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状況のデザイン いまテーブルの上にあなたの家のリビングの模型があるとする。 さてこの模型と実際の部屋との違いはな んだろうか。 素材、 スケール、 精度、 機能。 これらの点はもちろん異なってはいるが、 しかし確固たる違いではないよ うにも思える。 たとえば子供用の椅子が小さいように、 遊具の中に彼らしか知らない空間が広がっているように。 もしかしたらその部屋は小人のためのリビングとして存在し得るのかもしれない。 では、 そこに無いものとはなにか。 それは人の存在とその人の行為によって生ずる生活など種々の状況であるといえるかもしれない。

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facet of architecture


状況を観察する

状況をつくる

状況を設計する

01 建築が目指すものはある人( 人々) に対して特定の「 状況をつくりだすもの」 と言える。 02 状況は空間を含めたモノ世界と、 そこで行われる行為であるコト世界によってつくられている 03 建築的行為( 設計などによる建築的環境の実施) はつねにプラグラム建築やダイアグラム建築な どという言葉があるように、 コトを対象としながらも、 コトには踏み込まず、 そのコト世界に対して投企的 態度( 担い手にまかせてしまう) をとってきた、 04 そのことによって多くの建築的空間が活力をうしなっているように思えるにもかかわらず、 これまでモ ノをつくることが建築的行為の限界のようにかんがえられてきた。 05 ここで私は建築的行為=「 モノ」 とそこで行われる行為=「 コト」 の両方を等しく、 よい状況をつく りだすための手法だと私は考え、 そのふたつの 世界に同時にかかわろうとした。 06 その時、 建築的行為は私たちのよく知っている建築的な世界をより広げてとらえる必要があると考 え、 それを「 状況のデザイン」 とした 以下 上記のような意図をふまえた上で「 状況のデザイン」 を自ら実践してきたなかで、 状況との関わ り方に沿い「 状況をみること」「 状況をつくること」「 状況を設計すること」 という形で考察する。

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1 状況を観察すること 状況をデザインするためには、 建築の傍らにある「 状況」 それ自体を より深く理解する必要がある。 そのために自らが関わる長期間のプロジェクトを対象として状況の観 察を行なった。 その記録と考察を次頁以降に記載する。 観察対象①として北千住にあるオルタナティブスペース「 おっとり舍」 を挙げる。 ここでは場としての建物( モノ) が固定されている。 そのなかで 30 以上の多様なイベントや日常的な生活、 または制作、 近隣との関わ りなどと共に、変化し続ける人々の行動( コト) に着目し観察した。{ 観 察期間 : 3年}

対象②としては地域ミニ FM というラジオ放送を主旨としたプロジェク ト、 コジマラジオを選択した。 このプロジェクトはラジオのプログラムをさまざまな場所で繰り返し放 送するといった姿勢をとる。 ここではラジオ放送というひとつのメディア( コト) と移り変わっていく 場所( モノ) との関わり方を観察した。{ 観察期間 : 3年}

モノが固定されている場合でも、 コトが限定されている場合でも状況 は絶えず変化し続ける。 状況をデザインするためには建築家としてコ トに関わっていく姿勢が必要である。 また状況の変化に伴い関わりの深度も変化する。 そしてそれはまた時 間の経過とともに移り変わっていく。 モノとコト、 2つの変数の間に関わる姿勢は変容し続ける。

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状況を観察する

状況をつくる

状況を設計する

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1−1おっとり舎 ottr 2007-2010 元洋品店だった町家を改装したいとの相談を電子音楽をおこなっている友人から受けた ことから関係性がはじまった場所 当初の改装から関わることによって運営メンバーとして、企画の立案と各イベントごと に会場デザイン。イベントがない日常での家具の配置や使い方の整備管理人のような立 場を通してそこでおこる状況に関わっていった。僕以外の4人メンバーは電子音楽など の作曲をおこなっているのだが、当初はその楽器など機材の倉庫として建物をかりた。 そんな中、場所として整えるにあたり私がすこし綺麗に改装しすぎたためにイベントを しようか、というような流動的な雰囲気のもと かれらが学部を卒業するまでの3年間 に渡り場が変わり続けていった。 イベントの内容や、場所の使い方事態も流動的であったが常にそれらの状況や、特殊性 を理解しつづけるという、ラディカルな姿勢をメンバーと共にもちつづけることができ ていたため、毎度場を一新しながら状況をデザインしていくことができた。

 「おっとりというのは現代人の忘れかけている日本の心で、調べてみると言葉の由来は ' 夫をと る ' すなわち結婚を考える女性の心境にあるらしいよ。美しい言葉でしょう。血気盛んな若いあ なた方がそんな言葉を提示してくれたということが僕はうれしいんだ。」  Y さんがそう褒めてくださったとき、僕は少し戸惑った、というのも、いかにも現代 離れした ’ おっとり ’ という言葉は当然いくらかの皮肉もこめていたし、十分に気をてらった表現 のつもりだったからである。 「若い」僕等が ’ おっとり ’ なんて言葉を平然と口にできたのも、その皮肉性というか、奇妙さを 頼みの綱にしているところがあったからだ。それを抜きにしてしまうことは致命的といえば致命 的だった(だって恥ずかしい)のだが、しかし、まぁ、なんというか、どうでもいいことに感じ てしまった。マスク越しでもはっきりと分かるにこにことわらう Y さんのその表情が僕等は大好 きで、彼との関係の中では、その言葉に強い説得力が生まれざるを得なかった。

これはおっとり舎設立当初にメンバーによって書かれた文章である。私たちがとらえて いた言葉の意味ははっきりとは示されていないが、このように異なった定義の上で、言 葉の意味が重層的に捉えられることを積極的にうけいれる姿勢そのものに、私達のスタ ンスの存在を表す文章であると思い、ここで引用する。まさしく活動をかさねることに よって様々なイメージをかさねていったのだ。  ただ、そのように、固定されない場をつくっていくことは、クリエイティブではあっ たが、逆に場を整えるという集中力を毎度必要とするということである。最初の1年ほ どはそうやって、自由に場所をかえていったが、しだいに、アーティストがレジデンス をはじめたり、イベントの空間形式を固定することによる、クリエイティビティーのよ うなものへと関心は移っていったが、あくまでもポジティブに場を理解し続けるという 姿勢は貫かれていた。 総体として3年間で40以上ものイベント、アーティストのレ ジデンススペースは、さまざまな企画の打ち合わせスペースなどとして日常的な場の移 り変わりを試行することができ、ここでの経験は以下でのべるさまざまなの状況のデザ インのベースとてつよく残っている。私意外にもここでイベントを行った出演者などが 多くいるのだが、かれらも、こういった、何も決まっていない場所で、イベントを作る ということや、共作をとおして、建築家のように場所を読む力をある程度そなえ、現在 も後続してさまざまな状況で活躍をしている者が多い。

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状況を観察する

状況をつくる

状況を設計する

2007//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

2007/10/08 オープニングイベント「おっとり事件 |ottori jiken」 →アメ横の演歌、瞽女歌から、映像、コンピューター音楽と多様なジャンルが集まった 10 時間連続オープニングイベント。初めてのイベント、出演ジャンルも、まるでばらば ら。建物事態にも絵を書いてみたり、単純な風通し音響的な問題などをはじめて実感しつ つ、いままで改装をしてきた建物が急に祝祭的な空間にかわること □ LIVE:ハルカス ( ヒップホップ )、ジェイク fromCrowFish(歌)、GJNBSGR( 即興演奏 )、月岡由起子(瞽 女三味線)、佐藤公哉+河本奈々、雨洋子 □映像:ふりふり組織、B ∀ L、ヤングポール・DJ:DJ アボカズヒロ □作品展示:あおいけまゆこ・ペインティング:安藤瑠美

2007/11/18 劇団提灯検査第二回公演「マッチ売りの少女 |The Little Match Girl.」 →先端芸術表現科の学生を中心とする劇団の第二回公演。おっとり舍に一ヶ月ほど滞在し、 舍の特性を生かして製作した。本番では天井からブランコをつるしたり、2階から水を滝 のように流したり、初めて、洋品店だった店舗側をぶたいとして使うことによって、ショー ウインを通した街の風景を背景としながらみる演劇というものは街それ自体を体感しなが ら不思議な一体感をもつ場だった。 □キャスト:北澤理恵(女)毛原大樹(初老の男)清野仁美(その妻)後藤怜亜(女の声)藤井龍(男 の声、市役所の男)石橋

真珠(弟)

□舞台美術:石川里美□衣装:小田代麻見□メイク:北村さと子 □小道具:松岡詩美 足立真悠

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2008//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

2008/01/25 トークイベント 「大航海時代 |Age of Discovery」Talk event → DJ、デザイナー、芸大英語教師によるトークイベント。 □出演:アボカズヒロ、川村格夫、源中由紀

2008/02/06 OEIL(大山エンリコイサム)シャッターペインティング →ポストグラフィティ論を模索するアーティスト、OEIL がおっとり舍のシャッターにペ イント通りすがりの小学生も参加。 2008/02/09 池田 剛介 中間作品発表 Exhibition →おっとり舍で作品制作を行う美術作家池田 剛介の作品発表

2008/02/10 木幡和枝トーク |Talk event →先端芸術表現科木幡和枝氏による、アントニオネグリ招聘プロジェクトに関するトー ク。 □聞き手:池田剛介

2008/02/14 映画上映会 film screening マルチチュードの運動 『山谷(やま)ーーやられたらやりかえせ』 □監督:佐藤満夫・山岡強一

2008/02/15 映画上映会「マルチチュードの運動」 『ラボルド・クリニックの一日』 □撮影:ジュゼフィーヌ・ガタリ □編集:F・パン

2008/02/22,23 作田知樹 地域相談会 →クリエイターのための無料法律相談、アドバイス等

2008/02/28「日芸卒展」 →日本大学藝術学部映画学科映像コースを卒業する学生の卒業作品上映会 □上映:青木弘安「ハセガワのパン」(アニメーション)、ヤング・ポール「ドコカ / トオク」「スウィー トデイズ」(共に映画)、横山辰郎「心のダ ンス」(アニメーション)、久保田雄大「夢現」(映画)、渡 邉清太「260」アニメーション)、箕輪仁美「and(そして)暖かい巣」(映像)

