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    早稲田大学理工学部建築学科卒業論文             指導教授 渡辺仁史

「待ち空間」 での匂いによる感覚時間の短縮効果に関する研究

1G03D057-3  京尾 淳一

Department of Architecture , School of Science and Engineering , Waseda University


待ち空間での匂いによる感覚時間の短縮効果に関する研究  

             

はじめに

         最初は、人間に関する事を卒論でやりたいと考えていたが、 色彩がポシャり、パーソナルス

ペースがポシャり、 なかなかテーマが決まらずに悩んでいた。   そんな時、ネットなどの文章を読んでいて、喫茶店で「コーヒーの良い香りで時が経つのを 忘れる」、また登山などで「木々の香りで時が経つのを忘れる」など、ふと、気になる表現が 目についた。  小説など、色々な文章の中でも使われている「香り(匂い)」で「時間」を忘れるという表 現である。 この表現が誇張でないのは、自らの体験からなんとなく想像できた。  人は匂いによって、感じる時間が変化するのではないか?そして、もし匂いによって人が感 じる時間を調節できるならば様々な場所、状況をより快適にできるのではないか?  このような思いから、 本研究をするに至った。

早稲田大学 渡辺仁史研究室 2006年度 卒業論文             - 2 -


待ち空間での匂いによる感覚時間の短縮効果に関する研究  

             

 目次

       

はじめに                                       2 3 目次                                           第1章 序論                                          1­1 研究目的

  1­2 研究背景

8   1­3 用語の定義                                   第2章 匂いの現状                                    2­1 匂い (香り) の効果                         

10

  2­2 匂いと空間認識(行動)との関係                   

11

  2­3 既往研究     2­3­1 研究の位置づけ                          

12

    2­3­2 環境工学における匂いに関する研究                 

13

    2­3­3 アロマテラピーにおける匂いに関する研究

14

    2­3­4 待ち空間における待ち時間のイライラ度に関する調査

15

第3章 研究方法   3­1 研究概要

17

  3­2 実験概要

18

  3­3 実験方法     3­3­1 匂いによる感覚時間変化に関する実験(待ち行列空間)

24

    3­3­1 匂いによる感覚時間変化に関する実験(非待ち行列空間)

27

第4章 実験結果   4­1 匂いの有無による感覚時間変化     4­1­1 作成法で得た感覚時間

31

    4­1­2 無臭の感覚時間に対するその他匂いの割合(標準化)

32

  4­2  アンケート調査で得た感覚時間と作成法で得た感覚時間の比較

33

  4­3  離れ値を考慮した感覚時間

35

  4­4  時間別の匂いの印象

40

早稲田大学 渡辺仁史研究室 2006年度 卒業論文             - 3 -


待ち空間での匂いによる感覚時間の短縮効果に関する研究  

第5章 分析・考察

             

       

  5­1  手法別の感覚時間の検証

41

  5­2   「待ち行列空間」 と 「非待ち行列空間」における感覚時間の比較

43

第6章 まとめ・展望   6­1  まとめ

45

  6­2  展望

46

おわりに

47

参考文献

48

資料編

49

早稲田大学 渡辺仁史研究室 2006年度 卒業論文             - 4 -


1 序論

5


待ち空間での匂いによる感覚時間の短縮効果に関する研究  

             

1­1 研究目的

        匂いを空間構成要素の1つとして捉え、 「 待ち空間」における匂いと感覚時間の関係を明らか

にし、 匂いを用いた快適な 「待ち空間」を計画する手法を得る事を目的とする。

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待ち空間での匂いによる感覚時間の短縮効果に関する研究  

             

1­2 研究背景

         現代はストレス社会となり、 ちょっとしたことでストレスを感じてしまう。そのため、スト

レスを経過に軽減するか考えることはこれから必要な事である。  「待ち空間」において、待ち時間が長い場合は、本を読んだり、その場を離れたりすることで、 感覚時間を短くし、待ち時間によるストレスを回避することが可能である。また、長い待ち時 間の空間では、 デザインによって快適にする事も可能である。  しかし、待ち時間が短い場合は、感覚時間が長くなってしまい、ストレスを回避することが 難しい。  そこで、待ち時間が短い空間に対して匂いを利用し、感覚時間を短くして待ち空間を快適に する。

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待ち空間での匂いによる感覚時間の短縮効果に関する研究 

     第2章 研究背景

1­3 用語の定義

        ○待ち行列空間

  店舗におけるレジ、銀行のATM、遊園地におけるアトラクションの順番待  ちなど、列をつくって待つ空間。 ○非待ち行列空間   エレベーター、信号、駅のホームなど列を作らずに待つ空間 ○感覚時間   実時間(時計、その他装置によって計測される時間)に対して、我々の判  断によって成立する時間。実時間に対して感覚的に短く感じていたり、長く  感じていたりする時間のことである。   

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2 匂いの現状

9


待ち空間での匂いによる感覚時間の短縮効果に関する研究 

     第2章 研究背景

2­1 匂い(香り)の効果

          匂 い( 香 り )に は 、人 間 の 右 脳 に 直 接 働 き か け、集 中 力・発 想 力・潜 在 能 力

をあげる効果や、過去の記憶を呼び起こすブルースト効果があると言われてい る。  異なる匂いごとに、特有の効果があるが、その中にはリラックス効果、食欲 増進、疲労感の軽減、作業効率の向上、ストレスの緩和といったものが、認め られる実験結果がある。また、睡眠への影響についても報告がある。  このような効果は、はっきりしたメカニズムはわかっていないが、一般には、 匂いをかぐと芳香物質が嗅覚を刺激し、信号となって鼻から脳に伝わり、その 過程で感情や気分を決める物質の分泌を促して効果が生じるといわれる。

