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高齢者居住施設における 郷土映像展示を用いた共用空間の利用促進に関する研究   $6WXG\RQ3URPRWLRQRI8WLOL]DWLRQRI&RPPRQ6SDFH     

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           早稲田大学理工学部建築学科渡辺仁史研究室                      1g02d051-4 菊池 徹


第1章

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はじめに

 わたしにとって高齢者居住施設との出会いは大学 2 年の秋であっ た。久しぶりに実家に帰り、親戚のおじを訪ねて隣町の老人ホーム に行った。それまでの普通の大学生として特に高齢者に触れ合うこ ともなかったわたしには、老人ホームという言葉に対して、それこ そ姥捨て山であったり、収容施設のようなイメージすら持っていた。  そんなイメージを持ったまま、あまり気が乗らないまま老人ホー ムに着いたわたしを待っていたのは想像もしない光景であった。老 人ホームの中の食堂にて、テーブルに着席しお互い全く言葉も交わ さずただただ座るだけの老人たち。テレビを見るわけでもなく、寝 るわけでもなく、ただただ皆がそろいもそろって座っているだけの 光景だった。  この日決定的になった「老人ホーム」のイメージに対して、いつ かはもっとよい環境を建築という立場から彼らに届けてあげたい、 そう考えるようになった。その思いから、わたしは本研究に着手し た。  

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第1章

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目次 はじめに ・・・・・・・・・・・・・・1 第1章 序論・・・・・・・・・・・・・4  

1-1 研究背景 1-2 仮説 1-3 研究目的 1-4 研究概要  1-4-1 研究概要  1-4-2 研究方法 1-5 用語の定義

第2章 基礎資料の調査 ・・・・・・・・・・・・・・11  ࠥ㧗㱋⪅⚟♴ࢧ࣮ࣅࢫࡢ⌧≧࡜௒ᚋࡢᒎ㛤ࠥ  

2-1 高齢化社会の現状 2-2 高齢者居住施設の種別 2-3 高齢者福祉サービスのあゆみ 2-4 高齢者居住施設の今後の展開

第3章 実地調査・実験 ・・・・・・・・・・・・・・22 3-1 研究対象施設  3-1-1 対象施設  3-1-2 対象施設の立地  3-1-3 対象施設の概要 3-2 研究方法  3-2-1 施設入居者の持ち込み物品からの検討  3-2-2 既往文献からの検討  3-2-3 場所の選定 3-3 実験方法

第4章 結果と分析・考察・・・・・・・・・・・・・・22 4-1 実験結果分析手段の説明  4-1-1 結果分析の流れ  4-1-2 滞在・鑑賞・会話による分析  4-1-3 分析に用いた各種評価尺度 4-2 共用空間の利用状況の変化  4-2-1 利用状況と利用者

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第1章

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目次  4-2-2 利用状況と入居者の人数の変化 4-3 共用空間の同時滞在人数の変化  4-3-1 共用空間の同時滞在人数  4-3-2 利用状況と利用時間の変化  4-3-3 同時滞在人数と合計滞在時間の変化 4-3-4 実験によって生じた会話の相手 4-4 入居者の各種自立度による分析と考察  4-4-1 要介護度による分析と考察  4-4-2 ADLスケールによる分析と考察  4-4-3 痴呆スケールによる分析と考察  4-4-4 歩行能力による分析と考察 4-5 実験に対しての結論

第5章 総論 ・・・・・・・・・・・・・・35 5-1 まとめ 5-2 今後の展望  5-2-1 師勝町のとりくみ  5-2-2 今後の展望

おわりに・・・・・・・・・・・・・・67 参考文献・参考資料 ・・・・・・・・・・・・・・73 資料編

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第1章

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第1章 序論 第2章 基礎調査 第3章 研究方法 第4章 結果と分析・考察 第5章 総論

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第1章

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1-1 研究背景

 本格的な高齢化社会の到来を前に、高齢者居住施設への需要は大 きく高まっている。それに伴い、高齢者に対するケアの質(QOC) の高まりが随所にみられるようになった。以前のように高齢者を無 注1)居室に近い環境の下で、職員と入居 者による共同生活を通して住宅生活に近い 日常の生活の中でケアを行うケアシステム。 2003 年に特別養護老人ホームにおいて制度 化された。

個性に扱い、ただの対象として世話をする形態の介護は減少し、各 人の尊厳や個性を重要視する個別ケアへと移行する流れにある。同 じように施設環境の面でも入居者の個性や尊厳を重視した配慮が進 み、居室の個室化や共有空間の設定、さらにグループホームやユニッ トケア

注1)

などの小規模で家庭的な環境などに現在注目が集められ

ている。  一方でその試み自体がいまだ発展途上にあるといえる高齢者の尊 厳を重視した施設空間計画について、徐々にではあるがその問題点 が浮き彫りとなっているのもまた事実である。  個室と共有空間の明確な区別による近年の施設内環境に対しその 弊害として、李ら (1998) は居室引きこもり防止の為の職員による 共用空間への半強制的な誘導は、入居者の食堂や広間での滞在率を 増加させるが、無為、居眠り、画一的行為が多く見られるようにな 1)

るとしている 。また山田 (1997) は共用空間における高齢者の行 動は種類や頻度ともに格段に 1 人による行動が占める割合が多いと 2)

している 。近年の高齢者の尊厳を配慮によって引き起こされたの はこうした本来共有空間であるべき行為と現実の高齢者との矛盾で あった。

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第1章

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1-2 仮説

 「集団の共有記憶として選定した郷土映像を共用空間で展示し 続けることで、集団を共用空間に集められるのではないか。」  本研究において上記の仮定を設定し、調査・実験・考察の流れ を踏んだ。

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 高齢者福祉施設において、痴呆の進んだ入居者が施設内で自分 の個室を誤認識してしまうことを防止するために、個人の所有物 を部屋の入り口付近や室内に置くことが有効であるという報告が 3)

ある 。入居者が過去に趣味としていた物事に関連するものや、 日常生活の中で愛着を感じていたものなど、個人の記憶と深く結 びついた様々な物品がこの手法において採用されており、現在多 くの高齢者居住施設において使い慣れた物品の持込みが奨励され ている。これに関して大原 (1997) は以前の住環境で使用していた 物品を持込むことで、高齢者施設入所時の環境への適応を助ける 4)

としている

 人間は個人の水準でも集団の水準でも、あらゆる「物」を介 在させながら自己の記憶を遍在化し、自己と空間との関連づけを 行っている。本項の最初で例示した高齢者の誘導についても、原 ᅗ 㞟ᅋඹ᭷✵㛫࡜ࡢ㛵ಀࣔࢹࣝ

理的にはこれを応用したものだと考えられるだろう。この原理を 端的にモデルにしたものが図 1-1-1 である。そしてこの関係性を 個人から集団へと転換したものが図 1-1-2 である。  個人が物とそれに仮託した記憶を介在させながら自己と空間と を関連づけているように、ある集団においてその集団が記憶を仮 託することが出来たような事柄を意図的に操作して提示すること で、集団を集団として利用可能な共用空間と関連づけられるので はないか、と考えたところに本研究の発端がある。  もちろん、個人の水準で空間と関連づけられた場合の関連づけ の強度と集団の場合のそれとは大きく異なるだろう。しかしなが ら、集団を動員すると言うことは個人を動員することよりも多大 なエネルギーを要するものである。ここでは関連づけの強弱を議 論するのではなく、「関連づけることが可能かどうか?」という点 に的を絞って検証を行うこととする。

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第1章

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1-3 研究目的 高齢者居住施設における共用空間の利用を促進させることを目的とす る。 その手段として郷土映像を展示し、入居者の空間利用の変化を分析する ことで、入居者と共用空間結びつける手段としての「郷土映像」の効果 を検証する。

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第1章

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1-4 研究概要 1-4-1 研究概要  近年高齢者居住施設において多く見られるようになった、前住居より 持ち込まれた入居者の使い慣れた物品を、入居者個人の居室と、入居者 の生活を結びつける対象として捉えた。  この関係性を施設内共用空間にて適用し、共用空間と入居者集団の生 活を結びつけることができるか否かを検証した。  入居者集団の使い慣れたものの対象としては、共通の記憶背景である 往時の郷土風景を選定し、写真による展示と映像による展示を行った。 また、共用空間における入居者集団の生活の結びつきを検討するため、 共用空間の利用状況とそこで発生する会話について変化を追った。

