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U9603

早IB田 大学理 工学部建築学科事業蔵文 指導教授

渡辺仁史

I CGを 用いた3次 元仮想空間実験の手法 '

■ ',

│ 1):1

遠藤寛子

.中   ,1・・一 ゛ 1︲ ヽ   ヽ” ・ リ


9

■ C Gを

3次

83d018

g3dO■

8hirokoendo


1996

3d018 hiroko endo

1  2  3  4

■ 目次 ・ は じめに ・研 究背景 ・研 究 目的 ・研 究方法 道幅 の実験 2・ 角度 の実験 3・ 操作方法 の実験 1・

4・ 視角 の実験 5・ テクスチヤの実験 6・ 左右対称空間 の実験

・ 研 究 結 果 道幅 の実験 2・ 角度 の実験 3・ 操作方法 の実験 1。

4・ 視角 の実験 5。 テクスチヤの実験 6・ 左右対称 空間 の実験

・ 考 察 道幅 の実験 2・ 角度 の実験 3・ 操作方法 の実験 1・

4・ 視角 の実験 5。 テクスチヤの実験 6・ 左右対称空間 の実験

7・ ま とめ

1

2 3

4 8

12 14 17 20 22 24 26 28 29 30 32 34 36 37 40 41

80終 わ りに 9・

参考文献

waseda univ.watanabe lab.


■996

g3d018 hiroko endo

■ は じめに 現在既存 の大規模 な建築物

(レ

ジ ャーの複合施設、大 きな駅の地下街、大規模 なオフィス ピ

ル等 )に おい て、その利用者 は しば しば迷 うことが ある。例 えば、新宿 の地下街等 では、地図 あるいは施設案内図 を見 ても迷 う こ とがあ り、場所 を示す サイ ンを見 つ けて も自分 が どこにい るのか分 か らな くなる。 そ こを毎 日使 ってい る人 ならば い くらわか りに くくて も半経験的 に慣 れるだろ う し (足 で覚 えるとい う認 識 を こな してい ると考 える)、 若 い人ならば即座 に順応 し て しま うか も しれないが、初めてその場 を訪れた人やお年寄 りあ るいは幼児 などは自己の位置 確認 まで対応 で きない だろ う し、 そ の結果施設 の存在 自体 に疎外感 さえ感 じるか もしれない。 大規模建築物内 にお いて迷 う (方 向感覚及 び位 置感覚 を喪失す る)の は、そ こに場所 を示す サイ ンがあま りに多 く在 りす ぎる こ とや、建築物 自体 が理解 しに くい空間配置 を してい ること な どが原因 と して考 え られる。方向指示 に関す るサイ ンの研 究 は他 の多 くの学術 文献で扱 われ てい る上 、「迷 ってい る ときにサ イ ンが見 つか らない」状況 まで考慮 に入 れると、更 に別 の側 面 か ら空間認識方法 を研 究すべ きで あろう。

な らば、「迷 う」 とい うことに対 して建築物の

設計段 階か らど う対処 してい くこ とが 具体的 には出来 るのだろ うか。迷 わないあるいは迷 い に くい空間配置や空間構成 の手法 が ど うにか模索 出来ないの であろ うか。本研究 では、建築物 の 設計段 階 にお い てのわか りやす い空 間構成 を考 えるため の実験方法 の検証 を行 つた。

waseda univ.watanabe lab.


1996

g3d018 hiroko endo

■研 究背景 空 間認知 の問題 を対 象 と した学術文献 は多 々存在す るが、その多 くは実際 の空間を用 いて実 験 されてい る。以下 に例 を挙 げ ると

(1)巨 大迷路 を用 いた探索歩行特性 の研究文1)で は迷路 に対す る人間の行動パ ター ンの分 析 にとどま り

(2)大 規模 鉄道駅 における経路探索行動 の特性 に関する研究文2)で は、案内掲示空間 にお け る注視行動特性 の研究 を行 ってい る。 また

(3)「 空間の分 か りやす さ」 に関す る研究文3)で は、サイ ンの位置 における実験 を行 って サイ ンをどこに配置す るのが有効 か、 とい う研 究 を行 ってい る。他 の研究 で も

(4)実 際の空間の分析 か ら行 きたい と思 う空間要素 を抽出する実験文4)や (5)実 際の 図書館 から分 か り易 さを分析文5)し てい る。 また (6)CGを 用 い たシミュ レーシ ョンを行 って仮想迷路空間 における歩行実験 も行 われ ている 文6)が 人間の歩行特性 を調べ ることが 目的 で空間構成 にまでは言及 されていない。 この よ うに経路選択 の研 究 でCG空 間を使 ったシミュ レー ションがあま り行 われないのは、

CG空 間での シミュレー ションの実験方法 がい まだ確固 として確立 されておらず、その実験 の有 効性 に関 しても未検証 であるか らである。 よって本研究 はCG空 間でのシミュレー シ ョンの実験 方法 を確立す る ことを目的 と し、経路選択 の研 究 に新 たな道 を設け ていきたい と願 う。

岡崎甚幸 他 1名

(1)「 巨大迷路 を用 いた歩行 実験 による探索歩行特性 の研 究」 会大会学術 講演集

日本建築学

1991

(2)「 歩行空間 におけ る経路探索行動 の特性」

矢田章

他 1名

日本建築学会大会学術 講演集

1991

(3)「 『空間 のわか りやす さJの 情報処理的考察」

森 一彦

(4)「 街路空間 における経路 の選択 に関す る研 究」

上田昭彦

他 1名

日本建築学会大会学術 講演

1991

演集

他 2名

日本建築学会大会学術講

1995 西村浩 一 空間のわか りやす さをFMか ら考 える」 日本建築学会 ・情報 システ ム技術委員会 第 16回 情報 システム利用技術 シンポジウム 19

(5)「 経路探索行動 シミュ レーション研究 他 2名

93 (6)「 シミュ レー タによる仮想迷路空間 におけ る探索歩行実験」 学会大会学術講演集

中部憲一

他 3名

日本建築

1996 waseda univ.watanabe lab.


■996

g3d018 hiroko endo

■研 究 目的 本研究 の 目的 は、経路選択実験 の研究 における コンピュー タ内の 3次元仮想空間 での実験方 法 を明 らかにす るとともに、その実験 の有効性 を示す ことである。

waseda univ.watanabe lab.


