25

La Redoute

3

CAROLL

8

Jack & Jones

16

Hanes

25

Neiman Marcus

3

Cole Haan

8

Vero Moda

16

Helly Hansen

25

Steve Madden

3

DSW

8

Monoprix

16

Morrisons

25

Calzedonia

2

Ermenegildo Zegna

8

The Warehouse

16

Target

25

Intimissimi

2

Jil Sander

8

Tom Tailor

16

Very

25

Tezenis

2

Miu Miu

8

Amazon

14

Abercrombie & Fitch

24

Diane Von Furstenberg

2

Prada

8

Clarks

14

Hollister Co.

24

Fashion Nova

2

Otto

8

COACH

14

HEMA

24

Sports Direct

2

Tod's

8

Kate Spade

14

Next

24

Tory Burch

2

ANTA

6

Dick's Sporting Goods

14

ALDI Nord

22

United Arrows

2

Aritzia

6

GUESS

14

Brooks Sport

22

Bally

0

Billabong

6

JD Sports

14

Decathlon

22

Belle

0

Quicksilver

6

Moncler

14

Falabella

22

Big Bazaar - ffb

0

Roxy

6

Monsoon

14

Zalando

22

Bosideng

0

Canada Goose

6

MRP

14

ALDI SOUTH

21

celio

0

Diesel

6

Salvatore Ferragamo

14

Carrefour

21

Dolce & Gabbana

0

Marni

6

Triumph

14

Mammut

21

Elie Tahari

0

Famous Footwear

6

Zeeman

14

Nordstrom

21

Heilan Home

0

Fanatics

6

Foschini

13

Under Armour

21

Jessica Simpson

0

Fila

6

JCPenney

13

KOOVS

0

Furla

6

Kohl's

13

Longchamp

0

Gerry Weber

6

Lands' End

13

Max Mara

0

s.Oliver

6

Reserved

13

Metersbonwe

0

Skechers

6

Superdry

13

Mexx

0

TOPVALU COLLECTION

6

Takko

13

New Yorker

0

Valentino

6

American Eagle

11

Pepe Jeans

0

Versace

6

Bloomingdale's

11

Tom Ford

0

Macy's

11

Youngor

0

Burlington

11

CELINE

11

Dior

11

Fendi

11

Louis Vuitton

11

Marc Jacobs

11

Chico's

11

Costco

11

Hermès

11

J.Crew

11

Joe Fresh

11

KiK

11

Kmart

11

Lacoste

11

Merrell

11

New York & Company

11

Pimkie

11

UGG

11

Woolworths South Africa

11

Bonprix Tchibo

32 32

*ブランドは、250点満点中のスコアでランク付けされていますが、四捨五入された数値で表示されています。同じ点数のブランドがある場合は、アルファベット順に表示され、同一の親会社であれば、他の会社とグループ化されています。

71-80%

81-90%

91-100%


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43

4. 把握・開示・改善 調査結果 把握:デューデリジェンスのプロセスについて

把 握:サプライヤーの評 価について

34%

12%

11%

92%

58%

40%

人権や環境面でのデュ ーデリジェンスへの 取組を公表している

デューデリジェンスにお いて、各ステークホルダ ーがどのように関与して いるかを説明している

どのようなリスクが特 定され、緊急度が高い のかを公表している

サプライヤーが保有する 施設の状態を評価するプ ロセスを公表している

使用する第三者評価 基準を公表している

一次サプライヤー より先のサプライ ヤーに対する評価 を実施している

改 善:問 題の是 正について

開示:監査結果の公表について

45%

25%

0%

75%

40%

16%

一次サプライヤーの監 査結果を公表している

一次サプライヤーの名 前を挙げ、一部の監査 結果を公表している

一次サプライヤーの 名前を挙げ、全監査 結果を公表している

サプライヤーを是正 するためのプロセス を公表している

サプライチェーンの労働 者向けに匿名苦情申告シ ステムを提供している

サプライチェーン内の苦 情について、申告、対 応、解決した件数に関す るデータを公表している


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44

4. 情報の把握、表示、修正 分析 把握 人権と環境に関するデューデリジェンス 全体のわずか34%のブランドが、自社 のサプライチェーンにおける人権や環境 リスクや影響、その侵害について、積極 的な把握に努めている、つまり、自社の デューデリジェンス実施に対する姿勢を 公表しているという事です。人権に関す るデューデリジェンスの実施は、OECD が発行するガイドラインにおいて、分野 ごとに明確かつ包括的に示されているた め、このプロセスの実施を公表するブラ ンドがこれほど少ないことは驚きです。 多くのブランドは、広くデューディリジ ェンスの取組を説明するのではなく、製 造施設の監査のみで、サプライヤーの監 査は一部分に留まっているのが現状のよ うです。 さらに、全体の12%のブランドのみが、 労働者・生産者・農家・労働組合・その 他ステークホルダーが、デューデリジェ ンスのプロセスへの関与について明確に しています。11%のブランドが、サプラ

イチェーンにおけるデューデリジェンス において、人権や環境に対するリスク、 影響、違反が特定されたのか、またその 問題の優先順位づけの仕方(例. 低優先 度、中優先度、高優先度)について公表 していました。一方、このような人権や 環境に対するリスク、影響、違反を止 め、防止し、緩和し、是正するために行 った施策の結果を公表しているブランド はわずか8%でした。

サプライヤーの評価 92%のブランドが、どのような種 類のサプライヤーの査定を行ってい るかについての情報を公表してお り、2019年の88%、2017年の84 %から増加しています。これらのブラ ンドは通常、工場の社会監査を行っ ています。58%のブランドが、Higg Index、SMETA、BSCI、WRAPなど、使 用する外部評価基準や評価方法を公表し ています。これは2020年の新しい指標 であり、サプライヤーの社会的・環境的 基準に対する法令遵守の度合いを測る上 で、どのような基準が用いているかを正 確に知るために有用です。

約半数(48%)のブランドが、サプラ イヤーの監査を定期的に行っていると公 表しています。通常、年に1回程度です が、リスクのレベルに応じてその頻度は 変化します。 これらの監査において、事前通知をする 場合、事前通知をしない場合、また軽い 通知を行う場合(サプライヤーに2週間 の猶予が与えられる場合)について、各 件数を示すデータを公表しているブラン ドはわずか13%でした。サプライヤー が、監査のために特別な準備をする可能 性があるリスクは常にあります。Sedex はこのリスクを軽減するために、事前 通知あり、事前通知なし、軽い事前通知 ありを混在させて監査を行うことが最 善策であると提案しています(Sedex, 2017)。 監査のプロセスに、工場の敷地外での労 働者との面接が含まれていると報告した ブランドはわずか10%でした。労働者 と直接話すことは、その労働環境を本当 の意味で理解する上で非常に重要です。 現場の外で面談を行うことで、労働者は 上司に聞かれ、後で罰を受けることを恐 れずに、自由に話す機会をより多く得る ことができます。

65%のブランドは、新しいサプライヤー を導入する際、その施設がブランドが求 めるポリシーと基準にあっているかを生 産に入る前に確認するための基準を公開 しています。この確認のほとんどは、何 らかの形でのサプライヤーによる自己評 価、もしくは生産前に監査する形で行わ れています。この数値は、2017年の55 %から増加しています。 40%のブランドが、サプライヤーの評価 における評価対象は、直接的な製造業者 のみならず、加工施設、繊維工場、ラン ドリー、染色工場、原材料や農場のサプ ライヤーやも含むと説明しています。こ れは、ブランドが直接関係を持つ施設だ けでなく、サプライチェーン全体で社会 的・環境的基準が守られていることを確 認するために取り組んでいることを示唆 しています。


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開示 サプライヤー監査結果の開示 45%のブランドが、工場監査からの一般化さ れた調査結果を公表しています。しかし、加 工施設(18%)や原材料サプライヤー(5%) のようなサプライチェーン内で、一次サプライ ヤーより先にあるサプライヤーについて、この 調査結果を開示しているブランドは、非常に 少数となっています。 多くのブランドや小売業者は、サプライヤ ーの社会的・環境的コンプライアンスにつ いて、格付けシステム(例: 緑・オレンジ・ 赤、またはA、B、C)を運用しています。し かし、実際に特定のサプライヤーの評価に ついて、名前を出して公開しているのは、わ ずか2ブランド(1%)にすぎません。例え ば、H&M(H&M グループ)は、全製造業者 と、多くの加工施設・生地工場のリストを公 開しています。このサプライヤーの多くは、 コンプライアンス評価(金、銀、その他)があ ります。 全ブランドの4分の1(25%)が、特定の工場 についてその名前と共に監査結果を公表し ています。これは、2013年のラナプラザ崩壊 事件以降、何千もの工場を検査し、その改善 に取り組んできた「Bangladesh Accord on Building and Fire Safety(バングラデシュ における火災予防および建設物の安全に関 わる協定)」のメンバーであることが大きく影 響しています。Bangladesh Accordのウェブ サイトでは、各工場の建築物の完全性と火災 安全性に関する検査報告書が一般公開され ています。

45

もしこの問題についてきちんと調査したい という場合は、サプライヤーリストを公開し ているブランドのリストとバングラデシュ協 定のウェブサイトの検査報告書を相互参照 することで、特定の工場がどのように活動し ているかを確認することができます。 同様の現象は、ウェブサイトにて特定の工 場のコンプライアンス報告書を公開してい る ILO Better Work programmeのメンバ ーであるブランドにも起きています。昨年、 「the Alliance for Bangladesh Worker Safety(バングラデシュ労働者安全同盟) 」のメンバーで、共有業者リストを公開して いるブランドは、この調査項目でポイントを 獲得しています。ただし、この同盟はその後 活動を停止しています。また12%のブラン ドは、一次サプライヤーより先の特定の製 造施設についても一部、名前を公開して監 査結果を明らかにしています。 私たちが監査結果の開示を求めているの は、それによってサプライチェーン内の労 働者に対してポジティブな変化をもたら すことができるという証拠があるためで す。例えばカンボジアのBetter Factories Cambodia(BFC)は、個々の衣料品工場が 重要な労働条件についてどのように評価し ているかを示す、オンラインの透明性デー タベースを立ち上げました。すると、このデ ータベース「Critical Issues」に含まれる51 の工場のうち3分の1が、このデータが公開 されることを見越して、21の基本的な法的 要件について改善を行ったのです。これら の工場における重大違反の総数は、2013 年12月から2014年2月の間に59件から34 件に減少し、42%の改善が見られました。

