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推測に基づく迷い歩行モデル

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A Model for the Structure of Becoming Disoriented Focused on Educated Guess

推測に基づく迷い歩行モデル

hitoshi watanabe lab. waseda univ. master's thesis 2006

小坂 麻有

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はじめに

0

駅前のショッピングビルの案内サインを挙げて見よう。 まず人を案内しようと奇抜な色を使いたくなる。そして大きな文字を使いたく なる。ピクトグラムを沢山使うことになる。迷わないようにと、沢山のサイン をおきたくなる。 そんな状態が、心地よいナビゲーションを生んでいると思うだろうか。私は、 情報を取捨するまえにストレスを感じる。 もっとシンプルにならないだろうか。 そのようなことを考えているときに、サインについて専門家にヒアリングを行 ない、意外な言葉をきいた。 「大きさやコントラストなどの視認性も考えるが、それ以上にわかりやすさはデ ザインで解決できる部分の方が多いのです」 この言葉の意味を、理解しようとしたとき、それまで考えていた「情報をシン プルにする」ということと、全く反対のことを言っているのではないかと思った。 しかしながら、さらに考えると、「シンプル」をつきつめるということは、人間 の感覚に対しすっととけ込むようにすることであるとわかった。 感覚にとけこめば迷いもストレスもなくなるのではないか。 そんな考えからこの研究は始まった。

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目次

はじめに 目次

1 序論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・01 1.1 背景

02

1.2 目的

03

1.3 研究フロー

04

モデル編

05

2 モデル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・06 2.1 概要

07

2.2 既往研究

08

2.3 迷いモデル 2.3.1 概要

09

2.3.2 迷いの種類

10

2.3.3 空間把握要因

11

2.3.4 空間把握過程

14

2.3.5 モデル

20

実験編

22

3実験内容・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23 3.1 概要

24

3.2 実験方法

25

3.3 手法

33

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4 結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35 4.1 概要

36

4.2 左右の感覚の比較

37

4.3 レイアウトによる比較

42

5 分析・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・66 5.1 分析方法

67

5.2.1 左右総合の広さ感

68

5.2.2 左側の広さ感

69

5.2.3 右側の広さ感

70

5.2.4 奥の広さ感

71

5.2.5 手前の広さ感

72

5.3 まとめ

73

6 結論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・74 6.1 まとめ

75

おわりに

76

謝辞

77

参考文献 / 参考 URL

78

参考

79

hitoshi watanabe lab. waseda univ. master's thesis 2006

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�荖

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背景

1.1

近年増加している六本木ヒルズや汐留シオサイト、キャナルシティ博多など 大規模複合施設では、来訪者の回遊行動を促進させるため、空間構造を複雑化 している。これは空間の魅力である一方で、 来訪者の空間構造の把握を困難にし、 迷いを体験する機会が増えている。 そのため、空間の魅力を損なわず、来訪者が快適に回遊行動を楽しむために、 迷いをコントロールするための設計指針に関する研究が必要である。  ところで、迷いおよび空間把握に関する研究はこれまでにも多数あり、それ らの研究結果から、従来の迷いを解消する方法には2種類あることが言える。 サインを計画する際、盛り込む情報の量の増やすことで歩行者に与える空間情 報も増幅させるという解消方法と、建築自体の形状のレジビリティの向上によ る解決方法である。また、近年では建築空間の形状がよりグラフィカルになっ ていると同時に、その建築内部にあるサインそのものの体感型化し、提示する 情報もより多角化している。そのため、建築空間内部の歩行者が得る情報は、 建築空間そのものから享受しているのか、空間内のサインから享受しているの か、その境界は曖昧になっている。従って、従来の研究成果である、サイン情 報の増加と建築空間のレビデリティ向上による迷いの解消方法を個別に考える ことはできない。  そのため、本研究ではサインも空間も情報としてとらえ、情報を受容してい く中での迷い構造のモデル化を行い、またその一部分である推測行動と空間構 成の関係を明らかにした。

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目的

1.2

建築空間内を歩くことで、建築空間そのものと、空間内部にあるサインから 情報を受け取る。歩くことで空間からの様々な情報を次々に受容していると言 える。そのため、歩行は空間からの情報受容のシークエンスと見なすことがで きる。  本研究では歩行を情報受容のシークエンスと定義し、受容した情報から空間 把握を行う際、迷いを発生させる要因とその解消について整理し、モデル化を 行う。  またそのモデルの中にある「推測」(詳細後述)について、実際に体験した経 路と「推測」で割り出された経路を比較することで、 「推測」と実際の空間構成 との差異を明らかにする。

fig.1-1 研究フロー

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研究の流れ

1.3

研究フロー図を以下に示す。  本論はモデル編と実験編に分かれている。モデル編では、既往研究をまとめ、 迷いモデルを作成する。また実験編では、作成したモデルの中にある「推測」 について実証し、「推測ー実空間構造」を具体化する。  また本研究では歩行を情報受容のシークエンスであるとし、迷うの生じる原 因をその空間情報の把握の仕方にあるとした。そのため、迷いモデルを以下で は「空間構造の理解構造モデル」とする。

モデル編

既往研究のまとめ

↓

↓

空間把握要因の整理

実験編

空間把握の過程の整理

↓

実験

↓

迷いの発生についての考察

↓

↓ 「推測」部分に ついて具体化

迷いモデル作成

分析

↓ 空間推測モデルの作成

fig.1.3 研究フロー

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モデル編

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迷い歩行モデル

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概要

2.1

迷いに関する既往研究を調査・分析するとともに、空間情報の理解構造モデ ルを考察、作成する。また本研究では歩行を空間情報の受容のシークエンスと みなし、前述の理由から空間情報の理解構造モデルにおいてはサイン情報と空 間構造を大別しない。  近年の日本におけるサイン計画は、建築と一体化してデザインされているこ とが多く、サインのデザインと建築のデザインを切り離して考えることはでき ない。そのため、回遊行動の際、人が把握する空間情報は曲がり角や道幅とい った空間構造に加え、空間内のサイン情報も考慮する必要がある。本研究での 空間情報とはサイン情報と空間構造の2つを指すものとする。  既往研究では空間や情報の評価、および知覚・行動特性の解明が行われてき たが、どの場所でも通じる迷いの要素とモデルの解明によって、迷いをコント ロールできる。  さらに、施設機能や地域における必要な迷いの程度は異なる。よってこれを を迷い度数として客観的な数値としてあらわすことで、設計者は魅力と迷いを コントロールした使いやすい空間が設計できるだろう。

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既往研究

2.2

これまでの迷いに関する研究は以下の通りである。 まず、属性(子供、視覚障害者、、、)や目的、情報の与え方や有無などによって パラメータを設定し、認知マップやアンケート、行動観察などの調査を行う。 それにより空間のイメージや注視点などから、空間や情報を評価したり、人間 の行動・知覚特性を評価するものである。 ここで注目するのは、建築分野においては「情報」と「空間」を異なるものと して捉えていることが多いことである。本研究ではこれらを空間把握に影響を 与える要因として同等に捉え、論じていく。

パラメータ

方法

状態 男女

認知マップ

目的

探索 散策 避難

発話

時間

昼夜 速度

アンケート

情報

量 質 与え方

空間

大小 機能 構成

↓

属性

インタビュー アイマークレコーダ 行動観察 シュミレーション

評価

↓

イメージ

生理測定

欠落点

既往研究は膨大に存在するた

注視点

め、その個々のタイトルについ

認知量

キーワードとして検索し、参考

ては割愛する。 にしたものは

心理量

結論

方向感覚

空間を評価

↓

軌跡

間認知、ナビゲーション、サイ ン、パズルマップ、認知マップ、

空間要素/情報のヒエラルキー

到達率

経路探索、迷い、空間把握、空

錯覚、思いこみ レジビリティ

印象評価などである。

情報を評価 行動特性を解明 知覚特性を解明

状態変化

fig.2.2 既往研究分類

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迷いモデル

2.3

概要

迷いに関するモデルを作成するために要因と、迷いの状態変化がひきおこされ る過程についてまとめていく。

fig.1-1 研究フロー

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2.3.2 迷いの種類

歩行における迷いとは空間構造の理解の失敗(実際の空間と歩行する上で把 握した空間にずれが生じる)から起こる。この失敗の内訳内訳としては、ナビ ゲーションの失敗(行き方がわからない)と、オリエンテーションの失敗(自 分のいる位置、目的の位置の向きがわからない)の2種類がある。  ナビゲーションに関しては緊急避難などの際、正確に避難路へ誘導する必要 がある。またオリエンテーションに関しては散策などの際、自分の空間定位を 把握できれば快適に過ごすことができるため、必ずしも正確な目的地への誘導 は必要とされない。  このように歩行者の属性や目的、空間に応じ、迷う要因は異なり、近年のナ ビゲーション端末では、この双方向から迷いを防いだり、解決しようとする機 能が備わっている。

ナビゲーション端末 近年の特に都心では複合開発が 進み、地図もすぐに古くなって しまう。そこで、手軽に携帯端 末などで行きたい場所にナビゲ

ーションしてくれるシステムが 普及している。 CF.www.navitime.co.jp/

経路探索  Wayfinding 方向付け、経路決定、経路監視、 目的地認知の 4 つの基本段階か らなるといわれている。 「方向付け」とは、近くの目標 物や目的地に対する自分の現在 地を定めること。 「経路決定」とは、目的地に到 達する経格を決定すること。 「経路監視」とは、選択した経 路が目的地につながっているか どうかを確認すること。 「目的地認知」とは、目的地を 認知すること。

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空間把握要因

2.3.3

空間把握要因  既往研究3を参考にして迷いの要因を挙げ、考察した ( 表1)。大きく分類して、 人間自身の問題である内的要因と、とりまく環境としての要因である外的要因 の2つがある。

