The Comforts of Walking with Mate in Leisure Space
レジャー空間における同伴者との歩行伴快適性
レ ジ ャ ー 空 間 に お け る 同 伴 者 と の 歩 行 快 適 性
1
レジャー空間における同伴者との歩行伴快適性
Introduction
は じ め に
2
レジャー空間における同伴者との歩行伴快適性
はじめに
日常生活の中で生まれる様々な行動をデザインすることによって、魅力的で楽しい世の中を生み出していきたい。そ の想いのもと、私は、研究に取り組む。
そして、私は、修士論文のテーマとして、まじりっけなしの楽しい空間!レジャー空間に興味を持った。
私にとって、レジャー空間とは思い出の宝庫である。 少年時代、家族そろって出かけたこと、友達と馬鹿騒ぎしたこと、好きな子と一緒で緊張したこと、その空間で生ま れた大切な思い出は、いつも、連れ立つ仲間と共にあった。 私は、レジャー空間の本質とは、仲間と共有する時間にこそあると考える。
そうして、私は本研究に取り組むこととなった。
はじめに
3
レジャー空間における同伴者との歩行伴快適性
Index
目 次
4
レジャー空間における同伴者との歩行伴快適性
目次
2
はじめに
4
目次 第一部 論文編 1 序論
8
1−1 研究目的
9
1−2 研究背景
10
1−3 語句の定義
12
1−4 研究概要
13
1−5 研究方法 2 空間モジュールによるサービス水準
15
2−1 歩行空間におけるサービス水準の概念
22
2−2 快適性と混雑感および閑散感
26
2−3 パーソナルスペースとグループスペース
28
2−4 本研究の位置づけ 3 調査と基本データ
30
3−1 混雑感因子と閑散感因子の設定
31
3−2 本調査
35
3−3 基本データ
39
3−4 本調査の結果 4 レジャー空間のサービス水準の作成
42
4−1 レジャー空間のサービス水準の概念
43
4−2 混雑感に基づいたサービス水準
50
4−3 閑散感に基づいたサービス水準
55
4−4 空間モジュールからみたレジャー空間の快適性 5 混雑感および閑散感の影響因子
60
5−1 混雑感の影響因子
65
5−2 閑散感の影響因子 6 総括
71
6−1 研究の成果
73
6−2 既存のサービス水準との比較
74
6−3 まとめ・展望
75
7 参考文献
79
8 謝辞 第二部 資料編
目次
5
レジャー空間における同伴者との歩行伴快適性
Thesis
Chapter One
第 一 部
論 文 編
6
レジャー空間における同伴者との歩行伴快適性
Outline
One
1
序 論
7
レジャー空間における同伴者との歩行伴快適性
1− 1 研究目的
空間モジュール(来場者一人当たりの占有面積)によって、レジャー空間における同伴者との歩行快適性を評価する 指標を作成し、建築空間の寸法決定に有効な手段を与えることを本研究の目的とする。 本研究で作成する評価指標は「レジャー空間におけるサービス水準」と呼ばれ、空間モジュールからみた同伴者との 歩行快適性を基にレベル分けがされる。来場者の過密における不快適性を「混雑感」、来場者の過疎における不快適性 を「閑散感」として定義し、空間モジュールによってそれらの生じる度合いを数段階の水準に分けたものである。 * また、本研究で作成された評価指標は、レジャー空間において、「 同伴者との歩行快適性」という新しいサービスの 項目として有効に働く。異なるレジャー施設を比較する際、コンテンツの充足度とあわせて、同伴者との歩行快適性に ついても考慮できることは、レジャー施設の総合的なサービスの質を評価することに役立つ。
1 序論
8
レジャー空間における同伴者との歩行伴快適性
1− 2 研究背景
通常、レジャー施設の計画においては、事前の来場者数や滞在時間の予測に基づき、適切な施設の規模や各空間の面 積を決定することが望ましい。その際、各空間の空間モジュールを評価する指標、つまり、1 人の来場者に対して、ど の程度の占有面積が適切なのかを決定する指標が必要になる。現状、歩行空間や待ち空間の計画においては、ほとんど の場合 1971 年にジョン .J. フルーインが「歩行者の空間 - 理論とデザイン - 文 1)」のなかで記した歩行空間モジュールに よるサービス水準の評価が用いられている。 しかしながら、レジャー空間の寸法決定に当たっては、歩行空間の原理と同時に、レジャー空間特有の行動面および 心理面からの要求を加えて考えるべきであるといえる。質の異なる空間では、それぞれ独自の物理的制約、環境的制約、 人間的要求を有しているといえ、レジャー空間にはレジャー空間の特性を考慮した独自のサービス水準が必要である。 そして、その特性として、私は、グループ内で生ずるコミュニケーションに注目する。
レジャー施設を訪れる人々の多くは、同伴者との交流を楽しむことを主たる目的としている ( 図 1)。2005 年に開催 された愛知万博では、その混雑により、同伴者とのコミュニケーションに不具合が生まれ苛立ちを感じたという人が多 くいた。 これまで、レジャー空間における人間の寸法や規模に関する研究は、主として、個人や群集を対象としているものが 多いが、来場者がレジャー空間をより快適に過ごすためには、グループを最小単位としてとらえた ( コミュニケーショ ンの快適性を重視した ) 研究、ひいては空間計画が必要であるといえる。
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図 1.1 遊園地における同伴者とのふれあいへの期待 (「遊園地の遊戯施設の導入計画に関する研究文 2)」より作成)
1 序論
9
レジャー空間における同伴者との歩行伴快適性
1−3 語句の定義
空間モジュール モジュールとは、本来、建造物などを造る際の基準とする寸法。また、その寸法の集合体の意味であるが、本論では、 「空間モジュール」として密度の逆数、つまり建築空間における一人当たりの占有面積の意味で用いる。
群集密度 通常、1 平方メートルあたりの人数を示し、p( 人 / ㎡ ) で表すが、これでは、空間寸法と人体寸法を明確に関連づけ る事が難しい。したがって、本論ではその逆数、すなわち一人当たりが占有できる面積を指標とし、これを 「 空間モジュー ル 」 と呼び M( ㎡ / 人 ) で表す。
グループ 「親子」「カップル」「知人・友人」などの同伴形態を持つ二人以上(複数)で形成される人の集合と定義する。
同伴者との歩行快適性 同伴者と並んでおしゃべりをしながら歩くことができる、自分達のペースで自由に回遊することができる、などといっ た、同伴者と共に歩行する際に感じる快適性を意味する。
サービス水準 空間モジュールによって空間の性能を評価する指標で、各空間の寸法決定などに利用される。
快適性 本研究では、「人間の快適さの水準」の意味で用いる。具体的には、快適性の対義を不快適性として定義し、その発 生の度合いによって水準を分けることとする。
不快適性 本研究では、行動に何らかの制限がある状態、あるいは物足りなさを感じる状態とする。
1 序論
10
レジャー空間における同伴者との歩行伴快適性
混雑感 レジャー施設において、来場者は、自分達のペースで回遊できない、同伴者と並んで歩きづらい ( 会話しづらい )、 などの理由で、もっと人出が少ない方が良いと感じることがあり、そういった心理を混雑感と定義する。本研究では、 過密による不快適性の意味で用いる。
閑散感 レジャー施設において、来場者は、寂しい感じがする、人気がないのかと思ってしまう、などの理由で、もっと人 出が多いほうが良いと感じることがあり、そういった心理を閑散感と定義する。本研究では、過疎による不快適性の 意味で用いる。
1 序論
11
レジャー空間における同伴者との歩行伴快適性
1−4 研究概要
1 序論 本研究の主旨を明確にするととともに、その意義や有用性を記した。また、本文中で用いる専門用語について定義し、 研究の概要についておおまかに示す。
2 空間モジュールによるサービス水準 空間モジュールによるサービス水準の考え方について詳しく説明する。また、環境心理学分野における混雑感と閑散 感の扱いについて示すと共に、グループスペースの考え方についてまとめ、それらをふまえた上で、本研究の位置づけ を行う。
3 調査と基本データ 以後、サービス水準作成の要因となる混雑感因子、閑散感因子を設定する。また、本調査について、調査方法、基本 データ、調査結果をそれぞれ報告する。
4 レジャー空間のサービス水準の作成 レジャー空間におけるサービス水準について、その概念、意義、作成方法を説明する。そして、本調査のアンケート 結果を定量的に分析することによって混雑感および閑散感に基づいたサービス水準を作成し、まとめとして、本研究の 成果物である「レジャー空間のサービス水準」を示す。
5 混雑感および閑散感の影響因子 本調査の結果をもとに、来場者の過密(および過疎)以外で、混雑感(および閑散感)に影響を与える要因を絞り込 みその度合いを分析する。
6 総括 本論を総括するとともに、本研究の成果を示す。また、作成した 「 レジャー空間のサービス水準」をもって、既存の サービス水準との比較を行い、残された課題と展望について述べる。
1 序論
12
レジャー空間における同伴者との歩行伴快適性
1− 5 研究方法
文献調査 環境心理学分野の文献や既往研究の調査を行い、混雑感因子、閑散感因子を設定した。
本調査 空間モジュールの数値を指標としたサービス水準を決定するために定量的な分析を行う必要があるが、本調査ではそ のためのデータ収集を主な目的としている。混雑感因子、閑散感因子を用いてアンケートを作成し、早稲田大学「理工 展」「早稲田祭」にて調査を行った。(サンプル数 255)
定式化 本調査のアンケートデータより、混雑感および閑散感について、主要な発生要因との相関を回帰分析し、その発生条 件を定式化した。
サービス水準の作成 本調査のアンケート結果を定量的に分析し、レジャー空間における同伴者との歩行快適性の評価指標を作成した。
1 序論
13
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
The Service Level Based on Area Module
Two
2
空 間 モ ジ ュ ー ル に よ る サ ー ビ ス 水 準
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レジャー空間における同伴者との歩行快適性
2−1 歩行空間におけるサービス水準の概念
本研究では、レジャー空間におけるサービス水準を、空間モジュールを用いて作成することを目的としているが、そ の分析方法、作成方法、建築計画の寄与の点において、ジョン .J. フルーインによって作成された歩行空間のサービス 水準に負うところが大きい。そこで本節では、歩行空間のサービス水準という概念を明確に定義した「歩行者の空間 理論とデザイン -」(ジョン .F. フルーイン著 , 長島正充訳 , 鹿島出版会 ,1974 年 ) 文 1) の第四章を一部抜粋し、空間モジュー ルを用いたサービス水準の概念を明確にする。
2 空間モジュールからみたサービス水準
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レジャー空間における同伴者との歩行快適性
