U9506 早稲 田 大学理 工 学 部建築学 科 事業論文 指 導教授 渡辺仁 史
都市空間 にお け る群衆 か ら受 けるイ メー ジに関 す る研 究
竹下智子
Depamnent OfAchitttureSchool ofScien∝ and EnginmingoWaseda University
1995年 度
卒業論文
都市の歩行空間 における群衆 か ら受けるイ メージに関する研究
早稲 田大学理工 学部建築学科
指導 :渡 辺 仁 史 教授
G2D094-3竹 下
智子
目次
は じめに …………… …………… …………… …………… …………… 1.研 究 目的 ……………
1
…………… …………… …………¨ …………¨ …………… 2.研 究 背 景 ……………
2
…… ……………… …………………… ………… ……… …… ……・ 3 ……… 3.研 究 方 法 …… ……………………………・………………………¨…………………… 4 3.1研 究 の手順… ・……………………………。 ………………………………… 5 3.2Ⅵ「R撮 影調査¨ 3.2.1撮 影環境 …p.5/3.2.2映 像 の撮影方法 …p.6 3.2.3イ
メージアンケー ト用 VηRの 編集方法 …p.6
・…… … … ……… … 7 3.3イ メ ー ジ ア ン ケ ー ト調 査 ………… …・…… … ……・……・¨ 3.3.1ア ンケー ト用紙 の作成方法 …p.7/3.3.2イ メー ジア ンケー ト実施方法 …p.9
3.4解 析方 法 …… … ……… … … … ¨……・…… … ……・… … … … ¨……・…… … …10 34.1歩 行者軌跡 の抽出方法 …p.10′ 3.4.1歩 行 デー タの抽出方法 …p.H 34.3イ メー ジア ンケー トの集計方法 …p.12
……………… …… … ……………… …¨ ……14 4.研 究 結 果 …………………………………¨…… 4。
1歩 行者デ ー タの解析…………………………………・…¨…¨……………… 15 4.1.1歩 行者 デ ー タの分類 …p.15ノ 4.1.2歩 行 者 デ ー タの解析結果…p.17
4.2イ メー ジア ン ケ ー トの集計 …………………・………………………………・……… 24 4.2.1評 価形容 詞対 の分類 …p.24/4.2.2イ メ ー ジアンケー トの集計結 果 …p.25
28 5.ま とめ………・……・……・……・……・……・………………………………………・…… ・……………………………………・ 29 5.1歩 行者 デー タと群衆のイメー ジの関係¨ 5.1.1研 究結 果 の 分 析 …p.29
・……………………。 ・ ・…………………………………………………………………… 30 5.2考 察 …………… 5.2.1歩 行速度 とイメー ジの関係 の考察 …p.30/5.2.2方 向性 とイメ ー ジの関係 の考察 …p.32 5.2.3交 錯 とイメ ー ジの関係 の考察 …p.34
………………・……・……・………………・…35 5.3今 後の展望…………………・……。 参考 文 献 お わ りに 付録
ご は じめ ′ 街 にはそれぞれ違った性格 があり、街 によって利用 の され方 も違 う。東京 にはオ フイス街 もあれば繁華街 もあるし、閑静 な住宅街 だってある。 例えば、 シ ヨッピングに出掛けるとしよう。自分 が欲 しい品物 はA街 にもB街 に も
C街 にも売 っている。何処へ買 いに行 こうか考 える。答 は簡単。自分 の好 きな街 に 行けばいいのだ。 私 には、好 きな街 と嫌 いな街がある。何故、好 きなのか嫌 いなのか考 えてみ る。 おそらく無意識の うちに、 ごみ ごみ してる→疲 れる、活気 がない一つ まらない、開 放感がある→快適、 などとい う事 を体験 して認識 しているのだろう。 では、「楽 しい」 や「つ まらない」 の根拠 となっているのは一体何 であろう。 「楽 しい街」 と「つ まらない街」 を比較 してみると、それぞれの街 の空間構成的な 要素 は、 さほど変 わらなかった りする。では、何 が違 うのだろう。街 から空間的 な 要素 を取 り除いた時 に残 る もの。それは人間である。街 から受ける感情 やイメージ とい うものは、一人一人の人間あるいは複数 の人間が集まった群衆 の状態 によって、 影響 を受けているのではないだろうか。 ならば、人間あるいは群衆 の行動 の特性 と、そのときに受ける感情が明 らかにな れば、逆 に、群衆 の行動 を意図的に操作することで、その街 の、その空間のイメー ジを変 えることもできるのではないか。 このような思 いつ きがきっかけ となって始めたのが、今回の研究である。 この研 究 で明 らかになった ことが、都市の開発 や復興 の際 に役 立てば御 の字 ですが、せめ て、そういった機会 に、「そ ういえば、そんなこと考 えてる奴がいたなあ。」 とい うことを思 い出して頂ければ、 これ幸 いかと思 ってお ります。
1995年 11月
竹下
智子
研究目的
人 は都市空間 にお いて、空間的な構成 やそ こに存在す る群衆 の 状態 か ら、その空間特有 の感情 を抱 く。 本研 究 では、群衆 の状態 か ら受け るイメージ と、空間構成 や空 間利用 の違 いによる群衆 の歩行 デー タとの関係 を明 らかにす る。 また、そ こで明 らかになった群衆 の歩行者 デー タとイメ ージの関 係 を示 した指標 に基 づ き、歩行者の流動 を操作することによって、 イメ ージ ア ップの方法 を提案す る。
2
研究背景