既往研究3 木幡容子 ; 迷い・認知空間

tab.2-3-3 空間把握要因 内

人

的

間

要

要

因

因

身体的属性

男女、老若

グループ属性

人数、関係

交通属性

歩行者、 自転車、 自動車

性格

大雑把、大胆

属性 性質

における構成要素に関する 研究 ,media.arch.kyushu-u. ac.jp/Papers/papersPDF/ H15_M_kihata.pdf

方向感覚の有無

慣れ データベース 経験 選択経路 緊張度 状態 状態 外

空

物

的

間

理

要

要

要

因

因

因

空間のデータベース 近過去の経路の経験 目的あるなし 迷いの状態 分岐の回数 曲がりの回数 曲がりの角度 特殊形態 上下運動 狭さ

形態

連続、不連続 アプローチ スタイル、 ファサード 中心性(吹き抜け) 内部から外部がみえるか 外部から内部がみえるか 建築的記憶に即しているか 古い、新しい

環 境 要 因

情 報 要 因

明度 混雑感

密度 人の量

人の流れ

人の種類、服装

痕跡

汚れ、落とし物、手沢

触覚

道路の変化

匂い

食べ物、 自然

音

にぎわい、特徴音

みやすさ 情報量/ノイズ量 提示方法

視覚、触覚、嗅覚・ ・ ・

順番 タイミング ルールの理解

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2.3.3.1 内的要因

歩行者は常に状態が変化しており(不安度、迷い度、気分など)それにより 環境が発する情報の受容が変化してくる。また、不安感が環境の情報(明度や 狭さなど)からくる場合もあり、情報の理解のされ方自体が環境の情報に内包 されているともいえる。また、大胆性などの性格や生まれ持った身体的性質な どでも受け取り方が異なる。  また、カクテルパーティー現象があるように、情報は選択されたり無視され たりしているといえる。よって、情報を与える場合、それが選択されるような 環境づくりも同時に必要である。  このような歩行者の状態や性質という迷いの要因を「内的要因」と呼ぶ。主

選択

↓

↓

に情報の受容に影響を及ぼす(図1)。

認知

無視

個人の能力/性格:f(x) 状態:s(x) により変換

fig.2.3.3.1 研究フロー

カクテルパーティー効果 COCKTAIL PARTY PHENOMENON

特定の情報に選択的な注意 を向け、他の情報を無視す ることができる現象。 注意を向けられなかった情 報については、物理的・感 覚的レベルまでしか処理さ れていないという説と、意 味レベルまで処理されてい るという説がある。

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2.3.3.2 外的要因

また、歩行者本人以外の環境として迷いを生み出す要因を「外的要因」とする。 これらは大きくわけて形態的建築がうみだす経路の曲がり角や道幅などという 物理要因と、時刻によって変化する明るさや人の流れ , 季節を示す自然などの環 境要因、また所謂サイン計画における「サイン」としてメッセージを発してい

*Signal-to-Noise Ratio SN 比 ディスプレイ上の 、 意味のある

る看板・地図や、GPS や IC タグを用いたナビゲーション設備等の情報要因にわ

情報と無意味な情報の比。

けられる。

あらゆるコミュニケーション において 、 情報の作成 、 伝達

情報を読み取るためのルールの理解の必要性は、

. 受取りが行われるプロセスの 各段階において 、 情報の形 ( 信 号 ) は劣化し 、 無関係な情報 (

物理要因 < 環境要因 < 情報要因

雑音 ) がわ る。情報の明瞭性は 、 残っている信号 (S) と加わっ た雑音 (N) の比によつて表すこ とができる。信号を最大にして

の順に高くなっている。

雑音を最少にし 、 SN 比を高く

人の属性が意味するところなど、環境要因の理解はその土地環境がもつ文化に

することがよいデザインの目標

よることが多い。、また情報要因としては、言語やピクトグラム、色の意味など

である。

の理解が必要である。情報の言語を理解しなくてすむということ、前注意的処

前注意的処理 preattentive

理を行えるということが、誰にでもわかりやすいサインのためのヒントとなる。

processing 認知心理学における用語で情報

よって、このように「情報」と明示した形で与えるサインの配置には注意が必 要であり、ともすればストレスを与える要因となりえる。 最近では、アフォーダンスに代表される生態学的デザインについても研究され、

の選択が行われる以前の処理の こと。ambient orb はこの処理 を最大限に利用してわかりやす い情報呈示を事実減している。 前意識的処理ともいう。

いままで「サイン」としてあたえてきた情報を、環境要因や物理的要因にシフ トし、人間の直感や感覚に訴える形式によって情報を与える試みも行なわれて いる。そのなかのひとつが IC タグのはいったカードでタッチするだけで行き先 を棒の向きで教えてくれる COCHIRA であり、コンピューターに接続するだけで

アフォーダンス AFFORDANCE

天気を自動的に色の変化で教えてくれる Ambient Orb である。逆に見ると、こ

に出来する相互補完的な事態の

空間において、物と生体との間

れはいままで感覚的に行なわれてきたメタファーや装飾等の意匠的デザインを、

こと。アメリカの知覚心理学者

情報を送るサインとして見直し、理解のされやすさやストレス量などの情報の

1966 年『生態学的視覚論̶ヒ

質として工学的に明らかにされる可能性がある。

ジェームズ・ギブソンによって トの知覚世界を探る』において 提唱された造語で、生態光学、 生態心理学の基底的概念であ る。

fig.2.3.3.2.1 cochira

fig.2.3.3.2.2 ambient orb

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空間把握過程

2.3.4.1

データベース

データベース  歩行者は自分が過去に経験した空間 ( 図 4) から、建築の形態の記憶を蓄積し ている。それと照らし合わせて、歩行時にここは商業空間であるとか、オフィ スであるという風に、また繁華街がありそうな方向などを感覚的に理解する。 また、そのような記憶と照らし合わせ、知らない場所でもトイレの位置や非常 口の位置がなんとなくわかったりする。  このように新しい空間を歩行する時にその場所を理解するために引き出す記 憶のことをデータベースと呼ぶ。これまでの研究では、そのようなデータベー スの部分には触れず、わかりやすさを決定していた。迷いをうみださない建築 を設計するためには、大多数の利用者がもっているデータベースを明らかにし、 それにそった設計を行うことが必要とされる。

いったことのない 見たことのある (メディア) 行ったことのある たまに 頻繁 毎日

記憶の過程

すまい

1 コード化 ( 記銘 )・・・経験し たことが記憶として取り込まれ ること。 外部の刺激が持つ情報を、人間 の内部の記憶に取り込める形に 変換することである。 2 貯蔵 ( 保持 )・・・記銘された ことが保たれること。 この時期には、取り込まれた情 報は内部で貯蔵されており、外 には現れない。 3 検索 ( 想起 )・・・保持されて

データベース化される場所

いた記憶が、ある期間の後に外 に現れること。

fig.2.3.4.1 データベース化される経験

・情報はまず感覚登録器に一時 的に保持され、そこで注意など により選択された情報が短期貯 蔵庫に入力され、一定期間保持 される。 そしてリハーサルを受けた情報 は長期貯蔵庫へ転送され、永続 的に貯蔵されることになる。

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2.3.4.2 推測

歩行者はある建築の中のすべての空間を移動したり、見たりしなくてもある 程度理解できる時がある。空間を歩き、情報をある程度受容するとデータベー スを検索し、ひとつの型 ( タイプ ) である数式をとりだす。その式 f(x) をもとに 過去の空間 ( 値 )x1 から次の空間 x2 を推測する。頭の中では自然と建築空間の タイポロジーが行われている。それが実空間とずれたときには、式を修正、ま たは異なる式 f'(x) を検索し取り出す。  その説明変数及び目的変数の値となる要素としては、雰囲気や環境の属性 ( 商業、住宅・・・) 色彩、天井高、空間の連続性、広さなどの空間構成など様々 なレイヤーがある。その様々な要素をさらに次の時点での説明要素として、そ れぞれの数式を構成している。経験した空間は、学習され、またあるタイプと してそのような要素ごとのレイヤにわけられデータベースに蓄積される。

空間1 幅、奥行 き、天井 の高さ スタイル かたち しつらえ 家具 機能 触感 音 温冷感 照度 色彩 風 傾斜 モノ 、人 VI 文字 サインデザイン 行動 広告 装飾

空間2

推測

幅、奥行 き、天井 の高さ スタイル かたち しつらえ 家具 機能 触感 音 温冷感 照度 色彩 風 傾斜 モノ 、人 VI 文字 サインデザイン 行動 広告 装飾

タイポロジー TYPOLOGY 推測

推測

空間 3

推測

類型学のこと。ある集まりにお いて、その共通するパターンが 見いだされるとき、その典型例 をもって分類・記述を行う研究 の立場を類型学という。建築デ ザインにおいては、その土地の アーキタイプを見つけるための 手法などに利用されている。

fig.2.3.4.2 推測の元となる要素と推測される要素

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空間把握課程

2.3.4.3

イメージマップ

歩行者は次に経験する空間だけでなく、通っていない空間、見えない空間も 推測しながら歩行している。つまり、 ①移動し経験した空間 ( 通ったという身体的感覚 ) ②見た、感じた空間 ( ランドマークや分岐などの視覚的連続性やにおいなど ) と、 ③そこから推測した空間 ( 知覚した部分からのデータベースに基づく連続的推測 及びマクロな視点による自分の空間の焦点(心理的、空間的中心)や移動経路 を中心とした空間全体像の予測 ) が三位一体となり、全体の空間地図を構成する ( 図 5)。  この歩行者の脳内に形成された、アウトプットされる前の地図を本研究では 「イメージマップ」と定義する。

crowd

crowd

landmark

landmark

smell

smell →

sign

street

移動

street

移動

移動

+

+

知覚

知覚 +

→ sign

→

イメージ マップ

推測

イメージマップ IMAGEMAP これまでは認知マップやスケッ チマップなどの言葉とほぼ同義 に空間把握構造を知るための手 法として考えれてきた。

fig.2.3.4.3 イメージマップの形成

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2.3.4.4 発見

わかりやすいーレジビリティの高い都市 / 建築空間であることは大切だが、 すべてが歩行者のデータベースにそった空間であると退屈になる。  歩行者は様々なレベルのデータベースをもっており、必要な施設の配置に ついてはデータベースにそった配置とし、その他の部分や、雰囲気、色彩な どの配置については、時にデータベースを裏切り、発見のある空間にするこ とで、ある部分については曖昧で長時間の学習に耐え、ある部分ではわかり やすいという魅力ある空間を構築することができる。  この発見をケビン・リンチの都市モデルで説明すると、 「空間のなかに、あ らたに焦点となりうるノードをみつけること。また、自分の持つノード同士 のつながりを見つけること。」といえる。 この「つながり」を、経験をもとに分類すると以下のようになる。 ①移動感覚̶移動できる身体的つながり ②知覚̶見える、聞こえるなど知覚によるつながり ③推測̶データベースより連続して予測できるつながり  これは前述のイメージマップを構成する線と同じである。つまり、空間要 素についてイメージマップの構成されている部分については迷いがなく、な い部分には発見を生み出す余地があるということである。  この発見のネットワークモデルは K. リンチの都市モデルから派生して考え たものであるが、建築レベル、またはファサードなど平面的な認知部分につ いてもフラクタル的に展開して言えるのではないかと考える。この構造につ いてはさらなる探求が必要である。

