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卒論 2020

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2020 卒業論⽂

発泡⽕⼭灰の混⼊がセメントモルタルの 物理的性質に及ぼす影響について

早稲⽥⼤学理⼯学部建築学科 1x17a113-8 萩⼩⽥⼤我

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⽬次 第 1 章 序論 第 2 章 既住研究の調査 2.1 調査⽅法 2.2 調査結果 2.2.1 発泡⽕⼭灰に関する研究 2.2.2 シラスに関する研究 2.2.3 ポゾラン反応に関する研究 2.2.4 ワーカビリティ に関する研究 第 3 章 発泡⽕⼭灰の混⼊がモルタルの微視的性質に及ぼす影響 3.1 実験⽅法 3.1.1 使⽤材料 3.1.2 調合 3.1.3 練混ぜ、試験体の作製および養⽣⽅法 3.1.4 測定項⽬および試験⽅法 3.2 実験結果および考察 3.3 結語 第 4 章 発泡⽕⼭灰を混⼊したセメント実験 4.1 実験⽅法 4.1.1 使⽤材料 4.1.2 調合 4.1.3 測定項⽬及び実験⽅法 4.2 試験項⽬ (1)フロー試験 ➀練り混ぜの⽅法 ②フロー試験の⽅法 (2)曲げ及び圧縮強度試験 ➀練り混ぜの⽅法 ②型枠充填作業 ③脱型および養⽣ ④曲げ及び圧縮の⽅法 4.3 実験結果および考察 4.4 結語 第 5 章 結論 附章 発泡⽕⼭灰を混⼊したコンクリート建築部材の試作 参考⽂献 謝辞

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54 55

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第 1 章序論 ⽕⼭国⽇本には、膨⼤な資源としての⼤きな可能性のある⽕⼭灰がある。 ⽕⼭灰の建築資材として左官材料、ガラス、コンクリート等様々な利⽤法があ る。コンクリートの⻑期耐久性、増進が期待できる天然ポゾランである⽕⼭灰 は⽕⼭国⽇本に広く分布し採取が可能な天然ポゾランである。 産業副産物であるフライアッシュ等の⼈⼯ポゾランなどを利⽤した、⻑期的 な強度増進が望めるものは近年多く報告されている。これら⼈⼯ポゾランは、 産業副産物であり⼤量⽣産消費の世界で成り⽴つ物質である。これからの時代 は、物質が⼤きく移動しない世界となることを予測すると、天然由来の物質を いかに使うかは重要な問題になってくる。噴⽕による降灰は農業や都市⽣活者 にとっては⾮常にマイナスなことであると捕えられる。しかし、地球全体の緩 やかな物質の流れに⾝を委ねる⽣活となった場合に、降灰をプラスに捉えられ るものづくりの思考を育む必要がある。 しかし、⽕⼭灰の物理的特性は、地球深部の⾼温液体マグマの成分や、噴⽕ 時の天気や気温などの状況、堆積後の⾵化変質作⽤によって⽕⼭ガラスの特性 に⼤きく影響する。そのため、⽕⼭噴⽕がもたらした⽕⼭灰であると⼀概に説 明できなく、同じ⽕⼭灰は存在しないために⼀般化することが極めて難しい。 ⽕⼭灰の違いが⼤きく現れるのが⽕⼭ガラスである。⽕⼭ガラスは 10 万年 単位(地質学的時間)では不安定な物質であり、時間の経過で安定した物質に姿 を変える。北海道の第四紀に堆積した多くの⽕⼭灰は、⾵化作⽤や続成作⽤、 熱⽔作⽤の影響を受けて粘⼟鉱物などに変化している場合が⼤きい。しかし、 第三紀に堆積した⽕⼭灰には⽕⼭ガラスが残っている場合が多い。 今回⽕⼭灰を採取したウトロ地区は、北海道の中でも地質学的時間では、新 しい⼟地であり、海底から姿を現にしたのが 200 万年前である。ここに位置す る⽕⼭は活⽕⼭である場合が多く、隣⼭の羅⾅岳は噴⽕周期から考えると、今 から 800 年の間で噴⽕が起こる計算である。 また、九州地⽅では⽕⼭灰の商品開発が盛んであり、⽕⼭灰を加熱すること で発泡させたシラスバルーンという資材がある。 以上を踏まえて、本研究では北海道に分布する未利⽤な資源である知⻄別⽕ ⼭灰のセメントモルタルの微視的特性に与える影響と、発泡させた⽕⼭灰の混 ⼊がセメントモルタルの⼒学的特性に与える影響を調べる。また、こうした建

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材としての発泡⽕⼭灰を混⼊したコンクリート規格材の設計と施⼯の提案を、 附章で⾏う。

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第⼆章

既存研究の調査

発砲⽕⼭灰、シラス、発泡⽕⼭灰 、ポゾラン反応に関連する既存研究を調 査する。 2.1 調査⽅法 CiNii,google scholer,J-stage の三つの論⽂データベースで本論⽂に関連する キーワード検索を⾏い調査した。 2.2 調査結果 2.2.1 発泡⽕⼭灰に関する研究 ⽕⼭ガラスの加熱発泡性についての既存研究は、⽊村邦夫(東京⼯業⼤学 ⼯業材料研究所)、浜野建也(⼯業技術院

九州技術試験所)らが発表してい

る。 ⽊村邦夫らは、「シラス中の⽕⼭ガラスの加熱発泡性について」の論⽂中 で、シラス中の⽕⼭ガラスを急速加熱した時の発砲過程を⾼温加熱顕微鏡によ る観察を⾏い、発砲機構をモデル的に推定した結果についてを次のように報告 している。 「⾼温加熱顕微鏡を⽤いた観察 500℃でガラス表⾯に⻲裂が発⽣、900℃で ガラスの⽐較的端⾯に 1〜数個の気泡が発⽣、950℃でこれら少数の気泡が膨 張し、その結果気泡の発⽣がない部分は鰭(ヒレ)状になる。さらに温度が⾼く なると貴⽅は鰭の⽅向に向かって膨張を続け、1,050℃になると粒⼦全体が⼤ きな気泡となって発砲を終了する。500℃で発⽣したガラス表⾯の⻲裂は発砲 終了後の発砲体の表⾯に溝状の模様として残っている。また、⼀部の試料では 2,3 個の気泡が同時に膨張することにより⽣成した発砲体内部の間隔が気泡の 膨張途中に消滅し、単⼀発泡体となるのが観察された」

図 1 発泡⽕⼭灰⾃然粒発砲過程の顕微鏡写真図

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⽊村邦夫「シラス中の⽕⼭ガラスの加熱発砲について」から引⽤

図 2 発泡⽕⼭灰の溝状模様を⽰した⾛査型顕微鏡写真 ⽊村邦夫「シラス中の⽕⼭ガラスの加熱発砲について」から引⽤ 2.2.2 シラス 九州地⽅では豊富な⽕⼭灰であるシラスのコンクリートの研究が盛んであ る。武若耕司の細⾻材としてのシラス特性では 5mm のふるいを通過した、シ ラスの諸特性をまとめている。これは微細粒を含むものである。jisA1109 に規 定されたフローコーンでなく垂直なコーンを⽤いた実験をおこない、密度と吸 ⽔率を求めている。「シラスは、コンクリート⽤として⼀般に使⽤されている 砂に⽐べて密度が平均で 80%程度、吸⽔率は三倍程度の値を⽰し、いわゆるポ

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ーラス材料である」。また、シラス中には 0.15mm 以下の微粒⼦が全体の4 0%をしめること、そして 0.074mm 以下が 15−25%であることがわかってい て、シラス中には微細分量の多さが際⽴っていることがわかる。しかし、これ は川砂利と⽐べると破砕実験の結果からかなり貧弱な材料であることがわかっ ている。破砕率は 600kn の時に川砂利が 10%を下回っているのに対し、シラ スは 40%と⼤きく異なることがわかる。 シラスの物理的性質は地域差があるのに対し、化学組成には⼤きく異なる点 が⾒当たらないことも特徴である。化学組成の全体的特徴としてシリカ成分が 70%を上回る極めて⾼い値を⽰しており、これはポゾラン反応が⾒込める。鉱 物組成の視点で⾒ると、⽕⼭ガラスが 60%を占めており、シリカとアルミナが 好物の多くを占めていることがわかる。ポゾラン反応が⾒込め値である。

2.2.3 ポゾラン反応に関する研究 コンクリートの⻑期耐久性(⼩樽港百年耐久試験に学)⻑瀧重義

では、百

年耐久試験は⼩樽港修築事業の⼀環として位置付けられる。特徴のひとつはセ メント・砂の質、淡⽔・海⽔中保存による耐久性の相違の調査。コンクリート ⼯学上世界に類をみない体系⽴ったこの耐久試験は、試験⽅法の異なる為現代 コンクリート⼯学へのそのままの適応が不可能。現代コンクリート技術の評価 体系の視点から検討。モルタル供試体ブリケット形状⼨法が今⽇の規格と相 違。ポゾラン活性が期待できる⽕⼭灰をコンクリートに混合使⽤することの是 ⾮確認、廣井勇博⼠による計画実施、材料・配合・養⽣⽅法の変化モルタル供 試体 6 万個の抗張⼒試験記録が残されている。 北海道庁編:⼩樽築港⼯事報⽂全編、後編 1908.1924 では、廣井が 1904 年位 アメリカ⼟⽊学会誌

⼩樽湾におけるコンクリートブロック製作に関する論⽂

材料品質配合、製造、養⽣

特に⽕⼭灰の有効性、締め硬めの重要性、型枠脱

形後の⽔養⽣の重要性をモルタルブリケットによる最⼤ 6 年の試験データから 実証的に⽰す。1913 に 14 年分、1920 に 22 年分の結果報告。気中⽔中海中養 ⽣モルタル供試体引っ張り強度、材齢に関する放物線関数により⽰す。⼩樽湾 に使⽤された⽕⼭灰はセメント同様の粒径で混合。 ⼩樽⽕⼭灰

多シリカ質

セメント強度発現

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気中養⽣で圧縮強度低下、セメント中⾃由⽯灰とシリカの化学反応に注⽬、海 中で強度増加、有益。ポゾランはイタリア地⽅の puzzoli 発祥のものであり、 古代ローマ建造物の資材として利⽤された 我国⽇本での、天然資源⽕⼭灰の利⽤⽅法に関する研究の年順を以下に⽰ す。 1870 michaelis ポルトランドセメントにケイ酸化合物、⽕⼭灰、⾼炉スラグ混 可溶性ケイ酸

遊離⽯灰と結合 強度、⽔密性、抵抗性強化(スイステトマイ

ヤー確認) 1880 年頃

michaelis による⽕⼭灰の有効性に関する研究

1882 曾禰達蔵による⽕⼭灰論の発表⼯業会誌 1895 佐世保船舶で漏⽔事故の発⽣ 1898 プルシア政府がシルト島で⽕⼭灰がコンクリートの強度を増強させる増 量剤としての有効性を発表 1901 ⼩樽湾防波堤ブロックに⽕⼭灰の使⽤開始 1902 廣井

セメント:⽕⼭灰:砂:砕⽯=1:0.8:3.2:6.4 ⽔は練り上がり量 12-

14%、⽔セメント⽐ 38ー44%相当 「凡そ海中に⽤ゆるセメントの適量の⽕⼭灰を混ずるときは、その耐久性を付 与する有効なるのみならず費⽤を消減するの利あることは曽て独⼄の⽯百学 Michaelis の唱道せし所にして明治 31 年(1898)普国(プロシア)政府がシル ト島に於いて施したる試験の結果により証明するところなるを以て本⼯事に於 いても数回試験の上明治 35 年(1902)に⾄り⽕⼭灰をセメントに混⽤するこ とを断⾏するに⾄れり。」

2.2.4 ワーカビリティ に関する研究 ⼭崎寛司による「鉱物室微粉末がコンクリートのワーカビリティに及ぼす効 果に関する基礎研」では、微粒⼦表⾯が滑らかであり球形に近いほど⽔セメン ト⽐が減らせることが報告されている。 ⼭崎寛司による「鉱物微粉末がコンクリートの強度に及ぼす効果に関する基 礎研究」によると、「セメントペースト中の微粉末がコンクリートの強度に著 しい効果がある。鉱物質微粉末の代表にポゾラン材があげられる。この微粉末

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が強度に及ぼす影響はセメントとの化学反応を引き起こさない微粉末である場 合でも強度に影響する。セメント分の置換率が増加するほど強度は低下する。 微粉末を細⾻材分の置換を⾏うと、スランプ値に必要な単位⽔量が⼤きく変わ らない程度では、強度の増加が⾒込める。具体的には、セメント質量⽐ 30%の 微粉末を細⾻材に置換すると材齢 28 ⽇で、フライアッシュの場合 120-150%、 ⽯灰席粉末・硬砂岩粉末の場合 110-144%強度が増加した。これは同時にワー カビリティ ―を改善している。」と報告している。

