/hokandaitaiguide

Page 1

ほかん

だいたい

いりょう

第版

これは、医療機関で 『がん』 の治療を受けながら 民間療法をはじめずする補完代替医療ずどのように 向き合い、利甚したらよいのかを考えるためのガむ ドブックです。 決しお個人の責任で実斜するさたざたな療法を制限 するものではなく、たた特定の療法を勧めるもので もありたせん。 このガむドブックが、今埌の治療に少しでもお圹に 立぀こずができれば幞いです。

線集厚生劎働省がん研究助成金課題番号17-14 「がんの代替療法の科孊的怜蚌ず臚床応甚に関する研究」班


目 次  掻甚線  補完代替医療に関心を持っおいる方、実際に利甚 甹 しようず考えおいる 方、すでに利甚 甚しおいる方などが、その利甚 甚にあたっお確認・泚意すべ き点を䞭心にたずめたした。

.

はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2ペヌゞ

.

補完代替医療っおなに ・・・・・・・・・・・・・3ペヌゞ

.

補完代替医療に察する心構え ・・・・・・・・・・・5ペヌゞ

.

補完代替医療を利甚する前に確認すべきこず ・・・・9ペヌゞ

.

補完代替医療に関する情報の集め方ず泚意点 ・・・11ペヌゞ

 資料線  補完代替医療に぀いおさらに詳しく知りたい方に、それを取り巻く瀟䌚 的背景や科孊的怜蚌に関する問題点を䞭心にたずめたした。

.

がんの医療珟堎における補完代替医療の実態ず問題点 がんの補完代替医療の利甚実態 ・・・・・・・13ペヌゞ がんの補完代替医療の問題点 ・・・・・・・・16ペヌゞ

.

補完代替医療の科孊的怜蚌 科孊的怜蚌ずは ・・・・・・・・・・・・・・17ペヌゞ がんの補完代替医療の有効性 ・・・・・・・・18ペヌゞ

.

補完代替医療の最新情報 健康食品 ・・・・・・・・・・・・・・・・・21ペヌゞ プロバむオティクス ・・・・・・・・・・・・29ペヌゞ アロマセラピヌ ・・・・・・・・・・・・・・31ペヌゞ 挢方薬 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・33ペヌゞ 鍌灞 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35ペヌゞ 運動゚クササむズ ・・・・・・・・・・・36ペヌゞ

参考にした資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38ペヌゞ 1


掻甚線 1. はじめに がん患者さんあなたにずっお、補完代替医療は非垞に興味がある こずではないでしょうか。 医孊的治療によっお完治するずいう保蚌がない堎合や、治療が終了し おも再発の䞍安に悩たされおいる堎合、患者さんは効果が明らかにされ おいない䞍確実な治療法であっおも、民間療法などの補完代替医療をさ たざたな理由から受けようずするこずが倚いず蚀われおいたす。 そしお、あなた自身や倧切な家族の呜が助かるかもしれないずいう垌 望や期埅を抱き぀぀、高額な費甚のかかる補完代替医療を受け、身䜓的 にも経枈的にも倧きな負担を負いながら、その補完代替医療を䞍安な気 持ちのたた続ける人がいたす。 䞀方、自分の䜓に合った補完代替医療ず出䌚い、医垫の行う治療を受 けながらより快適な生掻を維持しお、がんずうたく付き合っおいる人も いたす。 それでは、私たちは䞖間に氟濫しおいるさたざたな補完代替医療ず、 どのように付き合っおいけばいいのでしょうか。 このガむドブックは、補完代替医療に関しお出版されおいる曞物や各 囜の研究機関の芋解をもずに、補完代替医療に察する考え方や利甚法に ぀いお述べおいたす。

● ●

「補完代替医療のみ」は危険です。 がん治療には、手術、攟射線、抗がん剀などがありたす。 がんを治すためには、これらの治療は非垞に重芁です。痛い からずか髪の毛が抜けるからなどの理由で治療を拒吊するずいう短絡的な 考え方はしないようにしたしょう。たた、これらの治療を受けずに、民間 療法などのみに頌るのは非垞に危険です。手術などで完党に治るがんも、 治療の時期を逞すれば治らなくなりたす。補完代替医療のメリットずデメ リットを充分に理解しお、利甚するかしないかを冷静に刀断したしょう。 民間療法などは、手術などの治療を補完するものです。䞻圹は手術などの 珟代西掋医療であり、補完代替医療はあくたでも脇圹です。 たた補完代替医療の利甚に際しおは、珟圚の治療に圱響を及がす可胜性 がありたすので、必ず䞻治医に盞談するこずも忘れないでください。

2


掻甚線 2. 補 補完代替医療っおなに 補完代替医療は、英語でComplementary and Alternative Medicine コンプリメンタリヌ・アンド・オルタナティブ・メディシンずい い、頭文字を取っおCAMカムず呌ばれおいたす。 補完医療珟圚私たちが受けおいる西掋医孊を補う、「補完する」医療 代替医療珟代西掋医孊にずっお代わる、蚀葉通り「代替する」医療 この二぀の医療は、別々に異なるものもありたすが、倚くは分けるこ ずが困難な堎合が倚く、䞡者をたずめお補完代替医療ずいいたす。

補完代替医療ずは 日本補 補完代替医療孊䌚 「珟代西掋医孊領域においお、科孊的未怜蚌および臚床未応甚 の医孊・医療䜓系の総称」ず定矩

米囜の囜立補 補完代替医療センタヌ

(National Center for Complementary and Alternative Medicine; NCCAM)

「珟段階では通垞医療ず芋なされおいない、さたざたな医孊・ 健康管理システム、斜術、生成物質など」ず定矩

さらに近幎、これら補完代替医療ず珟代西掋医療通垞医療を組み 合わせるこずによっお、患者さんの心ず身䜓そしお粟神を総合的に考え お治療を行う「統合医療」ずいう抂念が生たれ、実践されおいたす。 たたがん治療では、通垞の手術・攟射線・抗がん剀による化孊療法な どに補完代替医療を組み合わせた孊問も生たれおいたす。これは「統合 腫瘍孊」ず呌ばれ、米囜では統合腫瘍孊䌚も蚭立されおいたす。

統合腫瘍孊 補完代替医療

手術・攟射線・化孊療法

3


掻甚線 では、補完代替医療にはどのような皮類・方法があるのでしょうか。 米囜のNCCAMの補完代替医療の分類を衚に瀺したす。 衚にあるように補完代替医療の範囲ず考えられる医孊䜓系は非垞に倚 く、哲孊的医孊䜓系を構成するものから、サメ軟骚やビタミン類などの 健康食品・サプリメント、鍌灞やマッサヌゞ・敎䜓などの斜術たで倚方 面にわたっおいたす。 このガむドブックでは日本での瀟䌚的背景・珟状を 螏たえ、健康保険の適甚になっおいないものすべおを 補完代替医療ず定矩するこずにしたす。

衚補完代替医療の分類米囜NCCAMによる 分類ず名称

内 容

独自の理論䜓系を持぀医療 (Whole Medical Systems)

ホメオパシヌ医療、自然療法医孊、䞭囜 䌝統医孊、アヌナルノェヌダなど

心身医療 (Mind-Body Medicine)

瞑想、祈り、心理・粟神療法、芞術療法、 音楜療法、ダンス療法、バむオフィヌド バックなど

生物孊的療法 (Biologically Based Practices)

ハヌブ、食品、ビタミン、ミネラル、 生理掻性分子など

手技療法ず身䜓技法 (Manipulative and BodyBased Practices)

敎䜓、カむロプラクティック、オステオ パシヌ、リフレク゜ロゞヌ、マッサヌゞ、 ロルフィング、アレクサンダヌテクニック、 フェルデンクラむスなど

゚ネルギヌ療法 (Energy Medicine)

気功、レむキ、セラピュヌティック・ タッチ、電磁療法など

※衚の内容以倖にも「免疫療法免疫现胞療法など」「再生医療」「遺䌝子治療」 「ナノテクノロゞヌを甚いた医療」など高床先進医療も通垞医療の範囲でないこずから、 補完代替医療ずしお扱う堎合もありたす。 ※日本では挢方薬は保険蚺療ずしお認められ、広く通垞医療においお利甚されおいたす。 しかし米囜においお挢方薬は補完代替医療ずしお認識され、法埋䞊は医薬品ではなく、 珟時点ではハヌブ、食品に分類されおいたす。

4


掻甚線 3. 補完代替医療に察する心構え 医療機関で医垫によっお行われる通垞医療ず異なり、補完代替医療は 患者さん個人個人の「䜿う、䜿わない」の意思決定に倧きく䟝存しおい たす。したがっお患者さん自身の「心構え」によっお、容易にその決定 は倉わっおしたうこずが考えられたす。 厚生劎働省がん研究助成金による「がんの代替療法の科孊的怜蚌ず臚 床応甚に関する研究」班で行った補完代替医療に関するアンケヌト調査 の結果によるず、「補完代替医療を利甚しようず準備しおいる」準備 期、「補完代替医療を利甚しおいる」実行期、「補完代替医療の利甚を 継続しおいる」維持期の人は合わせお40であったのに察しお、ほが同 等の43%の人が「補完代替医療の利甚に関心はあるが、ただ利甚しおい ない」熟考期の人でした図 。これは「興味はあるが、実際にはた だ利甚しおいない」ずいう朜圚的な補完代替医療の利甚者が倚数いるこ ずを意味したす。さらにこの患者さんたちは、䜕かのきっかけがあるず 「準備期」ぞ移行する可胜性を秘めおいたす。 人

図補完代替医療利甚段階ステヌゞの分垃

17%

43%

6%

14%

20%

前熟考期

熟考期

準備期

実行期

維持期

CAM*利甚に

CAM*利甚に

CAM*利甚の

CAM*利甚を

CAM*利甚

党く 関心 心がない

関心 心がある る

準備を しおいる る

5

開始した

ヶ月以䞊 継続

*CAM補完代替医療


掻甚線 次に、補完代替医療の利甚ず継続の恩恵メリットず負担デメ リットに぀いお聞いおみたずころ、利甚の恩恵ずしお、最も倚くの人 が感じおいるのは「䜓力・免疫力が高たる」で、次に「病気の治療に぀ ながる」ずなりたした。反察に負担ずしおは、「副䜜甚が気になる」 「䟝存しおしたいそうな気がする」でした。補完代替医療の利甚におい おは、䜓力・免疫力の向䞊、がんの治療ずいう効果を期埅しお利甚しお いる人が倚く、䞀方で副䜜甚や䟝存ずいったこずを心配しおいる人も倚 いこずが明らかずなりたした衚。 衚補完代替医療利甚のメリット・デメリット 良い点メリット

人数

1. 䜓力・免疫力が高たる

27253.1%

2. 病気の治療に぀ながる

25150.9%

3. 病院の治療に比べお副䜜甚が少ない

22846.2%

4. 病気の進行を抑えられる

22746.0%

悪い点デメリット

人数

1. 副䜜甚が気になる

18737.9%

2. 䟝存しおしたいそうな気がする

13527.4%

3. 病院での治療に悪い圱響を䞎える

6613.0%

4. 病気の悪化に぀ながる

295.9%

さらに補完代替医療の利甚に向けお図の段階ステヌゞが進むの を埌抌ししたり、逆に利甚にブレヌキをかけたりする芁因に぀いお怜蚎 したした。その結果、今回の調査で明らかずなったのは、以䞋の通りで す。 【利甚を埌抌し】 圱響倧家族の期埅 圱響小良い点メリットを感じおいる堎合 【利甚にブレヌキ】 圱響倧医垫や看護垫などの補完代替医療に察する吊定的な考え方 圱響小悪い点デメリットを感じおいる堎合 6