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待ち空間での匂いによる感覚時間の短縮効果に関する研究 

     第2章 研究背景

2­2 匂いと空間認識(行動)との関係

         空間と個人の関係の中に、 「 匂い」という要素が加わると、空間・行動の捉

え方が変わる。  五感において、 「 視覚」と「触覚」は直接的に空間を認識するのに対し、 「 嗅覚」 や「聴覚」は間接的に空間を認識するモノであるが、 「 視覚」、 「 触覚」と同じ ように、空間を認識するための重要な役割を担っている。  匂いとは、言うなれば目に見えない空間であり、それをデザインすることで、 目的に合った空間の質を向上させる事ができる。また、匂いは右脳に直接働き かけるものであるため、人の空間・行動の捉え方も無意識に変化させる。  これまでの建築計画における研究では、匂いによる誘導システムや、経路の 記憶に関する研究などがあり、サインとしての役割を果たす事が出来ると言え る。つまり用途に合わせて匂いを有効利用する事により、建築計画におけるデ ザインの幅が広がるといえる。  空間をデザインすることにおいて、空間の在り方、空間の質、システム、快 適性などをより向上させるために、匂いを取り入れ、匂いをどうデザインして いくか考えることが重要である。

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待ち空間での匂いによる感覚時間の短縮効果に関する研究 

     第2章 研究背景

2­3 既往研究 2­3­1 研究の位置づけ         建築計画の分野において、  これまで、 視覚や聴覚による空間認知や感覚時間

に関する研究は行われてきたが、嗅覚による空間認知や感覚時間の関係を解明 する研究はほとんど行われていない。環境工学や材料工学の分野では、建築計 画へ応用できる研究はなされていない。  一方、建築計画の中で、最近、空間の印象評価や、サイン計画など、匂いと 建築に関する研究が行われ始めている。本研究は、 「 待ち空間」における、匂 いの有効利用を目的とした研究を行う。    

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待ち空間での匂いによる感覚時間の短縮効果に関する研究 

     第2章 研究背景

2­3­2 アロマテラピーにおける匂いに関する研究         ○アロマテラピーに関する研究

  アロマテラピーとは、花や木など、植物に由来する芳香成分(精油)を用  いて、心身の健康や美容を増進する技術、もしくは行為のことである。   生活に自然の香りを取り入れ、ストレスを解消したり心身をリラックスさ  せる事が知られている。アロマテラピーの研究では主に香り別にどのよう   な効果があるかという研究を行っている。 例  レモン   精神への作用 リフレッシュ 身体への作用 風邪の予防、血行改善、食欲増進 オレンジ   精神への作用 リフレッシュ、リラックス 身体への作用 精神安定、疲労回復、空気清浄効果 マジョラム  精神への作用 リラックス  身体への作用 頭痛、筋肉痛の改善 便秘改善 ベルガモット  精神への作用 リフレッシュ、リラックス  身体への作用 疲労回復、痛みを和らげる、抗菌作用 ペパーミント  精神への作用 リフレッシュ  身体への作用 鼻づまりや頭痛の改善、二日酔いや吐き気 ローズウッド  精神への作用 リラックス  身体への作用 肌のトラブルを抑える、体を丈夫にする

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待ち空間での匂いによる感覚時間の短縮効果に関する研究 

     第2章 研究背景

2­3­3 建築計画、 環境工学における匂いに関する研究         ○建築計画

 ・嗅覚による経路記憶力の助長効果に関する研究  ・室内環境の快適性と単純作業パフォーマンスに関する考察̶室内の気温及   び香りによる覚醒がパフォーマンスに及ぼす影響̶  ・観葉植物,花,香りが人間に及ぼす生理・心理的効果の脳波およびSD法に   よる解析 ○建築環境  ・病院内のにおいに対する看護者の意識と不快なにおいの評価  ・視・聴・嗅覚が温冷感覚に与える影響に関する研究  ・香り空調の実態と室内環境における心理的効果  ・グリーンアメニティの知覚効果に関する研究 観葉植物、花、香りが人間に   及ぼす生理・心理的  効果の脳波および SD 法による解析  ・人間の嗅覚に基づく室内空気質の評価に関する基礎的研究 ○建築材料  ・建築材料から発生するにおいの主観評価 ̶(その3)臭気濃度がにおいの強   さ、快適性、嗜好性、容認性に与える影響  ・知覚空気質に対する嗅覚と感覚刺激に関する研究̶合板から発生する化学   物質に関する被験者実験̶

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待ち空間での匂いによる感覚時間の短縮効果に関する研究 

     第2章 研究背景

2­3­4 待ち時間に対する意識調査          日常生活の様々な状況で発生する 「待ち時間」に関して、現代人がどのよう

に感じているか、ビジネスパーソン400人(男性220、女性180)を対象に調 査した結果がある。  その中で、どの程度待たされるとイライラを感じるのか。 「 様々な状況(シー ン)の待ち時間でイライラを感じるまでの限界時間」を調査したものがあり、 次のような結果が出ている。   総合病院 役所

            半数強が「30分」でイライラ       

金融機関のATM

       「10分」経つと過半数がイライラ

         「3分」∼「5分」が7割以上

通勤時の電車の遅れ 飛行機の出発遅れ エレベーターを待つ 歩行者として信号を待つ

        「5分」遅れたら半数強がイライラ          「30分」で6割がイライラ         6割強が「30秒」まで       「30秒」までが半数

スーパー、コンビになどでのレジ待ち   約半数が「1分」でイライラ 恋人と待ち合わせ(屋内)

      「30分」以内で半数以上がイライラ

恋人と待ち合わせ(屋外)

      「20分」以内で半数以上がイライラ

レストランの空席待ち

       「7分」までで半数がイライラ

パソコンの立ち上がり

       「1分」で7割がイライラ

 また、この他に、 「 覚悟の行列���ち時間」という項目で、待つのが当たり前 の状況で、どの程度待ち時間を覚悟しているのか調査したものがあり、結果が 次の通りである。 記念品、限定品、前売り券などの売りだし 大人気の飲食店

     「1時間」までが半数

                「30分」で半数

深夜帰宅の駅前タクシー乗り場

          「15分」で半数

休日のデパート、ショッピングセンターの駐車入場待ち  「15分」で半数 劇場、映画館や乗り物などでの順番待ち テーマパークのアトラクション待ち

      「30分」で7割以上         「30分」で約半数

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3 研究方法


待ち空間における匂いによる感覚時間の変化に関する研究 

     第3章 研究方法

3­1 研究概要

         

