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摯 ・ 平成 三年度卒業論文 早稲 田大学理工 学部建築学科

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茶色 の あ る街 ∼京都 を歩 く∼

指導 :渡 辺 仁史 教授

G7D181 布家 直樹


は じめ に 京都 は四季 が とて も強 く感 じられる とい う人が い ます。京都 は三 方 の 山を背景 に、春 の桜 、夏 の緑、 秋 の紅葉、冬 の舞雪 と、 一年 を通 してい ろんな色 を 楽 しませて くれ る街 です。 しか しひとたび街 中の建 物 に目をむけ る と、自然 の色彩 とは打 って変 わって 茶色 やグ レー とい った単調 で暗い色調 の ものが多 く 見 られます。建物 のみ な らずその周 囲 に見 られるス トリー トファニ チ ャーの あらゆるもの に、同 じよう な色 調 でまとめ られてい る京都 の街 を見 ることが 出 来 ます。例 えば、 つい最近 までは コンクリー ト地 の ままだった普通 の電柱 が 、 いつの間にか、取 り替 え られるわけではな く、後 か ら茶色 に塗 り上 げ られて い た りします。美観地区な どの条例規 制 とい った行 政指導による統 一 のみ な らず、街づ くりに携 わる人 々の京都 の風景 に対す る何 らかの意識 によって、京 都 の景観 とその色 は、 どこかへ収束 しようと してい るかのようです。

   /イ・ヽ ′′・ ヽ、

︱ ︱ 野ぶ い ま 魯 群 測 薗 監 ∬ 酬 ︱ ,


研 究 Ξ″ 本研究の目的 は、京都市民の京都 に対す る意識調 査 と、市内の建造物の現状調査及 びオーナーヘのヒ アリングを行 ない、現在 の京都 にある茶系色 の風景 に対す る意識を明 らかにし、その現状 を把握す るこ とである。


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□現在 の京都 の景観行 政 にお け る色彩 の扱 い

建築物あ募谷ltご あ瞑 りでな■ヽ こ

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現在、京都市 は市内ほは全減が何 らかの景観地区・ 区域に指定され、建築行為の規制が行なわれてい る。 主だった ところでは、 歴史的風土特別保存地区 (古 都保存法 ) 風致地 区 (京 都市風致地区条例 ) ・近郊緑 地保全区域 第 6種 高度地区 美観 地区・ 工作物規制区城

(京 都市市街地景観

O京 都市風 致地区条例 に基 づ く種別基準 この条例 では風致地区 と して東山、北山、西山の 三 山か らそれに続 く山麓部、平野都合 わせ て 14300haが 指定 されてい る。 この地区をさらに以下 の 4つ の地 域 に分 け、基準 を定 めてい る。

1)第 1種 地域「風趣 に富 んだ山林、けい谷等 自 然 的景観 の特 にす ぐれた地域で現存 の風数 を 維持す る地劇 における基準 <建 築物の外観 は、伝統的な和風様 式 を基 本 と します。 > 『 屋根及 びひさ しについて :ふ き材料 は 日 (い ぶ し銀 )、

三丁 ・

『 開口部について :建 具の色彩 は、木製に ついては生地仕上げ又 は褐色系統 とし、アル ミ製等についてはプロンズ色系統とすること。 [ウ ー (イ )項 ]J

2)第 2種 地域「風趣 に富 んだ樹林地、池沼、田 園等 自然的景観 の特 にす ぐれた地域で現海 の

条例 ) 巨大 工 作物規制区域 (京 都市市街地景観条例 ) 特別保全修景地区 (京 都市市街地景観条例 ) 伝統 的建造物群保存地区 等がそれぞれ法律や条例 によって定 め られてい る。 これ らの法令 では土地 の造成 から建築行為 に至 る まで事細 かな規則、細則 が制定 されてい るが 、 ここ では色彩 に関す る記述 を拾 い あげることにす る。

鋼板等 の伝統的 な もの を 使用 す ること。 [ア ー (オ )項 ]』 『 外壁 につい て :色 彩 は、 じゅらく色系統 とす ること。 ただ し、伝統的な工法又 は様式 本瓦

