U9110 早稲 田大学理工学部建築学科卒業論丈 指導教授 渡辺仁史
高層 ビル勤務者の昼食行動 と飲食施設規模 との関係についての i■ 新宿西日地区における昼食コltFJ調 査 . 大山r也
力石浩一
│
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l Depanmcnt9fArcM雫 tり たoSoh0010FSctmaneEn」 品cin慈 ‐WぉellUnttC,■ y
平成 3年度
事業論文
高層 ビル勤務者 の昼食行動 と飲食施設規模 との 関係 についての研究 ∼新宿西 口地区における昼食事情調査 ∼
早稲 田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 也 一 一浩
山 石 太 力
G8D102 G8D103
91.lQ31
目次
第 1章
序論
1-1 1-2
・……。 研究 目的 …………………………。
1
研究背景 …………………………………・
2
1-3
研究概要 …………・・……………………。 3
第 2章
昼食行動 の実態調査
2-1
調査概要 ………………・・………………,4
2-2
・…・ 調査結果 ………………………・・い。
2-3
・…・ ・・ ・…・・…。33 分析 ………………・・…。
第 3章
5
考察
3-1 3-2
飲食施設 に関す る資料 …………………。42 ・・‥‥・・……・・…………………… 考察・
43
・……・・…・ 51 今後 の展望 …………………………………。 おわ りに…………………………………………………・ 52 ・………………………・・………………・・ 参考文献 …・
53
・………………・・………・・・ ・…・・……………・ 54 資料 …・
早稲田大学渡辺仁史研究室 1991年 度事業論文
第 1章
序論
1-1 研究 目的 高層 ビルの勤務者の昼食時の実態 と飲食施設規模 との関係 を明らかに し、今後 の規模計画のための基礎的資料 を作成することが本研究の目的 である。
早稲田大学渡辺仁史研究室 1991年 度卒業論文
1‐
2
研究背景
新宿西日地区の高層 ビル街 は、かねてよりその勤務者数 に対 して食事 ので きる空間が充分確保 されていないことが指摘 されてきた。 1991 年 4月 、 この地区の一画 に東京都 の新都庁が完成 し、 さらに多 くの人々 が流入することとなった。今後少 しでも働 きやすい環境 をつ くりだして い くために、昼食時 における飲食 スペースの確保 の問題 は解決 されなけ ればならない。過去 にこの地区を扱 って調査、考察 をしたものはないた め比較検討することは難 しいが、ひとつの特徴的な段階 にある 1991 年 の実態 を把握す る必要が ある。
早稲 田大学渡辺仁史研究室 1991年 度卒業論文
-2‐
1-3 研究概要 新宿西日地区 に勤務す る人 に対 してア ンケー ト調査 を行 ない、昼食時 の実態 を探 る。オフィスビル別や昼食 のとり方 による混雑 についての分 析 を行 ない、文献 や調査 で得 た飲食施設 に関する資料 をふ まえた上で、 高層 オフィス ビルの飲食施設計画のための考察 を行 なう。
早預田大学渡辺仁史研究室 1991年 度卒業論文
‐ 3‐
第 2章
昼食行動 の実態調査
2-1 調査概要 高層 ビル街全域 の街頭 にてア ンケ ー ト調査 を行 なった。調査 日時 は、
8月
21日 、 9月
3日 、 4日 、 5日 、 17日 、 20日 、 24日 、 25日 、
26日 の 9日 間 にわた り、正午 か ら午後 1時 まで行 なった。ただ し、 17日 には午前 10時 ∼午前 11時 、 20日
には午後 3時 ∼午後 4時 に
もそれぞれ行 なった。天候 はいずれ も晴れ または曇 りであ った。 調査 内容 は以下 の通 りで ある。
・ 勤務地 と昼食 に利用する場所 (地 図 に明示) ・ 昼食 の と り方 。食事あ るいは弁当購入 までの待 ち時間 (た
だ し実測 ではな くヒアリング)
。新都庁完成が昼食 にもたらした変化 。東 口方面 の利用