馳目2 研究背景 今 日までに、 い くつ かの人間行動 や空間のイメー ジに関する研究が行 われて きた。従来 の人間行動 に関する研究 においては、群衆密度 や断面交通量 な どによ り人間の流動 を定量化 し、定義 された指標 に基 づ き空間の規模計画 の改善 を試みる もの、 イメー ジに関す る研究 においては、特定 の都市空間や 建築空間 か ら受 けるイメー ジをア ンケー ト調査 な どによ り、既存 の空間の特性 を明 らかにする ものな どが 行 われて きた。 都市空間か ら受 け るイメー ジを考 えるとき、同 じ繁華街 であ って も、銀座 と渋谷 では人 々がその街 に抱 くイ メー ジは、かな り違 うものであ ろ う。 しか し、逆 に同 じ都市 であっても、休 日に しか行 った ことの ない街 に平 日足 を運 んだ とき、街 のイメー ジがが らりと変 わっていて驚 か される ことがある。 イメー ジの違 いの元 となってい る要因が、そこにい る人間にあ ることは容易 に想像 が つ くだ ろ う。 従来行 われて きた研究 で も、都市や、空間構成 、空間利用 の方法 の違 い によ り空 間 の特性 が異 な り、人 々のその空間か ら受 け るイメー ジが違 うとい うことは既 に明 らかにされ てい る。 本研究 では、同一の都市空間や よ く似 た空 間構成 であ って も、人間 の流動状態 に よってその空 間か ら受けるイメー ジが違 うことに着 目 し、空間の質的改善 を実現す る方法 を探 ってい く。 具体的 な研究方法 としては、人間の流動状態 による空 間のイメー ジを明 らかに し、同時 に人間 の流 動状態 の分類 を行 い、双方 の関係 を明 らか にする指標 を作成す ることによ り、人間 の流動 の操作方法 を提案 し、空間の質的改善 を支援 してい きたい。
早稲 田大学理 工 学部建築学科渡辺仁 史研究室 1995年 度卒業論文 -2-
32Ⅵ「R撮 影方法
鴫目3.1 研究の手順 群衆の存在す る都市の歩行空 間 をVR撮 影 し、映 像 を元に、歩行速度 ・方向性 ・交錯 とい った、群 衆の 3つ の歩行者 デ ー タの抽 出 と、イメ ー ジアンケー トを行 い、 それ らを解析す る ことで、 双方の 関 係 を明 らかにす る。
蒙 VttRttli誠
ヽ_
前方
屍 百
歩行者 デ ー タの分類
1
Image up 図3.1.1:研 究のフ ロー
早 稲 田大 学 理工 学 部 建 築 学科 渡 辺 仁 史研究 室 1995年 度 卒 業 論文 -4-
3.2 VTR撮 影 調査
躍目3.2 Ⅵ「R撮 影調査 都市 の歩行空間 における群衆 のイメー ジを明 らかにす るため に、大勢 の人 が集 ま り、群衆 の流 れが イ メー ジに影響 を与 えると思 われ る都市 の歩行空間 を ビックア ップ し、v[R撮 影 を行 った。 3.2.1撮 影環境
撮影場所、 日時 については、表 3.2.1に 示す とお りである。 。 尚、同一 空間において、歩行者 デ ー タ及 びイメー ジの違 うサ ンプル抽出のために、新宿駅 新宿 オフ イス街 。原宿 につい ては、それぞれ朝・昼・ 夕の3つ の時間帯 を撮影 した。 また、巣鴨 。上野・ 渋谷 については、同一空間 。同一時間帯 の中で も、人口も都度 の高 いAグ ループ と、人 口密度 の低 いBグ ループ とに分 け、歩行者デー タの違 い によるイメー ジの変化 につい て調べ る。
表 3.2.1:撮 影場所及 び 日時 撮影場所 巣鴨 (A) 巣 鴨 (B) 上野 (A) 上野 (B) 渋谷 (A) 渋 谷 (B) 新宿 駅 (朝 ) 新宿駅 (昼 ) 新宿駅 (夕 ) 新宿オ フ ィ ス街 (朝 ) 新宿オ フ ィス街 (昼 ) 新宿オ フ ィス街 (夕 ) 原宿 (朝 ) 原宿 (昼 ) 原宿 (夕 )
時間帯
調査 日
12:00∼
12:10
1995/8/7
13:10∼
13120 16:55∼
17:05 08:30∼ 08:40 12:10∼ 12:20 16:30∼ 16:40 09:00∼ 09:10 12:40∼ 12150 1995/9/19 16:10∼ 16:20 09:45∼ 09:55 11:45∼ 11:55 16:55∼ 17:05
早 稲 田大 学 理 工 学 部建 築 学 科 渡 辺仁 史研 究 室 1995年 度 卒 業 論 文 ‐ 5‐
3.2Ⅵ「R撮 影方法
3.2.2映像 の撮影方法 調査地点(表 3.2.1参 照)に 、Hi8Ⅵ Rカ メラを三脚 を用 いて固定 し、空間を撮影す る。 ア ングルに つい ては、図3.2.1の ように、後 に歩行者 デー タの抽出 をす るために上方か ら(カ メラ1)、 空間 のイ メー ジアンケ ー トに用 い るために、前方 の 目線 の高 さか ら(カ メラ2)の 2カ 所か ら撮影す る もの とす る。 また、地面上に基準四角形 を描 いてその四隅に立 ち(基 準係)、 後 に歩行者 の位置 を二次元座標 に 変換す るための基準 とした。
基準係
図 3.2.1:映 像 の撮影方 法
3.2.3イ メー ジア ンケ ー ト用 VTRの 編集方法 表 3.2.1で 表示 した15の 都 市 の 歩行 空 間を「前方」 か ら撮 影 したVl限 を元 に、 1つ の空 間 につ き約 10 秒 間 の 映像 に編 集 し、 イメ ー ジア ンケ ー トに用 い た。
早稲 田大学理工学 部建築学科渡辺仁 史研究室 1995年 度 卒業論文 ‐ 6‐
3.3イ メー ジア ンケ ー ト調査
亀日3.3 イメージアンケー ト調査 都市 の歩行空間 における群衆 のイメー ジを明 らかにす るために、空間を撮影 したV限 を元 に、被験 者 に空間映像 を見 せ 、イメー ジア ンケー トを行 った。
3.3.1ア ンケー ト用紙 の作成方法
