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・目次

2002年度 卒業論文

・目次 ・はじめに 

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~第1章~ 研究概要

 3

 1-1:研究目的  1-2:研究背景    1-2-1:研究背景    1-2-2:海水浴場の歴史・現況  1-3:研究概要

 4  5

 8

~第2章~ 海水浴場・海の家の実態調査方法  2-1:調査対象  2-2:調査方法  2-3:ヒアリング調査項目

 9 10 11 12

~第3章~ 調査結果

14

 3-1:海辺に関するアンケート調査  3-2:市役所へのヒアリング調査  3-3:海水浴場のサイクルの視覚化    3-3-1:調査方法・日程    3-3-2:2002年度 由比ガ浜海の家一覧    3-3-3:海水浴場のサイクルの視覚化    3-3-4:個々の海の家の記録    3-3-5:前年度との比較による由比ガ浜の海の家の分類  3-4:海の家のサイクルのグラフ  3-5:海の家へのヒアリング調査  3-6:海の家の図面作成

~第4章~ 海水浴場・海の家の実態分析  4-1:景観・時間の観点からの分析  4-2:材料の観点からの分析  4-3:有閑期の保管の観点からの分析  4-4:環境の観点からの分析  4-5:設備の観点からの分析

15 24 31

69 71 74

77 78 80 82 83 84

~第5章~ 考察

86

 5-1:問題点とその改善策の検討    5-1-1:人々の認識という観点による分類    5-1-2:分類を基にした考察    5-1-3:2005年愛知万博の施設の転用先可能性の検討  5-2:まとめ  5-3:今後の展望

87

93 94

・おわりに

95

・参考文献、参考資料

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・はじめに

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・はじめに

 実を言うと私は、物心ついてからというもの、昨年まで海で泳いだ事がありません でした。昨年ついに海水浴に行った私を待ち受けていたものは、汚い海、ゴミの散ら かった汚い砂浜、ボロボロで汚い海の家、使用を避けたくなる程汚いトイレ、砂だら けの汚いシャワー、・・・本来の目的である“海水浴”の楽しさは、その余りの不快 さ、煩わしさに圧倒されてしまいました。私も、それを予想していなかったわけでは ありません。それでも私が海水浴に行こうと考えた理由は、“海”自体の魅力に因る ところがその大半を占めていたでしょう。逆に言うと私は、その他の物、つまり海の 家などには魅力を感じていないと言うことです。昨年の初海水浴以来、このような、 日本の海水浴場に対する批判的な認識が、私の中にできあがったのでした。そのこと がきっかけとなって、私は、日本の海水浴場をレジャーの場として見た時、まだまだ 研究の余地があるのではないかと思うようになりました。そうした時に、海の家とい うものは、毎年期間中だけ造って、また解体しているのだと言う事を知り、この事か ら調べていったら面白いのではないかと考えました。それがこの研究のスタート地点 でした。

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・第1章

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~第1章~ 研究概要

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1-1:研究目的

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1-1:研究目的

 調査地を首都圏の由比ガ浜海水浴場に絞り、海水浴場の変化という視点から、現在 の海の家の、「造って、営業して、壊す」というシーズンを通しての変化を研究・視 覚化し、また、個々の仮設建築物としての視点からも調査し、海の家の一連の現状を 明らかにする。それにより、その特性、問題点、改善策、等の考察を可能とする事を 目的とする。

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1-2:研究背景

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1-2:研究背景

1-2-1:研究背景  海・海岸は国有地である、という日本の法律に因る、「シーズン前に仮設建築物を 建て、シーズンだけ営業し、シーズン後はまたそれを取り壊す。それを毎年繰り返す。 」 と言う、海の家のシステムは、社会的にも建築的にも独特のものである。そうして作 られた日本の海水浴場の景観は乱雑で、清潔さ、快適さにも乏しい。  近年、レジャーへの関心は急速に高まりつつある。また、日本は島国であり、人々 がレジャーを享受する場としての海の果たす役割はますます重要になってくるだろ う。また、都市圏の一部の海水浴場で、今までには見られなかった動き、具体的には 企業とのタイアップによる、エステなどを備えたオシャレな海の家の登場、コンビニ エンスストア的な要素を持った海の家の登場、などが見られてきている。そうした動 きに因るところであろう、平成7年以降減少傾向にあった年間海水浴人口は、平成12 年以降増加傾向に転じてきている。そのような今日的状況の中で、現在の海水浴場は、 レジャーの場として発展途上であるとさえ言えるだろう。そこで、海水浴場・海の家 の現況を目に見える物とし、その特性、問題点、改善策、等の考察が必要であると考 えた。

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1-2:研究背景

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1-2-2:海水浴場の歴史・現況  明治時代に、鎌倉を離れていた多くの源氏の末裔と称する外様大名の子孫や資産家 の旦那集が、邸宅や別荘を構えて住むようになり、これらの人たちは西洋の生活様式 をいち早く取り入れ、また、「鎌倉の海が海水浴に最適である」とヨーロッパを視察 して帰国した長与専斎博士の紹介もあって、鎌倉は避暑地、保護地として急速に発展 した。これが1884年の事であり、この頃から海水浴という習慣のなかった日本で、 心身の健康のため、海水浴というものが生まれ広く定着した。そうした、海水浴の普 及に伴って、海岸で商売をする「海の家」が生まれたのだと思われる。  日本最初の海水浴場は、神奈川県の大磯海水浴場である。また、現在日本には 1242ヶ所の海水浴場があり(表 1-2-1)、それぞれに海の家は0軒~30軒以上 までさまざまだが、海水浴場の数から、日本全国でおそらく4~5000軒近くの海 の家があると思われる。  関係省庁は、国土交通省河川局水政課(旧建設省河川局海岸課)であり、海岸環境 整備事業などを行っている。  また、全国の海岸線の総延長3万2170kmのうち、人口海岸と半自然海岸合わ せて40%で、自然海岸は59%となっている。 北海道     68ヶ所

福井      68ヶ所

愛媛      37ヶ所

青森      16ヶ所

静岡      60ヶ所

高知      15ヶ所

秋田      13ヶ所

愛知      28ヶ所

福岡      24ヶ所

岩手      18ヶ所

三重      27ヶ所

佐賀       3ヶ所

山形       8ヶ所

和歌山     33ヶ所

長崎      70ヶ所

宮城      26ヶ所

京都      26ヶ所

大分      28ヶ所

福島      29ヶ所

兵庫      53ヶ所

熊本      25ヶ所

茨城      16ヶ所

鳥取      19ヶ所

宮崎      16ヶ所

千葉      88ヶ所

島根      37ヶ所

鹿児島     23ヶ所

東京(伊豆諸島)35ヶ所

岡山      16ヶ所

南西諸島(沖縄)74ヶ所

神奈川     39ヶ所

広島      12ヶ所

新潟      69ヶ所

山口      44ヶ所 (※琵琶湖   31ヶ所)

富山       6ヶ所

香川      31ヶ所

            

石川      32ヶ所

徳島      10ヶ所

合計    1242ヶ所 表 1-2-1:都道府県別海水浴場数

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1-2:研究背景

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 海水浴場の現況、新しい動きを示すものとして、平成14年7月23日の日本経済 新聞・夕刊の記事を抜粋して以下に示した。

~日本経済新聞 7月23日(火)夕刊~ ・海の家は個性派ぞろい  関東地方が梅雨明けした先週末。江ノ島、鎌倉、逗子、葉山、神奈川・湘南海岸には、 カラフルな水着姿の若者たちや家族連れがどっと繰り出した。毎年夏に繰り返される 光景。でも、お父さんお母さんの子供の頃とは決定的に違うものがある。海の家だ。  大部屋によしず張りというのは今は昔。「まるでリゾートホテルみたい」と、海を 眺めながらジャグジー風呂ではしゃぐ女子大生。ヤシの葉で屋根をふき、レゲエ音楽 の流れる南国風海の家では外国人が談笑。高いテラスに木製デッキチェアを並べた落 ち着きのある店では近所の大人たちが散歩ついでにグラスを傾ける。料理もタイ風カ レーあり、ベトナム麺あり。個性を競い合うのが湘南の現代版海の家である。  オシャレ度だけではない、車イス利用者用のスロープを設け、砂浜用の特殊な車イ スを貸し出す「バリアフリー」をうたう家や、リサイクル素材で建築し、自然食や途 上国雑貨を販売する「社会派」の家も軒を並べる。  「海の家も時代の要請に応えて変わるべきなんです」というのは新タイプの海の家を 経営し、鎌倉由比ガ浜浜茶亭組合長を務める小西美恵子さんだ。強引な客引きの禁止 などルールを作り、若くてやる気のある経営者を登用。今夏からはぴあと提携、出発 前に利用券購入や駐車場予約をオンラインで可能にした。  内外のリゾート地やテーマパークへ対抗する為に打ち出した新機軸。低迷を続けた 由比ガ浜近辺の来場者は数年前に底を打ち、増加に転じた。「目の肥えた大人も気軽 に楽しめる『湘南スタイル』の遊びを提示した」と小西さん。数々の先端的ライフス タイルを生んだ湘南はいま、海の家で新境地を開く。

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1-3:研究概要

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1-3:研究概要

□研究の概要を以下のフローチャートで表す。

調査

現況把握 既存の海辺に関するア ンケート調査研究 調査結果 海水浴場のサイク ルの視覚化

個々の海の家とし ての調査

市役所への調査 ヒアリング調査

パノラマ写真作成

ヒアリング調査

平・立面図作成

詳細図面作成

海の家毎の記録 調査結果

調査結果

調査結果

分析

景観・時間 材料 有閑期の保管 環境 設備

考察 問題点とその解決策の検討 今後の展望 図 1-3-1:研究概要フローチャート

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・第2章

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~第2章~ 海水浴場・海の家の実態調査方法

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2-1:調査対象

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2-1:調査対象

 海水浴場、海の家に関する実地調査を行うにあたって、その調査対象を神奈川県鎌 倉市由比ガ浜海水浴場(全長890m)並びに、その範囲内に含まれる海の家等の施 設と定めた。その理由としては、由比ガ浜は、首都圏で最も多くの年間200万人以 上の人々が訪れる神奈川県湘南海岸のエリアの中でも、最も人気の高い海水浴場であ る事、また、近年の首都圏の海水浴場における、趣向を凝らした海の家の誕生などの 新しい動き・試みの発信地である事、などが挙げられる。  上述のように、由比ガ浜は鎌倉市にあたるので、役所への調査の対象は必然的に鎌 倉市役所となる。

車場 地下駐

神奈川県鎌倉市・由比ガ浜海水浴場 線

34号 国道1

入り口 駐車場

滑川

由比ガ浜海水浴場 890m

遊泳地区

ヨット地区

ジェットスキー出入口 図 2-1-1:由比ガ浜地図

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2-2:調査方法

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2-2:調査方法

 以下の四つの方法で調査を行った。 ① 海水浴場の現状把握 ② 海水浴場の変化の視覚化 ③ 海の家自体の調査 ④ 鎌倉市役所への調査

■海水浴場の現状把握  現在の海水浴場の現状、人々の認識を明らかにする。 ・文献による調査、既存のアンケート調査結果などを集め、整理する。

■海水浴場の変化の視覚化  由比ガ浜海水浴場890mの範囲を、南側(海側)から定期的にパノラマ写真とし て記録し、何もない砂浜に、海の家が建てられ、シーズンを迎え、そして解体されて いく様子を完全に視覚化する。 ・定期的に現地に赴き、決まった位置からの風景を写真として記録し、それらを用い てその日その日の海水浴場のパノラマ写真を作成する。 ・同時にその日毎の海水浴場の平面図、立面図を作成し、視覚化を助ける。 ・個々の海の家単位の視点からも記録し、海の家のデータベースを作成する。

■海の家自体の調査  個々の海の家という視点からも調査を行う。 ・個別にいくつかの海の家のシーズンを通しての変化の様子も記録する。 ・電気、水道などのインフラを含めた海の家の平面図を作成する。 ・海の家へのヒアリング調査を実施する。

■鎌倉市役所への調査  役所、組合、個々の海の家、などの繋がり、役割などを把握する。 ・鎌倉市役所へのヒアリング調査を実施する。

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2-3:ヒアリング調査項目

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2-3:ヒアリング調査項目

ヒアリング調査項目(海の家)

■仮設建築物の海の家として  ① ここで営業を始めてどのくらいになるのか。  ② 海の家が建つまでに必要な手続きには、どのようなものがあるのか。  ③ 実際に建てるのは誰なのか。  ④ 一通りで年間どの程度のお金がかかるのか。 ■建材のサイクル、オフシーズンの保管について  ⑤ 毎年同じ建材を使用しているのか。  ⑥ 建材を再利用している場合、建材は何サイクル程度使用できるのか。  ⑦ それらの材料は、オフシーズン中どのように保管しているのか。  ⑧ それらの保管にかかる費用はどの程度なのか。  ⑨ 備品(食器・機械 etc)などはどうしているのか。 ■インフラ(設備)について  ⑩ 電気はどのように引いてきているのか。  ⑪ 水道はどのように引いてきているのか。  ⑫ 排水はどのように処理しているのか。  ⑬ ガスはどのようにして使用しているのか。  ⑭ トイレはどのようになっているのか。  ⑮ (自動販売機がある場合)そのシステムは。 ■営業の現状について  ⑯ ピーク時は一日何人程度の客が来るのか。  ⑰ ピークシーズンの従業員数は、またその構成は。 ■その他  ⑱ 組合はどのように運営されているのか。  ⑲ 夏以外の普段の生活は何をしているのか。