サービス水準の概念 サービス水準という概念は、最初、交通工学の分野で発展してきた。それは、容積の設定というものは、結果として 混雑度を計画することになる、という事実の認識から始まった。 高速道路の設計の最も権威ある書となっている < 道路の交通容量 > は、サービス容量および運転者の快適さの質的評 価の 2 点に基づき、6 段階のサービス水準を定めている。この質的評価には、運転者がその走行速度を選択する自由度、 追い越しの容易性、車線変更の容易性、が含まれている。歩行空間の設計に当たってもこれと同様に、サービス水準の 概念は有用なモデルを与えてくれる。歩行者サービスの基準も、歩行速度の任意選択性、遅い歩行者を追いこす容易性、 およびさまざまな群集密度での交差流動あるいは対向流動の難易度などをもとにして設定されるべきである。 サービス水準という基準は、設計者に、歩行空間の環境の質を決定するための有用な手段を与える。しかし、これが そのまま判断の代わりになるわけではない。設計者は、ピークの強さとその持続時間といった交通特性、交通信号の周 期や交通機関の発着に起因する流動量の波や高まり、および経済的な空間利用の区分分割等々、歩行空間のあらゆる要 素の検討をしなければならない。短時間に極端なピークがあらわれるところの設計では、より経済的な設計をするため に設計者は低めのサービス基準を適用してもよい。 しかし、マキシマムに近い水準を選ぶ時は細心の注意を払わねばならない。限界に近いこの歩行密度は、しばしば基 準をオーバーしてしまいがちだからである。このことは意図された設計水準よりも交通流動量が低下し、その結果歩行 の遅れと混雑を引き起こすことになる。スポーツスタジアムの設計のように、容量限界を用いざるを得ない場合、設計 者は、ネックの手前のたまりの空間の広さが適当であるか否かを詳しく検討しなくてはならない。そのような条件の場 合には、歩行者の待ち時間や総退場所要時間が設計の質的評価の基礎となる。 この章でこれから述べるサービス水準の基準は、歩行者 1 人当たりの占有面積、すなわち、歩行空間モジュールの段 階に応じて水準を決めてゆく考え方である。歩行路や階段の設計容量も同様に、段階別にある範囲として示される。歩 行群集が通勤者や勤労者で構成させているならば、与えられた範囲内でより高めの流動量を予測してよい。歩行者群集 の大半が買物客や手荷物を持った人々で構成されていたり、あるいは流動動線が交錯したりする場合には、許容交通量 を低めの範囲におさえて考えるべきだろう。サービス水準の各段階が実際にどのような感じになるかを示すため、歩行 路と階段の一方向流動の写真を空間モジュールの段階別に示す。それらの写真にはそれぞれのサービス水準での質的形 態の解説が補足してある。
歩行路の基準 種々のサービス水準の段階を区切る分界点は、歩行速度、歩行者空間モジュール、衝突や歩行者の交錯の確率など、 先の章で検討した解析をベースにして決定される。この基準は、廊下、歩道、出入口の性能決定の手段となるものである。 廊下の有効な幅員は固定された障害物や壁から離れて歩く人間の習性を考慮に入れ、特に混雑した状態以外では、両方 の壁面からそれぞれ 45 センチの側方余裕をとって考えなければならない。ウィンドウ・ショッピングの街では、立見
2 空間モジュールからみたサービス水準
16
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
客のために有効幅員はさらに 45 センチ差し引いて考えなければならない。歩道を設計する際には、パーキング・メー ター、街灯、消火栓、ゴミ箱などのストリート・ファニチャーがあることを考え、さらに 60 センチあるいはそれ以上 の余裕をとらなくてはならない。新聞売店や地下鉄駅階段のような大きな障害物の影響も、特にそれらが交差点のよう な悪条件の場所にある場合は、慎重に判断されるべきである。交通信号のような悪条件の場所にある場合は、慎重に判 断されるべきである。交通信号のサイクルや交通機関の発着は、歩行者交通流のピークや高原状態をつくり出すので、 この影響もまたサービス水準の適用の際に忘れてはならないものである。歩道を設計する際には、交差点部での多方向 の交通流、右左折する自動車との交錯、信号待ちの歩行者のための必要面積に、十分な考慮が払われなければならない。 交差点はまた、ストリート・ファニチャーなどの障害物が多く置かれる場所である。 このサービス水準による基準は、因果関係のわかっている、予測不可能な交通流動に対してしか適用できないよう に思われるかもしれない。この範囲以外では、歩行者流動は、場当たりで偏差の大きい、はっきりとしないものにな る。しかし、これは、この基準の考え方の価値を損なうものではない。交通流に偏差があり、設計の仮定条件とずれが あったとしても、それは別のサービス水準なりに飽和の状態であると理解してよい。たとえば、4.5m の歩道、すなわ ち 3m の有効幅員の歩道は、最高のサービス水準で、1 時間あたりで 4000 人もの人を通すことができる。このことが わかると、設計者はさらに、ピーク時間帯の問題や、ピーク時中にさらに波が押しよせてきた場合などを取り扱う余裕 ができ、その状態がどのようなサービス水準になるか検討できるのである。 以下のページに歩道のサービス水準と写真を記述とで解説する。
2 空間モジュールからみたサービス水準
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レジャー空間における同伴者との歩行快適性
サービス水準 A 歩行者空間モジュール :3.5 [ 平方メートル / 人 ] 以上 流動係数 :20 [ 人 / メートル・分 ] 以下 サービス水準 A の歩行路では、歩行者は、遅い人を追い抜いたり、好きな歩行速度を自由に選択できるだけの十分 な面積がある。このサービス水準は、ピークや空間的制約のない公共建築や広場に相当する。
図 2.1 サービス水準 A
サービス水準 B 歩行者空間モジュール :2.5-3.5 [ 平方メートル / 人 ] 流動係数 :20-30 [ 人 / メートル・分 ] 以下 サービス水準 B の歩行路においては、正常な歩行速度で歩くことができ、大部分が同じ方向に歩いている流動ならば 他の人を追い抜くことができる。対向流や交差流のあるところでは、衝突の可能性がわずかながらあり、歩行速度や交 通量がわずかに減少する。このサービス水準にあたる設計としては、交通ターミナルやあまり厳しくない程度のピーク が時たま生ずる建物として、かなり高い水準に相当する。
図 2.2 サービス水準 B
2 空間モジュールからみたサービス水準
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レジャー空間における同伴者との歩行快適性
サービス水準 C 歩行者空間モジュール :1.5-2.5 [ 平方メートル / 人 ] 流動係数 :30-45 [ 人 / メートル・分 ] 以下 サービス水準 C の歩行路においては、歩行者が各自の歩行速度を選択したり、追い抜いたりするする自由度は制限 される。交差流や対向流の存在するところでは衝突の生じる確率が高く、相手に接触することをさけるため、歩行の速 度や方向を頻繁に修正することが必要となる。このサービス水準に当たる設計は、適度な流動性のある交通に相当する。 しかし、特に多方向の歩行者流動の交錯する地点では、かなりの摩擦や相互干渉が歩行者相互間に生じがちである。こ のタイプの設計例は主として、面積が制約されており、きびしいピークの生じるような交通ターミナル、公共建築、あ るいはオープンスペースに用いられる。
図 2.3 サービス水準 C
サービス水準 D 歩行者空間モジュール :1.0-1.5 [ 平方メートル / 人 ] 流動係数 :45-60 [ 人 / メートル・分 ] 以下 サービス水準 D の歩行路においては、遅い人を追い抜いたり、衝突をさけることが困難なため、大部分の人の歩行 速度は制御され低下する。対向流や交差流にまきこまれてしまうと衝突の危険にさらされ、その動きは極度に制約を受 ける。このサービス水準での設計は、最も混雑する公共空間のみである。
図 2.4 サービス水準 D
2 空間モジュールからみたサービス水準
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レジャー空間における同伴者との歩行快適性
サーブス水準 E 歩行者空間モジュール :0.5-1.0 [ 平方メートル / 人 ] 流動係数 :60-80 [ 人 / メートル・分 ] 以下 サービス水準 E の歩行路においては、事実上、すべての歩行者は自分の通常の歩行速度では歩けず、足どりも頻繁 に変えなければならない。この範囲の下限ではもはやずり足でしか前進できない。ゆっくり歩いている人を追い抜くた めの余裕などもはやあり得ない。逆方向に歩いたり、横切ろうとする人があれば、非常に迷惑がかかることになる。こ の設計交通量は、その歩行路の可能容量の限界に近くなっており、そのため流れが頻繁に停止したり中断したりする。 この範囲の水準は、もっとも混雑するところでのごく短いピーク時にのみ適用されるべきである。この水準は、輸送機 関の発着時のような集団的到着過程で自然に発生し、すぐ歩行路の容量いっぱいになってしまう。このサービス水準を 適用できるのは特殊な状況に対してだけであろう。例としては、スポーツ・スタジアムや鉄道駅施設において、短時間 に大量の人間が退場しようとする時があげられる。それらの設計条件にこのサービス水準を設定する場合には人の流れ がクリティカルになる部分に十分な滞留収容面積を設け、歩行路の付属的な施設にも細心の注意を払わなければならな い。
図 2.5 サービス水準 E
2 空間モジュールからみたサービス水準
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レジャー空間における同伴者との歩行快適性
サービス水準 F 歩行者空間モジュール :0.5 [ 平方メートル / 人 ] 以下 流動係数 :80 [ 人 / メートル・分 ] 以下 サービス水準 F の歩行路では、すべての歩行者の歩行速度は極度に制約を受け、前進はずり足でしかできなくなる。 歩行者相互の接触は頻繁に起こり、避けられない。流れは、前の人が動いてはじめて進むことができるといったように 断続的となる。このサービス水準は、もはやコントロールを失った、交通マヒの状態であると言える。歩行者空間モジュー ルが 0.5 メートル以下であるということは、流れている状態というよりもむしろ立ち止まっている状態であると言える。 このサービス水準は、歩行路の設計に適用すべきでないと考えられる。
図 2.6 サービス水準 F
図 2.7 歩行空間におけるサービス水準
2 空間モジュールからみたサービス水準
21
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
2−2 快適性と混雑感および閑散感
1 環境心理学における混雑感の既往研究
環境心理学の分野における主な研究成果については、以下の 3 項目にまとめることができる。
01) 混雑感 ( 人間の過密による不快感 ) は、人間の過密のみならず、人々を取り巻く物理的要因と社会的要因および 彼等自身の側の個人的要因によって規定される。 02) 混雑感は、各感覚器が知覚する物理的刺激が過剰なとき、社会的刺激が過剰なとき、また、自由な行動が制限さ れたときに発生する。 03) 混雑の情緒的な影響として、パーティーやフットボールの試合の時には、人の集まりが悪すぎると何かしらわび しく盛り上がりを欠くが、適当な人口・人口密度になると、楽しく興奮させるように雰囲気が盛り上がってくる。
これに関連して、既往の研究成果がよくまとめられている「環境心理学による生活のデザイン文 3)」(A. メーラビアン著 ) の第四章「都市環境の特質と影響」を引用する。
2 空間モジュールからみたサービス水準
22
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
第四章 都市環境の特質と影響 (1) ... 過密の影響 ...