群衆 のイメー ジを評価す るに当た り、過去 の空間イ メー ジに関す る論文 で使 われ た言葉 や、各種事 典 を元 に、初め に36の 形容 詞対 を挙 げた。 次 に、予備調査 で撮影 したVRを 元 に、36の 形容詞対 に従 って予備 ア ンケ ー ト調査 を行 い、撮影空 間 を5段 階評価 した。その結果、本研究 に不 要 と思われる形容詞対 を削除 し、イメー ジ評価す る形容 詞対 を17に 絞 った。 また、再度予備 ア ンケー ト調査 を行 い、表3.3.1に 示す ア ンケー ト用紙 を作成 した。
早稲 田大学理 工 学 部建築学科 渡辺仁 史研究室 1995年 度卒業論文 ‐ 7‐
3.3イ メー ジア ンケ ー ト調査
噛
表 3.3.1:イ メー ジア ンケ ー ト用紙
0 理 3 0 ゛辮
0 理3 0 中 “中 “
0 理 響 ぎ 降
∋ 凛 彎 囲 票
風 降 0 理 , 0 凛 響 神 蹴
0 理 や 長 島
つ 凛 コ “ , 0 凛 Ю檜 e 嬌 0 堅
υ 凛 う 0 蝋
0理製姜掏樫螺
0 理製 3 即=
0 理3 0 ■麟
υ 凛 彎 g 騒E
理 や 景 颯
0 理彎 g 冒題
和u
0掏
0理紳長
,
,
0理30 小川 0小
つ 理 製 0 いも く e
撫朧 く︱もへRヽ ︱\ヽS詭 N優鴇
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-8-
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弔 “霜 出 中 ・町 〓“ 口彗 ホ脚卜〓 = ゛ 翻釈臨月鯛〓訃燎報綸訃H躙訃ボ田〓叫 。■輛D製66堅 “押ボ 撃” ´ 漁 わ“6れ”せ0 燿離熙収 ´ ■ 6⊃製 “ 。くや“6莉”せ 判”や■ち桑 縛籠淑” じく甲 ′ ● Sゆ ゛わざ劇 輌 0田製 じS市撻せ畔理綱編 ‘ 総苺 。わ喜‘恥”や せ ︶D“ 榊0 .製D悩 S じ ヽ” ハじ 掏 ﹃ ‘m ﹀夜 榊螢 押択撃” e聾却 eぶい ′ じ0製゛0贅 掏拘〓円 e畔理綱 編 ′ 燎κ 製D軽革” 掏 エーふハト0回゛ ′ 樹扁 ´ 工︰︵ハトヽ ︰ヽ ヽe距側に愉 ﹄ 。 ︶D 測臀i Sレ ︰ト ハ6 判︵ こ堅︶﹁ ︶D“ 榊“じⅨ編 ヽ ︱ヽ ヽ゛ち馴 ゛漁巨側に鴇 ゛わ憚 像 e凛講 ﹂ ′ ,猟I b 製e”
林編
早稲 田大学理 工 学部建築学科 渡辺仁 史研究 室 1995年 度卒業論文
3.3イ メー ジア ン ケ ー ト調査
3.3.2イ メージアンケ ー トの実施方 法
群衆 の存在す る15の 歩行空間 を撮影 し編集 したVRc.2.3参 照)を 被験者 に見 せ、表3.3.1の イメー ジアンケ ー ト用紙 に従 い、各 々の空間を評価 して もらった。VlR映 像 は、画像 の提示順 による格差 を 減 らす ため、初めに全 ての歩行空間映像 を3秒 ずつ通 して流 し、その後、各空間映像 を10秒 ず つ上映 し、その場 で各歩行 空間にいてア ンケ ー トを行 った。 ア ンケ ー ト用紙 の形容詞対 は、左側 にプラスイメー ジの言葉 を、右側 にマ イナス イメー ジの言葉 を 挙 げ、非常 にプラス イメー ジならば5ポ イ ン ト、ややプラスイメー ジな らば4ポ イ ン ト、 どちらで もな い場合 は3ポ イ ン ト、 ややマ イナス イメー ジならば2ポ イ ン ト、非常 にマ イナスイメ ー ジならば 1ポ イ ン トし、 15の 歩行空間 を13の 形容詞対 に沿 って、5段 階評価 を行 った。 ア ンケ ー ト調査 は、早稲 田大学建築学科 の渡辺研究室 の皆 さんを始 め、尾 島研究室、西谷研 究室、 建築史研 究室 の皆 さん とその ご家族 の方、男性 H名 、女性 16名 の計27名 にに依頼 した。
早稲 田大学理 工 学部建築学科 渡辺仁 史研究室 1995年 度卒業論文 -9-
34
解 析方法
踊]3.4 解析方法 3.4.1歩 行軌跡の抽 出方法 群衆の存在す る歩行空間の 内 3 2 VttR撮 影方法で、 「上方 」か ら撮影 した映像 を 10秒 間に編集 した 15の Ⅵ Rを 元に、歩行者デー タ を抽出す る。
また、そのデー クを元に、 さ きに撮影 した基準 四角形 を用 いて、映像空間内の歩行者 一 人 一 人 につ いてその 位置 を座標 上に取 り、真上か ら見 た ときの二次元座標 に 変換 し、各歩行者 ごとに 歩行軌跡 を 視覚化す る。
プ ー D │く 轟
図 3.4.1:歩 行軌跡抽出の模式図
早稲田大学理工学部建築学科渡辺仁史研究室 1995年 度卒業論文 -10‐
34
解析方法
3.4.2:歩 行者デ ータの抽出方法 3.4.1で 得 られた歩行軌跡のデ ー タか ら、 さらに歩行速度 ・方向性 ・交錯の3つ の歩行者 デ ー タを抽
出 し、グラフ化 した。尚、全 ての グラフ化 した歩行者デー タは、同一空間の一定範囲内を 10秒 間に通 過 した一人一人についてデ ー タを抽出 し、通過 した歩行者全員のデータを1つ の グラフ上に表わ した ものである。 このよ うな方法 を用いることで、デー タを平均化せずに、個 々の歩行者の デ ー タの違い を視覚的に分かるよう表現 した。 以下に図3.4.1の デー タ化 した図を示す。各色は、前ペ ージの 図の各歩行者に対応 している。
距 離
5
(m)
時間(秒 ) (1)歩 行 速 度
図3.4.2:グ ラフ化 した歩行 者 デ ー タ
(1渉 行速度 …歩行 者 一 人 一 人の歩行行動につい て、歩行軌跡 調査 開始点 を原点 とし、 そ こか ら横軸 に時 間砂
)、
縦軸に歩行 距離 い )を 取 る。 この よ うに表示 す る
ことに よ り、歩行速度 が傾 きで表わ され る。