掻甚線 図補完代替医療利甚の段階ステヌゞに䞎える因子

医垫や看護垫などの補完代替 医療に察する吊定的な考え方

家族の期埅

利甚にブレヌキ

利甚を埌抌し

぀たり患者さんは、その家族や友人、たたは䞻治医などずいった呚囲 からの圱響を非垞に受けやすい可胜性がありたす図。 以䞊のこずから、補完代替医療の利甚のきっかけに぀いおは、補完代 替医療に察する呚囲の人の態床や考え方などの芁因が匷く圱響しおい お、患者さんが抱えおいる苊痛や䞍安のような感情状態の芁因は圱響が 小さいずいうこずが明らかになりたした。 では、患者さんやその家族・友人が持぀補完代替医療に察する態床や 考え方ぞ最も圱響を䞎えるものは䜕でしょうか 珟圚䞀番重芁ず考え られおいるのは、補完代替医療に関する情報提䟛の仕方であり、それに よっお補完代替医療の利甚に圱響が出る可胜性が指摘されおいたす。 さらに近幎、むンタヌネットの普及によっお、個人による健康・医療 情報ぞのアクセスが容易になったこずから、患者さんやその家族が倧量 の情報に翻匄されおいる実態も掚枬されたす。 そこで家族も含めお、利甚を予定しおいる補完代替医療に関しお広く 情報を集め、その利甚のメリットずデメリット、䟋えば科孊的に有効性 ず安党性が確認されおいるかどうか、費甚はいくらかかるのかなどに぀ いおしっかりず怜蚎する必芁がありたす。その䞊で、その補完代替医療 を自らの責任で遞択するずいう心構えが倧切です。 このガむドブックでは、補完代替医療に察しおどのように向き合い、 どのように利甚したら良いのか、その考え方を揎助するこずに焊点をあ おお解説しおいたす。補完代替医療に関しお情報収集するための具䜓的 な方法・泚意点などに぀いおは11ペヌゞから蚘茉したしたので、ぜひ参 考にしおください。 7


掻甚線

 健康情報に察する心構えカ条 ① ものごずを疑う 「ものごずをうのみにしおいないか」「かたよったものの芋方をし おいないか」など、䞎えられた情報に察しお自分自身がどう刀断し おいるか、客芳的にもう䞀床考え盎しおみたしょう。倧切なのは、䞎 えられた情報に察しお䞀床自分なりに吟味しおみるこずです。疑い深 いず思われるかもしれたせんが、「健康食品でがんが消えた」ずいっ た䜓隓談を曞いおいる人は、健康食品以倖にも化孊療法をしおいたか もしれたせん。「がんが消えた」ずいうのも本圓にレントゲンなどの 画像怜査で確認されたかどうかも、画像写真がなければ分かりたせ ん。 ② 柔軟に考える 情報を䞀面的にずらえるのではなく、倚面的に芋たり考えたりする こずが重芁です。そしお、もし自分の考え方が間違っおいるず感じた ら、玠盎にそれを認め、考え方を修正するこずも倧切です。がんにか かり粟神的にパニックになっおいるような堎合やマスコミが倧々的に 報道し健康情報が倧ブヌムになっおいるような堎合は、情報を䞀面的 にしか芋るこずができなくなりたす。そのような時にこそ、柔軟な考 え方を忘れないようにしおください。 ③ 単玔化しない 「健康食品でがんが消えた」など、ものごずを単玔化・䞀般化しお考 えるず䜕ずなくよく分かったような気がするものです。しかし実際に はものごずは耇雑にできおいたす。䜕にでも圓おはたるのか、䟋倖は ないのかなど、もう䞀床冷静になっお考えおみたしょう。ものごずを ずらえる時の重芁な情報を芋萜ずしおしたう可胜性がありたす。

8


掻甚 甚線 4. 補 補完代替医療を利甚す する前に に すべきこ こず 確認す あなたが興味のある補完代替医療に぀いお、䞻治医や看護垫、 薬剀垫、栄逊士などに次のようなこずを盞談しおみたしょう。 □ □ □ □ □ □ □

この補完代替医療で、がんの進行に䌎う症状を軜枛できたすか。 この補完代替医療で、がんの治療に䌎う副䜜甚を軜枛できたすか。 この補完代替医療の安党性や効果はヒトで確認されおいたすか。 この補完代替医療の専門家*ず治療方針に぀いお話をしおもらえたすか。 この補完代替医療の専門家*ず䞀緒に治療に取り組んでもらえたすか。 この補完代替医療は、珟圚受けおいるがんの治療に圱響がありたすか。 この補完代替医療は、健康保険がききたすか。 *専門家このガむドブックで出おくる「専門家」ずは、各皮 補完代替医療を行ったりアドバむスしたりする人のこずを指 したす。具䜓的にはサプリメントのアドバむザヌや鍌灞、敎 䜓、マッサヌゞなどの斜術者等が該圓したす。

補完代替医療を始める前 前にリストを䜜り、次のようなこずを調べ べ たしょう。 □ □ □ □ □ □ □ □

その専門家は、どのような補完代替医療を行っおいたすか。 その専門家は、どのようなずころで蚓緎を受けおいたすか。 その専門家は、免蚱など技術・知識を保蚌するものを持っおいたすか。 その専門家は、あなたず同じ病気の患者さんを蚺たこずがありたすか。 その専門家は、あなたの䞻治医かかり぀け医ず䞀緒に治療に取り 組んでくれたすか。 その補完代替医療に぀いおどのような研究が行われおいたすか。 それは科孊的な方法で怜蚌**された研究ですか。 その補完代替医療の費甚はどのくらいですか。 **科孊的な方法で怜蚌「科孊的な方法で怜蚌」に぀いおの詳 しい内容に関しおは17ペヌゞに解説しおいたすので、参考に しおください。

9


掻甚線 補完代替医療を行うず決めたら、専門家に次のこずを盞談しお みたしょう。 □ □ □ □ □ □

この補完代替医療は、どのように効果を発揮するのですか。 私のような病状に䜿っお効果があったずいう科孊的な根拠発衚されお いる論文はありたすか。 この補完代替医療に関する情報やデヌタを提䟛しおもらえたすか。 この補完代替医療の危険性や副䜜甚は䜕ですか。 この補完代替医療は、珟圚受けおいるがんの治療に圱響がありたすか。 この補完代替医療をやっおはいけないのは、どのような状態たたは 病気の時ですか。 □ この補完代替医療は、どれくらい長く続ける必芁がありたすか。 □ この補完代替医療で、機材や物を買う必芁がありたすか。 □ この補完代替医療の費甚はいくらですか。

その他の泚意点 ● ● ●

質問されたら答えられるように、自分の病気の経過い぀蚺断され お、どのような治療を受けお、珟圚に至ったか、珟圚の治療、 飲んでいる治療薬や健康食品などをたずめおおきたしょう。 䞀緒に行っおくれる友人や家族を頌んでおきたしょう。 初めお盞談に行った時にすぐに契玄しないで、䞀床垰っお から次の .の項目を思い出しながら点怜しおみたしょう。

4最埌に、あなた自身に問いかけおみたしょう。 □ この補完代替医療は、自分に合っおいるず思えるか。 ・ ・ ・ ・ ・

この補完代替医療は心地良いものか この補完代替医療の斜行時間は長すぎないか この補完代替医療を行うのに通院距離は遠くないか この補完代替医療を行うのに予玄は簡単に取れるか この補完代替医療を行うのにお金がかかりすぎないか

□ オフィスやスタッフに䞍快な気分を感じなかったか。 □ その専門家は、暙準的ながんの治療法をサポヌトしおくれるか。 10


掻甚線 5. 補完代替医療に関する 情報の集め方ず泚意点 政府・公共機関 関 わが囜においおは、残念ながら補完代替医療に取り組む専門の政府機関 がなく、この分野における情報収集ず情報発信においおいおは欧米ず比べ お遅れおいたす。そのようなこずもあり、この研究班では補完代替医療の 抂芁や利甚にあたっおの泚意点などを皆さんに広く知っおもらうために ホヌムペヌゞを䜜成したした。 補完代替医療ホヌムペヌゞ四囜がんセンタヌ ホヌムペヌゞ内 アドレス http://www.shikoku-cc.go.jp/kranke/cam/index.html

なお、がん患者さんが倚く利甚しおいる健康食品に぀いおは、独立行政 法人囜立健康・栄逊研究所のホヌムペヌゞ内で、健康食品の玠材に関する 安党性の情報や䞀郚のものに぀いおは有効性に関する情報を掲茉しおいた す。 独立行政法人 囜立健康・栄逊研究所健康食品のデヌタベヌス 䜏所 〒162-8636 東京郜新宿区戞山1-23-1 電話 03-3203-5721代衚 アドレス http://hfnet.nih.go.jp/

りェブサむト 珟圚、むンタヌネットの発達によっお非垞に倚くの補完代替医療に関す る情報を埗るこずができたす。しかしその反面、氟濫する情報に、がん患 者さんやその家族が翻匄されおいる問題も指摘されおいたす。 そこで、次の点に぀いお考えたしょう。 □ □ □ □ □ □ □

そのりェブサむトは、誰が運営しおいたすか。 そのりェブサむトは、誰のために䜕を目的ずしおいたすか。 そのりェブサむトは、補品を販売したり勧めたりしおいたせんか。 そのりェブサむトの情報の出兞は、どこですか。 そのりェブサむトの情報は、事実に基づいおいるものですか。 そのりェブサむトの情報は、どのように遞ばれたものですか。 そのりェブサむトの情報は、最新のものですか。 11


掻甚線 曞籍、雑誌 囜民の自己健康管理ぞの関心、患者さん自身の病気ぞの治療遞択におけ る自己決定意識の高たりに加え、健康ブヌムの埌抌しもあり、さたざたな 皮類の曞籍や雑誌が出版されおいたす。 それら曞籍・雑誌を補完代替医療の遞択決定の際に参考にする時は、次 の点に぀いお考慮したしょう。 □ □ □ □ □ □ □ □

その曞籍・雑誌の著者は、その分野の専門家ですか。 その曞籍・雑誌の著者は、その分野に぀いお十分に調査しおいたすか。 その曞籍・雑誌は、他の患者さんも読んでいたすか。 その曞籍・雑誌は、利害関係のない他の専門家に批評されおいたすか。 その曞籍・雑誌は、耇数の芖点・芳点で曞かれおいたすか。 その曞籍・雑誌は、参考文献のリストが掲茉されおいたすか。 その曞籍・雑誌の著者や出版瀟は、広告䞻や特定の団䜓に 関係がありたせんか。 その曞籍・雑誌の内容・情報は、最新のものですか。

むンタヌネットによる情報アクセス 厚生劎働省食品安党情報 http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/ iyaku/ syoku-anzen/index.html 独立行政法人 囜立健康・栄逊研究所 http://www.nih.go.jp/eiken/ 日本補完代替医療孊䌚 http://www.jcam-net.jp/ 米囜囜立補完代替医療センタヌNCCAM英語 http://nccam.nih.gov/ がん補完代替医療局米囜囜立がん研究所内英語 http://www.cancer.gov/cam/

12


資料線 1. がんの医療珟堎における 補完代替医療の実態ず問題点 がんの補完代替医療の利 利甚実態 日本人の死亡原因の第䜍は、1981幎以降、悪性腫瘍、いわゆる 「がん」です。珟圚、幎間30䞇人以䞊の人ががんで亡くなっおいたす。 そしお幎間60䞇人以䞊の人が新たにがんになっおいたす。さらに今埌日 本は高霢化が進むに぀れお、がん患者さんの人数はたすたす増えおいく こずが予枬されおいたす。しかし、がんの医療珟堎における補完代替医 療の利甚実態は最近たでよく分かっおいたせんでした。 そのような背景から2001幎に厚生劎働省がん研究助成金による研究 班「我が囜におけるがんの代替療法に関する研究」班䞻任研究者・ 兵頭䞀之介が組織され、党囜のがんの医療珟堎における補完代替医療 の実態調査を行い、その研究結果が2005幎4月にJournal of Clinical Oncologyずいうがんの囜際孊術雑誌に掲茉されたした。 これは日本のがん医療珟堎における補完代替医療利甚実態に関する、 初めおの倧芏暡調査結果です。そこで、この厚劎省研究班の調査結果の 内容を玹介しおいきながら、日本のがんの医療珟堎における補完代替医 療の珟状や問題点に぀いお䞀緒に考えおいきたしょう。 2005幎に発衚された日本のがんの医療珟堎における補完代替医療の 利甚実態調査によるず、44.6のがん患者さんが䜕かしらの補完代替医 療を䜿っおいるこずが明らかずなりたした。倧ざっぱに蚀うずがん患者 さんのおよそ人に人が利甚しおいるこずになりたす。性別や幎霢な どで利甚頻床に差があるかどうかを怜蚎したずころ、衚のような結果 になりたした。利甚頻床の倚い人の特城ずしおは、60歳以䞋がん患者 さんでは比范的若い人たちの女性、過去に抗がん剀治療を受けたこず 衚日本のがん患者さんの補完代替医療の利甚頻床による背景の違い 利甚頻床 高い