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第 3 章 発泡⽕⼭灰の混⼊がモルタルの微視的性質に及ぼす影響 3.1 実験⽅法 3.1.1 使⽤材料 (1)⽕⼭灰 使⽤する⽕⼭灰は、知⻄別岳からオホーツク海へ流れるフンベ川付近の斜⾯ 地から採取したものを使⽤した。⾮常に新鮮な流紋岩質な⽕⼭灰を含む⽕砕流 であるため⽕⼭ガラスによるポゾラン反応が期待できる。 これを、105℃以上で炒り 0.1mm ふるいを通過したものを原料とする。当⽕ ⼭灰の主成分全岩化学分析地は、千島⽕⼭帯に属し知床半島背斜軸上活⽕⼭で ある羅⾅岳の⽕⼭噴出物平均値を参考にする。コンクリート混和剤としてのポ ゾラン材の標準規格 ASTMC618 による SiO2+Al2O3+Fe2O3>70%かつ SO3<4%を満たす。 また、塩基度が(CaO+MgO+Al2O3)/SiO2=0.42 と潜在⽔硬性の⽬安値 1.4 より⼤幅に⼩さくアルカリ環境下での⽔硬性は期待できない。実体顕微鏡によ る観察の結果、⽕⼭ガラス表⾯に多くの凹凸を有する多孔質粒⼦が確認できポ ゾラン反応が期待できる。 ⽕⼭灰の選定は、知床の地質研究の第⼀⼈者である、斜⾥町⽴博物館学芸員 の合地信⽣さんと共に⾏った。今回使⽤する⽕⼭灰の現場を⾒てもらい、意⾒ を貰った。場所の詳細は図 3.1 に⽰す。 粒度の細かい⽕⼭灰が熱を持って堆積することで、本来⽩い⽕⼭灰が⾚く酸 化している(図 3.2)。 積層の上から下まで、透明、⽩⾊、⻩⾊、⾚紫⾊とグラ デーションになっている(図 3.3)。 このことから、近い⽕⼭の⽕⼭砕屑物(直径 2mm 未満の⽕⼭灰、2〜64mm の⽕⼭礫・軽⽯、噴⽯が含まれる)である可能性が⾼く知⻄別岳であることが 推測できる。⼤きい噴⽯は通常、⽕⼝から 1〜2km の距離を⾶散するので、⽕ ⼝から⾶び出した楕円状の噴⽯の⽕⼭弾や、ガスが抜けて多くの⽳が開いた⽩ いマグマの破⽚の軽⽯が多く⾒られる。知⻄別岳⽕⼭の噴⽕絶対年代の資料 は、ONNE-5,ONNNE-6,ONNNE-2 の3つがあるが、これは最初に噴⽕した 溶岩の年代で、⽕⼭灰の年代ではない。おそらくこの⽕⼭灰は古くても数万年 前のもであると推測でき、1 万年以前で知⻄別岳が噴⽕源であれば知⻄別岳が 活⽕⼭であると分かる重要な⽕⼭灰である。 ⽕⼭灰を採取するため、⼟嚢袋に詰めていく。重機やスコップの作業でな く⼿作業で⾏う。(図 3.4) 北海層には新世紀から第四紀以降の⽕⼭活動の記憶が地層に残されており、 この地層に多種多様な⽕⼭灰が⼤量に含まれている。⽕⼭灰は噴⽕時の天気や 気温などの状況や、退席後の⾵化変質作⽤によって⽕⼭ガラスの特性に⼤きく 影響する。そのため、⽕⼭噴⽕がもたらした⽕⼭灰であると⼀概に説明できな く、同じ⽕⼭灰は存在しない。違いが⼤きく現れるのが⽕⼭ガラスである。⽕ ⼭ガラスには⼤きく⼆つの形に分けられる。グラスファイバーのような管状の ガラス繊維と、空気の泡を含むガラスの筋が分岐し湾曲する波の壁のような形 のものである。⽕⼭灰は、噴⽕に伴い勢いよく外気にさらされた⾼温の鉱物同 ⼠が急冷されることで、鉱物同⼠を伸びたゴムのようにつなぎ合わせたもので あるため多孔質の特性をもつ酸性物質である。前者にその特徴がよくでてい

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て、後者は⼤規模なガス爆発を引き起こす噴⽕によって放出される形である。 両者ともに無職または⽩⾊の透明なものである。ここで採取した⽕⼭灰は前者 の繊維状のものであった。 ⽕⼭灰は緩やかにオホーツク側に傾く層状に積もっており。初めは近くを 流れるフンベ川の再堆積(⼀度川に流されたいせきすること)であるのではない かと推測した。しかし知⻄別岳噴⽕⼝の⽅向に緩やかに傾斜することは物理的 に必然であり、噴⽕後の地殻変動により層位が変化していることも疑える。畑 の⼟壌下から、綺麗な真っ⽩な極めて粒度の細かい⽕⼭灰が⾒られ、上から順 に⽩⾊、⻩⾊、紫⾊とグラデーションに⾊が移り変わっている。⽩⾊層には叩 けば崩れる程度の⼤きな⽩⾊軽⽯がとれ、これを砕き採取した。触った感じ含 ⽔率が⾮常に低く、傾斜の上側で⾬に濡れにくいという条件があることを考慮 しても、さらさらな乾燥した印象であった。空中運搬の際に粒度別に積もるた め最上位⽕⼭灰は⾮常に⽬がきめ細かい。⻩⾊、紫と⾊が濃くなればなるほど 粒度が荒くなる。これは軽⽯の粒状のものがふくまれてくるからである。 ⽕⼭灰採取までの経緯 ⽕⼭灰は⽬視で何か気になり、地元住⺠に尋ねたとこる⽕⼭灰⼟であり過 去に業者が重機で採取していたと伺った。ジャガイモ畑が上にある崖でみられ る⽕⼭灰は、昔、加藤建機という⼟⽊会社が重機によって採取していたが、現 在はその採取を⽰す記録がなく。⼟地の所有者であった現知床朝市⼤成丸とい う海鮮料理屋の店主(元漁師)に話を伺うが、記録はなかった。その当時から⽕ ⼭灰は埋め戻し材として使われていたのではないかと推測する。

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図 3.1 使⽤した⽕⼭灰の採取場所(⾚丸)とその様⼦ 出典 google earth、産総研地質調査センター5 万分の 1 地質図

火山灰採取地の様子(黄色定規は1m寸法)

図 3.2 採取した⽕⼭灰の崖の様⼦(⻩⾊定規は 1m を⽰す)

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図 3.3 採取した状態の⽕⼭灰の⾊の状態(右:⾚紫、左:⻩⽩⾊と透明)

図 3.4 採取作業 また、北海道斜⾥郡清⾥町⻘葉の道道 805 号線(札弦停⾞場⽔上線)に位置す る⽕⼭灰も採取検討した(図 3.5)。地質図と地形から、斜⾥岳噴⽕による⽕ ⼭灰であると推測した。噴⽕年代も数⼗万年古いため⽕⼭ガラスの新鮮さが劣 る。また⾵化作⽤から粒度、不純物の混⼊率等から知⻄別岳噴⽕物より劣るこ とから採⽤しなかった。

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km 16.4

16.4km

図 3.5 斜⾥岳噴⽕⽕⼭灰の採取場所と様⼦

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⽕⼭灰の準備・加⼯ 採取した⽕⼭灰には⾚紫⾊(図 3.5) 粘⼟と煉⽡と廃材の鉄棒で作った釜の上に、トタン板で成形した 1m×1m の平⽫を乗せる。この⽫に⽕⼭灰を⼊れトタンで蓋をし、その下で廃材を燃や し、⽕⼭灰を炒る(図 3.5)。炒ることで軽⽯粒⼦内の⽔分を⾶ばし、また不純 物を除くためのふるいにかけやすくなる。⼀回で⼟囊袋 1.5 袋分をいることが でき 3 時間程度の時間を要する。この作業を 4 ⽇⾏い、⼀⽃⽸(18l)5つ分の上 質な⽕⼭灰を準備した。炒る作業で興味深かったこととしては、⽕⼭灰から⽔ 分が抜けたある段階から以上にさらさらになり、ヒラスコップで混ぜる際に実 際に触っている感覚がないほどサラサラとなったことである。均質な粒度かつ 微粒である⽕⼭灰中の空気が発泡したために、さらさらになったと考えられ る。作業途中あまりにも⽕⼒を上げすぎて 0.5mm トタン板に⽳が空き⽕⼭灰 が下に落ちてしまったことがあった。このことから鉄の融点 1538℃近辺まで ⽕⼒があったことがわかる。ガラス軟化温度が 730℃・融点が 1200-1400℃で あることから、少なくとも⽕⼭灰中の⽕⼭ガラスが軟化し丸みを帯びた発泡体 になったではないか。 炒った後の⽕⼭灰(左)と採取した時の⽕⼭灰(右)⾊の違いがはっきりとわか る。(図 3.6)

図 3.5 炒る作業の様⼦

図 3.6 炒った後(左)と炒る前(右)との⽐較

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この発泡させた⽕⼭灰を使⽤する。 (2)砂 使⽤する砂は北海道⼩清⽔台地の⽕砕流が河川で海へ運ばれ宗⾕暖流で順次 堆積した⽬の⼩さな東の砂(斜⾥町以久科原⽣花園砂浜)を試料とする。 0.5mm ふるいを通過したものを原料とする。数万年前の新しい⾃体の噴⽕がも たらした⽕⼭ガラスが多く含まれ、⾬の少ない台地で堆積したため⾵化が少な く新鮮な鉱物結晶が残るこの砂はモルタル⾻材として最適である。 オホーツク海を⻄に⾏けば⾏くほど鳴き砂と呼ばれる⽯英の多い⽩い砂にな ってくる。コンクリートの相性を考えてアルカリ⾻材反応を起こしにくい鳴き 砂を使⽤した。砂採⽯場所を図 3.7 の⽩丸である。

図 3.7 砂採取場所(⽩丸)

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(3)砂利 使⽤する砂利は、北海道峰浜の海に近い河川脇の畑の下から採⽯した砂利を 試料とする。⽔で洗い泥を完全に落とし 10mm ふるいを通過したものを原料と する。 海別岳からオホーツク海へと流れる糠真布川の横に位置する畑⼀枚を剥がし 採⽯している砂利を使⽤した。図 3.8 の⾚丸に採取場所を⽰す。斜⾥砂利組合 の敷地で、この組合から軽トラ⼀杯分約 300kg を 700 円で購⼊した。採⽯され た全てのサイズの⽯が洗われる前の状態のもので、粒度の細かい砂が混じる最 ⼤⼨法 40mm までの砂利で、切込 40 (0〜40mm の砂利再堆積)と呼ばれる。河 川の近くであることから川を下ってきた⽕⼭岩の再堆積物であることが推測で きる。

図 3.8 砂利採取場所(⾚丸)と採取された粒径別の安息⾓⼭の様⼦

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(4)セメント 太平洋セメントの普通ポルトランドセメントを使⽤する。 (5)⽔ コンクリー練り上げ⽔として、海⽔と沢⽔を採取した(図 3.9)。海⽔はウト ロ漁港の三⾓岩のできるだけ漁港の不純物が混じらないポイントで採取した。 この海⽔ 100g を沸騰させて塩分を抽出すると、3.2g 取れた。これは海⽔濃度 の基準である 3.2%の値を算出する。 沢⽔はウトロの家の前を通る沢⽔の上流 100m ほどからホースで組み上げて きたものを利⽤する。飲み⽔として利⽤できるもので、安⼭岩気質の砂利が多 く取れる沢である。

図 3.9 海⽔塩結晶実体顕微鏡写真と海⽔採取地

3.1.2 調合 表 3.1 に⽰すようにセメント試験体を配合する。い〜ち は、練り上げ⽔に 海⽔を⽤いた。い〜ほ では、セメント、砂、⽔⼀定で⽕⼭灰をセメントを 1 とした時の質量⽐ 0.5,1、1.5、2、3 を混⼊させた。へとち では、セメント、 ⽔⼀定で⽕⼭灰をセメントを 1 とした時の質量⽐ 1、2、3 を混⼊させた。り〜 か では、セメント:砂:砂2の⽐率を⼀定にフロー値⼀定で、⽕⼭灰を 0.5、1、1.5 と混⼊している。 顕微鏡観察では⾻材間、⾻材界⾯の観察が重要であるので、⽐較対象になる ようにではなく、バリエーションに富んだ配合にした。

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試験体名

表 3.1 試験体別セメントの配合表 ⽕⼭灰 セメント 砂

砂2

い

o.5

1

ろ

1.5

1

0.5(海⽔)

は

1

1

0.5(海⽔)

に

2

1

0.5(海⽔)

ほ

3

1

0.5(海⽔)

へ

1

1

1.5(海⽔)

と

2

1

1(海⽔)

ち

3

1

1(海⽔)

り

0.5

⽔ 0.4(海⽔)

1

2

3

0.5

ぬ

0.5

1

1

1.5

0.5

る

0.5

1

2

3

0.75

を

1

1

2

3

1

わ

1.5

1

2

3

1.25

か

1.5

1

2

3

1

よ

0.3

1

4

0.5

た

0.8

1

4

1

れ

1.3

1

4

1.2

そ

1.8

1

4

1.4

つ

1.8

1

4

1.5

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3.1.3 練混ぜ、試験体の作製および養⽣⽅法 ⽕⼭灰を混⼊した配合別⼩試験体は、直径 5mm ⾼さ 50mm の円柱サイズと した。モルタルの配合を様々にして製作した(図 3.1.3.4)。 セメント、砂、発泡⽕⼭灰をさじ棒で⼀秒間に⼀回かき交ぜるペースで 1 分 間⼿練りを⾏う。次に⽔を加えさじ棒で⼀秒間に⼀回かき交ぜるペースで 4 分 間かき混ぜを⾏う。これを 24 時間気中保存(図 3.1.3.1)したのちに、⽔中養⽣ 2 週間を⾏う(図 3.1.3.2)。練り上げ⽔が海⽔のものは海⽔保存、淡⽔のものは淡 ⽔保存を⾏った。