1-4-2 研究の流れ  仮説(1-2)に基づいて、高齢者居住施設と持ち込まれた物品との関 わりを既往文献より調査することにより本研究の位置づけを行った。  研究対象施設における入居者の物品の調査と既往の研究の文脈を頼り に、「郷土写真の展示」および「郷土映像の展示」という2通りの実験 方法を選定した。  これらの展示を行うことにより生じた共用空間の利用状況に変化と会 話の発生について考察を加えた。

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第1章

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1-5 用語の定義

■高齢者居住施設  居住を含めた高齢者施設を指すものとする。  本研究において実験対象とした施設は特別養護老人ホームとショート ステイ、生活支援ハウスの複合老人介複合施設であるが、既往文献によ ると、上記施設以外にも軽費老人ホームやグループホームについてこの 言葉を使用している。高齢者施設の種別については2-1-2に記した。  また、本論において特に断りがない限り「施設」とは高齢者居住施設 のことを指すものとする。

■郷土映像 / 郷土写真 / 郷土風景  入居者の生活圏内の街並みや生活風景をさす。  本研究においては、2つの自治体に要請し、郷土資料としての往時の 郷土映像、および写真を収集し、展示実験を行った。

■物品  前述したように、施設において入居者が以前の住環境から使い慣れた 家具などの私物を持込む行為が見られる。  持込まれた「もの」は私物に限らず、新調した家具などをはじめ、家 族の写真や、ぬいぐるみなども挙げられるが、本論ではこれらを総じて 物品として扱うこととする。

■施設 S  3-2-1項において後述するが、本研究にてその研究対象とした複合老 人福祉施設Sを、本論では「施設S」と表現することとする。

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第2章

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第1章 序論 第2章 基礎資料の調査 第3章 実地調査・実験 第4章 結果と分析・考察 第5章 総論

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第2章

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高齢者サービスの現状と今後の展開

 本論の基礎となる資料調査として、現在の高齢化社会の実態 と、それにともなう高齢者福祉サービスおよび高齢者居住施設 の実態を調査した。

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第2章

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2-1 高齢化社会の現状 日本の高齢化の現状と推移  日本の高齢者人口は 1950 年には総人口の 5% に満たなかったが、 1970 年には 7% を超え ( いわゆる「高齢化社会」) さらに、1994 年 には 14% を超えており ( いわゆる「高齢社会」)、急速に高齢化が 進展している。 今後も総人口は減少に転ずる中、高齢者人口は増加 することが見込まれていることから、高齢化率は上昇 を続け、2050 年には 35.7% に達し、国民の約 3 人に 1 人が 65 歳以上の高齢者と いう本格的な高齢社会の 到来が見込まれている。また、高齢者人口 のうち、前期高齢者人口(65歳∼74歳)は 2015 年ピークにそ の数は減少に転ずる一方、後期高齢者人口(75歳以上)は増加を 続け、2020 年には前期高齢者人口を上回るものと見込まれている。    高齢化の速度について、高齢化率が 7% を超えてからその倍の 14% に到達するまでの所要年数 ( 倍化年 数 ) ���よって先進諸国と比 較すると、フランスが 115 年、スウェーデンが 85 年、比較的短い ドイツが 40 年、イ ギリスが 47 年であるのに対し、我が国は、24 年で達している。このように、我が国の高齢化は、世界に例をみな い速度で進行している。

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第2章

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介護保険制度について

 高齢者介護に対する社会的支援システムを充実させるための公的 保険制度である。 40 歳以上の国民が保険料を納め将来、常時介護 が必要になった場合に介護サービスなどにかかる費用が給付され る。    被保険者は、65歳以上の第一号被保険者と医療保険を支払って いる40歳以上65歳未満の第二号被保険者とに分けられる。この 二者は、保険料や徴収方法が異なる。  介護保険制度は 2000 年の 4 月から始まっており、老人の介護を 国民の保険料負担で保障する制度。介護保険は 65 歳以上の介護を 要する人と 40 ∼ 64 歳の老化が原因の特殊疾病で介護を要する人 を対象している。 手続き、サービス選択では要介護度をコンピュー ターによる一時判定と、介護認定審査会(保健・医療・福祉に関す る専門家 5 人で構成され、介護の必要性について、総合的な審査を 行なう組織)による二次判定で決定される。

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(2004 年資料)

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第2章

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介護保険制度の仕組み

 介護結果・要介護度認定からサービスを受けるまでの流れを、 図 2-1-2:介護保険制度の仕組みと保険給付の手順で示す。

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2-2 高齢者居住施設の種別  1-5: 用語の定義の項で触れた本論における「高齢者居住施設」 のくくりを、現行の高齢者福祉サービスと高齢者福祉施設の種別 を調査することで図 2-2-1 に表した。  また、高齢者福祉施設の種類を利用者の入所・通所で大別し、 表 2-1-2 にまとめることで本研究における対象施設の位置づけを おこなった。

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着色部が本研究で取り扱おうとする高齢者 居住施設である。

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HITOSHI WATANABE LAB. WASEDA UNIV.




第2章

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第2章

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2-3 高齢者福祉サービスのあゆみ  現在の高齢者福祉サービスのシステムが生まれた歴史的背景 と、本年改定がなされた介護保険制度など高齢者福祉サービスの 動向を捉えるため、以下で高齢者福祉サービスのあゆみをまとめ た。

䠍䠕䠒䠏ᖺ ⪁ே⚟♴ἲ䛾ไᐃ  低所得者に対する保健施策をこえて、加齢に伴う一般的な介護 ニーズが制度の対象として位置づけられた。しかし、徐々に施設 整備等もすすめられたものの、介護を要する高齢者の数に比べて 施設が不足したため、結果的に低所得者が優先された。また、低 所得調査があるなど一般の人に必ずしも利用しやすいものではな かった。 䠍䠕䠓䠏ᖺ ⪁ே་⒪䛾↓ᩱ໬  老人医療費の無料化が実施されたが、高齢者の受信を容易にし た反面、老人医療費は著しく増大した。また、福祉施設と医療機 関の費用負担の格差や手続きの違い等から入院を選択する、いわ ゆる「社会的入院」という問題も指摘された。 䠍䠕䠓䠌ᖺ༙䜀௨㝆  在宅福祉が重要との認識が高まった。 䠍䠕䠔䠌ᖺ㡭  通所介護(デイサービス)、短期入所生活介護(ショートステ イ)が制定される。 訪問介護の所得の制限も引き上げられた。 䠍䠕䠔䠎ᖺ ⪁ேಖ೺䛾ไᐃ  高齢者医療の負担の公平化と、壮年期からの総合的な保健対策 の実施を目指して、老人保健法が制定された。 䠍䠕䠔䠒ᖺ ⪁ேಖ೺᪋タ䛜๰タ  高齢者にふさわしい看護や介護に重点をおいたケア、医療と福 祉と連帯した総合的サービスの提供が求められるようになり、老 人福祉施設が創設された。 䠍䠕䠔䠕ᖺ 䝂䞊䝹䝗䝥䝷䞁సᡂ  在宅介護サービスをはじめとする高齢者保健福祉の基盤整備が 急速に進んだ。加えて、住民に身近な市町村が、在宅福祉と施設 福祉を一元的かつ計画的に提供するため、在宅介護支援センター が創設された。 䠍䠕䠕䠐ᖺ ᪂䝂䞊䝹䝗䝥䝷䞁⟇ᐃ 䠍䠕䠕䠓ᖺ 䜾䝹䞊䝥䝩䞊䝮ᑟධ 䠍䠕䠕䠕ᖺ 㻝㻜 ᭶ せ௓ㆤᗘㄆᐃ䝇䝍䞊䝖 䠎䠌䠌䠌ᖺ ௓ㆤಖ㝤ไᗘ  一部の限られた問題としてではなく、普遍的な問題となった高 齢者介護に対して、国民皆で介護を支え合おうとする���度。要 介護状態になったものが「その有する能力に応じて自立した日常 生活を営む事が出来るよう」必要なサービスを提供する。「高齢 者の自立支援」を理念とし、住み慣れた地域での生活を続けるこ とが出来るよう、自立を支える多様な在宅サービスを重視してい る。