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待ち空間における匂いによる感覚時間の変化に関する研究 

     第3章 研究方法

3­2  実験概要

        ○実験日時

2006年10月5日、10月16日

○実験場所 早稲田大学大久保キャンパス  55号館S棟9階  E系サロン

○被験者 健常成人20名(20代男性16名、20代女性4名) 待ち行列空間、非待ち行列空間の実験それぞれ10名

○協力者 待ち行列を作ってもらう協力者として1回の実験に4名、計20名(20代男女) 図3-2-1 アロマオイル ○実験器具 ・アロマオイル(図3-2-1)  【レモン オレンジ ラベンダー カモミール ベルガモット マジョラム サンダルウッド   スペアミント】 ・建材(ヒノキ、15cm 15cmの角材) (図3-2-2) ・ストップウォッチ ・ビン (図3-2-3) ・お湯 図3-2-2 ヒノキ

・計算用紙(行列作成時用) ・アンケート用紙

※アロマオイルの選択について 過去の研究で「生理的要因において、薬の興奮剤は感覚時間を長く感じさせ、鎮静剤は短く感じさ せる」という報告がでている。また、脳波測定により覚醒効果が確認された香科、鎮静効果が確認さ れた香科が別の研究によって明らかになっている。  この二つを踏まえた上で、本研究では鎮静効果があるとされる香科8種類を実験に使用する。 図3-2-3 ビン

※ヒノキの選択について 現在シックハウスの問題などで、社会的に建材の匂いはいいイメージに思われていない。また匂い のある自然塗料などは、時間が経つと匂いがなくなってしまう。木材は天然の素材であり、匂いも比 較的長く続く。本研究では匂いのある木材の代表的なものとしてヒノキを実験に使用する。

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待ち空間における匂いによる感覚時間の変化に関する研究 

     第3章 研究方法

        ○実験要素

 本研究では「匂いによる感覚時間変化に関する実験(待ち行列空間)」と「匂いによる感覚時間変 化に関する実験(非待ち行列空間)」の二つを行う。

・空間形態 ・匂いの種類

         待ち行列空間、非待ち行列空間          好きな匂い、嫌いな匂い、ヒノキ、無臭

・被験者に体感してもらう実時間   45秒、75秒、195秒 上の二つをランダムに組み合わせ、それぞれの実験12通り行う。

○調査方法 作成法  「秒」、 「 分」、等の常用時間単位を用いて、ある時間の長さを言葉で被験者に呈示し(呈示      時間)、被験者はその時間と主観的に等しいと思う持続時間を作成するという手法。      本研究では「スタート」の合図から、前の実験行程の中で体験した時間(45秒、75秒、       195秒)が経過したとその人が感じたら合図してもらい、 実験者がそれまでの経過時間      を計測した。

アンケート 「好きな匂い」、 「 嫌いな匂い」、 「 ヒノキの匂い」に対する匂いの印象評価のアンケートと、 「 好きな 匂い」、 「嫌いな匂い」、 「ヒノキの匂い」、 「無臭」の4つそれぞれの感覚時間に対するアンケートを行う。

○実験準備 ・匂いの作成 ビンの底から1cmのところまでお湯(90度)を入れる(図3-2-4)。次に、被験者に選んでもらっ たアロマオイルを3滴お湯の中に入れる(図3-2-5)。 実験で使用するまでは蓋をして置いておき、実験の開始する間際に蓋をとる。図3-2-4 図3-2-4 お湯の入れ方 ・待ち行列空間の作成 被験者と協力者にATMの待ち時間を意識して、待ち行列を作ってもらう(図3-2-6)。その際、被 験者は行列の最後尾に並ぶ。協力者は先頭の人から机で簡単な計算をし(仮想ATM)、解き終わると ともに待ち行列を抜けてもらう。  計算は簡単な足し算、引き算であるため、各実験の待ち行列の進み方に誤差はほぼない。  待ち行列の人数は、 「 4 5 秒 」で は 協 力 者 3 人 、被 験 者 2 人 。 「 7 5 秒 」、 「 1 9 5 秒 」で は 協 力 者 4 人 、 被験者2人とする。

・非待ち行列空間の作成 被験者にエレベーターの待ち時間を意識して待ってもらう(図3-2-7)。 図3-2-5 アロマオイルの入れ方

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待ち空間における匂いによる感覚時間の変化に関する研究 

     第3章 研究方法

        ○実験平面図

3650

 待ち行列空間

7300

被験者

800

800

800

3650

800

実験者

4612.5

4612.5 9225

                               図3-2-6 待ち行列空間平面図

3650

 非待ち行列空間

3650

7300

被験者

実験者

4612.5

4612.5 9225

                              図3-2-7 非待ち行列空間平面図

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待ち空間における匂いによる感覚時間の変化に関する研究 

     第3章 研究方法

3­3 実験方法 3­3­1 匂いによる感覚時間変化に関する実験(待ち行列空間)         ○実験手順 (図3-3-1)

1、被験者にアロマオイルの中から一番好きな匂いと、一番嫌いな匂いを選んでもらい匂いを作る。 2、被験者、協力者に待ち行列を作ってもらう。 3、被験者はビンの蓋をとる(無臭の時はなし)。 4、実験者の合図でスタート(被験者には待ち時間は教えない)。 5、協力者は先頭の人から簡単な計算を行い、終わったら列を抜ける。他の協力者、被験者は列が     前に進んだら続いて進む。 6、実験時間(45秒、75秒、195秒)が経過したら実験者の合図でストップ。 7、作成法で数値としての値を計測(5で体験した時間をもとに)。 8、匂いに関するアンケート調査。 9、消臭剤を使い匂いを消す。 10、ランダムに実験を進める。

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待ち空間における匂いによる感覚時間の変化に関する研究 

     第3章 研究方法

3­3­1 匂いによる感覚時間変化に関する実験(待ち行列空間)         (case 好きな匂い、 45秒)

                             図3-3-1 実験手順フローチャート

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待ち空間における匂いによる感覚時間の変化に関する研究 

     第3章 研究方法

3­3­1 匂いによる感覚時間変化に関する実験(待ち行列空間)         ○実験風景

                             図3-3-2 実験風景(待ち行列空間)