o)方 向性 ……歩行 者 一 人 一 人の真上か ら見た時の歩行 軌跡 を、調査開始 点 を中心 軸 に 集め る こ とで、歩 行者の方向性 と分散 の度合いを表わ した。 (3)交 錯 ………歩行者 の 位置 を、真上 か ら見た ときの二 次元座標 に変換 した ときの歩 行
軌跡 を、 その まま交錯 を表す グラフ とした。
早稲田大学理工学部建築学科渡辺仁史研究室 1995年 度卒業論文 -11-
3.4.解 析方法
343イ メー ジア ンケー トの集計方法 33.2で 実施 したイメー ジアンケー トの結果 を次 の要領 で集計す る。 15の 各 々の歩行 空間につい て、27名 の被験者 が5段 階評価 したもの を、各歩行空間 ごと、各形容詞 ご
とにそれぞれの度数 を集計 し、 ヒス トグラムを作成 した。 また、それぞれの形容詞 ごとに平均値 を算 出 し(表 34.3)、 都市 の歩行空間 における群衆 のイメー ジを数量化 した。
早稲田大学理工学部建築学科渡辺仁史研究室 1995年 度卒業論文 ‐
12‐
3.4.解析 方法
表 3.4.3:空 間別群衆 イ メー ジ評価平均 賑や か 整
然 陽勝記さ つん び り 爽やか 鵬
静 かさ
親 しみ りu自 さ 楽 しさ 洗 やすさ
練 澤職署さ 音々 しさ
3.63
2.26
3.33
3.15
2.63
2.93
2.22
3.70
3.11
3.00
2.00
2.74
2.78
巣鴨 B
2.44
2.81
2.96
3.81
3.11
3.26
3.33
3.48
3.41
2.63
2.26
3.07
2.37
上野´
4.26
2.30
3.63
2.74
2.63
2.93
1.93
3.48
2.78
3.41
2.59
3.00
3.19
上野 日
2.89
2,78
2.96
2.67
2.59
3.11
2.59
2.93
2.89
2.81
2.56
3.04
2.93
渋谷´
3.63
2.15
2.85
2.63
2.30
3.11
2.26
2.81
2.44
2.63
2.22
2.41
2.89
渋谷 ロ
2.22
2.74
2.74
3.85
3.07
3.85
3.48
2.70
3.15
2.37
2.56
2.96
3.00
3.89
2.70
2.33
1.48
1.63
1.93
2.04
1.70
1.89
1.85
3.07
3.00
2.89
2.48
3.00
2.67
3.15
3.04
2.96
3.04
2.52
3.00
2.41
2.93
3.19
2.9C
3.93
2.11
3.56
2.67
2.81
3.11
2.11
2.85
2.74
3.11
2.85
3.11
3.5C
2.44
3.78
2.07
2.96
2.78
3.00
3.30
2.00
2.63
1.89
2.19
2.70
2.33
3.00
3.04
2.63
3.00
2.56
2.93
2.85
2.41
2.74
2.26
2.33
2.81
2.67
2.37
3.41
2.63
3.56
3.04
3.19
3.59
2.59
2.93
2.26
2.44
2.96
2.70
3.96
2.96
3.37
2.19
2.70
3.04
2.48
3.00
2.74
2.96
3.04
2.85
3.74
2.52
2.59
3.07
3.85
3.15
3.52
3.33
3.44
3.30
3.22
2.81
2.96
3.41
4.22
2.07
4.30
3.56
3.07
3.70
2.04
3.70
3.30
4.11
3.37
3.11
4.2C
宿闘 新駅
巣鴨´
新宿 駅
l
`昼
縮納
新宿 駅(タ
新宿 offr昼
廊曲
新宿
Offrタ
原宿 〔 昼〕
原宿 r4ン
、
早稲 田大学理 工 学 部建築学科渡辺仁 史研 究室 1995年 度卒業論 文 -13‐
4.1歩 行者デ ー タの解析
踊日 4.1歩 行者データの解析 4.1.1歩 行者データの分類
抽出された3つ の歩行者 データ(歩 行速度・方向性・交錯)を 、さらに表4.1.1に 示す ように分類 し た。 (1)歩 行速度
均一…群衆が、歩行空間内で皆同 じぐらいの速さ(「 均一」の速 さ)で 歩行 してる状態。 多様…歩行空間内に速 く歩いてる人もいれば、ゆっ くり歩いてる人 もいて、群衆がそれ ぞれ「多様」 な速さで歩行 してる状態。
分散
・群衆が皆、一方向あるいは対流 して二方向 に歩行 していて、方向性が明確 方向性「ある」¨ に分かる状態。 ・群衆が三方向以上に向かって歩行 してる状態、あるいは、方向性が明確 で 方向性「なし」¨ な く、群衆があちらこちらに向かって歩行 している状態。 方向性の集中と分散 上記の「方向性 ある」 と「方向性 なし」 について、それぞれをさらに「集 中」型 と「分散」型 とに 分けた。 集中…同一方向 に向かっている歩行者が皆、平行 に近い軌跡をたどって歩行 している状態。 分散…同一方向 に向かっている歩行者が、それぞれ違 った角度 の軌跡 をたどって歩行 してい る状態。 (3)交 錯
歩行者の交錯度 は、「交錯」 と「非交錯」2つ に大 きく分類 できる。 しか し、実際 に 都市の歩行空間 における群衆のイメージと交錯度 の関係 を分析 してみると、歩行者 の交 錯度 は、「交錯」 も「非交錯」 もある一定範囲 を超えるとマイナスイメージを与えるこ とが明 らかになった。そこで、歩行者の交錯を表5.1.1に 示す ように「激 しい交錯」、 早稲 田大学理工学部建築学科渡辺仁史研究室1995年 度卒業論文 ‐ 15‐
4.1歩 行者デ ー タの解析
「ほどよい交錯」、「非交錯」の3つ に分類 した。 以上の分類 に従って、歩行データの分類 を模式化 して表4.1.1に 示 した。
