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パタゴニア MAY Journal 2019

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再生可能な ラバー

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守る価値が あるもの

広い海、広い心

VOLUME FOUR

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タスマニア沖の小さな島で、アクティビストたち が野生のままのビーチブレイクを脅かす産業用 養殖場に立ち向かいます。

「 ボードを改良するたびに サーフィンが上手くなって、 経験自体が広がった。」

天然のヘベア・ラバーの採用により、私たち はウェットスーツの製造過程における二酸化 炭素の排出量を最大 80%削減しています。 本誌について 内省する時間はいつも簡単に見つけられるとは限りません。けれどもここ数年間、私たちはパタゴニアが実践し ていることについて、なぜそうするのか、考える時間を見つけてみました。そして私たちはひとつの結論に至り ました。つまるところ、私たちは故郷である地球を救うためにビジネスを営んでいるのだと。巷で見かけるバン パーステッカーにあるように、 「 There’ s no Planet B(地球の代わりになる惑星はどこにもない)」のですから。 そこで本誌では、環境に肯定的な変化をもたらす解決策を探すために私たちが支援している取り組みのいくつか を取り上げています。地球の表面の 70%は海洋です。ですから皆様には巨大な波を生むハワイからカイトサー フィンに適した風の強い北西部まで、水中で私たちを鼓舞するさまざまな人びとについて、多くを見いだしてい ただけることでしょう。これらのストーリーにより、皆様ご自身がお楽しみを発見し、そしてより有望な未来の ための闘いに参加する、ひらめきを得ていただけることを願います。

冒頭の見開き写真

チリ、プンタ・デ・ロボス

人間の最良の友。ラモン・ナバロと犬のボブ、新しい一式の FCD 製ビッグウェーブ用ボードとともに。 チリ、プンタ・デ・ロボス Rodrigo Farias Moreno


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サーフ& レスキュー

海の姉妹

好きでする仕事

M AY 2019

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2人の熟練建造者の助けを借りて、 あるハワイアン・カヌークラブが全長 14 メートルの伝統的なコア製カヌーの 復元に何か月も懸命に労力を注ぎ込みました。

「 私たちは互いの突拍子もない 行動を目にし、それを隠す こともなく、お腹が痛くなる まで笑い合えるのです。」

「 一日の終わりに最も大切なのは、 誰もが無事に仲間や家族の もとへ帰るということ。」

寄稿者

ショーン・ドハーティは オーストラリアのバイロ ン・ベイを拠点とするサー フ ラ イタ ー。 過 去 約 20 年間にわたり、彼の文 章 は『Sur fer』『 Tracks』 『Surfing World』 『Sydney Morning Herald』をはじめとする 多数の媒体に掲載されてきた。パタゴニア・オー ストラリア支社でブランド・マネージャーを務め る彼は、オーストラリアでベストセラーとなった著 者でもあり、2018 年の「Surfer’ s Movie of the Year」を受賞したパタゴニアのドキュメンタリー 映画『Never Town』のプロデューサーでもある。

キミ・ワーナー はフリー ダイバー/スピ アフィッ シャーで、幼 いころにマ ウイで家族と暮らしなが ら海に潜ることを学んだ。 スピ アフィッシングの 全 米 チャンピオンとなった 彼女は、のちに環境保護 活動と責任ある狩漁の 伝授に集中するため競技の世界を去る。自分の息 だけで 水 中を探 検 するキミの旅は、凍 てつく極 洋から脅威に直面するポリネシアの珊瑚礁までに わたる。

ベン・ウィルキンソン は グレッグ・ロング はビッ もとは オーストラリアの グ ウェーブ・サ ーファー 出 身 だ が、 自 己 最 大 の の先 駆者であり、ライフ 波に乗ることを目指して ガードの息子として育っ オアフのノースショアへ た。生涯を通して海での と移住。スウェルを追う 安 全 対 策 に関 する 教 育 合間に木工職人として生 を 受 け て き た 彼 は、 冬 計を立て、捨てられた木 の「 ザ・エ ディ」で 1 度、 材を回収し、加工して高 「BW T( ビッグ ウェーブ 品質の家具に生まれ変わらせている。家族を愛し、 ツアー)」で 2 度世界チャンピオンに輝くも、7 年 ハワイの文化を学ぶことにも熱心なビッグ・ベン 前に「コルテス・バンク」 (カリフォルニア沿岸から は、 〈マヌ・オ・ケ・カイ・カヌークラブ〉でパドリ 100 マイル沖の海山により形成される波)で危う ングをして10 年になる。 く命を取り止めるという事態に遭遇。以来彼はそ れまでにも増して、大きく危険な波での安全性の 推進に情熱を傾ける。


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SURF


フレッチャー・シュイナード・デザインズ(FCD)では、

どのような状態の海でも楽しめるよう、

丈夫で高性能のギアを作ることに焦点を置いています。

広い海、 広い心 インタビュー BY ショーン・ドハーティ フレッチャー・シュイナードにとっての1日は 24 時間では足りません。サーファー、シェイパー、 カイトボーダー、そして新米パパとして、彼は本当に奮闘していました。そこへさらにフォイルボー ドが加わり、ものごとはいっそう複雑になりましたが、同時にパーフェクトとは呼べない波で楽し むことについて、新たな視点を得ることにもなりました。 フレッチャーの仕事について詳しく知るため、彼とはカリフォルニア州ベンチュラにある FCD の サーフボード工房で会いました。飾り気のないそのかまぼこ形のプレハブの小屋は、パタゴニア・ サーフの精神的な原点でもあります。フレッチャーと彼のスタッフはここでボード製造の最初から 最後までを手がけており、これは現在のサーフィン業界では稀なことです。壁にはステップアップ、 ビッグウェーブ用のガン、小波用の万能ボード、フォイルボードなどがずらりと並び、彼らの海に対 する大きな愛情と、ボードのシェイピングとデザインに対する広い心が映し出されています。 良い波と風に恵まれる場所から目と鼻の先にある FCD のサーフボード工房が建っているのは、 フレッチャーの父イヴォン・シュイナードが1960 年代にクライミング用のピトンを鍛造していた、 最初の「ティン・シェッド」のすぐそばでもあります。モノは異なりますが取り組み方は同じ。機能 して長持ちするギアを作り、それでアウトドアを楽しむというパタゴニアが大切にしてきた信念は、 FCD とパタゴニア・サーフにも深く通じています。そしてフレッチャーが言うように、今日の多様 なデザインを考えると、それに取り組むためにはゆっくりと休む暇などほとんどない、ということ を意味します。

オーストラリアでの荒れる冬の日に、「ライフ・アンド・デス」と適切に名づけられた飛び込み岩の前で、新しい 5' 9" マレットの ペースを保つダン・ロス。 Al Mackinnon


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SURF

「 僕にとっては、原則はすべて 同じ。カイトサーフィンも、 フォイルサーフィンも、 フォイルボードでのカイト サーフィンも。どれも同じ 体験の一部なんだ。 」

シェイパーそしてデザイナーの仕事に自分の人 生を捧げるようになったきっかけは? FC:最初は高校生のときに、ただでボードが手 に入ると思ってはじめた。何本か作ってみると、 ボードにほんの少し調整を加えただけで、波に乗 るとものすごく違うのが面白くて、その工程の虜 になった。ボードを改良するたびにサーフィンが 上手くなって、経験自体が広がった。中毒みたい なものだね。そのうち専攻に興味を失って大学を 辞め、フルタイムのシェイパーになったんだ。

この25 年間で取り組み方は変わりましたか、 それともほとんど同じでしょうか? FC:僕は最初からどちらかと言うとハイブリッド 的なやり方で、長年それをつづけてきた気がする。 ガンのシェイピングにさえもね。ボードに幅と厚 みがある方が個人的には合っていて、それが僕が 関心を寄せてきたデザインの特徴かな。いまで はコンピューターでデザインして、CNC や CAD もたくさん使うけど、それには長所も短所もある。 素晴らしいツールだけど、自分を見失いがちにも なる。些細なことにとらわれずに自分に正直でい るために、ときには基本に戻ってハンドシェイプ することもある。おかしなことに、よく自分がコ ンピューターでデザインしたものをどうやったら ハンドシェイプできるか考えていたりする。それ もいい方法だよ。

