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Finishing pigs & Health - Japanese edition

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本書は健康な肥育豚を飼養するための実践ガイドです。健康な豚は発育が早く、効率が良いものです。さらに治療 などの手間がほとんどかからないため、より多くの時間を豚の管理のために使うことができます。  肥育農場の健康を維持する上で最も良い方法は何でしょうか? あなたの農場のバイオセキュリティはきちんと 機能していますか? 日常作業、週単位での作業では、豚を健康に育てるという基本をきちんと考えていますか?  農場としての戦略を踏まえて、あなたは豚の健康管理にどのように協力していますか?  本書ではこれらすべての観点から、実践的な方法を紹介しています。ヒントやアドバイス、そしてコンセプトを 自農場にあてはめて検討して下さい。チェックリストや作業手順も参考になるでしょう。  その結果として得られるものは? より高い見返りと、仕事への満足感です。  本書の著者である Manon Houben と John van der Wielen はどちらも臨床経験豊富な養豚専門獣医師です。  The Pigs & Health シリーズは、養豚場の健康管理に関する実践的な情報を、活用しやすい方法で提供します。

翻訳 石関 紗代子

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健康で安全な豚肉を生産することで仕事の満足度も高くなる”

肥育農場 のバイ オ セキュリ ティ と衛 生 管 理

“健康な豚はよく育ち、治療もほぼ必要ない。

監修 石川 弘道/大竹 聡

肥育農場 の

www.pigsandhealth.com

www.roodbont.com

www.e-venet.com

定価 (本体)5,000 円 + 税 ISBN 978-4-902990-19-5 C3061 ¥5000E

バイオセキュリティと衛生管理


書誌事項 肥育農場のバイオセキュリティと衛生管理

For consultancy and training courses

日本語版発行

著者 Manon Houben, John van der Wielen コンセプト監修 Jan Hulsen, Vetvice® Group

For books and customised editions

翻訳 Agrolingua

日本語版レイアウト Oops Design 日本語版印刷 株式会社杜陵印刷

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編集 Jan Hulsen, Vetvice® Group Nicolette Scholten, Regelwerk John Lamers, agra journalist Ton van Schie and Christel Lubbers, Roodbont Publishers

Pigs & Health Van Galenstraat 18 5694 CE Breugel The Netherlands T +31 (0) 499 47 44 74 E info@varkensengezondheid.nl I www.pigsandhealth.com

有限会社ベネット 〒 164-0001 東京都中野区中野 5-32-4 電話 03-5913-2627 FAX 03-5913-2628 e-mail venet@nifty.com URL http://e-venet.com/

著者および編集者は細心の注意を払い、知識の限りを

尽くして本書の編集に当たったと自負しております。

日本語版監修者 石川 弘道(Hiromichi Ishikawa) 大竹  聡(Satoshi Otake) 日本語版翻訳者 石関 紗代子(Sayoko Ishizeki)

写真 Manon Houben, Jan Hulsen and John van der Wielen. Also Mr Pannekoek,(p.21 tr, 24 bl, 30 bc, 30 tc, 30 tr, 37 tc, 41 tr, 41 bl, 63 bl, 65 tr, 65 bl, 71 bl, 77 tr, 89 bl, 91 tl, 93 tl, 93 bl), Fancom(p.34 bc), Kewi services(p.69 tc and bl), internet(p.77 b). t =上, b = 下, l = 左, r = 右 イラスト Herman Roozen and Dick Rietveld

Roodbont Publishers B.V. P.O. Box 4103 7200 BC Zutphen The Netherlands T +31 (0) 575 54 56 88 E info@roodbont.com I www.roodbont.com

