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U9813

早稲田大学` 建築学科事業論文 :│ 理工学部 1「 指導教授 渡辺仁姜

駅空間における視覚障害者の歩行に関する研究‐ │

―視覚障害者があたえる群集あ募行変化 T

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駅 空 間 に お け る 視 覚 障 害 者 の 歩 行 に 関 す る研 究 ―視 覚 障害 者 が あ た え る群 集 の歩行 変化 ―

G95D076

早稲 田大 学 建 築 学科

佐藤英彰

1998年 度 卒 業論 文 指 導教授

渡辺 仁 史


は じめ に

視 覚障害者 を支援す る設備 と言 つて まず思 い 浮 かべ られ る もの と して、 公 共 施 設 、特 に駅 で 目 にす る こ とが 多 い 点字 ブ ロ ックが 挙 げ られ る。 介 護 者 な しで一 人歩 きをす る視 覚 障害者 とって 、点字 ブ ロ ックは とて も大 きな拠 り所 で あ るが 、施 設 倶1の 立 場 か ら見 る と、設 置 してお け ばそ れ で 良 い とい う思惑 が見 え隠 れ し、それ はバ リア フ リーの免 罪符 とい う べ き存在 で あ る と も言 え る 。晴 眼者 の 目に は 、 は つ き り と形 と して見 え る この よ うな設 備 は、あ た か も機 能 的、か つ 福 祉 的 で あ る よ う に映 るが 、 そ こ には利 用 者 で あ る視 覚 障害 者 の 姿 を見 る こ とはで きな い 。 で は ど うす れ ば視覚障害 者 の立 場 にた った施 設が考 え られ るだ ろ うか 。 この想 い が 、本論 の き っか け とな った 。

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目次

1 ・ 2

1

序論 研 究 目的

1-2

研究背景

1-1

 6 5一

誘 導 ブ ロ ックの敷 設 状 況 調 査

2-1 調査 方 法 2-2 調査 結 果

2 1 1・ 1

群 集 の歩 行 変 化 実験 3…

1

0 2

実験 方 法

3-2 実験 結 果

2 2

群 集 流動 の 回避 行動解 析

4-1

3 2

4

3 2

逆 流 歩 行 に対 す る 回避 行 動

8 3

4-2

9 2

4-1-1 分 析 方 法 4-1-2 分 析 結 果

8 3

順 流 歩 行 に対 す る 回避 行 動

4-2-2

夕)力千結 果

。 4

4-3

9 3

4-2-1 分 析 方 法

。 4

横 断歩 行 対 す る 回 避 行 動

5

2 4

4-3-1 分 析 方 法 4-3-2 分 析 結 果 駅 コ ン コ ー ス に お け る誘 導 ブ ロ ッ クの 配 置 手 法

-47 。 5

結論 6-1

7

ま とめ 今 後 の展 望

2 5

6-2

︲ 5

6

参考文献

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1-1

研 究 目的

本論 は、駅 空 間 における視 覚 障害 者 の 歩行 が 与 える群 集流動 の 回避 行 動 の 特性 を、誘 導 プ ロ ックの 有 効性 を加 味 しなが ら明 らか にす る こ とを 目的 とす る。

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2


1‥

2

研 究背景

1970年 、国鉄 我 孫 子 町 駅 を第 一 号 に プ ラ ツ トホ ー ム 転 落 防 止 と して点 字 ブ ロ ックは 敷 設 され た 。 そ れ 以 来 各 駅構 内用 に普 及 し始 め 、現 在 で は 点 字 ブ ロ ツクの 敷 設 され て い な い 駅 を見 る こ とは殆 どな い 。 しか し、果 た して 視 覚 障 害 者 が 利 用 しや す い 駅 に な って い るの か 、 と問 わ れ る とそ う は言 え な い の が 現 状 で あ る。

■ 点 字 ブ ロ ックの 定 義 視 覚 障 害 者 誘 導 用 ブ ロ ック設 置 指 針 (日 本 道 路 協 会 、1985)に よれ ば 、 視 覚 障 害 者 誘 導 用 ブ ロ ッ ク は 、視 覚 障 害 者 が 通 常 の 歩 行 状 態 にお い て 、 主 に足 の 裏 の 触 感 覚 で そ の 存 在 及 び 大 まか な形 状 を確 認 で きる よ う な突 起 を表 面 に付 け た ブ ロ ツ クで あ り、道 路 及 び 沿 道 に 関 して あ る 程 度 の 情 報 を持 って 道 路 を歩 行 中 の 視 覚 障 害 者 に 、 よ り正確 な歩 行 位 置 と歩 行 方 法 を案 内 す る た め の 施 設 で あ る と定 義 され て い る 。

■ 駅 構 内 で の 点 字 ブ ロ ツ クの 役 割 駅 構 内 にお け る 点 字 ブ ロ ックは 大 き く二 つ に分 類 で きる。 一 つ は プ ラ ッ トホ ー ム 転 落 防 止 機 能 と して の 点 字 ブ ロ ックで あ り、 も う一 つ は 複 雑 な駅 構 内 で 正 確 に 目的 地 に誘 導 させ る機 能 と して の 点 字 ブ ロ ックで あ る 。 視 覚 障 害 者 に とつて 欄 千 の な い 橋 と もい わ れ る プ ラ ッ トホ ー ム で の 歩 行 は極 め て 危 険 で あ り、彼 らの 半 数 以 上 が 転 落 経 験 が あ る と い う。 そ の 対 策 と して プ ラ ッ トホ ー ム 端 の 位 置 を視 覚 障 害 者 に 認 識 させ る 点 状 の ブ ロ ック を敷 設 す る こ と と な っ た 。 また、視 覚 障 害 者 は 、大 まか な位 置 関係 を把 握 す る こ とは 可 能 で あ る

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が 、細 か い 経 路 を把 握 す る こ とが 困難 で あ る た め 、駅 コ ン コー ス の よ う な複 雑 な通 路 形 態 を持 つ 空 間 で は 、進 行 方 向 を示 して くれ る点 字 ブ ロ ッ クの 役 割 は 大 きい 。