過密と混雑感 クラウディング (crowding) とは人口が多く人口密度が高い過密によって生じる不快感である。分かりやすく言えば、 クラウディングはエレベーターや待合室などの小さい空間の中で見知らぬ人々と一緒にいなければならない時に生じる 気まずさ、気詰まり、いらいらといった不快感である。クラウディングという術語にもっとも近い日本語の混雑感とい う言葉は、本来、どの程度込み合っている状態であるかに関する知覚を表してるいるにすぎず、その状態によって生じ る不快感を意味するものではない。したがって、クラウディングに相当する日本語として混雑感という言葉を用いるこ とは適切でないが、以後、分かりやすくするために混雑感という言葉を用いることにする。 過密は混雑感の必要条件ではあっても十分条件ではない。つまり、過密の条件だけでは混雑感が生じるとはかぎらな い。ちなみに、ハワイ在住の日系アメリカ人と白人の男女を三つの条件に置いたところ、それぞれの人口・人口密度条 件による「込み合っているという感じ」と混雑感の間に、込み合っているという感じが強くなるにつれて混雑感が増大 するという弱い関係が見い出されているにすぎない。実際、混雑感が人口・人口密度のみならずそれを構成する人々を 取り巻く物理的要因と社会的要因および彼等自身の側の個人的要因によって規定されることは、多くのデータによって 示されている。 物理的要因の例としては、同一空間を占める他人の向きや座席・身体的接触の有無・空間の配置や構成・住宅の形態・ 活動のために利用できる資源の多少などをあげることができる。社会的要因の中には、コミニケ−ションの頻度・目標 遂行の妨害や干渉・どのような場面でどのような活動を行っているかという社会的事態・集団の雰囲気・成功や失敗の ような先行経験などがある。また、混雑感の強さや混雑感への対処行動は文化によって異なることが予想される。 例えば、社会的場面で相手の身体に触れる行為が頻繁に見られ、そのような行為が好ましいものと評価される南ヨー ロッパ、ラテン・アメリカおよびアラブの人々は、それとは逆の文化を持つ北ヨ−ロッパや北アメリカの人々に比べて、 見知らぬ他人の中に居ても混雑感を生じにくいと考えられる。いっぽう、公共の場での混雑感への対処行動に関して、 アメリカ人は見知らぬ他人とも積極的に会話を交わす、つまり、友好的なコミニケ−ションを持とうとするが、それに よって、混雑感が生じるのを防ぐことができる。それとは対照的に、日本人は新聞を読んだり、眠ったり、眠っている 振りをしたり、ヘッドホン・ステレオを聞いたりというように、社会的孤立を保つことによって、混雑感が生じるのを 避けようとする。最後に、個人的要因としては、性別や年齢のような人口統計学的変数、不快に感じることなく他人と の間にとることができる最小の距離を表す個人空間とそれに関連する欲求、内向性−外向性や自尊心などの人格特性、 予期される集団の規模その他が挙げられる。
混雑感はなぜ起きるか 混雑感がなぜ生じるかについて二つの主要な考え方がある。過密は混雑感を引き起こすための不可欠な条件ではある
2 空間モジュールからみたサービス水準
23
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
が、それのみによって混雑感が生じるものでないことは既に指摘した。過密な状態におかれた場合、個人の目や耳は自 分にとってもっとも適切な環境からの刺激レベルを越えた過剰な物理的刺激にさらされることになる。 また、あまりにも多くの人々との対人関係、特に、なじみのない多数の人々との対人関係、つまり、社会的刺激が個 人の最適な水準を越えることもあるであろう。このように、物理的あるいは社会的刺激が個人の最適な水準を越えた状 態を刺激過剰負荷と呼んでいる。そしてこの刺激過剰負荷、特に、対人関係にカカワルそれが混雑感を引き起こすとい う考え方がある。 これに関連して、長い廊下の両側に多数の部屋が並んだ廊下型の学生寮に住んでいるため多くの寮生と接触しなけれ ばならない大学生と、各ス−ツに二人部屋が二つ三つしかないスーツ型の学生寮に住んでいるため他の寮生との接触が 少なくてすむ大学生を比較した一連の研究結果の報告がある。 それによると、一貫して、廊下型の寮に住む者の方が、混雑感が強く、他の寮生との接触が多すぎることについて不 満を訴え、寮内での他人との接触を避けたいと望み、実験的な場面では他人から離れて座り、しかも他人との接触が生 じる時には不快感を表明した。この資料は刺激過剰負荷、特に、本人が望んでない対人関係によってもたらされる刺激 過剰負荷が混雑感を生起させることを裏づけており、混雑感の生起に関する刺激過剰負荷モデルを支持していると考え られる。しかしながら、環境からの刺激が過剰負荷であるか否かを、個々人について同定することは困難であり、この ことがこのモデルの問題点であるといえよう。 いっぽう、過密がひどくなるにつれて行動の自由が束縛される。行動の束縛の中には、ある事態における刺激の知覚、 つまり、自分の周囲に多くの人々がいることを単に知覚することによって生じる、他人の目を気にすることによる行動 の抑制が含まれる。過密の事態では、多数の他人が個人の周囲を取り巻いているため、行動の自由が妨害されるという タイプの行動の束縛が生じる場合がある。そしてこのように行動が束縛される時に混雑感が生じるというのが行動の束 縛モデルの考え方である。 これに関連して、過密な事態における対人関係や環境に対して自分が統制力を持っていないという認知が混雑感の生 起を決定する重要な要因であることが多くの研究者によって指摘されている。他人の存在による行動の束縛、干渉およ び目標達成行動の阻止は、個人が自分の置かれている事態あるいは環境に対して支配力や統制力を持っていないか、あ るいは持っているとしても、それが低いという認知を伴うと考えられる。したがって、自分が対人関係や環境に対して 統制力を持っていないという認知によって混雑感の生起を説明しようとする立場は、行動の束縛モデルの中に含めるこ とができるであろう。 このような認知は、個人が自分の置かれている事態に対して統制力を獲得しようとするかあるいはそれを回復しよう とする反応を生じる。しかしそれが不可能な時には、その状況に適応するためのさまざまな行動が生起するものと推測 される。最後に、資源の乏しさも行動を束縛し混雑感を生じる場合があると考えられる。一つには、他人が入手できた ものを自分が獲得できなかったことによって生じる不快感が、他人の存在によるものとして認知される場合である。も う一つは、必要な資源を獲得できなかったことが目標達成を阻止し、それによって生じた不快感が他人の存在によるも
2 空間モジュールからみたサービス水準
24
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
のとして認知される場合である。行動の束縛が混雑感の生起に影響を及ぼすことは、多くの資料によって明らかにされ てきている。しかし行動の束縛にどんな要素が含まれており、それらがどのようなメカニズムによって混雑感を生起さ せるかについて、十分な理論構成が行われているとはいえない。さらに、行動の束縛の中に含まれているどの要素がど のような過密場面において顕著に作用するかは、いまだ推測の域を出ない。したがって、この点に関して、今後もっと 精緻な理論的検討を行うことが必要である。
過密の情緒的影響 パーティーやフットボールの試合の時には、人の集まりが悪すぎると何かしらわびしく盛り上がりを欠くが、適当な 人口・人口密度になると、楽しく興奮させるように雰囲気が盛り上がってくる。しかし一般的には、面識のない人々や あまり親密でない人々が多数集まる公共的な場所では、人口・人口密度の増加とそれに付随するさまざまな要因の働き が混雑感を生じやすいといえよう。
2 空間モジュールからみたサービス水準
25
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
2−3 パーソナルスペースとグループスペース
1 パーソナルスペース
本研究で作成する「レジャー空間のサービス水準」は、一人当りの占有面積 ( 空間モジュール ) をパラメータとする 指標であり、その意味で「レジャー空間での歩行行動におけるパーソナルスペース」を求めていると言い換えることも できる。そこで、本節では、パーソナルスペースの概念について言及する。
人々は社会の中で他人の存在により影響を受け、無意識のうちに他人との距離の取り方や体の向け方などを考えて行 動をしている。パーソナルスペースはまわりから正面向きで近付いてくる他人に対して「離れたい」と感じる度合いの 分布である。つまりは、人間の感じるある種の不快感のモデルと言える。これは体の前方に卵形の形をとり、幾つかの 段階を持っているが、固定的なものではなく、行為や目的、人間関係、文化的背景などの条件によって伸縮する。図 2.8 を参照すると、その大きさが、相手との関係によって、縮小したり、拡大したりしていることが分かる。
エドワ−ド・ホールの提唱した距離帯 1 密接距離 (0.45m 以下 ) 親密でなければ維持できない距離 2 個体距離 (0.45 ∼ 1.2m) 相手の表情がよみとれる距離 3 社会距離 (1.2 ∼ 3.6m) ビジネスに適している距離 4 公衆距離 (3.6m 以上 ) 個人的関係が希薄な距離
図 2.8 パーソナルスペース (「人と人との快適距離文 4)」より引用)
レジャー空間の特徴として、人々が、対象の違いによって、異なるパーソナルスペースを求めることがあげられる。 例えば、恋人を連れ立つ個人であれば、恋人に対しては密接距離もしくは個体距離を望み、その他の来場者に対しては 公衆距離を求めるであろう。レジャー空間において、個人は、グループの内と外で異なるパーソナルスペースを求める といえる。そして、来場者の多くが、個人ではなくグループとして空間内を行動する。 つまり、レジャー空間では、パーソナルスペースだけでなく、グループとしての領域 「 グループスペース 」 を考える 必要があるといえる。 グループスペースの概念について、既往研究を踏まえながら、次項で説明する。
2 空間モジュールからみたサービス水準
26
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
2 グループスペース
人間の寸法や規模に関する研究には、主としてパーソナルスペースや群集の研究が多くあるが、小規模集団を主とし て研究したものは少ない。
グループスペースとは、グループが持つ領域を意味し、一人 ( 単数 ) ではなく二人以上 ( 複数 ) の人間を基準の対象 としている点が特徴としてある。ここで、グループとは、「 親子 」「 カップル 」「 知人・友人 」 などの同伴形態を持つ二 人以上 ( 複数 ) で形成される人の集合を意味する。 『少人数で形成される 「 集合 ( グループ )」 の特性に関する研究文 5)』によってまとめられたグループスペースを図 2.9 に示す。ここでは、歩行するグループ内での対人距離 ( 図 2.10) を求め、その上で設計資料集成の人体楕円を採用し、 グループスペースを算出している。 しかしながら、これは歩行行動の快適性を評価することはできるが、グループとしての特殊な心理的欲求を考慮した グループスペースではないといえる。 レジャー空間では、多くの人がグループ内で生まれる同伴者との交流を楽しみにしている。だからこそ、そこでのグ ループスペースとは、仲間を同伴している状態における個人が、混雑に対してどのような心理的欲求を持っているのか を正確にとらえる必要があるといえる。