何卒ご了承ください。 本書のいかなる部分も、出版元から事前に文書による

許諾を得ることなく、いかなる方法によっても無断で

複写、写真複写、転載、複製することを禁止します。

ISBN 978-4-902990-19-5 C3061 ¥5000E

謝辞

Gert van Beek, Arno and Emil Cornelissen, Tineke van Gisteren, Theo Hendriks, Bart Jaspers, Thijs and Peter Jongen, Patrick Kohlen, Jan-Paul Langens, Leo van Leengoed, John Lorist, Martin van de Peut, Geert de Poot, Henk Roefs, the Schouten family, Ton van Tilburg, Tijs Tobias, Lydia Vroegindeweij, Roland de Waal, Fancom B.V., Kewi Services B.V., Varkens Innovatie Centrum Sterksel, そし て多くの養豚場の皆様 Originally published as Finishing Pigs & Health

デザイン Varwig Design

ただし、本書に基づく行動および判断の結果として生

じた損害に対しては、一切の責任を負いかねますので、

(Vleesvarkens & gezondheid - 2014), ©Roodbont Publishers B.V. Japanese translation rights arranged with Roodbont Publishers (Representing Varkens & Gezondheid B.V.), Zutphen, The Netherlands through Tuttle-Mori Agency, Inc.,Tokyo

著者紹介 Manon Houben 有限会社 PorQ の養豚専門獣医師。最新の科学的 知見の養豚場への導入と実践をサポートしている。 信条:養豚場で最も重要なものは、豚を飼育する 人。豚の飼養管理全般について、生産者がより良 い仕事を達成できるように手助けをしたい。

John van der Wielen 1997 年よりオランダ南部の Oss 市で開業して いる養豚専門獣医師。 信条:安定した豚肉生産には、高い水準の健康レ ベルが欠かせない。健康レベルの高い豚群とは、 特定の病原微生物が存在しないということ。農場 から病原体を撲滅すること、農場内での病原体の 感染拡大を防ぐことによってこれを目指したい。


目 次 Introduction 健康な豚、健康な農場

5

1.病気を入れない! 農場外バイオセキュリティ

6

「クリーン」と「ダーティ(汚染)」のエリア分け

5.定期的な作業

56

定期的な作業の計画を立てる

58

豚舎へのシャワーイン

10

コンサルタントの巡回

60

豚導入時の病原体侵入を防ぐ

12

月ごとの健康チェック

62

害獣・害虫の侵入を防ぐ

13

栄養のモニタリングと評価

64

出荷時の病気の侵入を防ぐ

14

水質と給水システムの点検

68

ふん尿とへい獣の搬出

16

環境コントロールシステムの点検

70

その他の点検

71

グループ間の接触を避ける 病気の伝播を防ぐ 衛生的な作業

3.日常作業 今日のスケジュールは? モニタリング モニタリング:豚の腹と給餌器 モニタリング:環境管理 モニタリング:健康観察 モニタリング:病気への対応 作業

4.週単位の作業

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2.農場内バイオセキュリティ

8

18 20

6.農場運営の戦略

72

22

ビジョン、使命、目標、戦略

74

24

戦略の決定

76

導入元農場の選択

78

成功を支える人々

80

26

健康な豚舎

82

28

環境対策と社会的役割

84

30 32 34

7.良い結果を生む作業手順

86

36

自分自身の健康をモニタリングしよう

88

38

動物用医薬品の正しい取扱い

89

40

注射作業 − 薬剤の正しい使い方

90

豚にストレスを与えない接し方

92

豚を安全に保定する

93

ストレスを与えない豚の移動

94

42

週の予定

44

出荷準備

46

出荷豚の積み込み

47

豚房は完璧にきれいに!