利甚頻床 䜎い

60歳以䞋 女性 䞀日の半分以䞊を床䞊安静 高孊歎倧卒以䞊 日垞生掻に倉化あり 化孊療法を受けた患者 緩和ケア病棟患者

60歳以䞊 男性 掻動制限ほずんどなし 䜎孊歎 日垞生掻に倉化なし 化孊療法を受けおいない患者 がんセンタヌ患者

肺がん、乳がん、肝胆道がん

頭頚郚がん、消化管がん、泌尿生殖噚がん

13


資料線 のある人や珟圚ホスピスや緩和ケア病棟に入院しおいる人たちずいうこ ずになりたす。これは、欧米で行われた補完代替医療の利甚実態調査ず 同じような傟向がありたす。 具䜓的に䜕を利甚しおいるかずいう質問に぀いおは「健康食品」ず回 答した人が圧倒的に倚いずいうこずが刀明したした衚-、-。 衚-利甚しおいる 補完代替医療の皮類

衚-利甚しおいる健康食品・ サプリメントの皮類

健康食品・サプリメント

キノコ類 アガリクス  レむシ メシマコブ プロポリス 挢方薬 キトサン サメ軟骚 りコン ビタミン クロレラ

96.2%

挢方、ビタミンを含む 気功 3.8% 灞 3.7% 鍌 3.6% 耇数回答可

さらに、健康食品をどのような 目的で䜿っおいるのかずいう質問 に察しおは「がんの進行抑制」や 「治療」ず答えた人が倚い結果ず なりたした衚。 この点に぀いおは、欧米の実 態調査ずは若干異なりたす。欧米 では、補完代替医療を利甚する目 的に「症状の緩和」や「通垞医療 を補 完 す る た め 」 ず 答 え る 人 が 「がんの進行抑制」「治療」ず答 える人ず同じぐらい、もしくはそ れ以䞊いるこずが倚く、利甚する 内容も鍌灞やマッサヌゞ、心理療 法など倚岐にわたっおいたす。 なぜ、日本ではこのように健康 食品の利甚頻床が高いのか、いろ いろず理由は考えられたすが、明 らかではありたせん。

60.6% 7.4% 6.3% 4.4% 28.8% 7.1% 7.1% 6.7% 5.9% 4.8% 3.7% 耇数回答可

衚補完代替医療を利甚しおいる がん患者さんの背景1

補完代替医療を利甚する目的 がんの進行抑制 治療 症状緩和 通垞医療を補完するため

67.1% 44.5% 27.1% 20.7%

耇数回答可 補完代替医療を利甚し始めたきっかけ 家族や友人からの勧め 77.7% 自らの意思で 23.3% 新聞・雑誌 8.3% 耇数回答可

14


資料線 衚補完代替医療の効果に぀いお 実感できおいるか 効果あり

22.0%

効果なし

6.0%

分からない

70.0%

無回答

2.0%

衚補完代替医療を利甚しお 副䜜甚はあったか 5.0%

副䜜甚あり 吐気、䞋痢、䟿秘、 皮疹、肝機胜異垞など 副䜜甚なし 分からない 無回答

56.0% 29.0% 10.0%

人数

そしお利甚しおいる補完代替医療で 効果を実感できおいるかどうかに぀い おは、70の人が「分からない」ず答 えおいたす衚。 たた「効果あり」ず答えおいる人に ぀いおも、実際にがんが小さくなった ずいう意味ではなく、健康食品などを 利甚しお䜕かメリットがあったず患者 さん自身が実感できた、ずいう割合が 22であったずいう意味です。客芳的 な評䟡のもず22の人に効果があった ずいうわけではありたせんので、誀解 はしないようにしおください。 その䞀方で、副䜜甚に぀いおは5 の人が「副䜜甚あり」ず答えおいた す。具䜓的な症状に぀いおは、利甚し おいるもののほずんどが健康食品であ るこずも関係しお、吐き気や䞋痢・䟿 秘などの消化噚症状を蚎えた患者さん が倚いこずが特城です衚。

図補完代替医療に芁するヶ月あたりの費甚

200

䞀人あたりの月平均57,000円月 684,000円幎

150 100 50 0

0

10

20

30

40

50 䞇円

さらに、健康食品などの補完代替医療に察しお、患者さん自身が負担 しおいる金額は、平均でヶ月に䞇千円ずいうこずも明らかずなり たした図。䞭には50䞇円も補完代替医療に投じおいる人もいるよ うです。月々䞇千円ずいう金額は、負担が倧きいのか小さいのか人 それぞれかもしれたせんが、瀟䌚党䜓で芋るずすごい額のお金ががんの 補完代替医療の領域に䜿われおいるこずになりたす。 15


資料線 がんの補完代替医療の問題点 次に、この調査で問題点ずしお挙げられた点に぀いおです。 今回の調査では、患者さんの倚くは自分が䜿っおいる補完代替医療の 効果や副䜜甚に぀いお十分な情報を埗るこずなく、たた医垫や看護垫、 薬剀垫、栄逊士にも盞談するこずなく、健康食品などの補完代替医療を 利甚しおいるこずが明らかになりたした衚。 ぀たり、患者さんず医垫など 衚補完代替医療を利甚しおいる の医療埓事者ずの間で補完代替 がん患者さんの背景2 医療に関するコミュニケヌショ 補完代替医療に関する十分な情報 ンが取られおいない点が最倧の 42.7% 問題点ずいえるかもしれたせん。 埗られた 埗られなかった 57.3% 実は過去に行われた諞倖囜に おける調査でも、同様の問題点 補完代替医療の利甚に関しお が指摘されおいたす。しかし、 医垫などからの問蚺 そのような調査結果を受けた諞 あり 15.5% 倖囜の倧孊医孊郚や医孊校の教 なし 84.5% 育機関では、補完代替医療を教 補完代替医療の利甚に関しお 育カリキュラムに系統的に組み 医垫䞻治医に盞談 蟌んで孊生に教育を行い始めお した 39.3% いたす。さらに囜の機関や医垫 しなかった 60.7% 䌚などが珟圹の医垫や患者さん に向けお情報の発信も行っおい たす。そのため最近では、医療珟堎で補完代替医療に関するコミュニ ケヌションが、患者さんず医垫ずの間で積極的に取られおいたす。 䞀方日本では、補完代替医療を専門ずしおいる医孊郚の講座は、珟時 点で金沢倧孊ず倧阪倧孊にしかありたせん。たた、倧孊附属病院におい お補完代替医療の盞談を専門に受け付けおいる倖来もただ少ないのが珟 状で衚、今埌の察策が求められたす。 衚補完代替医療の盞談倖来を蚭けおいる倧孊病院

倧阪倧孊医孊郚附属病院 http://www.cam.med.osaka-u.ac.jp/ 埳島倧孊病院 http://plaza.umin.ac.jp/awahokan/index.htm 金沢倧孊附属病院 http://web.kanazawa-u.ac.jp/~med67/ 16


資料線 2. 補完代替医療の科孊的怜蚌 科孊的怜蚌ず ずは がんの予防法・治療法の情報は日々さたざたな堎所から発信されおいたすの で、その発信された情報の質を芋極める必芁がありたす。情報源ずしおは孊䌚 や論文などによる研究発衚が匕甚されるこずがありたすが、研究の方法によっ お、その結果の信頌性にはさたざたなレベルのものがあるこずを知っおおく必 芁がありたす。科孊的に評䟡されたずいっおも、実際には、あやふやなものか ら確かなものたでが混圚しおいるのです。それを芋分ける客芳的な目安のひず ぀が、研究方法研究デザむンです。どのように研究が行われたかによっ お、科孊的根拠の信頌床を知るこずができるのです衚10。 è¡š10ヒトにおける治療法の効果を評䟡するための研究方法の信頌床 研究方法

研究の実斜

結果の信頌性

困難

高い

容易

䜎い

ランダム化比范詊隓 非ランダム化比范詊隓 コホヌト研究 患者察照研究 症䟋報告 実隓宀の研究 経隓談・暩嚁者の意芋

次に、それぞれの研究方法の具䜓的な内容を簡単に説明したす。 ランダム化無䜜為化比范詊隓

察象者をランダム無䜜為に矀に分け、䞀方には実薬本物、他方には停 薬プラセボを投䞎し、治療の効果を比べる方法です。察象者をランダム無䜜 為に振り分けるこずによっお、その治療法の効果を玔粋に怜蚌するこずができた す。そのため、研究結果の信頌性は䞀番高いずされおいたす。しかし研究の実斜に は倚額の費甚ず長い芳察期間が必芁なため、このデザむンの研究を行うのは簡単で はありたせん。たた補完代替医療の領域においおは、停薬プラセボの蚭定が困 難な堎合が倚く䟋鍌灞・敎骚療法・マッサヌゞなど、補完代替医療の科孊的 怜蚌の際の問題点ずされおいたす。 なお、病院で凊方される医薬品抗がん剀などは、基本的にはこのランダム化 比范詊隓を行っお有効性が認められたものです。

非ランダム化非無䜜為化比范詊隓

ランダム化無䜜為化比范詊隓ず異なり、察象者を振り分ける時にランダム化 無䜜為化を行いたせん。そのため、結果の信頌性はランダム化無䜜為化比 范詊隓に比べおやや劣るずされおいたす。

17


資料線 コホヌト研究

ある集団に察しお、数幎から十数幎の远跡調査を行っお病気の発生を確認し、病 気の原因ずなる可胜性のある芁因喫煙・飲酒などの生掻習慣、食生掻、血液デヌ タなどずの関連性を調べたす。 病気の原因ずなる可胜性のある芁因を最初に調査しおおいお、その埌の远跡調査 で病気の発生ずの関連性を調べる「前向きコホヌト研究」ず、芁因を過去にさかの がっお事埌的埌ろ向きに調査しお、その埌の远跡調査で病気の発生ずの関連性 を調べる「埌ろ向きコホヌト研究」の皮類がありたす。

症䟋察照研究

すでに病気になった人症䟋ず幎霢や性別などの因子をそろえた人察照を 遞び、病気の原因ず考えられる芁因を過去にさかのがっお調査し、䞡者を比范する 方法です。 結果が早く分かるずいう利点がありたすが、適切な察照健康な人などの蚭定 が難しく、たた過去のこずを思い出しおもらうため、研究結果に色々なかたよりが 入り蟌む可胜性がありたす。

症䟋報告

病気に察しおある治療法や予防法が有効であった䞀人、もしくは耇数の症䟋をた ずめお報告したものです。

実隓宀の研究

動物マりス・ラットや培逊现胞を䜿った実隓です。この研究方法による結果 がヒトでそのたた圓おはたるわけではないずいう点に泚意しなければなりたせん。 実際には圓おはたらないこずの方が倚いずいう事を知っおおいおください。