1996

g3dO■ 8

hiroko endo

実験方法 1・ 道幅 の実験

2・ 角度 の実験 3・ 操作方法 の実験 4・ 視角 の実験 5・ テクスチ ャの実験 6・ 左右対称空間の実験

|!

$taseda univ. watanabe lab

.


■996

g3d018 hiroko endo

■言葉 の定義 ・コンピュー タ内の 3次 元仮想空間内をマウス操作によって、歩き回る 「 ウォークスルー」¨ ように体験すること。 ・コンピュータグラフイックスを用いた画像 によって作成 した3次 元仮想空間 「CG空 間」¨

■ 実験 環 境 本研究 のCG空 間 シミュ レー シ ョン実験 はApple社 のパー ソナル コンピュー タを用 い て行 つた。 アプリケ ー シ ヨンソフ トは、「 ウォー クスルー プロ」「 ヴアー タス」 とい うCG、 CADソ フ ト を用 い た。 このソフ トでは仮想 3次 元建築空間内を歩 き回るように体験す ることが出来 る。 ウォ ー クスルー操作 はマ ウス を使 って行 われる。 マ ウスで画面中心 よ り上 をクリックす ると前進、 下 をクリックすると後退、右 をク リックす ると右回転、左 をクリックすると左 回転す る。 また クリック した ところが中心か ら離れ る (近 くなる)ほ ど移動 の速 さが加速 (減 速)さ れる。

waseda univ.watanabe

lab.


1996

g3d018 hiroko endo

道幅の実験 ■実験方法 この実験 では、cG空 間内で、スケ ールが正 しく認識 されてい るか、 とい うことを調べ るため に実験を行 った。設定 した空間は縦方向 と横方 向で直角 に交差す る通 路 の幅 を変 えた もので あ り、そ こでそ の通路 の幅を認識 で きるか調べ る。 実験 1・ 2の 設問内容 1。

縦 に通路 と横 の通路 は同 じに見 えますか。

2・

違 う場合その比は何対何 ですか。

実験 3の 設問内容 1・

太 い方 の通路 はどの くらいだ と思 い ますか。

2・

細 い方 はどれ くらいですか。

■■■ ■■■ ■■■

実験

■■■ ■■■ ■■■

実験 2

■■■■ EE■ロ E■■■ HEEE

実験

1

3

道 幅 (縦 )2

5 0cm (横 )1 5 0cm

道幅 (縦 )20

道 幅 (縦 )2

Ocm

O黄 ) 1 5 0cm

0 0cm (横 )1 0 0cm

waseda univ.watanabe 1ab.


1996

93d018 hiroko endo

1 5 0cm

waseda univ.watanabe lab.


3d018 hiroko endo

験 2

道幅 (縦 )2

0 0cm

実験 2

道幅 (横 )1

5 0cm waseda univ.watanabe Iab.


1996

実験

3

g3d018 hiroko endo

道幅

(横 )1 0 0cm

vraseda univ.watanabe

lab.


■996

g3d018 hiroko endo

角度 の実験 ■研究方法 この実験 で │た G内 で角度 がどの程度認識 されて いるか調査する ことに した。そ の方法 と して、

45度 以下

(約

27度 )、 45度 、 45度 以上

(約

63度 )の 3つ の角度 について床にグリッ

ドテクスチ ャがある場合 と無 い場合 で実験 を行 った。

設 問内容 1。 この 図 の角度 は何 度 に見 えます か 。

2・ 二 つ の角度 は 同 じに見 えます か 。 3・ テ クスチ ヤの有 無 が 、角度 の 認識 に影響が あ りますか。 4・ 床 の テ クス チ ヤの グ リッ ドは角 度 の認 識 の参考 にな ります か 。

■ 図

aO, al

(27度

)

cO, cl

(63度

)

■ 図 bO,bl

(45度

)

waseda univ.watanabe Iab.


1996

g3d018 hiroko endo

aO(約 27度 )テ ク ス チ ヤ無 し

bO(約 27度

)

テクスチヤあ り

waseda univ.watanabe lab.


1996

b0

93d018 hiroko endo

(45度 )テ ク スチ ヤ無 し

一 一 一 一 一 ・ . 一 ・ 一 一 一 一 一 一 ・ ・ ・ 一 一 ・ 一 一 一 一 一 一 一 一 ・ ・ .

一 一 一 ・ 一 一 一 一 一・ 一 一 一一一 一 一 一一 一 一 一一 一 一 一 ・ 一 一 一

(45度 )テ クスチ ヤあ り 10

waseda univ.watanabe lab.


1996

3d018 hiroko endo

C0

(約

63度 )テ クスチ ャ無 し

Cl

(約

63度

)

テクスチ ヤあ り 11

waseda univ.watanabe lab.


■996

g3d018 hiroko endo

■操作方法の実験方法 ここでは 2つ の実験 を行 つた 。 1破 験者 のCG空 間内 にお け る歩行速度 の測定

2.被 験者 の

空間把握 (被 験者 自身で操作 した場合 /操 作 オペ レー タが操作 した場合 )

実験

1(被 験者 のCG空 間内 における歩行速度 の実験

)

22m(次 図奥行 き方向)の 通路 を被験者が実際空間にお いて歩 く速 さと同等 と思われる速 さで直線歩行 して もらい、そ の時間 (秒 )を 測定する。そ の 際、画面上 に速度ゲ ージを表示 し た場合 と、 しない場合 の 2通 りを別 々 に測 定す る。

実験

2(被験 者 の空 間把握 の実験

)

被験 者 自身が操 作 した場合 と、操作 オペ レー タが操作代行 した場合 の 2通 りにお け る空 間把 握 の度合 い を質 問形 式 で行 う。

L2

waseda univ.watanabe

lab.


1996

実験

g3d018 hiroko endo

1:速 度 ゲ ー ジ な し

(奥 行 き方向

実験

22mの 通路

)

1:速 度 ゲ ー ジ あ り

(奥 行 き方向

22mの 通路

)

waseda univ.watanab€ lab.


■ 視 角 の 実験 方 法 画面の視角を28mm.35mm.50mm.60mm.85mmと

28mm(75度

)

35mm(63度

)

変えて考察する。

waseda univ.watanabe lab,


1996

50mm(47庌

g3d018 hiroko endo

)

60mm

15

wasgda unlv.watanabe lab.