表 4.1.1:歩 行者 デ ー タの分類 交錯
方 向性 速度
あ る ―ナ 白
分 独
グ■フ フ
グ■フ フ
多様
集 中
グ■フ フ
グ■フ フ
均 一
ぽ 塵
な し
二万同
○ ① ⑬
交錯
激 しい 交 藉
まどよい交 衝
非交錯
ヽ/
○ ③ ③
早稲 田大学理 工 学部建築学科 渡辺仁 史研究室 1995年 度卒業論文 ‐ 16-
4.1歩 行者デ ー タの解析
4.1.2歩 行者デ ー タの解析結果 3.4。
1の 方法 で抽出 した3つ の歩行者 デー タ(歩 行速度・方向性 ・ 交錯)を 、各 15の 歩行空間 ごとに、
表4.1.2‐ 1∼ 4.1.2… 6に 表示 し、表 4.1.1の 分類 に従 い脚注 を加 えた。 表4.1.2‐ 1∼4.1.2-6は 同一都市 の歩行空間 を一つの表 にまとめ たものである。 これ らは、同一 空間 を同 じア ングルか らV駅 撮影 し、3つ の歩行 デー タを抽出 した ものである。 この様 な分類 によ り、同 じ空間構成内 で あ って も、群衆密度 や異 なる時間帯 によ り歩行者 デー タに違 いがある ことが明 らかに な り、それ らの比 較 が可能 となった。
早稲 田大学理 工 学部建築学科渡辺仁 史研 究室 1995年 度卒業論 文 ‐ 17‐
41歩 行者 デ ータの解析
表 4.1.2-1:空 間別歩行デ ータ グラフー 覧表 (巣 鴨 )
歩行空 間
巣鴨 B
巣願
歩行速度 均
一
多
様
方向性 二 方 向分散
ほど良い交錯
非 交錯
交錯
二 方向集 中
早稲 田大学理工学部 建築学科渡辺仁史研究室 1995年 度卒業論文 -18-
41歩 行者 デ ータ の解析
表 4.1.22:空 間別歩行 デ ータ グラフー覧表 (上 野 )
歩行空間 上野 B
多
多
歩行速度
上野A
様
様
方向性
二方向分散
二 方 向集 中
l
ぜA
ヽ督島 ヽ、 L. ﹂
交錯
ヽ、
(
E
ヽ
ほど良 い交錯
非交錯
早稲田大学理工学部建築学科渡辺仁史研究室 1995年 度卒業論文 -19-
41歩 行者 デ ータの解析
表 41.2-3:空 間別歩行データ グラフー覧表(渋 谷)
歩行空間 渋 谷A
渋谷 B
歩行速度 均
一
多
様
ヽ
ヽ
方向性
│
F
♯ メ
メ 二 方 向 分散
ほ ど良 い 交錯
非交錯
交錯
多方面分散
早 稲 田大学 理工 学 部 建 築 学 科 渡 辺 仁 史 研 究 室 1995年 度 卒 業 論 文 -20‐
41歩 行者 デ ータの解析
表 4.1.2-4:空 間 別歩行 デ ータ グラフー覧表 (新 宿 駅西日)
歩行空間
新宿駅朝
新宿駅昼
新宿駅 夕
/
歩行速 度 ノ
rr
ダ
′ ピ
均
一
」
L_―
― ― ―
・
多
様
均
一
方向 性 多方向分散
一方向分散
激 しい交錯
非交錯
ほ どよい交錯
交錯
二 方向分散
早 稲 田大 学 理 工学 部 建 築 学科 渡 辺 仁 史研 究室 1995年 度 卒 業 論 文 -21-
41歩 行者 デ ー タの解析
表 41.2-5:空 間別歩行デ ータ グラフー覧表 (新 宿 オフ ィス街 )
歩行空間
新宿 オ フ ィス街朝
新宿オ フ ィス衝昼
新宿 オ フ ィス 街 夕
歩行速 度 均
一
均
一
均
―
方向 性 一方 向分散
二 方 向分散
一方 向集 中
交錯
ゝ 非交錯
非交錯
非交錯
早 稲 田大 学 理 工 学 部 建 築 学科 渡辺 仁史 研 究 室 1995年 度 卒 業 論文 … 22-
41歩 行者 デ ー タの解析
表 4.1.2う :空 間別歩行デ ータ グラフー覧表(原 宿)
歩行空間 原宿昼
原宿 タ
一
多 様
脅 :構
一方向集中
二 方向集中
二方h集 中
非交錯
非交錯
ほ どよい交 錯
歩行速 度
原宿朝
均
√H
方向 性 交錯
早 稲 田大 学 理 工 学 部 建築 学科 渡 辺 仁 史 研究 室 1995年 度 卒 業 論 文 -23-
4.1歩 行者 デ ー タの解析
躍目4.2 イメージアンケー トの集計 4.2.1評 価形容詞対 の分類
イメー ジア ンケー トに用 い た13の 形容詞対 を2つ に分類 した。 1つ は、歩行者デ ー タや空間構成 など 「物理的要素」 に影響 を受 け たと思われるグル ー プ。 もう1つ は、直感的 に受 け た「感情」 を表 わ し ていると思 われ る言葉 の2つ に分け、後者 を都市 の歩行空間 における群衆のイメー ジを評価す るもの として位置 づ けた。
表4.2.1:評 価形容詞対 の分類
若 々 しい
整然
基 づ くイ メー ジ
寂 しい
雑然
せかせか した
感情的 な
陽気 な
さわや かな
親 しみのある
快適 な
楽 しい
洗練 された
うっとうしい
よそよそ しい
不快 な
退屈 な
野暮 な
0
0
イ メー ジ 陰気 な
0
0
のんび りと した 開放的な
静 かな
賑や か な
物理的要素 に
0
0
0
0
閉鎖的な 騒 が しい
0
0
0
年老 いた
0
尚、初め13あ った形容詞の内、清潔⇔不潔の項 目については、イメージアンケー トを行 った結果、全 映像空間に渡 って「どちらでもない」 とい う評価 がされ、デー タとして有効 でないと見 なし、12の 形 容詞対 で評価す ることにした。
早稲 田大学理 工 学部建築学科渡辺仁 史研 究室 1995年 度卒業論文 -24‐
42イ メー ジア ンケ ー トの集計構果
422イ メージアンケー トの集計結果 2.1の 分類 に従 い、15の 各々の歩行空間の評価の平均値 を都市FUで レー ダーチャー トに表 した。 熱 。
C“ 2.2‐ 1,図 4.22‐ Э この形容詞評価指標 は、外側(数値 が大 きい方)ほ ど、良いイメージを表わ しているので、大 きいチ ャー トほどイメージが良いことを表 わしている。