経隓談・暩嚁者の意芋

デヌタの裏付けのない、䞻芳に基づく意芋です。これらは結果の信頌性が䞀番䜎 いのですが、普段、皆さんが耳にしたり目にしたりする機䌚が倚いのは、この経隓 談や暩嚁者の意芋でしょう。このタむプの話題は具䜓的で説埗力があるように感じ るかもしれたせんが、実際には科孊的根拠に基づかない䞻芳的な意芋のこずが倚い ので、冷静に察応する必芁がありたす。なお、経隓談ず症䟋報告はたったく異なる ものですので、経隓談をうのみにしおはいけたせん。 たた、倧孊教授などの暩嚁者や人気テレビ叞䌚者などの意芋も、どのような研究 方法によっお導き出された結果に基づいた発蚀なのかを芋極める必芁がありたす。

がんの補完代替医療の有効性 では、がんの補完代替医療の有効性は珟時点でどこたで明らかになっおいる のでしょうか。がんの専門家が集たっお組織された統合腫瘍孊䌚米囜が 2007幎に「がんの統合医療ガむドラむン」を発衚したした。これは、医療埓 事者向けに䜜成されたものですが、患者さん偎からみおも圹に立぀情報が掲茉 されおいたすので、その䞀郚を衚1119ペヌゞで玹介したいず思いたす。 18


資料線 è¡š11がんの統合医療ガむドラむン患者さん向けに改倉、䞀郚抜粋 掚奚床匷く薊められる質の高い科孊的根拠あり ・がんの痛みに察する鍌灞治療

掚奚床匷く薊められる質の䞭等床の科孊的根拠あり ・䞍安、情緒的な動揺、慢性の痛みなどに察する心身療法総合的な治療の䞀郚ずしお ・攟射線治療に䌎う口内也燥症に察する鍌灞治療 ・抗がん剀や手術の麻酔による悪心や嘔吐に察する鍌灞治療 ・抗がん剀投䞎圓日の悪心や嘔吐に察する電気刺激リストバンド ・健康を維持・増進するために日垞の食事に関する栄逊士などからの栄逊指導

掚奚床匷く薊められる質の䜎い科孊的根拠あり ・䞍安や痛みに察するマッサヌゞ療法総合的な治療の䞀郚ずしお

掚奚床匱く薊められる質の䜎い科孊的根拠あり ・犁煙を助けるための鍌灞治療 ・呌吞困難、疲劎感、抗がん剀による神経障害に察する鍌灞治療 ・手術開胞術埌の患者さんの痛みに察する鍌灞治療

補完代替医療を利甚する際の泚意事項 ・がんの郚䜍、腫倧したリンパ節、手術埌に解剖孊的に歪みがある堎所の近くは、匷い マッサヌゞは避ける ・出血傟向のある患者さんには匷いマッサヌゞは避ける ・゚ネルギヌ療法は安党ではあるが、有効性は限られおいるので掚奚できない ・出血傟向のある患者さんが鍌灞療法を行う堎合は、しかるべき専門家が泚意深く行う ・健康食品の利甚にあたっおは、副䜜甚や他の医薬品ずの盞互䜜甚に぀いお事前にしっ かり調べる ・他の医薬品ずの盞互䜜甚の可胜性が考えられる堎合、抗がん剀、攟射線治療ず䞊行 しお健康食品は䜿わない ・他の医薬品ずの盞互䜜甚の可胜性が考えられる堎合、手術前に健康食品は䜿わない ・手術、抗がん剀、攟射線治療の「代替」になるず宣䌝しおいるような治療法は避ける

なお、このガむドラむンでは特定の健康食品の利甚に぀いおは取り䞊げられお いたせん。぀たり、治療期間䞭もしくは治療が終了し経過芳察䞭のがん患者さ んが、治療目的や再発予防目的に健康食品を利甚するこずは珟段階では確固た る裏付けはないずいうこずになりたす。 19


資料線 しかしそれでも健康食品を利甚したい堎合は、臚床詊隓などに参加するなど 医垫や専門家の管理のもずで利甚すべきずガむドラむンでは指摘しおいたす。 たた、ガむドラむンでは、医療埓事者に向けお「すべおのがん患者さんに察 しお、補完代替医療の利甚の有無に぀いお具䜓的に尋ね、偏芋を持たず根拠に 基づいた患者さん䞭心の話し方で補完代替医療の利点ず限界点に぀いおガむダ ンスを行うべきである」ずしおいたす。ただ、珟状では䞻治医の方から積極的 に補完代替医療に぀いお話がふられるこずはないず思いたすので、患者の皆さ んの方から積極的に問い合わせる必芁があるでしょう。 䞀方で、がんにならないための予防方法を䞭心ずした指針に぀いおも、䞖界 がん研究基金が2007幎に報告曞を発衚しおいたす衚12。皆さんがすでに 聞いたり芋たりしたこずがあるような内容ばかりかもしれたせん。しかし、こ のようなありきたりのこずを日垞的に続けるずいうこずが珟時点では重芁であ るず、この指針では蚎えおいるのだず思いたす。たた、この指針ではがんを 患った人に察しおも同じ内容の取り組みを掚奚しおいたす。 è¡š1210項目のがん予防指針抂略 䞖界がん研究基金の報告曞は、「確実」「おそらく確実」ず刀定された 芁因に基づき、食物・栄逊・運動によるがん予防に関しお、以䞋の10項 目の掚奚を瀺しおいたす。

1. 暙準䜓重を維持し、り゚ストサむズが増えないようにする 2. 毎日30分以䞊の運動をする早歩きのような䞭等床の運動など 座りぐせテレビを芳るなどを枛らす 3. 高カロリヌの食品を控えめにし、糖分を加えた飲料を避ける ファストフヌドなども含む 4. 野菜、果物を1日5品以䞊食べる1日400g以䞊 党粒穀類、豆類を毎日の食事に取り入れる 粟補されたでんぷん食品は控える 5. 肉類を控えめにする鶏肉は陀く、牛・豚・矊など。週500g未満 加工肉ハム・ベヌコン・゜ヌセヌゞ等を避ける 6. アルコヌル飲料を飲むなら、男性は1日2杯、女性は1杯たでにする 1杯はアルコヌル1015gに盞圓 7. 塩分の倚い食品を控えめにする1日6g以䞋 かびの生えた穀類・豆類は食べない 8. がん予防の目的でサプリメントの䜿甚は掚奚できない 9. 生埌6ヶ月たでは母乳で育おるようにする母芪の乳がん予防ず小児の肥満予防 10. がんを患った人は、䞊蚘19の掚奚に埓う たたは専門家から適切な栄逊指導を受ける

20


資料線 3. 補完代替医療の最新情報 ■健康食品 補完代替医療、特に利甚頻床の高かった健康食品は、本圓にがんを予防した り、がんを小さくしたりするこずができるのでしょうか。 先ほど玹介した「がんの統合医療ガむドラむン」衚11で説明した通 り、治療目的や再発予防目的に特定の健康食品を利甚するこずは珟段階では確 固たる科孊的な裏付けはないずいうこずになりたす。 なお、ここでいう「確固たる科孊的な裏付けはない」ずいうこずは、「健康 食品は効果がない」ずいう意味ではありたせん。珟段階では「効果があるのか ないのか分からない」ずいう意味になりたす。 そこで、珟圚欧米諞囜を䞭心に健康食品は本圓に効果があるのかどうか臚床 詊隓を行っお怜蚌する取り組みが始たっおいたす。しかしながら、わが囜では 臚床詊隓はほずんど行われおいたせん。健康食品に察する囜民の関心・期埅は 盞圓倧きいず思われたすので、各補造・販売䌚瀟がそれぞれ臚床詊隓を進める こずはもちろん必芁ですが、臚床詊隓には倚額の費甚がかかる事を考慮する ず、囜の公的研究予算を増やす必芁もあるず考えられたす。 この章では珟時点で明らかになっおいるがんの補完代替医療の孊術論文の報 告状況を玹介しおいきたす。繰り返しになりたすが、今のずころがんの予防や 治療、副䜜甚の軜枛などに関しお、確実に有効性が蚌明された健康食品はあり たせん。ですが今回玹介する埐々に集たり぀぀ある情報をもずに自分なりに考 えお、利甚するのかしないのかの刀断の助けにしおいただけたらず思いたす。 今回、孊術論文を怜玢するにあたっおは、特に断りのない限りPubMed パブメドずいう文献デヌタベヌスを䜿っおいたす。パブメドは、アメリカ の囜立衛生研究所の囜立医孊図曞通の䞀郚門ずしお蚭眮された囜立バむオテク ノロゞヌ情報センタヌが運営しおいる、医孊を䞭心ずする生呜科孊の文献情報 を収集したデヌタベヌスを怜玢するための怜玢゚ンゞンです。むンタヌネット を介しお無料で利甚可胜です。 アドレス

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/

では、がん患者さんに圧倒的に利甚頻床が倚かった健康食品に぀いお、文献 の怜玢結果を玹介しおいきたす。 ここに瀺す情報は玠材に関する情報であり、個々の商品の安党性や有効性を瀺 す情報ではありたせん。 健康食品の堎合、䟋えば同じ「アガリクス」ず名をうった商品であっおも、 メヌカヌによっお補造方法や有効成分の含たれおいる量などが異なっおいたす。 そのため、同じ玠材を䜿った健康食品でも、それぞれの商品ごずに有効性や安党 性に違いが出おくる可胜性がありたす。 今回玹介しおいる情報は、あくたで皆さんが商品を遞択する䞊での䞀぀の目安 参考資料ず考えおください。

21


資料線 ●アガリクス アガリクス茞は孊名をAgaricus blazei、和名はカワリハラタケ慣甚名 アガリクスたたはヒメマツタケずいいたす。日本のがん患者さんの間では、 利甚頻床が高い健康食品のひず぀です。 アガリクスの抗がん効果のメカニズムずしおは、免疫现胞を掻性化する䜜甚 などが知られおいたす。ここで泚意しおほしいのは、それらの倚くが培逊现 胞・実隓動物での研究報告である点です。そのような基瀎的な研究は、アガリ クスの安党性や有効性を評䟡する基ずなるデヌタを集めるための重芁な詊隓で す。しかし、现胞や動物の研究で埗られた結果が、そのたたヒトに圓おはたる かずいえば、必ずしもそうではありたせん。アガリクスの有効性を評䟡する時 には、ヒトでの臚床詊隓の結果が重芁な意味を持぀こずになりたす。

アガリクスの臚床詊隓・安党性 では、ヒトでの臚床詊隓は行われおいるのでしょうか。2008幎3月10日珟 圚たでにパブメドに収茉されおいる論文を怜玢したずころ、ヒトでの研究は ぀報告されおいたした。 䞀぀めは、2004幎に発衚された無䜜為化ランダム化比范詊隓が報告で す。この詊隓では、抗がん剀の治療を受けおいる子宮がん、卵巣がんの患者さ ん100名を、アガリクスずプラセボ停薬を摂取する矀に無䜜為で分け、 アガリクスによる免疫機胜や生掻の質クオリティヌ・オブ・ラむフ QOLぞの圱響を比范怜蚎しおいたす。 その結果、アガリクス摂取矀においおNK现胞を掻性化する効果、抗がん剀 の副䜜甚食欲䞍振、脱毛、党身脱力感などを軜枛する効果に぀いお有効性 が認められおいたす。今埌さらに同様の詊隓が行われ、他の皮類のがんで抗が ん剀の治療を行っおいる時にも同様の結果が埗られるのか埅ち望たれたす。 二぀めは、アガリクスが原因ず思われる健康被害・副䜜甚の報告です。この 報告では、アガリクスが原因ず思われる深刻な肝機胜障害を起こした症䟋が 玹介されおいたす。いずれのがん患者さんも抗がん剀の治療䞭や治療終了埌に 肝臓の機胜の異垞が血液怜査で発芋され、症䟋のうち症䟋に぀いおは䞍幞 にも亡くなられおいたす。 アガリクスの安党性が危惧される報告ですが、すべおのアガリクスが危険ず いう蚳ではありたせんので誀解しないようにしおください。問題なのは、この ような健康被害を起こすような補品が、その他の安党な補品の䞭に玛れおいる ずいうこずです。健康食品で健康被害にあっおしたっおは本末転倒ですが、ア 22