■ 視 覚 障 害 者 支 援 設備 の 現 在 現 在 、点 字 ブ ロ ック に代 わ る視 覚 障 害 者 の 歩 行 を支 援 す る設備 と して 、 床 材 の 下 に埋 め 込 まれ た 磁 気 標 識 体 を専 用 白杖 の 先 端 に あ る磁 気 セ ン サ ー に よつ て 読 み とる こ とで 視 覚 障 害 者 を 目的 地 まで 誘 導 す る もの や 、 自動 車 業 界 で 主 に利 用 され て い る GPS(Global Positioning System)を 用 い た ナ ビゲ ー シ ヨンシス テ ム を視 覚 障害 者 向 け に応 用 した もの な ど、新 し い 設 備 の 開発 が 行 われ て い る 。 今 の とこ ろ 器 機 の 大 き さや 価 格 の 問題 が あ リー 般 化 して い な い が 、将 来 小 型化 と低 価 格 化 が 進 め ば 、視 覚 障害 者 に とっ て よ り有 用 な設 備 に な る で あ ろ う。

現 在 、厚 生 省 にお い て 点 字 ブ ロ ックの 形 態 に よ る視 覚 障 害 者 の 認 知 に 関 す る研 究 が 行 われ て い る な ど、視 覚 障 害 者 支 援 設 備 の ハ ー ド部 分 の 研 究 や 、安 全 面 か ら見 た駅 プ ラ ッ トホ ー ム の 点 字 ブ ロ ック 配 置 方 法 な どの 研 究 が進 め られ て い るが 、前 述 の よ うな、新 しい 視 覚 障 害 者 支援 設 備 の 開発 に伴 い 、駅 コ ン コー ス にお け る点 字 ブ ロ ツク (本 論 で は 誘 導 ブ ロ ッ ク と呼 ぶ )の 配 置 方 法 を 見 直 さ な くて は な らな い の で は な い だ ろ うか 。 誘 導 プ ロ ック 配 置 の 現 状 は 、各 駅 ご とに まち ま ちで 、視 覚 障害 者 に とっ て 歩 行 しや す い 空 間 を提 供 で きて い な い と考 え る 。 そ こで 、誘 導 ブ ロ ックの 配 置 指 針 を提 案 す る とい う考 えか ら、 そ の 足 が か り と して群 集 流動 と視 覚 障 害 者 の 歩 行 特 性 を 明 らか にす る 、 とい う こ とが 本 論 の 動 機 とな っ た 。 早稲田大学建築学科渡辺仁史研究室

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1/


2

誘 導 ブ ロ ッ クの 敷 設 状 況 調 査

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2-1

調査 方 法

研 究 の 足 が か り と して 、駅 コ ン コー ス に お け る誘 導 ブ ロ ックの 敷 設 状 況 を把 握 す る た め 、 以 下 の 条 件 で 調 査 を行 っ た 。 調査地点 調 査 日時

山手 線 各 駅 コ ン コー ス

1 1997年

9月 10日 (木 )

2 1997年 9月 11日 調 査 内容

1 2

(金 )

誘 導 ブ ロ ックの 敷 設 状 況 コ ンコー ス の流動状 況

山手線 各駅 の コ ン コース の 現 況 を写真撮 影 す る とと もに、平面 図 お よび誘 導 ブ ロ ックの 配置状 況 をス ケ ッチ した。 また同 時 に、 日視 に よ り群 集 流動 の状 態 を把握 し、記 録 した。

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1/


2-2

調査 結 果

調 査 の 結 果 か ら駅 コ ンコー ス の 空 間構 成 と誘 導 ブ ロ ックの 配 置 方 法 に よ り、 基 本 的 な パ タ ー ン に分 類 した。

(1)幅 員 が 狭 い 直 線 通 路 ・ 誘 導 ブ ロ ックの 配 置 が 通 路 の 中央 (図 例 0日 暮里駅

2‐ 1… 1、

2-1-1 模 式 図

2…

1-2)

2-1-2

写真

・ 誘 導 ブ ロ ックの 配 置 が 通 路 の 縁 端 (図 2-1-3、 2-1-4) 例 。鴬谷駅

︲ ︱ ︲ 口︱ ︲ ︱ ︱ ∪ 図

2‐ 2‐

1

模式図

E==>流 動の方向―

2‐

2-2

写真

誘導 ブロ ック

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1998年 度卒 業論 文

7


(2)幅 員 が 広 い 直 線 通 路 。誘 導 ブ ロ ッ ク の 配 置 が 通 路 の 中 央 (図 2-3-1、 2-3-2)

例・ 新宿 駅

醸 F 図 2-3‐ 1 模 式 図

。誘 導 ブ ロ ックの 配 置 が 通 路 の 縁 端 (図 2-4-1、 2-4-2) 例・ 新宿

︼ r

] 1 図

2‐4‐

1

模式図

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(3)L字

型 通 路 (図

2-5…

1、

2-5-2)

例・ 原 宿 駅

図 2‐ 5-1

(4)T字

模式 図

図 2-5… 2

写真

図 2-6-2

写真

型 通 路 (図 2-6-1、 2-6-2) 例・ 高 田馬 場 駅

2‐

6-1

模式図

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(5)多 柱 通 路

2¨ 7-2)