早稲田大学 渡辺仁史研究室 2005年度 卒業論文             - -


待ち空間における匂いによる感覚時間の変化に関する研究 

     第3章 研究方法

3­3­2匂いによる感覚時間変化に関する実験(非待ち行列空間) ○実験手順 (図3-3-3)         1、被験者にアロマオイルの中から一番好きな匂いと、一番嫌いな匂いを選んでもらい匂いを作る 2、被験者に待ちの状態になってもらう 3、被験者はビンの蓋をとる(無臭の時はなし) 4、実験者の合図でスタート(被験者には待ち時間は教えない) 7、実験時間(45秒、75秒、195秒)が経過したら実験者の合図でストップ 8、作成法で数値としての値を計測(5で体験した時間をもとに) 9、アンケート調査 10、消臭剤を使い匂いを消す 11、ランダムに実験を進める

早稲田大学 渡辺仁史研究室 2005年度 卒業論文             - -


待ち空間における匂いによる感覚時間の変化に関する研究 

     第3章 研究方法

3­3­2匂いによる感覚時間変化に関する実験(非待ち行列空間)         (case 好きな匂い、 45秒)

                            図3-3-3 実験手順フローチャート

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待ち空間における匂いによる感覚時間の変化に関する研究 

     第3章 研究方法

3­3­2匂いによる感覚時間変化に関する実験(行列のない待ち空間)         ○実験風景

                            図3-3-4 実験風景(非待ち行列空間)

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4 結果・分析

30


待ち空間での匂いによる感覚時間の短縮効果に関する研究  

    第4章 結果・分析

4­1 匂いの有無による感覚時間変化 4­1­1 作成法で得た感覚時間 作成法で得た感覚時間(秒)を平均し、実時間「45秒」、 「 75秒」、 「 195 秒」との差を比べたものが図4-4-1、図4-4-2である

350 300 250 好き 200

嫌い ヒノキ

150

無し 100 50 0 時間45秒

時間75秒

時間195秒

図4-1-1 作成法による感覚時間の平均結果(待ち行列空間)

350 300 250 好き 200

嫌い ヒノキ

150

無し 100 50 0 時間45秒

時間75秒

時間195秒

  図4-1-2 作成法による感覚時間の平均結果(非待ち行列空間)  図4-1-1、図4-1-2より「45秒」、 「75秒」では感覚時間の差がほぼないが、 「195秒」では無臭のときに比べて匂いがある方が感覚時間が短くなってい ることがわかる。  図4-1-1と図4-1-2を比較すると「待ち行列空間」の方が「非待ち行列空間」 に比べて感覚時間が長いことがわかる。また「195秒」の場合、 「 非待ち空 間行列」の方が、 「 待ち行列空間」に比べて匂い有りと匂い無しの感覚時間の 差が大きいことがわかる。 早稲田大学 渡辺仁史研究室 2006年度 卒業論文             - 31 -


待ち空間での匂いによる感覚時間の短縮効果に関する研究  

    第4章 結果・分析

4­1­2 無臭の感覚時間に対するその他匂いの割合(標準化) 作成法で得た個人の感覚時間(秒)において、無臭の値を「1」と基準におき、 その他の「好きな匂い」、 「 嫌いな匂い」、 「 ヒノキ」の割合を出して、平均した ものが図4-1-3、図4-1-4である。

2.2 2 1.8 1.6 1.4

好き

1.2

嫌い

1

ヒノキ

0.8

無臭

0.6 0.4 0.2

感覚時間(匂いの値/無臭の値) 0

時間45秒

時間75秒

時間195秒

実験時間

図4-1-3 無臭を「1」とした場合、その他匂いの割合(待ち行列空間)

2.2 2 1.8 1.6 1.4

好き

1.2

嫌い

1

ヒノキ

0.8

無臭

0.6 0.4 0.2

感覚時間(匂いの値/無臭の値) 0

時間45秒

時間75秒

時間195秒

実験時間

図4-1-4 無臭を「1」とした場合、その他匂いの割合(非待ち行列空間)  図4-1-3、図4-1-4より、作成法で得た結果(図4-1-1、図4-1-2)と、無臭を「1」 として標準化した結果は、傾向がほぼ同じであることがわかる。

早稲田大学 渡辺仁史研究室 2006年度 卒業論文             - 32 -


待ち空間での匂いによる感覚時間の短縮効果に関する研究  

    第4章 結果・分析

4­2 アンケート調査で得た感覚時間と作成法で得た感覚時間の比較

「待ち行列空間」において、アンケート調査で得た感覚時間(5段階評価)の 結果を平均したものが図4-2-1である。 2.2 2 1.8 1.6 1.4

好き

1.2

嫌い

1

ヒノキ

0.8

無臭

0.6

5 4.5 4

0.4

3.5

0.2

感覚時間(匂いの値/無臭の値) 0

時間45秒

時間75秒

時間195秒

実験時間

図4-1-3 無臭を「1」とした場合、 その他匂いの割合(待ち行列空間)

好き

3

嫌い

2.5

ヒノキ

2

無臭

1.5 1 0.5 0 感覚時間・5段階評価(速い1 −- 5遅い) 45秒

75秒

195秒

実験時間(秒)

    図4-2-1 アンケート調査による感覚時間(待ち行列空間)  図4-2-1より、 「 45秒」、 「 75秒」、 「 195秒」に対して感覚時間の傾向が 同じであることがわかる。 また「嫌いな匂い」が最も感覚時間を長く感じさせ、 「 好きな匂い」と「ヒノキ」 が感覚時間を短くさせていることがわかる。  図4-1-3のグラフ(作成法で得た値)と比較すると感覚時間の感じ方が異な るとわかる。これは作成法が体で感じる感覚時間であるのに対し、アンケート 調査が頭で感じている(理解)感覚時間であることから感じ方が異なったと考 えられる。

早稲田大学 渡辺仁史研究室 2006年度 卒業論文             - 33 -


待ち空間での匂いによる感覚時間の短縮効果に関する研究  

    第4章 結果・分析

「非待ち行列空間」において、アンケート調査で得た感覚時間(5段階評価)の 結果を平均したものが図4-2-1である。 2.2 2 1.8

4.5

1.6 1.4

好き

1.2

嫌い

1

4

ヒノキ

0.8

無臭

0.6 0.4 0.2

感覚時間(匂いの値/無臭の値)