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第2章

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䝂䞊䝹䝗䝥䝷䞁䠎䠍⟇ᐃ  日本の高齢化率が世界最高水準となる中で、高齢者保健福祉施策 の一層の充実を図るため、新たなプランを策定。  基本的な目標として、1. 活力ある高齢者像の構築 2. 高齢者 の威厳の確保と自立支援 3. 支え合う地域社会の形成 4. 利用 者から信頼される介護サービスの確立があげられた。 䠎䠌䠌䠑ᖺ ௓ㆤಖ㝤ไᗘᨵ㠉  介護保険が導入されてから5年を経過し、制度の持続可能性を高 めるために改革を行う。 制度のあり方を予防重視型システムへ転換し、市町村を責任主体と する地域単位の介護に移行。施設給付金の見直しにより在宅介護と 施設介護の公平性や、低所得者に対する措置がなされる。身近な地 域の特性に応じた多様で柔軟なサービス提供を目指す。

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第2章

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2-4 高齢者住居施設の今後の展開 介護保険制度の改定と地域ケア

2000 年に制定された介護保険制度は、制定後 5 年を経過した 現在、導入当初の予想をはるかに超えるこれまでの齢者の利用 の増加と、今後 2015 年に来たる 65 歳以上高齢者の爆発的増加 を目前として、今後の制度の持続性の維持に大きな課題を残す かたちとなった。  本年の制度の改定はこの点に見直しを重ね、持続可能な介護 保険制度の実現にむけて表 2-4-1 示す概要で進められた。また、 元来介護保険制度は高齢化社会の進展とそれを支える家庭の介 護能力の低下という現状に対し、高齢者の介護を社会全体で支 えあう仕組みとして制度化された経緯があるが、表中の概要に みられるような地域主体の一貫性をもった予防介護や、地域ケ アを強調した今回の改定を受けて、介護保険はますます地域主 体の制度となっていく流れにあるといえる。

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高齢者居住施設の今後の展開

 上記の介護保険制度の動向から今後の高齢者福祉サービスは、 地域の特性を高齢者ケアに活かす時代に入ると予想される。同じ ように、介護保険制度の改定には高齢者福祉サービスを行う場と しての高齢者居住施設についても、地域に展開していくことが想 定されている。

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第3章

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第1章 序論 第2章 基礎資料の調査 第3章 実地調査・実験 第4章 結果と分析・考察 第5章 総論

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第3章

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3-1 研究対象施設

 今回実験対象としたのは茨城県の山間部にある複合老人福祉施 設 S( 以下、施設 S) である。少子高齢化社会の著しい地方都市に おける高齢者居住施設においては、認定機関としての行政の役割 や、施設と医療施設との連携が地域単位で進められている。また、 首都圏の高齢者居住施設に比べ、その入居者が比較的近郊から入 所する傾向が見受けられる。  本施設についても要介護度認定機関としての行政の参加や、施 設近郊の医療施設や理美容店などの提携、地域の小学校や保育園 などとの交流などが見られ、地域に展開していく高齢者福祉サー ビスの一端が見受けられる。このことに加えて、入居者の出身地 域もその多くは施設近郊であり、同じ文化背景を持った集団であ るという理由から前述した高齢者福祉サービスの地域展開のさき がけとなっている地域であると考えられる。  現在の高齢者福祉サービスの動向をふまえ以上の理由から、本 研究を通してこれからの高齢者居住施設の共用空間を考察する上 で適した施設背景を持っていると判断し、実験対象とした。

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第3章

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3-1-1 対象施設 複合老人福祉施設としての施設 S

 施設 S の展開する高齢者福祉サービスの内容をその規模ととも 注2)日本総合研究所はその調査により、複合老 人福祉施設としては大阪・東京といった大都市に おける複合施設は少なく、人口の少ない地域を中 心に形成されていると報告している。この研究機 関の考察によれば、施設 S は入院設備のある病院 を持たないため、その分、周辺の医療機関との連 携が強く、系列・グループを超えた複合体を形成 している形態であるといえる。

に表 3-1-1-1 にまとめた。サービス展開の形態からも、今後の施 注2)

設の地域展開の流れに沿ったものであると言える。

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定員

特別用語老人ホーム

50 床

ショートステイ

20 床

デイサービス

20 名

生活支援ハウス

20 名

ヘルパーステーション 在宅介護支援センター 居宅介護支援センター グループホーム

9名

施設 S の外部との関わり

 施設 S の外部保健医療機関との関わりと、施設が独自に行って いるレクリエーションにおける外部機関とのかかわりを図式化し ᅗ ࠉ᪋タ 6 እほ㸯

た。これらの諸施設は定期的に施設Sに訪問している。

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第3章

3-1-2 対象施設の立地  施設Sを有する茨城県A町の抱える人口はおよそ 1 万 3000 人。 施設SはA町においては唯一の特別養護老人ホームである。 図 2-2-4 にて施設Sの所在地を示す。

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第3章

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3-1-3 対象施設の概要  対象とした施設Sについて、基本となる情報を入居者と施設空間の面 から調査した。以下その結果を示す。

入居者の男女比 ⏨ᛶ 㻞㻣䠂

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第3章

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施設平面図

施設Sの平面図を以下に示す。 特別養護老人ホーム、ショートステイ、生活支援ハウスを兼ねたメ イン棟と、グループホーム棟の2つの建物からなる。この空間の使 い分けを図 3-1-8 に示す。本研究で対象としたのはこのうちメイン 棟の部分である。

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第3章

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共用室および入居者の個室、職員の使用するスペースについて簡易 的な色分けをしたものを図 2-2-7 に示す。 また図 2-2-8、および図 2-2-9 に対象としたメイン棟における施設 内共用空間の写真を掲載した。

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第3章

入居者の出身地

 施設Sのような地方都市に見られる高齢者福祉施設は、概してそ の入居者の出身地が近郊であることが多い。これは運営主体である 社会福祉法人、NPO法人等が職員に対して支払う人件費を、市町 村からの補助金でまかなうためであり、施設Sに対するヒアリング においても入所する高齢者の選定の際にその出身が施設Sを有する A市であるかどうかを、ひとつの判断材料としていると答えている。

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第3章

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3-2 研究方法

 本格的な高齢化社会の到来を前に、高齢者居住施設への需要は大 きく高まっている。それに伴い、高齢者者に対するケアの質(QOC) の高まりが随所にみられ、施設内居住環境においても様々な取り組 みが行われている。居室の個室化によるプライバシーへの配慮や、 ユニットケア

注1)

による家庭的なケアへと移行もこの好例であり、

これまで概して均一的・画一的な、入居者のプライバシーが守られ にくい特殊な環境であると問題視されていた施設内環境大きな変化 が訪れている。  ところが、個室・共用室の明確な区別による弊害として、李ら (1998) は居室引きこもり防止の為の職員による共用空間への半強 制的な誘導は、入居者の食堂や広間での滞在率を増加させるが、無 1)

為、居眠り、画一的行為が多く見られるようになるとしている 。 また山田 (1997) は共用空間における高齢者の行動は種類や頻度と 2)

もに格段に 1 人による行動が占める割合が多いとしている 。本研 究において実験対象とした総合福祉施設 S についても同様のことが 言え、職員による半強制的な誘導と、共用空間における「1人行動」 が多く目に付いた。

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第3章

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3-2-1 施設入居者の物品の持ち込みからの検討  共有空間に挿入すべき入居者の集団の記憶を選定する前提とし て、個々人の記憶と住環境を関連付けている物品を調査した。メイ ン棟入居者の持込み物品のうち、もっとも持込み物品数の多い入居 者 H の居室の物品を表 3-2-1 に表す。

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注3)恣意的ではあるが、愛着や記憶に 関わりそうな物品を便宜的に着色してい る

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表 3-2-1 より、数多くの生活物品が認められる。このうち個人の愛着 や記憶に関わるものは、写真、絵画、ぬいぐるみ、その他置物として の装飾品などど、その数が上位を占めることがわかる。

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第3章

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3-2-2 既往文献からの検討 入居者の持ち込む物品について調査した前項によると、多くの数を 占める物品の品目は、写真や花、装飾品といった品目であり、概し て機能的ないわゆる「日用生活品」ではない。このことについて古 賀ら(2002)は入居者の持ち込む私物を「鑑賞対象」、「行為対象」 に分けた上で、「鑑賞対象は鑑賞対象として分類されたものは意味 分類では過去の記憶や個人的な価値等に関わり、自らを確認するも 11)