図 3.1.3.1 気中保存の様子

図 3.1.3.2 水中養生の様子

図 3.1.3.3 試験体表⾯状態

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図 3.1.3.4 全ての試験体

3.1.4 測定項⽬および試験⽅法 (1)試験体の⾊ 作製した試験体の⾊の観察を⾏う。⽬視でグラデーション表をつくる。 (2)発泡⽕⼭灰がモルタルの微視的性質に与える影響 偏光板を⽤いた実体顕微鏡観察を⾏う。⽔中から取り出した試験体を 60 度乾 燥室で 24 時間感想を⾏なったのちに、各試験体の薄⽚を作製する。鉱物カッ ターで試験体の中央を半分に切り分け(図 3.10)、炭化ケイ素を研磨剤に⽤いた 研磨剤で表⾯を磨く。次に、超⾳波洗浄機で⽔洗いする。その断⾯を空気が⼊ らないように、強⼒接着剤材(エキポシ系)を⽤いて薄⽚版に写し作製する。こ の後ガラス板上で、研磨剤の番⼿が⼤きいものから⼿研磨を始め、番⼿を⼩さ くしていきながら厚さ調整を⾏う。これで、28×48mm サイズのスライドグラ スに厚さ 0.03mm 程度の極めて薄い岩⽯が貼りついた状態となる(図 3.11)。 これは、光が透過するため、顕微鏡で観察した時、鉱物と⽕⼭灰とセメント の状態が鮮明にわかる。さらに偏光板を通すことで、鉱物の⼯学的性質が明ら かになるため、鉱物の種類や組織が明確にわかる。⼆枚の偏光板の重さねる⽅ 向の⾓度を調整することで、鉱物の⾊が変わる多⾊性や、⾊がついて⾒える⼲ 渉⾊、明暗が変わる消光などの現象が観察できる。偏光板では、光の波の様々 な⽅向の波を、偏向板を通すことで、光の直⾓振動をある⼀つの⽅向のみ透過 させることができる。⼆枚の偏向板を直⾏する形で重ねると光が完全に遮られ 暗⿊となる。

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図 3.10 (い)試験体の切断⾯の様⼦

3.2

図 3.11(い)試験体の薄⽚

実験結果および考察

図.3.2.2、図.3.2.3、図.3.2.4 で、全ての試験体の偏光顕微鏡倍率 10 倍での写 真を⽰す。鉱物の判断、⾒分けは図.3.2.1 と地質学者の合地信⽣さんとともに ⾏なった。 ⾻材界⾯に、発砲した⽕⼭灰が混⼊しセメントとの結びつきをよくしている ことが確認できた。 ⽕⼭灰を構成する斜⻑⽯、⽯英、カンラン⽯などの鉱物は全体の 10%程度で あり、⽕⼭ガラスがそのほとんどを占める。これは直⾏ニコルにした時に有⾊ になるものが写真画⾯全体の 10%を占めていることがわかる。⽕⼭灰は⾮晶質 であるため平⾏ニコルでは、⽩く直⾏ニコルでは⿊く⾒える。 粒⼦の外表に発砲が起きた場合、空壁がこわれ、内側に丸くえぐれた形が観 れる。 発泡⽕⼭灰の微粒分が、モルタル全体へ分散し細孔を塞ぐように、密な組織 を形成している。 セメントと⾻材界⾯に、⼊り込んだ発泡⽕⼭灰の微粒分が今後ポゾラン反応 を進⾏させ、さらなる緻密な組織を形成すると推測した。 養⽣期間を⼗分に取ることによって、⾻材界⾯に発泡⽕⼭灰が⼊り込みやす くなるので、ポゾラン反応の進⾏が活発となると推測する。

⾼温加熱させ内部気泡が発砲した⽕⼭灰をセメントに混⼊させるメリット 1. 表⾯の平滑さは、コンクリート制作の際のワーカビリティ(作業性混ぜやすさ)

22


の向上を望める。 →事実そうであった。 2. 表⾯の溝状模様はセメントとの絡みを良くし、初期強度の向上を望める。 →淡⽔より海⽔の⽅がそうであった。(⽖で削ってみたところ) 3. ⻑期的視点で⾒るとセメント⽯灰からの Ca(OH)2 と反応し、カルシウムシリ ケート⽔和物の⽣成(ポゾラン反応、膨張による組織の緻密化・強度発現)を望 める。 →粒⼦単位の⾼倍率顕微鏡でないと観察できない。 倍率 5 倍の偏光顕微鏡写真では、⾮晶質の⽕⼭灰ガラスを確認した。酸化した ⽕⼭灰が⾚や⻩⾊などの特徴的な⾊をしているため観察しやすかった。基本的 に⽕⼭ガラスは平⾏・直⾏ニコルどちらの場合でも、⿊⾊で⾒える。 を 1 で発砲した⽕⼭灰の典型的な特徴がよく⾒える。細粒の斜⻑⽯が⼊り、周 りを⿊⾊のガラスの塊が囲っている。

図.3.2.0 を 1 典型的な発砲した⽕⼭ガラス

23


図.3.2.1 試験体(い)~(ほ)の各薄⽚⼆箇所ずつの偏光顕微鏡倍率 10 倍写真 (左:平⾏ニコル、右:直⾏ニコル) ※(い)の左上⼆枚のみ倍率 1 倍のもの (各写真に、代表的な発泡⽕⼭灰とセメントと絡み部分を⾚丸に⽰す)

24


図.3.2.2 試験体(へ)~(ち)の各薄⽚⼆箇所ずつの偏光顕微鏡倍率 5 倍写真 (左右 2mm)(左:平⾏ニコル、右:直⾏ニコル) (各写真に、代表的な発泡⽕⼭灰とセメントと絡み部分を⾚丸に⽰す)

25


図.3.2.3 試験体(り)~(か)の各薄⽚⼆箇所ずつの偏光顕微鏡倍率 5 倍写真 (左右 2mm)(左:平⾏ニコル、右:直⾏ニコル) (各写真に、代表的な発泡⽕⼭灰とセメントと絡み部分を⾚丸に⽰す)

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図.3.2.4 試験体(よ)~(つ)の各薄⽚⼆箇所ずつの偏光顕微鏡倍率 5 倍写真 (左右 2mm)(左:平⾏ニコル、右:直⾏ニコル) (各写真に、代表的な発泡⽕⼭灰とセメントと絡み部分を⾚丸に⽰す)

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図.3.2.5 試験体(い)の偏光顕微鏡倍率 10 倍写真(左側)から、 発泡⽕⼭灰を拡⼤抽出(右側) ⽕⼭灰(橙丸)と空隙(⽩丸)と封⼊体(⿊丸)と発泡⽕⼭灰(⾚丸)を⽰す (上:平⾏ニコル、下:直⾏ニコル、)

3.3 結語 作成した全ての試験体の薄⽚で発泡させた⽕⼭灰とセメントの⾷いつきが良 いことが観察できた。発泡⽕⼭灰と、発泡の際割れた気泡壁がセメントの絡み の可能性があり、加熱 500°での⻲裂による発砲時の溝状模様がさらに⾷いつ きをよくしたと考察する。今後⽕⼭ガラスがポゾラン反応を引き起こし、⾻材 界⾯をさらに充填する結晶が⽣まれ、密にすることを期待する。 発泡⽕⼭灰の微粒分が、モルタル全体へ分散し細孔を塞ぐように、密な組織 を形成している。 セメントと⾻材界⾯に、⼊り込んだ発泡⽕⼭灰の微粒分が今 後ポゾラン反応を進⾏させ、さらなる緻密な組織を形成すると推測した。 養⽣期間を⼗分に取ることによって、⾻材界⾯に発泡⽕⼭灰が⼊り込みやす くなるので、ポゾラン反応の進⾏が活発となると推測する。

28


第4章

発泡⽕⼭灰を混⼊したセメント実験

4.1 実験⽅法 4.1.1 使⽤材料 使⽤する発泡⽕⼭灰は、⿅児島県⼯業技術分析センターが製造するのシラフ ァインを利⽤した。品番は MSB-3011SS。⾊は淡い⻩⾊で、平均粒径は 2.8μ m、かさ⽐重 0.65〜0.95 である。成分値は表 4.1.1 に⽰す。SiO2:75%、 Al2O3:12.1%、Fe2O3:1.46%、Na2O:4.12%、K2O:3.83%、TiO2: 0.15%、MgO:0.23%である。化学組成ではシリカ分とアルミナが多く、これ は鉱物組成で考えるとほとんどが⽕⼭ガラスである。ポゾラン反応の期待でき る数値である。 表 4.1.1.利⽤した発泡⽕⼭灰の成分分析値(蛍光 x 線分析法) 出典⿅児島県⼯業技術分析センター

単位 mass%

使⽤する砂は、100℃の乾燥室で 24 時間以上の乾燥を⾏なった jisR5201 に 準じた標準砂を⽤いる。 使⽤するセメントは、開封後 5 時間以内の jisR5201 に準じた普通ポルトラン ドセメントを使⽤する。

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使⽤する⽔は、上⽔道⽔を使⽤する。また、⽔温は試験室にて数時間寝かせ 試験室の温度と等しくするようにした。 4.1.2 調合 調合は表4.1.2.1に記載する。⽔セメント⽐50%と⽔セメント⽐55%の発泡⽕ ⼭灰を混⼊したセメントを作成する。普通ポルトランドセメント450±2g、標準 砂砂1350±5g、⽔225±1gを基本とし、セメントの質量⽐0、10、30、50%、80% で、発泡⽕⼭灰を混⼊したモルタルとする。それぞれ0g、4.5g、13.5g、 22.5g、36.0gとなる。 表 4.1.2 発泡⽕⼭灰を混⼊したセメント配合表:単位[g] ―

T

K

R

S

L

発泡⽕⼭

0

4.5±0.3

13.5±0.3

22.5±0.3

36.0±0.3

450±2

450±2

450±2

450±2

450±2

標準砂

1350±5

1350±5

1350±5

1350±5

1350±5

⽔

225±1

225±1

225±1

225±1

225±1

灰 普通ポル トランド セメント

4.1.3 測定項⽬及び試験⽅法 実験は恒室で⾏ない、試験室の温度は20±2℃とし、相対湿度を50%以上とし た。以下に、試験内容を⽰す。 (1)フロー値測定試験 セメントモルタル(表 4.1.2.調合表通りの T,KR,S,L)のフロー値を測定す る。試験⽅法は jisR5201 のモルタル物理試験の基準で実験を進めることとす る。jisR5201 に準拠して機械ミキサーを⽤いてセメントモルタルを練り上げ た。規定されたフローコーンフローテーブル、突き棒を使⽤しフロー値を測定 した。フロー値は、モルタルの柔らかさ、硬さの指標となり、流動性を⽰すこ とができる。

30


(2)曲げ強度試験および圧縮強度試験 セメントモルタル(表 4.1.2.の調合表通りの T,KR,S,L)の材齢 7 ⽇での圧縮 強度と曲げ強度を測定する。試験体の⼒学的性質を明らかにする。試験⽅法は jisR5201 のモルタル物理試験の基準で実験を進めることとする。試験体は 40 ×40×100[mm]直⽅体を⽤いた。脱型と養⽣は、材齢 1 ⽇で脱型したのちに 20℃⽔中養⽣を⾏った。圧縮と曲げの試験機械は、SHIMAZU メーカーの精密 万能試験機 AUTOGRAPH(AG-I-250kN)を使⽤した。

4.2 試験項⽬ (1)フロー試験 ➀練り混ぜの⽅法 表 4.1.2.調合表通りの T,KR,S,L 全てのセメントモルタルを、モルタル機械 ミキサーを⽤いて練り混ぜた。 まず始めに、配合別に電⼦計りで材料を計りとり、トレーに分けていく。 (図 4.2.1) これを機械モルタルミキサーでモルタルの練り上げを⾏う。 (図 4.2.2) 機械練りによる⽅法をいかに数順で記述する。 1.練り鉢に⽔を規定量を⼊れ,次にセメントを規定量を⼊れる。 2.混⼊後直に、練混ぜ機を低速(⾃転速度は毎分 140±5 回転、公転速度は毎 分 62±5 回転に設定する)で始動させる。この始動開始時を練混ぜ開始時間と する。 3.練混ぜ機を始動させて 30 秒後に標準砂を規定量⼊れる。この際、練り混ぜ機 が安定した速度のタイミングで 30 秒間。 4.⾼速(⾃転速度:毎分 285±10 回転,公転速度:毎分 125±10 回転)にし, 引き続き 30 秒間練混ぜを続ける。 5.90 秒間休⽌し,休⽌の最初の 30 秒間に適切なさじ⼜はへらで,練り鉢及び パドルに付着したモルタルを練り鉢の中⼼部に集めるようにしてかき落とす。 6.休⽌が終わったら再び⾼速で 60 秒間練り混ぜる。練混ぜ時間は休⽌時間も含 めて 4 分とする。 7. 練混ぜが終わったら練り鉢を練混ぜ機から取り外し,適切なさじで 10 回か き混ぜる。

31


図 4.2.1 材料の計り作業の様⼦

図 4.2.2 モルタル機械ミキサー ②フロー試験の⽅法 フロー試験の⼿順を数順に以下に記述する。 1.乾燥した状態のフローテーブルの上で、中央に正しくフローコーンを置く。

