812:木を植える人たち

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干ばつ、飢饉と闘うために、どうすれば自国で同じよ うなプロジェクトを実施できるか、学んでいきました。 これまでに何百万本もの木が植えられており、さら に、この運動がきっかけで、国連の「10 億本植樹キャ ンペーン」など数多くの取り組みが生まれてきました。 ワンガリ・マータイは 2011 年に 71 歳で亡くなり ましたが、その影響は今も続いています。2010 年に 出版された『Replenishing the Earth』はまるで別れ の挨拶のようであり、私たちも行動に出るようにと励 ましています。 「私たち全員が、 近隣や自分の住む地域、 また国や世界全体の状況を改善できるよう、熱心に取 り組む必要があります。そのためには、互いに協力し、 より良い推進者となって、変化を起こしていかなけれ ばならないのです。 」 でも、あなたや私にとって、 「森林再生」は何を意味 するでしょうか。ほとんどの人は、めったに木を植える ことがないとしても、それがすべてではありません。世 界をより良い場所にするために、自分にできることをする のが大切なのです。その第一歩は、自分にとっての「木」 とは何かを知り、次に、それを大事に育てることです。 イエスだったら、それをこんなふうに言われたかも しれません。 「天の国は、ある人が、不毛の荒れ地に幾 つもの木を植えに出かけて行くようなものだ。それが

育つと、いずれ広大な森となって、地を豊かにし、多 くの実をもたらす。 」 ですから、世界の現状にがっかりすることがあって も、決してあきらめてはいけません。私たちは、しな くてはいけないことが途方もなく大きいと、落胆して こう考えがちです。 「私はいったい何者だというのか。 こんな自分に何ができるだろう。状況を改善すると 言っても、一人の人間にできることなど何もないよう に思える。だから、努力したって、仕方ない。 」 でも、ジャダブ・パイェンやワンガリ・マータイ、 また架空の人物ではあるけれど、エルゼアール・ブフィ エといった人たちが、一人の人間でも世界を変えられ るということを証明しています。世界全体を変えるこ とができなくても、自分のいる部分の世界を変えるこ とはできます。あなた自身の心、考え方、人生から変 えてみてはどうでしょうか。 最初のうちは、小さな芽、取るに足らない小さな新芽 にしか見えないかもしれないし、森が必要だというの に、そんな小さなものが何の役に立つのかと思うこと でしょう。 でも、 それは新しい命の奇跡の始まりであり、 その内にどんどん成長して葉が茂り、立派な新しい「木」 となります。それは新しい生命であり、さらにはいつか、 新しい世界となっていくかもしれないのです。

「アクティベート・リーフ」は、英語の「Activated」誌からの記事を翻訳したものです。その他の記事は、ホームページでご覧頂けます。 http://www.activate.jp

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Translated from English Activated Magazine Vol. 22-6 p8-9

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