2008/03/24「舍展 |sha-ten」live →ギャラリー 58(銀座)での音楽イベント。ミニ FM 局コジマラジオの企画の一環として、 銀座、上野等に放送された。テーマはデュオ。 □ LIVE: 霜村佳広(ダンス)×安澤洋(フィードバックミキサー ) ×大和田俊(コンピュータ)、 山川 慶子(朗読)×杉本喜洋(ピアノ)、伊藤寛武(フルート)×大和田俊(コンピュータ)、 横山夏子(カ ンテレ)×葛城梢(マンドリン)、佐藤公哉(声、ヴァイオリン)×古川麦(声、ギター)、 AIZAWA HARUKA(サンプラー)×安澤洋(コンピュータ)、OEIL(ライブペインティング)×庄子渉(シン

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セサイザ)

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状況を観察する

状況をつくる

状況を設計する

2008/04/12,13「おっとり日和」春 →ダンスと音楽のコラボレーションをテーマにしたイベント第一回。 □ LIVE:岸洋子(ダンス)× 表現(音楽)、霜村佳広(ダンス)×大和田俊(コンピュータ)× 杉本喜洋(リ ズムマシン)×庄子渉(ピアノ、コンピュータ)、Plastic note(演劇、ダンス)、OEIL(ライブペインティ ング)、森脇洋平(ダンス)×安澤洋(傘立 て、コンピュータ)× 庄子渉(ピアノ)  http://

www.flickr.com/photos/ottorisha/sets/72157606486194480/

http://www.flickr.com/

photos/sora_tuki_taiyou/sets/72157607562234396/

2008/07/18-8/3 池田剛介×田幡浩一「fly」展 Exhibition http://www.flickr.com/photos/sora_tuki_taiyou/sets/72157622656608319/

2008/09/27,28「おっとり日和」 →ダンスと音楽のコラボレーションをテーマにしたイベント第二回。 □ LIVE: 石 原 晶 子( ダ ン ス ), 大 山 エ ン リ コ イ サ ム a.k.a OEIL, 大 和 田 俊 ,Karluv207( 葛 城 梢 + 横 山夏子 ), 岸洋子 , 佐藤公哉 , 霜村佳広 , 庄子 渉 , 関口将史 , 村上史郎 , 森脇洋平 , 安澤 洋□音響: 高 橋 享 平  □ 照 明: 上 田 剛  □ 建 築: 森 純 平 http://www.flickr.com/photos/sora_tuki_taiyou/ sets/72157607562234396/ http://www.flickr.com/photos/ottorisha/sets/72157607541991006/

2008/10/3-12 笠島俊一下平千夏「arc」展 Exhibition

2008/10/19 音楽劇「ナイチンゲールとばらの花 |The Nightingale and the Rose」 □ STORY:オスカー・ワイルド□ MAKE:momo 椿 *・出演:ふじたかこ、岩本昌子 ( 朗読 )、菅野舞 子、権頭繭 ( アコーディオン )、佐藤公哉 ( パーカッション )、 関口将史 ( チェロ )、中村大史 ( ギター )、 古川麦 ( ホルン ) http://www.flickr.com/photos/ottorisha/sets/72157608452490339/ http://www.flickr.com/ photos/sora_tuki_taiyou/sets/72157608307570783/

2008/12/12-28 池田剛介×岸ナイル「イメージのあふれ」展 Exhibition

2008/12/13 クリスマスコンサート @ 千寿桜小学校 □ LIVE:安澤洋 , 二木康介 , 霜村佳広/杉本喜洋 , 川村尚子/大和田俊 , 庄子渉 , 岸洋子□ Architect: 森純平 http://www.flickr.com/photos/sora_tuki_taiyou/sets/72157611234689400/ http://www.flickr.com/photos/ottorisha/sets/72157611312409516/

2009/////////////////////////////////////////////////////////////////

2009/01/23-25「おっとり日和」 → ダンスと音楽のコラボレーションをテーマにしたイベント第3回。

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□ LIVE:あだち麗三郎、飯田能理子、岩坂昌倫(表現)、大石俊太郎、大山エンリコイサム、大和田俊、 小田富美子、葛城梢(Karluv207)、河村若菜、権頭繭、酒井幸菜、坂本沙織、佐藤公哉(表現)佐藤 菜穂子、霜村佳広、庄子渉、杉本喜洋、関口将史、関達郎、園田空也(表現)、竹内英貴、並河咲耶 古川麦(表現)、松岡美弥子、Mickey k. 櫻井、山崎朋、安澤洋、横山夏子(Karluv207)□ STAFF: 岸洋子、笹萌恵、森純平、森脇洋平・協力:保坂いずみ http://www.flickr.com/photos/sora_tuki_taiyou/sets/72157613089529274/

2009/04/11「CONCERT vol.1」 →「con tempo」音楽シリーズ第一弾 □ LIVE:カール・ストーン , 安澤洋 , 大和田俊+庄子渉 , 杉本喜洋 http://www.flickr.com/photos/ottorisha/sets/72157617088552115/ http://www.flickr.com/photos/sora_tuki_taiyou/sets/72157616893231605/

2009/4/26 千葉雅也×池田剛介「絵画を再起動する」 →「con tempo」美術シリーズ第一弾 □司会|大山エンリコイサム □出演|千葉雅也、池田剛介 http://www.flickr.com/photos/ottorisha/sets/72157617852605825/

2009/4/26「つづく」@ 柏 waRter

→ おっとり舍インタラクティブ企画 □ LIVE : 大和田俊+庄子渉 , 縮図 , Taps Work, リリカル・リリィ・DJ : Arni Kristjansson, shuichi morizono aka oZoN, Toshiomi Yamaguchi

2009/05/02「CONCERT vol.2」 □ LIVE:Ricky Graham, 大和田俊+庄子渉 , ポロロッカ with あにー http://www.flickr.com/photos/sora_tuki_taiyou/sets/72157622780872764/ http://www.flickr.com/photos/ottorisha/sets/72157618098806792/

2009/05/17「豊かな音について」 □ LIVE: 安澤洋/霜村佳広/ mickey /佐藤菜穂子/霜村佳広

2009/06/20 毛利嘉孝トーク『一体何なのアートとまち| What's art in the town』 →「con tempo」美術シリーズ第2弾 http://www.flickr.com/photos/ottorisha/sets/72157620759588292/

2009/06/28「つづく」@ 柏 waRter □ LIVE : 大和田俊 , Karluv207, 縮図+佐藤菜穂子 , 庄子渉 , 長島みのり feat. 針谷久美子 , birdguhls, リ リカル・リリィ □ DJ : Arni Kristjansson, shuichi morizono aka oZoN, DJ Nen (AREION)

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状況を観察する

状況をつくる

状況を設計する

2009_07/05「制作の言語の制作」Making of Language of Making →「con tempo」美術シリーズ第3弾 □ TALK: 雨宮庸介×内海聖史×池田剛介 http://www.flickr.com/photos/ottorisha/sets/72157620618642761/

2009/08/15「CONCERT vol.3」 →「con tempo」音楽シリーズ第3弾 □ LIVE: 田中 翼+松本祐一+安澤 洋+安野太郎×チェリータイフーン 

2009/08/22-30 大山エンリコイサム 新作展『FFIGURATI』Exhibition http://www.flickr.com/photos/sora_tuki_taiyou/sets/72157622157789342/ http://www.flickr.com/photos/ottorisha/sets/72157621778224190/

2009/08/23『つづく』@ 柏 waRter □ LIVE : 大和田俊 , 縮図 , 庄子渉 , ダウヂング同好会 , リリカル・リリィ □ DJ : アボカ ズヒロ , shuichi morizono aka oZoN, NEN × ko-bun つづく .com

2009/09/13 講談四姉妹うっとりライブ in おっとり舎 編 →千住芸術村企画による講談 □ TALK: 神田 山緑 / 宝井 琴柑 / 田辺 銀冶 / 一龍斎 貞鏡

2009/10/20「CONCERTvol.4」 →「con tempo」音楽シリーズ第4弾 □ LIVE : PRAED, 大和田俊 , 庄子渉 , 杉本喜洋 http://www.flickr.com/photos/ottorisha/sets/72157622514896001/

2009/11/23「CONCERTvol.5」 →「con tempo」音楽シリーズ第 5 弾 □ LIVE : jim2achin.e (per, dance, computer, voice, images, photo), Fumihisa Tanaka(per), Manami Kakudou(per), Robert Szeliga(various instruments) http://www.flickr.com/photos/ottorisha/sets/72157622918340998/

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2010//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

2010/03/07「ワンダーランドトレインに乗って」 □ produced by スツセチスー □パーソナリティ:イハラダハルカ  □スペシャル解説:亀梨にゃー にゃ(アートマネジメント専攻系ギャル) □ DJ:きもとけいすけ  □出演:bco、三好まあさ(東京 芸術大学作曲科)、etc http://www.flickr.com/photos/ottorisha/sets/72157623468641197/

2010/03/20「CONCERT!! vol.6」 □ GUEST : Zero Charisma, 松 村 誠 一 郎  □ LIVE : 大 和 田 俊 , mun, 庄 子 渉 + 伊 藤 寛 武  □ PA : 滝 野 ま す み , 堤 裕 吏 衣  □ FOOD : レ イ チ ェ ル 食 堂 http://www.flickr.com/photos/ottorisha/ sets/72157623580052047/

2010 年 3 月をもって con tempo は現在のスペースでの活動を終了します。CONCERT!! シリーズ最終回 となる今回は、イギリスのデュオ Team Doyobi(Skam,UK) のメンバーで もある Zero Charisma(ICASEA, 仙台 )、芸大芸術情報センター助教の松村誠一郎氏を ゲス トにむかえ、5 組のアーティストが出演。有終の美をかざります!!