透明性

フェアトレード 福利厚生 生活賃金 エンパワーメント ジェンダー の 平 等 事業責任 持 続 可 能 な 暮らし 良い労働条件 環 境で 持 続 可 能 性

公平、安全、クリーンなファッション業界


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改善

従業員・労働者による苦情への対応

サプライヤーの是正計画

59%のブランドは、内部告発チャンネル (ホットライン、ウェブサイト、Eメール アドレスなど)を公開し、従業員は、労 働条件、環境問題、汚職、その他の問題 に関連したポリシーに対する苦情や違反 を報告することができます。52%のブラ ンドは、苦情や報告された違反に会社側 がどのように対応しているかを説明して います。また、提出された苦情や報告さ れた違反行為の件数、対応、解決方法に ついてのデータを開示しているブランド はわずか15%にすぎません。

サプライヤーへの評価プロセスの結果、 コンプライアンスに準拠していない問題 (例:過度な長時間労働、書面で示され た雇用条件なしでの労働、非常口のロッ ク、消火器の未設置など)が見つかった 場合の対応措置について、開示している ブランドは全体の75%となり、2019年 の69%、2018年の62%から増加して います。これらのブランドは一般的に、 工場に妥当な時間を与えて問題是正を行 う、修正措置計画と呼ばれる改善プロ セスを行っています。しかし、労働者、 労働組合、その他の影響を受ける利害関 係者がこれらの是正計画の考案と実施に どのように関与しているかを説明して いるブランドは、わずか 10%に過ぎま せん。しかし是正措置計画は、直接影響 を受ける利害関係者が関与することによ り、その努力は実際に労働者のために意 図した結果をもたらし、最も効果的にな る傾向があります。 サプライヤーとの取引中止がどのように 行われるかについての説明を行なってい るブランドは、全体のわずか15%です。 ブランドがサプライヤーとの取引を突然 中止することを決定した場合、退職金が 支払われずに突然仕事を失ったり、未払 いの賃金を支払わなければならなかった りと、労働者に悪影響を及ぼす可能性が あるため、これは重要な点です。20% のブランドは、是正措置計画を行なって いる製造元の数を年に一度は開示してい ます。

一方で、40%のブランドが、内部告発 チャンネル(ホットライン、ウェブサイ ト、電子メールアドレスなど)があるこ とを公開しており、サプライチェーン内 の労働者は、労働条件、環境問題、汚 職、その他の問題に関して、ブランドの 方針に対する苦情や違反を報告できる ようになっています。36%のブランド は、サプライチェーン内の労働者から寄 せられた苦情や報告された違反行為に対 する、会社の対応を説明しています。ま た、22%のブランドが労働者に対して、 内部告発チャンネルの存在と利用方法を 通知しているかを説明しており、2019年 の15%からは増加しています。全体のわ ずか16%のブランドが、労働者から申し 立てられ、対処され、解決された苦情や 報告された違反のデータ件数を開示して います。これによって、労働者は解雇や 処罰を恐れることなく、劣悪な労働条件 について発言できるようになります。

46

"Besides believing transparency is the right thing to do, it also makes good business sense." 透明性を信じることは正しいだけでなく、 ビジネスとしても良いことである。

Stefan Seidel,

Head of Corporate Responsibility, Puma Group


FASHION REVOLUTION | FASHION TRANSPARENCY INDEX 2020

47

VIEWPOINT:

ファッション業界が抱える 信用問題

BEN VANPEPERSTRAETE 人権専門家

近年、 ラナ・プラザ工場崩壊事故やコロ ナ危機が起こる中、 ファッション業界は、 立場の弱いサプライヤーへの大規模な 契約違反や不当な注文破棄など、衝 撃的な出来事の渦中にいます。長年 にわたって、高い収益を出すブランド や小売業者は、低賃金労働など悪質 な労働権侵害の疑惑の中にあり、繰り 返し暴露記事のターゲットとされてきま した。 この経緯を経て、多くの消費者、 市民、政策立案者は、 ファッション業界 を独自の形態のままにしておいてい いのだろうかと疑問を抱いています。

”コロナウィルスによるパンデ ミック後の世界において、透明 性は、 ブランドと小売業者が失 った信頼を再構築するための 戦略になるかもしれません。”

企業への懐疑的な目が厳しくなるにつ れ、ファッション業界における「抜本的 な透明性」は、「あったら良いもの」 や「トレンド」という範疇に収まらな くなってきています。今年のFashion Transparency Indexを参照してもらえれ ば分かるように、製造場所や製造工場に 関するデータ、サプライチェーン下層の 状況を公開するブランドの増加していま す。コロナウイルスによるパンデミック 後の世界において、透明性は、ブランド と小売業者が失った信頼を再構築するた めの戦略になるかもしれません。 現在、社会の共通認識として、企業は積 極的に行動して、問題を認識することが 求められています。まず、自社がサプラ イチェーンの中で、いかに人権侵害や環 境悪化の原因となり、事態を悪化させて いるのか、問題とブランドが直接つなが っていることを理解しなければなりませ

ん。そのためには、企業が「誰が自分 たちの服を作っているのか」を知るこ と、つまり、どこの工場で生産が行わ れているのか、生地はどこから来てい るのか、綿花はどこで栽培されている のかを知ることが重要です。 企業自身が、「自社の服や素材がどこ からもたらされているのか」を明確に して初めて、実際にその生産施設の課 題を調べ始めることができます。その ために、リスクや違反を最小限に抑え るという旧来型の考え方から、積極的 に問題の特定をし解決策を講じると いう考え方へ転換しなければなりませ ん。つまり、自社の醜聞をメディアで 暴露された後のダメージコントロール に労力を割くのではなく(体裁を整え たサステナビリティーに関する報告書 で、世間にアピールするなど)、より 根本的な透明性を打ち出した上で、問

題点の認識や適切な資源利用を行えば、 物事を再び正そうとする企業の経営姿勢 への注目は高まるでしょう。 もう少し言えば、ブランドや小売業者 は、労働者がリスクに脅かされている下 請け施設、それを運営するサプライヤー の特定が求められているのです。企業が 人権侵害を特定し、防止する措置を講じ る責任のある現場は、サプライチェーン の先にまで至ります。若い少女が移動 の自由すら制限され長時間働かされる工 場や、強制労働が常習化している綿花畑 は、今なお存在するのです。 社会的信頼の獲得に立ち返り、ブランド と小売業者は、サプライチェーンの形態 を再認識し、リスクを放置したり、立場 の優位性を悪用している人々と話し合う 必要があります。近年、多くの企業が、 透明性の戦略的な価値と、それがデュー ディリジェンスのプロセスや信頼の再構 築できる可能性を理解し始めています。 この過程として、ブランドや小売業者は 一次製造だけではなく、生地が織られて いる施設や原材料の供給元などのサプラ イヤーの情報開示も確認しています。こ の傾向を考えると、ブランドに透明性が 必要な理由は、もはや議論ではなく、今 すぐ転換する段階にきています。情報開 示していないサプライヤーは議論の的と なり、消費者から「何か隠しているんで すか?」と尋ねられる時代なのです。


FASHION REVOLUTION | FASHION TRANSPARENCY INDEX 2020

48

5. 重点課題 アプローチ 毎年、 いくつかの課題テーマを特集し、詳しく調査しています。2020年は、重点課題を 「4 つのC」 と名付け、conditions(条件)、consumption(消費)、composition(構 造)、climate (地球環境) としました。課題テーマは専門家のアドバイスのもと、国連によ る持続可能な開発目標(SDGs) に寄り添う形で設計しています。SDGsとは2030年ま でに人類と環境にとってより良い世界をつくることを目的とした国際的な指針です。

CONDITIONS(条件)

CONSUMPTION(消費)

COMPOSITION (構造)

CLIMATE(地球環境)

大手ブランド及び小売業者は自社、及 びサプライチェーンにおける条件の改 善に向けてどのようなことを行ってい るのでしょうか?以下の項目に注目し ました。

主流ブランド及び小売業者は過剰生 産や廃棄物を最小限に抑え、循環性 を高めるためにどのようなことを行 っているのでしょうか?以下の項目 に注目しました。

主流ブランド及び小売業者は気候変動や 天然資源の保護に向けて措置を講じてい るのでしょうか?以下の項目に注目しま した。 •

現代版奴隷とサプライチェーン採用時 における慣行について

期間内に製造された商品数につ いて

主流ブランド及び小売業は再生素材の使 用量を増やし、ヴァージンプラスチック (再生素材ではないプラスチック)や有 害化学物質の使用量削減のためにどのよ うなことを行っているのでしょうか?以 下の項目に注目しました。

SBT(科学的根拠に基づく目標)の公開 について

サプライチェーンにおける生活賃金と賃 金のデータについて

森林破壊に対する取り組みの公開につ いて

買付時における慣行とサプライヤーと良 いビジネスパートナーになるためにブラ ンド側が行っていることについて

バージンプラスチック使用量削減に関す る戦略と進捗について

テキスタイルの廃棄量、 またそのう ち廃棄又はリサイクルされた量に ついて

再生素材使用への切り替えに関する戦略 と進捗について

マイクロファイバー汚染を最小限に抑える ためにブランド各社が講じている措置につ いて

テキスタイルからテキスタイルへの循環リ サイクルに関する投資について

自社施設とサプライチェーンにおけるカ ーボンフットプリント(企業活動過程、原 材料調達から廃棄・リサイクルまでの温 室効果ガス排出量をCO2に換算した数 値)の公開について 自社施設とサプライチェーンにおける 再生可能エネルギー使用量の公開につ いて