のとしての意味もある」

とする。つまり、個人としての記憶背

景と施���内居室が関連づけられている物品が列挙できたといえる。 また、大原(1997)によれば、生活環境一般は「機能的側面」と「帰 属的臆面」に分けられるとした上で、高齢者居住施設の持ち込み物 品について「愛着性」の重要性を説いている

4)

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第3章

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3-2-1 場所の選定  前項までで検討したように、本研究において高齢者居住施設の共 用空間に、「集団の記憶」として挿入するものは、入居者の多くが その記憶背景をもつ、「郷土の風景」であることとした。 次に施設 S において実験を実施する共有空間の決定を行なう。  3-1-1: 対象施設の概要の項で示したように、施設 S のメイン棟に おける共用空間は2つある。 このうち、共用空間1は食堂を兼ね備えているため、本研究による 純粋な成果を計測しずらい。 したがって、本研究においては施設 S メイン棟内の共用空間2をそ の実験の場所と決めることとする。

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第3章

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3-3 実験方法

実験期間

平成 17 年 11 月、事前調査3日間、写真映像の展示実験の3日間、 郷土の映像展示の3日間、合計9日間について、共有空間に滞在す る入居者と職員、及び家族などの面会客の動向を調査した。

実験場所

前項にて説明した理由により、本実験の対象場所は施設 S メイン棟 の共用空間2である。

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実験方法

共有空間の掲示板(図 3-2-1 を参照)にたいして、写真展示実験期 間においては、写真12枚を四つ切り判にて展示した。また、映像 展示実験期間においては、図 3-2-3, 図 3-2-4 のように、写真展示 実験と同等の面積を占めるよう調整した上でプロジェクターによる 投影を行なった。

展示内容

自治体の郷土資料博物館より借り受けた古写真100数枚のうち、 郷土風景や当時の人々の生活が映されていたものを選択し、展示し た。これについては巻末の資料編を参照のこと。

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第4章

第1章 序論 第2章 基礎資料の調査 第3章 実地調査・実験 第4章 結果の分析・考察 第5章 総論

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第4章 4-1 実験結果分析の流れ

 実験を通して生じた共用空間の利用状況変化を捉えるための視点 を説明する。  また、その変化において共用空間に関わった入居者の特性を各種 評価尺度を用いて解釈することで、共用空間をとりまく集団の特性 を分析・考察した。

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第4章 4-1-1 結果分析の流れ  はじめに、本実験の結果分析の流れと、それによって仮説を検 証した流れを図にあらわす。この流れに沿って以下の項では各項 において小考察を挟むことで、本研究の目的である郷土映像によ る共有空間の利用促進効果を検証することとする。

4-2 共用空間の利用状況の変化 4-2-1 利用状況と利用者

4-2-2 利用状況と入居者の人数の変化

4-3 共用空間の同時滞在人数の変化

4-3-1 共用空間の同時滞在人数

4-4 入居者の各種自立度による分析と考察 4-4-1 要介護度による分析と考察

4-4-2 ADLスケールによる分析と考察

4-3-2 利用状況と利用時間の変化 4-4-3 痴呆スケールによる分析と考察

4-3-3 同時滞在人数と合計滞在時間の関係 4-4-4 歩行能力による分析と考察

4-3-4 会話の発生件数と滞在人数

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第4章 4-1-2 鑑賞・滞在・会話による分析  入居者の共有空間の利用状況を多角的に捉えるため、本研究では 「滞在」という要素と「鑑賞」という要素、それに加え「会話」と いう要素に着目し利用状況を分析した。3要素の関係性を図 4-1-1 に示す。実験による効果を捉えるために、3要素が絡む利用状況の 推移のうち、「鑑賞による」行為だけに着目した。これにより分析 の際は、    A:鑑賞かつ滞在かつ会話    B:鑑賞かつ滞在    C:鑑賞のみ 注4)4-2-2 利用状況と入居者の人数の変化の 項にて、例外として扱った。

の3パターンを主に

注4)

扱うことにする。この3パターンは実験に

対する反応行動として、想定できる全てを満たすものであると仮定 し、論を展開する。

注5) 実験前:何もない状況では共用空間に おいて「鑑賞」という行為は生まれない。こ のため、図に示したように、実験前の「滞在 かつ会話」と「滞在」の2パタンを、それぞ れ実験期間中の「鑑賞かつ滞在かつ会話」 「鑑 賞かつ滞在」と比較した。

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第4章 4-1-3 分析に用いた各種評価尺度 要介護度

 介護サービスの利用に先立って利用者が介護を要する状態である ことを公的に認定するための1∼5段階の指標である。  視力、聴力、麻痺、関節の動きなどの体の状態、尿意・便意の認識、 排泄・入浴などの日常生活の能力、意思の伝達、問題行動などの痴 呆状態などの項目に対し介護に要する時間の推計より算出される。  ただし、施設 S においては、要介護度認定を受けた高齢者は特別 養護老人ホーム、ショートステイに限定される。メイン棟における 入居者としては生活支援ハウス利用者がいるが、本分析においてこ れらの入居者は便宜的に要介護度1とみなした。

ADLスケール

 生活を営む上で不可欠な基本的行動を指すADL(日常生活動作) という概念を利用し高齢者の自立度を測る。 今回その評価尺度として Katz,S(1963) のADLスケール

6)

を用い

た。6つの基本的行動を軸に以下の項目で点数化し、高齢者の特性 を測る一尺度とする。

A . 摂食、排泄のコントロール、移動、トイレの使用、   衣服の着脱、入浴の自立。 B . 上記の 1 項目以外は自立。 C . 入浴とほかの 1 項目以外は自立 D . 入浴と衣服の着脱とほかの 1 項目以外は自立。 E . 入浴、衣服の着脱、トイレの使用とほかの1項   目以外は自立。 F . 入浴、衣服の着脱、トイレの使用、移動とほか   の 1 項目以外は自立。 G . 6項目すべてに介助を要する O . 6項目以上に介助を必要とするが、3 ∼ 6 には   当てはまらない。 6)

(Kats,S. scale )

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第4章

痴呆スケール 注 6: 「痴呆」という言葉は差別的であるという

 「痴呆」

注 6)

とは知能が後天的に低下した状態のことを指す。主

意見を踏まえて、2004 年 12 月 24 日付で法

に記憶や見当識の障害としてあらわれる痴呆症状は、その進行に

令用語を変更すべきだとの報告書がまとめられ

よって時間と場所、また、これらに関連して周囲を認識する能力(見

た。高齢者介護の場では以降「痴呆」を「認知症」 という言葉に置き換えている。

当識)が低下する。  「痴呆」について、その程度を簡易的に測るため、Berger(1980) による評価尺度

7)

を用いて入居者を6段階に分けた。その手順を以

下に記す。  また、施設Sにおいては痴呆の見られない入居者も入所している が、便宜的にもっとも健常者に近い状態であるとして、程度Ⅰであ るとした。

Ⅰ . ほとんどどんな環境においても自立している    が、ものわすれのせいで日常の活動に混乱があ   る。 Ⅱ . 慣れた環境においては指導監督なしに自立して   いる。 Ⅲ . 慣れた環境においても指導監督が必要だが、指   示があれば適切にふるまえる。 Ⅳ . 口頭による指示だけでは適切にふるまうことが   できず、介助を必要とする。 Ⅴ . 歩くことができる。生活全般に介助が必要・言   語によるコミュニケーションが成立しない。 Ⅵ . 寝たきりまたは椅子に座らせることができるの   み。言葉には無反応。反応を呼び起こすには、   接触による刺激を与える必要がある。                         7)

(Berger,E.Y. scale )

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第4章

歩行能力

 一般に施設において高齢者の居室移動方法は①自立歩行、②歩行 器を利用した歩行、③車椅子を利用した自力での移動④介助を伴う 車椅子移動、⑤移動不可能、に大別される。本論ではこの歩行能力 の程度をそのまま点数化し、高齢者の歩行能力を測る指標とした。

1. 自立歩行、または杖をついた歩行 2. 歩行器をもちいた歩行。 3. 車椅子を利用するが、自力で移動。 4. 車椅子利用者であり、さらに他者による介助を   必要とする。 5. 移動しない。寝たきり。

