ASSITEJ Magazine 2012

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【アルゼンチン】

ティティリビオティコス

病室で使われている物を使って実験を繰り返し、 病室の 日常へと入っていきます。注射、ゴム手袋、薬瓶、ガー

ゼ、脱脂綿、紙などで人形を作るのです。これらの物は  アルゼンチン、ブエノスアイレスにあるコメディア・ 恐怖心を抱かせることもありが、 すべて治療に必要なも デ・ラ・プロヴィンシアは、病院に人形劇を持ち込んで、 のなのです。また、影絵や紙人形のテクニックも用い 長い入院を強いられている子どもたちの回復を促す芸術 て、 限られた道具でゆたかな表現の実現を目指していま 方法論を確立しています。 低所得層の子どもたちを治療 す。そうすることで、たった数分でも演劇の世界や創造 する 10 件の病院で活動を展開させています。 性へ導く密度の濃い演劇的瞬間を提供することができ、 子どもと芸術家、患者と人形師が一対一の関係を持つ、  私たちは人形劇とは何か、 そして表現するとはどうい とても短い“小さな人形劇”を創造することができるの うことかを探求しながら、 人形を創造するコンセプトを です。 打ち出しています。そして私たちの人形劇創造と、長い 病に苦しむ子どもたちの回復との間の関連性の調査も  さらに、 ユーモアや共感を基本としたクラウンのテク 行っています。入院している子どもたちは、困難な病状 ニックを用いることで、芸術家がどう観客と関わり、ど を抱えているうえ、 非常に長い期間閉ざされた状態に置 う観客を盛り上げていくのかという方法探しをすすめて かれ、遊ぶ意欲も、遊ぶ機会も少ない傾向にあります。 います。   「ティティリビオティコス」プログラムは人形劇俳優 ティティリビオティコス・プログラム・コーディネーター のためのプログラムで、 子どもの観客と関わるまでに5 ロクサーナ・ベルナウレ/オマール・アルヴァレス か月のプロフェッショナル・トレーニングを行います。【アルゼンチン・ブエノスアイレス】

【アルゼンチン】ブエノスアイレスの「ティティリビオティコス」人形劇

病院の子どもたちと演劇

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Children’s Theatre inHospitals


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