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共に学ぶ: インクルージョンの実践は厳格さを 維持したまま必要なサポートを提供します
Issaquah High Schoolの教室に差し込む太陽の光。生徒たちはグラフを使って代数を解く課題に取り組んでいます。これはこの秋に学校区内でインクルージョンの実践が行われている多くのクラス風景のひとつです。学校区は個別教育プログラム(IEP)対象生徒の教育モデルを強化しました。授業風景は一見教室いっぱいの高校生の代数授業に2人の副教員が付いているだけのように見えます。
Maywood Middle SchoolのAndrea VanHorn先生は、「子供たちは、仲間と一緒にいるのが大好きだと言っています。仲間と一緒にいるから幸せだよ。孤独を感じない、と。それは私にとって大きなことです。」と語っています。
VanHorn先生は特別支援教育で英語を教えています。ある朝彼女は同僚のKevin Comfort先生と共同でレッスンを行いました。2人の先生は生徒たちに架空の人物の「難しい質問」を考えるように求めました。彼らはその質問に対して生徒たちが何を考えたか尋ねました。その後VanHorn先生は本を声に出して生徒たちに読んで聞かせました。
インクルージョンの実践で中心にあるのは多様なニーズを持つ生徒を教育する思いやりのある学校や教室のコミュニティです。 学校で行うインクルージョンの実践は、すべての生徒が所属し、成長できる公平な学習環境を育みます。 このアプローチは障害者教育法(IDEA)によってサポートされています。この法律は障害のある生徒が最も制限の少ない環境で仲間と一緒に教育を受けられるようにすることを学校区に義務付けています。
障害のある生徒を包括的な環境で教育することは、彼らの学業や社会的な成果に良い影響を与えるとThomas Hehir博士と他の著者はインクルーシブ教育に関する証拠の要約(A Summary of the Evidence on Inclusive Education)で述べています。この報告書では、研究により障害のない生徒の学業や社会的な成長にも良い影響があることが示されたと指摘しています。ワシントン州ではインクルージョンの実践は州公立教育局 (OSPI) によって奨励されています。OSPIの特別支援教育部門は長年にわたりインクルージョンの実践を積極的に推進してきました。その目標はさらに多くの生徒がコア指導と一般教育の環境にアクセスできるようにすることです。
Apollo ElementaryのJulie Rojo校長は、学校のチームは全体の手順、スケジュール、文化のすべてにわたって公平性と包括性の検証を行ったと語りました。
「今年実施した変更点の1つは、生徒全員が同じ学年の仲間と一緒に昼食や休憩をとるようにしたことです」とRojo校長は言いました。「生徒たちは教室でお互いを知る機会があるだけでなく、同じテーブルでランチを食べ、休憩時間に一緒に走り回り、ゲームをして友情や社交スキルを育む機会を得られます。」
チームは学校の登下校の手順にも調整を加えました。「私たちは安全を優先しながら生徒全員の団結を図りました」と校長は説明し、すべてのスクールバスが同じエリアに到着、出発するようになったことを指摘しました。「導入初日、学校の正面玄関から出てくる生徒たちの興奮と笑顔を見ました。生徒の1人が特別支援教育の先生に『これを毎日やってもいいですか?』と聞いているのを耳にしました。」
指導の観点から、効果的なインクルージョンには一般教育と特別支援教育の両方の教師の協力が必要です。彼らは教材と方法を変更しながら同じ内容を提供する必要があります。協力することで、教師は指導の厳密さと内容を維持し、すべての生徒をサポートすることができます。たとえば代数の授業では2人の教師がプロジェクターを使用していくつかの問題を視覚的に示し、数学の問題を口頭で説明します。その後生徒はペアになってホワイトボードで一緒に問題を解きます。2人の教師は教室内を巡回して質問に答え、苦労している生徒を助けます。クラスには個別教育計画 (IEP)や504プランの対象者など様々な生徒がいます。
インクルージョンモデルでの指導は学年レベルの基準を満たすために必要な高いレベルに保たれます。一般教育と特別支援教育の教師が協力し、すべての生徒の学習ニーズを満たすために多様化された授業を構築します。加えてインクルージョンの実践が成功すれば、生徒は思いやりのあるコミュニティで学校に通うことができ、生徒たちは帰属意識を持ち、学校や学習コミュニティの大切なメンバーとして扱われます。これは生徒が仲間と本物の人間関係を築くのにも役立ちます。また、自己認識、社会認識、人間関係スキルなどの重要な社会情動的学習スキルを身につけるのにも役立ちます。
Apolloエレメンタリー5年生のクラスでJennifer Davis先生は教室のカーペット上に集まった生徒たちと話をしていました。その日は投票日で、先生は情報に通じた有権者になる方法についての授業をしていました。先生は架空のイニシアチブ、国民投票、Sasquatch氏とLake Chelan Dragon氏という二人の架空候補者の選挙戦を含む模擬有権者パンフレットの一部を声に出して読み、賛成意見と反対意見を指摘しました。その後、生徒たちは小グループに分かれてパンフレットの続きを読みました。パンフレットを読んだ後、生徒はそれぞれが有権者として練習用の投票用紙に記入する機会を持ちました。
授業の後にDavis先生は、クラスにいる生徒の学力範囲は様々で、読み書きと算数に関しては学年相応より数学年下にいる生徒、学年以上の学力を示す生徒、IEPの対象になっている生徒もそうでない生徒もいる、と教えてくれました。先生は小グループで作業するとき一緒に作業する生徒のグループを分け、全員が関係を築き、お互いから学べるようにしています。Davis先生と特別支援教育教師のErin Courtmanch先生は生徒全員をサポートするために協力しています。

Maywood Middle SchoolのVanHorn先生は、Erin Armstrong校長を始めとする他の教師と共に生徒たちに最高のサポートを提供するための意図的なスケジュールを立てる取り組みを行ったと話しました。これらのスケジュールは、教師が協力する時間も確保されています。その過程で先生たちは計画や取り決め調整の為に大変な努力をしてきましたが、彼らはすでにインクルージョン実践の利点を実感しています。
これらの実践は、全学年、学校区全体で採用されています。
「インクルージョンに基づく実践は公平な教育環境を育むために不可欠であるだけでなく、私たちが共有する人間性にも深く根ざしています」と、学校区幼児教育コーディネーターのLuisa Sanchez-Nilsen博士は述べています。「これらの実践を実証することは、背景、能力、課題に関係なく、すべての個人が持つ固有の価値を認識し、評価するという我々のコミットメントを反映しています。すべての声、すべての違いが尊重され、すべての生徒に成功するためのツールが提供される空間を作ることで、私たちは教育に対する人道的なアプローチを体現しています。このインクルージョンへのコミットメントは、すべての人の尊厳に対する私たちの信念と、誰もが所属し繁栄する思いやりのある支援的なコミュニティを構築するという私たちの献身を反映しています。」