パタゴニア・アンバサダーのラモン・ナバロが この工房で一緒にボードを作っていますよね。 あなたのハイブリッド的な手法はそれにも影響 しているのでしょうか? FC:そう、かなり幅広い種類のボードを作って いる。沖に立つ大きなスウェルをキャッチする ための 10' 6" から、小波用の小さな万能ボード、 それからトウイン用まで。ラモンはフィジーでの サーフィンから帰ってきてから、トウインの新た な可能性にハマっている。彼はクラウドブレイク のイカれた波に15 年モノのボードで乗った。以 前トウインが流行っていたころのボードだよ。15 年も彼の物置に眠っていたそれで生涯最高の波 に乗ったんだ。その一方でショートボードで小さ めの波を楽しむことにも興奮していて、若返るよ うだと話しているよ。

フォイルボードは、そのような小さくて誰でも 乗れるような波に当てはまるんですね? FC:まあ、いい波のバレルに匹敵するようなも のはない。でも通常のほとんどのサーフィンでは フォイルボードはすごく面白いと思うよ。フォ イルボードは確実に「感じる」スポーツで、観る ものではない。サーファーが浮いたり沈んだり、 ちょっと格好悪く見えるかもしれないけど、本 当に直感的なものだよ。グライドを感じると「ワ オ、もっと乗りたい」って思う。ターンするたびに、

減速するどころか加速するんだ。海の上を矢のよ うに飛び回る感覚なんだ。

フォイルボードによってサーフィンの他の要素 に対する興味が湧きましたか? FC:そう思うよ。夏のベンチュラはフラットにな ることも多いけど、フォイルでならサーフィンで きるからね。子供に戻ったように興奮して、ただ 楽しくて仕方ない。いまでは夏が待ち遠しいよ。 僕にとっては、原 則はすべて同じ。カイトサー フィンも、フォイルサーフィンも、フォイルボード でのカイトサーフィンも。どれも同じ体験の一部 なんだ。いつでも何かしら乗るものがある。でも そのおかげで暇な時間がなくなっちゃうけどね。

ボードの素材の展望についてはどう考えていま すか? FC:環境への影響を抑える製品について考える シェイパーがいることは嬉しい。彼らのほとんど はラボなんてもっていないし、環境科学者のチー ムがついているわけでもない。でも彼らは自分た ちにできることをやっていて、それが素晴らしい。 僕がはじめたのは 1994 年、クラーク・フォー ムとポリエステル樹脂の時代。あの時代には簡 単に入手できる代替品はなくて、ひと握りのシェ イパーが主流から脱しようとしていただけだった。 1997 年には代替品の徹底的なテストを開始して、


エポキシが僕たちの標準になった。最初は耐久 性がおもな理由で、正直言って、健康や環境へ の配慮というのはあとからだった。それ以来僕 たちは素材や工程を何度も改良して、だいたいに おいてエポキシと EPS を使う。この組み合わせ は機能するし、強度があって、軽量で、毒性が低 く、リサイクル可能。世間には見せかけだけで誤 解を招く「環境に優しい」製品がたくさんあるけ ど、機能性に妥協せず、可能なかぎり長持ちする ボードを、入手できる毒性の最も低い素材を使っ て、地元で作る、というのが自分にできるすべて のことだと思う。使わないときは棚にしまってお くなら、僕にとっては機能性と耐久性が最も重要 な要素となる。作るものが何であれ害を及ぼす のだから、できるだけ少なく作るのが目標。

「どのボードも自分のボードだと思って作る」と よく言っていますが、最後に自分のために作っ たボードについて話してもらえますか? FC:正統派のチューブ用のボードを何本か作っ た。とても気に入っている。クラウドブレイクや ミクロネシアに対応するような、とても尖った 5'10" や 7'のステップアップで、ショートボード 風のロッカーやコンケーブをもたせている。いい 波のためのボード。いまでもでっかい波でショー トボードみたいにガンを乗りこなしたいと思って いる。ただそのためには時間を見つけなきゃ。

上:ボードのデザインの進歩はつねに、創造力に 長けたシェイパーとサーファーの緊密な協働を 頼りにしてきた。ロサンゼルスの北で離陸する クインテン・ルバルカバ。カリフォルニア州 Scott Soens 左:シェイピングしたら、すぐサーフィン。 自分の工房から数分の場所で、即座にデザイン のデータを集めるフレッチャー・シュイナード。 カリフォルニア州ベンチュラ郡 Scott Soens 次の見開き:夕方のソロセッションで、春の サイドショアを最大限に活用しながら飛翔する ジェイソン・スレザック。アメリカ太平洋岸北西部 Ben Moon


守る価値が あるもの 比類のないオーストラリアのビーチブレイクを 永遠に変えてしまう養殖産業との闘い

キング・アイランドに到着した日、僕たちはマーサ・

2 日目の午前中はずっとサーフィンをした。セッ

ラヴィニア・ビーチへと車を走らせた。そして砂丘に

ションの途中でダンがボードに打たれて耳を切ってし

立ち、波がビーチに沿って走っていくのを見た。長い

まい、車で島の病院へ連れていくことになった。その

レフトの波が、乗れそうもない速さでブレイクしてい

道中で一時停止を迫られたのは横断する乳牛の群れ

た。けれどもマーサ・ラヴィニアが有名なのはすっき

にだけ。一方デイヴ・ラストヴィッチはマーサズに残

りとした幾何学的なピークであって、レフトの波では

り、見渡すかぎり誰もいない真っ白なビーチで波を独

ない。目前に広がる波は、パンフレットの写真とは全

占した。

然違って見えた。

マーサ・ラヴィニアに来たのは、バレルに乗ること

翌朝もう一度車で戻ると、 「マーサズ」はまったく異

だけが目的ではなかった。僕たちがそこにいたのは、

なる様相を見せていた。暗夜に乗じて顕著な変化が

オーストラリアの野生のままの海岸線を救うために、

起きていた。僕たちを迎えたのはビーチを下るように

サーファーたちがどのように闘っているかを探索する

走る長いレフトの波ではなく、上るように走る長いラ

映画『 Never Town(ネバー・タウン)』を完成させ

イトの波だった。暴風状況は一夜のうちに東へ進み、

るためでもあった。近年のキング・アイランド、具体

そこには島の北岸を包み込むスウェルではなく、南か

的にはマーサズからすぐ近くにある地域は、産業規模

らのスウェルが入り込んでいた。

のサーモン養殖場の現場として狙われていた。

キング・アイランドは全長 60 キロメートルあまり

隣接するタスマニアの水域でブームとなった、外

の小さな島で、氷河 期にタスマニアとオーストラリ

来種であるアトランティックサーモンの養殖は、現

ア大陸を結んでいた陸橋の残 存部分だ。 「ロアリン

在では養殖産業において最も重視される分野となり、

グ・フォーティーズ」から冬の嵐が押し寄せると、ス

2017 年には 9 億オーストラリアドルの収益を生み出

ウェルが島を包み込み、マーサ・ラヴィニアの風下側

した。そしてこのあまりの急成長に、環境モニタリン

に屈折波が発生する。スウェルの方向によってマーサ

グや規制はついていけない。

ズの波のブレイクは左右にわかれ、理想的なコンディ ションでは完璧なピークを作る。こんな場所は他には まず存在しないが、それも長つづきはしないかもしれ ない。

その典型的な例はタスマニア西岸のマッコーリー・ ハーバーで、養殖サーモンの生産量が 2005 年から 2016 年のあいだに 8 倍も増えたことにより、かつ ては自然のままだった入江は深刻な劣化に直面した。

ダン・ロスはこう語る。 「マーサズは本当に特別な

サーモンは海に設置された巨大な囲い網に密集して

ブレイクなんだ。ビーチのいたるところでウェッジが

育てられるが、これは自然とはまったく異なる環境だ。

できるのをはじめて目にした瞬間から、 『ワオ、最高

そのため、養殖サーモンの個体数が増えると、当然

に面白くなるに違いない。これぞサーフィンの醍醐味

ながら入江の生態系は劣化しはじめ、同時にマッコー

だ』と感じる」

リーの養殖場は酸素濃度の低下、危険値に達するバ クテリアのレベル、病気の発生による養殖サーモンの 大量死などとの苦闘に陥った。

By ショーン・ドハーティ キング・アイランドの無垢のマーサ・ラヴィニア・ビーチでライトのバレルを突き進むデイヴ・ラストヴィッチ。 このすぐ沖に大規模な養殖場が建設されれば、自然のままの生態系はただちに劣化し、 マーサズの完璧なピークにも影響を与えることが懸念される。 Ted Grambeau