1996

85mm(29庌

g3d018 hiroko endo

)

16

waseda univ.watanabe lab.


■996

g3d018 hiroko endo

テ ク ス チ ャの 実 験 方 法 ■ 実験方法

CG空間内でシミュレーションを行 うときにテクスチヤの使用を最小限にするために床・天丼・ 壁のどれにテクスチャを貼 るのが有 効か調べ る実験を行った。

設問

テクスチ ャが どの部位 に貼 つてあ るの力'一 番歩 きやす い ですか。

17

eraseda univ.vratanabe

Iab.


1996

93d018 hiroko endo

床 のみにテ クスチ ャを貼 った場合

天丼のみにテクスチ ャを貼 った場合

18

waEeda

univ.watanah lab.


1996

g3d018 hiroko endo

壁 のみ にテ クスチ ャ を貼 っ た場 合

19

waseda univ.watanabe

lab.


■996

g3d018 hiroko endo

■左 右 対 称 空 間 の 実験 方 法 左右対称なる実際空間では、その対称性か ら空間全体 の把握が難 しいのであるが、cG空 間に おいても同様なことが起 こ り得るのかを実験によって検証する。 まず、具体的な実験方法 として、男子用女子用 2つ の トイレを含 んだフロアパ ターン (左 右 対称)が 同等な 2つ の階を設け、それらをエ レベータでつないだ 2層 空間を用意する。そ して 被験者に一方 の階のみ を自由にウォークスルー させ、ある程度空間把握が出来た時点でエ レベ ータに乗 って もう一方の階をウォークスルー させる。その際先程の空間把握 に頼 って女子 トイ レ

(あ

るいは男子 トイレ)を 見つけてもらう。

braseda

univ. bratanabe lab.


1996

g3d018 hiroko endo

各階平面図 (図 中赤

:女 子 トイ レの ドア/青 :男 子 トイ レの ドア

)

各階 エ レベ ー タホール

バー ス

21

waseda univ.watanabe lab.


■996

g3d018 hiroko endo

実験 結果 1・ 道幅 の実験

2・ 角度 の実験 3・ 操作方法 の実験 4・ 視角 の実験 5。 テクスチ ヤの実験 6・ 左右対称 空間の実験

waseda univ.watanabe lab.


1996 ■道幅の実験 結果 設問 2違 うならその比は何対何位ですか。 実験 1

実験 2 150cm

250cm

2

3

被験者

1

2

被験者2

2

3

1

2

被験者 3

3

4

被験者4

2

3

被験者4

3

4

被験者5

7

10

被験者5

1

2

2

被験者 6

2

3

被験者 3

被験者 6

1

200cm 3

被験者2

15(ヽ m ,

被験者

1

1

被験者 7

2

3

被験 者 7

2

3

被験者 8

2

3

被験者 8

1

1

被験者 9 被験者 10

3

5

被験者 9

2

3

5

6

被験者 10

8

9

実 験 1の グ ラ フ

被験者10 被験者9 被験者8 被験者7 被験者6 被験者5 被験者4 被験者3 被験者2 被験者1

22

waseda univ.watanabe 1ab.


1996

g3d018 hiroko endo

実験 2の グ ラ フ

被験者10 被験者9 被験者8 被験者7 被験者6 被験者5 被験者4 被験者3 被験者2 被験者1 実験

3

被験者 /道 幅

道幅 に対 す る各被験 者 の 回答

(200

縦通路の幅 crn)

横通路の幅

(100

crn)

I

6 0 crn

1 5 0cln

2

1 0 0an

2 0 0 cIIl

3

200m

2 5 0crn

4

1 0 0an

200m

5

8 0 crn

1 6 0cln

6

8 0 crn

2 0 0cln

7

1 0 0crn

2 0 0 cln

8

1 0 0an

2 0 0cln

9

6 0 crn

1 2 0cm

10

8 0 crn

2 0 0 crlll

23

waseda univ.watanabe

lab.


1996

g3d018 hiroko endo

■角 度 の 実験 結 果

角度の実験

1

8 7 6 5 4 3 2 1 0 崎

い 寸

〇 ∞

Oト

OO

角度 の 実 験 2 8 7 6 5 4 3 2 1 0

24

waseda univ.watanabe lab.


1996

3d018 hiroko endo

角度 の実験

3

7 6 5 4 3 2 1 0

00

崎ト

設間 2

〇〇

崎寸

n o r m

この二つの角度 は同 じ角 度 に見 え ますか 。 柄 が 在 る方 が大 き

同 じに 見 える

被験者

柄 が 無 い 方 が大 き い

1

被験者 2 被験者 3 被験者 4 被験者 5 被験者 6 被験者 7 被験 者 8 被験者 9 被験者

10 6 5 4 3 2 1 0

柄 が ある方 が大 き い

同 じに見 え る

柄 が 無 い方 が大 きい

25

waseda univ.watanabe lab.


1996

g3d018 hiroko endo

■操作 方法 の 実験 結 果

実験

1

操 作 方法 の 実験 (マ ウスゲ ー ジな し)

3 oo∽\E 抱 壇

2.5

2 1.5 1

0.5

0

4

5

6

7

被験者番号

操作 方法 の 実験 (マ ウスゲ ー ジあ り) 3 5 2 5 5 1 2       1       0

oooヽE 抱 壇

4

5

6

7

被験者 番 号

26

waseda univ.watanabe lab.


1996

g3d018 hiroko endo

実験 2 被験者 自身が操作 した場合 と、操作 オペ レー タが操作代行 した場合 の 2通 り にお ける空 間把握 の度合 い (善 し悪 し) 被験者/選 択肢

オペ レータの操作が よい

被験者 自身の操作が よい

オペ レータの操作も 被験者の操作も同等

2

3

4

○ ○

5

6

7

8

9

10

○=被 験者が選んだ

27

waseda univ.watanabe lab.


1996

g3d018 hiroko endo

■ テ クス チ ヤの 実験結 果

天丼

パ ランスが悪 い

被験者 1 被験穆 被験者 3

ス ケ ール 感はあ る

違和感がある

被験都

被験者5 被験者 6 被験者 7

動きやすい 静止画な ら床

操作 しやす い

被験者 8

被験者9 被験者 10

テ クスチ ャの実験

100 90 80 70 ムハ ギ I K

60 50

40 30 20 10

0 天丼 テ クスチ ャをは る部位

28

waseda univ.watanabe lab.