2010/03/22「CON TEMPO RALLY」 □ LIVE : 梅林太郎 , 古澤龍 , 網守将平 , 土屋大輔 , 髙橋宏治 , 川口成彦 , 須東裕基 , 角銅真美 □ ORGANIZE : 網守将平□ PA : 滝野ますみ , 堤裕吏衣 □ FOOD : 小料理屋 きく谷  http://www.flickr.com/photos/ottorisha/sets/72157623566331069/

10 年代突入と共に消えるおっとり舎に於いてささやかな催しが行われる。ここに集っ た のはゼロ年代における消費社会の申し子達であり溜め込んだ MP を使いたくてウズウズ している連中である。今回ここに出現するのは彼らによる現代にふさわしきカタルシスの 散開であり、惜しくも葬られることになるおっとり舎への偲びと再生への希望であり、次 世代への問いの投げかけとも言い換えられるかもしれない。芸術とアート、音と音楽、時 間と空間、ポップとアヴァンギャルド、Twitter と mixi。対峙させられること になった者 達の助け合いとぶつかり合いをとくとご覧アレ。   2010/03/27「舎恩会」 □ FOOD:他人の部屋□ LIVE : 亜鉛 unt エビオス , アボカズヒロ , 大山エンリコイサム , 大和田 俊 , Karluv207, キングクンニリングス , 楠本征広 , 酒井幸菜 , 佐藤公哉 , 霜村佳広 , 庄子渉 , Taro Peter Little, ま く ら と ジ ョ ー ロ , 安 澤 洋 , 安 野 太 郎 http://www.flickr.com/photos/ottorisha/ sets/72157623776038160/

2007 年 10 月 8 日に、北千住のすみっこで、オープンスペース「おっとり舎」は 生まれ ました。もともとは、東京藝術大学音楽学部音楽環境創造科というできてまだ間もない学 科の者 たちが集い、くつろぎ、たむろし、遊ぶ場所があればいいよねということで何の 気なしに、いわば戯れ にはじめてみたものです。気のいい大家さんから、築 50 年以上の 古民家を好きに使っていいよと言われ、ほどなくして同学建築科の友人が かけつけ、木 を切ったり打ったりし、通りすがりのダンサーが踊りたいと言い出し、幾人かの美術家も レジテンス制作をはじめたりして、そんな感じでまったく書ききれない ほど多くのご縁 に恵まれ、気づけば歳月は流れ、数々のイベントを企画開催実行してまい りました。  さて、かくのごとくみなさまからのご愛顧を賜りましたおっとり舎ですが、今年 20 10

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年 3 月いっぱいをもちましてスペースを閉鎖することになりました。 おっとり舎に有終

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状況をつくる

状況を観察する

状況を設計する

の美を飾ろうと 3 月は充実のイベントシリーズをお送りしてきました。 そしてそしてそ のイベントシリーズの最後に!舎恩会は催されます。  これまでおっとり舎にご来場をいただいたみなさま、共にイベントを作ってくれた、 歌ってくれた、踊ってくれた、仲間たち。 毎度毎度お騒がせなおっとり舎を暖かく見守っ てくれた地元住民のみなさん。そしてこの どういうご縁があってか、このステイトメント、 おっとり舎最後の告知文を受け取ってくださったあなた!みなさまへの心からの感謝の気 持ちをいっぱいに詰めた、おっとり舎最後のプレゼント、舎恩会。 入場料 1000 円にし て朝から晩まで楽しめる。おっとり舎は終了のその日まで、全力で疾走しつづけます!! ぜひご期待ください! !

28-1-3midorityou senjyu adatiku tokyo 〒120-0044 http://ottr.cc/

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junpei mori / facet of architecture


1ー2 コジマラジオ kojima radio

オットリ舎とほぼ同時期 2007 年の初めから関わっている地域ミニ FM を使ったプロジェ クト、半径500m 以内であれば、許可無く自由にラジオ放送ができるということに着 目をして普段は広域に広がるメディアというものを逆に利用して、ほんの小さな地域一体 にのみにラジオ放送を流すことでうまれる新しい場、そこで放送をつくることによってう まれるコミュニケーションの力を利用して、台東区新御徒町にある旧小島小学校の3階に 活動の拠点をもって活動していった。こちらではラジオという固定されたメディアは決 まったものとしてあるなかで、どう番組をつくっていくか、その番組のために空間をしつ らえるかということを主にあつかっていた。ラジオというメディアに主体をおいているの で、放送機器一式をもって、様々な場所でおこなう出張放送という行為も頻繁におこなっ ている。 そのため一つの空間を使い回していくのとは別に、さまざまな場所や放送局を 発生させることを重なっている、また放送という特性上、会場界隈の都市の状況も放送状 態につよく寄与するため(例えばアンテナの張り方などにともなう屋上の利用等)、さら に幅広い視点で都市をリサーチし、試行していくことができた。

2008//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

023- エルニーニョ最後の刺客、「ネグリさんとデングリ対話」。 | 2008/3/29,30 |東京芸術大学絵画棟〒 110-8714 東京都台東区上野公園 12-8 | |これが 3 月 29 日と 3 月 30 日の二日間だけなんですが、この開催期間が絶妙で過酷で した。 まず 28 日に銀座の放送をしている最中に別働隊をつくり、上野芸大の絵画棟 8F にラジ オブースの設置準備と翌日の放送準備をします。 29 日の昼間は機材の関係で銀座にて放送した「ネグリへのプロローグ」を再放送。この 日は銀座の最終日なので搬出後、その大量の機材を上野へ搬入。30 日はメーンイベント である「大ラウンドテーブル@藝大石膏室」を生放送!という流れです。 これがコジマラジオ上野の調整室。絵画棟屋上への道を封鎖です! 絵画棟 1F の大ラウン ドテーブルの会場です。 ここでは 1F から映像と音声がケーブルで送られて来てそれを屋上のアンテナより大学界 隈へ放送。さらにスカイプを通して小島小に送信しました。 そして石膏室に入りきれなかったお客さん達は大浦食堂などでコジマラジオを聴くことに なります。こちらはかなりバタバタしていたにもかかわらず、当初の予定どおりコジマラ ジオが機能したのはネグリ氏招聘プロジェクトのみなさんのおかげだと思います。そして 我々は自由ラジオとして終わりの見えない放送をイベント終了後も夜遅くまで行うのでし た。

024 コジマラジオ銀座 | 2008/3/24,29 |ギャラリー58|〒 104-0061 東京都中央区銀座4丁目4−13| |一週間、毎日 12 時から 19 時までミッチリ放送してました。毎日違う表情のイベント が開催されました。出演者の総勢はざっと 40 名ほど。 |ある程度の広さをもったギャラリーをまず常時放送局とするためのラジオブースを設置

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した。そのラジオブースは、カウンターテーブルの様に、劇場のプロセニアムのようにロ

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状況を設計する

の字型をしており、基本的にはその奥で放送を行うということをそうていしていたが、そ れ自体が動く壁としていたこともあり、番組ごとに、ギャラリーの使い方を変えながら、 普段とはちがう場のあり方を提示できていた。 | 3/24 『舍展』出演者:おっとり舍 | 3/25『アーキサミット08東京春の陣』|出演者| g86( メンバー/鎌谷潤、小林篤昌、坂根みなほ、 山道 拓人 ) | 3/26 『提灯ラジオ』出演者:提灯検査 団員 |『コジマ便り』出演者:坂口寛敏、毛原大樹、安藤瑠 美 |『能管の響き - 室町時代にタイムトリップ』能管演奏:長崎裕起子(森田流)|『春の号砲! 本 日は破天荒也』出演者:秋山祐徳太子 | 3/27『ネグリへのプロローグ』出演者|武盾一郎、山根康弘 、毛利嘉孝、池上善彦 、大山エンリコ イサム 、EGA(one hand clappin')、OGI( 荻野竜一 ) 、いちむらみさこ、小川テツオ 、村田訓吉、、木 幡和枝、平井玄、自由ラジオの皆さん、北澤理恵 | 3/28『ラブレター特論』出演者:山口功、川上華恵、亀山友紀代 | 3/29『THE OPENING IN THE RADIO』出演者 : 池田拓馬、佐藤ゆかり『前座として、81年度会』出 演者:毛原大樹、山口功、坂口直哉、鈴木わかな 他『82年アーティスト』出演者:芦立さやか、他 82 年生まれのアーティスト

022- こじまらじお@ scai | 2008.07.06 [Sun] 14:20 | © SCAI THE BATHHOUSE 〒 110-0001 東京都台東区谷中 6-1-23 柏湯跡 | | SCAI でラジオの二日目です。今日は高橋悠治さんのピアノと田中泯さんの踊りを放送 しました。普段の会話も先をよむことはなかなかできませんが、それ以上に不思議な即興 の音楽と、舞踏を放送した。まさしく、こんな音をラジオできいても何も分からないであ ろう放送は、コジマラジオのもつ特殊性を明確にあらわす、放送となったようにおもう。 中継じたいは普段美術品のそうことしてつかわれている裏側からおこない。アンテナを銭 湯だったころのな残りである煙突につなげ、今は昨日をもたない柱を再度利用するという 意味でも特異な放送であったと思う。