有害な化学物質使用量削減に関する戦 略と進捗について

• •

労働組合化と団体交渉について 自社とサプライチェーンにおけるジェン ダー平等と賃金格差について

着用前廃棄物の削減と着用後廃棄 物のリサイクルに関する戦略と進捗 について

自社施設とサプライチェーンにおける ウォーターフットプリント(企業活動過 程、原材料調達から廃棄・リサイクルま で消費・汚染された水の総量)の公開 について 環境における影響と純利益の関連性に ついて


FASHION REVOLUTION | FASHION TRANSPARENCY INDEX 2019

49

5. 重点課題 結果 0-5%

6-10%

11-20%

21-30%

31-40%

41-50%

51-60%

61-70%

Bloomingdale's

4

ALDO

10

Champion

20

Decathlon

29

Esprit

39

Calvin Klein

47

Adidas

59

Macy's

4

Big W

10

Hanes

20

Fjällräven

29

Mammut

37

Tommy Hilfiger

47

Reebok

59

Calzedonia

4

Brunello Cucinelli

10

El Corte Inglés

20

Gildan

29

The North Face

37

Van Heusen

47

Patagonia

57

Intimissimi

4

CAROLL

10

Fendi

20

John Lewis

29

Timberland

37

Balenciaga

45

Marks & Spencer

53

Tezenis

4

Carrefour

10

Marc Jacobs

20

Next

29

Vans

37

SAINT LAURENT

45

C&A

51

Dick's Sporting Goods

4

Cotton On

10

G-Star RAW

20

29

Wrangler

37

Bershka

45

Converse

51

Diesel

4

La Redoute

10

Kmart Australia

20

Sainsbury’sTU Clothing

29

Tesco

35

Massimo Dutti

45

Jordan

51

Marni

4

Li-Ning

10

Target Australia

20

29

Uniqlo

35

Pull&Bear

45

Nike

51

Dr. Martens

4

Monoprix

10

Morrisons

20

27

Banana Republic

33

Stradivarius

45

Gucci

51

Fila

4

Otto

10

Tod's

20

27

Gap

33

Zara

45

J.Crew

4

UGG

10

Topman

20

27

Old Navy

33

Burberry

45

JCPenney

4

Under Armour

10

Topshop

20

27

New Balance

33

ASOS

43

Kmart

4

boohoo

8

20

24

Primark

33

Bottega Veneta

43

Moncler

4

PrettyLittleThing

8

United Colors of Benetton

31

Puma

43

4

Burlington

8

20

ASICS

River Island

24

Levi Strauss & Co

31

Russell Athletic

4

Carolina Herrera

8

Woolworths South Africa

24

Tommy Bahama

4

Chloé

8

Brooks Sport

18

United Arrows

4

Costco

8

Clarks

18

Valentino

4

Falabella

8

Monsoon

18

Armani

2

Fossil

8

Reserved

18

Canada Goose

2

Free people

8

The Warehouse

18

Cole Haan

2

HEMA

8

TOPVALU COLLECTION

18

Dillards

2

Ito-Yokado

8

Zeeman

18

DSW

2

KiK

8

Abercrombie & Fitch

16

Foot Locker

2

Kohl's

8

Hollister Co.

16

Forever 21

2

MRP

8

ALDI Nord

16

Gerry Weber

2

Reliance Trends

8

ALDI SOUTH

16

Hudson's Bay

2

s.Oliver

8

Debenhams

16

Saks Fifth Avenue

2

Salvatore Ferragamo

8

GUESS

16

Longchamp

2

TJ Maxx

8

Helly Hansen

16

Matalan

2

Very

8

Kathmandu

16

Pimkie

2

ANTA

6

LOFT

16

Skechers

2

Anthropologie

6

Miu Miu

16

Steve Madden

2

Urban Outfitters

6

Prada

16

Triumph

2

Beanpole

6

Nordstrom

16

Aeropostale

0

Chanel

6

Vero Moda

16

Bally

0

Cortefiel

6

BCBGMAXAZRIA

0

Disney

6

Belle

0

Jil Sander

6

Big Bazaar - ffb

0

Joe Fresh

6

Billabong

0

Mizuno

6

Quicksilver

0

Muji

6

Roxy

0

Sandro

6

Bosideng

0

Sports Direct

6

Brooks Brothers

0

Takko

6

Buckle

0

Tom Tailor

6

Carhartt

0

Cato Fashions

0

celio

0

Chico's

0

Claire's

0

Diane Von Furstenberg

0

DKNY

0

Dolce & Gabbana

0

Eddie Bauer

0

Elie Tahari

0

Ermenegildo Zegna

0

Express

0

Famous Footwear

0

Fanatics

0

Fashion Nova

0

Furla

0

Heilan Home

0

Jessica Simpson

0

Jockey

0

Justfab

0

KOOVS

0

K-Way

0

Lands' End

0

LL Bean

0

Max Mara

0

Merrell

0

Metersbonwe

0

Mexx

0

Michael Kors

0

Neiman Marcus

0

New York & Company

0

New Yorker

0

Nine West

0

Pepe Jeans

0

REVOLVE

0

Ross Dress for Less

0

The Children's Place

0

Tom Ford

0

Tory Burch

0

Versace

0

Youngor

0

Walmart

16

American Eagle

14

Aritzia

14

Bonprix

14

COACH

14

Kate Spade

14

Dressmann

14

Jack & Jones

14

JD Sports

14

REI

14

Amazon

12

Desigual

12

Foschini

12

Kaufland

12

Lacoste

12

Lululemon

12

Ted Baker

12

Truworths

12

Victoria's Secret

12

Tchibo Zalando Asda Lindex Ralph Lauren Target Columbia Sportswear Dior Louis Vuitton Hugo Boss New Look OVS Speedo CELINE Hermès Lidl Mango Prisma Superdry

24 24 24 24 22 22 22 22 22 22

*ブランドは、250点満点中のスコアでランク付けされていますが、四捨五入された数値で表示されています。同じ点数のブランドがある場合は、アルファベット順に表示され、同一の親会社であれば、他の会社とグループ化されています。

H&M (H&M Group)

71-80% 63

81-90%

91-100%


FASHION REVOLUTION | FASHION TRANSPARENCY INDEX 2020

50

5. 重点課題 調査結果 生活賃金について

ジェンダー平等について

23%

5%

<1%

34%

3%

1%

サプライチェーンにおける 労働者の生活賃金を保障 する措置を公開している

生活賃金が支払わ れている労働者数 を公開している

生活賃金支払いに向 けた進捗状況の公開 を毎年行っている

自社における男女間賃 金格差を公開している

デューデリジェンスに おける女性社員の関わ り方を公開している

サプライヤー施設にお けるジェンダー暴力の データを公開している

買付時における慣行について

労働組合化について

11%

6%

人件費を価格交渉から区別 する方法を公開している

サプライヤーに対し、60 日以内に代金支払いを行う ポリシーを公開している

4%

労働組合があるサプライヤ ー施設数を公開している

現 代 版奴隷について

9%

42%

13%

団体交渉協定の対象となる 労働者数を公開している

サプライチェーンにおける 人材紹介手数料に関する 取り組みを公開している

サプライヤー施設における 現代版奴隷法の侵害に関す るデータを公開している


FASHION REVOLUTION | FASHION TRANSPARENCY INDEX 2020

51

5. 重点課題 調査結果 廃棄物とリサイクルについて

4%

年間報告期間中の テキスタイル廃棄量 を公開している

プラスチックについて

18%

テキスタイルから テキスタイルへの リサイクル投資を 報告している

有害化学物質について

再 生 素 材について

20%

29%

42%

マイクロファイバー使用量 を最小限に抑えるための 措置を明らかにしている

バージンプラスチック 使用量削減のための 定量的指標を 公開している

再生素材活用に関する 期限付き、定量的な 戦略を公開している

二酸化炭素排出について

24%

19%

有害化学物質使用量 削減のための期限付き 目標を公開している

上記の目標達成に向けた 進捗状況を公開している

58%

社施設における年間 カーボンフットプリント を公開している

36%

持続可能な素材目標 (SDGs)達成に向けた 進捗状況を公開している

水の使用 量について

16%

サプライチェーンにお けるカーボンフットプ リントを公開している

31%

自社施設における年間 ウォーターフットプリ ントを公開している

4%

原材料レベルの年間ウ ォーターフットプリン トを公開している


FASHION REVOLUTION | FASHION TRANSPARENCY INDEX 2020

52

5. 重点課題 分析 CONDITIONS(条件) 現代版奴隷について

この課題テーマは2020年に新しく 追加されました。 サプライチェーンに おける採用時の慣行など、強制労 働や奴隷労働に関するブランド各 社の対応について着目します。 過去のインデックスでは、ブランド各社 が強制労働や奴隷労働に関する方針や措 置を公開しているかどうか調査してきま した。昨年の86%に対し、今年は92%が 関連する方針などを公開していることが 分かりました。

ブランド各社の僅か42%が外国人・移民 労働者に関する方針を公開しています。 また、43%が外国人・移民労働者のため のプログラムに関する情報を公開してお り、昨年の32%から増加しています。この 増加の背景には近年採択された報告を義 務付ける法令があると考えられます。例え ば、2015年に可決されたイギリス現代奴 隷法は、2017年以降、企業に対しサプラ イチェーンにおける強制労働に関する報告 が義務付けられました。これに続き、2018 年にはオーストラリア現代奴隷法が可決さ れ、2019年に施行されました。 13%のブランドがサプライヤー施設内の 現代版奴隷に関するデータを公開してい ます。現代版奴隷の指標には、移動の自 由の制限、工場関係者や採用担当者によ る労働者のパスポートや身分証明書の保 持、過重労働、未払い賃金、賦役労働な どが含まれます。 人権とビジネスの研究所であるIHRBは、 「移民労働者は全ての地域、全てのセク ターに常に存在する。その中でも、低所 得の移民労働者層は搾取や暴力に対して 最も弱い存在であり、権利を主張するこ とが難しい。彼らの多くは、たとえ劣悪

