大阪府下におけるカエルの生息状況調査報告書―第2報

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因国固□国□困

D カ エ ルの生息状況報告 (第 群 一 第 二次 力エル生息調査並びに補充調査結果 ―

特定フ ト営利活動法人 シ エ ア 自 然 大 学 「メダカをシンボルとする水辺環境調査会 帖 称メダカ調査委員会)」

1


大阪府 に於ける力エルの生息状況報告 (第 2報 ) 一 第 二 次 カエ ル 生 息 調 査 並 び に補 充 調 査 結 果 一 特定非営利活動法人 シニア自然大学 メダカをシンボルとする水辺環境調査会 (略 称 メダカ調査委員会)

特定非営利活動法人 シニア自然大学では、1998 メダカをシンボルとする身近な水辺の生き 年から “ 物と環境を市民と共に考える"運 動を立ち上げ、これ まで、大阪府に於ける「第一次メダカー斉調査」(1999 ∼2000年 )、 「第一次力エル生息調査」(2002∼ 2003年 )、 「第二次メダカー斉調査」(2003∼ 2004年 )、 「第一次 淡水生カメ類と外来水生生物生息調査」(2005∼ 2007 年)を 実施してきた。 大阪府に於ける第一次力エル生息調査に引き続き、

2006年 ∼2008年 の間、シニア自然大学修了生や市民 と共に、「第二次力エル生息調査」を実施し、府下に おける力エルの生 息分布状況と生息環境等について 若干の知見を得たので報告する。 長 期 的 には、 多様 な水 辺 の 生 き物 が棲 む環 境 を 維持修復する方策を提言すべ く、定期的に調査を重ね、 分布状況と生息環境の時系列的変遷を把握するデータ を集 積 することを 課 題 として いる。 こうした一 連 の 活動 を通 じ次世代 の 孫やその子供たちが豊 かな 自然 環 境 の 中 で 多様 な 生 き物 と接 し、命 の 愛 お しさや 慈 しみの心を学 べ るような環境づくりに寄与できれば と念願する次第である。 5種 類 も の 力 エ ル の 棲 む 谷 田

今 回の調 査 で は、第一 次 力 エ ル 生 息 調査 の 調 査

2002∼ 2003年 に実施 した第 一次 力 エ ル 生息調査

方針を踏襲 しつつ 、更 に精度と網羅度をあげることを

(大 阪府 に於 ける力 エ ル の 生 息 状 況報 告 書 参照 )に

目指し、両生類のシンボル的存在であり、水辺がその

準 じて実施 した。 即ち、シニア自然大学修了生を中心

繁殖に不可欠である力エルの大 阪府における生息分布

とする市民 、 自治体 関係者 など約 100名 および環境

と生息 環境を調査 した。

関連市民 団体 により、 対象地 区の網羅的踏査並びに

2


困国圃□□団因 カ エ ルの生息状 況 報 告 悌m 調査対象の成体 ・幼生 ・卵塊の 目視 と採集 、場合 に

尚、調査前と調査期間中、適宜学習観察会を実施

よつては飼育 ,際化、鳴き声の間き分け、などによる

し、調査員が力エル識別と鳴き声の聞き分けに習熟で

識別 ・確認を行つた。 併せて地形区分 (平 野部 ・丘陵

きるよう配慮すると共に、力エルツボカビ症 と対応に関

│1/ 部 ・山地 )と 生息環境 (水 田 ・湿地/池 ・森/林 ・サ

する外部専門家による講習会を開催した。

沢 ・草地 /荒 地

住宅地 ・商工地 )の 区別を調 べ 、

1)調 査対象 :大 阪府に隣接する府県で生息の記録が

所定の「第 二 次力エル分布調査票」(表 1)に 記録 した。 [表

ある以下の4科 16種 の力エルを調査対象とした。

1]第 二次カエルの分布調査票

アマガエル科 (1種 )i ニホンアマガエル (Hyla laponiCa) アオガエル科 (3種 ); シュレーゲルアオガエル (Rhacopho田

s schlege l)

モリアオガエリ レ(Rhacophorus arbo「 eus) カ ジカガエ ル (Buergeria buerigeri) アカガエ ル 科 (9種 ):

ツチガエル (Rana rugosa) ヌマガエル (Rana limnochatts limunocahans) ウシガエル (Rana catesbeiana) ニホンアカガエル (Rana lapOnica) ヤマアカガエル (Rana o「 nativent‖ s) タゴガエリ レ(Rana tagoitagoi) ナガレタゴガエル (Rana sakurail) トノサマガエル (Rana nig「 omaculata) ニル (Rana prosa brevipoda) タリレマガ三 ヒキガエル科 (3種 ): ニホンヒキガエル (Bufo laponiCus iaponicus) アズマヒキガエル (Bufo laponiCus formosus)

市民から寄せられた力エル 生息情報 につい ては、

ナガレヒキガエル (Bufo

調査員が現地で確認 し、調査結果 に加えた。 採集

to「「entlco a)

した標 本の 一 部は、大阪自然史博物館に提供 した。 9 ﹂

更に、調査員に対し、 2006年 12月 に明らかとなっ

対 象 地 域 :大 阪 府 下 43市 町村 に於 ける水 田 、

た力 エ ル ツボカビ症 の 国内感染 に関連 して 、力 工

湿地 /池 、森 /林 、川 /沢 、草地 /荒 地 、畑 、

ル ツボカビ症 発症 を疑わせる異 常な力 エル 若 しく

住宅地、商工地等の水辺。

は死がいの発見と、そのようなケースに遭遇した場合

註 1 立入禁止地、危険箇所、海域は調査対象外とした。 註 2美 原町は、市町村合併に伴い、堺市にカロ えた。

の取り扱 しヽ につしヽ て特別の配慮を求めた。 ●0

調査期間 :一 斉調査 :2006年 6月 ∼ 2007年 9月 補充調査 :2007年 10月 ∼ 2008年 6月

4) 調査 の まとめ

:イ

固々の 力エル生息 調査票 に記載

された生息状況 (表 1参 照)に 基づき、 市 町村別 、 種類別 、生息環境 別等多角的な観点から図表の 形にまとめた。 併せて、環境省基準地域メッシュ アカガエル卵 塊観 察会

3


第 3次 地域 区画 (3次 メッシュ/約 1× l km)に 調査

(表 5巻 末)、 大阪府に隣接する府県では、4科 16

結果 を転記 し分布 図とした 。 そ の 際、 同 一 メッ

種が記録されている。 大阪府二次力エル調査で確

シュ内で重 複 して力 エル 確 認 場 所 があ る場 合 、

認された力エル類 │よ 4科 12種 であつた。 今回確認

原則的に 1メ ッシュとしてカウントした。

されなかった力エル │よ 、ナガレタゴガエル、アズ マヒキガエル、ナガレヒキガエル及び一次調査 では確認されてしヽ たダルマガエルの4種 であつた。

4) 大阪府のレッドデータブックに分類されている5種 類「レッドデータブックに見る力エルの現況」(表 6 巻末)の 内、準絶減危惧種のヤマアカガエルとモ 二次調査に於ける力エル識別方法毎の種類別の

リアオガエル 、要注 目種のシュレーゲルアオガ

占拠 率 は、「 力 エル 種 類別 識 別 方法分 布 図」

エルとニホンヒキガエル の生息は確認されたが、

(グ ラフ1)並 びに「力エル種類別識別方法集計表」

Иよ確認できなかつた。 絶減危惧 I類のダルマガエリ

(表 2巻 末参照)に 示す通り、全体的lcu或体506%、

鳴き声 444%、 卵塊 28%、 幼生 (オ タマジャ クシ)22%、 の順で、成体目視と鳴き声による 識別が95%を 占めていた。 当然の事ながら、鳴 き声に特徴的なアマガエル、シュレーグルアオガ

モリアオガエル

レ ヤマアカガエリ

シュレーゲリ レアオガエリ レ

ニホンヒキガエル

エル、カジカガエリ レ、ウシガエリ レ、タゴガエルな ど│よ 、聞き分けによる識別が主体であつた。 9L

大阪府の市町村別および種類別の分布状況は、 「大阪府力エル生息布図」(図 1)、 「大阪府市町村 別力エル調査場所集計表」(表 3巻 末)、 「大阪府

5)

力エル種類別分布」(図 3巻 末)に 示 した。 更 に、

二 次 調 査 で確 認 され た 力 エ ル の 生 息 と環 境 の

環境省 3次 メッシュに転記した分布状況は、「大 阪

概況として、平野部 ・丘陵部 ・山地などの地形区

府市町村別力エル調査メッシュ集計表」(表 4巻 末)、

分 にお ける力 エ ル の生 息環 境の分布 を「地形 区

「大阪府力エルの生息分布メッシュマップ」(図 2巻

分別生息環境分布 図」(グ ラフ2)、 「地形区分別

末)の 通りであつた。

生 息環境分布表」(表 7巻 末)、 「力エ ル種類

形区分別生息環境分布表」(表 10巻 末)に 、力エル と生息地 形の関係を「力エル種類 別地形区分分 布 図」(グ ラフ3)、 「力 エ ル種類別地形区分分 布表」(表 8巻 末)に 示した。 何れも、第―次調 査の結果とほぼ同じ傾向を示していた。 公U