)項 ]』

[イ

風数 を維持する地刻 における基準 <建 築物の外観 は、和風様式 を基本 とし、 周辺の風致 と調和 のとれたものとします。 > 「屋根及 びひさしについて :ふ き材料 は日 本瓦 (い ぶ し銀、黒色 つや消 し)、 鋼板、ア スフ ァル トシングル (黒 色、濃灰色)、 着色 石綿 スレー ト平板 (黒 色、濃灰色)そ の他 こ れらに類するものを使用すること。 [ア ー (オ

)項 ]』

r外壁 について :色 彩 は、 じゆらく色、灰 色又 は薄茶色の系統で、周辺の風致 と調和す ること。 [イ ー (イ )項 ]』 『 開口部 について :建 具の色彩 は、本製 に ついては生地仕上げ又 は褐色系統 とし、アル ″ ミ製等についてはプインズ色系統とすること。 ・ [ウ ー (イ )項 ]』

3) 第 3種 地域「風趣 に富 んだ住宅地等 自然的景 観 を保持 している地域 で現存 の風数の維持 に 配慮 す る地劇 におげ る基準 │

<建 築物の外観 は、和風感 を有 し、周辺の 風数 と不調和とならないものを基本とします。 ‐

>

.

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1

『屋根及 びひさしについて :ふ き材料 は日 本瓦 (い ぶ し銀、黒及 び灰色つや消 し)、 銅 板、アスファル トシングル (黒 色、灰色)、


着色石綿スレー ト平板 (黒 色、灰色)、 耐候 性鋼板 (黒 色系統)そ の他 これ らに類するも の を使用すること。 [ァ ー (ォ )項 ]』 『 外壁 について :色 彩 は、 じゅら く色、灰 色又 は薄茶色の系統 で、周辺の風致 と著 しく 不調和でないこと。 [イ ー (イ )項 ]J 『 開口部について :建 具の色彩 は、木製に つい ては生地仕上げ又は褐色系統 とし、アル ミ製等についてはプロンズ色系統 とすること , [ウ ー (イ )項 ]』

4)第 3種 地域附則第 2項 地域「当分 の間、条例 による建築物の建 ぺい率に関する制限を適用 しない地現 における基準 <建 築物の外観 は、周辺の風致 と不調和 と ならない ものを基本 とします。 > . 『屋根、ひさし及びパラベット等につぃて ふ き材料 は黒色系統のつや消 しの ものを使用 すること。 [ァ ー (ゥ )項 ]』 『 外壁 について :色 彩 は、 じゅらく色、灰 色又 は薄茶色の系統のつや消 しとし、周辺の 風致 と著 しく不調和でないこと。 [イ ー (イ ) 項]』 r開 田部につい て :金 属製建具等 の色彩は、 プロンズ色系統とすること。 [ウ ー (イ )劇 』 :

○古都保存法 この法令 によって歴史的風土特別保存地区に指定 された地区 は、先の風致地区に比べ、 よ り厳 しい権 利 の制限がなされ、その風土 の現状 はほぼ凍結的に 保存 されることになる。京都市 では東山、大原、嵯 餓・嵐山他市街地に隣接 しているために保存が急務 と判断された全 8地 区がある。 「特Fu保 存地区内においては、次の各号に揚げ

る行為 は、府県知事の許可を受けなければ、 して はならない。・"(中 略)¨・五、建築物その他 の工 作物の色彩の変更 [法 第 8条 1項 の五]』 ○京都市市街地景観条例 先 の 2つ の法令 が市街地周辺部の景観保全 を主眼 としていたのに対 し、 この条例 は我 々の普段の生活 の場 である市街地における歴史的景観の保全を目的 と している。 ここでは御所、二条城など歴史的建遣 物周辺の「美観地区」、行政が積極的に働 きかける ことにより現在の市民生活を取 り込 んだ形で景観 の 整備、修景を行 なうとい う、祇園新橋、産寧坂の 「特別保全修景地区」、市街地一帯 が指定されてい ・ る巨大構築物 に対するチェック区城「巨大工作物規 ・ 制区域」 の 3つ の区域がある。 美観地区内 において、建築物 の新築、改築、 増築又 は外観 の過半 にわたる模様替えもしくは色 彩 の変更をしようとする者 は、あらかじめ別 に定 めるところによ り、市長の承認を受けなければな らない。 (略 )J[条 例第 7条 ](特 別保全修景 地区、巨大工作物規制区域 においても同義の条丈 ・ あ り) 「洗練 された繊細 な形態及 び意匠とすることと し、少なくともコンクリー ト、金属等の物量感 を 感 じさせない ものとす る。』 [美 観地区内におけ る建築物の具体的基準 3-1] 『本部 は、生地仕上げ、ベ ンガラ塗りその他 こ れ らに類する仕上げの色彩 とすること。』 [産 寧 坂特別保全修景地区の建築物等 の様式等の基準] 『 けばけば しい色彩 または過度 の装飾が施 され ていないこと。』 [工 作物及び巨大工作物の基準 ] =『

.