3.5 3

好き

2.5

嫌い

0

時間45秒

時間75秒

時間195秒

���験時間

2

図4-1-4 無臭を「1」とした場合、

1.5

その他匂いの割合(非待ち行列空間)

1

ヒノキ 無臭

0.5 0 感覚時間・5段階評価(速い1 −- 5遅い) 45秒

75秒

195秒

実験時間(秒)

   図4-2-2 アンケート調査による感覚時間(非待ち行列空間)  図4-2-2より、 「 45秒」、 「 75秒」、 「 195秒」において、 「 好きな匂い」 が感覚時間を短くさせている事がわかる。  図4-1-3のグラフ(作成法で得た値)と比較すると感覚時間の感じ方が異な るとわかる。これは作成法が体で感じる感覚時間であるのに対し、アンケート 調査が頭で感じている(理解)感覚時間であることから感じ方が異なったと考 えられる。

早稲田大学 渡辺仁史研究室 2006年度 卒業論文             - 34 -


待ち空間での匂いによる感覚時間の短縮効果に関する研究  

    第4章 結果・分析

4­3 離れ値を考慮した感覚時間

○離れ値を考慮した感覚時間の比較(最高値、最小値) 作 成 法 で 得 た 値 の 中 か ら 、例 と して、 「 4 5 秒 」に お ける「 好 き な 匂 い 」の 値 の中で、最も差がある最高値と最小値を外して平均する。これを「45秒」、 「75 秒」、 「 195秒」それぞれにおいて、 「 好きな匂い」、 「 嫌いな匂い」、 「 ヒノキ」、 「無臭」に対して行い、平均したものが図4-3-1、図4-3-2である。 350 300 250 好き 200

嫌い ヒノキ

150

無臭 100 50 0 時間45秒

時間75秒

時間195秒

      図4-3-1 離れ値を考慮した感覚時間(待ち行列空間)

350 300 250 好き 200

嫌い ヒノキ

150

無臭 100 50 0 時間45秒

時間75秒

時間195秒

     図4-3-2 離れ値を考慮した感覚時間(非待ち行列空間)        図4--2-1と図4-1-1、図4-1-2と図4-2-2を比較してみると、それそれぞれ の結果がほぼ同じであることがわかる。作成法で得た値の最高値と最小値の差 は結果に影響がなかったといえる。 早稲田大学 渡辺仁史研究室 2006年度 卒業論文             - 35 -


待ち空間での匂いによる感覚時間の短縮効果に関する研究  

    第4章 結果・分析

○離れ値を考慮した感覚時間の比較(特殊な個人結果) ここでは無臭を「1」として標準化した値を使う。 被験者個人の値を比較して、平均とズレが大きい値を割り出すための一覧が図4-3-3である。

2.2

2.2

2

2

2

1.8

1.8

2.2 1.8

1.6

1.6

1.6

1.4

好き

1.4

好き

1.4

好き

1.2

嫌い

1.2

嫌い

1.2

嫌い

1

1

ヒノキ

0.8

1

ヒノキ

0.8

ヒノキ

0.8

無臭

無臭

                                           無臭

0.6

0.6

0.6

0.4

0.4

0.4

0.2

0.2

0.2

0

0 時間45秒

時間75秒

時間195秒

2.2

時間195秒

時間45秒

2.2

時間75秒

時間195秒

2.2

2

2

1.8

1.8

1.8

1.6

1.6

1.6

1.4

好き

1.4

好き

1.4

好き

1.2

嫌い

1.2

嫌い

1.2

嫌い

1

ヒノキ

1 0.8

無臭

1

ヒノキ

0.6

0.6

0.4

0.4

0.4

0.2

0.2

0.2

0

0 時間75秒

時間195秒

8

時間75秒

時間45秒

時間195秒

2

1.8

1.8

1.8

1.6

1.6

1.6

1.4

好き

1.4

好き

1.2

嫌い

1.2

嫌い

0.8

無臭

1

ヒノキ

0.8

無臭

1.4

好き

1.2

嫌い

1

0.6

0.6

0.4

0.4

0.4

0.2

0.2

時間75秒

0 時間45秒

時間195秒

無臭

0.2

0 時間45秒

ヒノキ

0.8

0.6

0

時間195秒

2.2

2

ヒノキ

時間75秒

9

2.2

2

1

無臭

0 時間45秒

2.2

ヒノキ

0.8

無臭

0.6

時間45秒

10

時間75秒

2

0.8

7

0 時間45秒

時間75秒

時間195秒

時間45秒

時間75秒

時間195秒

2.2 2 1.8 1.6 1.4

好き

1.2

嫌い

1

ヒノキ

0.8

無臭

0.6 0.4 0.2 0

                     図4-3-3 無臭を「1」とした場合の結果一覧(待ち行列空間) 時間45秒

時間75秒

時間195秒

 図4-3-3より、2、3のグラフが平均に対してズレが大きい個人の結果だとわかる。

早稲田大学 渡辺仁史研究室 2006年度 卒業論文             - 36 -


待ち空間での匂いによる感覚時間の短縮効果に関する研究  

    第4章 結果・分析

○離れ値を考慮した感覚時間の比較(特殊な個人結果) 被験者個人の値を比較して、平均とズレが大きい値が、全体の結果に影響を与 えていると考え、ズレが大きい個人の値を外し、平均したものが図4-3-4である。

2.2 2 1.8 1.6 1.4

好き

1.2

嫌い

1

ヒノキ

0.8

無臭

0.6 0.4 0.2 0 時間45秒

時間75秒

時間195秒

   図4-3-4 離れ値(個人)を考慮した感覚時間(待ち行列空間)  図4-3-4より、 「 45秒」ではほぼ同じになってしまったが「75秒」、 「 195 秒」では匂いありの方が感覚時間が短くなっていると言える。

早稲田大学 渡辺仁史研究室 2006年度 卒業論文             - 37 -


待ち空間での匂いによる感覚時間の短縮効果に関する研究  

    第4章 結果・分析

○離れ値を考慮した感覚時間の比較(特殊な個人結果) ここでは無臭を「1」として標準化した値を使う。 被験者個人の値を比較して、平均とズレが大きい値を割り出すための一覧が図4-3-5である。