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2-3:ヒアリング調査項目

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ヒアリング調査項目(市役所)

■今年度の海開き期間、工事期間について ■海の家を建設するにあたって、どのような機関が存在し、どのような関係となって  いるのか、また、その際の手続きについて ■鎌倉市内における、海の家の組合の構成について ■海開きにあたり、市役所の行う業務、役割について

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・第3章

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~第3章~ 調査結果

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3-1:海辺に関するアンケート調査

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3-1:海辺に関するアンケート調査

 既存のアンケート調査結果などを収集・整理し、海水浴場の現状、人々の意識・認 識を明らかにした。 ■レジャーとしての海水浴に対する人々の参加傾向

海水浴人口の推移(単位:万人) (万人)3500

3200 3010 3000

3000

2890 2820

2640

2590 2440

2500

2380 2000

H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 (年度) 図 3-1-1:海水浴人口の推移

(%)35

男女別海水浴レジャー参加率の推移 32.6

32.1 30.5

29.3

30

31.2 26.7

29.5

25

24.9

25.3

26.3 23.9

26.4 23.4

20

22.7

21.9

23.4 21.6

20.1

15 10

男性 女性

5 0

H4

H5

H6

H7

H8

H9

H10 H11 H12 (年度) 図 3-1-2:海水浴参加率の推移

 海水浴人口は、平成7年以降減少傾向にあったが、平成12年以降はまた増加傾向 にある。参加率は常に男性の方がわずかに高くなっている。

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3-1:海辺に関するアンケート調査

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男女別海水浴レジャー参加率(H12年度) (%) 50 男性 42.6

女性

39.6

40

男女

37.5 37.6 35.3 33.3

30

27.0 23.4

20

22.5

21.6

20.9

10.7

10

6.4 4.4 4.3

(世代)

男女全体

全体

60代

50代

40代

30代

20代

10代

0

図 3-1-3:男女別参加率

 男性は、20代をピークに30代40代共に参加率が高く、50代から急激に低下 する。若者同士で行く、家族で行く、などの動機が無くなるためかと考えられる。 女性は10代、20代共に参加率が高いのだが、ピークが30代であるのが特徴的であ る。40代から著しく低下傾向にあり、50代で又、急激に低下する。男女共に50 代、60代の参加率が低いレジャーとなっている事がわかる。 海水浴レジャーは、他のレジャーと比べて、参加率に男女差の少ない、言い換えれ ば男女共に好まれるレジャーである。平成12年度から女性の参加率が増加傾向にあ り、13年度からは男性の参加率も増加傾向にあると思われる。

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3-1:海辺に関するアンケート調査

2002年度 卒業論文

地域別海水浴レジャー参加率(平成12年度)

(%) 30

28.9

28.6

27.8

27.9 27.3

27.0

25

25.2

25.9 24.1

23.0 22.0

22.2

21.7 20.6

20

19.4

19.1

22.5

22.2

19.7

18.8 18.8

18.7

15 11.4

10 8.1

5 全体

大分・宮崎・鹿児島

長崎・佐賀・熊本

福岡

四国

中国

兵庫

大阪

三重・奈良・和歌山

滋賀・京都

岐阜

愛知

静岡

新潟

長野・山梨

北陸�富山・石川・福井�

神奈川

埼玉

千葉

東京

北関東�群馬・茨城・栃木�

南東北�宮城・福島�

北東北�青森・秋田・岩手・山形�

北海道

0

(県名)

図 3-1-4:地域別参加率

 北海道における参加率が意外に高いことがわかる。それを除くと、単独の県として は、新潟県の1位に続いて首都圏の神奈川県、千葉県が2位3位となっている。千葉 県は海水浴場の数が日本で一番の県でもある(表 1-2-1)。

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3-1:海辺に関するアンケート調査

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■海辺へ行く頻度・アクセス

海辺へ行った有無 わからない 海辺へ行かなかった

海辺へ行った

海辺へ行かなかった

昭和61年

60.3

平成6年

53.8

平成12年

57.0

0.6

39.1

わからない 海辺へ行った

0

0.4

45.8

0.2

20

40

42.8

60

80

100 (%) 図 3-1-5:海辺へ行った有無

海辺へ行った回数 1~2回

昭和61年

11~20回 6~10回 21回以上 3~5回

31.3

平成6年

26.6

平成12年

30.2

18.0

3.4 5.6 2.1

4.7 5.3 2.3

14.8

15.5

行かなかった

39.1

わからない

0.5

わからない 行かなかった

45.8

0.4

21回以上 11~20回

2.0 5.1 2.4

6~10回

42.8

0.2

3~5回 1~2回

男性

28.6

女性

31.7

0

20

17.9

13.4

40

5.8 5.8 3.4 2.0 4.5 1.6

38.3

46.6

60

80

0.2

0.2

100 (%) 図 3-1-6:海辺へ行った回数

 平成6年と比較して、海辺へ行ったと答えた人の割合は増加している。行った回数 に関しては、それぞれの回数毎の比率にはさほど変化がない事がわかる。海辺に行っ たと答えた人の中では、1~2回と答えた人が最も多い。

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3-1:海辺に関するアンケート調査

2002年度 卒業論文

海辺への所要時間(平成12年)わからない 30分未満

28.4

30分~1時間

18.4

1時間~2時間

25.2

4時間以上 2時間~4時間

20.5

わからない 4時間以上

3.2

2時間以上4時間未満 1時間以上2時間未満 30分以上1時間未満

4.3 0

20

40

60

80

30分未満

100

(%) 図 3-1-7:海辺への所要時間

 30分未満が28.4%についで、1時間以上2時間未満が25.2%と高くなっ ている。2時間以上4時間未満と言うかなりの長時間にもかかわらず、その比率は 20.5%と意外に高くなっている。同時に、海までの所要時間の限界がおよそ4時 間であることが伺える。

海辺への交通手段(平成12年) 自家用車

鉄道

その他 路線バス 自転車 徒歩

路線バス

4.2 11.4

73.1

0.4

8.3

20

40

60

80

自転車 徒歩 鉄道

2.6 0

その他

自家用車

100

(%) 図 3-1-8:海辺への交通手段

 交通手段としては、自家用車が最も多く、以下、鉄道などの順になっている。又、 鉄道と答えた人の割合が、大都市部で高くなっている事がわかっている。

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3-1:海辺に関するアンケート調査

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海辺へ行った季節(平成12年) :複数回答 秋

26.7

16.2

37.8

78.4

0

10

20

30

40

50

60

70

80 (%) 図 3-1-9:海辺へ行った季節

 季節別に見ると、やはり夏を挙げた人の割合が圧倒的高いのだが、意外に春、秋も 高いことがわかる。

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3-1:海辺に関するアンケート調査

2002年度 卒業論文

■海辺に対する人々の意識

海辺の環境についての10年程前との比較 悪くなった(増加した)

砂浜のゴミ

変わらない

62.4

わからない 良くなった(減少した)

24.4

5.5 7.6 良くなった(減少した)

海面のゴミや油

59.6

25.0

6.3 9.1

わからない 変わらない

海の水質

51.0

海辺の景観

36.7

0

30.2

10.6 8.2

36.3

20

40

9.1

60

悪くなった(増加した)

17.9

80

100 (%) 図 3-1-10:10年前との環境比較

 海辺のあらゆる点において、少なくとも半数以上の人が海辺の環境が悪化したと感 じている。海辺の景観においても、40%近くの人が悪化したと感じている。また、 景観が「良くなった」と答えた人の割合は、町村で高くなっている事がわかっており、 首都圏のみに関してでは、「悪くなった」と答える人の割合が更に高くなると予想さ れる。

海辺での不満の有無 平成6年

不満がある

わからない

76.4

2.5

不満はない 不満はない

21.1

わからない 不満がある

87.7

平成12年

0

20

1.2 11.1 40

60

80

100

(%) 図 3-1-11:海辺での不満の有無

 実に88%もの人が海辺に出かけた際、何らかの不満を抱いている。平成6年と比 較しても、10%以上も増加しており、不満の対象が改善されていない事、更には、 不満の対象が増加もしくは悪化しているという事がわかる。また、不満は無いと答え た人の割合は、町村で多くなっている事がわかっている。

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3-1:海辺に関するアンケート調査

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海辺で不満に思ったこと 44.6 57.2

ゴミが散乱していた

36.3 36.3

トイレやシャワーが少なく、 汚かった

26.3 26.7

駐車場が少なかった

20.7 16.7

大勢の人で混雑していた 施設の利用料金、入場料や食 事代が高かった

11.8 15.5

食事や休憩のための施設(海 の家等)が少なかった

14.6 13.2 ※

高齢者や障害者へ配慮した施 設が少なかった

-12.2 7.8 11.3

海辺の松や緑が少なかった 海辺でサーフィンやジェット スキーをしていて危険だった

5.9 8.8

海岸堤防等により水際まで行 くことが困難であった

※ -6.1

海辺で車を乗り回していて危 険であった

※ -5.9

海洋性レクリエーション施設 が不足していた

3.1 5.0

平成6年 平成12年

1.1 1.5

その他

0

10

20

30

40

50

60 (%)

図 3-1-12:海辺での不満内容

 不満の内容については、散乱していたゴミについて答えた人の割合が57.2%と最 も多く、次に「トイレやシャワーが少なく、汚かった」と答えた人が36.3%と高

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3-1:海辺に関するアンケート調査

2002年度 卒業論文

くなっている。それらを平成6年と比較してみると、その割合は同じ、もしくは高く なっている、つまり、それらの不満が改善されていない事、悪化している事がわかる。 また、「トイレやシャワーが少なく、汚かった」と答えた人は、地域では大都市部で、 性別では女性で、また年齢別では20代、30代で、それぞれ割合が高くなっている 事がわかっている。

海辺で整備してほしい施設の有無 望むものがある

わからない

76.4

平成6年

3.6

85.5

平成12年

0

20

40

望むものはない

望むものはない わからない

20.0

望むものがある

2.3 12.1 60

80

100

(%)

図 3-1-13:海辺に整備して欲しい施設の有無

 海辺で整備して欲しい施設の有無に関しては、85.5%と非常に高く、平成6年 と比べても、10%近くも増加している。また、望むものはないと答えた人の割合は、 町村で高くなっている事がわかっている。

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3-2:市役所へのヒアリング調査

2002年度 卒業論文

3-2:市役所へのヒアリング調査

 以下の条件で、前述の項目について市役所へのヒアリング調査を実施した。

◇日時:2002年、5月27日(月) ◇対象:鎌倉市役所・観光課

~ヒアリング調査結果~

■今年度の海開き期間、工事期間について

 今年度の海開きの期間は6月28日(金)から8月31日(土)までであり、海の 家の建設などの工事は6月1日から開始する事ができ、海開きの6月28日までに完 成させなくてはならない。

■海の家を建設するにあたって、どのような機関が存在し、どのような関係となって  いるのか、また、その際の手続きについて

 海岸は国有地であり、その海岸に建築物を建てるにあたっては許可が必要である。 また、その許可も夏の一定期間のみの許可であり、一定期間意外の建築物は認められ ていない。その許可を与えるのは神奈川県であり、市役所ではない。しかしながら、 だれでも許可を得る事ができるというわけではない。個々の海の家の業者などが許可 を得る事はできず、何軒かの海の家の業者が集まって組合を形成し、それが組合単位 で土木事務所(鎌倉市では藤沢土木事務所)に許可申請を頼んで、土木事務所がまと めて神奈川県から許可を受けるという形となっている。そうして、海の家の建設工事 などの管理も土木事務所が行っており、これら一連の手続きにおいて、鎌倉市役所と 海の家の組合は一切関与していない。また、海の家で出す食品などに関しては、上述 とは別に保健所の許可が必要である。(図 3-2-1)

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3-2:市役所へのヒアリング調査

2002年度 卒業論文

許可申請の関係図

神奈川県庁 申 請

鎌倉市役所 協 議 会

許 申 可 請

藤沢土木事務所

組合

組合

個 海の家 個 個

保健所 図 3-2-1:許可申請の関係図

■鎌倉市内における、海の家の組合の構成について

 鎌倉市内には、海の家に関して全部で6つの組合が存在する。由比ガ浜海水浴場の 範囲には、東側四分の一ぐらいまでと、残りの西側で二つの別々の組合が存在してい る。また、ボートなどの貸し出しをするボート屋に関しては、海の家とは別に、それ の組合が存在する。組合と言っても、あくまでも個と個の集まりであり、事務所など があるわけではない。

■海開きにあたり、市役所の行う業務、役割について

 海水浴場として、海開き自体を管理しているのは鎌倉市役所であり、鎌倉市海水浴 場対策協議会が協議の末、コースロープ・監視所・トイレ・ゴミ箱などの設置を行う。 その詳細のまとめを以下に示す。