021- コジマラジオ @ 横浜 | 2008 9 月 11 日ー 14 日| ART PLATFORM 横浜セミナ|〒 231-0001 神奈川県横浜 市中区新港 2-5-1 |会場になった藝大新港校舎のスタジオにでっかく遠藤一郎さんの「未来へ」が掛けられ ました。 我々もインドネシアからレザ・アフィシナというアーティストとラジオ番組を生放送する ためにはるばる横浜へと出張です。 写真は放送を会場に流している様子です。(真ん中に写っているのがラジオ)コジマラジ オはここで日替わりでメンバーを置き、レザと共に自由にラジオを放送していました。 なんと新港校舎はトリエンナーレ会場が隣接しているので、そこでもラジオが聴ける好状 況!搬入の時には FM ヨコトリ時の音源をかけて1人で楽しんだりしてました。 12 日はヨコトリのプレオープンにも招待してもらいました。コジマラジオの活動も成長 したもんだ、と実感しつつ森君と周りました ちなみにコジマラジオ史上もっとも簡素なラジオブースでした。あっ、でも2日目からは

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レザさんやメンバーがチラシとかのアイテムでちょっと彩ってくれました。 今回は何にも設定せずに行ったのでどうなるかと思いましたが、全体のセミナーが大変面 白く興味深い内容だったので、我々も一緒に楽しめました。この企画に誘って下さいまし た AIT のみなさんありがとう! ( 毛原大樹 )

025- コジマラジオ 小沢剛ゼミ最終回 | 2008/12/13 |〒 111-0056 東京都台東区小島2- 9- 10|小山くん、杉山くん、 伊勢くん |炊飯器でおでんをつくるのがこの店のこだわりです。美術を信じる大将と美術を信じた い若者がおでんによって一つになります。 小沢さんは、本当に貴重な話を私達にしてくれます。こんな、飲んだり食べたりしている 画像しかありませんが、内容はかなりまじめであり、実践的であります。こんなにも創造 性が豊な講義が今まで我が油画科で行われたでしょうか?なぜ芸大は来年度以降小沢さん を手放してしまうのか、そして、大学はもっと小沢さんと学生が向き合う機会をつくろう としなかったのか。もっと早く学生側からアプローチしておくべきでした。( 毛原大樹 )

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020- ラジオたけし  | 2009/02/14 |東京都千代田区外神田四丁目 14-1-2f| | 2 月 14 日、フジテレビ「少年タケシ」とワークショップ等を数多く手がける NPO 「CANVAS」が秋葉原で書く・詠む・しゃべる をテーマに5つのプラグラムを開講します。 私たちコジマラジオは社会学者の毛利喜孝先生と共に『ラジオ・タケシ』を開局します。 メディアリテラシーについて学べます。 |これは、 「少年タケシ」との共同でおこなったwsであるが、秋葉原 UDX の3階にある、 ひろい多目的スペースのJ R の線路が見渡せる窓際に銀座でつくった、ロの字型ブース を再利用して、配置し。その奥を放送ブース、室内側をwsスペース、親御さんの閲覧場 所として、つくった。広い場所に、装置をつかって拠点をつくった訳だが、個性のつよい、 ブースによってがイベント自体の集中力が素晴らしく、良い状況をつくりだしていた。

020- つなげらじお | 2009/02/24 |埼玉県さいたま市大宮区堀の内町1丁目501−1| |在日ボランティアネットワーク×東京芸術大学音楽環境創造科毛利研究室× |在日外国人の小学生などを対象としてワークショップを行う際の。その発表の場として、 ラジオ放送や、私が担当した映画館などといった場所を一日だけ大宮朝鮮人学校につくり だし、最後は韓国自慢の焼肉をみんなでたべるというコト。普段はあまり子どもを対象と して空間をつくったことがなかったので、ある程度の安全性と、仮設であることのバラン スや、祝祭的な雰囲気をつくるための装飾といったいみで、よく検討、部屋ごとにバラン スをかえることなどで、それを調整した。具体的には建物2階にある絨毯のひかれた図書 室を放送局として、既存の家具をくみあわせることにより場所をつくり。 学校中央にあ

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る体育館の中央に、白いビニールシートをつかった蚊帳のような形のスクリーンを4面に

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対してつくり。工作室では T シャツ作りのワークショップを行うといった、学校全体を つかった場所と状況をつくりだした。 |コジマラジオの共同プロジェクト、その名も「つなげラジオプロジェクト」参加したの は、在日ブラジル人と在日朝鮮人の子ども達でした。大体が2世または3世で、日本語が しゃべれる子も多かったです。人種の違いは、それぞれの校風に良い意味で影響が出てい て面白かった。ブラジル人の子ども達は、おおらかで陽気で、音楽やパフォーマンスが得 意。朝鮮人の子達は、はにかみ屋で、でもみんなとてもしっかりしていた。少なくとも子 ども達の間には、人種の壁は存在していないようでした。彼らがこれから築いていくであ ろう、新しい国際交流のかたちに期待します。( 安藤留美 )

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019- 町中アート大学 | 2009/3- | 〒 111-0056 東京都台東区小島2- 9- 10/ | what is" 町中アート大学 " ?|この大学に足を運ぶ目的は、単位を取る事や学位を取る ことではありません。 ただ、いろんな人が集まって日本や世界の '' アート " と呼ばれているあらゆる芸術文化活 動に注目し、それらが今日の社会的状況の中でどのように生活と関わっているのかを学ぶ 事によって、アートを取り巻く未来の教育現場のあり方、市場のあり方、地域交流のあり 方を探る事が目的です。中心となる活動は自分たちで企画する講座やワークショップの開 設と作品展示を主としたビューイングスペース「町中アート大学+美術室」の運営です。 毎回、社会と表現の関係を模索しながら活躍する方々をお招きして、発表していただいた り、ディスカッションしたり、表現したり、、etc。もちろん、活動に深く関わってくれる 人達も広く募集しています。これら、活動内容は様々なメディア、例えば web で動画な どが配信される他、自由ラジオ局の「コジマラジオ」によりインターネットとミニ FM で 生放送するなど、積極的に公開していきます。一般の芸術大学では体験出来ない、より実 践的で現実的な ” 芸術大学 ”。それが「町中アート大学」です |2年間ラジオ局として活動をしてきたことの集大成として、大学を創ることとした、具 体的には、普通の教室に、部屋を2分割する巨大な階段を挿入して、片側を階段教室、裏 を放送室件、研究室。として明確な場所をつくった。いままでにくらべて強固な構築物で はあったが、すでに蓄えられてきた、コトの経験を踏まえた上の、上手に空間をデザイン することができたとおもう。

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2 状況をつくること 持続性のプロジェクトのなかで、 ダンサー、 音楽家、 美術家、 演出 家、 映画監督、 写真家といったさまざまな人と新たに関係を持つこ とになっていった。 それらの関係性からダンスや演劇、その舞台美術、 インスタレーションの空間構成、作品それ自体の共同制作といった「 コ ト」 にまで自然と活動の領域は広がっていく。 ここで対象となるプロジェクトは、 前述のおっとり舍、 コジマラジオの ように日常からの連続としてある活動とは異なる。 それは、 劇場やギャラリーといった閉ざされた世界を演出するという 意味の違いであり、 持続性がなく、 より短期間に状況を創り出すと いう形態の違いである。 これらのプロジェクトはあくまでも作品であり、 より記号的な、 意味的な「 モノ」 や意識の操作、 抽象的な試行が 求められる。 日常から離れた特異な状況をデザインすること。 それらを「 状況を つくること」 として括り、 考察をしていく。

これらの活動を通してさまざまな分野における「 制作」 のプロセスを 体験することができた。 この体験は建築の作り方を含めたプロセス 自体を相対化することを可能にした。 また、 ほかの分野のアウトプッ トとして現れてくるからこそ、 その完成されたものに対して常に新た な、 客観的な視点で批評することができたことは特筆に値する。

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009-「BOMBSONG」2008| 国際ドラマリー ディングフェスティバル特別本公演 | 2008/3/22,23 |〒 215-0004 川崎市 麻生区万福寺 6-7-1 | |作/テア・ドルン |演出|坂田ゆかり

|「痛みを痛みとして表現する」それが 『BOMBSONG』という作品をつくるうえで 私たちが何度も立ち返った原点である。こ の難解なテキストには何度も挫けそうに なったが、結局いつも答えはそこにあった ように思う。彼女の過激な言葉の裏に隠さ れた本当の痛みを見抜くために、稽古の中 で繰り返し対話し、多くの人を思い、また 自分自身の過去や今を見つめ続けた。そし て彼女の痛みをとことん共有したとき、私 はもう彼女を “ 憎むべき孤高のテロリスト ” として演じることはできなかった。どこに でもいる、不器用な一人の人間として愛さ ずにはいられなかった。 抱えきれない痛みを爆弾に変え、明日の朝、 電車に乗る。どうか彼女の話を聞いてほし い。痛みを、感じてほしい。( 稲継 美保 ) |渡された戯曲は、現実感とともに、とて も遠くにあるような気がした。美術として 劇場に一つの部屋を設置した。その部屋は いろいろなものが裏返っていて、内は外に 外は内になっている。そんな裏返った空間、 記憶、時間がダンサーの行為、映像、照明 とともに場をつくっていった。初めて劇場 で行った舞台ということもありその装置を 会場に設置するところまでしか想像をしな がら、制作することはできなかった。実際 箱を置いたあとに、それを見据えた上での 照明やシーン(役者の動き、)映像が場に 折り重ねられていく過程は感動的だった。 普段手にとって触れる箱の様に、今回の僕 がつくった箱は照明、役者、といったそれ ぞれの作り手が、シンプルな意図もふくめ て、自由に捉えることができたようで、本 番も厚みをもった舞台としてつくりあげる ことが出来たと思う。 (森純平)