32


2.練り上がったセメントを⼆層に分けてフローコーンに充填する。(図4.2.3) 3.各層ごとで搗き固め充填を⾏う。この際、突き棒の先端が層の1/2の深さまで 突き刺さる様に⾏う。全⾯的に各15回搗き固め、不⾜を感じた場合は必要分⾏ う。(図4.2.4)最後に、表⾯部分はならして置く。(図4.2.5) 4.搗き固め後直ぐに、フローコーンを垂直⽅向に取り去る。(図4.2.6)15秒間に 15回の落下運動を与えモルタルをフローテーブルにさらに落とす。(図4.2.7) 5.フローテーブルに広がったセメントの径を最⼤とする⽅向と、それに対し直 ⾓な⽅向の⼆⽅向の⻑さを1mm単位で測る。(図4.2.8) 6.測定した⼆つの値の平均値をフロー値とする。これは、mmを単位とする無名 数の整数で表すこととする。 この様な⼿順でフロー試験を⾏いフロー値を算出する。 フロー試験で使⽤する器具に、フローコーン・フローテーブル・突き棒があ る。これらの特性を以下に記述する。 フローコーンは鋳鉄材質、縦軸には軟鉄材質のものを利⽤する。ショア硬さ HS70以上の物である。コーン上部内径は70.0±0.5mm、コーン下部内径が 100.0±0.5mm、コーン⾼さ60.0±0.5mmである。 フローテーブルは、鋳鉄材質、縦軸には軟鉄材質のものを利⽤する。ショア 硬さHS70以上の物である。テーブルの直径は300±1mm、縦軸の⻑さは 103±2mm、縦軸の直径は24±1mmである。ターブルの質量は8,600±30gである。 突き棒は、軟鋼材質のものである。直径は20±1mmで、質量は500±3gであ る。搗き固める際の最初に接触する突き棒底⾯は、突き棒側⾯と垂直である。 突き部分は磨き上げ仕上げに対し、持ち⼿部分は滑り⽌め仕上げである。

33


図 4.2.3 モルタル充填作業の様⼦

図 4.2.5 モルタル均し作業の様⼦

図 4.2.4 モルタル搗き固め作業の様⼦

図 4.2.6 フローコーンを垂直に引き 上げた後の様⼦

34


図 4.2.7 モルタルに落下運動を与え

図 4.2.8 測定作業の様⼦

フローテーブルに広がった様⼦

(2)曲げ及び圧縮強度試験 ➀練り混ぜの⽅法 表 4.1.2.調合表通りの T,KR,S,L 全てのセメントモルタルを、モルタル機械 ミキサーを⽤いて練り混ぜた。図 4.2.9 に機械練りの様⼦を⽰す。 以下は 4.2.(1)➀に書かれたフロー試験の練り混ぜ⽅法と同じである。

図 4.2.9 モルタル機械ミキサーでの練り混ぜの様⼦

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②型枠充填作業 JisR5201のセメントの物理試験の⽅法で規格されている40×40×160mmサ イズのモルタル供試体を作成する。材齢7⽇と材齢28⽇の⼆種類を⽕⼭灰混⼊ 率別に作成した。 練りあがったモルタルを、三つの供試体を同時に成型することが可能な三連 型の型枠に充填していく。その際、各層ごとで搗き固め充填を⾏った。突き棒 の先端が層の 1/2 の深さまで突き刺さる様に⾏い、全⾯的に各 15 回搗き固め た。不⾜を感じた場合は必要分⾏った。最後に、表⾯部分はならして置いた。 三連型の材質は鋼であり、底板の材質は鋳鉄である。型枠および底⾯で構成 された成型型となっており、両端の枠および仕切り枠で構成される型枠であ る。型枠とモルタルが接する⾯である平⾯度の公差が 0.03mm であり、仕切り 枠と両端枠はすりこんではまる構造である。締め付け⾦具でこの仕切り枠と両 端枠を垂直に押し込むことで型枠が締まる仕組みである。この際グリースと⾔ われる油脂を塗り込むことで⽔漏れの⼼配がなくなると同時に、三連型枠の錆 付きの防⽌にもなる。三連型の⼨法は以下の様である。両端枠間の距離 160±1 mm、両端枠の⾼さ 40.0±0.1 mm、 仕切枠の⾼さ 40.0±0.1 mm 、仕 切枠間の距離 40.0±0.2 mm である。(図 4.2.10) 三連型枠にモルタルを充填後、テーブルバイブレーターを⽤いて締め固め 作業を⾏う。(図 4.2.11) 充填した型枠をテーブルバイブレータで 5 分間振動を 与え空気を抜く。振動後に、型枠にセメントが不⾜した場合は埋め合わせをす る。その際、突き棒(図 4.2.12)で 15 回搗き固め、最後に均した。 振動電動機の回転速度は 2800±50rpm、全振幅は 0.80±0.05mm である。 テーブルバイブレーターは振動する台と、その⽀持体からなる構成である。 それらの材質は鋼、鋳鉄からできている。振動台は 90kg 以上の質量を持つ。 振動台上⾯が⽔平であることを確認する。ここにセメントモルタルを充填 した三連型枠を乗せる。型枠は、型枠留め具で押さえ振動中に決して緩まない ようにしっかり締めておく。 最後に、空気と遮断させるためガラスの板を乗せる。(図 4.2.13)ガラス板は ⼤きさが 210×185×6[mm]の、不透⽔性の材質のものを利⽤する。安全上、 端は研磨されているものを使⽤した。

36


図 4.2.10

図 4.2.11

モルタル供試体成形⽤型図⾯

出典 jisR5201

三連型枠にモルタル充填後テーブルバイブレータでの締固め作業 の様⼦

37


図 4.2.12 40×40[mm]の三連型枠にぴったしな突き棒

図 4.2.13 三連型枠充填後の様⼦

38


③脱型および養⽣ 脱型は、材齢 1 ⽇で⾏った。試験体が傷つかないように慎重に、ゴム製のハ ンマーを⽤いて三連型枠を解体した。試験体にはそれぞれを認識するために不 ⽔溶性のペンで試験体名の印をつけた。 脱型後すぐに 20℃⽔中養⽣を⾏った。(図 4.2.14)適当な容器に⽔を貯め、⽔ 平に貯蔵する。その際、型枠⾯が鉛直⽅向、上削り⾯が上⾯となるように沈め た。⽔がすべての試験体に⾏き渡るように互いに離しておく。試験体同⼠、試 験体と⽔⾯が 5mm 以上の間隔をもつようにした。試験対中の成分が⽔に染み 出し、他の試験体に影響しないように、⽕⼭灰の混⼊率別に容器を分けた。⽔ は⽔道⽔を利⽤した。 また、試験体は試験開始直前まで⽔中保存しておく。試験前に試験体の付着 物と⽔分を布で拭き取り、試験を始めることとした。

図 4.2.14

養⽣の様⼦

④曲げ及び圧縮の⽅法 セメントモルタル(表 4.1.2.の調合表通りの T,KR,S,L)の材齢 7 ⽇での圧縮 強度と曲げ強度を測定する。試験体の⼒学的性質を明らかにする。試験⽅法は jisR5201 のモルタル物理試験の基準で実験を進めることとする。試験体は 40 ×40×100[mm]直⽅体を⽤いた。 圧縮と曲げの試験機械は、SHIMAZU メーカーの精密万能試験機 AUTOGRAPH(AG-I-250kN)を使⽤した。(図 4.2.15) まず、試験体の各⼨法と質量の測定に電⼦ノギスを⽤いて⾏なった。(図 4.2.18)測定場所は図 4.2.19 に⽰す。 図 4.2.16 と図 4.2.17 は、それぞれ曲げ試験、圧縮試験に使⽤する⼯具であ る。

39


曲げ試験前に、⽀持⽤ロールに直⾏するための補助線を試験体に引いてお く。(図 4.2.20) 曲げ試験に⽤いる⽀持⽤ロールに直⾏するように試験体をの せ、試験装置に置く。曲げ試験を⾏い最⼤曲げ荷重を測定した。(図 4.2.21 と 図 4.2.22)試験体の上から鉛直⽅向に滑らかに 50N/s の載荷速度を、破壊して から真⼆つになるまで載荷し続けた。 曲げ強さ𝜎# は以下の式(1)で計算する。 𝝈𝒃 =

𝟑𝑷𝒎 𝒍

(1)

𝟐𝒃𝟑

= 0.00234375 … × 𝑃6

.

≒ 𝟎. 𝟎𝟎𝟐𝟑𝟒 × 𝑷𝒎

.

𝜎# :曲げ強さ[N/𝑚𝑚; ] 𝑃6 :破壊時に試験体中央に加わる荷重または、最⼤曲げ荷重[N] 𝑙:⽀点間の距離[mm] b:試験体正⽅断⾯の⼀辺[mm] 圧縮試験には曲げ試験で⼆つに分かれた試験体折⽚を利⽤し(図 4.2.23) 、最⼤圧縮荷重を測定した。(図 4.2.24 と図 4.2.25) 圧縮試験に⽤いる⼯具は 100kN まで耐えられる⼯具を使⽤した。加圧版に試験体の⾯がしっかり当たる ように設置し、試験装置に置く。 試験体の上から鉛直⽅向に滑らかに 2400N/s の載荷速度を、破壊するまで 載荷し続けた。 圧縮強さ𝜎=>?@ は以下の式(2)で計算する。 𝝈𝒄𝒑𝟗𝟎 =

𝑷𝒑 𝑨

(2)

= 𝟎. 𝟎𝟎𝟎𝟔𝟐𝟓 × 𝑷𝒑 𝜎=>?@ :圧縮強さ[N/𝑚𝑚; ] 𝑃> :破壊時の最⼤荷重または、最⼤圧縮荷重[N] 𝐴:加圧版の⾯積または、試験体断⾯積[𝑚𝑚; ]

40


また、活性度指数は以下の式(3)に基づいて計算する。 𝑺𝑨𝑰 =

𝑭𝒑𝒏 𝑭𝒏

× 𝟏𝟎𝟎

(3)

SAI: 活性度指数[%] 𝐹O :基準モルタル、試験体 T の圧縮強さ[N/mm2] 𝐹>O :発砲⽕⼭灰混⼊モルタルの圧縮強さ[N/mm2]

図 4.2.15 AUTOGRAPH(AG-I-250kN)の様⼦

41


図 4.2.16 曲げ試験に使⽤する⼯具

図 4.2.17 圧縮試験に⽤いる⼯具

42


図 4.2.18 試験体の測定

-a

a

a

-b

b

b

図 4.2.19 試験体測定場所

43


図 4. 2.20 曲げ試験⼯具に設置する際⽬安となる補助線を引く

図 4.2.21 曲げ試験開始前の様⼦

44


図 4.2.22 曲げ試験終了後の様⼦

図 4.2.23 曲げ試験後の試験体

45


図 4.2.24 圧縮試験開始前の様⼦

図 4.2.25 圧縮試験終了後の様⼦

46


4.3 実験結果および考察 (1)フロー試験 表 4.3.1 に発泡⽕⼭灰混⼊率別のフロー測定値とフロー値を⽰す。また、図 4.3.1 に発砲⽕⼭灰混⼊率別のフロー値の推移を⽰す。発砲⽕⼭灰の混⼊率が 上がるほど、フロー値は⼩さくなる。これは⽕⼭灰が微粒で乾燥しているため に吸⽔しているためだと考えられる。⼀般的に粉体は質量に対して⽔分を多く 含むことで流動性があがる。 (2)曲げ及び圧縮試験 図 4.3.2 に曲げ試験において、測定された全試験体の曲げ荷重時系列階層グラ フを⽰す。これは縦軸に曲げ荷重[N]、横軸に時間[s]をとったグラフである。 グラフの頂点が最⼤曲げ荷重であり、単位は[N/s]である。 図 4.3.3 に圧縮試験において、測定された全試験体の圧縮荷重時系列階層グラ フを⽰す。これは縦軸に圧縮荷重[kN]、横軸に時間[s]をとったグラフであ る。グラフの頂点が最⼤圧縮荷重であり、単位は[kN/s]である。 表 4.3.2 に、試験体の各所⼨法と質量と曲げ最⼤荷重と圧縮最⼤荷重と曲げ強 さと圧縮強さをそれぞれ⽰す。発泡⽕⼭灰は⽐表⾯積が球体であるため⼤きい という物理的特性をもつ。この物理的特性が圧縮強度に強く影響したと考えら れる。 曲げ最⼤荷重と圧縮最⼤荷重の平均を取った値を、表 4.3.3 に⽰す。この際、 平均の±10%以上の偏りのある実験結果がある場合、偏りが最⼤のもの⼀つを 除く 5 つの平均値をとる。これら 5 つの平均値の中でさらに 10%以上の偏りの ある実験結果がある場合は、再度試験をやり直す。今回は 10%以上の偏りが T-3 の曲げ試験、R-1 と S-2 の圧縮試験にのみ⾒られた。それぞれ試験の設置 に不具合があったため、もしくは圧縮試験では曲げ試験時に⼊ったひびのため に正常な数値が測定できなかったと思える。 試験体 T-3 では、測定値を取ることができなかった。そのため、他⼆つの測 定値の平均値から曲げ強さを算出した。不具合のあるデータ以外の他⼆つの測 定値が、平均の偏り±10%内に収まっているため、再度試験をやり直すことは ない。 試験体 R-1 で不具合のあった測定値 42.61 は、6 つの測定値の平均の±10%で ある 65.2162〜79.708728 を満たしていない。これを除いた 5 つの測定値はの

47


平均の±10%は、65.216232〜79.708728 であり、R-1 を除いた 5 つの測定値 はこれを満たす。よって再度試験をやり直すことはない。 試験体 S-2 で不具合のあった測定値 54.44 は、6 つの測定値の平均の±10%で ある 75.4076〜92.164886 を満たしていない。 これを除いた 5 つの測定値はの平均の±10%は、75.407634〜92.164886 であ り、S-2 を除いた 5 つの測定値はこれを満たす。よって再度試験をやり直すこ とはない 図 4.3.5 で、圧縮強さと曲げ強さの関係を⽰した。発砲⽕⼭灰の混⼊率が 0~10%間では強度が⽐例して上がっているが、10~30%間では強度が 0~10% 間よりも下がっていた。発砲⽕⼭灰の混⼊率が 30%以上では、曲げ強さと圧縮 強さ共に強度が上がっている。 図.4.3.6 に⽕⼭灰混⼊率と活性度指数の関係を⽰す。また、図 4.3.7 に 試験体 別の活性度指数活性度指数を⽰す。これらから、活性度指数は⽕⼭灰を混⼊す ることで⾼まっていることが分かる。また、⽕⼭灰を多く⼊れることで活性度 指数も⽐例して上がる。

表 4.3.1

発泡⽕⼭灰混⼊率別フロー測定値とフロー値

単位[mm]

0%

10%

30%

50%

80%

最⼤径

167

162

133

125

112

最⼤径に

164

164

137

133

114

166

163

145

146.5

112.5

対し直⾓ ⽅向 平均値 フロー値

48


180 160

166

163 145

140

146.5

120

112.5

100 80 60 40 20 0 0%

10%

図 4.3.1

30%

50%

80%

発砲⽕⼭灰混⼊率別のフロー値の推移

図 4.3.2 曲げ荷重時系列階層グラフ(縦軸:荷重[N]、横軸:秒)

49


図

4.3.3 圧縮荷重時系列階層グラフ(縦軸:荷重[kN]、横軸:秒)

50


表 4.3.2

試験体の各所⼨法と質量と曲げ最⼤荷重と圧縮最⼤荷重と曲げ強さ と圧縮強さ L

K42883

K52883

42883

52883

42883

52883

263

2.3

27.3

2. 88 3

2. 88 3

1 1

1 1 ,

,

, , /

/

9

/ / 0

0

0 9 0 -

-

-

表 4.3.3 発砲⽕⼭灰混⼊率別試験体の曲げ最⼤荷重と圧縮最⼤荷重 3 58

709 4

2 9 4

.