早稲田大学理工学郎建築学科渡辺仁史研究室1995年 度率彙綸文 ‐
25‐
42イ メージアンケー トの集計
さわやかさ
さわやか さ
親 しみ
快適 さ
―
新
巣鴨B 巣 鴨A
宿駅 (朝 ) 一 一 ― ― 新宿駅 (昼 ) 新宿駅 (夕 )
さわやかさ
親 しみ
楽 しさ
親 しみ 一一一一 新宿 off(朝 )
上野A 上野 B
― ―
さわやかさ
洗練
姫
陽気 さ
さ
新
宿 off(昼 ) 一――一 新宿 off(夕 )
陽気さ
洗練
楽 しさ
さわやかさ
さわやかさ
親 しみ
親 しみ
渋 快適 さ
原
谷駅 前A 渋谷駅 前B
原
一
―
宿 (朝 ) 原宿 (昼 ) 宿 (夕 )
図 4.2.2-1:空 間別イメージアンケー ト集計結果グラフ(感 情)
早稲田大学理工学部建築学科渡辺仁史研究室 1995年 度卒業論文 -2←
42イ メージアンケー トの集計
にぎやかさ 若 々 しさ
若 々 しさ
静かさ
静かさ A B 鴨 鴨
巣 巣
開放感
にぎやかさ
新 新 新
宿駅 (朝 ) 宿駅 (昼 ) 宿駅 (夕 )
にぎやかさ
若 々 しさ
若 々 しさ
静かさ
静か さ
上
新 宿 off(朝 )
野A ―― ― 一 上野 B
新 宿 o“ (昼 ) 新 宿 off(夕
)
にぎやかさ 若 々 しさ
若 々 しさ
静かさ
静か さ
渋
原
谷駅 前A
―――― 渋谷駅 前 B
宿 (朝 ) 原宿 (昼 ) 原宿 (夕 )
図 4.2.2-2:空 間別 イメージアンケー ト集計結果 グラフ(物 理)
早稲田大学理工学部建築学科渡辺仁史研究室 1995年 度事業論文 -27-
\
4.2イ メー ジア ンケ ー トの 集 計 結果
噛日5。 1歩 行者データと群衆のイメージの関係 5.1.1研 究結果 の分析 4章 の研 究結 果 で明 らか にな ったイメー ジア ンケ ー トの集計結 果 と、歩行者 デ ー タの分類 の双 方 を 分析 し、都 市 の 歩行 空 間 におけ る群 衆 のイメー ジ と、歩行 デ ー タを関係 づ け る指標 となる もの を作成 した。 (表 5.1.1)
表 5.1.1歩 行者 と都市の歩 行空間 にお ける群 衆 の イ メー ジの関係
方 向性 速度
ガニフ フ
″‘フ フ ″﹂nフ
渋答 B新 宿駅晏 鷹宿 (昼 夕)
物理 感覚 都市
感覚 都 市 物 理一
多様
蔵 しい .開 放感 のんび り さわやかな 幌 しみの ある
非交錯
① ① ⑬ 蝋 К 賑 や か 、 せ かせ か
雑然 、開放感 陽気 な
該当空間な し
翁 彗りFI`1鰭 零Ittk讐
LttA上 欝 B 鷹宿 翻
史谷交差点新宿o“ タ ロ宿 に 夕)
新宿 駅 朝
新 宿駅 夕層 宿 タ
豪非交 鶴 は平 行 に近 ぃ と不 快 感 が増 す
/
)
ほ どよい交錯
、
夕 I喜諦 酒腎憚
激 しい交錯
ヽ
物担感蛍 都市
一 感誉 都 市 物 理一
賑や か。 開鎖的 せかせか うっと う しい よそよそ しい
交錯
ヽ
″‘フ フ
パ ビ フフ
肛
な し
二方 向
一方 向
均
交錯
あ る
寂 しい のんび り 陰気 、退 屈 な j‐ 矛 ■多 1、 巣 B上 ■B渋 谷 B :´
新宿 駅 塁 鷹 宿 憚 晏 新蜀 (朝 ニ タ)
)
“
○ Θ ③ と くに特徴 的 な傾 向 はない 全 般 的 に マ イナ ス イ メー ジ 鮨 駅 夕 新宿 ●ff鯛
■鴨B渋 谷 B 諄宿駅朝 新宿昴 昼
渋谷 A新 宿駅 昼
早 稲 田大 学 理 工 学 部建 築 学 科 渡 辺仁 史研 究 室 1995年 度 卒 業 論 文 ‐ 29-
5.2考 察
鶴: 5.2考 察 5.1.1研 究結果 の分析で明 らか になった、歩行 デー タと都 市 の歩行空間 における群衆のイメー ジの 関係 を示 した指標 (表 5.1.1)か ら、以下の ような ことが読 み とれる。 また、それ らの要因 となることを 探 り、考 えられる ことを挙 げ てみた。 5.2.1歩 行速度 とイ メー ジの関係 の考察 表 5.2.1に 歩行 速度 と都市 の歩行空間 における群衆のイ メー ジの関係 を示 し、考察 を加 えた。 表 5.2.1:歩 行速度 と都市の歩行空間にお ける群衆のイ メージの関係 歩行速度 均一
多様
グ ラ フ
的 価
理
物 評
賑 や か 、閉鎖的
寂 しい、開放感
せ かせか した
のんび りした
感 情 的 うっとうしい イ メー ジ よそよそしい
さわやかな 親 しみのある
・ ・ ・歩行速度 が「均一」の場合、「 うっとうしい」、「 よそよそ しい」 など
(1)歩 行速度「均一」
の評価 をされてお り、それらの感情 の直接的な物理的要因として、「賑 や かさ」や「閉鎖性」、「せかせか」 しているといったことが挙げられ てい る。 実際 に、 この よ うに分類 され た歩行 空間 を見 てみ ると、新宿駅 の朝 ・ タ や原宿 の朝 な ど、通勤 な ど移動 を主 目的 と した空 間 で あ つた り、時 間帯 に
よ リー時的 に移動を主目的とした群衆が集まっている空間に歩行速度「均 一」の傾向が見 られた。 これは、大多数の人々が移動のみを目的にその空間に存在 していて、回 りの群衆の流動 に合 わせて行動 していることが考 えられる。 いわば、自分 の意志で歩 く速度を決められず、環境 に応 じて皆一定の速度 で歩 くように 誘導 されている状態 である。そのため 自由さに欠け、東縛 されたような印
早稲 田大学理 工 学部建 築学科渡辺仁 史研究室 1995年 度 卒業論文 -30-
5。
2考 察
象 を受け、結果 として「 うっとうしい」 という感情や「 よそ よそ しい」 と いった感情を受けるのだろう。 。
