気候変動、高齢化、絶滅危惧種、食糧不足などの問題は、世界中で、そ して我々の地域社会でも、重要な課題となっています。次の世代により明る い未来を残すために、持続可能な開発目標はかつてないほど喫緊の課題 となっています。この課題に取り組むには、一部の人だけではなく、人類全 体の協力が必要です。
我々は、若い世代が世界の持続可能な発展に貢献する能力と創造性を 持っていると信じています。教育は、生徒を持続可能な開発問題に触れさ せ、彼らの視点から解決策を考えさせる、重要な役割を担っています。
九州大学大学院芸術工学研究院SDGsデザインユニットは、2019年か ら福岡市立福翔高校と連携し、17名の生徒を対象とした「SDGsチャレン ジプロジェクト」という短期ワークショップを実施しました。2021年には、 福翔高校の高校三年生全員を対象とした、半年間にわたる全校プログラム に発展しました。SDGsチャレンジプロジェクトの参加者は、ごく限られた 時間の中で、創造力と想像力を駆使し、持続可能な開発問題の解決に向 けて、たくさんの興味深いアイデアを提案しました。
このハンドブックを通じて、2019年から2021年にかけて、SDGsチャレ ンジプロジェクトを企画し、設計し、実施したこれまでの過程と経験を共 有したいと思います。教育や学術関係の方々など、身近なコミュニティであ なた自身のSDGsチャレンジプロジェクトを実施する際に、このハンドブッ クが少しでもお役に立てることを願っています。