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第4章 4-2 共用空間の利用変化

 第3章にて設定した、入居者集団の共通の記憶背景としての郷土 風景を共用空間に展示する実験をとおして共用空間の利用状況はど のように変化したのか。写真と映像の展示方法の違いによる比較に より分析とともに考察を進めた。  なお、本章における分析は実験前の状態、写真展示による実験、 映像展示による実験、それぞれ3日間ずつ集計した総和に対して 行ったものである。

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第4章 4-2-1 利用状況と利用者  共用空間の利用状況の変化を、入居者に限らず、職員、面会に訪 れた家族など、共用空間に関わる全ての「人」をその人数のついて 集計した。縦軸を人数の割合とし、 4-1-1 にて述べた3要素である「滞 在」 、「鑑賞」 、「会話」を使って分析した。

 展示に関心を示さない、通過のみ

注 7)鑑賞のみで共用空間に滞在する ことのなかった人数を表す。

 鑑賞のみ

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注 7)


第4章

 鑑賞かつ滞在

 鑑賞かつ滞在かつ会話

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第4章

結果と考察

■展示に関心を示さない、通過のみの利用者  図 4-2-1 より、実験前、実験期間全てを通して通過のみの利用者 の割合に変動は見られない。 ■鑑賞のみの利用者  また、図 4-2-2 より、滞在することはなかったが鑑賞のみ行った 利用者については、写真展示実験に比べ映像展示実験について入居 注 7)時間と場所、またこれらに関連し て周囲を正しく認識する能力のことで、 痴呆の進行を測る手段としても扱われ る。

者の占める割合が増している。これは痴呆が進み、その見当識

注6)

が低下した入居者にとっても十分に目を引くものであったことが考 察される。これについては「4-4-3:痴呆スケールによる分析と考察」 の項において改めて考察する。 ■鑑賞かつ滞在をした利用者  図 4-2-3 は実験を通して、共用空間において家族や職員の滞在が 生じたことを表している。会話を含まない「鑑賞と滞在」は1人に よる鑑賞行為であると考えられる。同時滞在人数について「4-3-1: 共有空間の同時滞在人数」の項で詳しく考察することとする。 ■鑑賞かつ滞在かつ会話をした利用者  図 4-2-4 より、鑑賞行為を通して展示内容についての会話をした 人の割合は、 「なし」 「写真」「映像」の順で入居者についてその向 上が見られた。

 「家族」と「職員」 、 「入居者」という利用者の分類別に実験の結 果を考察すると、単純な「写真」と「映像」の比較においては、映 像の方がより多くの入居者の滞在を促し、より多くの会話を生む傾 向があると考えられる。これについてその真偽を論じるため、次項 で実験を通しての入居者の人数の変化を見てみたい。

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第4章 4-2-2 利用状況と入居者の人数の変化  利用者のうち、入居者に焦点をあて、その人数の合計の推移を分 析した。  4-2-1 の分析に引き続き、展示なしの共用空間の日常と、写真展 示実験期間、映像展示実験期間についてそれぞれ3日間の合計の人 数により分析を行う。

 無為の滞在も含めた利用状況と入居者の人数変化 (人)

注 8)本項においては入居者のみの動向に 焦点を当てているため、実験の効果をみる 「鑑賞」というくくりをはずし、滞在した時 間全てについて集計した。つまり、鑑賞目 的でない「無為の滞在」も含めた集計である。

会話を含む滞在 視認を含む滞在 注 8) 滞在のみ

$

( 滞在

会話

実験前:鑑賞対象なし

 無為の滞在を除いた利用状況と入居者の人数変化

鑑賞

(人)

& %

30

)

$

*

'

( 滞在

25

会話

実験期間 $ % & ' ( ) *

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20 15

12 13

10 5 0

6(人)

なし 会話を含む滞在 視認を含む滞在

8

写真

5

映像


第4章

結果と考察

■入居者の滞在数の増加  図 4-2-5 より、入居者の共用空間の利用は増加したことがわかる。 また、4-1-1 利用状況と利用者の項で見たように写真展示実験と映 像展示実験を比較した場合、映像実験が、より入居者の共用空間利 用を促進させる効果があると結論付けられるように思われる。   ■入居者の鑑賞行為の減少  ところが、図 4-2-6 にまとめたように、共用空間における入居者 の無為である状況を差し引き、単純に展示の鑑賞が発端となって起 こった入居者の滞在及び会話の総数は、写真展示実験のほうがより 入居者にとって効果的であるということを示す結果になっている。  このことについて考えられる点としては、認知機能や身体機能の 低下した高齢者にとっては写真という展示手法の単純性のほうが適 しており、映像を用いた場合、理解が容易ではないということが考 えられる。この視点から、4-4 項にて、入居者の自立度を各種評価 ���度に照らし合わせ、分析した。この項にて、さらなる考察を深め る事とする。  上記の原因に加えて、もう一点考えられる原因として 4-2-1 利用 状況と利用者の項、図 4-2-3 に対する考察と同様の視点から、写真 展示実験期間においてより多くの増加を呈している会話を含まない 「鑑賞と滞在」は1人による鑑賞行為であると考えられ、同時に共 用空間に滞在する人数に関わりがあるのではないかと考えられる。  この点について考察を深めるため、次項 4-3 にて、共用空間の同 時滞在人数の変化をみてみることにする。

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第4章 4-3 共用空間の同時滞在人数の変化

 4-2 共有空間の利用状況の変化の項で得られた見解を元に、共用 空間における同時滞在人数による分析を行った。これを通して、共 用空間の「共用」であることの意義を見つめなおすこととする。

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第4章 4-3-1 共用空間の同時滞在人数  共用空間における同時滞在人数の合計の推移を分析した。複数の 人数で共用空間に滞在した場合、何人と同時に滞在したかに焦点を あてた分析である。この際、入居者と同時に滞在した相手が入居者 なのか、または職員や家族なのかは区別していない。  これまでの分析に引き続き、展示なしの共用空間の日常と、写真 展示実験期間、映像展示実験期間についてそれぞれ3日間の合計の 人数により分析を行う。

 無為の滞在も含めた利用状況と入居者の人数変化

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第4章

結果

 実験前の日常の共用空間利用状況から、写真の展示実験、映像の 展示実験の順に、同時滞在人数は増加した。

考察

 4-2 共用空間の利用状況の変化の項において、図 4-2-6 に対する 考察で生じた視点は、この分析にて解決した。すなわち写真展示は 映像展示に比較してより多くの入居者を共用空間に滞在させる効果 1)

があるが、一人で見る、いわゆる「一人行動」 を誘発させる働き が大きいと言える。一方で同時に滞在する人数という視点から分析 を進めると映像展示のほうがより共用空間に集団をひきつける効果 があり、 「複数で共用空間にいる」という事象が発生しやすいと考 察される。  ただし、本分析では「複数の利用者と滞在したかどうか」に焦点 をあてたため、集団が共有空間に滞在する時間については判断がで きない。この点を論じるため、次項では共有空間の滞在時間につい て分析・考察をすすめる。

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第4章 4-3-2 利用状況と利用時間の変化  共用空間の利用促進を評価する場合、その利用時間も重要な視点 になりうる。本項では実験実施前の共用空間おける滞在者の滞在時 間と、写真展示実験、映像展示実験期間の滞在者の滞在時間を比較 した。

 共用空間における滞在時間の変化

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第4章

結果と考察

 実験前の日常、写真の展示期間、映像の展示期間の順に、共用空 間に滞在した入居者の滞在時間に増加が見られる。一人当たりの平 均滞在時間をみてみると、順に 1.3 分、4.91 分、9.37 分となって いる。  4-3-1 共用空間における同時滞在人数の項においても指摘できた ように、映像の展示がより共用空間の利用を促進させたと言える。

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第4章 4-3-3 同時滞在人数と合計滞在時間の変化  4-3-1 共用空間の同時滞在人数の項にて郷土風景の写真展示と映 像展示が同時滞在人数の向上に貢献したことが指摘でき、前項 4-3-2 利用状況と利用時間の変化の項にて、これらの展示実験が共用空間 の滞在時間増大に効果があったことが指摘できた。次に本項にてこ れらの同時滞在人数と集団としての滞在時間(同時滞在時間)の変 化をみる。