レジャー空間という同伴者との交流を楽しむことを主目的とした空間の中で、グループ内での個人が、混雑の度合い によって他者との距離をどのように感じているのかを定量的にとらえる必要がある。
,-./, 0 .1./123
!"#$ %&
,45/, 0 ,5-/123
*+%&
,65/, 0 ,--/123
'() %&
,,7/, 0 ,6./.23
()%&
89: -1
!"#$ %&
74
() %& '() %&
*+ %&
図 2.9 グループスペース
47/, 0 5./.23
89: -1
47/, 0 5./1
74
,.7/, 0 ,4./123
図 2.10 対人距離と歩行幅
2 空間モジュールからみたサービス水準
27
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
2−4 本研究の位置づけ
既存のサービス水準というのは、空間モジュールからみた物理的行動の快適性を評価しているものがあるが、本研究 では、レジャー空間の特性(同伴者との交流を楽しみにしている)を考慮して、来場者の心理的快適性を踏まえたサー ビス水準を作成する。 本章のまとめとして、研究の位置づけを図 2.11 に示す。
サービス水準 ●「鉄道旅客駅のサービス水準に関する研究 」
●「空間モジュールからみた観覧空間の快適性に関する研究 」 ● 本研究 「レジャー空間における同伴者との歩行快適性 」 ●「大雪山国立公園における登山利用者の混雑感に関する研究 」
混雑感・閑散感 (環境心理学)
●「少人数で形成される「集合(グループ)」の特性に関する研究 」
グループスペース
図 2.11 研究の位置づけ
2 空間モジュールからみたサービス水準
28
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
Research and Data
Three
3
調 査 と 基 本 デ ー タ
29
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
3−1 混雑感因子と閑散感因子の設定
文献や既往研究の調査を行い、レジャー空間を回遊(歩行移動)するグループに対して、混雑感、閑散感を生ずるも ととなる要因(混雑感因子、閑散感因子)を以下のように設定した。
混雑感因子 01 自由な回遊ペースの制限(自分達のペースで回遊できない) 02 開放感の制限(窮屈な感じがする、落ち着かない) 03 出し物の利用の制限(出し物があまり利用・観覧できない) 04 歩行の制限 1(同伴者と並んで歩きづらい、会話しづらい) 05 歩行の制限 2 ( 同伴者とはぐれないか心配 )
閑散感因子 01 活気、賑わいの不足(寂しい感じがする) 02 人気の不足(人気がないのかと思ってしまう) 03 匿名性の不足(落ち着かない、大きな声で話せない)
3 調査と基本データ
30
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
3−2 本調査
調査概要 空間モジュールの数値を指標としたサービス水準を決定するために定量的な分析を行う必要があるが、本調査ではそ のためのデータ収集を主な目的としている。3-1 にて設定した各因子を用いて、アンケートを作成し、早稲田大学「理工展」 「早稲田祭」にて調査を行った。 また、密度(空間モジュール)以外で、混雑感、閑散感に影響を与える要因を発見し、サービス水準の精度をより高 めることも目的としている。
調査対象 早稲田大学にて開催された理工展、早稲田祭にて調査を行った。 ・理工展 対象空間:早稲田大学大久保キャンパス(52,53,54 号館前通路) 調査日時:2006/11/03 サンプル数:86 ・早稲田祭 対象空間:早稲田大学西早稲田キャンパス(8,9 号館前通路) 調査日時:2006/11/04, 2006/11/05 サンプル数:169
調査方法 調査内容は以下の 3 点である。 ・対象空間の床面積の算出(実測) ・対象空間内の群集人数の算出(ビデオ撮影) ・来場者(グループ)へのアンケート調査(属性、混雑感と閑散感についての質問)
対象空間の実測 空間モジュールの算出 ビデオ撮影 分析・定式化
アンケート調査 サービス水準の作成
図 3.1 研究フロー
3 調査と基本データ
31
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
アンケート項目 アンケートでは、属性、滞在時間、混雑感、閑散感などについて設問を作成した。 表 3.1 にアンケート項目を掲載する。
表 3.1 アンケート項目 ÌÍΕÏÐI !" #$%&'()*+,-./012304#56
789:;;<=;7>?:@7A<;;7,BCD+EFG:;;<HI
!J ,BC.GK+LC0+MNOPQR#4(ST
U:V;;;MN;;;W< X
!Y Z[GK'(-\]^EFQR#4(ST
U_-:;`]^%a]-%bc^;<;;\]^U :;;;<]^ X
!Ñ Z[+]d./01%efg^010hi'jk-0
Up q#r(L'0;;sqt4G&uvm.G'C'0;;wq&uvxy'0-zl
lmnBG&o#5ST
{qfg^01-1|}i;;~qqfg^0u+^•u;X
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›¡C0¢24£¤o4¡C0¥;;Œœ•
ž-G¦R'0S§¨ !Ò Z[+]d./01e©0101Qª40'jk-0 lmnBG&o#5ST
Up q#r(L'0;;sqt4G&uvm.G'C'0;;wq&uvxy'0-zl {q©010u+^Qª40-zl;;~q&#o.|©010u+^•u;«
s €~•‚ƒ(].2„…4#56K+†l'‡vm. Œ¬40”•v5u;Œ]mv'0+S-zr14#l;Œ-B®S'0 'o#4(STˆ1.‰•Š‹1LiQ06 !¯ °.%EF±+²³-´¤1%Z[+]dGKl^5 ST
Up q²³†oS'oµ0;;sq²³†o¶·µ0;;wq²³¸o;;{q²³†o¶ ·t'0;;~qq²³†oS'ot'0;X
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U;ÈÉ4(;Ê;;p;;s;;w;;{;;~;;Ë;/#C'0;X
3 調査と基本データ
32
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
空間モジュールの算出 対象空間の床面積の算出(実測)、対象空間内の群集人数の算出(ビデオ撮影)より、各アンケート時刻における空 間モジュールを算出した。なお、アンケート開始時刻の前後 1 分を、20 秒間隔 ( 対象空間内を通り抜けるまでにかか る時間 ) で区切り、各時点での群集密度を求め平均化したものをアンケート時刻における群集密度としている。
M=1/p=1(N/S) (M:空間モジュール [ ㎡ / 人 ] p:群集密度 [ 人 / ㎡ ] N:群集人数 [ 人 ] S:対象空間床面積 [ ㎡ ])
西門
対象空間
明治門
正門
¯"Ó
図 3.3 理工展風景
図 3.2 理工展対象空間
北門
東門
西門
正門 間
対象空
¯"Ó
図 3.4 早稲田祭対象空間
南門
図 3.5 早稲田祭風景
3 調査と基本データ
33
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
アンケートデータ 理工展の調査では、空間モジュール 11 パターン(21-50[ ㎡ / 人 ])において、各 10 人程度のサンプルデータを得 ることができた。 早稲田祭の調査では、空間モジュール 20 パターン(0.7 ∼ 7.2[ ㎡ / 人 ])において、各 10 人程度のサンプルデータ を得ることができた。 表 3.2、表 3.3 に調査対象、空間モジュール、各状態ごとのサンプル数を示すと、理工展において閑散が、早稲田祭 において混雑が、顕著に見られる。以後、より正確な分析を行うために、理工展のデータに基づいて閑散感、早稲田祭 のデータに基づいて混雑感の分析を行うこととする。
表 3.2 理工展サンプル一覧 !"#$%& '(-./0 456789 <0=>?%$ '()* '(+, 123 :'(; BC&$* 1@A)3 DEF GGEH IIJ IEH GI K GEH GDEF LM GEL GJ L GEN IHEN IJ GEJ GM K DED GIEI LF DEG GL H GJEK JG IEM GH IF GEN DEF GIEI NH IEK DF IF DEF GFEI DL IEK DI K GEH IHEI JG GEI DD H GEJ DLEJ HJ GEF DN L GEJ DIEF NI GEH JF L GEF DMED DF DEF NF D
表 3.3 早稲田祭サンプル一覧 !"#$%& '(-./0 OP6789 <0=>?%$ '()* '(+, 123 :'(; BC&$* 1@A)3 GEI GIEI IIF DEF FEL IF GEI GMEJ IIH GEK FEK II GEG GFEI IIJ DEF FEH IN GEF GLEH ML GEN IEF II GEF IHED IDF GEK IEI H GEG GFEI HM GEG IEG IF GEM IHEM MM GEF IED N DEF GHED LD GEJ GEF K GEN IHEN NK GEK GEI J GEF IKEG DD GED GED IF GEN ILEH DD GEM GEJ IF GEF DFEN DD GEG GEN M GED ILEJ GM GEI GEK K GEI ILEJ JI IEH DEI II GEJ ILEL DF IEK DEM IF GEF ILED GD IEK DEK J GEJ IMEK GN GEI JED K GED IKEH DJ IEH JEM L GED IKEN GF IEK NEJ M DEF ILED IK IEG LEG M
3 調査と基本データ
34
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
3−3 基本データ
本調査において、各対象空間における主要な属性分類を行う。
1 性別構成(表 3.4, 図 3.6)
表 3.4 性別構成
理工展においては、男女の比率がほとんど同じであるが、
QRCST
早稲田祭においては女性の比率が高い。
U
V
WXY
JL
DH
Z[\]^I_`a
GK
MF
Z[\]^G_`a
GM
NN
2 年齢(表 3.5, 図 3.7)
表 3.5 年齢
理工展、早稲田祭ともに 10 代、20 代の
イベント名
来場者の比率が高い。
理工展
1
38
32
1
9
5
早稲田祭(1日目)
0
33
46
0
2
7
早稲田祭(2日目)
0
69
12
0
0
0
0 -9
10 -19.