力エルと生息 環境の関係性を「力エル種類毎の 生息環境分布図」(グ ラフ4巻 末)、 「力エル種類別

シュレー ゲリ レアオガエリ レの大合 0昌 が /

生息環境分布図」(グ ラフ5)、

[力 エル種類別生息

つ0

日本本土で記録されている力エル類は4科 22種

環境分布表 ](表 9巻 末)に 示 した。 山地の川や

(18種 4亜 種 )と 言われ「日本本土の力エル 類」

沢で繁殖するカジカガエル、タゴガエル を除く

4


[図

困国回回圏団困 カ エルの生息状況報告 輌m

1]大 阪府カエル生息分布図

O② O

②②O ② O ◎O⑥ O

② O◎ O② ⑥

②②O‐ ②O ◎O② ⑥③

O② O② O◎ O② ⑥ O

000② OOOOO

00② 00 0⑥

0000

O② OO◎ O⑥

②②②OO

O⑥

アマガエル レ レアオガエリ シュレーゲフ モリアオガエル カジカガエ ル ツチガエル

O② OOO①

ヌマガエル ニホンアカガエル

②②①◎@①

ヤマアカガエル ナガレタゴガエル

② l② OO⑥ O

トノサマガエル レ ダルマガエソ

O⑫ O

ニホンヒキガエル

O①

アズマヒキガエル ナガレヒキガエル

②② ‐②O◎ ②②O◎

◎⑥O

0010◎

00■ O◎ O⑥ ③

②①

O⑫ ②O◎ @⑥

池 に依存 していることは明らかである。 因み に、 *

61ヶ 所 (260/o)

草地 /荒 地

27ケ 所

火 田

1545ケ 所 (6700/o) 466ヶ 所 (2020/0)

191ヶ 所 (820/0)

林 /森 住宅地

に於 ける生息環境分布を見 ると 水田 湿地/池

②② ■O◎ ②①

川 /沢

ほとんどの力エルが、その繁殖の場 を水田や湿地

何 らか の 力 エ ル を確 認 した 場 所 延 2306ヶ 所

②①O

(12%) 1lヶ 所 (05%) 5ヶ 所

(020/o)

の 順 で あつた 。 (*調 査票生息環境欄のチェック洩れ、重複チエック分を除外)


[グ ラフ 1]カ エル種類別識別方法分布図

全体

ニホンヒキガエル

トンサマガエル

タゴガエル

[グ ラフ

ヤマアカガエル

ニ ホンアカガエル

ウシガエル

ヌマガエル

ツチガエル

カジカガエル

モリアオガエル

とレ 歩夕勢元

ガエル ニホンアマ

尚、平野部、丘陵部、山地で確認された力エル

2]地 区区分別生息環境分布図

の生 息環境 は、「全 地形 区分 に於 ける種 類別 生息環境分布図」(グ ラフ6)、 「平野部に於ける 種類別生息環境分布図」(グ ラフ7巻 末)、 「丘 陵 部 にお ける種類別生息環 境分布 図」(グ ラフ 8 巻末)、 「山地に於ける種類別生息環境分布 図」

[グ ラフ 3]カ エル種類別地形区分分布図

︵% ︶

全体

ヤマアカガエル

ニ ホンアカガエル

ウシガエル

ヌマガエル

ツチガ エル

カジカガエル

モリアオガエル

とレ 勢元 ︲ ゲ ル ア

ガエル ニホンアマ

6

商 工地

いる。

住宅 地

ニ ホンヒキガエル

が水 田に依存 している様子が浮き彫りになつて

沢 川。

トンサマガエル

荒地 草地・

林・ 森

タゴガエル

山地を問わず、何れの地域でも、力エル類の生息

池 湿地 ・

水田

(グ ラフ9巻 末)に 示すとおり、平野部、丘陵部、


因国固□圏団困 カ エルの生息状況報告 輛鋤

[グ ラフ 5]カ エル種類別生息環境分布図

一 ■

︵ %︶ 全体

ニホンヒキガエル

トノサマガエル

タゴガ エル

ヤマアカガエル

ニホンアカガエル

ウ シ ガ エル

ヌマガ エル

ツチガ エル

カジカガエル

モリアオガエル

じ︲ 勢元 ゲル ア ヽ

ニホンアマガエル

[グ ラフ

6]全 地形区分に於ける種類別生息環境分布図

場 所数 力エル の楽 園

ニホンアマガエル トノサマガエル

63ヶ 所

(13

ツチガエル

63ヶ 所

(16

カジカガエリ レ モリアオガエル

(9 41ヶ 所 (8

ニホンアカガエル

33ヶ 所

(10

ヤマアカガエリ レ

26ヶ 所

(9

ニホンヒキガエリ レ

19ヶ 所

(10

50ヶ 所

ヶ所 、3種 :177ヶ 所 、2種 i305ヵ 所 、 1種 :752

) 462ヶ 所 (41 〃 ) 376ヶ 所 (33 〃 ) (35

タゴガエル

) 〃) 〃) 〃) 〃) 〃) 〃) 〃) 〃

7種 :]ヶ 所、 6種 :8ヶ 所、 5種 :22ヶ 所、 4種 :88

709ヶ 所 (43市 町村 ) 467ヶ 所

(17

ヶ所で、同一場所で確認された力エルの 種数 は、

延2409ヶ 所であり、その内、種類毎の場所数は、

ウシガエル

100ヶ 所

の順であつた。 また、実質確認場 所数 *は 1353

7)二 次調査で何らかの力エルが確認された場所数 │よ 、 ヌマガエリ レ

ニホンヒキガエル

ト ノサ マガ エル

タゴガエル

ヤマアカガエル

ニホンアカガエル

ヌ マガ エ ル

ツ チ ガ エル

カジ カガ エル

モリ アオガ エル

レ︲ケルアオガエル ンュ ヽ

ニホンアマガ エル

シュレーグルアオガエル

ヶ所の分布 であつた (表 3・ 10、 図 1 3巻 末 )。 (*同 じ場所で複数の力エルを確認しても、lヶ 所とカウント )

7


場 所 数 を ベ ー ス とした 諸 図表 に示 され た 生 息

それぞれの力エルの生息場 所に於ける個体数を 考慮 しなければ、大 阪府下で、より広範囲に分布

状況を反映している。 因みに、

する力 エ ル は、ヌマガエル 、 ニ ホンアマガエリ レ、

①大阪府全域の環境省3次 メッシュ数約 2030に 対 し、

ウシガエル 、トノサマガエ ルであると云える。

何 らか の 力 エ ル が確 認 され た メッシュ数 は 829 (4080/a)メ ッシュであつた。 力エルの確認された

8) 府下 43市 町村で確認された力エルの種類数 は、

829メ ッシュに於 ける種類別の分布 は、

11種 類 :高 槻市

ヌマガエリ レ

552メ ッシュ (666%)

]0種 類 :能 勢町、豊能町、茨木市、河内長野市

ニホンアマガエル

384メ ッシュ (463%) 335メ ッシュ (404%) 302メ ッシュ (364%) 83メ ッシュ (10 0%)

ウシガエル

9種 類 :箕 面市、交野市、和泉市 8種 類 :枚 方市、四条畷市、堺市、阪南市

トノサマガエリ レ

7種 類 :千 早赤阪村、岸和田市、貝塚市、泉佐野市

シュレーゲルアオガエル

6種 類 :吹 田市、富田林市、河南町、熊取町

タゴガエル

5種 類 :池 田市、豊中市、島本田 ]、 寝屋川市、

ツチガエリ レ

大阪市、大阪狭山市、太子町、泉南市

カジカガエル

4種 類 :大 東市、東大阪市、岬町

モリアオガエル

3種 類 :守 国市、門真市、八尾市、松原市、

ニホンアカガエル ヤマアカガエル

柏原市、羽曳野市、田尻町 2種 類 :藤 井寺市、高石市、泉大津市、忠岡町

ニホンヒキガエル

1種 類 i摂 津市

ダルマガエル

の通りであった。(表 3、 図 1・ 3巻 末)

59メ ッシュ (710/0) 57メ ッシュ (69%) 47メ ッシュ (57%) 34メ ッシュ (4]%) 28メ ッシュ (34%) 20メ ッシュ (24%) 19メ ッシュ (23%) 0メ ッシュ (00%)

の順であつた。

②複数種類の力エ ルを確認 したメッシュの数は、 7種 8メ ッシュ 6種 12メ ッシュ 5種 29メ ッシュ 4種 95メ ッシュ 3種 166メ ッシュ 2種 250メ ッシュ 1種 圃場整備 された 山地 の 田んほ