(図 2-7-1、

例・ 神 田駅

図  図  図 図 2‐ 7-1 模 式 図

Eコ 2‐ 7‐ 2

=昇 舅 尋

調査 の 結 果 、 コ ン コース にお け る誘 導 ブ ロ ックの 配 置 は 、主 に改オLか ら直線 に延 び る、ま た は他 の 空 間 か ら延 び る誘 導 ブ ロ ック と直線 で接 続 す る よ う に配 置す る 、 とい う こ とか ら決 定 され て い る こ とが わか った 。 それ に よ り誘導 ブ ロ ックの 配 置 が通路 の 中央 または縁 端 になる こ とが 決 ま り、 空 間構 成 や 流 動 の 状 態 が 配置 に加 味 され て い る とは考 え られ な か った。 そ こで 、今 回 の研 究 では様 々 な群 集 流動 の 形 態 に対 して視 覚 障害 者 が 歩行 した際 、群 集 流動 に どの よ うな歩行 変化 が起 こるか を実験 を通 して 明 らか にす る こ と と した。実 験 にお い て 、 コ ン コース の 空 間形態 に よ り 群 集 流動 の 形 態 も変 化 す る こ とか ら、本調査 で 分類 した空 間別 に行 う こ とが 望 ま しい が、視 覚障害 者 が 参加 す る とい う実験 の 性 格 上 、複 数 の 空 間 での 実施 は難 しい と考 え、最 も基本 的 な空 間 で あ る幅 員 が大 きい 直線 通路 にお い て実験 を行 う こ と と した。

ニ史研究室 早稲田大学建築学科渡辺イ

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10


3

群 集 の 歩 行 変化 実験

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11


3-1

実験方 法

視 覚 障 害 者 が 群 集 流 動 内 を歩 行 す る 時 に、群 集 に発 生 す る 歩 行 行 動 特 性 を確 認 す る た め に以 下 の よ うな条 件 で 実 験 を行 っ た 。

JR東 南 口改 札 内

実験 地 点

新宿駅

実験 時 間

平 日午 後

実 験 内容

群 集 流 動 に対 して 視 覚 障 害 者 また は健 常 者 を歩 行 させ 、群 集 流 動 の 歩 行 軌 跡 を撮 影 す る 。

図 3-1 実験風 景

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■実験地点 の決定 実 験 地 点 の 条 件 と して

1 2 3 4

大 規 模 タ ー ミナ ル 駅 で 相 当量 の 一 方 向流 動 が発 生 す る こ と。 充 分 な 直 線 距 離 を持 つ 通 路 で あ る こ と。 実 験 に必 要 な点 字 ブ ロ ックの 配 置 が あ る こ と。 ハ イ ア ン グル で の

V眼 の 設 置 が 可 能 で あ る こ と。

以 上 の こ と を ふ まえ、選 定 を行 った 結 果 、図 3-2に 示 す 新 宿 駅 JR東 南 口改 オL内 付 近 に 決 定 した。

︲華 ︱ ︱

緞甕壼 点状ブロック

カメラ01撮影範囲

翻勝盪 線状ブロック

カメラ02撮 影範囲

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3-2

指憬多ポ イ ン ト

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図 3‐ 3

カ メ ラ 01撮 影 画像

3-4

カ メ ラ 02撮 影 画 像

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■実験歩行 者 実 験 に お い て流 動 に対 して歩 行 させ た 歩 行 者 を実 験 歩 行 者 と呼 ぶ こ と とす る 。 今 回 の 実 験 の 実 験 歩 行 者 は以 下 の 通 りで あ る 。

視 覚 障害 者

(3名 )

。K氏

女 性 。30歳 ・ 全 盲 ・ 白杖 歩行 歴 20年

・T氏

男 性 。65歳 ・ 全 盲 。自状 歩 行 歴 20年

・U氏

男 性 ・57歳 。全 盲 ・ 白状 歩 行 歴 29年

健常者

(2名 )

渡 辺 研 よ り 2名 選 出 。

尚 、視 覚 障 害 者 の 選 定 に際 し、 日常 的 に一 人 で 行 動 して い る こ と を条 件 と した。

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■ 実 験 内容 の 詳 細 埼 京線

1・

2番 線 の 降客 に よ って発 生 す る 流 動 に対

し、以 下 の 条 件 で 実

験 を行 った 。

□ 実験項 目 実験 歩行 者 が視 覚 障 害 者

[01]点 字 ブ ロ ック上 を歩行 01-01 流 動 と逆 方 向

(図

01-02 流 動 と順 方 向

(図 3-5-2)

01-03 流 動 を横 断

3-5… 1)

(図 3-5-5)

[02]点 字 ブ ロ ック以 外 を歩 行 02-01 流 動 と逆 方 向

(図 3-5-3)

02-02 流 動 と順 方 向

(図 3-5-4)

実 験 歩行 者 が 健 常 者

[03]点 字 ブ ロ ツク上 を歩行 03-01 流 動 と逆 方 向

(図 3-5-1)

03-02 流 動 と順 方 向

(図 3-5-2)

03¨

03

流 動 を横 切 り (図

3… 5-5)

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□ 手順 実 験 歩 行 者 は 埼 京 線 1・

2番 線 の 降 車 流 発 生 に合 わせ て 歩 行 す

る。歩 行 経 路 は 図 3-5-1∼ 3-5-6に 示 す 。実 験 歩行 者 が 視 覚 障 害 者 な 場 合 、 ス タ ー ト地 点 と ゴー ル 地 点 に調 査 員 を 配 置 し、 そ れ ぞ れ ス ター トと ゴー ル の 合 図 を した。

(ぶ癬 点状プロック

スター ト地点

,1■ ■ 線状プロック

ゴール地点

図 3‐ 5… 1 誘 導 ブ ロ ック上 を流 動 と逆方 向 に歩 行

IIIil::;:く(│::::議 図

3…

5-2

の 向 流 動 方 Sl々

]:「 111

誘 導 ブ ロ ッ ク上 を流 動 と順 方 向 に 歩 行

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埼京線3● ■線

III:l;:;:

の 向 流 動 方 く il点 《 }::::菫 Sit]:「

図 3‐ 5-3 誘 導 ブ ロ ック外 を流 動 と逆 方 向 に歩 行

向 方

0 緊︱         “ 流

スター ト地点

ゴール地点

図 3-5-4

誘 導 ブロ ッ ク外 を流動 と順 方 向 に歩 行

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流動の方向

II:11::;:

Siを

]1「il点

図 3… 5-5 誘導 ブ ロ ッ ク上 を流 動 を横 断 す る よ う に 歩 行

■ 実験 日時 大 規 模 流動 が 断続 的 に発 生 す る こ とが 条件 とな るため 、朝 方 ラ ッシ ユ 時 に行 う こ とが理 想 で あ るが 、視 覚 障害 者 の安 全 を考慮 した上 で避 け る こ と とな った。 埼 京 線 の 降客 に よ り日中 で もあ る程 度 の 流動 量 を得 られ る と判 断 し、 以 下 の よ う に決定 した。

1998年 10月 15日 (木 )

13時

か ら 16時 30分 頃 まで

なお実験 当 日は天 候 に恵 まれ 、流 動発 生 を左 右 す る よ う な ダイヤ の乱 れ もなか つた。

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3-2

実験 結 果

撮 影 した Ⅵ Rか ら以 下 の 方 法 で座 標 デ ー タ を生 成 した。

1 1/3秒 ご との 連 続 す る 画 像 を コ ン ピ ュ ー タ ー に取 り込 む 。

2

そ の 映像 デ ー タか ら、実 験 歩 行 者 の 歩 行 に よつて 影 響 を受 け て い る群 集 に つ い て 抽 出す る 。

3

この デ ー タ を 2次 元 デ ー タ (直 交 座 標 )に 変 換 す る 。

図 3… 6 画像 抽 出作 業 画 面

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■操 作 内容 の 詳 細 上 記 1∼ 3の 作 業 につ い て

1

映像 取 り込 み Ⅵ R映 像 を、秒 3コ マ の 連 続 す る静 止 画 と して取 り込 む 。

2

流動 成 分 の抽 出 画像 の 人 間 の頭 を 目安 に 「何 番 目の 人 。フ レーム ・x座 標 ・Y座 標」 の 形 で 流動 の様 子 を数値 化 す る (図 3-6参 照 )

3

座 標 変換 ビデ オか ら得 た映 像 で は パ ース が か か つてい るので 、 これ を平 面 図 で 見 た よ う な絵 に して、分析 を簡単 にす るため に 座 標 変換 を行 う。

なお 1と 3の 操 作 につい て は扱 うデ ー タ量 が 莫 大 で あ るため 、作 業効 率 を よ く行 うため に渡辺研 究 室 修 士 卒 の 先 輩 で あ る樋 口智幸氏 が 作 成 した 半 自動 化 プ ロ グ ラ ム を使 用 した。

以 上 の操 作 に よつて得 られ た座 標 デ ー タを元 に解析 を行 う。

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4

群 集 流 動 の 回避 行動解 析

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4‐

4… 1‐

1

1

逆 流 歩 行 に 対 す る 回避 行 動

分 析 方法

視 覚 障害 者 が群 集 流 動 と逆 方 向 に 歩 行 す る 際 、対 向す る群 集 の 回避 行 動 特 性 を解 析 す る。 ■ 相 対 座標 図 の 図示 実 験 歩 行 者 は 常 に動 い て い る た め 、群 集 の 回避 行 動 の 起 こ る位 置 が ま ち ま ち に な る 。 そ こで 、 以 下 の 方 法 を用 い て座 標 変 換 を行 い 図化 す る 。

実 験 歩行 者 の X,Y座 標 と回避 行動 を して い る群 集 の 各 要素 の

X,Y座 標 との差 を各 フ レー ム ご とに 求 め る。(図 4-3お よび4-4)

︱                     ︱ 相対座標 を抽出

実際の歩行軌跡

4-3

座標 変換過程 模 式 図

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1

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23


腱 日

9 ”●

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24

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2

座標 変 換過 程 模 式 図

4-4

N ,

中 ‖

l


2

実験 歩行 者 が Y軸 負 の 向 き、群 集 が Y軸 正 の 向 きに進行 す る よ う に座 標 を変換 す る。

3

以 上 の操作 で 得 られ た座 標 か ら図化 す る。

■領 域面積 の 比 較

1

「相 対 座 標 図」 で 得 られ た座 標 を求 め 、 x軸 と相 対 座 標 図 に よってで きる面 積 を求 め る。

面 積 の算 出式 を以 下 に示 す。

S〓 S′+Sr

SF2{瑠 1←⊆些彎絡部型亘■ )の S戸

{〈k―坐

S:領 域 面 積

堂 ≧

絆 午

}

坐 立 ― )の }

勁:左 側 回避 領 域 面 積 Sだ 右側 回避 領 域 面 積

(am,bm):左 側 回避 座 標 (れ ,bn):右 側 回避 座 標

m:左 佃1回 避 開始位 置 n:右 側 回避 開始 位 置 ※ 回避 行 動 開始 位 置 に 関 して は次 に 記 す 。

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02,b2)

(a2,b2)

(am 2,bln 2)

(an 2,bn 2)

(an,bn_D

図 4-5 領域面積計算模 式図

■ 回 避 行 動 開 始 位 置 の比 較

1

回避 行 動 開始 位 置 の 定 義 群 集 流 動 が 実 験 歩 行 者 を認 識 し、回避 行 動 を 開 始 す る位 置 を「 回

避行 動 開始位 置 」 とす る 。 回避 行 動 開始位 置 を測 定 す る上 で 、どこか ら 回避 行 動 を 開始 して い るか を定 義 す る必 要 が あ る 。 歩行 者 が 直進 す る 際 、あ る程 度 の 横 方 向 へ の ぶ れ が あ る こ とが 考 え られ るが 、そ の ぶ れ が あ る一 定 基 準 を超 え た 位 置 を 回避 行 動 開始

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位 置 とす る 。 そ こで 、撮 影 した 直 進 して い る 群 集 流 動 の 中 か ら無 作 為 に

1 5人 を

抽 出 し、 そ れ ぞ れ 各

25

フ レー ム の 歩 行 座 標 か ら │△ XIを 求 め る 。(図

6)