レジビリティ LEGIBILITY 無限の情報の中からひとつの明 確なパターンの構築しやすさを レジビリティと呼び , 都市のイ メージ構造を探る新しい切り口 としたのが K. リンチである。 「こ れは人々が都市の各部分を認識 し , さらにそれらをひとつの筋 の通ったパターンに構成するの がたやすいということである。」

fig.2.3.4.4 フラクタル的に展開されるネットワークモデル

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2.3.4.5 経路選択

分岐点や多方向に広がる空間に来て経路選択がせまられたとき、歩行者はそ れぞれの分岐に対するイメージマップを作成し、目的地があるときはそれがあ りそうな方向、散策の時には興味をひかれる方向など、自分の状態や目的にあ わせて意志決定を行なう 。  よって散策などの状況の場合には、人によって目的が異なり、また気分によ っても選択が異なり、一定に誘導するデザインを行うことは困難であるが、避 難行動の場合には目的がみな一致しているので、その目的に対する指向性を探 ればデザイン指標は作成しやすい ( 既往研究 4,5)。 既往研究4 平岡久枝ほか : 避難時の経路選 択行動における空間構成要素 の重要度に関する研究 , 日本建 築学会梗概集、2004,E-1 分冊 ,P.809

歩行

既往研究5 平岡久枝ほか ; 散策時の経路選

1) 移動する 2) 知覚する(見る、感じる、、、)

択場面における選択要因に関す る研究 , 日本建築学会関東支部 研究報告集 II,2005.3,PP97-100

3) 推測する

合成

次空間

イメージマップ作成

分岐ごとのヒエラルキー作成 目的にあわせて比較

ヒエラルキー HIERARCHIE 階層構造 ( かいそうこうぞう ) とは、あ

意思決定

る事象や認識対象の構造が、高 層建築物のように、各階を、下 層から上層へと順に積み重ねて

fig.2.3.4.5 経路選択モデル

全体を構成している場合の構造 である。あるいは、積み木構造 ともいえる。

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2.3.4.6 迷いの発生と解消

次空間への推測と実空間にずれが生じた際に、今までのイメージマップと連 続できるような型をデータベースから見つけられなかったとき、また、型を修 正できなかったとき迷いは生じる。 迷いは発見によって新しいイメージマップが構成され、解消される。 その発見を生み出すための行動は、文献 6 と文献 7 より大別して、 ①サインを見る ②人に聞く

既往研究6 森一彦ほか ; 迷いからのブレイ

③周囲の環境を見渡す ( 音を聞く )

クスルー行動と「空間の分かり

の 3 つに分類することができる。

やすさ」─ 情報 ( 視覚・聴覚 )

① , ②はアルゴリズムとして歩行者に記憶されているが、③は成功するとは限

2000 年 ,E-1 分冊 ,P.835

らないヒューリスティックスな方法でである。

障害者と健常者との比較分析

既往研究7

これらにより目的地への行き方 ( ナビゲーション ) や自分の位置の理解が可能

日色真帆ほか ; 迷いと発見を含

になり、迷いが解消する ( 図 6)。

の経路探索 , 計画系論文報告集

また、行き方や定位が発見されない場合、時間の経過とともに不安度は増加し、

んだ問題解消としての都市空間 NO.466 P.65 1994 年 12 月

迷いは深刻化していく。 アルゴリズム ALGORISM とヒュー リスティックス HEURISTICS ・アルゴリズム : ある方法に従 えば必ずその問題が解決するよ

IM ずれなし

S:平常状態

うな手続。解決が保証されてい

S:迷っている状態

るかわりに、しばしば多くの時

IM 修正不可 IM 修正 可能

IM: イメージマップ

S

不安小

間や手間を要する。 ・ヒューリスティックス : ある 問題を解決する際に、必ずしも 成功するとは限らないが、うま くいけば解決に要する時間や手

空間定位/

間を減少することができるよう

空間誘導の発見

S

時間大

とりあえず

距離大

行動

不安大

fig.2.3.4.6 迷い状態の推移モデル

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推測にもとづく迷いモデル

2.3.5

以上をまとめ、歩行を情報のシークエンスとみなし、推測を含んだ迷いの状 態変化のモデルを作成した。 平常状態

歩行開始

初期値

情報受容 N * N=1

情報受容 N * N=N+1

データベース検索

式の決定

予測

次の空間を予測

情報受容 N * N=N+1

なし

ズレ あり

データベース検索

可能

式修正

修正

不可能

学習

可能

新しい式の構成

構成

不可能

迷い

状態変化

とりあえず行動 n n1=1 n=n+1

情報受容 N *

不安度増

N=N+1

なし n<X

定位・誘導 の発見

学習

なし n≧X

迷いの深刻化

極度の迷い 歩行断念

あり

新しい式の構成

状態変化

迷いの解消

fig.2.3.5 迷い歩行モデル

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まとめ

2.3.6

モデルを立証するためには仮説と既往研究にもとづく迷いのモデルの実証の ために、歩行者のデータベースと、それを用いて空間をどのように推測するの かということの解明が必要である。  また、設計指針として立証するためには具体的要素を含む空間と推測の関係 が必要である。しかしながら、時々刻々と既成概念を打ち破る素材やスタイル が出現していくなかで、どの時代にも利用できる設計指針を作成するためには、 調査する中でのその空間情報レイヤーのわけかたも重要になる。  また、空間の様々なレベル ( 建築レベル、都市レベル・・・) での推測が明ら かになれば、空間の機能ごとの必要な迷い度や発見度を定めた上で設計者は迷 いや発見をコントロールすることが可能になる。

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実験編

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研究方法

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3

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概要

3.1

迷いのモデルの実証のために、歩行者のデータベースと、それを用いて空間を どのように予測するのかということの解明が必要である。 そこで、本編では具体的な空間構成と推測する空間の構成を明らかにする。 また、本研究では全体の形状が把握しにくく迷いが発生しやすいという問題点 をもつ地下空間を想定し、空間の広さ感と経路の形状との関係を明らかにする。

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実験方法

3.2

|目的 本実験では迷いやすいとされる地下空間において、様々な経路を歩行したと きに、左右前後の広がりをどのように推測するのかを明らかにする。 |被験者 建築学科 20 代男女 14 名 |使用機材 プロジェクター/スクリーン ノート PC 実験用紙 : 説明用紙及び解答用紙 筆記用具 |実験日時 2007 年 1 月 17 日 ( 水 ) |実験場所 早稲田大学理工学部キャンパス 55N-801B |方法 [ 準備 ] 実験用紙、及び VR ムービーを作成する。VR ムービーは 75 メートルの直線を 歩行するもので、分岐の数などを変化させ、計 26 パターンを作成する。 [ 本実験 ] 1 被験者プロジェクターでスクリーンに投影し VR ムービー ( 約 50 秒 ) を見せ る。 2 そのあと、実験用紙に前後左右の奥行きと全体の形を示す選択肢を記入させ る。 1 ∼ 2 を計 26 パターンについて行なう。

fig.1-1 実験風景

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3.2.1 調査項目

調査はアンケート方式とし、以下のことを回答させた。 |左右前後の広さ感について 歩行する経路の左側と右側、そしてゴール地点より奥側と、スタート地点よ り手前側の広さ感について5段階の選択肢アンケートで回答させた。 広さ感についての尺度はウェーバー・フェヒナーの法則に即し、経路の単位 である 1 ブロック 15m を基準とし、 1:0-5m 2:5-15m 3:15-45m 4:45-135m 5:135m 以上 の5段階尺度とした。 そして、それぞれに対し、 1:すぐいきどまり 2:少しいくといきどまり 3:少しひろがっている 4:まあまあ広い 5:かなり広い という表現を付則し、イメージと距離感がつかみやすいように工夫した。 |空間全体のかたちについて  また、推測する空間が方形とは限らないため、全体のかたちとして推測した 平面形状を基本的な図形の中から選択させ、どれにもあてはまらいときは自 由記述させた。

ウェーバー・フェヒナーの法則 weberFechner's law 「感覚量は刺激強度の対数に比 例する」 E ( 感覚量 < 心理量 >) =K ( 定 数 )log I ( 刺激強度 )

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3.2.2 教示及び実際の質問

実験用紙には以下の事項及び図 (fig.3.2.2.1、fig.3.2.2.2) を記載した。 『これから広い地下空間の一部分を歩きます。その長さは75m ほどです。あな たはその地下空間の全体像を知りません。均質かもしれないし、不均質かもし れません。 そして、その部分の周りにどのような空間が広がっているか想像してこたえて 下さい。 1幅 自分が歩いた経路の左右にはどのくらいの広さの空間が広がっているでしょう か。 また、右の方が広いでしょうか、左のほうが広いでしょうか。 2 奥行き 自分が歩いた経路のむこうにはどのくらいの広さの空間が広がっているでしょ うか。また、手前にはどのくらいの広さの空間が広がっているでしょうか。 3 全体の形 また、全体のかたちは次のいずれにいちばんちかいでしょうか。』

45m

5 かなり広い 4 まあまあ広い

5m 15m

3 少し広がっている

0m

goal

2 少しいくといきどまり 1 すぐいきどまり

*1 アアアアアアアアアアアア アアアアアアアアアアアアアア アアアアアアアアアアアアアア アアアアアア NIS ACIPSUSCIP ESSENIM

奥

ZZRIL INIBH

手前

star

1

2

5

6

3

4

0m

5m 15m

1 すぐいきどまり 1350m

45m

2 少しいくといきどまり

3 少しひろがっている

7

4 まあまあ広い 5 かなり広い

左

8

9

右

10

fig.3.2.2.1 選択肢(全体のかたち)

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fig.3.2.2.2 実験経路と距離の目安図

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3.2.3 実験パターン

実験パターンは全 12 個の分岐を太さ3種類(0,3,6m)、また奥行があるかどう かでパターンを作成した。 その計算でパターンを計算すると、   3^ 12(分岐数)× 2(奥行きあり・なし)= 1062822 通り のパターンがあるが、今回は比較項目に合わせて 26 パターンを選定した。  一度に全てのムービーを見せるため、慣れが生じないよう、左右の分岐数は トータルで同等になるように反転で調節した。 各パターンをレイアウトで記号化を行う。 左右の分岐数に比較項目に応じた添え字をつける。添え字の意味 , および比較項 目は以下の通り。