0新 宿西 日地区の食 産業 に対 す る要望
早稲田大学渡辺仁史研究室 1991年 度卒業論文
4
2-2 調査結果 ア ンケー トの回答者 は 100名
(「 新都庁完成が昼食 に もたらした
変化」 のみ 70名 )。 年代 は 20代 ∼ 30代 に集中 した。男女構成は 男性 41名 、女性 59名 であった。 ア ンケー ト結果 を以下 に示す。
・ グラ フ
・勤務地別利用先分布 ある特定 のビルの勤務者が昼食時 に外食や弁当購入 のために 利用する店舗 の分布 を地図上にしめす。 これによって、高層 ビ ル勤務者の昼食時の行動範囲 を把握する。
O…
……勤務地
■I。 ・……勤務者 の昼食時 の利用先 (1人 )
・「新宿西日地区の食産業に対する要望」集計結果
早稲田大学渡辺仁史研究室 1991年 度事業論文
`
アンケー ト回答者の構成
(年 代、性別)
5哺 鎌 年代 304t 204t
30
40 人数
アンケー ト回答者の勤務地分布 その他
KDD 三井 ビル モ ノ リス 勤務地
エ ル タヮー 都庁
NSビ ル 住友 ビル センター ビル
6
︵ 展製薬 昴︶ 択 s測CC嘲
ミ ” ! ヽ ヽ や 1 卜 ヽミ H
0
゛
寺
0
∞
o︻
N︻
最 く
‐ 7‐
昼食 時 の東 口方面利 用 の有無 7
新都庁完成が昼食 にもたらした変化 □ 無回答 圏 その他 日 外食をやめて弁当にかえた ■ 店力嗜拘 ようになった 国 何 も変化 はない
昼食 のと り方
数 人
0 5 3 0 5 ” ︲ 5 Ю 5 0 4 3 2
■ 社員食堂 日 外食 日 弁当 を購入
Z弁 当 を持参 □ その他
-8‐
何 も変化 はない と回答 した人の昼食 の と り方 14 12 10 8
人数
6 4 2 0 社員食堂
外食
弁当 を購入
弁当 を持参
店が混むようになったと回答 した人の昼食のとり方 12 10 8
人数
6 4 2 0
外食
社員食堂
弁当を購入 弁当を持参
昼食 の と り方θ 女別) 25
20 15
人数 10
5
0 社員食堂
外食
弁当を購入 弁当を持参
その他
‐ 9‐
新都庁完成が昼食 にもたらした変化
(勤 務地別)
そ の他 都庁
NSビ ル モ ノリス
KDD 住友 ビル 三井 ビル センター ビル エル タヮー
目 何も変化はない ■ 店が混むように 目 外食をやめて弁 なった 当にかえた И その他
口 無回答
食事あ るいは弁当購入 までの待ち時間
(勤 務地別)
そ の他 都庁
NSビ ル
Z無 回答
モ ノ リス
■ 15分以上
KDD
国 lo∼ 15分
住 友 ビル
□ 5分 ∼10分
三 井 ビル
□ 5分 未満
セ ン タ ー ビル エ ル タヮー
0
10
20
30
40
50
%
‐ lCト
食事あ るい は弁当購入 までの待 ち時間 45
40
口 5分 未満
35
目 5分 ∼10分
30 25 人数
■ 10分 ∼15分
20
■ 15分 以上
15
10
Z無 回答
5
0 待 ち時間
社員食 堂を利用 す る人 の待 ち時間
外食する人 の待 ち時間
18
18
16
16
14
14
12
12
人 数 1°
8
人 数 1° 8
6
6
4
4
2
2
0
0 待 ち時間
待ち時間
都庁完成後 店が混 むようになったと 答えた人 の待ち時間
弁当を購入する人の待ち時間
0
18
16
8 6
14 12 人数
10 8
人数
6
4 2
0 待ち時間
待 ち時間
センター・ NSO住 友利用者 の待ち時間 14 12
□ 5分 未満
10 8
国 5分 ∼lo分
6
□ lo分 ∼15分
4
■ 15分 以上
人数
2 0 待ち時間
センター・ NS・ 住友利用者の昼食 の変化
Zそ の他 ■ 外食 をやめて弁当 にかえた ■ 店 が混 む ようにな つた 目 何 も変化 はない
4厳 ‐
12‐
早 Cや □ 3 D 壼 ︶ ハ キ 響 掏L l ヽ 工Kl 卜ヽ 日
3ハニヽ 嶼 柵休 ゛♯ ﹀︶ハ烈饂 圏
︵ 晨製終翻︶馴臨 ゛卜女 里懇測CC凶製 口脚憚案
壼︶ハヤ響掏トニKκヽHI ”ヽぃ■ I
︰ い ヽへ H
