なつ
ひ
夏のあるあつい日、 ネコはゼリーをたべながらおもいつきました。
『あ、
そうだ!
うみ
かた
海を固めよう!』
かた
ネコはさっそく、 おみせに 固めるもの をかいにいきました。 かた
「固めるもの、 ありますか?」 かた
かた
「 固めるもの ?なにを固めるのですか? ぎゅうにゅう
ジュースですか?牛乳ですか? それとも、 コンクリートかなにか…?」 うみ
「いいえ、海です。」
かんてん
「なるほど。 それなら、 とってもいい寒天があるから、 それをかうといいでしょう。 うちにはなんでもそろってますから。」 かんてん
ネコは、おみせ のひとにいわれたとおりに寒天をかいました。
かんてん
りょうし
寒天をもってしばらくあるいていくと、漁師さんにであいました。
おお に もつ
「そこのキミ、 そんな大荷物でどうしたんだい?」 ネコはこたえました。 うみ
かた
「海を固めようとおもってきました。」 しま
「ほう。 それなら、 むこうの島のほうにいくといいよ。 なみ
かた
波がおだやかで、固めるにはもってこいだよ。」
ザブザブザブザブ… りょうし
しま
ネコは、漁師さんのいっていた島まで、 とくいのネコカキでいきました。 うみ
たいよう
海は、太陽のひかりでキラキラしています。 しま
「島まではあとすこし。 よーし、 やるぞー!」
うみ
かた
海はあっというまに固まっていきました。 なみ
こいし
かい
たいよう
かた
波も、 みずしぶきも、小石も、 貝がらも、太陽のキラキラも、 すべて固まりました。
うみ
ネコは海をひとくちたべました。 けれど、 ゼリーのようにおいしくありません。 たいよう
しかたがないので、太陽のキラキラしているところまでいって、 だい
じ
大の字にねころんでみました。 なみ
「波がせなかにあたってきもちいいなあ」
そら
くも
そして、空にうかぶフワフワの雲をみているうちに あることをおもいつきました。
くも
かた
『そうだ!雲を固めよう!』