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3-2:市役所へのヒアリング調査

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□海水浴場開設を含む、市役所の行う業務まとめ   平成14年度 鎌倉市海水浴場対策協議会

1:海水浴場開設期間及び規模  (1)開設する海水浴場

延長

名称

設置者

1,100m

鎌倉市

由比ガ浜海水浴場

890m

鎌倉市

稲村ガ崎海水浴場

110m

鎌倉市

腰越海水浴場

220m

鎌倉市

材木座海水浴場

表 3-2-1:開設する海水浴場

 (2)開設期間及び時間    期間  平成14年6月28日(金)から平成14年8月31日(土)まで         (65日間)    時間  午前9時から午後5時まで

 (3)出店数 更衣所

ボート

売店飲食

遊技場

材木座海水浴場

14(14)

 9(9)

 0(0)

 0(0)

23(23)

由比ガ浜海水浴場

21(18)

 8(8)

 3(4)

 4(1)

37(31)

稲村ガ崎海水浴場

 0(2)

 0(2)

 0(0)

 0(0)

 0(4)

腰越海水浴場

 2(2)

 0(2)

 0(0)

 0(0)

 2(4)

37(36)

18(21)

 3(4)

 4(1) 62(62) ( )内の数字は前年度

表 3-2-2:出店数

2:警備及び救護活動  (1)監視所(救護所)の設置    各階水浴所湯に監視所を設置し、海水浴場の監視・放送・救護業務及び看護婦    によるけが人等処置業務を専門業者に委託して行い、浴客の安全確保を図る。

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3-2:市役所へのヒアリング調査

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 (2)警察官臨時警備派出所の設置    海浜での犯罪予防、交通取り締まり、風紀保持のため、由比ガ浜海水浴場に警    察官臨時警備派出所を設ける。また、他の海水浴場については、近隣の各常設    交番がこれにあたる。

3:安全の周知  (1)総合案内看板の設置    海水浴場での事故防止のため、総合案内看板(遊泳地区・遊泳禁止地区・ヨッ    トボート地区・などの表示及び浴場内での注意事項を記載したもの)を次の場    所に設置する。

枚数

設置場所  中央海岸・船揚げ場・材木座商店街入口

材木座海水浴場

由比ガ浜海水浴場

 滑川河口・和田塚降口・振分降口・稲瀬川降口

稲村ガ崎海水浴場

 中央階段下

腰越海水浴場

 監視所脇 表 3-2-3:案内板設置数・場所

 (2)地区表示案内板・注意看板及びブイの設置    総合案内看板で示した内容をより周知させる為、地区表示板や注意看板ととも    に水面上にブイやコースロープを設置する。

設備名

地区表示板 注意看板 コースロープ

海水浴場

合計

材木座

由比ガ浜

稲村ガ崎

腰越

11

15

11

15

 3

44

19

大型ブイ

38

95

12

168

中型ブイ

140

 40

 18

23  40

小型ブイ

536

152

  0

152

840

238

表 3-2-4:各種設置数

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3-2:市役所へのヒアリング調査

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 (3)仮設防犯灯の設置    海水浴場及び周辺道路の常設灯の少ない場所に仮設の防犯灯を設置し、犯罪の    防止、風紀の保持をはかる。

設置数 材木座海水浴場

28灯

由比ガ浜海水浴場

9灯

稲村ガ崎海水浴場

4灯 4灯

腰越海水浴場 合計

45灯 表 3-2-5:仮設防犯灯設置数

 (4)遊泳禁止の措置    水温の低下や高波などにより、海水浴が危険と思われる場合には、鎌倉警察署・    県鎌倉保険福祉事務所の意見を参考のうえ、設置者である鎌倉市が遊泳禁止を    決定する。また、その際には「遊泳禁止」を表示した赤旗を監視塔に掲げると    ともに海浜に50m間隔で三角旗を立てる。このほか、放送で遊泳禁止を呼び    かける。

 (5)広報紙による安全の周知    海水浴場の開設について「広報鎌倉」で案内するとともに、海水浴場での注意    事項なども掲載し、安全の周知をはかる。

 (6)キャンプ禁止区域について    神奈川県キャンプ禁止条例により音無川左岸から稲村ガ崎東端までの600m    がキャンプ禁止区域に指定されている。

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3-2:市役所へのヒアリング調査

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4:清掃及び美化  (1)ゴミ箱の設置 鉄骨丸型ゴミ箱 (燃えるゴミ) ※常設分含む

合計

8個

 26個

 34個

由比ガ浜海水浴場

11個

 23個

 34個

稲村ガ崎海水浴場

 4個

 4個

 8個

腰越海水浴場

 6個

 12個

 18個

29個

65個

 94個

種類 海水浴場

専用ゴミ箱 (缶・ビン)

材木座海水浴場

表 3-2-6:ゴミ箱の設置数

   各出店業者が設置するゴミ箱については、それぞれの業者に責任を持って管理    してもらう。

 (2)ゴミ等の収集について 出店業者から出る空き缶・空きビン・ダンボールは、原則として製品搬入業者 に持ち帰ってもらうか、資源回収業者又は鎌倉市一般廃棄物許可業者協議会に 委託してもらう。また、生ゴミ等の可燃物については原則として自己処理する か、自ら処理施設に搬入または一般廃棄物許可業者に委託して処理するなど、 海岸ゴミの減量化に協力してもらうように働きかける。店付近の清掃によって 搬出される一般ゴミについては、指定した集積場所まで運んでもらう。

海浜の一般ゴミは、海岸清掃業者が搬出する。ゴミ関係の管理をしているのは (財)かながわ海岸美化財団である。

イスや机などの粗大ゴミ(家電リサイクル法の対象となるエアコン・冷蔵庫・ 洗濯機・テレビは除く)は、名越クリーンセンターへ各自持ち込み、有料で処 理してもらう。

海の家を解体して出た木くず、金属くず、番線、塩化ビニール製品等は、各自 で産業廃棄物取扱業者に処理してもらう。

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3-2:市役所へのヒアリング調査

2002年度 卒業論文

し尿の収集等の申し込みについては、(株)神中運輸へ連絡してもらう。

 (3)美化啓発看板の設置    海水浴客及び海の家に対するキャンペーンとして、美化啓発看板を設置する。

設置数 材木座海水浴場

5ヶ所

由比ガ浜海水浴場

4ヶ所

稲村ガ崎海水浴場

1ヶ所 3ヶ所

腰越海水浴場 合計

13ヶ所 表 3-2-7:美化啓発看板の設置数

 (4)公衆便所の設置    海水浴客内における環境衛生の保全、海水浴客の利便に供する為、常設に加え    て仮設公衆便所を設置する。

種類 海水浴場

常設

仮設

合計

2ヶ所

 0ヶ所

 2ヶ所

由比ガ浜海水浴場

2ヶ所

 1ヶ所

 3ヶ所

稲村ガ崎海水浴場

 0ヶ所

 2ヶ所

 2ヶ所

腰越海水浴場

 0ヶ所

2ヶ所

2ヶ所

材木座海水浴場

表 3-2-8:仮設公衆便所の設置数

5:交通対策と駐車場  (1)交通対策については、鎌倉警察署、鎌倉交通安全協会に対して協力を要請し、  交通緩和、駐車禁止等の周知徹底を図る。  (2)駐車場については、海水浴場周辺に駐車場がが極めて少ないため、既設駐車  場を有効に使用できるよう、各関係機関に協力を依頼する。 駐車場名

管理者

収容台数

神奈川県道路公社

77台

由比ガ浜地下

200台(うち大型12台)

稲村ガ崎

54台

坂ノ下

53台

材木座

表 3-2-9:海水浴場毎の駐車場

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3-3:海水浴場のサイクルの視覚化

2002年度 卒業論文

3-3:海水浴場のサイクルの視覚化

3-3-1:調査方法・日程  由比ガ浜海水浴場を、海岸に沿って平行移動しながら、南側(海側)から20枚程 度の写真として記録し、それらからパノラマ写真を作成し、それと同時にその日毎の 平面図、立面図を作成する。また、個々の海の家単位の視点からも記録し、西側から 順に由比ガ浜の海の家のデータベースを作成する。このような現地調査を以下の日程 で行った。 ※使用している海の家の名称は、便宜的な物であり、正式名称ではない物も含まれる。  調査日       調査時間      気象・備考  ◇5月27日(月) ◇6月 2日(日) ◇6月 9日(日) ◇6月17日(月) ◇6月24日(月) ◇6月28日(金) ◇7月19日(金) ◇7月26日(金) ◇8月11日(日)朝 ◇8月11日(日)昼 ◇8月11日(日)夕 ◇8月27日(火) ◇9月 4日(水) ◇9月 9日(月) ◇9月22日(日)

17:30 18:00 18:00 15:30 18:00 14:30 12:30 13:30  8:00 12:00 17:00 16;00 18:00 17:30 16:30

晴れ・ 晴れ・工事開始2日目 晴れ・ 曇り・ 曇り・ 晴れ・海開き 晴れ・ 晴れ・夏休みシーズン開始 晴れ・混雑ピーク日     〃     〃 晴れ・海開き終了直前 曇り・ 雨 ・ 晴れ・ 表 3-3-1:現地調査・時間

由比ガ浜海水浴場 車場

地下駐 線

34号

国道1

890m

駐車場

入り口

N

遊泳地区

撮影範囲・方向 図 3-3-1:撮影範囲・方向

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3-3:海水浴場のサイクルの視覚化

2002年度 卒業論文

3-3-2:2002年度 由比ガ浜海の家一覧 (1)

① ② ③

⑤ ⑥

⑧ ⑨⑩

①「東亭」 由比ガ浜の西端に位置する。オーソドックスなタイプの海の家である。席数 1000、ロッカー数300と規模は比較的大きい方である。

②「白い恋人達」 白いペンキ塗りのテラス風海の家。席数90,ロッカーはなく、籠で預かると いう形式をとっている。規模は比較的小さい方である。

③「SouthWave」 広いテラス風のシンプルな海の家。席数、ロッカー数は不明。規模は並の大き さである。

④「めぐみ」 オーソドックスなタイプの海の家。席数200、ロッカー数250と規模とし ては並である。

⑤「DoCoMoWaveParadice」 NTTドコモによる海の家型キャンペーン事業としてオープンしている。ドコ モの最新機種などが揃っており、週末には抽選会などのイベントを催す。席数 60,ロッカー無しと規模は小さい方であろう。 ⑥「TBC」 正式にはエステティック TBC Presents「Cool」。エステの機能を備え、併設の ビューティコンビニでは TBC の商品なども販売している。席数は30だが、レ ストランとなっており、規模としては並である。 HITOSHI WATANABE LAB. WASEDA UNIV.2002

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3-3:海水浴場のサイクルの視覚化

2002年度 卒業論文

:2002年度 由比ガ浜海の家一覧 (2)

① ② ③

⑤ ⑥

⑧ ⑨⑩

⑦「とき」 オーソドックスなタイプの昔ながらの海の家である。家族で経営している。席 数80、ロッカー数288。規模は比較的大きい方であるだろう。

⑧「パパイヤ」 オーソドックスなタイプの海の家である。今では少なくなった畳の座敷のある 海の家である。席数300、ロッカー数150と規模は比較的大きい方である。

⑨「監視所」 市役所によって設置される監視所。となりに警察派出所が併設されている。海 の家ではないが、監視所と派出所それぞれを砂浜の仮設建築物の一つとして取 り扱う。 ⑩「売店」 正式にはくまざわという名称があるが、あえて「売店」と表記した。一般的な 海の家とは異なり、商品の販売のみを行う売店一筋 50 年の老舗である。規模 は小さい方である。 ⑪「FreedomVillage」 サーフブランドのクイックシルバーを業者とする海の家。由比ガ浜を代表する トレンドリーダー的存在である。高床式となっており、二階部分はテラスとなっ ている。席数210、ロッカー数200。規模は大きい。 ⑫「HorizonBeachResortKAMAKURA2002」 いくつかの海の家の複合体であると考え、本研究では西から「au楽園ベイベー ハウス」「MARUKO(名称不明の為、出ていた看板から)」「SeaSid eJack」の三つに分けてとらえた。規模は三軒それぞれ並である。 HITOSHI WATANABE LAB. WASEDA UNIV.2002

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3-3:海水浴場のサイクルの視覚化

2002年度 卒業論文

3-3-5:前年度との比較による由比ガ浜の海の家の分類

 由比ガ浜の海の家(監視所・派出所を含む)を、 ①:前年度と同じ業者によって、前年度に使用した建材を使用して建てられていると   思われる海の家。 ②:前年度と業者は同じだが、異なった名称・形式・材料で建てられていると思われ   る海の家。 ③:前年度との関係性が見受けられない海の家。(その年限りの海の家) の3つに分類すると、下図 3-3-47 のようになる。 由比ガ浜海水浴場:2001年度 平面図(おおよそ)

