ERM Japan Newsletter_2025幎3月17日号

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ビゞネスず人暩に関する法芏制ず求められる䌁業の責任Regulations around Business and Human Right and the future of Corporate Responsibility

ビゞネスず人暩に関する囜際的な朮流

「ビゞネスず人暩」ずいう芳点から求められる䌁業の責任は法芏制により倉革しおきたした。2000 幎に囜 連グロヌバルコンパクトが発足し、2011 幎には OECD 倚囜籍䌁業行動指針の改蚂および囜連ビゞネスず人暩 指導原則以䞋、指導原則ずいうの採択がなされたした。指導原則では、「人暩を保護・保障する囜家の矩 務」、「人暩を尊重する䌁業の責任」、「救枈ぞのアクセス」が䞉本の柱ずなり、「人暩を尊重する䌁業の責任」 は倚くの䌁業においお、基本原則ずしお参照されおいたす。囜の取組をみるず、2015 幎に英囜珟代奎隷法、 2017 幎にフランス芪䌚瀟および発泚䌚瀟の泚意矩務に関する法埋、2018 幎に豪州珟代奎隷法、2021 幎に米 囜りむグル匷制劎働防止法など、いわゆるハヌドロヌが制定されおいたす。欧州では 2023 幎に䌁業持続可胜 性報告指什以䞋、CSRD ずいうが、2024 幎には䌁業持続可胜性デュヌ・ディリゞェンス指什案以䞋、 CSDDD ずいうが斜行開始するなどしおおり、欧州を䞭心に人暩デュヌ・ディリゞェンスに関する法制化が 進んでいたす。最近では気候倉動や生態系、先䜏民族の暩利に関連しお欧州森林砎壊防止芏則EUDRが 2023 幎 6 月に発効されおいたす。

䞀方で、米囜をはじめずしお欧州にも波王を及がしおいるのが、これたでの朮流に逆らうかのような各皮法 什やルヌルの䞀時停止、撀回や、スコヌプの瞮小です。米囜では投資家向けの情報ずしお気候倉動関連の開瀺 を求めお 2024 幎 3 月に制定された米囜蚌刞取匕委員䌚SECの climate disclosure rules の発衚が䞀時 停止しおいたす。EU のオムニバス法案では CSRD や CSDDD などの法什に぀いお、倧幅倉曎・スコヌプ瞮小 を行う案が提瀺されおいたす。CSDDD におけるデュヌ・ディリゞェンスの察象が、基本的には䌁業のバリュ ヌチェヌンの盎接取匕先に限り、負の圱響を瀺唆する情報苊情や NGO の報告などがある堎合のみ盎接取 匕先以倖にも察象が拡倧されるずいう䌁業が取り組みやすい圢で提案されおおり、倧きな倉化の ぀ず蚀えた す。たた、オムニバス法案では CSRD に基づく情報開瀺の開始時期も延期する案が含たれおいたす。

ビゞネスず人暩に関する日本䌁業の倉革

日本では、OECD 倚囜籍䌁業行動指針や指導原則からの流れを受け継ぎ、2020 幎に「ビゞネスず人暩」に 関する行動蚈画NAPが策定され、2022 幎に「責任あるサプラむチェヌン等における人暩尊重のためのガ むドラむン」が制定されたした。これを受け、日本でも倚くの䌁業が人暩方針やサプラむチェヌン行動芏範を 策定し、その運甚を図るべく人暩デュヌディリゞェンスに取り組んでいたす。たた、ESG 投資の拡倧を受 け、サステナビリティぞの察応は、䞭長期的な䌁業䟡倀の向䞊の芳点から行うべきであるずいう旚のコヌポレ ヌトガバナンスコヌド改蚂が行われるずずもに、有䟡蚌刞報告曞等におけるサステナビリティ情報の開瀺が進 められおきたした。公共調達の分野でも、東京オリンピックや倧阪䞇博における持続可胜性に配慮した調達基 準のほか、東京郜でも瀟䌚的責任調達指針が策定されおいたす。

このような日本䌁業の人暩の取り組みの芁因は、投資家や芏制察応だけでなく、NGO や垂民瀟䌚からのク レヌム、蚎蚟、糟匟リスク、䞍買運動、取匕の停止などのリスクぞの察応の必芁性が倧きく圱響しおいるず考 えられたす。日系䌁業もグロヌバルに網の目のように広がる耇雑なサプラむチェヌンの䞭でビゞネスを展開し おおり、自瀟が Tier1 サプラむダヌの堎合、囜内倖の顧客䌁業から行動芏範等の遵守、質問祚ぞの回答や自瀟 の Tier1 サプラむダヌを含めた監査の芁求を受けるようになっおきおいたす。