研究方 法 京都 は今、東京資本等外部からの影響を大 きく受 け ようとしているが、それでもなお京都の街づ くり を支 えているのは京都 にすむ人達であると言える。 本研究 はこの市民 に対す る京都 らしさの意識調査か ら以下のように展開される。

京都市R54人 に対 し京都 らしい場所等、 「京都」 をキーワー ドとして調査 京都 らしさのキー ワー ドの抽 出 京都 に対 す る視点 として色 (茶 色)を 選択 茶色 の ある風 景 の取材

京都 にあるRC造 ビルの外観写真 を収集 ビル に対 す る ヒアリング

実際 にビル外壁 の色を茶系色 とした施主ヘ のヒアリング 京都 らしさに取 り組む京都 の姿 市民の意識 と身の回 りで行 なつている京都 に対す る取 り組み


ご対 す る意 識 調査 京 都 市民 ′ 京都 らしさとはなにか。この問いに対す る答えは どうや ら無数に存在す るように思われるが、その一 側面を見 つけるため、「京都」 をキー ワー ドに京都 市民 に対す る意識調査 を行 なった。 □調査概要 被験者数 54人 有効解答数 54 □調査結果 間 1。 あなたが最 も京都 らしい と思 う場所 はどこ ですか。

橋 家並み お茶屋

大文字

HF

八坂 神社 東寺 五重の塔

1 1 1 1

かえで

2   2   2  2   2   2   2

坂 ・ 空 玉砂利 ゆ りか もめ まい こ

2  2  2

土塀 池 小 さな家 知思院 泡立 つ水

8  5  4  3  3  3  3  3   2

暴原堤

白川通 比叡山 木屋町

大宮通 中心部 の 町並 み 哲学 の道 柏野

清水寺 西陣 祇園新橋 碁盤 の 目の通 り

嵐山 祇園 鴨川 嵯餓野

(人 )

2  9   5  9

見 える もの 川山 木 寺

(人 )

京都 らしい場所 東山 御所

問 2.そ の場所 を頭に思い浮 かべ て ください。 が見 えますか。全 てあげて ください。


い 間 3。 そ の場所 の 雰囲 気 を一 言で 表 してくださ 。

問 4.

その場所を色に例えるとどんな色でしよう か

︲ 3

2 ︲ 2

︲ 3

︲ 2

︲ 2

白 灰色 小 豆色

︲ 2

︲ 3

︲ 1 ︲ 1

︱ ︲

日本 の京都 宗教 的 安 らぎ 一幅 の南画

(人 )

色 に例 えると

1 ︲ 1

1 1

・ ︲ ・ ・ ・ 1

い 物 問 5. あな たが最 も京都 らし と思 う建築 つ あげ て くださいo

はんな り 歴史 の古 さと重 さ

(人 )

京都 らしい建築物

を3

︲ 2 ︲ 0 ︲ 8 ︲ 7 ︲ 6 ︲ 6 ︲ 6 ︲ 5 5 3 3 3 2 2 2


□集計結果から 問 1。 「東山」「御所」「祇 園」「嵐山」等 の全 国的に知 られている京都 の代表的 な観光地 が ならんでい る。その一方 で、 どれ も 1人 の解答 にとどまっているが「大宮通」「 白 川通」 さらに「碁盤 の 目の とお り」等 の通 常生活が歴 史的景観 と共存 してい る場所 も あげられてい る。 問 2.件 数の多 い もの をみ る と、「川」「 山」 「木」 と行 った 自然物 と、「橋」 「寺」 「 町屋」 とい った建造物 に分 けられるが、 間 に対 して 2∼ 3個 の解答 をあげる場合が 多 く、 この場合 これ らの 自然物 と建造物 の 組 み合 わせで答 えられてい た。 またここでは 1件 のみの解答 は省略 してい るが、実際 には固有名詞の解答がかな り多 く、解答者 にとってはただ「寺」 とい うだ け ではな く「東寺」 や「清水寺」 とい った これで な くては収 まらない とい う風 景があ る ようで ある。 問 3.京 都 らしい場所 として観光地 をあ げ た人が 多 い にもかかわ らず、京都 に住む人 はその 平時の姿 を知 っているのであろう、解答 は 全 て「落 ち着 き」「静け さ」 とい った静的 でおお らかな感 じのす る言葉 で占め られて い る。 問 4.緑 と茶色 が圧 倒 的 に多 くなってい る。問 2 の結 果 とあわせ て考 え る と緑 が 自然 を、茶 色 が建造物 を表 してい る とい えるの ではな