1996

93d018

biroho

endo

■左右対称空間 の実験結果

議 1

X

2

×

3

4

×

5

6

7

×

8

9

×

10

×たどり着けなか った ○たどり着けた

29

wagda univ.uatanah lab.


■996

93d018

hiroko

endo

考察 1・ 道幅 の実験

2・ 角度 の実験 3・ 操作方法 の実験 4・ 視角 の実験 5・ テクスチ ャの実験 6・ 左右対称 空間の実験

waseda univ.vratanabe

lab.


1996

g3d018 hiroko endo

■ 道 幅 の実 験 の考 察 仮想空間 (CG空 間)内 ではスケ ール をはか る基 準 となる自身の体 が無い (身 体性 の欠如 ) ことか ら、何 か別 なる基準 を求め てスケ ールを測定 しな くては ならない。具体 的 にスケールを 測定す る基準 と しては、視点 の高 さ 。階高 との対 比 。オブジ ェ ク ト・ テクスチ ャ・全体 か ら受 ける極 めて感覚的 な雰囲気

などが挙 げ られる。 しか し、オブ ジェク トやテクス チ ャを基準 と

して利用する ことはそれ らが通行 における標識的サイ ンとなる可能性があ り、本研究 の命題 で ある「 サイ ンが な くて もわか りやす い空間構成 を明 らかにす る」 とい うことか ら逸脱 の恐 れを はらむ。 それゆえ、サイ ンにな り得 るオブジ ェ ク トやテクス チ ャを最小限 に絞 るため以下の実 験 を行 つた。

まず 、実験

1、

2の 設問 1で は、 は じめに何 の説明 もせず に空間を把握 して もらうとい うこ

とで被験者 自身 にマ ウス操作 して空 間内 を歩 い て もらったのだが、不慣 れに起 因す る操作性 の 欠如 か ら、被験者 自身 の操作 による確認 しなが らの空間把握 は難 しく、また、相 互交差 してい る 2通 路 の幅員差 に留意す る被験者 は少 な く、設問 自体 が成立 しなか った。 しか し、操作 の苦 手 な被験者の代 わ りに操作専用 のオ ペ レー タを設置 して被験者 に傍 観 させる実験 を したところ 空間把握が可能 となった。 しか し実験 1の 道幅 の差 1 0 0cmに は留意す るも、実験 2の 道幅 の 差 5 0cmに 気 が付 く被験者 は少 なかった。

実験

1、

2の 設問 2で は、設問 1で 2通 路 に幅員差 がある ことだけを与情報 と し、その上で

質問 した。 この設間 では、正確 な ス ケ ール (長 さ)の 把握 ではな く、 どぢらの通路 の幅が狭 い かが認識出来 るかを調 べ るために行 つた。 その結果、画面 を二次元的 に見 た とお り答 えた被験者が多 かったためか、誤差 はあるものの ほぼ正確 な答 えが得 られた。 しか し被験者 は縦横双方 の通路 を一度 に認識す ることが出来ない ので、答 えるときには交互 に何度 も縦横 を見比 べ なが ら答えてい た。 その とき視点 の高 さ (1

6 0cm)を 基準 にす る者 や、壁 の 高 さに対す る道 幅比 で答 えている者 や、純粋 に道幅の比 を答 えてい る者 とまちまちである。 ス ケ ール を図る基準が人 によって違 うとい う事実 は、比較 では 差が出 な くて も正確 に幅員長 で答 え て もらうと違 いが出るのではない だろ うか。以 上をふ まえ て実験 3を 行 った。

30

waseda univ.watanabe lab.


■996

g3d018 hiroko endo

実験 3で は 、規則 的 なグ リ ッ ド空 間 の 中 で床 面 には煉 瓦 の テクス チ ャ、通路 の脇 に街灯 を設 置 した。 その 空 間 を ウォー ク スルー した後 、縦 の 通路 と横 の 通路 の 幅員 長 を答 えて もらった。 そ の結 果、被 験 者 全体 の 4割 が正 答 で 、 の こる 6割 が少 な く見積 もるば らつ きを帯 びた誤答 で あ った。 しか し、 回答 をよ く検 証 してみ る と、実験

1、

2と 同様 に 2つ の 道幅比 は誤答 で あ っ

て も正答 の比 に近 い もので あ った。 に もかか わ らず、正確 に幅員長 で答 え て もら う と違 い が 出 るの は、以下 の 理 由 に因る ものであ る と考 え られ る。 床 面 の煉瓦 テ クスチ ヤは縮 尺 が 実 際 の 寸法 よ り大 きい ため そ れ に影 響 された場合 な どは空 間 が 狭 く感 じられ た り、街灯 の 高 さを基準 に した場合 はそ の 高 さの 目測 に個 人差 がで る可能性 が あ る。 さらに、縦 の 通路 には煉 瓦 テ クス チ ヤと街灯 が あるが 、横 の 通路 には煉瓦 テクスチ ャ し か存在 しないの で 、その寸法 に影響 され て横 の通路 を狭 く感 じた可 能性 もあるのか も しれ な い。 結論 と しては、道幅比 はほ ぼ正 確 に認知 可能 で あるの に対 し、正確 な長 さに対 しては認知 が 難 しい 。 また、認知力 向 上 に際 しての テ クスチ ャとオ ブジ エ ク トの効 果的 な適用選択基 準 と しては、 テ クスチ ヤは角度 の 実験 に用 い る よ うなグ リッ ドテクスチ ャな どを除外視 して方向指示性 や ス ケ ール感 の あ る ものの使用 は避 け るべ きであ り、 また、 オブジ ェ ク トは誰 もが容易 にその ヴォ リ ュー ム を想 定 出来 うるもの を使用 す べ きであ ろ う。

31

waseda univ.watanabe lab.