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SURF

こうした問題に対する世間の関心が高まると、

キング・アイランドの人口は1,592 人しかいな

〈タサル〉は持続可能な運営を明言しているが、

養殖業者はタスマニア本島以外にも養殖場の移

いものの、管理の行き届いた酪農、肉用牛、天然

他所での養殖の影響を調べてきたキング・アイラ

転先を探しはじめた。そうしてキング・アイランド

海産物の産業が盛んで、周辺の海洋生態系への

ンドの地元住民が一連の心配を抱くのはもっとも

にやって来たのが、 〈タサル〉という企業だった。

影響を最小限に抑えながら、ほぼ全島の雇用を支

である。まず、囲い網から生じる汚染や異物がキ

2017 年の終盤、 〈タサル〉はマーサ・ラヴィニア

えている。住民の多くはチャーリーのように、魚

ング・アイランドの健康な海洋および沿岸環境に

に隣接する124 平方キロメートルの水域でサーモ

の養殖場の導入は不要なだけでなく、マーサ・ラ

打撃を与え、持続可能な野生の漁場に弊害をもた

ン養殖の可能性を調査する許可を与えられた。こ

ヴィニアを破壊し、自然美と環境に配慮した食料

らし、そして病気の蔓延や周辺水域の酸素量の低

の事業が進めば、最大 22 の囲い網に100 万匹

生産で知られる島の評判を台無しにすると認識す

下により、在来種を危険にさらす懸念がある。ま

ものアトランティックサーモンが養殖されること

るようになった。チャーリーをはじめとする島民

た産業規模の養殖に必要となる広大な囲い網の

になる、と保護活動家たちは言う。

は、行動を起こさなければ自分たちの故郷が永遠

構造は、自然の潮流、砂州の形成、スウェルの大

に変えられてしまうことを認識し、 〈タサル〉の養

きさや強さを妨げ、マーサ・ラヴィニアの自然の

殖場建設を食い止めるためにメディアやタスマニ

ままの特徴を破壊しかねない。さらに、一見食べ

ア政府、そして世界中のサーフコミュニティに働

放題のような囲い網のサーモンに魅かれて集まる

きかけてきた。

アザラシを狙ってもっとサメが現れるようになれ

「キング・アイランドへの影響は計り知れない」 と、養殖場建設反対運動に関わる元教員のチャー リー・スタブスは言った。 「100 万匹のアトラン ティックサーモンを囲い網で養殖するということ

ば、マーサズでのサーファーの安全性にも極めて

は、1 万人の人間が毎日マーサ・ラヴィニアの水

現実的な脅威をもたらす可能性がある。

中で排便するようなものだ 」

下:外来種の魚を大量に飼育するこうした囲い網は、 タスマニアのマッコーリー・ハーバーに悪影響を 次々と引き起こした。キング・アイランドの住民は、 もし〈タサル〉の養殖場が認可された場合、自分たち の地元の水域も同じ運命をたどるのではないかという 恐れを抱く。 Peter Hendrie

右:キング・アイランドの持続可能な資源を利用しながら、 『Never Town』のセットでサンドボトムのチューブを またひとつ縫い進むデイヴ・ラストヴィッチ。 Ted Grambeau


「 100万匹のアトラン ティックサーモンを 囲い網で養殖すると いうことは、1万人の 人間が毎日マーサ・ ラヴィニアの水中で 排便するようなものだ」

パタゴニアはオーストラリアのアンバサダーや

キング・アイランドでの 初上 映は完 璧に見え

活動家たちを通じて、マーサ・ラヴィニアを産業

た。編集作業はまだ完全に終わってはいなかった

養殖場から守るための現在進行形のキャンペーン

ものの、それは重要ではなかった。ゆくゆくはそ

に密接に協力してきた。 『 Never Town 』には

の日にとらえた波も、映画の最終カットに重ね継

その闘いのエピソードのひとつが収録されており、

ぐことになるだろう。重要だったのは映画のメッ

僕たちはまだラフカットの状態にあるその映画を、

セージ、つまり地域の草の根運動の力と可能性に

島の中心街カリーにある「キング・アイランド・ク

ついてであり、それを立証する最高の場はその夜

ラブ」で世界初上映した。会場には自分たちの島

のキング・アイランド・クラブ以外になかっただろ

が脚光を浴びているのを見ようと集まった地元住

う。映画が終わってクレジットが流れはじめても、

民のほか、頭の傷口を縫ったばかりのダンも来て

最後のひとコマを見るまで地元住民は席を立たな

いた。そしてその日 7 時間もサーフィンをしたデイ

かった。彼らはマーサ・ラヴィニアを救うためにで

ヴは充血した目もなんのそので、観衆に映画を紹

きることは何でもやりつづけるだろうことが、僕

たちにはわかった。そのスピリットはチャーリー の言葉に要約されている。 「私たちは違いをもたらすことができる。ものご とは人びとが立ち上がって『これは守る価値があ る』と宣言する準備ができたときに変わる、と私 は心から信じている」

介した。 「キング・アイランドは遠隔地にある小さな地域 だからこそ、大企業の金儲けのために狙われる」 と、ダン・ロスが説明した。 「だが、 〈タサル〉はキ ング・アイランドがサーファーにとっても特別な場 所であることを予測していなかった。それで彼ら は不意に、島民だけでなく、世界中のサーファー

さらなる支援の提供のために同地を再訪しました。その最新のアップ デートを収めた、デイヴ・ラストヴィッチのナレーションによる新しい 短編映画は、patagonia.jp/artifishal でご覧ください。同じリン

の反発を食らう羽目になったんだ。チャーリーや

クからはまた、ラモン・ナバロの故郷チリでサーモン養殖によってもた

地元住民の努力の甲斐あって、いまのところ闘い

らされた被害を検証する、もう1 本の短編もご覧いただけます。これら

はいい方向に向かっている」

The road to extinction is paved with good intentions

キング・アイランドでの養殖産業との闘いがつづくなか、私たちは最近

は両作品とも、パタゴニア・フィルムがお届けする長編ドキュメンタリー 『アーティフィッシャル』を相補するもの。野生の魚と野生の川に関する この映画は、政府と関連産業が乱獲と生息地の破壊の影響を緩和する ために、いかに養殖場と孵化場に依存してきたかという過ちについて迫 ります。

A FILM BY

PATAGONIA PRESENTS A LIARS & THIEVES! PRODUCTION JOSH “BONES” MURPHY MUSIC BY WILLIAM RYAN FRITCH EDITED BY COLLIN KRINER DIRECTORS OF PHOTOGRAPHY AUGUST THURMER AND DEVIN WHETSTONE YVON CHOUINARD ALEX LOWTHER MONIKA McCLURE JOSH NIELSEN PRODUCED BY LAURA WAGNER DYLAN TOMINE JOSH “BONES” MURPHY WRITTEN BY COLLIN KRINER JOSH “BONES” MURPHY DIRECTED BY JOSH “BONES” MURPHY