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舞台美術 stage

008-「 ア ン バ ラ ン ス 色 素 ル ー シ ー」 2010| ドリフターズサマースクール | 2010 /9/10,11,12 | ヨコハマ創造都市セ ン タ ー YOKOHAMA CREATIVECITY CENTER 6-50-1 Honcho, Naka-ku, Yokohama 231-8315 JAPAN |

|一つの舞台に関わる、空間、ダンス、制 作。ファッションという分野の若手クリ エーターのもと WS 形式で作り上げていっ た舞台。普段は会議室などとしてつかわれ ているという特殊な会場と、リーバイスに 協賛をいただいて素材としてつかったジー ンズや、他のジャンルの人々とのコミュニ ケーションや普段はあり得ないような多人 数での創作のプロセスなどとても劇的な時 間だった。 横浜 YCC の4階という普段は会議室とし てつかわれている、3角形の不定形な形を した建物のなかで、三角形の先端部分にむ かって、鏡を配置し、アクティングえりあ ないに、先に向かう三角を折り返したよう な形で、ジーンズのスクリーンを加工して つくった、スクリーン吊るし。普段は開口 部としてあいているまどに LED を利用し た専用の照明装置をつけて、それらの色を 含めて操作することによって多様なシーン をつくった、私はそのなかで、実際の施工 にあたり、各吊り物の設計、モックアップ づくり、から現場での設営計画など、比較 的裏方としての立場で舞台を関わっていっ た。幾つかの建築的装置を素材として用意 していたために、普通のダンスなどにくら べて、かなり多い出演者や、シーンにそれ ぞれが応じた時間をデザインしていくこと ができた。

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010-TAC +「プロゼルピーナ 」 2009| 利賀演劇芸術祭   | 2998/8/25.26 |利賀スタジオ| |出演|稲継美保・酒井幸菜・坂本沙織・山崎 朋 安達みさと・牧野まりか|振付| 酒井幸菜、 |照明|木下尚己、|美術| 森 純平、|衣装| 笹 萌惠 |演出|坂田ゆかり(アートユニット  EUCALYPTUS /東京都) |作| ゲーテ

| 2008 年 6 月 8 日、 東 京・ 秋 葉 原。 白 昼の歩行者天国で 17 人が刺され、7 人が 命を奪われた。あの日、かけがえのない友 人を失い、皮肉にも生は鮮やかになった。 東京では毎日悲しいニュースが絶えない。 しかし、それはニュースではなく同じ街で 本当に起こっていることなのだと被害者は 初めて知る——『プロゼルピーナ』は神話 である。東京とは遠く離れた死後の世界の 物語。美しい天界を突然奪われた未熟な女 神は、運命の前にあまりにも無力だった。 その嘆きの先に彼女は何を見るだろうか。 利賀だから何かできるかもしれない。春を 運ぼう。(坂田ゆかり) |パラーディアンスタイルの磯崎新が設計 した劇場はホールを中心に放射状に空間が ひろがっていた、私は、天界、上空をイメー ジさせる梯子をモチーフに、各軸線上に楽 器や、スクリーン、白い絨毯などとともに 門を配置した、場面ごとに照明と役者がそ れらの軸線を顕在化させ、さまざまな奥行 きをもった時間をつくることができた(森 純平)

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011-TAC +「プロゼルピーナ 」2009| フェ スティバル / トーキョー 演劇 / 大学 09 春   | 2009/3/28,29 |東京芸術劇場 小ホー ル 2 |〒 1710021 東京都豊島区西池袋 1-8-1 | |出演|稲継美保・酒井幸菜・坂本沙織・山崎 朋 安達みさと・牧野まりか|振付| 酒井幸菜、 |照明|木下尚己、|美術| 森 純平、|衣装| 笹 萌惠 |演出|坂田ゆかり(アートユニット  EUCALYPTUS /東京都) |作| ゲーテ

|—春の女神— 天界で花を摘んで暮らし ていたプロゼルピーナは、ある日突然冥王 の手によって連れ去られ、冥界の妃となっ た。母親である豊穣の女神は悲しみ、以来 地上に恵みをもたらすことをやめてしまっ た。毎年プロゼルピーナが天界に帰省する と再び歓びが満ち溢れ、地上に < 春 > が訪 れると言われている。 1776 年、ドイツの 文豪ゲーテが 27 歳のとき、このギリシア 神話をもとに著した独白劇。200 年以上の 時を越え、現代の東京に死後の世界の神話 を再構成した新演出『プロゼルピーナ』は、 2008 利賀演劇人コンクールで評価を受け、 東京での再演を望まれていた。 |舞台中央に浮くスクリーンアニメーショ ンによってプロぜルビーナの記憶を表現し た映像を映る。それと同時に 4 本の柱がだ んだんと上に吊られながら立ち上がってい き、神殿の姿をなす。 前回に引き続きギリシア神話を柱をつくる ことによって、天国と地獄の関係性を一つ の在り方として表した。典型的な劇場の形 式をもつ空間ということもあり、装置事態 が形態や変容していくことによって、シー ンをきりかえることを意識した。(森純平)

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012-MCE +「go hug mama」 | 2009/10/23/,24 |東京芸術大学千住キャン パス7ホール 〒 120-0034 東京都足立区千住1 丁目25−1 |作・演出|稲継美保 |出演||遠藤麻衣  中村未来 堀菜穂 山崎朋 |照明・衣装|笹 萌恵 |美術|森純平 |音響|佐藤尚子 | 制作|宮武亜季 |宣伝美術|宮田篤

|失うものを繊細に感じる。例えばママを 喪失すること。 肌の傷のひとつひとつに 名前をつけること。 消えてしまうのが怖いその一方でなくして しまいたいと願う言葉も情感も経験も 不 確実なまま両目からこぼれおちるだから深 入りして めちゃくちゃに傷つけたあとに愛撫して もう一度出会いたいと、( 稲継美保 )

|ただ、床を用意した。いつも練習や、打 ち合わせなどで利用している北千住のホー ルを初めてつかうことができた。元体育館 であったそのホールは、黒く塗り込められ てはいるが、時計や、窓、扉などにその面 影を見出すことができる。その元体育館の フロアーだった床に仮設の客席がおかれ劇 場の形式がつくられているのだが、今回は その床を少しだけ整えて、舞台としてつ かった、音、光と、衣装とダンス、そして床。  ただそれがそこに在るだけの舞台。( 森 純平 )

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018-TWS +『TOKYO nude』(2010) | 2010/3/20 | トーキョーワンダーサイト本郷 〒 1130033 東京都文京区本郷 2-4-16 | Organize || Tokyo Metropolitan Foundation for History and Culture, Tokyo Wonder Site | Plan / Concept / Composition || Masahiro Hiramoto 

| Concept / Editorial Design /

Text || Takashi Suzuki [S] 

| Plan / Sound

Programming || Shun Owada  | Performance || Computer Quartet - Hiroshi Egaitsu Masahiro Hiramoto ryu nakagawa Shun Owada | Sound Planning || Hideaki Numasawa ( kim.co.ltd) | Desk Design || Jumpei Mori |

|電子音楽家と仕事をしていると、わけの わからない電気機器をつなぐケーブルのお おさに驚くことが多い。普通の音楽家の場 合は例えヴァイオリンなど眼に見えるもの がおおいのだが、コンピューターで演奏を するコンピュータ音楽の場合は先ほどいっ たケーブルや、デスクトップそれ自体に 面白さがあるといっていいかもしれない。 トーキョーワンダーサイト本郷で4人の電 子音楽をつかう音楽家のためにつくった今 回の舞台装置は、そんな音楽家のための テーブルである、機材や姿勢の違いなどに 応じるため高さが変えられるようにしてあ る天板。 その天板反対面にもうけられる、 リアプロジェクション用のスクリーンと反 射用の透明アクリルによって、客席の方か らみると演奏者のデスクトップ画面と、奏 者それ自体が実際に透過したかたちで、か さなって観ることができる。

 その演奏風景は東京から音をサンプリン グしてきた、原曲のイメージとも重なり、 普通の空間とは違う場ができていたように 思う。

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]innstalationp[ 027-MCE +『 自然光 』ラジオ、スピーカー、 窓のための自然光 (2009 安澤洋 ) 2008/12/20,21 |東京芸術大学千住キャ ンパス7ホール 〒 120-0034 東京都足立 区千住1丁目25−1|音|安澤洋|建築 |森純平 | 音響的空間にとどまらない空間において、 その空間が作品の第二の主体(いわば演奏 者)となれるようなパッケージの制作。録 音媒体とそれを空間かするさいの留意点を まとめたテクスト(あるいは図表)をもっ て作品とし、様々な特殊性にあわせてさら なる相違と解釈を盛り込んだ音場を構築 し、発表することを持って公表する。 |再現性のあるコンサートとは例えばなん なのか、CD を流す時どうしても CD の音 になってしまう。 本作は、媒体として CD にと演奏指示書が添付されたものを配 布され、それを再現可能にするということ に特徴がある。演奏は、ラジオテレビなど の放送、窓をあける外音、そして、CD に などからながす媒体から構成されており、 その関係制のみを作曲することによって、 毎度まったく違うことを前提としながら も、作品としての強度を持たせている。  またそのフレーム自体が、音楽だけでなく、 積極的に環境の音をとりいれていることな どもあいまって、音というよりもその状況 自体を再現していることもいえる、とても 実験的ではあるが完成された作品としてあ る。

2008.12.20 12:00~@『artpath2008』 2008.12.21 14:00~

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2009.1.23 18:00~@『おっとり日和』 2009.1.25 13:00~ 2009.4.11 19:00~@『concert !!』

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026- MCE +『 図と地 』(2010 |安澤洋 霜村 |東京芸術大学千住キャンパス7ホー ル 〒 120-0034 東京都足立区千住1丁目 25−1 |音楽の録音(サンプリング)、記譜から の実践というサンプリングミュージックの 形式にそいながらも、それ自体の形式に創 造的に思考した作品。制作としてサンプリ ングミュージックを行う音楽家と共同でデ ザインを進めていった、というのもその形 式自体の建築の作り方との大きな類似につ いて、興味があったからである。2度の作 品制作の機会を得ることができ、一度目 は MCE の特徴的な3つの空間それぞれに、 一つのモチーフをもった音を、置くことを 前提に、空間のあり方と演奏方法を含めて、 デザインした。 2度目は一畳ほどの同じ 形のフレームを3つ展示会場の共用部に配 置し、そのなかで、音楽家がつくった作品 を流す、それを聞いて踊る。 それを観る という3者がさらに記録されるというまで を一日のながれとして、会期中それらの状 況が連続しながら、会場をうつろっていっ た。日常に非日常的な時間をかさねていく 本作では、当たり前のようにタバコを吸う 人や、休憩をするひと、ただ通りすぎてい くひとなどが、状況に重なっていくことで、 見側にぎゃくに、日常への意識の芽生えな ようなものもあたえた様に、思う。