48

豚の受入

50

ワクチン接種と駆虫

54

索引

96

あとがきにかえて ― 監修・翻訳者からのメッセージ

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Introduction

健康な豚、健康な農場

する豚肉の特徴は何か? ターゲットとする消費者は誰か? そのために 必要な生産システムは何か? そして、あなた自身、その農場で働くこと

んどなく、より早く出荷体重に到達します。責任をもって抗生物質を使用

でどのように社会貢献・環境貢献したいのか? これらの問いを基礎とし

すること、すなわち抗生物質の使用を必要最小限に留めることも重要です。

て、自分自身の目標と戦略を決めましょう。

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肥育豚を飼育している養豚生産者ならば、自分の豚をできる限り健康に 育てたいと望むでしょう。健康な豚は、少ない飼料コストで、問題もほと

あなたの豚の基礎的な健康レベルが良好な場合にのみ、これを達成するこ とができます。

この本を自分自身のレベルアップのための手引き、鏡として活用してく

ださい。この本には、はっと目を開かせてくれる財産となる知識があり、

この本「肥育農場のバイオセキュリティと衛生管理」は肥育農場向けの 健康な豚と豚肉作りのガイドラインです。農場の経営者だけでなく現場で

仕事をスムーズにする秘訣があります。それはきっと、あなたの行動をよ り良い方向に導いてくれることでしょう。

活躍する管理者も対象にしており、健康な豚を生産するための養豚場の仕 組み作りと運営に必要とされるすべての要素を取り上げています。

例えば農場レイアウトは、外来者が訪れる際や、豚やふん尿を農場か

豚 1 頭 1 頭が、健康で、持てる能力を最大限に発揮しているか、そし

てその状態を維持できているか、早速確かめてみましょう!

ら搬出する際に、外から侵入する可能性のある新たな病原体から豚を守る

ことを考慮したものでなければなりません。豚の飼育エリア(“クリーン” エリア)と、農場に出入りするものが通る道(“ダーティ”エリア)は、はっ きりとエリア分けする必要があります。

仕事の手順と、日常作業、週ごとの作業、定期的な作業のスケジュール の作成にあたっては、細かいところまで十分に話し合った上で決めましょ

う。例えば、日常の管理では、最初の見回りで観察を行い、2 回目の見回 りで作業や治療などを行うように計画します。こうすることで、仕事が速 くなり、成果も上がり、感染症の伝播も防げます。1 回目の見回りを観察 だけに集中することで、より多くのものが目に入るようになり、臭いの変 化にも気付きやすくなります。すなわち、より多くの情報を感じ取ること ができるようになるのです。 正しい判断をするために、そして、日々の仕事の中で優先順位の高いこ とに集中して取り組むためには、目標と戦略を明確に持っておく必要があ

ります。あなたの農場の「ミッションステートメント(存在意義・意思表明)」 を書いてみましょう。社会の中で役割を担う養豚場として、あなたの生産 5


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Chapter 1

病気を入れない! 農場外バイオセキュリティ

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病原体がなければ、豚は病気(感染症)にはなりませ

ん。すなわち、われわれはまず病原体が農場内に侵入す ることを防がなければいけません。農場のレイアウトが 適切か、効果的な防疫対策を実施しているか、そして理 にかなった仕事をしているか、ということが主な焦点と なります。

農場に導入する子豚が、できる限り病気を持っていな

い豚であることを確認しましょう。そして、人、飼料、 道具、空気によって病原体が持ち込まれることがないよ うに注意しましょう。特に肥育農場の場合は、豚の出荷 時、へい獣搬出時、そしてふん尿搬出時にも気を付けな ければなりません。

農場外バイオセキュリティ: 農場を守る第一の防御壁!


「クリーン」 と 「ダーティ(汚染)」 のエリア分け 豚が新しい病原体と接触することを防ぐために、豚 を飼育するエリアと、それ以外のすべてのエリア を、はっきりと分けましょう。