資料線 ガリクスに限らずさたざたな健康食品による同様の健康被害が近幎数倚く報告 されおいたす。そのようなこずを受け、珟圚、厚生劎働省では、アガリクスも 含め、健康食品党般における安党性のガむドラむン䜜成に取り組み始めおいた す。 䞉぀めは、アガリクスをすでに利甚しおいる患者さんぞのアンケヌト調査の 結果です。この報告によるず、アガリクスを利甚しお特定の症状が軜枛するず いうよりも、粟神的および身䜓的な健康感に぀いお有益性を感じおいる人が倚 いようです。アンケヌトの回答者は800名匱ず非垞に倚く、今埌、その他の健 康食品でもこのような調査が行われるこずが期埅されたす。 さらに医孊䞭倮雑誌刊行䌚のデヌタベヌスを甚いお䞻に日本語で発衚された 論文も怜玢したした。がん患者さんの免疫機胜の掻性化やQOLの改善を目的 に行われた臚床詊隓が数件報告されおいたすが、その有効性に関しおは認めた ずする報告ず認めなかったずする報告があり、結果は䞀臎しおいたせん。 たた、いずれのデヌタベヌスにおいおも、がんの瞮小効果や患者さんの延呜 効果を蚌明した報告はありたせんでした。その䞀方で、アガリクスが原因ず思 われる肝炎、肺炎、皮膚炎の健康被害報告が数件ず぀ありたしたので、各補 造・販売䌚瀟は自瀟補品に぀いお、ヒトでの安党性デヌタを蓄積する必芁があ るず考えたす。

 健康食品の盞談に぀いお たれなケヌスですが、医孊博士などの肩曞きを 持った人物が、その暩嚁を利甚しお特定の健康食品などを掚奚した り、販売したりしおいるこずがありたす。 そのような悪質なケヌスにだたされないために、盞談する盞手が どのような人物か、以䞋の぀の点に泚意しおください。 ① 盞談する盞手が、がんの西掋医孊的治療手術、抗がん剀、攟射 線治療に粟通しおいるこずが倧前提です。 ② 盞談する盞手が、がんの西掋医孊的治療を頭ごなしに吊定しおい る堎合は、耳を傟けるべきではありたせん。 ③ 盞談した際、「これを飲めば絶察治る」ずいった断定的な発蚀が 倚い堎合、科孊的な裏付けがあるのか泚意深く確認する必芁があ りたす。 ※䞻治医に健康食品の利甚に぀いお盞談したずき、聞く耳を持っ おもらえなかったり、明らかに䞍機嫌な態床をずられたりした堎 合も、あきらめずにその他の病院スタッフに盞談するなど心掛け おください。誰にも盞談できないような状況の時こそ、䞊蚘のよ うな悪質なケヌスに遭遇しやすくなりたす。 23


資料線 ●プロポリス プロポリスはミツバチが暹朚の新芜、蕟、暹皮などから採取した暹液や色玠 などに、ミツバチ自身の分泌液を混ぜおできた暹脂状の固圢倩然物です。 プロポリスは産地によっお原材料ずなる怍物の皮類が異なるため、その成分 は生産地によっお倧きく異なっおきたす。ですからここで玹介するプロポリス の情報は、玠材に関する情報であり、個々の商品の安党性や有効性を瀺す情報 ではないこずをあらかじめご了承ください。 プロポリスの歎史は叀く、玀元前350幎から利甚され、ギリシャ人は膿瘍 に、アッシリア人は傷や腫瘍の治癒に甚いたずいわれおいたす。䌝承的には 「抗菌䜜甚がある」「炎症を抑える」などず蚀われおいお、䞀郚でヒトでの有 効性が蚌明されおいたすが、限定的なデヌタにずどたっおいたす。 䞀方日本では、プロポリスはがん患者さんに倚く利甚されおいる健康食品の ひず぀です。期埅される有効成分ずしお、クレロダン系ゞテルペン、カフェ酞 フェネチル、アルテピリンなどが知られおいたす。

プロポリスの臚床詊隓・安党性 肝心の抗がん効果に぀いおは、培逊现胞や実隓動物での研究成果がほずんど です。ヒトでの臚床詊隓によっおがんの瞮小や延呜効果を認めたずいう報告 は、2008幎3月10日珟圚たでにパブメドで怜玢したずころ、線もありたせ んでした。 プロポリスの安党性に関しおは、気を付けおおきたい点がありたす。プロポ リスを経口で摂取した堎合、たれですがアレルギヌ反応や口内炎を匕き起こす こずがありたす。これらはハチやハチミツなどに過敏な人に倚いずされおいた す。さらに2005幎にプロポリスを摂取したがん患者さんが、血液透析を必芁 ずする急性腎障害を起こしたず台湟から報告されおいたす。たた、化粧品など も含めプロポリスを倖甚剀ずしお甚いた堎合、接觊性皮膚炎を匕き起こす堎合 がありたす。プロポリスを利甚した際に䜓に合わないず感じたり、䜓調の䞍良 を感じたら䜿甚を䞭止しお、病院や保健所に盞談しおください。 プロポリスはハチの巣から分離しお取り出すため、玔物質を埗るこずは難し いずされおいたす。そのため補品にはハチの巣の副産物が含たれるこずが倚 く、そのこずがプロポリスによる健康被害の䞀因になっおいるのではず考えら れおいたす。 しかし個々の商品の安党性は、利甚された玠材、補造法など商品の品質に倧 きく䟝存しおいたす。そのため、瀟䌚問題化しおいる食品のトレヌサビリティ ず同様、商品の品質管理も極めお重芁な課題であるず思われたす。 24


資料線 ● AHCCはActive Hexose Correlated Compound掻性化された倚糖類関 連化合物の頭文字を取ったもので、厚生劎働省研究班の調査ではキノコ類で アガリクスに次いで日本のがん患者さんに倚く利甚されおいる健康食品です。 の臚床詊隓 早速、ヒトでの科孊的怜蚌の有無に぀いお調べおみたしょう。2008幎3月 10日珟圚たでにパブメドに収茉されおいる論文を怜玢したずころ、ヒトでの 研究は぀報告されおいたした。 たず玹介する論文は関西医科倧孊にお行われた研究で、肝现胞がんの手術埌 の患者さんにAHCCを摂取しおもらい、摂取しなかった人たちず比べお再発 率や生存率に違いがあるかどうか長期間にわたっお芳察しおいたす。 この臚床詊隓の結果の芁点は、以䞋の点です。 䞀぀めは、肝现胞がんが手術で取りきれた患者さんにAHCCを摂取しおも らうず、摂取しなかった堎合に比べおその埌の再発を少なくしたり、生存を延 長したりできる可胜性が瀺唆されたこずです。 二぀めは、詊隓期間䞭に3名の患者さんが軜床の吐き気を理由にAHCCの摂 取を䞭断した以倖には、AHCCによるず思われる副䜜甚はいっさい認められ おいないこずです。この詊隓では、113名の患者さんが最長で9幎間AHCCを 摂取しおいたすので、AHCCは安党に長期間摂取可胜な健康食品ず蚀えるか もしれたせん。 ただ、この報告をもう䞀歩螏み蟌んで読み解いおみるず、いく぀か今埌の課 題が残されおいるこずが分かりたす。この臚床詊隓では、AHCCを摂取する かしないかを患者さんの垌望に任せおいたす。倚数䟋での研究ですが、最も信 頌性の高い無䜜為化ランダム化比范詊隓ではありたせん。たた、なぜ AHCCが患者さんの再発率や生存率に圱響を䞎えたのか、そのメカニズムに ぀いおは今回の詊隓では明らかずなっおいたせん。 たた今回の臚床詊隓の結果は肝现胞がんのデヌタですので、肺がんや倧腞が んなど他のがんに関しおは今のずころAHCCの効果は分かっおいたせん。 次に玹介する論文はタむで行われた研究で、手術などの積極的な治療ができ ず、緩和ケアを受けおいる進行肝现胞がんの患者さん44名を察象に、34名に はAHCCを摂取しおもらい、10名にはプラセボ倖芋䞊は同じでも、AHCC の成分は入っおいない停物を摂取しおもらっお、生存期間や免疫機胜、生掻 の質QOLなどを比范しおいたす。 その結果、AHCCを摂取した患者さんの方がプラセボを摂取した患者さん に比べお生存期間が延長し、生掻の質も改善したした。 今回玹介した研究報告は、がん患者さんを察象にした健康食品の臚床詊隓ず しおは先駆的なものです。今埌さたざたな健康食品で同様の臚床詊隓が行われ 患者さんぞ正確な情報を提䟛できる日が䞀日も早く来るこずが望たれたす。 25


資料線 ●サメ軟骚 日本のがん患者さんに比范的利甚頻床の高い健康食品に、サメ軟骚がありた す。抗がん効果ずしおは動物実隓などから次の぀の可胜性が考えられおいた す。盎接のがん现胞を殺す䜜甚、免疫システムを掻性化する䜜甚、がん組織の 栄逊血管を抑制する䜜甚です。 サメ軟骚の臚床詊隓・安党性 では、ヒトでの科孊的怜蚌はどうでしょうか。2008幎3月10日珟圚たでに パブメドに収茉されおいるヒトの臚床詊隓の論文を怜玢したずころ、぀報告 されおいたした。 䞀぀めは、サメ軟骚の安党性ず有効性を調べるためにさたざたな皮類の進行 がんの患者さん60名を察象に行われたものです。有効性に関しおは、評䟡可 胜な症䟋50䟋䞭10䟋に12週間以䞊の病状安定を認めたしたが、腫瘍が小さく なったり消倱したりした症䟋は1䟋もありたせんでした。安党性に関しおは、 有害事象が21件認められ、そのうち14件が悪心、嘔吐、䟿秘など消化噚症状 でした。この論文の著者らは「サメ軟骚は単独で䜿甚した堎合、抗腫瘍効果は 認められず、生掻の質QOLに関しおもプラスにならない」ず結論付けお いたす。 二぀めは、腎现胞がんの患者さん22名を察象に60ml/日投䞎矀ず240ml/日 投䞎矀で生存率の比范怜蚎を行っおいたす。その結果、240ml/日投䞎矀の方 が60ml/日投䞎矀ず比べお生存期間が延長されたした。この論文の著者らは、 「サメ軟骚は、腎现胞がんの患者さんにおいお高甚量240ml/日の摂取に よっお生存予埌に関しお利益をもたらす可胜性がある」ず結論付けおいたす。 䞉぀めは、乳がん、倧腞がんの患者さんを察象に行われたランダム化無䜜 為化比范詊隓です。抗がん剀などの暙準治療を行う際に、サメ軟骚䜵甚矀 42名ずプラセボ䜵甚矀41名に無䜜為に振り分け、生存率ずQOLの比 范を行いたした。その結果サメ軟骚の有効性を認めるような結果を埗るこずは できたせんでした。この論文の著者らは「サメ軟骚は進行がん乳がん・倧腞 がんの患者さんにおいお有効性は瀺唆されなかった」ず結論付けおいたす。 副䜜甚ずしおは、1996幎にサメ軟骚を摂取しお肝炎を起こした症䟋が䟋 だけ報告されおいたしたが、食品はそもそも耇合化合物なので、粟補方法に よっおその質が倧きく異なるこずを憶えおおくべきでしょう。 なお、サメ軟骚の補品にはカルシりムが倚く含たれおいる堎合がありたすの で、骚転移などで高カルシりム血症になっおいる患者さんは摂取を控えたほう が賢明です。 サメ軟骚は、他の健康食品ず比べおヒトでの臚床詊隓が比范的倚く実斜され おいたすが、がん患者さんぞの有効性は明癜でなく、珟時点では科孊的根拠の 集積段階ずいえたす。 26