問 5。

い だろ うか。 この設間 は他 の設間 と違 い、「京都 らしい 場所」 との関連 を持 たせてい ないが、解答 のほとんどが観光名所 の古建築 である。 こ れ らの建築 を例 える色 については ヒアリン グを行 なってい ないが、特 に上位 に位 置す る建築物 は全 体 が茶色 一色 で覆 い尽 くされ ている建築物 で あるといえる。


茶 色 の あ る風 景 京都にある「茶色」 は数え上げたらきりがない。 そしてその「茶色」 もまた、淡かったり、黒かつた り、それぞれいろんな表情をしている。そんな京都 の「茶色」 を訪ねて歩 く。


1.四 条川 端 か ら東 山 を臨む ほ とん どの建物 が 茶 系色 でまとめ られている。 仕 上 に つ い て破綻 に塗 っ た ものだけ か タイル張 り、 パ ネルの使 用 な ど多様 で あ る。

2.西 本 願 寺 前 や は り茶 系色 に塗 られ てぃ るが 、色 調、 トー ン に ば らつ きが ぁ り、街 並 み と しての一 体 感 にか ける。


3.西 本願寺前 赤 茶 色 の タイル張 りに瓦 ぶ きの廂 を付 け た ビル。 さ らに 開日のガ ラス もシール が 張 られその内 側 に格 子戸 が見 える。 美観地 区 で あ るためかな りの 手 │11が か け られ ている。

4.烏 メし綾 /Jヽ 路 の ビル かな り黒 い焦 げ茶色 の パ ネルが用 い ら ,れ てい る。 手前 にあ る信 号機 を見 れ ば分 かるよ うに、 京都 で現 在新 しく創 られるス トリ ー トファニ チ ャ ー はほぼ こ の色 に統 一 されてい る。


5.烏 丸五条の ビル ビル 、手前の時計台、 その奥 の地 下鉄の入口 もや は り茶色 で ある。 ただ一つ地の ままの電柱 もす ぐ近 くまで市 の修景作 業が行 なわれてい るので、近 い う ちに埋 設 もしくは取 り替 えられるだ ろ う。

6.四 条堀 川 のマ ンシ ョン


7.嵐 山の交番 風致地区第 三種 地域 にあ り、 いぶ し銀色 の瓦、 う す茶色 の外壁 とお手本 ど うりである。 三階 の フ アサ ー ドは簾 を連想 させ るデ イテールで仕 上げ られて い る。

8.三 条京阪 の観光案内所 この ような月ヽさなプレハ プの建物 でも色 は茶系 に、 また屋根 も三角 になって い る。


9.堀 川五条 のガソ リ ン ス タ ン ド 給油所 は基本 的 に 全 国 共 通 のスタイ ルが あるが、 京都 には この よ う な 在酒 己を もたせた屋根付 きスタン ドがかな りある。

□   ︱ ︱︱﹁

10.二 条 城 前 のス タ ン ド や は り屋 根 が 特徴 。 どこか のお寺 の本 堂 の よ う で もある。


H.円 町 の公 衆便 所 も と も と コ ンク リー トの地 の ま ま で あ ったが、 最 近 一 度 は 」L色 にそ の 後 この 色 に塗 り替 え られ た。

12.嵐 山 の仮説便 所


13.京 都新 聞社 前 の信号機 修 景 に用 い られ る標準 的 な柱 。

14.烏 丸 通 りの 電 圧 トラ ンス と歩 道 電線 が 埋 設 され てい るので歩 道上 におかれ た焦 げ 茶色 の トラ ンス 。 さ らに注 目 したいの は歩道 も茶 色 に塗 られ てい る こ と。


15.烏 丸御 池 の電 話 ボ ックス 条例細 則 な どに 開 口部金属 製建具 はブ ロ ンズ色 系 とす る とあ るが 、電 話 ボ ックスのサ ッシもこの タ イ プが 多 い 。