1996

g3d018 hiroko endo

■角 度 の実験 の考 察 この実験 を行 う前 にまず 45度 ふれた角度 を持 つ簡単 なモデ ル を作 り実際 との適合性 を調べ る別実験 を行 つたところ、 45度 曲が ったことに対 して 90度 曲が ったと勘違 い してモデルの 中で迷 う者 が出た。 ここで 45度 を 90度 に勘違 い して しまったのはCG内 で見 た 45度 の角 が

90度 に見 えたために起 きたものである。

これによ りCG内 での角度認識 が、実際 空間 におけるそれ とは異 なるもの と考え られる。 また それが、CG内 ウォー クスルーによるパース角 の常時変化 によっての誤認 なのか、CGの 固有特 性 としての角度認識困難 によるものなのか、又更 に実際 空間によ り近 い認識性 を得 る方法 はど んなものなのか、等 を調べ ることに した。

実験 を とお して観 察 している と、被験者 が角度判 断す るの は どれ程 曲が ったか (実 際 の空 間 では身体 や視界 が どれ だけ回 ったかが基 準 となる)で はな く、 曲が った角 が どれ程 に見 えるか で決め て い る。 その点 につい てはCG空 間を歩 くことに対 す る被 験者 の不慣 れ に起 因す る操作性 の 欠如 か ら 来 るもの で あ ると考 え られる。 しか し、 ここで扱 う被 験者 は決 して十分 な操作性 を体得 せ ず、 視覚 に よって角度確 認 す るもの と仮 定す れば、当実験 の結果 は 十分 有効 で あると考 え られ る。 実験 a,

b, cか

ら、CG空 間 にお いて直角 以外 の角度 を見 た こ とがな い被験者 は実際 の角度

よ りもそ の角度 を大 き く感 じる とい える。 これ は実験結 果 にお い て全 体的 に大 きめ に角度 を確 認 して い る ことか ら裏付 けが とれ る。 また、 パース歪 み による 曲が り角 の拡角 に よ り被 験者 は 実 物 よ り開 きの ある角 と感 じて しま うのである。

実験結果 の数値 を見 てみると、 まず、実験 aで は 30度 とい う回答 が多 い。実験 aの 柄があ る もの と無 い もので比 較 した回答 をみると「柄 があるほ うが角度 が大 きく見 える」 といったも のであ った。 しか し、実験 b、

cで は「柄 があるほ うが角度 が小 さく見 える。」 とい う回答 が

多 く、その結果設問 3の 「テクスチ ヤの有無が、角度 の認識 に影響 しますか。」 では「柄が無 いほ うが大 きい」 とい う回答 が最多数 を占め ている。

また、 テクスチャの存在 によって狭 い

(30度 くらい)角 度 は広 く見え、広 い角度 (45度

くらい)は 狭 く見 える とい う回答 が多 かった。狭 い角度 の時、床面 にあるテクスチ ャ色が天丼

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や壁面 よ り濃 い為 に、角 自身が浮 き上が って見 えるので、見 た目が大 きく見え る。 また、曲がっ 通路 (横 )と なるのだが、 テクスチャが ある こ た ときに視界 に映 る ものが通路 (縦 )‐ 角全体 ‐ とでその距離 (時 間)力 f長 く感 じられるとい う意見 もあ つた。 しか し、 この「テクスチ ャがあ る方 が角 が狭 く見 える」 とい う意見 の方 が多 いのは、大 きな角度 の とき床面 にテクスチ ヤがあ ることで角 が引 き締 まって見 える ことが、狭 い角度 の時 よ り顕著 で あ ることが理由であると考 え られる。 しか し、CG空 間 では実際の角度 よ りも大 きく見 えるのでテクスチ ャが起 こす引 き締 め る効果 は、角度 を認識す る上で有効 になる。

また、設問 4の 「床 のテクスチ ヤのグリッ ドは角度 の認識 の基準 にな ります か。」 とい う質 問 では半数以上の人 は床 のグリッ ドを参考 にで きるといわれる まで気 が付 いてい なかったが、 残 りの人 はグリッ ドを基準 に角度 を見 てい る。そ して、実験 b(45度

)の 実験 では、 テクス

チ ャがあることで、 8割 の人が正確 に角度 を認識で きた。 この グ リッ ドテクスチャの効果 と して考 えられるのは床 のテクスチ ヤが グ リッ ドである とあ らか じめ情報 として与 えてお くことで被験者 が角度 をきちん と認識 しなが ら、空間を移動 で き 角度 について実験 がで きる ことで ある。

結論 として、 90度 以外 の角度 の効果 を検証す るシミュ レー ションを行 う場合 は、床 にはテ クスチ ャが貼 られて い る方 が良い。 さらに、角度 を認識 させ たい場合 は、 グ リッ ドテクスチ ヤ の貼 り込みが有効 であるといえる。

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■ 操 作 方 法 の実 験 の考 察

CG空 間内 においてウオー クスルーす る際 に、各被 験者 はその人特有 の速 さで歩行す ることが 全 実験 の観察 によつてわかる。全実験 の研 究結果 をまとめ て最終的 に行 お う としてい る「分 か りやす い空間」 のシミュレー シ ョンは、実際空間での人間の歩行 速度

(秒 速

1∼ 1.5メ ー トル)

を標準 と した範 囲内 での空 間認知能力 で行 い たい。 しか し被験者 は様 々 な速度 でウオー クスル ーす る。 その速度 とは実際空間で歩 い てる速度 とどれ くらいの認識的 ギャップがあるのか。CG 空間では、速度 が違 う と奥行 き方向 の距離認識 も異 なって くる。速 い と距離が短 く感 じる し、 遅 い と距 離 が 長 く感 じる。

まず実験 1で は被験者 自身の操作 による と直進時 は高速 に、右左折時 は極 めて低速 に、 とい うように速度 にばらつ きが生 じる。 そ こで、マ ウスゲ ー ジの効果 に、歩行速度 を一定 に保 つこ とが期待 で きるとしてその効果 を測 るべ くそれがある場合 と無 い場合 との 2通 りの実験 を行 つ た。 その結 果、 マ ウス ゲ ー ジが無 い場 合 にお いて は、被 験者 が微 調整 を行 い なが ら適 当 だ と思 わ れ る速 度 で歩行 したため に個 人差 が 現 れ た。 しか も、想 定 され た標 準 歩行 速度 の範囲 か ら上下 に逸 脱 した結 果 となった。 さらに、 マ ウス ゲ ー ジが あ る場合 には被 験者 はその 目盛 りを基準 に

マ ウスポイ ンタを置いて しまうため、日盛 りごとの速度 に決定 してしまう。そのため、微調整 がなされない まま歩行 し、結果速度 に極端 な個人差が現れて しまった。