269メ ッシュ

の 順 で あつた 。

尚、都市化が進み、商工業団地化された結果

4種 以 上 確 認 した メッシュを 環 境 省 3次 メッシュに

生息できる水辺が消えたり、水路の暗渠化が進ん

転 記 す る と、「 第 二 次 力 エ ル 調 査

だ りした地域 で は、当然 の事 ながら、力 エ ル の

メッシュ分布マップ」(図 4)の 様な分布状況になる。

種 数 や個 体 数 は少 な い が 、そ うした地 域 で も 、

4∼ 7種 類の力エルが確認されたメッシュは、北摂

更 に時季 、 時刻 、天気 な どタイム リー な調査 に

山地、生駒 ・金岡」 山地、和泉山脈に沿つた丘陵

より、多少なりとも種類数が増える可能性 はあろ

ないし山地に集中しており、緑が多く、自然環境が

う。 今後の調査 に期待 したい。

比較的よく保たれている地域と一致していることが

複数種確認

分かる。 因みに、併記した 1∼ 3種 類の力エルが ∩U

環 境 省 3次 メッシュにお ける大 阪府 力エ ル 分 布

確認されたメッシュの分布マップを比較参照すると

状況は、「第 二 次力エル調査

その状況がよく分かる。

大阪府力エル生息

分 布 メッシュマ ップ」(図 2巻 末)に 示 した通 りで ある。 当然の事ながら、以上に述 べ た力エル確認

8


因国国□圏口困 カ エルの生息状 況報告 悌m

[図

4]第 2次 カエル調査

複 数 種 確 認 メッシ ユ分 布 マ ツプ

(環 境省基準地域第3次 メッシユ)

みた 0こ れ 両調 査 間 に於 ける変移 の推定 を試 の、明 からは、およその傾向 は想像 できるもの

認 メッシユ ③一次調査 と二次調 査における種類別確 数を比較すると、 2次 調 査

ヌマガエル

552

450

ニホンアマガエル

384

359

ゥシガエル トノサマガエル

335

234

302

260

シュレーゲルアオガエル

83

31

レ タゴガエリ

59

80

ッチガエル

57

40

カジカガエル モリアオガエル

47

35

34

53

レ ニホンアカガエリ

28

14

ヤマアカガエル レ ニホンヒキガエリ

20

15

19

8

0

3

ダルマガエル 合計 の通りであつたo一 次

1920

の検討課 確 な変移の推定 は困難 であつた。 今後 単位 で 題としたい o尚 、この試 みは 確認場所

1次 調査

一次調 の統計比較が困難であるため、便宜的に、 二 査で 査で生 息が確認 さねた メッシユで、 次調 し も同一種が確認 されれ ば、同 じメッシユと見倣 て処理 したことを附記 する。

10)

を示す 力エルツボカビ症を疑 わせるような兆候 は、何 れ 個体 或い │よ 死 がい を発見 した との情報 の地域からも報告 さねなかつたo

1582

二次調査 のおよその傾 車刈機 で致命傷 を受 けた

エル分布 メッシユ 向 を知るため に、両調 査の力 エル調査 マップを重ね合わせ、「第一次 二次力 作成 し、 生息状況対比メッシユマップ」(図 5巻 末)を

yl


豊中市で報告された絶滅危惧 I類 のダルマガエル は、今 回の調査では確認 されなかつた。 個々の 力エルの動向については、別項で触れるが、その 一次 ・二 次調査何れも、地 域 の網羅度 、調査の

生息や産卵場所を水田に依存している例 レマガエル、

時季、調査員の習熟度などにより、ある程度のバラ

ヤマアカガエル につ いて は、環境省 の みな らず

つ き│よ あるが、全体的には、ほぼ同様の生息傾向

農水省、国交省、地 方自治体の横断的連携による

を示 している。 ことに、ヌマガエリ レ、 ニホンアマ

精密な調査と保全対応が望まれるところである。

ガエル、ウシガエル、 トノサマガエリ Ыよ、それぞれ 43、

41、

35、

33の 市 町村 で確 認 され て おり、

確認場所ことの個体数の点では問題があるものの、 大 阪府下で普遍的に生息 していると推測される。 9﹂

都市化の進んだ平野部に於いても、例数は少なしヽ もの の 、 ニ ホンアマ ガ エ ル 、 ヌマガエル な ど、 生き物 に貴重 な冬期の水 溜り

意外な数の力エルが確認されている。 このことは、 宅地化や商工 業団地化 した結果 、水田やた め池

5) 調査 に先立つ学習観察会などを通 じて、力エルの

な どが 姿 を消 した地域 で あって も、緑 があって

生息に水田が、特に重要な位置を占めていること

水 の 枯 れない水 溜りや溝 があれ ば、力エル生息

を理解 していた。 しかし、一 次 ・二 次フィール ド

が可 能性 であることを 示 唆 している。 この点 に

ワークの過程で、府下の水田のほとんどが、 その

つい ては、今後の調査課題としたい。

構造的変化や稲作様式の 変化によって、力エルの 生息や繁殖に適 してしヽ るとは言えず、むしろ危機 的 な状 態 で あることを 体 感 することにな った 。

市街地 に取 り残 された 田ん ぼにも力エル が ′

大阪府に隣接する府県には、 16種 類の力エルの生 息確認の記録があるが、大阪府では、一次調査では 13種 類、二次調査では12種類の力エルが確認され た。 一次調査で確認されな/DNっ た力エルは、ナガ レタゴガエル、ナガレヒキガエル、アズマヒキガエ ルの 3種 であつたが、今回の調査では、これらに加 えダルマガエルの計4種 の生息が確認されなかった。 機械 化のた めの乾 田

4) 大 阪府 の レッドデー タブックに記 載 され て い る

即ち、稲作の機械化や 圃場整備 によって、構造的

準絶減危惧 :モ リアオガエル 、ヤマアカガエル 、

に水田が大 区画になり、畦も周辺の草地も消失し、

要注 目種 :シ ュレーゲリ レアオガエル 、ニ ホンヒキ

更 には機 械的耕作の都合 に合わせて 乾田化され、

ガエルは確認されているが、一次調査で交野 市と

稲作に必要な時期だけ潅水するように造りかえられ

10


因国回口圏団困 カ エ ルの生 息状 況 報 告 輛硼 てしまつた。 その結果、力エルが餌を食 べ たり

③ モリアオガエル :大 阪府準絶減危惧種。 北摂の

繁殖したりする水辺環境が著しく減少することに

ため池や水田に集中的に確認されており。 北摂

なった。 一方、 構造的変化 に呼応するように、

山地のため池などで │よ 、普通 に生息 している。

稲作の栽培法、品種改良、植え付け時期等に変化

モリアオガエル

が起こつた結果、水田の水管理サイクルと力エル の繁殖サイクルにずれを生じ、繁殖が難しくなつて ヽ ることも指摘 しておきたい。

今 回の 調 査 で 、 四条 畷市 の 山 間部 の 貯水 池 で 卵 塊 が確 認 され て いるが 、過 去 に八 ッキ リした る 田んぼと草叢、多くのカエルが依存してしヽ

記録 が見当た らず 、貯水 池の成 り立ちや地形 的

6)力 エル の種類別 には、調査員の 印象や現地で

に見て、移入された可能 性を否定できない。

遭 つた情報提供者の コメントなどを総括すると、 次のことが云える。 ①ニホンアマガエル :一 次、二次調査を通じて、平 野部から山間部に至るまで、普遍的に見られ、41 市町村462ヶ 所での水田、湿地/池 、川/沢 など で確認された。 アマガエルは、人家周辺から山間 部の樹上など、冬季を除

貯水 池のモ リアオガエル卵塊 :人 為的 に移入 ?