2.2 2

2.2 2

1.8

2

1.8

1.6

1.8

1.6

1.4

好き

1.2

嫌い

1

1.6

1.4

好き

1.4

好き

1.2

嫌い

1.2

嫌い

1

ヒノキ

0.8

1

ヒノキ

0.8

無臭

8

2.2

ヒノキ

0.8

無臭

0.6

0.6

0.6

0.4

0.4

0.4

0.2

0.2

0.2

0

0

無臭

                                           時間45秒

時間75秒

時間195秒

2.2

時間195秒

時間45秒

2.2

時間75秒

時間195秒

2.2

2

2

1.8

1.8

1.8

1.6

1.6

1.6

1.4

好き

1.4

好き

1.4

好き

1.2

嫌い

1.2

嫌い

1.2

嫌い

1

1

ヒノキ

0.8

無臭

1

ヒノキ 無臭

0.6

0.6

0.4

0.4

0.4

0.2

0.2

0.2

0

0 時間75秒

時間195秒

8

無臭

0 時間45秒

2.2

ヒノキ

0.8

0.6

時間45秒

時間75秒

時間45秒

時間195秒

9

2.2

時間75秒

時間195秒

2.2

2

2

2

1.8

1.8

1.8

1.6

1.6

1.6

1.4

好き

1.4

好き

1.4

好き

1.2

嫌い

1.2

嫌い

1.2

嫌い

1

ヒノキ

0.8

無臭

1

ヒノキ

0.8

無臭

1

0.6

0.6

0.4

0.4

0.4

0.2

0.2

0.2

0

0 時間75秒

時間195秒

ヒノキ

0.8

0.6

時間45秒

10

時間75秒

2

0.8

7

0 時間45秒

無臭

0 時間45秒

時間75秒

時間195秒

時間45秒

時間75秒

時間195秒

2.2 2 1.8 1.6 1.4

好き

1.2

嫌い

1

ヒノキ

0.8

無臭

0.6 0.4 0.2 0 時間45秒

時間75秒

時間195秒

                    図4-3-5 無臭を「1」とした場合の結果一覧(非待ち行列空間)  図4-3-5より、5、7、8のグラフが平均に対してズレが大きい個人の結果だとわかる。

早稲田大学 渡辺仁史研究室 2006年度 卒業論文             - 38 -


待ち空間での匂いによる感覚時間の短縮効果に関する研究  

    第4章 結果・分析

○離れ値を考慮した感覚時間の比較(特殊な個人結果) 被験者個人の値を比較して、平均とズレが大きい値が、全体の結果に影響を与 えていると考え、ズレが大きい個人の値を外し、平均したものが図4-3-4である。

2.2 2 1.8 1.6 1.4

好き

1.2

嫌い

1

ヒノキ

0.8

無臭

0.6 0.4 0.2 0 時間45秒

時間75秒

時間195秒

 図4-3-6 離れ値(個人)を考慮した感覚時間(非待ち行列空間)  図4-3-6より、 「45秒」、 「195秒」では匂いがあるとき感覚時間が短くなっ たと言える。また、待ち時間が長い場合は嫌いな匂いが感覚時間を最も短くさ せていることがわかる。

早稲田大学 渡辺仁史研究室 2006年度 卒業論文             - 39 -


待ち空間での匂いによる感覚時間の短縮効果に関する研究  

    第4章 結果・分析

4­4 時間別の匂いの印象

被験者に行った「45秒」、 「 75秒」、 「 195秒」それぞれにに対して「好きな匂い」、 「 嫌いな匂い」、 「 ヒノキ」 の匂いに関する印象のアンケート結果が、図4-4-1、図4-4-2である。 1

嫌い

好き

嫌い

好き

好き

癒されない

癒される

癒されない

嫌い

癒される

癒される

不快

快い

不快

癒されない

快い

不快

快い

退屈

楽しい

退屈

楽しい

楽しい

さわやか

気持ち悪い

退屈

さわやか

さわやか

のんびりする

のんびりする

ネガティブ 的

せかせかする

気持ち悪い

のんびりする

ポジティブ

ネガティブ

せかせかする

ポジティブ

ポジティブ

眠くなる

目が覚める

眠くなる

ネガティブ

目が覚める

目が覚める

臭い

良い香り

臭い

眠くなる

良い香り

良い香り

苦い

甘い

苦い

臭い

甘い

苦い

甘い

ほっとする ほっとする イライラする イライラする イライラする                                            覚 感 的

気持ち悪い 感 覚 せかせかする

身 体 的

香 り

ほっとする

疲れる

元気になる

疲れる

元気になる

元気になる

不潔

清潔

不潔

疲れる

清潔

清潔

人工的

自然

人工的

不潔

自然

自然

危険

安心

危険

人工的

安心

安心

冷たい

温かい

冷たい

危険

温かい

冷たい

温かい

45秒

好きな匂い

195秒

75秒

行列、嫌いな匂い

行列、ヒノキ

                             図4-4-1 「待ち行列空間」での匂いの印象 1

嫌い

好き

嫌い

好き

好き

癒されない

癒される

癒されない

嫌い

癒される

癒される

不快

快い

不快

癒されない

快い

快い

イライラする

ほっとする

イライラする

不快

ほっとする

ほっとする

退屈

楽しい

退屈

イライラする

楽しい

楽しい

気持ち悪い

さわやか

気持ち悪い

退屈

さわやか

さわやか

せかせかする

のんびりする

せかせかする

気持ち悪い

のんびりする

のんびりする

ネガティブ

ポジティブ

ネガティブ

せかせかする

ポジティブ

ポジティブ

眠くなる

目が覚める

眠くなる

ネガティブ

目が覚める

目が覚める

臭い

良い香り

臭い

眠くなる

良い香り

良い香り

苦い

甘い

苦い

臭い

甘い

甘い

疲れる

元気になる

疲れる

苦い

元気になる

元気になる

不潔

清潔

不潔

疲れる

清潔

清潔

人工的

自然

人工的

不潔

自然

自然

危険

安心

危険

人工的

安心

安心

冷たい

温かい

冷たい

危険

温かい

冷たい

感 覚 的

身 体 的

45秒

好きな匂い

75秒

行列、嫌いな匂い

温かい 195秒

行列、ヒノキ

                            図4-4-1 「非待ち行列空間」での匂いの印象  図4-4-1、図4-4-2より、 「 好きな匂い」と「ヒノキ」は似た印象であることがわかる。また、 「 好きな匂い」 では「行列の待ち空間」に比べて「非待ち行列空間」の方が印象が良い。