全体形

63V

対称…S(Symmetry) 非対称…aS(aSymmetry)  分散…V(Variance)

左分岐数 右分岐数 分岐のレイアウト 6

3

分散

偏り…B(Bias) fig.3.2.3.2 パターンの記号化の例

奥行き なし…(省略) あり…D(Depth) 太い道路(両側)の位置 始め…O(Opening) 終わり…C(Closing) 突き当たり…(End of a path) 太い道路(片側)の位置 分岐が多い側…L(Larage) 分岐が少ない…M(sMall)

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実験パターンについて 以下の 26 通りを選定した。

tab.3.2.3.1 実験パターン表 左右同数 大              小 66 太 さ

項 比

多

目 較

側

奥

な

L

均

行

し

R

一

き

あ

L

り

R

前

L

・

O

R

両

後

L

側

C

R

突

L

太

不 均 一

左右異数 両側分岐

分岐数

当

R

太

多

L

・

L

R

片

少

L

方

M

R

対称

66S 66SD 66SO 66SC

33 対称

33S

11

非対称 分散

33V

片側分岐 大          小

偏り

33B

対称 非対称

11S

63

31

非対称

非対称

分散

偏り

63V 11aS 36V

63B

分散

大          小 60

30

偏り

分散

30V 13V

13B

10

非対称 偏り

10

06

36VD 63VO

36VC

66SE 63VL

31VL

63VM 63BM 31VM

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66

33

66S

33S

11 33V

33B

11S

63 11aS

63V

66SD

36VD

66SO

36VO

66SC

36VC

31 36V

36B

13V

13B

60

30

10

06

30V

10

66SE

31VL

63VL

63BM 31VM

36VM

start

goal

分岐小

分岐大 fig.3.2.3.2 実験パターンモデル図

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3.2.4 実験空間

実験で用いた空間歩行ムービーは Vector Works10.0 を用いて仮想空間をつく り、ウォークスルームービーを作成した。 入ったときに広さや全体の形状が想像できない空間で施設は地下空間を想定し た。  それにより、天井高さ4m、幅3m、長さ75m の空間を作成し、15m おき に分岐道路を与え、分岐道路の間隔や太さを変化させてそれぞれに対する前後 左右の広さ感を調査した。  分岐数はチャンク・ミラーの短期記憶の最大容量をもとに、記憶できる限界 として、左右各6地点とした。  設計資料集成で調査したところ、歩行者の地下街での平均速度は 1.31m/s より、 ムービーの歩行速度はそれにあわせ、1 パターンあたり 50 秒程度のムービーと した。

fig.3.2.4.1 地上と地下での歩行速度 ( 「設計資料集成」より)

fig.3.2.4.2 ムービー静止画 CF.

容量の限界 : 短期記憶では 7

± 2 チャンク→ミラーが提案し た情報処理の心理的な単位 長期記憶では永続的に無限大と されている

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3.3 結果の見方

測定した広さ感の数値の目安については以下のように言える。 実験では、 0 5m・・・1 5 ∼ 15m・・・2 15 ∼ 45m・・・3 45 ∼ 135m・・・4 135m ∼・・・5 というように感覚を指標化した。 これにより 5m・・・1.5 15m・・・2.5 45m・・・3.5 135m・・・4.5 とおおよそで計算すると、 人間の感覚は対数比であることから 実際の距離を D、求められた広さ感の数値を X とすると (X̶1.5) D=5・3 として目安を求めることができる。

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手法

3.3.1

VR 空間

軍事技術から発展した VR(VirtualReality)は仮想現実感などと訳されるが , コ ンピュータによって人の感覚器官に生成された,実際には存在しない仮想現実 世界のことである。この技術に名前がつけられたのは 1980 年代末のことである が,現在では計算機科学の分野にとどまらず幅広い応用が期待されている。  VR の要素技術は人間の五感に対する働きかけであるが,視覚,聴覚,力覚な どについて研究が進められている。VR の応用としては,複姓なシステムの制御 のために,制御システム空間ともいうべき電脳空間に入り込むものや,高度な 科学技術データをわかりやすい形式で可視化するもの,さらには自律性の究極 である人工生命などがある。  建築への応用事例として,HMD を付けて仮想の調理器具を利用することを 通して行うシステムキッチンの寸法調整や,高層マンションのモデルルームに, 窓からの眺めを表示する任意の住戸からの景観予測などがあり,施工現場での 応用や施主へのプレゼンテーションが考えられている。また,遠隔地に自分が いるような感覚を与えるテレプレゼンス(TelePresence)の応用として,人が近 づけない環境にブルドーザーや施工機械などを送り込み,視覚情報と力覚フィ ードバックを利用して操作するものや,設計の段階でのグループウエア(協調 作業支援)に導入して,遠隔地の設計者どうしが同一の建物モデルを操作しあ うシステムなどが開発されている。  本研究では自然なかたちで実空間で感じるのと同等の刺激を与えるため、VR 空間での実験を行った。また、投影はプロジェクターを用い、臨場感を与える 工夫をした。

fig.3.3.1 HMD

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3.3.2 ウェーバー・フェヒナーの法則

エルンスト・ハインリヒ・ヴェーバー(Ernst Heinrich Weber、1795 年 6 月 24 日 - 1878 年 1 月 26 日)は、ドイツの生理学者・心理学者。重量や温度など といった感覚を実験的に研究し、閾値を発見した。これは後に弟子のフェヒナ ーによって定式化され、ヴェーバー - フェヒナーの法則と名付けられた。 のち、ヴェーバーは生理学に研究を移した。脈拍の伝わる速度について末弟エ ドゥアルト・ヴェーバーと共同研究を行なったりしたが、最も有名なのは 1834 年に行なった錘を持ち上げる実験である。彼は、錘の重さの変化を感じ取る感 覚は、何 kg 増えたかといった差ではなく、何倍になったかという比に依存し ているということを示した。この結果は 1846 年の "Zusätze zur Lehre vom Bau und von der Verrichtung der Geschlechtsorgane" や 1851 年の "Die Lehre vom Tastsinn und Gemeingefühl"(『触覚と一般感覚』 )の中で発表され、後に弟子の フェヒナーによってウェーバー - フェヒナーの法則として定式化された。 ・ウェーバーの法則 Weber's law 「弁別閾は原刺激の値に応じて比例的に変化する」 ΔI ( 弁別閾 ) /I ( 刺激量 ) = K ( 定数 ) ( Kをウェーバー比 ) ex. 10g / 100g = 20g / 200g = K ・フェヒナーの法則 Fechner's law 「感覚量は刺激強度の対数に比例する」− ウェーバーの法則より導く E ( 感覚量 < 心理量 >) =K ( 定数 )log I ( 刺激強度 ) 本研究では、広さ感を聞く際の距離の尺度についてこの法則を利用し、より感 覚を測定しやすいように工夫した。

感 覚 量

E = K log I

↑

0

→   刺激の強度

fig.3.3.2 ウェーバー・フェヒナーの法則

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4

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概要

4-1

結果は、以下の順でまとめる。 広さ感の大小は全員の平均値を比較し、広さの目安とする。 まず左右対称なものと、左右非対称で反転した組のものを比べて、左右どちら を広く感じやすいかという傾向を見る。 その結果から補正係数を導きだし、分岐の形での左右の広さ感の違いを見ると きには補正係数をかけた上でのレイアウトによる広さ感の数値を比較する。 また、その補足として全体の形状のアンケートも見て、結果のうらづけを行う。 その後、左右を反転させて全体の形状を比較するときには、左右対称でない形 のものは左右反転した形の数値とした。

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36


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左右の感覚の比較

4.2.1

対称

1) 対称1 左右対称なレイアウトのパターン(11S と 33S と 66S)で比較した。 いずれも左右の広さ感は同等であり、全体の形状としても対称なものが選ば れているので、左右の広さ感に差はないといえる。

5

広さ感

4

左 右

3

奥

2

手前

1 0 11S 11S

33S 33S

66S 66S

fig.4.2.1.1 左右手前奥の広さ感と経路のモデル図 [11S,33S,66S]

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かたち    人数

11S

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10 other s11

fig.4.2.1.2 全体のかたちと人数[11S]

かたち    人数

33S

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10 other s11

fig.4.2.1.3 全体のかたちと人数[33S]

かたち    人数

66s

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10 other s11

fig.4.2.1.4 全体のかたちと人数[66S]

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38


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4.2.2 対称2

2)対称2 左右対称なレイアウトのパターン(66SO と 66SE と 66SC)で比較した。 いづれも左右の広さ感は同等であり、違いはないといえる。

5

広さ感

4

左

3

右 奥

2

手前

1 0 66SD 66SD

66SO 66SO

66SC

66SE

66SC

66SE

fig.4.2.2.1 左右手前奥の広さ感と経路のモデル図 [66SD,66SO,66SC,66SE]

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かたち    人数

66SD

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10 other s11

fig.4.2.2.2 全体のかたちと人数[66SD]

かたち    人数

66SO

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10 other s11

fig.4.2.2.3 全体のかたちと人数[66SO]

66SC

かたち    人数

人数

other

fig.4.2.2.4 全体のかたちと人数[66SC]

かたち    人数

66SE

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10

other s11

fig.4.2.2.5 全体のかたちと人数[66SSE]

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4.2.3 非対称

3)非対称 非対称で反転した形態である一組のパターン (63V と 36V) で比較した。 奥側や手前側の広さ感は反転して同等といえる。

以上 1) 3) より、左右の広さ感はレイアウトに関わらず同等といえるので、左 右反転して比較するときに左右に重みをつけなくてよい。

63V

よって以降適宜左右を反転して比較する。

5

広さ感

4

左

3

右

2

手前

奥

1 0 63V 63V

36V 36V

fig.4.2.3.1 左右手前奥の広さ感と経路のモデル図 [63V,36V]

かたち    人数

36V

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10 other s11

fig.4.2.3.2 全体のかたちと人数[36V]

かたち    人数

63V

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10 other s11

fig.4.2.3.3 全体のかたちと人数[63V]

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レイアウトの違いによる比較

4.3.1

全体数の比較 対称

全体数の比較 同要素を含むレイアウトを全体数を変化させて比較する。 1) 対称 左右対称であるレイアウトのパターン(11S と 33S と 66S)を比較した。 33S に比べ 66S では左右ともに広さ感が大きくなっているが、11S では分岐数が 少ないのにも関わらず広さ感は大きい。よって、ある程度分岐数が増加すると 左右の広さも増加するが、極端に少ない場合、選択肢がないために左右のみに 広さ感を拡大させることがわかった。