 同時滞在時間の変化

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第4章

結果と考察

 写真展示実験、映像展示実験の順に、滞在した入居者の合計滞在 時間は大きく増大していることがわかる。また、同時滞在時間につ いても、この順で上昇が見られた。  これによって、とくに郷土映像の展示によって同時に共用空間に 滞在する人数の増加、そして共有する時間の増加が明らかになった。 共用空間に起こりうるコミュニケーションのきっかけとして十分に 有効であることが示されたということができる。  コミュニケーションのきっかけが明らかになったことを踏まえ て、次に実際発生する会話を分析していきたい。  

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第4章 4-3-4 会話の相手  実験を通して会話の相手にどのような変化が生じたのかを見る。 本分析においても実験実施前の共用空間の日常と、写真展示実験期 間、映像展示実験期間についてそれぞれ3日間の合計の人数により 分析を行う。

会話相手をその人数により分析するが、一人 1 ポイントを与え、 例えば入居者同士であれば「入居者同士」に2ポイント、例え ば職員と2人と入居者の合計3人であれば「職員や家族」に 1 ポイント、「入居者と職員や家族」に2ポイントというカウン トで集計を行った、

入居者同士 = 「入居者」について2ポイント

入居者 1 人と職員2人 = 「職員や家族」に 1 ポイント            「入居者と職員や家族」に2ポイント

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第4章

結果

 実験中に発生した会話について、誰と誰の会話なのかを調べた。 写真展示期間、映像展示期間について順に居者同士の会話の割合が 増加していることがわかる。

考察

 以上のことから、2つの実験を通して共用空間で入居者同士の会 話の活性化=コミュニケーションの促進が見られたと捉えることが でき、この意味でこれまでの分析・考察を通して、本論 2-1 仮説に て提示した「郷土映像が入居者集団を共用空間に集められるのでは ないか」という仮説が検証されたといえる。

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第4章 4-4 入居者の各種自立度による分析と考察

 これまで往時の郷土映像が共用空間で入居者の滞在や会話を促す 効果が検証されたが、図 4-2-2 に対する考察として、郷土映像展示 という手段が見当識の低下した高齢者に対しても目を引く効果があ り、効果的なのではないかという推測を行ったことに対し、結論付 けがされていない。  また、本研究の主題としての共用空間の利用促進を考える上でも、 入居者の健常程度と実験に対する行為・反応をあきらかにする必要 がある。  このため、本項では「4-1-2:分析に用いた各種評価尺度」の項 で解説した各種評価尺度を用いて、共有空間にかかわる高齢者の行 為・反応を調べ、郷土映像展示に対する一考察を加えることとする。

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第4章 4-4-1 要介護度による分析と考察  あくまで介護にかかる負担より算出したこの度数に、どのような 傾向が見られるのか。  本項においても「4-1-1:鑑賞・滞在・会話による分析」の項で 取り上げた3パターンを、実験に対しての入居者の反応行動である と限定した上で論を展開する。  また、本項においては入居者の個別情報を扱うため、共用空間に 関わった入居者それぞれを区別し、重複を避けて集計した。

入居者の要介護度による分析

5

100%

4

80%

3

60%

2

40%

2

1

20%

4

0

なし 写真 鑑賞のみ

要介護度平均値

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映像

なし 写真

映像

鑑賞と滞在

なし 写真

映像

鑑賞と滞在と会話

0%

1 3 5 要介護度


第4章

結果

 全ての行為に対してその多くは軽度の要介護度認定を受けた入居 者である。2 つの実験を通して滞在以上の行為を行った入居者つま り「鑑賞と滞在」と「鑑賞と滞在と会話」を行った入居者の要介護 度に変動は見られない。  「鑑賞と滞在」について、なし・写真・映像の順に入居者の要介 護度に減少が見られる。

考察

 要介護度が重度の入居者については、 すなわちその生活形態が「寝 たきり」に近づくため、分析結果のように、共用空間に関わる行為 を示したのは軽度の入居者に限定されると考えられる。  また、 「鑑賞と滞在」について、なし・写真・映像の順に入居者 の要介護度に減少が見られた事実に対しては 4-2-1 利用者と利用状 況の項、図 4-2-3 に対する考察で触れたように、写真展示のような 理解の簡便さが映像展示にはなく、展示され流される情報を理解 する過程に困難さが含まれるのではないかと考えられ、写真展示よ り映像展示のほうが健常者に近い入居者向きであると結論付けられ る。 

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第4章 4-4-2 ADL スケールによる分析と考察  ADLについては、日常生活動作の可能・不可能によって点数化 したものであるという性格上、今回の 2 通りの実験に際してその自 発的行為の遂行能力を示す指標のひとつであると考えられる。分析 結果を以下に示す。

入居者のADLによる分析

7

100%

6

80%

5

60%

4 3

40%

2

20%

1 0

なし 写真 映像

なし 写真 映像

なし 写真 映像

視認のみ

鑑賞と滞在

鑑賞と滞在と会話

ADL スケールによる得点平均値

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0%

A B C D E F G O ADL スケール


第4章

結果

 映像展示実験に関して「鑑賞と滞在」を示した入居者のうちその すべてがADL程度A、つまり健常高齢者のみの参加であった。 さらに「鑑賞と滞在」を示した入居者のADL程度は実験前の展示 物なしの状況から写真実験、映像実験にかけて直線的に低下してい る。「鑑賞と滞在と会話」を示した入居者は、これとは逆に、なし・ 写真・映像の順に上昇傾向にある。

考察

 「鑑賞と滞在」にて現れた、なし・写真・映像の直線的なADL の低下については 4-4-1 要介護度による分析と考察の項と同様に写 真展示と映像展示の両者の理解の簡便さの違いが挙げられる。  また、逆に「鑑賞と滞在と会話」において現れたADLの上昇傾 向に関しては、健常に近い入居者がADL程度の重い入居者を引き 連れて共用空間に来るケースが見られたことや、職員による誘導が 発生したことがその理由として挙げられる。

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第4章 4-4-3 痴呆スケールによる分析と考察  痴呆スケールについては、入居者の見当識と深い相関があるため、

4-2-1 利用者と利用状況の項における図 4-2-2 に対しての考察を踏 まえて考察した。分析結果を以下に示す。

入居者の痴呆スケールによる分析

6

100%

5

80%

4

60%

3

40%

2

20%

1

0

なし 写真 鑑賞のみ

映像

なし 写真

鑑賞と滞在

痴呆スケールによる得点平均

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映像

なし 写真

映像

鑑賞と滞在と会話

0%

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ 痴呆スケール


第4章

結果

 写真展示実験および映像展示実験において「鑑賞のみ」を示した 入居者の痴呆程度の平均値が、ほぼ横一線であることがわかる。  これまでの結果に引き続き、 「鑑賞と滞在」について痴呆スケー ルの平均に直線的な減少が見られ、また、映像展示実験に対する鑑 賞と滞在を示した入居者は痴呆程度Ⅰの入居者のみであった。  前項に引き続き、「鑑賞と滞在と会話」において痴呆程度の平均 値に増加が見られ、また、痴呆度中程度の入居者の参加も認められ る。

考察

 以上のように見当識と深い相関がある痴呆スケールにおいて、 「鑑 賞のみ」を示した入居者の痴呆程度の平均値がほぼ横一線であるこ とは、4-2-1 利用者と利用状況の項における図 4-2-2 で「鑑賞のみ を示した利用者のうち写真展示実験に比べ映像展示実験について入 居者の割合が増した」という事実に対する考察である、「その理由 が痴呆が進み、その見当識が低下した入居者にとっても映像は十分 に目を引くものであったのではないか」という推測を否定する結果 であるといえる。  すなわち、図 4-2-2 より鑑賞のみの入居者についてはその痴呆程 度の差によりが重度の入居者に対しても目を引く結果とはならな かったことが指摘できる。  一方で、これまでの項で扱った評価尺度についても「鑑賞と滞在」 が、なし・写真・映像の順で減少傾向にあるとの結果が出ているこ とに加え今回見当識と関連付けられた痴呆程度においても、同様の 結果が導かれていることから、映像展示の理解が困難であることが 明らかになったといえる。