・ ・一方、歩行速度 がそれぞれ「多様」である場合、逆に「 さわやか」で (2)歩 行速度「多様」 「親 しみやすい」 といつた評価 がされた。やは りそれらの直接的な物理的 要因を見 ると、「 開放感」 や「 のんび りした」感 じなどが挙げられてい る。
歩行速度「多様」のデータが抽出された歩行空間 を見 て考 えられること は、個々の歩行者が気 ままに歩 く速度を決められ、そうした状況が開放感 のある歩行空間であ り、結果 として「さわやか」 な感 じや「親 しみのあ る」感 じを受けているのだ。
早稲田大学理工 学部建築学科渡辺仁史研究室 1995年 度卒業論文 -31¨
5.2考 察
5.2.2方 向性とイメー ジの関係の考察
表 5.2.2に 方向性 と都市の歩行空間 における群衆のイメージの関係を示 し、分析 してみた。その結 果、歩行者の方向性 がイメージに与 える影響は、い くつの方向 に向かっているかではなく、ある方向 に向かって方向性が「集中」 しているか「分散」 しているかにより決定 されることが分かった。 した がって、方向性の「集中」 。「分散」とイメージの関係 について、考察 してい くことにする。 表 5.2.2:方 向性 と都市 の歩 行空間 にお ける群 衆 のイ メー ジの関係 方向性
分散
集中
一方 向 二方 向
ゲ■フ フ
な し
物理的
雑然 と した
評
開放的 な
価
全般的 にマ イナ ス イ メー ジ
感 情 的 陽気 な イメー ジ (1)方 向性 「集中」
¨。 方向性の集中 とは4.1.1歩 行者データの分類 で述べ たように、同一方向 に向かっ て、歩行者が皆平行 に近い軌跡をたどっている状態を示す。 実際に、方向性「集中」と分類 された歩行空間を見 てみると、原宿 の朝・昼 ・夕 など、空間構成が直線的である歩行空間(こ の場合原宿の竹下通 りである力つ 早稲田大学理工学部建築学科渡辺仁 史研究室 1995年 度卒業論文 ‐ 32‐
5.2考 察
が挙 げられイメ ー ジとしては、「陽気 な」 な ど比較的プラス イメー ジの傾 向 が 見 られた。 ここでは、歩行者 の 目的 に関わらず、空間的 に進行方向 が一方向 しかない歩 行 空間が方向性集 中のデー タを抽出 した。 (2)方 向性 「分散」
¨。 (1)の 方向性集 中に対 して、方向性 の「 分散」 は同一 方向
に向かって、歩行者 がそれぞれ違 った角度 で歩行 してい る状 態、つ ま り同 じ方 向 に進む複数 の 歩行者 が幅広 い角度 を持 って分散 し行動 してい る状態 である。 実際 に、方向性 「分散」 と分類 された歩行空 間 を見 てみると、新宿駅 の朝・昼 。夕 や新宿オフ イス街 の昼 な ど、空間的 に広 が りを持 った歩行空間が挙 げ られ た。(新 宿オ フ ィス街 の昼 に関 しては、朝 。夕 の通勤時には移動主 目的 の空間 で あるが、働時に はちよっとした休憩や待 ち合 わせの場 とな り、広場的要素 が強ま って い る。) 方 向性分散 と分類 され た空 間 の群 衆 か ら受 け るイメー ジは、全般的 に見 てマ イナ ス傾 向 に偏 っている。考 え られ るこ とと しては、同 じ進 行 方向 に進 む 歩行 者 が それぞれ あ る程度 幅 の ある方向 の 選択 が可 能 で、 プライバ シー が保 たれ る
反面 「閉鎖的」 で「陰気」 なイメー ジを抱かせ る。 総合 して言える こととしては、人 は歩行空間 において、ある程度方向性 が規制 されて、その空間 が結果 と して雑然 と していても、 そ こに一体感 や活気 を感 じ、「陽気 さ」 な どプラスイメー ジを抱 くことが 明 らか となった。
早稲 田大学理 工 学部建築学科 渡辺仁史研究室 1995年 度卒業論 文 ‐ 33‐
5.2考 察
5.2.3交 錯 とイメージの関係の考察
都市の歩行空間における群衆のイメージとの関係 を分析 してみた結果、歩行者の交錯度 は、「交 錯」 も「非交錯」もある一定範囲 を超えるとマイナスイメージを与えることが明 らかになった。交錯 度 には、歩行者 に「陽気 な」、「楽 しい」、「親 しみのある」感 じといったイメージを抱かせる適度 な範囲 を持つことがわかった。 そ こで、歩行者の交錯 を表 5.2.1に 示す ように「激 しい交錯」、「ほどよい交錯」、「非交錯」の3 つ に分類 したところ、適度 な交錯 の範囲 とイメージの関係 の傾向が明 らかになった。 表 5.2.1に 歩行速度 と都市の歩行空間における群衆のイメージの関係 を示 し、考察を加えた。 表 5.2.1:歩 行速度 と都市の歩行空間における群衆のイメージの関係 交錯度
非常に交錯
ほ どよ い 交 錯
非交錯 ヽ ヽ
グ■フ フ
、
賑 や か 、 せ かせ か した
吻 理 的 評
寂 しい、 の んび り した
価
感 情 的 全般 的に マ イナ ス
陽気な、楽 しい
陰気 な、退屈 な
イメ ー ジ イ メー ジ
親 しみのある
よそよそ しい
(1)交 錯 … ……「激 しい交錯」、 「ほどよい交錯」 ともに「賑やか」 で「せかせか した」空間であ
ると評価 された。 しか し、「ほどよい交錯」が「陽気 な」 、「楽 しい」 、「親 しみの ある」感 じと いっ たイメージを抱 くのに対 し、「激 しい交錯」が全般的にマ イナ ス イメー ジを抱か せ ることが明 らかにな った。 (2)非 交錯 ……(1)の 交錯 に対 して、非交錯 と分類 され た歩行空間 は「寂 しい」、 「 のんび りした」
空間 と評価 され、「陰気 な」、「退屈 な」 、「 よそよそ しい」感 じといったイメー ジ を抱 く。 また非交錯 の 中で も限 りな く平行 に近 いほど、「不快感」 が増す ことも明 ら かになった。
早稲 田大学理 工 学 部建築学科渡 辺仁 史研 究室 1995年 度卒業論文 -34-