実験 1の 結果 か ら、人 間の標準歩行 速度 といわれている秒速 1∼ 1.5メ ー トルでCG空 間内 を歩 く人 はほ とんどい な くて、それ よ り速 いか遅 い

(男 性 は速

く、女性 は遅 い)の である。つ

ま り、CG空 間でシュミ レー ション歩行 を行 う とき、歩 く速 さを再現 できないの なら、それを代 行 して行 って くれる人間が必要で あるとい える。操作代行 を行 つて くれることの利点 は、 まず、 常 に実際空間 での標準歩行 速度 と同等 な速度 で歩 くため にシュ ミレー ションの際 に理想 的状態 で測定 が出来 ることが挙 げ られる。次 に、初 めて操作 をする人 で も慣 れないために起 こる障害 がな くな る。 三番 目に、被験者 が操作 に気 を取 られる ことがないため中断 しないで実験 が出来 る。す な わ ち操作す ることか ら独立 した状態 で実験 が可能 となる。

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実験 2で は、被験者 自身の操作 による場合 とオペ レー タの操作 による場合 との空間把握の度 合 いを比較 して回答 してもらった。その結果、被験者 自身の場合の方が効果的 とした者が全体 の 3割 、両場合が同等 に効果的 とした者が 2割 、オペ レー タによる場合をよじとした者 は 5割 であった。 これをうけ、オペ レー タによる操作 の場合 のほ うが相対的 にみてより効果があると いえよう。

実験

1、

2の 結果 をまとめると、マ ウスゲー ジを表示 せず、かつ、オペ レー タによる操作代

行 を適用す ることが勧 め られる。

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■視 角 の実験 の考 察 シミュレーションを行う際。空間を認識する媒体 として画面がある。そして、画面���どのよ うにその空間が映 し出されるかで認識の度合いが違ってくる。一般 にカメラのレンズを参考に すると以下のようになる。

28mm

ぼんや り見 たとき両 は じを確認 で きる

35mm

人間が ぼんや り見 ているときの視角

50mm

人 間が普通 に見 て い るときの視 角

85mm

一 点 を注視 して い る ときの視角

コンピュー タの画面 でシミュレー シ ョンを行 う ときあま り視角が狭 い と周囲の環境 が見 えな い ために実験 を行 う ことが難 しく、 また望遠 レンズ特有 の圧縮効果が高 くな り遠 くの もの まで 近 く見 えるので距離感 がでない。 しか し、視角 を広 くす ると確実 に周囲が幅広 く見 えるけれど も視角 を大 きくすれば大 きくす るほ どパースが きつ くかかるために遠近感 が狂 い空間 にスケー ル感 を出す ためにオブジェク ト等が設置 してあっても意味がな くなる。 ここで行 お うと してい るシミュ レーションは 自然 に歩行 してい るときの視角 で行 お う としているのでカメ ラの レンズ でい うと 35mm前 後 が適切 とい うことになる。 ここで 3 ず第一 に当研究 で用 いてい るソフ トウエ ア

(ウ

5mmの 場合 について検証す る。 ま

オー クスルー プ ロ)内 の画角設定 は単眼 での 3

5mmで あるのに対 し、実際空間を見 る限 は二眼

(ス

テ レオタイ プ)で あるための余 白補填 が

知覚認識上でされる。 そのため、 シュミ レーシ ョンにおいては画角損失分 を補充す る必要 があ り、 3

5mm設 定 を 3 0mm程 度 にす る必要がある と思 われる。第二 に、 シミュ レーシ ョンはコ

ンピュー タ画面 をプラウズす ることで行 われるため、肉眼での直接視 とのギャップを補 うため にも画角補正 の必要 がある。 上記 二点 の理由か ら、画角設定 を 3

0mm程 度 にす ることが望 ま しい と思われる。

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■ テ ク ス チ ャ の 実 験 の考 察 テクスチ ヤはウオー クスルー プ ロ内 にバ ン ドル されたテクスチ ヤライプラリに収納 されてい るものを用 い た。その際、空間を構成 す る部位 の色彩 のみを変え ての実験 は実際空間 と比 して 見 るとやや リアリテイーに欠けるため (立 体感 に欠け るため)、 部分 的 にテクスチ ヤを用 い た ほ う力℃ G空 間を実際空間 に近づ け ることが重要 だと考 えられる。

この実験 の結果、回答 に「 天丼」「床 」 を選 ぶ 人が多 く「壁」 を選 ぶ 人 は少 なか った。 実験 と並行 して行 った ヒア リ ング調査 に よ り、 そ れぞれの選択理由 を幾 つ か に分類出来 るこ とが明 らか とな った。

医 井」 を選んだ被験者 が挙 げ る理由と して「マ ウス を動 かす方向 (画 面上方)に テクスチ ヤ が貼 られ ていると落 ち着 く」 とい うものが 多 い。 これ らの被験者 は画面 上 方 を注視す る傾向が あるの と関係 があると思 われる。 しか し我 々が実際 の建物内 の通路 を歩 く際、前方 もしくは斜 め下方向 を見 る事が多 いのに対 し、 マ ウスポインタのある方向す なわち上方 を見 てい る とい う ことは、不慣 れなため に操作 自体 に関心が行 っているとい うことになろ う。以上か ら、CG空 間 内 でシミュ レーションを行 う際 に視点が普段歩 いているときと違 う場所 に行 つた り、空間認識 ではな く操作 自体 に関心 が行 つた りす る等 のマ ウス操作性欠如 が正 しい結 果 を出に くくさせて い ると考 え られる。

「床 」 を選 んだ被験者 が挙げる理由 と しては、「バ ラ ンスが良い」 、「 自然 だか ら」 な どで ある。以上 と回答 した被験者 は、「天丼」 を選 んだ被験者 と対照的 に割合床 に注視 してい ると いってよい。 また、天丼 を選 んだ場合 と床 を選 んだ場合 との決定的 な違 いは、操作 にこだわ ら ない とい うことである。前者 は空間認識 についてよ りも動 き易 さ、操作性 に問題在 りとしたの だが、後者 は空間のパ ラ ンス、自然 さに着 目 してい る。 そ して、人間が通路 を通行す る際 の通 常 の歩行方向