き、多かれ少かれ身近に 見かけるポピュラーで、

④カジカガエル ;北 摂山地、金岡」 山地、和泉山脈

力エル属のシンボル的存

沿 いの 9市 町村 の川 ・沢 中心 に50ヶ 所 で確認

在であるが、新参のヌマ

された 。 その 内 、 2カ 所 は山地 の水 田で観察

ガエルにその場を取つて

されているが、沢筋に近い、或いはそこから取水

代られる様子が窺える。

している水田と思われる。 ニホンアマガエリ レ

なお、2次 調査では、北摂 1地 区での確認場所

② シュレーグ ル アオガエル :大 阪府要 注 目種 。

が少 な いが、 特 に能勢 地 区の河川 で は川浚 え、

都市化 の進んだ大阪中心部や平野部を避 ける

護 岸 な どの 工 事 が 行 わ れ て お り、 1次 調 査 で

ように、 17市 町村 100ヶ 所 に確認 され、北摂 、 金 剛 。生駒 山地 、和泉 山脈 の 山裾 に近接する

確 認 され て い た水 系 で 、 鳴 き声 の 確 認 が 出来

なかつた。

丘陵地や山地の 水田や湿地 /池 に集 中的 に分 布 する傾 向が確認 された。 シュレーゲリ レアオガエリ レ

11


⑤ツチガ エ ル :北 摂山地 、生駒 ・金岡」 山地の 16

環 境省 により特定外来種 に指定 されて いるもの

市町村延 63ヶ 所の水田や河川で確認されてしヽ る

の 、未だに駆 除対策 が具体 的に示 されていない

が、個体 数 │よ 比較的少なかつた。 ヌマガエルと

ことには疑間が残る。 環境省はじめ自治体 による

混棲 している事も多く、また 外観が似ているこ

積極的な駆除対応が望まれる。

ともあり、見逃しているケースも否定できない。

尚、この確認場所数 には、 2005年 に実施 した

更に精査することを期待したい。

大 阪 府 外 来 水 生 生 物 調 査 の デ ー タ 215ヶ 所 が 含まれていることを付記 しておきたい。

ツチガエル ウシガエル

⑥ ヌマガエル :日 本列 島を北上 するように、そ の 生息圏を広 げていると云われているが、大 阪府

③ アカガエル 類 ;ニ ホンアカガエ ル │よ 、 平地 か ら

で │よ 、一 次 ・二 次 調 査 を通 じて 、平 野 部 か ら

山地 まで広く分 布 を確認 したが、個体数 は少 な

丘 陵部 に至 る水 田 や 隣接 す る湿 地 /池 な どに

い。 大阪府の準絶減危惧 種

最も普遍的に見 られ、在来の ニ ホンアマガエ ル、

北摂 の 山地 、生 駒 ・金 岡」 山地 で確認 された が、

トノサ マ ガエ ル を地 域 的 にも 、 量 的 にも 凌 駕

そ の 確 認場 所 は、 ニ ホンアカガ エ ル 10市 町村

している様子 が窺われる。 因み に、 ニ ホンアマ

33ヶ 所 に対し9市 町村、 26ヵ 所と比較的に少なく、

ガエル が 41市 町村 462ヶ 所 、 トノサマガエル 33

一次 調査結果 に比 し減 少傾 向にあるので はな い

市町村376ヶ 所 に対 して、ヌマガエル │よ 43市 町村

か と懸 念 され る。 ことに、能 勢 ・豊 能 地 区 の

709ヶ 所と他を圧倒しており、外来種のウシガエル

山間部棚 田でも、今だ に圃場整 備事業と農水路

の 35市 町村467ヶ 所をも大幅に引き離 している。

の ∪字 溝 化 工 事 が進 め られ て お り (写 真右上 )、

この 力エル は、他の 力エル が見 られな いような

産 卵 期 に踏 査 して み る と、 乾 田 化 して 産 卵 に

埋立地や河口など海 岸近くに至るまで、その生息

適 した水 溜 りが見 当 た らな い。 こうした事 態 が

域を広 げ、 個体数も増 や している例外的存在の

ヤマアカガエ ル の減少 に更 に拍車 をかけて いる

在来種であり、特定外来種のウシガエルと共 に、

のではないかと懸念される。

ヤマアカガエルは、

今後の動 向が 注目される。

ニホンアカガエリ レ ヌマカエル

⑦ウシガエル ;大 阪府下の平野部から山地の溜池、 水田を中心に普通に見かける特定外来種で、35 市町村の467ヶ 所で確認されており、大阪府で│よ ヤマアカガエル

ヌマガエル に次 ぐ2番 目の位置を 占めている。

12


因 国困国 圏圃困 カ エ ル の生 息 状 況 報 告 輌釉 ⑩ トノサマガ エ ル ;市 街化の進んだ都市部を除 き、 府下の丘陵部の水田を中心 に、平野部や山地の 3 3市 町村 371ヶ 所 と、比較的多くの場所で確認 さ れているが、個体数 │よ それほど多いとは云えな い。 本来、トノサマガエルは、平野部の水田 、その 周辺の草叢 やため池で見 られた力 エ ル で、水辺 るが、 を離れることが比較的少ないと云われて しヽ 圃場 整 備 による乾 田化 や農 水 路 の ∪字 満 化 の

只今 、圃場整備 工事中 ′

影響であろうか、平野部で見 かけることは少なく な り、比 較 的 水 辺 環 境 の 残 され て い る山地 の 水田や小河川あるいは周辺の草叢でも観察される 例が少なからずあつた。 殊 に水辺を好むトノサマ ガ エ ル が 、 そ うした 場 所 に追 い や られ て い る

可能性 を捨て きれない。

⑨タゴガエル :一 次調査結果と同様に、今回の調査 でも、 13市 町村 63ヶ 所で確認された。 北摂山地 や金岡」 山地並びに和泉山脈 の林間部の川/沢 筋 に多く生息してしる ことが分かつた。 これに反し、 淀川 と大和川 に挟まれた生駒 山系 では、確認

トノサマガエル

できなかつた。 なお、タゴガエル については、 産卵期以外 の生息状態な ど分か らない部分 も あり、更 に山地 を重点 的 に調 査 する必要性 が あろう。 因みに、和泉山脈では標高850mの 場所 で確認されており、他県で │よ 、二 千メー トル級 の山岳地帯の雪渓で観察された例も報告 されて いる。

生き物が榎 めなくなつた 田んぼ脇のJJ I

レ タゴガエリ

①ダル マガエル :大 阪府絶減危惧 I類 。 一次調査 では交野市、豊中市で成体の鳴き声を確認 して いたが、 二 次調査では、何ねの場所でも確認

13


一 一 一 一 一 一

されなかつた。 このことは、都市化や減反などに よる水 田 の 消 失 はもとより、 トノサ マ ガ エ ル と

│‐ │■

■ ■

│■

11■

■■ ■ ■

││‐

│■

■ │

同様 に水 田環 境 に対 す る依 存 度 の 高 い ダル マ ガエル の繁殖サイクル が、圃場整備 などによる

これまでの 1次 ・2次 に亘る大阪府 に於ける力エル

水 田 の 構 造 的 変 化 、更 には 稲 作 様 式 の 変 化 に

調 査 を通 じて 、 ほとん どの 力 エ ル が 、平 野 部 、

より分 化 してきた水 田の水 管 理 サイクル と合 わ

丘陵部、山地の何れを問わず、その生息や繁殖を

なくなったことに帰結すると思われる。

水 田に依存 していることが分かつた。

なお、北摂 山間部水 田で、ダルマガエル 、若

嘗て は、両生類 殊 に力エル類が田んぼを 中心

しくはトノサマガエ ル との 交雑種 を連想 させる、

とした水系をその生息と繁殖の場 として利用 し、

背中線を欠き、側 ・背部に独立 した黒斑、腹部に

そこに│よ 力エルだけでなく、昆虫 、甲殻類、淡水

黒点の ある幼 体 が採集 されており、今後 の調査

魚 、 爬 虫 類 な どの 生 き 物 が 侵 入 し、 繁 殖 し、

課 題 と して

それ らを餌 にする上位 捕食者 や鳥類なども飛来

検 討 が期 待

す る豊 か な 生 態 系 を構 成 して しヽ た 。 そ うした

される。

サイクルの中で力エルは稲の害虫を捕食 し、その 被 害 を抑 えるな ど大 い に役 立 ち 、食 物 連 鎖 の 重要な一翼を担つていた。 まさに、水田を中心と する稲作は、力エルなどの生き物と共 に、豊かな 生態系と文化を育んできたと言える。 これまでの 水 辺 の 生 き物 と環 境 の 調 査 を通 じて 、 稲 作 を 中心 とする農 村 と文化 を守 ることが 自然 を守 る ことになると実感 した。

タルマ/_nェ ル?

⑫ ニホンヒキガエル ;大 阪府要注目種。 一次調査 で │よ 、能勢、箕面、高槻、河南の4市 町村 8ヶ 所 で確認されていたが、今回は能勢、箕面、高槻、 茨木 、交野 、 寝屋川 、河 内長 野 、千 早赤 阪 、 和泉 、阪 南の 10市 町村 19箇 所で確認された。 ヒキガエルの活動時期にタイムリーに調査できた ことによる確認場所の増加と思われる。 都市化の ト ノサマガエル ミミズを喰う

進んだ現状では、平地の社叢林や民家付近で │よ つこ

見られなくなつており、丘陵部から山地にかけて の森林 湿地 ・河川での生息が確認されている。

水生生物 にとつて、一 般 的 には、宅地

工業団

地等 の造 成 や河川 の直 線化 と三 面 コンクリー ト

尚、大阪府に隣接する府県で記録されている

化などによる水辺 の生息環境の減少が、そ の生

アズマヒキガエル、ナガレヒキガエルは、今回の

息 に大きく影響 していることには、 異論のないと

調査でも確認さ

ころである。 現実的 には、その 繁殖 を水 田やそ

れ なかった こと

こに繋 がる畦 、水路 、た め池 に依存 することの

を付記する。

多 い力エル にとって 、次 の要 因が直接 ・間接 的 に、また複合 して力エルの生息域や個体数の減少 に、大きく係わ つていると推測される。

14


困国困 □圏団 困 カ エ ル の生 息 状 況 報 告 輛釉

3)提 言

:

(1)今 の水田│よ 、圃場整 備事業などにより、給水路 と排水路 が別 々 にされた結果 、 体耕期 には乾 田 化し、それに繋がる農水路もコンクリー ト化されて 完全 に干上 がり、生 き物 が 繁殖の た めに自由 に 田んぼに入れなくなつている。 根本的には、水田 と農水路を生き物が移動 し易しヽ 構造 に変え、また 体 耕 期 にも水 の 枯 れ な い水 溜 りを作 るな どの 手 立 て が 必 要 で あ る こと は云 うまで も な い 。 しかしながら、せめて、冬の水田や体耕田を湛水 した り、それらに繋 がる水路 に水溜 りを作 つた り することは、容易に実現できると思われる。 この 点については、農業関係者、行政関係者の配慮に 山 裾 の コ ン ク リ水 路