エ ル タワー勤務者
Ч グ リー ンタヮー
〆
・ヽ
セ ン タ ー ビル
野村 ビル
セ ンタービル勤務者
Чヒ
○
〆
・` 、
センター ビル
野村 ビル
グリ… ンタヮー
ワ シフ ト ン ホ テ
■■■■
′
・` ヽ
セ ン タ ー ビル
野村 ビル
住友 ビル勤務者
Ч グ リー ンタワー
′
センタービル ■■■
・` ヽ
野村 ビル
KDD勤 務者
〆
・`
野村 ビル
‐ 18‐
モノ リス勤務者
Ч グリー ンタワー
〆 センタービル ■
・ヽ
野村ビル
NSビ ル勤務者
Ч グリー ンタヮー
■■
ント ン ホ テ
〆
・ `
センター ビル
野村 ビル
都庁勤務者
Ч巨
センター ビル
野村 ビル
グリー ンタワー勤務者
ヽ
新宿中央公園
′
・` ヽ
センター ビル
野村 ビル
ホテルセ ンチ ュ リーハ イア ッ ト 勤務者
Ч
′
` ヽ
尉
ビル
セ ンター ビル
グ リー ンタフ…
/
・ヽ
セ ンター ビル
野村ビル
安田火災海上勤務者
Чヒ
ント ン ホ テ
〆
・ヽ
センター ビル
■
野村 ビル
朝 日生命勤務者
Чヒ
ント ン ホ テ
′
・` ヽ
野村 ビル
新宿郵便局勤務者
Ч グリー ンタ ワー
〆
・ヽ
セ ンター ビル
野村 ビル
7/h
三井 ビルニ号館勤務者
Ч グリー ンタフー
セ ンター ビル
Ч グ リー ンタフー
セ ン タ ー ビル
/°
¬
野村 ビル
東 口方面 へ昼食 をと りにい ったことがある人 の 勤務地分布
Ч グ リー ンタヮ…
ホテルセ ンチ ュ リー ハ イアッ ト
ント ン ホ テ
.
NSビ ル
KDD
lモ
ノリス
■
′
・ヽ
センター ビル
■■
費構 ビル
新宿西日地区の食産業 に対す る要望
コンビニエ ンス ス トア を増 や してほ しい
56
配達 して くれ る弁 当屋 を増 や してほ しい
19
フ ァー ス トフー ドを増 や して ほ しい
16
その他
15 「その他」 の詳細
自動販 売機 を増や してほしい
(ジ
ュース)
20代 男性、センタービル 多様 なメニューのある、高 くないレス トランがほしい
30代 男性、都議会議事堂
30代 男性、住友 ビル 安 くておい しいお店がほしい 20代 女性、甲州街道 の南側 値段
おい しいお店 をもっと増や してほしい
20代 女性、センタービル
20代 女性、三井 ビル 40代 男性、住友 ビル 50代 男性、都庁
レス トランが増えてほしい もっと安 く 味 に工夫 がほしい
ワゴン車 などで販売 して下 さると便利
20代 女性、都庁
早稲 田大 学渡辺仁史研究室 1991年 度卒業論文
‐ 31‐
。 おに ぎりとかを売 っている店がほしい
20代 女性、都庁 ・ 野外 で食事で きる弁当屋 を増や してほしい (そ のスペース もほしい)
40代 男性、住友 ビル 安 い定食屋 がほ しい
30代 男性、住友 ビル
社食 の拡張、充実
20代 男性、 センター ビル
24時 間営業 の レス トラン
20代 男性、 センター ビル
もっ と安価 に してほしい
20代 女性、エル タヮー
値段 を下げてほ しい
20代 男性、エ ル タワー
値段 に対する要望
7
販売形態に関する要望
5
味 に関する要望
3
早稲田大学渡辺仁史研究室 1991年 度卒業論文
‐
32‐
2-3 分析 1.新 都庁完成が昼食 にもたらした変化
1.1
全 回答者
(70名 )の 分析
新宿西口地区全体 では「何 も変化 はない」 と回答 した人が 33名 で 約半数 にのは り、最 も多 い。「店が混むようになった」 と回答 した人 は 20名 である。 この 20名 には都庁 に勤務する 3名 が含 まれている が、 この 3名 については都庁完成以前 の新宿 ではな く旧都庁 のあった 有楽町 との比較であると考える。 したがって「店が混むようになった」 と回答 したのは実質 17名 、全体 の約 4分 の 1と い うことになる。 こ の地区の勤務者の意識 の中では都庁完成 の影響 は大 きい とはいえない。
1.2
昼食 のとり方 の分析