車場 地下駐 ク

入り口

イレ

駐車場 バ

シ�サイドテラス

N

:不明、もしくはその年限りの海の家 く 由比ガ浜海水浴場:2002年度 平面図

車場 地下駐 イレ

入り口 駐車場 公

SouthWave

890m

N

遊泳地区

図 3-3-47:前年度との比較による海の家の分類

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3-3:海水浴場のサイクルの視覚化

2002年度 卒業論文

 前年度の方が海の家の絶対数がかなり多いように見えるが、実際には図中の二つで 一つの海の家を形成していたものなどの可能性が高く(前年度の実際の海水浴場の様 子がわからない為そのまま図示している)、絶対数は前年度とさほどの変化はないはず である。  近年増えてきている、企業とのタイアップ等によるオシャレな海の家・新しいコン セプトや機能を持った海の家など、具体的には (西側から順に) ・白い恋人達 ・DocomoWaveParadice ・TBC ・FreedomVilladge ・au楽園ベイベーハウス ・MARUKO ・SeaSideJack は、全て例外なく②・③の分類に属す。

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3-4:海の家のサイクルのグラフ

2002年度 卒業論文

3-4:海の家のサイクルのグラフ

 3-3 の現地調査の結果を基に、由比ガ浜における海の家の一連のサイクルをグラフ 化した。横軸には左から右へ、由比ガ浜の西側から東側への順で海の家を、縦軸には 調査日を設けた。また、縦軸に工事開始日の6/1を、少し間の空いた6/28と7 /19の間に空欄をひとつ、それぞれ設けている。 (※監視所・派出所に関しては営業期間→機能している期間とする。) 東 白 � � � 亭 � � 恋 � � � 人 � 達 � � � � 5/27

�� �� �� �� �� �� � � � � � �

� � � � 監 警 売 � � � � � 視 察 店 � � � � � �� � 所 派 �� � �� 出 � 所

�� �� �楽 �園 � � �

� � � � � �

�� �� �� �� � � �

06.01 工事開始日

6/ 1 / 2 / 9

市の定める建築期間

/17 /24

06.28 海開き

/28

7/19 /26

0 07.26  夏休み始まり後 市の定める営業期間

8/11 /27 /31

08.31 海開き終了

9/ 4 / 9 /22

建築期間 営業期間 解体期間 図 3-4-1:海の家のサイクルのグラフ

 6月1日から工事を開始を開始している業者はごく少数である。また、海開きの6 月28日までに工事が済んでいない業者が数多くいる事がわかる。建築・営業・解体

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3-4:海の家のサイクルのグラフ

2002年度 卒業論文

の三つの期間の中で、特に建築期間のズレが目立っている。工事開始日も様々なら、 工期も様々であり、必然的にそれが営業開始日に影響を及ぼしている。工期とは無関 係に、海開き後、建物が完成していても営業を始めない海の家もある。海開きの終了 は8月31日だが、それ以前に営業を終了する海の家もある。解体開始日は皆同じで あるが、解体は早いところで4日、遅いところは半月以上かかっている。

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3-5:海の家へのヒアリング調査

2002年度 卒業論文

3-5:海の家へのヒアリング調査

 前述した項目について、2ヶ所の海の家へのヒアリング調査を行った。対象、日時、 などについては以下に示すとおりである。対象として選んだ理由としては、この二軒 の海の家が、由比ガ浜海水浴場において、古くからある昔ながらのオーソドックスな 海の家の形式をとっている事、それでいて規模的に大きい物である事が挙げられる。 また、対象の一つの「東亭」は由比ガ浜の最も西端、一方の「とき」は由比ガ浜のほ ぼ中央という位置関係となっている。

ヒアリング調査1 ◇対象:海の家「東亭」 ◇日時:2002年7月19日(金)  13:30頃

ヒアリング調査2 ◇対象:海の家「とき」 ◇日時:2002年7月19日(金)  15:00頃

車 地下駐 線

滑川

東亭 890m

入り口

駐車場

とき

34号

国道1

遊泳地区

図 3-5-1:海の家へのヒアリング調査対象地

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3-5:海の家へのヒアリング調査

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□7/19 ヒアリング調査結果:海の家「東亭」 ①建ってどのくらいか

■由比ガ浜で一番古く、80年。現在三代目である。

②海の家が建つまでに必  要な手続きは?

■2月に土地代、組合費などの振り込みがある。3月7日に申請  書、図面などの書類の受け付けがある。

③誰が作るのか

■鎌倉の大工と、東京などからのとび職の人達。

④一通りでどのくらいお金  がかかるのか

■建築費300万、解体に100万くらい、全部で年間500万くら  い。

⑤毎年同じ建材を使って  いるのか

■同じ物を使いつつ、徐々に入れ替わっていっている。

⑥何サイクルぐらい使える  のか

■板(トタン)などは2~3年、柱の木材などはかなりもつ。

⑦オフシーズン中材料な  どは?

■地元の倉庫にしまっている。

⑧それらの保管にかかる  費用は?

■年間50万ほど。

⑨備品(食器・機械etc)な  どはどうしているのか

■一緒に倉庫にしまっている。

⑩電気はどこから引いてい  るのか

■電柱から引いてきている。

⑪水道はどうしているのか

■本管は年中砂の中に埋まっており、シーズンだけそこから引  いてくる。

⑫排水はどうしているのか

■排水はマスを作ってため、自然排水している。

⑬ガスはどうしているのか

■ガスは全てプロパンガスを使用している。

⑭トイレはどうしているのか

■水洗のくみ取り式となっている。

⑮(自販機がある場合)そ  のシステムは?

■業者がお金を払っておいている。

⑯ピーク時は一日何人くら  いの客が来るのか

■200~300人ぐらい。

⑰ピークのシーズンの従業  員数は、またその構成は

■10人ぐらい(家族3人、バイト7人)。

⑱組合はどのように運営さ  れているのか

■組合があって、たまに会合をしている。

⑲夏以外の生活は何をし  ているのか

■普通の専業主婦をしている。

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3-5:海の家へのヒアリング調査

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□7/19 ヒアリング調査結果:海の家「とき」 ①建ってどのくらいか

■27年。

②海の家が建つまでに必  要な手続きは?

■国有地なので毎年申請が必要。必ず組合単位で藤沢土木か  ら借り、組合で申請する。図面の申請、役所・保健所・土木へ  の申請が必要である。

③誰が作るのか

■とび職の人達。家業がとびなので自分たちで建てている。

④一通りでどのくらいお金  がかかるのか

■建築、解体で3~400万。700~1000万くらいの敷金がない  と海の家は始められない。企業タイアップの海の家などは、建  築、解体で1000万~多くて2000万程かかっている。

⑤毎年同じ建材を使って  いるのか

■だいたい同じ、毎年50~100万の予算で改修している。

⑥何サイクルぐらい使える  のか

■10~15年くらいは保つ。屋根は4年ほどのサイクル。

⑦オフシーズン中材料な  どは?

■自分の土地に40坪ほどの倉庫を造って保管している。

⑧それらの保管にかかる  費用は?

■自分の土地に保管するので費用はかからない。

⑨備品(食器・機械etc)な  どはどうしているのか

■備品は自宅の地下倉庫に保管している。

⑩電気はどこから引いてい  るのか

■電線から引いてきている。

⑪水道はどうしているのか

■本管は年中砂の中に埋まっており、シーズンだけそこから引  いてくる。

⑫排水はどうしているのか

■排水はマスを作ってため、上澄みをとって自然排水している。  この事は公にはしていない。

⑬ガスはどうしているのか

■ガスは全てプロパンガスを使用している。

⑭トイレはどうしているのか

■仮設の水洗のくみ取り式となっている。

⑮(自販機がある場合)そ  のシステムは?

■売り上げは海の家もちである。

⑯ピーク時は一日何人くら  いの客が来るのか

■500~600人ぐらい。

⑰ピークのシーズンの従業  員数は、またその構成は

■18人(バイト13~14人・OBなど)

⑱組合はどのように運営さ  れているのか

■たまに役員会を「トキ」でしている。

⑲夏以外の生活は何をし  ているのか

■基本的に自由。旦那のとびの手伝い、など。

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3-6:海の家の図面作成

2002年度 卒業論文

3-6:海の家の図面作成

 3-5 の海の家へのヒアリング調査の結果をふまえて、それらの調査対象の海の家を 簡単に計測させて貰い、それぞれの平面図を作成した。また、設備面の把握を目的と して、電気・水道・ガス・などのインフラを便宜的に表し、平面図に書き込んだ。

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3-6:海の家の図面作成

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■海の家「東亭」平面図(図 3-6-1)  建材は、柱など骨組みが木材、壁が下半分は木板、上部がトタンを使用している。 また、屋根は透明と不透明のトタン板が交互に使用されている。窓や戸のサッシは一 般的なアルミ製である。調理場周辺、シャワー、座敷を除けば、床という物は存在し ない。砂浜がそのまま建物内部まで続いている。トイレは仮設の物が建物裏手の外部 に設置されている。シャワー室はシャワーの蛇口と、仕切があるだけであり、水はそ のまま地面に流されている。その他の排水は排水用の升に集められ、自然排水されて いる。基本的に、全ての海の家において、建物の裏手は隠されており、外からは普通 には見る事ができなくなっている。 湯沸かし器

電線

プロパンガスボンベ トイレ 排水処理升

水道管(本管)

手洗い場

倉庫

女子シャワー ロッカー

男子シャワー

女子更衣室

調理場 男子更衣室

テーブル 座敷

座敷

支払い場・売店 自動販売機

図 3-6-1:海の家「東亭」平面図

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3-6:海の家の図面作成

2002年度 卒業論文

■海の家「とき」平面図(図 3-6-2)  材料や構造に関してはほとんど東亭と同じである。ときは柱がペンキで白く塗られ ている。建物内部の仕切は木板で作られている。トイレは仮設の物が裏手の建物外部 に設置されている。海の家のシャワーのお湯は、建物の裏手にずらりと並べられた湯 沸かし器でわかされている。東亭と同じくその水はそのまま地面に流され、その他の 排水は升に貯められ、上澄みをとって自然排水されている。水道は本管が年中埋まっ ており、そこから引いてきている。電気はシーズンのみ海岸に電柱が建てられ、そこ から引いてきている。ガスはプロパンである。これら設備に関する事は、海の家全て に共通して言える事である。

湯沸かし器 プロパンガスボンベ

電線 水道管(本管) トイレ

排水処理升

手洗い場 倉庫

ロッカー

調理場

女子シャワー

男子シャワー

女子更衣室 自動販売機

男子更衣室 座敷

テーブル 自動販売機

ロッカー 座敷 支払い場・売店 自動販売機

図 3-6-2:海の家「とき」平面図

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・第4章

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~第4章~ 海水浴場・海の家の実態分析

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4-1:景観・時間の観点からの分析

2002年度 卒業論文

4-1:景観・時間の観点からの分析

■サイクルのズレ・長短

 3-2 の市役所へのヒアリング調査より、海の家の建築期間は、6月1日から海開き の6月28日までの28日間と定められている事がわかっており、それに沿って全て の海の家が工事を開始し、足並みを揃えて海開きを迎え、海開き終了の日を迎える、 そうして海水浴場としての一定のサイクルが形成されているかのように思われた。だ が実際には、3-3、3-4 の結果のようにそれぞれの海の家は、各々それ自体の独自の サイクルを持っており、そうして、あくまで個と個の集まった結果としての海水浴場 のサイクルが形成されている。個々のサイクルはまさに十人十色と言える状況であり、 早い物は海開き前に工事を終え、遅い物は海開き後も延々と工事が続く。つまり、海 開きというものは、市役所にとっては監視所・警察派出所を含めた海水浴場開設とい う節目の日だが、海の家の業者にとってみれば、その時期はまださほど海水浴客が来 ない事もあり、それほど意識されていないと言う事である。そのような状況により、 必然的にそれぞれの海の家のサイクル、具体的には建築期間・営業期間・解体期間の 長さは、海の家によって大きく異なる(3-4:海の家のサイクルのグラフ)。建築期間 の長いものは、短いものの三倍以上にもなり、それは同時に営業期間の長短の差を生 み出していると言える。長いものは海開き期間いっぱいの65日間営業するが、短い ものは40日間程度となっている。

■全体としての統一性の喪失

 3-3 の結果を単純に見てわかる事は、由比ガ浜海水浴場の海の家を全体として見た 時の統一性の無さである。昔ながらのオーソドックスなタイプの海の家と、近年増え てきている新しいタイプの海の家が混在していると言うのが、その大きな要因の一つ である。もう一つの大きな要因としては、由比ガ浜の海の家全体の半数を占める、新 しいタイプの海の家におけるデザイン的秩序の無さが挙げられるだろう。それぞれが 個性的なデザインを求めるのは理解できるが、その結果、海水浴場全体としてみた場 合にひどく乱雑な景観を創り出している。海の家による組合は存在するが、計画段階

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4-1:景観・時間の観点からの分析

2002年度 卒業論文

での、デザイン等に関する打ち合わせなどは行われていないのが現状だと思われる。 これら二つの要因によって生み出される、海水浴場における統一性の喪失は、海水浴 場にとって間違いなくマイナス要素となっているだろう。