「クリーン」と「ダーティ(汚染) 」の エリア分けを守ろう どの養豚場にもクリーンエリアとダーティエリ アがあります。クリーンエリアは豚舎、通路、作

肥育豚の出荷

人の出入り

ふん尿の搬出

豚の導入

へい獣の搬出

物品の搬入

飼料配送車両の出入り

業する場所、豚舎間および豚舎周辺の地面です。

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一方、ダーティエリアはその他のすべての場所を

含みます(農場に出入りするための道路のほか、 農場の敷地、敷地内の豚舎以外の施設を含む)。

クリーンエリアは新しい病原体が侵入しないよ

うに守られなければなりません。そのためには、 クリーンとダーティの境界線を、誰が見てもわか

出入り口は 2 つ

農場には 2 ヵ所の独立した入り口があることが理想です。1 つ目の入り口は人、物、豚の導入のため

で、2 つ目の入り口は、豚の出荷、ふん尿搬出、へい獣搬出、そして飼料配送車両の出入り用です。

るようにしておく必要があります。

最もわかりやすいエリア分けは、豚舎の壁と豚 舎周辺のフェンスです。これらがあれば、車両や

運転手がクリーンエリアに入ってしまうことはあ りません。運送業者の運転手には、訪問記録を付 けてもらい、物品はダーティエリアに設置した「受 渡し専用ボックス」に入れてもらいましょう。

持ち込む物はクリーンなものに限る

小さな物品は、農場内に入れる前に、UV 殺菌 灯のあるパスボックスを通すなどの消毒をしてか ら持ち込むようにします。大きな物品は、農場内

に入れる前に、病原体汚染のない場所で 6 週間 のダウンタイムをおいてから農場内に持ち込みま す。なぜならば、われわれが特に注意すべき病原 体の多くは、豚の体の外で 6 週間以上生存する ことができないからです。

8

出荷豚、ふん尿、へい獣の搬出 飼料の搬入

豚の導入、人・物の出入り

肥育農場のバイオセキュリティと衛生管理


「クリーン」 と 「ダーティ(汚染)」 のエリア分け

1

3

ダーティエリア

ふん尿保管場所

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豚の出荷

ふん尿の搬出

へい獣保管用 冷蔵庫

入気

フェンスの外(ダーティエリア)から飼料 をタンクに投入 (飼料タンクを 1 ヵ所に集約)

フェンス

フェンスやゲートで農場敷地内への侵入を 防止。運送業者には訪問記録を書いてもら おう。ゲートの近くには連絡が取れる電話 番号を掲示しておこう

入気

豚舎 = クリーンエリア

2

4

入気

シャワー室

1

豚の導入

飼料投入場所

物品

4

人

飼料タンク

P へい獣 回収場所

へい獣は、冷蔵庫で一時保管された後、道 路脇のへい獣回収場所へ運ばれ回収される。 農場は二重のフェンスで守られている

2 3

入口A ・出荷豚、 たい肥、へい獣の搬出 ・飼料配送車両

C h a p t e r 1 病気を入れない!農場外バイオセキュリティ

3

公道

入口B ・豚の導入、人、物品

物品は直接に持ち込ませず、豚舎外から UV 殺菌灯付きパスボックスに入れて消毒する か、離れた別の場所に納品してもらおう。UV 殺菌灯での消毒または適切なダウンタイムを 経た後で、物品を持ち込むことが許される

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豚舎へのシャワーイン クリーンエリアへの唯一の入り口はシャワー室で す。農場内に入る人は一人残らずシャワーを浴びな くてはいけません(もちろんあなたも!)。シャワ ーを浴び、衣服を交換することで、豚舎への病原体 の持ち込みを防ぐことができます。

衛生手順はわかりやすく示す 入り口には、シャワー室の使い方をわかりやす く示した説明を貼っておきましょう。図で説明し てあるとより丁寧です。農場を訪問する全員が読 むことができ、理解できるような、簡単なものに しましょう。靴、衣服、時計、携帯電話などは、シャ ワー前の更衣室、" ダーティエリア " に置いてき てもらいます。