2 0 -2 9
30-3 9
40 -4 9
50-
WXY Z[\]^I_`a Z[\]^G_`a Fb
GFb
JFb
MFb
KFb
IFFb
cde1f3 U
V
図 3.6 性別構成
WXY Z[\]^I_`a Z[\]^G_`a Fb
GFb
JFb
MFb
KFb
IFFb
cde1f3 FgH
IFgIHE
GFgGH
DFgDH
JFgJH
NFg
図 3.7 年齢
3 調査と基本データ
35
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
3 滞在時間(表 3.6, 図 3.8)
表 3.6 滞在時間
理工展、早稲田祭ともに、120 分以内の来場者の
イベント名
比率が高い。
0 -59
60-119
120-179
180-
理工展
48
24
6
8
早稲田祭(1日目)
23
34
21
10
早稲田祭(2日目)
59
15
7
0
4 グループ内人数(表 3.7, 図 3.9)
表 3.7 グループ内人数
理工展、早稲田祭ともに、2 人組のグループの比率が
イベント名
高い。
理工展
41
23
早稲田祭(1日目)
75
6
7
早稲田祭(2日目)
54
21
6
2人
3人
4人 22
WXY Z[\]^I_`a Z[\]^G_`a Fb
GFb
JFb
MFb
KFb
IFFb
KFb
IFFb
cde1f3 FgNH
MFgIIH
IGFgILH
IKFg
図 3.8 滞在時間
WXY Z[\]^I_`a Z[\]^G_`a Fb
GFb
JFb
MFb
cde1f3 G)
D)
J)
図 3.9 グループ内人数
3 調査と基本データ
36
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
5 同伴者の属性(表 3.8, 図 3.10)
表 3.8 同伴者の属性
理工展、早稲田祭ともに、友人と来場している人の比率が高く、
イベント名
特に、早稲田祭においてその傾向が顕著に見られる。
理工展
家族で
友人と 28
58
早稲田祭(1 日目)
7
81
早稲田祭(2 日目)
0
81
6 混雑感、閑散感に対する事前の予測(表 3.9, 図 3.11) 理工展では、予想より空いていると感じていた人の比率が高く、早稲田祭では、予想通り、予想より混んでいる、の 順に比率が高い。 表 3.9 混雑感・閑散感に対する事前の予測 イベント名
予想より込ん
予想より若干
でいた
込んでいた
理工展
予想通り
予想より若干
予想より空い
空いていた
ていた
3
9
25
33
16
早稲田祭(1日目)
21
16
45
6
0
早稲田祭(2日目)
9
13
41
17
1
WXY Z[\]^I_`a Z[\]^G_`a Fb
GFb
JFb
MFb
KFb
IFFb
KFb
IFFb
cde1f3
hij
k)l
図 3.10 同伴者の属性
WXY Z[\]^I_`a Z[\]^G_`a Fb
GFb
JFb
MFb
cde1f3
mno pOqj:r
mno pstOqj:r
mno pst<:v:r
mno p<:v:r
mnup
図 3.11 混雑感・閑散感に対する事前の予測
3 調査と基本データ
37
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
7 イベントに対する事前の興味(表 3.10, 図 3.12)
表 3.10 イベントに対する事前の興味
理工展、早稲田祭ともに、「特に興味が
非常に興味が イベント名
なかった」という回答はほとんどなく、 来場者の多くがイベントに対して、事前に ある程度興味を持っていたことがわかる。
あった
多少興味が 興味があった
特に興味がな
あった
かった
理工展
12
35
32
7
早稲田祭(1日目)
18
48
18
4
早稲田祭(2日目)
30
42
9
0
8 イベントに対する満足度(表 3.11, 図 3.13)
表 3.11 イベントに対する満足度
理工展、早稲田祭ともに、A,B の回答率
イベント名
が高い。
理工展
13
30
28
0
0
早稲田祭(1 日目)
30
30
28
0
0
早稲田祭(2 日目)
30
20
30
1
0
*A を最高水準、E を最低水準としてイベントの 満足度を評価している
A
B
C
D
E
WXY Z[\]^I_`a Z[\]^G_`a Fb
GFb
JFb
MFb
KFb
IFFb
cde1f3
wxyz{|}~r
z{|}~r
•€z{|}~r
•yz{|‚ƒ~r
図 3.12 イベントに対する事前の興味
WXY Z[\]^I_`a Z[\]^G_`a Fb
GFb
JFb
MFb
KFb
IFFb
cde1f3 „
…
†
‡
ˆ
図 3.13 イベントに対する満足度 *A を最高水準、E を最低水準としてイベントの満足度を評価している
3 調査と基本データ
38
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
3−4 本調査の結果
1. 混雑感の度合いと混雑感因子
本研究では混雑感の度合いを下記のように設定した。これは、アンケート項目 ( 表 3.2) 質問 3「本日の人出について、 混んでいて嫌だなぁという気持ちはありますか?」の回答として来場者にアンケートしている。項目 E に関しては回 答がなかった。
混雑感の度合い A. まったくない B. 少しはあるが気にならない C. あるが仕方ないと思う D. 混んでいてとても嫌だ E. 混んでいるので帰る
混雑感の度合いと混雑感因子の発生率についてクロス集計を行った結果を図 3.4 に示す。[B] の水準では、 「開放感の 制限」の発生率が 30% を超える。[C] の水準では、 「開放感の制限」の発生率が 60%、 「歩行の制限 1」の発生率が 40%、 「自 由な回遊ペースの制限」の発生率が 30% を超える。[D] の水準では、「出し物の利用の制限」を除くそれぞれ 4 つの因 子の発生率が 40% を超える。 以上より、「出し物の利用の制限」を除く 4 つの混雑感因子の項目が、発生率が高く、混雑感の度合いに正比例して いることが分かる。今後、「出し物の利用の制限」を除く 4 つの項目を混雑感因子として適用する。
各混雑感因子の発生率
100% 80% 60% 40% 20% 0%
[B]少しはあるが気に ならない
[C]あるが仕方ない と思う
[D]混んでいて とても嫌だ
自由な回遊ペースの制限
26%
36%
43%
開放感の制限
34%
66%
86%
出し物の利用の制限
15%
28%
14%
歩行の制限1
25%
47%
71%
歩行の制限2
17%
16%
71%
混雑感の度合い
図 3.14 混雑感の度合いと混雑感因子の発生率
3 調査と基本データ
39
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
2. 閑散感の度合いと閑散感因子
本研究では閑散感の度合いを下記のように設定した。これは、アンケート項目 ( 表 3.2) 質問 4「本日の人出について、 空いていて嫌だなぁという気持ちはありますか?」の回答として来場者にアンケートしている。項目 E に関しては回答 がなかった。
閑散感の度合い A. まったくない B. 少しはあるが気にならない C. あるが仕方ないと思う D. 空いていてとても嫌だ E. あまりにも空いているので帰る
閑散感の度合いと閑散感因子の発生率についてクロス集計を行った結果を図 3.5 に示す。[B] の水準では、「活気、賑 わいの不足」の発生率が 70%、 「人気の不足」の発生率が 30% を超える。[C]、[D] の水準では、 「活気、賑わいの不足」 の発生率が 80%、「人気の不足」の発生率が 50% を超える。「匿名性の不足」に関しては、どの水準においても、回答 がなく、発生率は 0% となった。 以上より、「匿名性の不足」を除く 2 つの閑散感因子の項目が、発生率が高く、閑散感の度合いに正比例しているこ とが分かる。今後、「匿名性の不足」を除く 4 つの項目を閑散感因子として適用する。
各閑散感因子の発生率
100% 80% 60% 40% 20% 0%
[B]少しはあるが気に ならない
[C]あるが仕方ない と思う
[D]空いていて とても嫌だ
活気、賑わいの不足
76%
84%
83%
人気の不足
33%
53%
56%
匿名性の不足
0%
0%
0%
閑散感の度合い
図 3.15 閑散感の度合いと閑散感因子の発生率
3 調査と基本データ
40
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
!"#$%&'$()*+,Q ./0%&1"2$34869,:;<=>AB
A
RSTUVNKJLGHIJT./CWXFYZG [\Y]$)^_`^aO*+P
4.8 [㎡/人] !"#$%&'$()*+,./0%&1"2$345657869,:;<=>
B 5?@ABCDE0FGHIJKJLMNO*+P
3.3 [㎡/人] !"#$%&'$()*+,b ./0%&1"2$34c6?7565,:;<=>
C
5?@ABCDE0FGde0fgh^.ZijklOmnfo WXKJLGp?@ABCDE0FGHIJKJLMNO*+P
2.0 [㎡/人] !"#$%&'$()*+,q ./0%&1"2$34c6?,:;<=>Ar
D
5?@ABCDE0FG_`C]$)oWXKJLG p?sABCDE0Fde0fgh^.ZijklOtnfoWXT HIJKJLMNO*+P uvc?@ABCDE0Fde0fwxyOnfKz{|MNOP} #
図 4.5
!
"#$%
混雑感に基づいたサービス水準
50
113 145 175 cm
水準D 水準C
水準B
水準A
図 4.6 グループスペース
レジャー空間のサービス水準の作成
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
!"#$%&'$()*+,-. /01%&2"3$45[\7],9:;<=>^
A' _`a>^Lbc1OICDEOPQdefEgGHhfij*+Z
19.5 [!/人] !"#$%&'$()*+,/01%&2"3$45678,9:;<=>?