な労働環境でも、生計を維持するために 働き続けてしまいます。」と述べていま す。言い換えると、人身売買による被害 者の多くは現代版奴隷制度にはめられて しまっているのです。IHRBは主に労働者 の採用過程や、職業仲介業者への募集・ 斡旋手数料などについて研究していま す。このセクションでは、IHRBの方法論 に基づいて調査しています。 42%のブランドがサプライチェーンに おける募集・斡旋手数料の取り組みを公 開しています。典型的な取り組みとして は、採用時に労働者から雇用者への手数 料などの支払いを原則禁止する方針を立 てていることです。また、既に労働者が 採用時に支払った手数料などが確実に払 い戻されるように義務付けしている場合 もあります。 しかし、労働者が手数料などを支払った かどうかを正確に判断するには労働者と 直接確認する必要があります。実際に話 し合いを行ったことを公表しているのは わずか5%にとどまります。

92%

のブランドが強制労働 や奴隷労働に関する サプライヤーポリシー を公開している


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生活賃金 [名詞]

労働者自身とその家族が一定の生 活水準を維持するための賃金のこ と。 一定の生活水準には、 衣食住の 他に教育、 医療、 交通や災害や疾病 などの非常時が含まれる。

生活賃金 昨年の19%からは増加しましたが、サ プライチェーンにおける労働者への生 活賃金支払いへの取り組みを公表して いるのは23%のブランドにとどまりま す。一般的に、公表しているブランド各 社は、ACT、Fair Wear Foundation’s Wage Ladder, Fairtrade Textile Standard、 Fair Labor Associaton’s Fair Compensation Strategyなどの生活 賃金イニシアティブへの参加表明の公表 を同時に行っています わずか5社(全体の2%)のみがサプラ イチェーンの労働者全員への生活賃金支 払いに向けた期限付き、定量的な取り組 みを公開しています。例えば、パタゴニ アは「2025年までに自社工場の労働者

が生活賃金を受け取れるようにする」 と公表しており、公正労働協会のFair Compensation Work Planに沿って目標 達成への過程を明らかにしています。パ タゴニアは今回の生活賃金の調査に関す る項目全てに回答し、データを公開し ているの唯一のブランドです。スウェ ーデンのファストファッションブラン ド、Lindexは「私たちは、2025年まで に生産の80%を占めるLindexサプライ ヤーが生活賃金プログラムに積極的に取 り組むことを目標にする。」と公表して います。ラグジュアリーブランド部門の Gucciは「KeringとGucciともに、サプ ライチェーンにおける全ての労働者の生 活賃金支払いに向けて戦略2025を開発 した。」と公表しています。これは野心 的な試みであり、具体的な戦略内容や、 いつ頃労働者に対し公正な賃金の支払い が行われるのかも不明です。 Labour behind the Label (2019年) の報告によると、最低賃金又は、業界標 準賃金と生活費の方法論に基づいた生 活賃金水準の間に2~5倍の差がありま す。例えばインドの最低賃金は、Labour behind the Labelが推奨する賃金の約 半分で、Asia Floor Wageが推奨する賃 金の3分の1となっています。 わずか6社(全体の2%)が、サプライ チェーンにおける労働者の賃金を調査す るための生活賃金の概算額とベンチマー クする賃金を明らかにしています。例え ば、ニュージーランドに拠点を置く小売 業者、The Warehouseは、サプライチ ェーンにおける労働者の賃金データを バングラデシュのAnker methodology

53

と、中国のAsia Floor Wage calculation に対し、ベンチマークとしています。 アウトドアブランドのパタゴニア も、Anker Methodologyを使用してい る一方で、Mammutは Asia Floor Wage を含む様々な業界の計算方法に基づいた Fair Wear Foundation Wage Ladderを 使用しています。Mammutは、「私たち は工場における縫製労働者の賃金を分析 している。FWFの監査を受け、分析には Wage ladderを使用している。」と公表 しています。 さらに、サプライチェーンにおける労働 者への生活賃金支払いに向けた取り組み の進捗を毎年公開しているのはわずか12 社にとどまっています。 5社(全体の2%)がサプライチェーン における全ての労働者の賃金のうち、最 低賃金以上である割合を公開していま す。2018年のサステナビリティレポー ト(74ページ)でH&M社は、「主要サ プライヤーの工場データを分析すると、 賃金が改善された工場では改善されてい ない工場よりも手取り額が多い。2017 年には、手取り額の差がバングラデシュ の8%増からインドネシアの29%増とな っている。翌年の2018年にはトルコの 2%からインドネシアの11%の差となっ ている。ミャンマーでは、賃金改善策が 2017年後期から始まり、2018年以降か ら成果がみられている。」と報告してい ます。プーマ社は、「平均すると、主要 サプライヤーはそれぞれの国で定められ た最低賃金より21%高い賃金を支払って いる。ボーナスや残業手当を加えると84 %の増加となる。」と述べています。

そして、たった1社のみがサプライチェ ーンにおける生活賃金を受ける労働者の 数や割合を公開しています。これらのデ ータを調査することはとても難しく、自 社ブログの中にリンクがある自社で出し ている雑誌のページにまとめられていた りします。パタゴニアは、「自社の分析 によると、アパレルサプライヤーは少な くとも生活賃金の81%、最低賃金の18% 以上を支払っている。」と公表していま す。パタゴニアだけでなく、その他多く のブランド各社でも、これに関する情報 が100ページ以上に渡ってまとめられて います。 生活必需品を買う余裕がないテキスタイ ルサプライチェーンにおける労働者にと って、生活賃金は深刻な課題です。同時 に複雑な課題であり、大手ブランドや小 売業者の集団的行動や透明性のある情報 開示がなければ課題解決には時間を要す るでしょう。


FASHION REVOLUTION | FASHION TRANSPARENCY INDEX 2020

買付時の慣行について 企業の責任ある購買活動(調達活動)は サプライヤーが適切な賃金を労働者に支 払うことに大きく関わっています。しか しブランド業界全体は、サプライヤーと 良いビジネスパートナー関係を築くため の取り組みついて明確に公開していませ ん。 例えば、サプライヤーと製品の価格交渉 をする際の人件費計算方法とリングフェ ンスを公開しているブランドは2019年 より3%増加しましたが、それでもたっ た11%です。理想的には、残業や社会 保障、病気休暇、有給休暇、その他の休 暇、間接費などのコストを人件費が保障 していることです。これらが保障されて いれば、人件費は交渉可能となり、サプ ライヤーが労働者に対して適切な賃金を 支払うことにつながります。 コロナウイルス感染拡大以降、製造中の 製品も含まれた注文キャンセルや支払い 延長などが報告されており、多くのブラ ンド各社がフォースマジュール(不可抗 力条項)を適用し、契約したサプライヤ ーへの支払い責任を放棄しています。 サプライヤーへの支払いが延長された 場合、キャッシュフローに影響し、通 常通りの賃金を労働者に支払うことが 難しくなります。15社(全体の6%) が60日以内に支払いを行う方針を示 しており(UK Prompr Payment Code commitmentsによると)、4社(全体 の2%)がサプライヤーと合意した期限 内に支払いを完了した割合データを公開 しています。

過去数週間で、世界で最も利益が高い企 業で働く何百万人もの労働者が法律で定 められている賃金を受け取ることなく、 解雇、または一時的に解雇されました。 彼らのほとんどは貯金もなく、また社会 保障を受けることができません。コロナ ウイルスよりも貧困や飢餓で命を落とす 危険性が高まる恐れがあります。 最後に、13社(全体の5%)のみがサプ ライヤーによる自社へのフィードバック を公開しています。通常、フィードバッ クはBetter Buying initiativeへの参加、 社内のサプライヤー調査、ソーシング先 地域内のブランドが主催する年間のサプ ライヤーサミットイベントなどで集めて います。この情報は、ブランド各社がフ ィードバックを受け、より良い関係性を 築くために意見や内容を反映していくか どうかの指標となるからです。 現在、コロナウイルス感染拡大による経 済危機に伴って、ブランド各社の買付時 における慣行が疑問視されています。だ からこそブランド各社が契約上の責任を 果たし、労働者と家族が充分に保障され るためには、サプライヤーとの事業提 携に関する情報を共有する必要がある のです。

54

"Secrecy is the linchpin of abuse of power...its enabling force. Transparency is the only real antidote." 秘密主義は権力の濫用です。 透明性こそが濫用を防ぐ唯一のものです

Glen Greenwald,

弁護士 / ジャーナリスト


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労働組合化と団体交渉について

ジェンダー平等について

労働組合を結成したり参加することや、 団体交渉を行う自由は多くの国際協定や 国内法で規定されている労働者の権利で す。このような権利が認められれば、労 働環境の改善を求める労働者と雇用主の 話し合いが可能となり、他にも賃金改善 や産休制度の保障、健康保険の保障、安 全性の保障などの権利を主張しやすくな ります。

ファッション業界では、農場から工 場、小売り業者まで何百万人もの女 性を雇用しています。毎年、Fashion Transparency Indexでは、大手ブランド 各社がジェンダーに関するどのような方 針を示したか調査しています。今年は、 男女同一賃金に関する方針を公開したブ ランドが半分以下(全体の49%)だった のに対し、全体の61%が男女同一賃金に 関するサプライヤーポリシーを公開した ことが明らかになりました。一方で、全 体の34%が方針を踏まえた取り組みを公 開しています。