求 め た lAXIを 集 計 し た 図 が 図 4-7で あ る 。 集計 した lAXlの 総 和 の

90%を 直 進 歩 行 の 誤

差 とす る と、 │△ XI=120mm

回避 行 動 開始位 置 定 義模 式 図

まで が 直 進 歩 行 して い る と認 め る こ とが で き る。 よっ て 、この 値 を超 え

た位 置 を 回避 行 動 開 始

位 置 とす る 。

L_ │

図 4‐ 7

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zⅨ 集 計 図

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2

回避行 動 開始 位 置 の 比 較 上 に述 べ た よ う に、IAX卜 120を 超 えた値 を とる位 置 を 回避 行 動

開始位 置 と し、 そ の 距離 を比 較 す る。

■ 回避 方 向 の 比 較 実験歩行 者 の歩行 に よつて群 集 が 回避 す る際 に、左 右 どち ら側 に 回避 す るのか を測 定す る。

■相 対距 離 軌 跡 の比 較 群 集 が 実験 歩行 者 に対 して どれ だ け の 距 離 を保 ち なが ら回避 しよ う と して い るの か を解析 す る。

1

実 験 歩行 者 と回避行 動 を して い る群 集 が 真横 に並 んだ 時 間 を t=0と す る。

2

時 間経過 と相 対 距離 の 関係 を解 析 し、比 較 す る。

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4‐ 1…

2

分析 結 果

■相対座標図

図 4-8 相対 座標 図 (誘 導 ブ ロ ッ ク上 を歩 行 す る視 覚 障 害 者 )

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29


図 4-9 相 対 座標 図 (誘導 ブ ロ ック外 を歩 行 す る視 覚 障 害 者 )

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30


相対 座標 図 (健 常者 )

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31


︵ 引 ヽ 、 日ヽ 辮 総 ︶ 撫 仰 量 風 堅

ま ヽ 、日ヽ 辮 襦 ︶ 榊 仰 量 釈 堅 ︵

榊 糧製

相対 座標 図簡 略 図

4-11

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■領域 面 積 の比較 回避行 動 を して い る群 集 内 に発 生 す る 回避領域 面積 を平均 した ものが 下 図 で あ る 。 (図 4-12)

視覚障害者 (誘 導ブロ ック上)

視覚障害者 (誘 導プロ ック外)

10 m2

図 4-12 領 域 面積 の グ ラ フ

図4-12よ り誘 導 ブ ロ ック上 を視 覚 障害者 が 歩行 して い る場 合 に最 も大 きな領域 が 発 生 す る こ とが 確 認 され た 。 また、誘 導 ブ ロ ック外 を視 覚 障害 者 が歩行 して い る場 合 の 領 域 面積 が 誘 導 ブ ロ ツク上 と比 べ て小 さ くな って い る。 実験歩行 者 が 健常 者 の 場 合 図4-11が 示 す よ う に群 集 が 回避 行 動 を殆 ど 起 こ さな い ため に領 域 面 積 が小 さ くな ってい る。

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■ 回避 行動 開始位 置 の比 較 回避行動 をしてい る群集 の各 要素 の回避行動開始位置 を平均 した。(図 4-13)

この 図 か ら、群 集 が逆 流 して くる実 験 歩 行 者 に対 して どの地 点 で 認 知 し、 回避 を 開始 して い るの か が わ か る 。

視覚障害者 (誘 導プロ ック上)

視覚障害者 (誘 導プロ ック外)

図 4-13 領 域 面積 比 較

視 覚 障 害 者 が 誘 導 ブ ロ ッ ク上 を歩 行 して い る場 合 、約

5m手 前 よ り回

避 行 動 が 開始 され て い るの に 対 して 、誘 導 ブ ロ ツク外 の 場 合 は 、約 1.5m 手 前 まで 回避 行 動 が 開始 され て い な い こ とが わ か る 。 この こ とか ら、視 覚 障害 者 は 誘 導 ブ ロ ツク上 を歩行 した ほ うが 、群 集 に対 して 自分 自身 が 歩行 して い る こ とを認 識 させ や す い とい う こ とが わ か る。

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34


■ 回避 方 向 の比 較

視覚障害者

(誘 導プロック上)

視覚障害者

(誘 導ブロック外)

4…

14

回避 方 向 比 率 グ ラ フ

図 4-14に 示 す 通 り対 向す る流 動 は左 側 へ 回 避 しやす い こ とが 確 認 され た。 健 常 者 の 場 合 は ほ ぼ 同比 率 で あ るが 、そ の 理 由 と して 、健 常 者 に対 し て 回避 す る場 合 は 、殆 ど回避 行 動 を行 わ な い た め に相 互 の 位 置 関係 で 回 避 方 向 が 決 ま る の に対 し、視 覚 障 害 者 を認 知 して 回避 す る 場 合 は t群 集 が とっ さ に左 側 へ 回避 す る傾 向 が あ るか らで あ る 、 と考 え られ る 。

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■ 回避 軌 跡 の比 較 図4-15の グ ラ フか ら群 集 流動 が 実験 歩行 者 に対 して どの 程 度 の 距離 を 保 ち なが ら回避 して い るか 、及 び群 集 の 回避 幅 が わか る。

ロ ック

視覚障害者 (誘 導プロック外) →卜 健 常者 、 仮 想 直線

7

-6

-5

-4

-3

-2

-1

0

1

2

3r

図 4-15 回避方向比率 グラフ も し、実験 歩 行 者 と群 集 が 互 い に避 けず に 直 進 しなが らす れ 違 った と す る と、図 4-15の 仮 想 直線 の 図 の よ う に 直 線 を描 きなが ら距 離 の 値 が小 さ くな り、す れ 違 っ た後 は 直 線 で 距 離 の 値 が 大 き くな る こ と に な る。 ま た 、群 集 が 円 運 動 を行 い なが ら回避 した とす る と、距 離 が 同値 を取 りな が らす れ違 う こ とに な るの で 時 間軸 に水 平 な図 が で きる。 そ の こ とか ら視 覚 障害 者 が 誘 導 ブ ロ ック上 を歩 行 した場 合 、←0付 近 で 相 対 距 離 の 値 の 減 少 率 が小 さ くな る こ とか ら、円 運 動 に近 い 回避 軌 跡 を 描 い て い る と言 え る 。 また 、視 覚 障 害 者 が 点 字 ブ ロ ック外 を 歩 行 して い

