2.3. 測定の簡単な例
41
状態 ω0
状態 ω1
状態 ω2 ・ ・ ・ ・ ・
図 2.4: 壷の中の球の個数
(b) 測定 MC(Ω) (O個数 , S[ωn ] ) により得られる測定値が,Ξ(⊆ N0 ) に属する確 率は
[ [F (Ξ)](ωn ) =
1 0
(n ∈ Ξ) (n ∈ / Ξ)
]
で与えられる. となる.すなわち,
(c) 測定 MC(Ω) (O個数 , S[ωn ] ) により得られる測定値は (確率 1 で) n である. となる. 念の為に,測定 MC(Ω) (O個数 , S[ωn ] ) を省略しないで,書き下せば,
(d) 測定者が, [n 個の球が入っている] [壷] に対して, [何個入っているか]を 状態 ωn
[数え] れば, 測定 MC(Ω) (O個数 , S[ωn ] )
測定対象
観測量 O個数
[必ず] [n 個]である. 確率 1
測定値
となる.ここで,壷 U に球が入っていなくても,状態 ω0 は意味をもつというこ とは注意すべきである.中身が存在しなくても,(中身が存在しないという) 状態 は存在する.
例 2.9. [コップの水の温度の近似測定 (例 2.4 [約-観測量] の続き)] いろいろな 温度 ω ℃ (0 5 ω 5 100) のコップの水 (お湯) に,多くの被験者 (たとえば,1000 人) に飲んでもらって, 「約何十℃ですか?」をアンケート形式で質問する.そし て,得られたデータ (たとえば,hn (ω) 人が,約 n ℃ (n = 0, 10, 20, . . . , 90, 100) と答えたとして,これを正規化 (かつ,折れ線化) して,以下の gn (ω) = hn (ω)/ 被験者数 を得たとする.すなわち,各 n ∈ N100 10 ={0, 10, 20, . . . , 100} に対して,