しかし、わずか9社(全体の4%)が、 独立した、かつ民主的な労働組合を工場 が保持している割合、数値を公開してお り、22社(全体の9%)が団体交渉協定 (CBAs)の対象となる労働者の割合、 数値を公開しています。労働組合は労働 者の権利を保障するにあたって重要であ るにも関わらず、データを公開している 企業の少なさは衝撃的です。

逆に、昨年の31%に対して、今年は全体 の43%が産休制度と育児休暇に関する雇 用方針を公開しています。同時に、産休 制度と育児休暇をサプライヤーポリシー に含めたブランドは昨年の22%に対し、 今年は全体の29%となっています。 冒頭で人権や労働環境に関して、ブラン ド各社がどのような措置を講じてきた のかを解説してきました。業界で多く の割合(推定では70~80%)を占める のは女性労働者であるのにも関わらず、 女性労働者や女性組織及びジェンダー専 門家のデューデリジェンスへの関与を示 しているのはわずか全体の3%にとどま ります。

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テキスタイル製造工場において、女性 労働者がハラスメントを受けている調 査結果があるにも関わらず、わずか2社 (全体の1%)のみがサプライヤー施設 内でのジェンダーハラスメントの実態 について公開しています。セクハラや 暴力、妊娠中の労働者への差別、産休 手当やトイレ休憩の欠如(特に生理期 間中)などが実態に含まれます。CARE International(2019年)のデータで は、東南アジアにおける女性服飾関連労 働者の50%が職場でセクハラを受けた ことがあるとされています。近い将来、 より多くのブランドがジェンダー平等 に関するデータを公開することを期待 します。 衣料製造業界において、男性労働者は 一般的に工場長や管理者であるのに対 し、女性労働者は最も賃金の低い役職で 雇用されている傾向があります。この ような男女格差が存在するにも関わら ず、2%のみがサプライチェーンにおけ る性別役割分業に関するデータを公開し ています。(e.g.低賃金職種:助手や機 械技術者 高賃金職種:マネージャーや 管理者) 一方でブランド各社は、社内においてジ ェンダー平等のために様々な取り組みを 行っています。半数以上(全体の52%) がジェンダー別役割分業に関するデータ

を公開しています。(e.g.経営層、マネ ージャー、管理者、従業員など) 全体の34%が自社における男女間賃金 格差に関するデータを毎年公開していま す。背景には各国政府による法規制があ ります。イギリスでは、2018年4月か ら国内の企業に対し、男女間賃金格差の データを公開するよう義務付けられま した。

34% のブランドが 自社における男女間賃 金格差に関するデータ を毎年公開している


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5. 重点課題 分析

CONSUMPTION(消費)

年間生産量について

2005年から2019年にかけての世界全 体での衣料品消費量は、74.3億点から 130.6億点と、2倍以上に膨らみまし た。(Euromonitor, 2020) 言い換え ると、全世界の人が毎年15着の衣服と2 足の靴を購入していることになります。 (購入した品物の種類や量は国別にみる とかなり異なります。)人口増加と新興 経済による富の増加を加味した消費増加 率では、履物を含めた衣料品の生産量と 消費量は2050年までにいまの3倍に達 すると予想されます。(Ellen MacArthur Foundation, 2017)

私たちは、ブランドが、その生産や廃棄 のデータを非公開にしているかどうか をみるのは特に興味深いと思っていま す。9%にあたる23のブランドは、1年 間の年次報告期間に生産した商品の数( 例:衣服、靴、靴下)を公開しており、 そのうちのいくつかの数字は驚異的な数 値を報告しています。(表を参照)

世界は加速する気候変動に対峙している ため、私たちは現在の、または予想され るスピードで服を作ったり、売ったり、 捨てたりし続けることはできません。こ のような理由を元に、私たちは過剰生 産、過剰消費、そして大量廃棄を今年の 注目の問題として焦点を当てました。

また4%にあたる11のブランドが、年次 報告期間に廃棄となってしまった商品や 布の量またはパーセンテージを非公開に しており、3%にあたる7のブランドが同 じく年次報告期間に処分(通常は焼却処 分)された商品の量または数またはパー センテージを非公開にしています。

ブランド Inditex

Annual product volume

(Zara, Bershka, Massimo Dutti, Pull&Bear, Stradivarius)

Gildan Adidas (incl. Reebok) OVS Mango Benetton * 4570万のアパレル商品と4090万点の靴 ** このうち800万点は、より持続可能的な方法で作られている衣服だと伝えられている

調査期間内

16億 14億 8660万*  7550万 1460万** 1010万


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BELOW: Cast-off woolen clothing is sorted again in large warehouses in Panipat, Tim Mitchell

廃棄、修理、 そしてリサイクル 毎年約4分の1の産業資源は、繊維製品 や衣料品を作る際の端切れとして廃棄 されていると見積もられているため、各 ブランドがどのようにこの問題を説明し ようとしているのかを確認したいと思っ ています。 (Global Fashion Agenda, 2018) 27%のブランドは、どのように 衣服や生産過程における衣料や繊維の 廃棄を削減しようとしているかのステッ プに関する情報を公開しています。これ らの廃棄物には、おそらくはぎれや生産 過程で不要になった部分、売れ残りや欠 陥のある製品、そして生産サンプルが含 まれており、11%のブランドがこれらの消 費者による廃棄以前の過程で発生する廃 棄を削減する取り組みとその進捗を報告 しています。 次に使用済みの廃棄については、30%の ブランドが顧客に対して、永続的な年間 を通じた衣服の引き取りと店舗内でのリ サイクル計画を提示しており、たった16 %のブランドしか顧客に対して製品の寿 命を延長させるための修理の提案や宣伝 をしていませんでした。イギリスの家庭 が2016年に30万トンもの衣服を捨てた (WRAP, 2017)ことを考えると、衣料 品の修理や回収を通じてこれらの製品を 埋め立てないようにしているブランドが 少ないことは驚きでした。 一方で、布地から布地へのリサイクルは、 衣服に使用されている繊維や布地が、繰

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り返し、また長期に渡り使用できるように なってきたことで、新たな洋服を新たな原 料から生産する必要を劇的に削減しまし た。18%のブランドは、布から布へのリサイ クル(布の再利用とダウンサイクル以上の イノベーション)を可能にする循環的な解 決策を発展させるための取り組みについて 説明しています。しかし、たった4つのブラ ンド(2%)しか、商品が寿命を迎えた時に 再利用や布から布へのリサイクルが可能な ようにデザインされているパーセンテージ または商品数のデータを公開してはいませ んでした。 コロナウイルスの感染拡大によって、世界 中の小売店は休店や閉店、スタッフの解雇 や無給休暇の取得を余儀なく迫られていま す。これは、衣料品が売られなくなることを 意味しています。店舗が営業を再開する時 には、これらの商品は季節はずれのものと 見なされる可能性があります。それらの商 品はその後どうなってしまうのか、販売か、 寄付か、ゴミ捨て場に埋められてしまうの か、焼却処分されるのか、それともリサイク ルにまわされるのか。ファッション業界は すでに巨大な過剰生産と大量廃棄の問題 を抱えています。そして、テクノロジーはま だまだ真に循環的な方法と規模では利用 することはできません。コロナウイルスの感 染爆発の影響により、これらの問題をさら に悪化させてしまうのではないかと懸念さ れています。


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5. 重点課題 分析 COMPOSITION(構造)

プラスチックについて

有害化学物質について

よりサステイナブルな素材の使用

誰かが服を洗うたび、合成素材、特にポリ エステルやプラスチックの小さな粒子な ど、従来の水処理システムでは捉えきれな いほど小さいものが浄水システムに入り 込み、川や湖、海に流れ出します。通常の 洗濯方法では、最大で70万ものマイクロ ファイバーが流れ出るおそれがあります。 (Napper and Thompson, 2016)その 結果、繊維製品は現在世界的な一次マイク ロプラスチック汚染の最大の発生源であ り、海の最深部からでさえも検出されてい ます。 (Boucher and Friot, 2017)ブラン ドがこの憂慮すべき問題に対処することを 期待していましたが、たった5分の1にあた る20%のブランドしか、 マイクロファイバー による影響を最小限に抑えるために行なっ ていることの情報を公開していないことが 分かりました。プラスチックの使用削減を より一般化してみると、27%のブランドは ヴァージンプラスチック(プラスチックベー スの繊維製品、アクセサリー、ハンガー、包 装を含む)を使用削減するための、測定可 能な期間付き目標を発表していることが分 かりました。

鉛(染料)、ノニルフェノールまたは NPE(工業用洗剤)、フタル酸エステル (プリント)、PFC化合物(撥水コーテ ィング)、ホルムアルデヒド(しわ寄り 防止加工)など、衣類に使用される一部 の有害化学物質は、深刻な健康問題を引 き起こす可能性があります。繊維産業が 化学物質の処理の不足によって、世界的 な水質汚染の問題に大きく貢献してしま っていることを考えると、4分の1より も少ない24%のブランドしか有害化学物 質の使用廃止に向けた期限付きコミット メントもしくはロードマップを公開して おらず、19%のブランドしかこの目標 の達成に向けた進捗状況をレポートして いないことに驚きます。ブランドが製品 への有害化学物質の使用中止の措置を講 じている場合、それは通常EUにおける REACHやZDHC Roadmap to Zeroのよう なマルチステークホルダーの先駆けを通 じて、義務として行われています。

いくつかの大きなブランドは、ベターコ ットン、オーガニックコットン、リサイ クルポリエステルやウール、追跡可能な ダウンや化学薬品であるクロムを使用せ ずになめしたレザーといった、よりサス テイナブルな製品を作るために動きはじ めました。このような素材は、「持続可 能」や「問題に取り組んでいます」とい うマーケティングがされた季節的なコレ クションに使用されることが多いです。 しかし、半数未満のブランド(42%)し か、より持続可能な素材の使用に関する 測定可能な期限つき戦略やロードマップ (ターゲットを含む)を公開していませ ん。一方で、36%のブランドはこれら のサステイナブルな素材使用目標の達成 に向けた進捗状況を毎年報告しており、 その成果は2019年の29%から上昇しま した。