早稲田大学 渡辺仁史研究室 2006年度 卒業論文             - 40 -


待ち空間での匂いによる感覚時間の短縮効果に関する研究  

    第4章 結果・分析

4­5 手法別の感覚時間の検証

図4-1-3(作成法)と図4-2-1(アンケート)を比較すると感覚時間の感じ方が 異なるとわかる。これは作成法が体で感じる感覚時間であるのに対し、アンケー ト調査が頭で感じている(理解)感覚時間であることから感じ方が異なったと

2.2 2

考えられる。

1.8 1.6 1.4

好き

1.2

嫌い

1

アンケート調査の結果と作成法の結果において、無臭を「1」として値をそろえ、

ヒノキ

0.8

無臭

平均したものが図4-5-1である。

0.6 0.4 0.2

感覚時間(匂いの値/無臭の値) 0

時間45秒

時間75秒

時間195秒

実験時間

1.4

図4-1-3 無臭を「1」とした場合、

1.2

その他匂いの割合(待ち行列空間)

1 好き 0.8

5

嫌い

4.5 4 3.5

ヒノキ

0.6 感覚時間

好き

3

無臭

嫌い

2.5

0.4

ヒノキ

2

無臭

1.5 1

0.2

0.5 0 感覚時間・5段階評価(速い1 −- 5遅い) 45秒

75秒

195秒

0

実験時間(秒)

時間45秒

図4-2-1 アンケート調査による感覚

時間75秒 実験時間(秒)

  

時間(待ち行列空間)

時間195秒

   図4-5-1 作成法とアンケートによる感覚時間(待ち行列空間) 1

感 覚 的

体 的

香 り

好き

嫌い

好き

好き

癒されない

癒される

癒されない

嫌い

癒される

癒される

不快

快い

不快

癒されない

快い

快い

イライラする

ほっとする

イライラする

不快

ほっとする

退屈

イライラする

ほっとする

楽しい

楽しい

楽しい

気持ち悪い

気持ち悪い

退屈

さわやか

さわやか

気持ち悪い

さわやか

せかせかする

のんびりする

のんびりする

ポジティブ

ネガティブ

せかせかする

のんびりする

ネガティブ

ポジティブ

目が覚める

眠くなる

ネガティブ

ポジティブ

眠くなる

目が覚める

良い香り

臭い

眠くなる

目が覚める

臭い

良い香り

甘い

苦い

臭い

良い香り

苦い

甘い

甘い

疲れる

元気になる

疲れる

苦い

元気になる

元気になる

不潔

清潔

不潔

疲れる

清潔

清潔

人工的

自然

人工的

不潔

自然

自然

危険

安心

危険

人工的

安心

安心

温かい

冷たい

危険

温かい

冷たい

  退屈

せかせかする                         身

嫌い

  冷たい 45秒

好きな匂い

行列、嫌いな匂い

温かい 195秒

75秒

行列、ヒノキ

 図4-5-1により「待ち行列空間」では「好きな匂い」が最も感覚時間を短縮 していると言える。  図4-4-1で細かく見てみると、 「 嫌いな匂い」の「75秒」より、イライラが 大きいことが感覚時間が長いことにつながることが言える。また、 「好きな匂い」 でのんびりしている方が���覚時間が短くなっていることなどが言える。

早稲田大学 渡辺仁史研究室 2006年度 卒業論文             - 41 -


待ち空間での匂いによる感覚時間の短縮効果に関する研究  

    第4章 結果・分析

図4-1-4(作成法)と図4-2-2(アンケート)を比較すると感覚時間の感じ方が 異なるとわかる。これは作成法が体で感じる感覚時間であるのに対し、アンケー ト調査が頭で感じている(理解)感覚時間であることから感じ方が異なったと

2.2 2 1.8

考えられる。

1.6 1.4

好き

1.2

嫌い

1

アンケート調査の結果と作成法の結果において、無臭を「1」として値をそろえ、

ヒノキ

0.8

無臭

平均したものが図4-5-2である。

0.6 0.4 0.2

感覚時間(匂いの値/無臭の値) 0

時間45秒

時間75秒

時間195秒

実験時間

1.2

図4-1-4 無臭を「1」とした場合、

1

その他匂いの割合(非待ち行列空間)

0.8 4.5

好き 嫌い

0.6

4

ヒノキ

感覚時間

3.5 3

好き

2.5

嫌い

2

無臭

0.4

ヒノキ 無臭

1.5

0.2

1 0.5 0 感覚時間・5段階評価(速い1 −- 5遅い) 45秒

75秒

0

195秒

実験時間(秒)

時間45秒

時間75秒

図4-4-2 アンケート調査による感覚

時間195秒

実験時間(秒)

時間(非待ち行列空間)

 図4-5-2 作成法とアンケートによる感覚時間(非待ち行列空間) 1

嫌い

好き

嫌い

好き

好き

癒されない

癒される

癒されない

嫌い

癒される

癒される

不快

快い

不快

癒されない

快い

イライラする

不快

快い

イライラする

ほっとする

ほっとする

退屈

イライラする

ほっとする

退屈

楽しい

楽しい

さわやか

気持ち悪い

退屈

楽しい

気持ち悪い

さわやか

のんびりする

せかせかする

気持ち悪い

さわやか

せかせかする

のんびりする

ポジティブ

ネガティブ

せかせかする

のんびりする

ネガティブ

ポジティブ

目が覚める

眠くなる

ネガティブ

ポジティブ

眠くなる

目が覚める

目が覚める

臭い

良い香り

臭い

眠くなる

良い香り

良い香り

苦い

甘い

苦い

臭い

甘い

甘い

疲れる

元気になる

疲れる

苦い

元気になる

元気になる

不潔

清潔

不潔

疲れる

清潔

清潔

人工的

自然

人工的

不潔

自然

自然

危険

安心

危険

人工的

安心

安心

冷たい

温かい

冷たい

危険

温かい

冷たい

温かい

感 覚 的

身 体 的

好きな匂い

行列、嫌いな匂い

行列、ヒノキ

 図4-5-2により「非待ち行列空間」では「好きな匂い」が最も感覚時間を短 縮していると言える。  図4-4-1を細かく見てみると、 「 嫌いな匂い」の「45秒」と「75秒」、 「 195 秒」で比較した場合、 「 45秒」の方がせかせかしていることから感覚時間が 長くなったと推測できる。