5 4 広さ感

左

3

右 奥

2

手前

1 0 11S

33S

66S

11S

33S

66S

fig.4.3.1.1. 左右手前奥の広さ感と経路のモデル図 [11S,33S,66S]

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かたち    人数

11S

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10 other s11

fig.4.3.1.2 全体のかたちと人数[11S]

かたち    人数

33S

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10 other s11

fig.4.3.1.3 全体のかたちと人数[33S]

かたち    人数

66s

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10 other s11

fig.4.3.1.4 全体のかたちと人数[66S]

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全体数の比較 非対称

2)非対称 左右非対称であるレイアウトのパターン(63B と 31B)を比較した。 前後の広さ感には変化はなく、左右の広さ感の平均にも変化はない . 63B の場合約分岐数の比と広さ感が同等で、31B の場合、分岐数の少ない 1 の側 が分岐数 3 に勝り、広さ感の値が大きくなっている。

5 4

左 右

広さ感

3

奥

2

手前

1 0

63B

31B

63B

31B

fig.4.3.1.5 左右手前奥の広さ感と経路のモデル図 [63B,31B]

かたち    人数

63B

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10 other s11

fig.4.3.1.6 研究フロー 人数

かたち    人数

31B

s1

s2

s3

s4

s5

s6

s7

s8

s9

s10

other s11

fig.4.3.1.7 研究フロー

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4.3.2 片側固定 片側6

左右片側のレイアウトを固定した場合、もう一方の分岐数で広さ感がどのよう に変化するのかを比較して明らかにする。 1) 片側分岐 6 本の場合 片側の分岐が 6 本であるレイアウトのパターン(60 と 63V と 63B と 66S)で比 較した。 片側 6 の側はもう一方の分岐数が増加してもほぼ一定といえる。また、分岐数 が 6 でない方は分岐が増加すると広さ感も増加する。 また、奥の広さ感は分岐数が多くなると小さくなる。

5 4

左

3

右

2

手前

奥

1 0 60

63V

60

63V

63B 63B

66S 66S

fig.4.3.2.1 左右手前奥の広さ感と経路のモデル図 [60,63V,63B,66S]

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45


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かたち    人数

60

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10

other s11

fig.4.3.2.2 全体のかたちと人数[60]

かたち    人数

63V

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10 other s11

fig.4.3.2.3 全体のかたちと人数[63V]

かたち    人数

63B

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10 other s11

fig.4.3.2.4 全体のかたちと人数[63B]

かたち    人数

66s

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10 other s11

fig.4.3.2.5 全体のかたちと人数[66S]

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46


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片側固定 片側3分散

2) 片側分岐3本で分散型の場合 片側の分岐が 3 本で分散したレイアウトのパターン (30 V と 31V と 33V と 35V)で比較した。  一般的にもう一方の分岐数が多くなるほどその方向の広さ感は増加し、 逆に 3 の方の広さ感は小さくなる。また、奥行き感も増加する。

5

広さ感

4

左 右

3

奥

2

手前

1 0 30V

31V

33V

36V

30V

31V

33V

36V

fig.4.3.2.6 左右手前奥の広さ感と経路のモデル図 [30V,31V,33V,36V]

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47


A Model for the Structure of Becoming Disoriented Focused on Educated Guess

30V

かたち    人数

人数

other

fig.4.3.2.7 全体のかたちと人数[30V]

人数

かたち    人数

31V

s1

s2

s3

s4

s5

s6

s7

s8

s9

s10

other s11

fig.4.3.2.8 全体のかたちと人数[31V]

かたち    人数

33V

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10 other s11

fig.4.3..9 全体のかたちと人数[33V]

かたち    人数

36V

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10 other s11

fig.4.3.2.10 全体のかたちと人数[36V]

hitoshi watanabe lab. waseda univ. master's thesis 2006

48


A Model for the Structure of Becoming Disoriented Focused on Educated Guess

片側固定 片側 3 偏り

3) 片側分岐3本で偏り型の場合 片側の分岐が3本で偏りのあるレイアウトのパターン (31 B と 33B と 36B)を比較した。 もう一方が1である時には、1である方向が広く感じる。また、一方が6 であるときは3のときと比べて3である方が広さ感が小さくなる。 これは、 左右の分岐数の比が大きくなるほど少ない方をより狭く感じるのたと考え られる。

5

広さ感

4

左 右

3

奥 手前

2 1 0 31B

33B

36B

31B

33B

36B

fig.4.3.2.11 左右手前奥の広さ感と経路のモデル図 [31B,33B,36B]

hitoshi watanabe lab. waseda univ. master's thesis 2006

49


A Model for the Structure of Becoming Disoriented Focused on Educated Guess

人数

かたち    人数

31B

s1

s2

s3

s4

s5

s6

s7

s8

s9

s10

other s11

fig.4.3.2.12 全体のかたちと人数[31B]

かたち    人数

33B

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10

other s11

fig.4.3.2.13 全体のかたちと人数[33B]

かたち    人数

36B

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10

other s11

fig.4.3.2.14 全体のかたちと人数[36B]

hitoshi watanabe lab. waseda univ. master's thesis 2006

50


A Model for the Structure of Becoming Disoriented Focused on Educated Guess

片側固定 片側 0

4) 片側分岐0本である場合 片側の分岐が 0 本であるレイアウトのパターン (01 と 03V と 06V) について比較 した。 01 の場合、一方しか分岐がないとそちらのほうに強い広がりを感じるが、03,06 であると分岐の多いほうをより広く感じる。しかし、03 のほうが0側の広さ感 が大きい。これは左右の分岐数の比に応じて、その比が大きければ大きいほど 0 の方が対比して狭く感じるからであると考えられる。

5 4 左

広さ感

3

右 奥

2

手前

1 0 01 01

03V 03V

06V 06

fig.4.3.2.15 左右手前奥の広さ感と経路のモデル図 [01,03V,06]

hitoshi watanabe lab. waseda univ. master's thesis 2006

51


A Model for the Structure of Becoming Disoriented Focused on Educated Guess

かたち    人数

01

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10 other s11

fig.4.3.2.16 全体のかたちと人数[01]

かたち    人数

03V

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10

other s11

fig.4.3.2.17 全体のかたちと人数[03V]

かたち    人数

06

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10 other s11

fig.4.3.2.18 全体のかたちと人数[06]

hitoshi watanabe lab. waseda univ. master's thesis 2006

52


A Model for the Structure of Becoming Disoriented Focused on Educated Guess

4.3.3 対称性 分岐 33

対称非対称の比較 分岐数が同じレイアウトであるときに、そのレイアウト(対称や非対称)でど のように変化するのかを比較する。 1) 左右分岐各 3 本 分岐数が左右各3本であるレイアウトのパターン (33S と 33V と 33B) について 比較した。 ほぼ左右の広さ感は同等であるが、若干で言えるのは、左右対称であるよりも、 分岐が分散していたり、視界に変化があったほうが両側に対し広さを感じる。 しかしながら、対称であるほうが進行方向の前後の広さ感は大きくなる。

5

広さ感

4 左

3

右 奥

2

手前

1 0 33S

33V

33B

33S

33V

33B

fig.4.3.3.1 左右手前奥の広さ感と経路のモデル図 [33S,33V,33B]

hitoshi watanabe lab. waseda univ. master's thesis 2006

53


A Model for the Structure of Becoming Disoriented Focused on Educated Guess

かたち    人数

33S

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10 other s11

fig.4.3.3.2 全体のかたちと人数[33S]

かたち    人数

33V

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10 other s11

fig.4.3.3.3 全体のかたちと人数[33V]

かたち    人数

33B

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10

other s11

fig.4.3.3.4 全体のかたちと人数[33B]

hitoshi watanabe lab. waseda univ. master's thesis 2006

54


A Model for the Structure of Becoming Disoriented Focused on Educated Guess

対称性 分岐 11

2) 左右分岐各1本 分岐数が左右各1本であるレイアウトのパターン (11S と 11aS) について比較す る。 対称であるほうが非対称であるよりも左右方向に広さを感じることがわかった。 しかしながら、非対称であるほうが前後の広さ感は大きくなる。

5

広さ感

4

左

3

右

2

手前

奥

1 0

11S

11aS

11S

11aS

fig.4.3.3.5 左右手前奥の広さ感と経路のモデル図 [11S,11aS]

かたち    人数

11S

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10 other s11

fig.4..3.3.6 全体のかたちと人数[11S] 人数

かたち    人数

11AS

s1

s2

s3

s4

s5

s6

s7

s8

s9

s10

other s11

fig.4.3.3.7 全体のかたちと人数[11aS]

hitoshi watanabe lab. waseda univ. master's thesis 2006

55


A Model for the Structure of Becoming Disoriented Focused on Educated Guess

4.3.4 太さの違いー前後位置 分岐 66

太さの違いー前後位置での比較 左右に伸びる1本の太い道路と進行経路が交差する点がどこであるかによって、 広さ感がどのように変化するのかを比較する。 1) 左右分岐各6本 分岐数が左右各6本の場合 (66S と 66SO と 66SC と 66SE) について比較した。 経路が太い道路と交差する場合と交差しない場合を比較すると、中間地点で交 差する場合はしない場合よりも左右の広さ感は大きくなる。最終地点で交差す る場合はしない場合とあまり変わらない。 手前の広さ感は中間地点で交差する場合よりも最終地点で交差、あるいは交差 しない場合のほうが広くなる。 5 4 広さ感

左

3

右 奥

2

手前

1 0 66S

66SO

66SC

66S

66SO

66SC

66SE

66SE

fig.4.3.4.1 左右手前奥の広さ感と経路のモデル図 [66S,66S0,,66SC,s66SE]

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56


A Model for the Structure of Becoming Disoriented Focused on Educated Guess

かたち    人数

66s

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10 other s11

fig.4.3.4.2 全体のかたちと人数[66S]

かたち    人数

66SO

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10 other s11

fig.4.3.4.3 全体のかたちと人数[66SO]

66SC

かたち    人数

人数

other

fig.4.3.4.4 全体のかたちと人数[66SC]