16.河 原町 五 条 の 電柱 13番 の写真 にあ る電柱 とは違 い、 コ ンク リー ト柱

を後 か ら塗 直 した もの。据 え変 え、電線 の埋 設 が追 い つ かな い ため か この よ うな電柱 も多 い。


17.丸 田町御 前 の Pり 前 の鉄柱

18.市 内各所 に見 られ る空 き缶入 れ 全 国 どこで も見 られ る形 の箱 だが 、東 京 な どでは 赤 色 の ものであ る。 こ こ まで す るな ら隣 の 自販機 も 赤 く しな い で欲 しい もの で あ る。


19.太 秦近辺 の 案 内板 はこうなる。 実際 に 世界 のマ ク ドナ ル ドも京者 `で は店舗 の方 で は赤 地 と茶色 地 の 看板が混在 してい る のが現状。他 に 白地 にlt色 の Mマ ー クバー ジ ョンも あ る。


茶 系 色 ビル オ ー ナ ー の と ア リ ング なぜ茶色 なのか。茶系色 に仕上げられたビルのオ ーナーを訪 ね、建設当時の状況等を調査 した。北は 今出川通 りから南 は七条通 りまで市街地中心部 にお いて茶系色 のビルを訪 ねて歩き、28件 の有効解答を 得 た。


○ 回答者 の年齢層

○ 調査 対 象 ビル の 建 設年代 12 10 8

6

4 2 0 1966∼ 1971∼ 1970年

ビル の オ ー ナ ー が 訂」杢対 象 で あ るため、 回答 者 は

40代 以 上 が ほ とん どで あ る。

1976∼ 1981∼ 1986∼

1975年 1980年 1985年 1990年

年 を経 るに従 い竣 工数 が 1曽 え てい るこ とがわかる。 ビル全 体 の竣 工 数 も問題 だが、 ど うや ら近年 は茶色 い ビルが 増 え て い るよ うである。 ○ ビル外壁 の色 につい て

○ 調杢対 象 ビル の 高 さ 7

16

6

14

5

12

4

10

3

8

2 6 1

4

0

2

茶色

0 低層 (1∼ 2階 )

中層 (3∼ 6階 )

高層 (7∼

ベージユ うす茶

赤茶

うぐいす こげ茶 アイポリ

階)

今 回 の調査対 象 となった ビル は高層 が比較的多 く、 さ らにその 16件 中9件 が30mを 越 え ている。 高度利 用 が 進 んで い る こ との 表 れ とい え よ う。

一 般 には茶系 色 のなかで も普通 の茶色 が多 い よう であ るが、先 の ス トリー トフ アニチ ヤー な どが こげ 茶 を採用 して い たの に対 し、 ベー ジュ等 の 薄手 の も のがかな り多 い こ とが わか る。 ○色 を茶系色 と した理 由

○ 調査対象 ビルの用途

8

14

7

12

6 5

10

4 8

3

6

2

4

1

2

周囲 と 落ち着 の調和 いた色

0 事務所

店舗住居

店舗

集合住 宅

旅舶

「や店御l兼 住サ 事務ワ この ビルが多 くな った こ とに 関 して は、実際 ヒア リ ングを進 め る うぇ で マ ンシ ョン ー 等 の オー リ ー とは コン タク トが取 りに くか っ た こ と に よる。

好み

業 せ 築 任 建 者

0

条例の 商売イ その他 制F■ メージ


い これは 周阻│と の調和 を求めたとい う意見 が多 。 こと以外 に、 J不 11を 図つたとい う 単 に周DIIの 色 との利 ‖ ぐるみで活動 を行なってい く京都人本来の慣習か 「 らくる和 を大tJJに す る意識の表れとも言える。 また は なか い 外観 の色 は条例 によつて決めたと う意見 少 ださ が生み ったにしても、条例 によつて京都 の色彩 れるとい うことは景Frlの 形成 において重要な意味を

もつ。商売のイメージと♯、そのビルで営んでいる

商売 の商謂:か らくる色彩 イメー ジが建 築物 の色 を決 であるが、 定 したとい うことで、 この場合 は仏具屋 そ もそ も京都 は伝統 工芸品を扱 う店 が多 く、 この商 めてい 売 のイメー ジは実 際 には大 きなウエイ トを占 る ことが考 え られる。 ○ ビルの高 さと色選定理!山