入り口の管理 農場の入り口でもあるシャワー室は、人の動線

快適で衛生的なシャワー室 よく管理されたシャワー室は訪問者を快く迎え

しょう。必ずシャワーを浴びて専用の衣服に着替

てくれます。きれいなシャワー室は、きちんとシャ

えないと入場できないように、シャワー室に通じ

ワーを浴びようという気持ちにさせます。更衣室

る入り口以外のすべてのドアは常に閉めたままに

の床はきれいで湿っていないこと。シャワー室は

しておきましょう。敷石、フェンス、案内看板を

清潔で寒くないこと。シャワーヘッドは故障して

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を考慮して、アクセスしやすい場所に配置しま

設置して、農場を訪れた人をシャワー室の入り口

いないこと。そしてもちろん、必要なもの(タオ

へ誘導します。シャワー室は常に施錠しておき、

ル、農場内専用衣服など)はすべて揃えて、簡単

訪問者が来たら連絡をもらうようにしましょう。

に手が届く場所に置いておきましょう。

連絡が取れるように、シャワー室の入り口にイン ターフォンを設置するか、電話番号を掲示してお きましょう。

人間が病原体と接触した後、意識せずにそれを農場内 に持ち込んでしまうルートはたくさんある。シャワー と衣服交換は、豚を感染から守るための手順だ

パー、靴下も含まれます。すべての訪問者と、農

農場内専用衣服の準備

農場内専用衣服とは、つなぎと長靴だけのこと

ではありません。下着、ズボン、シャツ、ジャン

場で働くスタッフのために、快適な衣類を揃えて おきましょう。男性用だけでなく、女性用の用意 も忘れずに。

毎日シャワーを浴び、清潔な衣服に着替えよう

誰でも十分な量のお湯が出る、きれいで温かいシャ ワー室が良い

10

すべてのものを手の届く場所に置いておくこと。タ オルや衣服は清潔でサイズが合っているものを用意 しよう

タオルや衣服の洗濯と補充も仕事のうち。曜日を決 めて取り組もう

肥育農場のバイオセキュリティと衛生管理


豚舎へのシャワーイン あると便利

最低限必要なもの

1

1

ダーティエリア 暗証番号ロック

4

入場手順の 説明書きと 訪問記録

4 入り口

玄 関 パスボックス

休 憩 室

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2

衣服棚

手順をわかりやすく説明したポスター

3

カウンター 冷蔵庫、食洗器 食器棚、流し

“ダーティエリア”から“クリーンエリ ア”へ。靴と衣服を置けるように、十 分な広さが必要

場内用衣服

鏡

電話番号を書いた張り紙

2

下駄箱

暗証番号による施錠。承認を受けてい ない人が入り口やシャワーエリアに侵 入することを防ぐ

5

55

クリーンエリア

事務スペース。毎日データを記録する

ホワイトボード

3

薬品用 冷蔵庫

食洗器、器具

上 着用ハンガー スリッパ置き場

6

洗 濯 室 ホワイトボード

シャワー室が“クリーンエリア”と“ダー ティエリア”の境界となる

長靴用の下駄箱 農場内または豚舎

C h a p t e r 1 病気を入れない!農場外バイオセキュリティ

6

洗濯機 乾燥機

独立した洗濯室に、洗濯機、乾燥機、 食洗器を設置してき、衣服や器具を常 に清潔に保とう

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豚導入時の病原体侵入を防ぐ 農場に豚を導入する際には、必ず輸送という手順を

気密性が高く、換気を コントロールできる輸 送車両は、病原体に汚 染されることを防げる だけでなく、豚をより 健康な状態で送り届け ることができる

踏みます。豚の導入元は、できるだけ健康レベルの 高い農場を選びましょう。輸送中または積み下ろし 作業中に、導入豚が未感染の病原体に触れることが ないようにしなければなりません。

理想的な輸送車両 導入豚が輸送中に病原体の感染を受けることが あってはなりません。そのためには、輸送用の車

輸送車両に洗浄消毒装置を備えておけば、運転手が備え 付けの装置で、車両を洗浄消毒することができる。そう すれば、農場内用の洗浄機を使う必要がなくなる

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両は洗浄・消毒が完璧に実施されたものである必 要があります。適切な車両は、フルシールド(外 が見えないタイプ)の、換気がコントロールでき