EXECUTIVE PRODUCERS


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SURF


細かな部分で 決まる 革新的な圧着型のウエストバンドと ダイナミックな 4方向への伸縮性で 再デザインされ、まったく新しくなった ストレッチ・プレーニング・ボードショーツ。 ストレッチ・プレーニングは一見シンプルながら技術的に非常に優れて高性能を 誇る、ハイドロ・シリーズの 3 種類のスタイルのひとつ。種類が豊富で信頼のおけ るパタゴニアのボードショーツ製品ラインに加わった最新の仲間です。 最高のギアとはつねに細かな部分まで入念な注意を要するもの。だからベンチュ ラのパタゴニア本社の研究開発施設「ザ・フォージ」で開発者たちがストレッチ・ プレーニングを徹底的に見直したとき、私たちはその構成要素のほとんどすべて を向上させました。 まずは、4 方向に伸縮性する非常に軽量な新素材への切り替え。繊維の織り方に よる 2 方向への伸縮性を備えたこれまでの素材とは異なり、4 方向への伸縮性を 備えた繊維はいかなる方向にも優れた弾力性を発揮するため、格別に動きやすく なります。 (今年になるまで、4 方向への伸縮性を備えつつパタゴニアの基準を満 たす素材を、耐久性とリサイクル成分という条件において見つけることができませ んでしたが、いまではそれが可能となりました。 ) 次に、ターンやバレルの中で体を曲げたり伸ばしたりする際も独自のカーブでヒッ プにぴったりとフィットする、ウエストバンドを追加しました。股下の縫い目は前 側にずらしてあるので、ボードに座ってセットを待つあいだも快適です。さらに フェアトレード・サーティファイドの縫製を採用し、またパタゴニアの製品保証に よって完全に守られているという、機能性の詳細と同じくらい重要な隠れた特性 も備えています。

製品の詳細 非常に軽量ながら丈夫なリサイクル・ポリエステル 91%/ポリウレタン 9% 素材は、最もダイナミックなサーフィンやカイトサーフィンにも自由自在な 動きを提供 圧着型のウエストバンドは体に沿ってぴったりとフィットし、あらゆる動き に対応。不要な生地の層を解消するので速乾性も向上 すっきりとした機能的なフィットは縫い目を最小限に抑え、ショーツが1枚 の生地として伸縮 前側にずらした股下の縫い目はボードに座っている際も快適 フェアトレード・サーティファイドの縫製を採用

メンズ・ストレッチ・プレーニング・ボードショーツ(48cm) ¥9,720(税込) I 86612 I 28-40の偶数サイズと29, 31, 33, 35 I スリム・フィット ストレッチ・ハイドロフロー・ボードショーツとストレッチ・ハイドロピーク・ボードショーツは ウェブサイトでご覧ください


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SURF


「 ニアス島を訪れるサーファーのほとんどは、ラグンドリ 湾の岬沿いに暮らす地元住民の家庭に宿泊する。 ここの人びとはとても親しみやすく、子供たちも地元 サーファーたちも皆才能に長けている。このスウェルは あまりにも大きくて、渦巻く水がリーフ全体に及んで、 家々にまで打ちつけていた。これから逃れるためには、 いつもの『キーホール』まで急ぎ、渦巻きに捕らわれて 頭からつま先までズタズタにされないように祈るか、 あるいはタイミングを見計らってリーフを越えて湾の 深くへと泳ぎ、カレントに乗ってラインアップへの長い パドリングへと落ち着くかのどちらか。この日に出て いくことは、 『ジョーズ』にパドルアウトするのと同じ くらい(あるいは、それよりも)困難だった。」


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イアン・ウォルシュ:僕がこれまでインドネシアへ行った

写真:R YA N C R A I G

なかで最大のスウェル。 上: 「たとえ波がつぶれた状態でも、その海のパワーを 見るのはすごいことだろうと思い、マウイの自宅を発って スマトラ沖のニアス島へと向かった。この写真は 58 時間 旅したあとに撮影したもので、それから執拗な蒸し暑さ と日差しとともに、ノンストップのカレントの中で 4 時間 サーフィンをした。」

右: 「それまでニアスで乗ったことのあるスウェルについて 抱いていた考えは、その朝の水のエネルギーを目にしたとき に吹っ飛んだ。バレルの中には体を動かす余裕が十分あった ものの、波はものすごい速さで進んでいて、そのあまりの勢い に、たとえまっすぐ落ちてもしばしばリップの下に間に合う ほどだった。普通だったら絶対にワイプアウトをまぬがれない

ような場面なのに。そこで乗った信じられないような波のうち 十中八九は失敗に終わり、リーフは水中を流されるときに かすめただけで体が切り裂かれるほど鋭かった。だから僕ら の何人かは浮力とプロテクションを高めるためにインパクト・ ベストを着用し、そしてなるべくリーフを避けて、万一負傷 しても助けを得られるようにしていた。」


「 湾に押し寄せるカレントのせいで自分のポジションを 決めるのは本当に難しく、まるで高速のトレッドミルの 上を何時間もパドリングしているようだった。けれども その合間には、実際に波に乗るのと同じくらい満足の いく瞬間があり、このスウェルはひとつ残らず永遠に、 僕の記憶に刻まれると思う。」


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熱帯の波を求めてボートやジェットスキーで 終日出かけたり、遠くまで歩いたりするとき、 イアン・ウォルシュがたいてい自分のバッグ に詰め込むもの: ボードショーツと日除けシャツ

バレルのための パッキング

タオル(これも日除けとして使用可) サングラスと帽子 予備のリーシュとフィンとワックス 止血帯とファーストエイド・キット 水と電解質飲料 カシューナッツとエナジーバーとジェル チップス(僕はなぜかボートに乗るといつも チップスが食べたくなる) 携帯電話とペンとノートパッドとナイフ

濡れたものと乾いたものを 容易に分けて運搬できる新登場の プレーニング・シリーズのパック。 人里離れた場所で波を追っているとき、バッグに押し込んだ湿っ た砂まみれのギアで乾いた衣類とギアがびしょ濡れになること だけは避けたいもの。必需品はすべて運びながら、濡れたもの と乾いたものを確実に分けて悪天候からも守るこの容量 30リッ トルのパックは、道の終わりのさらに先まで、終日のミッション に必要な身軽な機能性を提供します。

製品の詳細 悪天候に耐える丈夫なリサイクル・ポリエステル100%素材は雨や 水しぶきを弾く(水中に沈めることは不可) すべての縫い目をテープ処理した防水性バリヤーが、メインコンパート メントを外側のメッシュポケットから保護 調節可能なショルダーハーネス、チェストストラップ、ウエストベルト により1日中快適な担ぎ心地 内側のスリーブは15 インチまでのほとんどのラップトップを収納可能

プレーニング・ディバイダー・パック 30L ¥16,200(税込) I 48480 I 598 g (1 lb 5.1 oz) プレーニング・シリーズのバッグの全コレクションはウェブサイトでご覧ください


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ユーレックス天然ラバーはパタゴニアの

ウェットスーツの原料から、再生不可能な

ネオプレンを排除することに貢献しました。

無限に 再生可能な 資源 近年、私たちはラインアップで波を待っているあ

費する再生不可能なネオプレンを再生可能な天然ラ

いだ、地球温暖化の「利点」にまつわるジョークを

バーに置き換えることで、製造過程における二酸化

いくつか耳にしました。海面が上昇すればサーフィン

炭素の排出量を最大 80%も削減できるということで

できる新しい海岸線がたくさん生まれるはずだとか、

す。これは、工場でネオプレンが生産される代わり

グリーンランド氷床の下にはパーフェクトなポイント

に、ヘベアの木々でパタゴニアの天然ラバーが生産

ブレイクが眠っているのではないかとか。

され、しかもそれは 40 年近い寿命を通して炭素を

冗談はさておき、私たちの地球の生命体系は後戻 りできない地点に近づきつつあります。海洋の酸性 化や有毒藻類の発生、沿岸地域まで焼き尽くす山火 事など、気候変動による危機はサーフィンをする人た ちにとっても破壊的で、そんな深刻な状況は決して 笑い事ではありません。この現状を改善しなければ、 私たちに未来はないでしょう。 ビジネスとして、その解決に投資してきたパタゴニ アは、私たちの取り組みが必要な方向転換を先導し ていることを誇りに思います。たとえばウェットスー ツ。その製造を開始した 2008 年以来、私たちは代 替素材を探しつづけてきましたが、もともとの動機は、 1930 年代にはじめて塩素と原油由来の石油化学製 品を使用して開発されたネオプレンよりも、何か毒性 の少ないものを見つけたいという熱望にありました。 そして 2016 年、パタゴニアのユーレックス製スー ツにヘベアの木から採取された天然ラバーを使用し、 ネオプレンを完全に排除することに成功しました。 私たちは毒性の少ない物質を使用できることに胸 を躍らせましたが、その開発段階ではもうひとつの 発見がありました。それは、エネルギーを大量に消