資料線 ●メシマコブ メシマコブは、日本や䞭囜などに分垃するキノコで、1968幎に日本の研究 者が動物実隓で抗がん効果を報告しおいたす。挢方ずしおは昔から䜿われおい お、制汗・利尿䜜甚があるずされおいたす。ただし倚量に摂取した堎合、䞋痢 や嘔吐を匕き起こす可胜性がありたすので泚意が必芁です。 メシマコブの臚床詊隓 ヒトでの科孊的怜蚌の有無に぀いお、2008幎3月10日珟圚たでにパブメド に収茉されおいる論文を怜玢したずころ、臚床詊隓やコホヌト研究などの報告 はありたせんでしたが、症䟋報告が件ありたした。 䞀぀めは、前立腺がんの患者さんのケヌスです。ホルモン療法や攟射線療法 などが効かなくなったため、抗がん治療が䞭止されたのに䌎い患者さんが自己 刀断でメシマコブを摂取したずころ、数ヶ月埌に画像怜査で腫瘍が消倱し腫瘍 マヌカヌも正垞になったず報告されおいたす。 二぀めは、肝现胞がんに骚転移が合䜵したケヌスです。頭蓋骚ぞの骚転移に 察しお攟射線治療を行うも効果がなく、その埌の経過を芳察しおいたずころ、 攟射線治療の10ヶ月埌に頭蓋骚の病倉ず肝臓にもずもずあった肝现胞がんの 病倉が䞀緒に瞮小しおいたした。そのため䞻治医が患者さんに聞き取りを行っ たずころメシマコブを攟射線治療開始前から摂取しおいたこずが分かり、メシ マコブの抗がん効果の可胜性に぀いお蚀及されおいたす。 䞉぀めは、肝现胞がんに肺転移が合䜵したケヌスです。この患者さんは病期 が進行しおいたため手術や化孊療法などの治療を受けるこずができず、未治療 のたた自己刀断でメシマコブをヶ月間摂取しおいたした。そしおヶ月埌に 画像怜査をしたずころ、肝臓ず肺の腫瘍が消倱したず報告されおいたす。 ここで今回玹介した症䟋報告ずいう圢匏の孊術論文に぀いお、改めお解説を 加えたいず思いたす。 症䟋報告は、ある治療法がよく効いたケヌスや非垞に皀なケヌスが報告さ れ、その埌、類䌌の病態を瀺した患者さんの蚺断・治療の情報源ずしお圹立お られおいたす。ですが症䟋報告で埗られる情報からは、メシマコブががん患者 さんに察しおどれくらいの確率でどれくらいの効果があるか刀断するこずはで きたせん。しかも症䟋報告の堎合、偶然起きた珟象を過倧に評䟡しおしたう可 胜性がありたす。 䟋えば、肝现胞がんは䞇10䞇䟋に䟋の割合で自然にがんが消倱する こずが過去の調査で分かっおいたす。ですから、二぀めず䞉぀めの報告に関し おは、メシマコブを摂取しなくおも起こった珟象かもしれたせん。 ただし、症䟋報告が契機ずなっお新しい治療法が発芋されるこずもありたす ので、貎重な情報であるこずに倉わりはありたせん。今埌、メシマコブに぀い おさらに科孊的に解明するためには、ヒトでの倧芏暡臚床詊隓が行われるこず が必須であるず考えたす。 27


資料線 ●たずめ がん患者さんによく利甚されおいる健康食品の キチン・キトサン、レむシ、りコン、クロレラ、 フコむダンに関しおも同様に、米囜立医孊図曞通 のデヌタベヌスパブメドを甚いお、抗がん効果 を怜蚎した臚床詊隓が行われおいるかを調べたした。 その結果、健康食品の摂取によっおがん患者さんの免疫機胜が掻性化された り、がんに䌎う症状や抗がん剀の副䜜甚が軜枛されたりする効果を怜蚎しおい る臚床詊隓結果が数件あり、その有効性も䞀郚の健康食品では認められおいた した。しかし、健康食品の摂取だけでがんが瞮小した、もしくは生存が延長し たずいうこずをヒトで蚌明した臚床詊隓は、いずれの健康食品においおも怜玢 されたせんでした。 ですから今のずころ、健康食品は暙準的がん治療に察する補完的な意味合い が匷く、健康食品の抗がん効果に過倧な期埅を抱くこずには泚意が必芁です。 しかし近幎、補完代替医療、特に健康食品の有効性を科孊的に蚌明しようず する機運ずずもに、有効成分の同定やヒト臚床詊隓が、欧米を䞭心に各囜で行 われ始めおいたす。そのような流れの䞭、健康食品の摂取による健康障害や、 健康食品ず医薬品ずの盞互䜜甚に関しおも報告され始めおいたす。

そこで、健康食品の利甚に関しお、絶察に芚えおおいおほしい泚意点を取り 挙げたす。 健康食品は、身䜓の䞭で薬ず同じような働きをする可胜性がありたす。 健康食品は、身䜓の䞭で他の薬の働きに圱響を及がす可胜性がありたす。 たた、この二぀に䜵せお、「倩然物質、食品・食物だからずいっお、それは 安党であるこずを意味しおいるわけではない」ずいうこずも頭に入れおおくべ きです。 健康食品の「食品」ずいう単語の䞭には「食べるものそんなに危険なもの ではない」ずいった安心感が存圚しおいるかもしれたせん。䞀方で、その食品 が持぀健康や病気に察する効果・効胜ずなるず、雑誌やむンタヌネットなどで は、あたかも薬かそれ以䞊の効果・効胜に近いこずが、䜕の怜蚌もなされず挫 然ず掲茉されおいたす。 そしお、がん患者さんの䞭には「医薬品副䜜甚を有する危険なもの、健康 食品食べ物だから副䜜甚がなく、どれだけ摂取しおも倧䞈倫」ずいった誀解 を抱いおいる堎合も芋受けられたす。その結果、珟代西掋医孊を完党に吊定 し、科孊的根拠のない治療法を遞択しお䞍幞な結果になるこずだけは、絶察に 避けなければなりたせん。 28


資料線 ■プロバむオティクス プロバむオティクスずは 人間の腞内には倚皮倚様な数倚くの现菌が䜏み着いおいたす。そしお、食べ 物の消化吞収を助けたり病気を匕き起こす菌が増えるのを防いだりしお健康に 良い働きをする善玉菌ず、食べたものを腐らせたり腞内腐敗発がん関連物 質を生みだしたりしお健康に有害な働きをする悪玉菌が絶えず勢力争いを行っ おいお、このバランスが人間の健康状態を巊右しおいるこずが最近の研究で分 かっおきたした。぀たり、健康な生掻を営むためには、腞内の现菌バランスが よく保たれおいるずいう事が重芁ずいうこずになりたす。 そこで登堎したのがプロバむオティクスずいう考え方です。プロバむオティ クスずは、「腞内フロヌラ腞管内に生息しおいる埮生物矀のバランスを改 善するこずにより、宿䞻人間などに有益な䜜甚をもたらす生きた埮生物」 ず定矩されおいたす。぀たり、䜓内の善玉菌を増やしお腞内现菌のバランスを 保ち、病気になりにくい䜓を䜜る予防医孊の考え方です。 こう聞いお䜕か新しい未知の埮生物のこずを想像した方もいるかもしれたせ んが、ペヌグルト、味噌、醀油、ぬか挬け、キムチ、チヌズなどの発酵食品に 含たれおいる乳酞菌などがプロバむオティクスの代衚的な菌になりたす。 プロバむオティクスの臚床詊隓 プロバむオティクス乳酞菌などは、人類にずっお長い食経隓があり、た た健康な人の腞にもずもず存圚する菌ですから安党性は保蚌されたものになり たす。有効性に぀いおは、最近になっおヒト臚床詊隓によっお科孊的に蚌明さ れるようになっおきたした。がん治療におけるプロバむオティクスの期埅され る圹割は、敎腞䜜甚による抗がん剀や攟射線治療の副䜜甚䞋痢の軜枛、免 疫調節䜜甚による手術埌の感染症予防や再発予防などが䞻なものになりたす。 ヒト臚床詊隓でプロバむオティクスの有効性が蚌明されたものを衚13に瀺し たす。 è¡š13がん治療におけるプロバむオティクス 衚圚性膀胱がん手術埌の抗がん剀ずの䜵甚による再発予防効果 倧腞がんの抗がん剀治療5-FUによる重床の䞋痢症状の軜枛効果 膵臓がん手術埌の合䜵症感染症予防効果 腹郚骚盀郚ぞの攟射線治療による䞋痢症状の軜枛効果 ※2008幎6月3日珟圚たでにパブメドに収茉されおいるヒト臚床詊隓の論文のうち関連し おいるものを䞀郚抜粋・芁玄。䞊蚘の他、免疫機胜を向䞊させたずの論文も耇数報告され おいるが、がん患者さんの蚎えや合䜵症ずは盎接関連がないため衚には掲茉しおいない。

さらに近幎、プロバむオティクスを腞内で増やしたり掻性を高めたりするこ ずを目的にオリゎ糖、ラクトフェリン、食物線維などを摂取する方法もあり、 29


資料線 これをプレバむオティクスずいいたす。さらに、プロバむオティクスずプレバ むオティクスの䞡者の混合物を摂取する、シンバむオティクスずいう抂念も提 唱されおいたす。 プロバむオティクスの泚意点 プロバむオティクスは、発酵乳・乳酞菌飲料、生菌補剀などずしお既に補 造・販売されおいるものが倚くありたす。補品に含たれおいる栄逊玠や成分は 補品ごずに異なりたすので、がんの治療䞭に利甚するずきは医垫や栄逊士など に必ず盞談しおください。たた、プロバむオティクス補品で、垂販の乳酞菌飲 料などよりも、かけ離れお高額な商品に぀いおは、詐欺的な販売を行っおいる 業者の可胜性もありたすので泚意が必芁です。 プロバむオティクスにはいろいろな菌がありたすが、その効果は菌の皮類に よっお異なりたす。さらにヒトずプロバむオティクスずは盞性があり、ある人 にずっお良いプロバむオティクスであっおも他の人には効果がないずいうこず もあるので、䞡者の盞性の関係を明らかにする必芁もあるず考えられおいた す。プロバむオティクスの研究はいただ未知の郚分が倚く残されおいたすが、 安党で安䟡なプロバむオティクスが、今埌がんの医療珟堎で有効に掻甚される 日が来るかもしれたせん。



健康情報のトリック。 宣䌝広告の䞉段論法に泚意

健康情報を読者に信じ蟌たせるトリックの代衚的な ものずしお、事実ず事実の぀なぎ合わせによっお、ただ蚌明されおい ないこずをあたかも本圓のこずのように宣䌝する䞉段論法ずいう方法 がありたす。 具䜓的な䟋を挙げおみたしょう。 ■「免疫を掻性化するずがんを治療できる」「健康食品は免疫を 掻性化する」、ゆえに「健康食品はがんを治療できる」 ■ 「掻性酞玠はがんの原因」「健康食品は掻性酞玠を消去できる」、 ゆえに「健康食品はがんを予防できる」 ずいった具合です。しかし、そんな単玔に考えおはいけたせん。ヒト の䜓は非垞に耇雑な仕組みで成り立っおいお、ただ解明されおいない こずがたくさんありたす。ですから「健康食品はがんを予防・治療で きる」ずいうこずが個別にヒト臚床詊隓で蚌明されなければ、それは あくたでも仮説でしかありたせん。 そのような䞭、プロバむオティクスは、ヒト臚床詊隓によっおその 効果が盎接蚌明され぀぀ある数少ない食品であるず思われたす。

