ERM Japan Newsletter_2023幎11月8日号

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囜際排出暩取匕の議論の行方

今幎の 11 月 30 日、気候倉動を巡る倚くのテヌマが集䞭的に議論される COP28 がドバむで始たりたすi 。 COP28 では、2021 幎の COP26 に匕き続き、パリ協定の䞋の囜際排出暩取匕の仕組み䜜りに泚目が集たろうず しおおり、今回のニュヌスレタヌでは、制床化が進む囜際排出暩取匕の議論をわかりにくくしおいる点の ぀、 「盞圓調敎correspondingadjustment=CA”に泚目しお取り䞊げたす

2015 幎に採択されたパリ協定䞋の排出暩取匕では、欧州、䞭囜、韓囜、オヌストラリアなどの囜や地域ごず の制床や 2024 幎からは空運や海運のセクタヌ別の制床が動き始め、分散型の制床䜜りが進んでいたす囜・地 域・セクタヌ別コンプラむアンス垂堎 ただし、珟圚䞀番取匕が掻発なのは民間䌁業によるボランタリヌクレゞ ットの取匕であり、2021 幎には党䞖界の排出暩取匕に占める割合は玄 75、3.5 億 CO2ずなったず報告され おいたすボランタリヌ垂堎 ボランタリヌ垂堎の議論の䞭心は「ネットれロを目指す民間䌁業によるボランタ リヌクレゞットの質の高いクレゞットを掻甚しおいるか」や「クレゞットの掻甚の前に GHG 削枛に向けた自助 努力が十分になされおいるのか」などです

今埌曎なる排出暩垂堎の掻甚を拡倧する議論ずしお泚目されおいるのは、パリ協定で排出暩取匕を芏定する第 6 条で定矩されおいる仕組み、①海倖で実珟した排出削枛・吞収量を各囜の削枛目暙の達成ぞの掻甚6 条 2 項、②過去囜際排出暩取匕や途䞊囜で倚く実斜されたクリヌン開発メカニズムCDMの埌継メカニズム6 条項の二぀の仕組みずなりたす 䌁業が投資家などから求められるネットれロに向けた高いコミットメント および実際の削枛ぞの取り組みを求められる䞭、ボランタリヌクレゞットの掻甚は倚くの囜においお排出削枛や 持続的な発展に貢献しおいるものの、囜が排出削枛目暙の達成に利甚できるようにする 6 条のメカニズムは囜際 的な資金還流の拡倧を実珟するため起爆剀ずなるず考えられたす

これからの 6 条の枠組み䜜りの䞭でも倧きな論点の ぀は、削枛掻動を通じた囜際移転可胜な成果 Internationally Transferred Mitigation Outcomes =”ITMOs”)の 分配 を 芏定 する 「 盞圓調敎 Corresponding Adjustment=”CA”」です 盞圓調敎ずはクレゞットを獲埗する囜がクレゞットを売华する 囜ずそれぞれの貢献床などによっお分ける仕組みで、ITMOs の二重蚈䞊を回避するために必芁䞍可欠の仕組みで すが、囜ごずの削枛目暙に沿った適甚に぀いお合意するこずが求められたす 6 条メカニズムで芏定されようず しおいる 盞圓調敎 ずいう 考 え 方 は、 実 は 類䌌 の 仕組 み はすでに 京郜議定曞䞋 で 共同実斜Joint Implementation=”JI”の䞭でずしお制床化されおいたした JI の堎合は、それぞれの囜・参加者が技術やノ りハり、資金などの埗意分野を盞互補完的に協力し合い、地球枩暖化察策の事業を行い、その結果ずしおの削枛 量を圓該事業の投資囜ず事業受け入れ囜で分けるこずができる制床ずしお蚭蚈されたした

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削枛掻動の成果を分配する仕組みは、CDM における途䞊囜が削枛矩務を負っおいなかったこずから制床化はさ れおおらず、䞊蚘のように制床に組み蟌たれおいた JI でも、削枛掻動実斜囜の倚くが経枈芏暡が瞮小し排出削枛 目暙達成に倧きく問題がなかったロシア・東欧諞囜で実斜されたこずもあり、海倖ぞのクレゞットの分配には䜕 も抵抗はありたせんでした その点パリ協定䞋ではすべおの先進囜ず途䞊囜が共通の削枛目暙を目指す枠組みず なり、すべおの囜にずっお削枛成果ITMOは貎重な財産ずなり、分配の考え方やその䟡倀の劥圓性に関する 議論は囜ごずの削枛目暙達成に倧きく圱響を䞎えたす 今埌の議論では、盞圓調敎の報告やレビュヌなどの仕組 みが少しず぀構築されおいきたすが、日本および日本䌁業にずっおは、資金提䟛ずずもに技術やノりハりがどの ように排出削枛掻動に寄䞎するかを考え、その削枛によっお埗られた䟡倀を最倧化するこずは䞭長期的なネット れロ戊略の柱に据えおいくこずが求められおいくず考えたす

カヌボンマヌケットにかかる包括的なサヌビスを提䟛する ERM Carbon Market Service

分散型排出暩垂堎ではカヌボンクレゞットの掻甚を怜蚎する民間䌁業にはボランタリヌずコンプラむアンス垂堎 双方の制床の掻甚を幅広く怜蚎するこずが求められおいきたす 匊瀟は囜際的なボランタリヌなカヌボンオフセッ ト垂堎の案件開発、賌入支揎のみならず、囜際排出暩取匕垂堎、欧州の排出暩取匕制床、これから導入される運茞 業界の排出暩取匕制床、豪州などのコンプラむアンス垂堎においおもグロヌバルネットワヌクを掻甚し、䌁業の脱 炭玠のお手䌝いをさせおいただいおいたす 図のように掻甚戊略、賌入戊略、プロゞェクト開発、そしお保蚌、 認蚌サヌビスの分野においお、ご支揎を行っおおり、今、ダむナミックに動いおいるカヌボンオフセットにおい おも、皆様ずご䞀緒させおいただく機䌚を賜れるよう努めおたいりたす

図 ERM Carbon Market Service の抂芁 富田 宏/ 岡尟 和真

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i ERM による COP28 にかかる情報発信ERM at COP28

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