もしも都庁完成が西日地区の昼食事情 に大 きな混乱をもたらす こ と になったとしたら、外食 をする人 と弁当 を購入する人が一番 に肌 で感 じるはずであると考 える。 「何 も変化 はない」 と回答 した人の昼食 のとり方 を調べ たところ、延 べ 38名 の うち外食 13名 、弁当購入 8名 で、 この 2項 目で半数 を超 える。 これに対 し、「店が混むようになった」 と回答 した人は延べ 2
0名 の うち外食 5名 、弁当購入 3名 にとどま り、社員食堂 と弁当持参 の方が多 い。現実 に飲食店を利用 している勤務者 の意識 には都庁完成 の影響 はあまり表れてはいない。
早稲田大学渡辺仁史研究室 1991年 度卒業論文
‐ 33‐
1.3
勤務地別分析
「店が混 むようになった」 と答 えた人の割合が比較的高かったのは、 三井 ビル、 センタービル、 NSビ ルであった。NSビ ルは都庁 からの 利用者が多 いためである。 センタービルと三井 ビルが混むようになっ たのは、 JR新 宿駅西日 と都庁 を結ぶ地下道に面 しているうえに、 ビ ル内に飲食店舗数 の多 いビル
(セ
ンタービル、住友 ビル、三井 ビル)
が集 まってお り都庁 へ の来訪者が立ち寄 ることが多 いためであると推 測 される。
1.4
飲食店側 の変化 について
勤務者 にとっては都庁完成 による昼食 の変化 は小 さいこ とが分 かっ たが、そ の原因につい て考察す る。 ひとつ は都庁舎内 の職員食堂や レ ス トラ ン、弁当販売 が うまく機能 していること。 もうひ とつ は周辺 ビ ル内の飲食店や弁当屋 が改装 した り新 たに開店 した りして供給量 の増 加 をはかった こ とで あ る。 これらが増加 した人口 を吸収 し、結果 とし て勤務者 の意識 には大 きな変化 を与えなかったとみ られる。
早稲田大学渡辺仁史研究室 1991年 度卒業論文
‐ 34‐
2.勤 務地別分析
2.1
昼食 のとり方
このア ンケー トは昼休みの時間 を中心 に街頭で行 なったため、現 実 には調査結果 より社員食堂 と弁当持参が多 い ものになるはずであ り、 ビル別 の回答者数 にも差が あるため、正確 な比較 とは言えない が、傾向 として読み とれるものを列挙す る。センタービルでは社員 食堂の利用者 の多 さが際だつているが、 これは待ち時間が外食 など よりも短 いためである。NSビ ルとエルタワーは弁当の持参、購入 ともに多 くなっている。NSビ ル内 には社員食堂が 1つ しかなく、 弁当が最 も便利 と感 じているようだ。購入場所 はNSビ ル内が多 い。 エルタヮー内 には社員食堂が 3つ あるが、弁当の種類 の豊富な小田 急ハルクに隣接 してお り、購入 しやすいこ とが原因であろ う。住友 ビルでは同 ビル内での外食が多 い。都庁 に勤務する人の昼食 のとり 方 は、周辺 の昼食事情 に対 して何 らかの影響 を与えることになった はずであるから、 これをもう少 し詳 しく分析する。まず、庁舎内で 食事 をす る人が少 な くない。 これは、センター ビルやNSビ ルには 及 ばないない ものの、庁舎内である程度 の人数 の昼食に関 しては十 分賄 われているとい うことである。具体的 には、第一庁舎 32階 及 び第二庁舎 4階 の職員食堂、都議会議事堂内のカフェテ リア、庁舎 内の売店 における弁当販売な どである。外食や弁当購入 に利用 され
早稲田大学渡辺仁史研究室 1991年 度卒業論文
‐ 35‐
ているのは、隣接 す るNSビ ル、住友 ビル、やや離れ た所 で新宿 中央公園の裏側 の蕎麦屋、定食屋 などである。
2.2
食事あるいは弁当購入 までの待 ち時間
エルタワー と住友 ビルの勤務者 は「 5分 未満」が最 も多 く、 この地 区では比較的楽に昼食 をとっている。 センタービル、NSビ ル、都庁 は平均的な分布 になってお り、「 5分 ∼ 10分 」が多 い。三井 ビルは 「 10分 ∼ 15分 」 力` 多 く、 オフイス ビルの環境 としてはやや厳 しい 状況 にあるのではないだろうか。
2.3
昼食行動半径