30


資料線 ■アロマセラピヌ アロマセラピヌずは アロマセラピヌずは、芳銙性のある粟油゚ッセンシャルオむルを甚い お、その銙りを楜しんだり、リラクれヌションを埗たり、さらに病気の治療や 症状の緩和などに利甚される治療法です。 具䜓的な方法ずしおは、銙りをかぐ芳銙济、粟油を入れたお湯に䜓を浞ける アロマバス、粟油を垌釈しお盎接䜓に塗ったり湿垃を貌ったりする方法、さら には粟油を甚いたマッサヌゞアロママッサヌゞなどがありたす。 アロマセラピヌががんの治療に甚いられる目的ずしおは、がん患者さんの心 理状態、特に䞍安感やう぀症状などの粟神的症状の改善効果、たた、がんに䌎 う痛みなどの身䜓的症状の改善効果、抗がん剀や攟射線療法の副䜜甚を軜枛す る効果などです。決しお、がんが瞮小したり消倱したりするこずはないず考え たほうがよいでしょう。 アロマセラピヌのメカニズム アロマセラピヌの有効成分である粟油゚ッセンシャル オむルは次の぀の経路から䜓内に入り、その薬理䜜甚 を発揮したす。 ① 錻腔内でにおい・銙りずしお神経系に䜜甚する。 ② 皮膚から盎接吞収され局所に䜜甚したり、吞収された 成分が血流にのっお神経系や内分泌系など党身的に䜜甚したりする。 ③ 気道などの粘膜から吞収され局所に䜜甚したり、吞収された成分が 血流にのっお神経系や内分泌系など党身的に䜜甚したりする。 アロマセラピヌずいうず、においや銙りをかぐだけず思われおいる方も倚い かもしれたせんが、アロママッサヌゞなど盎接肌に觊れる堎合やアロマバスな どを甚いおアロマセラピヌを行った堎合は、皮膚や粘膜からも吞収され効果を 発揮するこずを知っおおいおください。 アロマセラピヌの臚床詊隓 アロマセラピヌが、がん患者さんの生掻の質QOLを改善するかどうか を怜蚎する臚床詊隓は、比范的倚く行われおいたす。 その結果、緩和療法䞭の進行がんの患者さんでは、マッサヌゞアロマオむ ルなしのみを行った堎合ずアロママッサヌゞを行った堎合ずで、粟神症状や 身䜓症状の改善効果を比范したずころ、アロママッサヌゞの方がマッサヌゞの みよりも、より改善効果を認めたずの報告がありたす。 たた、乳がん手術埌の患者さんにアロママッサヌゞを行い、䞍安感が軜枛し たずの結果もありたす。 このように皮々のがん患者さんにおいお、アロマセラピヌを行うこずによっ お生掻の質を改善する可胜性があるこずが分かりたす。しかし、有効性を認め なかったずする報告もあり、今埌さらなる怜蚎が必芁ず思われたす。 31


資料線 アロマセラピヌの泚意点 アロマセラピヌを利甚する堎合、いく぀か気を付けたい点がありたす。 たず䞀぀は、アロマセラピヌで甚いる粟油に関するこずです。粟油の䞭には 女性ホルモンの゚ストロゲン様䜜甚をもっおいる特殊なものがありたす。女性 ホルモンが悪圱響を及がす可胜性のある乳がんや子宮䜓がんの患者さんは、そ のような粟油の利甚を避けたほうがよいでしょう。 たたアロマセラピヌで甚いる粟油によっおは、たれに皮膚の障害が起きるこ ずがありたす。アロマセラピヌを行った時、皮膚がヒリヒリしたり赀くなった り痒くなったりした堎合は、利甚を控えたほうがよいでしょう。 いずれにしおも、治療目的にアロマセラピヌを利甚する堎合は、専門知識・ 技術のある人に盞談しながら行いたしょう。

 補完代替医療ずヒト臚床詊隓 アロママッサヌゞを行ったずき、銙りをかいで気持ちが萜ち 着いたり、マッサヌゞをしおもらっお痛みが和らいだりするこず がありたす。しかしアロマオむルの銙りには人によっお奜き嫌い もありたすし、マッサヌゞの匷さも人によっお奜みがあるず思いたす。そのため、 アロママッサヌゞの効果をヒト臚床詊隓で客芳的に数倀で評䟡しようずするず正確 に評䟡するこずが難しい堎合がありたす。ですが、ヒト臚床詊隓をしなくおもいい ずいう蚳では決しおありたせん。 珟圚、皆さんが病院で受けおいる医療は、そのほずんどすべおが科孊的根拠に基 づいた医療EBMです。暙準治療ずいわれるこずもありたす。暙準治療の「暙 準」ずいう蚀葉に察しお「普通の」「䞊の」ずいう誀ったむメヌゞをお持ちの方も いるかもしれたせんが、EBMに基づいた暙準治療は、珟圚分かっおいる䞭で最高 の医療ずいうこずになりたす。珟圚、さたざたな補完代替医療に関しお䞖界各囜で ヒト臚床詊隓が行われおいお、今埌、有効・無効が埐々に明らかになっおいくず思 われたす。

 なぜヒト臚床詊隓が重芁なのか 補完代替医療に関しお皆さんがよく芋たり聞いたりするのは経隓談の類だず思い たす。しかし経隓談には以䞋のような欠点がありたす。 ■経隓談は自分が経隓したこずを思い出しながら曞きたす。そうするず思い違いや 重芁なこずを忘れおしたっおいる可胜性がありたす。 ■経隓談を曞いおいる人は、もしかしたら抗がん剀や攟射線治療も受けおいるかも しれたせん。 ■たたたた偶然効果があった人が経隓談を曞いおいお、効果のなかった人が䜕人ぐ らいいるのか、経隓談からはたったく分かりたせん。 ■悪質なケヌスでは、ゎヌストラむタヌが経隓談をでっち䞊げおいたずいう事䟋も ありたす。 ヒト臚床詊隓では、このような欠点を解決するために緻密な蚈画のもず医垫の管 理䞋で行われたす。さらにそれを孊術論文ずしお発衚する堎合、第䞉者的な立堎の 専門家から客芳的な批評を受けお評䟡に堪えうるもののみが公衚されおいきたす。 ですから、経隓談を目にした時は、このようなこずを念頭においお情報ずしお は参考皋床にずどめおおくべきです。

32


資料線 ■挢方薬 挢方薬ずは 日本では、挢方薬は医療甚挢方゚キス補剀ずしお 保険適甚が認められ、通垞医療で利甚されおいたす。 たた、医療甚挢方゚キス補剀は医薬品ずしお補造されおいるため、原材料の栜 培・採取から補造工皋に至るたで厳密な管理が行われおいたす。ですから、医 薬品である挢方゚キス補剀は、補品の安党性や品質管理が補造・販売䌚瀟に よっお保蚌されおいるこずになりたす。たた、挢方生薬も玄150皮類が保険適 甚になっおおり、生薬単䜍での凊方が可胜です。さらに、最も倧事なこずです が、これらは医療者の管理䞋においお治療に甚いられおいたす。 これ以倖に保険適甚になっおいない「抗がん挢方薬」の類も非垞に倚数あり たす。それらぱキス剀になっおいたり、たた生薬のこずもありたす。ただし これらの補剀の効果・安党性はただ確立されおおらず、補品の安党性の怜蚌や 品質管理はたちたちで、ピンからキリたであるこずを知っおおく必芁がありた す。 䞀方、欧米においお挢方薬は、ハヌブ・食品ずしお補完代替医療に分類され おいたす。しかし最近、米囜では挢方薬の有効性を蚌明するため、わが囜の医 療甚挢方゚キス補剀を甚いた臚床詊隓が進行䞭で、挢方薬は海倖においおも泚 目を集めおいるず蚀えたす。 それでは、がん患者さんが挢方薬を利甚するにあたっお知っおおきたい点を いく぀か挙げおみたしょう。 ① 䜕か自芚症状があった堎合、その原因が西掋医孊的にずらえるこずが可 胜で、か぀有効な手段があれば、たずそれを考慮すべきです。 ② 西掋医孊で根本的な治療方法がない堎合は、察症療法・支持療法ずしお 挢方薬が効力を発揮する堎合も倚くありたす。 ③ 珟時点では、がん现胞を盎接殺傷するような挢方薬はありたせん。 ④ 基本的に挢方薬は、投䞎方法が口から内服する経口投䞎のみである ので、挢方薬を利甚できる患者さんは経口投䞎が可胜であるこずが前提 条件になりたす。さらに、倚くの挢方薬は腞内现菌によっお修食される こずで効果が出珟するこずがあるために、消化噚胃や腞の手術の既 埀、抗生剀の投䞎などによっお挢方薬による反応に個人差が出おくる可 胜性がありたす。 以䞊をたずめたすず、挢方薬は、がんの治療に関しおは西掋医孊に察する補 完的な䜍眮付けずしお考えるのが劥圓だず思われたす。しかし、西掋医孊ず挢 方医孊のどちらが優れおいるずいうこずではなく、それぞれの良いずころを状 況に合わせお利甚するこずが重芁です。 挢方薬の臚床詊隓 近幎、ヒト臚床詊隓によっお、挢方薬医療甚挢方゚キス補剀の効果も科 孊的に蚌明され぀぀ありたす。がん治療における挢方薬に期埅されおいるの圹 割は再発・転移の抑制予埌の改善、化孊療法・攟射線療法の副䜜甚軜枛、 33


資料線 生掻の質QOLの改善が䞻なものになりたす。近幎たでに臚床詊隓によっ お、効果が蚌明されおいる医療甚挢方゚キス補剀医薬品ずその察象ずなる 疟患や症状等に関しおたずめたものを、衚14に瀺したす。 è¡š14がん治療における挢方薬文献より䜜成 愁蚎・合䜵症など

挢方薬

腞閉塞癒着障害、術埌腞管運動麻痺

倧建䞭湯だいけんちゅうずう

リンパ浮腫

牛車腎気䞞ごしゃじんきがん

胃がん術埌の逆流性食道炎

六君子湯りっくんしずう

抗がん剀塩酞むリノテカンによる䞋痢

半倏瀉心湯はんげしゃしんずう

抗がん剀パクリタキセルによる筋肉痛・関節痛

芍薬甘草湯しゃくやくかんぞうずう

肝炎りむルスによる肝硬倉に察する肝现胞がん 予防効果

十党倧補湯じゅうぜんたいほずう

進行胃がんの術埌補助化孊療法における 5-FU 経口剀ずの䜵甚による生存率改善

十党倧補湯じゅうぜんたいほずう

文献 瀟日本東掋医孊䌚EBM特別委員䌚線集『挢方治療゚ビデンスレポヌト 第版 ヌRCTを䞻にしおヌ 䞭間報告2007 ver.1.1』2008幎

挢方薬の泚意点 挢方薬は、怍物、動物、鉱物などの生薬を組み合わせたものです。倩然由来 の生理掻性物質ずいうこずもあり、副䜜甚がないず思われおいるかもしれたせ んが、医療甚挢方゚キス補剀も医薬品である以䞊、副䜜甚やその他の薬ずの盞 互䜜甚には気を付けなければならない点があるこずも芚えおおいおください。 たた、挢方には「瞑眩めんげん」ずいう蚀葉がありたす。これは、病気の 治癒過皋で䞀時的に症状が匷くなったり、思わぬ副䜜甚が生じたりするこずを いいたす。この反応は長くおも1週間皋床で、それほど重節なものではありた せん。この反応を郜合のいいように解釈し、明らかに副䜜甚が出たり、病気が 悪化したりしおいるのに「これは瞑眩だから良くなっおいるのですよ」ず患者 さんを欺いお、高䟡な商品を売り぀ける業者には十分泚意したしょう。 医療甚挢方゚キス補剀の効果はあくたで補助療法の範囲にずどたりたす。こ れに察しお、より匷い䜜甚抗がん䜜甚などを垌望する堎合は、特殊な挢方 薬や生薬凊方保険未収茉薬も含むが必芁になりたす。しかし、先ほども述 べたように効果も安党性もただただ確立しおいたせん。最近では個人茞入やむ ンタヌネットなどで色々な挢方薬が手に入りたす。ただ、安党かどうかの確認 は、基本的に賌入者自身が行わなければなりたせん。その利甚にあたっおは補 造元に確認を取るなどの慎重な行動が必芁です。そしお、情報が十分に確認で きない堎合や安党性に関しお疑わしい点がある堎合には、賌入を芋合わせるこ ずも考慮すべきでしょう。医療甚挢方゚キス補剀以倖の挢方薬を垌望する堎合 は、挢方に習熟した医垫に蚺察・蚺療しおもらう必芁がありたす。 34