7061

//

2 61

//

% % %

% % %

% %

%

%

%

51


8.20

30%

8.00 7.80

50%

7.60

0%

7.40

10%

7.20 7.00 6.80

80%

6.60 6.40 112.5

146.5

図 4.3.4

145

163

166

曲げ強さとフロー値の関係

(縦軸曲げ強さ[N/mm2]横軸フロー値[mm])

60.00

50.00

40.00

0%

80%

10% 50%

30.00

30%

20.00

10.00

0.00 6.98

7.51

7.99

7.43

7.77

図 4.3.5 圧縮強さと曲げ強さの関係 (縦軸:圧縮強さ[N/mm2]、横軸:曲げ強さ[N/mm2])

52


90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 112

103

119

144

図.4.3.6 ⽕⼭灰混⼊率と活性度指数 (縦軸:⽕⼭灰混⼊率[%]、横軸:活性度指数[%])

180.00 160.00 140.00 120.00 100.00 80.00 60.00 40.00 20.00 L-2-2

L-2-1

L-1-2

L-1-1

S-3-2

S-3-1

S-2-2

S-2-1

S-1-2

S-1-1

R-3-2

R-3-1

R-2-2

R-2-1

R-1-2

R-1-1

K-3-2

K-3-1

K-2-2

K-2-1

K-1-2

K-1-1

0.00

図 4.3.7 試験体別活性度指数(縦軸:⽕⼭灰混⼊率[%]、横軸:活性度指数[%])

53


4.4 結語 ⽕⼭灰を混⼊することで活性度指数,曲げ強さ,圧縮強さが⾼まる。これは⽕ ⼭灰の微粒⽂が⼤きく影響していると推測した。また、発泡⽕⼭灰という球体 な物質は、⽐表⾯積が⼤きい物理的特性をもつ。この物理的特性が圧縮強度に 強く影響したと考えられる。ただ、⽐表⾯積が⼤きい分、吸⽔率が⾼いためモ ルタルフロー値を低下させている。

54


第 5 章結論 まとめ 作成した全ての試験体の薄⽚で発泡させた⽕⼭灰とセメントの⾷いつきが良 いことが観察できた。発泡⽕⼭灰と、発泡の際割れた気泡壁がセメントの絡み の可能性があり、加熱 500°での⻲裂による発砲時の溝状模様がさらに⾷いつ きをよくしたと考察する。今後⽕⼭ガラスがポゾラン反応を引き起こし、⾻材 界⾯をさらに充填する結晶が⽣まれ、密にすることを期待する。 発泡⽕⼭灰の微粒分が、モルタル全体へ分散し細孔を塞ぐように、密な組織 を形成している。 セメントと⾻材界⾯に、⼊り込んだ発泡⽕⼭灰の微粒分が今 後ポゾラン反応を進⾏させ、さらなる緻密な組織を形成すると推測した。 養⽣期間を⼗分に取ることによって、⾻材界⾯に発泡⽕⼭灰が⼊り込みやす くなるので、ポゾラン反応の進⾏が活発となると推測する。 発砲⽕⼭灰の混⼊率が上がるほど、フロー値は⼩さくなる。これは⽕⼭灰が 微粒で乾燥しているために吸⽔しているためだと考えられる。⼀般的に粉体は 質量に対して⽔分を多く含むことで流動性があがる。 ⽕⼭灰を混⼊することで活性度指数,曲げ強さ,圧縮強さが⾼まる。これは⽕ ⼭灰の微粒⽂が⼤きく影響していると推測した。また、発泡⽕⼭灰という球体 な物質は、⽐表⾯積が⼤きい物理的特性をもつ。この物理的特性が圧縮強度に 強く影響したと考えられる。ただ、⽐表⾯積が⼤きい分、吸⽔率が⾼いためモ ルタルフロー値を低下させている。

課題と展望 材齢 28 ⽇以降の圧縮強さ、まげ強さが発泡⽕⼭灰がもたらすポゾラン反応 で⻑期的に強度が上がり続けることを期待する。 発泡⽕⼭灰の混⼊率とフロー値が程よい値を算出する必要がある。 コンクリートとした時の粗⾻材との絡みについても検討する必要がある。 また、ダム建造などの超硬練りコンクリートへの応⽤を検討する必要があ る。天然ポゾラン物質である⽕⼭灰は、産地や環境でその物性が⼤きく異なる ため⼀般化することのできない対象ではあるが、その⼀般化を⽬指し建築資材

55


としてローマンコンクリートのような⻑期耐久を⽬指す必要があるのではない か。

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附章

発泡⽕⼭灰を混⼊したコンクリート建築部材の試作

世界的に枯渇する砂や砂利に対し、火山国の日本では広域に大量分布する火山灰 がある。 火山灰をセメント置換、細骨材置換したモルタルコンクリートを制作する。制作場所で ある改修工事友人宅の土間のタイルや基礎部分の組積構造で用いる予定。冬期のし ばれ上がりを柔軟に対応するものする、この家の基準になる形としての制作でもある。 コンクリートピースのサイズ決め 今回制作するコンクリートピースは、薪ストーブに入れられる薪の最大寸法かつ最適 サイズである 100×100×600mm にする。(時計一型薪ストーブは、奥行き 600mm 幅 400mm 高さ 345mm である。これは少なくとも北海道開拓時代の時から変わらない寸 法である。)これは私自身の地面から膝までの 600mm と、人差し指第三関節までの 100mm という日常で頻繁に使用する身体部分の寸法も参考としている。薪割りや畑で のゴルフの経験が生み出した寸法であると考える。改修工事を行なっている建物の住 人であったジャガイモ農家今野さんに、これまでの経験から冬のしばれ上がり(地表面 の凍結膨張で地面が押し上げられる現象。凍結深度ともいう。)寸法を手で表してもら った際にも、600mm という寸法が生まれている。なかなかこの寸法と形が決められずに いたが、この家を通じて生まれたいくつかの経験が合致したのでこのサイズに決めた。 サイズが本当にこれで良いのか確かめるためにテストピースを制作した。600mm の 薪 3 本を型枠にビニールをかぶせ、試験的に 100×100×600mm のコンクリートピー スを制作した。配合は、セメント:火山灰:砂:砂利:水=1:1:2:4:0.4 である。二回に打ち分 けその都度搗き固め作業 15 分程度をおこなった。これは搗き固めによって制作され たコンクリートの比重を調べるためであり、容量を掴むために行った。雪が降る寒中の 中で、セメント初期効果の温度を確保できないかもしれない状況であったので、打設 後の夜中はお湯をかけ初期高温履歴により水中保存を行なった。1 週間の養生期間 ののちに脱型をおこない一日気中保存を行なった後に重さを測った。薪の曲がりで体 積が正確ではないが 14kg と 15kg のコンクリートピースが出来上がった。比重 2.3 と 2.5 が算出でき、これはコンクリートの基準比中に近しい値である。ただし火山灰混入 による軽量化を考えると搗き固めにより体積は増えずとも多くの粒子が密に手ぎ量の あるコンクリートになったと考える。砂利の量をもう少し減らす搗き固めによる強度が狙 えると考え今後のコンクリート配合の参考とする。

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薪割り 自生するミズナラはとても硬いがよく燃える 薪ストーブで暖をとる日々

山を切って開拓した畑 普段感じない傾斜でのゴルフ

住人であったジャガイモ農家今野さん。 これまでの経験から冬のしばれ上がり(地表面の凍結膨張で地面が押し上げ られる現象。凍結深度ともいう。)寸法を教えてもらう これも600mm程度

型枠作成時に用いた 100mm、600mm寸法の基準棒

図.附 1 コンクリートピースのサイズ決め要素 型枠制作 北海道斜里の解体古材の柱梁・ベニヤ板・木端を用いて、型枠を制作する。野外で 作業を行おうとしたが、気温が 5°をしたまわろうとしていたために室内で行うこととし た。古材柱梁と木端で水平を出し、上にベニヤを打ち付け床面を作った。この上に、 100×100×3600mm の寸法をもつ古材柱梁 6 本を平行に並べて、農業用ビニールを かぶせ、隙間に 100×100mm の仕切りを釘打ちし型枠とする。この古材は後の改修工 事で利用するため丁寧にビニールですき間がでないようにする。

図.附2 型枠の様子

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コンクリート配合 家の持ち主である農業の d 型倉庫から昔の農業用天秤がでてきたので、これで材 料を計りコンクリートを制作する。デジタルの秤で重さを比べ微調整を行なった。自分 で釣り合う重さの位置をきろくするので、作業後半の方では手に持った感じでものの重 さがわかるようになった。天秤が釣り合おうとするときの揺れ方は独特で不思議な時間 であった。 コンクリート配合は小樽の築港や、北海道火山灰のポゾラン反応性とコンクリートの 耐久性という論文の値と、難点も試作した火山灰コンクリートのテストピース制作の経 験から割り出した。基本配合を、セメント:砂:砂利:水=1:2:3:0.4 とする。これに火山灰 を、セメント火山灰比 0、0.1、0.2、0.4、0.8 と指数感数的 g ラフを描く数値で混入させ ることとする。砂と砂利には、少量の水が含まれているため、水は狙えるギリギリを目指 すこととする硬練りコンクリートを目指す。同じ配合のコンクリートを 5 つ制作し、今後反 復5の破壊実験を行えるようにした。火山灰が入っていないコンクリートピース 5 つの 型枠を充填するのために、セメント 5kg、6kg、2.5kg に対するコンクリート配合の三舟 分(コンクリートを手練りするトロ舟は 660×1030×2400mm サイズで 80L 容量のものを 利用する)でぴったしであった。 表.附1 コンクリート配合表 火山灰

0

0.1

0.2

0.4

0.8

セメント

1

1

1

1

1

砂

2

2

2

2

2

砂利

3

3

3

3

3

水

0.4

0.4

0.4

0.4

0.4

打設体

54.4kg

55.75kg

69.3kg

66.2kg

68.4kg

積

59


コンクリート打設 先ずはじめに半量の砂とセメントをから練りする。そこに火山灰を入れる場合は少し ずつ入れながら混ぜる。火山灰を入れることでワーカビリティーが格段に上がる。砂や セメントの粒子間の潤滑油のような役割をしている。もう半量の砂を足しながらから練り する。このから練りの段階では、手で握ると指の形が残るほどきめ細かく固まる粒度で ある。ここに砂利を入れから練りする。ここまで一切水をいれていない。砂と砂利に含ま れる多少の水分が全体に行き渡るように混ぜる。水セメント比 40%分を少量ずついれ ては、混ぜるを繰り返す。鍬で叩いたり、手で触ってみてコンクリートの材料となる全て の粒子間に湿り気が行き渡る程度で水を入れるのをやめる。毎度最後に入れる水を 1/10 程度は捨ててしまっているため、超かた練りのコンクリートである。型枠に流し込 む際は 5 本全部に均等に入るようにし、一本あたり 3 層に打ち分け、その都度搗き固 め作業 30 分程度行う。打ち継ぎは 1 時間以内に行った。最後の搗き固めは一時間 程度力を込めて搗き固めるのではなく、小さく回数をこなす搗き固めを行なった。これ は空気を抜く意味ももちろんあるが、火山灰の微粒が砂やジャリの隙間を少量の水と 抜けるイメージで搗き固めた。

から 練り

から練りの段階で手で握ると固まる粒度

テンポよく

幾層にわけて搗き固め 練りあがったコンクリート

図.附3 作業の様子

60


制作した火山灰混入率別コンクリートピース(100 100 600mm)25本 打設後の型枠に入った状態

図.附4 制作した火山灰混入率別コンクリートピース(100×100×600mm)25 本 打設後の様子 養生 試験的に制作した薪を型枠としたコンクリートピースは冬季でも凍らずに 8°以上を キープできる沢水の中で水中保存することとした。火山灰混入率別のコンクリートピー ス 25 本は、凍結の恐れのない室内で気中保存とした。