吸収する、という単純明快な方程式です。そしてレ インフォレスト・アライアンスによる FSC®(森林管 理協議会)認証済みの農園を供給元として選ぶこと で、私たちはそこでは森林の生態系の完全性を保つ 方法で木々が栽培されていることを保証しています。 要するに、この過程は私たち皆が依存する地球に対 して、はるかに良いものなのです。 水中では、パタゴニア最新の天然ラバー * は従来 のネオプレンと同等の機能を発揮し、現在では他の ウェットスーツ製造企業もそれを製品ラインに導入す るべく取り組んでいます。今年はスプリングスーツ製 品の軽量化と伸縮性の向上を実現し、接着剤を溶剤 ベースから水性に切り替えました。ユーレックスとの 取り組みは、弊害を抑える素材の探求は可能である ことの証明だ、と私たちはみなしています。波は無 限に再生可能な資源です。だからそれに乗るための 装備も同じであるべきことは、当然のように思えます。 * ユーレックス天然ラバー 85%/合成ラバー 15%(ポリマー含 量)のブレンドを使用

ユーレックス・スプリングスーツの全コレクション はウェブサイトでご覧ください。

故郷のブレイク「ペアヒ」でウエスト・ボウルのバレルを抜けるペイジ・アルムス。 彼女は女性によるビッグウェーブ・サーフィンの先導者のひとり。マウイ Zak Noyle


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SURF

ペイジ・アルムス:すべてのセッションが私の人生の旅を 映し出しているような気がします。 上: 「私は 10 歳のときサーフィンと恋に落ちました。水の中で 感じた自由がその大きな理由でした。波の上に立ったとき、 自分の好きなやり方で自分を表現することが許され、それは 内なる火やフラストレーションをなだめる方法を教えてくれ ました。いまでも海は、私が慰めと幸せをたくさん見つけ られる場所です。」

右上: 「フォイルボードは私にまったく新しい世界を切り開いて くれました。水の上を飛ぶように進むことができるというのは ずっと夢でしたが、いまやそれは現実です。状況に合わせ られるので、波が弱くつぶれているときや風が強いとき、 あるいは波が立っていないときでさえ、楽しむことができます。 そしていつも思わず笑顔があふれてしまい、サーフィンを 学びはじめたばかりの初心者のような気分になります。」

写真: E R I K A E D E R(上と次の見開き) S C O T T W I N E R(右)

右下: 「海、熱帯雨林、木々、そしてきれいな空気に囲まれて 育ったことをとても幸運に思います。水や何か緑色のものの そばにいないときは、いつも道に迷ったような気がして、 私の魂の羅針盤は落ち着きません。」


「 私は子供のころから、水中の不安な状況でもつねにある 種の安心感がありました。良い挑戦は大好きで、だから 故郷のマウイで友人たちが『ペアヒ』に乗るためにパドル アウトしはじめたとき、それは自分も参加すべき新たな 冒険だと思いました。それまでは、ペアヒが大きいとき はトウインのみのスポットと考えられていました。そこで 迎えたすべてのセッションが私の人生の旅を映し出して いるような気がします。パドリングのすべて、波のすべて、 見下ろしたラインのすべてがレッスンで、それに集中して 耳を傾けることが鍵です。」


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SURF


トランプ政権はアメリカのほぼすべての 海岸線を石油産業に開放しようと目論み、 私たちのビーチと海を深刻な 危機にさらしています。 パタゴニアは、新たな海洋掘削を 食い止めるために取り組む 〈サーフライダー・ファウンデーション〉 を支援しています。手遅れとなる前に、 トランプの危険な提案を阻止しましょう。 SURFRIDER.ORG(英語)で行動を起こそう

2019 年1月現在の正確な地図。最新情報は surfrider.org(英語)でご覧ください。


海の姉妹 最高の時間には友人が必要で、 完璧が目的ではない

リズ・クラークとレア・ブラッシーとともにツアモツ諸

ます。異なる人間ですから、必ずしもすべてのことに同意

島へセーリングの旅をしてから、4 年が経っていました。

するわけではありませんが、互いを心から思いやり、と

私たちは出会った瞬間から何か特別なものを見つけるに

にかく互いが大好きでたまりません。レアはその存在で

違いないと確信し、ずっと連絡を取りつづけていました。

どんな場面も明るくし、いつも努力と尽きない貢献によ

私たちは皆、とても個性的で冒険を好む女性たちです。 リズはサーファーであり、セーラーであり、作家。レアは サーファー、フリーダイバーですが、とにかく何でもでき る強い女性。そして私はフリーダイバー、スピアフィッ シャーです。私たちの共通点は、自分にとって大切な目 的や理由のために一生懸命に打ち込むということ。最初 の旅以来、私たちは旅や執筆やそれぞれのプロジェクト に情熱を注ぐことで忙しく、もちろんそれ自体は素晴らし いことなのですが、ときおり足を止め、速度を落とすべき ことを思い出す必要があります。私たち 3 人でまた集まる

る価値を見せてくれます。リズは自分に正直に生き、自分 にとって大切なものを分かち合うことで思いやりを深め、 つねに学びつづけることを教えてくれます。リズはヴィー ガン(絶対菜食主義者)で、私は漁をするハンターですが、 そういう私たちが互いを尊重しあえるところも素晴らしい と思います。私が動物性のものを含まないヴィーガンの 食事をリズのために用意し、それから自分とレアのために 採ってきたばかりの魚を調理しようとドアを抜けると、地 元の猫が私の魚に手を出していました。その様子を見て 彼女は笑っていました。

ことを計画したのは、まさにそのためでした。日常からし

私たちの社会の大部分は見せかけの完璧を目指して躍

ばし離れ、ただ一緒に海を、セーリングを、フリーダイビ

起になっているようですが、私が長年で学んだのは、完

ングを、波を共有することを楽しみたいと思ったのです。

璧と感じること、そして他者と真につながることができる

けれどもそれは、思ったとおりにはいきませんでした。 私たちがタヒチで落ち合ったとき、リズはすでに体調を 崩し、動ける状態ではありませんでした。レアと私はサー フィンとダイビングを少ししましたが、いつもリズのこと が気になって、海から上がっては彼女の様子を見に行き ました。そうこうしているうちに私も体調を崩し、私たち

唯一の方法は、自分自身に正直になることです。それが、 私たちが友としてとても心地よく、また一緒に過ごす時間 を幸せに感じる理由なのだと思います。私たちは互いの 突拍子もない行動を目にし、それを隠すこともなく、お 腹が痛くなるまで笑い合えるのです。 旅の最終日まで私たちの体調は優れませんでしたが、

の休暇は海で過ごすかわりに、屋内でぐったりと横にな

その時間を無駄だとは決して思いませんでした。会話を

り、薬用効果のある草や根をすり潰してお茶を作り、最

交わした時間。そのほとんどは幼い子供のように笑って

良の薬である笑いを分かち合いながら過ごすことになり

過ごしただけでしたが、それはまさに私たちが必要として

ました。

いた時間でした。私たちの頑固で忙しい魂がやっとあき

じつは、それが今回の旅のいちばん良いことでした。 何をするではなく、ただ一緒の時間を過ごすことが大切 だったのです。私たちの関係は本当の姉妹のように感じ

らめて休息を得るために、体がプラグを抜いたのかもし れません。あの時間は、完璧なまでに不完全で、最良の 時間となりました。

By キミ・ワーナー 競技でないときは、皆が勝者。タヒチでのフリーダビングでそれぞれの獲物を掲げるレア・ブラッシーとキミ・ワーナー。 レアのクム(ミナミホウボウ)は夕食として調理され、キミのトヌ(マハタ)は地元の友人に譲られた。 Justin Turkowski


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SURF

リズ・クラーク、レア・ブラッシー、キミ・ワーナー: 私たち 3 人は互いに素敵な方法で夢を叶えあって いるようです。

写真: L AU R E N T M A S U R E L(上と右下)

上: 「リズとキミとの友情は私にとってとても大切です。私たちは いわゆる女友達で、おしゃべりですが、自身についてはあまり説明 する必要はありません。2 人といると私は自然体で、彼女たちの こともたいていの人よりよく理解しているかもしれません。それは 私たちが海に対する情熱と、ありふれた道の外側で暮らすという 選択を共有しているからだと思います。」──レア