(前 方及 び斜 め下)を

向 いてCG空 間をウ ォー クスル ーす る と したら「床」 を選択

した回答 のほ うが適当であるとい える。 しか し「天丼」 を選択 した回答 が不適 当 であるとはひとえに言えず、 ウオー クスルーの初心 者 には初心 者用 の練習空 間提供 し、その操作能力 に合 わせてテクスチ ャの配置 を考 えなが らCG 空間を設定す れば、それ相 当の結果 が得 られるのではないだろ うか。

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また「 壁」 を選択 した回答 か らもテクスチ ャが操作性向上 を担 ってい る要因であると分 か る。 なぜな ら「壁」 を選 んだ理由 と してはそれ にテクスチ ヤカ韻占られてい ることで、 ウォー クスル ー中壁 に接近 しす ぎたため画面 い つばい に壁が映 って しまった際、周囲 の景色 が不可視 で もテ クスチ ヤが動 くので 自身の移動方 向 が分 か るか らである。 しか し壁 だけにテクスチ ャを貼 るの は前述 よ り空間的 に不 自然 なのが問題点 で あ り、適用す るの は天丼か床 との併用が望 ま しい と いえる。 これ らの実験結 果 か ら、「 テクス チヤが貼 られてい る と自然 である とお もわれる場所」 は被 験者 の「視線 が行 く部位」 である といえる。そ して多 くの被 験者 の場合、視線 の先 はマ ウスの ポインター に一致す ることが多 い。

ここで「ゲシュタル ト構造の諸部分」 の引用を行 う。以下の絵 はそれを明確 に表す図版 であ る。

〒o

R「

ゲ シュタル ト構造 の諸部分 口を除 くと印象が大 き く変 わるのに対 し、顎 の線 を除 いて もそれ ほ ど印象は変 わ らない (諸 部分 が全体構 造 と結 びついている度合 いはそれぞれ異なって い る)

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視覚的なパランスのみで考えるとこの理論で指す「口」に該当する部分がCG空 間内における 「床」 と考 えられる。 、なぜなら「床 にテクスチヤを貼 るのがバランス的に良い」 という実験 結果がある上に、かつ、人間の視線 は常時水平から 10度 下がっているという事実 と合わせて 前述での「 テクスチヤが貼られていると自然であるとおもわれる場所 は被験者の視線が行 く部 位であるといえる」ことからも裏付けが取れる。つ まり、結論と してテクスチャを貼 る部位 は、 床を中心 に考えてよい といえる。また、壁や天丼にテクスチヤを貼る場合は、床 との併用が勧 められる。

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■ 左 右 対 称 空 間 の実 験 の考 察 当実験 では、 これまで進めてきた もの とは異な り、実際空間のシュミレー ションをCG空 間を 用 いて行 うにはどう したらよいか とい う方法論 について検証 を行 った。具体的 には「左右対称 なる実際空 間ではその対称性 か ら空 間全体 の把握が難 しいのである力℃ G空 間におい て も同様 な ことが起 こ り得 るのか」 を実験 によって明 らかに した。

その実験 の結果か ら、半数 の人間が迷 わず女子 トイ レ

(あ

るい は男子 トイ レ)に たど りつけ

た。 まず始 めに、 たど り着 けた事例 に対 して検証 を行 う。 この実験 を行 った空間の平面図を見 ると通路 、 エ レベー タの ドア、女子 トイ レの ドア、及 び男子 トイ レの ドア しかオブジェク トと しては存在 していない。始 めに、被験者 に空 間把握 させ るために自由 にウオー クスルー させた ところ、終着点 となる トイ レの ドア以外 にオブジェク トがなかったため被験者がそれの所在 の み につい て記憶 して しまった

(被 験者 が実験結 果 の予測 を独 自に下 して しまったか らであると

考 えられる)。 とい うことは、特定 の もの以外 にも形状 が近似 したオブジ ェク トを空間内に複 数個配置すべ きであったと考 えられ る。 た ど り着 けなかった被験者 は、実験前 に想定 した通 り に

(す

な わ ち平面が左右対称 であるが故 に)方 向感覚 を う しなって しまった。

以上よ り、実際空間の シュミ レー シ ョンはCG空 間 において も同様 に行 えることが明 らか となっ た。 しか し実験 を行 う際 の留意点 と しては、検証 目的 となる ものは、 一様 な点の集合の うちの 任意一 点 であるような存在 の しかたをされねばならない と思われる。すな わ ちここでは、同等 なるサイズの複数 の ドアの うち、色彩 のみ を変更 したある一つ

(も

しくは二 つ)の ドアを トイ

レの ドア とす るべ きであった。

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■■各実験考察 のまとめ

■テクスチ ャ 空間を構成す る部位 の色彩 のみ を変え ての実験 は実際空間 と比 して見 るとやや リアリテ イー に欠け るため

(立 体感

に欠け るため)、 部分的 にテクスチ ャを用 い たほ うがCG空 間を実際空 間

に近づ け ることが重 要 だと考 えられる。 結論 と してテクスチ ャを貼 る部位 は、床 を中心 に考 えてよい といえる。 また、壁や天丼 にテ クスチ ャを貼 る場合 は、床 との併用 が勧 め られる。

■操作 方法 操作代 行 を行 って くれ ることの利 点 は、 まず、常 に実際空 間 での標準歩行 速度 と同等 な速 度 で歩 くため にシュ ミ レー シ ョンの 際 に理 想 的状態 で測定 が出来 るこ とが挙 げ られる。 次 に、初 め て操作 をす る人 で も慣 れ ない ため に起 こる障害 がな くなる。 三番 目に、被験者が操作 に気 を 取 られ る ことがない ため中断 しな い で実験 が出来 る。す なわ ち操作 す るこ とか ら独立 した状態 で実験 が可能 となる。 マ ウス ゲ ー ジを表示 せず、か つ 、 オペ レー タに よる操作代 行 を適用 す る こ とが勧 め られ る。

■道幅 結論 としては、道幅比 はほぼ正確 に認知可能 であるのに対 し、正確 な長 さに対 しては認知が 難 しい。 また、認知力向上 に際 してのテクスチ ヤとオブジエク トの効 果的 な適用 選択基準 としては、 テクスチ ャは角度 の実験 に用 いる よ うなグ リッ ドテクスチ ャな どを除外視 して方向指示性 や ス ケール感 の あるものの使用 は避け るべ きであ り、 また、オブジ ェク トは誰 もが容易 にその ヴ オ リューム を想 定出来 うるものを使用 すべ きであろう。