図.附 5 養生

61


ここで、北海道ウトロの地で制作した建築部材の制作に⾄るまでの考えを記 述する。 個⼈と場所の関係から⽣まれる規格された材の制作を⽬的とし、制作し た。コンクリート材料はセメント以外の⽕⼭灰・砂・砂利を採取したものを使 ⽤し、無筋の搗き固め⼯法によって制作する。 これからの学びの場を考える。⽇常を形成する⾵景に、⼈間の多様な⾏ 動,⾏為(⽇常)が垣間⾒える都市では、反復⾏為(学び)を促す物理⾵景が⼼象⾵ 景を介⼊させる。学びの場には、多くの部分と要素を孕んだ⾵景と意気込まな い個⼈の両者から歩み寄る必要がある。そんな学びの場を設定し、私⾃⾝が学 びを体現する。この体現が、これからの学びの場を⾒直す機会となる。これは 同時に、既に場所性を失った⼟地で⽣まれ育ち、居場所や⼼の拠り所としての 故郷を持たない集団の在り⽅と、故郷を求める集団の⼿引きになると考える。 私⾃⾝の学びの場を、北海道友⼈宅の改修⼯事の場を拠点とした。その 北海道の最東端に 2 ヶ⽉滞在した際の学びの体現である。 ⽇常を形成する個⼈の反復⾏為は、複数⼈では都市となる。反復する事 は、学びの体現である。波や重⼒、物理的なモノが共通⾔語となり対話が⽣ま れる。Covid-19 による感染症拡⼤は、空間から場所性へと、開かれて⾃然環境 へ向かおうとする意思を⽣んだ。これはこれまでの建築理念(モダニズム以降) に逆⾏する。2020 年の世界で⼤きな震撼をもたらした感染症コロナウイルス は、個⼈間の密接な繋がりを断絶させた。これは同時に、ポストコロナ時代の 学びの場とは何かを考えさせる機会をもたらした。学びををここでは〝⼤きな モノから⼩さなモノへの⾏き来〟と定義する。⼤きなモノとは私たちの⾝の回 りの計り知れない現象や状態、存在、態度を理解しようとする⼤きな物差しの ことであり、その物差しの⽬盛りを測ろうとする者が⼩さなモノである。コロ ナ以前にはインターネット社会は、検索するという個⼈の学びの姿勢が形どる 学びの体系があったが、今では教育側からの歩み寄りが⾒られ、交流の場もバ ーチャルの中で⾏われようとしている。今後、リアルな場(物理空間)での新し い学びの関係が求められる。そこには何かモノを作ることを介してのみ成り⽴ つ関係性なのではないかと考える。⼤きなものから⼩さなものへの⾏き来に学 びがあり、これからも変わらない。学びの場(教育)はいかにこの⼤きなものを どれほど⼤きく⾒せられるかである。その⾏き来の際に⽴ち会う⾵景が、故郷

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と呼べるものであると、ここでは定義する。その個々⼈によって異なる連続す る⾵景を重ね⾒る視点が、これからの社会・都市・建築・⼈間を考えることに 繋がるのではないか。

図.附 6 学びの体系

コロナによる断絶や閉塞感は、現在の商⼈をメインとする都市作りが⼤きく 影響している。建築家⿊川紀章が提唱した都市の五段階の⾔うところの、商⼈ の都市から個⼈の都市へと変化することが求められている。個⼈の都市とは⼀ 体何なのか。⿊川紀章の提唱したメタボリズムは、統⼀された有機物のハイア ラーキーな全体性を前提とし、これは幹から枝へ、そして葉へと広がる樹に例 える。その全体を構成するには、前提として尊重すべき個⼈が核となってい る。しかし、現代社会では場所性を失った⼟地で⽣まれ育ち、故郷と呼べる場 所を持たない個⼈が多くを占め、同⼀性の希薄、根無し草に繋がっている。建 築は全体思考から物事を語るが、個⼈から始まる物語が全体を構成しているこ とが忘れられている。 私たちが⽇々眼にする暮らしの⾵景は、どんなもので構成されているの か。そのものは、誰が形を与え、どこからきた物質なのか。⾼度に成⻑した現 代社会は、⼤量⽣産⼤量消費のサイクルを⽣み出し、このサイクルの中でこの ような疑問に⽴ち会う機会は極めて少ない。袋詰めされた材料や、カタログか ら⽣み出される建築は、そのようなサイクルを顕にする。⽂化と呼ばれる技術 体系は限られた資源や情報から⽣み出されてきた。対して、情報化されたグロ ーバル社会では、こうした⽂化技術を⾒捨て均⼀化を図ってきた。これは、眼

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前の私たちの共有財産(エネルギーや技術体系、固有⾵景など)を⾒捨て、未来 を語る材料が少なくしている。 そんな個⼈と場所の関係から⽣まれる規格された材を、制作することを ⽬的としてみた。 ⼤きいものと⼩さいものの⾏き来(学び)を表す⽂章を、クリスチャン=ノルベ ルグ=シュルツ著書の「実存・空間・建築」⽅向と通路から⾒つけたので、抜 粋する。 「場所の概念には、内側と外側の意味が込められていること、また、実存的空間に は、ふつう、いくつかの場所が包含されていることをすでに指摘した。それで、ある場 所は、より広い脈絡の中に「位置づけ」されるものであって、それだけを別個に取り出し て理解することはできないもの ということになる。そのようなことが、万一にも可能であ れば、人間の歴史は、方動性を欠いたものとなってしまったであろう。ところで、あら ゆ る場所には方向(direction)が具なっているものである。方向を持たない場所が想像で きるとすれば、そのような場所は、ヨークリッド空間の中に 何らの拘束もなく浮かび漂う 球体のようなものでしかありえない。大地の上に人間の実存を考えるときは、このような 形は、限界域の一例として の意義を持つのに過ぎないのである。ところが半球体とも なると、すでにそれは、実存空間における水平方向と垂直方向との間に基本的差異を 表現しているのである。 アリストテレスは、上下、前後、左右の質的な区別、つまり人 間の体格や、人間との重力の場との関係に基づいている区別を認めていた。垂直方 向は、上昇あるいは落下を表し、ずっと昔からある特別な意味を担わされてきたのであ る。ニーリッヒ・ケストナーは次のようにいっている。 「山への登上は贖罪を表す。それ は、『上方』ということばの持つ強さと、『上へ』という言葉の力に帰因する。天国と地獄 の存在をすでに久しく信じたことのないものたちにとっても、『上方』と『下方』という二つ のことばを入れ替えることができない。」 垂直性とは、このような理由で、空間に備わる 神聖な次元である、といつも見なされてきた。それは日常生活よりも「高次の」あるいは 「低次の」ある現実、また、重力すなわち地上の存在を支配したり、あるいは重力に屈 状するある現実に向かう一つの「通路」(path)を表している。世界軸とは単なる世界の 中 心以上のものであって、三つの宇宙界に掛け渡された結合軸をあらわし、この中 心軸においてのみ、一つの領界から他の領界への突破口が開かれ うるのである。 し かしながら、垂直方向はさらに具体駅な意味を持つ。それは、家と結びついて、ほか ならぬ建てることの過程そのものを、つまり人間の持っている「自然克服」の能力を表 現する。イプセンの戯曲、『建築師ソルネル』では、塔楼が勝利や敗北の象徴となり、

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セルリョはすでに、垂直円柱 を人間が持つ想像力の表現と解釈していた。ガストン・ バシュラールは、住居の基本特質を、「垂直性」と「求心性」として定義し、地下室と部 屋裏部屋を特別な意味を持つ場所として論じている。また、ジョー・ブスケの『昔の雪』 を引用して、現代人の特徴を批判的に、「一つの階段に 棲む人間だ」とも、バシュラ ールはいう。 垂直性が何か超現実的なるものを意味するとすれば、水平方向は人間 の具体的な行動世界を表す。ある意味では、水平方向はどの方向も全て平等 であ り、無限に拡張する面も構成する。したがって、実存的空間の最も単純化したモデル は、一つの水平面に垂直軸を突き立てたものである。し かしこの平面の上では、人間 は、実存的空間にとりわけ特別な構造を与える通路を選び取ったり作り出したりする。 人間が環境を手中に納めると いうことは、常に己れ住処とする場所からの旅たちで表 されたり、また自らの目的や自らが抱く環境のイメージが定める方向に向かう通路を巡 っていく旅行で表わされる。こうして「前方」とは、人間の活動の方向を表し、「後方」と は、今まで辿ってきた距離を表す。人間は、「前方へと 闊歩し」また、「後方へと引き返 す」。あるときは、通路が既知の目標へ人間が導くこともあるが、大抵の場合それは、 次第に道の距離の中に溶 け込んでゆく、ただ思考された方向を示すだけである。し たがって、通路とは、人間に関する基本的な特質を表すものであり、また、人間にとっ て重要な根源的象徴の一つなのである。我々が使う言語はこの事実をよく説明してい るのであって、例えば、「岐路に立つ」(parting of the ways)、 「人の行く手(道)を塞ぐ」 (stand in one’s way)、「正しい道を行く」(on the right road)などという。ところが、人間 が歩む道はまた、家に連れ戻して くれる道でもある。つまり、通路とは普通、既知なる ものと道なるものとの間に働く緊張を孕んでいるのである。「出発と帰着という運動の二 様態は、空間を内側と外側の二つの円心円状の領域に分割する。外側より狭い内側 は、住居や故郷の領域であり、人間はそこからより広大な外側 の領域へと進出してゆ き、またそこに戻るのである」。 しかしながら、実存的な空間の方向性は、人間の行為 によって決定されるだけではない。自然にもまた、質的な相違を支持する方向性が内 包されているのである。だから、四つの方位を示す基準は、昔から、世界の構造を決 定する諸要因の中で最も重要とされてきたのである。定位を意味する「オリエンテーシ ョン」は、日の出る方向、すなわちオリエント(東方)に由来する。キリスト教の教会堂は、 常に東の側に据え付けられる祭壇に よって定位されている。「光が現れる原点として の東は、同時に生命の源である。太陽の没する場所としての⻄は、死へのあらゆる恐 れに満ちて いる。」ある種の理論では、方位を表す基点は、世界軸と結びつけられ て、包括的な宇宙論が構想される。ウイトルウイウスは次のように語っている。「ここで自

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然を支配する力は(宇宙を)このように建築的に組み立て、中心としての両極を、一つ はちと海から店⻑にあるいは北斗七星そのものの後ろに配置し、墓は反対に地中を通 って南方に配置した」。そこで古代ローマ都市は、南北に走るカイド(世界軸)と、東⻄ に走るデクマヌスの 周りに組織されたのである。「彼は、世界を羅針盤のように四分割 に分割する二つの直行道路を土地の上に描き、そこに己の都市を見出す。それ か ら、彼は、この直行地点の周りを壁で取り囲むのである」。自然は、実存的空間の方向 性を、もっと具体的な意味においても決定する。そんな 景観でも、人間が己の立脚点 を見出すのに拠り所とする、限定された諸空間と同様に、方向性を持っている。人間 が運動をするその可能性も無限 ではなく、その通路は、最短距離は直線であるという 数学的法則にも従わない。クレト・レヴィンは初期の論文の中でこの問題を研究し、「ホ ド ロジー空間」ギリシャ語の道を意味するホドスに由来。という概念を要請する。このよ うごは、「可能な運動の空間」と翻訳することができよう。 ホドロジー空間が含んでいる のは、「短い距離」「安全性」「最小仕事量」「最大経験値」などのいろいろな領域の間 を折衷するような「望まし いとして選ばれた通路」のほうであって、直線的経験ではな い。このような選択の要求は、トボグラフィーの諸条件と関連して決定される。トポ グラ フィーの諸条件が均質であり、いかなる特別な人間活動も状況に影響されなければ、 ホドロジー空間は、ユークリッド空間に近づく。しかし 普通ホドロジー空間の中にいる 我々は、目標へ到達するのに幾何学的方向から外れたいろいろな方向をたどらなけ ればならない。それにまた、都 市における人間の移動に関する研究では、同一地点 にたどり着くのに、人が異なると選び取る通路も異なることがよくあるのが示されてい る。ポ ルノウも、ある人が選り好む通路は、その人のその時の心の状態や、置かれて いる状況によって異なることがあることを指摘している。例えば急 用のときであれば、 我々は近道をしてしまうのである。ちかくてきにも、また一つのシェマとしても、あらゆる 通路は連続性によって特徴付けら れる。たとえ、場所を限定する諸要因の近接性 や、ときには閉合性によって場所が決定されていても、通路は線的連続体としてイメー ジされる。 まず、通路は、ある目標に到るまで辿られるある方向である。しかし、その 途中で事故が起きると、そのとき、通路はそれ自身ある性格を持つも のとして体験さ れることになる。通路に「沿って」途中で何かが起こるという事が、これから到着すべき 目標と、すでに背後にある出発点との対 峙によって醸しだされる緊張感に付け加えら れるのである。またあるときには、通路が、通路に付随する諸要因を組織する軸として の機能を持ち、 このときには、目標が持つ重要性は比較的小さい。ケビィンリンチが、 この事実を多くの例によって説明しているが、また次のようにもいう。 「人々は、通路を