右下: 「リズと私はレアを『雌ライオン』と呼んでいます。彼女は 若々しい好奇心と獰猛さの優れた感覚を兼ね備えていて、 そんな性質の組み合わせにより、彼女を止めることは誰にも できません。彼女はいつも学ぶことに熱心で、旅に参加する ときはいつも自分のノルマ以上のことをしてくれます。いまどき の世の中では、そんな人は貴重としか思えません。」──キミ

右上: 「エネルギーを取り戻した最後の朝、私はバンガロー から谷を 400 メートルほど登ったところにある淡水池へ ひと走りするという考えで目が覚めました。雨が激しく 降っていましたが、私たちはスイムスーツとレインジャケット を身に着けて、この魔法のような場所を味わう最後の ひとときのために池へと出発しました。」──リズ

J U S T I N T U R KO W S K I(右上と次の見開き)


SURF


「 無条件で自分を愛し支えてくれる女性たちとの姉妹関係 は、かけがえのないものです。何があろうとも彼女たち はそこにいて、自己の心に従うことを思い出させて くれます。私の人生にそんな動的な力強い女性たちが いてくれるということが、どんなに心強いかを説明する のは難しいですが、彼女たちは私を最高の自分へと 押し上げてくれる存在です。」──リズ


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SURF

二重生活 2 つのカラーから選べるリバーシブルの デザインを備え、しっかりとフィットする このワンピースは、パタゴニアの アンバサダーとフィールドテスターたち の日常のお気に入りです。 できるだけ多機能的なギアを作ろうとつねに努力してきた私たちは、 新製品のリバーシブル・エクステンデッド・ブレイク・ワンピース・ス イムスーツをキミ・ワーナーに送りました。それがハワイに住む彼女 の日常生活で、どのように機能するか知りたかったからです。しばし ばスイムスーツを日常着にして過ごす時間の方が長い彼女は、その多 用途に使えるデザインのおかげで、フリーダイビングやスピアフィッ シングにはもちろん、ただ家のまわりでくつろぐときにも活躍する スーツとなったという、以下のうれしい報告をくれました。 「いつのまにか、これを着て日々生活していました。朝食を取るとき も、ガーデニングをするときも、裏庭で仕事を片づけるときも。だ から『ユニフォーム』と呼んでいます。快適に体をしっかりと包んでく れるのが、私のお気に入りとなった理由です。ダイビングにも理想的 で、体を締めつけたり動きを妨げたりせずにしっかりとフィットして ズレません。 」

製品の詳細 リサイクル・ポリエステル(プリント)またはリサイクル・ナイロン(無地) 83%とポリウレタン17%を混紡した、ソフトで丈夫な伸縮性素材 胸を押さえるストラップを施した深いV ネック 背中の二重のストラップはサーフィンやスイミングの際もしっかりとフィット しながら首への負担を軽減 ヒップを適度にカバー フェアトレード・サーティファイドの縫製を採用

ウィメンズ・リバーシブル・エクステンデッド・ブレイク・ワンピース・スイムスーツ ¥18,360(税込) I 77320 I XS-XL


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海にふさわしい スーツ 海の中でも外でも毎日を存分に 楽しむための、機能性に優れた ビキニとスイムスーツ。 しっかりとフィットするナノグリップのサーフィン仕様のデザイン から、リバーシブルの定番、そして太陽にさらされる長い日々 を考慮して長袖を施した多用途型のワンピースまで、パタゴニア のウィメンズ・スイムスーツ製品はソフトで伸縮性に優れたリサ イクル素材の混紡を使用し、フェアトレード・サーティファイド の縫製を採用しています。最高の機能とフィットを提供しなが ら、今シーズンはさまざまな新しいシルエットとカバー範囲をお 選びいただける、個人の好みや水の楽しみ方などのニーズに完 璧に合わせたデザインを取り揃えました。

ウィメンズ・スウェル・シーカー・クロップド・ラッシュガード ビキニの上にレイヤリングしやすい、胴の上部を軽めにカバーする 丈の短いシルエット。 ¥10,800(税込) I 71840 I XS-XL

ウィメンズ・リバーシブル・シーサイド・コーヴ・ボトム リバーシブルのデザインでヒップを最小限にカバーする、 ミッドライズのボトム。 ¥7,236(税込) I 72250 I XXS-XL

ウィメンズ・ナノグリップ・ニレタ・トップ 高めのネックラインと背中で交差するストラップを備え、革新的な 裏地がぴったりとフィット。 ¥9,720(税込) I 77286 I XS-XL

ウィメンズ・ナノグリップ・バンデッド・ボトム ヒップを最小限にカバーして水の抵抗を抑える、ウエストにバンドを 施したミッドライズのボトム。 ¥8,316(税込) I 72245 I XXS-XL

ウィメンズ・クパーラ・トップ クロスバックのひもを結んで調節でき、サーフィンやスイミングに 最適な、胸をしっかりとカバーしてサポートするトライアングル 型のトップ。 ¥8,640(税込) I 77192 I XS-XL

ウィメンズ・スナミ・ボトム ストレートなラインでヒップをしっかりとカバーする、クラシックな ビキニ・ボトム。 ¥7,236(税込) I 72157 I XXS-XL

ウィメンズ・ロングスリーブ・スウェル・シーカー・ワンピース・スイムスーツ 背中のジッパーにより脱ぎ着が容易でヒップをしっかりとカバーする、 サーフィンに対応するデザイン。 ¥22,680(税込) I 77315 I XS-XL


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アンダーカバー サーフィンやカイトサーフィンを楽しむ 熱帯の旅に最適な、UPF(紫外線防止指数) 50+の UV プロテクションを水の中でも 外でも提供するストレッチ・テール・ プレーニング・フーディ。 午前中はサーフィン、午後はずっとカイトサーフィンを楽しめるという タヒチでのスケジュールは悪くありません。 でも長年のあいだ熱帯への旅を重ねるうちに、私たちは高く差し込む 太陽に何時間もさらされるときに手に入れられるプロテクションはす べて確保すべきだと学びました。そして軽量で速乾性とUV プロテク ションを備えたボードショーツの素材が身近にあった私たちは、それ を使って多機能的なハイブリッドのフーディ(朝イチで身に着けたら、 1日中そのままでいられるもの)を開発するため、デザインラボにこも りました。 2 方向への伸縮性を備え、自由自在な腕の動きを実現するストレッ チ・テール・プレーニング・フーディは、日差しと風から肌を守る点で 信頼のおける、旅の準備に万端な必需品で、フィッシングにも理想的。 さらに因習のサンスクリーンとは異なり、流れ落ちたり珊瑚礁に影響 を及ぼすこともありません。

製品の詳細 超軽量で速乾性を備えたリサイクル・ポリエステル100%のストレッチ素材 UPF(紫外線防止指数)50+ の UV プロテクションを提供 袖を固定するための親指用ループ付き 腐食しないジッパーが付いた水はけのよいポケット 隠された開口部からハーネスを通せば、カイトサーフィンのハーネスと 併用できるデザイン 裾はドローコードで調節可能

メンズ・ストレッチ・テール・プレーニング・フーディ ¥16,200(税込) I 86186 I XS-XXL I レギュラー・フィット

前の見開き:ひとつの方法でしかサーフィンしないなら、お楽しみは 半分しか味わえない。「チョープー」で、風とスウェルとリーフの完璧な 収束を発見するレオ・スティーブンス。タヒチ Ben Thouard


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ハワイの伝統的な

コア製カヌーの復元。

好きで する仕事 文 BY ベン・ウィルキンソン 写真 BY ジョン・ビルダーバック

大ざっぱに訳すと「ハレイワの若く美しい女性」を意味する「カ・ワヒネ・ウイ・オ・ハレイワ」は、 ここオアフ島ノースショアのハレイワにある〈マヌ・オ・ケ・カイ・カヌークラブ〉の自慢の種だ。 1本のコアの木から彫り出された「ウイ」は、ビッグアイランド(ハワイ島)のマウナ・ロアの標高 約 1,650 メートル地点の斜面で育ったもの。この木は1980 年代半ばに伐採され、カヌーの形に おおよそ削られてから 2 年間保存処理されたのち、ビル・ローズヒルとキモ・ブラケンフィールド の力を借りて、タヒチ人の木彫職人パウニホ・タウタハがコナの古いカヌー小屋でウイとして仕上 げた。船縁も座席もマヌ(先端部)も、構成要素はすべて同じ1本のコアの木からできている。ウ イは海に出るとすぐにとびきり速いカヌーという評判を得て、1989 年にはマウイで開催された州 選手権でも勝利を収めた。 ウイは最終的に〈マヌ・オ・ケ・カイ〉の前メンバーだったチェリッシュ・ランスフォード・アルメ イダの寛大な寄付により、同クラブの所有物となった。チェリッシュは子供のころ、クラブの創設 者であるアンクル・ランディ・サンボーンの指導を受けていた。当時のクラブは子供たち(その多 くが低所得世帯の出身)にとっての憩いの場所でもあった。