るものです。このタイプの車両は、車中を豚にとっ て快適な温かい温度に保つことができ、換気もよ く取れ、すき間風が当たる心配もないため、豚は 快適に過ごすことができます。

導入豚の受入:設備と手順

豚の受入エリア

導入豚の受入エリアは、出荷豚の出荷エリ

アとは別でなければなりません。受入エリア から清潔な通路を通して、豚をグループごと に豚房へ移動させます

導入豚の受入エリアは、以下の項目を満たすよ うに設計されている必要があります。

豚が自然に正しい方向へ向かうよう、頑丈な フェンスを適切な場所に設置すること 豚舎の近くであること

輸送中または豚舎への受入作業中の感染を確実に防ぐために 必要なことは?

清潔を維持しやすい構造であること

肉豚出荷時に使う出荷台とは別に設けること

洗浄消毒済みで清潔な、換気調整

導入豚を受け入れるときには、豚舎を管理して

の可能な車両

いる担当者が、運送車両の荷台から豚を追って導

運転手のためのわかりやすい説明

入しましょう。その理由は、車両の荷台は農場の

適切に設計された豚の受入エリア

“クリーンエリア”と同等であるためです。運転

運転手ではなく豚舎担当者が豚を

手は“ダーティエリア”の一部とみなされるため、

荷台から下ろすこと

荷台に上がってはいけません。

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肥育農場のバイオセキュリティと衛生管理


害獣・害虫の侵入を防ぐ ネズミを近寄らせない豚舎

豚舎には豚だけ 野鳥、ネズミ、ハエなどの害獣・害虫(そして

豚舎の外周は少なくとも 50cm の幅を整備し

猫や犬も!)は病原体を運びます。ふんなど、害

て、固い材質(舗装や砂利など)で地面を覆いま

獣・害虫の落としたもので飼料、豚、施設が汚染

しょう。ネズミはひらけた場所を避ける傾向があ

される可能性があります。害獣・害虫はいかなる

ります。この習性を利用してネズミを豚舎に近づ

時も豚舎に入れないようにすることが重要です。

けないようにするために、豚舎周辺には何も置か ないように維持することが大切です。物が置かれ

穴をふさごう

ているとネズミが身を隠す場所になってしまいま

ネズミは壁のほんの小さな穴、ひび割れ、ドア の周辺などのすき間から侵入します。5mm 以上

す。特に、豚舎の壁または屋根から 50cm 以内 にある木や枝は撤去しましょう。

のすき間を作らないようにしましょう。ピットや

ネズミ対策の重要性を認識しよう

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ふん尿搬出口もぴったりと蓋をしておきます。豚 舎への入気口には目の大きさが適切な網をすき間

定期的なネズミ駆除は専門の外部業者に委託し

なく張りましょう。壁を滑りやすい素材にするこ

ましょう。どこに罠や毒餌を仕掛けたらよいかな

とで、ネズミの入気口からの侵入を防げます。

ど、専門知識を持っています。そして定期的に点 検し毒餌などを補充してくれます。

ネズミ対策を始めるスタートラインは、豚舎のすき間をなくすこと。すべ ての穴をふさごう

ネズミが豚舎に近づくことをためらうように、豚舎周辺は 固い材質のものを敷きつめよう 入気口に適切な網がすき間なく張ら れている。野鳥やネズミなどの侵入 防止に有効

C h a p t e r 1 病気を入れない!農場外バイオセキュリティ

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出荷時の病気の侵入を防ぐ 出荷豚の出荷車両への積込みは、車両、運転手、道 具を介して病気が侵入するリスクの大きい作業で

クリーンエリア

す。作業動線などを十分に考慮して出荷エリアを設

豚舎出口のドアに 鍵をかける

計することで、リスクを減らすことができます。

ダーティエリア 出荷エリアの 出口のドアを 開ける

出 荷

出荷エリアと豚舎を分ける 理想的な出荷方法は、出荷予定のすべての豚を 同時に集めておける出荷エリアを、豚舎から離し

出荷準備のできた豚を 豚舎から出荷エリアに出す

て設置することです。そうすることで、運転手が

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豚を出荷車両に積む際に、豚舎のクリーンエリア

洗浄・消毒

に入ることなく、手助けなしで積み込むことがで きるためです。

豚舎出口のドアを 開ける

出荷エリアの 出口のドアに 鍵をかける

出荷エリアは“変化するエリア”