力 エ ル が 田 ん ぼ に入 れ な い

/

期待する所であり、提言としたい。 ①稲作の機械化や圃場整備による水田の大規模 ・

尚 、体 耕 田の 湛水 には、 陸生 植 物 の 侵 入 を

乾田化と畦 (餌 場)の コンクリート化よる生息

防 ぎ 、後 々水 田 に再 生 しや す い 、 多様 な生 き

場所の減少。 加えて、稲作様式 :品 種、苗

もの が利用する生態系が生 まれる、などの利点

造り、田植の時期などの変化による水田の水

が 考えられ 、そ の上 、地下水 の涵養 (ダ ム効果 )

管理サイクルと力エルの繁殖サイクルのずれ

や打ち水 効果 も期待 できることを 指摘 しておき

②水田の減反政策と体耕田の原野化による水

たい。

溜りの減少 ③農薬、殊に水田や周辺草叢などへ の除草斉」 の多用 ④外来生物の移入定着、大型捕食魚の増殖等 ⑤地球温暖化等による気象、生息環境の変化

田ん ほ脇 の水溜 りが生 き物 を育 む 残 したしヽ 田ん ぼの ある風景

(2)一 方 、わが 国の食料 自給率 39%な どと聞くに つ けても、増 え行 く体耕 田や放置 されて原野化 してゆく農地を見ると、後継者問題を抱える農家 や食糧生産工場化する農 業に、ある種の危機感を 覚える。 今、地球温暖化の影響で小麦、大豆など の原産 国に旱魃が続く現象が起こつており、近い 将来、日本は、そうした農産物の輸入が逼迫する

15


事態 に直面 すると言われている。 本来 日本人 │よ

② ペット等として飼われている外来生物の登録

米 食 を主 体 とし食文 化 を育 ん で きた が、戦 後 、

制と不要外来生物の回収システムの法制化

否応な く米食 をバン食 に換 え、減反政策 の下 に

③国内に輸入され、野生化し、繁殖している

水 田を減らし、その代わり小麦粉を輸入 し続けて

外来生物の積極的且つ具体的駆除の制度化

きた 。 小 麦 や大豆 の 供 給 が世 界 的 に逼 迫 した

と徹底

場合、今の国内に於ける米の生産量では、主食の

を強く求める次第である。

需要量 の半分 にも満たないの ではないかと懸念 されてしヽ る。 昨今の農業政策 │よ 、未だに戦 後の

尚、当報告書脱稿後 の 2009年 3月 1日 付朝 日

混 乱 した食糧 事情 を基 底 にすることか ら脱 して

新 間によると、北米 やオーストラリアなど海 外で

おらず 、組織

制度疲 労も綻 びもあり、 抜 本 的

両 生 類 減 少 の 原 因 とな って い るラナ ウイル ス

見直 しが必要である。 少なくとも主食である米の

感 染 が 、 国 内 で も 昨 年 9月 に確 認 さ れ 、 変 態

自給率 を上 げるための施策 と、農家や農村文化

過程 にあるウシガエル 数千尾以上 の死骸 が見 つ

を支えるような 仕組み作りが望まねる。 せめて、 “ "で 体耕 田に補助金をノ │よ なく、 “ 体耕 田や冬の

かつていた、と報 じている。 感染経路は詳らかに

湛水管理 には助成金 をだ と言えるような農政で

が 国 内 に輸 入 さ ね た 両 生 類 な どを介 して 持 ち

あることを強く期待 して、提言としたい。

込まれた可能性を否定できない。 わが国の固有種

されておらず、ツボカビと同様 に、ラナウイルス

たちを絶減させな しヽ た めに、更 なる感染経路 の

(3)力 エルツボカビ症 に関連 して

追 跡 調 査 と一 層 の 防疫 対 策 が 望 まれ る ところ

力エル ツボカビ症 は、 真 菌 の 1種 力エル ツボ

である。

カ ビが 、両生 類 、殊 に力 エ ル の 皮膚 に寄 生 し、 死亡率の高い感染症を引き起こすもので、1998年 にコスタリカやオー ス トラリア報告 されて以 来 、 世 界 的 にそ の 分 布 が拡 大 して い ることが 判 明

稿 を終 わるにあたり、ご多忙 中 にも拘 らず親 身 の

して い る。 中 央 アメリカ で は 最 も そ の 被 害 が

ご指導 を頂 いた京都大学松井 正文 教授 、大 阪市立

大 きく、各地 で力 エ ル 類 が絶滅 している事例 が

自然 史博物館学芸員の皆 さんに心から謝意を表 します。

報 告 されて いる。 わが国で は、 2006年 12月 に 国内ツボカビ症 の初感染事例 が報告され、 在来 力エルの保全を考える上で緊急対応を要する問題 としてクローズアップされた。 ツボカビは、外 国 からペ ットとして、水 族館や動物 園向けに、また 実験用動物として輸入された力エル類に寄生 した 状態で国内に持ち込まれ、幸 いなことにまだ 発症 例は発見されていないものの、在来の野生力エル にも感 染 が広がつていることが 報告されている。 外来種問題については、 2005年 に実施した「大阪 府に於ける淡水生カメ類並びに外来水生生物一斉

調査報告」の中でも提言したが、外来生物の取り に関し、 扱しヽ ①生きた外来生物の原則輸入禁止と例外的 (研 究用など)輸 入許可制の法制化

16


因国圃口固口困 カエルの生 息状況報告 悌劉

調

カ ロ さ

、敬

)一

力エル探偵団 :ホ ームページ (2009)

1,水 辺環境調査 会 関係者 (太 字;ブ ロック世話人

兵庫県立人と自然の博物館 :ホ ームページ 「日本の昆虫 力エルの鳴き声J

)

北摂 1ブ ロ ック 香 月利 明 、有本文彦 、上 田峯子 、岡 田弘 、金 城 隆雄 、 河 田航 路 、 北 坂 正 晃 、 木 村 俊 三 、戸 越 進 、 林 美 正 、 真野正 巳、三村鎮雄 、山崎邦男 、渡辺隆夫

松井正文等 :日 本力エル図鑑、文―総合出版 (1999)

:

蒲谷鶴彦等 :声 の図鑑蛙の合唱、山と渓谷社 (1997) 千石正一等 :日 本動物大百科 5巻 両生類 爬虫類 軟骨魚類、平凡社 (2000)

北摂 2ブ ロ ック 渡辺隆夫 、岡田弘、石 田由利子、市村浅子 、今丼幸雄 、 香 月利 明 、菊 地 洋子 、高 橋 剛 、小 柳 茂 、 柴 田治 男 、 正司雅美 、辻丼輝子 、田中文雄 、高見修次、名 本整司、 浜丼 信行 、原 口坦 、東 義人 、藤 原勝之 、浜 嶋 尚義 、 林 美正 、山 本尚義 、横 山賢― 、若尾隆―

内山りゅう等 :日 本の両性爬虫類、平凡社 (2002)

:

比婆科学教育振興会 1広 島県の両性 爬虫類、中国新聞社 (1996) 松橋利光等 :日 本の力エル、大和渓谷社 (2002) 松井正文 :滋 賀の両生類、爬虫類、哺7L類 、滋賀の教材研究委員会 (2001) キャサリン フィリップス :力 エルが消える、大月書店 (1998) 松井孝璽 :力 エルの不思議発見、講談社 (1999)

北河 内ブ ロ ック 林 美正 、石 橋和彦、市村浅子 、宇賀神孝、大西正 賞、 菊 地洋子 、佐藤 秀夫 、島 巌 、 田中靖 治 、谷 村英 紀 、 堀川豊 司、三井達夫 、森本礼一 、山崎達男

松井正文 :力 エルー水辺の隣人、中公新書 (2000

:

奥野良之助 :金 沢城のヒキガエル、どうぶつ社 (19971 石居すすむ :力 エルの鼻、八坂書房 (1999) 千葉県立博物館 :力 エルのきもち、品文社 (2000)

中河 内ブロ ック 有本文彦 、北坂正晃、 林富夫 、林美正 、渡辺 隆夫

田向健― :ア クアリウム シリーズ ザ カェル、誠文堂新光社 (2oo3)

南河 内 ブロ ック 角野修造 、田丸八郎 、戸丼護

山名清隆 :力 エルの体づくり、共立出版 (1993)

:

富田京― :カ メ カエルなど両生類爬虫類の飼い方、成美堂 (2001)

:

林 美正等 :大 阪府内全域力エル生息調査、都市と自然No329(2003の

泉州Hブ ロ ック 田丸八郎 、北坂正晃 、飯尾宜久、石田京子、上坂欽也、 上原― 郎、久保田洋子 、熊原智 子 、小林薫、金 銅嘉和、 柴谷 正 晴 、島 田圭造 、島 崎舜次 、田中且 、茶弥 和雄 、 仲丼恒雄 、本多輝男 、村上正彦 、向 春子 、森下義男 、 八木橋佐知子

