個人戦術
サルバトーレ・レオッタ
敵最終ラインの裏のス ペースへの攻撃 裏のスペースへの攻撃、 準備、リサーチを 目的としたプログレッションと教授法
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YOUCOACH.JP
調査、 研究、 比較。 これがYouCoachの基本です。 YouCoachとは、 サッカーコーチたちの手によって作られた、 チームを指 導する全てのサッカーコーチのためのオンラインガイドです。サイトでは、 数多くのトレーニングメニューを見ることができます。 その中には、 シンプル なシチュエーション・トレーニングからゲーム感覚で行えるトレーニング、 条件付きトレーニングやテーマを設けたミニゲームなど多岐にわたります。 このE-BOOKでは、 経験豊富なエキスパートであるコーチたちが全面協力し ています。 継続的な発展やアイディアの共有などに役立てることができるでし ょう。 また、 YouCoachには、 いつでもどこでも様々なデバイスから直接アクセ スでき、、 これら全てのトピックスが閲覧可能です。 さらに、YouCoachのトピ ックスは、 FaceBook、 Twitter、 YouTube、 LinkedInなど、 多くのSNS上でシ ェアやコメントできるのも魅力の一つです。 You read, You share, YouCoach!
著者
サルバトーレ・レオッタ UEFAライセンスA コーチ
1983年カターニア生まれ。 トレント大学文化遺産科学科と文化遺産管理学科をlode(賛辞付きの満点)の 評価で卒業。 14年以上育成年代のコーチとしてピッコリアミーチからベレッティまで全ての カテゴリーを担当する。2017年よりUEFAライセンス Aのコーチとなる。 Trento CalcioやHellas Veronaなどのクラブに務めた後、2015-2016シーズンより Lega ProのFCSüdtirolトップチームのテクニカルコーディネーターとマッチアナリス トを兼任。現在はFCSüdtirolのアゴニスティカの部門でテクニカルコーディネーター を務める。2009年よりUEFAライセンスのエントリーレベルのトレーニングコースに 参加しながら、ボルツァーノ自治州のFIGC委員会と協力し、様々なクラブを 繋げるべくコーチ間のテクニカルカンファレンスを組織している。
8 / サルバトーレ レオッタ
序文
育成年代の第一目標は、自身の持つポテンシャルを最大限発揮できるような 豊富な経験を持ち、競争力のあるサッカープレーヤーを数多く形成することです。 私はサルバトーレと共にサッカーコーチとしてではなく形成者として、青少年た ちの成長のために何を導くべきか、そしていつ行うべきかについて常に会話を 重ねてきました。 この著書の中にあるプロフォンディタ(敵最終ライン裏のスペース)を狙う プレーは、相手陣内のゴールに短時間で到達することを可能にしてくれる ポゼッションフェーズの攻撃原則の1つです。これはとりあえず誰かが 処理してくれるから前方に蹴る、ロングボールに終始する、といった解釈では ありません。スペースの占有を実現するパスのタイプや敵最終ラインの突破など、 タスク達成を目的とした効率的なプレーの重要性を解釈することです。 青少年たちには、あるプレーを選択する際にこちらが解決策を決定するのでは なく、形成者が設定した目的をプレーヤー自身が普段のトレーニングから考える 癖を根気強く教える作業が必要です。同時にこれらのプレー選択をより簡単に 実行するために強固な基礎技術を構築することも重要です。 このテキストは、内容もシンプルでわかりやすく、プロフォンディタ(敵最終ラインの 裏のスペース)への攻撃に関するトレーニングメニューや、試合形式トレーニングの コンテンツを網羅しているため、プレーヤーがピッチ上で実行するさまざまなプレー の選択を分析し、攻撃に必要な個人スキルを徹底的に高めることができます。 このe-Bookの中で実践的かつ直接的な手段を模索し、トレーニング構造の実装に 関する新しいビジョンの理解に興味をお持ちの方には、おそらく最重要事項として 強調しているプレーヤーの資質、またはスペースの認識とそれに関連する問題の 解決を強化できる試合形式のトレーニングにフォーカスすることをお勧めします。
アラディーノ・ヴァローティ スポーツディレクター / 元セリエAプレーヤー
敵最終ラインの裏のスペースへの攻撃 / 9
紹介