出荷準備段階では、出荷エリアは農場のクリーンエリア。一度ドアにカギがかけられた後から、そこ

はダーティエリアに変化する

出荷エリアを設けることは出荷車両の運転手にとっても豚舎担当者の手を 借りずに積み込み作業ができるというメリットがある

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積み込み作業中は、運転手も豚も、決してクリーンエリアに戻ってはならない

肥育農場のバイオセキュリティと衛生管理


出荷時の病気の侵入を防ぐ 豚舎内通路からの出荷 豚舎から分離した出荷エリアを作ることが難し

よくある 2 つの間違い!

い場合、人と豚がダーティエリアからクリーンエ リアに戻ってこないような“一方通行”の動線に することが最も良い方法です。出荷台の適切な位 置に頑丈な柵やワンウェイゲートを設置しましょ う。そうすることで、豚が逃げたり豚舎へ戻った りすることなく、さらに出荷車両の運転手は豚舎 担当者の手助けなしで、豚を荷台に積み込むこと ができます。 1. 出荷車両の運転手が豚舎内に入る、または、豚 舎担当者が出荷車両の荷台に乗る

2. 出 荷に使用した道具を洗浄消毒した後、ダー ティエリアから豚舎内に持ち込む

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出荷用の道具の洗浄消毒

出荷エリアで使用した道具は、洗浄消毒をした 上で常にダーティエリア側に保管しておきましょ う。道具を洗った水は、豚舎のピットに流れ込ま ないように注意しましょう。病原体が水と一緒に 豚舎内に侵入してしまう可能性があるためです。

クリーンエリア

侵入禁止ゾーン

積み 下ろし台

豚舎内通路

ダーティエリア

出荷車両

通路に最低2ヵ所のワンウェイゲート

豚舎内通路からの出荷 豚舎内の通路からそのまま豚を出荷する場合、豚が豚舎側に戻らないためのワンウェイゲートを出 ワンウェイゲートは出荷豚が豚舎に引き返すことを防ぐ

C h a p t e r 1 病気を入れない!農場外バイオセキュリティ

荷台に設置する 15


ふん尿とへい獣の搬出 ふん尿とへい獣を豚舎から運び出す際に、病原体が豚 舎内に侵入する可能性があります。病原体は車両の 中や周囲、道具、そして運転手にさえも付着してい

ふん尿汲み取り場所はどのように設置する?

る可能性があるからです。そのため、ふん尿を汲み 取る場所やへい獣保管場所はできるだけ豚舎のクリ

ふん尿の配管を整備することによ

ーンエリアから離れた場所にする必要があります。

り、それぞれの汲み取り場所を豚舎 のそばに設置することができる。そ

ふん尿の汲み取りは少し離れた場所で

して集合汲み取り場所は豚舎から十 分離れた場所に設置する

ふん尿の汲み取りはダーティエリアの、豚舎か

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ら十分に離れた場所で行いましょう。ふん尿タン クからの空気には病原体が含まれている可能性が あるからです。ふん尿タンクローリーを豚舎の入 気口の近くに駐車した場合、病原体の含まれた空

気が豚舎内に入ってきてしまう可能性がありま す。ふん尿の汲み取り場所を豚舎の入気口のそば にすることは絶対に避けなければいけません。ま た、汲み取りに使うホースは必ず自農場専用のも のを用いましょう。

訳者注 この本の舞台であるオランダはじめヨーロッパ諸国では、養豚 場のふん尿はスラリーで溜め、年に 1 回もしくは 2 回、ふん尿を直接 耕地に撒きます。彼らにとって、豚のふん尿はトウモロコシや麦など の穀物の肥料として欠かせないものです。浄化槽処理や堆肥化の処置 を必ず施さなければならない日本とは、背景条件が異なります。

ふん尿回収:良い?悪い?