A
@ABCDEFGHIJKGB/0LMNOPQI RSPT$)UVWUXY*+Z
$
"
#$%&
図 4.9 閑散感に基づいたサービス水準
175
352 cm
水準A 水準A’
図 4.10 グループスペース
レジャー空間のサービス水準の作成
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
!"#$%&'$()*+,-. 012%&3"4$56ST8U,<=>?@CD
A' 7ABCDEFG2HIYZPH]^•‚•PjLNO•xƒ*+R
19.5 [!/人] !"#$%&'$()*+,012%&3"4$56:8;9ST8U,<=>?@
A
VWXYZPMLNIJKLX01E[\H]^I _`]a$)bcdbeQ*+R
4.8 [!/人] !"#$%&'$()*+,/ 012%&3"4$567879:8;,<=>?@
B 7ABCDEFG2HIJKLMLNOPQ*+R
3.3 [!/人] !"#$%&'$()*+,f 012%&3"4$56g8A9787,<=>?@
C
7ABCDEFG2HIhi2jklb0^mnopQqrjs [\MLNIUABCDEFG2HIJKLMLNOPQ*+R
2.0 [!/人] !"#$%&'$()*+,t 012%&3"4$56g8A,<=>?@Cu
D
7ABCDEFG2HIcdEa$)s[\MLNI UAvCDEFG2Hhi2jklb0^mnopQwrjs[\X JKLMLNOPQ*+R xygABCDEFG2Hhi2jz{|QrjM}~•OPQR€ $
"
#$%&
図 4.11 レジャー空間におけるサービス水準
レジャー空間のサービス水準の作成
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
50
113 145
175
352 cm
水準D 水準C
水準B
水準A
水準A 水準A’
図 4.12 グループスペース
レジャー空間のサービス水準の作成
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
The Service Level in Leisure Space
Four
4
レ ジ ャ ー 空 間 の サ ー ビ ス 水 準 の 作 成
41
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
4−1 レジャー空間のサービス水準の概念
レジャー空間のサービス水準とは、空間モジュールをパラメータとし、レジャー空間における同伴者との歩行快適性 を評価するための指標である。本研究では、来場者の過密による不快適性を 「 混雑感 」、来場者の過疎による不快適性 を 「 閑散感 」 として定義し、それらの生じる度合いによって水準を数段階に分けている。
3 章より、混雑感因子は 01 自由な回遊ペースの制限(自分達のペースで行動できない) 02 開放感の制限(窮屈な感じがする、落ち着かない) 03 歩行の制限 1(同伴者と並んで歩きづらい、会話しづらい) 04 歩行の制限 2 ( 同伴者とはぐれないか心配 )
の 4 項目となり、本研究では、それぞれについて 30 パーセントの来場者が 「 制限を感じた 」 空間モジュールの値を回 帰分析によって算出し各水準の境界とする。 つまり、上記の 4 項目全てについて 30% 以下の来場者が「制限を感じている」範囲が水準 A となる。
閑散感因子は
01 活気、賑わいの不足(さびしい感じがする) 02 人気の不足(人気がないと思ってしまう)
の 2 項目となり、本研究では、それぞれについて 30 パーセントの来場者が 「 制限を感じた 」 空間モジュールの値を回 帰分析によって算出し各水準の境界とする。 つまり、上記の 2 項目全てについて 30% 以下の来場者が「不足を感じている」範囲が水準 A となる。
なお、いかなる空間モジュールにおいても 30% 以上の来場者から返答がなかった因子については、混雑感因子およ び閑散感因子として棄却される。また、空間モジュールと相関のない混雑感因子および閑散感因子についても棄却され る。
4 レジャー空間のサービス水準の作成
42
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
4−2 混雑感に基づいたサービス水準
表 4.1 に示す通り、本研究では早稲田祭の調査において、空間モジュール 0.7[ ㎡ / 人 ] から 7.2[ ㎡ / 人 ] までの 20 通りの状態で各 10 人程度のサンプルデータを得ている。ここでは、各状態における混雑感因子の発生率と空間モジュー ルの回帰分析を行う。つまり、目的変数を混雑感因子の発生確率、説明変数を空間モジュールとした回帰式を作成する。 そして、回帰式において目的変数(混雑感因子の発生率)が 0.3(30%)をとる空間モジュールの値を各水準の境界 値とする。
次項以下、空間モジュールと各混雑感因子の発生率 ( アンケート回答率 ) の回帰分析の結果を示す。
表 4.1 早稲田祭サンプル一覧 !"#$%& '(-./0 456789 <0=>?%$ '()* '(+, 123 :'(; 1@A)3 BC&$* DEF DFEF FFG HEG GEI FG DEF DJEK FFL DEM GEM FF DED DGEF FFK HEG GEL FN DEG DIEL JI DEN FEG FF DEG FLEH FHG DEM FEF L DED DGEF LJ DED FED FG DEJ FLEJ JJ DEG FEH N HEG DLEH IH DEK DEG M DEN FLEN NM DEM DEF K DEG FMED HH DEH DEH FG DEN FIEL HH DEJ DEK FG DEG HGEN HH DED DEN J DEH FIEK DJ DEF DEM M DEF FIEK KF FEL HEF FF DEK FIEI HG FEM HEJ FG DEG FIEH DH FEM HEM K DEK FJEM DN DEF KEH M DEH FMEL HK FEL KEJ I DEH FMEN DG FEM NEK J HEG FIEH FM FED IED J
4 レジャー空間のサービス水準の作成
43
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
1 自由な回遊ペースの制限(表 4.2, 図 4.1)
横軸が空間モジュール、縦軸が「自分達のペースで行動できない」と答えた人のパーセンテージである。
回答率が 30% になる空間モジュールを回帰式によって求めると
[一次回帰式]y=0.0618x+0.4257, y=0.3 のとき x=2.0, R=0.629
より 2.0[ ㎡ / 人 ] となる。
表 4.2 回帰分析 !"#$ %&' (
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<0=>?%$PV@A)W 図 4.1 自由な回遊ペースの制限
4 レジャー空間のサービス水準の作成
44
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
2 開放感の制限 ( 表 4.3, 図 4.2)
横軸が空間モジュール、縦軸が「窮屈な感じがする」と答えた人のパーセンテージである。
回答率が 30% になる空間モジュールを回帰式によって求めると
[一次回帰式]y=0.0787x+0.6804, y=0.3 のとき x=4.8, R=0.718
より 4.8[ ㎡ / 人 ] となる。
表 4.3 回帰分析 !"#$ %&'(
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<0=>?%$PV@A)W 図 4.2 開放感の制限
4 レジャー空間のサービス水準の作成
45
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
3 歩行の制限 1( 表 4.4, 図 4.3)
横軸が空間モジュール、縦軸が「同伴者と並んで歩きづらい、会話しづらい」と答えた人のパーセンテージである。
回答率が 30% になる空間モジュールを回帰式によって求めると
[一次回帰式]y=0.0962x+0.617, y=0.3 のとき x=3.3, R=0.749
より 3.3[ ㎡ / 人 ] となる。
表 4.4 回帰分析 !"#$ %&' (
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<0=>?%$PV@A)W 図 4.3 歩行の制限 1
4 レジャー空間のサービス水準の作成
46
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
4 歩行の制限 2( 表 4.5, 図 4.4)
横軸が空間モジュール、縦軸が「同伴者とはぐれないか心配」と答えた人のパーセンテージである。
回答率が 30% になる空間モジュールを回帰式によって求めると
[一次回帰式]y=0.0432x+0.2874, y=0.3 のとき x=-0.3, R=0.524
より -0.3[ ㎡ / 人 ] となる。
表 4.5 回帰分析 !"#$ %&' (
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<0=>?%$PV@A)W 図 4.4 歩行の制限 2
4 レジャー空間のサービス水準の作成
47
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
以上の分析により、空間モジュールに基づいたレジャー空間の快適性を 4 つのサービス水準に分けた。以下に作成さ れたサービス水準を示す。また、図 4.5, 図 4.6 に図示する。
レジャー空間サービス水準:A 空間モジュール:4.8[ ㎡ / 人 ] 以上 窮屈感もなく、歩行の制限もなく、自由なペースで回遊できる水準。
レジャー空間サービス水準:B 空間モジュール:3.3-4.8[ ㎡ / 人 ] 30% 以上の来場者が、窮屈感を感じている水準。
レジャー空間サービス水準:C 空間モジュール:2.0-3.3[ ㎡ / 人 ] 30% 以上の来場者が、同伴者と並んで歩く(会話する)ことに制限を感じ、50% 以上の来場者が、窮屈感を感じて いる水準(図 4.2)。
レジャー空間サービス水準:D 空間モジュール:2.0[ ㎡ / 人 ] 以下 30% 以上の来場者が、自由な回遊のペースに制限を感じ、50% 以上の来場者が、同伴者と並んで歩く(会話する) ことに制限や、窮屈感を感じている水準。また、20% 以上の来場者が同伴者とはぐれることを心配している水準(図 4.4)。
4 レジャー空間のサービス水準の作成
48
空間モジュールからみたレジャー空間移動歩行時の同伴快適性に関する研究
図 4.5 歩行の制限 2
4.4 歩行の制限 2 図 4.6
4 レジャー空間のサービス水準の作成
49
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
4−3 閑散感に基づいたサービス水準
表 4.6 に示す通り、本研究では理工展の調査において、空間モジュール 21[ ㎡ / 人 ] から 50[ ㎡ / 人 ] までの 11 通り の状態で、各 10 人程度のサンプルデータを得ている。ここでは、各状態における閑散感因子の発生率と空間モジュー ルの回帰分析を行う。つまり、目的変数を閑散感因子の発生確率、説明変数を空間モジュールとした回帰式を作成する。 そして、回帰式において目的変数(閑散感因子の発生率)が 0.3(30%)をとる空間モジュールの値を各水準の境界 値とする。
次項以下、空間モジュールと各閑散感因子の発生率 ( アンケート回答率 ) の回帰分析の結果を示す。
表 4.6 理工展サンプル一覧 !"#$%& '(-./0 [\6789 <0=>?%$ '()* '(+, 123 :'(; 1@A)3 BC&$* HEG DDEL FFK FEL DF M DEL DHEG IJ DEI DK I DEN FLEN FK DEK DJ M HEH DFEF IG HED DI L DEN DKEM KD FEJ DL FG HEG DFEF NL FEM HG FG HEG DGEF HI FEM HF M DEL FLEF KD DEF HH L DEK HIEK LK DEG HN I DEK HFEG NF DEL KG I DEG HJEH HG HEG NG H
4 レジャー空間のサービス水準の作成
50
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
1 活気、賑わいの不足(表 4.7, 図 4.7)
横軸が空間モジュール、縦軸が「活気、賑わいの不足」と答えた人のパーセンテージである。
回答率が 30% になる空間モジュールを回帰式によって求めると
[一次回帰式]y=0.0232x-0.1527, y=0.3 のとき x=19.5, R=0.777
より 19.5[ ㎡ / 人 ] となる。
表 4.7 回帰分析 !"#$ %&' (
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図 4.7 活気、賑わいの不足
4 レジャー空間のサービス水準の作成
51
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
2 人気の不足 ( 表 4.8, 図 4.8)
横軸が空間モジュール、縦軸が「人気の不足」と答えた人のパーセンテージである。