5.3今 後 の展望
曝目5.3今 後の展望 本研究 で明 らか になった都 市 の歩行空間 におけ る群衆のイメー ジと歩行 デー タとの関係 を、実際の 空間計画 の場 において、歩行者 の流動 の操作方法 を知 るための指標 として頂 きたい。
例えば、「新宿駅朝」のマイナスイメージを改善 したい とす る。当然、朝 のラッシユ時であるから 群衆がスムーズに流 れることが第一の条件 であるが、人々がそれを快適 な状態であるとは考 えてはい ない。人 にはそれぞれ様々な性格 があ り、朝、時間に余裕を持 ってゆっくり出掛けたい人 もいれば、 ぎりぎりになってあわてて出掛ける人もいる。 しかし、朝のラッシュ時の駅空間や通路空間は強制的 に回 りの状況 に合わせて歩行速度 を誘導されて しまい、一人一人が快適な歩行行動 を自分 で選択する ことは不可能である。 本研究で明 らかになった表 5.1.1の 指標 によれば、「歩行速度」はその速さに関わらず、群衆の一 人一人が「多様」 な速度で歩行 している方が「さわやかな」感 じや、「親 しみのある」感 じを受け る。
また、特 に混雑 している状況 の場合、「方向性」は「分散」 しているよ りは「集中」 している方 が、良いイメージを抱 くことも明 らかになっている。 「交錯」においては、新宿駅 の朝のラッシュ時の「交錯」を少 しでも減 らす ことは現実的 にはかな り難 しいが、特 に混雑 している状況 では、分岐点や広場空間など進行方向に多数選択肢 がある場合 に、マイナスイメージを抱 くことが明 らかになっている。 以上の結果 をふ まえて新宿駅朝 のイメージを改善するとすれば、ゆっくり歩 いて行 きたい人のため に、流れに誘導 されずに済む逃げ道をつ くるとか、「交錯」 を減 らす ために、進行方向 に多数選択肢 がある地点では、方向別 に立体交差 させ「交錯」減少 させるな ど、様 々な空間構成が考 えられる。 実際 に、今提案 した空間構成が最善の方法 であるかは判断 し兼ねるが、具体的な空間構成 の提案を す ることが、本研究の目的ではないので、 これ以上の空間的な提案は避けたい。 このように、現状の 人間の流動状態 をどのように変えることで、イメージの改善 を図れるかとい う「操作方法」を提案す ることで、空間計画の支援 を行 うことが可能になった。
ニ史研 究室 1995年 度卒 業論文 早稲 田大学理 工 学部建築学科渡辺イ -35-
参考文 献
馳
参考文献
本論文を書くに当たって以下の文献を参考 にした。
1.建 築 ・ 都市 の た めの調 査 分 析 方 法
日本建築 学会編
2.建 築 ・ 都市 の た めの空 間学
日本 建築学会編
3.新 建 築学体 系 11 環 境 心 理
彰国社
4.比 喩 表現辞典
中村
明著
角川書店
5.感 覚表現辞典
中村
明著
東京 堂出版
6.感 覚表現辞典
中村
明著
東京 堂出版
7.反 対 語大辞 典
中村 一男著 藤原 与一 磯 貝英夫著 室 山利明
8.感 覚表現辞典
東京 堂出版 東京 堂出版
9.Visual Database System of Human Behavior 柴山 lo。
剛
1994年 度 卒業論 文
ぐる り山の 手 騒 駄 空間のイメー ジに関する研究 佐藤 雅子
1994年
度 卒業論 文
12.空 間 にお け る 人 間行動 の 表 現 に 関 す る研 究
佐野友紀
1992年 度修士論 文
早稲 田大学理 工 学部建築 学科 渡辺仁 史研 究室 1995年 度 卒 業論文
ご お わ り′ 「イメージ」 と言 うず いぶん曖味 なテーマ を選 んで しまい、「果 た して形 の あ る論文 に仕 上がるのだろ うか?」 と始 めの うち は半信半疑 で研究 を進 めてい ま した。 建築 を曲が りな りにも4年 間勉強 してきた中で、建築雑誌 を読 んでみた り建 築展 にも何度 か足 を運んではみましたが、な にぶん理屈 っぽいこ とが分 か ら ない性分 で、何 を見 ても私 には難 しす ぎ、 自分 は本当 に建築が好 きなのか ど うか確信 が持 てず、煮 えきらない毎 日を送 って い ました。 もっと理屈 じゃな くて、「何 かいい感 じ」 とい った感覚的 に感 じられる物 を 自分 自身見 つ け たかったよ うな気 が します。 そんな思 いで始 めた この卒業論 文 も、渡辺仁史先生や渡辺研究室 の皆 さんの親切 な ご指導 のお陰 で、 自分 な りに納得 のい く形 で結論 を出す ことが 出来 ました。 最後 に、 この卒業論文 にお いて、適切 な ご指導 とご助言下 さつた渡辺先 生、 研 究室 の諸先輩方、 ア ンケ ー トにご協力 いただ いた渡辺研究室 は じめ尾 島研 究室、西谷研究室、建築史研 究室 の卒論生 とそのご家族 の方 々に心 よ り御礼 申 し上げます。 そ して、 いつ も優 しく、そ れでいて鋭 い助言 を下 さつた伊藤育子 さん、 わが ままで不出来 な私 に愛想 を尽 か さず に最後 まで親切 にご指導下 さ り、建 築 と 研 究 の「面 白さ」 を教 えて下 さつた佐野友紀 さんに心 よ り感謝 の念 を申 し上 げ ます。
1995年
H月
竹下智子
図付銅H:イ メージアンケー ト用VTR 付 録 1-
新宿オ フ イス街
新宿 オ フ イス街
新宿オ フ イス街
原宿朝
原宿昼
原宿 タ
図付録2:歩 行者データ抽出用 VTR 付録
2-
Fl l l l l l l l l l l ト ー ー ー ー ー ー ー ー ー l l l l l l l l l l l lllllllllllllllllllll
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