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た場 合 、同様 に t=0付 近 で 円 運 動 に近 い 回避 軌 跡 を描 い て い るが 、前 述 し た 通 り回避行 動 を 開始 した位 置 が 実 験 歩 行 者 に近 い た め 回避 幅 力Ⅵ ヽさ く な っ て い る と考 え られ る 。 実 験 歩 行 者 が 健 常 者 の 場 合 は 、仮 想 直 線 に近 い 減 少 率 を見 せ 、 ほ とん ど 回避 行 動 を起 こ して い な い こ とが 確 認 され た 。

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4-2

□ 4… 2‐

1

順 流 歩 行 に対 す る 回避行 動

分析方 法

視 覚 障 害 者 が群 集 流動 に対 して順 方 向 に歩行 す る際 に、流動 の行 動 特 性 を解析 す る。 ■歩 行 速 度 の比 較 実験 歩 行 者 の 歩行 速 度 と群 集流動 の 歩行 速 度 を比 較 す る。

■群 集 の横 方 向 の ぶ れ の解 析 群 集 の 各 フ レーム ご との横 方 向 のぶ れ

(AX)を 算 出す る 。

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4-2-2

分析結果

表 4-1お よび 4-2よ り、実 験 歩 行 者 で あ る視 覚 障 害 者 と群 集 流 動 との 歩 行 速 度 の 差 は 殆 ど見 られ ず 、ま た群 集 流 動 の AX値 に も大 きな変 化 が な い こ とか ら、群 集 流動 に 日立 っ た 歩 行 変 化 が 表 れ な か っ た こ とが 確 認 され た。 これ に よ り、視 覚 障 害 者 が 群 集 流 動 に対 して順 方 向 に 歩 行 す る こ とに 問題 が な い こ とが わ か っ た 。

表 4… 1 歩 行速 度

速度 (m/s)

視党障害者 1.15

群集流動 1.16

表 4-2 群集 の横 軸 方 向 の ぶ れ Иx(mm)

平均値 78.6

最大値 113.2

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回避行動開始基準値

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120

39


4“ 3

□ 4-3‐

1

横 断 歩 行 に対 す る回避 行 動

分析 方法

視 覚 障害 者 が 群 集 流 動 を横 切 る よ う に歩 行 す る 際 、直 交 す る群 集 の 回 避 行 動 特 性 を解 析 す る 。 ■ 相 対 座標 図 の 図示 実 験 歩 行 者 は 常 に動 い て い る た め 、群 集 の 回避 行 動 の 起 こ る位 置 が ま ち ま ち に な る 。 そ こで 、 以 下 の 方 法 を用 い て座 標 変 換 を行 い 図化 す る 。 横 切 りの 場 合 は逆 流 と違 い 、実 験 歩行 者 が群 集 流 動 に対 して 横 方 向 に 移 動 す るた め 、 別 な方 法 で座 標 変 換 を行 っ た 。

1 4章 2項 の 分 析 方 法 と同様 に実 験 歩 行 者 の X,Y座 標 と 回避 行 動 を して い る群 集 の 各 要 素 の

X,Y座 標

との差 を 各 フ レー ム ご

と に 求 め る。

2 3

群集が

Y軸 正 の 向 きに進 行 す る よ う に座 標 を変 換 す る 。

回避 行 動 開始 位 置 を算 出 し、そ の 位 置 の Y座 標 を Y軸 上 (Y却 ) に な る よ う に座 標 を 変 換 す る 。

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■ 回避 行 動 開始位 置 の 比 較

1 4章

2項 に述 べ た よ う に、ど← 120を 超 えた値 を とる位 置 を 回

避行 動 開始位 置 と し、 そ の 距 離 を比 較 す る。

■群 集 の 回避 方 向 の比 較 群 集 が横 切 ってい る 実 験 歩行 者 の進行 方 向 の 前 後 どち ら側 に 回避 す る か を測 定 す る。

■群 集 の歩 行 速度 の 変 化 群 集 に対 して横切 つて い る実験 歩行 者 に よつて 群 集 の 歩行 速度 の 速 度 が どの よ う に変化 す るの か 調 べ る。

1 2

群 集 の各 フ レー ム ご との 速 度 を算 出す る。 群 集 が 実験 歩 行 者 と相対 座 標 Y却 前 後 に な るの 歩行 速度 を比 較 す る。

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1

分析 結果 ■相対座標 図

4‐ 3‐

図 4-16 相対 座標 図 (視 覚 障害 者 )

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図 4-17 相対 座標 図 (健 常者 )

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■ 回避 行動 開 始 位 置 の比 較 回避行動 を して い る群 集 の 各 要素 の 回避行 動 開始位 置 を平均 した。( 図 4-18)

視覚障害者

健常者

0

0.5

1

1.5

2

2.5

3

3.5

m

図 4-18 回避 行 動 開始 位 置 グラ フ

実 験 歩行 者 が 視 覚 障害 者 と健 常 者双方場 合 に、大 きな差 異 は確 認 され なか つたが、視 覚 障害者 の 場 合 に 回避行 動 開始位 置 が 若 干 距 離 が大 きい こ とが わか った 。 双 方 に大 きな差 異が 出 なか った原 因 と して、群 集 流動 を横 切 る とい う 行 為 が 、歩行 者 が 健 常 者 で あ れ 特 異 な行 動 で あ る とい う こ とが 考 え られ る。