■景観の悪化

 これら、上述の二点、すなわち海の家におけるサイクルのズレ・長短、統一性の喪 失、は共に海水浴場の景観の悪化を引き起こす原因となっていると思われる。統一性 の無さは言うまでもなく、海水浴客の目の前で続けられる海の家の建設工事は、砂浜 の景観を損ない、また、人々に不快感を与えるであろう。更に、統一性の問題以前に、 オーソドックスなタイプの海の家に多く見られる「海の家自体が汚い」と言うのも景 観を悪くする原因の一つとして挙げられるだろう。確かに、新しいタイプの海の家の 登場と同時に近年の海水浴人口は増加傾向にあるが、海辺に不満を抱いている人々が 9割近くおり、また、景観が悪化したと感じている人々が4割近くおり、それらが依 然として増加傾向にあるのも事実である(3-3:海辺に関するアンケート調査)。この 事からも、海水浴場の景観が悪化している事は間違いないだろう。

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4-2:材料の観点からの分析

2002年度 卒業論文

4-2:材料の観点からの分析

■材料のサイクル

 同じ業者が、前年度に使用した建材を使用して建てている海の家は、同じ建材を何 年も使用している。そのような海の家はオーソドックスな海の家の形式である事が殆 どである。それらの海の家の材料は、柱などの骨組みが木材、壁や屋根にトタンを使 用している。建材の老朽化が進むと新しい建材に交換するわけだが、その交換のサイ クルは各材料毎に大きく異なり、また、それを判断する海の家の業者によっても微妙 な差が生じている。柱などは総じて10から15年とかなりもつようだが、トタンに 関しては2,3年もしくは4年程度、とわずかに認識が異なっている(3-5:海の家へ のヒアリング調査)。このような各材料のサイクルのズレにより、全ての材料を一時 に新しくする事はできない、それがこれらの海の家における形式の変化を妨げ、昔な がらの形式を続ける要因の一つとなっている事が考えられる。  一方、前年度と業者は同じだが、異なった名称・形式・建てられている海の家また は、その年限りの海の家は、前年度の建材をそのまま再利用すると言った事はできな い。これらの海の家(リサイクル資材を使用しているという一部の例外を除いて)は、 毎年新しい建材を使用している。建材は基本的に木材であり、骨組みに鉄筋を使用し ているものも見られ、また、プレハブを使用しているものも見られたが、トタンを使 用しているものが無いのが特徴的だった。建材を再利用しないという事は、必然的に その年に使った建材は廃棄されるという事が予想される。現在これらのタイプの海の 家はまだ一般的と言うほどではないが、このような形式が本流となった場合、全国に 海の家は4~5000軒あるだろう事、また、今日の時代背景などから、その環境負 荷を懸念する声が出てくる事が予想される。

■経済的側面

 3-5 のヒアリング調査より、オーソドックスな、毎年建材を再利用するタイプの海 の家の建築・解体に要する費用は300万から400万円程度であるが、それに対し て建材を再利用していない、毎年新築するタイプの海の家の建築・解体に要する費用

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4-2:材料の観点からの分析

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は1000万から多いもので2000万円程にもなるという。後者は前者の何倍もの 費用が掛かっている。特に、企業とのタイアップによる海の家などは、それ自体の宣 伝効果に意味があるので、多額の予算を組む事が可能なのだろう。これは逆に、それ 自体の建築・解体の費用を抑える事により、その分サービス面の質の向上が期待でき ると言う事ではないかと思われる。

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4-3:有閑期の保管の観点からの分析

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4-3:有閑期の保管の観点からの分析

■方法と経済的側面

 建材を再利用する海の家については、海水浴シーズン以外の間、次のシーズンまで 建築資材をどこかに保管しなくてはならない。また、その為の費用が発生する事が予 想される。3-5 のヒアリング調査の結果では、地元の倉庫を借りて保管している場合 と、自分の持っている土地に保管している場合があった。後者のような場合は、保管 に関する費用は掛からないが、この海の家は業者が鎌倉の大工の一家であり、自分た ちで建設から全てを行う特殊な例であり、前者のような形式が一般的だと思われる。 そのような場合には、当然その為の費用が発生し、年間50万円程度である。言うま でもなく、建材の再利用をしない海の家はこれら建材の保管に関する費用とは一切無 縁である。3-4 の海の家のサイクルのグラフより、建材の再利用を行っている海の家 における、建材のおよその年間使用期間(砂浜に出ている期間)を求めると、短いも のでおよそ95日、長いものでおよそ110日、平均で約100日、つまり保管期間 の平均はおよそ260日と言う事になる。ちなみ由比ガ浜全体では、短いものでおよ そ70日、長いものでおよそ110日、平均およそ96日となっている(図 4-3-1)。  また、備品(食器や機械等)の海水浴シーズン以外の保管はどの海の家でも行われ ていると思われる。建材を再利用する海の家では建材を保管する倉庫に一緒に保管し たり、別の倉庫に保管したりしているようである(3-5:海の家へのヒアリング調査) 。 建材を再利用しない海の家に関しても、どこかの倉庫に保管するなどしていると思わ れる。そこに多少の費用が発生する事も予想される。 各海の家の建材使用期間

(日) 120

110

9 100 95

105 95 95

90

110 100 100

95

95

100

105

平均96.3日

使用期間

80

80

70

60 40

建材を再利用 している海の家

20 ��� � ��� ��� �

����� �

� �楽園 � �� �� ��

��� ���� � � �� ���

売店

警察派出所

監 視所

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東亭

白�恋人達

0

建材を再利用し ていない海の家

図 4-3-1:海の家毎の建材使用期間のグラフ

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4-4:環境の観点からの分析

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4-4:環境の観点からの分析

■海の家の環境負荷

 海の家を調査するにつれてわかった事は、海の家には一般的な建築物として決定的 に欠けている物があると言う事である。それは排水設備である。シャンプーやサンオ イルなどを流したシャワーの水は明らかにそのまま砂浜に流されていた。また、調理 場・手洗い場などの排水は建物の裏手に作られた排水用升に集められ、そのまま(場 合によっては上澄みをとって)砂浜に自然排水されている。ヒアリング調査によると 「あまりこの事は公にはされていない」との話であった。また、排水用の升は例外な く建物の裏手にあり、壁で囲われており人から見えないようにされている。このよう な、海の家の排水による環境負荷は、今日の時代背景を考慮すると、放置できない問 題となってくるだろう。また、上述のコメントから、海の家の業者側もこの事を多か れ少なかれ自覚していると思われる。  また、材料についての項でふれたが、建材の再利用をしない海の家に関しては、必 然的にその年に使った建材は廃棄されるという事になる。海の家一軒、海水浴場一ヶ 所ではなく、もっと大きな規模で考えた場合、毎年建材を廃棄する事による環境負荷 は無視できないものとなってくるだろう。現在これらのタイプの海の家はまだ一般的 と言うものにはなってはいないが、由比ガ浜に限らず年々増えてきており、このよう な形式が標準となった場合、全国に海の家は4~5000軒あるだろう事、更には、 今日の時代背景などからも、その環境負荷を懸念する声が出てくる事が予想され、ま た、それを無視する事はできないだろう。

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4-5:設備の観点からの分析

2002年度 卒業論文

4-5:設備の観点からの分析

■各設備面の現状

 もともと砂浜には電柱・電線などはないのだが、海水浴のシーズンだけは、防犯灯・ 海の家の為に、砂浜に電柱が立てられ電線が張られる。電気はそこから引いている (3-3-4:個々の海の家の記録(17))。水道は、水道の本管が砂浜の中に年中埋まっ ており、そこからシーズン中だけ引いてきている。シャワーのお湯、調理に使用する ガスは全てプロパンガスを使用しており、ガス屋に定期的にボンベを交換してもらっ ている。トイレは仮設トイレのユニットが建物の裏手の外部に設置されている。くみ 取り式で、業者が定期的にくみ取りに来ている。排水に関しては、前述のように、建 物の裏手に排水用の升が作られ、そこに排水を集め自然排水されている(3-5:海の 家へのヒアリング調査)。設備面の特徴としてまず言えるのは、これらの事全てがど の海の家にも共通して言えるという事である。オーソドックスなタイプの海の家も、趣 向を凝らした新しいタイプの海の家も、このようなインフラ面に関してはなんら変わ りないという事が言える(3-3-4:個々の海の家の記録(15))。シャワーに関して は二通り有り、一つは 3-6 の図面にあるように海の家の端の一部を壁で仕切ってシャ ワーの蛇口を取り付けてシャワー室としたもの。もう一つは、仮設トイレのように一 人用の仮設シャワーユニットを使用しているものである。前者はそのままその下の地 面に排水され、後者はユニットから排水管を升に繋ぎ排水している(3-3-4:個々の 海の家の記録(15))。また、オーソドックスなタイプの海の家には見られないが、 エアコンを完備している海の家もある。

■トイレ・シャワーについて

 3-1 の海辺に関するアンケート調査の結果から、海辺に対して何らかの不満を抱い ている人は全体の9割近くにもなり、その内トイレやシャワーが汚いという不満を抱 く人の割合は4割近くにもなり、それらの割合は都市部において高く、更にそれが改 善されていないという事がわかっている。新しいタイプの海の家の登場により、エス テやコンビニやジャグジーなど、便利な趣向を凝らした機能が砂浜に持ち込まれたが、

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4-5:設備の観点からの分析

2002年度 卒業論文

トイレとシャワーと言う基本的な設備に関しては「改善はされていない」、と言うの が人々の認識として有る事がわかる。海の家自体は洒落た、綺麗な外見の物が出てき ているにも関わらず、トイレ・シャワーに対する人々の認識が変わっていないと言う 事実は、現在海の家で採用されているトイレやシャワーのユニットの限界を表してい るのではないかと思われる。トイレに関して言えば、現在使用されているものは、工 事現場等にあるそれと同じものである。シャワーについては、プールなどで同じよう なユニットを使用しているのを見かけるが、プールではさほど汚いなどの印象は持た れていないだろう。海とプールで大きく違うのは「砂」の有無である。砂を流すとい う事に対応したシャワーユニットでなければ清潔さを保つのは難しいのではないだろ うか。

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・第5章

2002年度 卒業論文

~第5章~ 考察

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5-1:問題点とその改善策の検討

2002年度 卒業論文

5-1:問題点とその改善策の検討

5-1-1:人々の認識という観点による分類  現在の海水浴レジャーの現状を簡単に確認しておくと、平成7年を境に減少傾向に あった海水浴人口は、企業とのタイアップなどによる、今までになかったタイプの海 の家の登場と言う新しい動きが見られるようになってきた近年、それまでとは一転し て増加傾向にある(3-1:海辺に関するアンケート調査)。それら新しいタイプの海の 家と言われる物の特徴は、一般に、今までにない洒落たデザイン、綺麗な外観、エス テ・コンビニ・ジャグジーなどの新しい機能・コンセプト、などが言われている。そ れらは 3-3 の海水浴場のサイクルの視覚化の調査結果などからもわかる。また、その 調査結果からは、逆にオーソドックスなタイプの海の家は、木材の骨組みに単にトタ ンを張り合わせて作られているものがほとんどであり、その外観は綺麗とは言い難い 物である事がわかる。新しいタイプの海の家は綺麗な外観であり、オーソドックスな タイプの海の家は外観が汚い。すなわち、これまで海の家をオーソドックスなタイプ と新しいタイプに分類してきたが、それは単純に「綺麗」「汚い」という人々の認識 から分類した場合と同じ分類になると言う事が言える。その分類をここで確認する為 に下記の表 5-1-1 を示す。

オーソドックスなタイプ 汚い  東亭  めぐみ  とき  パパイヤ  売店 (監視所) (警察派出所)

新しいタイプ

綺麗 白い恋人達  SouthWave  DoCoMoWaveParadice TBC FreedomVillage au楽園ベイベーハウス MARUKO SeaSideJack 表 5-1-1:人々の認識という観点からの分類

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5-1:問題点とその改善策の検討

2002年度 卒業論文

5-1-2:分類を基にした考察  ここで、3-4 の海の家のサイクルのグラフから、各海の家のおよその建築期間を読 みとり、その結果を表 5-1-1 の分類と合わせてグラフ化したものを図 5-1-1 に示す。 分類と建築期間のグラフ 東亭

20

めぐみ

20 16

とき

15

パパイヤ 売店

8

監視所

8

警察派出所

8

オーソドックスなタイプの海の家 新しいタイプの海の家 20

白い恋人達

22

SouthWave

20

DoCoMoWaveParadice

35

TBC

40

FreedomVillage

30

au楽園ベイベーハウス

35

MARUKO

40

SeaSideJack

0

5

10

15

20

25

30

35

40 (日)

建築期間 図 5-1-1:分類と建築期間のグラフ

このグラフから、オーソドックスなタイプの海の家は建築期間が短く、新しいタイプ の海の家は建築期間が長い傾向にある事がわかる。各海の家の規模の違いを考慮した としてもこの傾向は間違いないだろう。また、ここまでの調査結果・分析から、それ ぞれの傾向として、オーソドックスなタイプの海の家は経済的であり、環境負荷が小 さいと言う事がわかっており、逆に新しいタイプの海の家は、非経済的であり、環境 負荷が大きい事がわかっている。これらの事を簡潔に表にまとめたものが下記の表 5-1-2 である。 オーソドックスなタイプ