何か月にもわたる復元作業の末、全長 14 メートルのカヌー「ウイ」はケエヒ・ラグーンでの水位線試験で精密な測定を受け、 ふたたびレースに出る準備ができていることが承認された。ハワイ州


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SURF

「〈マヌ〉の創設当初、土曜の夜は子 供たち全

わかった。そこでその機会が巡ってきたとき、彼

ているのが僕にはわかった。それまでの数年間、

員がクラブに泊まったのよ。日曜のレースに遅れ

女はウイを購入してクラブに寄付した。その後年

僕はウイの復元を提案していた。そしてほぼあき

ないためにね。朝になると、子供たちにフレンチ

月を重ねるにつれて、木製カヌーには避けられな

らめかけたとき、ついにアンクル・ランディの許

トーストを食べさせて、小型トラックの荷台に乗

い運命として、ウイの船体は変形しはじめ、やが

可が出た。僕の家の近くに仮設のハーラウ・ワア

せて、レガッタに連れていったの。難しい家庭環

てハワイのレース基準を満たすことを確認する年

を建ててウイを運び入れると、熟練のカヌー建造

境で育った荒削りな子供もいたけれど、少なくと

次の水位線試験に通らなくなった。それ以来ほぼ

者であるマイロン・ヴァン・ギーソンとエリック・

も週に何時間かここにいるあいだは、問題に巻き

10 年間、ウイはビーチにあるクラブのハーラウ・

スーがオアフ島の西側から毎日車でやって来て、

込まれる心配はなかったわ」と、アンクル・ラン

ワア(カヌーの家)に保管されていた。歳とともに

作業を手伝ってくれることになった。

ディの妻アンティ・アロハは昔を思い出して語る。

ウイには汚れやシミができ、彼女の鼻は僕の鼻と

チェリッシュは〈マヌ・オ・ケ・カイ〉で過ごした

同じくらい曲がってしまっていた。

僕が作業に携わることを、長年の経験を積んだ ベテランのマイロンとエリックがどう思うかについ

時間から大きな喜びを得て、そしてアンクル・ラ

けれどもウイの叫びは強く、練習の前にクラブ

ては、一抹の不安があった。でもその心配は作業

ンディの夢がコア製カヌーを手に入れることだと

に行くたびに、彼女がふたたびレースに出たがっ

を開始した初日に消えた。ウイのロッカー(中心


僕はビッグウェーブに 乗るときのような、 アドレナリンによる震え を覚えたが、アンクル・ マイロンは笑顔で 「やっちまいな」と言った。

左:仕事が終わってすっかりピカピカになった ウイを肩に担いで、オアフのアウトリガー 選手権へと連れていく〈マヌ・オ・ケ・カイ・ カヌークラブ〉のメンバーたち。ハワイ州ハレイワ 右上:木製カヌーは自己のマナを宿した生き物 であり、それを扱うためには技術と理解と 敬意を要する。仮設のハーラウで長年の経験を 活かすアンクル・マイロン・ヴァン・ギーソン。 ハワイ州ハレイワ 右下:ケエヒ・ラグーンでの水位線試験中、 ウイの船尾に立つベン・ウィルキンソン。ハワイ州

線の反り上がり)を水位線の基準に合うよう修理

その後 8 か月間、こつこつと復元をつづける僕

定、議論、そして綿密な再測定を経て、審判はウ

するためには、魚をさばくように船体を縦にまっ

たちに、クラブのメンバーからは毎日差し入れの

イの10 年ぶりの合格を承認した。それは多くの

ぷたつに切断しなければならなかった。アンク

ランチが届いた。アンクルたちはそんなたくさん

人たちの時間とマナ(魂の力)を借りながら、好

ル・マイロンは手引きノコギリで船縁に最初の切

の食べ物のせいで太ってきたと嘆いた。州選手

きでする仕事をようやく完成させたあとの、忘れ

れ目を入れるときも、まったく動じていない様子

権が近づくと、ウイをレース仕様の元の姿に戻す

られない瞬間となった。そのあとすぐに短い祝福

だった。しかし船体は頭から尾まで全長約14メー

ためにマイロン、エリック、マリオ・ガルザ、その

の儀式を済ませると、 「ハレイワの若く美しい女

トルあり、僕はテーブル用の板を切るのに使うト

他のクラブメンバーたちと僕は週 5 日休みなく働

性」は海に出て活動を再開した。

ラックソーで切断することを提案した。僕はビッ

いた。

グウェーブに乗るときのような、アドレナリンによ る震えを覚えたが、アンクル・マイロンは笑顔で 「やっちまいな」と言った。それ以来、互いに気兼 ねなく作業を進めるようになった。

それから 2 週間後、最初の復帰レースとなった

やがてついに元通りとなり、ダン&ペイジ・エ

ハワイの州選手権で、ウイは〈マヌ・オ・ケ・カイ〉

イチソンによって素晴らしい仕上げ加工が施され

の12 歳の少女たちとともに金メダルを獲得した。

たウイを、僕たちはオアフ島選手権の水位線試験

ウイはふたたび誇り高く鎮座し、僕たちのクラブ

に連れていった。一筋縄ではいかなかったが、測

は究極の目標を達成した。


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SURF


オアフ島のノースショアに 古代から存在する養魚池 「ロコ・エア」から侵入植物 を取り除く〈マラマ・ロコ・ エア・ファウンデーション〉 のジェームズ・カイノア・ エストレス。ハワイの養魚池 は魚やタロイモの豊かな 供給源としての役割に加えて、 野生生物に重要な生息地を 提供し、下流の海を育む 栄養素を運ぶ役割も 果たしている。 Tim Davis

マウカからマカイまで 今シーズンのパタロハのプリントは、大地を大切に守る ハワイの伝統「マラマ・アイナ」に敬意を表します。 土地と水を管理するハワイの伝統的なやり方では、

来する以前のハワイでは何百種類もの在来種が栽

それぞれの流水域(アフプアア)はひとつのものと

培されていましたが、いまも生き存えているのは

して守らなければならないと理解されていました。

うち 60 種類だけ。そのいくつかを特許化しよう

下流の行き着くところであるマカイ(海側)の健康

という動きを打破した先住民活動家たちは、かつ

は、上流の土地であるマウカ(山側)を慎重に育

てはハワイの全人口に食糧をもたらした数々のタ

むことにかかっていたからです。ハワイの土地と

ロイモ畑や池の復元に、アメリカ本土からの援助

水を大事にするこの敬けんな取り組み、そしてそ

なしに取り組んでいます。

れを利用してハワイの山や川、養魚池やタロイモ 畑の復元のために尽力する地元の非営利団体から ひらめきを得たのが、4 種類の新しいパタロハの プリントです。

製品の詳細

左に掲載されているプリント「ロイ・カロ」は、ハ

羽のように軽いオーガニックコットン100%素材

ワイ先住民にとって聖なる植物であるタロイモの 葉を描いたもの。一般的に水中で栽培され、すべ ての部位は食用として使うことができ、ポイはそ の根をつぶして調理され、食されます。ハワイの 島々に古代からあったタロイモ畑の多くは開発に よって失われてしまいました。ヨーロッパ人が到

メンズ・マリヒニ・パタロハ・シャツ ¥11,880(税込) I 52561 I XXS-XXL I スリム・フィット メンズ、ウィメンズ、キッズを含むパタロハ製品の 全コレクションはウェブサイトでご覧ください