勤務者の外食あるい は弁当購入 の利用先がどの程度 の範囲内に分布 しているかをビル別 に行動半径 として表す。 半径内人数/回 答者数 行動半径 (m) エルタヮー センター ビル 三井 ビル 住友 ビル モノリス
NSビ ル 都庁
9/9 26/26 9/9 14/14 14/14 10/11 11/11
200 390 130 280 370 160 360
早稲田大学渡辺仁史研究室 1991年 度卒業論文
‐
36
これらの平均値 を求 めると270mと なる。高層 ビル街中心部 のビ ル間隔が 120∼
150mで あることを考 えると、行動半径 の平均値
はだいたい 2プ ロック分 である。 したがって多 くの人 は 2つ 隣のビル までなら昼食 をとりにい くことがあるというわけである。
早稲田大学燎辺仁史研究室
1"1年 度卒彙綸文
‐ 37‐
3.利 用者数の多いビルについての分析 外食や弁当の購入 に最も多 く利用 される3棟 のビル
NSビ ル、住友 ビル)の 利用者
3.1
(計
(セ
ンタービル、
28名 )の 回答 を分析 した。
食事あるいは弁当購入 までの待 ち時間
全回答者 の分布 に比べて「 10分 ∼ 15分 」が多 く、「 5分 未満」 が少 ない。 この 3棟 のビルの飲食店 は昼食時 には特 に混 んでいる。
3。
2
新都庁完成が昼食 にもたらした変化
「店が混む ようになった」 と回答 した人が最 も多 くなってお り、 こ れは非常 に顕著な結果 と言える。 これ らの ビルの利用者 は都庁完成 の 影響 を大 きく受けていると言え よう。
3.3
勤務地別分布 との比較
以上の結果 は3棟 の勤務者 の回答 とは大 きく異なっていることか ら、 ビル内の勤務者の方が、外部 の利用者 よ りもそのビルを利用 しやす い 立場 にあると言える。それは、社員食堂 の存在や混雑す る時間帯 をは ず して利用することが容易であることに因ると推測 される。 ちなみ に三井 ビル勤務者 は、隣接す るセンタービルと住友 ビル を利 用 す る人が多 いため、待ち時間が長 い と感 じている人が多 い。
早稲田大学渡辺仁史研究室 1991年 度卒業論文
‐ 38‐
4。
昼食 のと り方 の分析
4.1
全回答者の分析
社員食堂 を利用する人 と外食する人が多いが、社員食堂 と回答した
38名 のうち半数がセンタービル勤務者であるので、 この地区全体 を 通 して見ると外食 をする人が最も多い と見 られる。
4.2
男女間の違 い
男性 は社員食堂 を利用す る人 と外食 をする人を合 わせると8割 を超 えるのに対 し、女性 は社員食堂、外食、弁当購入、弁当持参が比較的 均等 に分布 している。弁当購入 と弁当持参 の 2項 目で男女間の昼食 の と り方の違 いが顕著 に表 れている。
4.3
食事あるいは弁当購入 までの待 ち時間
社員食堂 と弁当購入 の待 ち時間の分布 は、全回答者 の待 ち時間の分 布 に類似 してお り、「 5分 ∼ 10分 」が最 も多 くなっている。 10分 以上待つ人 は共 に20%程 度 である。それに比べ て外食 の待 ち時間の 分布 では、「 5分 ∼ 10分」が少 なく「 10分 ∼ 15分 」 「 15分 以 上」が多 くなっている。 10分 以上待 つ人 は40%程 度 である。すな わち昼食時 にかな り混雑す る店が幾つかあることが分 かる。
早稲田大学渡辺仁史研究室 1991年 度卒業論文
‐ 39‐
5.東 口方面の利用 東 口方面へ昼食をとりにいったことがある人 は全回答者 100人 中
7人 である。 ところが、その 7人 の勤務地 は西日地区全域 に散 ってい る。各 ビルの勤務者の昼食時の行動半径 は、最大でも400m以 内 で あるが、 JR新 宿駅の線路 からの直線距離 をとったとして もセンター ビルの位置 ですでに400mを 超えてしまっている。 したがって、西 日方面で昼食 をとることが困難 になったためやむな く東 口方面 に向か ったわけではな く、会食 など別の必要 による ものが多 い といえる。