新しいタイプ

経済的である

非経済的である

環境負荷が小さい

環境負荷が大きい

工期が短い

工期が長い

汚い

綺麗 表 5-1-2:分類別傾向のまとめ

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5-1:問題点とその改善策の検討

2002年度 卒業論文

表 5-1-2 中の青く塗られている項目は、利点であると判断できる項目である。逆にそ の他は問題点であると言える項目である。このように、お互いの利点と問題点が交差 した関係が成り立っている事がわかる。そこで、各々の利点を損なうことなく問題点 を解決する必要があると思われる。各問題点における解決方法として考えられるもの を示すと、 ◇汚い      →デザインの変更。建材・工法の変更。 ◇非経済的    →安価な建材を利用、もしくは建材を再利用する。 ◇環境負荷が大きい→建材をリサイクルする。排水などの処理機能を設ける。 ◇工期の長期化  →組み立て、解体の容易な建材・工法を採用する。 などが挙げられるだろう。これらの問題解決方法を同時に実現できるような、海の家 における新しい提案が望まれるところであろう。

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5-1:問題点とその改善策の検討

2002年度 卒業論文

5-1-3:2005年愛知万博の施設の転用先可能性の検討  5-1-1 の分類を基にし、5-1-2 により、現在の海の家における問題点、また、それ らの解決方法が定まった。そこで、それらの解決方法の実現を可能とするものの一つ の具体例として、海の家への「2005年愛知万博」のモジュール施設の転用という 提案を試みる。

「2005年愛知万博」の概要を以下に示す。

2005年愛知万博概要

愛知万博とは:  正確な名称は“2005年日本国際博覧会”であり、 『これまでに人類が獲得してきた経験と知識と知恵の全てを傾けて、 「自然の叡智」(自 然が有しているすばらしい仕組み、生命の力)に学んで創る新しい文化・文明の在り 方と、21世紀社会のモデルを、世界中の人々との多彩な交流を通じて実現する。そ の中で、21世紀の人類が直面する課題の解決の方向性と地球や人類の将来の姿を見 いだしていく』 という事をテーマとし、地球環境問題・人口問題・食糧問題・エネルギー問題などに 対する回答の方向性を、自然の叡智に学び、その叡智の様々な引き出し方、すなわち 文化を世界中から持ち寄ることにより、見いだそうという試みである。 そうした、博覧会の性格上、愛知万博では会場計画をはじめ、会場運営、観客輸送等 の各方面において環境への配慮を行うと共に、環境問題に対する解決の方向性を発信 しようと試みている。そうした中で、万博内の土木構造物や施設を構成する材料の選 択にあたっては、リユース、リサイクル可能な素材を積極的に活用するなど建築素材 等の3R(Reduse・Reuse・Recycle)及び会場におけるゼロエミッションを目指した 取り組み、運営を目指している。その一環として、万博施設の転用可能性を検討して いる。

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5-1:問題点とその改善策の検討

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転用の定義:  転用とは開幕後の万博施設の有効利用のの方法のリユースの一つである。博覧会終 了後、施設はバックヤード(ユニットの解体を行う建設ヤード)を経由して、一時保 管先ないしは所定の転用先に引き渡される(図 5-1-2)。 変身

リサイクル資材

� �� � 又�資材�� 再加工

中古資材

��������

リース資材

新品

フロントヤード (2002/10~2005/02)

       博覧会施 設 ループ/モジュール/付属建物    (2005/03~2005/09)

リース資材

検討対象 保管

転用

リサイクル 廃棄処分

バックヤード (2005/10~2006/03以降)

転用:閉幕後における万博施設の有効利用 図 5-1-2:転用の流れ

 施設の転用方法は大別して「施設をそのまま利用する」方法と「パーツとして再加 工後に利用する」方法が考えられている。  パーツとして再加工後に利用する方法としては、以下の表 5-1-3 のような転用先が 考えられている。 パーツ所属施設名 ループ

モジュール施設

トイレ 売店等 エネセン 排水処理 その他

パーツ

転用先

床 手摺 街灯 配管 ケーブル キャノピー フレーム

駅前再開発のペデストリアンデッキ・観光地のプロムナード 同上 商店街・ペデストリアンデッキ 下水道(塩ビ管を想定) 工場・工事現場の仮設 公園 自走式立体駐車場・官公庁施設・ショッピングセンター・コンビニ ファミレス・農業施設・工事現場事務所 外装 ショッピングセンター・農業施設・工事現場事務所 屋根(膜) 駅舎・イベント施設 空調機 地下鉄・JR・官公庁施設(セントラル空調採用施設) トイレユニット 官公庁施設・ショッピングセンター エアコン 公営集合住宅 地下鉄・JR・官公庁施設(セントラル空調採用施設) 冷凍機 機器 同規模施設の更新 燃料電池・太陽電池 官公庁施設 表 5-1-3:転用先候補

 また、愛知万博では、各方面において環境配慮を行い、先進的な循環型技術の導入 などを目指している。具体的には、 ・雨水使用による上水使用量の削減

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5-1:問題点とその改善策の検討

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・排水処理などへの循環型技術の導入 ・先進的な循環型技術を採用した新しいトイレユニット などの検討がなされているようである。  更には、万博のモジュール施設に関しては、組み立て解体が容易な工法の採用など を目指している。 愛知万博概要

 このような愛知万博における仮設建築物、すなわちモジュール施設は、転用の受入先 の求めるスパン及び高さに分解・転用されることになる。具体的には、平面寸法1.8 mまたは3.0m、高さ寸法は5.5mまたは3.6mが予想されており、これは海の 家にも十分転用可能なスパン及び高さであると思われる。また、表 5-1-3 の転用先候 補と海の家を対比させて考えてみても、転用は可能だと言う事ができるだろう。これ ら、万博におけるモジュール施設を海の家に転用する事により、外観の汚さの解消は もとより、工期の短縮を図る事ができ結果として建築期間を均一化できる、また、新 しい建材を利用するよりも明らかに経済的でり、同時に環境負荷の低減も実現される。 これらは丁度 5-1-2 で定めた海の家の問題点の解決方法と一致する。つまり、5-1-2 で明らかにした利点を損なわずに問題点の解決方法を実現できると言う事になる。ま た、先進技術を導入したトイレユニット、排水処理設備の転用により、設備面の改善 が実現できる。更に、分解・転用されたモジュールの組み合わせにより、個々の海の 家のオリジナリティは保持しつつ、海水浴場全体としての景観の統一性の向上が期待 できると思われる。

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5-2:まとめ

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5-2:まとめ

 本研究により明らかになった事を簡潔にまとめると、 ■海水浴場におけるサイクルは、一見全ての海の家が足並みを揃えて形成しているよ うに見えるが、実は個々の海の家のサイクルは各々かなり異なる。 ■業者が前年と同じ建材を利用し、同じ海の家を建てる海の家と比べて、企業とタイ アップした業者などによる、新しい建材を用いた(場合によってはその年限りの)海 の家は、特にその建設工事の遅れが顕著であり、それが海水浴場の景観を損なってい る。 ■オーソドックスなタイプの海の家は建築期間が短く、新しいタイプの海の家は建築 期間が長い傾向にある。 ■建材のおよその年間使用期間は、短いものでおよそ70日、長いものでおよそ110 日、平均およそ96日となっている。 ■海の家における排水は処理などはされず、全て砂浜に自然排水されている。 ■近年、全て新しい建材による新築の海の家も少なくないが、昔ながらのスタイルで 建材を再利用している海の家における建材は、建材毎にサイクルが異なる。柱などの 木材で10年強、屋根や壁のトタンで3,4年となっている。 と言う事である。また、それらから海の家の問題点とその解決策を検討し、その一つ の具体例として、2005年愛知万博のモジュール施設の転用先としての海の家の可 能性の提案を試みた。

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5-3:今後の展望

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5-3:今後の展望

 本研究の背景に、近年、レジャーというものへの関心が高まっているという事、減 少の一途をたどっていた海水浴人口が一転して増加傾向にあると言う事、また、日本の 特に首都圏の海水浴場で今までになかった動きが見られてきているという事、があっ た。これまで、「建築」という分野で海の家は殆ど研究されておらず、そこで、本研 究によって「建築」として今日の海の家における特性を明らかにした。今日のような 状況・傾向・動きは、これからもそれぞれが影響しあいながら益々顕著なものとなっ ていくだろう。また、今は首都圏においてがその大部分である新しい動きも、更に広 範囲へと波及していくだろう。そうした、日本の海水浴場がレジャーとして更に成熟 していく課程において、それを対象とした研究・調査は必要不可欠なものであろう。 これまでのような、海水浴場・海の家の一人歩きとも言える状況を防ぐ為にも、今後 本研究のような、海水浴場・海の家を対象とした研究の更なる充実・継続が必要であ るだろう。また、本研究では、これからの海の家の在り方というものについて、一つ の具体例の提案を試みたが、このような新しい提案、試みの可能性についても更なる 研究・調査が必要であるだろう。

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・おわりに

2002年度 卒業論文

・おわりに

 本研究を終え、今まで殆ど海に行った事がないくらいだったものが、一気に詳しく なる事ができ、自分にとっても非常にプラスになったなと感じます。更に、もともと は、初めて行った海水浴場の汚さ・煩わしさに非常に嫌悪感を覚え、もう行きたくな いぐらいだと思った事がきっかけとなって始まった研究だったのですが、何度も通う うちにそれとなく愛着が沸くという結果となってしまいました。それでも、汚い・煩 わしいという認識は変わっていません。しかしながら、そのおかげで当初私の中にあっ た海水浴場に対するあまりに否定的な主観に囚われず、ある意味冷静に研究を進める 事ができました。また、例年になく日焼けした夏となりました。  最後になりましたが、現地調査に協力してくれた同じ卒論生の遠田君、熊倉君、小 林君、ヒアリング調査の際非常に丁寧に対応して下さった鎌倉市役所の観光課の職 員の方、お忙しい中何度も伺いいつも親切に調査に協力して頂きたくさんの事を教え てくださった海の家「とき」のおばさんと「東亭」のおばさん、また、まさに五里霧 中と言える状況だった4月の頃から暖かく見守って頂き、時には的確に指導してくだ さった担当の大西さん、研究室の先輩方、あらゆる点で私の卒論を助けて下さり、更 に貴重な資料までくださったゼミの中村先生、そして、この卒論の全編を通してご指 導をしてくださった渡辺先生に、心から感謝申し上げます。

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・参考文献、参考資料

2002年度 卒業論文

・参考文献、参考資料

◇レジャー白書 2001  著者名:(財)自由時間デザイン協会  出版社:(財)自由時間デザイン協会  出版年:2001年 ◇ウォーターフロントの計画ノート  著者名:横内 憲久  出版社:共立出版株式会社  出版年:1994年 ◇海の環境学  著者名:川崎 健  出版社:新日本出版社  出版年:1993年 ◇建築法令例規  著者名:建設省住宅局  出版社:株式会社ぎょうせい  出版年:1968年 ◇Beach NAVI  URL:http://travel.mimo.com/beach/ ◇由比ガ浜ドットコム  URL:http://www.no1-ants.co.jp/business/ ◇安心して海に親しむ為に  URL:http://www.kaiho.mlit.go.jp/info/books/h12haku/1bu4.htm ◇環境情報ガイド( EI-Guide 8.1 )  URL:http://www.eic.or.jp/eig/93_3120.htm ◇産経 Web ウィークエンド首都圏【SUNDAY スクランブル】  URL:http://www.sankei.co.jp/edit/kenban/shutoken/sunday/sun000723.html ◇海辺ニーズに関する世論調査(世論調査概要平成12年8月調査)  調査元:(総理府)内閣総理大臣官房広報室  URL:http://www8.cao.go.jp/survey/h12/umibe/index.html ◇2005年日本国際博覧会(愛知万博)基本計画  (※企画書)     :(財)2005年日本国際博覧会 ◇2005年日本国際博覧会3R型建設手法の検討に係る調査 報告書     :(財)2005年日本国際博覧会     :(財)日本建築センター HITOSHI WATANABE LAB. WASEDA UNIV.2002

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2002年度 卒業論文

海の家の建築的特性とその在り方に関する研究

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3-3:海水浴場のサイクルの視覚化

2002年度 卒業論文

3-3-4:個々の海の家の記録

■(1)海の家「東亭」

6/2(日) 営業 建築

7/26(金) 営業 建築

解体

解体

8/11(日) 建築 営業

解体

解体

8/27(火) 建築 営業

解体

解体

既に資材が運び込まれて いる。

6/9(日) 建築 営業

6/17(月) 建築 営業

綺麗な外観とは言い難 い。

この日をもって、営業を 終了した。

6/24(月) 建築 営業

9/4(水) 建築 営業

解体

解体

完成して海開きを待つ形 となっている。

解体はほぼ完了してい る。

6/28(金) 建築 営業

9/9(月) 建築 営業

解体

海開きの日、営業はして いるが、本格的店開きと いうわけではない。

7/19(金) 建築 営業

解体

解体

完全になにもなくなって いる。

建築

営業

解体

※注: 表中の「建築」 「営業」 「解

体 」 の 三 つ の 欄 は、 そ れぞれ期間を意味してお り、その写真の属する期 間が白く抜かれている。 HITOSHI WATANABE LAB. WASEDA UNIV.2002