高層 ビルにおいて周 │と の調和 を求めたとい う意 見 が多 くみ られる。 これは,コ 囲 の景観 のなかで、高 層 な ビルはよ り日立 つ との認識 か ら、 よ り周辺 を意 識 した計画がなされているとい うことであろ う。 D」

ロ途 と色 選定理由 ○ ビルのリ

店舗系 とは店舗 のみ の 1ビ ル 、 も しくは店舗 兼住居 を指す。基 本的 にコ1務 所系 の ビル は夜 llllな ど常駐 す る ものがい ない ため 、周辺 との トラブルを抱 える こ とが 多 く、 これ を防止 す るため に も、建設前 にあ ら ゆ る点 で 近隣 の理解 を得 られ る よ う調整 した との 回

○ オーナーの年齢 と色選定理由

答 が あった。従 って色 選定 につい て も火租 を持 ち込 まな い よ うにとの 姿 勢 で行 なってい るよ うで ある。

■■周囲との調和 国

50歳 以上のオー ナー に周囲 との訂 J和 を求めたとい

う意見 が多 くみ られる。現実 にこの人達 を含 む年配 者 は比較的全体意識が強 く、町内 との つ なが りを大 切 にす る傾向 にあるため、 この 関係 は色以外 の建築

計画全体 を含めて深 いと考えられる。 しか し実際 に は回答者 6人 中 5人 が高層 ビルのオーナー とい うこ ともあ り、一概 に年配者の方が調和 を大事 にすると は言い きれない。

落 ち着 いた色

醒□好み ■■業者任せ Eコ 条例の制限 匿ヨ商売のイメージ


○建築 年代 と色の│力 係 1966∼

,704

1971∼ 1975年

1976∼

1980r

1981∼ 1985年

1986∼

199o4

最近の 傾 向 と して暗 めの茶系 か 色 ら明る く薄 ぃ茶 系色 へ と色の傾向 力=変 ィヒして きてぃ るこ とがゎかる。

■■茶色

Eコ ベージユ

圏圏 うす茶 圏囲赤茶

圃囲 うぐいす

匡ヨこげ茶


今後嫉

京都市民に対す る意識調査では京都人の京都に対 するイメージは一応理解 できた ものと考える。今後 は京都以外 の都市、例 えば小京都 と呼ばれるような 所 との都市イメージを比較できれば京都自体 の特徴 がさらに見 えてくるのではないだろ うか。 京都 らしい色や雰囲気について、そのイメージが どのような過程 で想起 されて くるのかさらに深 く検 討する必要があると考 える。 茶色の ビルに対する ヒアリングに当たっては、ォ ーナーに調査協力を拒否 されることが しば しばで、 その結果 に偏 りが生まれていないかが心配である。 またよかれと思い行な った自由記述によるヒアリン グも、今回の調査を予備調査 として焦点を絞 りこん だ選択式の設間をつ くり、よりはっきりとした結果 を臨みたい ものである。 ス トリー トファニチ ャーについてだけで もその変 容 はめ ざましい ものが あ り、また行政の方針を最 も 反映する ものであるので、これだけについて も十分 追 いかける価値がある と思われる。 色 とい うものは都市のほんの一断面 に過 ぎないが その広が りは無限の一言 に尽 きる。


お わ クに 京都 に住む人達 にとっても、京都 らしい場所 とは 歴史的建遣物や自然環境 の残 る地域を指す ことが多 い。 しか しながらそこは単なる自然の景勝地でもな ければ古い町並みがあるだけでもない。「 自然的景 側 と「歴史的景観」 そして時には「現代的畑 が融合 したとき、人々はそこに京都 をみる。 京都 とはなにか、それを色に例えようとするとき、 「 緑色」 と「茶色」 が群 を抜いて多数 を占めるのは 偶然ではないであろう。果たして、自然が緑色で歴 史が茶色 であるかは未来永劫謎であるとしても、我 々現代人 は今 この京都 の景観 を維持す るため、茶色 の力 に頼 ろうとしている。茶色の風景を創 ろうとし ている。それはもしかすると、将来 この風景が「歴 史的景観」 として語 られる日を指向 しているのかも しれない。 最後に御指導いただいた渡辺仁史先生と研究室の 皆 さんに謝意を表する。


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茶色のある街 京都を歩く  

1991年度,卒業論文,布家直樹