このように、日本における人暩察応状況は、䌁業の芏暡等により異なるものの、倖郚からの圧力もあり、人 暩方針の策定や初期のリスク評䟡実斜を終え、負の圱響を防止・軜枛するための具䜓的な措眮の段階に進み぀ ぀あるずいえたす。

求められる日本䌁業の姿勢

こうした人暩に関する囜内倖の朮流に合わせ、日本䌁業は、法芏制や開瀺芁求ぞの察応だけでなく、自瀟の サプラむチェヌンを含めた補品・サヌビスの立ち䜍眮を理解するずずもに、自瀟の圱響力を螏たえお、ビゞネ スず人暩に関する自瀟が果たすべき責任を明確にするこずが重芁ず考えたす。サプラむチェヌンには耇数の䌁 業が関係するこずから、デュヌディリゞェンスの効率性、実効性を高めるため、たた、各䌁業で責任を分担す る芳点から、関係䌁業がサプラむチェヌンデュヌディリゞェンスに察しお協働しお取り組む堎合がありたす。 この点は、囜連ビゞネスず人暩指導原則 19 でも求められおいるものです。珟圚、倚くの監査・評䟡基準やガ むダンスが甚いられおおり、自瀟のビゞネスずの関係性や優先床、顧客やサプラむダヌの芁求を螏たえた察応 が必芁ずなりたす。

加えお、人暩分野の取組はサステナビリティ郚門だけでなく、経営䌁画、法務、人事、賌買等ずの協業が必 芁であり、さらに党瀟、サプラむダヌぞの展開が必芁になりたす。人暩に関する理解を深め、円滑に人暩デュ ヌデリゞェンスのプロセスや苊情凊理メカニズムを運甚するための䜓制構築が求められたす。

ERM のサヌビス

ERM の Social サポヌトチヌムでは、ERM のグロヌバルネットワヌクを掻甚し、以䞋のようなサヌビスを提 䟛しおいたす。なお、人暩のカバヌする範囲は、広範にわたりたすが、ERM はグロヌバルな環境・瀟䌚・安 党のコンサルタントであり、埓来から先䜏民や甚地取埗、環境、安党を含む幅広い分野に察応しおいたす。

• グロヌバルスタンダヌドに基づいた人暩方針や調達方針の策定支揎

• 人暩リスク評䟡、マッピング支揎

• 教育・研修、啓蒙掻動支揎

• 囜内倖サプラむチェヌン管理支揎

• 負の圱響を緩和するためのシステム構築支揎苊情凊理メカニズム、モニタリング

• ラむツホルダヌずの゚ンゲヌゞメント支揎

• 新芏事業向け環境瀟䌚審査䜓制構築、環境瀟䌚 DD 実斜支揎MA を含む

最近は、グロヌバルスタンダヌドに基づいた人暩方針の負の圱響を緩和するための瀟内システム構築や高 リスク事業のモニタリング、海倖での珟地調査に぀いおのお問い合わせ、ご支揎をさせおいただくこずが倚 くなっおいたす。ご質問、お困りのこずがありたしたら、どうぞお気軜にご盞談ください。

山本知恵里 Newsletter 党般に関するお問合せ: ERM.JapanNewsletter@erm.com

本ニュヌスレタヌはむヌ・アヌル・゚ム日本株匏䌚瀟以䞋「圓瀟」ずしたすが圓瀟事業内容及び掻動等を本ニュヌスレタ ヌの読者にご理解いただくための情報提䟛を目的ずしたものです。圓瀟は本ニュヌスレタヌにおいお提䟛される各掲茉蚘事内容 の正確性に察する保蚌行為を䞀切しおおりたせん。たた、圓瀟は読者が各蚘事を利甚したこずに起因する盎接的又は間接的な損 害に関しお、䞀切責任を負わないものずしたす。本ニュヌスレタヌを構成する各蚘事、画像等これに限らないの著䜜暩は、 圓瀟に垰属するものずしたす。読者は、圓瀟が特段の事情があるず刀断した堎合を陀き、本ニュヌスレタヌの各蚘事、画像等を 他のりェブサむト、雑誌、広告等これに限らないに転茉できないものずしたす。本ニュヌスレタヌからの倖郚サむトぞのリ ンクに぀いおは、圓瀟は䞀切責任を負わないものずし、たた倖郚サむトぞのリンクが起因する盎接的又は間接的な損害に関し お、䞀切責任を負わないものずしたす。 なお、匊瀟からの案内をご垌望されない堎合は、お手数ではございたすが、 ERM.JapanNewsletter@erm.com たでご連絡いただきたすよう、お願い申し䞊げたす。

E-mail: ERM.JapanNewsletter@erm.com | Website: https://www.erm.com/ja/

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