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3-3:海水浴場のサイクルの視覚化

2002年度 卒業論文

■(2)海の家「白い恋人達」 6/24(月) 営業 建築

解体

かなり遅い組み立て開始 となった。

6/28(金) 建築 営業

解体

9/9(月) 営業 建築

解体

解体のペースも速いとは 言えない。

建築

営業

解体

海開き後も工事は続いて いる。

7/19(金) 建築 営業

解体

建築

営業

解体

7/26(金) 建築 営業

解体

建築

営業

解体

8/11(日) 建築 営業

解体

建築

営業

解体

建築

営業

解体

これは朝である。昼は多 くの人が訪れた。

8/27(火) 建築 営業

解体

店は開いているが、客足 は良くない。

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3-3:海水浴場のサイクルの視覚化

2002年度 卒業論文

■(3)海の家「SouthWave」 6/28(金) 建築 営業

解体

建築

営業

解体

建築

営業

解体

建築

営業

解体

組み立て開始時期はかな り遅かった。

7/19(金) 建築 営業

解体

夏休みを目前にしても、 まだ開店準備はできてい ない。

7/26(金) 建築 営業

解体

営業を開始している。

8/11(日) 建築 営業

解体

建築

営業

解体

8/27(火) 建築 営業

解体

建築

営業

解体

建築

営業

解体

店じまいの準備が始まり つつある。

9/4(水) 建築 営業

解体

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51


3-3:海水浴場のサイクルの視覚化

2002年度 卒業論文

■(4)海の家「めぐみ」 6/2(日) 営業 建築

7/26(金) 営業 建築

解体

8/11(日) 建築 営業

解体

解体

8/27(火) 建築 営業

解体

解体

9/4(水) 建築 営業

解体

解体

この日から工事を開始し たようだ。

6/9(日) 建築 営業

解体

骨組みの柱が立ってい る。

6/17(月) 建築 営業

6/24(月) 建築 営業

この日には完成してい た。綺麗とは言えない外 観である。

解体工事の開始は遅めの ようである。

6/28(金) 建築 営業

9/9(月) 建築 営業

解体

海開きの日には、まだ営 業を開始しない。

7/19(金) 建築 営業

解体

解体

解体にはまだしばらくか かりそうである。

建築

営業

解体

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3-3:海水浴場のサイクルの視覚化

2002年度 卒業論文

■(5)海の家「DocomoWaveParadice」 7/19(金) 建築 営業

解体

建築

営業

解体

最も工事開始が遅かった 海の家である。まだ、営 業は始まっていない。

7/26(金) 建築 営業

解体

建築

営業

解体

8/11(日) 建築 営業

解体

建築

営業

解体

音楽を流すなどのパ フォーマンスを行ってい た。

8/27(火) 建築 営業

解体

建築

営業

解体

9/4(水) 建築 営業

解体

建築

営業

解体

9/9(月) 建築 営業

解体

建築

営業

解体

あと二、三日で解体が済 みそうである。

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3-3:海水浴場のサイクルの視覚化

2002年度 卒業論文

■(6)海の家「TBC」 6/17(月) 建築 営業

8/27(火) 営業 建築

解体

解体

9/4(水) 建築 営業

解体

解体

9/9(月) 建築 営業

解体

解体

テレビなどでよく取り上 げられる業者の海の家で ある。

6/24(月) 建築 営業

6/28(金) 建築 営業

木材とプレハブを組み合 わせている。

7/19(金) 建築 営業

解体

解体作業に時間がかかり そうである。

建築

営業

解体

建築

営業

解体

建築

営業

解体

まだ営業は始まっていな い。

7/26(金) 建築 営業

解体

左手にあるプレハブの 中は、コンビニ的な物と なっている。

8/11(日) 建築 営業

解体

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3-3:海水浴場のサイクルの視覚化

2002年度 卒業論文

■(7)海の家「とき」 6/2(日) 建築 営業

解体

7/26(金) 営業 建築

解体

8/11日) 建築 営業

解体

8/27(火) 建築 営業

解体

6/1から工事を開始し たと思われる。かなり早 いペースである。

6/9(日) 建築 営業

解体

建物自体はほぼ完成して いる。

6/17(月) 建築 営業

解体

海開きを待つ状態となっ ている。

毎年必ず最終日まで営業 するらしい。

6/24(月) 建築 営業

9/4(水) 建築 営業

解体

解体

解体も非常に早い。

6/28(金) 建築 営業

解体

海開きと同時に営業を開 始した。

7/19(金) 建築 営業

解体

9/9(月) 建築 営業

解体

完全に何もなくなった。

建築

営業

解体

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3-3:海水浴場のサイクルの視覚化

2002年度 卒業論文

■(8)海の家「パパイヤ」 6/9(日) 営業 建築

解体

8/11(日) 営業 建築

解体

8/27(火) 建築 営業

解体

オーソドックスなタイプ の海の家のようである。

6/17(月) 建築 営業

解体

早めに営業を終了した。

6/24(月) 建築 営業

解体

9/4(水) 建築 営業

解体

内装の工事を行ってい る。

解体工事の開始は遅めで ある。

6/28(金) 建築 営業

9/9(月) 建築 営業

解体

看板以外は完成はしてい るが、まだ営業は始めな いようである。

7/19(金) 建築 営業

解体

もうしばらくかかりそう である。

解体

建築

営業

解体

解体

建築

営業

解体

営業を開始した。

7/26(金) 建築 営業

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3-3:海水浴場のサイクルの視覚化

2002年度 卒業論文

■(9)監視所・警察派出所(※営業→機能している) 6/2(日) 建築 営業

解体

8/27(火) 営業 建築

解体

9/4(水) 建築 営業

解体

予定地にロープが張られ ている。工事は始まって いない。

6/17(月) 建築 営業

解体

プレハブである。非常に 短期間で完成したようで ある。

海開き終了後は閉鎖され ている。

6/24(月) 建築 営業

9/9(月) 建築 営業

解体

解体

海開きまでは閉鎖されて いる。

6/28(金) 建築 営業

解体

建築

営業

解体

建築

営業

解体

海開きの日から活動開始 した。

7/26(金) 建築 営業

8/11(日) 建築 営業

解体

解体

ライフガードのボート。

※6/28(金) 建築 営業 解体 海開きの日からライフ ガードの人々が活動を開 始した。

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3-3:海水浴場のサイクルの視覚化

2002年度 卒業論文

■(10)海の家「売店」 6/2(日) 営業 建築

解体

建築

営業

解体

建築

営業

解体

6/1から工事を開始し たのだろう、かなり進ん でいる。

6/9(日) 建築 営業

解体

この日に既に完成してい る。昔からのスタイルな のだろう、綺麗とは言い 難い。 6/17(月) 建築 営業

解体

建築

営業

解体

7/26(金) 建築 営業

解体

建築

営業

解体

シーズン中はいろいろな 商品で賑やかな様相を呈 す。

建築

営業

解体

建築

営業

解体

建築

営業

解体

建築

営業

解体

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3-3:海水浴場のサイクルの視覚化

2002年度 卒業論文

■(11)海の家「FreedomVillage」 6/2(日) 建築 営業

解体

7/26(金) 営業 建築

解体

8/11(日) 建築 営業

解体

資材の搬入が行われてい る。

6/9(日) 建築 営業

解体

骨組みに鉄筋を使用して いる事がわかる。この時 期から既に規模の大きさ が伺える。

多くの人で賑わってい る。

6/17(月) 建築 営業

8/27(火) 建築 営業

解体

9/4(水) 建築 営業

解体

9/9(月) 建築 営業

解体

解体

高床式のテラスを備えた 海の家という形式となる ようである。

6/24(月) 建築 営業

解体

何か問題があったのか、 前回調査時のテラスの屋 根部分が作り直されてい る。 6/28(金) 建築 営業

解体

海開きの日にはまだ完成 していない。

7/19(金) 建築 営業

解体

解体には時間がかかりそ うである。

建築

営業

解体

営業が始まった。

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3-3:海水浴場のサイクルの視覚化

2002年度 卒業論文

■(12)海の家「au楽園ベイベーハウス」 6/17(月) 建築 営業

解体

8/27(火) 営業 建築

解体

工事開始日が遅かった。

この時期になると、客足 はあまり良くない。

6/24(月) 建築 営業

解体

9/4(水) 建築 営業

解体

解体

9/9(月) 建築 営業

解体

6/28(金) 建築 営業

海開き当日も工事は続い ている。

7/19(金) 建築 営業

解体

解体にはまだ当分かかり そうである。

建築

営業

解体

営業が始まった。ジャグ ジーを備えた新しい海の 家である。

7/26(金) 建築 営業

解体

建築

営業

解体

8/11(日) 建築 営業

解体

建築

営業

解体

規模は大きい方ではな く、並の規模だろう。

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3-3:海水浴場のサイクルの視覚化

2002年度 卒業論文

■(13)海の家「MARUKO」 6/9(日) 建築 営業

解体

9/9(月) 営業 建築

解体

建物の裏手にはシャワー のユニットが並んでいた のがわかる。

6/17(月) 建築 営業

解体

建築

営業

解体

プレハブと木材を使用し ているようだ。

6/24(月) 建築 営業

解体

建築

営業

解体

6/28(金) 建築 営業

解体

建築

営業

解体

建築

営業

解体

建築

営業

解体

海開きに工事は間に合っ ていない。

7/19(金) 建築 営業

解体

色々なメーカーの看板が 目につく。宣伝目的が強 いようである。

7/26(金) 建築 営業

解体

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3-3:海水浴場のサイクルの視覚化

2002年度 卒業論文

■(14)海の家「SeaSideJack」 6/2(日) 営業 建築

解体

7/26(金) 営業 建築

解体

8/27(火) 建築 営業

解体

資材の搬入が行われてい る。

6/9(日) 建築 営業

解体

プレハブと木材を使用し ているようだ。

最終日まで営業を続ける ようである。

6/17(月) 建築 営業

9/4(水) 建築 営業

解体

9/9(月) 建築 営業

解体

解体

由比ヶ浜の東端の海の家 である。

6/24(月) 建築 営業

解体

骨組みに鉄筋を使用して いた事がわかる。

6/28(金) 建築 営業

解体

建築

営業

解体

建築

営業

解体

海開きの日には、まだ営 業を開始していない。

7/19(金) 建築 営業

解体

営業が始まった。

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3-3:海水浴場のサイクルの視覚化

2002年度 卒業論文

■(15)海の家の裏手 8/11(日) 営業 建築

解体

「Docomo」の裏側

8/11(日) 建築 営業

解体

9/4(水) 営業 建築

解体

解体中の「とき」 排水用の升の跡がある。

建築

営業

解体

建築

営業

解体

建築

営業

解体

建築

営業

解体

建築

営業

解体

「TBC」の裏側 仮設のシャワーユニット と排水用升が見える。

8/11(日) 建築 営業

解体

「TBC」の裏側 パイプの繋がる先は水道 の本管かと思われる。

8/11(日) 建築 営業

解体

「とき」の裏側 仮設トイレは建物の裏手 の外部にある。

8/11(日) 建築 営業

解体

「とき」の裏側 プロパンガスのボンベが 並んでいる。

8/11(日) 建築 営業

解体

「とき」の裏側 湯沸かし器が並んでいる のが見える。

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3-3:海水浴場のサイクルの視覚化

2002年度 卒業論文

■(16)その他1 ※公衆便所・ゴミ箱 5/27(月) 営業 建築

解体

6/28(金) 営業 建築

解体

一つ目の公衆便所。 非常に汚く、壊されてい る。

市によってゴミ箱が設置 された。

5/27(月) 建築 営業

7/26(金) 建築 営業

解体

解体

二つ目の公衆便所。 一つ目と状況は同じであ る。

シーズン中、ゴミがあふ れているのをよく見かけ た。

6/24(月) 建築 営業

8/27(火) 建築 営業

解体

8/27(火) 建築 営業

解体

解体

海 開 き に 備 え て、 市 に よって仮設トイレが設置 された。

7/19(金) 建築 営業

解体

同上。

建築

ゴミの回収は収集車が直 接砂浜まで来て行ってい る。

営業

解体

9/4(水) 建築 営業

解体

ゴミがあふれている。

建築

営業

解体

建築

営業

解体

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3-3:海水浴場のサイクルの視覚化

2002年度 卒業論文

■(17)その他2 ※電柱・公衆シャワー 6/2(日) 建築 営業

解体

6/24(月) 営業 建築

解体

何もなかった砂浜に電柱 が立てられた。まだ電線 はない。

海開きに備えて、公衆の シャワーと放送塔が立て られた。

6/9(日) 建築 営業

6/24(月) 建築 営業

解体

7/26(金) 建築 営業

解体

解体

電柱に電線が張られた。

6/17(月) 建築 営業

解体

道路脇の電線から引いて きているようである。