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第4章 4-4-4 歩行能力による分析と考察  本論において独自に設定した (4-1-2 分析に用いた各種評価尺度 の項参照 ) 5段階の歩行能力による集計と分析を行った。その分析 結果を以下に示す。

入居者の歩行能力による分析

5

100%

4

80%

3

60%

2

40%

2

1

20%

4

0

なし 写真 視認のみ

映像

なし 写真

視認と滞在

5段階の歩行能力による得点平均

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映像

なし 写真

映像

視認と滞在と会話

0%

1 3 5

5段階の歩行能力


第4章

結果と考察

 これまでの各種評価尺度にちなんだ結果が得られた。このことか ら、4-4 の結果をまとめることで、本項の結果と考察とする。 1)「鑑賞のみ」の入居者の行動について、写真展示実験に比べ映 像展示実験のほうがより重程度の入居者の参加が示されている。し かしながら 4-4-3 痴呆スケールによる分析の項において触れた「映 像の方が痴呆高齢者に対しても目を引くのではないか」と推測は否 定された。 2)「鑑賞と滞在」の入居者は、なし・写真・映像の順に軽度化し てる。これは 4-4-3 痴呆スケールによる分析の項にて考察を行った ように、写真展示のような理解の簡便さが映像展示にはなく、展示 され流される情報を理解する過程に困難さが含まれるのではないか と推測され、写真展示より映像展示のほうが健常者に近い入居者向 きであるといえる。 3)「鑑賞と滞在と会話」の���居者は、なし・写真・映像の順に重 度化している。これは 4-3-1 共用空間の同時滞在人数の項で明らか になったように、映像がより多くの入居者を共用空間に滞在させ、 会話を行うという効果があるためで、それが必ずしも健常に近い入 居者たちだけで行われるのではなく、さまざまな自立度の入居者を 含んだ集団であったことが確認された。

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第4章 4-5 実験に対しての結論

 はじめに「4-1-1:結果分析の流れ」の項、図 4-1-1 で示した分 析の流れにもとづいて、本分析で明らかにされたことをまとめる。  本章において 1--2 で示した仮説は検証された。

4-2 共用空間の利用状況の変化 4-2-1 利用状況と利用者

4-2-2 利用状況と入居者の人数の変化

4-4 入居者の各種自立度による分析と考察 4-4-1 要介護度による分析と考察

4-4-2 ADLスケールによる分析と考察

4-4-3 痴呆スケールによる分析と考察

4-4-4 歩行能力による分析と考察

4-3 共用空間の同時滞在人数の変化

4-3-1 共用空間の同時滞在人数

4-3-2 利用状況と利用時間の変化

4-3-3 同時滞在人数と合計滞在時間の関係

4-3-4 会話の発生件数と滞在人数

結論

①写真:総滞在人数の増加、「一人行動」の誘発。  映像:集団としての滞在増加

②映像:より滞在時間の上昇

②映像:より滞在時間の上昇、コミュニケーションの可能性

③映像:入居者同士の会話の上昇

仮説(1-2)の検証 郷土映像には入居者を集団として共用空間に集める効果がある

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第5章

ࠉࠉࠉࠉࠉࠉࠉࠉࠉࠉࠉࠉࠉࠉࠉࠉࠉࠉࠉ ᖺᗘࠉ༞ᴗㄽᩥ 㧗㱋⪅ᒃఫ᪋タ࡟࠾ࡅࡿ㒓ᅵᫎീᒎ♧ࢆ⏝࠸ࡓඹ⏝✵㛫ࡢ฼⏝ಁ㐍࡟㛵ࡍࡿ◊✲

第1章 序論 第2章 基礎資料の調査 第3章 実地調査・実験 第4章 結果と分析・考察 第5章 総論

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第5章

ࠉࠉࠉࠉࠉࠉࠉࠉࠉࠉࠉࠉࠉࠉࠉࠉࠉࠉࠉ ᖺᗘࠉ༞ᴗㄽᩥ 㧗㱋⪅ᒃఫ᪋タ࡟࠾ࡅࡿ㒓ᅵᫎീᒎ♧ࢆ⏝࠸ࡓඹ⏝✵㛫ࡢ฼⏝ಁ㐍࡟㛵ࡍࡿ◊✲

5-1 まとめ 本研究で明らかになったことは以下の通りである。 ①高齢者居住施設の共有空間において、郷土風景の展示により共用 空間を利用する入居者は増加した。また、写真による静的な展示の 方が総じて滞在人数は多い。一方で映像による動的な展示の方が「集 団として」共有空間に滞在する入居者が多い。 ②郷土風景の展示により共用空間を利用する入居者の利用時間が増 大した。また、映像による動的な展示の方が総じて滞在時間は上昇 した。 ③郷土風景の展示により共用空間においてコミュニケーションをは かる入居者が増えた。また、映像による動的な展示の方が職員など 健常者ではない、入居者同士による会話が多い。

以上から、郷土映像展示は、入居者の集団としての利用を促進させ ると言える。

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第5章

ࠉࠉࠉࠉࠉࠉࠉࠉࠉࠉࠉࠉࠉࠉࠉࠉࠉࠉࠉ ᖺᗘࠉ༞ᴗㄽᩥ 㧗㱋⪅ᒃఫ᪋タ࡟࠾ࡅࡿ㒓ᅵᫎീᒎ♧ࢆ⏝࠸ࡓඹ⏝✵㛫ࡢ฼⏝ಁ㐍࡟㛵ࡍࡿ◊✲

5-2 今後の展望

 高齢者居住施設で暮らす入居者を共用空間へ誘導するための手段 として「郷土映像の展示」が有効なのではないかという仮説の元に 本研究はおこなわれたが、さらにその集まった共用空間において入 居者同士の会話や交流が深まることも検証された。  これらの結果をもとに、今後「回想法」

注9)

の応用まで視野に入

れれば、日常的にメンタルケアを行うための空間演出装置として「郷 注9)次頁にて解説を行う。心理医療の場面 で近年臨床と研究が盛んな医療プログラムで あり、高齢者がその人生を振り返り、様々な 過去に対する回想行為を通して、人生の意味 付けや満足度を向上させるもの。

土映像」が、有効な手段になり得ると言うことが出来ると考えられ る。    回想法と郷土資料の扱いで、その先進的な取り組みを現在行政主 導のもと回想法事業として取り組んでいる愛知県師勝町について調 査をおこない、今後の展望とした。

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第5章

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5-2-1 師勝町の取り組み  愛知県師勝町に「師勝町回想法センター」という施設がある。こ の施設は建物自体の外観を昭和初期頃の学校建築をイメージしてデ ザインされ、施設内には歴史民俗資料館と明治期の旧家を併設した 施設となっている。このような計画の施設は日本全国を探せばいく らでもあるようなものであるが、この施設が特殊であるところは、 全国でも先駆けて「回想法」を行うことを目的として作られた施設 であるということである。 ᅗ ᖌ຾⏫ᅇ᝿ἲࢭࣥࢱ࣮

 「回想法」とは、高齢者が過去を思い出して昔を語り、よい聞き 手との交流を通じて人生を振り返る支援をすることで、高齢者の心 の安定や周囲のさまざまな人との交流を目指す援助の方法のことで ある。心理学の分野で開発されたこの手法は、現在では欧米をはじ め広く臨床的に取り入れられている手法ではあるが、日本での取り 組みはまだ始まったばかりである。師勝町の回想法センターでは、 これを専門医によって臨床的に取り入れるのではなく、日頃行われ る地域高齢者のケアサービスの中の様々な場面で手法的に応用し、 日常的にその効果を期待するというものである。そしてその活動を 支えるために必要な機器や情報を所蔵し、回想法を実践するための 場を提供するための施設がこの「回想法センター」である。  高齢者福祉施設で暮らす入居者を共用空間へ誘導するための装 置・演出として「郷土映像」が有効なのではないかという仮説の元 に本研究はおこなわれたが、さらにその集まった共用空間において 入居者同士の会話や交流が深まることも検証された。本研究中では ここで発生した会話や交流が「郷土映像」に関連したものかどうか までは追求していない。しかしながら、郷土の過去の映像によって