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5. 重点課題 分析 CLIMATE(地球環境) 二酸化炭素排出について 気候の崩壊が加速していること、世界の 著名な科学者たちが、地球温暖化の最も 壊滅的な状況を緩和するには私たちには 10年しかないと言っていることを考える と、ファッションブランドと小売業者は ネットゼロエミッション(温室効果ガス 排出を実質ゼロとする)に向けて迅速に 舵をきることを期待しています。 2050年までにこの目標を達成するため に、数十のブランドが気候変動に関する 国連ファッション業界憲章とG7ファッシ ョン協定に最近参加しました。一方、世 界保健機関による2018年のレポートで は、地球温暖化の影響をうけ2030年から 2050年にかけて年間25万人がさらに死 亡すると予測されているにも関わらず、 あまりにも多くのファッションブランド は彼らが環境への影響を大幅に減らすた めに講じている措置について、ほとんど なにも口にしません。

ブランドの78%がエネルギー使用と二 酸化炭素排出量に対する会社のポリシー を発表しており、52%がこのトピック に関するサプライヤーのポリシーを発表 しています。ただし、科学ベースの目標 を発表しているのはわずか16%だけで す。これは、彼らの環境的な目標が世界 の気温を産業革命前のレベルより2℃以 下に抑えるというパリ協定の目的に沿っ ていることを意味します。 ブランドの58%は、所有および運営する 施設(本社、小売店、流通センター、倉 庫、輸送、通信販売)での年間二酸化炭 素排出量を公表していますが、そのうち のたった16%のブランドしか自社のサプ ライチェーン(衣服のライフサイクル全 体の中で最も高い二酸化炭素排出の割合 を占める)過程で生産される年間二酸化 炭素排出量を発表していませんでした。 G7ファッション協定や国連ファッション 業界憲章に参加するブランドが増えるに つれて、来年には二酸化炭素排出量を削 減するための取り組みに関する開示がも っと増えることを期待しています。 36%のブランドは、自社所有施設およ び運営施設(本社、小売店、流通センタ ー、倉庫など)における再生可能エネル

ギーの使用割合を公開していますが、サ プライチェーン内でこの情報を公開して いるブランドはたった6%です。 わずか3%にあたる7つのブランドしか、 環境への影響を財務パフォーマンスに対 応させていません。例えば、ケリング・ グループ(バレンシアガ、ボッテガヴェ ネガ、グッチ、サンローラン)は、洗練 された自然資本会計方法論を利用した、 非常に詳細な環境損益レポートを公開し ています。これに加えて、ケリング・グ ループは無料でその方法論をシェアし、 他の企業がそれを使用することを歓迎 し、推奨しています。しかし他のブラン ドは、2015年から無料公開されている この革新的な方法論を活用していないよ うです。 森林破壊を制限することは、世界の二酸 化炭素排出量を削減させるための極めて 重要な部分でもあります。オーストラリ アを荒廃させた、アマゾンと野生動物 の破壊についての最近の抗議を考える と、250ものブランドのうち、たったの 2%に該当する4のブランドしか期限付き の測定可能な森林破壊ゼロへの誓約を公 開していなかったことは衝撃的でした。 これは、森林が伐採されたり、転換され たりすることはないことを示していま

す。一方で、ゼロネット森林破壊は一つ の土地につき森林を伐採することや転換 させることを、それと同じ規模のどこか の土地に植え替えがなされている限り可 能としています。

水の使用について 52%のブランドが水利用に対する自社のポ リシーを発表し、さらに2019年の36%か ら数字を伸ばして42%のブランドがそのト ピックに関する仕入先のポリシーを公開し ています。しかし、世界的な水危機が世界 のリスクトップ5にランキングされているこ とを考えると(WEF, 2020)、特に原材料 レベルで水の使用データを公開しているブ ランドに関してほとんど進歩が見られない ことに驚きます。 どのレベルでも、ウォーターフットプリン トの開示は増加していません。ブランドの 31%が、自社所有および運営する施設(本 社、小売店、流通センター、倉庫など)での 年間のウォーターフットプリントを公開し ています。14%のブランドはサプライチェ ーン内での製造および/または処理施設レ ベルでのウォーターフットプリントを公開 しており、わずか4%のブランドは繊維製品 および/または原材料レベルでの情報を公 開しています。


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VIEWPOINT:

どのようにして感染爆発を生き延びるか: COVID-19渦中での衣服労働者 GARMENT WORKER CENTER

"先週私は4500のマスクを

"私と私の母は会社が閉鎖されたと聞きまし

作って、230ドル (日本円にし

たが、 それは本当ではありませんでした。私

て約2万4千円) を得ました。

と母は働いていません。私たちは現在、家賃

つまり、 マスク一枚につき5セ

ント (約10円未満) です。" Santiago,

を支払うことが『できません』。" Paulina

Fashion Nova(アメリカのファッションブランド)の生産者

6児の父

あまりにも長い間、ファッション業界は衣 服労働者の存在を感じさせないことで利 益を上げてきました。人気のあるブランド や小売業者は「made in USA」の商品を 販売することでPRポイントを獲得してい ますが、生産サプライチェーンにおける透 明性の欠落と意図的に不透明な購買慣行 は、Garment Worker Centerのメンバー の大部分が経験した恐ろしい労働条件と 大規模な賃金節約に対する説明責任を否 定することを可能にしています。 COVID-19が世界的に大流行すると、個人

用の保護用品(PPE)を生産するために必 要なスキルを持っている衣服労働者は、つ いに必要不可欠な労働者として認められま した。同時に、ロサンゼルスの45,000人の うちの大部分の衣服労働者は信頼できる セーフティネットがなく仕事から離れていま すが、一方で賃金の損失を許容できない人 々はリスクがあっても、健康の保護や公平 な賃金の保証がほとんどないまま仕事を しなければなりません。 多くのブランドは、労働条件と安全条件の 透明性を求める政府の契約を勝ちとるた

めに、部分的なサプライチェーンの再構築 をしています。しかし、もっと多くのことが 出来るはずです。 国際労働権フォーラムとFashion Revolution USAを含む31の組織のサポー トと一緒に、私たちは企業に対して、労働 者の権利と健康保護についての情報をレ ポートで報告するよう促しています。 透明性は、業界の説明責任を果たすため の極めて重要な最初のステップです。ファ ッション業界がこの危機を乗り切るため

には、ブランドは弁済しなければなりませ ん。彼らは、製造業者との契約に支払うこ とを保証し、衣服労働者に支払うことを確 実にしなければなりません、なぜなら製造 業者が私たちの生活にとって常に必要不 可欠な存在だからです。 多くのブランドが未曾有のパンデミックの 渦中においても説明責任を果たせないた め、GWC緊急援助基金を立ち上げたのは このためです。


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4 最終結論と 推奨事項

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透明性に向けての行動 ブランドと小売業者 私たちは、主流なブランドと小売業 者に、社会的・環境的な方針と実 践、そしてその影響についての透明 性を高めるように呼びかけました。 私たちはブランドと小売業者にこれ らの情報をアクセスしやすく、包括 的に、そして誠実な情報を提出する ように求めました。 ブランドには、生産過程で働いてい る一人一人が対等な賃金を受け取 り、人間としての尊厳が守られ、安 全な環境で働くことを明確にする資 産と道徳的義務があります。危機的 な気候変動に立ち向かうために、ブ ランドはできるだけ早く、限られた 地球の資源の消費を減らし、ビジ ネスモデルを有害な物から、再生 可能なものにシフトしなければなり ません。 ブランドの方針と実際の影響につい て透明性を明らかにすることで、顧 客と株主はブランドを支え、変化を 支持し、ブランドは自身の影響力に 責任を持っていると保障することが できます。

次の12ヶ月の間で私たちは主流ブランド と小売業者に下記のことを要請します: 最初の段階として、 ブランドのサプライヤ ーを明らかにすることが必要です。 しかし、次 の段階はそれに留まらず、 すべてのサプライチ ェーンと素材の段階から明らかにするべきで す。 コロナウイルスの拡大の影響に応えるた め、既存の契約を守り、仕入れ先とサプライ チェーンで働く人々を支えることを約束してく ださい。 そして、 より多くの支払いについて情 報を明示してください。 二酸化炭素の排出量、水の消費量、 ブラ ンドのバリューチェーンで生み出される汚染 とごみの量を含めた環境への影響について より多くの情報を公表してください。 また、限 りある資源を保護し、再生するために、 どんな 行動を起こすのか説明してください。 そして, #WhoMadeMyClothes のタグが ついた、消費者からのソーシャルメディアや E-mailの要求に実際の情報とデータとともに 応えてください。

政府と政策担当者 より効率的な執行、より良い方 針と規制のためには、持続可能 な環境に変え、世界の服飾産業 で働く人々の人権を尊重する必 要があります。 少数のブランドと小売業者は、 透明性と持続可能性、責任のあ る行動のために、先頭を切って これらの情報を明らかにして います。 しかしほとんどのブランドは、 ほんの少ししか開示していませ ん。これらのブランドたちは、 法律で規制されない限り、動こ うとはしないでしょう。

次の12ヶ月の間で私たちは政府と制 作担当者に下記のことを要請します: より良い環境、 より良い法律と政策 に投資することは、 ファッションのサ プライチェーンで働く人々とその環 境を守ることを意味します。 Ratify ILO Convention 190: 世界で働く人の暴力とハラスメント をなくす。

ブランドが前に進むために、人権と 環境の重要さを法律にしてくださ い。 これは、国際的なサプライチェー ンで害が起きたら、企業が責任をと ることを含め明らかにしてください。