表 4.8 より、相関係数 R=0.465 という低い数値となることが分かる。これは、人気の不足が空間モジュールと相関 が低いことを示している。したがって、活気、賑わいの不足は閑散感因子として不適切であるとみなす。
表 4.8 回帰分析 !"#$ ./.01
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図 4.8 活気、賑わいの不足
4 レジャー空間のサービス水準の作成
52
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
以上の分析より、空間モジュールに基づいたレジャー空間の快適性を 2 つのサービス水準に分けた。以下に作成さ れたサービス水準を示す。また、図 4.9, 図 4.10 に図示する。
レジャー空間サービス水準:A’ 空間モジュール:19.5[ ㎡ / 人 ] 以上 30% 以上の来場者が、賑わいがなくさびしいと感じてしまう水準。
レジャー空間サービス水準:A 空間モジュール:19.5[ ㎡ / 人 ] 以下 活気や賑わいを感じることのできる水準。
4 レジャー空間のサービス水準の作成
53
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
図 4.4 歩行の制限 2
図 4.4 歩行の制限 2
4 レジャー空間のサービス水準の作成
54
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
4−4 空間モジュールからみたレジャー空間の快適性
以上の結果から本研究の成果物であるレジャー空間におけるサービス水準(空間モジュールからみたレジャー空間に おける同伴者との歩行快適性の水準)を作成した。 次項にまとめの図を掲載する。(図 4.11, 図 4.12)
4 レジャー空間のサービス水準の作成
55
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
Factor Effecting Discomforts
Five
5
混 雑 感 お よ び 閑 散 感 の 影 響 因 子
58
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
第四章では、レジャー空間において、空間モジュールの状態によって発生する混雑感および閑散感について調査・分 析を行い、空間モジュールをパラメーターとしたサービス水準を作成した。当然、混雑感および閑散感のもっとも大き な発生要因は空間モジュールの状態である。しかしながら、第二章の文献調査で指摘したとおり、過密は混雑感の必要 条件ではあるが、十分条件ではなく、レジャー空間の混雑感においても、同様のことがいえるであろう。
そこで、本章では、アンケートによって聞き出した、来場者の様々な属性や意識と混雑感の度合いをクロス集計およ び相関分析し、過密および過疎以外の影響因子を抽出する。それをもとに、第四章で作成したサービス水準の精度をよ り向上させることを目的とする。
5 混雑感・閑散感の影響因子
59
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
5−1 混雑感の影響因子
混雑感の影響因子として分析を行ったのは、次の 8 つの候補である。 01 性別 02 年齢 03 滞在時間 04 グループ内人数 05 同伴者の属性 06 混雑感に対する事前の予測 07 イベントに対する事前の興味 08 イベントに対する満足度 以上、8 項目についてのクロス集計、また、必要があれば回帰分析の結果を示す。
5 混雑感・閑散感の影響因子
60
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
1 性別構成と混雑感 性別によるクロス集計の結果を図 5.1 に示す。これによると、性別によって特に混雑感の度合いに差は見られないこ とがわかる。したがって、性別は混雑感の影響因子とはいえない。
2 年齢と混雑感 年齢によるクロス集計の結果を図 5.2 に示す。これによると、年齢によって特に混雑感の度合いに差は見られないこ とがわかる。したがって、年齢は混雑感の影響因子とはいえない。
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図 5.1 性別構成と混雑感 .(() !"#$%&'
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図 5.2 年齢と混雑感
5 混雑感・閑散感の影響因子
61
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
3 滞在時間の長さ 滞在時間の長さによるクロス集計の結果を図 5.3 に示す。これによると、滞在時間が長くなるにつれて混雑感の度 合いも若干強くなる傾向が見て取れる。表 5.1 に回帰分析の結果を示すと、相関係数 R=0.342 と高い値(本節では R=0.30 以上とする)を示した。滞在時間は混雑感の影響因子であるといえる。 滞在時間が 2 時間を越えるようなレジャー施設では、より厳しい水準を適用したほうがよい。逆に滞在時間が短い 小規模なレジャー施設では、やや緩い水準を適用してもよい。
4 グループ内人数 グループ内人数によるクロス集計の結果を図 5.4 に示す。これによると、グループ内人数によって特に混雑感の度合 いに差は見られないことがわかる。したがって、グループ内人数は混雑感の影響因子とはいえない。
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表 5.1 回帰分析
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図 5.4 グループ内人数と混雑感
5 混雑感・閑散感の影響因子
62
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
5 同伴者の属性 同伴者の属性によるクロス集計の結果を図 5.5 に示す。これによると、同伴者の属性によって特に混雑感の度合いに 差は見られないことがわかる。したがって、同伴者の属性は混雑感の影響因子とはいえない。
6 事前の人出予測 事前の人出予測によるクロス集計の結果を図 5.6 に示す。これによると、事前の予測より実際の人手のほうが多い と答えている人の方が、混雑感の度合いが強くなる傾向が見て取れる。表 5.2 に回帰分析の結果を示すと、相関係数 R=0.196 となり、弱いながらも相関がある(本節では R=0.15 ∼ 0.30 とする)ことが分かる。
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図 5.5 同伴者の属性と混雑感 .(() !"#$%&'
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表 5.2 回帰分析
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図 5.6 事前の人出予測と混雑感
5 混雑感・閑散感の影響因子
63
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
7 イベントに対する事前の興味 イベントに対する事前の興味によるクロス集計の結果を図 5.7 に示す。これによると、イベントに対する興味が薄い 人の方が、混雑感の度合いが強くなる傾向が見て取れる。表 5.3 に回帰分析の結果を示すと、相関係数 R=0.234 となり、 弱いながらも相関があることが分かる。
8 イベントの満足度 イベントの満足度によるクロス集計の結果を図 5.8 に示す。これによるとイベントの満足度によって特に混雑感に差 は見られないことがわかる。したがって、イベントの満足度は混雑感の影響因子とはいえない。
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図 5.7 イベントに対する事前の興味と混雑感
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図 5.8 イベントの満足度と混雑感
5 混雑感・閑散感の影響因子
64
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
5−2 閑散感の影響因子
閑散感の影響因子として分析を行ったのは、次の 8 つの候補である。 01 性別 02 年齢 03 滞在時間 04 グループ内人数 05 同伴者の属性 06 混雑感に対する事前の予測 07 イベントに対する事前の興味 08 イベントに対する満足度 以上、8 項目についてのクロス集計、また、必要があれば回帰分析の結果を示す。
5 混雑感・閑散感の影響因子
65
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
1 性別構成 性別によるクロス集計の結果を図 5.9 に示す。これによると女性に比べ男性の方が閑散感の度合いが強くなる傾向が 見て取れる。表 5.4 に回帰分析の結果を示すと、相関係数 R=0.190 となり弱いながらも相関があることが分かる。
2 年齢と混雑感 年齢によるクロス集計の結果を図 5.10 に示した。これによると年齢によって、特に混雑感に差は見られないことが わかる。したがって、年齢は、混雑感の影響因子とはいえない。
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表 5.4 回帰分析
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図 5.9 性別構成と閑散感 .(()
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図 5.10 年齢と閑散感
5 混雑感・閑散感の影響因子
66
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
3 滞在時間の長さ 滞在時間の長さによるクロス集計の結果を図 5.11 に示す。これによると、滞在時間の長さによって特に閑散感に差 は見られないことがわかる。したがって、滞在時間は閑散感の影響因子とはいえない。
4 グループ内人数 グループ内人数によるクロス集計の結果を図 5.12 に示す。これによると、2 人組みは閑散感の度合いが強くなる傾 向が見て取れるが、表 5.5 に回帰分析の結果を示すと、相関係数 R=0.100 と小さい値となった。この結果からは、グルー プ内人数が、閑散感の影響因子であるとはいえない。
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図 5.12 グループ内人数と閑散感
5 混雑感・閑散感の影響因子
67
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
5 同伴者の属性 同伴者の属性によるクロス集計の結果を図 5.13 に示す。これによると、家族に比べ友人とともに来場している人の 方が、閑散感の度合いが強くなる傾向が見て取れる。表 5. 6 に回帰分析の結果を示すと、相関係数 R=0.258 となり、 弱いながらも相関があることが分かる。
6 事前の人出予測 事前の人出予測によるクロス集計の結果を図 5.14 に示す。これによると、事前の予測より実際の人手のほうが少な いと答えている人の方が、閑散感の度合いが強くなる傾向が見て取れる。表 5.7 に回帰分析の結果を示と、相関係数 R=0.386 となり、高い相関があることが分かる。事前の人出予測は、閑散感の影響因子であるといえる。 閑散が予想されるレジャー施設では、インターネットなどの媒体を用いて、閑散状況を来場者に事前に認知させるこ とにより、閑散感を緩和させることができる。
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表 5.6 回帰分析
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図 5.13 同伴者の属性と閑散感
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図 5.14 事前の人出予測と閑散感
5 混雑感・閑散感の影響因子
68
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
7 イベントに対する事前の興味 イベントに対する事前の興味によるクロス集計の結果を図 5.15 に示す。これによると、イベントに対して事前の 興味が薄い人の方が、閑散感の度合いが強くなる傾向が見て取れる。表 5.3 に回帰分析の結果を示すと、相関係数 R=0.315 となり、高い相関があることが分かる。イベントに対する事前の興味は、閑散感の影響因子であるといえる。 閑散が予想されるレジャー施設では、インターネットなどの媒体を用いてイベントの情報を発信し、来場者に事前に 興味を与えることによって、閑散感を緩和させることできる。
8 イベントの満足度 イベントの満足度によるクロス集計を図 5.16 に示す。これによると、イベントの満足度が低い人の方が閑散感の度 合いが強くなる傾向が見て取れる。表 5.3 に回帰分析の結果を示すと、相関係数 R=0.480 となり、高い相関があるこ とが分かる。イベントの満足度は、閑散感の影響因子であるといえる。 閑散が予想されるレジャー施設では、コンテンツの質を向上させるなどして、来場者のイベントに対する満足度を高 めることによって、閑散感を緩和させることができる。