ᅗ ࠉᖌ຾⏫ࡢᅇ᝿ἲ࡬ࡢྲྀࡾ⤌ࡳ

高齢者の持つ思い出を刺激し、そこから会話が誘発されたのだとす れば、それは「回想法」、あるいは師勝町が取り組んでいる回想法 的なメンタルケアに近いものだということができる。  本研究の結果より、郷土映像の共用空間の利用促進効果を確か めることが出来た。つまり、「回想法」の応用まで視野に入れれば、 日常的にメンタルケアを行うための空間演出装置として「郷土映像」 が有効な手段になり得ると言うことが出来ると考えられる。

参考 http://www.town.shikatsu.aichi.jp/ center08 /kaisou/02_kaisouhou.html

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第5章

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5-2-2 今後の展望  本研究で明らかになったことは上記の展望のうち、ほんのきっか けにすぎないが、写真との比較実験を通して明らかになった「映像」 のもつ効果や有効性は今後の展開を想定すれば有意義なものであっ たと言うことができる。  本研究の更なる発展を想定し、今後取り組まなければならない課 題としては以下の通りである。

映像の更新

本研究においては各実験それぞれについて3日間のデータを統合し 全ての分析をおこなった。この意味で映像の内容に関する「慣れ」 や「飽き」については考察できていない。今後の映像による配信サー ビスや自治体の福祉への取り組みに援用することを想定すれば、映 像の更新期間について、更なる研究が望まれる。

回想法としての効果

本題からはずれるが、回想法としての応用を視野に入れれば共有空 間の中で展示される郷土映像が、高齢者の健康状態に対してどのよ うに影響するのかについて、今後研究が必要であると言える。

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第5章

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おわりに 実験を終えて  今回の実験は認知症高齢者をその対象にしたために、前もって計画した日 程や実験計画がことごとく覆される失敗の連続であった。そんななか、今回 の実験を通してその効果が職員にあることも確認できた。巻末に添付した職 員に対するアンケートによって、多くの職員が入居者の若かりし頃を想像し たと答えている。すなわち、職員は入居者をケアの対象ではなく、一人の長 い人生を生き抜いてきた人間であると認識した瞬間であるととらえることが できるだろう。このことは冒頭背景で示した「高齢者の尊厳あるケア」に結 びつく内容である。  本研究において得られた結果は回想法についても映像のブロードキャスト 化についても小さなきっかけにすぎないものであったかもしれない。しかし ながら、今後の高齢者居住施設において大きな可能性を残すものであったと いえるであろう。

謝辞  まず、なにより父と母に感謝したい。これまでの学生生活に加え、今回の 研究を陰ながら支えてくれた家族の存在はかけがえのないものであった。こ の場を借りて普段の感謝の意を伝えたい。    こうして論文の執筆を終えて思うのは、本当に多くの方々に支えていただ いたということである。度重なる実験の依頼を快く引き受けてくださった施 設長の佐藤さん、グループホーム責任者の宇佐美さん、急な依頼にもかかわ らず、貸し出し不可の貴重な資料を提供してくださった歴史民俗資料館の片 平雅敏氏、郷土博物館の作山正雄氏、そして柏義夫氏、施設職員の松本さん、 みなさんの協力なくしては、本研究の完成をみることはできなかった。    執筆に関しても情報化建築ゼミのみなさま、特に遠田さん、河内さん、横 尾さんには多大なる協力、助言、おしかりをいただき、本論を書き上げるこ とができた。ゼミを超えて相談に乗っていただいた大竹さん、長澤さん、あ りがとうございました。  また、幾度なく議論し夜を明かし、ほとんど共同生活に近い生活をともに 送った太郎くん、浅木さん、小沼君、城戸さん、日下部さん、嶋本君、清水君、 田中絵里子さん、引田君、ありがとうございました。    最後にこれほどの多くの方々に巡り会う機会を与えていただいた渡辺仁史 教授、ありがとうございました。

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参考文献

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参考文献・参考資料

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参考文献・参考資料

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参考文献 1) 山田明子、津村昭子、上野淳 : 高齢者入所施設における共有空間での入居者の行為分析 .  日本建築学会大会学術講演梗概集 : E-2 分冊 ,p.129-130,1997 2) 李ハヤン、谷口元 : 高齢者施設における入居者の共用空間での行動分析 .  日本建築学会大会学術講演梗概集 : p.503-504,1998 3)Namazi, NH., Rosner, IT. and Rechlin L.., : Long-term Memory Cuing to Reduce Visuo-spatial disorientation in Alzheimer's disease patietents in a special care unit: American Journal of Alzheimer's Care and Related Disorders and Research,6:10-15,1991 4) 大原一興 : 高齢者居住施設におけるパーソナライゼーション . 日本建築学会編 , 人間ー環境系のデザイン : 彰国社 ,p.128-145,1997 5) 株式会社日本総合研究所 : 医療・介護施設の複合化に関する調査報告書 . 医学書院 , 財団法人医療経済研究機構編 ,1999 6)Katz,Sindy et al. : Studied of Illness in the Aged The Index of ADL : A Standerized Measure of Biological and Psycosocial Function : Studies of Illuness in the Aged. JAMA, 185: 914-919,1963 7)Baager, Eugene : A System for Rating the Severity of Senility : Journal of the American Geriatrics Society vol.28 No.5,1980 8) 西亜衣子、渡邉昭彦、関勉宏、必暁雷:絵画展示による Y・G 施設の視認反応率の変化に関する研究―特 別養護老人ホームの共用空間における絵画等の効果の研究 その1― 日 本 建 築 学 会 大 会 学 術 講 演 梗 概 集 ,p.409-410,1999,9. 9) 必暁雷、渡邉昭彦、関勉宏、西亜衣子 : 絵画展示による Y・G 施設の視認反応率の変化に関する研究―特 別養護老人ホームの共用空間における絵画等の効果の研究 その 2―. 日本建築学会大会学術講演梗概集 ,p.411-412,1999,9. 10) 橘弘志、高橋鷹志、外山義、古賀紀江 : 個室型特別養護老人ホームにおける居場所の形成と領域化―高 齢者居住施設における個人的領域形成に関する考察(その4)―. 日本建築学会大会学術講演梗概集 :p.285-286,1996,9. 11) 古賀紀江、高橋鷹志、外山義、橘弘志 : 環境移行における「もの」の意味に関する研究―高齢者居住施 設入居者が所有する「もの」の実態とその意味 . 日本建築学会大計画系論文集 : 第 511 号 ,p.123-127,2002,1. 12) 古賀紀江、外山義 : 特別養護老人ホーム入居者の危機的移行と環境形成の関わりに関する研究 . 日本建築学会大会学術講演梗概集 :p.995-996, 1998,9". 13) 山田雅之、山本恭史、三浦研、山口健太郎、辻原万規彦、外山義 : 高齢者居住施設における囲炉裏の導 入が入居者の生活展開へ与える影響に関する研究(その2)―入居者の行動観察から考察する囲炉裏の有効 性―. 日本建築学会大会学術講演梗概集 : p.219-220,2001,9.

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参考文献・参考資料

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参考文献

14) 井上由起子、外山義、小滝一正、大原一興 : 個室と多床室における個人的領域形成の相違に関する考察 ―とくべつ養護老人ホームの個室化に関する研究(その 3) 日本建築学会大会学術講演梗概集 :p.123-124,1997.9 15)Cohen-Mansfield,J.and Werner,P.:The effects of an enhanced environment on nursing home residents who pace,Gerontologist,38,p.199-208,1998 16)Matthew,R. and Kemp,M:Rooms of past strike a chord in the mentally infirm Geriatric Medicine,9 p.37-41,1979 17)Namazi, KH. And Johnson, BD:The effects of environmental barriers on the attention span of Alzheimer's disease patioents,American Journal of Alzheimer's Care and Related Disorders and Research,7 p.9-15,1992 18) 船津利夫ほか : 老人の私物とその収納について―特別養護老人ホームの建築計画に関する研究― 日本建築学会学術講演梗概集 ,1079,10 19) 井上由起子、外山義、小滝一正、他 : 高齢者居住施設における入居者の個人的用域形成に関する考察 日本建築学会学術講演梗概集計画系論文集 ,501 p.109-115,1997 20) 山本多喜司、Wapner: 人生移行の発達心理学 , 北大路書房 ,1995

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資料編

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参考文献

資料編

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資料編

入居者の自立度 ―各種評価尺度より―

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参考文献

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高齢者居住施設における 郷土映像展示を用いた共用空間の利用促進に関する研究