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TAKE ACTION ON TRANSPARENCY

市民 私たちは、消費者のあなた方に、有名 なブランドと小売業者が今よりも透明 になるように要求してほしいです。S NSで好きなブランドのタグをつけた り、#WhoMadeMyClothes のハッシ ュタグを利用し、いつでもブランドに 誰がこの服を作ったのかを聞いてくだ さい。あるいは、ブランドに直接連絡 を取るため、Fashion Revolutionの自 動メールツールを使用することもでき ます。 なぜこの質問をするのでしょうか?そ れは、ブランドに強いメッセージを送 ることが出来るからです。ブランドの 服がどのようにつくられているのか、 生産者は公正な給料を受け取っている のか、尊厳を持って扱われ、生産過程 で環境にダメージを与えてないかなど を証明してほしいです。ブランドは必 ず皆さんの意見に耳を傾けます。です

のでブランドがより透明になるようあ なたの声を届けてください。 皆さんには、自分が苦労して稼いだお 金が、労働搾取や人権侵害、環境破壊 に加担していないかを知る権利があり ます。しかし、私たちが購入するも のに関する情報が秘密にされている場 合、ブランドや政府が責任を負う方法 はありません。 服の生産過程についての透明性が必要 であることを政治家に訴えてくださ い。環境への影響や、国内外の労働者 の生活について、法的に責任をもった 企業を生み出す必要があると、政府に 伝えてください。Fashion Revolutionの 「Write a postcard to a policy maker 」というツールを使ってください。

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"Transparency is the first step towards a different culture, one where brands become open and accountable, and customers are ready to become vigilant and ask, ‘who made my clothes?" 透明性は新しい文化への第一歩です。 ブランドが情報開示し、説明する義務を持ち、 顧客が「自分の服はだれが作ったのか」 について 意識をするようになる新しい文化なのです。

Orsola de Castro,

Co-founder, Fashion Revolution


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THANK YOU! 何年にもわたり、このプロジェク トを通して私たちのチームを支え てくださった専門家の方々に感謝 しています。Dr. Mark Anner, Neil Brown, Ian Cook, Subindu Garkhel, Kristian Hardiman, Christina Hajagos-Clausen, Jenny Holdcroft, Aruna Kashyap, Kate Larsen, Dr. Alessandra Mezzadri, Katie Shaw, Francois Souchet, Joe Sutcliffe and Ben Vanpeperstraete.そして、内式 にフィードバックやレポートを提供し てくださった方々に沢山の感謝を致 します。 私たちは特に、better buying で援 助や協力、顧問として活動してく ださったCARE International, Ellen MacArthur Foundation, Fairtrade Foundation, Fair Trade Advocacy Office, Good On You, Greenpeace, IndustriALL, Open Apparel Registry, Traidcraft Exchange, Transparency Pledge, Transparentem, University of Plymouth, Wikirate,のブランドに 感謝致します。 このIndexは下記の素晴らしいフリー

ランスチームの協力がなければ完成 しませんでした。Nicky Allan, Clara Buckens, Altaire Cambata, Ysabl Dobles, Rachel Hartley, Michelle Lai, Lisa Schneider, Lian Sing and Manon Thomasに心からの感謝を致 します。 今年、Fashion Transparency Index に参加してくださったブランドや小 売業者の代表の方々にも感謝を致し ます。私たちは、ブランドには市民 の方やNGO団体から度々メッセージ が送られ、すべてに返信することは 難しいということを知っています。 そのなかでも参加してくださった皆 さまに感謝致します。 Fashion Revolutionメンバーの方々 には最大の感謝を申し上げます。 特に素晴らしいブランディングと 素敵なデザインを担当してくださ った、Carry Somers, Emily Sear, Bronwyn Seier, Maria Maleh ありが とうございます。そしてこの運動に 力を貸してくださった各国のFashion Revolution コーディネーターにも感 謝致します。

Central Saint Martin’s、PR会社の Alfred とMaria Nishioにも多大なる感 謝を申し上げます。そして最後に、 サポートをしてくださった Laudes Foundation and the European Commissionにも感謝致します。

私たちはこのレポートを読んでくださっている皆さん にも感謝を申し上げます。 またこの機会に、Fashion Revolution (本部) は慈善団体であることを改めて お伝えいたします。 このことは、私たちが行っているす べての活動は助成金や皆様のような方々が寄付で支え てくださるからこそ成り立っているということです。

そして、Fashion Transparency Index を日本向けに編集してくださったボラ ンティの皆さまにも感謝を致します。

少額の寄付が、よりクリーンで、より安全で、よ り公平で、より透明なファッション業界を求める Fashion Revolutionの重要な仕事に大きな違いをも たらします。募金はとても簡単です。イギリスにあ る本部に寄付をする場合は下記のウェブサイトの寄 付ページにアクセスしてください。寄付は任意の金 額を選択するか、定期的に毎月寄付することもでき ます。 www.fashionrevolution.org/donate

翻訳:マクレガー薫(P0-P6)、松田 美紀(P7-P16)、塩澤僚子(P17-20) 、鈴木ひかる(P21-29)、京極未来 (P30-P33)、野口舞(P34-P40) 、川崎絢未(P41-P46)、佐藤奏音 (P47-P55)、酒井翔子(P56-P60) 、小笠原ありす、畦地礁太 、土屋登 希、関口未愛 、 草野あかり、谷口円 香、各務朱音 、矢野結菜 、宇野舜人 (P61-P68) 文章チェック:松田美紀、鎌田安里 紗、齋藤圭祐、竹村伊央 レイアウトデザイン:竹村伊央

This publication was produced with the financial support of the European Union. Its contents are the sole responsibility of Fashion Revolution and do not necessarily reflect the views of the European Union.

また、Fashion Revolution Japanは任意団体であり、 一般社団法人unistepsのメンバーが中心に運営して おります。Fashion Revolutionの日本の活動にご支 援、ご協力頂ける方は下記のリンクよりご連絡くだ さい。 unisteps.or.jp 皆さんのサポートがあるからこそ私たちはFashion Transparency Index のような資料を作り、私たちの 服の影響についてさらに幅広い世界的な議論を引き 起こし、前向きな変化を生み出すことができます。 ありがとうございます。 Fashion Revolution Foundation: Registered Charity in England & Wales No. 1173421; Registered Company in England & Wales No. 10494997. Fashion Revolution CIC: Registered Company No. 08988812. Registered Address: 70 Derby Street, Leek, Staffordshire ST13 5AJ, UK


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ANNEX 1: 参考文献 Bain, M. How COVID-19 could change fashion and retail, according to experts. Quartz (Apr 2020). で検索: https://qz.com/1831203/how-covid-19-could-changefashion-and-retail/

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ANNEX 2: 定義と略称 Auditing(監査)とは、会社のお金や労働状況、 環境に対する活動を検査する事である。この検査 は、労働者の安全確保と労働環境の改善点を見つ け出すものです。

Freedom of Association(協会の自由)と は、ある目的のために行動を起こす団体を作った り、参加したり出来る個人や労働者の権利のこと です。(出典: ILO)

(出典: Walk Free Foundation)

Circularity(循環性)or Circular Economy( 循環経済)とは、従来の「生産、使用、処分」とい う直線的な経済に代わる、資源を出来るだけ長く 使い、使用中に付加価値をつけ、使用出来なくな った時には原料や製品の再生をするという循環型 の経済です。 (出典: WRAP)

Collective bargaining(団体交渉)とは、雇用 者や労働組合が、公正賃金や公正な労働状況を特 定するために用いる交渉の事です。 (出典: ILO)

Due diligence(デューデリジェンス/注意義務) とは会社の、人権や環境に対する影響を知り、会 社が悪影響を削減するために行う行動の事です。 (出典: United Nations Global Compact)

Downcycling(ダウンサイクリング)とは、元の 商品よりも低価値の製品に再利用する事である。 例を挙げると、服を絶縁体の材料にしたり、掃除 用の布にしたり、カーペットの下敷きに利用した りする事です。(出典: Merriam Webster) Equal pay(同一報酬)とは、男性でも女性でも 同じ仕事内容であれば、同一の報酬を受け取るべ きであるという意味です。これは給料だけでなく 「休暇の権利、ボーナス、事業案に対する報酬、 年金の支払いやその他の手当て」などの契約条 件・雇用条件にも当てはまります。 (出典: Equality and Human Rights Commission)

Forced labour (強制労働)とは、本人の意思と は反し、他者から強要された仕事やサービスのこ と示します。人々への暴力や脅迫、または借金の 蓄積や身分証明書の所有、移民に対する非難の脅 迫などと共に行われるものです。これは現代の奴 隷法の最も一般的な要素です (出典: ILO and Anti-Slavery International)

Gender pay gap (男女の賃金差)は、男性と 女性の給与の差のことです。 (出典: Office for National Statistics)

Grievance mechanism (苦情申し立ての仕 組み)は、労働者が罰や報復を恐れることなく労 働条件について不平を申し立てることできる仕組 みのことです (出典: Verité)

Living wage (生活賃金)は、労働者が、彼らと その家族の基本的な生活(食料、住居、衣類、教 育、医療)をするために得る賃金のことです。. (出典: Clean Clothes Campaign)

Materiality Assessment(マテリアリティア セスメント)とは、ESG問題(環境、社会、統治)の 重要性に関して明らかにするため、包括的なプロ セスを構築することです。この過程で明らかにさ れたことは、一般的に、持続可能性の報告と戦略 的な計画を知らせるために最も使用されます。

(出典: Greenbiz)

Microfibes (マイクロファイバー)とは、普段私 たちが着ている衣類から抜け落ち、最終的に環境 の汚染物質となるものです。 合成繊維(ポリエ ステルなど)のマイクロファイバーは、海洋を汚 染するマイクロプラスチック(5mmほど)の主な 原因です。 (出典: IUCN)

Pre-consumer waste(プレコンシューマー ウェイスト) は、衣料品の製造段階で繊維および衣 料品メーカーによって生成され、消費者に届く前 に廃棄されてしまう廃棄物のことです。これらに は、衣服片の切断後の繊維くず、残りの繊維サン プル、織物の耳、ロールエンドの廃棄物、損傷し た材料、設計および製造部門からの部分仕上げま たは完成した衣類サンプルが含まれます。 (出典: Dobilaite et al., 2017)