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■ 回避 方 向 の 比 較

図 4… 19 回避方向比率 グラフ 図 4-19よ り、視 覚 障 害 者 が 横 切 る 時 、群 集 は 実 験 歩 行 者 の 後 方 に 回避 し、 健 常 者 の 場 合 は 、 群 集 は前 方 を回避 す る こ とが 確 認 され た 。 視 覚 障 害 者 は 白杖 を持 っ て い る た め 、白杖 に脚 が か か るの で は な い か 、 とい う群 集 側 の 心 理 が 働 くた め 後 方 に 回避 す る と考 え られ る 。実 際 に 実 験 中 に前 方 を通 過 しよ う と して 白杖 に衝 突 した 事 例 も確 認 され て い る 。 一 方 、健 常 者 の 場 合 は 、前 述 の よ うな心 理 状 態 が 働 か な い た め 、 自分 の 進 行 方 向 に合 わせ 群 集 は 前 方 を通 過 す る と考 え られ る 。 また、健 常 者 が 横 断 す る場 合 、群 集 の 通 過 に合 わせ て 自 らの 速 度 を調 節 す る こ とが 可 能 で あ る こ と を群 集 側 が 期 待 して歩 行 して い る こ とが 、群 集 が 前 方 を回 避 す る こ とが 多 い 理 由 と思 わ れ る 。

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■ 回避軌 跡 の 比較

一一― 視覚障害者

図 4-20 回避方 向比率 グラ フ

図 4… 20は 、 群 集 流 動 の 速 度 変 化 を表 す 。横 軸 価 の と ころ を 実 験 歩 行 者 が 歩 行 して い る こ とに な り、群 集 は 値 が 負 か ら正 に移 動 して い る 。 こ れ よ り、実 験 歩行 者 の 横 切 りの 手 前 で 流 動 の 速 度 変 化 が起 き て い る こ とが わ か る 。速 度 変 化 の 発 生 して い る位 置 は 、前 述 した 回避 行 動 開始

位 置 とも共通 す る。す な わ ち、群 集 は 回避行動 を開始 しよ う と して い る 位 置 で 速度 を落 と して い る こ と とな る。 図 4-20よ り、実験 歩行 者 が 視 覚 障害 者 の場 合 の 方 が速 度低 下 の 割合 が 大 き く、大 きな滞留 が発 生 して い る こ とが確 認 され たが 、双方 と もに滞 留 の 割合 は大 き く、いず れ の 実験 歩行 者 にせ よ横 切 りとい う行 為 が群 集 に多 大 な影 響 を与 える こ とわ わか った 。

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5

駅 コ ン コー ス にお ける誘導 ブロ ックの配置 手法

早稲田大学建集学科渡辺仁史研究室 1908年 度率議論文

47


4章 で 求 め た 結 果 よ り、駅 コ ン コー ス で の 誘 導 ブ ロ ック 配 置 の 手 法 を 提 案 す る。 ■ 群 集 流 動 の 分 流 が 行 わ れ て い る通 路 通 路 幅 員 が 十 分 に あ り、 群 集 流 動 が 二 方 向 に 分 か れ て い る空 間 で は 、

4章 1節 で述 べ た左 側 へ 回避 す る と い う歩 行 特 性 よ り、左 側 通 行 の 流 動 の 境 界 に誘 導 ブ ロ ック を 配 置 す る こ とが 望 ま しい 。 (図 5-1) そ の こ とに よ つて 、流 動 の 区分 けが 明確 に行 わ れ る こ と も考 え られ る 。 しか し、視 覚 障 害 者 が 群 集 流 動 を横 切 る とい う行 為 が 頻 繁 に行 わ れ る 空 間 で は 、通 路 の 縁 端 に 配 置 す る こ と も考 え る こ とが で きる。 この 場 合 は 、逆 流 す る視 覚 障 害 者 が 流 動 に対 して左 側 を 歩 行 す る よ う にす る た め 流 動 を右 側 通 行 に す る 。 (図 5-2)

流動の方向

⇒ 図

5…

1

誘導 ブロック

誘 導 ブ ロ ッ ク配 置 手 法

E==>流動の 方向‐目■ 誘導 プロック 図 5‐ 2

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誘 導 ブロ ッ ク配 置 手 法

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■ 群 集 流 動 が 一 方 向 に 起 き る通 路 通 路 幅員 が 充 分 で な い 、 も し くは 降車 流動 に よる 断続 的 な一 方 向流動 が発 生す る通 路 で は 、通 路 の縁 端 に誘 導 ブ ロ ック を配置 す る こ とが 望 ま し く、 また群 集 流動 に対 して逆行 す る 際 に左 側 に配 置す る。 (図 5-3)

E==>流 動の方向

田‐‐ 誘導ブロック

図 5-3 誘 導 ブロ ック配置 手 法

逆 行 す る 視 覚 障 害 者 に 対 して 群 集 は lm以 上 の 距 離 を 取 つ て 回 避 し よ う とす る の で 誘 導 ブ ロ ッ ク と 壁 との 距 離 を lm以 内 に な る よ う に 配 置 して 回 避 方 向 一 つ に さ せ る よ う に す る と い う こ と も考 え られ る 。

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49


6

結論

早稲田大学建築学科渡辺仁史研究壼 1998年 度率熱論文

50


1

ま とめ

■ 視 覚 障 害 者 が 群 集 流 動 と逆 方 向 に 歩 行 す る 場 合 視 覚 障害 者 が群 集 に対 して逆 方 向 に対 して逆 方 向 に歩行 す る場 合 、誘 導 ブ ロ ツク上 を歩行 す る こ とで群 集 は認 知 しや す い ため 、回避行 動 が 大 き くな る こ とが わか った。 この こ とか ら、視 覚 障害 者 は歩行 す る際 、誘 導 ブ ロ ツク上 を歩行 した方 が群 集 の 回避領域 が 大 き くな るため歩行 しや す くな る こ とが わか り、これ に よ り誘 導 ブ ロ ックの有効性 が 確 認 され た。 ■ 視 党 障 害 者 が 群 集 流 動 と順 方 向 に 歩 行 す る 場 合 特 に大 きな歩行 変化 は確 認 されず 、視 覚 障害 者 が群 集流動 に対 して順 方 向 に歩行 す る こ とは 問題 な い こ とが 確 認 され た 。