松橋利光 :ず ら一リ カエル

:

ならべ てみると、アリス館 (20025)

長谷川雅美 :力 エルの田んば、フレーベル館 (19985) 内山裕之 :生 物による環境調査事典、東京書籍 (20038) 浜口哲― :生 き物地図が語る街の自然、岩波書店 (199810) 林

泉州 2ブ ロ ック 有本文彦、丼上洋子 、河野通浩、金丼 健一、高橋克明、 田丸八郎 、森 本静子

美正等 1水 辺の生き物の環境維持 復元をめざして、 ESTRELA NQ92、 統計情報研究開発センター (200111)

内山りゅう糸 扁:今 、絶減の恐れがある水辺の生き物たち、山と渓谷社(2oo7 6 5)

i

夏原由博 │ア カガエルの仲間、都市と自然 No395 大阪自然境保全協会 (200902) 松井正文 :力 エル サンショウウオ イモリのオタマジャクシ ハンブック :文 ―総合出版 (2008)

2.こ 協力頂 いた皆 さん

クリス マチソン、松井正文監修 :世 界力エル 図鑑300種 ネコパブリッシング (2oo8)

ネイチャー た かつき、枚 方生 き物 調査会 “ メダカと魚 部会 、和泉もずの会、京阪ネイチャーズ、大阪 自然環境 "

保全協会 、おおいずみ

内山りゅう 1田 んぼの生き物図鑑、山と渓谷社 (2005) 大木淳― :幻 の力エル カヽナに卵をウムタゴガエル、新日本出版社 oooo

どんぐりの会

周達生 :力 エルを釣る、食べ る、両生類雑学ノート、平凡社 (2004) 朝日新聞 :ラ ナウイルス (20090301)

参考文献

――――――――― ―――――――――――― ―

読売新聞 :ラ ナウイルス (20090308) 爬虫両棲類学会報 :特 集力エルツボカビ症対策、第2007巻第1号 け00⊃

大阪府 :Osaka Red Data Book 2000 3

シニア自然大学水辺環境調査会ホームページ 大阪府第2次 メダカー斉調査報告書 大阪府第一次力エル調査報告書 大阪府第 1次 外来水生生物調査報告書

大阪府 i Osaka WIldlfe List 2000 3 兵庫県 :改 定 兵庫県の貴重な自然 ―兵庫県版レッドデータブック2003 京都府 :京 都府レッドデータブック「普及版J(2003) 和歌山県 和歌山県レッドデータブック(20013)

:

力干ル?■ 早摯 告 澪甲

奈良県 :奈 良県レッドリスト、奈良県公式ホームページ(2009) 滋賀県 :滋 賀県版レッドリスト シニア自然大学 :大 阪府に於ける力エルの生息状況報告 (2oo4

04)

シニア自然大学 :大 阪府に於けるメダカの生息状況報告 (2005101 シニア自然大学 :大 阪府に於ける淡水生カメ類の生息状況報告(200702) 自然環境教育センター :奈 良教育大学ホームページ 身近な力エル ヘビ(2oo9) 生態系協会 :エ コシステム(200311o67) (http//www geoct esip/kOhg o4/mizube htm)

和田岳 :大 阪自然史博物館ホームページ「和田の鳥小屋」(2008)

17

)


国最で見る カ エ ルの生患分布

1]第 二次カエルの分布調査票 ※ [表 2]カ エル種別識別方法集計表 [表 3]大 阪府市町村別カエル調査場所集計表 [表 4]大 阪府市町村別カエル調査メッシュ集計表 [表 5]日 本本上のカエル類 (琉 球,U島 を除く [表 6]レ ッドデータブックに見るカエルの現況 [表 7]地 形区分別生息環境分布表 [表 8]カ エル種類別地形区分分布表 [表 9]カ エル種別生息環境分布表 [表

)

地形区分別生息環境分布表 [表 10]カ エル種類 。

[図 1]大 阪府カエル生息分布図 [図 2]第 二次カエル調査

大阪府カエル生息分布メッシュマップ

[図 3]大 阪府力エル種類別分布図 [図 4]第 二次カエル調査

※ 複数種確認メッシュ分布マップ

二次カエル調査 [図 5]第 一次 。

生息状況対比メッシュマップ ※

[グ ラフ1]カ エル種類別識別方法分布図

[グ ラフ2]地 形区分別生息環境分布図

[グ ラフ3]カ エル種類別地形区分分布図

[グ ラフ4]カ エル種類毎の生息環境分布図 [グ ラフ5]カ エル種類別生息環境分布図

※ ※

[グ ラフ6]全 地形区分に於ける種類別生息環境分布図 [グ ラフ7]平 野部に於ける種類別生息環境分布図 [グ ラフ8]丘 陵部における種類別生息環境分布図 [グ ラフ9]山 間部に於ける種類別生息環境分布図 [付 表]カ エルの特徴と見分け方

18

(※

印 :本文に挿入 )


[表

2]カ エル種類別識別方法集計表 成体

マ オ タ ン ヤ ク シ

卵塊

ニホンアマガエル

(調

[表

査場所数/%)

鳴き声

合計

328

%

5]日 本本土のカエル類 (琉 球,u島 を除く )

和名

学名

ヒキガエル科

ニホンヒキガエリ レ アズマヒキガエル ナガレヒキガエル

BufO iaponicus iaponicus

アマガエル科

ニホンアマガエル

Hyla laponica

アカガエル科

ニホンアカガエリ レ ツシマアカガエル タゴガエル

Rana lapOnica Rana tsushimensis

100.0

シュレーゲルアオガエル

2

%

85.3

モリアオガエル

1000

5

%

1000

20.0

カジカガエル %

80.4

ツチガエル

100.0

%

52.9

554

45.6

100.0

3

%

100.0

ウシガエル

293 %

27.3

ニホンアカガエル

66.6 7

%

100.0

1

41.7

ヤ マア カガエリレ

100.0

31.6

263

39.5

100.0

レ タゴガエリ

%

65.6

トノサマガエル

1000

アオガエル科

1

%

Bufo torrenticola

Rana tagoi tagoi

)

1

%

BufO iaponicus formosus*

オキタゴガエル ヤクシマタゴガエル ナガレタゴガエル エゾアカガエル ヤマアカガエル チョウセンヤマアカガエル トノサマガエル トウキョウダルマエル ダルマガエル (ナ コヤダルマガエル ウシガエル ツチガエル ヌマガエル

l

ヌマガエル

亜種

100.0

モリアオガエル シュレーゲルアオガエル カジカガエル

Rana tagoi okiensis* Rana tagol yakushlmensis* Rana sakura‖ Rana pirica Rana ornativentris

Rana dybowskii Rana nigromaculata Rana porosa porosa

:棚 跡 ; 鵬 朧 Rana catesbeiana(タ ト 来種

)

Rana rugosa Rana limnchans Rhacophorus arboreus Rhacophorus schlegeli Buergeria buergeri

ニホンヒキガエル

% 全

1,208

%

500

100.0

1,061

2,389

44.4

1000

赤いオタマ ジャクシ

[表

6]レ ッドデータブックに見るカエルの現況 種

環境省

大阪府

京都府

要注 目種

要注 目種

準絶滅危惧種

滋賀県

奈良県

和歌山県

兵庫 県

要注 目種

要注 目種

絶減寸前種

準絶滅危惧種

絶滅危1具 Ⅱ類

カジカガエル

要注目種

要注目種

準絶滅危惧種

準絶減危惧

ツチガエル

要注目種

要注 目種

ヌマガエル

要注 目種

要 注 目種

ウシガエル

要注目種―外来種

ニ ホンアマガエル

シュレーゲルアオガェル モリアオガエル

ニホンアカガエル

ヤマアカガエル

準絶減危惧種

準絶減危 惧

要 注 目種

要注 目種

要 注 目種

希少種

タゴガエル

準絶減危惧

絶滅危惧種

準絶減危1具 種

要注 目種

ナガレタゴガエル

要注 目種

希少種

トノサマガエル

要注目種

要注目種

ダルマガエル

絶減危惧 I類

レ ナゴヤダルマガエリ

トウキョウダルマガエル ニホンヒキガエル

絶減危惧IB類

準絶減危惧種 絶減危惧 I類 絶減寸前種

準絶減危惧 要注 目種

希少種

絶減危惧種

要注 目種

希少種

注 目種

ナガレヒキガエル

要注目種

希少種

注 目種

:両 生類 レッドリスト(享 農 道発表資料20061222) :大 阪府 における保護上重要 な野生生物 0000o :京 都府 レッドデータブック 2003 :滋 賀県版 レッドデー タリス ト(2001)