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028-MCE +『 space (responce)』 (2010 大和田俊 ) |東京芸術大学千住キャンパス7ホール 〒 120-0034 東京都足立区千住1- 25− 1 |音楽とはなんなのか、これは発生され た、その音自体よりも、それが以下に空 間で響いていくのかということを思考し た作品である。 会場中央に3台の CD の プレイヤーが置かれている。CD のプレイ ヤーからはなんともわからない音がそれ ぞれに、CD の容量いっぱいに(書き込み の余地はない)入った音が流されている。 という会場の音それ自体を3つのマイク から広いつつ、再度スピーカーから再生さ れる、ということが繰り返し持続しながら ある作品である。 これはつまり永遠に上 書きされつづける、スケッチのようなもの で、識別はできないが、最初にかいた絵が なんとなくはみえつつも、その後の手の動 きの痕跡や、ふとしたらくがきのようなも のがみえてくる。それを響きとしてもう一 度考え直す作品である。この場合僕はシス テムの整理と、会場をシンプルに構成する 際の配置、什器をつくるという形で参加し ている。

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松戸プロジェクト 013-『MAD 花見ナイト』2010/0321 | 2010 年 3 月 21 日(日)17 〜 20 時| 松戸駅西口デッキ広場| |アーティスト|大和田俊 , リリカル・リ リィ , mun, NEOhetare, NEN |主催||戸 駅周辺にぎやかし推進協議会 |運営| NPO 法人 CoCoT |協力|マチヅ・クリ エイティブ , おっとり舎 |春分(しかも桜の開花日!)、松戸駅西 口から徒歩 10 秒のペデストリアンデッキ にて、老若男女、昼と夜、地元民と外部か らの若者、伝統文化と現代カルチャー、あ らゆる境界を横断すべく、混沌と下町情緒 溢れるパーティーイベントを行います。 |千葉県松戸市にて活動をしているまマチ ヅ・クリエイティブを主宰する寺井元一さ んとともに、松戸の街に何かを仕掛けよう というイベントの一貫として行われたもの 普通は道路とみなされているため使うこと ができない駅のペデストリアンデッキに街 の中から借りてきた、提灯、紅白幕、ビー ルケースなどをつかい即興的に場を組み立 てた、 そこで販売されるビール、中華料理も街中 から毎度出前で届けてもらうなど、しっか りと時間をかけて街と関係性をつくってき た、寺井さんの活動は街にたいする新しい 関係性はその後もつづいていく | はなみ【花見】桜の木は日本全国に広 く見られその花は春の一時期にある地域で 一斉に咲き、わずか 2 週間足らずという短 い期間で散るため毎年人々に強い印象を残 し、日本人の春に対する季節感を形成する 重要な風物となっている。その開花期間の 短さ、そしてその花の美しさはしばしば人 の命の儚さになぞらえられる。そのためか 古来、桜は人を狂わせるといわれ、実際花 見の席ではしばしば乱痴気騒ぎが繰り広げ られる。一方で花を見ながら飲む酒は花見 酒と呼ばれ、風流だともされている。

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014-『森の情景』 | 2010/0725 | JR 松戸駅西口デッキ| |いつもは通りすぎるだけの駅前が、アー ト解放区に。芝生をモチーフにしたアート 作品が展示され、自然環境を体感できる 不思議な音空間となる会場で、気鋭の若 手アーティストによる音楽やダンスのパ フォーマンスが展開されます。ほかでは体 験できない、一日限定の真夏の夜のイベン ト。ビールを飲みながら、開放的な気分に 浸れます。 「森の情景」公式ウェブサイト www.machizu-creative. com/forestscenes/ |インスタレーション|石塚つばさ |出演| 酒井 幸 菜 momo 椿 *、ShoheiAmimori、Karluv207、 表 現 (hyogen)、Sabi / Taro Peter Little

| 松戸駅ペデストリアンデッキで行われ た2度目のイベント、前回の実験的即興的 な会場から少し操作を加え、駅からくる人 の流れをかえるような場をつくった。 イベントとしても松戸アートラインプロ ジェクトの一環として「森」をテーマに会 場と状況をデザインした。 、普段は通路となっているところにあえて 意識をむけるために2つの大きさの8つ のテーブルと既存のステージをくみあわ せた舞台を配置し都市を背景とした劇場 をつくりだした。 その他にも無指向性の特殊なスピーカー やアーティストの作品としてある椅子を つかい環境として森のような場をつくり だせればとおもい会場を状況をつくった。 ( 森純平 ) | もり【森】木 が並んで生えていても、 それを「森」とは言わない。見かけ上、木 が並んでいるのが見えず、木の葉が一面に 並んでいるのが見えるのが森である。これ は定義としては成立し難いが、ある意味 で森の性質を示している。森では外見上、 多数の木が一つのまとまりを呈する。外か ら見えるのは木の葉ばかりである

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015-『森の情景 2』 | 2010/10/16 | JR 松戸駅西口デッキ || 出演 | エレクトリック・チェア、撲 殺された放課後、コノエ・マシュマロ|作 品協力| 石塚つばさ | 森というテーマをもっておこなった2 回目のイベント ほぼ前回と同じセットを 利用して会場を構成したが少人数の編成 だった前回と違い大編成の出演者たちにあ わせて。ステージを組み立て。より劇場的 な構図をもって配置させた。 駅の利用者 も足をとめパフォーマンスを聞いていく人 が多かった。 | じょう ‐ けい【情景・状景】ジヤウ ‐ | 心にある感じを起こさせる光景や場面。 「幼いころの—を思い浮かべる」

016-『CONCERT!! vol.7』 | 2010/09/26 | mad city gallely | 千葉 県松戸市本町 7-9 | | live | Adachi Tomomi, Lorenzo Senni, Praed, Our House, Fuwa Daisuke, Pearl Alexander, Wakabayashi Jun

| 松戸をで活動を開始したマチヅ・クリ エイティブの拠点となる mad city gallely のための可動壁のデザインを依頼された。 すでにおこなったイベントを通して経験し てきた松戸の街の雰囲気をうけとめて、以 前ギャラリーから貰い展示で使ったことが ある巨大なドイツ製の美術梱包用の箱に キャスターを付けて、そのまま可動壁とし て置いた。 その通常か壁として立ててあ る箱を横に倒しそのまま舞台してコンサー ト会場をつくった。

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Alice |街をみるための装置|ぼくはもう大人に なった。  とリビングの椅子のしたで、秘密基地ごっ こをしながら母親が夕ごはんをつくってい た時のことを思い出しながら。いってみた。 さて、そうつぶやく僕の体は大きくなった けれど。

僕が大きくなったのか。はたまた世界が小 さくなったのか。

それは今でもいまいち分からない。あの時 の椅子の下には確かに洞窟が広がり、ロ ボット基地ができていた。ぼく自身がそこ で何かをつくるというよりも、どんな基地 で何がおきているのかをイメージするばか りだった。  そう思い出す僕は。今でも人形をつかって、 今度は逆に小人の世界を想像して楽しんで いる。フランスの小女につまみあげられた り。谷中の猫とであったり。崖のような壁 に圧倒され。広大な原子力潜水艦の基地の 屋上を冒険した。 やっぱり世界の方が小さくなったのかもし れない。 だって、予想だにしていなかった。僕が海 を越えフランスの地であたらしい友人と酒 をのみ。上野の街を洞窟に、たくさんの秘 密基地を置くことができた。

|この作品は「状況をつくること」ではあ るが、「建築家として状況を作ること」そ れ自体を確認するための作品でもあった、 結果は、以降の説明にもあるように、予想 以上に人はモノも含めた上で、信頼してい いものだということが言える。

|ナントカエイト|この『alice』のきっ かけとなった場所。東京藝術大学とナント 藝術大学に大学間国際交流プログラムへの 参加がきっかけとなった。東京藝術大学の 大学院生から4名、ナント藝術大学から

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状況を観察する

状況をつくる

状況を設計する

4名が選抜され、2009 年5月から6月に かけてフランスに、9月から10月にかけ て日本にてそれぞれ3週間、8名全員が現 地制作をするというプログラムである。ま たフランスでは、「ESTUAIR 2009 Nantes 〈〉Saint-Nazaire」日本では「上野タウン ミュージアム 2009」に参加した。選ばれ たメンバー動詞ではじめに協議したことは 8名全員で一つのプロジェクトをおこなう か、各々が個別の作品制作を行うかという 点であった。日本側の学生だけでも専攻は 油画、彫刻、建築、先端芸術表現とばらば らで、各々の表現技法や関心は多様であっ た。結果的には8名がそれぞれ個別の作品 を制作をすることになるのだが、その結論 に至る前に8名全員んで一つのプロジェク トを行う場合を想定して、それぞれがプラ ンを出し合う機会を設けた、その時共有し ていたテーマが、専攻がバラバラであるが ゆえに特定の技術に偏るのでなく、「誰に でもできること」から考えるというもので あった。(森純平)

001「ESTUAIR 2009 Nantes〈〉SaintNazaire」 | 2009/05- | france nantes | |アートによるメセナ活動の発祥の地で知 られるフランスナントに滞在し、その近郊 にあるサンナザールという造船の町の、原 子力潜水艦基地の屋上で展示をすることに なった、そこは、第一に潜水艦の為に作ら れているため、不思議なスケールをもって いた。作品は 1/1 では、そんな敷地を展示 場所とするための会場用のベンチとなり、 1/50 では会場をあるきまわる小人のため の建築物となるものを会場に配置した。ふ とした瞬間に小人の世界に入り込むフラン スの人々達の反応はもう一度、建築の強さ を考える大きなきっかけとなった。