早稲田大学 渡辺仁史研究室 2006年度 卒業論文             - 42 -


待ち空間での匂いによる感覚時間の短縮効果に関する研究  

    第4章 結果・分析

4­6 「待ち行列空間」と「非待ち行列空間」における感覚時間の比較

 図5-1-1、図5-1-3では「待ち行列空間」、 「 非待ち行列空間」の感覚時間を 表している。

1.4

この二つの感覚時間を比較すると、 「 待ち行列空間」の方が時間にかかわらず、

1.2 1 好き 0.8

嫌い ヒノキ

0.6 感覚時間

無臭 0.4

結果が同じであることがわかる。これは、 「 行列」であることから、進み方に リズムが生まれ、ほぼ一定の間隔で時間が進むことが影響していると考えられ る。 「 非行列」においては、その場に居続けることから、時間の長さによって

0.2 0 時間45秒

時間75秒

結果にばらつきがでたと考えられる。

時間195秒

実験時間(秒)

図4-5-1 作成法とアンケートによる

  ま た「 待ち行列空間」、 「 非待ち行列空間」とも「好きな匂い」において、感

感覚時間(待ち行列空間)

覚時間が短くなっていると言える。特に、待ち時間が長くなるほど、その効果 は大きくなっている。

1.2 1 0.8

好き 嫌い

0.6

ヒノキ

感覚時間

無臭

0.4 0.2 0 時間45秒

時間75秒

時間195秒

実験時間(秒)

図4-5-2 作成法とアンケートによる 感覚時間(非待ち行列空間)

早稲田大学 渡辺仁史研究室 2006年度 卒業論文             - 43 -


5 まとめ・展望

44


待ち空間での匂いによる感覚時間の短縮効果に関する研究 

    第 5 章   ま と め・展 望

5­1 まとめ

        ・ 「待ち行列空間」では「好きな匂い」、 「ヒノキ」が感覚時間を短くさせる。

 「ヒノキ」は匂いの印象調査によって、 「 好きな匂い」とほぼ同じ印象であっ たため、 「印象の良い匂い」 であれば感覚時間を短くさせるといえる。  ・ 「待ち行列空間」では「嫌いな匂い」は感覚時間を長くさせてしまう。 ・ 「非待ち行列空間」では、 「好きな匂い」が感覚時間を短くさせる。 ・待ち時間が長くなるほど、 「 好きな匂い」による感覚時間を短くさせる効果が 大きい。

   

早稲田大学 渡辺仁史研究室 2006年度 卒業論文             - 45 -


待ち空間での匂いによる感覚時間の短縮効果に関する研究 

    第 5 章   ま と め・展 望

5­2 展望

         本研究では「待ち行列空間」、 「非待ち行列空間」において、 「好きな匂い」によっ

て感覚時間を短くさせるということが検証出来たことにより、匂いによって、 待ち空間における、待ち時間によるストレスを解決させる一歩が踏み出せたの ではないか。  今後は、待ち空間における匂いの発生位置、匂いの発生方法、匂いの強さなど、 より効果が得られるための実験、検証が必要である。  また、この効果が実証出来たこと、建築計画に「匂い」という要素を積極的 に取り入れるための一端を担えれば、嬉しく思う。

早稲田大学 渡辺仁史研究室 2006年度 卒業論文             - 46 -


待ち空間での匂いによる感覚時間の短縮効果に関する研究 

    第 5 章   ま と め・展 望

おわりに

         無事にこの論文を書き終えることができました。この半年、論文を進めるに

あたり、落ち込む事もなく、へこむ事もなく終えられたのは、常にポジティブ に励ましてくれた担当者である小川さんのおかげだと思います。  また、行動モデルゼミ、研究室の先輩の方々には大変お世話になり、お礼の 気持ちでいっぱいです。  渡辺先生には、適切なアドバイスを頂き感謝しております。また、研究を導 いてくれた林田さん、長澤さん、遠田さんには本当にお世話になりました。あ りがとうございました。  最後に、共に卒論を書いた同期の友人たちに、おつかれさまと同時に、感謝し たいと思います。

                                   

早稲田大学 渡辺仁史研究室 2006年度 卒業論文             - 47 -


待ち空間での匂いによる感覚時間の短縮効果に関する研究 

    第 5 章   ま と め・展 望

参考文献

        千 秋 幸 司 、長 澤 夏 子 、山 久 瀬 純 、林 田 和 人 、渡 辺 仁 史:空 間 体 験 に お ける「 知

覚時間の長さ」に関する研究、日本建築学会大会学術講演

概集、2000、

E-1、pp1113∼1114 矢川麻紀子、田村明弘、人と場の関わりと感覚時間に関する基礎的考察、日本 建築学会計画系論文集、2001年、第540号、pp73∼80 矢川麻紀子、田村明弘、感覚時間による場と人との交換作用の指標化、日本建 築学会計画系論文集、1999年、第8号、pp155∼158 荻内伸彦、林田和人、渡辺仁史、嗅覚による経路記憶力の助長効果に関する研究、 日本建築学会大会学術講演

概集、2006、E-1、pp871∼877

http;//www.white-famiy.or.jp/healty-island/htm/repoto/repo-to105.htm  (2001.9.15 日本経済新聞) http://www.citizen.co.jp/release/03/0305dn/0305dn‒t.htm http://www.essentia.ne.jp/aroma/

早稲田大学 渡辺仁史研究室 2006年度 卒業論文             - 48 -


「待ち空間」での匂いによる感覚時間の短縮効果に関する研究