■角度

90度 以外 の角度 の効果 を検証す るシミュレー シ ョンを行 う場合 は、床 にはテクスチ ャが貼 41

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られてい る方 が 良い。 さらに、角度 を認 識 させた い場合 は、 グ リッ ドテクスチヤの貼 り込みが 有効 で あ るとい える。

■視角 ここで行 おうとしているシミュレーシ ョンは普通 にあまり周囲に気 を配 らない状態 で行おう としているのでカメラのレンズでい うと35mm前 後が適切とい うことになる。 ここで 35

mmの 場合 について検証す る。まず第一 に当研究で用 いているソフ トウエア

(ウ

オー タスルー

プロ)内 の画角設定 は単限での 3 5mmで あるのに対 し、実際空間を見 る限は二眼

(ス

テレオ

タイプ)で あるための余 白補填が知覚認識上でされる。そのため、 シュミレーシ ョンにおいて は画角損失分を補1充 す る必要があり、 3 5mm設 定 を 30mm程 度 にする必要があると思われる。 第二に、 シュミレーションはコンピュー タ画面をプラウズすることで行 われるため、肉眼での 直接視 とのギヤツプを補 うためにも画角補正の必要がある。

■左右対称 実際空間のシュミレーションはCG空 間において も同様 に行 えることが明 らかとなった。

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■ ま とめ これ までの研究結 果 をまとめたモデル を作成す る。作成す るモデルの対象 となる建築 は早稲 田大学理 工学部 55号 館 の 1、 2階 で ある。既知 の空間を使用す ることにより作成 したモデル との空 間的な対比 が可 能 になると思 われ る。 作成 す る際 に参考 とす る条件 は以下の通 りである。

■■提 案 モデル作成 に関す る諸 条件

■ テ クスチ ヤ テク ス チ ャを貼 る部位 は、床 を中心 に考 え て よい とい える。 また、壁 や天丼 にテ クスチ ャを 貼 る場 合 は床 との併 用 が勧 め られ る。

■操作 方法 マ ウスゲ ー ジを表示 せず、 かつ、 オペ レー タによる操作代行 を適用 す ることが勧 め られる。

■道幅 テクスチ ャとオブジ エク トの効果的 な適用選択基準 としては、テクスチ ヤは角度 の実験 に用 い るよ うなグリッ ドテクスチ ヤな どを除外視 して方向指示性 やスケ ール感 のあるものの使用 は 避けるべ きで あ り、 また、オブジ ェ ク トは誰 もが容易 にその ヴオリュームを想定出来 うるもの を使用 す べ きであろ う。 しか し道幅 の差 1 0 0cmに は留意す るも、道幅 の差 5 0cmに 気 が付 く 被験者 は少 なかった。

■角度 床 にはテクスチャが貼 られ ている方 が 良い。

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■視角 実際空間のシュミレー ションはCG空 間 にお いて も同様 に行 えることが明 らか となった。

■左右対称

実験 を行う際の留意点 としては、検証 目的となるものは、一様な点の集合のうちの任意一点 であるような存在の しかたをされねばならない と思われる。すなわちここでは、同等なるサイ ズの複数の ドアのうち、色彩のみを変更 したある一つ

(も

しくは二つ)の ドアをトイレの ドア

とするべ きであったのだ。

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作成 した提案 モデル (早 稲田大学 理工学部 55号 館の

1、

2階)の 内観パー ス

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■おわ りに この卒論 のテーマ は もともとシミュ レー ションまで行 ���つ もりだ つたのにあま りにもテーマ が大 きかったために最後 の 目標 まで出来 なかったのは少 し心残 りです。 シユミレー シ ョンの方 法 だけで こんなに問題が出 て くるなんてまだまだCGを 上手 く利用出来 てないこ とを実感 しま し た。で もこの続 きを 2年 後修論 でやることを思 う と終 わった気 が しな くて憂鬱 にな ります が、

4年 になってず っといつ も心 の中にあった卒業論文が終 わって心が軽 くな りました。 この論文 を行 うにあたって 4月 か らず っと見捨 てず に卒論 を見 て下 さつた佐野 さんにはとて も感謝 してい ます。卒論が無事 に終わったのは佐野 さんのおかげです。そ して、渡辺仁史先生 がいつ も下 さる助言 でたいへ んやるきが 出 ました。 あ りが とうご ざい ます。 また、担当で もな いの にた くさん相談 に乗 って くれた長沢 さん、下手 な文章 を根気 よく直 して くれた高柳 さん、

MACの 使 い方 が分 か らず にいた私 に使 い方 を教 えて くれた渡辺研究室の皆様本 当 に有 り難 う ござい ま した。

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■996 ■参 考文献 「歩行者 の空間」

g3d018 httroko endo

ジ ヨン・ F。 フルー イ ン

「 空間移動 の心理学」

長山泰久 ・矢守 一彦

1974

鹿 島出版会 福村出版

1992 1987

日本建築学会 =編 「建築・都市計画のための調査分析法」

井 上書院

「巨大迷路 を用 い た歩行実験 に よる探索 歩行特性 の研 究」 築学会大会学術講演集 1991

岡崎甚幸 他 1名

「歩行空間 における経路探索行動 の特性」 集

矢田章 他 1名

日本建

日本建築学会大会学術 講演

1991

「『 空間のわか りやす さ』 の情報処理的考察」 講演集 1991

森 一彦

「街路空間 におけ る経路 の選択 に関す る研究」 術 講演集 1995

上田昭彦

他 1名

他 2名

日本建築学会大会学術

日本建築学会大会学

西村浩 一 「経路探索行動 シミュレー シ ョン研究 空間のわか りやす さをFNIか ら考 える」 他 2名 日本建築学会 ・情報 シス テ ム技術委員会 第 16回 情報 システ ム利用技術 シンポ ジウム 1993 「 シミュレー タによる仮想迷路 空 間における探索歩行実験」 1996 建築学会大会学術講演集 「 画面構成 のテクニ ック」

中部憲 一

他 3名

日本

玄光社

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二‐ .「

│` さ


CGを用いた3次元仮想空間実験の手法