Purchasing Prctices (購買慣行) とは、企業 が商品やサービスを購入するプロセスを指しま す。このことはデザインや開発の計画や予想、 値段交渉、注文や生産管理・支払いを受け入れる ことや、条件提示といったような活動を含んで います。

Restricted Substance (規制物質一覧)とは 生産物や生産過程での使用が禁止されている特定 の化学物質が提示されています。規制されてい る典型的に危険とされている物質には鉛、アゾ 染料、DMF(ジメチルホルムアミド)、多環芳 香族炭化水素のフタル酸、PFOS(ペルフルオロ オクタンスルホン酸)、ニッケル放棄などが含 まれます。 (出典: CIRS-REACH)

Sex-disaggregated data (性別データ 収集)とは性別を参考にして測定・区別され た情報のことです。それは特定の話題やブラ ンドが女性の注目度とサプライチェーンに向 き合う問題を測定して供給するという女性と 男性間における結果を比較するものです。 (出典: BSR)

Supply chain / value chain (サプライチェ ーンまたはバリューチェーン)は農場からクロー ゼットまでの生産と販売を開始するといったよう な全工程を意味します。 (出典: OECD)

(出典: Better Buying)

Remediation (改善) するということは何かを 直すということ、特に環境破壊や人権侵害を破棄 することまたは止めるということです。是正措置 とは改善されるべきもの、それがいつなされるべ きか、そしてそれらの責任を取るべき人は誰なの かを供給者と合意しているということです。 (出 典: ETI Norway)

Wet processing facilities(湿式加工工程 施設)では一般的にすすぎ、漂白、染色、印刷、 布地の処理やコーティング、洗濯のような衣類 の生産が行われています。 (出典: Garment Merchandising blog)


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免責事項 「The Fashion Transparency Index」は、一般 的な情報提供目的でのみ利用可能です。本インデ ックスで言及されている各ブランドについて、独 自の見解を形成することを読者に勧めるもので す。「The Fashion Transparency Index」にお ける全ての内容は、法律、政治、規制、研究、投 資への助言や、ブランドとの購買、販売、または 取引への具体的または一般的な助言と関与してい ると解釈されるべきものではありません。本イン デックスは、具体的または一般的な投資目的で作 成されておりません。読者は本インデックスで言 及されたことに触発され行動を起こす前に、自身 の状況に適切か考え、必要であれば専門家の助言 を求めることを要求されます。本インデックスが 正確であり、最新であることは表明し保証されて おりません。 本インデックスの内容は、公知である情報に基 づいており、公開時に適切と判断されておりま す。Fashion Revolutionは本インデックスの作成 のため使用されたデータを検査、検証、または 監査しておりません。ファッションブランドの評 価はnew Fashion Transparency Indexの方法論 だけに基づいており、他のプロジェクトパートナ ーや当分析チームが使用する評価方法には基づい ておりません。本インデックスの全ての主張、意 見、結論または推奨事項は、インデックス公表時 に誠実に、そして合理的に出されたものです。表 明されている全ての意見は、詳細な研究に基づく 公開当時の意見であり、事前に通知する事なく変 更する可能性があります。本インデックスで表 明されている全ての見解は、明記されない限り Fashion Revolution CICの見解を表明しておりま す。本出版物の内容は、Fashion Revolution CIC または「The Fashion Transparency Index」の資 金提供者の意見を反映するものではありません。 本冊子における資料は善意で誠実に使用されてい ますが、弊社や共同出資者、代理人、代表者、ア ドバイザー、またその他系列会社、取締役員及び その従業員は、その内容の正確性、完全性、信憑

性、真実性において、また本冊子に関連し使用 された情報について、一切の責任を負わず、い かなる申し立て及び誓約(明示と黙示の両者にお いて)を行わないものとします。また、本冊子 の使用による当事者間のいかなる被害において も一切の責任を負わないものとします。弊社及 び代理人、代表者、アドバイザー、系列会社、 取締役員、従業員の全ては本指標の使用者に対 する追加情報の提供、そこに含まれる情報の更 新、また明白な誤りに対するいかなる訂正につ いて、一切の義務を負わないものとします。 ここの参考文献は全て、特定の商標、商品、そ の製造過程、いかなる商用名、商標、製造者、 その他全てによるサービスとは無関係です。ま た弊社や共同出資者、代理人、代表者、アドバ イザー、その他の関係団体、取締役員及びその 従業員による推奨、推薦、 支持、ボイコット、 悪用、中傷の一切を示唆していません。 この指標及びその関連資料に関わる一切の責任 は法律の明示内において放棄されます。ただ し、詐欺行為や悪意不実表示の場合においては この限りではありません。この指標に関わるい かなる論争、申し立て及び法的手続き、また蜂 起については英国の法律が適用され、同法律に 従って解釈されます。そして専属管轄を有する イングランド及びウェールズの法廷に対し申し 立てが行われます。

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貢献

ライセンス:クリエイティブコモンズ

この取り組みは、ファッションレボリューショ ンCIC(会社番号:8988812)によって開催さ れ、その方針監督であるSarah Dittyによって 書かれています

このFashion Transparency Indexは、クリエイテ ィブコモンズの表示、非営利、改変禁止4.0国際 ライセンスの下で許可されています。自由文化ラ イセンスではありません。詳細については、リン クを参照してください:: https://creativecommons. org/licenses/by-nc-nd/4.0/

この調査は、ファッションレボリューション のグローバルポリシーディレクターのSarah Ditty、プロジェクトマネージャーのllishio lovejoy、プロジェクトコーディネーターの Sienna Somers、そして、ファッションレボリ ューションの創設者の1人であり、グローバル オペレーションディレクターのCarry Somers の支援によって成り立っています。追加調査 はAltaire Cambata、Clara Buckens、Lian Sing、Lisa Schneider、Manon Thomas、Michelle Lai、Nicky Allan、Rachel Hartley、Ysabl Doblesによって、2019年12 月から2020年4月に渡り行われました。この 調査は、Heather Knight、Emily Sear、Maria Malehによって考案されています。 Fashion Revolution CICをこの調査をするため にThe Laudes Foundationより投資を受けま した。私たちは、公平な待遇の実態における事 実や、The Laudes Foundationと同じく持続 可能性プロジェクトの協力者であるC&Aの評 価への偏見のない働きかけを強調したいと思い ます。同じ親元であるCOFRA GROUPもこれら のついて認めています この出版物は欧州連合の経済的援助とともに出 資されています。その内容はファッションレボ リューションの単独の責任によるものであり、 必ずしも欧州連合の観点を反映させているもの ではありません。 私たちは、いかなる関心闘争へ危険をも、三つ の方法で軽減してきました。その方法とは、1 つ目に、C&Aとthe Laudes Foundationとは存 在を分けて考え、扱うこと。2つ目に、C&A を自分たちの分析したその他全ての249個の ブランドと同じように扱うこと。そして、最後 にC&Aに対しいかなる優先的扱いをも与えな いことです。

このインデックスを作成するために編集した元デ ータを使用するためのライセンスを付与すること はありません。第三者は元データファイルの閲覧 のみが許可されています。 Fashion Revolutionが作成したクレジットを表示 することを条件に、Fashion Transparency Index を任意のメディアまたは形式で自由にコピーして 再配布できます。このライセンスは、コンテンツ を変更、再構築、変換、翻駅、またはその他の方 法で変更する権利を第三者に与えるものではあり ません。 これには、有料サービスの一部としての提供や、 コンサルタントまたはその他のサービス提供の一 部としての提供が含まれます。このインデックス の全体または一部を商業化する場合は、legal@ fashionrevolution.org でFashion Revolutionに連 絡してライセンスを取得する必要があります。 © Fashion Revolution CIC 2020 発行: 21st April 2020


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ABOUT FASHION REVOLUTION FASHION REVOLUTIONは世界規模のムーブメントで す。私たちはファッション産業の透明性に重きを置いたシス テム改正に向けて世界的なキャンペーンを行っています 私たちは世界的ファッション産業が、成長や利益よりも環境 保護や再建、そして人々を大切にすると信じています。 この問題は、ファッション産業において決してどんな個人、 ブランド、企業に降りかかることはありません。これが、全 体のシステムを変えるため私たちが声を挙げることにこだわ る理由です。機能的、構造的な変化を伴って、ファッション 産業は数百万人の人々を貧困から救うことができ、彼らに全 うで尊厳のある生活を与えることができるのです。またそれ は、私達が住む地球を保護し、再建することもできます。そ のおかげで人は分かち合い、大いなる幸福の源となり、個人 や会話のための創造性や表現力につながるでしょう。

"If we are to evolve from this global pandemic to become a more balanced and mindful fashion industry, we have to make darkness a thing of the past, and embrace radical transparency as our guiding light." もし私たちが世界的流行から発展し、 より安定して人々の心に留まるような ファッション産業にするためには、 私たちは暗闇を過去のものにし、根本的な透明性を、 私たちを誘導する光として取り入れなければならなりません。

Orsola de Castro

Co founder, Fashion Revolution

www.fashionrevolution.org @fash_rev(本部) @Fash_RevJAPAN(日本) fash_rev(本部) @fashionrevolutionjapan(日本)

 

facebook.com/fashionrevolution.org(本部)/FashionRevolutionJAPAN(日本)


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[JAPANESE] Fashion Transparency Index 2020  

世界の主流ファッションブランドと小売業者250社を対象に行われた調査社会的・環境的な方針と実践、そしてその影響についての情報をどの程度開示しているかを元にランク付けされています。

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世界の主流ファッションブランドと小売業者250社を対象に行われた調査社会的・環境的な方針と実践、そしてその影響についての情報をどの程度開示しているかを元にランク付けされています。

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