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出発点と目標というふうに考えやすかった。彼らは、通路というものがどこから来て何処 へ人々を取れて行くのかを知りたく 思っている。出発点と目標とがめいかくで、よく知 られているような通路は、それだけ強い同一性(identity)を持ち、都市を一体的に結合 する助けと なり、観察者には、何時その通路を通っても自分の位置を判断しうる感覚 を与えていた。」 抜粋位本⽂中の下線部に記述された〝出発〟と〝帰還〟は、〝⼤きいもの 〟と〝⼩さいもの〟の⾏き来(学び)を表すと考える。

原⾵景を再考する拠点 友⼈宅の改修⼯事の⼿伝いに、ウトロという北海道最東端を訪れた。友⼈家 族 3 ⼈(⽗,⺟,⼦ 8 歳)と私が暖かく寝泊まりする⼀部屋の基礎⼯事を進めなが ら、解体と計画を同時進⾏で⾏った。この作業と同時に⾃⾝の学びとこの⼟地 から規格材を制作する。 原体験となる⾵景や故郷と⾔える場所性が失われつつある現代都市におい て、原⾵景とは何か。原⾵景としてのちに語られる⾔語圏にある〝原⾵景〟は ある種客観的な構造を孕んでいて、原⾵景が⾃⾝に形成された時の純粋な姿で はない。原⾵景は、直接的に⾵景を構築する部分とその部分が絡んだ物語にあ るのではないか。⾵景が遠くに⾒えるものたちの総称とするならば、⾵景の部 分が⾵景全体を構築することは納得できる。ただ、個⼈の興味態度や姿勢によ って取り上げられる部分は異なるし、部分と呼ぶ枠組みの⼤きさによっても異 なる。⾜元の枯葉数枚を含めて柿の⽊と呼ぶか、そうでないかなど。その部分 との物語は、個⼈の興味態度や姿勢で⼤きく変わってくる。ここで明らかに個 ⼈としての⾝体性が含まれる。また、⾵景の移り変わりの少ない⼤陸と異な り、我が国⽇本は島国であり、幾層の地球の表層岩盤であるプレートの狭間に 位置する⽕⼭国のため、⾵景は⼭地・盆地・平野と⼤きく⽴ち代り姿を変え る。このような地は、材料への感受性を遺憾無く活⽤できる場所であると考え られる。

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規格される⼼ 以前から規格された部材,物質に関⼼があった。梱包材を始め、⼤量⽣産す る中で物の移動が⽣んだ形は、⾃⾝のテーブルなどに並べられた、製品として 売られていた紙やペン、本などと⼀⾊単に並べた時に異様さを感じさせた。 ある制限が形を⽣む。これは〝物理上、モノの移動には仕事が伴う〟と⾔っ た時には、〝制限〟は重⼒などの物理空間であり、〝形〟は、6 つの単純機械 に当たると考えるれる。 6 つの単純機械とは、物を動かす道具のことである。 具体的には、ねじ(螺旋の⽅が妥当であると考えられる)(screw)・くさび (wedge)・てこ(lever)・滑⾞(pulley)・輪軸(wheel and axle)・斜⾯ (inclined plane)の6つである。物の移動する際に⽣じる仕事を楽にする最も シンプルな機械を意味する。ギリシャの技術者ヘロンが定義した「⼒を増幅さ せ、あるいは⼒の向きを変更させる」基礎的な装置とした 5 つに、斜⾯と輪軸 を追加することで単純機械と呼んだ。 機械化のおかげもあり、材料は年々改良を重ねているが、材料の加⼯技術 が⼈間の⼿で経験できる範囲から離れていっている。 例として、疲労現象の 歴史をあげる。18 世紀以降の産業⾰命による機械化⼯業化の急激的成⻑は、鉄 の疲労現象を、個⼈則による経験的なものから社会的問題として認識されるよ うにした。動⼒は、それまで⾺や⽜、⽝などの動物、⽔や⾵、⽕などの⾃然現 象といった⼈々の⼿の内で収まり得る⼩さな⼒を巧みに⽣活の⼀部としてきた が、これら⼩さな⼒は蒸気機関という⼤きな⼒の登場で突如姿を消すこととな る。蒸気機関⾞の全国的利⽤は疲労現象を⼤きく問題視させることとなり、各 地で研究が盛んになっている。1853 年のフランスのモランの記録では、郵便 ⾺⾞の⾞軸の破壊が⾛⾏距離が 7 万キロメートルを越えたあたりから始まるこ とが記録に残されている。 このように、個⼈に経験される材料に対する感覚は、蒸気機関のような⼤ きな⼒が誕⽣して以降⾒捨てられがちである。これは単純に⼈間⼀⼈の⼒が及 ばなくなり、⾝体性の⽋如が導いたものであると考えられる。蒸気機関の製作 から活⽤までに 6 つの単純機械を利⽤しているが、元となるエネルギーが⼈間 ではないという違いがある。技術を組み⽴てるモンテージュする思考は、経済 的な労働原理が⽣んだ。 私が育った地

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私が育った地の⾵景の写真記録を⾏なった。 私⾃⾝は⽣まれは外国である が、⼀歳からの育ちの場は神奈川県横浜市旭区という住宅街地である。⾃⾝の 故郷を今⼀度カメラを持って歩き記録する。カメラという媒体は⾵景を⼼と写 す機能が備わっているために有効であると考えられる。レルフは、場所への愛 着を根付くと表現している。柄⾕⾏⼈の「鏡と写真装置」では、写真が⾵景の 装置を⽣み、内⾯の装置を形成したと書かれている。 ⼩さく急な傾斜が多い⼟地であるため常に⾒上げるポジションに⽴たされ る。すると⼭側にはいつも鉄塔が⽴っている。地図にプロットしてみると港の ⽕⼒発電と⼭間地の⽔⼒発電の⼆線が交わるあたりに住んでいることがわかっ た。また、鉄塔は⾕地には⽴てずに、少しでも標⾼の⾼い場所に設置した⽅が 点を架ける電線にとって都合がいい。鉄塔⾜元は建物が建てられないために畑 や空き地になっていることが多く、⼈々の活動の場でもあった。道の⾏く先に そびえ⽴つ鉄塔は、常に⾵景の主役であるが、 この街の電⼒をまかないつつも、どこか遠くの街の電⼒をもまかなっている というシステムの中の脇役である。⽬に⾒えてエネルギーという共有財産がわ かる構造物は鉄塔の他に⾒当たらなかった。多少形を変えども同じ形のものが 同じピッチで点在する構造物による空へと引かれた線は異様である。規格され たもののみで構築された世界の王様のようである。 このような鉄塔を記録することで⾃⾝がこれから作ろうとする規格材の⼿が かりとした。

図.附 7 希望ヶ丘鉄塔プロット

図.附 8 希望ヶ丘鉄塔を中⼼とした⾵景

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原⾵景を再考する拠点での意識 ⽩波が⽴つように、波は幾層に別れては前と押し寄せてくる。海側から ⼤地へとの⾏き来が並みの押し上げを⽣み出している。 北海道ウトロの地で初雪が収穫の終えた静寂のジャガイモ畑に積もった際 の写真である。私の友⼈ 8 歳が記録した。⼤きく部分的に⼀枚、中規模に部分 的に⼀枚、畑の畝が⾒えるほどクローズアップした部分が⼀枚の合計三枚の写 真がもたらすものは何か。 地質図とともにフィールドワークすることは、DMN(defort emode network) →SN(salience network)→CEN(central excutive network)といった脳活動状態の 意識移⾏が⾏わられる。直感と論理の⾏き来があり、絶えず中⽴した位置を知 らしめられる。

図.附 9

地質図とともにフィールドワークした知床北海道

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図.附 10 様々な無機物で構成した⾵景

図.附 11 地質図とともにフィールドワークすることは、直感感と論理の⾏き 来があり、絶えず中⽴した視点を⽰す

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⽕⼭共⽣ ⽕⼭噴⽕を想う意識として、宮沢賢治の「グスコーブドリの伝記」という童 話を例に挙げる。本作では、⽕⼭局に勤めるグスコーブドリが、地元⺠を救う べく、⾃らを犠牲に⽕⼭噴⽕を制御するストーリーが描かれている。⽕⼭噴⽕ を経験したことのない賢治の、⼈⼯降⾬での施肥や⽕⼭噴⽕を利⽤したCO2増 加による温暖化などの⾃然科学への⼤きな夢が描かれている。本作の舞台とな り賢治が⽣まれ育った東北地⽅では、冷害による作物の不作による飢えに悩ま されていたため、この地に仮に噴⽕が起きて⽕⼭灰を降らすようなことがあれ ば、悲惨的である。⽕⼭噴⽕は農⺠にとっての⼤きな関⼼ごとの⼀つであっ た。農地の⼟壌改良(酸性度中和)に、アルカリ物質である⽯灰の混⼊は必須で ある。⽯灰は構造物であるコンクリートを形作るのみでなく、私たちの⽣きる 糧である⾷物(植物)の成⻑までも、⼿助けをしている。 附6

⿊ボク⼟

⼟壌には、岩⽯の⾃然⾵化と⽕⼭灰の⾵化の⼆つの過程がある。そして、そ れぞれの⽣成年数は⼤きく異なる。岩⽯は数万年単位であるのに対し、⽕⼭灰 は数千年単位である。⽕⼭灰の⾵化過程の中で植物の腐⾷が混じり⽣まれるの が⿊ボク⼟である。柔らかく上を歩いた時の⼟から伝わる独特の感触が名前の 由来であると⾔われている。これが⽕⼭国⽇本では広く分布している。数多を 愛する⽇本⾵⼟と信仰に⾒られる様に、⼤量の有機物が存在することで腐⾷過 程を促進させ、この⼟は⽣まれる。今⽬に⾒える⿊い⼟が、降下した⽕⼭灰の 上に広がるススキの草原から⽣まれたと思うと考え深い。 ⼟の⾊の源泉は⿊と⾚があるが、⿊は腐⾷過程が⽣み出し、⾚は鉱物の鉄分 がもたらす。空気の乾く⾚い⼤地の広がるインド北部に⾜を運んだ時には⽇本 の⽥園とはかけ離れた感覚を得た。降⽔量や⾵⼟がもたらす印象は⼤きいが、 ⼤地の下の地球内部の運動を思うと、印象をもたらす因果の関係がどこから⽣ ずるのかは断定できない様に思える。

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図.附12 ⽇本列島の⿊ボク⼟の分布 出典

農業環境変動研究センター

附7 都市 私が訪ねたことのある都市の中で興味深かったタゴール国際⼤学を中⼼とし て発展した都市インドシャンチィニケタンを紹介し、いくつかのキーワードを 掲げることで、これからの都市についてを考える。そして、都市で⽣きるこ と・街を形作ることが無駄や邪魔をそぎ落とすことに直結して良いものかとい う⼤きな疑問からこの街でであった建材を紹介する。 まずはじめに、この街は最近になって近代の波が届いた街で、⼤学街と村と で断絶が起き、⾏政によるインフラ設備が問題視されている。⾐⾷住に関わる 物作りをはぐくむ屋台、道を⾏政はコンクリート製のビルに押し込めよう都市 建設された建物は廃墟となっており⾃⽴した村の道や側溝、トイレも使われず に放置された状況がある。住宅街、農村部のいたるところで安価な中国製 Pca を塀として利⽤しており、現地⺠はこれらに対する危機感のようなものが⾒え ない。詩⼈タゴールによって掲げられた⾃然教育は 1901 年に始められ、森の 中の学校と評されている。この時農村部と都

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⼼部の架け橋にものづくりがあるとした理念は都市からは消えかけていた。

図.附13

安価な中国製プレキャストコンクリート塀が集落を区切る様⼦

図.附14

現地材煉⽡の農村部煉⽡⼯場の様⼦

都市計画の⽅法においてマスタープランといった⾔葉があるように固定的な 道路等の公共計画と⽤途に分けた地域のプランの決定が存在し、変化に対応す る変容する許容はなおざりにされがちである。都市計画は建築物のようなモノ ではなく、モノの操作に⼒点を置かれた創造⾏為である。しかし戦後以降この 操作が⽀配的になっていた。機能という因果関係によって地域相互をつなげる ことを計画であるとしている。⼈の⽬線をはるかに超えた俯瞰の⽬、⾒下ろす ⽀配的⼿法である。⼈間⼀⼈取ってみても、建築⼀軒を取ってみてもそれは必 ず流動的なものであり、それらを複合された都市は尚更上流のように劇的に変 化し得るものである。この変化をどう操作することで⼒を受け流し受け⼊れれ るかが鍵になってくるのではないか。その変化は常に⼈々に記憶を⽣むことで 成り⽴つ創造的⾏為であって、これを妨げる枠のような囲いではなく覆いのよ うな都市が求められる。ある⼀部の集落でこの覆いとしての役割を果たす都市 を体験した事がある。それは現社会から少し距離を置いたその場のルールと習 慣である。かつて⼈間たちの暮らしのスタイルは多種多様であった。少数が所 有する社会が存在し、その少数と少数との交易として物々交換等が⾏われ新た