早稲田大学渡辺仁史研究室 1991年 度卒業論文
‐ 40・
6。
新宿西日地区の食産業 に対する要望 地区全体 を通して、性別 を問わず「 コンビニエ ンスス トアを増や し てほしい」 という要望が最も多い。軽食や飲み物などを手軽 に購入で きる店が不足 していることの表れである。
早稲田大学渡辺仁史研究室 1991年 度卒業論文
‐
41‐
第 3章
考察
3…
1
飲食施設 に関す る資料
高層 ビル街 の主 なオフィスビルの飲食施設 に関す る資料 を以下 に示す。 なお、就業人口、平均来訪者数 (1日 )、 店舗数 は新宿新都心開発協議 会
(SSK)が 1990年 12月 に調べ たものである。飲食 店舗数及 び
社員食堂数 はヒアリング調査 によって得 たものを用 いている。 (ビ ル)…
……ビルが保有する社員食堂数
テナ ン ト保有 の もの も含 めた、 ビル内全 ての社員食堂数 (全 )。 ……。
就業人口 エ ル タ ワー セ ン タ ー ビル
住友 ビル
KDD
15000
14
2500C
32
AV AV ‘0
三 井 ビル
3000 9600 9000 8600
平均来訪者数 飲食店舗数
店舗数
社員食堂 (ビ ル)
(全 )
14
0
3
52
0
3
40
0
0
3000C
26
112
1
500
4
10
3
3
0
モノ リス
3350 2800
2000
8
13
0
NSビ ル
9000
20000
40
47
0
13300
8000
10
13
2
安田火災海上
3000
2000
2
1
野村 ビル
5300
6000
47
0
都庁
1
24
早稲田大学渡辺仁史研究室 1991年 度卒業論文
2
1
4
3-2 考察 [昼 食行動半径]
センタービル、住友 ビル、NSビ ルの 3棟 は飲食店舗数が多 く、 また 展望室 もあ り平均来訪者 は非常 に多 い。そ して実態調査ですでに分析 し たように、高層 ビル街 の勤務者 による利用 も同様 である。 この 3棟 が こ の地区の昼食行動の核 となっている。 この 3棟 以外 のビルの勤務者 は 3 棟 の うち距離的 に近い ものを利用 し、 この 3棟 のビルの勤務者 は自分 の 勤務 しているビルを最 もよ く利用す る。勤務地別 の昼食行動半径 もこ♭
3棟 との位置関係 と深 い関連がある。 実態調査 の分析結果 と飲食施設 に関する資料 をもとに昼食行動半径 を 決定づける要因を研究 したところ、社員食堂や飲食店舗 の数 とは特 に関 係 のないことがわかった。昼食行動半径 を決定す る ものは、 ビル内の飲 食施設規模 ではな く、そ のビルが高層 ビル街 の中央 にあるか端 にあるか とい うことである。高層 ビル街 の端 に位置するビル、例えばセ ンター ビ ル、モノリス、都庁 などの勤務者 には高層 ビル街 に隣接する低層 ∼中層 飲食店街を利用する人が いる。おそらくは待ち時間が短い、値段が安 い、 種類 が豊富な どのメリッ トがあるのだろ う。彼 らはそのために平均的な 昼食行動半径 を超えてで もその店 に向か う。普段 は社員食堂だが外食 す る時 はこのような店 まで足 を運ぶ とい うパ ターンも見 られる。センター ビル、モノリス勤務者 は西日から南口にかけての ヨ ドバ シカメラ周辺 の 飲食店 を利用 し、都庁勤務者は新宿中央公園裏 を走 る十二社通 りに面 し
早稲田大学渡辺仁史研究室 1991年 度卒業論文
‐ 43-
た店 まで足 をのばしている。彼 らの存在 が昼食行動半径 を大 きくしてい る要因 となっている。エル タワーは高層 ビル街 の最 も端 に位置 している が、 このビルの勤務者で高層 ビル街 の方へ昼食を とりに行 く人 はほとん どいないようである。さらにビル周辺 に低層 ∼中層飲食街が広がってお り、昼食行動半径 は平均的、あるいはそれ以下である。特 に顕著 なのは 三井 ビル とNSビ ルであるが、 この 2棟 の実情 はやや異 なっている。 N