かたち    人数

66SE

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10

other s11

fig.4.3.4.5 全体のかたちと人数[66SE]

hitoshi watanabe lab. waseda univ. master's thesis 2006

57


A Model for the Structure of Becoming Disoriented Focused on Educated Guess

太さの違いー前後位置 分岐 63

2) 左右分岐 6 本と 3 本 分岐数が左右 6 本と 3 本であるレイアウトのパターン (63V と 63VO と 63VC) に ついて比較した。 広さ感の左右の比率は、進行経路が太い道路と交差することによって小さくな ることがわかった。 特に、始めの方で交差する場合にはその比は約1となり、左右に大きな広がり があることを感じさせることがわかった。

5

広さ感

4

左

3

右 奥

2

手前

1 0 63V 63V

63V0

63VC

63VO

63VC

fig.4.3.4.6 左右手前奥の広さ感と経路のモデル図 [63V,63VC0,63V0]

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58


A Model for the Structure of Becoming Disoriented Focused on Educated Guess

かたち    人数

63V

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10

s11 other

fig.4.3.4.7 空間全体のかたちと人数[63V]

かたち    人数

63VO

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10 other s11

fig.4.3.4.8 空間全体のかたちと人数[63VC]

人数

かたち    人数

63VC

s1

s2

s3

s4

s5

s6

s7

s8

s9

s10

s11 other

fig.4.3.4.9 空間全体のかたちと人数[63VC]

hitoshi watanabe lab. waseda univ. master's thesis 2006

59


A Model for the Structure of Becoming Disoriented Focused on Educated Guess

4.3.5 太さの違いー左右位置 分岐 63

左右に伸びる左右片側にだけ太い道路と進行経路が交差したときにレイアウト (分岐が少ない側で交差するか、分岐が多い側で交差するか)でどのような変化 があるのかを比較する。 1) 左右分岐 6 本と 3 本 分岐が左右各6本と3本であるレイアウトのパターン (63V と 63VL と 63VM) の 場合について比較した。分岐の多い方 6 に太い道路があるとき、同じ配置で分 岐の太さが全て同じ場合と比較して、6 の広さ感は変化しないが、少ない側 3 の広さ感が大きくなる。また、少ない側 3 に太い道路があるときには 6 の広さ 感は減少し、3 の広さ感が増加して上回る。よって少ない側の広さ感を増加させ たいとき、左右の広さの大小をそのままにする場合は少ない側に太い道路を配 置し、大小を逆転させたい場合には少ない側に太い道路を配置すればよい。

5 4 広さ感

左

3

右 奥

2

手前

1 0 63V 63V

63VL 63VL

63VM 63VM

fig.4.3.5.1 左右手前奥の広さ感と経路のモデル図 [63V,63VL,63VM]

hitoshi watanabe lab. waseda univ. master's thesis 2006

60


A Model for the Structure of Becoming Disoriented Focused on Educated Guess

かたち    人数

63V

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10

s11 other

fig.4.3.5.2 空間全体のかたちと人数[63V]

かたち    人数

63VL

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10 other s11

fig.4.3.5.3 空間全体のかたちと人数[63VL]

かたち    人数

63VM

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10

other s11

fig.4.3.5.4 空間全体のかたちと人数[63VM]

hitoshi watanabe lab. waseda univ. master's thesis 2006

61


A Model for the Structure of Becoming Disoriented Focused on Educated Guess

太さの違いー左右位置 分岐 31

2) 左右分岐3本と1本 分岐数が左右各3本と1本であるレイアウトのパターン (31V と 31VL と 31VM) について比較した。 分岐の多い方 3 に太い道路があるとき、同じ配置で分岐の太さが全て同じ場合 と比較して、3 の広さ感は増加し、また少ない側 1 の広さ感が小さくなるこの 点については 63 の場合と異なる。また、少ない側 1 に太い道路があるときには 31 両側ともに広さ感が大きくなる。

5

広さ感

4

左

3

右 奥

2

手前

1 0

31V

31VL

31VM

31V

31VL

31VM

fig.4.3.5.5 左右手前奥の広さ感と経路のモデル図 [31V,31VL.31VM]

hitoshi watanabe lab. waseda univ. master's thesis 2006

62


A Model for the Structure of Becoming Disoriented Focused on Educated Guess

人数

かたち    人数

31V

s1

s2

s3

s4

s5

s6

s7

s8

s9

s10

other s11

fig.4.3.5.6 空間全体のかたちと人数[31V]

かたち    人数

31VL

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10 other s11

fig.4.3.5.8 空間全体のかたちと人数[31VL]

かたち    人数

31VM

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10

other s11

fig.4.3.5.7 空間全体のかたちと人数[31VM]

hitoshi watanabe lab. waseda univ. master's thesis 2006

63


A Model for the Structure of Becoming Disoriented Focused on Educated Guess

4.3.6 奥行き 対称

奥行きがある場合とない場合について比較する。 1)対称 左右対称である分岐が左右各 6 本であるレイアウトのパターン (66S と 66SD) に ついて比較した。 奥行きが視覚的に確認できると奥側の広さ感は格段に増加するが、逆に左右の 広さ感が両側ともに小さくなる。全体の形の回答をみてもわかる通り、想像す る形が奥行き方向にのみ、横幅が狭くなったことがわかる。

5 左

4 広さ感

右

3

奥 手前

2 1 0 66S 66S

66SD 66SD

fig.4.3.6.1 左右手前奥の広さ感と経路のモデル図 [66S,66SD]

かたち    人数

66s

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10 other s11

fig.4.3.6.2 空間全体のかたちと人数[66S]

かたち    人数

66SD

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10 other s11

fig.4.3.6.3 空間全体のかたちと人数[66SD]

hitoshi watanabe lab. waseda univ. master's thesis 2006

64


A Model for the Structure of Becoming Disoriented Focused on Educated Guess

奥行き 非対称

2) 非対称 左右非対称である分岐数が左右各6本と3本であるレイアウトのパターン (63V と 63VD) について比較した。 奥行きがあると奥側の広さ感は前項の 66 同様増加し、66 の場合に比べて左 右の広さ感の減少はないが、全体のかたちの回答を見ると、かたちは進行方 向に長いかたちに変化したことがわかる。

5 4 広さ感

左

3

右 奥

2

手前

1 0 63V 63V

63VD 63VD

fig.4.3.6.1 左右手前奥の広さ感と経路のモデル図 [63V,63VD]

かたち    人数

63V

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10 other s11

fig.4.3.6.2 空間全体のかたちと人数[63V]

かたち    人数

63VD

s1

s2

s3

s4

s5

s6

人数

s7

s8

s9

s10

other s11

fig.4.3.6.3 空間全体のかたちと人数[63VD]

hitoshi watanabe lab. waseda univ. master's thesis 2006

65


A Model for the Structure of Becoming Disoriented Focused on Educated Guess

ĺ&#x2C6;&#x2020;ć&#x17E;?

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5

66


A Model for the Structure of Becoming Disoriented Focused on Educated Guess

分析方法

5.1

広さ感の平均値を目的変数にとり、重回帰分析を行う。 また、標準か係数を用いてどの説明変数が強く効いているのかを明らかにした。 □重回帰分析の説明変数|レイアウトの数値化 ・分岐の割合|割合L、割合R    割合L(R)=[左(右)側における分岐幅の合計]m/ 75m ・分岐のバラツキ|標準偏差L、標準偏差R    分岐の幅の並びを数列とみなしたときの標準偏差    標準偏差L(R)=標準偏差[左(右)側分岐幅の数列] ・15m グリッドにおける各分岐点の分岐幅の割合| PnL(n 番目の左側 )                         PnR(n 番目の右側)                         1≦ n ≦ 6    PnL(R)=[n 番目の左(右)側の分岐幅]m/15m ・ゴール地点での奥行きのありなし|奥行き    奥行きあり→ 1

なし→0

また、左右に関しては結果で認知に差がないと結果いえたため、左右を    総合した重回帰分析も行った。これは、求めた結果の広さ感に対し同じ    方向の分岐を P1,P2,,,, 反対側の分岐を O1,O2,,, として分析を行った。    ex) 割合 P, 割合 O, 標準偏差 P、標準偏差 O,P1,P2,,,P6,O1,O2,,,,O6 □重回帰分析の目的変数 各パターンにおける、左右前後の広さ感の平均値

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67


A Model for the Structure of Becoming Disoriented Focused on Educated Guess

左右の広さ感

5.2.1

左右を同等に認知するものとして扱い、重回帰分析を行った。 Pを広さ感を感じる方向、O をその反対側とすると、 広さ感= 0.801* 標準偏差P+ 4.452*P4+3.604*P3-1.790*O1-0.765*O6+2.132(定 数) と表された。 各因子の影響度は P4 > P3 >標準偏差 P > O1(負)> O6(負) となっており、広さ感を感じる方向の中間付近の分岐の広さや多さが影響して いるといえる。また、均一に広がりのある空間よりも、ある手度バラツキ(起伏) のあるほうが広く感じやすい。 tab.5.1.1.1 係数(左右総合) 非標準化係数 B

標準化係数

標準誤差

(定数)

2.132

0.148

標準偏差P

0.801

0.229

P4

4.452

P3

ベータ

t

有意確率

14.409

0.000

0.303

3.506

0.001

0.498

0.749

8.947

0.000

3.604

0.549

0.561

6.559

0.000

O1

-1.790

0.561

-0.280

-3.190

0.003

O6

-0.765

0.451

-0.145

-1.697

0.096

tab.5.1.1.2 分散分析(左右総合) 平方和

自由度

平均平方

回帰

14.918

5

2.984

残差

6.023

46

0.131

全体

20.940

51

F値 22.788

有意確率 0.000

tab.5.1.1.3 除外された係数(左右総合) 投入された

共線性の統

ときの標準 回帰係数

計量 t

有意確率

偏相関

許容度

.010(k)

0.060

0.952

0.009

0.238

標準偏差O

-.028(k)

-0.334

0.740

-0.050

0.895

奥行き

-.021(k)

-0.250

0.804

-0.037

0.891

P6

.109(k)

0.997

0.324

0.147

0.520

P5

-.073(k)

-0.619

0.539

-0.092

0.460

P2

.072(k)

0.739

0.464

0.110

0.663

P1

-.120(k)

-0.872

0.388

-0.129

0.334

O5

-.036(k)

-0.344

0.732

-0.051

0.586

O4

-.055(k)

-0.509

0.613

-0.076

0.545

O3

.092(k)

0.642

0.524

0.095

0.310

O2

.040(k)

0.442

0.660

0.066

0.789

割合P

.073(k)