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図 5.16 イベントの満足度と閑散感
5 混雑感・閑散感の影響因子
69
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
Summary
six
6
総 括
70
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
6−1 研究の成果
本研究の主な成果は以下のふたつにまとめることができる。
01 空間モジュールからみたレジャー空間における同伴者との歩行快適性の定性化 02 「レジャー空間におけるサービス水準」の作成
01 について、図 6.1 に概要をまとめる。 本研究では空間モジュールからみた同伴快適性を定性化するにあたり、まず不快適性を定性化し、不快適性が発生し ない状態を快適性と定義した。図 6.1 では、不快適性、混雑感、閑散感、各混雑感因子、各閑散感因子を階層にして示 している。また、五章で明らかにした影響因子についても示した。
02 について、作成されたサービス水準を図 6.2 ∼ 6.4 にまとめる。 また、四章でまとめたサービス水準に、五章の結果を注釈として付け加えた。
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図 6.1 空間モジュールからみたレジャー空間における同伴者との歩行快適性の定性化
6 総括
71
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
6 総括
72
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
6−2 既存のサービス水準との比較
本研究で作成したサービス水準を、既存のサービス水準と比較する(図 6.5)。ここで、各空間の質の違いによって、 サービス水準の境界値(空間モジュール)が異なることが分かる。 空間の質に合わせた独自の評価指標を作成することの意義が理解できる。
●レジャー空間におけるサービス水準(本研究) サービス水準 A':19.5[㎡ / 人]以上 サービス水準 A:4.8 ∼ 19.5[㎡ / 人] サービス水準 B:3.3 ∼ 4.8[㎡ / 人] サービス水準 C:2.0 ∼ 3.3[㎡ / 人] サービス水準 D:2.0[㎡ / 人]以下
●観覧空間におけるサービス水準(「空間モジュールからみた観覧空間の快適性に関する研究文 6)」より引用) サービス水準 A':30.0[㎡ / 人]以上 サービス水準 A:10.0 ∼ 30.0[㎡ / 人] サービス水準 B:7.5 ∼ 10.0[㎡ / 人] サービス水準 C:4.0 ∼ 7.5[㎡ / 人] サービス水準 D:4.0[㎡ / 人]以下
●歩行空間におけるサービス水準(2-1 文 1) を参照) サービス水準 A:3.5[㎡ / 人]以上 サービス水準 B:2.5 ∼ 3.5[㎡ / 人] サービス水準 C:1.5 ∼ 2.5[㎡ / 人] サービス水準 D:1.0 ∼ 1.5[㎡ / 人] サービス水準 E:0.5 ∼ 1.0[㎡ / 人] サービス水準 F:0.5[㎡ / 人]以下
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図 6.5 サービス水準の比較(空間モジュール値)
6 総括
73
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
6−3 まとめと展望
本研究により空間モジュールからみたレジャー空間における同伴者との歩行快適性(不快適性)が定性化された。 作成されたサービス水準は、それらを定量的に評価できる指標として、レジャー空間の規模や寸法決定における有効 な「設計指標」となる。 * また、当サービス水準は、レジャー施設のサービスの質を評価する新しい「サービス指標」としても有効に働く。コ ンテンツの充足度とあわせて、同伴者との歩行快適性についても考慮できることは、異なるレジャー施設を総合的に比 較する際に役立つと考えられる(表 6.1)。
サービスが多様化する現代、人々にとってより快適なレジャー空間が普及することを期待する。
表 6.1 異なるレジャー空間の比較軸
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6 総括
74
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
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*閑散が予想されるレジャー施設では、インターネットなどの媒体を用いて閑散状況を来場者に事前に認知させ
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*閑散が予想されるレジャー施設では、インターネットなどの媒体を用いてイベントの情報を発信し、来場者に
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事前に興味を与えることによって、閑散感を緩和させることできる。
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*閑散が予想されるレジャー施設では、コンテンツの質を向上させるなどして、来場者のイベントに対する満足
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図 6.2 レジャー空間におけるサービス水準
総括
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
References
Seven
7
参 考 文 献
75
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
参考文献
1 歩行者の空間‐理論とデザイン‐ ジョン・J・フルーイン = 著 / 長島正充 = 訳 鹿島出版会 1974 年 2 遊園地の遊戯施設の導入計画に関する研究 レジャー空間進化論(その 3) 堤正利ほか 日本建築学会大会学術講演梗概集 1996 年 E-1 分冊 p293 3 環境心理学による生活のデザイン A. メーラビアン 川島書店 1987 年 4 人と人との快適距離 パーソナルスペースとは何か 渋谷昌三 日本放送出版協会 1990 年 5 少人数で形成される 「 集合 ( グループ )」 の特性に関する研究 伊藤倫子ほか 日本建築学会大会学術講演梗概集 1999 年 E-1 分冊 p755 6 空間モジュールからみた観覧空間の快適性に関する研究 千秋幸司 研究室修士論文 2001 年 7 建築設計資料集成 3 単位空間 1 日本建築学会編 丸善 8 新建築学体系 13 建築規模論 岡田光正ほか 彰国社 1982 年 9 鉄道旅客駅のサービス水準に関する研究 橋田直子ほか 日本建築学会大会学術講演梗概集 1997 年 E-1 分冊 p725 10 グループ集合における対人距離に関する研究 ( その 1) 伊藤倫子ほか 日本建築学会大会学術講演梗概集 2000 年 E-1 分冊 p1043 11 グループ集合における対人距離に関する研究 ( その 2) 伊藤倫子ほか 日本建築学会大会学術講演梗概集 2000 年 E-1 分冊 p1045 12 歩行者のグループ構成及び属性が歩行者行動に与える影響に関する研究 間下典大ほか 日本建築学会大会学術講演梗概集 2000 年 E-1 分冊 p1077
7 参考文献
76
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
13 レジャー空間におけるコミュニケーション行動評価手法に関する研究 神山和裕ほか 日本建築学会大会学術講演梗概集 1999 年 E-1 分冊 p755 14 レジャー施設における複数利用のつながりに関する研究 間下典大ほか 日本建築学会大会学術講演梗概集 1999 年 E-1 分冊 p467 15 大規模複合レジャー施設における飲食・休憩行動の効果に関する研究 山口有次ほか 日本建築学会大会学術講演梗概集 1999 年 E-1 分冊 p469 16 レジャー施設における来場者割合 ( ピーク率 ) に関する研究 馬場義徳ほか 日本建築学会大会学術講演梗概集 2000 年 E-1 分冊 p489 17 インターネットによる観光レジャー情報の受発信に関する研究‐国際的レジャー情報データベースサイトについて‐ 福永純子ほか 日本建築学会大会学術講演梗概集 2001 年 E-1 分冊 p477 18 世界のレジャー事情と生活・地域体験型レジャーに関する研究‐国際的レジャー情報データベースサイトについて‐ 山口有次ほか 日本建築学会大会学術講演梗概集 2000 年 E-1 分冊 p1077 19 遊園地の遊戯施設の配置計画に関する研究 レジャー空間進化論 ( その 4) 山口有次ほか 日本建築学会大会学術講演梗概集 1996 年 E-1 分冊 p295 20 遊園地の入場者特性の時系列変化に関する研究 レジャー空間進化論 ( その 5) 山口有次ほか 日本建築学会大会学術講演梗概集 2000 年 E-1 分冊 p1077 21 ネットワーク社会におけるレジャーコミュニケーションに関する研究 ( その 8) 山口有次ほか 日本建築学会大会学術講演梗概集 1997 年 E-1 分冊 p475 22 駅における群集密度変動の時系列分析 樋口智幸ほか 日本建築学会大会学術講演梗概集 1995 年 E-1 分冊 p757-758 23 電車発着パルスからホ - ムにおける群集密度波形を導出する 駅における群集密度変動の時系列分析 その 2 樋口智幸ほか 日本建築学会大会学術講演梗概集 1996 年 E-1 分冊 p853 24 大雪山国立公園における登山利用者の混雑感に関する研究 愛甲哲也ほか 造園雑誌 1992 年
7 参考文献
77
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
25 大雪山国立公園における登山利用者からみたキャンプ場の混雑感評価とかかわる要因 愛甲哲也ほか 造園雑誌 1993 年 26 すぐわかる EXCEL による回帰分析 内田治 東京図書 2002 年 27 よくわかる統計解析の基本と仕組み 山口和範 秀和システム 2003 年 28 Eecel で学ぶ統計解析 涌井良幸ほか ナツメ社 2003 年 29 レジャー空間進化論 山口有次 http://www.f.waseda.jp/yujiyamagu/home.html
7 参考文献
78
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
Gratitude
Eight
8
謝 辞
79
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
謝辞
多くの方々の支えや助けがあって、この論文を書き終えることができました。この場を借りて感謝の気持ちを謝辞と 代えさせていただきます。
研究指導と共に、研究室という素晴らしいフィールドを提供してくださった渡辺仁史先生。ゼミにて、研究を導いて くださった林田さん。研究室会議などを通して、的確な助言をくださった長澤さん、遠田さん。物分りの悪い私を丁寧 に指導してくださり感謝しております。研究室というフィールドでの貴重な経験と素晴らしい出会いは私の宝です。
理工展、早稲田祭での調査を手伝ってくれた、オギ、レイシ、ジーコ、テルポ、ヨコ、コサック、かよちゃん、とお る、まきちゃん、大塚君、おじい、岡本、やす、KJ。忙しい中、手伝ってくれて本当にありがとう。 集合時間になっても現れず、来たと思ったら全身の毛穴という毛穴から酒の匂いを発していたレイシ、「 もうすぐ着 く」と何度も繰り返し、結局着くまで 2 時間かかったヨコ、今となってはいい思い出です。
連れ立つ仲間と共に過ごす時間をテーマに研究に取り組んできましたが、仁史研でのこの 2 年間、本当に仲間の素 晴らしさを実感することができました。意外と人見知りで、起伏の激しい自分が楽しくやってこれたのは、研究室のみ んなのおかげです。特に同期のみんな。本当にお世話になりました。
最後に、私に教育というプレゼントを与えてくれた両親に感謝します。めんどくさがりで、わがままで、だらしない、 このアンチキショーな自分を信じ、惜しみない投資をしてくれたことは私の幸せです。 この先、成長した自分の姿を見せることが私の義務だと思っております。
9 謝辞
80
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
Data
Chapter Two
第 二 部
資 料 編
81
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
理工展アンケートデータ
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資料編
82
レジャー空間における同伴者との歩行快適性
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レジャー空間における同伴者との歩行快適性
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レジャー空間における同伴者との歩行快適性
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