癬 融 螂

準絶滅危1具 種

環境庁 大 阪府 京都府 滋賀県

準絶滅危1具 絶滅危惧 I類

情報不足種

絶減危機増大種 絶滅寸前種

準絶減危 1具

準絶減危惧

アズマヒキガエル

参考資料

絶滅危惧 I類

準絶滅危惧種

レッドリスト(奈 良県公式ホームページ) 和歌 山県 レッドデータブック (200131 兵庫県版 レッドデータブック 2003

19

準絶減危惧


[表

3]大 阪府市田]村 別カエル調査場所集計表

吹 田 市

7

2

2

1

7

高 槻 市 3

3

1

1

3

6

8

7

11

3

1

5

2

2

11

3

8 1

9

1

5

3 8

1

4

7

8

1

1

11

東大阪市 八 尾 市

5

6

2

5

3

4

6

中 河 内

3

5

1

河内長野市

6

千早赤坂村

3

7

8

3

富 田林市

1

河 南 町

3

松 原 市

2

6

2

5

3

3

6 2

6 3

5

5

2

柏 原 市

4

4

羽曳野市

9

6

3

2

5

8

5

大阪狭山市

11

太 子 町

11

南 河 内

129

5

1

2

高 石 市

1

6

3

9

3

3

8

8

2

忠 岡 町

4

4

7

和 泉 市

2 7

177

1

岸和国市

203

3 3

4

員 塚 市

7

熊 取 町

7

泉佐野市 田 尻 町

443 332

2

泉大津市

泉 州

4

5

3

3

1

3

11

1

1

1

11

373 1

8

北 河 内

藤井寺市

3

1

4

大 東 市

大 阪 市

5

3

4

4

1

9

l

2

3

1

交 野 市

門 真 市 四条畷市

1

1

7

2

枚 方 市 寝屋川市 守 口 市

1

4

島 本 町 北 摂

1

6 3

茨 木 市

2

2

摂 津 市

5

2

1

1

累 計 場 所 数

2

5

ナガ レヒキ ガ エル

豊 中 市

1

8

ガ エ

アズ マヒ キ ガ エ ル

1

4 6

1

ダ ル マ

ニホ ン ヒ キ ガ エル

池 田 市

3

2

3

ト ノ サ マガ エ ル

1

3

ナ ガ レタ ゴ ガ エ ル

11

箕 面 市

エ ル

7

タ ゴ ガ

ヤ マアカガ エル

ニホ ン ア カ ガ エ ル

ウ ヽ ン ガ  エ  ル

ヌ  マ ガ  エ ル

1

豊 能 町

ヒ摂 ヨ

カ ジ カ ガ エ ル

モリ アオガ エル

シ ュレ ︰ ゲ ル ア オ ガ エ ル

ニホ ン ア マガ エ ル

能 勢 町

ツ チ

(場 所数 )

1

1

7 1

1

1

泉 南 市

1

3

3

6

6

7

4

6

7

4

7

町 11

7

3

1

阪 南 市

6 1

1

7

3

5 1

8 4

1

1

549

7

6

5

1

泉 州 2

11 1

1

8

9

1

市町村数

9

確認場所数

462

%n/1,353

34.1

52.4

345

278

%n/1,402

33.0

506

33.3

26.8

467

調査全場所数 :1,402ヶ 所 カエル確認場所数 :1,353ヶ 所 確認種数 (箇 所数 )7種 :1 6種 :8 5種 :22 4種

2,409

:88 3種 :177 2種 :305 i種 :752

20


[表

4]大 阪府市町村別カエル調査メッシュ集計表

豊 能 町

箕 面 市 池 田 市 豊 中 市

3

11

3

3

4

7

2

1

2

茨 木 市

3

1

7

6

2

2

1

105

1

1

摂 津 市

1

3

島 本 町

2

1

摂 2

5

6

2

枚 方 市

6

1

4

交 野 市

1

3

l

6

5

9

大 東 市

7

9

5 3 3

3

:1

1

3

2

1

2

7

9

1

5

3

4

2

3

中 河 内

5

1

河内長野市

3

千早赤坂村

8 3

富田林市

5 6

4

8 2

河 南 町

6

6

2

松 原 市

8

5

3

藤井寺市

5

5

柏 原 市

6

4

羽曳野市

11

8

8

太 子 町

11

3

6 3

2 4

3

3 2

5

4

3

5

1

11

7

6

3

1

南 河 内

5

11

1

大阪狭山市

7

8

1

4 4

1

8

9

1

5

北 河 内 大 阪 市

3

1

3

東大阪市 八 尾 市

l

5 2

1

9

門 真 市 四条畷市

1

3

5 2

11

1

2

1

寝屋川市 守 口 市

1

2 1

高 槻 市

1ヒ

3

:

吹 田 市 北 摂

2

3

1

l

1

3

7

累 計 メ ッ シ ュ数

1

エ ル

ナ ガ レヒキ ガ エル

リレ

アズ マヒキガ エル

リ レ

ニホンヒキガ エル

ダ ル マガ エ ル

タ ゴ

ト ノ サ マガ エ ル

ナ ガ レ タゴ ガ エ ル

(メ ッシュ数 )

ヤ マアカガ エル

ン ガ   エ  ル ヽ

ニホ ン ア カ ガ エ ル

カジ カガ エル

モリ アオガ エル

シ ュレ ー ゲ ル ア オ ガ エ ル

ニホ ン ア マガ エ ル

能 勢 町

2

11

2

8

415 242

高 石 市

4

5

2

9

泉大津市

2

7

2

9

2

6

忠 岡 町

4

2

和 泉 市 泉 州

7

2

4

1

3

岸和田市 5

熊 取 町

5

泉佐野市 田 尻 町

1

6

1

1

1

1

泉 南 市

7

1

6

1

8

4

3

6

6

3

4

3

5

泉 州 2

1

7 3

5

1

7

1

阪 南 市 148

3

6 1

1

9

1

市町村数 ュ ッ シ 確認メ 数

11 1

貝 塚 市

9

7

1

1

9

393

577

345

1,975

21


[表

7]地 形区分別生息環境分布表 水

(単 位 :調 査場所数 )

湿地・池

林・森

草地 。 荒地

││・ 沢 り

平 野 部

5

727

5

67.7

100.0 4

丘 陵 部 山

商 工地

住宅地

1

1

577

1000 221

1000 322

5

11

9

,279

252

註 )実 質確認場所数 1,353か ら、調査票地形区分欄のチェック漏れと重複チェック分を除き集計。

[表

8]カ エル種類別地形区分分布表

(単 位 :確 認場所数 )

丘陵部

平野部

ニホンアマガエル

450

シュレーゲルアオガエル モリアオガエル

1

カジカガエル

7

ツチガエル ヌマガエル ウシガエル

轟‘ ・

ニホンアカガエル ヤマアカガエル

タゴガエル

9

ナガレタゴガエル トノサマガエル ダルマガエル ニホンヒキガエル

6

11

ず札

レ アズマヒキガエリ

:

ナガレヒキガエル 合

709

1.142

2,306

註 )延 確認場所数 2,409か ら、調査票地形区分欄のチェック漏れと重複チェック分を除き集計。

[表

ヒキガエルの脱皮 片

9]カ エル種別生息環境分布表 水

(単 位 :確 認場所数 )

湿地・池

ニホンアマガエル シュレーゲルアオガエル

林・森

11・ 沢 り

6

モリアオガエリレ

9

カジカガエル

2

ツチガエル

草地・荒地 5

3

4

6

3

270

ニホンアカガエル ヤマアカガエル

レ タゴガエリ

1

1

1

6

1

ウシガエル

商 工地

2

2

ヌマガエル

住宅地

5

2

2

2

2

9

1

2

1

2

7

1

4

7

3

ナガレタゴガエル トノサマガエル

289

1

ダルマガエル ニホンヒキガエル

4

3

4

7

1

アズマヒキガエル ナガレヒキガエル 合

1.545

11

22

2,306


[表 10]カ エル種類 。 地形区分別生息環境分布表 水

ニホンアマガエル

湿地・池

203

(単 位 :確 認場所数 )

林・森

り 沢 11・

草地 。 荒地

7

1

住宅地

畑 1

商工地

4

レアオガエリ レ ンユレーゲリ モリアオガエル

1

カジカガエル 平

ツチガエル

2

ヌマガエル 野

レ ウシガエリ

3

ニホンアカガエル 部

1

l

1

l

276 2

1

ヤマアカガエル タゴガエル トノサマガエル ニホンヒキガエリレ 合

245

1

ニホンアマガエル

5

シュレーゲルアオガエル モリアオガエリ レ 丘

7

4

4

ヤマアカガエル

3

6

1

1

タゴガエル

9 3

1

1

6

1

l

6 3

モリアオガエル

5

カジカガエル

2

ツチガエリ レ

8

ヌマガエル

3

1

1

ウシガエル

2

ニホンアカガエル

4

ヤマアカガエル

タゴガエル

1

7

トノサマガエル

8

2

2

3

ニホンアマガエル

1

6

1

1

1

1

3

ニホンヒキガエリ レ

1

1

239

455

366

6

シュレーゲルアオガエル

3

モリアオガエル

6

1

6

4

カジカガエル ツチガエル

2

ヌマガエル

1

2

1

ウシガエル

2

ニホンアカガエル 所

1

7

5

レアオガエリ レ ンユレーゲリ

1

ニホンアマガエル

1

1

1

122 3

7

3 3

6

2

1

l

ニホンアカガエル

1,142

1

ウシガエル

ニホンヒキガエリレ

1

2

トノサマガエル

3

6

7

ツチガエル

5

1

カジカガエル ヌマガエル

2

1

1

11

ヤ マアカガエル

タゴガエル

1

トノサマガエル ニホンヒキガエル 合

2

9

1

1

2

7

1

4 3

1

4

7

1,545

1

11

23

2,306


[図

2]第 2次 カエル調査

大阪府カエル生息分布メッシュマップ (環 境省基準地域第3次 メッシュ)

力エル 天 敵

ヤ マ カ ガシ


[図

3]大 阪府カエル種別分布

グルマガエル?