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002 < art-Link 上野 - 谷中>「ぐるぐるヤ →ミ→プロジェクト」 | 2009/10/4,10 |東京都台東区谷中1ー 6| 谷中で数日間だけ行われる回遊型のアート イベントに展示をすることになった、会場 は根津駅に近い玉林寺と、大きな杉の木で 有名なミカドパンの間の細い路地である。 そのあいだに百人の小人を回遊させて、街 をみるためのきっかけをあたえることを おこなった。 その数日間、それ以外の谷 中の街にもすこし遠出した小人達が出現し て、様々な人が驚きをおぼえたと噂にきく。 こちらでは、フランスと展示の間にふと気 付かせるのではなく、散策の中で様々なの もをみつけ、それらの行為全体を通して、 新しい自分になるといっったイベントのコ ンセプトに沿い。それら道端に生活してい る小人達の写真をとってもらう、という行 為を設定した、人々はまるで昆虫学者のよ うに、道端から、塀の上などを谷中の魅力 的な路地を右往左往しながら、じっくりと 観察していった。 

003「上野タウンミュージアム 2009」 | 2009/09|東京台東区循環バス「めぐりん」バス停 各所他17箇所| |ナントでおこなったプロジェクとの帰還 展。今度は一から会場を街のなかから自分 たちで選ぶことができた。僕は同時期に台 東区でおこなわれている UTM プロジェク と他のメンバー達の会場を結ぶ 区の循環 バス「めぐりん」のバス停にベンチが無い 場合が多いことを発見し、アートをきっか けとして、17カ所 40 程のバス停や展示 会場にベンチをおいた。実際単純にベンチ というだけでは、置くことが難しい場所で も、アートという言い訳を積極的に利用す ることによって、特例的に許可をえること ができて、短時間ではあるが、街にあたら

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しい方向をみせられたようなきがしてい

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る、期間限定ということもありやはり撤去 しなくてはならなかったのだが、撤去時に 近所の方々に御礼をしてまわると、ほとん どが、置いていけばというような肯定的な 意見をいただき、つよい可能性を感じた。

004「フランス大使館旧庁舎解体前プロ ジ ェ ク ト No Man's Land-- 東 京 藝 術 大 学 系 展 示 + イ ベ ン ト MEMENTO VIVERE/ MEMENTO PHANTASMA...」tokyo | 2009/12/11-03/09 |在日フランス大使館 〒 106-8514 東京 都港区南麻布 4-11-44 | 広尾にあるフランス大使館の旧館の立て替 えに伴い、最後機会に様々なアーティスト の展示をおこなうというイベント内で芸大 系が展示をする機会に、会場制作のチーム として、また alice を作品として会場ない にさまざまな形で展示設営した。全体の展 示の中で内容が入れ替わって行く別館での 展示となったのだが、芸大の会期終了後も、 全体展示の間会場用の椅子として設置され ていた。その後新宿のギャラリーに現在は ベンチが保管されている。  建築が終わる、もしくは生まれ変わる瞬 間に様々なアーティストがその空間を読み 取り展示やパフォーマンスをおこなうその 過程は展覧会というよりも工事現場にいる ような異様な雰囲気が大使館という特別な 場とともに不思議な時間をつくりだしてい た。(森純平)

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]7ch[ 2010/3-  空間設計・ななチャン段ボールデザイン| DAT (Danball Architecture Team) 池田隆志(東京大学大学院)、工藤 浩平(東京藝術大学)、関島毅(東京理科大大学院)、森 純平(東京藝術大学大学院) |千代田区に旧練成

中学校を改装してできたアートスペース  アート千代田 3331 内の企画で学生が主体 のなって行うプロジェクトとして学生メ ディアセンターなないろチャンネルという 企画の立ち上げ時に空間構成を担当した。 取材として外にでていく活動していく 7 チャンのためのツールとして、会場構成を 含めてさまざまに発展して行く可能性のあ る段ボール箱をデザインした。 それぞれにジョイントや、ふたをしめるた めの文化鋲など機能が備わり、中継会場で の壁、テーブル、椅子、棚、移動用の箱、 またそれ自体がメディアとして、実際に全 国さまざまなイベントで利用されている

005-401 | 2010/3/19 |東京都千代田区外神田1−14−2 |当初使われていた 秋葉原駅高架下にあ るラジオデパートの一室を拠点としてデザ インした。制作した段ボールが組み立てら れた状態だけでなく、たたまれた状態で、 積み重なって舞台となったり、さまざまな 形態で日々進化し続けている。 ラジオデパートといえばある程度想像で きるかもしれないが、4 階にいくまでには パーツをバラ売りしているような電気屋の 間をすりぬけ、喫煙所を通り部屋へとたど りつく。そんな立野もの空間や、そこにメ ンバーが友達をつれてきて、何か面白いこ とをしようと話をする。そんば場所にふさ わしく、場を取り巻く前のダンボールもふ くめて自然とできあがっている洞窟のよう な空間はまるで野生のようにふしぎな場を つくり不二気をつくっていた。

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006-203 | 2010/3/19 | 3331 Arts Chiyoda 〒 101-0021 東 京 都千代田区外神田 6-11-14 |アート千代田 3331 内オープニングイベ ントで教室だった一室を使い何人かのアー ティストのための展示空間として、放送や イベント行うためのスペースとして会場構 成を行った。 500以上のダンボールをならべて、会場 をつくると同時に、3組のアーティストが ダンボールを利用して、作品をつくったり、 番組内容を表現する展示であったりと、箱 としてのダンボールの可能性をさまざまな 面からさぐる機会となった。展示とはべつ にコンサートの企画時には、フレキシブル 場を変えていくその作業性といったものも 空間づくりにおおきく関与していた。

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007- guruguru | 2010/6/26 |〒 336-0972 埼玉県さいたま市緑区大字 中野田500| |そういった、中継の一つの例として、埼 玉スタジアムで行われた音楽イベント「ぐ るぐる回る 2010」というスタジアムのア リーナを利用して何カ所かのステージを作 り。お客さんはそこをぐるぐるまわりなが ら、一日を楽しむというイベントで、一 つのスペースを7ch 段ボールを利用して、 会場構成をおこなった、普段は通路として 利用されている場所に200箱くらいの段 ボールを利用して、場を設えていった。演 奏毎に移り変わる音学とともに、会場も 刻々とかわりつづける。家具としてつかわ れる箱は来場者自身で気持ちのよい場所へ とおかれ、腰掛けられたり。20組以上の 演奏者もそれぞれが演奏に合わせ、テーブ ルとしてつかったり、場の方向性をととの えたりと、 それぞれが、自由に場所に手 をくわえていくという自由がとても濃密で 幸せな時間をうんでいたきがする。(森純 平)

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UenoTownMusium

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matiyatai project+ 引戸庵 | 2009/10-11 | 〒 110 − 0002  台 東 区上野桜木 2-10-6 | |制作|西川連 森純平 李頴 林映里  |協力|たいとう歴史都市研究所、東京芸 術大学保存修復建造物研究会

| コ ン セ プ ト | MACHI-YATAI PROJECT は、台東区のまちの一画に仮設の空間や装 置を配置し、日常の風景を一変させるプロ ジェクトです。 3年目となる今年。アー ト作品をただまちの中に置くのではなく、 街の中に茶事をする場を仕立て、街も含ん だストーリーを展開します。点ではなく面 として街に関わる為、3つの場をそれぞれ に仕立て上げ。独自の作法と、茶事を通じ てその場や空間を味わいます。谷中の路地 が露地となり、いつもは出会うことのな い街との出会い、人との出会いを生み出す きっかけとなりますー |引戸庵|谷中の街からたくさんの引き戸 をあつめてくる。人が立ち寄り、引き戸を スライドさせる度に空間は変化していく。 それは時に茶所となり、時に宴会場となり、 時に舞台となる。 また、あつめてきた引戸は、土地の相続や 高齢化、建物の老朽化などさまざまな理 由によって取り壊されてしまった、谷中界 隈の古い木造家屋で使われていたものであ り、これらを集めて創った引戸案は新たな 空間を創りだすと同時に谷中の歴史を表現 するものとなる。 

029- おととり  | 2009/11/1 |引戸庵

||ゲスト|大西健太郎 田中文久|企画 |森 純平 |音響|庄子渉 大和田俊  |映像|関谷洋子 |写真|安藤瑠美 前 田真里 |協力|おっとり舍 |舞踏家と、引戸庵からでる音を録音して、 音楽とした音楽作品とのパフォーマンスた だ、場所を動くような、

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030-hide and seek | 2009/11/01 16:00 〜 16:30 |引戸 庵| |ゲスト| 酒井 幸菜(ダンサー)佐藤公 哉(音楽家)権藤繭 karluv207 田中文久  角銅真奈美 |企画|森 純平 |音響|庄子渉 大和 田俊 |映像|関谷洋子 |写真|安藤瑠 美 前田真里 |協力|おっとり舍

031- お茶会 | 2009/10/24 |引戸庵| |ゲスト|松山巌(作家)、森まゆみ(作家) |協力|東京芸術大学茶道部 |茶碗|茂 田真史

032-『まちに住むということ』座談会 | 2009/10/24 |引戸庵| |ゲスト|松山巌(作家)、森まゆみ(作家) |進行|元倉眞琴

 

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GTS my tower club +club my tower