■ 視 覚 障 害 者 が 群 集 流 動 と横 切 りに 歩 行 す る 場 合 視 覚 障害 者 が群 集 に対 して横 切 る よ う に歩行 す る こ とは 、群 集 に対 し て 多 大 な影響 を与 える こ とが 確 認 され 、そ の 回避 行動 に よ り視 覚 障害 者 の 歩行 が 円滑 に な る こ と も考 え られ に くい ため 、視 覚障害 者 が群 集 に対 して極 力横切 り歩行 を しな い よ う に誘 導 ブ ロ ック を配置す る こ とが 考 え られ る。

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6-2

今後 の展 望

今 回 の 研 究 で は 、同 一 空 間 内 で の 視 覚 障 害 者 の 歩 行 に よ る群 集 の 歩行 変 化 を明 らか にす る こ とで 、駅 コ ン コ ー ス の 点 字 ブ ロ ックの 配 置 手 法 の 提 案 を した。今 後 、多様 な空 間 へ の 実 験 の 応 用 や 、視 覚 障 害 者 の 歩 行 特 性 、お よび空 間把 握 特 性 の 研 究 を進 め て い くこ とで 、 よ り詳 細 な点 字 ブ ロ ック配 置 手 法 を考 えて い きた い 。

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7

参考 文 献

「視 覚 障害 者 か ら見 たホ ー ム の 安 全 対 策

障 害 者 と健 常 者 が駅 で 死 な な い

た め の レポ ー ト」:福 祉 ウ ォ ッチ ン グの 会 「視 覚 障 害 者 の ホ ー ム転 落 事 故 調 査

施 設 の 限界 か 不 完 全 か 、検 証 に に よ

る 自己原 因 の 究 明 レポ ー ト」 :福 祉 ウ ォ ッチ ン グの 会 糟 谷 徹 「 視 覚 障 害 者 に よせ て

公 共 施 設 の た め の 設 備 12選 」:池 野 通 建

株 式 会社

?視 覚 障

全 国 障害 者 解 放 運 動 連 絡 会 議 関 西 ブ ロ ック編「知 つて い ます か 害 者 の 暮 ら し一 問 一 答 」:開 放 出版 社

切 敷 香 澄 「 交 通 弱 者 の 利 用 を考 慮 した駅 の 施 設 計 画 に 関 す る研 究 」渡 辺 仁 史研 究 室 修 士 論 文 岩 田 三 千 子 。田 中 直 人「点 字 ブ ロ ック設 置 者 領1の 意 識 か らみ た 敷 設 状 況 と問 題 点

視 覚 障 害 者 の た め の サ イ ン デザ イ ン に 関 す る研 究

そ の 1」 日

本建 築学会講演梗 概集 岩 田三 千 子 。田 中 直 人「点 字 ブ ロ ック に対 す る視 覚 障 害 者 の 意 識 障 害 者 の た め の サ イ ンデザ イ ン に 関 す る研 究

視覚

そ の 2」 日本 建 築 学 会 講

演梗 概 集 清 家 聡 ・ 太 田篤 史 。田村 明 弘 「視 覚 障 害 者 の 経 路 認 知 構 造 に 関 す る研 究 未 知 の 空 間 にお け る歩行 実 験 を通 じて

そ の 1」 日本 建 築 学 会 講 演 梗 概

集 清 家 聡 。太 田篤 史 ・ 田村 明 弘 「視 覚 障 害 者 の 経 路 認 知 構 造 に 関す る研 究 未 知 の 空 間 にお け る歩行 実 験 を通 じて

そ の 2」 日本 建 築 学 会 講 演 梗 概

集 沢 田鋼 治 。星 野 芳 久 「 バ リ ア ・ フ リ ーの 観 点 か らみ た 市 街 地 の 実 態 に 関 す る研 究 」 日本 建 築 学 会 講 演 梗 概 集

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野村 み ど り 。横 山勝樹「視 覚 障害 者 の 歩行 環 境 バ リア フ リー化 に関す る 研究

その

1

画 一 的対 処 療 法 的対 策 か らユ ニバ ー サ ル シス テ ムヘ の 展

開」 日本 建築学 会 学術 講演 梗 概 集 野村 み ど り 。横 山勝樹「視 覚 障害 者 の 歩行 環 境 バ リア フ リー化 に 関す る 研究

そ の2

日本 とス ウ ェー デ ンにお け る音 響信号 の現状 と施 策 へ の 課

題」 日本 建築学 会 学術 講演 梗 概 集 切 敷香 澄 。鄭姫 敬 ・渡辺仁 史 「障害 者 の ため の 移動 空 間 か らみ た駅 舎 の 分類 に関す る研 究 」 日本建 築 学 会学術 講演 梗 概 集 玉井勝 士「群 集 の 相 互 作用 に 関す る研 究 ― 進 入 角度 に よる歩行 難 易度 の 変 化― 」 渡 辺仁 史研 究 室卒業論 文

「視 覚障害 リソ ー ス ・ ネ ッ トワ ー ク」 httpブ ル ww.tWcu.acjp′ k¨ oda/VIRN/ ..ents」 「Vision lmpaiニ ュ

http、■ 、ww2s.biglobe.nejp″ ■

No五 /chime/vision.html

「 国際 的 な視 覚 障 害 者支援 」 http″ www.twcu.acjprtmih。 /Blind.index.html 全 国視 覚 障害 者外 出支援 連 絡 会「歩 み の広 場 」 htt酬 ル wwoibmocOjP/ accessibility/ayun■ i/guide.htm

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お わ りに

この論 文 はた くさ んの 方 の御協 力 が なけれ ば書 き上 げ る こ とが で きま せ んで した。実験 に協 力 して くだ さ った JR総 研 の 青 木 さん と河合 さん、 日本 点字 図書館 の 田中館 長 、渡辺 研 の諸 先 輩 方 、卒論 生 の み ん な、的確 な ア ドバ イ ス を くだ さ った渡辺 先 生 、分析 が進 まず 落 ち込 ん で い た と き も相 談 に乗 って くだ さ った林 田先 生 と担 当 の 三井 さん に心 よ り感 謝 しま す。

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駅空間における視覚障害者の歩行に関する研究視覚障害者があたえる群集の歩行変化  

1998年度,卒業論文,佐藤英彰