25


[図

5]第 1次 。2次 カエル調査

カエル生息状況対比メッシュマップ (環 境省基準地域第3次 メッシュ)

■ 第二次調査確認 □ 第―次・二次調査確認 ■ 第一次調査確認

ヤマ カガシに喰わねる

26


[グ ラフ 4]カ エル種類毎の生息環境分布図 ニホンアマガエル

率 40

20

住宅 地

商 工地 住宅地

商 工地 住宅地

商 工地

住宅 地

商 工地

百分率

林・ 森

沢 川・

草地・ 荒地

畑 草地・ 荒地

沢 川・

林・ 森

池 湿地 ・ 水田

商 工地 住宅 地 畑 草地・ 荒地 沢 川・ 林・ 森 湿地 ・ 池 水田

商 工地 住宅 地 畑 草地・ 荒地 沢 川・ 林・ 森 湿地 ・ 池

百分率

畑 草地・ 荒地 沢 川・ 林・ 森

百分率

,¬ 口

草地・ 荒地 沢 川・

100

林・ 森 湿地 ・ 池 水田

商 工地 住宅地 畑 草地・ 荒地 沢 川・ 林・ 森 湿地 ・ 池 水田

界40

湿地 ・ 池

80

水田

商 工地 住宅地 畑 草地・ 荒地 沢 川・

80

水田 百分率

湿地 ・ 池 水田

商 工地 住宅地 畑

沢 川・

草地・ 荒地

林・ 森 湿地 ・ 池 水田

商 工地 住宅 地 畑 草地・ 荒地 沢 川・ 林・ 森 池 湿地 ・ 水田

27

ニホンヒキガエル トノサマガエル タゴガエル

林・ 森

100

百分率

商 工地 住宅地 畑 草地・ 荒地 沢 川・ 林・ 森 池 湿地 ・ 水田

80

百分率

60

IH] 0

ヤマアカガエル ニホンアカガエル ウシガエル

湿地 ・ 池 水田

商 工地 住宅 地 畑 草地・ 荒地 沢 川・ 林・ 森

100

口H

_

湿地 ・ 池

20 20

40

40

ヌマガエル レ ツチガエリ

カジカガエル

0

水田

0

百分率

60

60

界4060 60

寡 界

20

_ _

_日

0

80 80

モリアオガエル シュレーゲルアオガエル

100 100

20


[グ ラフ7]平 野部に於ける種類別生息環境分布

場所数

爾 商工地 ■ 住 宅地 園 畑 ■1草 地/荒 地 睡劃 II/沢 □ 森/林 ■ 湿地/池 ■ 水田

ニホンヒキガエル

トノサマガ エル

タ ゴ ガ エル

ニホンヒキガエル

トノサマガ エル

タ ゴ ガ エル

ヤマアカガ エル

ニホンLキガエル

ト ノサ マガ エル

ヤ マアカガ エル

タ ゴ ガ エル

ニ ホンアカガエル

ツチガエル

ヌマガエル

ウシガエル

ヤマアカガエル

ニホンアカガエル

ウシガエル ヌマガエル ツチガエル

召 ンカガ エル エ

モリアオガエル

ヒレ 歩夕勢元

ニホンアマガエル

カ ジ カ ガ エル

モリアオガエル

レ シュ ︲ ゲル オ ガ ル ア エ

ニホンアマガ エル

28

ニ ホンアカガエル ウシガエル ヌマガエル ツチガエル

カジ カ ガ エル

モリアオガエル

と7 劣 了 空 ル

ニホンアマガエル

_

_中 ■

[グ ラフ8]丘 陵部における種類別生息環境分布

[グ ラフ9]山 地に於ける種類別生息環境分布


引匡

倒ゆ r

0∞一 ∞r一

∞倒,‘凶N 興 製 ′田 ※ ′ 榛 ミ噴 ′ Ц唄

Ш二昴 C坤 0尋娯 C終泰 も

OΦr,ζOΦ

oo2 と002

OOO∞ゝ ‘一一ゆ

︵ ポR こ

︵ 螺保 こ OO∞一

000〇一2 00一゛

H む 田く

︵ ポR こ O0〇一

一一0〓 2 一一一〇

や ヽキ 田 K

〇ゆ一≫ζON一 調 キ 田 K 3 藤

Φ∞,ζめヽ 〇寸ヽζゆ“

副寺

Щ ヽI Щ ∞

駅 Φ。ゆ 判 Щ ヾ・∞

ЩトI Щ寸

駅寸I Щ∞

副К

副K

郭 p6

ЩトI Щゆ

Щ寸I ЩN

Щ∞I Щゆ

Щ∞I Щ0

ЩOI Щゆ

ひ悩嗅K 畿型⊃終0 OOO∞ゝ ‘ΦO∞一 ЩΦI Щ寸 ′ 製 e 田K 罫姜和К ⊃監掏無 。

3想卜さ 饉 慕 やモ ′ 製 OO﹃倒, ‘OO∞一 ′ 3璃 ″ 田K 畿 製降 3夕 で国

鵬唄 ′ 興製″田K

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業挙゛や[ # 訃案 8受k lい、 檬畷 護 皿C弧摂 ︶ヽ、ヽ2ハく駐 図 熙 ポ 蛍 ヽ 熙 Iヨ ^ 照期 に C鰈弧梗 ¨攣胡 メ円状≦駆 轟訃 K職條 ′ 蝶“ 肛螂 釈臨 〓 氣熊 園 C肛 梗] ′

叶∞

鞍︱ 口ぐ■部Cロ 03 ︶黙墾

引E

J捻e終押 最駆l

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0 1 ︶黙墾 u卜 C匈C 引匝

押 押 星F e匈e

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ヽヽH狡竹 も

ミH狡Rトレキ

ミ H根 釈ヽ ヽ′ KH

ミ H狡 レミ ヽ

ミH狡レ小ヽこ

ミ H袂ハ0

ミ H袂 レ 区

ミ H狡 ホ ヽ

ミ H袂 キJ ハK l l

ミ H袂 択ヽ釈

ミH袂ヽRい中

ミ H袂ヽR ミも ︱ムHヘ

ミH袂釈ト

ミ H狡キJ

ミH袂ヽト

ミH袂レト

29

什∞

︵ =〓 ︶

廿∞ 引匡 =回

ЩΦ

ЩトI Щ寸

I Γ 卜 Щ寸 口 ︶黙悩口 里饉 ,

畷 民製

郵製 3皿

≦ 畿

:│レ

峰 e K 報ヨ 和懲 C 興 製

〇め,‘ΦN

͡ 黒早e日︶ ポ檬

(R

製唄 OOΦヽζOΦ一 キ普 e 田 K 叫Cヽ 悩択K 一 出 腎 鞠製

に い や3︶ ヾ 騨

′ ヽH

0 1 ︶黙震 里卜 C匈C

倉〓 ︶ 拘和K へヽキヘ レもヽ

ヨ製黙仲

O Φ

O

劇墨雲

叶∞

0 1 里卜 C範C

報 榊聾

量 悩

菫 [

択 h徴眠 剥誕窯 e畿 H択 [ 誦む]

寸 寸 ゆ

Ю

ヾ 寸 ト Ю ゆ

せ2 ︶ ︵ せ守 佃眠︶ ︵ 信憮

凶 Ю

O

寸 寸

N

Φ Ю

0

∞ ゆ

ヾ ゆ

Φ

∞ ヽ

巌 ト

廉 幕 巌

串( 幕

巌 串( 廉

仲 倅 押 倅

‖Щ」ぎ鯛


こん な湿地 が両生類の産卵 に大事 │

冬の概 ヨ風景

30


表 紙 写 真:士

奢巣 盪

ル g`沢

ニ た ン エ ホ ア マ ガ ル 兵 置 先 揚 歴 3伊

中央 産卵にきたヤマアカガエル 下左 ヒキガェルの 目覚め 下右 異種間抱接 (カ ジカガエルとトノサマガエル )

因固□□□団困

カエルの生息状況報告 一 第二次カエル生息調査並びに ― 補充調査結果

2009年 4月

1日

初版第 1刷

編 集 :有 本文彦、香月利明、北坂正晃、角野修造、田丸八郎、林 美正、渡辺隆夫 文 責 ;林 美正 統 計 ;渡 辺隆夫

写真;富

村 高 橋 、 斎 究 蘇:藤 望 孟 :喜 県 撃 響 勇 Fヨ 禁 曽 1躍 逓 裏 履 美 剛

発行所 :特 定非営オリ 活動法人 シ ニ ア 自 然 大 学

I″ 夕 ん難よ炒

露諮悌冨盤爾

印刷所 :い づみ企画

31

)


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