9/4(月) 建築 営業

解体

当 然 だ が、 公 衆 の シ ャ ワーは水しかでない。

建築

営業

解体

シーズンが過ぎると電線 は撤去される。

建築

営業

解体

建築

営業

解体

建築

営業

解体

建築

営業

解体

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3-3:海水浴場のサイクルの視覚化

2002年度 卒業論文

■(18)その他3 ※ステージ・アーチ・排水管・ボート屋 7/19(金) 建築 営業

解体

7/26(金) 営業 建築

解体

海の家「SeaSide Jack」による物であ ろう、ステージが設けら れた。

海開きの日から、由比ガ 浜の玄関口とも言える階 段の一ヶ所にアーチが設 けられた。

7/26(金) 建築 営業

6/24(月) 建築 営業

解体

解体

ボート屋「バナナボート」

8/11(日) 建築 営業

解体

この日は何かイベントが 催されているようだ。

8/27(火) 建築 営業

建築

営業

解体

解体

7/19(金) 建築 営業

解体

台風で打ち上げられたワ カメを埋めているのか、 もしくは綺麗な砂を掘り 出していると思われる。

建築

営業

6/17(月) 建築 営業

解体

解体

砂浜の地中に管が埋めら れている事がわかる。

建築

営業

解体

8/27(火) 建築 営業

解体

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3-3:海の家のサイクルの視覚化

2002年度 卒業論文

3-3-3:海水浴場のサイクルの視覚化

5月27日(月) 17:30 晴れ ■工事開始日は6月1日なので、まだなにもない砂浜である。 ■市によって設置されている、二つの公衆便所だけは特別に常設である。

立面図

図 3-3-2:由比ガ浜 立面図・5/27

パノラマ写真

図 3-3-3:由比ガ浜パノラマ写真・5/27

平面図 地下駐 入り口

駐車場

公共トイレ

34号

国道1

車場

公共トイレ

890m

N

遊泳地区

図 3-3-4:由比ガ浜平面図・5/27

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3-3:海の家のサイクルの視覚化

2002年度 卒業論文

6月 2日(日) 18:00 晴れ ■工事開始二日目。 ■部分的に、資材の搬入などが始まった。早いところはもう作り始めている。

立面図

図 3-3-5:由比ガ浜立面図・6/ 2

パノラマ写真

図 3-3-6:由比ガ浜パノラマ写真・6/ 2

平面図 地下駐 入り口

駐車場

公共トイレ

34号

国道1

車場

公共トイレ

890m

N

遊泳地区

図 3-3-7:由比ガ浜平面図・6/ 2

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3-3:海の家のサイクルの視覚化

2002年度 卒業論文

6月 9日(日) 18:00 晴れ ■昔ながらの海の家風の工事が随所で行われ始めた。 ■早いところは完成間近と言ったところである。

立面図

図 3-3-8:由比ガ浜立面図・6/ 9

パノラマ写真

図 3-3-9:由比ガ浜パノラマ写真・6/ 9

平面図 車場 地下駐 公共トイレ

入り口 駐車場

売店

34号

公共トイレ

トキ

国道1

890m

N

遊泳地区

図 3-3-10:由比ガ浜平面図・6/ 9

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3-3:海の家のサイクルの視覚化

2002年度 卒業論文

6月17日(月) 15:30 曇り ■何軒かの海の家はもう完成した模様。 ■監視所、警察派出所ができあがった。

立面図

図 3-3-11:由比ガ浜立面図・6/17

パノラマ写真

図 3-3-12:由比ガ浜パノラマ写真・6/17

平面図 車場

地下駐

パパイヤ

トキ

公共トイレ

東亭

890m

公共トイレ

入り口 駐車場

売店 警察派出所 由比�浜監視所

34号

国道1

N

遊泳地区

図 3-3-13:由比ガ浜平面図・6/17

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3-3:海の家のサイクルの視覚化

2002年度 卒業論文

6月24日(月) 18:00 曇り ■四日後に海開きのはずだが、完成しそうにない海の家が見受けられる。 ■今から作り始めている所もある。

立面図

図 3-3-14:由比ガ浜立面図・6/24

パノラマ写真

図 3-3-15:由比ガ浜パノラマ写真・6/24

平面図 地下駐

パパイヤ

トキ

めぐみ

公共トイレ

東亭

890m

公共トイレ

入り口

駐車場

売店 警察派出所 由比�浜監視所

34号

国道1

車場

N

遊泳地区

図 3-3-16:由比ガ浜平面図・6/24

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3-3:海の家のサイクルの視覚化

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6月28日(金) 14:30 晴れ ■海開きの日である。 ■監視所、警察派出所が機能し始めた。 ■店は開いてはいるが、本格的に営業といった感じではない様子の海の家が多い。 ■市役所の話では、28日までに完成させるはずだが、まだ工事中の海の家が少な くない、また、今から作り出すところさえある。砂浜では工事関係の車両が走った りしている。

立面図

図 3-3-17:由比ガ浜立面図・6/28

パノラマ写真

図 3-3-18:由比ガ浜パノラマ写真・6/28

平面図 地下駐

パパイヤ

トキ

めぐみ

公共トイレ

東亭

890m

公共トイレ

入り口

駐車場

売店 警察派出所 由比�浜監視所

34号

国道1

車場

N

遊泳地区

図 3-3-19:由比ガ浜平面図・6/28

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3-3:海の家のサイクルの視覚化

2002年度 卒業論文

7月19日(金) 12:30 晴れ ■夏休み直前である。 ■ほとんどの海の家が完成、営業しているが、SouthWaveとDoCoMo WaveParadiceが未だ工事中である。 ■また、TBCの海の家は完成はしているが、営業はしていない様である。 ■全ての海の家の形がほぼ出来た所でわかるのは、個々のデザインがバラバラで、 全体としてひどく乱雑な景観を形成していると言う事である。

立面図

図 3-3-20:由比ガ浜立面図・7/19

パノラマ写真

図 3-3-21:由比ガ浜パノラマ写真・7/19

平面図 地下駐

公共トイレ

SeaSideJack

au楽園ベイベ�ハウス

MARUKO

パパイヤ

トキ

TBC

めぐみ

docomo WaveParadice

公共トイレ

SouthWave

白い恋人達

東亭

890m

Freedom Village

駐車場

売店 警察派出所 由比�浜監視所

入り口

34号

国道1

車場

N

遊泳地区

図 3-3-22:由比ガ浜平面図・7/19

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3-3:海の家のサイクルの視覚化

2002年度 卒業論文

7月26日(金) 13:30 晴れ ■夏休みシーズンに入った。 ■調査日の中では、全ての海の家が揃って営業しているのを見るのはこの日が始め てと言う事になる。 ■以前と比べて海水浴客もかなり増えた。

立面図

図 3-3-23:由比ガ浜立面図・7/26

パノラマ写真

図 3-3-24:由比ガ浜パノラマ写真・7/26

平面図 地下駐

公共トイレ

SeaSideJack

au楽園ベイベ�ハウス

MARUKO

バナナボ�ト

パパイヤ

トキ

TBC

めぐみ

docomo WaveParadice

公共トイレ

SouthWave

白い恋人達

東亭

890m

Freedom Village

駐車場

売店 警察派出所 由比�浜監視所

入り口

34号

国道1

車場

N

遊泳地区

図 3-3-25:由比ガ浜平面図・7/26

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3-3:海の家のサイクルの視覚化

2002年度 卒業論文

8月11日(日)朝 8:00 晴れ ■ピークシーズン。海水浴場が最も混みあうとされる、お盆前の日曜日である。 ■朝8時から、既に多くの人が海水浴を楽しんでいる。 ■この時間には、もう全ての海の家が営業している。

立面図

図 3-3-26:由比ガ浜立面図・8/11朝

パノラマ写真

図 3-3-27:由比ガ浜パノラマ写真・8/11朝

平面図 地下駐

公共トイレ

SeaSideJack

au楽園ベイベ�ハウス

MARUKO

バナナボ�ト

パパイヤ

トキ

TBC

めぐみ

docomo WaveParadice

公共トイレ

SouthWave

白い恋人達

東亭

890m

Freedom Village

駐車場

売店 警察派出所 由比�浜監視所

入り口

34号

国道1

車場

N

遊泳地区

図 3-3-28:由比ガ浜平面図・8/11朝

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3-3:海の家のサイクルの視覚化

2002年度 卒業論文

8月11日(日)昼12:00 晴れ ■昼の12時。最も多くの人で賑わう時間帯である。かなり混雑している。 ■ここまで見てきて気づいた事としては、由比ガ浜は、常に海水浴場の西側よりも 東側が混雑すると言う事である。東側から西側に行くにつれて、混雑の程度が緩和 されていく。

立面図

図 3-3-29:由比ガ浜立面図・8/11昼

パノラマ写真

図 3-3-30:由比ガ浜パノラマ写真・8/11昼

平面図 地下駐

公共トイレ

SeaSideJack

au楽園ベイベ�ハウス

MARUKO

バナナボ�ト

パパイヤ

トキ

TBC

めぐみ

docomo WaveParadice

公共トイレ

SouthWave

白い恋人達

東亭

890m

Freedom Village

駐車場

売店 警察派出所 由比�浜監視所

入り口

34号

国道1

車場

N

遊泳地区

図 3-3-31:由比ガ浜平面図・8/11昼

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3-3:海の家のサイクルの視覚化

2002年度 卒業論文

8月11日(日)夕17:00 晴れ ■15時頃から人が徐々に減り始め、17時にはあきらかに人が減った事を実感で きる。 ■市の定める遊泳時間は午後5時までであり、その少し前ぐらいに帰り始める人が 多いようだ。

立面図

図 3-3-32:由比ガ浜立面図・8/11夕

パノラマ写真

図 3-3-33:由比ガ浜パノラマ写真・8/11夕

平面図 地下駐

公共トイレ

SeaSideJack

au楽園ベイベ�ハウス

MARUKO

バナナボ�ト

パパイヤ

トキ

TBC

めぐみ

docomo WaveParadice

公共トイレ

SouthWave

白い恋人達

東亭

890m

Freedom Village

駐車場

売店 警察派出所 由比�浜監視所

入り口

34号

国道1

車場

N

遊泳地区

図 3-3-34:由比ガ浜平面図・8/11夕

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3-3:海の家のサイクルの視覚化

2002年度 卒業論文

8月27日(火) 16:00 晴れ ■海開き終了直前。 ■今日で店を閉める海の家が見受けられた。 ■この時期になると、もう海水浴客はかなり少ない。

立面図

図 3-3-35:由比ガ浜立面図・8/27

パノラマ写真

図 3-3-36:由比ガ浜パノラマ写真・8/27

平面図 地下駐

公共トイレ

SeaSideJack

au楽園ベイベ�ハウス

MARUKO

パパイヤ

トキ

TBC

めぐみ

docomo WaveParadice

公共トイレ

SouthWave

白い恋人達

東亭

890m

Freedom Village

駐車場

売店 警察派出所 由比�浜監視所

入り口

34号

国道1

車場

N

遊泳地区

図 3-3-37:由比ガ浜平面図・8/27

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3-3:海の家のサイクルの視覚化

2002年度 卒業論文

9月 4日(水) 18:00 曇り ■解体期間4日目。 ■解体は早いところは3,4日で解体して撤収してしまうが、遅いところは半月以上 かかる所もあるらしい。 ■実際、この日で既に解体が済んでいる海の家もある。

立面図

図 3-3-38:由比ガ浜立面図・9/ 4

パノラマ写真

図 3-3-39:由比ガ浜パノラマ写真・9/ 4

平面図 地下駐

公共トイレ

パパイヤ

TBC

めぐみ

公共トイレ

白い恋人達

890m

警察派出所 由比�浜監視所

駐車場

売店

入り口

34号

国道1

車場

N

遊泳地区

図 3-3-40:由比ガ浜平面図・9/ 4

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3-3:海の家のサイクルの視覚化

2002年度 卒業論文

9月 9日(月) 17:30 雨 ■もう完全に撤収している海の家、解体は済んで資材だけが積み上げられている海 の家、まだ解体中の海の家、など様々である。

立面図

図 3-3-41:由比ガ浜立面図・9/ 9

パノラマ写真

図 3-3-42:由比ガ浜パノラマ写真・9/ 9

平面図 地下駐

公共トイレ

公共トイレ

890m

入り口

駐車場

警察派出所 由比�浜監視所

34号

国道1

車場

N

遊泳地区

図 3-3-43:由比ガ浜平面図・9/ 9

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3-3:海の家のサイクルの視覚化

2002年度 卒業論文

9月22日(日) 16:30 晴れ ■全ての海の家が完全に解体・撤収し、何もない5月27日の状態に戻った。 ■2002年度の海水浴場及び海の家のサイクルの終了である。

立面図

図 3-3-44:由比ガ浜立面図・9/22

パノラマ写真

図 3-3-45:由比ガ浜パノラマ写真・9/22

平面図 地下駐 入り口

駐車場

公共トイレ

34号

国道1

車場

公共トイレ

890m

N

遊泳地区

図 3-3-46:由比ガ浜平面図・9/22

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海の家の建築的特性とその在り方に関する研究  

2002年度,卒業論文,福西英知

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