0.353

0.726

0.053

0.149

割合O

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68


A Model for the Structure of Becoming Disoriented Focused on Educated Guess

左の広さ感

5.2.2

左側の広さ感に対し、重回帰分析を行った。 広さ感= 6.372* 割合L -4.046*P1R+0.665* 標準偏差 L+3.806*P3R1.416*P2R+1.977(定数) と表された。 各因子の影響度は 割合L> P1R(負)> P3R > P2R(負)>標準偏差 L となっており、左側の分岐の割合が重要であり、右側の分岐の最初の方に 分岐があったり太かったりすると左側の広さ感は小さくなるが、右側の中 間部分の分岐の太さは左側の広さ感に正の影響を与えることがわかった。

tab.5.1.2.1 係数(左) 非標準化係数 B (定数)

1.977

標準化係数

標準誤差

ベータ

0.208

共線性の統計量 t 9.512

有意確率

許容度

VIF

0.000

6.372

0.997

0.858

6.394

0.000

0.709

1.410

-4.046

1.284

-0.588

-3.150

0.005

0.368

2.720

標準偏L

0.665

0.331

0.231

2.008

0.058

0.965

1.036

P3R

3.806

1.485

0.538

2.564

0.019

0.291

3.441

P2R

-1.416

0.805

-0.254

-1.760

0.094

0.616

1.625

割合L P1R

tab.5.1.2.2 分散分析(左) 平方和

自由度

平均平方

回帰

9.176

5

1.835

残差

3.153

20

0.158

全体

12.330

25

F値 11.639

有意確率 0.000

tab.5.1.2.3 除外された係数(左) 投入された

共線性の統

ときの標準 回帰係数

有意確率

偏相関

t

計量 許容度

VIF

最小許容度

割合R

-.147(g)

-0.614

0.547

-0.139

0.229

4.371

0.206

標準偏R

-.099(g)

-0.647

0.525

-0.147

0.566

1.766

0.284

奥行き

.003(g)

0.021

0.984

0.005

0.896

1.116

0.290

P1L

-.156(g)

-0.890

0.385

-0.200

0.423

2.366

0.290

P2L

.022(g)

0.131

0.897

0.030

0.460

2.173

0.291

P3L

.012(g)

0.079

0.938

0.018

0.587

1.703

0.262

P4L

.278(g)

1.115

0.279

0.248

0.203

4.914

0.178

P5L

-.181(g)

-1.022

0.320

-0.228

0.405

2.469

0.290

P6L

.114(g)

0.728

0.475

0.165

0.538

1.858

0.286

P4R

-.069(g)

-0.480

0.636

-0.110

0.646

1.548

0.211

P5R

-.173(g)

-1.222

0.237

-0.270

0.625

1.599

0.289

P6R

.045(g)

0.314

0.757

0.072

0.653

1.532

0.219

hitoshi watanabe lab. waseda univ. master's thesis 2006

69


A Model for the Structure of Becoming Disoriented Focused on Educated Guess

右の広さ感

5.2.3

右側の広さ感に対し、重回帰分析を行った。 広さ感= 3.704*P4R+4.352*P3R-2.368*P1L+0.920* 標準偏差 R-0.998*P6L+2.211(定数) と表された。 各因子の影響度は P3R > P4R > P1L(負)>標準偏差 R > P6L となっており、右側中心部の分岐の太さおよび右側のバラツキは広さ感に 正の影響を及ぼすが、左側の最初と最後の分岐の太さは負の影響を及ぼす ことがわかった。

tab.5.1.3.1 係数(右) 非標準化係数 B

標準化係数

標準誤差

(定数)

2.211

0.206

P4R

3.704

0.621

P3R

4.352

0.816

P1L

-2.368

標準偏R P6L

ベータ

共線性の統計量 t

有意確率

許容度

VIF

10.751

0.000

0.711

5.966

0.000

0.903

1.107

0.738

5.336

0.000

0.671

1.491

0.760

-0.401

-3.116

0.005

0.773

1.294

0.920

0.329

0.386

2.796

0.011

0.672

1.489

-0.998

0.587

-0.217

-1.701

0.104

0.786

1.273

tab.5.1.3.2 分散分析(右) 平方和

自由度

平均平方

回帰

0.557

2

0.278

残差

1.678

23

0.073

全体

2.235

25

F値 3.815

有意確率 0.037

tab.5.1.3.3 除外された(右) 投入された ときの標準 回帰係数

共線性の統計量 t

有意確率

偏相関

許容度

VIF

最小許容度

割合L

.056(e)

0.199

0.845

0.046

0.170

5.873

0.170

割合R

-.197(e)

-0.663

0.515

-0.150

0.149

6.693

0.149

標準偏L

-.114(e)

-0.970

0.344

-0.217

0.930

1.075

0.660

奥行き

-.037(e)

-0.279

0.783

-0.064

0.782

1.278

0.600

P2L

.091(e)

0.641

0.529

0.145

0.649

1.540

0.609

P3L

-.216(e)

-1.135

0.270

-0.252

0.349

2.869

0.349

P4L

.219(e)

1.025

0.318

0.229

0.280

3.576

0.280

P5L

-.042(e)

-0.238

0.814

-0.055

0.430

2.324

0.430

P1R

-.220(e)

-0.956

0.351

-0.214

0.243

4.107

0.243

P2R

-.068(e)

-0.447

0.660

-0.102

0.578

1.730

0.484

P5R

.036(e)

0.200

0.844

0.046

0.424

2.359

0.424

P6R

-.061(e)

-0.429

0.673

-0.098

0.663

1.509

0.652

hitoshi watanabe lab. waseda univ. master's thesis 2006

70


A Model for the Structure of Becoming Disoriented Focused on Educated Guess

奥の広さ感

5.2.4

奥側の広さ感に対し、重回帰分析を行った。 広さ感= 2.742* 奥行き -1.403*P1L+1.195*P6L+0.418* 標準偏差 L+1.388 (定 数) と表された。 各因子の影響度は 奥行き> P6L > P1L(負)>標準偏差 L となっており、やはり奥行が見えるということが最も重要であり、その次 には左側の最終分岐の太さが大きな影響を与えることがわかった。

tab.5.1.4.1 係数(奥) 非標準化係数 B (定数)

1.388

標準化係数

標準誤差

ベータ

0.124

共線性の統計量 t 11.202

有意確率

許容度

VIF

0.000

2.742

0.190

0.936

14.454

0.000

0.977

1.024

P1L

-1.403

0.535

-0.175

-2.621

0.016

0.920

1.087

P6L

1.195

0.419

0.191

2.855

0.009

0.912

1.096

標準偏L

0.418

0.213

0.128

1.966

0.063

0.965

1.037

奥行き

tab.5.1.4.2 分散分析(奥) 平方和

自由度

平均平方

回帰

14.473

4

3.618

残差

1.363

21

0.065

全体

15.836

25

F値 55.732

有意確率 0.000

tab.5.1.4.3 除外された係数(奥) 投入された ときの標準 回帰係数

共線性の統計量 t

有意確率

偏相関

許容度

VIF

最小許容度

割合L

-.038(d)

-0.262

0.796

-0.059

0.200

4.999

0.200

割合R

-.011(d)

-0.149

0.883

-0.033

0.795

1.257

0.795

標準偏R

-.047(d)

-0.620

0.542

-0.137

0.723

1.383

0.723

P2L

-.028(d)

-0.359

0.724

-0.080

0.703

1.423

0.703

P3L

-.042(d)

-0.397

0.695

-0.088

0.389

2.572

0.378

P4L

.109(d)

0.819

0.423

0.180

0.234

4.281

0.234

P5L

-.031(d)

-0.342

0.736

-0.076

0.531

1.883

0.508

P1R

-.013(d)

-0.181

0.858

-0.041

0.798

1.253

0.798

P2R

-.014(d)

-0.193

0.849

-0.043

0.853

1.172

0.831

P3R

-.045(d)

-0.622

0.541

-0.138

0.807

1.240

0.807

P4R

.004(d)

0.059

0.954

0.013

0.897

1.115

0.872

P5R

-.004(d)

-0.056

0.956

-0.013

0.809

1.235

0.762

P6R

.025(d)

0.346

0.733

0.077

0.788

1.269

0.788

hitoshi watanabe lab. waseda univ. master's thesis 2006

71


A Model for the Structure of Becoming Disoriented Focused on Educated Guess

手前の広さ感

5.2.5

手前側の広さ感に対し、重回帰分析を行った。 広さ感= 1.377*P1R-0.555*P6L+1.703(定数) と表された。 各因子の影響度は P1R > P6L となっており、奥側の広さ感では左側最終の分岐が強く影響を及ぼすのに 対し、手前ではその対角線上の右側最初の分岐が最も影響を及ぼすことが わかった。

tab.5.1.5.1 係数(手前) 非標準化係数 B

標準化係数

標準誤差

1.703

0

P1R

1.377

1

P6L

-0.555

0

(定数)

共線性の統計量

ベータ

t

有意確率

19.367

VIF

0.000

0.470 0

許容度

3

0

0.985

1.015

-1

0

0.985

1.015

tab.5.1.5.2 分散分析(手前) 平方和

自由度

平均平方

回帰

0.557

2

0.278

残差

1.678

23

0.073

全体

2.235

25

F値

有意確率

3.815

0.037

tab.5.1.5.3 除外された係数(手前) 投入された ときの標準 回帰係数

共線性の統計量 t

有意確率

偏相関

許容度

VIF

最小許容度

割合L

.201(b)

0.765

0.452

0.161

0.483

2.069

0.483

割合R

-.028(b)

-0.096

0.924

-0.020

0.398

2.511

0.398

標準偏L

.139(b)

0.755

0.458

0.159

0.984

1.016

0.969

標準偏R

.200(b)

0.834

0.413

0.175

0.574

1.741

0.574

奥行き

-.109(b)

-0.569

0.575

-0.120

0.909

1.101

0.897

P1L

.222(b)

1.134

0.269

0.235

0.845

1.184

0.845

P2L

.002(b)

0.011

0.991

0.002

0.737

1.357

0.737

P3L

.119(b)

0.585

0.565

0.124

0.812

1.231

0.811

P4L

.042(b)

0.130

0.898

0.028

0.330

3.030

0.330

P5L

.177(b)

0.838

0.411

0.176

0.741

1.350

0.736

P2R

-.130(b)

-0.634

0.532

-0.134

0.799

1.251

0.799

P3R

-.228(b)

-0.762

0.454

-0.160

0.373

2.684

0.373

P4R

-.070(b)

-0.364

0.719

-0.077

0.920

1.087

0.920

P5R

.145(b)