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状況を観察する

状況をつくる

状況を設計する

3 状況を設計する これまでの活動については、 自身が「 状況をつくる」 という視点で述 べてきたが、 状況をデザインするためには状況をつくるプロセスを他 者と共有することが必要となる。 状況をデザインすることは、 多くの人 を、 その「 つくる」 プロセスに巻き込んでいくということである。 ここでは 2010 年に墨田区で行なったプロジェクト「 マイタワークラブ」 を例に、 状況をデザインするプロセスを建築の設計という視点から振 り返ってみる。 このプロジェクトは、 前項に記載している「 まちやたいプロジェクト」 と類似しているようであるが、 モノをつくるため半ば強制的にコトをデ ザインした後者と比べ、 前者はその二つの手法を同時に等価に扱っ ている。 また、 このプロジェクトでは「 まちやたいプロジェクト」 を通して確認 された、 建築における「 状況」 の有用性の次のステップとして状況を 設計することを試みた。 その設計手法について説明することを通して、 状況を設計することの有用性を考えていく。 41


| 2010/10-11 | club my tower |東京都 墨田区向島 1-2-13 |

プログラムとしての状況

設計するには他の人ととつくられるあとの 状況を共有することが必要である、その ために、マイタワークラブでは、テーマ や、場所の方向性などをメンバーと一緒に つくっていくところからはじまった。具体 的には現在において最もモニュメンタルな スカイツリーをいかに扱うかという点であ る。今回は、それらタワーの存在を以下に す自分に意味付けるかといった意図から、 マイタワークラブと組織自体を定義しなお し、その活動として、場所を運営していう 形をとった。

人の配置図

マイタワークラブと定義された場所は研究 室のメンバーでは充実しすぎている(広す ぎる)ことは明白だったため、そこを使い ながら、作品を制作する作家を依頼したり、 そこで、行われるイベント自体をデザイン するとともに、それらの打ち合わせや、ほ ぼ関係のない単純な場所の利用にも積極的 に応じることによって、常に誰かが何かを してるという状況を設計していった。

SECTION

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状況をつくる

状況を観察する

状況を設計する

つくりながら設計する 

1 2 3 movie show seminar talk event live 4 work shop others 5 6 18:00∼ こよみのよぶね制作スタッフ説明会&交流会 7 18:00∼ 元倉研究オープンゼミ 8 9 10 11 12 18:00- ネット中継 「今夜限りの点灯試験」日高彰 13 14 18:00- 元倉研究室オープンゼミ 15 16 18:00-「表現と時」 表現 (hyogen) 17 18 18:00- beer and talks#04 19 19:00- ohi night 20 21 19:00- beer and talks#05ーベネズエラ、 満州帰国報告会 22 18:00-「記憶の森」 夜の上映会 23 13:00- ワークショップ 『まちを作ろう』 24 18:00-20:00「concert #6」 アワーハウス+ゲスト 25

event schedule m

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18:00-「beer and talks」 (予定) こよみのよぶね 点灯式

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18:00- 元倉研究室ゼミ

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18:00「記憶の森」 夜の上映会

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18:00「記憶の森」 夜の上映会

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18:30-20:30「鉄道高架下からまちを考える」 飯田善彦・曾我部昌史・元倉眞琴

そしてモノだけで完結しなくてもいいた

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18:00-「beer and talks」 (予定)

め、普段であれば、必要である順を追った

一般的な視点でみれば、それは作業途中 といえるかもしれないが、あくまでもその

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作業を行う中での状況それ自体をデザイン したというのは重要である。

設計プロセスが成り立たない部分が多々あ る。そのため、MTC では事前に様々な可 t

18:00「東京スカイ秋まツリー」  日高彰 18:00-「記憶の森」 夜の上映会

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19:00「ビッグバンドライブ」  by 撲殺  18:00-「記憶の森」 夜の上映会

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18:00「beer and talks」 (予定)

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能性を検討しつつも、現場で実際の空間を 体感したら、実験をしつつ、各部の詳細を きめる、全体の方向性きめるということを 行った。

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19:30-20:20「TOKYO NUDE」平本正宏 大和田俊

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18:00-20:00「concert #8」

同時にその製作プロセスを定点撮影した、 映像自体も成果物として会場で常にながし た、それらや、たえずそこにいる誰かの説

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18:00-「beer and talks」 (予定)

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18:00- closing party

明によって訪れた人も、マイタワークラブ をいう場所を理解していったように思う。

http://mytowerclub.tumblr.com/

18:00-20:00「beer and talks」 (予定)

 

N

6号

隅田川

7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

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18:00- 元倉研究室ゼミ

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18:00-20:00「表現と時」 表現 (hyogen) 18:00-「記憶の森」 夜の上映会

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13:00- タワーを作ろう 17:00- アンビエント・リサーチ第3回

全イベント入場無料

東武伊勢崎線高架下 クラブマイタワー

枕橋

源森橋 墨田区役所

東武伊勢崎線

業平橋

状況の記述 R 東京スカイツリー  建設中

北十間川

アサヒビール

本所吾妻橋

都営浅草線

東京メトロ浅草駅下車徒歩10分 都営浅草線本所吾妻橋下車徒歩4分

それらの理解やコミュニケーションで大事 になってくるのは、モノとして残る設計で はなく、コトとして残る状況をいかに記録 するかということである。それらの状況は 形として残っていくモノとはちがい、 移 りかわっていくものである。それらを如何 に記録していくのか、これは、表現するこ とをあくまでも他社との状況の共有だとと 定義しなおすと、それは過去を扱う問題で はなく、現在をあつかうことだと理解でき る 今回は意識的に実践していたので、例 えば、普段であれば場所には特に関係のな いイベントのフライヤーも建築計画におい て用いられるパースの様に会場の特徴をあ らわすものしたり、各イベントの記録とし て、写真でコマ撮りした映像や、インター ネット中継、映像記録など、さまざまな手 段でアーカイブを行い。さらに、それらの 情報にいつでもアクセスできるように web サイトを構築するなどをおこなった。 

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まちに開きながら場所をつくること  高架下につくられた、しばらくの間閉ざ されていた倉庫を改装していったマイタ ワークラブという状況。ここでおこなった ことは、建物も機能も含めた上で場をひら いていくということだったことのように思 う。展示を一応のプログラムとしている UTM プロジェクト中で、あえて会場を借 りたその日から、ワークインプログレスと いう手法でまちにたいしてオープンに場を つくっていった。 実際の空間自体もいかにして街に開いてい くのかということを検討していたようにお もう。 場所を開放しながらつくると同時に、そこ で行われるイベントや、展示作品も同時に こ街にひらきながらつくりあげられていっ た。 これらは場所もイベントもそれ自体を目的 としているよりも、あくまでもそれらを  通して、魅力的なじ状況をつくりための手 段として設計されていた。

_ 都市の見かたをかえてみる 重要なのは意外と、モノそれ事態というよ りもきっかけをあたえること。経験をあた えることなのかもしれない。 私は設計者 でもなくあくまでも、少しだけながれを変 えるためのきっかけとしあることもあっ た。 そんな些細なきっかけから人々の場 を使う経験値の幅をひろがることによっ て、その状況事態がひらいていく。 それ ぞれの行為を全体として俯瞰してみたと き、私の行為は都市にさまざまま状況をし かけることによって、都市それ自体のあら たな見かた、使い方の経験値を広げていく 都市実験としも有効だったのではないかと 思う。

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状況を観察する

状況をつくる

状況を設計する

|日々高さを更新していくスカイツリー建設現場のすぐ麓、東武線業平橋駅と 浅草駅のほぼ間に位置する。高架下で文章をかいている。昨年度までつづい ていた UTM プロジェクト ( 上野タウンミュージアム ) につづく GTS(geidai taitou sumida)プロジェクトの中で、僕たち元倉研究室が運営する、マイタワー クラブの拠点である。となりでは外壁をサンダーでカットしてハンマーで粉々 に打ち砕く振動、10 分置き程に通る電車の音。手は昨日のペンキが小指につい たまま。パソコンをひらいている。  会場となる敷地を探す中ふと出会った予想以上に魅力的で少し広すぎる、し ばらく前までは倉庫として使われていたこの場所の魅力をそのまま惹きだすた めにまず僕たちは、ここに藝大のそのもの創りだそうと思った。そこはいつで も行ってみれば誰かしらがそこにいて、本を呼んでいたり、音楽をきいていたり、 酒を飲んでいたり。寝ていたり。たまには作品の制作をしていたりする、製図 室(他の科だとアトリエ)のような場所。課題の講評などをおこない、たまに ゲストをよんできてレクチャーなどをおこなうラウンジのような場所。なぜか 夜になるとやってきて練習を始めだす音楽家、なぜか他の科の奴も机をかりて 制作をしていたりもする。ふとした時に気づくと友達が展示をしたりして、遊 びにいってそのまま酒を呑む。何か特別な「モノ」がそこにあるわけではなくて、 誰かがいて何かしらの「コト」がおこっている、そんな場所。  学部のころの建築科の課題ではあくまでも、問題の中である条件、敷地があ たえられて、それらをデザインをして人に伝えるというプロセスを学ぶ。けれ ど建築ができあがるにはその前になぜか借りられてしまった、今回のような倉 庫や、決まっていた大きなプロジェクト、街の人との不思議な交流のような状 況があり。出来上がったあとには、もちろんその空間で起こるさまざまな出来事、 生活がある。そういう建築の前後にある「コト」がないと建築はもちろん成り 立たない。そんな「コト」とはなんだろうと。学部後半から、課題と平行して 学外でさまざまなことに関わってきた。院生ではさらにそれを研究の目的とし て活動をつづけている、そんなことを一緒にしてきた仲間と一緒に、今回のプ ロジェクトを創りあげている。  建築があって、その後に生活が生まれるのか、その生活のなかで起こる状況 によってまた建築が必要とされるのか。僕にはどちらかわからないけれども、 どんな時でも。あくまでも建築の前にあるコト、後ろにあるコトとその間にあ る建築との境界線を探し続けなくては行けないと思う。  ここ数年でたぶん日本で一番注目を浴びているスカイツリーの建設という壮 大な「コト」の麓で、自分たちの手だけでつくりあげる壮大な「コト」を生み 出す建築をつくりあげられるっていうのも、まぁそんなとこだ。 (森純平)

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facet  

facetof architecture sgkjsj@ogbk

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