Sビ ルはビル 自身の中に比較的充実 した飲食施設 を備えているかわ りに、 周囲 にはあまりその様 な ビルがな く、その結果昼食行動半径 はだヽさくな っている。三井 ビルは、多少飲食店 はある ものの勤務者数 9000人 の ビルに しては飲食施設 は少 ない。 しか しセンター ビルと住友 ビルとい う 飲食店舗数 の多 いビルに隣接 しているため、昼食行動半径 はこれ以上大 きくはならない。 もちろんセンタービル と住友 ビルは昼食時 は混雑 して いるのだが、高層 ビル街 の外へ足 を運ぶには遠すぎるのであろう。 した がつて高層 ビル街中央部 では飲食施設 の充実 しているビルが近 くにある か ぎりは昼食行動半径 は大 きくな りに くい。
[混 雑]
社員食堂や飲食店舗 の数 は、昼食行動半径 にはあまり関係 しないが、 勤務者 の意識中の「混み具合」 に大 きな影響を与えている。たとえば、 就業人口が多 く、飲食施設がやや少 な く、 しかも昼食行動半径 の小 さい
早稲田大学渡辺仁史研究室 1991年 度卒業論文
‐ 44
三井 ビルでは、その半径内 の利用者の分布が非常 に密 になる。そのこと は勤務者 の「食事あるいは弁当購入までの待ち時間」 が他 のビルよる長 くなっていることで も分 かる。逆 に飲食施設 の充実 した ビルでは全般に 「待ち時間」が短 い ものが多 い。 このことは、「 ビル外部 の利用者 よ り もビル内の勤務者 の方力弩J用 しやすい立場 にある」 ことと関係 がある。 す なわち最 も混 む時間をはずすなど、自分 で工夫 して利用す ることが容 易なためと考 えられる。
[ま
とめ]
新 たに超高層オフイスビルを計画する際 に飲食施設 について留意すべ き点 を挙げることにする。計画地周辺 の飲食店 の分布状況 を調べ、四方 が高層 ビルの場合、半径 300m以 内の店舗が昼食時 にすでに混雑 がひ どい ようなら計画中のビル内 には充実 した飲食施設が必要である。「 3
-1飲食施設 に関する資料」 によれば、各 ビルが保有 している社員食堂 とい うのは実 に少 なく、 ほ とんどは各 テナン トの ものである。また、社 員食堂のないビルというの も意外 にあ り、昼食時 の飲食店 の混雑 の原因 に もなっている。できればビル内のテナ ン トが 自由に利用 できる社員食 堂 をひとつは設置 してもらいたい ものである。飲食店 についてはビル自 体 の商業性 にも関わるので一概 には言えないが、勤務者 の食生活 に多様 性 を与えるためには欠かせない。 しかも、展望室 に相当す るような高層
早稲田大学渡辺仁史研究室
1991年度卒業論文
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階のレス トランは値段 も高 く勤務者 には利用 しにくい ようなので、 よ り 庶民的な店を充実することが肝要である。特 に、就業人口 5000人 以 上 とい うような大規模 な ビルについては、 ひとつの都市 ととらえ、一般 の低 ∼中層街区 における飲食店分布 を参考 にして飲食施設 を計画すべ き である。そのように設計 された ビルならば新宿西日地区のように林立 し たとして も少 な くとも飲食 スペースの問題 は起 きてはこないであろ う。
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昼食行動半径 (言 ;:i珠 ::夕
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コンビニエ ンスス トアの新設計画
ア ンケー ト回答者 100名 中 56名 の人が コンビニエンスス トアを増 やしてほしい と回答 した ことを受けて、 この地区にコンビニエンスス ト アを新設するならどのようにすべ きかを考えてみたい。既存 の コンビニ エ ンスス トアない しそれに類する ものは、あるとはいえまだまだ不足 し ていると考 え、 この場では無視させて頂 く。新設す るとはいって も、 こ のような特殊 な地区であるためにやみ くもにつ くることはで きない。 し たがって以下 の条件 を満 たす様 にしたい と考 える。 ・各 ビルの勤務者 の昼食時の行動半径 を考 え、効率的 に配置す る。 。もしも高層 ビルに新設 しようとす る場合、そのビルの性格、機 能 に適合するかを考慮する。 ・昼食時以外 にもある程度来客が見込 まれる場所 でなければない。 ・利用 目的の偏 りに応 じて、食料品の売 り場 スペースを通常 よ り 拡大 したものにすべ きである。 これらの条件 を総合 し、次 に示す ような案が完成 した。 まず、高層 ビル内に設置するものとしては、センター ビル、NSビ ル、 住友 ビルの 3つ である。 これらの 3棟 はこれまでの研究から飲食店舗数、 平均来訪者数 ともに多 く、商業 ビルとしての性格 も備えてお り、 コンビ ニエ ンスス トアがある程度洗練 された形 で入 つたならば さほど違和感 は 与えない もの と思 われる。また就業人数 も8000人 以上であり、昼食
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時以外 の利用 も十分見込 める。その他 にはこれら3棟 を補 うためにヨ ド バ シカメラ周辺 に 1店 、駅前 の地下道入日付近、安田生命 ビル もしくは スパ ルビルの地下に 1店 設けるべ きである。 この 5ケ 所 に設置すれば、 この地区内のどのビルか らも「行動半径内」 に 1軒 はあることになる。 売 り場 スペースはおにぎり、サ ン ドイッチ、バン等 の売 り場 を充実 させ、 ジュース類 を豊富 に揃えるべ きである。また菓子類やアイスクリーム等 もこの地区ではあま り売 られていないので、ある程度 の売上は見込 める。
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コンビニエ ンスス トアの新設案
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今後 の課題
今回は飲食施設の規模その ものについてのデー タを収集す ることがで きず に終わってしまったので、昼食行動半径 ゃ混雑 の程度 との関係 を定 量的に把握す ることができなかった。アンケー ト調査 について も、選択 肢 の設定 にあい まいな部分や足 りない部分があ り、反省点 が残 った。 今後 も新宿 は激 しく変化 してい くことになるであろ うか ら、数年後 に 再 び調査 を行 なえば全 く違 う結果 を得 ることができるか もしれない。
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おわ りに
今回のこの研究 では、今年新都庁が新宿 に移転 してからの新宿西日地 区における昼食事情 を主 として調査対象 とした。 したがって、過去 の卒 業論文 や文献 の中にも参考 となるものが殆 どな く、実際 に街頭 に出てア ンケーを行 な う迄 に様 々な試行錯誤があつた。 さらにアンケー ト調査 の 段階 に入 つてからも思 うようにはアンケー トを回収することがで きず、 かな りの日数 を費 やす ことになってしまった。 しか し、最終的には何 と かある程度 の枚数 まで回収することができた。そのためデータとしては 充分 な量にな り、アンケー トを分析 して得 られた結果 もよ り正確 なもの となったのではないか と思 う。 最後 に、いろいろ指導 して下 さった渡辺仁史先生、研究室 の諸先輩方 に心 より感謝 を申 し上 げ ます。特 に私達 の卒業論文 を担当 し、様 々な指 導、助言 を与えて下 さつた家泉 さんには重ねてお礼 を申し上げます。
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参考文献 岡田光正 他 「建築 と都市の人間工学」 鹿島出版会
Do Canter
「環境心理 とは何 か」 彰国社
新建築学体系 -11「 環境心理」 彰国社 「新都心 弁当&昼 食マ ップ」 モー ド学園出版局
早稲田大学渡辺仁史研究室 1991年 度卒業論文
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