よりスリムで現代的なフィット 左胸にポケット付き プリントを身頃に合わせた前立てとポケット ココナツボタン付き


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SURF

「 なんとか波から逃れ、次の波が頭上で崩れる前に 戻った。この時点の僕は本当に興奮状態で、だが ようやくアウトサイドへ出ると、それはひどい光景 だった。とてつもない風で形にもならない波が、 巨大な岩の上に渦巻いていた。アドレナリンの効果 が薄れていくにつれて、自分の脚から血が流れ出して いるのに気づき、今度はサメの恐怖が頭をよぎった。 『サンキュー、ボブ。これでおあいこだ』と僕は つぶやいた。」 『SOME STORIES』に収められている、オーストラリア人シェイパーの先駆者 ボブ・マクタヴィッシュとのサーフィンとクライミングについてイヴォンが 語った「フラット・ロックでの不運な日」より抜粋。

いくつかの物語: ビジネスとスポーツの接線からの教訓 パタゴニアの創業者イヴォン・シュイナードが書いた文章を新たに集めたこのコレクショ ンは、みずからの行動の理由を見いだした叛逆児の、現在も進行中の経験を記録した ものです。若き日のイヴォンが戦後の同調主義に抱いた不満は、カリフォルニア沿岸の サーフポイントでセッションの合間にピトンを鍛造しながら冬を過ごす彼を、冒険の探 求へ、そしてビッグウォール・クライミングの黄金時代へと導きました。不本意にもビ ジネスマンとなってしまった彼は、何十年という歳月を経たいま、故郷である地球を救 うことを改めて自身のビジネスの誓約とし、その理由を「火星には住みたくないから」と 述べています。秘蔵写真を満載した 465 ページの本書には、過去に出版されたエッセ イや未 発 表のエッセイ、個人的な書 簡、詩、賛 辞、何気ないスナップショット、そし てフィッシングやサーフィンの小話なども収められています。

Some Stories: Lessons from the Edge of Business and Sport ハードカバー I 日本語版2019年発売予定


1976 年頃、ニューサウスウェールズの自宅で収入の足し にするために作った、グリーノウ風のスプーンをチェック するボブ・マクタヴィッシュ。この数年前にベンチュラ 郡のポイント周辺のキャビンで暮らしていたときに、 ボブとイヴォンは型破りなデザイン手法によって親交を 深め、それは彼らが取り組むスポーツに革新的な変化 をもたらした。仕事は楽しみの資金となるべきという 彼らの共通の信念については言うまでもない。 Peter Green


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サーフ& レスキュー サーファーたちが協力し合って海での安全性を高める支援を担う 「Big Wave Risk Assessment Group(ビッグウェーブ・リスク査定グループ)」

プエ ルトリコの 初 冬 のある朝、 僕 が立 つ目の前には

それから8 年後、BWRAG はサーフィンの安全を指導

島の最もハードな波にチャージするサーファーたちがい

する世界の第一人者となった。あらゆる年齢層と技術レ

る。この 7 年 間、ビッグウェーブ・リスク査 定グル ープ

ベルのサーファー、カイトボーダー、プロの救助員、オー

(BWRAG)のほぼすべてのサミットに出席し、また長年

シャンスポーツ愛好家を対象に、BWRAG の研修では、

積んできたビッグウェーブのキャリアを通して安全措置に

ラインアップで起こりがちな緊急事態に対処するための知

細心の注意を払ってきた実績を買われた僕は、世界中の

識と実践的技術を伝授している。またパタゴニアの支援を

ビッグウェーブのスポットを訪れた際、尊敬されるハワイの

得ている BWRAG に認証されると、広く使われている同

ウォーターマンであり安全技術者であるブライアン・ケア

社の PSI(パーソナル・サーフ・インフレーション)ベスト

ウラナから BWRAG のカリキュラムを教えるよう依頼さ

を購入する資格ともなるという特典もある。

れていた。

現在までにサミットは18 回開催され、1,000 人以上の

僕はこう尋ねる。 「もしラインアップで緊急事態に遭遇

卒業生が水中でトレーニングの成果を発揮しながら、10

し、この部屋にいる誰か 3 人と一緒に対処しなければなら

年前には大きすぎてパドリングできないと見なされていた

なくなったとき、自分は効率よく協力して対処できると思う

波に挑んでいる。参加者はサーフィン特有のリスクを削減

という人はどのくらいいますか?」

し、事故や怪我に自信をもって対処し、ファーストレスポ

参加者は目をキョロキョロさせて周囲を見まわす。数人 がためらいがちに手を挙げかけるが、疑念にかられてそ れを引っ込めると、気まずい笑いが漏れる。そこで僕は 宣言する。 「ビッグウェーブ・リスク査定グループの研修へ ようこそ」 コール・クリステンセンとダニーロ・コートがケアウラナ から指導と刺激を受けて BWRAG を創設したのは 2011 年だった。ビッグウェーブ・サーファー仲間のサイオン・ミ ロスキーがカリフォルニアの「マーヴェリックス」で波に巻 かれて非業の死を遂げたことをきっかけに、同グループ

ンダーとして緊急事態に対応するための一連の技術を身に つけて各サミットをあとにする。一日の終わりに最も大切 なのは、誰もが無事に仲間や家族のもとへ帰るということ。 だから僕はそれを実現するための知識を伝えることができ る立場にいることを、またとない名誉だと思っている。 教室での徹底した論議と水中での多くの救助訓練を含 む 2 日間のトレーニングを終え、沈みかけた太陽の下で 50 人以上の男女が手をつないで輪を作る。僕は初日の朝 と同じ質問をする。すると笑い声と歓声が沸き起こって輪 が弾け、今度はすべての手が空に向かってまっすぐ挙がる。

はビッグウェーブでのリスク管理の促進、効果的で安全な プロトコルの確立および標準化、サーファーとレスキュー 隊のチームワークとコミュニケーションの改善による事故 防止を目指して活動を開始した。ハワイにあるコールの農 場の納屋で開かれた最初のサミットの参加者は、ビッグ ウェーブ・コミュニティの親しい仲間数人だけだった。

BWRAG の海の安全研修に関する詳細は bwrag.com(英語)をご覧ください。

By グレッグ・ロング 上:BWRAG の研修で安全の科学を教えるグレッグ・ロング。海洋気象ブイが高波の観測を告げるときは、 あらゆる知識と準備が役に立つ。ハワイ Tomás Mekis 下:応急処置訓練のセッションを指導するグレッグと、 パタゴニア・ウェットスーツ開発者のアンドリュー・ラインハート。プエルトリコ Anthony Dooley


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まだ暗い夜明け前にハレイワの波止場を発ったときの コール&ニック・クリステンセンには、波が巨大になる ことはわかっていた。マウイでの「ジョーズ・チャレンジ」 は競技には危険すぎるスウェルだと判断されて中止に なったが、これはコールとニックにとっては生涯をかけて 訓練してきた類の日だった。日の出後にトウインで何度 かターンを決めたあと、10' 6" のボードでコールがパドル インしたこの波は、彼がこれまでにオアフのアウター リーフの青い自然の中で乗った、人生最高かつ最大の 波のひとつとなった。 Daniel Russo


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表紙:最初は飛行機から見た可能性に 誘われた。数日後まだ薄暗い夜明け前、 5 キロメートルほど沖に立つ完璧なバレルを 形成する波の幻影を、また望遠レンズで 偵察。それからそこまで船で連れていって くれるという漁師と握手を交わし、アフリカ 大陸の果てでイタチザメのような青緑色の チューブを投じるこの爆弾へと向かった。 正しい風、正しいスウェル、正しい潮、 正しいクルー。こんな遥か彼方で、 すべてが正しくめぐり合った瞬間。 Al Mackinnon

This catalog refers to the following trademarks as used, applied for or registered in Japan: Fair Trade Certified™, a trademark of TransFair USA DBA Fair Trade USA; Forest Stewardship Council® and FSC®, registered trademarks of the Forest Stewardship Council, A.C.; and Yulex®, a registered trademark of Yulex Corporation. Patagonia® and the Patagonia and Fitz Roy Skyline® are registered trademarks of Patagonia, Inc. Other Patagonia trademarks include, but are not limited to, the following: Pataloha®. 掲載価格の有効期限:2019年 7月31日 © 2019 Patagonia, Inc.


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