資料線 ■鍌灞 鍌灞ずは 鍌灞しんきゅう治療ずは、鍌はりを䜓に接觊たたは刺入したり、艟 もぐさを䜓の䞊で燃焌させたりする治療法で、経穎けいけ぀いわゆる ツボを䜿った治療ずしお2000幎以䞊の歎史がありたす。 経穎は、経絡䞊に䜍眮しおいお、その数は䞖界保健機関WHOで361ç©Ž ず定められおいたす。経穎の倚くは、筋肉の間、関節や骚の陥凹郚、動脈の拍 動郚や分岐郚、神経線維や血管が密集しおいるずころなどに存圚しおいたす。 日本における鍌灞治療の歎史は叀く、最近の調査でも日本人の割の人 が䞀生のうち䞀床は鍌灞治療を受けたこずがあるずされおいたす。たた、䞖界 的にも110カ囜以䞊の囜々で鍌灞治療は実践されおいお、それぞれの囜で資栌 制床も敎備され぀぀ありたす。 鍌灞治療の目的は、がん患者さんにおける痛みや息切れなどの身䜓症状の軜 枛、心理的・粟神的苊痛の軜枛、生掻の質QOL党般の改善、化孊療法の 副䜜甚である吐気や嘔吐の軜枛、手術埌の腞閉塞の予防、乳がん治療の副䜜甚 である顔面玅朮・のがせの治療などずなっおいたす。 臚床詊隓は䞖界各囜で倚数行われおおり、その結果によっおは、鍌灞治療が がんの医療珟堎に通垞医療ずしお取り入れられる日が来るかもしれたせん。 たた基本的な考え方ずしお、鍌灞治療は特定の病気や疟患に察しお治療を行 うのではなく、痛み、こり、むくみ、冷え、しびれなどさたざたな身䜓的症状 を緩和したり陀去したりするこずを目的ずしおいたす。ですからがんに関しお は、がんを瞮小させたり消倱させたりするこずは決しおありたせん。あくたで も、珟代西掋医療を補完する治療ずいうスタンスで行うべきです。 鍌灞治療の臚床詊隓 数倚くの臚床詊隓が行われおいたす。その結果、抗がん剀治療の副䜜甚であ る嘔気や嘔吐の軜枛効果や神経症状を和らげる効果があるず報告されおいた す。たた、嘔気や嘔吐は手術埌の患者さんにも有効であったずのこずです。さ らに、痛みなどの症状を改善し、がん患者さんの生掻の質QOLの向䞊が 認められたずの報告もありたす。 ただし、抗がん剀治療における嘔気・嘔吐の軜枛効果は、早期のものには有 効であったが、遅延性のものでは効果がなかったずされ、鍌灞治療に関しおも さらなる臚床詊隓を行う必芁がありたす。 鍌灞治療の泚意点 鍌灞治療、特に鍌治療においお気を付けおおかなければならない点を取り䞊 げたす。鍌を刺す鍌治療では、たれに出血あるいは内出血するこずがありたす が、健康な人であれば問題ずなるこずはほずんどありたせん。しかし、抗がん 剀治療をしお出血を止める现胞の血小板が少なくなっおいる堎合や、がんが進 行しお出血しやすい状態の堎合には、鍌治療を行う際に泚意が必芁です。圓 然、専門資栌を持った斜術者に鍌治療をしおもらうこずが重芁です。 35


資料線 ■運動゚クササむズ 運動゚クササむズの重芁性 健康な人にずっお日垞生掻においお適床な運動をするこずは、がんの予防に 察しお良い圱響を及がすこずが耇数の疫孊調査で明らかずなっおいたす。 先に玹介した、䞖界がん研究基金によっお2007幎に発衚された「10項目の がん予防指針」衚1220ペヌゞ参照においおも10項目のうち、項目は 運動習慣に関連するこずになっおいたす。繰り返しになりたすが、その項目 を抜粋したす。 ① 暙準䜓重を維持し、り゚ストサむズが増えないようにする ② 毎日0分以䞊の運動をする早歩きのような䞭等床の運動など 座りぐせテレビを芳るなどを枛らす なおこの指針では、がんを患った人にも日垞生掻の習慣ずしお、同じこずを 掚奚しおいたす。 運動゚クササむズの臚床詊隓 では、すでにがんず蚺断された人にずっお、運動はどのような意味があるの でしょうか。 たずは、適床な運動が、がんの再発を予防できるのかどうかに぀いおです。 最近の倧芏暡疫孊調査によっお、がんの蚺断埌に積極的に運動しおいる人の 方が、そうでない人に比べお、がんの再発が抑制されたり、生存が延長したり する可胜性があるこずが明らかずなっおきたした。具䜓的な運動量の目安は、 週間に時間のりォヌキングに盞圓する量が掚奚されおいたす。時間 のりォヌキングを基準ずした堎合、その他の運動がどれくらいに盞圓するかを è¡š15に瀺したす。 è¡š15運動量の換算衚 項 目

1時間圓たりの換算倀

普通の速床のりォヌキング玄3.24.7km/時間

1

早足のりォヌキング玄4.86.3km/時間

1.3

非垞に早足のりォヌキング6.4km/時間 以䞊

1.5

ゞョギング1.6km/10分よりゆっくり

2.3

ランニング1.6km/10分より早い

4

サむクリング

2.3

テニス、スカッシュ、ラケットボヌル

2.3

スむミング

2.3

柔軟䜓操、スキヌ、階段昇降、有酞玠運動゚アロビクス

2

ペガ、ストレッチ、軜い運動

1

その他、積極的な掻動草刈りなど

2

36


資料線 がんの治療が終了した患者さんの䞭には、安静にしお䜓力を消費しない方が よいず考えたり、極力倖出せず、重たいものを持たないなど実践したりする人 がいたす。たた、患者さん本人ではなく、家族がそのような生掻を指瀺しおい るような堎合もありたす。 なお、珟圚たでに運動が再発を予防するず報告された調査結果で察象ずなっ たがんの皮類は、乳がんず倧腞がんのみになりたす。その他のがんの患者さん においおも同様の結果が埗られるのか、今埌の報告が埅たれたす。 さらに、適床な運動ががん患者さんの生掻の質QOLを改善したり、粟 神的なストレスを軜枛させたり、免疫機胜を掻性化させたりする効果があるこ ずも、耇数の臚床詊隓で確認されおいたす。このような効果が、がんの再発を 予防したり、がん患者さんの生存を延長したりするこずに圱響しおいるのでは ず掚枬されおいたす。 たた、乳がんや前立腺がんなどでは、ホルモン治療の副䜜甚ずしお筋力の䜎 䞋や骚密床の䜎䞋が起こり、その結果骚折を起こしやすいこずが知られおいた す。これらの予防のためにも、積極的な運動、特に筋力トレヌニングの有効性 が、近幎泚目されおいたす。 がん患者さんにずっお、適床に運動したり筋力トレヌニングをしたりするこ ずは、奜圱響はあったずしおも悪圱響は少ないものず思われたす。 運動゚クササむズの泚意点 最埌に、運動を行うにあたっおの泚意点 に぀いお取り䞊げたいず思いたす。 狭心症や心筋梗塞など心臓機胜に障害のあ る人や喘息や慢性呌吞噚疟患など呌吞機胜に 障害のある人は、どの皋床の運動なら行っお も倧䞈倫かなど、医垫に盞談した䞊で、運動 メニュヌを決めおいったほうがよいでしょう。 たた、進行した末期がんの患者さんや食欲 が萜ちお極床に栄逊状態の悪い患者さんなど も、医垫ず盞談の䞊、運動を行っおもよいか どうかを決める必芁があるず思いたす。

この項では『「がんに効く」民間療法のホント・り゜』䜏吉矩光・ 倧野智著䞭倮法芏出版、2007幎を参考図曞ずしお䞀郚内容を 匕甚しおいたす。

37


資料線 このガむドブックを通しお、補完代替医療に関しお 正確に理解を深めおいただきたいず思いたす。 今埌、がん患者さんがより良い医療を受けるために このガむドブックが少しでもお圹に立぀こずができれ ば幞いです。

参考ずした資料 【文献・図曞】 Hyodo I, Amano N, Eguchi K et al: Nationwide survey on complementary and alternative medicine in cancer patients in Japan. Journal of Clinical Oncology 23: 2645-2654, 2005. Hirai K, Komura K, Tokoro A, et al: Psychological and behavioral mechanisms influencing

the use of complementary and alternative medicine (CAM) in cancer patients. Annals of Oncology 19:49-55, 2008. Deng GE, et al:Integrative Oncology Practice Guidelines. Journal of the Society for Integrative Oncology 5: 65-84, 2007. Food, Nutrition,Physical Activity,and the Prevention of Cancer:a Global Perspective. (World Cancer Research Fund), The American Institute for Cancer Research, 2007. 「がんに効く」民間療法のホント・り゜ -補完代替医療を怜蚌する 䜏吉矩光・倧野 智著䞭倮法芏出版、2007. 【りェブサむト】 厚生劎働省ホヌムペヌゞ健康補助食品等の安党情報、健康被害情報など http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/index.html 囜立健康・栄逊研究所健康補助食品等の安党性・有効性デヌタベヌス http://hfnet.nih.go.jp/ 内閣府 食品安党委員䌚 http://www.fsc.go.jp 日本補完代替医療孊䌚ホヌムペヌゞ http://www.jcam-net.jp/ 囜立病院機構四囜がんセンタヌ ホヌムペヌゞ内 http://www.shikoku-cc.go.jp/kranke/cam/index.html 金沢倧孊 補完代替医療孊講座 http://web.kanazawa-u.ac.jp/~med67/index.html 米囜囜立補完代替医療センタヌNCCAMホヌムペヌゞ英語 http://nccam.nih.gov/ がん補完代替医療局OCCAMホヌムペヌゞ米囜囜立がん研究所内 英語 http://www.cancer.gov/cam/

38


執筆分担者・執筆協力者アむり゚オ順 䌊藀壜蚘 倧阪倧孊 今西二郎 京郜府立医科倧孊 内垃敊子 兵庫県立倧孊 倧坂 巌 静岡県立がんセンタヌ 倧野 智 金沢倧孊 䜏吉矩光 四囜がんセンタヌ 所 昭宏 近畿䞭倮胞郚疟患センタヌ 奈良林至 埌玉医科倧孊 兵頭䞀之介筑波倧孊 平井 啓 倧阪倧孊 楊河宏章 埳島倧孊 吉村耕治 京郜倧孊

レむアりト・むラスト 倧野 智 金沢倧孊 袎田旬子 金沢倧孊 wanpug

このガむドブックに関するご意芋・ご感想は、䞋蚘たでお願いしたす。

厚生劎働省がん研究助成金課題番号17-14 「がんの代替療法の科孊的怜蚌ず臚床応甚に関する研究」班 䜏吉矩光䞻任研究者 連絡先 〒791-0280

愛媛県束山垂南梅本町甲160 囜立病院機構 四囜がんセンタヌ 泌尿噚科 電話089-999-1111 FAX089-999-1100 E-mailysumiyos@shikoku-cc.go.jp

倧野 智分担研究者 連絡先 〒920-8640

石川県金沢垂宝町13-1 金沢倧孊倧孊院医孊系研究科 補完代替医療孊講座 電話076-265-2147 FAX076-234-4247 E-mailsatoshio@med.kanazawa-u.ac.jp

䜜成日2008幎7月


Issuu converts static files into: digital portfolios, online yearbooks, online catalogs, digital photo albums and more. Sign up and create your flipbook.