0.683

0.502

0.144

0.737

1.357

0.726

P6R

.101(b)

0.526

0.604

0.112

0.915

1.093

0.915

hitoshi watanabe lab. waseda univ. master's thesis 2006

72


A Model for the Structure of Becoming Disoriented Focused on Educated Guess

まとめ

5.3

以上より、前後左右の広さ感に最も影響を及ぼす部分は以下のようになる。

右

奥

手前

↓

↓

↓

↓

左

↓

左右総合

スタート ゴール 割合が広さ感を上昇させる基点 割合が広さ感を減少させる基点 全体のばらつきが広さ感を上昇させる列 全体の割合が広さ感を上昇させる列 広さ感が上昇する方向

↓

fig.5.2.1 広さ感に影響を与える要素・部位

そのような広がりをもたせるための経路空間は、たとえば以下のような例が あてはまる。 右

奥

手前

↓

↓

↓

↓

左

↓

左右総合

fig.5.2.2 広さ感を向上させる経路の例

hitoshi watanabe lab. waseda univ. master's thesis 2006

73


A Model for the Structure of Becoming Disoriented Focused on Educated Guess

çľ?čŤ&#x2013;

hitoshi watanabe lab. waseda univ. master's thesis 2006

6

74


A Model for the Structure of Becoming Disoriented Focused on Educated Guess

まとめ

6.1

以上の結果より、歩行者がある傾向のもとに空間を歩行しながら未知の部分 に大しての推測を行っている事と、経路の形状と歩行者が歩きながら感じる広 さ感の関係が明らかになった。分岐経路の割合(太さ)だけではなく、分岐の 場所によっても広さ感に影響を与える方向がことなることは、予想とはまた異 なり、興味深い結果となった。  この結果にそった使いかたをすることで第一章の迷いモデルに基づき、経路 の面では歩行者の推測と一致し、迷いをなくすべき場所では迷いを減少させる ことができる。  また、この結果を用いて意外性のある新たな空間演出をすることも可能であ る。よって、この空間形状と推測との関係を明らかにすることは、設計士が今 まで感覚的に考えてきたことを工学的に明らかにすることでもある。  今後、さらなる空間構成のバリエーション、また空間構成にとどまらず、色 彩や機能的な部分など、様々な推測のレイヤーにおける探求が必要である。

hitoshi watanabe lab. waseda univ. master's thesis 2006

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A Model for the Structure of Becoming Disoriented Focused on Educated Guess

おわりに

この研究を終えて、やり遂げた感があるかというと、そうでもない。それは、 この研究が私の考えていることを解きほぐしていくまだ過程にあるのであって、 まだ足りないというのが実際のところだからある。この自分との対話はこの研 究を終えてからも続いて行くと思う。  「今更『迷い』?」と思ったけれども、そのような基本的な行動を考えることは、 きっと「美しいとは何か」ということを考えるのと近い気がする。アナログな ことを考えているようでデジタルなことでもある、複雑なようでシンプルでも ある、広大なようで小さなことでもある。  自分との対話の中に終わりが見えなかったことは、自分の前進を終わらせな いために、救いでもある。  研究とは、執筆が終わるころにまたやりたくなるものなのかもしれない。

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謝辞 みんなありがとう

この論文を通じてお世話になった人、3 年間の研究室生活でお世話になったみん なに感謝します。 どうしようもなく途方に暮れてから個人的に話す機会を何度も設けて頂き、的 確なアドバイスをいただいた渡辺先生。 3 年間、わがままいっぱいだった私をなんだかんだいって最後まで指導してくれ た林田さん。 会議では的確なアドバイスをくださり、困ったときには相談に乗ってくれた長 澤さん。 お忙しい中時間を割いていただき、このテーマを考えるきっかけをくださった コトブキ藤井さん。 おいしいミートソースパスタつきの特別ゼミをしてくれた遠田さん。 いつも話をしたいときにすぐきいてくれて、いつも長々とつきあってくれた小 沼くん。 心配して声をかけてくれたあれいちゃん。 ゲリラ的実験に文句をいわずつきあってくれたみんな。 なが∼いゼミを一緒にこなしてきた行動ゼミのみなさん。  (KID、まっすん、あれいちゃん、おぎ、おが、おぬま、めぐちゃん&林田さん) 一緒に修論を書き上げた M 2のみんな。 とくに最後の夜を共にした おいしいコーヒーをいれてくれたテルポン。ノリをあげてくれた横チン。みん なのお世話してくれた礼ちゃん。 今まで好きな勉強をさせてくれた両親。 新宿の景色が朝も昼も夜の世界一きれいにみえるこの研究室。 この3年間大好きな人たちに出逢えて本当に楽しかった。

みんなありがとう!

2007.2.8 小坂麻有

hitoshi watanabe lab. waseda univ. master's thesis 2006

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A Model for the Structure of Becoming Disoriented Focused on Educated Guess

参考文献

タイトル

筆者など

出版社

建築・都市計画のための空間学事典

日本建築学会(編)

井上書院 1996.11

出版年月

そしてコミュニケーションをめぐる旅

Peter Mobil(著)    浅野紀予 (訳)

オーム社

都市のイメージ

ケヴィン・リンチ(著)    丹下健三(訳) 岩波書店 1968.01

アンビエント・ファインダビリティ̶ウェブ、検索、 2006.04

サインデザインハンドブック サイン用語:基礎用語編

日本サインデザイン協会

空間のグラフィズム

広村正彰

六曜社

2002.10

2005.03

Design Rule Index-デザイン、新・100の法則

William Lidwell Kristina Holden Jill Butler

BNN新社

2004.06

建築設計資料集成[人間]

日本建築学会(編)

丸善

2003.01

タイトル

URL

Ambient Devices社

http://www.ambientdevices.com/

仔猫の遊び場ー心理学

http://www.oak.dti.ne.jp/~xkana/psycho/

hitoshi watanabe lab. waseda univ. master's thesis 2006

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A Model for the Structure of Becoming Disoriented Focused on Educated Guess

参考

1

サイン及び情報、デザインに ついて

参考 : 情報ーサインとは  サインは、より良い空間デザインを目指して議論される中で、1960 年代から 用いられるようになったことばであり、英語で「符号、記号、象徴、印、標、信号、 合図、身ぶり、看板、兆し」を表す「sign」を語源に、これらに共通している「情 報」とそれによって行われる「コミュニケーション」に着目し、「告知の機能を 持った情報」という概念を表すことばとして用いられるようになった。  人間は日常さまざまなサインを読み取って生活している。例えば、空が曇っ てきたら雨が降るかもしれないと傘を用意し、見知らぬ街でも建物が集まって いるところに行けば食事や買い物ができるだろうと想像して行動する。つまり、 自然現象も都市空間も文字で書かれているわけではなく、いろいろな形で私た ちに情報を投げかけており、サインを広義に扱えると「人が感じ取れる情報を 発しているものすべてがサイン」といえる。  その中でサインデザインとは、より意図的に、あるいは直接的に働きかける ことによって行動を助ける情報提供を目的にしている。従来これらは、個別に 計画を行ったが、サインデザインでは屋外広告物はもとよりストリートファニ チャや商業施設が持っているいる情報までも含めて伝達することを考える。主 情報を総合的に捉え、適切な形で告知することがサインデザインに課せられた 役割である。つまりサインデザインは、 サインの概念を空間づくり転適応させ「案 内表示や屋外広告などの情報を空間の中で意図的に告知するデザイン」と定義 づけることができる。 サイン計画の目的 例えば、飲食店のサインデザインを行なうとする。そのとき、多くの客をよび こむためには、店舗の名前が示されている看板のみでは効果は少なく、看板、 ディスプレイ、におい、呼び声等々あらゆる情報を動員しておいしさやメニュー、

*1 アアアアアアアアアアアア アアアアアアアアアアアアアア アアアアアアアアアアアアアア アアアアアア NIS ACIPSUSCIP ESSENIM ZZRIL INIBH

雰囲気などを伝えなければならない。近年の都市空間は高度に複合化し、店舗 も路面店だけでなく地下街や高層ビルの最上階にまで立地し、直接店頭を見る ことができない店舗も増えていり。この場合は、チラシやインターネットなど による情報提供まで含めて考えなければなりません。デザインという行為は、 ややもすると色や文字などの外見に気を取られがちであるが、それもまず「何 をどのように伝えればよいのか」という情報のデザインが行われてはじめてイ メージできる。サインデザインでは特にこの点に留意し、さまざまな情報を組 み合わせて人の判断を補佐する情報を提供することを目的に行う。

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79


A Model for the Structure of Becoming Disoriented Focused on Educated Guess

1

コミュニケーション コミュニケーションとは、人の意思伝達の行為と定義することができる。考え たことを情報に置き換え、これをことばや表情によって相手に伝えることを指 す。ここで重要なことは単に情報が伝わることではなく、 相手が理解できること、 行動に繋がるような意思伝達が行われるということである。 人は何かを伝えたいとき、まず伝えたい内容をうまく表現することばやイメー ジを自分の頭の中にある知識という情報倉庫から取り出して、文字や形として コード化される。その後、文字や形は、紙や広告板などのメディアを通して相 手に届けらる。 一方、受信者は、表示された文字や形を知覚すると自分の知識の中にあるスト ックから該当することばやイメージと照合させて意味に戻す。 この一連の作業では、まず両者の知識に同じストックがあることが求められる。 ことばはもとより体験から得た事柄なども含めて、相手がイメージできる内容 を用いることが「わかる」ことに繋がる。 新しいサイン、新しいデザイン   五感回帰とともに、工業デザインや空間デザインにおいてイメージと異なる

サインをデザインするときに留

形態をもたせるというデザインの流れがある。例えば、換気扇のように操作す

文献では

意するべき点として、

る CD プレーヤー、ポットのかたちをした発信器など感覚的に扱えるものばか

1. 発見されやすいこと

りである。この感覚というのは自分の知識のなかでこなれて知識としては認識

3. よく管理されていること

されずに反射としてアウトプットされるものである。これらは、情報がかなら

5. 周辺環境と共存していること

2. 素早く理解できること 4. 情報に一貫性があること

ずしもフレームをもたせなくてよく、その方が生活のなかにとけこめるという ことを世の中になげかけているのではないだろうか。

fig.  みまもりほっとライン

fig.  壁掛け式 CD プレーヤー

hitoshi watanabe lab. waseda univ. master's thesis 2006

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推測に基づく迷い歩行モデル by hitoshi watanabe - Issuu