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な社会が始まった。このような多種多様な⼈やものが交易する場を整え備える ことができるのが都市計画である。俯瞰したままの視点をそこに住まう⼀⼈ひ とりの視点へと降ろしまた俯瞰する。このような視点の昇降が変化を許容する 覆いとしての都市を形成するのではないか。今残された柔軟な⼩さな集落や空 き地、空き家を育んでいくこと。そこに住まう⼀⼈の⼈としての視点をもつ⼀ 個⼈がその都市とは⾔わずとも集団を俯瞰し、そこにルールのやうな秩序をも たらすことを積み上げていくことが都市を構築する始まりとなる。その発⽣と 消滅を記録するものとして建築や道のようなものが存在し公私を横断する連鎖 を絶やさない。社会のような⼀つの物語として可視化された媒体を他から個へ とすり替えて⾏くような⼿法として経験を積み上げられる場所、都市が必要で あろう。 建築はいくつかの分野を複合的に捉えた時の、間や隙間のようなところに存在 する曖昧な分野のように思える。⼀⽅、今私たちのいる⾃然環境に対応する構 築物を扱うことでアカデミックな態度をとっている。そんな⽭盾をも孕んでい る。ニュースを⾒ることが⾟い時代である。経済、医療、教育、貧困、格差、 治安、環境、テロ、エネルギー、尽きることのない問題は、それだけ⼈間の⼼ ⾝脳による、⼿を加えた範囲を意味する。今後も今ないものを⼿にしていくこ とが時代は進めるのか。また、情報化社会における新しさとは何か。今⼿にす るインターネット媒体で幾様にも様々なメディアに誰もが接続可能な時代で、 建築をどう捉えることが可能かを考えてみたい。 今都市にある建築物の印象は、固く⼀向に話しかけてこない様⼦で、内にある であろう空間(機能)に依存した形である様に思える。こちら側の意識の持ちよ うで、そのある(存在)が幾様にも変わりうる、そんな建築は可能か。ここ で、ダリとコルビジエの会話で登場するから、「柔らかく⽑深い」建築とはな にかを考えることで具体な建築イメージにしていく。 When I was barely twenty-one years old, I happened to be having lunch one day ... in the company of the masochistic and Protestant architect Le Corbusier who, as everyone knows, is the inventor of the architecture of self- punishment. Le Corbusier asked me if I had any ideas on the future of his art. Yes, I had. I have ideas on everything, as a matter of fact. I answered him that architecture

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would become “ soft and hairy. ” ... In listening to me, Le Corbusier had the expression of one swallowing gall. 近代以降の機能主義の考え⽅では許容することのできない⽣き⽅・⼈達が 増え、価値観を共有する枠組み⾃体も曖昧となっていいる現代において、建築 の物理的に仕切ることや枠組ことが必要か。その対象にある⾵⼟や⾃然環境に 対応することが建築することなのか。こういったことを考えると、⼀つの現象 として物を⾒ることのできるものに美しさをもつようになる。常に動いてるこ と。これはタマネギやラッキョウに似ていて、芯を持たない構造。これは⽇常 と⾔い換えることも出来る。季節の様な多⾓的、多義的なもの、現象はいつで も私たちの周辺を形取っていた。この様な現象に対し反応し続けることに⼈間 の営みがあると思う。重⼒が建築構造・造形物などの形を⽣み出すきっかけで ある⼀⽅制限でもある。そして、現代の様々な産業を⽀える6つの単純機械 (物を動かす道具、ねじ(screw)・くさび(wedge)・てこ(lever)・滑⾞ (pulley)・輪軸(wheel and axle)・斜⾯(inclined plane))に⽀えられた現 代の道周辺の構築物。それらの材料は変化時間を延⻑させることと規格可能に よって選出されたもの。ここまで列挙させてきた⼀⾒ランダムなものが都市や ⼈ものを構築するのであって⼀概に物を⾔うことはできない。そんな建築の考 え⽅、⾒⽅は今の時代を再考する⼿始めとなるのではないか。⾃分たちの⼿で 制限を選択し、様々な問題そのものを許容する態度をとりたい。 附8

創造はどこから⽣まれてくるのか

表現可能性を考えることは、創造する⾏為そのものを捉えなおすことを考え させた。創造するとはどこから⽣まれてどこに向かうのか、記憶とその部分が 影響するところは⼤きい。空間を認識することが記憶することと同義に感ず る。 少なくとも皆が⽣まれたった三次元空間を、⽔平と垂直で⼆分して考えてみ た。1.⽔平⽅向において⾒渡せる距離、⾒通し=視程と、2.地上2m程度の⼤気 現象=微気象。この1と2が個⼈の創造という⾏為を⽣む起点となると考える。 視程(1)する⾏為は、個⼈の関⼼や事情、記憶など様々な要因が関係する。そ の⼈が⾵景という全体から部分を抽出する作業は、その⼈の⾏為に直結に関係 する。例えば、マサイ族が地平線近くから動物を⾒極めたりする、これは危機 感がもたらした抽出作業である。それに対し、横線しかない空間で育てられた 猫は、その後縦線を認識できずに⽣きる、これは認識を認識できないという抽

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出作業のバグであるが、この猫にとってはバグではなく正常である。つまり、 ⽣まれ持った環境する空間から抽出されたものが、その後も視程に現れ、それ 以外が浮かび上がらないということだ。 微気象(2)は、⽣物、⽣活、建築、農業、⽂化などに⼤きく関与する。もう少 し⼤きく捉えると、⾵⼟と⾔ったりもする。視程(1) に現れるおそらく全ては、この微気象と⾔われる⼩さな環境下に存在する。同 じ⼟や草でも⼤きく異なって⾒えてくる。北極の⽔と東京の⽔では液体・気 体・個体と状態の異なる三者の⾒える割合が⼤きく違うように。状態変化に対 する感覚も異なるであろう。この微気象空間で⾃然とあったものたち(⾃然な 状態)を、⼈間の⼿で状態変化をさせてあげることで⼈間の⼿に馴染む⽣活を 飾るものとした。しかし、現代は、状態変化を経た物質は(陶器、ガラス、鉄) は、⼈造繊維物質(プラスチック、カーボン)へと移り変わっている。無機物の 介在する時間が少しずつ葬り去られるかのように。変化に富む物質を好み、強 く存在する変化しにく物質には⽿を傾けにくくなっている。 世界の物質は⾃然の道理に反して⼤きく動いている。観光地として有名な世 界の砂浜が、輸⼊された砂であることもある。砂不⾜である世界。⼭が崩れ、 丸く⼩さくなりながら川を下り、海の波の満ち引きでさらに⼩さくなる、海底 で地盤運動に巻き込まれ、地球内部のマントルで⼀度液体となり、再度噴⽕物 して個体となり⾶んで出てくる。こうした膨⼤な時間が⽣んだ⾃然のサイクル が遮ることで、⼈間は時間を⼿にした。⼈間の⼀⽣は短いと⾔っていると、⽯ ころ⼀つの膨⼤な時間に⽿を傾ける時間がなくなる。技術を持つことは時間を ⼀直線としてみていて、⼀⾒素晴らしいようなことに⾒えて分岐が少なく脱線 できない。 イメーできるということは1と2で育んだ既視感が⽣んでいる。例えば、太陽 が当たる⽣活とそうでないでは、想像しただけで、⽣活の全てが⼤きく変わる ことはイメージできる。ここでイメージしたのは、⽇陰と⽇向で、意識する感 覚が明らかに違うということがわかっているということだ。太陽が当たる環境 とそうでない環境を経験したことから⽣まれるイメージである。それでは、太 陽という存在がない環境はイメージできるだろうか。⽇陰は太陽が存在するこ とで⽣まれる環境であって⽐べようがなさそうである。この太陽がないという 仮定で多くのイメージが⽣まれてくる。引⼒関係でもうすでに成り⽴っている としたら、惑星の中で地球はどの⽴ち位置であるのか。⽣物が存在できている

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としたら、⽣命は動⼒からエネルギーを⽣む⾃⼰発電的な⽣き⽅をしてるので は。膨らむイメージは⾏先数多である。こう⾔った太陽がないという仮定が⼀ つの想像を⽣む起点として作⽤している。ある⾊は憧れた⾊に⾝を包んだ記憶 である。とすると、⻘い梱包材が背の⾼い棚に置かれていると⼩さな窓が⻘い 空を映し出しているのかもしれない。ある形は憧れた形に⾝を化けた記憶。と すると、⻭医者の特徴的なライトは、カマキリの頭であって、触覚を上下に揺 らすことで⽬を輝かせたりする。イメージはイメージだけのものであって何者 でもないとすると辻褄があう。 認識する⾏為で出てきた、部分と全体の話を考えるきっかけとなった⾼校の 国語の教科書にあった詩をうろ覚えなりに書く。タマネギやラッキョウ同様⽇ 常もまた芯を持たない」これは、⼀つの現象として物を⾒ることのできるもの は、常に動いてるんだ。 多⾓的、多義的、⾝体の反復する⼼と、これを物質に介在させる規格の⼼が ⼤きく関与する。と当時考えた。 反復する⾝体と、その⼼をものに宿した時に⽣まれる規格。このものと⾝体 のやりとりが⼤きなキーワードである。 地平線に囲まれたくるぶし丈の草原で、ボールで壁当てをする感覚。⾝体反 復を⽬的とする、⽬的意識のないsports。⽣活を形作る無機も有機も関係なく 量塊として⼀⾊単にみた時に、今まで通りの⽣活⾏為が、⾝体が量塊を求めて 空間を作るように⾒えたりする。将棋の名⼈が持つ⼀⼿を⽣む⼤局観。 これは複雑系という学問であると、ラッセルのパラドクス (内包と外延の混 同) といったりする。⼀般にものの集まりを規定するときには⼆つのやり⽅が あり、内包による規定( 構成要素の属性 構成要素が従う規則 )と、外延による 規定(具体的な構成要素を 対象化して列挙 )である。ここで問題が⽣まれ る。 全体を⾒渡せると仮定した途端、⽭盾が起こるのだ。 最後に、「⾝体の内にもう既に循環しているもの、その⼀部」 = 「⾝体に ⼊って来た挑発してくるもの。その全体。」 これが成り⽴つ時に創造ありと定義してみた。

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附.結

反復するという学びの行為から、規格コンクリートピースの制作に繋げた。 自身の身体を通じた風景との応答の中で確かな手応えを頼りに物事を進め、記憶し た。 また、地質図と実際の物理空間の応答の中で、岩石というものを拡大した視点(実際 に足を運び手で触る)と縮小した視点(偏光顕微鏡による観察)から、地球地殻内の運 動と地表に現れるきっかけとなった火山運動を想うことができるようになった。 目の前に当たり前のようにあったモノが、同じ成分でできていたとしても、集めて・移 動させ・加工しモノづくりに落とし込むとその際に対して愛着が生まれ、その材と歩ん だ風景が断片的に自身に記憶された。 学びの場の体現として 3 つのキーワードを掲げた。 〝モノの移動〟〝故郷・風景〟〝反復・規格〟である。 これはそれぞれこれからの教育に欠かせないポイントとなると同時に、これからのモノ づくりの思考の中心に据えても良いと考える。 また、袋詰めさえた材料群を自身の手で集め加工しモノづくりすることが当たり前であ った時代を尊重し、これからもモノづくりを続けたい。

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参考⽂献 〝⽂学における原⾵景〟 奥野健男 〝場所の現象学 没場所性を超えて エドワードレルフ〟 『数学をつくった⼈びと』 第Ⅱ巻、 E・T・ベル ⽥中勇・銀林浩訳 ホモモーベンス ⿊川紀章 材料・⽣産の近代 鈴⽊博之 〝鏡と写真装置〟柄⾕⾏⼈ 地形⼯学⼊⾨ 今村良平 原⾵景を再考する ⼭下暁⼦ 材料から建築へ モホリナギ ホモモーベンス ⿊川紀章 コンクリートの⻑期耐久性 ⼩樽港 100 年耐久性試験に学ぶ ⻑瀧重義 こいし地球の来歴を語る ヤンザラシ=ヴィッチ ⼟の話 岩⽥進午 ⼟の世界 ⼟の世界編集ぐるーぷ 海底⽕⼭を探る ⻘⽊茂 地学のススメ 鎌⽥ ⼈間の⼤地 サンテグジュペリ goto y,gouchi N&Itaya T.2000.k-Ar ages ofthe Akan-Shiretoko volcanic chain lying oblique to the kurile trench:Implication for tectonic control of volcanism.Island arc9:204-218

シラス中の⽕⼭ガラスの加熱発泡性について ⽊村邦夫 浜野建也 ⼩樽築港のジビルエンジニア廣井勇とその設計思想 恋塚貴 北海道に分布する⽕⼭灰のポゾラン反応性とコンクリートの耐久性⾕⼝円 北海道⽕⼭灰どの物理的特性と締め固め特性 松本和正 北海道に分布する⽕⼭灰の特性とポゾラン反応 ⾕⼝園 ⽕⼭灰の反応性と⽕⼭灰を⽤いたコンクリート特性 吉⽥⾏ 酸性⽕⼭灰類の⼯業材料資源としての可能性 ⿊岩忠春 5 万分の 1 地質図幅説明書 宇登呂 北海道開発庁 5 万分の 1 地質図幅説明書 羅⾅および知円別 北海道開発庁 北海道に分布する⽕⼭灰⼟の簡易判定法 佐藤厚⼦ ⽕⼭灰の起源と分布 近堂裕弘 北海道⽕⼭灰どの物理的特性と締め固め特性 松⽊和正 知床の地質学 知床博物館

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クリスチャン=ノルベルグ=シュルツ著書の実存・空間・建築、⽅向と通路

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謝辞 本論⽂の執筆に当たり多くの⽅にご⽀援をいただいた。 主指導教員である⼭⽥宮⼟理教授には、執筆・実験に関わる多くのご指導を いただき、⼼から感謝を伝える。 北海道知床博物館研究員合地信⽣さんには、普段⽬にする興味深い岩や⽯が 地球内部からここで⽬にするまでのの経緯に想いを馳せる、フィールドワーク を通じてご指導いただき、⼼から感謝を伝える。 ウトロの家づくりを⼿伝った林⼀家には、ウトロ滞在中に⽕⼭灰という興味 深い材料に触れられる機会とその研究を共にしていただき、⼼から感謝を伝え る。 ありがとうございました。

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