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悪い例

良い例

ふん尿ローリーからの空気は入気を介して豚舎内に侵入する。この空気は、自農 場の病原体だけでなく他の農場の病原体も含んでいる可能性がある

ふん尿の集合汲み取り場所は豚舎から十分離れたダーティエリアに設けること。 ふん尿タンクローリーと共に病原体が農場内に侵入するリスクを最小限にするこ とができる

肥育農場のバイオセキュリティと衛生管理


ふん尿とへい獣の搬出 エリア境界の保冷庫 農場のクリーンエリアとダーティエリアの境界 部に、へい獣を一時保管するための保冷庫を設置

へい獣回収場所は、回収後に洗浄・ 消毒をしておく。この作業は1日 の最後に行う

しましょう。保冷庫はクリーンエリアからもダー ティエリアからもアクセスしやすいようにしてお きます。作業中はへい獣をクリーンエリア側から 保冷庫に入れておき、1日の終わりに衣服を交換 してから、専用の器具を用いてへい獣を保冷庫か ら出してへい獣回収場所まで運びます。

へい獣回収場所

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へい獣回収場所は、公道のそばで、できるだけ 豚舎から離れた場所にしましょう。回収業者の車 両を公道から敷地内に入らせてはいけません。

へい獣を置く場所は、水を通さない素材で、き れいな水で洗うことができ、排水できる場所であ ること。ただし、この排水は豚舎のピットとは独 立した、別のピットに流します。この場所で使用 する器具は洗浄、消毒した上で農場のダーティエ リアに保管しましょう。

これはどんな状況?

へい獣は外に出しておくべきではな い(犬やネズミなどの野生動物が摂 食することで感染源になる)。へい 獣は必ず、クリーンエリアとダー ティエリアの境界にある保冷庫の中 に保管すること。そして1日の作業 の最後にダーティエリア側から出し て、公道に面した回収場所へ移そう

C h a p t e r 1 病気を入れない!農場外バイオセキュリティ

へい獣を一時保管しておく保冷庫。農場のダーティサイドからフォークリ フトで床ごと取り出し、回収場所へ移動する

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健康で安全な豚肉を生産することで仕事の満足度も高くなる”

本書は健康な肥育豚を飼養するための実践ガイドです。健康な豚は発育が早く、効率が良いものです。さらに治療

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などの手間がほとんどかからないため、より多くの時間を豚の管理のために使うことができます。  肥育農場の健康を維持する上で最も良い方法は何でしょうか? あなたの農場のバイオセキュリティはきちんと 機能していますか? 日常作業、週単位での作業では、豚を健康に育てるという基本をきちんと考えていますか?  農場としての戦略を踏まえて、あなたは豚の健康管理にどのように協力していますか?

本書ではこれらすべての観点から、実践的な方法を紹介しています。ヒントやアドバイス、そしてコンセプトを 自農場にあてはめて検討して下さい。チェックリストや作業手順も参考になるでしょう。  その結果として得られるものは? より高い見返りと、仕事への満足感です。

本書の著者である Manon Houben と John van der Wielen はどちらも臨床経験豊富な養豚専門獣医師です。

肥育農場 のバイ オ セキュリ ティ と衛 生 管 理

“健康な豚はよく育ち、治療もほぼ必要ない。

監修 石川 弘道/大竹 聡 翻訳 石関 紗代子

The Pigs & Health シリーズは、養豚場の健康管理に関する実践的な情報を、活用しやすい方法で提供します。

肥育農場 の

www.pigsandhealth.com

www.roodbont.com

www.e-venet.com

定価 (本体)5,000 円 + 税 ISBN 978-4-902990-19-5 C3061 ¥5000E

バイオセキュリティと衛生管理


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