160226_若林拓哉_修士設計

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1.3.1 群島を形成する東京港

Tokyo

東京港の固有性を担う重要な要素だと考えられる「島」の特性 を顕在化させるため、「島の占有比率」を比較する (fig.17)。式は、 ( 島の占有比率 ) = ( 島部面積 )/( 港湾領域 )*100 で求める。ここで、島とは「全方位を水域に囲まれた陸域」と 定義し、防潮堤なども島に含むこととする (fig.18)。 これによると、ニューヨークが抜きん出て占有比率が高いが、 それは陸域面積の殆どが島となってしまっているためであり、比 較する上で特殊なケースであるため、除外する。 そこで、ニューヨークを除いたグラフ (fig.19) を再度作成し、こ れを参照すると、東京やヴェネツィア、マルセイユといった海型 における明らかな島だけでなく、ハンブルクやアントウェルペン

fig.17 東京港における港湾領域に対する島部

などの河型においても、掘削によって襞を拡張していく際に発生 する疑似的島を保有していることが確認できる。

[%]

[%]

80.0

30.0

70.0 60.0

25.0

ここでさらに、島部のみの面積を比較する (fig.20)。これによる と、如何に東京が島を多く保有しているかがわかる。一方でヴェ ネツィアは東京の半分に満たない島部面積しか保有していないこ

20.0

とから、両者の差異の一端はここにあると言える。また、ハンブ

40.0

15.0

30.0

ルクやアントウェルペンも広大な島部面積を保有しており、東京

10.0

やヴェネツィアとの差異を明確にする必要がある。

50.0

20.0 10.0 0.0

fig.18 島の占有比率グラフ

5.0 0.0

fig.19 島の占有比率グラフ (New York を除く )

[ha] 6000 5000 4000 3000 2000 1000 0

fig.20 島部面積グラフ 38


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