育成年代のコーチは、第一に「形成者」であるべきです。この用語は普段から 過小評価され、スポットライトを浴びることがない言葉ですが、あらゆる年齢の 青少年たちと共に同じ道を辿らなければならないという役割を完全に意味していま す。私の観点からすると、子ども達へのサッカーへの指導にはインストラクターが 必要ですが、思春期の少年向けにトップチームのトレーニングタイプを模倣する ということは正解ではありません。どの年代においてもトレーニング、技術/戦術、 運動分野、心理的に関する目的があり、プレーヤーの形成に関しては大人の プレーヤーにも対象が広がります。 この考え方から導き出された結論は、プロジェクトの中心にチームではなく プレーヤーを置くということです。チームやリーグ戦はプレーヤーの形成を改善する 手段であるべきで、コーチの結果を反映する最終目標であってはなりません。 1週間のスケジュールがどのように構成されているかクラブが設定した条件を ベースに考えてみると、2~4回のトレーニングセッションと試合をプログラムで きます。したがって、毎週4回の予定(試合を含む)では、誰もが週末の試合が 最重要だと推測するのは簡単でしょうが、実は日曜日の試合を重視することは できません。それは週に行われる作業の一部に過ぎないのです。 ここでは試合への重要性を抑えるだとか、プレーヤー間の競争の発生を避ける ことを望んでいる訳ではありません(コーチは試合に向けた感情のコントロールを 教える能力も必要です)。実際の状況を把握、分析するために試合を活用すると いう異なる観点から試合に臨んでもらうことを目指します。そのためにも特定の メニューをトレーニング中に行い、実践に移せるように訓練を重ねていきます。 トレーニングメニュー自体はプレーヤーのイニシアチブを促し、現実の試合の中で 何が起こりうるかというビジョンを与えなければなりません。 最終的に試合は、グループ内で個人プレーを実行する個人技術に関する 優先順位は何であるかを理解させてくれます。そこで、コーチの目標として「1人の プレーヤーの適切な基礎技術の構築」を熟知することが重要です。個人戦術の 目的を特定し、プレーヤーがチームメイトと、そしてあるグループ(2人組、3人組) 内でプレーを重ねることで、最終的には全く異なるグループに入ったとしてもそん色 なくプレーできるようになります。試合というコンテンツはチームプレーへの献身が 中心となりその中に個人間の競争が置かれている図式であるべきなのです。 このe-Bookでは実際の試合の状況で起こりうる特定の基準を考慮に入れた グローバルなトレーニングや、レース形式の内容を含んだ反復要素のトレーニ ングが多くあります。なぜならば、特定のシチュエーションにおける目的、つまり プロフォンディタ(敵最終ラインの裏のスペース)への攻撃をトレーニングするこ 敵最終ラインの裏のスペースへの攻撃 / 13
03
7対7 + フリーマン3名 トレーニングタイプ
試合形式トレーニング
所要時間 24分
目的 • • • • • • • • •
侵入 トラスミッション マークを外す ゴールへの攻撃 縦への動き 前のサポート 侵入 マークを外す動き スルーパス
マテリアル
準備
• ボール • サッカーゴール2台 • ビブス10枚(7枚1色、残り3枚1 色)
プレーエリア:60x50m プレーヤー:17名+ゴールキーパー2名 セット数:10分 x 2セット セット終了後に2分のリカ バリー
オーガナイズ
プレーエリアは通常のフルコートの半分とします。ピッチ上には両チームに7名のプレー ヤー(ディフェンス4名、攻撃3名)に加え、ポゼッション時にミッドフィールダーの役割を果 たす3名のフリーマンがいます。GKは自陣のゴールを守ります。
22 / サルバトーレ レオッタ
概要
どちらのチームもゴールを決めることを目的とするが、プロフォンディタ(敵陣の奥深く) を突くためにマークを外さなければならない。
ルール
• 試合はゴールキーパーから始めて、然るべきタイミングでプロフォンディタへの攻撃と マークを外す動作を実行するためにフリーマンを活用しビルドアップを試みる。 • ・得点が決まったプレーの直前に、コーチが指示したテーマに基づいたマークを外す 動作が行われていた場合のみ有効とします。
バリエーション
1. ディフェンダーの遠い側からマークを外す動きを利用する。 2. 一度相手から離れる動きを利用し、直後に相手のラインを突く。 3. 細かいコンビネーションで相手ラインを崩す。 4. 前線の攻撃陣以外のプレーヤーがフィニッシュに関わる。
コーチのポイント
• パス:プレーヤーは、「フィルトランテ = ペナルティエリア内へのスルーパス」もしくは「足元のパ ス」のどちらを実行すべきか分析する必要があります。ここでのスルーパスとは、複数のプレー ヤーによって形成されたラインまたは単一のプレーヤーのラインを通すタイプのパスを意味しま す。足元のパスとは、味方の足に向けてボールを渡すことを意味しますが、この時ディフェンダ ーのブラインドとなる場所にボールが向かうことも意図しなければなりません。 • インセリメント:前線へのパスについてはラインを突破するために3人目の動きが必要である。 • マークを外す動作:マークを外す方法の選択肢としてはディフェンダーの対応によって異なる。 もしアンティチポ(背後からのパスカット)を狙っている場合は、プロフォンディタ(敵最終ライン裏 のスペース)を狙うべき。もしプロフォンディタをケアしている場合は足元にボールを要求するべ き。 • 攻撃のタイミング:動き出した味方とアイコンタクトが取れていて且つパスが出せる瞬間に、ボ ールホルダーがそのタイミングを決める。 敵最終ラインの裏のスペースへの攻撃 / 23